説明

α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の製造方法

【課題】比重が高く、かつ、淡色であるα−SF塩を効率的に得られる製造方法。
【解決手段】脂肪酸アルキルエステルにスルホン化ガスを接触させるスルホン化工程と、前記スルホン化工程で得られた生成物にアルカリ性物質を添加しpH1.5〜4.0に調整して一次中和物を得る第一中和工程と、前記一次中和物を漂白して漂白物を得る漂白工程と、前記漂白物にアルカリ性物質を添加しpH4.0〜7.0に調整して二次中和物を得る第二中和工程とを設けることよりなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩(α−SF塩)は界面活性剤として用いられ、特に洗浄力が高く、生分解性が良好で、環境に対する影響が少ないため、洗浄剤材料としての性能が高く評価されている。α−SF塩は、脂肪酸アルキルエステルをスルホン化ガスと接触させてスルホン化し、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル(α−SF)を製造し、これを中和してペースト状のα−SF塩含有物として得るのが一般的である。
【0003】
従来のα−SF塩の製造方法の一例として、原料の脂肪酸アルキルエステルにスルホン化ガスを接触(ガス接触操作)させた後、低級アルコールを添加してエステル化(エステル化操作)してスルホン化物を得(以上、スルホン化工程)、次いで得られたスルホン化物をアルカリで中和し(中和工程)、得られた中和物を漂白して(漂白工程)、α−SF塩を得る製造プロセスがある(例えば、特許文献1)。
【0004】
スルホン化工程は、スルホン化ガスを導入し、脂肪酸メチルエステルをスルホン化する工程である。即ち、原料をスルホン化ガスと接触させると、以下の一般式(I)で示したように、初めにアルコキシ基にSOを挿入する反応がおこり、SO一分子付加体(以下、単に一分子付加体という)が生成し、さらにSOと反応してα位にスルホン基が導入され、SO二分子付加体(以下、単に二分子付加体という)が生成し、最後にアルコキシ基に挿入したSOが脱離してα−SFが生成する。スルホン化工程には、必要に応じて、ガス接触操作の後に、熟成操作を設けることができる。
【0005】
【化1】

【0006】
熟成操作は、二分子付加体からのSOの脱離を促進する工程である。ガス接触操作において、スルホン化ガスと原料は、理論的には等モルで反応する。しかしながら、実際は気液反応であり、反応が逐次反応であるため、スルホン化ガスは等モルよりも過剰に用いられる。例えば、原料に対して1.2倍モルのSOを含むスルホン化ガスを用いる。そして、上述のように反応が逐次反応であるため、スルホン化ガスと接触させた反応物中には、一分子付加体、二分子付加体、未反応の脂肪酸アルキルエステル及びその他の副生物が含まれている。このため、熟成操作を設けて、二分子付加体からのSOの脱離を促進し、最終的に平衡状態とする。このように熟成操作によって平衡に達したスルホン化物中には、少なくとも原料に対して過剰分のSOのモル数に相当する二分子付加体が存在する。二分子付加体を中和すると洗浄効果に寄与しないα−スルホ脂肪酸ジアルカリ塩となるため、洗浄剤用途においては二分子付加体の含有量をできるだけ低下せしめる必要がある。
【0007】
そこで、熟成操作後に、低級アルコールを添加して、以下の一般式(II)で示した反応によって、二分子付加体をα−SFとする。(II)式から判るように、二分子付加体をエステル化したα−SFが生成するため、この処理をエステル化操作と称している。
【0008】
【化2】

【0009】
続く中和工程は、スルホン化工程で得られたα−SFをアルカリで中和して中和物(α−SF塩)を得る工程である。
ここで、脂肪酸アルキルエステルのスルホン化においては、α−SFが着色するため、着色したα−SFを中和して得られるα−SF塩を漂白する漂白工程を設ける。漂白工程では、過酸化水素水溶液等の漂白剤を添加し、α−SF塩を漂白する。こうして得られたペースト状のα−SF塩含有物は、用途に応じて濃縮、さらには粉砕等の加工がなされる。
【0010】
α−SF塩の製造プロセスにおいては、得られるα−SF塩の品質(色調等)向上、α−SF塩の収率向上及び製造の効率化が求められている。例えば、製造プロセスの内、「中和工程→漂白工程」の順序を「漂白工程→中和工程」とし、該中和工程におけるpHを4.5〜6.5に調整することで、α−SF塩の色調及び臭気の改善を図る方法が報告されている(例えば、特許文献2)。また、例えば、α−SFを漂白した後に2段階の中和工程で中和することにより、エステルの加水分解を防ぎ、α−SF塩の収率向上を図る方法が報告されている(例えば、特許文献3)。また、例えば、中和工程と漂白工程とを「第一漂白工程→中和工程→第二漂白工程」との順で行うことで、漂白物の物性を改善し、工業的連続製造ができるα−SF塩の製造方法が報告されている(例えば、特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2001−64248号公報
【特許文献2】国際公開第2008/078609号パンフレット
【特許文献3】特開昭57−7462号公報
【特許文献4】特公昭41−965号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、α−SF塩の製造方法には、淡色のα−SF塩をさらに効率的に製造することが求められている。加えて、従来の製造方法で得られたα−SF塩は、比重が低いためにポンプ等での輸送効率が低いという問題があった。
そこで、本発明は、淡色のα−SF塩を効率的に得られる製造方法を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の製造方法は、脂肪酸アルキルエステルにスルホン化ガスを接触させるスルホン化工程と、前記スルホン化工程で得られた生成物にアルカリ性物質を添加しpH1.5〜4.0に調整して一次中和物を得る第一中和工程と、前記一次中和物を漂白して漂白物を得る漂白工程と、前記漂白物にアルカリ性物質を添加しpH4.0〜7.0に調整して二次中和物を得る第二中和工程と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明のα−SF塩の製造方法によれば、淡色のα−SF塩を効率的に得られる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明のα−SF塩の製造方法は、スルホン化工程と、第一中和工程と、漂白工程と、第二中和工程とを有するものである。
【0016】
(スルホン化工程)
スルホン化工程は、脂肪酸アルキルエステルにスルホン化ガスを接触させ(ガス接触操作)、脂肪酸アルキルエステルをスルホン化してα−SFを含むスルホン化物を得る工程である。スルホン化は、例えば、以下の方法により行う。まず、反応槽内に脂肪酸アルキルエステルと、必要に応じて着色抑制剤を仕込み、加熱し、原料液相とする。次いで、この原料液相に、スルホン化ガスを、好ましくは一定流速で導入し、ガススパージャーから複数の気泡を発生させると共に撹拌機の回転によって原料液相中に分散させる。この回転によって着色抑制剤の粒子が原料液相中に均一に分散する。
【0017】
脂肪酸アルキルエステルは、典型的には下記(1)式に表される物質である。
【0018】
−CH−COOR ・・・(1)
[(1)式中、Rは炭素数8〜20の直鎖又は分岐のアルキル基もしくはアルケニル基であり、Rは炭素数1〜6の直鎖又は分岐のアルキル基である。]
【0019】
前記(1)中、Rは、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、炭素数8〜20であり、炭素数10〜18が好ましく、炭素数10〜16がより好ましい。前記(1)式中、Rは、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、炭素数1〜6であり、炭素数1〜3が好ましい。
【0020】
脂肪酸アルキルエステルは、牛脂、魚油、ラノリン等から誘導される動物系油脂;ヤシ油、パーム油、大豆油等から誘導される植物系油脂;α−オレフィンのオキソ法から誘導される合成脂肪酸アルキルエステル等のいずれでもよく、特に限定はされない。具体的には、ラウリン酸メチル、エチル又はプロピル;ミリスチン酸メチル、エチル又はプロピル;パルミチン酸メチル、エチル又はプロピル;ステアリン酸メチル、エチル又はプロピル;硬化牛脂脂肪酸メチル、エチル又はプロピル;硬化魚油脂肪酸メチル、エチル又はプロピル;ヤシ油脂肪酸メチル、エチル又はプロピル;パーム油脂肪酸メチル、エチル又はプロピル;パーム核油脂肪酸メチル、エチル又はプロピル等を例示することができ、これらは単独、あるいは2種以上混合して用いることができる。また、ヨウ素価は、低い方が色調と臭気の両観点において望ましく、好ましくは0.5以下、さらに好ましくは0.2以下とされる。
【0021】
スルホン化工程で得られるα−SFは、典型的には下記(2)式に表される物質である。
【0022】
−CH(SOH)−COOR ・・・(2)
[(2)式中、Rは(1)式中のRと同じであり、Rは(1)式中のRと同じである。]
【0023】
スルホン化ガスとしては、例えば、SOガスや発煙硫酸又はこれらを脱湿した空気で希釈したものが挙げられる。
スルホン化ガスの添加量は、脂肪酸アルキルエステルに対して、等倍モル以上であり、1.0〜2.0倍モルが好ましく、1.1〜1.5倍モルがより好ましい。
【0024】
着色抑制剤としては、一価の金属イオンを有し、平均粒径250μm以下の無機硫酸塩又は有機酸塩が好適である。無機硫酸塩は、一価の金属イオンを有する粉末状の無水塩であれば特に限定されず、例えば硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸リチウム等が例示される。無機硫酸塩は、着色抑制効果が高く、安価なものが多く、さらに洗浄剤に配合される成分なので、最終的にα−SF塩(製品)から除去する必要がない。また、有機酸塩としては蟻酸ナトリウム、蟻酸カリウム、酢酸ナトリウム等が好ましい。
着色抑制剤の添加量は、原料の脂肪酸アルキルエステルに対して0.1〜30質量%、好ましくは0.1〜20質量%、さらに好ましくは2〜20質量%である。0.1質量%未満の場合は添加効果が得られない。30質量%を超えて添加しても、着色抑制効果が飽和し、もはや着色抑制効果の向上が図れない場合がある。
【0025】
スルホン化工程のガス接触操作における反応温度は、脂肪酸アルキルエステルが流動性を有する温度とされ、脂肪酸アルキルエステルの融点以上であり、好ましくは融点以上であって、融点より70℃高い温度までの範囲で決定することが好ましい。
スルホン化工程におけるスルホン化ガスの導入時間は、10〜240分程度とされる。
【0026】
スルホン化の方法としては、流下薄膜式スルホン化法、回分式スルホン化法等のいずれのスルホン化法であってもよい。また、スルホン化反応方式としては槽型反応、フィルム反応、管型気液混相反応等の方式が用いられる。着色抑制剤を原料中に均一に分散させた状態でスルホン化ガスと接触させることが好ましいため、特に回分式スルホン化法においては、槽反応方式が好適である。
【0027】
<熟成操作>
スルホン化工程には、ガス接触操作の後、必要に応じて熟成操作を設けることができる。α−SF塩の収率向上の観点からは、熟成操作を設けることが好ましい。
熟成操作は、スルホン化工程の後、所定の温度に維持して、スルホン化工程で生成した二分子付加体からのSOの脱離を促進する工程である。
熟成操作は、例えば、原料液層とスルホン化ガスとを接触させた反応槽内で、攪拌して熟成することができる。また、例えば、スルホン化工程にフィルム式反応、管型気液混相反応等を用いた場合には、スルホン化物を他の槽型反応器に移して、熟成操作を行う。
【0028】
熟成操作における反応温度(熟成温度)は、例えば、70〜100℃の範囲で決定することができる。熟成温度が70℃未満であると反応が速やかに進行しにくく、100℃を超えると着色が著しくなるためである。
熟成操作における反応時間(熟成時間)は、例えば、1〜120分間の範囲で決定することが好ましい。
【0029】
<エステル化操作>
スルホン化工程には、熟成操作の後、必要に応じてエステル化操作を設けることができる。α−SF塩の収率向上の観点からは、エステル化操作を設けることが好ましい。
エステル化操作は、ガス接触操作、さらには熟成操作を経て得られたスルホン化物に、低級アルコールを添加し、エステル反応を進行させるものである。エステル化操作は、例えば、スルホン化物に低級アルコールを添加し、所定の温度に維持しながら攪拌するものが挙げられる。
【0030】
エステル化操作で用いる低級アルコールとは、炭素数1〜6のものである。中でも、低級アルコールは、その炭素数が原料の脂肪酸アルキルエステルのアルコール残基の炭素数と等しいものが好ましい。
低級アルコールの添加量は二分子付加体に対して0.5〜50倍モルであり、好ましくは0.8〜2.0倍モルである。
【0031】
エステル化操作における反応温度は、50〜100℃であり、好ましくは50〜90℃である。
エステル化操作における反応時間は、5〜120分間の範囲で決定することが好ましい。
【0032】
(第一中和工程)
第一中和工程は、スルホン化工程で得られたスルホン化物にアルカリ性物質を添加しpH1.5〜4.0に調整して一次中和物を得る工程である。第一中和工程では、スルホン化物中のα−SFは、アルカリ性物質と反応してα−SF塩となり、α−SF塩を含む一次中和物を得ることができる。第一中和工程で、一次中和物をpH1.5〜4.0に調整することで、後述する漂白工程で効率的に漂白することができる。
【0033】
α−SF塩は、典型的には下記(3)式で表される物質である
【0034】
−CH(SO)−COOR ・・・(3)
【0035】
(3)式中、Rは(1)式中のRと同じであり、Rは(1)式中のRと同じである。Mは、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニア又はエタノールアミンであり、中でもアルカリ金属イオンが好ましく、ナトリウム又はカリウムイオンがより好ましい。xは、アルカリ金属イオン、アンモニア又はエタノールアミンの場合は1であり、アルカリ土類金属の場合は1/2である。
【0036】
第一中和工程に用いるアルカリ性物質は、金属炭酸塩、炭酸水素塩、金属水酸化物等が挙げられ、中でも、金属炭酸塩、炭酸水素塩が好ましい。金属炭酸塩、炭酸水素塩としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム等が挙げられ、無水塩、水和塩又はこれらの混合物等を用いることができる。
第一中和工程におけるアルカリ性物質は、固体として添加してもよいし、水溶液として添加してもよい。特に、固体の金属炭酸塩である無水炭酸ナトリウム(濃厚ソーダ灰)による中和は、他のアルカリ性物質よりも安価であるため、経済面で好ましい。また、固体の金属炭酸塩を第一中和工程に用いると、反応混合物中の水分が少なくなりpHの上昇を防ぐことができる。さらに、金属水酸化物を添加する場合に比べて、α−SFの中和時の中和熱が低いため、除熱しやすく有利である。
水溶液として添加する場合、水溶液中のアルカリ性物質の濃度は、2〜50質量%の範囲であることが好ましい。
【0037】
第一中和工程のpHは、1.5〜4.0であり、3.0〜4.0が好ましい。後述する漂白工程で、pHが上記範囲内の一次中和物を漂白することで、過酸化水素等の漂白剤の自己分解を抑制できるためである。pH1.5未満であると、α−SF塩は加水分解されやすくなり、α−SF塩の色調の劣化(褐色化)が生じると共に、α−SFよりも洗浄力が低いα−スルホ脂肪酸エステル塩が増加する傾向にあり好ましくない。pH4.0を超えると、後述する漂白工程での漂白剤添加量の削減効果が得られにくいためである。
【0038】
なお、α−スルホ脂肪酸アルキル塩は、典型的には下記(4)式で表される物質であり、いわゆるジ塩である。
【0039】
−CH(SO)−COOM ・・・(4)
[(4)式中、Rは(1)式中のRと同じである。Mは、(3)式中のMと同じであり、xは(3)式中のxと同じである。]
【0040】
一次中和物のpH調整は、公知の方法を用いることができる。例えば、塩酸水溶液等の酸性水溶液、水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ性水溶液を用いて、pH調整する方法が挙げられる。
【0041】
第一中和工程における反応温度は、50〜100℃であり、60〜90℃が好ましい。50℃未満では、一次中和物の粘度が上昇し、移送や攪拌等の製造適正が悪化する。100℃を超えるとα−SF塩は加水分解されやすくなり、α−SF塩の色調劣化が生じると共に、α−SF塩よりも洗浄力が低いジ塩が増加する傾向にあり好ましくない。
第一中和工程における滞留時間は、添加するアルカリ性物質の種類や添加方法を勘案して決定することができ、例えば10〜60分間の範囲で決定することが好ましい。
【0042】
第一中和工程における中和方法としては、例えば、反応槽内にスルホン化物を投入し、所定の温度に維持したまま、アルカリ性物質を添加・混合する方法が挙げられる。また、例えば、反応槽で得られた一次中和物の一部を再び反応槽に戻す循環系を設け、該循環系にスルホン化物を添加し、次いでアルカリ性物質を添加する方法が挙げられる。
【0043】
第一中和工程では、必要に応じて低級アルコールを添加してもよい。第一中和工程はpH1.5〜4.0に調整するため、α−SF又はα−SF塩のエステル結合が加水分解され、副生物であるジ塩が生成しやすい。そこで、低級アルコールの存在下で第一中和工程を行うことで、エステル結合の加水分解を抑制し、ジ塩の生成を抑制することができる。なお、エステル化操作を設ける場合には、エステル化操作から持ち込まれる低級アルコールをもって、第一中和工程におけるジ塩の生成抑制に必要な低級アルコールを賄ってもよい。
【0044】
(漂白工程)
漂白工程は、第一中和工程で得られた一次中和物を漂白する工程であり、第一中和工程の後、第二中和工程の前に設けられるものである。漂白工程は、一次中和物に漂白剤を添加して、一次中和物を漂白する。
【0045】
漂白剤は、過酸化水素の水溶液である。漂白剤中の過酸化水素の濃度は、漂白工程における水分量や反応時間(漂白時間)や漂白工程における反応温度(漂白温度)を勘案して決定することができる。
漂白剤の添加量は、一次中和物におけるアニオン界面活性剤濃度に対して、純分で0.1〜10質量%の範囲であり、0.1〜5質量%であることが好ましく、0.1〜3.0質量%であることがより好ましい。本発明のα−SF塩の製造方法では、一次中和物のpHが1.5〜4.0の範囲内であるので、比較的少量の漂白剤でも十分に一次中和物を漂白することができる。ここで「アニオン界面活性剤濃度」とは、洗浄有効成分であるα−SF塩とジ塩との合計量を意味する。
【0046】
漂白温度は、漂白剤中の過酸化水素の濃度、漂白剤の添加量、漂白時間を勘案して決定することができ、例えば、50〜120℃の範囲で決定することが好ましく、60〜90℃の範囲で決定することがより好ましい。50℃未満では、漂白物の粘度が上昇し、移送や攪拌等の製造適正が悪化する。120℃を超えるとα−SF塩は加水分解されやすくなり、α−SF塩の色調劣化が生じると共に、α−SF塩よりも洗浄力が低いジ塩が増加する傾向にあり好ましくない。
漂白時間は、漂白剤中の過酸化水素の濃度、漂白剤の添加量、漂白温度を勘案して決定することができ、例えば、30〜480分間の範囲で決定することが好ましい。
【0047】
漂白工程における漂白方法としては、例えば、反応槽内に一次中和物を投入し、所定の温度に維持したまま、漂白剤を添加・混合する方法が挙げられる。また、例えば、反応槽で得られた漂白物の一部を再び反応槽に戻す循環系を設け、該循環系に一次中和物を添加し、次いで漂白剤を添加する方法が挙げられる。
【0048】
(第二中和工程)
第二中和工程は、漂白工程で得られた漂白物にアルカリ性物質を添加し、pH4.0〜7.0に調整して、二次中和物としてα−SF塩を含むペースト状のα−SF塩含有物(α−SF塩含有ペースト)を得る工程である。第二中和工程では、漂白物中に残存するα−SFをα−SF塩とし、かつ、α−SF塩が加水分解されにくいpH領域に調整する。
【0049】
第二中和工程に用いるアルカリ性物質は、第一中和工程で用いるアルカリ性物質と同様である。
【0050】
第二中和工程のpHは、4.0〜7.0であり、5.0〜7.0が好ましい。pH4.0未満であると、二次中和物を保管する際の安定性が劣り、保管中に副生物のジ塩が増加しやすい。pH7.0を超えると、α−SF塩は加水分解されやすくなり、α−SF塩の色調の劣化(褐色化)が生じると共に、α−SF塩よりも洗浄力が低いジ塩が増加する傾向にあり好ましくない。加えて、二次中和物を保管する際の安定性が劣り、保管中に副生物のジ塩が増加しやすくなる。
第二中和工程におけるpH調整の方法は、第一中和工程におけるpH調整の方法と同様である。
【0051】
(二次中和物の加工)
第二中和工程で得られたα−SF塩含有ペーストを必要に応じて濃縮することで、α−SF塩を含有するα−SF塩含有濃縮物(以下、濃縮物という)を得ることができる。この濃縮物に成型・冷却処理を施すことによりフレーク状、ペレット状の固体のα−SF塩含有物が得られる。さらに、フレーク状、ペレット状の固体のα−SF塩含有物を粉砕処理することにより、粉体状等の固体のα−SF塩含有物が得られる。
【0052】
上述したように、スルホン化工程で得られたスルホン化物を第一中和工程で中和した後に漂白工程を行うことで、漂白工程における漂白剤の自己分解を抑制し、効率的に漂白できる。即ち、従来よりも漂白剤の添加量を少なくしても、淡色のα−SF塩を製造できる。さらに、漂白工程後に第二中和工程を設けることで、生成したα−SF塩の加水分解を抑制し、純度の高いα−SF塩を二次中和物として得ることができる。このため、α−SF塩の収率が高くなり、α−SF塩の効率的な製造が図れる。
加えて、漂白剤として用いた過酸化水素の分解に伴い発生する酸素ガス量を抑制できる。この結果、得られる漂白物の比重は高くなり、各工程間におけるポンプ輸送効率の向上が図れる。
【実施例】
【0053】
以下、本発明について実施例を挙げて具体的に説明するが、実施例に限定されるものではない。
【0054】
(測定方法)
<pH測定>
JIS Z 8802−1984に記載の方法に準じ、試料を後述の方法により算出されるアニオン界面活性剤濃度(α−SF塩とα−スルホ脂肪酸ジナトリウム塩(di−Na塩)との合計濃度)が10質量%になるように、脱気した中性水で希釈してpH試料溶液とし、このpH試料溶液を25℃で測定した。なお、pHの測定には、携帯用pH計(本体デジタル指示、本体型式PH71、電極型式pH測定用ガラス電極PH72SN−11、横河電機株式会社製)を使用し、校正用の規格pH標準液として、中性りん酸塩pH標準液(第2種)pH6.86及びフタル酸塩pH標準液(第2種)pH4.01を使用した。
【0055】
<色調測定>
試料をアニオン界面活性剤濃度5質量%の溶液とし、該水溶液について40mm光路長、No.42ブルーフィルターを用いてクレット光電光度計で測定した。スルホン化物の測定の場合は溶媒にエタノールを使用し、二次中和物等のα−SF塩含有ペーストの場合は水を使用した。色調の測定結果は、数値が小さいほど白色に近く、測定値が50以下であれば良好な淡色であると判断できる。
【0056】
<アニオン界面活性剤濃度の測定>
試料0.3gを200mLメスフラスコに正確に量り取り、イオン交換水(蒸留水)を標線まで加えて超音波で溶解させた。溶解後、約25℃まで冷却し、この中から5mLをホールピペットで滴定瓶にとり、MB指示薬(メチレンブルー)25mLとクロロホルム15mLを加え、さらに0.004mol/L塩化ベンゼトニウム溶液を5mL加えた後、0.002mol/Lアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム溶液で滴定した。滴定は、その都度滴定瓶に栓をして激しく振とうした後静置し、白色板を背景として両層が同一色調になった点を終点とした。同様に空試験(試料を使用しない以外は上記と同じ試験)を行い、滴定量の差からアニオン界面活性剤濃度を算出した。
【0057】
<アニオン界面活性剤濃度中のジ塩の割合>
di−Na塩の標準品0.02g、0.05g、0.1gを200mLメスフラスコにそれぞれ正確に量りとり、水50mLとエタノール50mLを加えて超音波を用いて溶解させた。溶解後、約25℃まで冷却し、メタノールを標線まで正確に加え、これを標準液とした。
この標準液約2mLを、0.45μmのクロマトディスクを用いて濾過後、下記測定条件の高速液体クロマトグラフィーを行い、ピーク面積から検量線を作成した。
なお、di−Na塩の標準品は、以下の方法により調製した。
まず、α−SF塩10gを石油エーテル50mLで3回洗浄して乾燥し、さらに60℃、約1.33kPaで20分以上減圧乾燥した。乾燥後、1mol/L−NaOH100mLを加え沸騰浴中で60分間以上加熱した。冷却後、1mol/L硫酸で中和した後、濾過した。不溶物を40℃に加温した水100mLで3回洗浄した後、60℃、約1.33kPaで1時間以上減圧乾燥し、これを標準品とした。
【0058】
《高速液体クロマトグラフィー測定条件》
・装置:LC−6A(株式会社島津製作所製)
・カラム:Nucleosil 5SB(ジーエルサイエンス株式会社製)
・カラム温度:40℃
・検出器:示差屈折率検出器RID−6A(株式会社島津製作所製)
・移動相:0.7%過塩素酸ナトリウムのHO/CHOH=1/4(体積比)溶液
・流量:1.0mL/min
・試料注入量:100μL
【0059】
次に、試料1.5gを200mLメスフラスコに正確に量りとり、水50mLとエタノール50mLを加えて超音波を用いて溶解させた。溶解後、約25℃まで冷却し、メタノールを標線まで正確に加え、これを試験溶液とした。
試験溶液約2mLを、0.45μmのクロマトディスクを用いて濾過後、上記と同じ測定条件の高速液体クロマトグラフィーで分析し、上記で作成した検量線を用いて、試料溶液中のdi−Na塩濃度を求めた。
算出したdi−Na塩濃度と、上記で求めたアニオン界面活性剤濃度とから、アニオン界面活性剤濃度中のdi−Na塩の割合(質量%)を算出した。
【0060】
<残存過酸化物量の測定>
300mL共栓付き三角フラスコに試料1〜5gを精秤し、5質量%硫酸水溶液50mLを加え溶解する。ヨウ化カリウム0.5g加え、沸石を入れて還流冷却管を付け沸騰湯浴中で30分間加熱する。その後、室温まで冷却後、冷却管及び共栓部分を蒸留水で洗い込み、0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム標準液で滴定する。液が淡黄色となったときに0.5質量%でんぷん水溶液を1〜2mL加え滴定を続け、青色が消えたところを終点とする。滴定量より次式を用いて残存過酸化物量過酸化水素量として算出する。
過酸化物量(%)=0.17×a×f/w ・・・(i)
a:0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム標準液の滴定量(mL)
f:0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム標準液のファクター
w:試料質量(g)
【0061】
<比重測定>
正確な内容積が分かっている円筒形のステンレス製試料容器(内容積300mL(直径:65.5cm、高さ:91cm))に25℃の水を充填し、充填した水の質量を天秤を用いて予め測定した。
試料を25℃に調整し、乾燥した前記の試料容器に山盛り状態になるように静かに注いだ後、上面が水平になるようにガラス棒ですり切り、充填されている試料の質量を天秤にて測定した。同様の操作を3回行い、その平均値を用い下記式から比重を算出した。
比重(g/mL)=中和物試料の質量(g)÷水の質量(g) ・・・(ii)
【0062】
(実施例1)
脂肪酸メチルエステルとして、パーム核油、ヤシ油、パーム油をエステル化し蒸留したパステルM−16(商品名、ライオン株式会社製)と、パステルM−180(商品名、ライオン株式会社製)とを質量比6:4に混合した後、さらに水添処理してヨウ素価を0.05以下に低減した脂肪酸メチルエステル混合物を用いた。
水添処理は常法に従い、水添触媒として、SO−850(商品名、堺化学株式会社製)を、脂肪酸メチルエステルに対して0.1質量%添加し、170℃、1時間の条件で行った。なお、水添処理の後、濾過により触媒を除去した。スルホン化ガスは、乾燥空気(露点−55℃)を用いてSOを触媒酸化して生成したものを用いた。着色抑制剤は、微粉芒硝(工業グレード、粒径40〜50μm、四国化成株式会社製)を使用した。
槽型スルホン化反応器に、脂肪酸メチルエステル混合物100質量部と微粉芒硝5質量部とを投入し、スルホン化ガスを反応モル比(SO/脂肪酸メチルエステル)=1.2で添加し、脂肪酸メチルエステル混合物をスルホン化(80℃、240分)し(ガス接触操作)、熟成(80℃、20分)し(熟成操作)、さらにα−SF100質量部に対しメタノール3質量部を添加し、エステル化(80℃、30分)して(エステル化操作)、スルホン化物を得た(以上、スルホン化工程)。得られたスルホン化物の色調は1200であった。
【0063】
次いで、上述のスルホン化工程で得られたスルホン化物に対し、28質量%NaOH水溶液を供給し、一次中和物(pH1.6、80℃)を得た(第一中和工程)。得られた一次中和物に、過酸化水素(35質量%、純正化学株式会社)を純分として1.0質量%(対アニオン界面活性剤濃度)を定量供給しミキサーで混合した後、流通型熟成管に導入し、熟成管滞留時間8時間、漂白温度80℃の条件で漂白した(漂白工程)。漂白物を80℃に維持しながら28%NaOH水溶液を供給し、pH5.5の二次中和物としてα−SF塩含有ペーストを得た(第二中和工程)。得られた二次中和物について、色調、ジ塩濃度(対アニオン界面活性剤濃度)、残留過酸化物量(対アニオン界面活性剤濃度)、比重を測定し、その結果を表1に示す。
【0064】
(実施例2)
第一中和工程で得られる一次中和物のpHを4.0とした以外は、実施例1と同様にして二次中和物としてα−SF塩含有ペーストを得た。得られた二次中和物について、色調、ジ塩濃度(対アニオン界面活性剤濃度)、残留過酸化物量(対アニオン界面活性剤濃度)、比重を測定し、その結果を表1に示す。
【0065】
(実施例3)
漂白工程における漂白温度を90℃とした以外は、実施例2と同様にして二次中和物としてα−SF塩含有ペーストを得た。得られた二次中和物について、色調、ジ塩濃度(対アニオン界面活性剤濃度)、残留過酸化物量(対アニオン界面活性剤濃度)、比重を測定し、その結果を表1に示す。
【0066】
(比較例1)
実施例1と同様にしてスルホン化物を得た。得られたスルホン化物100質量部に、28質量%水酸化ナトリウムを44質量部添加して、一次中和物(pH6.0、80℃)を得た。得られた中和物には、過酸化水素を純分として2.0質量%(対アニオン界面活性剤濃度)定量供給し、ミキサーで混合した後、流通型熟成管に導入し、熟成管滞留時間8時間、漂白温度80℃の条件で漂白し、漂白物としてα−SF塩含有ペーストを得た(漂白工程)。得られた漂白物について、色調、ジ塩濃度(対アニオン界面活性剤濃度)、残留過酸化物量(対アニオン界面活性剤濃度)、比重を測定し、その結果を表1に示す。
【0067】
(比較例2)
漂白工程における漂白温度を90℃とした以外は、比較例1と同様にして漂白物としてα−SF塩含有ペーストを得た。得られた漂白物について、色調、ジ塩濃度(対アニオン界面活性剤濃度)、残留過酸化物量(対アニオン界面活性剤濃度)、比重を測定し、その結果を表1に示す。
【0068】
(比較例3)
漂白工程における漂白温度を90℃とし、漂白工程における過酸化水素の添加量を純分として1.0質量%(対アニオン界面活性剤濃度)とした以外は、比較例1と同様にして漂白物としてα−SF塩含有ペーストを得た。得られた漂白物について、色調、ジ塩濃度(対アニオン界面活性剤濃度)、残留過酸化物量(対アニオン界面活性剤濃度)、比重を測定し、その結果を表1に示す。
【0069】
(比較例4)
第一中和工程で得られる一次中和物のpHを9.0とし、漂白工程における漂白温度を90℃とした以外は、比較例1と同様にして漂白物としてα−SF塩含有ペーストを得た。得られた漂白物について、色調、ジ塩濃度(対アニオン界面活性剤濃度)、残留過酸化物量(対アニオン界面活性剤濃度)、比重を測定し、その結果を表1に示す。
【0070】
(比較例5)
エステル化操作を行わなかった以外は実施例1と同様のガス接触操作及び熟成操作を経てスルホン化物を得た。得られたスルホン化物にメタノールを20質量%(対α−SF)と、過酸化水素を純分で1質量%(対α−SF)加え、80℃で3時間の漂白をした後、41質量%水酸化ナトリウム水溶液でpH3.0に調整して一次中和物を得た(第一中和工程)。得られた一次中和物に対し、1質量%水酸化ナトリウム水溶液を添加し、ミキサーで混合してpH6.5の二次中和物としてα−SF塩含有ペーストを得た(第二中和工程)。得られた二次中和物について、色調、ジ塩濃度(対アニオン界面活性剤濃度)、残留過酸化物量(対アニオン界面活性剤濃度)、比重を測定し、その結果を表2に示す。
【0071】
(比較例6)
比較例5と同様にしてスルホン化物を得た。得られたスルホン化物に、過酸化水素を純分で0.5質量%(対α−SF)加え、80℃で2時間漂白して一次漂白物を得(第一漂白工程)、一次漂白物に28質量%水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH4.0に調整して中和物を得た(中和工程)。得られた中和物に過酸化水素を純分として0.5質量%(対アニオン界面活性剤濃度)添加し、ミキサーで混合した後、80℃で1時間の漂白を行い、二次漂白物としてα−SF塩含有ペーストを得た(第二漂白工程)。得られた二次漂白物について、色調、ジ塩濃度(対アニオン界面活性剤濃度)、残留過酸化物量(対アニオン界面活性剤濃度)、比重を測定し、その結果を表3に示す。
【0072】
【表1】

【0073】
【表2】

【0074】
【表3】

【0075】
表1の結果のとおり、第一中和工程と第二中和工程の間に漂白工程を設けた実施例1〜3は、漂白工程における過酸化水素の添加量1.0質量%(対アニオン界面活性剤濃度)の条件において、得られたα−SF塩含有ペーストの色調が45〜50であった。中でも、第一中和工程でpHを1.6に調整した実施例1、及び、漂白温度を90℃とした実施例3は、得られたα−SF塩含有ペーストの色調が45であり、実施例2よりも淡色のα−SF塩を得られていた。加えて、実施例1〜3で得られたα−SF塩含有ペーストは、その比重が0.92〜0.95g/mLという高い値であった。
これに対し、第二中和工程を設けずに、第一中和工程でpH6.0又はpH9.0に調整した比較例1〜4は、得られたα−SF塩含有ペーストの色調が50〜150という高い値であった。加えて、比較例1〜4は、得られたα−SF塩含有ペーストの比重が0.65〜0.85g/mLという低い値であった。
漂白工程における過酸化水素添加量、漂白温度及び漂白時間を等しくした実施例3と比較例3との比較において、実施例3は比較例3に比べて、色調が薄く(白く)、比重が高いα−SF塩含有ペーストが得られることが判った。
【0076】
漂白工程の後に、第一中和工程及び第二中和工程を設けた比較例5では、漂白工程での過酸化水素を1.0質量%(対α−SF)添加しただけでは、漂白物の色調が60であり、その後第一中和工程、第二中和工程を経てα−SF塩含有ペーストの色調は45となった。しかし、得られたα−SF塩含有ペーストの比重は0.8g/mLという低い値であった。
中和工程の前後に漂白工程を設けた比較例6では、第一漂白工程で過酸化水素を0.5質量%(対α−SF)添加し2時間漂白して、色調が85の一次漂白物が得られた。第二漂白工程で過酸化水素を0.5質量%(対アニオン界面活性剤濃度)添加することで、α−SF塩含有ペーストは色調が50となったが、比重が0.78g/mLという低い値であった。
【0077】
以上の結果から、本発明のα−SF塩の製造方法である実施例1〜3は、従来のα−SF塩の製造方法に比べて少量の過酸化水素で十分に漂白でき、かつ、比重の高いα−SF塩含有ペーストを得られることが判った。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脂肪酸アルキルエステルにスルホン化ガスを接触させるスルホン化工程と、
前記スルホン化工程で得られた生成物にアルカリ性物質を添加しpH1.5〜4.0に調整して一次中和物を得る第一中和工程と、
前記一次中和物を漂白して漂白物を得る漂白工程と、
前記漂白物にアルカリ性物質を添加しpH4.0〜7.0に調整して二次中和物を得る第二中和工程と、
を有するα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の製造方法。

【公開番号】特開2010−173941(P2010−173941A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−15634(P2009−15634)
【出願日】平成21年1月27日(2009.1.27)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】