説明

人工芝のリサイクル方法及び人工芝リサイクル用回収装置

【課題】維持管理費用が安価であり且つ簡易な装置を用いて使用済みの砂入り人工芝を砂と人工芝とに分離して、安価にリサイクル可能にする方法及び装置を提供すること。
【解決手段】リサイクル方法は、吸入圧送ポンプを用いて、敷設された人工芝の表面の砂11を吸引して集積袋に集積し、砂11と人工芝12とを分離する第1ステップと、切断器具を用いて人工芝12を所定の幅に切断し、切断された人工芝13を巻き上げる第2ステップと、切断された人工芝13を、砂11が除去されて再生可能な人工芝13と、砂11が残留して再生困難な廃棄物15とに分別し、再生可能な人工芝13を加工して樹脂原料14を生成する第3ステップと、前記集積袋に集積した砂11を洗砂機を用いて洗浄し、リサイクル可能な砂16を得る第4ステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はリサイクル方法に関し、より詳細には、使用済みの人工芝のリサイクル方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、テニスコートやサッカー場等のグラウンドに敷設された人工芝の廃棄方法が問題となっている。通常、人工芝を敷設する場合、芝目に適量の砂を入れる(以下、この状態の人工芝を砂入り人工芝と記す)。また、グラウンドには、通常約55mm〜約75mmの長い毛足の人工芝が敷設され、芝目に砂とゴムチップとを適量に入れる。従来の砂入り人工芝の廃棄方法は、人工芝と砂とを一体として処分する複合処理であり、多くの場合、砂入り人工芝は産業廃棄物として埋め立て処分されてきた。一方、環境問題の高まりにつれて砂入り人工芝の廃棄費用も年々増大してきており、人工芝の張り替え費用における人工芝の廃棄費用の占める割合も年々増大してきている。そのため、使用済みの砂入り人工芝を適切かつ安価に廃棄する方法の開発が望まれている。
【0003】
下記特許文献1には、敷設済み人工芝生の回収方法及び装置が開示されている。この敷設済み人工芝生の回収方法及び装置によると、砂をリサイクル可能な状態に効率よく分離し、かつ砂が分離された人工芝生をリサイクル可能な状態に効率よく回収することができる。
【特許文献1】特開2000−008314号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された敷設済み人工芝生の回収方法では、敷設面から剥離した砂入り人工芝生を、そのパイル面が凸になるように屈曲させてパイル相互間を目開きするようにし、その目開き状態でパイル面から砂を分離させるための専用の回収装置が必要となる。専用の回収装置は大掛かりの装置であり、回収装置を維持管理するためには高額の費用が必要となる。高額の維持管理費用を人工芝の張り替え費用に転嫁して請求することも困難であり、結果として、張り替え業者の利益が減少するという問題がある。
【0005】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、維持管理費用が安価であり且つ簡易な装置を用いて使用済みの砂入り人工芝を砂と人工芝とに分離して、安価にリサイクル可能にする人工芝のリサイクル方法及び人工芝リサイクル用回収装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的の達成のために、本発明に係る人工芝のリサイクル方法(1)は、吸入圧送ポンプを用いて、敷設された人工芝の表面の砂を吸引して集積袋に集積し、前記砂と前記人工芝とを分離する第1ステップと、切断器具を用いて前記人工芝を所定の幅に切断し、切断された前記人工芝を巻き上げる第2ステップと、切断された前記人工芝を、前記砂が除去されて再生可能な前記人工芝と、前記砂が残留して再生困難な廃棄物とに分別し、再生可能な前記人工芝を加工して樹脂原料を生成する第3ステップと、前記集積袋に集積した前記砂を洗砂機を用いて洗浄し、リサイクル可能な砂を得る第4ステップとを含むことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る人工芝リサイクル用回収装置(2)は、敷設された人工芝の表面の砂を吸引する装置であって、吸引ノズルから吸引ホースを通じて前記砂を吸引する吸入圧送ポンプと、エアーホースを通じて前記吸入圧縮ポンプに圧縮空気を送出するコンプレッサと、圧送ホースを通じて、前記圧縮空気によって前記吸入圧縮ポンプから圧送される前記砂を集積する集積袋とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る人工芝リサイクル用回収装置(3)は、上記の人工芝リサイクル用回収装置(2)において、前記吸引ノズルが、前記人工芝の表面の前記砂を掻き上げるブラシと、前記コンプレッサに接続された第2のエアーホースと、前記第2のエアーホースを通じて圧縮空気を噴射し、前記ブラシによって掻き上げられた前記砂を前記圧縮空気によって吹き飛ばす噴射ノズルとを備えることができる。
【0009】
また、本発明に係る人工芝リサイクル用回収装置(4)は、敷設された人工芝の表面の砂を吸引する装置であって、吸引ホースに接続された吸引ノズルから、前記吸引ホースを通じて前記砂と空気とを搬送する集塵機と、前記集塵機から搬送される前記砂と前記空気とを分離し、前記空気を排出する粉体分離器と、前記粉体分離器によって分離された前記砂を集積する集積袋とを備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る人工芝リサイクル用回収装置(5)は、敷設された人工芝の表面の砂を吸引する装置であって、吸引ホースを通じて搬送される前記砂と空気とを分離する粉体分離器と、前記粉体分離器の排気口の後段に接続され、前記吸引ホースに接続された吸入ノズルから、前記吸引ホースを通じて前記砂と前記空気とを前記粉体分離器に搬送し、前記粉体分離器によって分離された前記空気を排出する集塵機と、前記粉体分離器によって分離された前記砂を集積する集積袋とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、維持管理費用が安価であり且つ簡易な装置を用いて使用済みの砂入り人工芝を砂と人工芝とに分離することができ、使用済みの砂入り人工芝を安価にリサイクル可能にすることができる。
【0012】
また、砂入り人工芝を砂と人工芝とに分離して各々をリサイクル可能にすることにより、従来は必要であった砂入り人工芝の廃棄費用を不要とすることができる。
【0013】
また、砂入り人工芝から分離した人工芝のうち、砂が除去されて再生可能な人工芝を樹脂原料に再加工することができ、品質の均一な再生プラスチックの原料を提供することができる。
【0014】
また、砂入り人工芝から分離した人工芝のうち、砂が残留して再生困難な人工芝を単一素材の廃棄物として処理することができ、高価な複合処理を行う必要がなく処理費用を安価にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面を参照して詳細に説明する。以下の説明においては、砂入り人工芝がテニスコートの全面に敷設されている場合を一例として説明する。また、以下の説明及び図面において、同じ符号は同じ又は類似の構成要素を示すこととし、よって、同じ又は類似の構成要素に関する説明を省略する。
【0016】
図1は、本発明の実施の形態に係る砂入り人工芝のリサイクル方法の工程を説明するためのブロック図である。
【0017】
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る砂入り人工芝のリサイクル方法は、ステップS1において、砂入り人工芝10を砂11と人工芝12とに分離し、ステップS2において、人工芝12を所定の幅に切断してカット済人工芝13を作成し、ステップ3において、カット済人工芝13を樹脂原料14と廃棄物15とに分別し、ステップS4において、ステップS1で分離した砂11を洗浄して洗砂16を得る。
【0018】
以下、ステップS1〜ステップS4の処理内容を詳細に説明する。
【0019】
まず、ステップS1では、砂入り人工芝10を砂11と人工芝12とに分離する。
【0020】
図2は、本発明の実施の形態に係る砂入り人工芝のリサイクル方法において使用する第1の回収装置の側面図である。図2に示すように、本発明の実施の形態に係る砂入り人工芝のリサイクル方法において使用する第1の回収装置は、吸引圧送ポンプ21と集積袋22とコンプレッサ23とを備える。テニスコートに敷設された状態の砂入り人工芝10には、表面に砂11が撒かれており、砂11が、先端の細まった吸引ノズル24から吸引ホース25を通じて吸引圧送ポンプ21に吸引される。吸引圧送ポンプ21は、コンプレッサ23からエアーホース26を通じて圧縮空気を吸入し、吸引した砂11を圧送ホース27を通じて圧送し、吸引した砂11を集積袋22に集積する。本実施形態においては、吸引圧送ポンプ21に吸引圧送式バキュームポンプVP−1型(厚地鉄工株式会社製)を用いる。吸引圧送ポンプ21は、動力が全て空気式であり、分解及び組立を容易かつ安価に行うことができる単純な機構で構成されている。そのため、吸引圧送ポンプ21を維持管理するための費用を安価にすることができる。
【0021】
具体的には、作業者は、上記第1の回収装置を用いて、テニスコートに敷設された砂入り人工芝10全面に対して砂11の吸引作業を行うことにより、砂11と人工芝12とを分離し、砂11を集積袋22に集積する。エアーホース26及び圧送ホース27は各々約20m及び約30mの長さを有しており、集積袋22及びコンプレッサ23をテニスコート外の領域に設置したまま吸引作業を行うことができる。また、集積袋22は、吸引作業中に運搬用車輌の荷台上に設置されていてもよい。
【0022】
次に、ステップS2では、ステップS1において分離した人工芝12を所定の幅に切断してカット済み人工芝13を作成する。ステップS1において砂11を除去しているため、ステップS2において行う作業を容易に行うことができる。具体的には、作業者は、公知の切断器具を用いて、容易に搬送できる程度の重量となる幅及び長さ、例えば約1m〜約1.8mの幅及び約5m〜約10mの長さに人工芝12をカットし、カット済人工芝13をグランド面から剥離してロール状に巻き上げる。砂入り人工芝10の重量が、例えば1m当たり約25kgであるのに対して、砂11を吸引した状態の人工芝12の重量は1m当たり約3kgである。そのため、フォークリフトやウインチ等の機械を用いずに人力にてカット済み人工芝13の巻き上げ作業を行うことができ、運搬にかかる労力及び費用を減少させることができる。また、砂11が除去されているため、携帯型のカッター等の安価な切断器具を用いて人工芝12を容易に切断することができる。
【0023】
次に、ステップS3では、ステップS2においてグランド面から剥離したカット済人工芝13を再利用するものと廃棄するもの(廃棄物15)とに分別し、再利用できるものを樹脂原料14に加工する。具体的には、リサイクル設備を有する工場にカット済人工芝13を運搬し、公知の方法により、再生可能なカット済み人工芝13と、再生困難なカット済み人工芝13とに分別する。ここで、再生可能なカット済み人工芝13とは、人工芝表面の砂11が適切に除去された人工芝であり、再生困難なカット済み人工芝13とは、例えば、人工芝表面の固化が進行することで、ステップS1での処理によっても砂11が完全に除去されずに残留している人工芝である。再生可能なカット済み人工芝13は、加工を行う工場に運搬されて、樹脂原料14に加工される。この樹脂原料14は人工芝12のみから加工されるため、得られる樹脂原料14の品質は揃っている。そのため、樹脂原料14からさらに加工されて得られる再生プラスチックの品質を均一に保つことができる。再生困難なカット済み人工芝13については、再利用はできないが、十分に砂が除去された状態であり、単一素材の廃棄物15として処理可能であり、複数の素材で構成された物を廃棄する場合に必要となる高価な複合処理を行う必要がなく処理費用を安価にすることができる。
【0024】
最後に、ステップS4では、ステップS1において集積袋22に集積した砂11を洗浄して洗砂16を得る。具体的には、洗砂機等の洗浄設備を有する工場に集積袋22に集積した砂11を運搬し、公知の方法により集積袋22に集積した砂11を洗浄して洗砂16を得る。集積袋22は底部に広口の開閉可能な排出口を備えており、工場内において集積袋22を吊り下げたまま、内包する砂11を安全かつ簡単に洗浄設備に導入することができる。洗浄により得られた洗砂16は、再び敷設時の人工芝の表面に撒かれて再利用される。通常、人工芝の敷設時には、調整された粒径の砂が表面にまかれているため、この洗砂16の粒径は調整されている。そのため、新しく張り替えた人工芝の表面にそのまま散布して再利用することができる。
【0025】
以上、本発明を実施の形態によって説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではない。
【0026】
上記実施の形態では、第1の回収装置において、先端の細まった吸引ノズル24を使用しているが、先端の細まった吸引ノズル24に代えて、図3に示す噴射ノズル付き吸引ノズル31を使用してもよい。噴射ノズル付き吸引ノズル31には、コンプレッサ23に接続された噴射ノズル用エアーホース26Bを通じて圧縮空気を噴射する噴射ノズル32が上部に、ブラシ33が先端に取り付けられている。人工芝の表面に撒かれている砂11はブラシ33で掻き上げられて、噴射ノズル32から吹き付けられる圧縮空気によって吹き飛ばされ、吸引ホース25を通じて吸引圧送ポンプ21に吸引される。噴射ノズル付き吸引ノズル31を用いることで、ステップS1において砂11の吸引作業を効率良く実施することができ、また、降雨時においてもステップS1の吸引作業を効率よく実施することができる。
【0027】
また、上記実施の形態では、テニスコートに敷設された砂入り人工芝10全面に対して砂11の吸引作業を行う場合を説明したが、砂入り人工芝10の一部に対してのみ砂11の吸引作業をおこなってもよい。上記したように、エアーホース26及び圧送ホース27は各々約20m及び約30mの長さを有しているため、例えば、テニスコートに敷設された砂入り人工芝の凹凸修正作業といった、砂入り人工芝10を部分的に張り替える作業を行う場合には、集積袋22及びコンプレッサ23をテニスコート外の領域に設置したまま砂11の吸引作業を行うことができ、第1の回収装置をテニスコート内に搬入することによる新たな凹凸の形成を防止することができる。また、吸引圧送ポンプ21の重量は約21kgと軽量であるため、吸引作業中に吸引圧送ポンプ21をテニスコート内に搬入したとしても、新たな凹凸の形成を最小限に抑えることができる。
【0028】
上記実施の形態では、吸引圧送ポンプ21を備える第1の回収装置を用いて砂11の吸引作業を行っているが、第1の回収装置に代えて、図4に示す第2の回収装置、あるいは、図5に示す第3の回収装置を使用してもよい。
【0029】
図4は、本発明の実施の形態に係る砂入り人工芝のリサイクル方法において使用する第2の回収装置40Aの側面図である。第2の回収装置40Aでは、第1の回収装置の吸引圧送ポンプ21およびコンプレッサ23に代えて集塵機41を使用する。
【0030】
図4において破線で示すように、本発明の実施の形態に係る砂入り人工芝のリサイクル方法において使用する第2の回収装置40Aは、集塵機41と粉体分離器(サイクロン)42とロータリーバルブ43と集積袋22とを備える。集塵機41は、回転羽根(図示せず)と、回転羽根駆動用のモータ(図示せず)とを備え、駆動用のモータが回転羽根を回転させることにより、粉末状の固体(砂)と空気とを負圧吸引する装置である。粉体分離器42は、気体(空気)中に混合された粉末状の固体(砂)を分離する装置である。ロータリーバルブ43は、圧力差のある装置間において、空気の漏洩を抑えながら、粉末状の固体(砂)を排出するバルブである。本実施形態においては、集塵機41に、例えば集塵装置(有限会社サンワプロテック製)を用い、粉体分離器42に、例えばサイクロン分離器No.8(瑞東産業株式会社製)を用い、ロータリーバルブ43に、例えばロータリーバルブRV−20K(ホソカワミクロン株式会社製)を用いる。砂11は、吸引ノズル24から吸引ホース25Bを通じて集塵機41に負圧吸引される。集塵機41は、吸入した砂11と空気とを、ダクト44Aを通じて粉体分離器42に搬送する。粉体分離器42は、吸引した砂11と空気とを分離し、粉体分離器42の排出口42Aを通じて、分離した砂11をロータリーバルブ43へ搬送する。粉体分離器42の排出口42Aと集積袋22との間に設けられたロータリーバルブ43は、粉体分離器42と集積袋22との間でエアーロックを行いながら、即ち、粉体分離器42から集積袋22内への空気の流入を防止しつつ、分離した砂11のみを集積袋22に集積する。ロータリーバルブ43がエアーロックを行うことによって、吸引ノズル24の先端に生じる吸引力の低下を抑制することができる。砂11と共に吸引された空気は、粉体分離器42に設けられた排気口42Bから排出される。
【0031】
このように、集塵機41と粉体分離器42とロータリーバルブ43とを組み合わせて用いることにより、第2の回収装置40Aは、吸引した砂11のみを効率よく集積袋22に集積することができる。
【0032】
図5は、本発明の実施の形態に係る砂入り人工芝のリサイクル方法において使用する第3の回収装置40Bの側面図である。第3の回収装置40Bでは、第2の回収装置40Aにおける集塵機41が、粉体分離器42の排気口42Bの後段に、ダクト44Bを介して接続され、第2の回収装置40Aにおいて集塵機41が取り付けられていた部分に、ホース取付部45が接続されている。
【0033】
図5において破線で示すように、本発明の実施の形態に係る砂入り人工芝のリサイクル方法において使用する第3の回収装置40Bは、集塵機41と粉体分離器42とロータリーバルブ43と集積袋22とを備える。粉体分離器42の排気口42Bの後段に接続された集塵機41は、ダクト44B、粉体分離器42、ダクト44A、およびホース取付部45を介して、吸引ノズル24先端に負圧吸引力を発生させる。砂11は、吸引ノズル24から、吸引ホース25Bおよびダクト44Aを通じて粉体分離器42に搬送される。粉体分離器42は、吸引した砂11と空気とを分離し、粉体分離器42の排出口42Aを通じて、分離した砂11をロータリーバルブ43へ搬送する。粉体分離器42の排出口42Aと集積袋22との間に設けられたロータリーバルブ43は、粉体分離器42と集積袋22との間でエアーロックを行いながら、分離した砂11のみを集積袋22に集積する。ロータリーバルブ43による効果は、第2の回収装置40Aについて説明したのと同様である。粉体分離器42によって分離された空気は、ダクト44Bを通じて、集塵機41に設けられた排気口42Cから排出される。
【0034】
このように、集塵機41を粉体分離器42の排気口42Bの後段に設けることにより、第3の回収装置40Bでは、集塵機41が砂11を直接的に吸引することはなく、第2の回収装置40Aと比較して、集塵機41の耐久性を向上させることができる。
【0035】
また、第2の回収装置40Aまたは第3の回収装置40Bにおいて、ロータリーバルブ43は、吸引した砂11を集積袋22に集積するために不可欠ではなく、第2の回収装置40Aまたは第3の回収装置40Bは、ロータリーバルブ43を備えていなくてもよい。
【0036】
また、第2の回収装置40Aまたは第3の回収装置40Bは、上記例示した公知の集塵機41、粉体分離器42およびロータリーバルブ44を用いることで、例えば軽トラック等の運搬用車両の荷台上に設置可能な程度に小型に製作することができる。従って、例えば移動用の車輪の付いた台車上に、第2の回収装置40Aまたは第3の回収装置40Bを設置して、第2の回収装置40Aまたは第3の回収装置40Bを運搬可能に構成すれば、作業者は、第2の回収装置40Aまたは第3の回収装置40Bが設置された台車を自由に移動させながら、吸引作業を行うことができる。砂入り人工芝10を部分的に張り替える作業を行う場合には、約30mの長さの吸引ホース25Bを使用して、運搬可能に構成した第2の回収装置40Aまたは第3の回収装置40Bをテニスコート外の領域に設置したまま、吸引作業を行うことができる。
【0037】
また、第2の回収装置40Aまたは第3の回収装置40Bにおいて、吸引ホース25Bを複数用いて吸引作業を行ってもよい。例えば、第2の回収装置40Aにおいて、集塵機41に複数の吸引ホース25Bを接続することにより、あるいは、第3の回収装置40Bにおいて、ホース取付部45に複数の吸引ホース25Bを接続することにより、複数の作業者が同時に砂11の吸引作業を行うことができ、作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施の形態に係る砂入り人工芝のリサイクル方法の工程を説明するためのブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る砂入り人工芝のリサイクル方法において使用する第1の回収装置の側面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る砂入り人工芝のリサイクル方法において使用する噴射ノズル付き吸引ノズルの側面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る砂入り人工芝のリサイクル方法において使用する第2の回収装置の側面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る砂入り人工芝のリサイクル方法において使用する第3の回収装置の側面図である。
【符号の説明】
【0039】
10 砂入り人工芝
11 砂
12 人工芝
13 カット済人工芝
14 樹脂原料
15 廃棄物
16 洗砂
21 吸引圧送ポンプ
22 集積袋
23 コンプレッサ
24 吸引ノズル
25 吸引ホース
26 エアーホース
27 圧送ホース
31 噴射ノズル付き吸引ノズル
32 噴射ノズル
33 ブラシ
41 集塵機
42 粉体分離器(サイクロン)
42A 粉体分離器の排出口
42B 粉体分離器の排気口
42C 集塵機の排気口
43 ロータリーバルブ
44A,44B ダクト
45 ホース取付部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸入圧送ポンプを用いて、敷設された人工芝の表面の砂を吸引して集積袋に集積し、前記砂と前記人工芝とを分離する第1ステップと、
切断器具を用いて前記人工芝を所定の幅に切断し、切断された前記人工芝を巻き上げる第2ステップと、
切断された前記人工芝を、前記砂が除去されて再生可能な前記人工芝と、前記砂が残留して再生困難な廃棄物とに分別し、再生可能な前記人工芝を加工して樹脂原料を生成する第3ステップと、
前記集積袋に集積した前記砂を洗砂機を用いて洗浄し、リサイクル可能な砂を得る第4ステップとを含むことを特徴とする人工芝のリサイクル方法。
【請求項2】
敷設された人工芝の表面の砂を吸引する装置であって、
吸引ノズルから吸引ホースを通じて前記砂を吸引する吸入圧送ポンプと、
エアーホースを通じて前記吸入圧縮ポンプに圧縮空気を送出するコンプレッサと、
圧送ホースを通じて、前記圧縮空気によって前記吸入圧縮ポンプから圧送される前記砂を集積する集積袋とを備えることを特徴とする人工芝リサイクル用回収装置。
【請求項3】
前記吸引ノズルが、
前記人工芝の表面の前記砂を掻き上げるブラシと、
前記コンプレッサに接続された第2のエアーホースと、
前記第2のエアーホースを通じて圧縮空気を噴射し、前記ブラシによって掻き上げられた前記砂を前記圧縮空気によって吹き飛ばす噴射ノズルとを備えることを特徴とする請求項2に記載の人工芝リサイクル用回収装置。
【請求項4】
敷設された人工芝の表面の砂を吸引する装置であって、
吸引ホースに接続された吸引ノズルから、前記吸引ホースを通じて前記砂と空気とを搬送する集塵機と、
前記集塵機から搬送される前記砂と前記空気とを分離し、前記空気を排出する粉体分離器と、
前記粉体分離器によって分離された前記砂を集積する集積袋とを備えることを特徴とする人工芝リサイクル用回収装置。
【請求項5】
敷設された人工芝の表面の砂を吸引する装置であって、
吸引ホースを通じて搬送される前記砂と空気とを分離する粉体分離器と、
前記粉体分離器の排気口の後段に接続され、前記吸引ホースに接続された吸入ノズルから、前記吸引ホースを通じて前記砂と前記空気とを前記粉体分離器に搬送し、前記粉体分離器によって分離された前記空気を排出する集塵機と、
前記粉体分離器によって分離された前記砂を集積する集積袋とを備えることを特徴とする人工芝リサイクル用回収装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−180074(P2008−180074A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−333909(P2007−333909)
【出願日】平成19年12月26日(2007.12.26)
【出願人】(594177151)株式会社大晃 (7)
【出願人】(391062333)山川産業株式会社 (7)
【出願人】(000200666)泉株式会社 (24)
【Fターム(参考)】