説明

X線分析装置及びX線分析方法

【課題】試料を微細に加工することなく、容易に3次元イメージ画像を得る。
【解決手段】X線が発せられるX線源と、前記X線を遮蔽する基材に、前記X線が透過する透過窓と前記透過窓よりも小さく前記X線の可干渉となる位置に設けられた複数の参照穴を有するマスク部と、前記マスク部を透過したX線が照射される試料と、前記試料を支持する試料支持部材と、を有する観察用試料部と、前記X線が照射された試料により生じる散乱X線と前記参照穴を通過した参照X線との干渉により生じたホログラムと、前記複数の参照穴を通過した参照X線同士の干渉により生じたホログラムを検出する検出器と、前記検出器により得られた前記参照X線同士の干渉によるホログラムに基づき前記試料の3次元イメージ画像を得るための処理を行う処理部と、を備えることを特徴とするX線分析装置により上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線分析装置及びX線分析方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子やスピン等を用いたナノデバイスの開発においては、動作している状態の電子デバイスを、数十nm程度の分解能を有する分析装置及び分析方法により観察することが必要となる。このような電子デバイスの多くは、薄膜を積層した構造を有しており、このため、電子デバイスが動作している内部の領域を非破壊で観察することが望まれている。
【0003】
一方、近年において、干渉性X線を試料に照射し、試料により散乱された散乱X線より、試料の内部構造や試料の動作等についてイメージングする技術が進んでいる。特に、フーリエホログラフィー法は、試料の近傍に参照穴を設け、参照X線と試料により生じる散乱X線とを干渉させホログラムを形成し、形成されたホログラムをフーリエ変換することにより、試料の内部構造のイメージ画像を得ることのできる方法である。これにより試料を破壊することなく、試料の内部構造のイメージ画像を容易に得ることができ、また、試料に照射されるX線を走査することなく、迅速に試料のイメージ画像を得ることができるという利点を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−283471号公報
【特許文献2】特開2008−197240号公報
【特許文献3】特開2011−99839号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】"Lensless imaging of magnetic nanostructures by X-ray spectro-holography", S. Eisebitt et.al., Nature, v432, (2004), p.885-888
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献3等に記載されている方法において、3次元のイメージ画像を得ようとした場合、試料を回転させて複数の2次元イメージ画像を取得し、取得した2次元イメージ画像に基づきラドン変換することにより3次元イメージを得る方法が考えられる。
【0007】
この場合、複数の2次元イメージ画像を取得する際に、試料を支持する試料支持部材はX線を多少なりともX線を吸収するため、試料支持部材及び試料に参照X線が照射されないように、試料支持部材を微細に加工する必要がある。しかしながら、試料支持部材を例えば、ミクロンオーダーで微細に加工することは極めて困難であるため、試料の3次元イメージを得ることが困難なものとなっていた。
【0008】
よって、干渉性X線を用いたフーリエホログラフィー法において、試料を支持する試料支持部材において微細な加工を施すことなく、試料の3次元イメージ画像を容易に得ることのできるX線分析装置及びX線分析方法が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本実施の形態の一観点によれば、X線が発せられるX線源と、前記X線を遮蔽する基材に、前記X線が透過する透過窓と前記透過窓よりも小さく前記X線の可干渉となる位置に設けられた複数の参照穴を有するマスク部と、前記マスク部を透過したX線が照射される試料と、前記試料を支持する試料支持部材と、を有する観察用試料部と、前記X線が照射された試料により生じる散乱X線と前記参照穴を通過した参照X線との干渉により生じたホログラムと、前記複数の参照穴を通過した参照X線同士の干渉により生じたホログラムを検出する検出器と、前記検出器により得られた前記参照X線同士の干渉によるホログラムに基づき前記試料の3次元イメージ画像を得るための処理を行う処理部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本実施の形態の他の一観点によれば、X線を遮蔽する基材にX線の透過窓と前記透過窓よりも小さく前記X線の可干渉となる位置に設けられた複数の参照穴とを有するマスク部を透過して前記X線を試料に照射する工程と、前記X線に照射された試料により生じる散乱X線と前記参照穴を通過した参照X線との干渉により生じたホログラムと、前記複数の参照穴を通過した参照X線同士の干渉により生じたホログラムを検出する工程と、
前記参照X線同士の干渉によるホログラムに基づき前記試料の3次元イメージ画像を得るための処理を行う工程と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
開示のX線分析装置及びX線分析方法によれば、試料を支持する試料支持部材において微細な加工を施すことなく、試料の3次元イメージ画像を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】比較例によるX線分析装置の構造図
【図2】図1に示すX線分析装置におけるX線吸収部と観察用試料部の側面図
【図3】図1に示すX線分析装置におけるX線吸収部の正面図
【図4】観察用試料部を回転させる場合の説明図(1)
【図5】観察用試料部を回転させる場合の説明図(2)
【図6】第1の実施の形態におけるX線吸収部の正面図
【図7】第1の実施の形態におけるX線分析装置の構造図
【図8】図3に示すX線吸収部を用いた場合に得られる2次元イメージ画像
【図9】図6に示すX線吸収部を用いた場合に得られる2次元イメージ画像
【図10】第1の実施の形態におけるX線吸収部の説明図
【図11】第1の実施の形態における他のX線分析装置の構造図
【図12】第2の実施の形態におけるX線吸収部の正面図
【図13】図12に示すX線吸収部を用いた場合に得られる2次元イメージ画像
【図14】第2の実施の形態におけるX線吸収部の説明図
【図15】第3の実施の形態におけるX線分析方法のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施するための形態について、以下に説明する。尚、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0014】
〔比較例〕
最初に、図1に基づき、2次元イメージ画像を得るための比較例によるX線分析装置について説明する。このX線分析装置は、X線フーリエホログラフィー法を利用するものであり、X線源11、モノクロメータ14、シャッター15、X線コリメータ12、X線吸収部(マスク部)20、観察用試料部30、検出器13等を有している。
【0015】
X線源11は、干渉性X線を発するものであり、具体的には、X線管球、ローター型X線光源、放射光源、軟X線レーザ、自由電子レーザ(Free Electron Laser;FEL)等のX線を発生するものである。X線源11より発せられた干渉性X線は、後述するX線コリメータ12によりコリメートされ、X線吸収部20及び観察対象となる観察用試料部30に照射される。
【0016】
モノクロメータ14は、X線の波長を略均一にするためのものであり、X線源11からのX線を単色化するものである。
【0017】
シャッター15は、X線を透過しない金属材料等により形成されており、開閉により、検出器13による計測時以外におけるX線を遮断することができる。
【0018】
X線コリメータ12は、試料領域以外のX線を遮蔽するためのものである。
【0019】
検出器13は、CCD(Charge Coupled Device)等の2次元のイメージングデバイス(撮像デバイス)により形成されており、後述する試料32により生じた散乱X線と参照穴23から入射したX線との干渉により形成されるホログラムを検出するものである。尚、検出器13は、2次元のイメージングデバイス以外でも、1次元の撮像デバイスを走査させるものであってもよい。
【0020】
X線吸収部20は、第1ステージ29に設置されており、第1ステージ29によりX線吸収部20をX軸方向、Y軸方向の2次元に移動させることが可能である。
【0021】
観察用試料部30は、第2ステージ39に設置されており、第2ステージ39により、観察用試料部30を回転させることにより、試料32を所定の方位となるようにすることができる。また、第2ステージ39は、観察用試料部30をX軸方向、Y軸方向、Z軸方向の3次元に移動させることが可能である。尚、後述する本発明における実施の形態では、第2ステージ39を試料回転部と記載する場合がある。
【0022】
また、X線源11、シャッター15、X線コリメータ12、第1ステージ29及び第2ステージ39はコントローラ16を介し、処理部となるコンピュータ17に接続されており、コントローラ16を介し各々の制御が行われる。検出器13は、検出器コントローラ18を介しコンピュータ17に接続されており、検出器13において得られたホログラムに基づき、コンピュータ17においてフーリエ変換を行う。これにより試料32における内部構造のイメージ画像を得ることができ、コンピュータ17の表示部19において試料32における内部構造のイメージ画像を表示することができる。
【0023】
図2に示すように、このX線分析装置では、X線吸収部20と観察用試料部30とは分離して形成されている。X線吸収部20には、図3にも示されるように、X線を透過しないAu、Pt等により形成される金属層21に、一辺が約2μmの略正方形状のX線透過窓22と、直径が約0.05μmの略円形の形状の参照穴23が形成されている。X線透過窓22と参照穴23との相対的な位置は、X線源11より照射されるX線可干渉距離を考慮した最適な位置に設けられている。観察用試料部30には、X線を透過するSiN、SiC、有機材料等により形成される試料支持部材31となる支持膜上に観察対象となる試料32が設置されている。
【0024】
図8は、図3に示す1つの参照穴23が設けられたX線吸収部20を用いて得られたホログラムをフーリエ変換した画像であり、試料32の2次元イメージ画像52が得られる。
【0025】
図1に示すX線分析装置において、試料32の3次元イメージ画像を得るため、観察用試料部30を回転させた場合、回転させることにより参照X線が透過する試料支持部材31の距離が変化するため、試料支持部材31を透過した参照X線の強度が変化する。即ち、参照X線は試料支持部材31を透過することにより弱められるが、参照X線が試料支持部材31を透過する距離が変化することによりX線の吸収量が変化するため、回転させることにより観察用試料部30から出る参照X線の強度が変化してしまう。このため連続性のある2次元イメージ画像を得ることができない。
【0026】
このことを、より詳細に図4に基づき説明する。図4に示すように、例えば、観察用試料部30を図4(a)、図4(b)、図4(c)の順に回転させた場合、観察用試料部30には、X線吸収部20におけるX線透過窓22を通ったX線22xと、参照穴23を通った参照X線23xとが照射される。参照X線23xは、試料支持部材31を透過することにより強度が弱まり、参照X線23xとなるが、観察用試料部30を回転させた場合、参照X線23xの強度は変化する。即ち、観察用試料部30を回転させることにより、照射された参照X線が試料支持部材31を透過する距離が変化するため、これにより試料支持部材31を透過した後の参照X線23xの強度は変化する。従って、X線22xが試料32により散乱された散乱X線22xと参照X線23xとの干渉によるホログラムにより得られる2次元イメージ画像は、参照X線23xの強度が変化しているため連続性がない。このように連続性のない2次元イメージ画像では、ラドン変換による3次元イメージ画像を得ることはできない。ここで、ラドン(Radon)変換とは、X線CT等において用いられる方法であり、複数の2次元画像データに基づき、3次元画像データを得ることのできる方法である。
【0027】
尚、図5に示すように、観察用試料部30における試料支持部材31を小さく形成し、参照X線23xが試料支持部材31に照射されないようにすることも可能であるが、前述したように、試料支持部材31を小さくする微細加工は極めて困難であり実用的ではない。
【0028】
〔第1の実施の形態〕
(X線分析装置)
次に、本発明のおける第1の実施の形態におけるX線分析装置について説明する。本実施の形態におけるX線分析装置は、図6に示すX線吸収部120を用いたものであり、図7に示すように、図1に示すX線吸収部20に代えてX線吸収部120を設置したものである。本実施の形態におけるX線分析装置におけるX線吸収部120には、X線透過窓22と3つの参照穴123a、123b、123cが設けられている。尚、X線吸収部120は、X線吸収部20と同様の材料で形成されており、参照穴123a、123b及び123cは、X線吸収部20における参照穴23と同様に形成されている。また、3つの参照穴123a、123b、123cは全て略同じ大きさで形成されている。
【0029】
図9は、図6に示す3つの参照穴123a、123b、123cが設けられたX線吸収部120、即ち、本実施の形態におけるX線分析装置に用いられるX線吸収部を用いて得られたホログラムをフーリエ変換した画像である。
【0030】
図9に示す場合では、試料32の2次元イメージ画像152a、152b、152cの他、参照X線同士の干渉による干渉イメージ像153ab、153bc、153acが得られる。
【0031】
X線吸収部120について、図10に基づき、より詳細に説明する。X線吸収部120は、X線透過窓22の他に、3つの参照穴123a、123b、123cを有している。これらの参照穴123a、123b、123cを通過した後の参照X線123xa、123xb、123xcは、試料支持部材31を透過することにより弱められ参照X線123xa、123xb、123xcとなる。この参照X線123xa、123xb、123xcと試料32により散乱された散乱X線22xaとが干渉することにより、図9に示されるように、試料32の2次元イメージ画像152a、152b、152cとなるホログラムが形成される。また、参照X線123xa、123xb、123xc同士が干渉することにより、図9に示されるように、干渉イメージ像153ab、153bc、153acとなるホログラムが形成される。
【0032】
本実施の形態では、干渉イメージ像153ab、153bc、153acの強度に基づき試料支持部材31を透過した後の参照X線123xa、123xb、123xcを算出し、参照X線の強度補正を行なう。具体的には、試料支持部材31を透過した後の参照X線123xa、123xb、123xcの強度に基づき参照X線123xa、123xb、123xcとなるように補正をする。この場合、予め参照X線123xa、123xb、123xcの強度は測定されているものとする。また、試料支持部材31を透過した後の参照X線123xa、123xb、123xcの強度に基づき参照X線の強度を各々一定の値となるように規格化してもよい。これにより、試料32を回転させた場合においても、連続性を有する複数の2次元イメージ画像を得ることができる。このようにして得られた連続性を有する複数の2次元イメージ画像に基づきラドン変換することにより、試料32の3次元イメージ画像を得ることができる。
【0033】
次に、干渉イメージ像153ab、153bc、153acに基づき、試料支持部材31を通過した後の参照X線123xa、123xb、123xcの強度を得る方法について説明する。
【0034】
本実施の形態において、参照X線123xa、123xb、123xcの強度を算出する際には、数1に示すフレネル・キルヒホッフの回折積分式(M. Born and E. Wolf, Principles of optics, 6th ed., Pergamon Press, Oxford, 1987)を用いる。尚、X線の出射位置(x、y、0)における電場をEとし、検出器13における検出位置(x、y、z)における電場をEとする。尚、電場E、Eの2乗がX線強度となる。
【0035】
【数1】

【0036】
上記の数1に示す式により、下記に示す3つの干渉イメージ像153ab、153bc、153acに対応する数2から数4に示す3つの式を得ることができる。尚、|E2ABをフーリエ変換することにより干渉イメージ像153abが得られ、|E2BCをフーリエ変換することにより干渉イメージ像153bcが得られ、|E2ACをフーリエ変換することにより干渉イメージ像153acが得られる。また、座標位置(x1A、y1A、0)における参照X線123xaの電場をE1Aとし、座標位置(x1B、y1B、0)における参照X線123xbの電場をE1Bとし、座標位置(x1C、y1C、0)における参照X線123xcの電場をE1Cとする。上述のとおり、|E2AB、|E2BC、|E2ACをフーリエ変換することにより各々の干渉イメージ像153ab、153bc、153acが得られるため、電場E2AB、E2BC、E2ACは知ることができる。従って、数2から数4に示す式において、未知数は3つの電場E1A、E1B、E1Cとなり、未知数となる3つの電場E1A、E1B、E1Cは、数2から数4に示す3つの連立方程式より算出することができる。
【0037】
尚、座標位置(x1A、y1A、0)、(x1B、y1B、0)、(x1A、y1A、0)は、試料支持部材31を透過した直後の参照X線123xa、123xb、123xcにおける座標位置を示す。また、(x2H、y2H、z)は、受光器13において検出されるホログラムの座標位置を示す。
【0038】
【数2】

【0039】
【数3】

【0040】
【数4】

【0041】
数2から数4に示す式に基づき、電場E1A、E1B、E1Cを算出し、これに基づき、参照X線123xa、123xb、123xcの強度を算出することができる。更に、この算出された参照X線123xa、123xb、123xcの強度に基づき、参照X線123xa、123xb、123xcとなるように補正をすることにより、連続性を有する試料32の2次元イメージ画像を得ることができる。このようにして得られる連続性を有する複数の2次元イメージ画像をラドン変換することにより試料32の3次元イメージ画像を得ることができる。これらの処理については、処理部となるコンピュータ17等において行なわれる。
【0042】
尚、本実施の形態では、参照穴が3つの場合について説明したが、参照穴を3以上設けてもよい。例えば、参照穴が4つ設けた場合には、参照X線同士の干渉イメージ像は6種類発生するため6つの式が得られ、参照穴が5つ設けた場合には、参照X線同士の干渉イメージ像は10種類発生するため10個の式を導くことができる。このため、参照穴が4以上の場合では、参照穴の数よりも、参照X線同士の干渉イメージ像により得られる式の方が多いため、試料支持部材31を透過した後の参照X線の強度を各々算出することができる。
【0043】
以上より、本実施の形態では、試料支持部材31を微細に加工することなく試料32の3次元イメージ画像を容易に得ることができる。
【0044】
(他のX線分析装置)
また、本実施の形態におけるX線分析装置の変形例としては、図11に示す構造のものであってもよい。図11に示すX線分析装置は、X線源11より連続X線を出射するものであり、X線源11より出射された連続X線はモノクロメータ161により単色化される。単色化されたX線は、コヒーレンスフィルタとして機能するピンホール162を通った後、X線吸収部120に照射される。X線源11から出射されるX線は干渉性の高いX線が好ましく、例えば、放射光X線が好ましい。また、ピンホール162は、開口が数μm〜20μmφであるものが好ましい。X線吸収部120は、Au、Pt、Ir、W、Ta等の原子番号が大きく、高密度な材料の膜により形成されており、この膜に、X線透過窓22と3つの参照穴123a、123b、123cが設けられている。
【0045】
X線吸収部120におけるX線透過窓22を通ったX線は、観察用試料部30における試料32に照射される。観察用試料部30は、試料回転部となるステージ40に設置されており、観察用試料部30を回転させ所定の角度とすることができる。観察用試料部30において散乱された散乱X線と3つの参照穴123a、123b、123cを通った参照X線123xa、123xb、123xcは干渉し、検出部13においてホログラムが形成される。
【0046】
ここで、SiとAuについて、700eVのエネルギーのX線における1μmの厚さのX線透過率を比較すると、Siは3×10−1であるのに対し、Auは2×10−8であり、Auの方が効率よくX線を遮蔽することができる。尚、Siは原子番号が14で密度が2.3(g/cm)であり、Auは原子番号が79で密度が19.3(g/cm)である。
【0047】
また、X線吸収部120の厚さは、軟X線を用いる場合には0.5〜2μm程度が好ましく、硬X線を用いる場合には1〜10μm程度が好ましい。X線吸収部120の厚さは、薄すぎるとX線を十分遮蔽することができず、厚すぎると参照穴123a、123b、123cを形成することが困難となり、イメージ画像の空間分解能が低下する。参照穴123a、123b、123cはすべて同じ大きさで形成されていることが好ましく、0.05〜0.3μmφ程度が好ましい。
【0048】
尚、ステージ40等により、観察用試料部30はX線吸収部120に対し相対的に移動させることが可能であり、所望の領域の2次元イメージ画像を得ることができる。
【0049】
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、X線吸収部に2つの参照穴を設けた構造のものである。
【0050】
本実施の形態におけるX線吸収部について、図12に基づき説明する。本実施の形態におけるX線吸収部220には、X線透過窓22と2つの参照穴123a、123bが設けられている。尚、X線吸収部220は、X線吸収部20と同様の材料で形成されており、参照穴123a及び123bは、X線吸収部20における参照穴23と同様に形成されている。また、2つの参照穴123a、123bは略同じ大きさで形成されている。本実施の形態におけるX線分析装置は、第1の実施の形態におけるX線分析装置において、X線吸収部120に代えて、X線吸収部220を設置したものである。
【0051】
図13は、図12に示す2つの参照穴123a、123bが設けられたX線吸収部220、即ち、本実施の形態におけるX線分析装置に用いられるX線吸収部220を用いて得られたホログラムをフーリエ変換した画像である。
【0052】
図13に示す場合では、試料32の2次元イメージ画像152a、152bの他、参照X線同士の干渉による干渉イメージ像153abが得られる。
【0053】
X線吸収部220について、図14に基づき、より詳細に説明する。X線吸収部120は、X線透過窓22の他に、2つの参照穴123a、123bを有している。これらの参照穴123a、123bを通過した後の参照X線123xa、123xbは、試料支持部材31を透過することにより弱められ参照X線123xa、123xbとなる。この参照X線123xa、123xbと試料32により散乱された散乱X線22xaとが干渉することにより、図13に示されるように、試料32の2次元イメージ画像152a、152bとなるホログラムが形成される。また、参照X線123xa、123xb同士が干渉することにより、図13に示されるように、干渉イメージ像153abが形成される。
【0054】
本実施の形態では、2次元イメージ画像152a、152b及び干渉イメージ像153abの強度に基づき試料支持部材31を透過した後の参照X線123xa、123xbを算出し、参照X線の強度補正を行なう。具体的には、試料支持部材31を透過した後の参照X線123xa、123xbの強度に基づき参照X線123xa、123xbとなるように補正をする。この場合、参照X線123xa、123xbの強度は、予め測定されているものとする。また、試料支持部材31を透過した後の参照X線123xa、123xbの強度に基づき参照X線の強度を各々一定の値となるように規格化してもよい。これにより、試料32を回転させた場合においても、連続性を有する複数の2次元イメージ画像を得ることができる。このようにして得られた連続性を有する複数の2次元イメージ画像に基づきラドン変換することにより、試料32の3次元イメージ画像を得ることができる。
【0055】
次に、2次元イメージ画像152a、152b及び干渉イメージ像153abに基づき、試料支持部材31を通過した後の参照X線123xa、123xbの強度を得る方法について説明する。
【0056】
前述した数1に示す式により、干渉イメージ像153ab及び2次元イメージ画像152a、152bに対応する下記の数5から数7に示す3つの式を得ることができる。尚、|E2ABをフーリエ変換することにより干渉イメージ像153abが得られ、|E2A0をフーリエ変換することにより2次元イメージ画像152aが得られ、|E2B0をフーリエ変換することにより2次元イメージ画像152bが得られる。また、座標位置(x1A、y1A、0)における参照X線123xaの電場をE1Aとし、座標位置(x1B、y1B、0)における参照X線123xbの電場をE1Bとし、座標位置(x10、y10、0)における散乱X線22xの電場をE10とする。上述のとおり、電場E2AB、E2A0、E2B0をフーリエ変換することにより、干渉イメージ像153ab、2次元イメージ画像152a、152bが得られることから、|E2AB、|E2A0、|E2B0は知ることができる。よって、数5から数7に示す式において、未知数は3つの電場E1A、E1B、E10となり、未知数となる3つの電場E1A、E1B、E10は、数5から数7に示す3つの連立方程式より算出することができる。
【0057】
尚、座標位置(x1A、y1A、0)、(x1B、y1B、0)、(x10、y10、0)は、試料支持部材31を透過した直後の参照X線123xa、123xb及び散乱X線22xにおける座標位置を示す。また、(x2H、y2H、z)は、受光器13において検出されるホログラムの座標位置を示す。
【0058】
【数5】

【0059】
【数6】

【0060】
【数7】

【0061】
数5、数6、数7に示す式に基づき、電場E1A、E1B、E10を算出し、これに基づき、参照X線123xa、123xbの強度を算出することができる。更に、この算出された参照X線123xa、123xbの強度に基づき、参照X線123xa、123xbとなるように補正をすることにより、連続性を有する試料32の2次元イメージ画像を得ることができる。このようにして得られる連続性を有する複数の2次元イメージ画像をラドン変換することにより試料32の3次元イメージ画像を得ることができる。
【0062】
尚、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。
【0063】
〔第3の実施の形態〕
次に、第3の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態におけるX線分析装置を用いて、試料32の3次元イメージ画像を得るX線分析方法である。図15に基づき本実施の形態におけるX線分析方法について説明する。
【0064】
最初に、ステップ102(S102)において、初期設定を行なう。本実施の形態では、試料32の複数の2次元イメージ画像をラドン変換することにより、試料32の3次元イメージ画像を得るものである。よって、取得される2次元イメージ画像の数をカウントするカウンタの値nを最初にn=1として設定する。
【0065】
次に、ステップ104(S104)において、試料32にX線を照射し、試料32により散乱された散乱X線と複数の参照穴を通った参照X線による干渉により生じたホログラムを検出器13により検出する。この際、参照X線同士の干渉により生じたホログラムを検出器13により検出する。例えば、参照穴123a、123b、123cを通過した参照X線123xa、123xb、123xcは、試料支持部材31を透過し参照X線123xa、123xb、123xcとなり、散乱X線と干渉する。この際、参照X線123xa、123xb、123xc同士も干渉する。
【0066】
次に、ステップ106(S106)において、検出器13により検出されたホログラムをフーリエ変換する。
【0067】
次に、ステップ108(S108)において、フーリエ変換により得られた3つの干渉イメージ像153ab、153bc、153acの強度を取得する。
【0068】
次に、ステップ110(S110)において、例えば3つの干渉イメージ像153ab、153bc、153acの強度及び数2から数4に示す式に基づき各々の参照X線123xa、123xb、123xcの強度を算出する。このように算出された参照X線123xa、123xb、123xcの強度に基づき、参照X線123xa、123xb、123xcとなるように補正をする。尚、予め参照X線123xa、123xb、123xcの強度は測定されているものとする。また、この際、試料支持部材31において吸収された参照X線の吸収量も同時に知ることができる。
【0069】
次に、ステップ112(S112)において、補正された参照X線123xa等に基づき、2次元イメージ画像を取得する。この2次元イメージ画像は、参照X線が試料支持部材31を透過していない状態において得られる2次元イメージ画像と同様のものである。
【0070】
次に、ステップ114(S114)において、観察用試料部30を第2ステージ39等により、試料32を所定の角度回転させることにより、試料32が所定の方位となるようにする。回転させる角度は、例えば、取得される2次元イメージ画像の数をNである場合、2π/Nである。
【0071】
次に、ステップ116(S116)において、nに1を加える。
【0072】
次に、ステップ118(S118)において、nの値がNよりも小さいか否かが判断される。上述したように、Nは角度を変えながら取得される2次元イメージ画像の数である。nの値がNよりも小さいと判断された場合には、ステップ104に移行する。nの値がNよりも小さいくないと判断された場合、即ち、nの値がN以上であると判断された場合には、ステップ120に移行する。
【0073】
次に、ステップ120(S120)において、試料32の角度を変えて得られたN個の2次元イメージ画像をラドン変換することにより、試料32の3次元イメージ画像を取得する。
【0074】
以上により、本実施の形態におけるX線分析方法により、試料32の3次元イメージ画像を得ることができる。尚、本実施の形態は、第2の実施の形態についても適用することができる。この場合、干渉イメージ像153abの強度と2つの2次元イメージ画像152a、152bの強度及び数5から数7に示す式に基づき各々の参照X線123xa、123xbの強度を算出する。このように算出された参照X線123xa、123xbの強度に基づき、開口穴123a、123bを透過した直後の参照X線123xa、123xbの強度を補正する。
【0075】
以上、実施の形態について詳述したが、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。例えば、上述した実施の形態では、試料支持部材による参照X線の吸収により3次元イメージ取得が困難となる場合を例示して説明したが、試料支持部材上に搭載された試料による参照X線の吸収により3次元イメージ化が困難となる場合においても本発明の適用が可能である。
【0076】
上記の説明に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
X線が発せられるX線源と、
前記X線を遮蔽する基材に、前記X線が透過する透過窓と前記透過窓よりも小さく前記X線の可干渉となる位置に設けられた複数の参照穴を有するマスク部と、
前記マスク部を透過したX線が照射される試料と、前記試料を支持する試料支持部材と、を有する観察用試料部と、
前記X線が照射された試料により生じる散乱X線と前記参照穴を通過した参照X線との干渉により生じたホログラムと、前記複数の参照穴を通過した参照X線同士の干渉により生じたホログラムを検出する検出器と、
前記検出器により得られた前記参照X線同士の干渉によるホログラムに基づき前記試料の3次元イメージ画像を得るための処理を行う処理部と、
を備えることを特徴とするX線分析装置。
(付記2)
前記処理部は、前記複数の参照穴からの参照X線同士の干渉による干渉イメージ像の強度に基づき、前記試料支持部材及び前記試料の少なくともいずれかを透過した後の参照X線の強度を算出することを特徴とする付記1に記載のX線分析装置。
(付記3)
前記試料を所定の角度回転させる試料回転部を備え、
前記試料回転部により前記試料を回転させ、所定の角度ごとの複数の前記試料の2次元イメージ画像を得ることを特徴とする付記1または2に記載のX線分析装置。
(付記4)
前記処理部は、前記試料支持部材及び前記試料の少なくともいずれかを透過した後の参照X線の強度を算出することにより前記試料の2次元イメージの強度を補正することを特徴とする付記2または3に記載のX線分析装置。
(付記5)
前記処理部は、強度補正された前記試料の2次元イメージ画像をラドン変換することにより前記試料の3次元イメージ画像を得ることを特徴とする付記4に記載のX線分析装置。
(付記6)
前記X線吸収部に設けられている前記参照穴は3つであることを特徴とする付記1から5のいずれかに記載のX線分析装置。
(付記7)
複数の前記参照穴の大きさは略等しいことを特徴とする付記1から6のいずれかに記載のX線分析装置。
(付記8)
X線を遮蔽する基材にX線の透過窓と前記透過窓よりも小さく前記X線の可干渉となる位置に設けられた複数の参照穴とを有するマスク部を透過して前記X線を試料に照射する工程と、
前記X線に照射された試料により生じる散乱X線と前記参照穴を通過した参照X線との干渉により生じたホログラムと、前記複数の参照穴を通過した参照X線同士の干渉により生じたホログラムを検出する工程と、
前記参照X線同士の干渉によるホログラムに基づき前記試料の3次元イメージ画像を得るための処理を行う工程と、を備えることを特徴とするX線分析方法。
(付記9)
試料支持部材に支持された試料により散乱された散乱X線と、3以上の参照穴より照射され前記試料支持部材を透過した参照X線との干渉により生じたホログラムを検出器により検出する工程と、
前記ホログラムをフーリエ変換することにより、前記参照X線同士の干渉による3つ以上の干渉イメージ像の強度を取得する工程と、
前記3つ以上の干渉イメージ像の各々の強度に基づき、前記試料支持部材を透過した前記参照X線の強度を算出し、前記算出された強度に基づき補正された参照X線による前記試料の2次元イメージ画像を得る工程と、
前記試料を所定の角度回転させる度に、前記検出器により検出する工程、前記干渉イメージ像の強度を取得する工程と、前記試料の2次元イメージ画像を得る工程を行ない、前記補正された参照X線による角度ごとの前記試料の2次元イメージ画像を複数得る工程と、
前記試料の角度ごとに得られる複数の前記2次元イメージ画像をラドン変換することにより前記試料の3次元イメージ画像を得る工程と、
を有することを特徴とするX線分析方法。
(付記10)
前記X線吸収部に設けられている前記参照穴は3つであることを特徴とする付記9に記載のX線分析方法。
(付記11)
前記参照X線の強度の補正は、前記試料支持部材を透過した3つの前記参照X線の強度と、3つの前記干渉イメージ像の強度との関係に基づき、前記試料支持部材を透過した前記参照X線の強度を算出し、
前記試料支持部材を透過した前記参照X線の強度に基づき、前記試料支持部材を透過する前の前記参照X線の強度となるように補正するものであることを特徴とする付記10に記載のX線分析方法。
(付記12)
試料支持部材に支持された試料により散乱された散乱X線と、2つの参照穴より照射され前記試料支持部材を透過した参照X線との干渉及び、前記参照X線同士の干渉により生じたホログラムを前記検出器により検出する工程と、
前記ホログラムをフーリエ変換することにより前記参照X線同士の干渉による干渉イメージ像の強度及び2つの前記試料の2次元イメージ画像の強度を取得する工程と、
前記干渉イメージ像の強度及び2つの前記2次元イメージ画像の強度に基づき、前記試料支持部材を透過した前記参照X線の強度を算出し、前記算出された強度に基づき補正された参照X線による前記試料の2次元イメージ画像を得る工程と、
前記試料を所定の角度回転させる度に、前記検出器により検出する工程、前記干渉イメージ像の強度を取得する工程と、前記試料の2次元イメージ画像を得る工程を行ない、前記補正された参照X線による角度ごとの前記試料の2次元イメージ画像を複数得る工程と、
前記試料の角度ごとに得られる複数の2次元イメージ画像をラドン変換することにより前記試料の3次元イメージ画像を得る工程と、
を有することを特徴とするX線分析方法。
(付記13)
前記参照X線の強度の補正は、前記試料支持部材を透過した2つの前記参照X線の強度及び前記試料に照射されるX線の強度と、前記干渉イメージ像の強度及び2つの2次元イメージ画像の強度との関係に基づき、前記試料支持部材を透過した前記参照X線の強度を算出し、
前記試料支持部材を透過した前記参照X線の強度に基づき、前記試料支持部材を透過する前の前記参照X線の強度となるように補正するものであることを特徴とする付記12に記載のX線分析方法。
(付記14)
観察用試料部に設置された試料により散乱された散乱X線と、2以上の参照穴より照射され前記試料支持部材を透過した参照X線との干渉及び前記参照X線同士の干渉により生じたホログラムを検出器により検出する工程と、
前記ホログラムをフーリエ変換することにより前記参照X線同士の干渉による干渉イメージ像の強度または前記試料の2次元イメージ画像の強度を取得する工程と、
前記干渉イメージ像の強度に基づき、前記観察用試料部における参照X線の吸収量を算出する工程と、
を有することを特徴とするX線分析方法。
【符号の説明】
【0077】
11 X線源
12 X線コリメータ
13 検出器
14 モノクロメータ
15 シャッター
16 コントローラ
17 コンピュータ
18 検出器コントローラ
19 表示部
20 X線吸収部
21 金属層
22 X線透過窓
23 参照穴
24 フレーム
25 試料支持部材(支持膜)
29 第1ステージ
30 観察用試料部
31 支持膜
32 試料
39 第2ステージ(試料回転部)
120 X線吸収部
123a、123b、123c 参照穴
152a、152b、152c 試料の2次元イメージ画像
153ab、153bc、153ac 干渉イメージ像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線が発せられるX線源と、
前記X線を遮蔽する基材に、前記X線が透過する透過窓と前記透過窓よりも小さく前記X線の可干渉となる位置に設けられた複数の参照穴を有するマスク部と、
前記マスク部を透過したX線が照射される試料と、前記試料を支持する試料支持部材と、を有する観察用試料部と、
前記X線が照射された試料により生じる散乱X線と前記参照穴を通過した参照X線との干渉により生じたホログラムと、前記複数の参照穴を通過した参照X線同士の干渉により生じたホログラムを検出する検出器と、
前記検出器により得られた前記参照X線同士の干渉によるホログラムに基づき前記試料の3次元イメージ画像を得るための処理を行う処理部と、
を備えることを特徴とするX線分析装置。
【請求項2】
前記処理部は、前記複数の参照穴からの参照X線同士の干渉による干渉イメージ像の強度に基づき、前記試料支持部材及び前記試料の少なくともいずれかを透過した後の参照X線の強度を算出することを特徴とする請求項1に記載のX線分析装置。
【請求項3】
前記試料を所定の角度回転させる試料回転部を備え、
前記試料回転部により前記試料を回転させ、所定の角度ごとの複数の前記試料の2次元イメージ画像を得ることを特徴とする請求項1または2に記載のX線分析装置。
【請求項4】
前記処理部は、前記試料支持部材及び前記試料の少なくともいずれかを透過した後の参照X線の強度を算出することにより前記試料の2次元イメージの強度を補正することを特徴とする請求項2または3に記載のX線分析装置。
【請求項5】
前記処理部は、強度補正された前記試料の2次元イメージ画像をラドン変換することにより前記試料の3次元イメージ画像を得ることを特徴とする請求項4に記載のX線分析装置。
【請求項6】
X線を遮蔽する基材にX線の透過窓と前記透過窓よりも小さく前記X線の可干渉となる位置に設けられた複数の参照穴とを有するマスク部を透過して前記X線を試料に照射する工程と、
前記X線に照射された試料により生じる散乱X線と前記参照穴を通過した参照X線との干渉により生じたホログラムと、前記複数の参照穴を通過した参照X線同士の干渉により生じたホログラムを検出する工程と、
前記参照X線同士の干渉によるホログラムに基づき前記試料の3次元イメージ画像を得るための処理を行う工程と、を備えることを特徴とするX線分析方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−19814(P2013−19814A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−154278(P2011−154278)
【出願日】平成23年7月12日(2011.7.12)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】