説明

X線画像処理装置並びにそれを用いたX線検査装置およびX線検査方法

【課題】比較的低廉な方法で精度の高い検査画像を得ること。
【解決手段】検査対象品の検査要部101を通る垂直線回りの角度Rと、前記垂直線と直交する線分回りの角度θとを組み合わせて、当該検査要部をX線が斜めに透過する方向を含む複数の透過方向ψ(R,θ)をX線CTでの撮像よりも少ない数だけ設定する。設定された透過方向ψ(R,θ)に基づいて、当該透過方向ψ(R,θ)毎にX線撮像を実行する。撮像された複数のX線画像を所定の条件で重ね合わせて合成画像を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線画像処理装置並びにそれを用いたX線検査装置およびX線検査方法に関し、特に、リフロー処理後の部品とプリント基板の接合を検査するのに好適なX線画像処理装置並びにそれを用いたX線検査装置およびX線検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、X線検査は、広範な工業製品に使用されている。種々の電子機器を構成するプリント基板においても、X線検査が使用されてきた。他方、情報処理の高度化、高速化の要請が高まるにつれ、多数の電子部品を搭載したプリント基板においても、電子部品が密集した状態で実装されるようになってきた。そのため、リフロー処理後のプリント基板と電子部品の接合の良否等についても、単純なX線装置で検査することに限界が生じてきた。
【0003】
そこで、特許文献1、2等に示されるように、X線CT(Computed Tomography)が基板検査に用いられるようになってきた。X線CTでは、検査対象品がその全方位からX線を受ける。照射されたX線は、検査対象品を通過し、対象に一部吸収されて減衰した後、X線源の反対側に位置するX線検出装置に到達し記録される。それぞれの方向でX線がどの程度検査対象品の検査要部に吸収されたかを記録したのち、コンピュータは、フーリエ変換で記録された画像を再構成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−145359号公報
【特許文献2】特開2009−136665号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、X線CTでは、検査対象品(プリント基板やプリント基板に搭載される電子部品)がX線を全方位から受けるので、当該検査対象品の被爆量が多くなる。そのため、検査対象品がプリント基板である場合、種々の電子部品、とりわけメモリ等に悪影響を与えるおそれがあった。そのようなX線の悪影響は、X線CT装置自体に及ぶ場合もある。そのため、X線CT装置の寿命も短くなり、検査コストが嵩むことになる。加えて、画像の再構成は、極めて膨大な行列演算(1断面を格子状に分割し、各部位の吸収率を未知数とし、その合計が実際の吸収量と等しくなるように連立方程式を立てて解くこと)を要する。そのため、演算処理に時間がかかり、高速化のためにコストがかかるという問題があった。
【0006】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、リフロー処理後の部品とプリント基板の接合を検査するに当たり、比較的低廉な方法で精度の高い検査画像を得ることのできるX線画像処理装置並びにそれを用いたX線検査装置およびX線検査方法を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、検査対象品の検査要部にX線を照射するX線源と、前記X線が透過した前記検査要部のX線画像を撮影するX線カメラと、前記X線源と前記X線カメラとによる前記検査要部のX線撮像を制御する制御ユニットとを備えているX線画像処理装置において、前記制御ユニットは、前記検査要部をX線が斜めに透過する方向を含む複数の透過方向をX線CTでの撮像よりも少ない数だけ設定する透過方向設定部と、設定された前記透過方向に基づいて、当該透過方向毎に前記X線撮像を前記X線源と前記X線カメラとに実行させる撮像制御部と、撮像された複数のX線画像を所定の条件で重ね合わせて合成画像を生成する画像合成処理部とを備えていることを特徴とするX線画像処理装置である。この態様では、X線CTでの撮像よりも少なく選別された複数の透過方向の数だけX線を照射するので、検査対象品はもちろんのこと、X線撮像に用いられる機器の被爆量を低減することができる。従って、X線検査による製品の劣化を防止することができる。またX線撮像に用いられる機器の長寿命化を図ることができ、ランニングコストを低減することが可能となる。また、全方位から撮像された画像を再構成するのではなく、少なく選別された透過方向に基づいて撮像されたX線画像を合成処理して良否判定を実行することができるので、演算処理を迅速化することも可能となる。さらに、限られた枚数でありながら、検査要部をX線が斜めに透過する透過方向が選別されてX線画像が取得されるので、それらX線画像が合成されて障害物を除去したり、不明瞭な輪郭を鮮明に検出したり、特定の方位からの撮像では検出が困難であった高さを割り出したりすることができる。このため従来の技術では、X線CTでなければ検出できなかった検査要部の高さや面積等の検査要素を演算して評価することが可能となり、高性能な良否判定を廉価に実行することが可能となる。
【0008】
好ましい態様において、前記透過方向設定部は、前記検査要部の検査要部を通る垂直線回りの角度と、前記垂直線と直交する線分回りの角度とを組み合わせた前記透過方向を設定するものである。この態様では、透過方向が検査要部の中心を通る垂直線回りの角度(或いは方位)と、前記垂直線と直交する線分回りの角度(或いは傾斜角度)とを要素とする二次元配列の変数であることから、方位と傾斜角度の何れか一方を同一の値とし、他方を変化させて、演算を簡素化することが可能となる。
【0009】
好ましい態様において、前記透過方向設定部は、前記垂直線に関して透過方向が対称となる組を含んでいる。この態様では、障害物を回避可能な可能性の高い透過方向を設定することが可能になるとともに、撮像されたX線画像を合成する処理や、合成画像の評価処理が容易になる。
【0010】
好ましい態様において、前記画像合成処理部は、前記撮像制御部の制御によって前記X線カメラが撮像した何れかのX線画像を、共通の基準座標を原点として、当該検査要部の高さに応じたシフト量だけ所定の方向にシフトした合成画像を生成するものある。この態様では、例えば、リードの背面に形成されるフィレットの高さ等、従来の撮像方法では、検査が困難であった検査要部の高さの良否を判定することができる。「何れかのX線画像」は、複数のX線画像の一つを一方向に移動する場合であってもよく、複数のX線画像をそれぞれ異なる方向に移動する場合であってもよい。
【0011】
また、本発明は、この態様を用いたX線画像処理装置と、前記画像合成処理部が生成した合成画像に基づいて、前記検査要部の良否を判定する良否判定処理部とを備え、前記画像合成処理部は、透過方向が対称となる組の各X線画像のうち、前記検査要部の断面に相当するエリアが重複するように、各X線画像の何れかを所定方向にシフトさせるものであり、前記良否判定処理部は、前記エリアと連続して重複する各X線画像の重複部の面積に基づいて当該検査要部の良否を判定するものである。
【0012】
好ましい態様において、前記画像合成処理部は、共通の座標面上で中心を揃えて各X線画像を重複させるとともに、重複された各X線画像の輝度値を同一の座標毎に比較し、最も輝度値の高いものを選択して合成画像を二値化するものである。この態様では、厚肉の検査対称品を透過することによって検査要部でのX線の透過量が低減しているX線画像であっても、検査要部の輪郭を明瞭にすることができる。また、障害物によって一部のX線画像の検査要部に影ができている場合でも、何れかのX線画像に検査要部が写っていれば、その輝度値が優先されて二値化されるので、障害物を除去した合成画像を得ることができる。
【0013】
また、本発明は、この態様を用いたX線画像処理装置と、前記画像合成処理部が生成した合成画像に基づいて、前記検査要部の良否を判定する良否判定処理部とを備え、前記良否判定処理部は、前記合成画像において、前記X線画像の重複部の面積に基づいて当該検査要部の良否を判定するX線検査装置を構成したものである。
【0014】
本発明の別の態様は、前記X線画像処理装置と、前記画像合成処理部が生成した合成画像に基づいて、前記検査要部の良否を判定する良否判定処理部とを備えていることを特徴とするX線検査装置である。
【0015】
本発明の別の態様は、検査対象品の検査要部にX線を照射して撮像した後、前記検査要部のX線画像に基づいて、前記検査要部の良否を判定するX線検査方法において、前記検査要部をX線が斜めに透過する方向を含む複数の透過方向をX線CTでの撮像よりも少ない数だけ設定する透過方向設定ステップと、設定された前記透過方向に基づいて、当該透過方向毎に前記X線撮像を実行するX線画像撮像ステップと、撮像された複数のX線画像を所定の条件で重ね合わせて合成画像を生成する合成画像生成ステップと、前記合成画像に基づいて前記検査要部の検査要素を評価することにより、当該検査要部の良否を判定する良否判定ステップとを備えていることを特徴とするX線検査方法である。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、X線CTと異なり、予めX線CTでの撮像よりも少なく選別された複数の透過方向の数だけX線を照射するので、検査対象品や、X線撮像に用いられる機器の長寿命化を図ることができ、ランニングコストを低減することが可能となる。また、少なく選別された画像を合成処理して良否判定を実行することができるので、演算処理を迅速化することも可能となる。さらに、検査要部をX線が斜めに透過する透過方向が選別されてX線画像が取得されるので、従来は、X線CTでなければ検出できなかった検査要部の高さや面積等の検査要素を演算して評価することが可能となり、高性能な良否判定を廉価に実行することが可能となる。従って、本発明によれば、リフロー処理後の部品とプリント基板の接合を検査するに当たり、比較的低廉な方法で精度の高い検査画像を得ることができるという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の一形態に係るX線検査装置の概略断面図である。
【図2】図1のX線検査装置の概略構成図である。
【図3】第1実施形態に係る検査対象品としての電子部品の平面略図である。
【図4】図3の電子部品の検査要部としての半田ボールを示す側面略図であり(A)は処理前の良品を示す例、(B)はリフロー処理後の良品を示す例、(C)は、リフロー処理後の不良品の例である。
【図5】本発明に係る透過方向の説明図である。
【図6】本発明に係る検査例を示すフローチャートである。
【図7】本発明に係る検査例を示すフローチャートである。
【図8】第1実施形態に係る図面の合成例を示す説明図である。
【図9】第2実施形態に係る電子部品の平面略図である。
【図10】図9の電子部品に係るリードのはんだ状態を示す図であり、(A)ははんだ量の少ない良品の例、(B)ははんだ量の多い良品の例、(C)ははんだ不良の例である。
【図11】第2実施形態に係る画像合成の原理を説明するための斜視図である。
【図12】第2実施形態に係る画像合成手順を示す平面略図である。
【図13】第2実施形態に係る合成画像の評価例を示す平面略図である。
【図14】第2実施形態に係る合成画像の評価例を示す平面略図である。
【図15】第2実施形態に係る合成画像の評価例を示す平面略図である。
【図16】第2実施形態に係る合成画像の評価例を示す平面略図である。
【図17】本発明に好適なX線放射装置を示す断面略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態について説明する。なお、以下の各実施形態の説明において、実質的に同等の箇所には同一の符号を付し、重複する説明を省略している。
[第1実施形態]
図1および図2を参照して、第1実施形態に係るX線検査装置Aは、リフロー処理後のBGA(検査対象品としての電子部品の一例)100とプリント基板Wの接合を検査するものとして具体化されている。まず、第1実施形態に係る検査要部の一例として、BGA100について説明する。
【0019】
図3を参照して、BGA100は、多数の半田ボール103を下面に備えている。各半田ボール103は、BGA100の周囲に所定の配列で設けられ、いわゆるリフロー処理で溶融されて硬化した後、半田部101として、BGA100とプリント基板Wとを物理的並びに電気的に接続する。図示の例では、BGA100は、例えば416極に設定され、そのうちの接続要部を半田部101が接続する。半田ボール103は、必ずしもBGA100に設けられた全ての極に設けられているのではなく、電子部品自身やその接続態様によって、選択的に(例えば、300極)BGA100をプリント基板Wに接続する。
【0020】
図4を参照して、半田部101は、プリント処理と実装処理とリフロー処理とを経てプリント基板Wに形成される。プリント処理では、プリント基板Wに設けられたランドW1上に半田102(クリーム半田)を印刷する工程が含まれる。また、実装処理では、プリントされた半田102の上にBGA100を実装する工程が含まれる。また、リフロー処理では、BGA100が実装されたプリント基板Wを溶融炉内で加熱する工程が含まれる。図4(B)に示すように、印刷された半田102と半田ボール103とが加熱されて融合し、一体的に硬化する。この硬化した半田が半田部101となる。半田部101は、プリント基板WのランドW1とBGA100の電極W2とを電気的並びに物理的に接続する。
【0021】
ここで、図4(B)に示すように、半田部101とランドW1との接合面104は、良品であれば、ランド幅Dと同じ接合幅dで仕上がっている。しかしながら、中には、接合幅dがランド幅Dよりも短くなっている不良品も少なくない。例えば図4(C)に示すように、接合幅dが狭くなっている場合や、全く接合していない場合等も存在し得る。いうまでもなく、それらの場合には、強度不足や接続不良が生じ得ることになる。そこで、個々の半田部101の良否、特に、接合面104の接合幅dを検査要部として精緻に判定するため、本実施形態のX線検査装置Aが使用される。
【0022】
図1および図2を参照して、このX線検査装置Aは、ハウジング10と、このハウジング10内にプリント基板Wを載置するステージ11とを備えている。ステージ11は、コンベア機構で具体化されており、ステージ駆動ユニット11aによって、所定の水平方向に沿う搬送方向と、この搬送方向と直交する水平方向とに移動可能になっている。以下の説明では、ステージ11の搬送方向に沿う方向をX方向、これと直角な水平方向をY方向、垂直方向をZ方向という。ステージ11は、所定の検査位置でプリント基板Wを停止させて保持することが可能なように構成されている。また、ステージ11は、検査が終了したプリント基板Wを所定の検査位置からX方向に搬送して、ハウジング10からプリント基板Wを搬出することが可能なように構成されている。ステージ11は、ステージ駆動ユニット11aによって、X方向およびY方向に沿って駆動され得るように構成されている。
【0023】
ステージ11のX方向上流側には、プリント基板Wをハウジング10内のステージ11に搬入する搬入コンベア12が設けられている。また、ステージ11のX方向下流側には、プリント基板Wをステージ11からハウジング10の外側に搬出する搬出コンベア14が設けられている。搬入コンベア12は、所定の工程を終了した後、プリント基板Wを一枚ずつステージ11上に搬入する。搬出コンベア14は、X線検査装置Aで検査処理が終了したプリント基板Wをステージ11から搬出する。これらコンベア12、14は、コンベア駆動ユニット12a、14aにより、所定タイミングでプリント基板Wを搬送できるように構成されている。
【0024】
ハウジング10内には、ステージ11上のプリント基板Wに対してX線を照射するX線源としてのX線放射装置20と、X線放射装置20からX線が照射されたプリント基板WのX線画像を撮影するX線カメラ21と、これらX線放射装置20とX線カメラ21とによるX線撮像を制御する制御ユニット30と、制御ユニット30によって処理されたX線画像を表示する表示ユニット40とを備えている。このうち、X線放射装置20、X線カメラ21、並びに制御ユニット30は、本発明に係るX線画像処理装置の具体例でもある。
【0025】
X線放射装置20は、筒状のコリメータ本体に対して発光器と、発光器から放射されるX線を透過させる細管とを装着し、細管を透過したX線をコリメータ本体から放射する構成のものである。X線放射装置20は、X線放射装置駆動ユニット20aによって、ハウジング10内の略中央部に上下にのみ移動可能に担持され、ステージ11の上方からX線をステージ11上のプリント基板Wに放射するものである。X線放射装置20から放射されたX線は、一部がプリント基板W等に吸収されて減衰した状態でプリント基板Wを透過する。
【0026】
X線カメラ21は、ステージ11上のプリント基板Wを透過したX線を受けることにより、当該プリント基板WのX線画像を撮影するものである。X線カメラ21は、例えば、50mm角の大きさのパネルを使用することができる。その場合、X線カメラ21は、ステージ11の15cmほど下方に配置される。X線カメラ21は、X線カメラ駆動ユニット21aによってハウジング10内に移動可能に担持され、ステージ11の下方でプリント基板Wを透過したX線を受けるものである。本実施形態において、X線カメラ駆動ユニット21aは、X線放射装置20によるX線の放射方向に対応して、X線カメラ21をX方向並びにY方向に沿って変位することができるようになっている。X線カメラ21は、撮像したX線画像のデータを制御ユニット30に出力するように構成されている。
【0027】
表示ユニット23は、液晶ディスプレイ等で具体化され、制御ユニット30の制御に基づいて、必要な画面を表示するものである。
【0028】
制御ユニット30は、論理演算を実行するCPU、CPUを制御するプログラムなどを記憶するROM(Read Only Memory)、装置の動作中に種々のデータを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)、並びに入出力インターフェース等を備え、ステージ制御部31、コンベア制御部32、撮像制御部33、画像処理部34、良否判定処理部35、並びに表示制御部36を論理的に構成している。また、図示の例において、制御ユニット30の入出力インターフェースには、プログラムや種々のデータ(パラメータ)を記憶する補助記憶装置などで構成される補助記憶装置50が接続されている。
【0029】
ステージ制御部31は、単独でまたは他の制御部と連動して、後述するフローチャートに従い、ステージ駆動ユニット11aを介して、ステージ11の動作を制御するモジュールである。
【0030】
コンベア制御部32は、単独でまたは他の制御部と連動して、後述するフローチャートに従い、コンベア駆動ユニット12a、14aを介して、搬入コンベア12や搬出コンベア14の動作を制御するモジュールである。
【0031】
撮像制御部33は、X線放射装置駆動ユニット20a並びにX線カメラ駆動ユニット21aを介してX線放射装置20並びにX線カメラ21を駆動することにより、X線放射装置20とX線カメラ21とによるX線画像の撮影(X線撮像)を制御するモジュールである。撮像制御部33は、X線放射装置20によって放射されるX線の焦点位置やX線放射量の他、撮像回数、撮像タイミング、透過方向ψ(R,θ)を予め定められた手順に従って、設定したり、変更したりすることができるようになっている。特に、本実施形態において、撮像制御部33は、透過方向設定部331を備えている。詳しくは後述するように、透過方向設定部331は、プリント基板Wを撮像するに当たり、X線撮像時のX線の傾斜角度θを複数個設定するものである。本実施形態では、透過方向設定部331によって設定された傾斜角度θ毎に、X線撮像を繰り返すように撮像制御部33が構成されている。
【0032】
画像処理部34は、X線カメラ21が撮像したX線画像のデータを処理し、所定の画像フォーマットに変換したり、変換されたデータを取り扱うプログラムの利用に供したりするためのモジュールである。本実施形態では、画像処理部34に画像合成処理部341が含まれている。画像合成処理部341は、詳しくは後述する手順に従って、X線カメラ21が撮像したX線画像を合成した合成画像を生成し、この合成画像を良否判定処理部35に供するためのモジュールである。
【0033】
良否判定処理部35は、画像処理部34の画像合成処理部341が生成した合成画像に基づいて、当該合成画像に係る検査要部としての接合面104(の接合幅d)の良否を判定するためのモジュールである。
【0034】
表示制御部36は、制御ユニット30が取り扱うデータをプログラムに基づいて、GUI(Graphical User Interface)により、表示ユニット40に表示するためのモジュールである。
【0035】
表示ユニット40は、例えば、液晶ディスプレイで具体化され、制御ユニット30の処理内容を表示するものである。
【0036】
また、制御ユニット30には、図略のポインティングディバイス等、入力装置が接続されており、オペレータが適宜、記憶装置50に記憶されたプログラムに従って、必要な設定やデータを入力することができるようになっている。
【0037】
記憶装置50には、後述するフローチャートに基づいて各部を制御するために必要なプログラムやデータが保存されている。特に、本実施形態では、撮像した画像を処理するために、プリント基板Wやプリント基板Wに実装されるBGA100の種類、形状、寸法等の部品データや、BGA100を特定するための各種座標データをマスターデータとして記憶している。後述する検査の際、制御ユニット30は、記憶装置50に記憶されているデータ並びにプログラムに基づいて、プリント基板Wに実装されたBGA100毎にX方向、Y方向、並びに鉛直軸回りの位相を特定し、当該BGA100の半田部101毎に接合面104やその中心Oを特定することが可能になっている。
【0038】
次に、本実施形態のX線検査による撮像態様について説明する。本実施形態では、接合面104を精緻に検査するために、接合面104と斜めに交差する透過方向ψ(R,θ)を設定することとしている。具体的には、予め2〜4方向に選別された複数の方位Rと一定の傾斜角度θとによって透過方向ψ(R,θ)を設定し、設定された透過方向ψ(R,θ)に基づいて、当該透過方向ψ(R,θ)毎にX線撮像を実行し、撮像された複数のX線画像GIを合成して合成画像CIを生成するようにしている。
【0039】
図5に示すように、方位Rは、接合面104の中心Oを通る垂直軸V回りの角度であり、平面でみて反時計回りに角度をとっている。この中心OをX方向に通る線をX方向の座標軸Xaとし、中心Oを境にして(原点として)搬送方向上流側を(−)、下流側を(+)とした場合、方位Rの範囲は、座標軸Xaの上流側から下流側へ平面で見て反時計回りに0°≦R<360°に設定される。また傾斜角度θは、接合面104の中心Oを通るY方向の座標軸Ya回りの角度であり、搬送方向の上流側(−)を左側にしてみたときに、時計回りに角度をとっている。傾斜角度θの範囲は、垂直軸Vから接合面104へ0°≦θ≦90°に設定される。傾斜角度θは、全方位Rにわたって、+方向として処理される。以下の説明では、θ=0°のときの撮像を特に「直視撮像」といい、θ≠0°のときの撮像を「斜視撮像」という。
【0040】
複数の透過方向ψ(R,θ)毎にX線画像GIを撮像するために、記憶装置50には、いくつかの撮像パターンが登録されている。撮像パターンの具体例を表1に示す。
【0041】
【表1】

【0042】
本実施形態では、プリント基板Wに実装されるBGA100毎の必要写真枚数Njが事前に決定されており、記憶装置50に登録されている。従って、オペレータがプリント基板Wの品番を入力することによって、検査対象となるBGA100や、BGA100毎の必要写真枚数Nj、並びにBGA100に対応する撮像パターンを自動的に指定することができるように、データベースが構築され、補助記憶装置50に記憶されている。
【0043】
次に、図6および図7のフローチャートに基づいて、検査方法の一例を説明する。
【0044】
まず、本実施形態に係る検査プログラムが実行されると、図略のメニュー画面から必要な設定事項を入力する入力画面が表示される(ステップS20)。
【0045】
入力画面には、プリント基板Wの品番と、基板処理枚数Niとを入力するGUIが表示ユニット40に表示される。作業者は、ポインティングディバイスを用いて、必要項目を入力する。オペレータが品番を入力することにより、データベースの中に含まれている設定情報に基づき、制御ユニット30は、撮像パターンを記憶領域から読み取り、必要写真枚数Njや、撮像パターン、並びに撮像パターンに応じた斜視撮像回数Nkを表示する。また、基板処理枚数NiをGUIに入力することにより、制御ユニット30は、入力された枚数のプリント基板Wを検査する。なお、表示画面には、プログラムを実行するための実行ボタンと、設定をキャンセルして図略のメニュー画面に遷移するためのメニューボタンとが設けられている。
【0046】
制御ユニット30は、ステップS20の入力画面を表示した後、全ての入力が終了するのを待機する(ステップS21)。ステップS21の判定は、実行ボタンが操作されたことをトリガーとして判定される。図6では省略されているが、入力に不備がある状態(入力漏れ、または誤入力)で実行ボタンが操作された場合には、エラー表示を行い、エラーの内容を表示して、オペレータに再入力を促すように構成されている。また、このタイミングでメニューボタンが操作されると、設定をキャンセルして、図略のメニュー画面に遷移する。
【0047】
入力が完了したと判定した場合、制御ユニット30は、設定された内容に基づいて、基板処理枚数Ni、必要写真枚数Nj、斜視撮像回数Nkを設定する(ステップS22)。次いで、制御ユニット30は、カウント変数Iを1に設定し(ステップS23)、I枚目のプリント基板Wを搬入する(ステップS24)。次いで、このプリント基板WのBGA100について、記憶装置50に記憶されたプリント基板Wの各種データに基づき、撮像対象となるBGA100の接合部104毎に座標を特定して直視撮像を実行する(ステップS25)。次いで、カウント変数Kを1に設定し(ステップS26)、K枚目の斜視撮像を実行する。例えば、K=1の場合、表1の撮像パターンAの1回目に示したように、方位R=0°、傾斜角度θ=45°になるように、ステージ11、X線放射装置20、X線カメラ21が、それぞれステージ駆動ユニット11a、X線放射装置駆動ユニット20a、X線カメラ駆動ユニット21aによって駆動され、その設定で、必要写真枚数Njに応じて、各半田部101が斜視撮像される(ステップS27)。次いで、カウント変数Kがインクリメントされ(ステップS28)、カウント変数KがステップS22で設定された斜視撮像回数Nkに達したか否かが判定される(ステップS29)。仮にカウント変数Kが斜視撮像回数Nkに達していない場合、ステップS27に復帰して上記処理を繰り返す。他方、全ての斜視撮像が終了した場合、制御ユニット30は、画像処理部34の画像合成処理部341による画像合成処理ルーチンを実行する(ステップS30)。
【0048】
図7および図8を参照して、画像合成処理ルーチンでは、画像合成処理部341は、同一の半田部101について撮像された複数のX線画像GIを重ね合わせ、合否判定のために合成された合成画像CIを生成する。この際、図示の実施形態では、障害物をX線画像GIから除去するとともに、接合面104の輪郭を鮮明にするために、各X線画像GIの各画素の輝度値を同一座標毎に比較して、一枚でも明るいところがあれば、明るい画素であると判定するようにしている。
【0049】
この処理を実行することにより、従来、困難であった半田部101の接合面104を精緻に良否判定することが可能になる。
【0050】
すなわち、接合面104は、半田部101の直下に形成されるものであり、しかも、接合面104の輪郭に比べて、半田部101の径は、相当大きい。そのため、半田部101を透過したX線は、接合面104のところで大幅に低減してしまい、従来、良否判定が極めて困難になっていたのである。
【0051】
例えば、図8の例の場合、直視撮像を実行しただけでは、(1)の列に示すように、(A)の良品も(B)の不良品も同じような影に像GIが現れてしまう。このため、直視撮像だけでは、接合面104について、その良否が全く判定できなかった。
【0052】
他方、単に、半田部101を斜視撮像を実行しただけでは、(2)の列または(3)の列に示したように、良品にできる暗い影Gsと不良品にできる比較的明るい影Gsとの区別が困難となり、結果的に良否判定が困難になっていた。
【0053】
また、プリント基板Wの裏面にBGA100と上下に重なる他の電子部品が存在する場合、この電子部品がさらに障害物となって、X線画像が不明瞭なものになっていた。
【0054】
これに対して本実施形態では、合成画像CIを得ることにより、上記困難を克服している。具体的には、共通の中心Oを基準にして共通の座標面上で各X線画像GIを重ね合わせ、同一座標の画素毎に輝度値を比較して値の大きな画素を採用し、合成画像CIを生成する。例えば、ある座標(x,y)の各X線画像GIの輝度値をB1、B2、B3、B4とした場合、下記のような種々の方法で二値化された合成画像CIを得ることができる。
【0055】
第1の方法は、しきい値Tsを設定し、このしきい値Tsで暗部とされる輝度値B1〜B4の論理和を求めることにより、二値化された合成画像CIを得る方法である。例えば、しきい値Tsが100で、輝度値B1、B2、B3、B4がそれぞれ90、105、70、80だった場合、しきい値Tsよりも高い輝度値B2(=105)が存在するので、当該座標の真理値Tは、1となる(すなわち、当該座標は、明部として処理される)。他方、輝度値B1、B2、B3、B4がそれぞれ41、45、44、42だった場合、これらは、何れもしきい値Ts以下であるので、真理値Tは、0となる(すなわち、当該座標は、暗部として処理される)。このように論理和を求めることによって、二値化された合成画像CIを得ることが可能となる。
【0056】
第2の方法は、各輝度値の最大値を演算値ZV(即ち、ZV=MAX(B1、B2、B3、B4))として座標毎に演算し、この演算値ZVにしきい値Tsを設定して、二値化された合成画像CIを得る方法である。
【0057】
第3の方法は、各輝度値の和を演算値ZV(即ち、ZV=SUM(B1、B2、B3、B4))として座標毎に演算し、この演算値ZVにしきい値Tsを設定して、二値化された合成画像CIを得る方法である。
【0058】
第4の方法は、各輝度値の二乗の和を演算値ZV(即ち、ZV=SUM(B1^2、B2^2、B3^2、B4^2))として座標毎に演算し、この演算値ZVにしきい値Tsを設定して、二値化された合成画像CIを得る方法である。この場合には、明部が強調される。また、さらに明部を強調する方法として、2を基数とし、輝度値を根とする演算値ZV(即ち、ZV=SUM(2^B1、2^B2、2^B3、2^B4))の和を座標毎に演算してもよい。明部が一層、強調される。
【0059】
第5の方法は、各輝度値の差の絶対値を演算値ZV(即ちZV=ABS(B1−B2))として座標毎に演算し、この演算値ZVにしきい値Tsを設定して、二値化された合成画像CIを得る方法である。2枚のX線画像GIを合成する場合に、暗部は何れの方向から撮像しても輝度値が低い、という前提に立てば、このような方法も有効である。
【0060】
また、上述した第2〜第5の方法では、何れも演算値ZVが連続値をとるので、それぞれの演算値ZVに適合したしきい値Tsが設定される。
【0061】
図7のステップS30で生成された合成画像CIは、何れの角度から撮像しても輝度が低い部位だけが暗部として判定され、何れかの角度から撮像した場合の輝度が高い部位については、明部として判定される。この結果、ある角度から撮像した一部のX線画像GIに障害物(例えば、プリント基板WのBGA100付近の裏面にある部品等)が写って、画素の輝度値が低くなっていたとしても、別の角度から撮像したX線画像GIの何れか一つでも輝度値の明るい画素があれば、輝度値が高いと判定されるので、その障害物による影をX線画像GIから除去することができる。また、接合面104のX線画像GIを解析する場合に、撮像された複数のX線画像GIにおける同一座標の画素のうち、僅かでも輝度値の高いものが明度の高い画素として評価されることになるので、当該接合面104の輪郭を鮮明にすることが可能になる。
【0062】
次に、制御ユニット30の良否判定処理部35は、生成された合成画像CIに基づいて、当該半田部101に係る接合面104の良否を判定する(ステップS31)。良品の接合面104の接合幅dや面積は、既知であるので、このルーチンでは、生成された合成画像CIにおける接合面104の諸元(接合幅dや面積)を良品の諸元と比較し、両者の差が許容範囲であれば良品であると判定し、許容範囲外であれば、不良品であると判定する。
【0063】
図8を参照して、同図の上段(A)は、良品を検査した場合、下段(B)は、不良品を検査した場合を示している。各段の(1)は、直視撮像をした場合のX線画像GIを示しており、(2)(3)は、それぞれ所定角度で斜視撮像をした場合のX線画像GIを示している。また、(4)は、撮像パターンDで得た2方向のX線画像GI(図示の例では、ψ(R,θ)=ψ(0°,45°)で撮像したX線画像GIとψ(R,θ)=ψ(180°,45°)で撮像したX線画像GI)を合成した合成画像CIの一例を示しており、(5)は、撮像パターンBで得た4方向のX線画像GI(図示の例では、ψ(R,θ)=ψ(0°,45°)、ψ(R,θ)=ψ(90°,45°)、ψ(R,θ)=ψ(180°,45°)、ψ(R,θ)=ψ(270°,45°)の条件でそれぞれ撮像したX線画像GI)を合成した合成画像CIの一例を示している。
【0064】
良品(A)の場合、何れの合成画像CIも、規定の接合幅dを維持している。これに対して、不良品(B)の場合には、直視撮像では、接合面104の良否が判定できないものの、X線画像GIを重ね合わせて上述した手順で合成することにより、障害物が除去されるばかりでなく、明部と暗部とが明瞭となり、接合不良であると判定することが可能になる。接合面104の良否判定は、ランド幅Dに基づいてもよく、合成画像CIの接合面の面積に基づいてもよい。
【0065】
判定処理の結果は、メモリに記憶され、適宜、補助記憶装置50に登録される。
【0066】
検査判定処理の後、制御ユニット30は、コンベア制御部32によって、ステージ駆動ユニット11aを作動させ、ステージ11を駆動して、プリント基板Wを搬出する(ステップS32)。次いで、プリント基板Wのカウント変数Iをインクリメントし(ステップS33)、全てのプリント基板Wの検査が終了したか否かを、処理枚数Niとカウント変数Iとを比較することによって判定する(ステップS34)。仮に未処理のプリント基板Wが残っている場合には、ステップS24に戻って上述した処理を繰り返す。また、全てのプリント基板Wの処理が終了していると判定した場合には、ステップS20に移行する。
【0067】
以上説明した第1実施形態では、X線CTと異なり、予めX線CTでの撮像よりも少なく選別された複数の透過方向ψ(R,θ)の数だけX線を照射するので、検査対象品や、X線撮像に用いられる機器の長寿命化を図ることができ、ランニングコストを低減することが可能となる。また、少なく選別された画像を合成処理して良否判定を実行することができるので、演算処理を迅速化することも可能となる。さらに、検査要部をX線が斜めに透過する透過方向ψ(R,θ)が選別されてX線画像GIが取得されるので、従来は、X線CTでなければ検出できなかった接合面104の接合幅dを演算して評価することが可能となり、高性能な良否判定を廉価に実行することが可能となる。
【0068】
また第1実施形態では、画像合成処理部341は、撮像制御部33の制御によってX線カメラ21が撮像した複数のX線画像GIを重複させた合成画像CIを生成するものである。この第1実施形態では、例えば、半田部101の接合面104を検査する場合に、ある透過方向ψ(R,θ)に対して接合面104を透過したX線を遮る障害物が存在する場合であっても、何れか別の透過方向ψ(R,θ)からのX線画像GIに基づき、その存否を特定してX線画像GIから除去することが可能となる。その結果、障害物の存否に拘わらず、精緻に接合面104のエリアを割り出して、その面積や寸法に基づき、接合面104の良否判定を行うことが可能になる。
【0069】
なお、第1実施形態に係る画像合成処理部341は、各X線画像GIの輝度値を同一の座標毎に比較し、最も輝度値の高いものを選択して合成画像CIを二値化するものである。このため第1実施形態では、厚肉の半田部101を透過することによって接合面104でのX線の透過量が低減しているX線画像GIであっても、接合面104の輪郭を明瞭にすることができる。また、障害物によって一部のX線画像GIに影ができている場合でも、何れかのX線画像GIに接合面104が写っていれば、その輝度値が優先されて二値化されるので、障害物を除去した合成画像CIを得ることができる。
[第2実施形態]
次に、図9以下に示す別の実施形態(第2実施形態)について説明する。
【0070】
図9および図10を参照して、第2実施形態では、概ね矩形に形成された電子部品110の各辺から突出する複数のリード111のはんだ接合部を検査要部としている。各リード111は、電子部品110の外方に突出する突出部111aと、突出部111aから屈曲して下方に垂下する脚部111bと、脚部111bの下端から屈曲して、先端側が電子部品110の外方(電子部品110と反対側の方向)に延びるヒール部111cとを一体に有している。リード111は、ヒール部111cの下面がはんだ付けされる。溶融したはんだは、リード111の背面111dに濡れ拡がって、フィレット112となる。
【0071】
図10を参照して、このフィレット112の良否は、背面111dに濡れ拡がったフィレット112の高さ(フィレット高さ)Hが基準高さHsに至っているか否かによって決定される。図10(A)(B)に示す例は、それぞれはんだ(フィレット112)の量は幾分少ない場合、多い場合であるが、何れもフィレット112が基準となる高さHsを越えていて、良品とされる場合である。他方、図10(C)の場合、リード111の背面111dに対してフィレット112が充分に濡れ拡がっておらず、強度不足や接続不良を来す不良品と判定されるものである。
【0072】
フィレット112は、リード111の背面111dに濡れ拡がって、背面111dに隠れているので、その高さHの判定は、X線検査に依らざるを得ない。しかしながら、リード111を直視撮像によるX線検査で調べた場合、フィレット112の立ち上がり方向にX線が透過するので、図10(A)〜(C)の何れの場合においても、同様な画像となってしまい、フィレット高さHを評価することは容易ではない。
【0073】
第2実施形態では、斜視撮像によって得られた複数のX線画像GIを組み合わせてフィレット高さHを正確に演算し、その良否を判定することとしている。
【0074】
まず、図11を参照して、第2実施形態の原理を説明する。以下の説明では、リード111に設定される基準座標Pfに図5の中心Oを対応させて、垂直線の軸回りを方位R、垂直線Vに直交する任意の水平軸(図示せず)回りを傾斜角度θとして説明する。
【0075】
図11(A)(B)は、それぞれ同一のリード111に対して、透過方向ψ(R,θ)をψa=ψ(45°,45°)、ψb=ψ(135°,45°)として、X線を放射した場合を示している。以下の説明では、ψa=ψ(45°,45°)で得られたX線画像をGIa、ψb=ψ(135°,45°)で得られたX線画像をGIbとする。
【0076】
仮にリード111に対して図示のようなX線を放射し、影140a、140bを得ることができれば、その寸法に基づき、幾何学的に当該リード111のフィレット高さHを演算することが可能になる。しかしながら、現実のプリント基板Wには、多数の電子部品が実装されているため、図示のような影140a、140bを鮮明に得ることができず、従ってフィレット高さHの演算も、単に斜視撮像に依るだけでは可能ではない。そこで、以下の手順で、高さの適否を判断することとしている。
【0077】
まず、基準高さHsのリード111の断面Srを設定し、影140a、140bのうち、断面Srに対応するエリアSa(Sb)を設定する。基準高さHsの位置での断面Srの長辺、短辺の長さがそれぞれf、gである場合、この断面Srは、プリント基板Wの平面と平行なので、断面SrとエリアSa(Sb)は、相似形となる。また、放射されるX線源となるX線放射装置20の距離とリード111の大きさとを考慮すると、X線源は、リード111に対して充分に遠くにあると考えることができるので、断面SrとエリアSa(Sb)は、それぞれ同一となる。従って、エリアSa(Sb)の長辺の長さと短辺の長さは、それぞれf、gと等しくなる。
【0078】
次に、X線の透過方向ψ(R,θ)において、方位Rをそれぞれ45°、135°としているので、図11(A)(B)の条件で撮像したX線画像GIa、GIbを、それぞれの基準座標Pfを制御ユニット30に設定されるシステム上の座標Sp(x,y)と一致させ、リード111を縦断する中心線をY方向に沿わせて同一の向きで重複させると、平面でみた場合、図12(B)に示す状態となる。ここで、X線画像GIaの基準座標Pfと、この基準座標Pfに対応するエリアSa上の点PaまでのY方向の距離、またはX線画像GIbの基準座標Pfと、この基準座標Pfに対応するエリアSb上の点PbまでのY方向の距離は、断面Srの高さに対応する距離になる。他方、各X線画像GIa、GIbの影の傾斜は、45°(或いは−45°)であるので、断面Srの高さに対応するY方向の距離は、X線画像GIaの基準座標Pfから点PaまでのX方向の距離(或いは、X線画像GIbの基準座標Pfから点PbまでのX方向の距離)と等しい。従って、基準座標Pfから点PaまでのX方向の距離(或いは、基準座標Pfから点PbまでのX方向の距離)を求めれば、断面Srの高さを演算することが可能になる。
【0079】
このような原理に基づき、第2実施形態では、図11(A)(B)の条件で撮像したX線画像GIを、当該基準座標Pfが座標Sp(x,y)から正規のフィレット高さHに相当する所定量(X線画像GIaについてはFs、X線画像GIbについては−Fs)だけX方向にそれぞれシフトするように重複させると、図12(C)に示すように、エリアSaとエリアSbとが重複する合成画像CIを得ることが可能となる。
【0080】
このとき、良品のリード111を撮像した場合には、図13に示すように、影140a、140bが充分な長さを持ち、両影140a、140bの重複部150は、エリアSa(Sb)と内接する四角形Q1Q2Q3Q4を形成する。エリアSa(Sb)の長辺と短辺をそれぞれf、gとすると、図13に示す重複部150の面積Asは、As=(f+g)^2/2となる。これに対して、フィレット高さHが不十分なリード111を撮像した場合、影140a、140bの長さが短くなり、重複部150の面積は、狭くなる。従って、X線画像GIを正規のフィレット高さHに相当する所定量(Fs、−Fs)だけX方向にそれぞれシフトして合成したときにできる重複部150の面積を求めることにより、X線CTを用いることなく精緻にリード111のフィレット高さHの良否を判定することが可能になる。
【0081】
図14から図16は、影140a、140bの重なり方の態様を示すものである。図14は、影140a、140bが短くなってエリアSa(Sb)を含む五角形Q1Q10Q11Q12Q13の重複部150が生成された例である。この重複部150の面積Asは、As=(f^2)/4+f×gである。
【0082】
図15は、影140a、140bさらに短くなってエリアSa(Sb)の長辺と接する三角形Q1Q20Q21の重複部150が生成された例である。この重複部150の面積Asは、As=(f^2)/4である。
【0083】
図16は、影140a、140bさらに短くなってエリアSa(Sb)が影140a、140bの重複部分から外れた場合である。この場合には、重複部の面積Asは、As=0である。
【0084】
第2実施形態においても、図6並びに図7に示したフローチャートに従って、電子部品110のリード111のフィレット高さHを検査することができる。その場合、撮像パターンについては、表1のDが好適に選択される。そして、図7のX線画像合成処理ルーチン(ステップS30)においては、図12(A)に示すX線画像GIが最終的に図12(C)のように、シフト量Fs、−Fsに従ってシフトされた合成画像CIが生成される。合成画像CIのうち、X線画像GIの影140a、14bの重複部150の輝度値は、個々の輝度値に拘わらず、0と設定することが好適である。これにより、障害物に拘わらず、フィレット高さHの演算の基礎となる面積を特定し、良否判定に供することが可能となる。
【0085】
次いで、図7の検査判定処理ルーチン(ステップS31)では、図13〜図16で示したような演算が実行される。エリアSa(Sb)の座標は、既知であるので、このエリアSa(Sb)と重複部150との関係に基づいて、所定のロジックを組むことにより、フィレット高さHの良否を判定することが可能になる。例えば、図13や図14の場合は、良品と判定され、図15や図16の場合は、不良品と判定される。
【0086】
このように第2実施形態では、画像合成処理部341は、撮像制御部33の制御によってX線カメラ21が撮像した何れかのX線画像GIを、共通の基準座標Pfを原点として、当該フィレット高さHに応じたシフト量Fs、−Fsだけ所定の方向にシフトした合成画像CIを生成するものある。このため本実施形態では、従来の撮像方法では、検査が困難であったフィレット高さHの良否を判定することができる。
【0087】
また、第2実施形態は、同実施形態に係るX線画像処理装置と、画像合成処理部341が生成した合成画像CIに基づいて、検査要部の良否を判定する良否判定処理部35とを備え、画像合成処理部341は、透過方向ψ(R,θ)が対称となる組の各X線画像GIのうち、フィレット112部分の断面に相当するエリアSa、Sbが重複するように、各X線画像GIの双方をX方向にシフトさせるものであり、良否判定処理部35は、エリアSa(Sb)と連続して重複する各X線画像GIの重複部150の面積に基づいて当該フィレット112部分の良否を判定するものである。
【0088】
以上説明したように、本実施形態のX線画像処理装置は、検査要部としての接合面104やリード111にX線を照射するX線源としてのX線放射装置20と、X線が透過した検査要部のX線画像GIを撮影するX線カメラ21と、X線放射装置20とX線カメラ21とによる検査要部のX線撮像を制御する制御ユニット30とを備えているX線画像処理装置において、制御ユニット30は、検査要部をX線が斜めに透過する方向を含む複数の透過方向ψ(R,θ)をX線CTでの撮像よりも少ない数だけ設定する透過方向設定部331と、設定された透過方向ψ(R,θ)に基づいて、当該透過方向ψ(R,θ)毎にX線撮像をX線放射装置20とX線カメラ21とに実行させる撮像制御部33と、撮像された複数のX線画像GIを所定の条件で重ね合わせて合成画像CIを生成する画像合成処理部341とを備えている。
【0089】
このため本実施形態では、X線CTと異なり、予めX線CTでの撮像よりも少なく選別された複数の透過方向ψ(R,θ)の数だけX線を照射するので、検査対象品はもちろんのこと、X線撮像に用いられる機器の被爆量を低減することができる。従って、X線検査によるプリント基板Wの劣化を防止することができるとともに、X線撮像に用いられる機器(X線放射装置20、X線カメラ21、並びにハウジング10内の各種駆動ユニット等)の長寿命化を図ることができ、ランニングコストを低減することが可能となる。また、全方位から撮像された画像を再構成するのではなく、少なく選別された透過方向ψ(R,θ)に基づいて撮像されたX線画像GIを合成処理して良否判定を実行することができるので、演算処理を迅速化することも可能となる。さらに、限られた枚数でありながら、検査要部をX線が斜めに透過する透過方向ψ(R,θ)が選別されてX線画像GIが取得されるので、それらX線画像GIが合成されて障害物を除去したり、不明瞭な輪郭を鮮明に検出したり、特定の方位からの撮像では検出が困難であったフィレット高さHを割り出したりすることができる。このため従来の技術では、X線CTでなければ検出できなかった検査要部の高さや面積等の検査要素を演算して評価することが可能となり、高性能な良否判定を廉価に実行することが可能となる。
【0090】
また本実施形態では、透過方向設定部331は、検査要部としての接合面104やリード111を通る垂直軸V回りの角度としての方位Rと、垂直軸Vと直交する線分Ya回りの角度としての傾斜角度θとを組み合わせて、透過方向ψ(R,θ)を設定するものである。本実施形態では、透過方向ψ(R,θ)が接合面104の中心Oやリード112の基準座標Pfを通る垂直線回りの角度(或いは方位)と、前記垂直線と直交する線分回りの角度(或いは傾斜角度)とを要素とする二次元配列の変数であることから、方位Rと傾斜角度θの何れか一方を同一の値とし、他方を変化させて、演算を簡素化することが可能となる。
【0091】
また本実施形態では、透過方向設定部331は、表1に例示したように、垂直軸Vに関して対称となる透過方向ψ(R,θ)の組を含んでいる。このため本実施形態では、障害物を回避可能な可能性の高い透過方向ψ(R,θ)を設定することが可能になるとともに、撮像されたX線画像GIを合成する処理や、合成画像CIの評価処理が容易になる。
【0092】
本発明の別の態様は、第1、第2実施形態の何れかに係るX線画像処理装置と、画像合成処理部341が生成した合成画像CIに基づいて、接合面104やフィレット高さHの良否を判定する良否判定処理部35とを備えていることを特徴とするX線検査装置Aである。
【0093】
本発明の別の態様は、電子部品100、110の検査要部としての接合面104やフィレット112等にX線を照射して撮像した後、電子部品100、110の検査要部のX線画像GIに基づいて、検査要部の良否を判定するX線検査方法において、検査要部をX線が斜めに透過する方向を含む複数の透過方向ψ(R,θ)をX線CTでの撮像よりも少ない数だけ設定する透過方向設定ステップと、設定された透過方向ψ(R,θ)に基づいて、当該透過方向ψ(R,θ)毎にX線撮像を実行するX線撮像ステップ(S25〜S29)と、撮像された複数のX線画像GIを合成して合成画像CIを生成する合成画像生成ステップ(S30)と、合成画像CIに基づいて検査要部の検査要素を評価することにより、当該検査要部の良否を判定する良否判定ステップ(S31)とを備えていることを特徴とするX線検査方法である。
【0094】
以上説明したように、X線CTと異なり、予めX線CTでの撮像よりも少なく選別された複数の透過方向ψ(R,θ)の数だけX線を照射するので、検査対象品や、X線撮像に用いられる機器の長寿命化を図ることができ、ランニングコストを低減することが可能となる。また、少なく選別された画像を合成処理して良否判定を実行することができるので、演算処理を迅速化することも可能となる。さらに、検査要部をX線が斜めに透過する透過方向ψ(R,θ)が選別されてX線画像GIが取得されるので、従来は、X線CTでなければ検出できなかった検査要部の高さや面積等の検査要素を演算して評価することが可能となり、高性能な良否判定を廉価に実行することが可能となる。従って、本発明によれば、リフロー処理後のBGA100やリード111とプリント基板Wの接合を検査するに当たり、比較的低廉な方法で精度の高い検査画像を得ることができるという顕著な効果を奏する。
【0095】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることはいうまでもない。
【0096】
例えば、本発明における透過方向ψ(R,θ)は、方位Rと傾斜角度θとを要素とする二次元配列の変数であることから、これら方位Rと傾斜角度θの何れか一方を同一の値とし、他方を変化させて、演算を簡素化することが可能となる。例えば、表1の例では、傾斜角度θを45°で方位Rを変化させる態様を示したが、本発明は、表1に例示した態様に限らず、方位Rを0°で固定し、傾斜角度θの定義域を変更して、複数の傾斜角度θ(={0°、45°、0°、−45°})としてもよい。方位R、傾斜角度θの範囲の基準となる座標軸は、X方向、Y方向に沿っているものに限らず、所定の座標を通過する任意の水平軸で設定することが可能である。
【0097】
また、第1実施形態において、接合面104の形状は、通常は、円形であるが、矩形であってもよい。
【0098】
また、プリント基板W上の電子部品の検査を行うに当たり、第1実施形態に係るBGA100と第2実施形態に係る電子部品110とを並行して検査するようにしてもよい。
【0099】
また、透過方向ψ(R,θ)を設定するに当たり、方位Rや傾斜角度θを決定する垂直軸Vは、必ずしも検査要部の中心を通る必要はない。
【0100】
次に、図17を参照して、本発明に好適な形態として、X線放射装置200を採用することが望ましい。X線放射装置200は、放射窓201aを有するガラス管201と、ガラス管201の一端部に固定され、ガラス管201の他端側に集束筒202aを有する陰極202と、ガラス管201の他端側に固定され、陰極202の集束筒202aに対向するターゲット(焦点)203aを有する陽極203とを備えている。陰極202の集束筒202aには、フィラメント204が設けられており、陽極203のターゲット203aに臨んでいる。ターゲット203aは、ガラス管201の中心線に対して例えば、45°傾斜しており、フィラメント204から放射されたX線を放射窓201aからガラス管201の外側に放射できるようになっている。
【0101】
図17の構成では、上述した種々の態様で、より好適にX線を放射することが可能となる。
【0102】
その他、本発明の特許請求の範囲内で種々の変更が可能であることは、いうまでもない。
【符号の説明】
【0103】
A X線検査装置
CI 合成画像
d 接合幅
D ランド幅
Fs シフト量
GI、GIa、GIb X線画像
H フィレット高さ
Hs 基準高さ
O 中心
Pf 基準座標
R 方位
V 垂直線
W プリント基板
θ 傾斜角度
ψ 透過方向
20 X線放射装置
21 X線カメラ
30 制御ユニット
33 撮像制御部
34 画像処理部
35 良否判定処理部
100 BGA(検査対象品の一例)
101 半田部(検査対象品の一例)
104 接合面(検査対象品の一例)
110 電子部品(検査対象品の一例)
111 リード(検査要部の一例)
112 フィレット
140a、140b 影
150 重複部
200 X線放射装置
331 透過方向設定部
341 画像合成処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象品の検査要部にX線を照射するX線源と、
前記X線が透過した前記検査要部のX線画像を撮影するX線カメラと、
前記X線源と前記X線カメラとによる前記検査要部のX線撮像を制御する制御ユニットと
を備えているX線画像処理装置において、
前記制御ユニットは、
前記検査要部をX線が斜めに透過する方向を含む複数の透過方向をX線CTでの撮像よりも少ない数だけ設定する透過方向設定部と、
設定された前記透過方向に基づいて、当該透過方向毎に前記X線撮像を前記X線源と前記X線カメラとに実行させる撮像制御部と、
撮像された複数のX線画像を所定の条件で重ね合わせて合成画像を生成する画像合成処理部と
を備えていることを特徴とするX線画像処理装置。
【請求項2】
請求項1記載のX線画像処理装置において、
前記透過方向設定部は、前記検査要部の検査要部を通る垂直線回りの角度と、前記垂直線と直交する線分回りの角度とを組み合わせた前記透過方向を設定するものである
ことを特徴とするX線画像処理装置。
【請求項3】
請求項2記載のX線画像処理装置において、
前記透過方向設定部は、前記垂直線に関して透過方向が対称となる組を含んでいる
ことを特徴とするX線画像処理装置。
【請求項4】
請求項3記載のX線画像処理装置において、
前記画像合成処理部は、前記撮像制御部の制御によって前記X線カメラが撮像した何れかのX線画像を、共通の基準座標を原点として、当該検査要部の高さに応じたシフト量だけ所定の方向にシフトした合成画像を生成するものある
ことを特徴とするX線画像処理装置。
【請求項5】
請求項1から3の何れか1項に記載のX線画像処理装置において、
前記画像合成処理部は、共通の座標面上で中心を揃えて各X線画像を重複させるとともに、重複された各X線画像の輝度値を同一の座標毎に比較し、最も輝度値の高いものを選択して合成画像を二値化するものである
ことを特徴とするX線画像処理装置。
【請求項6】
請求項1から5の何れか1項に記載のX線画像処理装置と、
前記画像合成処理部が生成した合成画像に基づいて、前記検査要部の良否を判定する良否判定処理部と
を備えていることを特徴とするX線検査装置。
【請求項7】
請求項6記載のX線検査装置において、
前記良否判定処理部は、前記合成画像において、前記X線画像の重複部の面積に基づいて当該検査要部の良否を判定するものである
ことを特徴とするX線検査装置。
【請求項8】
請求項4記載のX線画像処理装置と、
前記画像合成処理部が生成した合成画像に基づいて、前記検査要部の良否を判定する良否判定処理部と
を備え、
前記画像合成処理部は、透過方向が対称となる組の各X線画像のうち、前記検査要部の断面に相当するエリアが重複するように、各X線画像の何れかを所定方向にシフトさせるものであり、
前記良否判定処理部は、前記エリアと連続して重複する各X線画像の重複部の面積に基づいて当該検査要部の良否を判定するものである
ことを特徴とするX線検査装置。
【請求項9】
検査対象品の検査要部にX線を照射して撮像した後、前記検査要部のX線画像に基づいて、前記検査要部の良否を判定するX線検査方法において、
前記検査要部をX線が斜めに透過する方向を含む複数の透過方向をX線CTでの撮像よりも少ない数だけ設定する透過方向設定ステップと、
設定された前記透過方向に基づいて、当該透過方向毎に前記X線撮像を実行するX線画像撮像ステップと、
撮像された複数のX線画像を所定の条件で重ね合わせて合成画像を生成する合成画像生成ステップと、
前記合成画像に基づいて前記検査要部の検査要素を評価することにより、当該検査要部の良否を判定する良否判定ステップと
を備えていることを特徴とするX線検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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