説明

YC分離回路

【課題】クロスカラー及びドット妨害を生じさせることなくPAL方式の複合ビデオ信号から色信号成分及び輝度信号成分を分離抽出することができるYC分離回路を適用することを目的とする。
【解決手段】映像信号に対して各水平走査ラインを処理対象としてYC分離を行うにあたり、処理対象ラインの2ライン下方に位置する下方ラインとの下方相関量を(1/K)倍した値よりも、処理対象ラインの2ライン上方に位置する上方ラインとの上方相関量の方が小である場合には、処理対象ライン及び上記上方ライン各々に対応した映像信号に基づいて色信号を得る。又、上方相関量を(1/K)倍した値よりも下方相関量の方が小である場合には、上記処理対象ライン及び下方ライン各々に対応した映像信号に基づいて色信号を得る。又、上方相関量と下方相関量との差が所定値よりも小となる場合には、上記処理対象ライン、上方ライン及び下方ラインの3つのライン各々に対応した映像信号に基づいて色信号を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合ビデオ信号から輝度信号及び色信号を分離するYC分離回路に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、複合ビデオ信号から輝度信号及び色信号を夫々分離抽出するY/C分離回路として2Hコムフィルタを採用したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。かかるY/C分離回路は、先ず、入力された複合ビデオ信号に基づき第1の水平走査ライン上の所定のサンプル値を第1サンプリングポイント、このポイントの1ライン前の斜め左上のサンプル値を第2サンプリングポイント、第1サンプリングポイントの1ライン後の斜め右下のサンプル値を第3サンプリングポイントとして夫々抽出する。次に、第1の水平走査ラインに隣接する第2の水平走査ライン上の所定のサンプル値を第4サンプリングポイント、第4サンプリングポイントの1ライン前の斜め右上のサンプル値を第5サンプリングポイント、第4サンプリングポイントの1ライン後の斜め左下のサンプル値を第6サンプリングポイントとして抽出する。そして、第1及至第3サンプリングポイントと、第4及至第6サンプリングポイントとを夫々のライン属性に対応して切り換えつつ、各サンプリングポイントの値に対して垂直フィルタリング処理を施すことにより色信号成分を得ると共に、この色信号成分を複合ビデオ信号から減算することにより輝度信号成分を得る。
【0003】
この際、かかるY/C分離回路においては、入力された複合ビデオ信号中の色信号成分が上側又は下側に隣接する水平走査ラインに対して相関を持つ場合には十分な分離性能が得られる。
【0004】
ところが、複合ビデオ信号中の輝度信号成分が上側又は下側に隣接する水平走査ラインの内の一方向にしか相関を持たない場合には、良好な分離性能が得られず、クロスカラー及びドット妨害が生じる恐れがあるという問題があった。
【特許文献1】特開平06−54342号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、かかる問題を解決すべく為されたものであり、クロスカラー及びドット妨害を防止させつつPAL方式の複合ビデオ信号から色信号成分及び輝度信号成分を分離抽出することができるYC分離回路を適用することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載によるYC分離回路は、PAL方式の映像信号を1水平走査ライン分毎に処理対象として前記映像信号から輝度信号及び色信号を夫々分離抽出するYC分離回路であって、処理対象ラインに対応した前記映像信号と前記処理対象ラインよりも2ライン上の上方ラインに対応した前記映像信号とに基づいて第1色信号を生成し、前記処理対象ラインに対応した前記映像信号と前記処理対象ラインよりも2ライン下の下方ラインに対応した前記映像信号とに基づいて第2色信号を生成し、前記処理対象ライン、前記上方ライン及び前記下方ライン各々に対応した前記映像信号に基づいて第3色信号を生成する適応型コムフィルタと、前記処理対象ラインに対応した前記映像信号と前記上方ラインに対応した前記映像信号との相関量を示す上方相関量を検出すると共に、前記処理対象ラインに対応した前記映像信号と前記下方ラインに対応した前記映像信号との相関量を示す下方相関量を検出する相関検出回路と、前記上方相関量が前記下方相関量の(1/K)倍(但しK>1)よりも小なる場合には前記第1色信号を前記色信号として出力し、前記下方相関量が前記上方相関量の(1/K)倍よりも小なる場合には前記第2色信号を前記色信号として出力し、前記上方相関量と前記下方相関量との差が所定値よりも小なる場合には前記第3色信号を前記色信号として出力するセレクタと、前記セレクタから出力される前記色信号と前記処理対象ラインに対応した前記映像信号とに基づいて前記輝度信号を生成するフィルタ回路と、を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
複合ビデオ信号を1水平走査ライン分毎に処理対象とし、その処理対象ラインよりも上方に位置する上方ラインとの上方相関量と、処理対象ラインよりも下方に位置する下方ラインとの下方相関量とを夫々求める。そして、下方相関量を(1/K)倍した値よりも上方相関量の方が小である場合には、上記処理対象ライン及び処理対象ラインよりも2ラインだけ上方に位置する上方ライン各々に対応した色副搬送波帯域信号に対してコムフィルタリング処理を施して得た上方コム処理結果信号を色信号として得る。又、上方相関量を(1/K)倍した値よりも下方相関量の方が小である場合には、上記処理対象ライン及び処理対象ラインよりも2ラインだけ下方に位置する下方ライン各々に対応した色副搬送波帯域信号に対してコムフィルタリング処理を施して得た下方コム処理結果信号を色信号として得る。又、上方相関量と下方相関量との差が所定値よりも小となる場合、上記処理対象ライン、上方ライン及び下方ラインの3つのライン各々に対応した色副搬送波帯域信号に対してコムフィルタリング処理を施して得られた適応コム処理結果信号を色信号として得る。
【実施例】
【0008】
図1は、本発明によるYC分離回路の構成を示す図である。
【0009】
図1において、ラインメモリ4は、入力されたPAL方式の複合ビデオ信号を1水平走査期間だけ遅延してこれをDラインビデオ信号として、ラインメモリ3及びDライン遅延回路8に夫々供給する。ラインメモリ3は、上記Dラインビデオ信号を1水平走査期間だけ遅延してこれをMラインビデオ信号として、ラインメモリ2及びMラインフィルタ7に夫々供給する。ラインメモリ2は、上記Mラインビデオ信号を1水平走査期間だけ遅延してこれをUラインビデオ信号として、ラインメモリ1及びUライン遅延回路6に夫々供給する。ラインメモリ1は、上記Uラインビデオ信号を1水平走査期間だけ遅延してこれをTラインビデオ信号としてTラインフィルタ5に供給する。
【0010】
Tラインフィルタ5は、上記Tラインビデオ信号中から色副搬送波周波数を含む周波数帯域を抽出して得られた信号をTライン色副搬送波帯域信号BPFTCとし、これを相関検出器10及び適応コムフィルタ11に夫々供給する。更に、Tラインフィルタ5は、このTラインビデオ信号中から色副搬送波周波数を含む周波数帯域を抽出するのに費やした処理時間Tだけ、上記Tラインビデオ信号を遅延させて得られたTラインビデオ信号CVBSTCを相関検出器10に供給する。Uライン遅延回路6は、上記処理時間Tの分だけ上記Uラインビデオ信号を遅延させて得られたUラインビデオ信号CVBSUCを相関検出器10に供給する。Mラインフィルタ7は、上記Mラインビデオ信号中から色副搬送波周波数を含む周波数帯域を抽出して得られた信号をMライン色副搬送波帯域信号BPFMCとし、これを相関検出器10及び適応コムフィルタ11に夫々供給する。更に、Mラインフィルタ7は、上記処理時間Tの分だけ上記Mラインビデオ信号を遅延させて得られたMラインビデオ信号CVBSMCを相関検出器10及び遅延回路14に供給する。Dライン遅延回路8は、上記処理時間Tの分だけ上記Dラインビデオ信号を遅延させて得られたDラインビデオ信号CVBSDCを相関検出器10に供給する。Bラインフィルタ9は、入力された複合ビデオ信号中から色副搬送波周波数を含む周波数帯域を抽出して得られた信号をBライン色副搬送波帯域信号BPFBCとし、これを相関検出器10及び適応コムフィルタ11に夫々供給する。更に、Bラインフィルタ9は、上記処理時間Tの分だけ入力複合ビデオ信号を遅延させて得られたBラインビデオ信号CVBSBCを相関検出器10に供給する。
【0011】
適応コムフィルタ11は、上記Mライン色副搬送波帯域信号BPFMCとTライン色副搬送波帯域信号BPFTCとの差分値の1/2を求めこの1/2差分値を示す信号を上方コム処理結果信号Tcombとしてセレクタ15に供給する。又、適応コムフィルタ11は、上記Mライン色副搬送波帯域信号BPFMCとBライン色副搬送波帯域信号BPFBCとの差分値の1/2を求めこの1/2差分値を示す信号を下方コム処理結果信号Bcombとしてセレクタ15に供給する。更に、適応コムフィルタ11は、Tライン色副搬送波帯域信号BPFTCとBライン色副搬送波帯域信号BPFBCとを加算し、その加算結果とMライン色副搬送波帯域信号BPFMCとの差分値を適応コム処理結果信号Acombとしてセレクタ15に供給する。尚、適応コムフィルタ11は、Tライン色副搬送波帯域信号BPFTC、Bライン色副搬送波帯域信号BPFBC及びMライン色副搬送波帯域信号BPFMCの平均値、又はTライン色副搬送波帯域信号BPFTC及びBライン色副搬送波帯域信号BPFBCの平均値、あるいはMライン色副搬送波帯域信号BPFMC自体の値を適応コム処理結果信号Acombとするようにしても良い。
【0012】
相関検出器10は、上記Tライン色副搬送波帯域信号BPFTC、Mライン色副搬送波帯域信号BPFMC、Bライン色副搬送波帯域信号BPFBC、Tラインビデオ信号CVBSTC、Uラインビデオ信号CVBSUC、Mラインビデオ信号CVBSMC、Dラインビデオ信号CVBSDC、及びBラインビデオ信号CVBSBC各々に基づき、処理対象ラインにおける色帯域信号に対する隣接ライン間の相関量を検出する。この際、相関検出器10は、処理対象ラインの上下に夫々隣接するラインの内の内の上側に隣接するラインとの相関量を示す上方相関値信号TREL、並びに下側に隣接するラインとの相関量を示す下方相関値信号BRELをセレクタ15に供給する。
【0013】
図2は、かかる相関検出器10の内部構成を示す図である。
【0014】
図2において、加算器21は、上記Tライン色副搬送波帯域信号BPFTCとMライン色副搬送波帯域信号BPFMCとを加算しその加算結果を絶対値回路27に供給する。絶対値回路27は、かかる加算結果の絶対値を求めこれをライン間色差分信号CRELTCとして水平結合回路33に供給する。すなわち、加算器21及び絶対値回路27は、例えば図3に示す如き、隣接する5つの水平走査ラインT、U、M、D、Bの内のラインTに対応したTライン色副搬送波帯域信号BPFTCと、ラインMに対応したMライン色副搬送波帯域信号BPFMCとの加算を、同一列に配列された画素(丸印にて示す)に対応したもの同士にて行う。例えば、図3においては、先ず、画素TLに対応したBPFTCと画素MLに対応したBPFMCとの加算結果の絶対値をライン間色差分信号CRELTCとして水平結合回路33に供給する。尚、ここで得られたライン間色差分信号CRELTCをCRELTC−1と称する。次に、画素TCに対応したBPFTCと画素MCに対応したBPFMCとの加算結果の絶対値をライン間色差分信号CRELTCとして水平結合回路33に供給する。尚、ここで得られたライン間色差分信号CRELTCをCRELTC−2と称する。次に、画素TRに対応したBPFTCと画素MRに対応したBPFMCとの加算結果の絶対値をライン間色差分信号CRELTCとして水平結合回路33に供給する。尚、ここで得られたライン間色差分信号CRELTCをCRELTC−3と称する。
【0015】
水平結合回路33は、ライン間色差分信号CRELTCを各画素毎にサンプリングして得たサンプル値系列中の各サンプル値を処理対象とし、その処理対象サンプル値の前後に隣接するサンプル値の内で大なる方のサンプル値と、上記処理対象サンプル値との加算を行う。すなわち、水平結合回路33は、先ず、図3に示す如き中央列の左に隣接する列に属する画素(TL、ML)に対応したCRELTC−1と、右側に隣接する列に属する画素(TR、MR)に対応したCRELTC−3との大小比較を行う。そして、水平結合回路33は、かかる大小比較の結果、CRELTC−1及びCRELTC−3の内で大であると判定された方と、中央列に属する画素(TC、MC)に対応したCRELTC−2との加算結果の値を色帯域成分に対する上方向の垂直相関の度合いを示す上方色相関値信号CRELHTCとして最小値セレクタ41に供給する。尚、Mラインの色副搬送波帯域信号とTラインの色副搬送波帯域信号との相関が強いほど、上方色相関値信号CRELHTCの値は小になる。
【0016】
このように、加算器21、絶対値回路27及び水平結合回路33では、図3に示す如きMラインを処理対象とし、このMラインよりも2ライン分上方に位置するTライン上の色副搬送波帯域信号を用いることにより、複合ビデオ信号中の色副搬送波帯域信号における上方向に対する垂直相関を求めるのである。尚、加算器21、絶対値回路27及び水平結合回路33においては、上方向の垂直相関を求める際に対象とすべきM及びTライン各々上の画素として、図3に示す如き画素MC及び画素TCのみならず、夫々の左方向に隣接する画素ML及びTL、並びに右方向に隣接する画素MR及びTRをも用いるようにしている。つまり、色副搬送波帯域信号の0クロス近傍では例えM及びTライン各々上の色副搬送波帯域信号BPFに相関が無くても、両者の差分値であるライン間色差分信号CRELが小なる値となるので、これを防止すべく画素MC及び画素TC夫々の左右方向に隣接する画素ML及びTL、画素MR及びTRをも垂直相関量を求める際の対象としたのである。
【0017】
加算器22は、上記Bライン色副搬送波帯域信号BPFBCとMライン色副搬送波帯域信号BPFMCとを加算しその加算結果を絶対値回路28に供給する。絶対値回路28は、かかる加算結果の絶対値を求めこれをライン間色差分信号CRELBCとして水平結合回路34に供給する。すなわち、加算器22及び絶対値回路28は、例えば図3に示す如き、隣接する5つの水平走査ラインT、U、M、D、Bの内のラインBに対応したBライン色副搬送波帯域信号BPFBCと、ラインMに対応したMライン色副搬送波帯域信号BPFMCとの加算を、同一列に配列された画素(丸印にて示す)に対応したもの同士にて行う。例えば、図3においては、先ず、画素BLに対応したBPFBCと画素MLに対応したBPFMCとの加算結果の絶対値をライン間色差分信号CRELBCとして水平結合回路34に供給する。尚、ここで得られたライン間色差分信号CRELBCをCRELBC−1と称する。次に、画素BCに対応したBPFBCと画素MCに対応したBPFMCとの加算結果の絶対値をライン間色差分信号CRELBCとして水平結合回路34に供給する。尚、ここで得られたライン間色差分信号CRELBCをCRELBC−2と称する。次に、画素BRに対応したBPFBCと画素MRに対応したBPFMCとの加算結果の絶対値をライン間色差分信号CRELBCとして水平結合回路34に供給する。尚、ここで得られたライン間色差分信号CRELBCをCRELBC−3と称する。
【0018】
水平結合回路34は、ライン間色差分信号CRELBCを各画素毎にサンプリングして得たサンプル値系列中の各サンプル値を処理対象とし、その処理対象サンプル値の前後に隣接するサンプル値の内で大なる方のサンプル値と、上記処理対象サンプル値との加算を行う。すなわち、水平結合回路34は、先ず、図3に示す如き中央列の左に隣接する列に属する画素(BL、ML)に対応したCRELBC−1と、右側に隣接する列に属する画素(BR、MR)に対応したCRELBC−3との大小比較を行う。そして、水平結合回路34は、かかる大小比較の結果、CRELBC−1及びCRELBC−3の内で大であると判定された方と、中央列に属する画素(BC、MC)に対応したCRELBC−2との加算結果の値を色帯域成分に対する下方向の垂直相関の度合いを示す下方色相関値信号CRELHBCとして最小値セレクタ42に供給するのである。尚、Mラインの色副搬送波帯域信号とBラインの色副搬送波帯域信号との相関が強いほど、下方色相関値信号CRELHBCの値は小になる。
【0019】
このように、加算器22、絶対値回路28及び水平結合回路34においては、図3に示す如きMラインを処理対象とし、このMラインよりも2ライン下方に位置するBライン上の色副搬送波帯域信号を用いることにより、複合ビデオ信号中の色副搬送波帯域信号における下方向に対する垂直相関を求めているのである。尚、加算器22、絶対値回路28及び水平結合回路34においては、下方向の垂直相関を求める際に対象とすべきM及びBライン各々上の画素として、図3に示す如き画素MC及び画素BCのみならず、夫々の左方向に隣接する画素ML及びBL、並びに右方向に隣接する画素MR及びBRをも用いるようにしている。つまり、色副搬送波帯域信号の0クロス近傍では例えM及びBライン各々上の色副搬送波帯域信号BPFに相関が無くても、両者の差分値であるライン間色差分信号CRELBCが小なる値となってしまうので、これを防止すべく画素MC及び画素BC夫々の左右方向に隣接する画素ML及びBL、画素MR及びBRをも垂直相関量を求める際の対象としたのである。
【0020】
減算器23は、上記Tラインビデオ信号CVBSTCからMラインビデオ信号CVBSMCを減算しその減算結果を絶対値回路29に供給する。絶対値回路29は、かかる減算結果の絶対値を求めこれをライン間ビデオ差分信号WRELTCとして水平結合回路35に供給する。すなわち、減算器23及び絶対値回路29は、例えば図3に示す如き、隣接する5つの水平走査ラインT、U、M、D、Bの内のラインTに対応したTラインビデオ信号CVBSTCと、ラインMに対応したMラインビデオ信号CVBSMCとの差分値を、同一列に配列された画素(丸印にて示す)に対応したもの同士にて求める。例えば、図3においては、先ず、画素TLに対応したCVBSTCと画素MLに対応したCVBSMCとの差分値をライン間ビデオ差分信号WRELTCとして水平結合回路35に供給する。尚、ここで得られたライン間ビデオ差分信号WRELTCをWRELTC−1と称する。次に、画素TCに対応したCVBSTCと画素MCに対応したCVBSMCとの差分値をライン間ビデオ差分信号WRELTCとして水平結合回路35に供給する。尚、ここで得られたライン間ビデオ差分信号WRELTCをWRELTC−2と称する。次に、画素TRに対応したCVBSTCと画素MRに対応したCVBSMCとの差分値をライン間ビデオ差分信号WRELTCとして水平結合回路35に供給する。尚、ここで得られたライン間ビデオ差分信号WRELTCをWRELTC−3と称する。
【0021】
水平結合回路35は、ライン間ビデオ差分信号WRELTCを各画素毎にサンプリングして得たサンプル値系列中の各サンプル値を処理対象とし、その処理対象サンプル値の前後に隣接するサンプル値の内で大なる方のサンプル値と、上記処理対象サンプル値との加算を行う。すなわち、水平結合回路35は、先ず、図3に示す如き中央列の左に隣接する列に属する画素(TL、ML)に対応したWRELTC−1と、右側に隣接する列に属する画素(TR、MR)に対応したWRELTC−3との大小比較を行う。そして、水平結合回路35は、かかる大小比較の結果、両者の内で大であると判定された方と、中央列に属する画素(TC、MC)に対応したWRELTC−2との加算結果を、輝度信号成分に対する上方向の垂直相関の度合いを示す第1上方輝度相関値信号WRELHTCとして平均化回路39に供給するのである。
【0022】
減算器24は、上記Uラインビデオ信号CVBSUCからMラインビデオ信号CVBSMCを減算しその減算結果を絶対値回路30に供給する。絶対値回路30は、かかる減算結果の絶対値を求めこれをライン間ビデオ差分信号WRELUCとして水平結合回路36に供給する。すなわち、減算器24及び絶対値回路30は、例えば図3に示す如き、隣接する5つの水平走査ラインT、U、M、D、Bの内のラインUに対応したUラインビデオ信号CVBSUCと、ラインMに対応したMラインビデオ信号CVBSMCとの差分値を、同一列に配列された画素(丸印にて示す)に対応したもの同士にて求める。例えば、図3においては、先ず、画素ULに対応したCVBSUCと画素MLに対応したCVBSMCとの差分値をライン間ビデオ差分信号WRELUCとして水平結合回路36に供給する。尚、ここで得られたライン間ビデオ差分信号WRELUCをWRELUC−1と称する。次に、画素UCに対応したCVBSUCと画素MCに対応したCVBSMCとの差分値をライン間ビデオ差分信号WRELUCとして水平結合回路36に供給する。尚、ここで得られたライン間ビデオ差分信号WRELUCをWRELUC−2と称する。次に、画素URに対応したCVBSUCと画素MRに対応したCVBSMCとの差分値をライン間ビデオ差分信号WRELUCとして水平結合回路36に供給する。尚、ここで得られたライン間ビデオ差分信号WRELUCをWRELUC−3と称する。
【0023】
水平結合回路36は、ライン間ビデオ差分信号WRELUCを各画素毎にサンプリングして得たサンプル値系列中の各サンプル値を処理対象とし、その処理対象サンプル値の前後に隣接するサンプル値の内で大なる方のサンプル値と、上記処理対象サンプル値との加算を行う。すなわち、水平結合回路36は、先ず、図3に示す如き中央列の左に隣接する列に属する画素(UL、ML)に対応したWRELUC−1と、右側に隣接する列に属する画素(UR、MR)に対応したWRELUC−3との大小比較を行う。そして、水平結合回路36は、かかる大小比較の結果、両者の内で大であると判定された方と、中央列に属する画素(UC、MC)に対応したWRELUC−2との加算結果を、輝度信号成分に対する上方向の垂直相関の度合いを示す第2上方輝度相関値信号WRELHUCとして平均化回路39に供給するのである
平均化回路39は、上記の如き第1上方輝度相関値信号WRELHTCと第2上方輝度相関値信号WRELHUCとの平均値を求めこの平均値を上方輝度相関値信号YRELTCとして最小値セレクタ41に供給する。尚、Mラインの輝度帯域信号とUライン及びTラインの輝度帯域信号との相関が強いほど、上方輝度相関値信号YRELTCの値は小になる。
【0024】
このように、減算器(23、24)、絶対値回路(29、30)、水平結合回路(35、36)及び平均化回路39では、図3に示す如きMラインを処理対象とし、このMラインよりも1ライン上方のUライン及び2ライン上方のTライン各々に対応した複合ビデオ信号を用いることにより、複合ビデオ信号中の輝度信号成分に対する上方向における垂直相関量を求めているのである。
【0025】
減算器25は、上記Dラインビデオ信号CVBSDCからMラインビデオ信号CVBSMCを減算しその減算結果を絶対値回路31に供給する。絶対値回路31は、かかる減算結果の絶対値を求めこれをライン間ビデオ差分信号WRELDCとして水平結合回路37に供給する。すなわち、減算器25及び絶対値回路31は、例えば図3に示す如き、5つの水平走査ラインT、U、M、D、Bの内のラインDに対応したDラインビデオ信号CVBSDCと、ラインMに対応したMラインビデオ信号CVBSMCとの差分値を、同一列に配列された画素(丸印にて示す)に対応したもの同士にて求める。例えば、図3においては、先ず、画素DLに対応したCVBSDCと画素MLに対応したCVBSMCとの差分値をライン間ビデオ差分信号WRELDCとして水平結合回路37に供給する。尚、ここで得られたライン間ビデオ差分信号WRELDCをWRELDC−1と称する。次に、画素DCに対応したCVBSDCと画素MCに対応したCVBSMCとの差分値をライン間ビデオ差分信号WRELDCとして水平結合回路37に供給する。尚、ここで得られたライン間ビデオ差分信号WRELDCをWRELDC−2と称する。次に、画素DRに対応したCVBSDCと画素MRに対応したCVBSMCとの差分値をライン間ビデオ差分信号WRELDCとして水平結合回路37に供給する。尚、ここで得られたライン間ビデオ差分信号WRELDCをWRELDC−3と称する。
【0026】
水平結合回路37は、ライン間ビデオ差分信号WRELDCを各画素毎にサンプリングして得たサンプル値系列中の各サンプル値を処理対象とし、その処理対象サンプル値の前後に隣接するサンプル値の内で大なる方のサンプル値と、上記処理対象サンプル値との加算を行う。すなわち、水平結合回路37は、先ず、図3に示す如き中央列の左に隣接する列に属する画素(DL、ML)に対応したWRELDC−1と、右側に隣接する列に属する画素(DR、MR)に対応したWRELDC−3との大小比較を行う。そして、水平結合回路37は、かかる大小比較の結果、両者の内で大であると判定された方と、中央列に属する画素(DC、MC)に対応したWRELDC−2との加算結果を、複合ビデオ信号中の輝度信号成分に対する下方向の垂直相関の度合いを示す第1下方輝度相関値信号WRELHDCとして平均化回路40に供給するのである。
【0027】
減算器26は、上記Bラインビデオ信号CVBSBCからMラインビデオ信号CVBSMCを減算しその減算結果を絶対値回路32に供給する。絶対値回路32は、かかる減算結果の絶対値を求めこれをライン間ビデオ差分信号WRELBCとして水平結合回路38に供給する。すなわち、減算器26及び絶対値回路32は、例えば図3に示す如き、5つの水平走査ラインT、U、M、D、Bの内のラインBに対応したBラインビデオ信号CVBSBCと、ラインMに対応したMラインビデオ信号CVBSMCとの差分値を、同一列に配列された画素(丸印にて示す)に対応したもの同士にて求める。例えば、図3においては、先ず、画素BLに対応したCVBSBCと画素MLに対応したCVBSMCとの差分値をライン間ビデオ差分信号WRELBCとして水平結合回路38に供給する。尚、ここで得られたライン間ビデオ差分信号WRELBCをWRELBC−1と称する。次に、画素BCに対応したCVBSBCと画素MCに対応したCVBSMCとの差分値をライン間ビデオ差分信号WRELBCとして水平結合回路38に供給する。尚、ここで得られたライン間ビデオ差分信号WRELBCをWRELBC−2と称する。次に、画素BRに対応したCVBSBCと画素MRに対応したCVBSMCとの差分値をライン間ビデオ差分信号WRELBCとして水平結合回路38に供給する。尚、ここで得られたライン間ビデオ差分信号WRELBCをWRELBC−3と称する。
【0028】
水平結合回路38は、ライン間ビデオ差分信号WRELBCを各画素毎にサンプリングして得たサンプル値系列中の各サンプル値を処理対象とし、その処理対象サンプル値の前後に隣接するサンプル値の内で大なる方のサンプル値と、上記処理対象サンプル値との加算を行う。すなわち、水平結合回路38は、先ず、図3に示す如き中央列の左に隣接する列に属する画素(BL、ML)に対応したWRELBC−1と、右側に隣接する列に属する画素(BR、MR)に対応したWRELBC−3との大小比較を行う。そして、水平結合回路38は、かかる大小比較の結果、両者の内で大であると判定された方と、中央列に属する画素(BC、MC)に対応したWRELBC−2との加算結果を、複合ビデオ信号中の輝度信号成分に対する下方向の垂直相関の度合いを示す第2下方輝度相関値信号WRELHBCとして平均化回路40に供給するのである。
【0029】
平均化回路40は、上記第1下方輝度相関値信号WRELHDCと第2下方輝度相関値信号WRELHBCとの平均値を求めこの平均値を下方ビデオ相関値信号YRELBCとして最小値セレクタ42に供給する。尚、Mラインの輝度帯域信号とDライン及びBラインの輝度帯域信号との相関が強いほど、下方輝度相関値信号YRELBCの値は小になる。
【0030】
このように、減算器(25、26)、絶対値回路(31、32)、水平結合回路(37、38)及び平均化回路40では、図3に示す如きMラインを処理対象とし、このMラインよりも1ライン下方のDライン及び2ライン下方のBライン各々に対応した複合ビデオ信号を用いることにより、複合ビデオ信号中の輝度信号成分に対する下方向における垂直相関量を求めているのである。
【0031】
最小値セレクタ41は、上方色相関値信号CRELHTC及び上方輝度相関値信号YRELTCの内で小なる方、つまり相関の強い方を選択し、これを上方相関値信号TRELとして図1に示すセレクタ15に供給する。
【0032】
最小値セレクタ42は、下方色相関値信号CRELHBC及び下方輝度相関値信号YRELBCの内で小なる方、つまり相関の強い方を選択し、これを下方相関値信号BRELとしてセレクタ15に供給する。
【0033】
セレクタ15は、上方相関値信号TRELと下方相関値信号BRELとの大小比較を行い、その比較結果に基づいて、上方コム処理結果信号Tcomb、下方コム処理結果信号Bcomb及び適応コム処理結果信号Acombの内から1つを選択し、これをバンドパスフィルタ16に供給する。
【0034】
つまり、セレクタ15は、
TREL<BREL/K
K:2又は4
なる場合には、上方コム処理結果信号Tcombを選択し、これをバンドパスフィルタ16に供給する。
【0035】
又、セレクタ15は、
BREL<TREL/K
なる場合には、下方コム処理結果信号Bcombを選択し、これをバンドパスフィルタ16に供給する。
【0036】
又、その他の場合、つまり、
BREL≧TREL/K、又はTREL≧BREL/K
なる場合には、セレクタ15は、適応コム処理結果信号Acombを選択しこれをバンドパスフィルタ16に供給する。
【0037】
すなわち、セレクタ15は、上方相関値信号TRELが下方相関値信号BRELに対して大幅に小なる場合(TREL<BREL/K)、つまり、実質的に下方向に対する相関がなく上方向に対する相関のみが有る場合には、上方コム処理結果信号Tcombをバンドパスフィルタ16に供給する。又、セレクタ15は、下方相関値信号BRELが上方相関値信号TRELに対して大幅に小なる場合(BREL<TREL/K)、つまり、実質的に上方向に対する相関がなく下方向に対する相関のみが有る場合には、下方コム処理結果信号Bcombをバンドパスフィルタ16に供給する。そして、上方相関値信号TRELと下方相関値信号BRELとの差が所定値よりも小となる場合、つまり上方向に対する相関と下方向に対する相関とに大幅な差異が無い場合には、セレクタ15は、適応コム処理結果信号Acombをバンドパスフィルタ16に供給するのである。
【0038】
バンドパスフィルタ16は、適応コムフィルタ11及びセレクタ15での処理に伴うアーチファクトの影響を緩和すべく、セレクタ15から供給された信号(Tcomb、Bcomb、又はAcomb)に対して色帯域成分を通過させるフィルタリング処理を施して得られた信号を色帯域信号CRとしてバンドパスフィルタ17及び減算器20に供給する。バンドパスフィルタ17は、輝度信号成分の漏れ込みを防止すべく、色帯域信号CRに対して色帯域成分を通過させるフィルタリング処理を施して得られた信号を色信号として出力する。遅延回路14は、上記Mラインフィルタ7から送出されたMラインビデオ信号CVBSMCを、適応コムフィルタ11、セレクタ15及びバンドパスフィルタ16各々によって費やされた総処理時間と同一時間だけ遅延させてから減算器20に供給する。
【0039】
減算器20は、遅延回路14を介して供給されたMラインビデオ信号CVBSMCから上記色帯域信号CRを減算することにより輝度帯域信号を抽出し、この輝度帯域信号を遅延回路19に供給する。遅延回路19は、かかる輝度帯域信号を、バンドパスフィルタ17によって費やされた処理時間と同一時間だけ遅延させたものを輝度信号として出力する。
【0040】
以上の如く、図1及び図2に示されるYC分離回路においては、先ず、複合ビデオ信号を1水平走査ライン分毎に処理対象とし、その処理対象ラインよりも上方に位置する上方ラインとの上方相関量(TREL)と、処理対象ラインよりも下方に位置する下方ラインとの下方相関量(BREL)とを夫々求める。尚、かかる相関量を求めるにあたり、複合ビデオ信号中から抽出した色副搬送波帯域信号(BPF)に基づく色信号成分に対する上方向の相関量(CRELHTC)と、複合ビデオ信号に基づく輝度信号成分に対する上方向の相関量(YRELTC)との内で小なる方を上方相関量(TREL)とする。つまり、色信号成分に対する上方向の相関量と、輝度信号成分に対する上方向の相関量との内で相関の強い方を最終的な上方向の相関量として選出するのである。同様に、複合ビデオ信号中から抽出した色副搬送波帯域信号に基づく色信号成分に対する下方向の相関量(CRELHBC)と、複合ビデオ信号に基づく輝度信号成分に対する下方向の相関量(YRELBC)との内で小なる方を下方相関量(BREL)とする。つまり、色信号成分に対する下方向の相関量と、輝度信号成分に対する下方向の相関量との内で相関の強い方を最終的な下方向の相関量として選出するのである。
【0041】
そして、下方相関量を(1/K)倍した値よりも上方相関量の方が小である場合には、上方コム処理結果信号(Tcomb)を色信号として得る。つまり、上方向の相関しかない場合には、処理対象ライン及び処理対象ラインよりも2ラインだけ上方に位置する上方ライン各々に対応した色副搬送波帯域信号に対してコムフィルタリング処理を施して得られた上方コム処理結果信号を、複合ビデオ信号中から分離抽出した色信号として出力するのである。又、上方相関量を(1/K)倍した値よりも下方相関量の方が小である場合には、下方コム処理結果信号(Bcomb)を色信号として得る。つまり、下方向の相関しかない場合には、処理対象ライン及び処理対象ラインよりも2ラインだけ下方に位置する下方ライン各々に対応した色副搬送波帯域信号に対してコムフィルタリング処理を施して得られた下方コム処理結果信号を、複合ビデオ信号中から分離抽出した色信号として出力するのである。又、上方相関量と下方相関量との差が所定値よりも小となる場合には、適応コム処理結果信号(Acomb)を色信号として得る。つまり、上方向及び下方向の双方に相関がある場合には、上記の如き、処理対象ライン、上方ライン及び下方ラインなる3つのライン各々に対応した色副搬送波帯域信号に対してコムフィルタリング処理を施して得られた適応コム処理結果信号を、複合ビデオ信号中から分離抽出した色信号として出力するのである。
【0042】
かかる構成によれば、例えば図4〜図7に示す如き各種絵柄を表す複合ビデオ信号が供給された場合にも、この複合ビデオ信号から精度良く輝度信号及び色信号の分離抽出が可能となる。
【0043】
尚、図4は水平走査ラインQを境界にして上下に互いに異なる単色画像、図5は縦線が連続配置された画像、図6は水平走査ラインQを境界にして上側に単色、下側に縦線が連続配置された画像、図7は水平走査ラインQを境界にして上下に互いに異なる間隔にて縦線が連続配置された画像を夫々示す図である。
【0044】
すなわち、図1及び図2に示されるYC分離回路によれば、図4〜図7に示される各画像内の着目点CMにおいて、
上及び下方向のいずれか一方のみに色成分に対する相関が強い場合(図4)、 上下両方向に輝度成分に対する相関が強い場合(図5)、
上方向に色成分に対する相関が強く下方向に輝度成分に対する相関が強い場合(図6)、
上下両方向に輝度成分(互いに水平方向の周波数が異なる)に対する相関が強い場合(図7)、
のいずれの場合でも、精度良く輝度信号及び色信号の分離抽出ができるようになるので、クロスカラー及びドット妨害を抑制させた良好な画像表示が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明によるY/C分離回路の構成を示す図である。
【図2】図1に示される相関検出器10の内部構成を示す図である。
【図3】隣接する5つの水平走査ライン各々上の各画素を示す図である。
【図4】上方向及び下方向のいずれか一方のみに色成分に対する相関が強い画像の一例を示す図である。
【図5】上下両方向に輝度成分に対する相関が強い画像の一例を示す図である。
【図6】上方向に色成分に対する相関が強く下方向に輝度成分に対する相関が強い画像の一例を示す図である。
【図7】上下両方向に輝度成分(互いに水平方向の周波数が異なる)に対する相関が強い画像の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0046】
10 相関検出器
11 適応コムフィルタ
15 セレクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
PAL方式の映像信号を1水平走査ライン分毎に処理対象として前記映像信号から輝度信号及び色信号を夫々分離抽出するYC分離回路であって、
処理対象ラインに対応した前記映像信号と前記処理対象ラインよりも2ライン上の上方ラインに対応した前記映像信号とに基づいて第1色信号を生成し、前記処理対象ラインに対応した前記映像信号と前記処理対象ラインよりも2ライン下の下方ラインに対応した前記映像信号とに基づいて第2色信号を生成し、前記処理対象ライン、前記上方ライン及び前記下方ライン各々に対応した前記映像信号に基づいて第3色信号を生成する適応型コムフィルタと、
前記処理対象ラインに対応した前記映像信号と前記上方ラインに対応した前記映像信号との相関量を示す上方相関量を検出すると共に、前記処理対象ラインに対応した前記映像信号と前記下方ラインに対応した前記映像信号との相関量を示す下方相関量を検出する相関検出回路と、
前記上方相関量が前記下方相関量の(1/K)倍(但しK>1)よりも小なる場合には前記第1色信号を前記色信号として出力し、前記下方相関量が前記上方相関量の(1/K)倍よりも小なる場合には前記第2色信号を前記色信号として出力し、前記上方相関量と前記下方相関量との差が所定値よりも小なる場合には前記第3色信号を前記色信号として出力するセレクタと、
前記セレクタから出力される前記色信号と前記処理対象ラインに対応した前記映像信号とに基づいて前記輝度信号を生成するフィルタ回路と、を有することを特徴とするYC分離回路。
【請求項2】
前記適応型コムフィルタは、前記処理対象ラインに対応した前記映像信号中の色帯域成分と前記上方ラインに対応した前記映像信号中の色帯域成分とに基づいて前記第1色信号を生成し、前記処理対象ラインに対応した前記映像信号中の色帯域成分と前記下方ラインに対応した前記映像信号中の色帯域成分とに基づいて前記第2色信号を生成し、前記処理対象ラインに対応した前記映像信号中の色帯域成分と前記上方ラインに対応した前記映像信号中の色帯域成分と前記下方ラインに対応した前記映像信号中の色帯域成分とに基づいて前記第3色信号を生成することを特徴とする請求項1記載のYC分離回路。
【請求項3】
前記相関検出回路は、前記処理対象ラインに対応した前記映像信号中の色帯域成分と前記上方ラインに対応した前記映像信号中の色帯域成分との相関量と、前記処理対象ラインに対応した前記映像信号中の輝度帯域成分と前記上方ラインに対応した前記映像信号中の輝度帯域成分との相関量の内で小なる方を前記第1相関量として検出し、
前記処理対象ラインに対応した前記映像信号中の色帯域成分と前記下方ラインに対応した前記映像信号中の色帯域成分との相関量と、前記処理対象ラインに対応した前記映像信号中の輝度帯域成分と前記下方ラインに対応した前記映像信号中の輝度帯域成分との相関量の内で小なる方を前記第2相関量として検出することを特徴とする請求項1記載のYC分離回路。
【請求項4】
前記相関検出回路は、前記処理対象ラインに対応した前記映像信号中の色帯域成分と前記上方ラインに対応した前記映像信号中の色帯域成分との加算結果の絶対値に基づいて色帯域成分に対する上方向の相関量を示す上方色相関値を求める第1演算回路と、
前記処理対象ラインに対応した前記映像信号中の色帯域成分と前記下方ラインに対応した前記映像信号中の色帯域成分との加算結果の絶対値に基づいて色帯域成分に対する下方向の相関量を示す下方色相関値を求める第2演算回路と、
前記処理対象ラインに対応した前記映像信号中の輝度帯域成分と前記上方ラインに対応した前記映像信号中の輝度帯域成分との差分の絶対値を第1上方ライン間輝度差信号として生成する第3演算回路と、
前記処理対象ラインに対応した前記映像信号中の輝度帯域成分と前記処理対象ラインよりも1ライン上のラインに対応した前記映像信号中の輝度帯域成分との差分の絶対値を第2上方ライン間輝度差信号として生成する第4演算回路と、
前記処理対象ラインに対応した前記映像信号中の輝度帯域成分と前記処理対象ラインよりも1ライン下のラインに対応した前記映像信号中の輝度帯域成分との差分の絶対値を第1下方ライン間輝度差信号として生成する第5演算回路と、
前記処理対象ラインに対応した前記映像信号中の輝度帯域成分と前記下方ラインに対応した前記映像信号中の輝度帯域成分との差分の絶対値を第2下方ライン間輝度差信号として生成する第6演算回路と、
前記第1上方ライン間輝度差信号と前記第2上方ライン間輝度差信号との平均値に基づいて輝度帯域成分に対する上方向の相関量を示す上方輝度相関値を求める第1平均回路と、
前記第1下方ライン間輝度差信号と前記第2下方ライン間輝度差信号との平均値に基づいて輝度帯域成分に対する下方向の相関量を示す下方輝度相関値を求める第2平均回路と、
前記上方色相関値及び前記上方輝度相関値の内で小なる方を前記上方相関量として出力する第1最小値選択回路と、
前記下方色相関値及び前記下方輝度相関値の内で小なる方を前記下方相関量として出力する第2最小値選択回路と、を有することを特徴とする請求項1記載のYC分離回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−157576(P2006−157576A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−346216(P2004−346216)
【出願日】平成16年11月30日(2004.11.30)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(503213291)パイオニア・マイクロ・テクノロジー株式会社 (25)
【Fターム(参考)】