説明

X線分析装置用の事前にフィルム化された精密サンプルセル

内部にサンプル貯留部を形成している外部本体を有する分析装置のためのサンプルセル。外部本体の上端に配置され、サンプル貯留部の上端を形成している方向性充填バルブであり、充填バルブは充填の間サンプルを受け取り、サンプルの漏れを防ぐと同時に充填の後排出を提供する。外部本体の下端を覆い、サンプル貯留部の低端部を形成するフィルムであり、フィルムはサンプルを分析装置の分析焦点に設置するためにある。開示されたサンプルセルは特にサンプルセル内のサンプルのアライメントを要求する焦点を有するX線分析装置機関に適している。たとえばWDXRFまたはEDXRFシステム内で、少なくとも1つの光学素子が励起および/または検出光路上に配置され、焦点へのアライメントを要求することがある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願への相互参照>
本出願は、2007年11月30日に出願された米国特許仮出願60/991,396の権益を主張し、この仮出願は完全に本明細書に参照により組み込まれる。
【0002】
本発明は、一般的にはサンプルの解析のためのサンプル取扱セルに関し、とりわけ、特に液体サンプルのための、汚染の最小化および精密な位置取りが要求されるX線分析装置用の精密サンプルセルに関する。
【背景技術】
【0003】
液体のX線分析は、医療、医薬、および石油などの各業界において感心が高まってきている分野である。本明細書に参照により組み込まれ、本発明の譲受人であるX−Ray Optical Systems,Inc.に譲渡されている特許文献1および特許文献2において、液体サンプルの分析用の単色波長分散蛍光X線(MWD XRF)技術およびシステムが開示されている。1特定例として、これらの特許は石油系燃料中の硫黄レベルの測定技術を開示し、市販の分析装置(SINDIE)は、石油の精製、パイプライン、およびターミナル施設においてこの測定用に現在広く使用されている。
【0004】
最近、政府は、検出の限界が15ppmよりずっと低い計器の必要性の結果、ディーゼル燃料中の硫黄のレベルを15ppm未満となるよう義務付けた。SINDIE分析装置のある市販の型は1ppm未満の検出限界を示す。
【0005】
性能、再現性、および再生能力のこのレベルを維持するために、可能性のある種々の測定環境において、X線分析装置機関へのサンプルの設置を慎重に、かつ正確に完了させなければならない。サンプルはいかなる汚染も受けてはならないだけではなく、サンプルセルそのものもこのセルの重要な表面上にいかなる汚染を受けてはならない。その上、サンプルセルの排出は(特に石油に適用すると)重要な問題であり、石油を適切に封入することも重要である。サンプルセルは、通常、多くの操作の誤差の影響を受けない状態でなければならない。
【0006】
最終的には、サンプルセルは、サンプルを(以下に議論するように、z−軸に沿って)正確な距離に、必須のX線分析発光点への適切なアライメントに合うようにX線分析装置機関に設置しなければならない。このz−軸アライメントは、X線の励起および/または検出光路上の1つまたは2つの分離された光学素子の焦点の測定の検出感度(上記の組み込まれている米国特許中に開示されている、および以下に詳細に議論するような)X線分光可能な分析装置にとって非常に重要である。
【0007】
よって、要求されているものは、X線分析装置に適用するための、汚染を最小限にし、操作によって引き起こされる誤差の可能性を最小限にし、X線分析装置機関、とくにX線分光可能な分析装置機関にサンプルの正確なアライメントを提供する、正確に形成されたサンプルセルである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第6,934,359号明細書
【特許文献2】米国特許第7,072,439号明細書
【特許文献3】米国特許第6,285,506号明細書
【特許文献4】米国特許第6,317,483号明細書
【特許文献5】米国特許第7,035,374号明細書
【特許文献6】米国特許出願第11/941,377号明細書
【特許文献7】米国特許第5,192,869号明細書
【特許文献8】米国特許第5,175,755号明細書
【特許文献9】米国特許第5,497,008号明細書
【特許文献10】米国特許第5,745,547号明細書
【特許文献11】米国特許第5,570,408号明細書
【特許文献12】米国特許第5,604,353号明細書
【特許文献13】米国特許第7,110,506号明細書
【特許文献14】米国特許第7,209,545号明細書
【発明の概要】
【0009】
本発明によって、従来技術の欠点は克服され、さらなる利点が提供されているが、この本発明の1形態は、内部にサンプルの貯留部を形成する外部本体を有する解析機器用のサンプルセルである;外部本体の上端に配置されてサンプル貯留部の上端を形成している方向性充填バルブであって、充填中サンプルを受け入れ、充填後排出する間サンプルの漏れを防ぐための充填バルブと、外部本体の下端を覆い、サンプルの貯留部の底端部を形成するフィルムであって、サンプルを分析装置の分析焦点に設置するためのフィルムとを含む。本体の周囲のフィルムに対して、止め具が本体の周囲をフィルムを覆うような状態のままで、リングを使用することもある。1実施形態において、リングはサンプルセルの外部本体の内壁と外壁の間に形成された円筒状の空洞内に設置されてもよい。
【0010】
充填バルブは、サンプルを充填固定して締める間ピペットを収容するための、一方向性の、エラストマーの充填バルブであってもよい。
【0011】
サンプルセルは、特に、サンプルセル内でサンプルのアライメントを要求する焦点を有しているX線分析装置機関に適している。たとえばWDXRFまたはEDXRFシステム内に、少なくとも1つのX線光学素子が、焦点へのアライメントを要求する、励起および/または検出光路上に配置されてよい。
【0012】
組立の大部分(または全て)は、工場で行ってもよく、誤作動を除外しながら部品の互換性を保つ。汚染は、貯留部の下端の空間的に隔離されたフィルムと同様、閉めることのできる充填バルブを開けて使用することによって防げられる。よって、本発明の正確な構造およびアライメントの特性によってX線分析システムにおける正確なアライメントが確保され、したがって測定の正確さおよび信頼性が向上する。
【0013】
本発明の手法を通じてさらなる特性および利点が明確になった。本明細書に本発明のほかの実施形態および態様が詳細に記述され、主張された発明の一部とみなされる。
【0014】
明細書の終末において、本発明とみなされる対象が特に挙げられ、特許請求の範囲の中で明確に主張される。本発明の上述の、およびほかの対象物、特性および利点が、添付の図に関連付けられた以下の詳細な記述によって明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一態様にかかるサンプルセルの斜視図である。
【図2】図1のサンプルセルの断面図である。
【図3】図1のサンプルセルの上面図である。
【図4】図1のサンプルセルの底面図である。
【図5】本発明のほかの態様にかかるサンプルセルの斜視図である。
【図6】図5のサンプルセルの断面図である。
【図7】図5のサンプルセルの上面図である。
【図8】図5のサンプルセルの底面図である。
【図9】本発明のほかの態様による、X線分光可能なX線分析装置機関の焦点に調整された分析装置本発明のサンプルセルの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の第1の態様に従って、図1から図4(同様の要素は同様の符号を使用して引用される)を参照することにより、撮影前の、正確なサンプルセル10が提供される。サンプルセルは、内部のサンプル貯留部を形成している外部本体12を含み、内部のサンプル貯留部の上端は、典型的な摩擦によって密着するキャップ14によって適所に保たれている充填バルブ18を含む。
【0017】
充填バルブは一方向性、すなわち(ピペットまたは他の挿入装置による)サンプルの挿入が許されるのは1方向であり、サンプルが逆の方向にもれるのは妨げられていることが望ましい。Liquid Molding Systems社のSUREFLOまたはMEDIFLO一方向性エラストマーバルブはこのような一方向性バルブの例である。このようなバルブは、1実施形態において、サンプル貯留部の適切な排出機能を提供するように設計/選択されることもできる。
【0018】
内部のサンプル貯留部の下端は、本体12の下端13の周囲をきつく巻き付けることができるフィルム20(たとえば、マイラー)で形成され、コンフォーマルリングを用いて適所に保持されている。下端13の周辺の辺りでフィルムと本体を接着する接着剤、超音波、RF、またはほかの加熱方法ほかの取り付け手法が利用できる。フィルムはサンプルを保持するための(および、以下でさらに議論するように、サンプルセル全体を機器内部で支持するための)十分な強度を有しているように設計されており、一方でX線を、その結果蛍光X線をX線分析装置機関へ/から透過できるのが望ましい。サンプルは液体サンプル、部分的に液体のサンプル、または固体(たとえば、パウダー)サンプルであることができる。
【0019】
フィルム20はコンフォーマルリング16を用いて本体12の下端13の周辺の適所に固定されてもよい。1実施形態において、リングは、部位19に付随の面とかみ合うかかりの付いた形状のへりによって、または原理的に永久的な取り付けを提供するほかのスナップ方式によって分解を阻止または防ぐための適所にスナップ式に止まる。本発明のこの態様に従って、摩擦によって密着するキャップ14および/またはバネリング16は基本的に永久的に本体12に取り付けられるように設計されている。この永久的な取り付けはキャップ14の摩擦によって、およびリング16では1方向のバルブ19によってなされることができる。このような永久的な取り付け(すなわち、正確な組立の容易さにおいて)は充填バルブを正確に位置付けること、および/またはフィルムが正確に取り付けられることを確実にする。この正確な、出荷時に配置される取り付けは正確な位置付けを確実にし、現場における不正な変更を防ぐが、ある程度のレベルの構成素子の交換を可能にし、大量に仕入れたフィルム、および異なる種類のフィルムまたは充填バルブを切ることができる能力を含んでいる。
【0020】
本発明のほかの態様にしたがうと、リング16の端部は本体の下端13を越えてフィルムが固定され凹部17を形成している部位まで延びている。よって、サンプルセルは、表面上に設置する際、凹部の深さに対応した距離だけ表面から離れたフィルムを使用して、リング16の下端の上に置かれることができる。これは、サンプルセルを使用している間、フィルム20の外部表面の汚染を防ぐ。
【0021】
フィルム20を挿入したピペットで刺すことから防ぐために、遮断構造22を貯留部内部に配置することもできると同時にサンプルを貯留部内部で循環させることもできる。遮断構造22内の開口部24を、ある大きさの微粒子をフィルム付近の解析領域に選択的に通過させるために使用することもできる。
【0022】
ほかの特性は、X線分析装置機関内部のセルの鉛直方向の設置を補助/制御することができる平面端21、およびセルの水平方向の/回転の設置を補助/制御することができる対面15を含む。本発明の正確な大きさおよびフィルムの取り付けにより、上記で議論したように、X線分析システムにとって重要な、サンプルのZ軸方向の正確な位置取りができるようになる。
【0023】
上記で議論した本体およびほかの部品は高密度ポリエチレン(HDPE)コンパウンド、PET、またはポリプロピレンの射出成形を用いて成形することができる。
【0024】
本発明のほかの実施形態に従い、図5から図8を(同様の要素は同様の符号を使用して引用される)参照することにより、撮影前の、正確なサンプルセル110が提供される。サンプルセルは、内部のサンプル貯留部を形成している外部本体112を含み、内部のサンプル貯留部の上端は、典型的なスナップ式のキャップ114によって適所に保たれている充填バルブ118を含む。
【0025】
充填バルブは一方向性、すなわち(ピペットまたは他の挿入装置による)サンプルの挿入が許されるのは1方向であり、サンプルが逆の方向にもれるのは妨げられていることが望ましい。Liquid Molding Systems社のSUREFLOまたはMEDIFLO一方向性エラストマーバルブはこのような一方向性バルブの例である。このようなバルブは、1実施形態において、サンプル貯留部の適切な排出機能を提供するように設計/選択されることもできる。
【0026】
内部のサンプル貯留部の下端は、本体112のある下端113の周囲をきつく巻き付けることができるフィルム120(たとえば、マイラー)で形成され、コンフォーマルリング116を用いて適所に保持されている。下端113の周辺の辺りでフィルムと本体を接着する接着剤、超音波、RF、またはほかの加熱方法ほかの取り付け手法が利用できる。フィルムはサンプルを保持するための(および、以下でさらに議論するように、サンプルセル全体を機器内部で支持するための)十分な強度を有しているように設計されており、一方でX線を、その結果蛍光X線をX線分析装置機関へ/から透過できるのが望ましい。サンプルは液体サンプル、部分的に液体のサンプル、または固体(たとえば、パウダー)サンプルであることができる。
【0027】
フィルム120はコンフォーマルリング116を用いて本体112の下端113の周辺の適所に固定されてもよい。1実施形態において、リング116は、摩擦によって、たとえば本体112の一部として形成された外壁128と内壁126との間の適所に留められる。リング116は外壁128と内壁126との間に形成された円筒空洞に押し込まれ、この方法は原理的に永久的な取り付けを提供する。本発明のこの態様に従って、スナップ式キャップ114および/または摩擦リング116は基本的に永久的に本体112に取り付けられるように設計されている。リング116の永久的な取り付けはリングと、内壁および/または外壁との摩擦によってなされることができる。このような永久的な取り付け(すなわち、正確な組立の容易さにおいて)は充填バルブを正確に位置付けること、および/またはフィルムが正確に取り付けられることを確実にする。この正確な、出荷時に配置される取り付けは正確な位置付けを確実にし、現場における不正な変更を防ぐが、ある程度のレベルの構成素子の交換を可能にし、大量に仕入れたフィルム、および異なる種類のフィルムまたは充填バルブを切ることができる能力を含んでいる。
【0028】
本発明のほかの態様にしたがうと、外壁128の下端部は内壁126の下端113を越えてフィルムが固定され凹部117を形成している部位まで延びている。よって、サンプルセルは、表面上に設置する際、凹部の深さに対応した距離だけ表面から離れたフィルムを使用して、外壁128の上に置かれることができる。これは、サンプルセルを使用している間、フィルム120の外部表面の汚染を防ぐ。
【0029】
フィルム120を挿入したピペットで刺すことから防ぐために、遮断構造122を貯留部内部に配置することもできると同時にサンプルを貯留部内部で循環させることもできる。遮断構造122内の開口部124を、ある大きさの微粒子をフィルム付近の解析領域に選択的に通過させるために使用することもできる。1つの開口部、たとえば穴125は遮断構造122の底部に設置され、サンプルが上に跳ねることなくサンプルがフィルムへ入ることができる程度に十分大きく、ピペットが通ってフィルムに穴を開けるのを防ぐことができる程度に十分小さい。
【0030】
ほかの特性は、X線分析装置機関内部のセルの鉛直方向の設置を補助/制御することができる平面端121、およびセルの水平方向の/回転の設置を補助/制御することができる対面115を含む。本発明の正確な大きさおよびフィルムの取り付けにより、上記で議論したように、X線分析システムにとって重要な、サンプルのZ軸方向の正確な位置取りができるようになる。
【0031】
ある典型的な寸法を図5、7、および8に示す;すでに知られた手法と比較して、本発明におけるサンプルセルの寸法がいくぶん小さいことを示している。サンプルセルの全体の高さは約0.8インチより小さく、外周は約1.0インチより小さい。一般的に、本研究で、示されている寸法の約±25%の変動が原則として生じているとみなされる。
【0032】
本発明の第1(図1から4)と第2(図5から8)の実施形態の特性のいかなる組み合わせも、本発明の本質から逸脱することなく組み合わせることができることを当業者は認識するであろう。
【0033】
図9は典型的なMWD XRF X線分析装置機関200にサンプルセル10または110を組み合わせた概略図を示している。X線分析装置機関は、サンプルセル内にサンプルを挿入したアライメントを要求する焦点を有している。機関200は、1実施形態において、X線源210および検出器250を含む。X線光学素子220および/または240を機関の励起および/または検出光路上に設置できる。これらの光学素子は、上記で議論したように、必要不可欠な検出限界を機能させるために、サンプルの位置の高度なアライメントを要求する。このような光学素子は、たとえば、同一出願人により特許文献3、特許文献4、および特許文献5において開示されているような湾曲結晶単色光学素子;および/または同一出願人により2007年11月16日に出願された「X−Ray Focusing Optic Having Multiple Layers With Respective Crystal Orientation」という名称の特許文献6において開示されているような多層光学素子;および/または同一出願人により特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10、特許文献11、および特許文献12において開示されているようなポリキャピラリー光学素子を含む。同一出願人により特許文献13、および特許文献14に開示されているような光学素子/光源の組み合わせも使用できる。上記の特許および特許出願はそれぞれ完全に本明細書に参照により組み込まれる。
【0034】
励起および/または検出光路上の湾曲結晶単色光学素子は図9に示されており、上記で議論したSINDIE硫黄分析装置の構成である。しかし、1つの光学素子はこれらの光路のうちの1つ上にのみ存在してよく、その上正確なアライメントを要求する。1例において、上記のタイプのうちのいずれかの光学素子は励起光路上にのみ存在してよく、検出光路はエネルギー分散型検出器を含むであろう。これはエネルギー分散型蛍光X線(EDXRF)システムの一般的な構成である。
【0035】
1実施形態において、焦点へのサンプルの正確なアライメントを確実にするために、サンプルセルは、直接フィルムに接している1つまたは複数の支持体260上に置くことができるであろう。支持体の上面(図示せず)は、焦点に一致するように計器の中に位置取りされており、フィルム表面が支持体上に置かれたとき、正確なアライメントが確保される。
【0036】
本発明のサンプルセルは重要な利点を提供する。主な(またはすべての)組立は工場内で行われ、誤作動を除外しながら部品の互換性を保つ。汚染は、貯留部の下端の空間的に隔離されたフィルムと同様、閉めることのできる充填バルブを開けて使用することによって防げられる。よって、本発明の正確な構造およびアライメントの特性によってX線分析システムにおける正確なアライメントが確保され、したがって測定の正確さおよび信頼性が向上する。
【0037】
好ましい実施形態が挙げられ、詳細が記述されてきたが、本発明の本質から逸脱することなく様々な変更、追加、置換などを行うことができることは当業者にとっては明らかであり、よってこれらは以下の特許請求の範囲内で定義される発明の範囲内にあるとみなされる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析装置のためのサンプルセルであって、
外部本体であって、前記外部本体の内部にサンプル貯留部を形成している、外部本体と、
前記外部本体の上端に配置されて前記サンプル貯留部の上端を形成している方向性充填バルブであって、前記充填バルブは充填中サンプルを受け入れ、充填後排出する間サンプル漏れを防ぐ、充填バルブと、
前記外部本体の下淵を覆い、前記サンプル貯留部の底端部を形成するフィルムであって、前記フィルムは前記サンプルを前記分析装置の分析焦点に設置する、フィルムと
を含むことを特徴とするサンプルセル。
【請求項2】
前記フィルムを前記外部本体の前記下淵の周囲に固定して締めるためのリングであって、前記外部本体の前記下淵の周囲を前記フィルムの上から締め続けている、リングをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のサンプルセル。
【請求項3】
前記リングの淵部は前記フィルムが覆って締めている前記外部本体の下端を越えて延び、前記サンプルセルは表面上に設置される際前記リングの前記淵部上に置くことができ、したがって前記フィルムは前記延びのサイズに対応した距離だけ前記表面から離れることを特徴とする請求項2に記載のサンプルセル。
【請求項4】
前記外部本体は内壁と外壁を含み、前記内壁と前記外壁の間に前記リングは摩擦によって留められ、前記内壁の下淵は、周囲に前記フィルムが締められている前記外部本体の前記下淵を含むことを特徴とする請求項2に記載のサンプルセル。
【請求項5】
前記外壁は前記フィルムが覆って締めている前記内壁の前記下淵を越えて延び、前記サンプルセルは表面上に設置される際前記外壁上に置くことができ、したがって前記フィルムは前記延びのサイズに対応した距離だけ前記表面から離れることを特徴とする請求項4に記載のサンプルセル。
【請求項6】
前記充填バルブはサンプル充填の間ピペットを収容するための一方向、エラストマー充填バルブであり、前記ピペットを取り除く際に前記サンプルの漏れを防ぎ、同時に充填の際前記貯留部の排出を提供することを特徴とする請求項1に記載のサンプルセル。
【請求項7】
前記サンプル貯留部内部に形成され、前記ピペットを前記充填バルブに挿入している間、前記ピペットが前記サンプル貯留部を通過して前記フィルムに届くのを妨げるように前記充填バルブに合わせて調整された遮断構造をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載のサンプルセル。
【請求項8】
前記遮断構造は前記遮断構造を越えて少なくともサンプルの1部が循環できる構造であることを特徴とする請求項7に記載のサンプルセル。
【請求項9】
前記遮断構造は、所定のサイズの前記サンプルの粒子状の物質が前記遮断構造を越えて循環でき、同時に前記サイズを越えるサイズの粒子状の物質が前記遮断構造を越えて循環できないようにするための開口部を含むことを特徴とする請求項8に記載のサンプルセル。
【請求項10】
前記遮断構造の前記開口部のうちの1つは、前記遮断構造の底に、前記サンプルが跳ねることなく下に流れるために十分大きく、前記ピペットを前記充填バルブに挿入している間、前記ピペットが前記遮断構造を通過して前記フィルムに届くのを妨げるために十分小さい穴を備えることを特徴とする請求項9に記載のサンプルセル。
【請求項11】
前記フィルムは基本的に永久的に備え付けられたリングを使用して基本的に永久的に前記外部本体の周囲に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載のサンプルセル。
【請求項12】
前記充填バルブを適切な位置に保持するために、基本的に永久的に前記外部本体の上部に適合するキャップをさらに含むことを特徴とする請求項11に記載のサンプルセル。
【請求項13】
前記充填バルブを適切な位置に保持するために、基本的に永久的に前記外部本体の上部に適合するキャップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のサンプルセル。
【請求項14】
請求項1に記載のサンプルセルとX線分析装置機関の組み合わせであって、前記X線分析装置機関は前記サンプルセル内の前記サンプルとのアライメントを要求する焦点を有する、組み合わせ。
【請求項15】
励起および/または検出光路上に配置された少なくとも1つのX線光学素子をさらに含むことを特徴とする請求項14に記載の組み合わせ。
【請求項16】
前記少なくとも1つのX線光学素子は湾曲単色光学素子および/またはポリキャピラリー光学素子を含むことを特徴とする請求項15に記載の組み合わせ。
【請求項17】
前記X線分析装置機関は前記検出光路上に単色光学素子を有するWDXRF分析装置機関を含むことを特徴とする請求項17に記載の組み合わせ。
【請求項18】
前記分析装置は硫黄分析装置であることを特徴とする請求項15に記載の組み合わせ。
【請求項19】
前記X線分析装置機関は、前記励起光路上に少なくとも1つの光学素子、および前記検出光路上にエネルギー分散検出器を有するEDXRF分析装置機関を含むことを特徴とする請求項15に記載の組み合わせ。
【請求項20】
前記サンプルセルは、前記サンプルセルの前記フィルムに接触している支持を利用して、前記組み合わせの中の前記フィルムによって支持され、よって前記サンプルの前記焦点へのアライメントが確実に行われることを特徴とする請求項15に記載の組み合わせ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2011−505563(P2011−505563A)
【公表日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−536153(P2010−536153)
【出願日】平成20年11月26日(2008.11.26)
【国際出願番号】PCT/US2008/084800
【国際公開番号】WO2009/073499
【国際公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【出願人】(500577987)エックス−レイ オプティカル システムズ インコーポレーテッド (12)
【Fターム(参考)】