説明

X線検査装置

【課題】正確に被検査物をX線照射部とX線検出部との間の所定検査位置に搬送できるように、搬送機構の幅方向の位置決めを行うことができるX線検査装置を得る。
【解決手段】X線検査装置100は、脚部1に支持されている装置筐体2と、X線照射部3と、X線検出部4と、フレーム5と、搬送機構6と、カバー7と、暖簾8と、位置決め機構と、支持機構と、を備えている。位置決め機構は、装置筐体2に設けられた一対の支持部材10、11に両先端が接続され、支持部材10、11を軸として回動可能に設けられた略コ字状の棒状部材である回動部材12と、装置筐体2を支える脚部1に設けられ、回動部材12の端部を支持する支持部17、18とを有しているものである。回動部材12は、搬送機構6のハウジング6aの自由端側に接触し、位置決めできるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線を用いて被検査物中の異物の有無検査を行うX線検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、X線検出部が内部に収容され、一方の端部を支持端、他方の端部を自由端として略水平に装置筐体から延設された片持ち支持構造のフレームと、前記フレームの自由端側から挿入して装着可能であるとともに、前記X線照射部によるX線照射領域へ被検査物を搬入・搬出する搬送機構とを備え、前記フレームの自由端を支持する部位を有したX線検査装置は、公知となっている(例えば、下記特許文献1〜3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3111697号公報
【特許文献2】実用新案登録第3112418号公報
【特許文献3】実用新案登録第3113068号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1〜3の装置においては、被検査物をX線照射部とX線検出部との間の所定検査位置に搬送できるように、搬送機構の幅方向の位置決めを正確に行うことが困難であった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、正確に被検査物をX線照射部とX線検出部との間の所定検査位置に搬送できるように、搬送機構の幅方向の位置決めを行うことができるX線検査装置を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明は、X線を照射するX線照射部と、被検査物を透過したX線を検出するX線検出部と、前記X線検出部が内部に収容され、一方の端部を支持端、他方の端部を自由端として略水平に装置筐体から延設された片持ち支持構造のフレームと、前記フレームの自由端側から挿入して装着可能であるとともに、前記X線照射部によるX線照射領域へ被検査物を搬入・搬出する搬送機構と、前記搬送機構の前記自由端側を覆う開閉可能なカバーと、前記搬送機構が前記フレームに装着された際、少なくとも一部が前記搬送機構の前記自由端側に接触し、前記搬送機構の幅方向の位置決めを行う位置決め機構と、前記位置決め機構と前記フレームの自由端との間に介在しており、前記フレームの自由端を支持する支持機構とを備えているものである。
【0007】
上記(1)の構成によれば、正確に被検査物をX線照射部とX線検出部との間の所定検査位置に搬送できるように、搬送機構の幅方向の位置決めを行うことが可能なX線検査装置を提供できる。また、容易且つ確実に、フレームの自由端を支持することができるので、搬送機構の揺れの抑止に加えて、搬送機構の撓み、歪みなどの変形などを抑止できる。その結果として、X線照射部とフレーム内のX線検出部との間隔を自由端側と支持端側とで略同一にすることができ、安定した透過画像を得ることができる。加えて、片持ち支持構造のフレームを採用しているので、搬送機構、X線検出部などを含む装置内部の保守・点検及び清掃が容易なX線検査装置を提供できる。
【0008】
(2) 上記(1)のX線検査装置においては、前記搬送機構による被検査物の搬入口及び搬出口において被検査物が通過可能となるように、前記装置筐体に着脱可能に設けられ、漏洩X線を防止する暖簾を備えており、前記短冊状暖簾が前記装置筐体に装着されている際、前記位置決め機構は、少なくとも他の一部が前記暖簾の前記自由端側に接触し、前記短冊状暖簾の幅方向の位置決めを行うものであることが好ましい。
【0009】
上記(2)の構成によれば、前記暖簾の幅方向の位置決めをも正確に行うことが可能なX線検査装置を提供できる。
【0010】
(3) 上記(1)又は(2)のX線検査装置においては、前記位置決め機構が前記搬送機構を位置決めし、前記カバーを閉鎖した際、前記カバーが前記位置決め機構を覆うものであることが好ましい。
【0011】
上記(3)の構成によれば、前記位置決め機構を覆い隠すので、不用意に作業者が触れたり、前記位置決め機構を外したりするのを防止することができる。
【0012】
(4) 上記(1)〜(3)のX線検査装置においては、前記位置決め機構が、前記装置筐体に一端を軸として回動可能に設けられた回動部材と、前記装置筐体を支える脚部に設けられた支持部とを有しているものであり、前記支持機構が、前記回動部材に設けられた係合部材と、前記フレームの自由端側に設けられた被係合部材とを有しているものであり、前記搬送機構が前記フレームに装着された際、前記回動部材を回動させて前記係合部材と前記被係合部材とを係合させるとともに前記搬送機構の自由端側に接触させ、さらに前記回動部材の少なくとも一部を前記支持機構で支持するものであることが好ましい。
【0013】
(5) 別の観点として、上記(1)〜(3)のX線検査装置においては、前記装置筐体に、前記搬送機構を固定可能な固定機構が設けられており、前記位置決め機構が、前記固定機構の固定動作に連動するものであってもよい。
【0014】
上記(4)又は(5)の構成によれば、より容易且つ確実に、前記搬送機構の幅方向の位置決めを行うことができるとともに、前記フレームの自由端を支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施形態に係るX線検査装置の概略構成を示した斜視図であって、搬送機構及び位置決め機構を取り外した状態を示した図である。
【図2】図1に示したX線検査装置の斜視図であって、搬送機構及び位置決め機構を装着した状態を示した図である。
【図3】(a)が図1に示したX線検査装置の側面図であって、(b)が図2に示したX線検査装置の側面図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係るX線検査装置の概略構成を示した斜視図であって、搬送機構及び位置決め機構を装着した状態を示した図である。
【図5】図4に示したX線検査装置における搬送機構と位置決め機構との関係を説明するための正面図であって、(a)が図4と同様の状態を示した図、(b)が(a)の状態から位置決め機構を下方にスライドさせた後の状態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<第1実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態に係るX線検査装置について説明する。
【0017】
図1〜図3に示したように、X線検査装置100は、脚部1に支持されている装置筐体2と、X線照射部3と、X線検出部4と、フレーム5と、搬送機構6と、カバー7と、暖簾8と、位置決め機構と、支持機構と、を備えている。
【0018】
装置筐体2の内部には、被検査物が搬送される搬送機構6に向けてX線を照射するX線照射部3が設けられている。
【0019】
X線検出部4は、X線照射部3から照射されたX線のうち、被検査物を透過したX線を検出することができるものである。X線検出部4の一例としては、いわゆるラインセンサが挙げられる。
【0020】
フレーム5は、内部にX線検出部4が収容されているものであり、一方の端部を装置筐体2の壁部2aに支持された支持端、他方の端部を自由端として、略水平に装置筐体2から延設された片持ち支持構造となるように設けられている。また、フレーム5上部面には、搬送機構6の幅方向の位置決めに用いることが可能な突出部5aが設けられている。
【0021】
搬送機構6は、側面が略台形状であって、フレーム5に装着された際に支持端側の側面が突出部5aに接触するハウジング6aと、ハウジング6aの内部に前後方向に架設された複数のローラ6bと、該複数のローラ6bの周囲に巻き掛けられた無端ベルト6cとを有しているものである。また、搬送機構6は、フレーム5の自由端側から挿入して装着可能であるとともに、該装着がなされた際には、X線照射部3によるX線照射領域(X線照射部3とX線検出部4との間の領域)へ被検査物を搬入・搬出することができるようになっている。
【0022】
カバー7は、図3(b)に示した矢印(一点鎖線)の方向に開閉可能な略板状のものであり、フレーム5に装着された搬送機構6の自由端側を覆って、X線の漏洩を防止することができるものである。また、後述する位置決め機構が搬送機構6を位置決めし、カバー7を閉鎖した際、カバー7は該位置決め機構を覆うことができるように形成されている。
【0023】
暖簾8は、板状の暖簾支持部9に吊り下げ支持されたものであり、搬送機構6による被検査物の搬入口及び搬出口において被検査物が通過可能となるように、暖簾支持部9を介して装置筐体2に着脱可能に設けられ、漏洩X線を防止することができるようになっている。
【0024】
上記位置決め機構は、装置筐体2に設けられた一対の支持部材10、11に両先端が接続され、支持部材10、11を軸として回動可能に設けられた略コ字状の棒状部材である回動部材12と、装置筐体2を支える脚部1に設けられ、回動部材12の端部を支持する支持部17、18とを有しているものである。また、上記支持機構は、上記位置決め機構とフレーム5の自由端との間に介在しており、回動部材12の途中に設けられた一対の係合部材13、14と、フレーム5の自由端側に固設された一対の被係合部材15、16とを有しているものである。
【0025】
係合部材13、14は略リング状部材であって、フック状の被係合部材15、16のそれぞれに係合し、フレーム5の自由端を吊り下げ支持できるようになっている。また、支持部18は、図3(a)に示したように、支持部17に設けられた軸(図示せず)を中心として回動することができるように構成されているとともに、支持部17とともに回動部材12を挟持可能なものである。なお、支持部17、18の例としては、いわゆるパチン錠が挙げられる。これらの構成により、搬送機構6及び暖簾8が装着されている場合、図3(b)に示したように、上記支持部18を回動させるとともに、支持部17、18間に回動部材12の略中央部を移動させ、支持部18の位置を図3(a)に示した点線の位置から実践の位置に元に戻して、回動部材12の略中央部(外側端部)を凹部18aに係合させた際には、自動的に、係合部材13、14と被係合部材15、16とをそれぞれ係合させることができる。このとき、回動部材12は、搬送機構6のハウジング6a及び暖簾支持部9の自由端側に接触するように構成されているので、搬送機構6及び暖簾支持部9に吊り下げられた暖簾8の幅方向を位置決めできる。また、支持部17、18は、上記位置決め機構とともにフレーム5の自由端を持ち上げ支持していることにもなる。
【0026】
本実施形態によれば、上記位置決め機構を適切に操作することで、容易且つ確実に、被検査物をX線照射部3とX線検出部4との間の所定検査位置に搬送できるように、搬送機構6の幅方向の位置決めを行うことが可能なX線検査装置100を提供できる。また、搬送機構6の幅方向の位置決めと同時に、暖簾8の幅方向の位置決めをも正確に行うことが可能なX線検査装置100を提供できる。
【0027】
また、上記位置決め機構を適切に操作することで、容易且つ確実に、フレーム5の自由端を支持することができるので、搬送機構6の揺れの抑止に加えて、搬送機構6の撓み、歪みなどの変形などを抑止できる。その結果として、X線照射部3とX線検出部4との間隔を自由端側と支持端側とで略同一にすることができ、安定した透過画像を得ることができる。さらに、搬送機構6における無端ベルト6cの側部に蛇行防止用のガイドなどを設けることなく、安定して走行させることができる。
【0028】
また、カバー7が、上記位置決め機構を覆い隠すので、不用意に作業者が触れたり、上記位置決め機構を外したりするのを防止することができる。したがって安全性の高いX線検査装置100を提供できる。
【0029】
加えて、(1)フレーム5を片持ち支持構造にしている点、(2)搬送機構6をフレーム5から引き出す際の邪魔にならないような構成の脚部1としている点から、搬送機構6、X線検出部4などを含む装置内部などの保守・点検及び清掃が容易なX線検査装置100を提供できる。
【0030】
<第2実施形態>
次に、図4及び図5を参照して、本発明の第2実施形態に係るX線検査装置について説明する。なお、符号21〜25、27、28の部位は、順に、第1実施形態の符号1〜5、7、8の部位と同様であるので、説明を省略することがある。
【0031】
本実施形態のX線検査装置200は、(1)搬送機構6の代わりに搬送機構26を用いた点、(2)位置決め機構及び支持機構の構成を変更し、位置決め機構を位置決めのために操作した際、支持機構が連動するようにした点、(3)暖簾支持部29のフレーム25自由端側をパチン錠40で固定・解除できるようにした点が、主に、第1実施形態と異なっている。以下、詳述する。
【0032】
搬送機構26は、側面が略L字状であって、フレーム25に装着された際に支持端側の側面がフレーム25に設けられた突出部(第1実施形態の突出部5aと同様のもの)に接触するハウジング26aと、ハウジング26aの内部に前後方向に架設された複数のローラ26bと、該複数のローラ26bの周囲に巻き掛けられた無端ベルト26cと、ハウジング26aのフレーム25自由端側に設けられた凹部26d、26eとを有しているものである。また、搬送機構26は、フレーム25の自由端側から挿入して装着可能であるとともに、該装着がなされた際には、X線照射部23によるX線照射領域(X線照射部23とX線検出部24との間の領域)へ被検査物を搬入・搬出することができるようになっている。
【0033】
本実施形態の支持機構は、図4に示したように、脚部21の一部に設けられ、略鉛直方向にスライド可能なスライド部材30と、脚部21に対して略鉛直方向にスライド可能なスライド部材32とを有したものである。スライド部材30、32は、上部方向へスライドして各上部先端を搬送機構26のハウジング26aに当接させることができるとともに、該当接位置で図示しない固定器具(ネジ留めなど)によって固定できる(図4及び図5(a)の状態で保持できる)ものであり、搬送機構26の自由端側を支持することができるようになっている。また、スライド部材30には、上方へ移動させた際、フレーム25の自由端を支持する棒部材30aが略水平方向に設けられている。
【0034】
本実施形態の位置決め機構は、位置決めの操作を行うためのハンドル部31とハンドル部33とを有しているものである。ハンドル部31は、図4及び図5に示したように、スライド部材30のフレーム25自由端側に固設された固定部31aと、固定部31aの上端部を軸として回動可能に設けられた回動部31bとを有しているものである。ハンドル部33は、ハンドル部31と同様の構成であり、図5に示したように、スライド部材32のフレーム25自由端側に固設された固定部33aと、固定部33aの上端部を軸として回動可能に設けられた回動部33bとを有しているものである。したがって、本実施形態の位置決め機構は、本実施形態の支持機構と一体型のものであって、ハンドル部31とハンドル部33とを用いて、図5(a)、(b)に示したように、固定されていない場合のスライド部材30、32を略鉛直方向に移動させることができるようになっている。特に、図5(a)に示したように、スライド部材30、32を上方へ移動させることによって、被検査物の搬送面が略水平になるように搬送機構26のハウジング26aを突き上げ支持することができるとともに、フレーム25を略水平に支持することができる。また、図5(b)に示したように、スライド部材30、32を下方へ移動させることによって、搬送機構26を取り外すことができるようにもなる。また、回動部31b、33bは、スライド部材30、32と回動部31b、33bとを接続する板バネなどのバネ部材(図示せず)により、搬送機構26の幅方向に付勢されている。これにより、図5(a)の状態においては、回動部31b、33bの先端が、ハウジング26aのフレーム25自由端側に設けられた凹部26d、26e(図5(b)参照)のそれぞれに係合して、フレーム25に設けられた突出部(第1実施形態の突出部5aと同様のもの)とともに、搬送機構26の幅方向の位置決めを行うことができる。また、容易に回動部31b、33bの先端と凹部26d、26eとの係合を解除することも可能である。したがって、本実施形態の位置決め機構は、容易に、搬送機構26を装置筐体22に固定又は取り外しできるものでもある。
【0035】
パチン錠40は、図4に示したように、暖簾支持部29のフレーム25自由端側に設けられた突起部40aと、装置筐体22に設けられた基台40bと、基台40bを軸として回動可能であるとともに、突起部40aに係合可能な略コ字状の回動部材40cとを有しているものであり、暖簾支持部29及び暖簾28の位置決めを行うことができるものである。
【0036】
本実施形態によれば、搬送機構6の幅方向の位置決めと同時に、暖簾8の幅方向の位置決めを行うことができない以外、第1実施形態とほぼ同様の効果を奏することができるX線検査装置200を提供できる。
【0037】
<変形例>
なお、本発明は、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で設計変更できるものであり、上記実施形態などに限定されるものではない。例えば、上記第1実施形態における位置決め機構は、搬送機構6及び暖簾8の幅方向を位置決めするものであるが、どちらか一方のみの位置決めを行うものであってもよい。
【0038】
また、上記第1実施形態においては、係合部材13と被係合部材15との組合せ、係合部材14と被係合部材16との組合せ、どちらか一方が設けられている構成のものであってもよい。
【0039】
また、上記第1実施形態における位置決め機構には、支持部17、18が設けられているものであるが、特に設けずに、支持機構のみでフレーム5の自由端を支持するようにしてもよい。
【0040】
また、上記第1実施形態における支持機構は、係合部材13、14を回動部材12の途中に設け、被係合部材15、16をフレーム5の自由端側に固設したものであったが、被係合部材15、16をフレーム5の自由端側に固設せずに、係合部材13と被係合部材15との組合せ、係合部材14と被係合部材16との組合せをそれぞれ一体化して回動部材12の動きに合わせて各組合せが可動するようにしておいてもよい。これにより、回動部材12を回動させて各組合せをフレーム5の下側に移動させ、被係合部材15、16をフレーム5の下側に当接させて、フレーム5の自由端を支持するようにしてもよい。
【0041】
また、上記第1実施形態における回動部材12は棒状部材であったが、板状部材を同様の略コ字状に形成して用いてもよいし、特にこれらに限られず、同様の機能を発揮できる形状に形成されていればよい。
【0042】
また、上記第2実施形態においては、パチン錠40の代わりに、第2実施形態における位置決め機構及び支持機構と同様の構成のハンドル部及びスライド部材を上下逆に設けて、暖簾支持部29を固定し、暖簾8の位置決めを行うものとしてもよい。
【0043】
また、上記第2実施形態におけるパチン錠40は一例であり、暖簾支持部29を装置筐体に固定し、暖簾支持部29及び暖簾28の位置決めを行うことができるものであれば、どのようなものであってもよい。
【0044】
また、上記第2実施形態においては、搬送機構26とスライド部材30、32とが当接することによって搬送機構26を支持するものであるが、この代わりに、スライド部材の上方を搬送機構のハウジングの自由端側下部に設けられた穴部に嵌挿できるように構成してもよい。これにより、搬送機構の位置決め及び支持が同時に可能となる。
【0045】
また、上記第2実施形態においては、スライド部材30にのみフレーム25を支持する棒部材30を設けたが、スライド部材32のみ又はスライド部材30、32両方にフレーム25を支持する部材を設ける構成としてもよい。
【0046】
また、上記第2実施形態においては、回動部31b、33bの先端が、ハウジング26aのフレーム25自由端側に設けられた凹部26d、26e(図5(b)参照)のそれぞれに係合して、フレーム25に設けられた突出部(第1実施形態の突出部5aと同様のもの)とともに、搬送機構26の幅方向の位置決めを行うものであったが、この代わりに、以下のものとしてもよい。すなわち、凹部26d、26eを設けずに、フレーム25自由端側のハウジング26a側部全体を一平面にしておき、回動部31b、33bの先端に樹脂部材を取り付けて、フレーム25に設けられた突出部(第1実施形態の突出部5aと同様のもの)とともに、搬送機構26の幅方向の位置決めを行うものとしてもよい。
【符号の説明】
【0047】
1、21 脚部
2、22 装置筐体
2a、22a 壁部
3、23 X線照射部
4、24 X線検出部
5、25 フレーム
5a、25a 突出部
6、26 搬送機構
6a、26a ハウジング
6b、26b ローラ
6c、26c 無端ベルト
7、27 カバー
8、28 暖簾
9、29 暖簾支持部
10、11 支持部材
12 回動部材
13、14 係合部材
15、16 被係合部材
17、18 支持部
18a、26d、26e 凹部
30、32 スライド部材
31、33 ハンドル部
31a、33a 固定部
31b、33b 回動部
40 パチン錠
40a 突起部
40b 基台
40c 回動部材
100、200 X線検査装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線を照射するX線照射部と、
被検査物を透過したX線を検出するX線検出部と、
前記X線検出部が内部に収容され、一方の端部を支持端、他方の端部を自由端として略水平に装置筐体から延設された片持ち支持構造のフレームと、
前記フレームの自由端側から挿入して装着可能であるとともに、前記X線照射部によるX線照射領域へ被検査物を搬入・搬出する搬送機構と、
前記搬送機構の前記自由端側を覆う開閉可能なカバーと、
前記搬送機構が前記フレームに装着された際、少なくとも一部が前記搬送機構の前記自由端側に接触し、前記搬送機構の幅方向の位置決めを行う位置決め機構と、
前記位置決め機構と前記フレームの自由端との間に介在しており、前記フレームの自由端を支持する支持機構とを備えていることを特徴とするX線検査装置。
【請求項2】
前記搬送機構による被検査物の搬入口及び搬出口において被検査物が通過可能となるように、前記装置筐体に着脱可能に設けられ、漏洩X線を防止する暖簾を備えており、
前記短冊状暖簾が前記装置筐体に装着されている際、前記位置決め機構は、少なくとも他の一部が前記暖簾の前記自由端側に接触し、前記短冊状暖簾の幅方向の位置決めを行うことを特徴とする請求項1に記載のX線検査装置。
【請求項3】
前記位置決め機構が前記搬送機構を位置決めし、前記カバーを閉鎖した際、前記カバーが前記位置決め機構を覆うものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のX線検査装置。
【請求項4】
前記位置決め機構が、前記装置筐体に一端を軸として回動可能に設けられた回動部材と、前記装置筐体を支える脚部に設けられた支持部とを有しているものであり、
前記支持機構が、前記回動部材に設けられた係合部材と、前記フレームの自由端側に設けられた被係合部材とを有しているものであり、
前記搬送機構が前記フレームに装着された際、前記回動部材を回動させて前記係合部材と前記被係合部材とを係合させるとともに前記搬送機構の自由端側に接触させ、さらに前記回動部材の少なくとも一部を前記支持部で支持することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のX線検査装置。
【請求項5】
前記装置筐体に、前記搬送機構を固定可能な固定機構が設けられており、
前記位置決め機構が、前記固定機構の固定動作に連動するものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のX線検査装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−266359(P2010−266359A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−118565(P2009−118565)
【出願日】平成21年5月15日(2009.5.15)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】