「デッドヴォリューム」を最小化した抽出カラムデバイス
この発明は、サンプル溶液から抽出カラムでアナライト(例えば、ペプチド、又は蛋白質、又は核酸のような生体高分子)、を精製し、そのカラムを作り、使う方法を支給する。発明は、カラム内に抽出成分層を小孔隙容積の低質量域(例えば、逆浸透膜スクリーン)内に入った小デッドヴォリュームを使う事によって達成される。小デッドヴォリュームは、微量の脱離液内に捕獲されたアナライトの溶出を容易にし、比較的高濃度のアナライトの入った小容積サンプルを準備する事ができる。
【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
関連特許出願申請書の引照
この出願申請書は、2002年7月16日に提出したUS暫定特許出願申請書シリアルナンバー60/396,595と2003年4月25日に提出したUS暫定特許出願申請書シリアルナンバー60/465,606の恩恵を受け、優先することを請求し、発表された事物は此処にすべて、全目的のため参照することによって組み入れられている。
【0002】
発明の分野
この発明はカラムデバイスで固体相抽出をすることによって、アナライトを取り込み、制御された溶液容積の中にアナライトを集める方法とデバイスに関係している。アナライトは、特に、蛋白質やペプチドのような生体高分子を含んでいる。この発明のデバイスと方法は、プロテオミクス用のサンプルの準備とバイオチップや質量分析器や他の計器の分析技術で解析することに有益である。
【0003】
発明の背景
プロテオミクスは蛋白質とその機能的側面を包括的に研究する学問と定義することができる。細胞のする仕事を蛋白質が行う。一つの蛋白質は沢山の形態を持つことができる。蛋白質の機能は形態や相互作用や蛋白質複合体に依存する。蛋白質の生体機能の深い理解が医薬の開発に必要である。
プロテオミクスにおいて、蛋白質サンプル処理は複雑な問題である。蛋白質は単体、又は、複合体(蛋白質群が複合体として)として作用できる。蛋白質は、DNAがポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法で増幅できるように、増幅できない。蛋白質は、分析される前に、濃厚にし、精製しなければならない。蛋白質処理方法とシステムは、蛋白質の発現が百万以上可能な為、融通が利かなければならない。分析用に、他の数千と在る蛋白質から必要な蛋白質を分離し、濃縮し、蛋白質分析処理工程の妨げになる他の蛋白質や糖や炭水化物や脂質やDNAやRNAや塩のような細胞物質を選別的に除去しなければならない。再現可能な再生が必要で、ほとんどの場合、蛋白質機能が処理工程中は保持されなければならない。形態上の構造的相違はそのまま保存され、サンプルの最終工程は多種多様の検出方法、例えば、質量分析器や蛋白質チップ、等、に簡単に組み入れられなくてはならない。
【0004】
固体相抽出は分析前の蛋白質サンプルの準備の為の根本的な道具である。この方法は、質量分析器、又は、その他の解析法によって分析用に準備する為、蛋白質をその同定かクラスタイプか、構造か、機能によって精製する。
固体相抽出のプロセスは抽出相をカラム、又は、層の形状で使い、サンプルはカラムに取り入れられるか、又は、バルク溶液を抽出ビーズに足すことができる。抽出相はサンプル蛋白質を保留し、抽出相は汚染物を除去するため洗浄され、その後、サンプル蛋白質は抽出、又は、再生溶液で排出される。
【0005】
抽出カラムは分析用に蛋白質サンプルを準備するために使われる。頻繁に、極微量の蛋白質がサンプル内に発現され、分析の前に、サンプルを準備する工程が、蛋白質を取り出し、単離する為、必要である。
核酸や蛋白質のような生体分子の固体相抽出は、普通色々な抽出相が取り込められたカラムによって行われる。
【0006】
蛋白質の生体分子抽出の必要性は俄かに増大している。多数のサンプルを、多種多様の方法によって蛋白質の機能を定めるために分析する必要がある。典型的なサンプル容量は、典型的なカラム層容量の1から5 mLの内、0.5 から5 mL で、典型的な脱離溶液容量の2から5 mLが必要とされる。
数多くの会社が、固体相抽出によってある種の蛋白質、又は、蛋白質群、が精製できる製品を開発している。これらの製品の目的は、研究者に興味がある蛋白質のサンプルだけを、蛋白質解析を簡略化するためである。これらの製品はほとんど一回だけ使い、処分されるよう梱包されている。充填層カラムは比較的低圧力で操作できるため、マルチプレックス化し、オートメ化された中での操作環境を簡略化できる。一般的な充填層の方法の性質の為、サンプルの信頼性ある量を定めることや(又は)濃厚化することには限度がある。充填層の方法は、経済的で、尚且つ、信頼性がある形で適応するのは非常に難しい。マイクロスケールの工程レベルに効率よく適応することができない。
【0007】
更に、パックドカラムはサンプルからサンプルへの持ち越される物質が多く、製造費が高く、複合化(複数のサンプルから同時に抽出する)するのは難しいかもしれない。蛋白質が抽出相に逆転不能の形で吸着するか、カラムの低質量域内や他の「デッドゾーン」に詰まって、蛋白質の回収が不十分になる。
他の欠点は一掃されなかった容積の為の減損の理由で回収低量と結果再現不可能や、一掃されなかった容積を最小限に留める為の大量の抽出液の理由で物質が薄まることや、フローの「方向性」の必要条件のため、サンプル処理のフルインテグレーションに限度が出ることや、製造工程の高難易度とマイクロ、又は、ナノスケールヴォリュームシステムの高コストや、市販されているシステムに使われている構築材料の粗さの為、生体分子の減損につながること、が含まれる。
【0008】
スピンカラムやピペットティップカラムは一般的にサンプルを処理するために使われる使い捨てのカラム技術である。今日、これらのカラムのほとんどにはろ過装置、又は、低質量域が付いている。一般的に使われている低質量域は、カラム層が入った粗いディスクで、多量の使われない容積がある。これは、微量のサンプルが分離された場合、サンプルの多量の減損につながる。
サンプル準備用のデバイスを作る或る一つの方法は、ピペットの先の中に、例えば、繊維状のガラス、又は、セルロース状のシート、からできたプレカットされた、粗いプラグを入れ込む事を含む。次に、遊離した粒子を足し、二つ目の粗いプラグを入れる。プラグはピペットの先に粒子を保持する役目をする。しかしながら、プラグは余った溶液を保ち、デッドスペース、又は、ヴォリュームを作る元にもなる(すなわち、成分、又は、ポリマーで占められていないスペースがサンプルの低回収や、サンプルの持ち越しの為の汚染、等)。
【0009】
今現在、利用できる方法は、低マイクロリッター範囲内での微量の分離や回収には不適切である。
更に、ろ過装置の容積がサンプルのマイクロヴォリュームとほぼ同じ同じ大きさのため、抽出、又は、分離プロセス、又は、クロマトグラフィープロセスは、サンプルが通らなければならないろ過装置の容積が大きいため、悪影響を及ぼす。
【0010】
その上、生体分子の吸着にも問題が出るかもしれない。マイクロヴォリューム内の生体分子の濃度が非常に低い為、ろ過装置に吸着する生体分子がサンプル質量のトータルの大きな減損につながる結果となる可能性がある。ろ過装置の材料も蛋白質、又は、生体分子をサンプルから吸着する可能性があり、サンプルの低回収の結果になる。更に、ろ過装置の材料は異なった抽出成分に異なった反応を示す可能性があり、その結果、分離プロセスの品質と保持されたサンプル量の両方に悪影響を及ぼす。
1から20 μL の範囲のサンプル回収は必要性が高い。このような小容積では、高効率のサンプルの取り扱いは減損をなくす為に重要である。サンプル準備用の一般的な方法とデバイスはこのような微量サンプルの「マイクロ分離」の取り扱いには実用的ではない。
【0011】
超ろ過装置はただ有効的に濃縮し、脱塩できるだけで、このスケールでの吸着技術の適応は、マイクロ質量サンプルの準備に全く新しい手法を提供することができる。
しかしながら、これらの手法は、20ミリグラム、又は、それ以下の上記の微量なサンプル抽入に適した量、吸着剤の入ったマイクロ吸着デバイスにプラグ、又は、粒子を実践的な方法で取り入れる手段がない為、普通のピペットのティップのような微量溶液放出デバイスには使うことができない。
【0012】
発明の概略
この発明は溶液内にある物質を捕獲するためのカラムデバイスを、カラム本体にピペットと注入器、又は同じようなポンプで溶液をカラムの反対の先から注出入ができ、充填物質でできた、二つの小デッドヴォリューム逆浸透膜が入ったカラム層が付いていて、下の逆浸透膜はカラムの下側の先のティップ間を横切って延びていて、用意する。
或る一つの形態内には、この発明は一つの小デッドヴォリューム抽出カラムでできていて、カラムの本体は、オープンの上側の先はポンプを装着し、オープンの下側の先は溶液をカラム本体に注出入できるようになっていて、オープンチャンネルがカラム本体の上と下側を結び付けている。下側の低質量域はオープンチャンネルを横切って延び、接続され、下の低質量域は小孔隙容積が付いている。上側の低質量域は下の低質量域とカラム本体のオープンの上側の先の間のオープンチャンネルを横切って延び、接続され、上の低質量域は小孔隙容積が付き、上の低質量域と下の低質量域とチャンネルの表面が抽出成分小室と定義される。抽出成分の層が抽出成分小室内に位置される。
【0013】
或る形態では、下の低質量域はカラム本体のオープンの下側の先に位置付けられる。
或る形態では、下の低質量域の厚さは200マイクロン以下で、孔隙容積は抽出成分層の組織容積の10%かそれ以下で(又は)、孔隙容積は0.5 マイクロリッターかそれ以下である。
或る形態では、抽出成分はゲルタイプの充填物質、例えば、ゲルタイプのクロマトグラフィービード、の充填層で構成されている。好まれる形態では、層はアガロースとセファロースでできている。
或る形態では、抽出成分層は層容積の20マイクロリッター以下である。
或る形態では、下の低質量域は逆浸透膜で、上の低質量域は選択的な逆浸透膜である。逆浸透膜はナイロン、又は、ポリエステル繊維の浸透膜で作り上げることができる。
或る形態では、抽出成分は、必要とする生体分子と親和力があり、例えば、A蛋白質やG蛋白質や固定化金属、親和性結合グループで形成される。
或る形態では、カラム本体はポリカーボネート、又は、ポリプロピレン、又は、ポリエチレンの物質で形成されている。低質量域は、環状ピップか、楔嵌合か、接着剤で貼るか、溶接のような、多種多様な方法でカラム本体に取り付けられる。
或る形態では、抽出成分小室の容積は20マイクロリッター以下である。
或る形態では、抽出成分層は乾燥重量で2mgs以下である。
【0014】
或る形態では、抽出成分は、蛋白質精製のために使われるアフィニティービーズと、蛋白質精製のために使われるイオン交換ビーズと、蛋白質精製のために使われる疎水性相互作用ビーズと、核酸か、蛋白質精製のために使われる逆相ビーズと、IgG蛋白質精製のために使われるG蛋白質アガロースビーズと、IgG蛋白質精製のために使われるHypercellビーズから選択される抽出ビーズで形成される。
或る形態では、カラム本体はルアーアダプター、又は、注入器、又は、ピペットティップが付いている。
或る形態では、カラム本体の上側の末端は、カラム本体の下側から液体を吸引するためのポンプが取り付けられている。
或る形態では、ポンプはピペットか、注入器か、ペリスタルティックポンプか、電動ポンプか、誘電式の流体ポンプである。
【0015】
或る形態では、小デッドヴォリューム抽出カラムは、カラムの下の末端と、最初の取り付け先と、カラム本体の下側の末端と最初の取り付け先の間の下側オープンチャンネルで形成された下側のチューブラーの部分と、カラム本体の上側の末端と二つ目の取り付け先と、カラム本体の上側の末端と二つ目の取り付け先の間の上側オープンチャンネルと、二つ目の取り付け先の上側オープンチャンネルに結合し、横切って延びていて、抽出カラムの上の逆浸透膜で形成されていて、最初の取り付け先と二つ目の取り付け先が絡み合い、密封されるようになっている。或る形態では、最初の絡み合う先は内側の直径が、二つ目の絡み合う先の外側の直径と合致するようになっていて、最初の絡み合う先は、二つ目の絡み合う先をテレスコープのような形で受け止めるようになっている。或る形態は最初の絡み合う先にはテーパ穴軸受があり、二つ目の絡み合う先の外側の円筒の表面と合致するようになっている。
発明は、更に、この発明の抽出カラムを使ってサンプル溶液からアナライトを抽出する方法を提供し、カラム本体の上側の先は、カラム本体の下側の先を通して液体を吸引できるように取り付けられている。この方法は次のステップから成り立っている。1)抽出カラムのカラム本体の下側の先をアナライトが入ったサンプル溶液に触れさせ、カラム内に或る量のサンプル溶液を吸引し、抽出成分層にサンプル溶液が注入され、アナライトが抽出成分で吸着され、2)サンプル溶液が抽出カラム本体の下側の先から排出され、3)カラム本体の下側の先を脱離溶液に接触させ、カラム内に或る量の脱離溶液を吸引し、或る量のサンプル脱離溶液が抽出成分層に注入され、アナライトが脱離溶液内に抽出成分から脱離され、4)カラムの下の先を通してアナライトが入った脱離溶液が排出される。
【0016】
或るこの方法の形態では、カラムにカラム本体の下の先を通して液体を吸引し、排出するためポンプを取り付け、ポンプはサンプル溶液とアナライトが入った脱離溶液を抽出カラムから排出するために使われる。
或るこの方法の形態では、或る量の洗浄液がカラムの下の先を通してカラム内に吸引され、その後、抽出カラム本体の下の先を通してサンプル溶液を排出するステップと、脱離溶液にカラム本体の下の先が接触し、カラム内に或る量の脱離溶液を吸引するステップの間に、カラムの下の先を通して排出し、抽出成分層を洗浄する。
或るこの方法の形態では、カラム内に吸引する脱離溶液の量は、抽出ビーズの充填層の組織容積の三倍以下である。
或るこの方法の形態では、脱離溶液の量は、カラムに一回以上吸引され、排出される。
或るこの方法の形態では、アナライトは蛋白質のような高分子である。蛋白質の入った脱離溶液は、或るケースの場合、蛋白質チップ、或いは、質量分析計に掛ける事ができる。
或るこの方法の形態では、サンプル溶液はハイブリドーマ細胞培養上清である。
【0017】
この発明の具体的な表現物の説明
この発明はカラムデバイスで固体相抽出をすることによって、アナライトを取り込み、制御された溶液容積の中にアナライトを集めることに使われる。この発明は生体分子を含む、アナライトに有効的であり、解析技術、特に、バイオチップや質量分析器、で分析するサンプルの準備の必要条件に適応している。
この発明は、抽出カラムを使ってデッドヴォリュームを最小化することに特徴付けられている。これは、一部、低質領域の小容積、又は、低質領域内に、カラム内に位置付けられた抽出成分小室の抽出成分層を入れ込むことによって、達成される。小デッドヴォリュームは、微量の脱離溶液に取り込められたアナライトの溶出液を注入する事を容易にし、比較的高濃度のアナライトが入った小容積のサンプルの準備ができるようにする。小容積と高濃度溶液は、質量分析器や蛋白質チップのような技法で分析するための蛋白質の準備に有用である。
【0018】
I. 用語
この発明の説明を詳細にする前に、この発明は此処に記述される具体的な形態だけに制約されているのではないと理解されるべきである。更に、具体的な形態を説明するために使われる用語は制約することを意図的に行ったのではないと、理解されるべきである。この仕様書と付随された請求事項で使われている、単数形の冠詞「a」と「an」と「the」は複数形の意味を、使われている内容が明確にそうでない限り、含んでいる。それ故、例えば、ポリマーで保護基のあるカルボニルの参照は、ポリマーで二つ以上の保護基のあるカルボニル、等、を含んでいる。
逆に定義かされていない限り、ここで使われているすべての技術的、科学的用語は、この発明が関連している普通の語術を使って一般的に理解されているのと同じ意味を持っている。ここに記述されている同じか、似通った、方法や物質はこの発明のテスト、又は、実験に使うことができるが、適切な物質と方法の具体的な実施例が此処に説明されている。
【0019】
この発明の請求項目と説明をする上において、次の用語が下記の定義に従って使われる。
ここで使われる用語「bed volume」は、抽出カラム内の抽出成分層の容積と定義される。層がどのような密度で充填されているかに依るが、カラム層の抽出成分の容積は典型的には、全層容積のおよそ半分から三分の一であり、よく充填されている層はビード間のスペースが少なく、その結果、一般的に低組織内容積になる。
【0020】
層の用語「interstitial volume」は、例えば、液体状のサンプル溶液や、洗浄液や、脱離溶液のような溶媒が浸透できる抽出成分層の容積のことを指示する。例えば、抽出成分がクロマトグラフィービード(例えば、アガロース、又は、セファロース)の場合、層の組織内容積はビード間とビード内領域、例えば、溶液がアクセスできる孔隙、の溶液がアクセスできる容積で形成される。層の組織内容積は、カラム層を浸すのに最低限必要な液体の量を表す。
カラム関連で此処で使われる用語「dead volume」は、抽出層と、チューブと、逆浸透膜、又は、低質量域と、カラム内の通路の組織内容積と定義される。この発明のデバイスでは低質量域のゲルタイプ成分と孔隙の容積である。カラムの下側の低質量域が直接サンプルと洗浄液と溶出液に接触するため、このデバイス内に最少量のチューブイング、又は、通路のデッドヴォリュームができる。
【0021】
此処で使われる用語「elution volume」は、アナライトが脱離され、集められた脱離溶液、又は、溶出溶液容積と定義される。用語「desorption solvent」「elution liquid」等はここでは相互交換できるように使われる。
此処で使われる用語「enrichment factor」は、デッドヴォリュームからの液体が加えられないとして、サンプル容積が溶出溶液の容積で割られた比率と定義される。デッドヴォリュームはアナライトを薄めるか、完全吸着を防ぐとすれば、濃厚化係数が減少する。
【0022】
此処で使われる用語「extraction column」と「extraction tip」は、ポンプと一緒に使われるカラムデバイスとして定義され、カラムデバイスには固体相抽出物質、すなまち、成分、層が入っている。
此処で使われる用語「frit」は、カラム内に抽出成分を保持する粗い物質と定義される。抽出成分小室は、典型的には抽出カラム内の上下の低質量域によって定義される。発明のより好まれる形態では、低質量域は薄い、低孔隙容積ろ過装置、例えば、逆浸透膜スクリーン、である。
【0023】
此処で使われる用語「gel-type packing material」は、アガロース、又は、セファロースビーズと、必要としているアナライトと選択的に結合する表面があるか、機能基の入ったビーズのような非多孔性か、マイクロ多孔性のビーズと定義される。
此処で使われる用語「lower column body」は、カラム層とカラムの下側の逆浸透膜スクリーンとして定義される。
【0024】
此処で使われる用語「membrane screen」は、カラム層内にカラム充填剤を保持する織られた織物かスクリーンとして定義され、逆浸透膜は小デッドヴォリュームがあるものである。逆浸透膜はパッキングとカラム層の使用に持ちこたえるだけの十分な強度があり、カラム層を通して液体を通過させる十分な多孔性がある。逆浸透膜は、十分に薄く、逆浸透膜スクリーンの周囲、又は、周辺を密封でき、スクリーンを通して液体を流すことができる。
此処で使われる用語「sample volume」は、アナライトが分離、又は、精製される元のサンプル溶液の液体の容積として定義される。
【0025】
此処で使われる用語「upper column body」は、カラムの小室と上の逆浸透膜スクリーンとして定義される。
此処で使われる用語「biomolecules」は、生体物性システムから引き出された生体分子である。用語は、蛋白質やペプチドや核酸のような生体物性の高分子を含んでいる。
用語「protein chip」は、分離された、個別の蛋白質サンプルの配列が沈積されるか、された、表面、又は、プレートとして定義される。これらの蛋白質サンプルは典型的には小さく、時々「ドット」と呼ばれる。一般的には、個別の蛋白質の配列が付いたチップは、一個以上のドットと表面上で結合するか、しない、一個以上の生体分子が入ったサンプルに接触され、その後に、各ドットが結合したか否やは決定付けられる。一般的な蛋白質のタイプと機能は参考文献Gavin MacBeath, Nature Genetics Supplement, 32:526 (200)に記述されている。
【0026】
II.小デッドヴォリューム抽出カラム
カラム本体
カラム本体は、二つのオープンの末端がオープンチャンネルで接続されているチューブである。チューブは、円筒状、又は、円錐台形状や、ここに記述されているカラムの機能に合致した限定されない形状を含む事ができる。より好まれるこの発明の形態では、カラム本体は、ピペットティップ、又は、注入器、又は、ルアーアダプター、又は、似通ったチューブラー本体の形をしている。
カラムの一つのオープンの末端は、時々此処ではカラムのオープン上側の末端と呼ばれ、ポンプが取り付けられるように適応されている。この発明の或る形態では、操作してポンプを取り付けることができ、ポンプは、カラムの反対側のオープンの先を通して抽出カラムに溶液を吸引するために使う事ができ、選択的に、カラムのオープンの下側の先を通して溶液を排出できる。従って、溶液がカラムの同じオープンの先を通して抽出カラムに注出入できるのは、この発明の特徴である。これは、溶液が一つのオープンの先から注入され、抽出物質を通った後、すなわち、普通のカラムクロマトグラフィーと同じような、反対側の先から抽出される或る抽出カラムの操作方法に矛盾している。液体はサンプル溶液、又は、洗浄液、又は、脱離液のような溶液である。液体は、抽出カラムから溶液を噴出すために使われる空気のようなガスであることもある。
【0027】
カラム本体は十分に非多孔性な物質で、液体が保持でき、使われるアナライトや溶液や成分やポンプに適応できるもので形成することができる。物質は、抽出カラムの使用中に接触する物質、例えば、サンプル溶液や興味のあるアナライトや抽出成分や脱離溶液、と作用しないものが使われるべきである。広範囲の適切な材料が利用でき、専門家に知られており、選択肢はデザインを選ぶことである。数多くのプラスチックはカラム本体の理想的な材料であるが、ガラス、陶器、金属のような他の材料もこの発明の或る形態に使う事ができる。好まれる材料の例は、ポリサルホン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルホン、ポリテトラフロロエチレン、酢酸セルロース、酢酸セルロースブチレート、アクリロニトリルPVC共重合体、ポリスチレン、ポリスチレン・アクリロニトリル共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ガラス、金属、シリカ、上記のコンビネーションの材料を含んでいる。
適切なカラム本体の具体例は実施例に記されている。
【0028】
抽出成分
カラム内で使われる抽出成分は、興味のあるアナライトと親和力のある水不溶解性成分(例えば、多孔性、又は、非多孔性ビード)が好まれる。典型的には、興味のあるアナライトは蛋白質か、ペプチドか、核酸である。抽出方法は親和性か、逆相か、順相か、イオン交換か、疎水性相互作用クロマトグラフィーか、親水性相互作用クロマトグラフィー作用物である。
この発明の抽出カラム内で使われる抽出成分層の容積は典型的に好まれる範囲は0.5-100 μL で、もっと好まれる範囲は1-50 μLで、更にもっと好まれる範囲は2-25 μLである。低層容積は、層の低組織内容積の結果になり、カラムの小デッドヴォリュームに貢献し、それが更に、アナライトの回収を脱離溶液の小容積で容易にすることができる。
【0029】
或る形態内で使われる低層容積は、抽出成分、例えば、ソフトなゲルタイプのビーズ、の比較的少量を使用することを可能にする。例えば、発明の或る形態では、抽出成分層の乾燥重量が10 mg以下(例えば、0.1-10 mgか, 0.5-10 mgか, 1-10 mgか、 2-10mg の範囲)、又は2 mg 以下(例えば、0.1-2 mg, 0.5-2 mg, 1-2 mg の範囲)、又は、1 mg以下(例えば、0.1-1 mgか, 0.5-1 mgの範囲)である。
この発明で使う適切な抽出成分タイプの多くは、色々な種類のクロマトグラフィー成分の中から選択される。これらのクロマトグラフィー成分のタイプの多くと、関連した化学は、この発明のデバイス方法で使う固体相抽出成分に適していることが判明した。
【0030】
従って、抽出成分に適した例は、アガロースを基材とした物質、セファロースを基材とした物質、ポリスチレン・ジビニルベンゼン共重合体、メタクリル酸メチルポリマー、G蛋白質ビーズ(例えば、IgG蛋白質精製の為)、親和性相ビーズ(例えば、蛋白質精製の為)、イオン交換相ビーズ(例えば、蛋白質精製の為)、疎水性相互作用ビーズ(例えば、蛋白質精製の為)、逆相ビーズ(例えば、核酸、又は、蛋白質精製の為)、ラベルフリー検出によって分析された分子の親和力を持ったビーズ、を含んでいる。
アガロースとセファロースの基材を使ったビーズのような、ソフトゲルタイプ ビーズは、この発明のカラムと方法と以外にうまく適合することが判明した。普通のクロマトグラフィーでは、速いフロー速度はビードを圧縮する結果になり、その結果、バックに圧力が掛かり、これらのゲルを早いフローの速度で使うのに悪影響が生じる。この発明では、比較的小さな層容積が使われ、これは、最少量のビードの圧縮とその圧縮の問題を解くことで、フローの高速度を使う事ができるように思われる。
【0031】
親和性抽出は、生物特異的吸着溶液が固体サポートに興味のあるアナライト(例えば、高分子)を具体的なリガンド(酵素、又は、抗原、又は、ホルモン)にカプリングすることによって用意する技法である。この固定化したリガンドは結合できる分子に選択的に相互作用する。結合しない分子は保留されず、溶出される。相互作用は選択的で、反転可能である。下記の参考文献は、この発明の実行のために採用される親和性グループのタイプの例が記述され、此処にその全文献を記載する。Antibody Purification Handbook, Amersham Biosciences, Edition AB, 18-1037-46 (2002); Protein Purification Handbook, Amersham Biosciences, Edition AC, 18-1132-29 (2001); Affinity Chromatography Principles and Methods, Amersham Pharmacia Biotech, Edition AC, 18-1022-29 (2001); The Recombinant Protein Handbook, Amersham Pharmacia Biotech, Edition AB, 18-1142-75 (2002); and Protein Purification: Principles, High Resolution Methods, and Applications, Jan-Christen Janson (Editor), Lars G. Ryden (Editor), Wiley, John & Sons, Incorporated (1989).
テーブルIに適切な親和性結合作用物の例が摘要され、親和性作用物は次の相互作用の最低一つの部門からできている。
1.キレート金属―リガンド 相互作用
2.蛋白質―蛋白質 相互作用
3.有機分子、又は、部位―蛋白質 相互作用
4.糖―蛋白質 相互作用
5.核酸―蛋白質 相互作用
6.核酸―核酸 相互作用
【0032】
【0033】
発明の或る側面では、組み換えられた蛋白質の精製のために使われるフュージョンタグに親和力のある表面機能を持った抽出成分が使われる。各種色々なフュージョンタグとその親和性グループが入手でき、発明の実践中に使う事ができる。
最も通常なフュージョンタグは一般的に「ヒス」タグと呼ばれ、連続したヒスチジン残基、例えば、2, 4, 6連続ヒスチジン残基、の配列で構成されている。ヒスタグ蛋白質の精製の抽出成分の表面に吸着した、金属-IDA(IDA:イミノジ酢酸)や、金属-NTA(NTA:ニトリロトリ酢酸)や金属-CMA(CMA:カルボキシルメチル化されたアスパラギン酸)を含んだ多くの金属キレートグル―プがあり、金属は典型的には錫と銅と鉄と鉛とコバルトから選ばれる。取り込められたフュージョン蛋白質は、イミダゾール、又はエチレンヂアミン四酢酸(EDTA)のような適切な塩によってヒスチヂン-金属の配位を分裂することによって、溶出される。
【0034】
フュージョンタグを通して組み換えられた蛋白質を精製する他の親和性グループがあり、この発明で使う抽出成分に吸着できる。抗原はどのペプチドシーケンス(一般的なのはFLAGタグである)の精製の為に使う事ができる。アビジン(単量体、又は複合体) は、発現するシステム内で選択的にビオチン化されたペプチドシーケンスを精製するために使われる。カルシウムでチャージされたカルモデュリンは、頻繁に「カルモデュリンが結合したペプチド」(又は、CBP) と呼ばれる、ペプチドシーケンスを精製するために使われ、溶出は、カルシウムとエチレンヂアミン四酢酸(EDTA)と一緒に除去され、行われる。グルタチオンは、グルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)を運ぶフュージョン蛋白質を精製するために使われ、GSTは頻繁に特定のプロテアーゼで切断される。アミロースは、マルトースが結合した蛋白質(MBP)を運ぶフュージョン蛋白質を精製するために使われ、MBPは特定のプロテアーゼによって切断される。セルロースは、セルロース結合ドーメインタグと呼ばれるペプチドを運ぶフュージョン蛋白質を精製するために使われ、次に、エチレングリコールで溶出される。S-蛋白質(リボニュークリアーゼAから得られた)は、特定のS-蛋白質に親和力のあるペプチドが運ぶフュージョン蛋白質を精製するために使われ、ペプチドは特定のプロテアーゼによって切断される。
ビスヒ素剤のフルオレスセインの染料のフラッシュを持った親和性表面を作る事も可能である。例えば、フラッシュ染料は、ペプチドシーケンスタグCCxxCC(xx はREのようなどんなアミノ酸でも良い)を運ぶフュージョンタグを精製するために使われる。蛋白質は、その後、1,4-ジチオトレイトール、又はDTTで溶出される。
【0035】
或る側面では、発明は抗体を精製するために使われる。抗体は頻繁に構造上の特徴を保存することを目的に精製される。例えば、A蛋白質、又はG蛋白質、又はA/Gフュージョン蛋白質の入った抽出成分でカラムを充填し、Fc領域(G蛋白質の場合、Fab抗体フラグメント領域の低親和力)を通してIgG抗体を精製する事が可能である。これらは頻繁に低pH 2.5 を使って溶出される。IgG抗体をFab抗体フラグメント領域を通して精製する事が、軽鎖がκ軽鎖であれば、可能である。これはL蛋白質の表面を使うことで達成できる。
或る側面では、抽出成分は、疎水性帯電相互作用をもとに分離できる小さな分子リガンドで形成されている。4-メルカプトエチルピリヂンや2-メルカプトピリヂンのようなリガンドは、IgGのような抗体を取り入れることができ、A蛋白質、又はG蛋白質の時よりも更にマイルドな低pHに変化し、溶出される。例えば、溶出は、4-メルカプトエチルピリヂンをpH 4 (A蛋白質とG蛋白質場合のpH 2.5と反して)にして行われる。
【0036】
その上、他の抗体を使って抗体を精製する事ができる。例えば、固定化された抗体で形成された抽出成分を使ってIgE(anti-IgE表面で)と、IgM(anti-IgM表面で)と、IgA(anti-IgA表面で)と、IgD(anti-IgD表面で)と、IgG(IgG表面で)を精製する事が可能である。
発明の抽出カラムは、適切な親和性グループを抽出成分に含有することによって、ホスホペプチドと燐酸化蛋白質の精製に使う事ができる。もう一つの仕方は、金属イオンと燐酸基の自然に相互作用する事を利用する事である。従って、ホスホペプチドと燐酸化蛋白質は、IDA, 又はNTA, 又はCMA、でできた金属キレート表面上で精製できる。
【0037】
固定化された抗体でホスホペプチドと燐酸化蛋白質を精製する事も可能である。例えば、燐酸化されたセリンとスレオニン残基に特定な抗体を充填剤上に使うことも可能である。特定のキナーゼ内で特定結合の燐酸化されたチロシンのような、蛋白質内の特異な部位で結合する抗体を使うことも可能である。これらの抗体はよく燐酸化部位特異抗体(PSSAs)と呼ばれる。一度吸着されれば、取り入れられた燐酸化蛋白質とホスホペプチドは低pHで溶出できる。
更に、ホスホペプチドと燐酸化蛋白質の精製のもう一つの方法は、ビオチンが燐酸基に付着する事を誘導することである。このビオチン化された燐酸化蛋白質、又はホスホペプチドは、アビジンから誘導された抽出成分を使って精製する事ができ、アビジンは単量体か、複合体である。
【0038】
発明の或る形態では、抽出カラムは蛋白質複合体の精製に使う事ができる。或る形態は、自然に相互作用するパートナーと複合体を形成する組み換えられた「えさ」蛋白質を使う事をもたらす。これらのマルチ蛋白質複合体は、その後、「えさ」に付着したフュージョンタグを通して精製される。これらのタグ化された「えさ」蛋白質は、金属キレート基、又は抗体、又はカルモデュリン、又はこの他の上記の組み換えられた蛋白質の精製のための表面基のような抽出成分のグループを通して精製する事ができる。
フュージョンタグを通して精製せず、「ネイティブ」(すなわち、組み換えられていない)蛋白質複合体を精製する事ができる。これは、マルチ蛋白質内の一つの蛋白質の抗体を固定化することによって達成される。このプロセスは頻繁に「共同免疫沈降」と呼ばれる。マルチ蛋白質複合体は低pHで溶出される。
【0039】
発明の抽出カラムは、構造内の保存されたモチーフを元に全蛋白質群を精製する事ができ、保存されたモチーフに充填剤に付着する親和性リガンドが結合する。例えば、これだけに限られてはいないが、アデノシン5’-三燐酸(ATP)か、アデノシン5’-二燐酸(ADP)か、アデノシン5’-一燐酸(AMP)か、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)か、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド燐酸(NADP)を含んでいる。これらのヌクレオチドは、キナーゼや、ホスファターゼや、熱ショック蛋白質や、脱水素酵素、等のようなヌクレオチドに依存する酵素の精製のために使う事ができる。
抽出成分に、他の親和性グループを蛋白質群の精製の為、組み入れることができる。レクチンは糖蛋白質の精製の為に使う事ができる。コンカナビリンA(コンA)とレンズ豆レクチンは糖蛋白質と逆浸透膜蛋白質の精製に使われ、麦芽レクチンは糖蛋白質と細胞(特に、T細胞)の精製に使われる。レクチンではないが、小さなボロン酸分子も抽出成分内に取り込むことができ、糖蛋白質精製に使われる。
【0040】
抽出成分にへパリンも取り取り込むことが可能で、DNA結合蛋白質(例えば、RNAポリメレーゼIとIIとIII、DNAポリメレーゼ、DNAリガーゼ)の精製に有用である。その上、固定化されたへパリンは、色々な凝固蛋白質(例えば、アンチトロンビンIII、ファクターVII、ファクターIX、ファクターXI、ファクターXII、XIIa、トロンビン)や、他のプラズマ蛋白質(プロペリジン、ベータIH、フィブロネクチン、リプセーゼ)や、リポ蛋白質(例えば、数多くの中の一部を紹介するとVLDL、LDL、VLDLアポ蛋白質、HOLP)や、他の蛋白質(血小板第4因子、B型肝炎表面抗原、ヒアルロニダーゼ)の精製に使われる。これらの蛋白質のタイプは頻繁に血液や(か)血清を媒介する。蛋白質チップのような技術によってこれらのタイプのレベルをいち早く突きとめる努力が多数行われているため、これらのチップの性能は、蛋白質チップでの分析の前にターゲットの最初の精製をし、濃厚度を上げることによって高めることができる。
そのドメインと相互作用するように計画された蛋白質の精製を蛋白質相互作用ドメインのある抽出成分を使って行うことも可能である。使用可能な相互作用ドメインは、各種色々な蛋白質内のペプチドモチーフの入った特定のホスホチロシンに結合するSrc-homology 2 (SH2) ドメインである。SH2ドメインは樹脂上に前もって固定化され、上皮増殖因子受容体(EGFR)のインビトロ燐酸化を研究する為の親和性クロマトグラフィー・質量分析計の実験を行うための親和性試薬として使われる(Christian Lombardo, et al., Biochemistry, 34:16456 (1995) を参照)。SH2の他に、他の蛋白質ドメインが、認識ドメインを持った蛋白質を精製する事の目的に使う事ができる。数多くのこれらの蛋白質相互作用ドメインは、(蛋白質相互作用ドメインの追加例はTony Pawson, Protein Interaction Domains, Cell Signaling Technology Catalog, 264-279 (2002) を参照)に記述されている。
【0041】
ベンズアミジンはクラス特定親和性リガンドのもう一つの例であり、セリンプロテアーゼの精製のための抽出成分に取り込むことができる。染色リガンドProcion Red HE-3B を、数多い中の一部を紹介すると、脱水素酵素や還元酵素やインターフェロンの精製のために使う事ができる。
逆相クロマトグラフィー成分は、この発明の或る形態において抽出成分として機能することができる。逆相クロマトグラフィーでは、水・有機物混合物は一般的に移動相として使われ、高比表面積無極性固体が固定相として使われる。後者は、アクリルに結合したシリカ充填剤、例えば、C8かC18基が覆っているシリカの表面である。逆相クロマトグラフィーの溶質保有の理由はやや論争の的になっている。或る技術者は吸着作用を好み、他者は無極性固体に溶質隔膜を入れることを使っている。多くのサンプルには両方のプロセスが有益になるであろう。固定相表面の位置付けの競争が溶質と移動相分子の間で起こっている。すなわち、吸着した分子はすでに吸着した分子を置き換える((Chromatography, 5th edition, PART A: FUNDAMENTALS AND TECHNIQUES, editor: E. Heftmann, Elsevier Science Publishing Company, New York, pp A25 (1992))。逆相クロマトグラフィーのほぼ全般的な適用は、ほぼ全有機分子はその構造内に疎水性の領域があり、固定相と相互作用することができる事実から出ている。移動相は極性で、普通水を保有しているので、この方法は極性分子の分離に理想的に適していて、有機溶液に不溶解性か、普通の溶質の場合、無機酸化吸着液に結合しすぎている。酸性の低イオン強度の溶質液を使う逆相クロマトグラフィーは、蛋白質の精製と構造解析の技法として広く確立されている。しかしながら、生体高分子の構造は、移動相の構成やpHや複合化する生体の存在に非常に敏感で、それは蛋白質の異常な保有や変性の結果になる。一般的な逆相システムの特徴は、移動相の極性の低下は、すなわち、水系有機移動相の有機溶液の部分の増加、保有の低下につながり、液体固体クロマトグラフィー、又は順相クロマトグラフィーで観察される一般的な傾向とは逆である。逆相クロマトグラフィーの同族裂、又は少数族列のメンバーの場合、溶質容量因子の対数はメチレン基、又は少数族構造の反復ユニット数の線型函数であることが一般的に観察されている。(ADVANCED CHROMATOGRAPHIC AND ELECTROMIGRATION METHODS IN BIOSCIENCES, editor: Z. Deyl, Elsevier Science BV, Amsterdam, The Netherlands, pp 528 (1998); CHROMATOGRAPHY TODAY, Colin F. Poole and Salwa K. Poole, and Elsevier Science Publishing Company, New York, pp 394 (1991))。
【0042】
下記の参考文献は、逆相分離用に使われる異なったタイプの表面が記述され、此処に、文献全部が取り込められている。CHROMATOGRAPHY, 5th edition, Part A: Fundamentals and Techniques, editor: E. Heftmann, Elsevier Science Publishing Company, New York, pp A25 (1992); ADVANCED CHROMATOGRAPHIC AND ELECTROMIGRATION METHODS IN BIOSCIENCES, editor: Z. Deyl, Elsevier Science BV, Amsterdam, The Netherlands, pp 528 (1998); CHROMATOGRAPHY TODAY, Colin F. Poole and Salwa K. Poole, and Elsevier Science Publishing Company, New York, pp 394 (1991).
イオン対クロマトグラフィー成分は、この発明の或る形態において抽出成分として機能する。イオン対クロマトグラフィーにおいて、カラム充填剤は普通逆相クロマトグラフィーのと、例えば、C8又はC18シリカ、同じである。移動相は、逆相クロマトグラフィーで使われている、緩衝液プラス一般的に呼ばれているイオン対試薬の入った水・有機物混合物のと同じように似通っている。イオン対試薬は、サンプル陽イオンの保有と分離のためには正の電荷を持ち、サンプル陰イオンの保有と分離のためには負の電荷を持っている。イオン対試薬の典型的な例は、ヘキサンスルホン酸とテトラブチルアンモニウムである。イオン対クロマトグラフィーにおいての保有の元は未だに論点であり、二つの異なったプロセスが可能である、(a) イオン対の吸着 (b) 用イオン交換の形成。この二つのプロセスは異なっているように見えるが、実験上の条件の函数として同じような保有の予測に行きつく。イオン対クロマトグラフィーの保有は、イオン交換プロセスに比べて、逆相プロセスとは連続的に変化する。この性能は幾つかの実践的な利点がある。例えば、移動相の構成の変形は、個々のサンプルイオンの保有の強い制御を可能にする。これは特に難しいサンプル、例えば、陽イオンと(又は)陰イオンと(又は)中性分子の混合物、を分離するために使われる。(CHROMATOGRAPHY, 5th Edition, Part A: Fundamentals And Techniques, editor: E. Heftmann, Elsevier Science Publishing Company, New York, pp A28 (1992)).
【0043】
下記の参考文献は、イオン対クロマトグラフィーに使われる異なったタイプの表面が記述され、此処に、文献全部が取り込められている。CHROMATOGRAPHY, 5th edition, Part A: Fundamentals and Techniques, editor: E. Heftmann, Elsevier Science Publishing Company, New York, pp A25 (1992); ADVANCED CHROMATOGRAPHIC AND ELECTROMIGRATION METHODS IN BIOSCIENCES, editor: Z. Deyl, Elsevier Science BV, Amsterdam, The Netherlands, pp 528 (1998); CHROMATOGRAPHY TODAY, Colin F. Poole and Salwa K. Poole, and Elsevier Science Publishing Company, New York, pp 411 (1991).
順相クロマトグラフィー成分は、この発明の或る形態において抽出成分として機能する。順相クロマトグラフィーでは、固定相は高比表面積極性吸着液、例えば、シリカ、又は結合された極性表面基のシリカ、である。移動相 (有機溶液の混合物) は、固定相より低い極性である。その結果、より極性の溶質がより保有される。異なった同族、又は特定の合成物群の保有は頻繁に小異である。一般的に呼ばれる、混合物クラス(基・タイプ)の分離に順相クロマトグラフィーが使われる結果になり、例えば、アルコールは基としてモノエステルと他の混合物より分離される。順相クロマトグラフィーの保有の元は吸着・排除のプロセスである。順相クロマトグラフィー保有のもう一つの特色は、固定相表面に、一般的に呼ばれる、吸着溶質と移動相分子の局所限定である。局所限定は、溶質分子の吸着液の極性部位と極性置換基の間の個々の結合(双極子-双極子、又は水素結合相互作用)の形成に起因する。その結果、局所限定は、吸着表面の付いた溶質の同質異性体との相互作用に高度の特定性を授け、典型的に順相クロマトグラフィーによっての同質異性体分離の方が他のクロマトグラフィーの方法より良い結果が得られる。(CHROMATOGRAPHY, 5th edition, Part A: Fundamentals and Techniques, editor: E. Heftmann, Elsevier Science Publishing Company, New York, pp A27 (1992)).
【0044】
下記の参考文献は、順相クロマトグラフィーに使われる異なった親和性グループのタイプの表面が記述され、此処に、文献全部が取り込められている。CHROMATOGRAPHy, 5th edition, Part A: Fundamentals and Techniques, editor: E. Heftmann, Elsevier Science Publishing Company, New York, pp A27 (1992); and CHROMATOGRAPHY TODAY, Colin F. Poole and Salwa K. Poole, Elsevier Science Publishing Company, New York, pp 375 (1991).
イオン交換クロマトグラフィー成分は、この発明の或る形態において抽出成分として機能する。イオン交換(IEX)は、イオン化された物質が充填剤の陽か陰の部位で分離されるクロマトグラフィーの方式である。イオン交換の表面は普通イオン化基、例えば、サルホン酸、又はトリメチルアンモニウム、に置き換えられた有機マトリックスである。移動相は、典型的に水プラス緩衝液や(か)塩で形成されている。溶質イオンの保有は、移動相イオン、又は同じような(正か負)電荷のイオン交換を介して起こる。イオン交換クロマトグラフィーは頻繁に、酸性、又は塩基性のサンプルの分離のために適応され、電荷はpHによって変わる。溶質分子が単体の酸性、又は塩基性基の簡単なケースの場合、溶質は、電荷されたか、中性の生体物の混合物として存在する。イオン交換の場合、非電荷生体物の保有は無視できる(CHROMATOGRAPHY, 5th Edition, Part A: Fundamentals and Techniques, editor: E. Heftmann, Elsevier Science Publishing Company, New York, pp A28 (1992))。イオン交換クロマトグラフィーは最も古く、蛋白質の複雑な混合物を分離するための最も伝統的な技法である。下記の参考文献は、イオン交換クロマトグラフィーに使われる異なった基のタイプと表面が記述され、此処に、文献全部が取り込められている。CHROMATOGRAPHY, 5th Edition, Part A: Fundamentals and Techniques, editor: E. Heftmann, Elsevier Science Publishing Company, New York, pp A28 (1992); CHROMATOGRAPHY TODAY, Colin F. Poole and Salwa K. Poole, Elsevier Science Publishing Company, New York, pp 422 (1991); and ADVANCED CHROMATOGRAPHIC AND ELECTROMIGRATION METHODS IN BIOSCIENCES, editor: Z. Deyl, Elsevier Science BV, Amsterdam, The Netherlands, pp 540 (1998).
【0045】
疎水性相互作用クロマトグラフィーは、この発明の或る形態において抽出成分として機能する。疎水性相互作用クロマトグラフィーは蛋白質の分離と精製に広く使われている。分離中に、蛋白質は、弱疎水性固定相に、高イオンの強度の緩衝された移動相を使って結合されるように誘発され、その後、選択的に塩の濃度傾度の低下で脱離される。蛋白質は普通、逆相クロマトグラフィーのように、疎水力度に従って疎水性相互作用クロマトグラフィーで分離されが、穏やかな性質の分離手法のため、高い確率で適合した構造(生体物的行動)をそのまま溶出する。逆相クロマトグラフィーにおいて、移動相と結合した固定相との間で生じる高度のインターフェースの張力の為、結合相表面上で蛋白質が開く。この状態は、溶液の強度は、有機修正液の容積部分を増加するよりもイオンの強度を換えることによって制御する為、一般的に、低疎水力度の固定相と完全に水系の移動相を使って疎水性相互作用クロマトグラフィーで最小化できる。保有は、リガンドの疎水性がより高ければ大きくなるが、それと同時に、或る蛋白質の変性の可能性も上がる。或る蛋白質は親水性固定相でしか満足に扱うことができない。リガンドの密度と構造と固定相の疎水力が、各蛋白質の分離を最良化する固定相の第一次変形数である。最良化しなければならない移動相パラメーターは塩濃度と塩タイプと塩傾度のスロープとpHと界面活性剤か有機修正液を足すことと温度である。蛋白質分子に結合する特定の塩が存在せず、移動相の比較的高い塩濃度では、保有は塩のモル度と直線状の関係で、コンスタントの塩濃度では、水系移動相内で使われた塩のモル表面張力増加で、増加する。
下記の参考文献は、疎水性相互作用に使われる異なった基のタイプと表面が記述され、此処に、文献全部が取り込められている。CHROMATOGRAPHY TODAy, Colin F. Poole and Salwa K. Poole, Elsevier Science Publishing Company, New York, 402 (1991).
【0046】
低質量域
発明のカラムは小孔隙容積のある低質量域を使い、これが小デッドヴォリュームを生む結果になっている。この発明の低質量域は、液体が低質量域を通らなければならないので、多孔性である。低質量域は、その構造内でカラムの抽出成分を取り入れる事ができなければならないので、構造上十分な強度であるべきである。できれば、低質量域は、抽出プロセス中に接触する化学物質、特に興味のあるアナライト、に非親和的か、弱親和力であるべきである。数多くのこの発明の形態では、できれば、生体高分子、特に、蛋白質やペプチドや核酸、と最小的な傾向で結合、又は相互作用する低質量域が使われるべきである。
液体が自由に流れることが可能で、抽出成分層内にビーズを或る場所に保持できれば、色々な孔隙の大きさと孔隙密度の低質量域を使う事ができる。
【0047】
一つの低質量域、すなわち、下側の低質量域、はカラム本体のオープンチャンネルを横切って延び、熔融されている。二つ目の低質量域は、カラム本体のオープンの上の末端と下側の低質量域の間のオープンチャンネルを横切って延び、熔融されている。
上側の低質量域と下側の低質量域とチャンネル表面が抽出成分小室と定義され、抽出成分層がそこに位置付けられる。低質量域はカラム本体にしっかりと付着し、オープニングや(か)オープン末端横切って延びるべきであり、そうする事により、チャンネルを完全に塞ぎ、抽出成分小室内に抽出成分層をほぼ完全に閉じ込めることができる。この発明の好まれた形態では、抽出成分層は抽出成分小室の最低80%、より好まれるのは90%、95%、99%、又はほぼ100%の容積を占める。この発明の或る好まれる形態では、抽出成分層と上下の低質量域の間のスペースは取るに足らない、すなわち、低質量域は、抽出成分層の上側と下側の表面とほぼ接触しており、よく充填された抽出成分層をしっかりとその場所に保持される。
【0048】
この発明の或る好まれる形態では、下側の低質量域はカラム本体のオープンの下の末端に位置されている。この形態は図案に表示され、実施例に例として記述されているが、必要条件ではない、すなわち、或る形態では、下の低質量域は、オープンの下側の末端から上がったカラム本体の場所に位置付けられている。しかしながら、カラム内でのデッドヴォリュームの最小化が重要である為、下側の低質量域と抽出成分小室は下の末端か、その近くに位置付けられる方が好まれる。或るケースでは、第1-10図に表示されているように、下側の低質量域はオープンの下側の末端の側面に付着する事を意味する。しかし、或るケースの場合、第11図に示されている形態に例証されているように、下側の末端の一部が下側の低質量域を越えて、横切って延びている。この発明の目的のためには、この延長の長さが抽出カラム内にデッドヴォリュームを実質的にもたらさないか、又はカラムの機能に悪影響をもたらさなければ、下側の低質量域はカラム本体の下側の末端位置付けられていると配慮しても良い。この発明の或る形態では、容積は、下側の低質量域とチャンネル表面とオープンの下側の末端の側面で定義され(すなわち、下側の低質量域の下のチャンネル容積)、抽出成分小室の容積よりも小さいか、抽出成分小室の容積の10%より小さいか、抽出成分小室の容積の1%より小さいかである。
この発明で使われている低質量域は、小孔隙容積を持つことで特徴付けられる。或る好まれる発明の形態は、1マイクロリーター以下(例えば、0.015-1マイクロリーターか、0.03-1マイクロリーターか、0.1-1マイクロリーターか、0.5-1マイクロリーターの範囲)か、より好まれるのは、0.5 マイクロリーター以下(例えば、0.015-0.5マイクロリーターか、0.03-0.5マイクロリーターか、0.1-0.5マイルロリーターの範囲)か、0.1マイクロリーター以下(例えば、0.015-0.1マイクロリーターか、0.03-0.1マイクロリーターの範囲)か、0.03マイクロリーター以下(例えば、0.015-0.03マイクロリーターの範囲)の孔隙容積の低質量域を使っている。
【0049】
発明の好まれる低質量域は、孔隙開口、又は網目の開口の大きさのおよそ5-100 μm範囲と、より好まれる10-100 μm 範囲と、更にもっと好まれる15-50 μm (例えば、およそ43 μm)を持っている。カラムの性能は典型的には、流れの抵抗を最小化するため十分に大きい孔隙、又は網の目の開口を使う事によって向上できる。此処に記述されている逆浸透膜スクリーンを使う事では流れのてい抵抗低め、故に、流れの速度を良くし、背圧を減少し、抽出成分層のゆがみを最小限に留める。勿論、孔隙、又は網の目の開口は大きすぎて小室内の抽出成分を取り込むことができなくするべきではない。
実践上使われる低質量域は、低質量域内にある抽出成分層の組織容積と比較して小孔隙容積であることが特徴である。それ故、発明の好まれる形態では、低質量域の孔隙容積は、抽出成分層の組織容積の10%かそれ以下(例えば、0.1-10%か, 0.25-10%か, 1-10%か, 5-10%の組織容積の範囲)と、より好まれるのは抽出成分層の組織容積の5%かそれ以下(例えば、0.1-5%か, 0.25-5%か, 1-5%の組織容積の範囲)と、よりもっと好まれるのは抽出成分層の組織容積の1%かそれ以下(例えば、0.1-1%か, 0.25-1%の組織容積の範囲)である。
【0050】
低質量域密度は逆浸透膜を液体が通って流れる事を可能にし、できれば10%かそれ以上の高さで、フロー速度を上げ、サンプルのプロセス時間を減らすことができる。
或る発明の形態は、好まれる薄さの薄い低質領域350μm以下 ( 例えば、20-350 μmか, 40-350 μmか, 50-350 μmの範囲)と、より好まれる薄さは200 μm以下(例えば、20-200 μmか, 40-200 μmか, 50-200 μmの範囲)と、よりもっと好まれる薄さは100 μm以下(例えば、20-100 μmか, 40-100 μmか, 50-100 μmの範囲)と、最も好まれる薄さは75 μm以下(例えば、20-75 μmか, 40-75 μmか, 50-75 μmの範囲)を使っている。
【0051】
或る好まれる発明の形態は、逆浸透膜スクリーンを低質量域として使っている、逆浸透膜スクリーンは、カラム層に抽出成分を取り込むことができる強さだけでなく、カラム層に成分を充填する最中に穴が開いたり、引き離れたりしないようにできなければならない。逆浸透膜はもろいかもしれないが、或る形態では、使用中に元の形を枠組みの中で保存できなければならない。しかし、十分に強度のある逆浸透膜を、そのような枠組みに依存しない形で使えるべきである。逆浸透膜スクリーンは、カラム層に順応できる柔軟性があるべきである。この柔軟性は、逆浸透膜スクリーンが抽出成分層に順応できるため、充填プロセスにおいて利点があり、デッドヴォリュームの減少の結果につながる。
逆浸透膜は、織られた、又は非職された繊維の網の目で、それは、網目織か、繊維組織がランダムに織られたマットか、すなわち、「ポリマー紙」か、織られた熔融の網の目か、食刻された、又は「孔隙ドリル」紙か、核心形跡が食刻された逆浸透膜のような逆浸透膜か、電解網目(例えば、5,556,598 を参照)である。逆浸透膜は、1)小デッドヴォリュームであり、2)カラム層を通して液体をプロセスし、各種色々なサンプルの動きを妨げない、3)カラム本体に付着し、層充填プロセスに耐えることができる強度であり、4)ビーズのカラム層保有できる強度であり、5)抽出プロセスを妨げない、すなわち、サンプル分子を吸着しないか、変性しない、ポリマーか、ガラスか、金属である。
【0052】
低質量域は、安定した付着ができる方法でカラム本体に付着する事ができる。例えば、スクリーンはカラム本体に溶接か接着剤で付ける事ができる。接着する事は、色々な種類の接着剤、例えば、シリコンやシアノアクリル接着剤、等を使ってすることができる。接着、又は溶接の継ぎ目は、抽出成分層を充填すしプロセスに耐えられ、小室に抽出成分を取り込む強度が必要である。接着剤の継ぎ目のため、サンプル分子に吸着しないか、又は変性しない接着剤を選ぶべきである。
二者択一的に、低質量域は、US特許5,833,927に記述されているように、環状ピップで取り付けられる。取り付け方法は、特に低質量域が逆浸透膜スクリーンの形態に適合している。
【0053】
発明の低質量域は、例えば、逆浸透膜スクリーン、此処に記述されている物理的な必要とされている属性のある物質から作る事ができる。適切な材料は、ナイロンや、ポリエステルや、ポリアミドや、ポリカーボネーや、セルロースや、ポリエチレンや、ニトロセルロースや、ポリビニリデンや、ポリフッ化ビニリデンや、四フッ化エチレン(PTFE)や、ポリプロピレンや、ガラスを含む。逆浸透膜スクリーンの具体例は、Spectrum Labs (Ranch Dominguez, CA, PN 145837) から入手できる43 μm の大きさの孔隙のポリエステル網目材料、Spectra/Mesh(登録商標)である。
【0054】
抽出カラムの組み立て
発明の抽出カラムは、各種多様な材料で此処に供給された方法を使って作ることができる。或る好まれる形態では、上側と下側のチューブラー部分を繋げ(すなわち、付着)、組み合わせることによって作り上げる。カラム組み立て作業の実施例は、実施例の部分に記述され、図案で表記されている。
例えば、二つのチューブラー部分内にピペットティップの部分が入った発明の形態は第1図に表記されている(第2図は、カラムのオープンの下側の端末と抽出成分小室の拡大図である)。この形態は、円錐台形状の上側チューブラー部分2と円錐台形状の下側チューブラー部分3が繋げられて作られている。下側チューブラー部分の絡み合う先4にはテーパ穴軸受があり、上側チューブラー部分の絡み合う先6の外側の円筒の表面と合致するようになっていて、下側チューブラー部分の絡み合う先は、上側チューブラー部分の絡み合う先をテレスコープのような形で受け止めるようになっている。テーパ穴軸受は外側の円筒の表面をぴったりと、組み立てられたカラムが密封されるように、嵌り込むようになっている。
【0055】
逆浸透膜スクリーン10は、上側チューブラー部分の絡み合う末端のティップ熔融され、横切って延び、抽出カラムの上側の低質量域を形成する。もう一つの逆浸透膜スクリーン14は、下側チューブラー部分の絡み合う末端のティップ熔融され、横切って延び、抽出カラムの下側の低質量域を形成する。抽出成分小室16は、逆浸透膜スクリーン10と16とチャンネル表面18で定められ、抽出成分20によって充填される。
逆浸透膜スクリーン10と14の孔隙容積はカラムのデッドヴォリュームを最小化するため小さい。サンプルと脱離溶液は抽出成分層に直接バイアル、又は貯蔵器から通すことができる。小デッドヴォリュームは、アナライトの脱離溶液を最少限の脱離溶液容積にすることができ、故に、アナライト濃度を最高度化できる。
【0056】
抽出成分小室の容積は変化し、上側チューブラー部分の絡み合う末端が下側チューブラー部分に拡張し、テーパ穴軸受と円筒状の外側の表面の関連した寸法によって定められる深さを変える事によって調節できる。
この形態の上側チューブラー部分に下側チューブラー部分に密封することは圧入接の摩擦によって達成されるが、二者択一的に、溶接、又は接着剤を使って接着、又は同じような密封方法でも達成できる。
【0057】
第3図は、上側と下側の部分がテーパの形を使わないテレスコープの形で絡み合わされた発明の形態を表記している。その代わりに、この形態では、絡み合った端末34と35は、34の外側の直径が35の内側の直径に合致し、共心的に絡み合う末端がぴったり合う円筒状の形である。絡み合った末端は圧入接の嵌り、又は溶接、又は接着剤を使って接着、又は同じような密封方法を使って密封される。抽出層容積は、絡み合う末端34が絡み合う末端35にどの程度拡張するかによって変える事ができる。注釈事項として、上側チューブラー部分30の直径は変化し、この形態では、上側のオープンの末端は広がっていて、絡み合う末端34に向かって狭くなり、先細になっている。このデザインは、抽出成分の上のカラムチャンネル内により大きな容積を保有することができ、従って、より大きな量のサンプルと洗浄液のプロセスを容易にする。上側のオープンの末端の大きさと形は、カラムで使われるポンプに合うように適応することができる。例えば、上側の末端31は、外側を先細化し、ピペッター、又は注入器のようなポンプにより適した摩擦の嵌りになるにする。
逆浸透膜スクリーン40は、絡み合う末端34のティップ38に熔融され、横切って延び、抽出カラムの上側の低質量域を形成する。もう一つの逆浸透膜スクリーン44は、下側のチューブラー部分36のティップ42に熔融され、横切って延び、抽出カラムの下側の低質量域を形成する。抽出成分小室46は、逆浸透膜スクリーン40と44と下側チューブラー部分36のオープンの内側チャンネルで定められ、抽出成分48で充填されている。
【0058】
第4図は、ティップの抽出成分の円筒状層でできた発明のスポイトの形態で、第5図は、第4図のスポイトの形態の上の拡大図である。これらの図案は、使い捨ての注入器とカラム本体を使用することを元にした、小デッドヴォリュームを表記してる。ピペッターの変わりに、使い捨ての注入器がサンプルを取り入れ、とポンプを使って注入する事に使われる。
この形態の上側の部分は、筒50でできたスポイトで、プランジャー52が筒の中心軸に沿って動くように位置されている。手動式のタブ54はプランジャー52の上にしっかり締められる。共心的な密封の環56プランジャー52の下側の末端にしっかり締め付けられる。共心な密封の環の外側の表面58は、筒50の内側の表面と密封の絡み合わせを形成し、プランジャー52の動きと筒の密封の環の上下の動きが筒に液体を上げるか、下げるかする。
【0059】
筒50の下側の末端は、ルアーアダプターに取り付けるための突出がある内側の円筒62に接続されている。内側の円筒66の下のふちに逆浸透膜68がしっかり締め付けられている。内側の円筒62は、普通のルアーアダプターで上側の末端で外側のスリーブへ滑り込ませるようになっている。外側のスリーブ70の下側層は、上側の部分76より小さな直径を持ち、外側のスリーブは、下側の末端66と逆浸透膜スクリーン68と隣接するように位置された出っ張り78を造る。逆浸透膜スクリーン80下側層74の下側の末端にしっかり締め付けられる。抽出成分小室84は、上下の逆浸透膜スクリーン68と80と下側層74の内側のチャンネルの表面で定められている。抽出ビーズ86は抽出成分小室84に位置付けられている。抽出成分小室84の容積は、下側層74の長さを変える事によって調節することができる。
発明の他の形態の異なった作製の方法の例は実施例内でも記述されている。
【0060】
ポンプ
発明の抽出カラムを使う上において、カラムの上側のオープンの末端に取り付けられ、カラムからサンプルを吸引し、排出するために使われる。ポンプは、オープンの下側の末端を通して液体をカラムチャンネルに吸引するカラム内の圧力を減らすことができれば、多種多様の形体で作る事ができる。発明の或る好まれる形態では、ポンプは、オープンの下側の末端から液体を、カラム内の圧力を増すことによって排出することもできる。二者択一的に、カラムから溶液を排出するために他の方法を使う事ができる。
ポンプは液体、又は気体をポンプを使って注出入でき、必要としているサンプル溶液や(か)、洗浄液や(か)、脱離液を抽出成分層を通して抽出入できる十分な強度であるべきである。
【0061】
或る発明の形態では、ポンプは、カラム、例えば、ピペッター、から吸引されたのと(又は)排出された液体容積を制御することができる。これを使って、溶液の吸引量と排出量を測定でき、的確な溶出液容積でサンプルの回収と濃度を最大化することを容易にする。
適切なポンプの一部の例は、ピペッター、又は注入器、又はペリスタルティックポンプ、又は誘電式流体ポンプを含む。
【0062】
III. 抽出カラムを使う方法
発明の抽出カラムは、抽出成分の内容を保存できる状態で保管されるべきである。例えば、アガロース、又はセファロース基の抽出成分の入ったカラムは、冷えた状態(例えば、四度C)と0.01%のアジ化ナトリウム、又は20%エタノールのある状態で保存されるべきである。
サンプル溶液は興味のあるアナライトの入ったどの溶液でも良い。この発明は特に生体分子の抽出と精製に有益であり、故に、サンプル溶液は頻繁に生体物的な起源、例えば、細胞ライセート、である。或る発明の形態では、サンプル溶液はハイブリドーマ細胞培養上清である。
【0063】
抽出の前に、調節するステップを加えることができる。単一パスでのアナライト抽出が未完成の場合、サンプル溶液を何回も成分に通すことができる。抽出と脱離の間の選択的な洗浄ステップも、最終物質の純正度を上げる事ができる。典型的には、水、又は緩衝液が洗浄液に使われる。洗浄液は、興味のあるアナライトの脱離を最小限に留め、不必要な汚染物を排出できるものが好まれる。
使われる脱離液の容積は、およそ抽出成分層の組織容積程度の非常に小さい。発明の好まれる形態では、使われる脱離液の量は、抽出成分層の組織容積の十倍以下であり、より好まれるのは抽出成分層の組織容積の五倍以下であり、更にもっと好まれるのは抽出成分層の組織容積の三倍以下であり、更にもっと好まれるのは抽出成分層の組織容積の二倍以下であり、最も好まれるのは抽出成分層の組織容積と同じか、それ以下である。
【0064】
脱離液はアナライトの性質と抽出成分によって変わる。例えば、アナライトがヒスタグ蛋白質で抽出成分がIMACの樹脂の場合、脱離液には、樹脂から蛋白質を放出させるためイミダゾール、又はそれと似通ったものを取り入れる。或るケースでは、脱離はpH、又はイオンの強度、例えば、低pHか、高イオンの強度の脱離液、を変える事によって達成できる。適切な脱離液は、このことに長けた達人で得られる知識を使って到達することができる。
或る形態では、抽出カラムは、同位体符号化親和性タグ(ICAT)ペプチドのマルチディメンショナルステップごとの固体相抽出のために使われるかもしれない。画分はイオン強度、又はpHの増加を元に集められ、下記に記述された親和性分離の次元でプロセスされるが、より大きなサンプルの容量が親和性の毛細管に取り入れられる場合と(か)、可能なpHの相違、を適切に調節しなければならない。或るケースの場合、アビジン親和性カラムから集められた画分は、更に同位符号化された領域からタグを分裂するため、下記に記述されているように逆相分離の次元で分離する前に、プロセスするかもしれない。
【0065】
分裂は、Huilin Zhou, et al., Nature Biotech., 19:512 (2002) に記述されているように、集められた画分に光開裂、又はBrian Williamson, et al., Proceedings of the 50th ASMS Conference on Mass Spectrometry and Allied Topics, Orlando, Florida, June 2-6, 2002, Orlando, FL, Poster # WPA023 に記述されているようにTFA-トリエチルシランの酸開裂、又はWilliamson, et al., 50th ASMA Conference Proceedings, June 2nd-6th 2002, Orlando, FL, Poster # WPA023 (2002) に記述されているように、標準的な方法で画分を乾燥するまで蒸発し、TFA-トリエチレンシラン試薬を足し、酸開裂を直接行う事ができる。
放出によって作られたペプチドの混合物で、標識化と蛋白質加水分解がより以上複雑でない場合、イオン交換分離の次元を飛び越えて、親和性分離次元に直接行くことが可能である。イオン交換分離の次元を飛び越える例は、LC Packings/Dionex’ Application Note, “2D Analysis of Isotope Coded Affinity Tag (ICAT) Labeled Proteins,” Application Note UltiMate Capillary and Nano LC System, Proteomics #09 に提供されている。しかしながら、もしこの方法が使用される場合は、サンプルが単量体のアビジンカラムに加えられる前に、とり込められなかった、普通イオン交換分離次元で除去されるICATのタグを除去することを薦める。
【0066】
或るケースの場合、イオン交換分離と親和性分離の次元を通り越して、サンプル蛋白質の放出、リシスと標識ステップ(例えば、この例の始めに最初のステップが記述されている)から、固体相同位体符号化タグ試薬が、Huilin Zhou, et al., Nature Biotech., 19:512 (2002) に記述されているように、直接逆相分離の次元に進むことができる。このケースの場合、同位体符号化ペプチドを固体相サポートから分裂することは、Huilin Zhou, et al., Nature Biotech., 19:512 (2002) に記述されているように、光開裂で達成されるか、Brian Williamson, et al., Proceedings of the 50th ASMS Conference on Mass Spectrometry and Allied Topics, Orlando, Florida, June 2-6, 2002, Orlando, FL, Poster # WPA023 に記述されているように、酸開裂で達成される。
この発明のデバイスと装置と方法は、蛋白質チップ、又はDNAチップ、又は他のチップ用の物質を用意するために使われる。
【0067】
蛋白質チップの動力学は次の方程式で表す。
A+B=AB
ABは分析できるシグナルを発信し、Aはチップ上の部分で、Bはチップで使われる同族の結合体である。特定の相互作用はいつも前提になっている。「AB」以外の結合するイベントはABの様相をしいて、変異は、Aではない (すなわち、汚染する) 部分がBに親和力を持つか、Bではない (すなわち、汚染する) 部分がAに親和力を持つか、この二つの組み合わせである。いずれかのイベントは本来のABの様相をしている。この特性が、或る蛋白質チップの実験の成功か失敗を明示し、この技術の最も軽視、又は無視されている点である。
【0068】
或る非蛋白質チップ(特に、DNAチップ)の場合、Aグループはその場で
合成されるか、PCRを介して増幅され、スポットされる為、精製、又は濃縮の必要はない。短いペプチドの例外を除いて、蛋白質の複雑な構造のため、Aのチップ上での合成はできない。故に、A物質の蛋白質チップ内で使うため準備は物質の純度にプレミアムが付いている。その上、A物質は、ABが最大限起こるように、頻繁に高度に濃縮されなければならない。
蛋白質チップは、表面に小さな「A」容積があることで特徴付けられている。容積はは頻繁に各スポット用に10 nL かそれ以下である。多くの蛋白質は準備するのに費用が高く(いか)、難しいので、スポットのサイズの大きさのレベルで精製し、濃縮する機能は、無駄物を大いに減少する。これは、「ジャストインタイム」の精製を可能にし、チップが、蛋白質が精製されるのと同時に用意される。
【0069】
Aのように、異なった物質がチップに持ち込まれ、各物質は精製と (か)、濃縮が必要である。これらの物質の例は、親和性分子としての抗体(例えば、IgG,IgY, 等)や、親和性分子としての一般的な親和性蛋白質(例えば、scFvs, Fabs, affibodies, ペプチド、等)や、一般的に親和力の属性で遮られるその他の蛋白質や、例えば、親和性分子としての核酸・(フォト)アプタマーである。
異なった方法でチップの表面にAを付着させ、各方法は、付着化学に準拠した精製と濃縮の工程が必要である。付着化学の例は、蛋白質チップ基板に直接・間接的に固定化する方法が含まれ、一つの例では、ネイティブチオールが金の表面に反応する場合、これらは共有原子価になる。共有結合の付着は、チップの表面に官能基を付着するもう一つの方法であり、これらは頻繁に、ヒドロゲル、等のような官能基の(不)追加で自己組織化される単分子膜である。チップの表面で官能基・リガンドに非共有結合・親和性付着する事は、付着のもう一つの方法である。この方法の例は、IgG用のProA、又はProGと、サリチルヒドロキサム酸基のフェニル(ジ)ボロン酸と、ビオチン化されたネイティブリシン・システィンのストレプトアビジン単分子膜、等である。
【0070】
チップ上に採り込められるれるサンプル、又はアナライトは、Aとの相互作用の形態と構成で変化する事ができる。
Bを操作することによって、特定のAB相互作用の達成は幾つかの方法がある。一つの方法は、これらの汚染物がアルブミンや、フィブリン、等のように明確に定義されているのであれば、可能性のある非Bの汚染物を除去することである。
【0071】
もう一つの方法は、B(個々か群として)を捕獲することによって非B汚染物を除去し、洗浄によって除去し、Bを放出する。これは同時にBの濃縮を可能にし、従って、ABイベントのための機敏性を増加する。
チップのスケールが小さくなるように、サンプルのスケールを小さくする機会があり、従って、微量のサンプルの分析を可能にする。サンプルは貴重な物質である為、精製と濃縮のスケールがこのことを可能にする。チップの準備のように、これも「ジャストインタイム」の仕方で行うことができる。
【0072】
検出イベントは、何らかのAとBとの相互作用が必要で、検出イベント(蛋白質チップ自身の一部でないので)の主役はBである。B(又は、Bと同じような上記した物質)の存在を検出する方法は、色々あり、HTS Biosystems が提唱する表面プラズモン共鳴画像のようなAと相互作用する非標識なB(又は、Bのような)、グレーティング対SPR,又はBiaCoreのプリズム、又はKretchmannベースのSPR,又はProtiverisが提唱するマイクロカンチレバー検出案を含んでいる。
検出方法は、Aと相互作用するB(又はBのような物質)の物理的な標識を含み、次に、BD Biosciences Clontech が提唱するAB対(すなわち、Cy/Cy5)差次標識の空間画像を標準蛍光画像で、Jereni が提唱するキナーゼ基質の放射性ATP標識をオートラジオグラフィー画像で、又は他の適切な画像技法でする。蛍光タグの場合、ZeptoSensが提唱する蛍光導波路画像で高感度を達成できる。
【0073】
検出方法は、AB複合体と三番目のB-特定親和性パートナーCも含むことができ、Cは蛍光タグである事によってシグナルを発生するか、その位置でタグ化されたグループと化学反応(蛍光部分の発生、光の直接の発生、等のように)が生じる。このAB-C結合イベントの検出は、ZumyxとSomaLogicが提唱する蛍光画像、又はHTS BiosystemsとHypromatrixが提唱する化学発光画像、又は蛍光導波路技術を介しての蛍光画像、又はその他の適切な検出方法を介して起きる。
アレーヤーは、分子生物学研究、又は診断のために使われるチップ上に核酸か、蛋白質か、他の試薬をスポットするための道具である。アレーヤーは、チップの製造と使用両方に使う事ができる。製造では、アレーヤーは、チップ上の特定の場所に化学反応物を運ぶ為に使う事ができる。これは、検出のために使われる化学複合体はアレーの特定の各スポット作り上げられるため、複数のステップになるかもしれない。
【0074】
各プロセスは、サンプル準備が必要になるかもしれない。或るケースでは、DNAは精製され、チップの表面に沈殿される。その後、抗DNA,又は抗RNAが入ったサンプルがチップで反応される。サンプルが反応される前に、核酸は、サンプル内で見つかった他の物質(蛋白質、微粒子、炭水化物、等)から精製され、分離される。他のケースでは、蛋白質チップは、特定の蛋白質を配列的に沈殿し製造される。その後、蛋白質の入ったサンプルは、蛋白質・蛋白質相互作用を色々な配列場所で測定するため反応する事ができる。
生体分子の分析のための質量分析器の応用として、分子は、液体、又は固体相から気体と真空相に移動されなければならない。生体分子のほとんどが大きく壊れやすいので、最も有効的な真空相への移動の方法は、マトリックス支援レーザー離脱イオン化(MALDI)、又はエレクトロスプレーイオン化(ESI)である。
【0075】
質量分析器は、蛋白質分析に基本的に、ボトムアップとトップダウンの二つの方法がある。ボトムアップの分析の場合、蛋白質は操作され、制御された形態(一般的に酵素分解プロセス)で細かくされ、分析され、その後、色々な部分のデータ使って組み立てられる。トップダウン分析は蛋白質全体で行われ、選択的に、蛋白質がイオンを使って細かくされ、蛋白質の正体を確認する。
双方の方法は質量分析器での分析に長時間掛かるかもしれないが、普通トップダウンの方が最も時間が掛かる。理想的なケースの場合、静的なサンプルが測定され、ソースが指示され、履行されたパラメーターが測定される。データが解析される方法は、蛋白質の全貌を分析する為に色々ある。
【0076】
数多くのサンプル注入方法はサンプル「急ぎの際に」のやり方である。サンプルはHPLCカラムより連続的なフローでエレクトロスプレー(ESI)ソースのノズルに注入される。トップダウンの分析が履行されるようにサンプルを注入するには、サンプルのフローの速度を落とさなければならないかもしれない。この方法はピークパーキングと呼ばれる。この方法では、サンプル居留時間は十倍かそれ以上増やすことができ、分析感度は八倍かそれ以上に上げる事ができる。しかし、この方法は、分析がすばやく行われなければならないし、頻繁に計器プロセスできるよりも速く行われなければならないので、不十分で柔軟性に欠ける。
この事は、固体相デバイスにサンプルを注入するときも同じである。サンプル全部を、分析が完結する前に注入することになるであろう。個々の同一のサンプルを質量分析器に注入するほうがより良い。この仕方で、質量分析器とその工程はサンプルに適応するように最適化できる。
【0077】
これは、オープンチューブ抽出デバイスからの脱離された物質が直接エレクトロスプレーのノズルに沈積できる装置を使って達成する事ができる。
MALDIは普通飛行時間型 (TOF) 質量分析器 (MALDI-TOF) とインターフェースし、ESIは、四連とイオントラップとTOF質量分析計にインターフェースしている。MALDIとESIの両方法は、精製とms/ms の分析の為のペプチドの分裂の促進の前後に、混合物内の蛋白質とペプチドの質量全体を確定付けるのに有用である。最近の質量分析器は、的確性が十分なため、生体分子の正しい翻訳、又は化学合成の評価に有益である。観察された質量のサンプルと計算された質量に誤差は、不正確な合成か、翻訳後のか、化学修飾の存在を示す。生体分子は、質量分析器内で意図的に分裂する事ができ、その断片の質量は正確に確定する事ができる。そのような断片の質量のパターンは、ペプチドのms/ms シーケンシングとデータ管理の同位体のために有益である。
【0078】
エレクトロスプレーは、サンプルと揮発性酸と有機溶液を混ぜ、高電圧で帯電された誘電針を通して注ぎ込まれる。針の先からスプレー(又は、射出された)された帯電液滴は、質量分析器に誘導され、それが飛び込む最中に熱と真空で乾燥される。液滴が乾燥した後、残った帯電分子は電磁レンズで質量検出器に誘導され、質量分析される。エレクトロスプレー質量分析器は、小さなペプチドから保存された大きな蛋白質までの異なった分子の質量を確定する為に使う事ができる。現在使用可能な計器の質量の範囲は、2000から10000の質量単位だけであるが、蛋白質のほとんどがエレクトロスプレーのステップの間多価され、計器は分子の質量と帯電比率 (m/z) を測定する為、蛋白質のほとんどは十分に帯電されm/z は質量範囲以内である。異なった、測定されたm/z から蛋白質の質量ぜんたいを算出するには、デコンボリューションが、蛋白質の全質量を出す為、行われる。
MALDI-TOFでは、蛋白質は有機マトリックスで共結晶するように、メタルターゲットに沈殿される。サンプルは乾燥され、質量分析器に差し込まれる。真空ができた後、高強度レーザーの短閃光からの光エネルギーをマトリックス結晶が吸収する。マトリックスはいち早く昇華し、生体分子を真空相へ運び込む。サンプルとマトリックスの冠毛が強度の電磁界に入り、帯電分子が自由飛行地帯で加速し、逆の末端の検出器に当たるまで飛び続ける。蛋白質の質量はその飛行時間で算出される。質量の正確な測定は、知られている質量の標準の飛行時間と比較して入手される。飛行時間は、蛋白質の質量の対数に正比例していて、より大きな蛋白質はより遅く、検出器に遅れて到着する。
【0079】
この仕様書内に書かれているすべての発刊物と特許の応用は、各個々の発刊物、又は特許が個々に具体的に表記されてるのと同じよう、此処に参考文献として組み込まれている。
発明は一般的に記述されたので、図形を介して記述されている次の実施例を参照する事によって更に良く理解でき、実施例はこの発明の限定として表記されているのではない。
【0080】
実施例
下記の準備事項と実施例は、この発明がこの技法の熟練工によりはっきり理解し、遂行してもらえるように此処に記述されている。これは、この発明の範囲を限定する事ではなく、例証的な、典型的な例として解釈されるべきである。
【0081】
実施例1
ピペットのティップから抽出カラムを用意する事
第6図に表記されているデザイン(VWR, Brisbane, CA PN 53508-987) の二つの1000 μL のポリプロピレンのピペットのティップが使われ、一つの抽出カラムが作られた。この実施例では、二つの抽出カラム、10 μLの層容積と20 μLの層容積、が作られた。カラムを作る為に、ティップは幾つかのカスタムメードの切断機に入れられ、切断機から延び出ている余計な物はかみそりの刃で切られ、カラムの特定の長さと直径され、色々な部品が作られる。
第7図では、下側のカラム本体の内側直径1.25 mm の穴94が、ピペットチューブ90のティップ92の最初の切断92で作られ、長さ15 mm の下側のカラム本体層98が、二つ目の切断96で作られた。
【0082】
第8図では、上側カラム本体104が、別のピペットティップ100を切断102することによって作られた。10 μL 層容積カラムを作るには、外側の直径2.09 mm のティップ106が切断102され作られ、下側本体に上側の本体が取り込められるときには、固体相の成分層114(第10図)のカラムの高さは4.5 mm であった。20 μL の層容積カラムを作るには、外側の直径2.55 mm 切断102のティップで作られ、下側の本体に上側の本体が取り入れられたときには、固体相の成分層114(第10図)のカラムの高さは7.0 mm であった。
第9図では、43 μm の孔隙の大きさのSpectra/Mesh(登録商標)ポリエステル網目物質は(Spectrum Labs, Ranch Dominguez, CA PN 145837) は丸のこ盤 (Pace Punches, Inc., Irvine, CA) で切断され、上側と下側のカラムの末端106と108に付着され、逆浸透膜スクリーン110と112を作った。逆浸透膜スクリーンはシアノアクリル酸の糊PLATIX(登録商標) (Loctite, Inc., Avon, OH) を使って付着された。糊はポリプロピレンの本体に適用され、その後、逆浸透膜スクリーンの物質に押し付けられた。かみそりの刃を使って、各カラム本体の末端の外側の縁の回りの余計な網目の物は切り除かれた。
第10図では、上側のカラム本体104がしたがわのカラム本体層98の上に取り入れられ、下に固体相の成分層を詰めて、層の上のデッドヴォリュームを無くすためるため押し詰められた。
【0083】
実施例2
G蛋白質のSEPHAROSE(登録商標)とMEP HYPERCEL(登録商標) 抽出の準備
第9図では、粒子の大きさ45-165 μm の水・エタノール内の浮遊状態のG蛋白質SEPHAROSE(登録商標) 4 Fast Flow(Amersham Biosciences, Piscataway, NJ, PN 17-0618-01) が用意され、適切な量の物質114が下側のカラム本体98にピペットで注入された。
第10図では、上側のカラム本体104は下側のカラム本体98に、層114の上に、すなわち、カラム層の上に、デッドスペースが残らないように押し込められる。
上側と下側のカラム本体104と98の間に封ができるように気をつけ、カラム本体に結合している逆浸透膜スクリーンがそのまま保持されているようにする。幾つかの10 μLと20 μL層容積のティップが用意された。同じ工程を使って、幾つかのMEP (マーカプト-エチル-ピリヂン) HYPERCEL(登録商標)(Cyphergen, Fremont, CA PN 12035-010) 抽出カラムが用意された。MEP HYPERCEL(登録商標) 樹脂は、80-100 μm の大きさの粒子で、モノクローナルとポリクローナル抗体の捕獲と精製のために設計されている。抽出カラムは、使われるまでは、冷蔵庫に0.01% のアジ化ナトリウムの水系溶液内に保管される。
【0084】
実施例3
10 μL と 20 μL層容積G蛋白質SEPHAROSE(登録商標)抽出カラムのアンチレプチンモノクローナル抗体IgGの準備
実施例2に記述されているように、G蛋白質SEPHAROSE(登録商標) 4 Fast Flow(Amersham Biosciences, Piscataway, NJ, PN 17-0618-01) 抽出カラムが用意された。
興味のあるIgG (HTS Biosystems, Hopkinton, MA) の入った500 μL の無血清培地(HTS Biosystems, Hopkinton, MA) は500 μL のスタンダードPBS緩衝液と組み合わされた。その結果できた1 mL のサンプルは、G蛋白質で充填された層をおよそ1 mL/分(又は、およそ15 cm/分)のフローの速度で通され、ピペットのティップへ注入された。その後、サンプルは、およそ同じ速度のフローで廃棄物へ押し出された。余分な緩衝液は、層から1 mL の脱イオン水をピペットカラムにおよそ1 mL/分の速度で吸引して、除去された。水は、できるだけ押し出され、カラム層ができるだけ乾燥するように押し出された。IgGは、100 mL のグリシン・塩化水素、pH 2.5 (20 μL 層容積の場合、20 μL 溶出液で、10 μL 層容積の場合、15 μL 溶出液である)の適切な溶出液容積を吸引する事によって、カラムから溶出された。溶出液が完全に層に吸引されたら、層に五、六回前後に「ポンプで出し入れされ」、IgGの入った溶出液は、その後、層から完全に排出された。その後、溶出液は、100 mM NaH2PO4/100 mM Na2HPO4 (20 μL 層容積の場合、5 μL 中性緩衝液で、10 μL 層容積の場合、4 μL 中性緩衝液である)で中性化された。精製され、濃縮された抗体はアレー用に用意が整った形になった。
【0085】
実施例4
10 μL と20 μL G蛋白質層容積SEPHAROSE(登録商標) 抽出カラムでのアンチレプチンモノクローナル抗体IgGの精製
実施例2に記述されているように、G蛋白質SEPHAROSE(登録商標) 4 Fast Flow(Amersham Biosciences, Piscataway, NJ, PN 17-0618-01) 抽出カラムが用意された。
興味のあるIgG (HTS Biosystems, Hopkinton, MA) の入った500 μL の無血清培地(HTS Biosystems, Hopkinton, MA) は500 μL のスタンダードPBS緩衝液と組み合わされた。その結果できた1 mL のサンプルは、G蛋白質で充填された層をおよそ1 mL/分(又は、およそ150 cm/分の直線速度)のフローの速度で通され、ピペットのティップへ注入された。その後、サンプルは、およそ同じ速度のフローで廃棄物へ押し出された。余分な緩衝液は、層から1 mL の脱イオン水をピペットカラムにおよそ1 mL/分の速度で吸引して、除去された。水は、できるだけ押し出され、カラム層ができるだけ乾燥するように押し出された。IgGは、10 mM の燐酸 (H3PO4)、pH 2.5 (20 μL 層容積の場合、20 μL 溶出液で、10 μL 層容積の場合、15 μL 溶出液である)の適切な溶出液容積を吸引する事によって、カラムから溶出された。溶出液が完全に層に吸引されたら、層に五、六回前後に「ポンプで出し入れされ」、IgGの入った溶出液は、その後、層から完全に排出された。その後、溶出液は、100 mM H2NaPO4/100 mM HNa2PO4, pH 7.5 (20 μL 層容積の場合、5 μL 中性緩衝液で、10 μL 層容積の場合、4 μL 中性緩衝液である)で中性化された。精製され、濃縮された抗体はアレー用に用意が整った形になった。
【0086】
実施例5
精製されたIgGをグレーティング対表面プラズモン共鳴によっての分析
実施例4でのアンチレプチンモノクローナル抗体IgGの精製されたサンプルはGC-SPRで分析された。分析用に使われたシステムは、FLEX CHIP(登録商標) 動力学的解析システムで(HTS Biosystems, Hopkinton, MA)、金の薄膜で塗られたプラスチックの光格子の上に生体分子の配列が固定化された。精製されたIgGを固定化するために、金の薄膜化された格子は、EtOH (ETOHの流れの下で10-20 秒)洗い、きれいにされた。その後、金の薄膜化された格子は、EtOHの中に入った1 mM の11-mercptoundecanoic acid (MUA) 溶液に一時間浸され、自己組織化された単分子膜が作られた。表面はEtOHと超純水で完全に洗浄され、窒素の流れの下で乾燥された。75 mM EDC (1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩)と15mM スルホ-NHS(N-hydroxysulfo-succinimide) の新しい溶液が水の中で用意された。EDC/NHSの溶液の部分が表面に加えられ、20-30分間反応され、その後、表面は超純水で完全に漱ぎ落とされた。PBSのA/G蛋白質の1 mg/mL、pH 7.4, の一部が表面に加えられた。表面は湿気のある環境に置かれ、1-2時間反応された。表面は気乾され、超純水で漱ぎ落とされ、その後、窒素の流れの下で乾燥された。IgGを配列する寸前に、表面は、一般に入手できるアレー化するシステムの給湿室に入れて再水化された(例えば、Cartesian MicroSys synQUAD System)。精製されたアンチレプチンは表面に、事前に記述された(J. Brockman, et al, “Grating-Coupled SPR: A Platform for Rapid, Label-free, Array-Based Affinity Screening of Fabs and Mabs”, 12th Annual Antibody Engineering Conference, December 2-6, 2001, San Diego, CA) とおり配列され、表面はHTS Biosystems FLEX CHIP System に入れられた。PBS, pH 7.4, の中の150 nM のレプチンは、FLEX CHIP System を通して表面に加えられ、リアルタイムの結合シグナルが、あらかじめ記述されたよう (同じ個所に) に集められた。これらのリアルタイム結合シグナルは、あらかじめ記述された方法に従って、数学的に解析され(D. Myszka, “Kinetic analysis of macromolecular interactions using surface plasmon resonance biosensors”, Current Opinion in Biotechnology, 1997, Vol 8, pp. 50-57) 抽出の会合速度定数 (ka) と, 解離速度定数 (kd) と、解離親和定数 (Kd = kd/ka) である。下のテーブルIIに動力学的データが表記されている。
「無処理」の最初の組のデータは、検出可能なIgGが存在する場合、無血清培地の物質が誤差に寄与する事が指摘される。これらのデータは、実験内で同じ濃度のIgGが認められた場合、算出された解離親和定数はほぼ6倍近く(18 nM対 3.2 nM)違うことがある。これは、IgGの濃度と構成は各サンプル全く同じの為、無血清培地内の部分がIgGと共配列された結果でしか起こらない。従って、配列する前に、IgGの濃度に関係なく、余計な部分を除去する必要があることが立証される。
「処理」の二つ目の組のデータは、検出可能 (20 μg/mL) なIgGの量が存在する場合、サンプル処理は十分プロセスできるシグナルが発生されるだけでなく、余計な部分が発生する誤差を削除できる。これらのデータは、解離親和定数はPBS内(無処理)の精製された500 μg/mL のIgGと、この発明で一度プロセスされた(5.9 nM対6.6 nM)、無血清培地内の算出された20 μg/mL のIgGとほぼ同一であることが示唆される。
【0087】
実施例6
抽出カラムで核酸の精製
実施例1でのカラムは、21 μm の孔隙の大きさのSPECTRA/MESH(登録商標)ポリエステル網目物質(Spectrum Labs, Ranch Dominguez, CA, PN 148244) に実施例2に記述されているのと同じ工程で取り付けられる。10 μL 層容積カラムは、粒子の大きさ30-50 μm のPELLICULAR C18 (Altech, Deerfield, IL, PN28551) によって満たされる。抽出カラムの一つの末端はピペッターポンプ(Gibson, Middleton, WI, P-1000 PipetteMan) に接続され、他の末端は、動かすことができ、異なった位置で物質を取り上げる事ができるか、沈殿できる装置に接続されている。
抽出カラムは、1 mL の注入器 (VWR, Brisbane, CA, PN 53548-000) でできていて、一つの末端はピペッターポンプ (Gibson, Middleton, WI, P-1000 PipetteMan) に接続され、他の末端は、動かすことができ、異なった位置で物質を取り上げる事ができるか、沈殿できる装置に接続されている。
0.01 μg のDNAが入った100 μL サンプルは、US特許4,683,195 に記述されて工程に従って、ヒトヘモグロビン遺伝子内の対立MstII部位に延びる100 bp シーケンスのPCR増幅を使って用意される。10 μL のトリエチルアンモニウム酢酸塩の凝縮 (TEAA) が加えられ、溶液の最終容積が110 μL になり、サンプル内のTEAAの濃度が100 mM になる。サンプルはカラムに加えられ、DNA/TEAAイオン対複合体が吸着される。
サンプルは、カラムから噴出され、10 μL の50% (v/v) アセトニトリル・水がカラム内に通され、DNAが脱離され、サンプルは分析用にバイアルに沈殿される。
【0088】
実施例7
抽出カラムで蛋白質を脱塩する事
実施例1でのカラムは、21 μm の孔隙の大きさのSPECTRA/MESH(登録商標)ポリエステル網目物質(Spectrum Labs, Ranch Dominguez, CA, PN 148244) に実施例2に記述されているのと同じ工程で取り付けられる。10 μL 層容積カラムは、粒子の大きさ30-50 μm のPELLICULAR C18 (Altech, Deerfield, IL, PN28551) によって満たされる。抽出カラムの一つの末端はピペッターポンプ(Gibson, Middleton, WI, P-1000 PipetteMan) に接続され、他の末端は、動かすことができ、異なった位置で物質を取り上げる事ができるか、沈殿できる装置に接続されている。
サンプルは、燐酸緩衝食塩 (0.9% w/v NaCl, 10 mM 燐酸ナトリウム、pH 7.2) 水緩衝液の0.1 μg のA蛋白質キナーゼの入った100 μL の溶液である。10 μL のトリフルオロ酢酸の10%水溶液が加えられ、溶液の最終容積が110 μL になり、サンプル内のTFAの濃度が0.1%になる。カラム内にサンプルが入れられ、蛋白質・TFA複合体は層の逆相に吸着される。
カラムからサンプルが噴出され、10 μL の50% (v/v) アセトニトリル・水がカラムに通され、抽出成分層から蛋白質が脱離され、サンプルは分析用にバイアルに沈殿される。
二者択一的に、層は10 μL の0.1% の水系TFAで洗浄しても良い。この溶液はカラムから除去され、蛋白質は脱離され、容器に沈殿される。
必要であれば、二者択一的に、サンプルがエレクトロスプレーイオントラップ型質量分析器で分析されるときには、TFAの変わりに、1% のヘプタフルオロ酪酸(HFBA)を使ってイオン制御効果を削減する。
【0089】
実施例8
真っ直ぐな接続の形態
この実施例は、カラム本体は上側のチューブラー部分と逆浸透膜スクリーンをまっすぐな形態で結び付け、作られる形体が記述されている。
第11図では、カラムは、上側チューブラー部分120と、下側チューブラー部分122と、上の逆浸透膜スクリーン124と、下の逆浸透膜スクリーンと、上下のチューブラー部分を保持する下側のチューブラーの環134で形成されている。上側の逆浸透膜スクリーンは、上下のチューブラー部分で保持されている。上側の逆浸透膜スクリーンと、下側の浸透膜スクリーンと、下側のチューブラー部分のチャンネルの表面130が抽出成分層132(すなわち、充填物質)の入った抽出成分小室128を定義づけている。第11図に表記されているチュウブラー部分は円錐台形状の形をしているが、これに関連した形態は異なった、たとえば、円筒状の、形をしている。
カラムを作るには、色々な部品が、ポリピレンから射出成形されたもの、又はPEEKポリマーから工作された部品から形成され、特定のカラムの長さや直径や、末端がそれぞれ絡み合うように作られている。雄とと雌のカラム本体の部分の形体は、組み立てに使われる方法と部分を一緒に保持する方法によって、異なった形になる。
部品は接着されるか、溶接される。二者択一的に、スナップで取り付けられる。スナップで部品を取り付ける場合、雌の部分にへりがあり、雄の部分に溝があり、一度組み立てられれば、部品が保持され、封される。逆浸透膜スクリーンはオートマチックに組み立て中に切断されるか、組み立てられた後に、切り取られる。
【0090】
実施例9
末端の蓋と保持用の環の形態
この実施例は、末端の蓋と保持用に環の形態が、20 μl のカラム充填剤層の入った逆浸透膜スクリーンを保持する為に使われる形態を説明する。第12図にこの形態が表記されている。
図案を参照すると、ピペットのティップ140 (VWR, Brisbane, CA, PN 53508-987) スムーズな側面と真っ直ぐな、平たい下の先142を作る為かみそりの刃で切り落とされ、後で押し入れこみ、合わせる事ができるようにされた。末端の蓋144は、PEEKポリマーのチューブから工作され、下側の逆浸透膜スクリーン146が保持された。
二つの異なった直径のスクリーンが、一つは上の逆浸透膜スクリーン148用で、もう一つは下の逆浸透膜スクリーン146用で、丸のこ盤 (Pace Punches, Inc., Irving, CA) でポリエステルの金網目 (Spectrum Labs, Ranch Dominguez, CA, PN 145836) から切り出された。下の逆浸透膜スクリーンは、20 μL のビーズ容積層150は、カラム本体に40 μL のG蛋白質アゴロース樹脂の50%スラリーがピペットで注入され作られた。二つの保持環が、ビーズ層の上に逆浸透膜スクリーンを取り付ける為使われた。保持環は、1/8 インチ直径のポリピレンチューブを入手し、チューブからかみそりの刃で薄い円状の環を切り出して用意された。最初の保持環152は、カラムに挿入され、同じ直径の金棒で層の上から押し込められた。逆浸透膜スクリーン148は、最初の保持環の上に位置され、その後、二つ目の保持環154は、下に押し入れられ、逆浸透膜スクリーンをはさんで「サンドイッチ」にして、同時に。スクリーン形態全体を層の上から押し込み、デッドヴォリュムが除去されるようにした。逆浸透膜は柔軟性があり、自然に層の上にその形に合うように入った。
カラムは、1000 μL のピペッター (Gilson, Middleton, WI, P-1000 PipetteMan) に接続され、水が層を通してポンプで流し込まれ、層から排泄された。カラムは水溶液を通すのに低抵抗であった。
この発明は、此処に具体的な形態を使って説明されたが、修正を加える事が可能な事は重々承知のとおりで、この応用は、この発明の変形、又は使用、又は適応をすべて含んでいる事意図としていて、一般的に、ここで表記した、この発明が関係しているか、又は、この基本的な特色を適応して、一般的に知られている技巧や慣習によって生まれる新案も、この発明の原理に帰属している。その上、更に、発明の或る見地が好まれる形態であることの事実は、この発明をそれらの好まれる形態だけに制限することを故意にしたのではない。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】尖塔状のピペットのティップから抽出カラム本体が作られたこの発明の形態を描写したものである。
【図2】第1図の抽出カラムの拡大図を描写したものである。
【図3】二つの円筒状のメンバーから抽出カラムが作られたこの発明の形態を描写したものである。
【図4】円筒状の固体相成分層が入ったティップとスポイトのこの発明の形態を描写したものである。
【図5】第4図の抽出カラムの部分のスポイトの形態を拡大した図である。
【図6】第1図と第2図の形態の成形の段階を継続的に描写したものである。
【図7】第1図と第2図の形態の成形の段階を継続的に描写したものである。
【図8】第1図と第2図の形態の成形の段階を継続的に描写したものである。
【図9】第1図と第2図の形態の成形の段階を継続的に描写したものである。
【図10】第1図と第2図の形態の成形の段階を継続的に描写したものである。
【図11】実施例8に記述されたこの発明の真っ直ぐな連結部の形態を描写したものである。
【図12】実施例9に記述されたこの発明のリテーナーリングと末端のキャップの形態を描写したものである。
【発明の開示】
【0001】
関連特許出願申請書の引照
この出願申請書は、2002年7月16日に提出したUS暫定特許出願申請書シリアルナンバー60/396,595と2003年4月25日に提出したUS暫定特許出願申請書シリアルナンバー60/465,606の恩恵を受け、優先することを請求し、発表された事物は此処にすべて、全目的のため参照することによって組み入れられている。
【0002】
発明の分野
この発明はカラムデバイスで固体相抽出をすることによって、アナライトを取り込み、制御された溶液容積の中にアナライトを集める方法とデバイスに関係している。アナライトは、特に、蛋白質やペプチドのような生体高分子を含んでいる。この発明のデバイスと方法は、プロテオミクス用のサンプルの準備とバイオチップや質量分析器や他の計器の分析技術で解析することに有益である。
【0003】
発明の背景
プロテオミクスは蛋白質とその機能的側面を包括的に研究する学問と定義することができる。細胞のする仕事を蛋白質が行う。一つの蛋白質は沢山の形態を持つことができる。蛋白質の機能は形態や相互作用や蛋白質複合体に依存する。蛋白質の生体機能の深い理解が医薬の開発に必要である。
プロテオミクスにおいて、蛋白質サンプル処理は複雑な問題である。蛋白質は単体、又は、複合体(蛋白質群が複合体として)として作用できる。蛋白質は、DNAがポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法で増幅できるように、増幅できない。蛋白質は、分析される前に、濃厚にし、精製しなければならない。蛋白質処理方法とシステムは、蛋白質の発現が百万以上可能な為、融通が利かなければならない。分析用に、他の数千と在る蛋白質から必要な蛋白質を分離し、濃縮し、蛋白質分析処理工程の妨げになる他の蛋白質や糖や炭水化物や脂質やDNAやRNAや塩のような細胞物質を選別的に除去しなければならない。再現可能な再生が必要で、ほとんどの場合、蛋白質機能が処理工程中は保持されなければならない。形態上の構造的相違はそのまま保存され、サンプルの最終工程は多種多様の検出方法、例えば、質量分析器や蛋白質チップ、等、に簡単に組み入れられなくてはならない。
【0004】
固体相抽出は分析前の蛋白質サンプルの準備の為の根本的な道具である。この方法は、質量分析器、又は、その他の解析法によって分析用に準備する為、蛋白質をその同定かクラスタイプか、構造か、機能によって精製する。
固体相抽出のプロセスは抽出相をカラム、又は、層の形状で使い、サンプルはカラムに取り入れられるか、又は、バルク溶液を抽出ビーズに足すことができる。抽出相はサンプル蛋白質を保留し、抽出相は汚染物を除去するため洗浄され、その後、サンプル蛋白質は抽出、又は、再生溶液で排出される。
【0005】
抽出カラムは分析用に蛋白質サンプルを準備するために使われる。頻繁に、極微量の蛋白質がサンプル内に発現され、分析の前に、サンプルを準備する工程が、蛋白質を取り出し、単離する為、必要である。
核酸や蛋白質のような生体分子の固体相抽出は、普通色々な抽出相が取り込められたカラムによって行われる。
【0006】
蛋白質の生体分子抽出の必要性は俄かに増大している。多数のサンプルを、多種多様の方法によって蛋白質の機能を定めるために分析する必要がある。典型的なサンプル容量は、典型的なカラム層容量の1から5 mLの内、0.5 から5 mL で、典型的な脱離溶液容量の2から5 mLが必要とされる。
数多くの会社が、固体相抽出によってある種の蛋白質、又は、蛋白質群、が精製できる製品を開発している。これらの製品の目的は、研究者に興味がある蛋白質のサンプルだけを、蛋白質解析を簡略化するためである。これらの製品はほとんど一回だけ使い、処分されるよう梱包されている。充填層カラムは比較的低圧力で操作できるため、マルチプレックス化し、オートメ化された中での操作環境を簡略化できる。一般的な充填層の方法の性質の為、サンプルの信頼性ある量を定めることや(又は)濃厚化することには限度がある。充填層の方法は、経済的で、尚且つ、信頼性がある形で適応するのは非常に難しい。マイクロスケールの工程レベルに効率よく適応することができない。
【0007】
更に、パックドカラムはサンプルからサンプルへの持ち越される物質が多く、製造費が高く、複合化(複数のサンプルから同時に抽出する)するのは難しいかもしれない。蛋白質が抽出相に逆転不能の形で吸着するか、カラムの低質量域内や他の「デッドゾーン」に詰まって、蛋白質の回収が不十分になる。
他の欠点は一掃されなかった容積の為の減損の理由で回収低量と結果再現不可能や、一掃されなかった容積を最小限に留める為の大量の抽出液の理由で物質が薄まることや、フローの「方向性」の必要条件のため、サンプル処理のフルインテグレーションに限度が出ることや、製造工程の高難易度とマイクロ、又は、ナノスケールヴォリュームシステムの高コストや、市販されているシステムに使われている構築材料の粗さの為、生体分子の減損につながること、が含まれる。
【0008】
スピンカラムやピペットティップカラムは一般的にサンプルを処理するために使われる使い捨てのカラム技術である。今日、これらのカラムのほとんどにはろ過装置、又は、低質量域が付いている。一般的に使われている低質量域は、カラム層が入った粗いディスクで、多量の使われない容積がある。これは、微量のサンプルが分離された場合、サンプルの多量の減損につながる。
サンプル準備用のデバイスを作る或る一つの方法は、ピペットの先の中に、例えば、繊維状のガラス、又は、セルロース状のシート、からできたプレカットされた、粗いプラグを入れ込む事を含む。次に、遊離した粒子を足し、二つ目の粗いプラグを入れる。プラグはピペットの先に粒子を保持する役目をする。しかしながら、プラグは余った溶液を保ち、デッドスペース、又は、ヴォリュームを作る元にもなる(すなわち、成分、又は、ポリマーで占められていないスペースがサンプルの低回収や、サンプルの持ち越しの為の汚染、等)。
【0009】
今現在、利用できる方法は、低マイクロリッター範囲内での微量の分離や回収には不適切である。
更に、ろ過装置の容積がサンプルのマイクロヴォリュームとほぼ同じ同じ大きさのため、抽出、又は、分離プロセス、又は、クロマトグラフィープロセスは、サンプルが通らなければならないろ過装置の容積が大きいため、悪影響を及ぼす。
【0010】
その上、生体分子の吸着にも問題が出るかもしれない。マイクロヴォリューム内の生体分子の濃度が非常に低い為、ろ過装置に吸着する生体分子がサンプル質量のトータルの大きな減損につながる結果となる可能性がある。ろ過装置の材料も蛋白質、又は、生体分子をサンプルから吸着する可能性があり、サンプルの低回収の結果になる。更に、ろ過装置の材料は異なった抽出成分に異なった反応を示す可能性があり、その結果、分離プロセスの品質と保持されたサンプル量の両方に悪影響を及ぼす。
1から20 μL の範囲のサンプル回収は必要性が高い。このような小容積では、高効率のサンプルの取り扱いは減損をなくす為に重要である。サンプル準備用の一般的な方法とデバイスはこのような微量サンプルの「マイクロ分離」の取り扱いには実用的ではない。
【0011】
超ろ過装置はただ有効的に濃縮し、脱塩できるだけで、このスケールでの吸着技術の適応は、マイクロ質量サンプルの準備に全く新しい手法を提供することができる。
しかしながら、これらの手法は、20ミリグラム、又は、それ以下の上記の微量なサンプル抽入に適した量、吸着剤の入ったマイクロ吸着デバイスにプラグ、又は、粒子を実践的な方法で取り入れる手段がない為、普通のピペットのティップのような微量溶液放出デバイスには使うことができない。
【0012】
発明の概略
この発明は溶液内にある物質を捕獲するためのカラムデバイスを、カラム本体にピペットと注入器、又は同じようなポンプで溶液をカラムの反対の先から注出入ができ、充填物質でできた、二つの小デッドヴォリューム逆浸透膜が入ったカラム層が付いていて、下の逆浸透膜はカラムの下側の先のティップ間を横切って延びていて、用意する。
或る一つの形態内には、この発明は一つの小デッドヴォリューム抽出カラムでできていて、カラムの本体は、オープンの上側の先はポンプを装着し、オープンの下側の先は溶液をカラム本体に注出入できるようになっていて、オープンチャンネルがカラム本体の上と下側を結び付けている。下側の低質量域はオープンチャンネルを横切って延び、接続され、下の低質量域は小孔隙容積が付いている。上側の低質量域は下の低質量域とカラム本体のオープンの上側の先の間のオープンチャンネルを横切って延び、接続され、上の低質量域は小孔隙容積が付き、上の低質量域と下の低質量域とチャンネルの表面が抽出成分小室と定義される。抽出成分の層が抽出成分小室内に位置される。
【0013】
或る形態では、下の低質量域はカラム本体のオープンの下側の先に位置付けられる。
或る形態では、下の低質量域の厚さは200マイクロン以下で、孔隙容積は抽出成分層の組織容積の10%かそれ以下で(又は)、孔隙容積は0.5 マイクロリッターかそれ以下である。
或る形態では、抽出成分はゲルタイプの充填物質、例えば、ゲルタイプのクロマトグラフィービード、の充填層で構成されている。好まれる形態では、層はアガロースとセファロースでできている。
或る形態では、抽出成分層は層容積の20マイクロリッター以下である。
或る形態では、下の低質量域は逆浸透膜で、上の低質量域は選択的な逆浸透膜である。逆浸透膜はナイロン、又は、ポリエステル繊維の浸透膜で作り上げることができる。
或る形態では、抽出成分は、必要とする生体分子と親和力があり、例えば、A蛋白質やG蛋白質や固定化金属、親和性結合グループで形成される。
或る形態では、カラム本体はポリカーボネート、又は、ポリプロピレン、又は、ポリエチレンの物質で形成されている。低質量域は、環状ピップか、楔嵌合か、接着剤で貼るか、溶接のような、多種多様な方法でカラム本体に取り付けられる。
或る形態では、抽出成分小室の容積は20マイクロリッター以下である。
或る形態では、抽出成分層は乾燥重量で2mgs以下である。
【0014】
或る形態では、抽出成分は、蛋白質精製のために使われるアフィニティービーズと、蛋白質精製のために使われるイオン交換ビーズと、蛋白質精製のために使われる疎水性相互作用ビーズと、核酸か、蛋白質精製のために使われる逆相ビーズと、IgG蛋白質精製のために使われるG蛋白質アガロースビーズと、IgG蛋白質精製のために使われるHypercellビーズから選択される抽出ビーズで形成される。
或る形態では、カラム本体はルアーアダプター、又は、注入器、又は、ピペットティップが付いている。
或る形態では、カラム本体の上側の末端は、カラム本体の下側から液体を吸引するためのポンプが取り付けられている。
或る形態では、ポンプはピペットか、注入器か、ペリスタルティックポンプか、電動ポンプか、誘電式の流体ポンプである。
【0015】
或る形態では、小デッドヴォリューム抽出カラムは、カラムの下の末端と、最初の取り付け先と、カラム本体の下側の末端と最初の取り付け先の間の下側オープンチャンネルで形成された下側のチューブラーの部分と、カラム本体の上側の末端と二つ目の取り付け先と、カラム本体の上側の末端と二つ目の取り付け先の間の上側オープンチャンネルと、二つ目の取り付け先の上側オープンチャンネルに結合し、横切って延びていて、抽出カラムの上の逆浸透膜で形成されていて、最初の取り付け先と二つ目の取り付け先が絡み合い、密封されるようになっている。或る形態では、最初の絡み合う先は内側の直径が、二つ目の絡み合う先の外側の直径と合致するようになっていて、最初の絡み合う先は、二つ目の絡み合う先をテレスコープのような形で受け止めるようになっている。或る形態は最初の絡み合う先にはテーパ穴軸受があり、二つ目の絡み合う先の外側の円筒の表面と合致するようになっている。
発明は、更に、この発明の抽出カラムを使ってサンプル溶液からアナライトを抽出する方法を提供し、カラム本体の上側の先は、カラム本体の下側の先を通して液体を吸引できるように取り付けられている。この方法は次のステップから成り立っている。1)抽出カラムのカラム本体の下側の先をアナライトが入ったサンプル溶液に触れさせ、カラム内に或る量のサンプル溶液を吸引し、抽出成分層にサンプル溶液が注入され、アナライトが抽出成分で吸着され、2)サンプル溶液が抽出カラム本体の下側の先から排出され、3)カラム本体の下側の先を脱離溶液に接触させ、カラム内に或る量の脱離溶液を吸引し、或る量のサンプル脱離溶液が抽出成分層に注入され、アナライトが脱離溶液内に抽出成分から脱離され、4)カラムの下の先を通してアナライトが入った脱離溶液が排出される。
【0016】
或るこの方法の形態では、カラムにカラム本体の下の先を通して液体を吸引し、排出するためポンプを取り付け、ポンプはサンプル溶液とアナライトが入った脱離溶液を抽出カラムから排出するために使われる。
或るこの方法の形態では、或る量の洗浄液がカラムの下の先を通してカラム内に吸引され、その後、抽出カラム本体の下の先を通してサンプル溶液を排出するステップと、脱離溶液にカラム本体の下の先が接触し、カラム内に或る量の脱離溶液を吸引するステップの間に、カラムの下の先を通して排出し、抽出成分層を洗浄する。
或るこの方法の形態では、カラム内に吸引する脱離溶液の量は、抽出ビーズの充填層の組織容積の三倍以下である。
或るこの方法の形態では、脱離溶液の量は、カラムに一回以上吸引され、排出される。
或るこの方法の形態では、アナライトは蛋白質のような高分子である。蛋白質の入った脱離溶液は、或るケースの場合、蛋白質チップ、或いは、質量分析計に掛ける事ができる。
或るこの方法の形態では、サンプル溶液はハイブリドーマ細胞培養上清である。
【0017】
この発明の具体的な表現物の説明
この発明はカラムデバイスで固体相抽出をすることによって、アナライトを取り込み、制御された溶液容積の中にアナライトを集めることに使われる。この発明は生体分子を含む、アナライトに有効的であり、解析技術、特に、バイオチップや質量分析器、で分析するサンプルの準備の必要条件に適応している。
この発明は、抽出カラムを使ってデッドヴォリュームを最小化することに特徴付けられている。これは、一部、低質領域の小容積、又は、低質領域内に、カラム内に位置付けられた抽出成分小室の抽出成分層を入れ込むことによって、達成される。小デッドヴォリュームは、微量の脱離溶液に取り込められたアナライトの溶出液を注入する事を容易にし、比較的高濃度のアナライトが入った小容積のサンプルの準備ができるようにする。小容積と高濃度溶液は、質量分析器や蛋白質チップのような技法で分析するための蛋白質の準備に有用である。
【0018】
I. 用語
この発明の説明を詳細にする前に、この発明は此処に記述される具体的な形態だけに制約されているのではないと理解されるべきである。更に、具体的な形態を説明するために使われる用語は制約することを意図的に行ったのではないと、理解されるべきである。この仕様書と付随された請求事項で使われている、単数形の冠詞「a」と「an」と「the」は複数形の意味を、使われている内容が明確にそうでない限り、含んでいる。それ故、例えば、ポリマーで保護基のあるカルボニルの参照は、ポリマーで二つ以上の保護基のあるカルボニル、等、を含んでいる。
逆に定義かされていない限り、ここで使われているすべての技術的、科学的用語は、この発明が関連している普通の語術を使って一般的に理解されているのと同じ意味を持っている。ここに記述されている同じか、似通った、方法や物質はこの発明のテスト、又は、実験に使うことができるが、適切な物質と方法の具体的な実施例が此処に説明されている。
【0019】
この発明の請求項目と説明をする上において、次の用語が下記の定義に従って使われる。
ここで使われる用語「bed volume」は、抽出カラム内の抽出成分層の容積と定義される。層がどのような密度で充填されているかに依るが、カラム層の抽出成分の容積は典型的には、全層容積のおよそ半分から三分の一であり、よく充填されている層はビード間のスペースが少なく、その結果、一般的に低組織内容積になる。
【0020】
層の用語「interstitial volume」は、例えば、液体状のサンプル溶液や、洗浄液や、脱離溶液のような溶媒が浸透できる抽出成分層の容積のことを指示する。例えば、抽出成分がクロマトグラフィービード(例えば、アガロース、又は、セファロース)の場合、層の組織内容積はビード間とビード内領域、例えば、溶液がアクセスできる孔隙、の溶液がアクセスできる容積で形成される。層の組織内容積は、カラム層を浸すのに最低限必要な液体の量を表す。
カラム関連で此処で使われる用語「dead volume」は、抽出層と、チューブと、逆浸透膜、又は、低質量域と、カラム内の通路の組織内容積と定義される。この発明のデバイスでは低質量域のゲルタイプ成分と孔隙の容積である。カラムの下側の低質量域が直接サンプルと洗浄液と溶出液に接触するため、このデバイス内に最少量のチューブイング、又は、通路のデッドヴォリュームができる。
【0021】
此処で使われる用語「elution volume」は、アナライトが脱離され、集められた脱離溶液、又は、溶出溶液容積と定義される。用語「desorption solvent」「elution liquid」等はここでは相互交換できるように使われる。
此処で使われる用語「enrichment factor」は、デッドヴォリュームからの液体が加えられないとして、サンプル容積が溶出溶液の容積で割られた比率と定義される。デッドヴォリュームはアナライトを薄めるか、完全吸着を防ぐとすれば、濃厚化係数が減少する。
【0022】
此処で使われる用語「extraction column」と「extraction tip」は、ポンプと一緒に使われるカラムデバイスとして定義され、カラムデバイスには固体相抽出物質、すなまち、成分、層が入っている。
此処で使われる用語「frit」は、カラム内に抽出成分を保持する粗い物質と定義される。抽出成分小室は、典型的には抽出カラム内の上下の低質量域によって定義される。発明のより好まれる形態では、低質量域は薄い、低孔隙容積ろ過装置、例えば、逆浸透膜スクリーン、である。
【0023】
此処で使われる用語「gel-type packing material」は、アガロース、又は、セファロースビーズと、必要としているアナライトと選択的に結合する表面があるか、機能基の入ったビーズのような非多孔性か、マイクロ多孔性のビーズと定義される。
此処で使われる用語「lower column body」は、カラム層とカラムの下側の逆浸透膜スクリーンとして定義される。
【0024】
此処で使われる用語「membrane screen」は、カラム層内にカラム充填剤を保持する織られた織物かスクリーンとして定義され、逆浸透膜は小デッドヴォリュームがあるものである。逆浸透膜はパッキングとカラム層の使用に持ちこたえるだけの十分な強度があり、カラム層を通して液体を通過させる十分な多孔性がある。逆浸透膜は、十分に薄く、逆浸透膜スクリーンの周囲、又は、周辺を密封でき、スクリーンを通して液体を流すことができる。
此処で使われる用語「sample volume」は、アナライトが分離、又は、精製される元のサンプル溶液の液体の容積として定義される。
【0025】
此処で使われる用語「upper column body」は、カラムの小室と上の逆浸透膜スクリーンとして定義される。
此処で使われる用語「biomolecules」は、生体物性システムから引き出された生体分子である。用語は、蛋白質やペプチドや核酸のような生体物性の高分子を含んでいる。
用語「protein chip」は、分離された、個別の蛋白質サンプルの配列が沈積されるか、された、表面、又は、プレートとして定義される。これらの蛋白質サンプルは典型的には小さく、時々「ドット」と呼ばれる。一般的には、個別の蛋白質の配列が付いたチップは、一個以上のドットと表面上で結合するか、しない、一個以上の生体分子が入ったサンプルに接触され、その後に、各ドットが結合したか否やは決定付けられる。一般的な蛋白質のタイプと機能は参考文献Gavin MacBeath, Nature Genetics Supplement, 32:526 (200)に記述されている。
【0026】
II.小デッドヴォリューム抽出カラム
カラム本体
カラム本体は、二つのオープンの末端がオープンチャンネルで接続されているチューブである。チューブは、円筒状、又は、円錐台形状や、ここに記述されているカラムの機能に合致した限定されない形状を含む事ができる。より好まれるこの発明の形態では、カラム本体は、ピペットティップ、又は、注入器、又は、ルアーアダプター、又は、似通ったチューブラー本体の形をしている。
カラムの一つのオープンの末端は、時々此処ではカラムのオープン上側の末端と呼ばれ、ポンプが取り付けられるように適応されている。この発明の或る形態では、操作してポンプを取り付けることができ、ポンプは、カラムの反対側のオープンの先を通して抽出カラムに溶液を吸引するために使う事ができ、選択的に、カラムのオープンの下側の先を通して溶液を排出できる。従って、溶液がカラムの同じオープンの先を通して抽出カラムに注出入できるのは、この発明の特徴である。これは、溶液が一つのオープンの先から注入され、抽出物質を通った後、すなわち、普通のカラムクロマトグラフィーと同じような、反対側の先から抽出される或る抽出カラムの操作方法に矛盾している。液体はサンプル溶液、又は、洗浄液、又は、脱離液のような溶液である。液体は、抽出カラムから溶液を噴出すために使われる空気のようなガスであることもある。
【0027】
カラム本体は十分に非多孔性な物質で、液体が保持でき、使われるアナライトや溶液や成分やポンプに適応できるもので形成することができる。物質は、抽出カラムの使用中に接触する物質、例えば、サンプル溶液や興味のあるアナライトや抽出成分や脱離溶液、と作用しないものが使われるべきである。広範囲の適切な材料が利用でき、専門家に知られており、選択肢はデザインを選ぶことである。数多くのプラスチックはカラム本体の理想的な材料であるが、ガラス、陶器、金属のような他の材料もこの発明の或る形態に使う事ができる。好まれる材料の例は、ポリサルホン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルホン、ポリテトラフロロエチレン、酢酸セルロース、酢酸セルロースブチレート、アクリロニトリルPVC共重合体、ポリスチレン、ポリスチレン・アクリロニトリル共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ガラス、金属、シリカ、上記のコンビネーションの材料を含んでいる。
適切なカラム本体の具体例は実施例に記されている。
【0028】
抽出成分
カラム内で使われる抽出成分は、興味のあるアナライトと親和力のある水不溶解性成分(例えば、多孔性、又は、非多孔性ビード)が好まれる。典型的には、興味のあるアナライトは蛋白質か、ペプチドか、核酸である。抽出方法は親和性か、逆相か、順相か、イオン交換か、疎水性相互作用クロマトグラフィーか、親水性相互作用クロマトグラフィー作用物である。
この発明の抽出カラム内で使われる抽出成分層の容積は典型的に好まれる範囲は0.5-100 μL で、もっと好まれる範囲は1-50 μLで、更にもっと好まれる範囲は2-25 μLである。低層容積は、層の低組織内容積の結果になり、カラムの小デッドヴォリュームに貢献し、それが更に、アナライトの回収を脱離溶液の小容積で容易にすることができる。
【0029】
或る形態内で使われる低層容積は、抽出成分、例えば、ソフトなゲルタイプのビーズ、の比較的少量を使用することを可能にする。例えば、発明の或る形態では、抽出成分層の乾燥重量が10 mg以下(例えば、0.1-10 mgか, 0.5-10 mgか, 1-10 mgか、 2-10mg の範囲)、又は2 mg 以下(例えば、0.1-2 mg, 0.5-2 mg, 1-2 mg の範囲)、又は、1 mg以下(例えば、0.1-1 mgか, 0.5-1 mgの範囲)である。
この発明で使う適切な抽出成分タイプの多くは、色々な種類のクロマトグラフィー成分の中から選択される。これらのクロマトグラフィー成分のタイプの多くと、関連した化学は、この発明のデバイス方法で使う固体相抽出成分に適していることが判明した。
【0030】
従って、抽出成分に適した例は、アガロースを基材とした物質、セファロースを基材とした物質、ポリスチレン・ジビニルベンゼン共重合体、メタクリル酸メチルポリマー、G蛋白質ビーズ(例えば、IgG蛋白質精製の為)、親和性相ビーズ(例えば、蛋白質精製の為)、イオン交換相ビーズ(例えば、蛋白質精製の為)、疎水性相互作用ビーズ(例えば、蛋白質精製の為)、逆相ビーズ(例えば、核酸、又は、蛋白質精製の為)、ラベルフリー検出によって分析された分子の親和力を持ったビーズ、を含んでいる。
アガロースとセファロースの基材を使ったビーズのような、ソフトゲルタイプ ビーズは、この発明のカラムと方法と以外にうまく適合することが判明した。普通のクロマトグラフィーでは、速いフロー速度はビードを圧縮する結果になり、その結果、バックに圧力が掛かり、これらのゲルを早いフローの速度で使うのに悪影響が生じる。この発明では、比較的小さな層容積が使われ、これは、最少量のビードの圧縮とその圧縮の問題を解くことで、フローの高速度を使う事ができるように思われる。
【0031】
親和性抽出は、生物特異的吸着溶液が固体サポートに興味のあるアナライト(例えば、高分子)を具体的なリガンド(酵素、又は、抗原、又は、ホルモン)にカプリングすることによって用意する技法である。この固定化したリガンドは結合できる分子に選択的に相互作用する。結合しない分子は保留されず、溶出される。相互作用は選択的で、反転可能である。下記の参考文献は、この発明の実行のために採用される親和性グループのタイプの例が記述され、此処にその全文献を記載する。Antibody Purification Handbook, Amersham Biosciences, Edition AB, 18-1037-46 (2002); Protein Purification Handbook, Amersham Biosciences, Edition AC, 18-1132-29 (2001); Affinity Chromatography Principles and Methods, Amersham Pharmacia Biotech, Edition AC, 18-1022-29 (2001); The Recombinant Protein Handbook, Amersham Pharmacia Biotech, Edition AB, 18-1142-75 (2002); and Protein Purification: Principles, High Resolution Methods, and Applications, Jan-Christen Janson (Editor), Lars G. Ryden (Editor), Wiley, John & Sons, Incorporated (1989).
テーブルIに適切な親和性結合作用物の例が摘要され、親和性作用物は次の相互作用の最低一つの部門からできている。
1.キレート金属―リガンド 相互作用
2.蛋白質―蛋白質 相互作用
3.有機分子、又は、部位―蛋白質 相互作用
4.糖―蛋白質 相互作用
5.核酸―蛋白質 相互作用
6.核酸―核酸 相互作用
【0032】
【0033】
発明の或る側面では、組み換えられた蛋白質の精製のために使われるフュージョンタグに親和力のある表面機能を持った抽出成分が使われる。各種色々なフュージョンタグとその親和性グループが入手でき、発明の実践中に使う事ができる。
最も通常なフュージョンタグは一般的に「ヒス」タグと呼ばれ、連続したヒスチジン残基、例えば、2, 4, 6連続ヒスチジン残基、の配列で構成されている。ヒスタグ蛋白質の精製の抽出成分の表面に吸着した、金属-IDA(IDA:イミノジ酢酸)や、金属-NTA(NTA:ニトリロトリ酢酸)や金属-CMA(CMA:カルボキシルメチル化されたアスパラギン酸)を含んだ多くの金属キレートグル―プがあり、金属は典型的には錫と銅と鉄と鉛とコバルトから選ばれる。取り込められたフュージョン蛋白質は、イミダゾール、又はエチレンヂアミン四酢酸(EDTA)のような適切な塩によってヒスチヂン-金属の配位を分裂することによって、溶出される。
【0034】
フュージョンタグを通して組み換えられた蛋白質を精製する他の親和性グループがあり、この発明で使う抽出成分に吸着できる。抗原はどのペプチドシーケンス(一般的なのはFLAGタグである)の精製の為に使う事ができる。アビジン(単量体、又は複合体) は、発現するシステム内で選択的にビオチン化されたペプチドシーケンスを精製するために使われる。カルシウムでチャージされたカルモデュリンは、頻繁に「カルモデュリンが結合したペプチド」(又は、CBP) と呼ばれる、ペプチドシーケンスを精製するために使われ、溶出は、カルシウムとエチレンヂアミン四酢酸(EDTA)と一緒に除去され、行われる。グルタチオンは、グルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)を運ぶフュージョン蛋白質を精製するために使われ、GSTは頻繁に特定のプロテアーゼで切断される。アミロースは、マルトースが結合した蛋白質(MBP)を運ぶフュージョン蛋白質を精製するために使われ、MBPは特定のプロテアーゼによって切断される。セルロースは、セルロース結合ドーメインタグと呼ばれるペプチドを運ぶフュージョン蛋白質を精製するために使われ、次に、エチレングリコールで溶出される。S-蛋白質(リボニュークリアーゼAから得られた)は、特定のS-蛋白質に親和力のあるペプチドが運ぶフュージョン蛋白質を精製するために使われ、ペプチドは特定のプロテアーゼによって切断される。
ビスヒ素剤のフルオレスセインの染料のフラッシュを持った親和性表面を作る事も可能である。例えば、フラッシュ染料は、ペプチドシーケンスタグCCxxCC(xx はREのようなどんなアミノ酸でも良い)を運ぶフュージョンタグを精製するために使われる。蛋白質は、その後、1,4-ジチオトレイトール、又はDTTで溶出される。
【0035】
或る側面では、発明は抗体を精製するために使われる。抗体は頻繁に構造上の特徴を保存することを目的に精製される。例えば、A蛋白質、又はG蛋白質、又はA/Gフュージョン蛋白質の入った抽出成分でカラムを充填し、Fc領域(G蛋白質の場合、Fab抗体フラグメント領域の低親和力)を通してIgG抗体を精製する事が可能である。これらは頻繁に低pH 2.5 を使って溶出される。IgG抗体をFab抗体フラグメント領域を通して精製する事が、軽鎖がκ軽鎖であれば、可能である。これはL蛋白質の表面を使うことで達成できる。
或る側面では、抽出成分は、疎水性帯電相互作用をもとに分離できる小さな分子リガンドで形成されている。4-メルカプトエチルピリヂンや2-メルカプトピリヂンのようなリガンドは、IgGのような抗体を取り入れることができ、A蛋白質、又はG蛋白質の時よりも更にマイルドな低pHに変化し、溶出される。例えば、溶出は、4-メルカプトエチルピリヂンをpH 4 (A蛋白質とG蛋白質場合のpH 2.5と反して)にして行われる。
【0036】
その上、他の抗体を使って抗体を精製する事ができる。例えば、固定化された抗体で形成された抽出成分を使ってIgE(anti-IgE表面で)と、IgM(anti-IgM表面で)と、IgA(anti-IgA表面で)と、IgD(anti-IgD表面で)と、IgG(IgG表面で)を精製する事が可能である。
発明の抽出カラムは、適切な親和性グループを抽出成分に含有することによって、ホスホペプチドと燐酸化蛋白質の精製に使う事ができる。もう一つの仕方は、金属イオンと燐酸基の自然に相互作用する事を利用する事である。従って、ホスホペプチドと燐酸化蛋白質は、IDA, 又はNTA, 又はCMA、でできた金属キレート表面上で精製できる。
【0037】
固定化された抗体でホスホペプチドと燐酸化蛋白質を精製する事も可能である。例えば、燐酸化されたセリンとスレオニン残基に特定な抗体を充填剤上に使うことも可能である。特定のキナーゼ内で特定結合の燐酸化されたチロシンのような、蛋白質内の特異な部位で結合する抗体を使うことも可能である。これらの抗体はよく燐酸化部位特異抗体(PSSAs)と呼ばれる。一度吸着されれば、取り入れられた燐酸化蛋白質とホスホペプチドは低pHで溶出できる。
更に、ホスホペプチドと燐酸化蛋白質の精製のもう一つの方法は、ビオチンが燐酸基に付着する事を誘導することである。このビオチン化された燐酸化蛋白質、又はホスホペプチドは、アビジンから誘導された抽出成分を使って精製する事ができ、アビジンは単量体か、複合体である。
【0038】
発明の或る形態では、抽出カラムは蛋白質複合体の精製に使う事ができる。或る形態は、自然に相互作用するパートナーと複合体を形成する組み換えられた「えさ」蛋白質を使う事をもたらす。これらのマルチ蛋白質複合体は、その後、「えさ」に付着したフュージョンタグを通して精製される。これらのタグ化された「えさ」蛋白質は、金属キレート基、又は抗体、又はカルモデュリン、又はこの他の上記の組み換えられた蛋白質の精製のための表面基のような抽出成分のグループを通して精製する事ができる。
フュージョンタグを通して精製せず、「ネイティブ」(すなわち、組み換えられていない)蛋白質複合体を精製する事ができる。これは、マルチ蛋白質内の一つの蛋白質の抗体を固定化することによって達成される。このプロセスは頻繁に「共同免疫沈降」と呼ばれる。マルチ蛋白質複合体は低pHで溶出される。
【0039】
発明の抽出カラムは、構造内の保存されたモチーフを元に全蛋白質群を精製する事ができ、保存されたモチーフに充填剤に付着する親和性リガンドが結合する。例えば、これだけに限られてはいないが、アデノシン5’-三燐酸(ATP)か、アデノシン5’-二燐酸(ADP)か、アデノシン5’-一燐酸(AMP)か、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)か、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド燐酸(NADP)を含んでいる。これらのヌクレオチドは、キナーゼや、ホスファターゼや、熱ショック蛋白質や、脱水素酵素、等のようなヌクレオチドに依存する酵素の精製のために使う事ができる。
抽出成分に、他の親和性グループを蛋白質群の精製の為、組み入れることができる。レクチンは糖蛋白質の精製の為に使う事ができる。コンカナビリンA(コンA)とレンズ豆レクチンは糖蛋白質と逆浸透膜蛋白質の精製に使われ、麦芽レクチンは糖蛋白質と細胞(特に、T細胞)の精製に使われる。レクチンではないが、小さなボロン酸分子も抽出成分内に取り込むことができ、糖蛋白質精製に使われる。
【0040】
抽出成分にへパリンも取り取り込むことが可能で、DNA結合蛋白質(例えば、RNAポリメレーゼIとIIとIII、DNAポリメレーゼ、DNAリガーゼ)の精製に有用である。その上、固定化されたへパリンは、色々な凝固蛋白質(例えば、アンチトロンビンIII、ファクターVII、ファクターIX、ファクターXI、ファクターXII、XIIa、トロンビン)や、他のプラズマ蛋白質(プロペリジン、ベータIH、フィブロネクチン、リプセーゼ)や、リポ蛋白質(例えば、数多くの中の一部を紹介するとVLDL、LDL、VLDLアポ蛋白質、HOLP)や、他の蛋白質(血小板第4因子、B型肝炎表面抗原、ヒアルロニダーゼ)の精製に使われる。これらの蛋白質のタイプは頻繁に血液や(か)血清を媒介する。蛋白質チップのような技術によってこれらのタイプのレベルをいち早く突きとめる努力が多数行われているため、これらのチップの性能は、蛋白質チップでの分析の前にターゲットの最初の精製をし、濃厚度を上げることによって高めることができる。
そのドメインと相互作用するように計画された蛋白質の精製を蛋白質相互作用ドメインのある抽出成分を使って行うことも可能である。使用可能な相互作用ドメインは、各種色々な蛋白質内のペプチドモチーフの入った特定のホスホチロシンに結合するSrc-homology 2 (SH2) ドメインである。SH2ドメインは樹脂上に前もって固定化され、上皮増殖因子受容体(EGFR)のインビトロ燐酸化を研究する為の親和性クロマトグラフィー・質量分析計の実験を行うための親和性試薬として使われる(Christian Lombardo, et al., Biochemistry, 34:16456 (1995) を参照)。SH2の他に、他の蛋白質ドメインが、認識ドメインを持った蛋白質を精製する事の目的に使う事ができる。数多くのこれらの蛋白質相互作用ドメインは、(蛋白質相互作用ドメインの追加例はTony Pawson, Protein Interaction Domains, Cell Signaling Technology Catalog, 264-279 (2002) を参照)に記述されている。
【0041】
ベンズアミジンはクラス特定親和性リガンドのもう一つの例であり、セリンプロテアーゼの精製のための抽出成分に取り込むことができる。染色リガンドProcion Red HE-3B を、数多い中の一部を紹介すると、脱水素酵素や還元酵素やインターフェロンの精製のために使う事ができる。
逆相クロマトグラフィー成分は、この発明の或る形態において抽出成分として機能することができる。逆相クロマトグラフィーでは、水・有機物混合物は一般的に移動相として使われ、高比表面積無極性固体が固定相として使われる。後者は、アクリルに結合したシリカ充填剤、例えば、C8かC18基が覆っているシリカの表面である。逆相クロマトグラフィーの溶質保有の理由はやや論争の的になっている。或る技術者は吸着作用を好み、他者は無極性固体に溶質隔膜を入れることを使っている。多くのサンプルには両方のプロセスが有益になるであろう。固定相表面の位置付けの競争が溶質と移動相分子の間で起こっている。すなわち、吸着した分子はすでに吸着した分子を置き換える((Chromatography, 5th edition, PART A: FUNDAMENTALS AND TECHNIQUES, editor: E. Heftmann, Elsevier Science Publishing Company, New York, pp A25 (1992))。逆相クロマトグラフィーのほぼ全般的な適用は、ほぼ全有機分子はその構造内に疎水性の領域があり、固定相と相互作用することができる事実から出ている。移動相は極性で、普通水を保有しているので、この方法は極性分子の分離に理想的に適していて、有機溶液に不溶解性か、普通の溶質の場合、無機酸化吸着液に結合しすぎている。酸性の低イオン強度の溶質液を使う逆相クロマトグラフィーは、蛋白質の精製と構造解析の技法として広く確立されている。しかしながら、生体高分子の構造は、移動相の構成やpHや複合化する生体の存在に非常に敏感で、それは蛋白質の異常な保有や変性の結果になる。一般的な逆相システムの特徴は、移動相の極性の低下は、すなわち、水系有機移動相の有機溶液の部分の増加、保有の低下につながり、液体固体クロマトグラフィー、又は順相クロマトグラフィーで観察される一般的な傾向とは逆である。逆相クロマトグラフィーの同族裂、又は少数族列のメンバーの場合、溶質容量因子の対数はメチレン基、又は少数族構造の反復ユニット数の線型函数であることが一般的に観察されている。(ADVANCED CHROMATOGRAPHIC AND ELECTROMIGRATION METHODS IN BIOSCIENCES, editor: Z. Deyl, Elsevier Science BV, Amsterdam, The Netherlands, pp 528 (1998); CHROMATOGRAPHY TODAY, Colin F. Poole and Salwa K. Poole, and Elsevier Science Publishing Company, New York, pp 394 (1991))。
【0042】
下記の参考文献は、逆相分離用に使われる異なったタイプの表面が記述され、此処に、文献全部が取り込められている。CHROMATOGRAPHY, 5th edition, Part A: Fundamentals and Techniques, editor: E. Heftmann, Elsevier Science Publishing Company, New York, pp A25 (1992); ADVANCED CHROMATOGRAPHIC AND ELECTROMIGRATION METHODS IN BIOSCIENCES, editor: Z. Deyl, Elsevier Science BV, Amsterdam, The Netherlands, pp 528 (1998); CHROMATOGRAPHY TODAY, Colin F. Poole and Salwa K. Poole, and Elsevier Science Publishing Company, New York, pp 394 (1991).
イオン対クロマトグラフィー成分は、この発明の或る形態において抽出成分として機能する。イオン対クロマトグラフィーにおいて、カラム充填剤は普通逆相クロマトグラフィーのと、例えば、C8又はC18シリカ、同じである。移動相は、逆相クロマトグラフィーで使われている、緩衝液プラス一般的に呼ばれているイオン対試薬の入った水・有機物混合物のと同じように似通っている。イオン対試薬は、サンプル陽イオンの保有と分離のためには正の電荷を持ち、サンプル陰イオンの保有と分離のためには負の電荷を持っている。イオン対試薬の典型的な例は、ヘキサンスルホン酸とテトラブチルアンモニウムである。イオン対クロマトグラフィーにおいての保有の元は未だに論点であり、二つの異なったプロセスが可能である、(a) イオン対の吸着 (b) 用イオン交換の形成。この二つのプロセスは異なっているように見えるが、実験上の条件の函数として同じような保有の予測に行きつく。イオン対クロマトグラフィーの保有は、イオン交換プロセスに比べて、逆相プロセスとは連続的に変化する。この性能は幾つかの実践的な利点がある。例えば、移動相の構成の変形は、個々のサンプルイオンの保有の強い制御を可能にする。これは特に難しいサンプル、例えば、陽イオンと(又は)陰イオンと(又は)中性分子の混合物、を分離するために使われる。(CHROMATOGRAPHY, 5th Edition, Part A: Fundamentals And Techniques, editor: E. Heftmann, Elsevier Science Publishing Company, New York, pp A28 (1992)).
【0043】
下記の参考文献は、イオン対クロマトグラフィーに使われる異なったタイプの表面が記述され、此処に、文献全部が取り込められている。CHROMATOGRAPHY, 5th edition, Part A: Fundamentals and Techniques, editor: E. Heftmann, Elsevier Science Publishing Company, New York, pp A25 (1992); ADVANCED CHROMATOGRAPHIC AND ELECTROMIGRATION METHODS IN BIOSCIENCES, editor: Z. Deyl, Elsevier Science BV, Amsterdam, The Netherlands, pp 528 (1998); CHROMATOGRAPHY TODAY, Colin F. Poole and Salwa K. Poole, and Elsevier Science Publishing Company, New York, pp 411 (1991).
順相クロマトグラフィー成分は、この発明の或る形態において抽出成分として機能する。順相クロマトグラフィーでは、固定相は高比表面積極性吸着液、例えば、シリカ、又は結合された極性表面基のシリカ、である。移動相 (有機溶液の混合物) は、固定相より低い極性である。その結果、より極性の溶質がより保有される。異なった同族、又は特定の合成物群の保有は頻繁に小異である。一般的に呼ばれる、混合物クラス(基・タイプ)の分離に順相クロマトグラフィーが使われる結果になり、例えば、アルコールは基としてモノエステルと他の混合物より分離される。順相クロマトグラフィーの保有の元は吸着・排除のプロセスである。順相クロマトグラフィー保有のもう一つの特色は、固定相表面に、一般的に呼ばれる、吸着溶質と移動相分子の局所限定である。局所限定は、溶質分子の吸着液の極性部位と極性置換基の間の個々の結合(双極子-双極子、又は水素結合相互作用)の形成に起因する。その結果、局所限定は、吸着表面の付いた溶質の同質異性体との相互作用に高度の特定性を授け、典型的に順相クロマトグラフィーによっての同質異性体分離の方が他のクロマトグラフィーの方法より良い結果が得られる。(CHROMATOGRAPHY, 5th edition, Part A: Fundamentals and Techniques, editor: E. Heftmann, Elsevier Science Publishing Company, New York, pp A27 (1992)).
【0044】
下記の参考文献は、順相クロマトグラフィーに使われる異なった親和性グループのタイプの表面が記述され、此処に、文献全部が取り込められている。CHROMATOGRAPHy, 5th edition, Part A: Fundamentals and Techniques, editor: E. Heftmann, Elsevier Science Publishing Company, New York, pp A27 (1992); and CHROMATOGRAPHY TODAY, Colin F. Poole and Salwa K. Poole, Elsevier Science Publishing Company, New York, pp 375 (1991).
イオン交換クロマトグラフィー成分は、この発明の或る形態において抽出成分として機能する。イオン交換(IEX)は、イオン化された物質が充填剤の陽か陰の部位で分離されるクロマトグラフィーの方式である。イオン交換の表面は普通イオン化基、例えば、サルホン酸、又はトリメチルアンモニウム、に置き換えられた有機マトリックスである。移動相は、典型的に水プラス緩衝液や(か)塩で形成されている。溶質イオンの保有は、移動相イオン、又は同じような(正か負)電荷のイオン交換を介して起こる。イオン交換クロマトグラフィーは頻繁に、酸性、又は塩基性のサンプルの分離のために適応され、電荷はpHによって変わる。溶質分子が単体の酸性、又は塩基性基の簡単なケースの場合、溶質は、電荷されたか、中性の生体物の混合物として存在する。イオン交換の場合、非電荷生体物の保有は無視できる(CHROMATOGRAPHY, 5th Edition, Part A: Fundamentals and Techniques, editor: E. Heftmann, Elsevier Science Publishing Company, New York, pp A28 (1992))。イオン交換クロマトグラフィーは最も古く、蛋白質の複雑な混合物を分離するための最も伝統的な技法である。下記の参考文献は、イオン交換クロマトグラフィーに使われる異なった基のタイプと表面が記述され、此処に、文献全部が取り込められている。CHROMATOGRAPHY, 5th Edition, Part A: Fundamentals and Techniques, editor: E. Heftmann, Elsevier Science Publishing Company, New York, pp A28 (1992); CHROMATOGRAPHY TODAY, Colin F. Poole and Salwa K. Poole, Elsevier Science Publishing Company, New York, pp 422 (1991); and ADVANCED CHROMATOGRAPHIC AND ELECTROMIGRATION METHODS IN BIOSCIENCES, editor: Z. Deyl, Elsevier Science BV, Amsterdam, The Netherlands, pp 540 (1998).
【0045】
疎水性相互作用クロマトグラフィーは、この発明の或る形態において抽出成分として機能する。疎水性相互作用クロマトグラフィーは蛋白質の分離と精製に広く使われている。分離中に、蛋白質は、弱疎水性固定相に、高イオンの強度の緩衝された移動相を使って結合されるように誘発され、その後、選択的に塩の濃度傾度の低下で脱離される。蛋白質は普通、逆相クロマトグラフィーのように、疎水力度に従って疎水性相互作用クロマトグラフィーで分離されが、穏やかな性質の分離手法のため、高い確率で適合した構造(生体物的行動)をそのまま溶出する。逆相クロマトグラフィーにおいて、移動相と結合した固定相との間で生じる高度のインターフェースの張力の為、結合相表面上で蛋白質が開く。この状態は、溶液の強度は、有機修正液の容積部分を増加するよりもイオンの強度を換えることによって制御する為、一般的に、低疎水力度の固定相と完全に水系の移動相を使って疎水性相互作用クロマトグラフィーで最小化できる。保有は、リガンドの疎水性がより高ければ大きくなるが、それと同時に、或る蛋白質の変性の可能性も上がる。或る蛋白質は親水性固定相でしか満足に扱うことができない。リガンドの密度と構造と固定相の疎水力が、各蛋白質の分離を最良化する固定相の第一次変形数である。最良化しなければならない移動相パラメーターは塩濃度と塩タイプと塩傾度のスロープとpHと界面活性剤か有機修正液を足すことと温度である。蛋白質分子に結合する特定の塩が存在せず、移動相の比較的高い塩濃度では、保有は塩のモル度と直線状の関係で、コンスタントの塩濃度では、水系移動相内で使われた塩のモル表面張力増加で、増加する。
下記の参考文献は、疎水性相互作用に使われる異なった基のタイプと表面が記述され、此処に、文献全部が取り込められている。CHROMATOGRAPHY TODAy, Colin F. Poole and Salwa K. Poole, Elsevier Science Publishing Company, New York, 402 (1991).
【0046】
低質量域
発明のカラムは小孔隙容積のある低質量域を使い、これが小デッドヴォリュームを生む結果になっている。この発明の低質量域は、液体が低質量域を通らなければならないので、多孔性である。低質量域は、その構造内でカラムの抽出成分を取り入れる事ができなければならないので、構造上十分な強度であるべきである。できれば、低質量域は、抽出プロセス中に接触する化学物質、特に興味のあるアナライト、に非親和的か、弱親和力であるべきである。数多くのこの発明の形態では、できれば、生体高分子、特に、蛋白質やペプチドや核酸、と最小的な傾向で結合、又は相互作用する低質量域が使われるべきである。
液体が自由に流れることが可能で、抽出成分層内にビーズを或る場所に保持できれば、色々な孔隙の大きさと孔隙密度の低質量域を使う事ができる。
【0047】
一つの低質量域、すなわち、下側の低質量域、はカラム本体のオープンチャンネルを横切って延び、熔融されている。二つ目の低質量域は、カラム本体のオープンの上の末端と下側の低質量域の間のオープンチャンネルを横切って延び、熔融されている。
上側の低質量域と下側の低質量域とチャンネル表面が抽出成分小室と定義され、抽出成分層がそこに位置付けられる。低質量域はカラム本体にしっかりと付着し、オープニングや(か)オープン末端横切って延びるべきであり、そうする事により、チャンネルを完全に塞ぎ、抽出成分小室内に抽出成分層をほぼ完全に閉じ込めることができる。この発明の好まれた形態では、抽出成分層は抽出成分小室の最低80%、より好まれるのは90%、95%、99%、又はほぼ100%の容積を占める。この発明の或る好まれる形態では、抽出成分層と上下の低質量域の間のスペースは取るに足らない、すなわち、低質量域は、抽出成分層の上側と下側の表面とほぼ接触しており、よく充填された抽出成分層をしっかりとその場所に保持される。
【0048】
この発明の或る好まれる形態では、下側の低質量域はカラム本体のオープンの下の末端に位置されている。この形態は図案に表示され、実施例に例として記述されているが、必要条件ではない、すなわち、或る形態では、下の低質量域は、オープンの下側の末端から上がったカラム本体の場所に位置付けられている。しかしながら、カラム内でのデッドヴォリュームの最小化が重要である為、下側の低質量域と抽出成分小室は下の末端か、その近くに位置付けられる方が好まれる。或るケースでは、第1-10図に表示されているように、下側の低質量域はオープンの下側の末端の側面に付着する事を意味する。しかし、或るケースの場合、第11図に示されている形態に例証されているように、下側の末端の一部が下側の低質量域を越えて、横切って延びている。この発明の目的のためには、この延長の長さが抽出カラム内にデッドヴォリュームを実質的にもたらさないか、又はカラムの機能に悪影響をもたらさなければ、下側の低質量域はカラム本体の下側の末端位置付けられていると配慮しても良い。この発明の或る形態では、容積は、下側の低質量域とチャンネル表面とオープンの下側の末端の側面で定義され(すなわち、下側の低質量域の下のチャンネル容積)、抽出成分小室の容積よりも小さいか、抽出成分小室の容積の10%より小さいか、抽出成分小室の容積の1%より小さいかである。
この発明で使われている低質量域は、小孔隙容積を持つことで特徴付けられる。或る好まれる発明の形態は、1マイクロリーター以下(例えば、0.015-1マイクロリーターか、0.03-1マイクロリーターか、0.1-1マイクロリーターか、0.5-1マイクロリーターの範囲)か、より好まれるのは、0.5 マイクロリーター以下(例えば、0.015-0.5マイクロリーターか、0.03-0.5マイクロリーターか、0.1-0.5マイルロリーターの範囲)か、0.1マイクロリーター以下(例えば、0.015-0.1マイクロリーターか、0.03-0.1マイクロリーターの範囲)か、0.03マイクロリーター以下(例えば、0.015-0.03マイクロリーターの範囲)の孔隙容積の低質量域を使っている。
【0049】
発明の好まれる低質量域は、孔隙開口、又は網目の開口の大きさのおよそ5-100 μm範囲と、より好まれる10-100 μm 範囲と、更にもっと好まれる15-50 μm (例えば、およそ43 μm)を持っている。カラムの性能は典型的には、流れの抵抗を最小化するため十分に大きい孔隙、又は網の目の開口を使う事によって向上できる。此処に記述されている逆浸透膜スクリーンを使う事では流れのてい抵抗低め、故に、流れの速度を良くし、背圧を減少し、抽出成分層のゆがみを最小限に留める。勿論、孔隙、又は網の目の開口は大きすぎて小室内の抽出成分を取り込むことができなくするべきではない。
実践上使われる低質量域は、低質量域内にある抽出成分層の組織容積と比較して小孔隙容積であることが特徴である。それ故、発明の好まれる形態では、低質量域の孔隙容積は、抽出成分層の組織容積の10%かそれ以下(例えば、0.1-10%か, 0.25-10%か, 1-10%か, 5-10%の組織容積の範囲)と、より好まれるのは抽出成分層の組織容積の5%かそれ以下(例えば、0.1-5%か, 0.25-5%か, 1-5%の組織容積の範囲)と、よりもっと好まれるのは抽出成分層の組織容積の1%かそれ以下(例えば、0.1-1%か, 0.25-1%の組織容積の範囲)である。
【0050】
低質量域密度は逆浸透膜を液体が通って流れる事を可能にし、できれば10%かそれ以上の高さで、フロー速度を上げ、サンプルのプロセス時間を減らすことができる。
或る発明の形態は、好まれる薄さの薄い低質領域350μm以下 ( 例えば、20-350 μmか, 40-350 μmか, 50-350 μmの範囲)と、より好まれる薄さは200 μm以下(例えば、20-200 μmか, 40-200 μmか, 50-200 μmの範囲)と、よりもっと好まれる薄さは100 μm以下(例えば、20-100 μmか, 40-100 μmか, 50-100 μmの範囲)と、最も好まれる薄さは75 μm以下(例えば、20-75 μmか, 40-75 μmか, 50-75 μmの範囲)を使っている。
【0051】
或る好まれる発明の形態は、逆浸透膜スクリーンを低質量域として使っている、逆浸透膜スクリーンは、カラム層に抽出成分を取り込むことができる強さだけでなく、カラム層に成分を充填する最中に穴が開いたり、引き離れたりしないようにできなければならない。逆浸透膜はもろいかもしれないが、或る形態では、使用中に元の形を枠組みの中で保存できなければならない。しかし、十分に強度のある逆浸透膜を、そのような枠組みに依存しない形で使えるべきである。逆浸透膜スクリーンは、カラム層に順応できる柔軟性があるべきである。この柔軟性は、逆浸透膜スクリーンが抽出成分層に順応できるため、充填プロセスにおいて利点があり、デッドヴォリュームの減少の結果につながる。
逆浸透膜は、織られた、又は非職された繊維の網の目で、それは、網目織か、繊維組織がランダムに織られたマットか、すなわち、「ポリマー紙」か、織られた熔融の網の目か、食刻された、又は「孔隙ドリル」紙か、核心形跡が食刻された逆浸透膜のような逆浸透膜か、電解網目(例えば、5,556,598 を参照)である。逆浸透膜は、1)小デッドヴォリュームであり、2)カラム層を通して液体をプロセスし、各種色々なサンプルの動きを妨げない、3)カラム本体に付着し、層充填プロセスに耐えることができる強度であり、4)ビーズのカラム層保有できる強度であり、5)抽出プロセスを妨げない、すなわち、サンプル分子を吸着しないか、変性しない、ポリマーか、ガラスか、金属である。
【0052】
低質量域は、安定した付着ができる方法でカラム本体に付着する事ができる。例えば、スクリーンはカラム本体に溶接か接着剤で付ける事ができる。接着する事は、色々な種類の接着剤、例えば、シリコンやシアノアクリル接着剤、等を使ってすることができる。接着、又は溶接の継ぎ目は、抽出成分層を充填すしプロセスに耐えられ、小室に抽出成分を取り込む強度が必要である。接着剤の継ぎ目のため、サンプル分子に吸着しないか、又は変性しない接着剤を選ぶべきである。
二者択一的に、低質量域は、US特許5,833,927に記述されているように、環状ピップで取り付けられる。取り付け方法は、特に低質量域が逆浸透膜スクリーンの形態に適合している。
【0053】
発明の低質量域は、例えば、逆浸透膜スクリーン、此処に記述されている物理的な必要とされている属性のある物質から作る事ができる。適切な材料は、ナイロンや、ポリエステルや、ポリアミドや、ポリカーボネーや、セルロースや、ポリエチレンや、ニトロセルロースや、ポリビニリデンや、ポリフッ化ビニリデンや、四フッ化エチレン(PTFE)や、ポリプロピレンや、ガラスを含む。逆浸透膜スクリーンの具体例は、Spectrum Labs (Ranch Dominguez, CA, PN 145837) から入手できる43 μm の大きさの孔隙のポリエステル網目材料、Spectra/Mesh(登録商標)である。
【0054】
抽出カラムの組み立て
発明の抽出カラムは、各種多様な材料で此処に供給された方法を使って作ることができる。或る好まれる形態では、上側と下側のチューブラー部分を繋げ(すなわち、付着)、組み合わせることによって作り上げる。カラム組み立て作業の実施例は、実施例の部分に記述され、図案で表記されている。
例えば、二つのチューブラー部分内にピペットティップの部分が入った発明の形態は第1図に表記されている(第2図は、カラムのオープンの下側の端末と抽出成分小室の拡大図である)。この形態は、円錐台形状の上側チューブラー部分2と円錐台形状の下側チューブラー部分3が繋げられて作られている。下側チューブラー部分の絡み合う先4にはテーパ穴軸受があり、上側チューブラー部分の絡み合う先6の外側の円筒の表面と合致するようになっていて、下側チューブラー部分の絡み合う先は、上側チューブラー部分の絡み合う先をテレスコープのような形で受け止めるようになっている。テーパ穴軸受は外側の円筒の表面をぴったりと、組み立てられたカラムが密封されるように、嵌り込むようになっている。
【0055】
逆浸透膜スクリーン10は、上側チューブラー部分の絡み合う末端のティップ熔融され、横切って延び、抽出カラムの上側の低質量域を形成する。もう一つの逆浸透膜スクリーン14は、下側チューブラー部分の絡み合う末端のティップ熔融され、横切って延び、抽出カラムの下側の低質量域を形成する。抽出成分小室16は、逆浸透膜スクリーン10と16とチャンネル表面18で定められ、抽出成分20によって充填される。
逆浸透膜スクリーン10と14の孔隙容積はカラムのデッドヴォリュームを最小化するため小さい。サンプルと脱離溶液は抽出成分層に直接バイアル、又は貯蔵器から通すことができる。小デッドヴォリュームは、アナライトの脱離溶液を最少限の脱離溶液容積にすることができ、故に、アナライト濃度を最高度化できる。
【0056】
抽出成分小室の容積は変化し、上側チューブラー部分の絡み合う末端が下側チューブラー部分に拡張し、テーパ穴軸受と円筒状の外側の表面の関連した寸法によって定められる深さを変える事によって調節できる。
この形態の上側チューブラー部分に下側チューブラー部分に密封することは圧入接の摩擦によって達成されるが、二者択一的に、溶接、又は接着剤を使って接着、又は同じような密封方法でも達成できる。
【0057】
第3図は、上側と下側の部分がテーパの形を使わないテレスコープの形で絡み合わされた発明の形態を表記している。その代わりに、この形態では、絡み合った端末34と35は、34の外側の直径が35の内側の直径に合致し、共心的に絡み合う末端がぴったり合う円筒状の形である。絡み合った末端は圧入接の嵌り、又は溶接、又は接着剤を使って接着、又は同じような密封方法を使って密封される。抽出層容積は、絡み合う末端34が絡み合う末端35にどの程度拡張するかによって変える事ができる。注釈事項として、上側チューブラー部分30の直径は変化し、この形態では、上側のオープンの末端は広がっていて、絡み合う末端34に向かって狭くなり、先細になっている。このデザインは、抽出成分の上のカラムチャンネル内により大きな容積を保有することができ、従って、より大きな量のサンプルと洗浄液のプロセスを容易にする。上側のオープンの末端の大きさと形は、カラムで使われるポンプに合うように適応することができる。例えば、上側の末端31は、外側を先細化し、ピペッター、又は注入器のようなポンプにより適した摩擦の嵌りになるにする。
逆浸透膜スクリーン40は、絡み合う末端34のティップ38に熔融され、横切って延び、抽出カラムの上側の低質量域を形成する。もう一つの逆浸透膜スクリーン44は、下側のチューブラー部分36のティップ42に熔融され、横切って延び、抽出カラムの下側の低質量域を形成する。抽出成分小室46は、逆浸透膜スクリーン40と44と下側チューブラー部分36のオープンの内側チャンネルで定められ、抽出成分48で充填されている。
【0058】
第4図は、ティップの抽出成分の円筒状層でできた発明のスポイトの形態で、第5図は、第4図のスポイトの形態の上の拡大図である。これらの図案は、使い捨ての注入器とカラム本体を使用することを元にした、小デッドヴォリュームを表記してる。ピペッターの変わりに、使い捨ての注入器がサンプルを取り入れ、とポンプを使って注入する事に使われる。
この形態の上側の部分は、筒50でできたスポイトで、プランジャー52が筒の中心軸に沿って動くように位置されている。手動式のタブ54はプランジャー52の上にしっかり締められる。共心的な密封の環56プランジャー52の下側の末端にしっかり締め付けられる。共心な密封の環の外側の表面58は、筒50の内側の表面と密封の絡み合わせを形成し、プランジャー52の動きと筒の密封の環の上下の動きが筒に液体を上げるか、下げるかする。
【0059】
筒50の下側の末端は、ルアーアダプターに取り付けるための突出がある内側の円筒62に接続されている。内側の円筒66の下のふちに逆浸透膜68がしっかり締め付けられている。内側の円筒62は、普通のルアーアダプターで上側の末端で外側のスリーブへ滑り込ませるようになっている。外側のスリーブ70の下側層は、上側の部分76より小さな直径を持ち、外側のスリーブは、下側の末端66と逆浸透膜スクリーン68と隣接するように位置された出っ張り78を造る。逆浸透膜スクリーン80下側層74の下側の末端にしっかり締め付けられる。抽出成分小室84は、上下の逆浸透膜スクリーン68と80と下側層74の内側のチャンネルの表面で定められている。抽出ビーズ86は抽出成分小室84に位置付けられている。抽出成分小室84の容積は、下側層74の長さを変える事によって調節することができる。
発明の他の形態の異なった作製の方法の例は実施例内でも記述されている。
【0060】
ポンプ
発明の抽出カラムを使う上において、カラムの上側のオープンの末端に取り付けられ、カラムからサンプルを吸引し、排出するために使われる。ポンプは、オープンの下側の末端を通して液体をカラムチャンネルに吸引するカラム内の圧力を減らすことができれば、多種多様の形体で作る事ができる。発明の或る好まれる形態では、ポンプは、オープンの下側の末端から液体を、カラム内の圧力を増すことによって排出することもできる。二者択一的に、カラムから溶液を排出するために他の方法を使う事ができる。
ポンプは液体、又は気体をポンプを使って注出入でき、必要としているサンプル溶液や(か)、洗浄液や(か)、脱離液を抽出成分層を通して抽出入できる十分な強度であるべきである。
【0061】
或る発明の形態では、ポンプは、カラム、例えば、ピペッター、から吸引されたのと(又は)排出された液体容積を制御することができる。これを使って、溶液の吸引量と排出量を測定でき、的確な溶出液容積でサンプルの回収と濃度を最大化することを容易にする。
適切なポンプの一部の例は、ピペッター、又は注入器、又はペリスタルティックポンプ、又は誘電式流体ポンプを含む。
【0062】
III. 抽出カラムを使う方法
発明の抽出カラムは、抽出成分の内容を保存できる状態で保管されるべきである。例えば、アガロース、又はセファロース基の抽出成分の入ったカラムは、冷えた状態(例えば、四度C)と0.01%のアジ化ナトリウム、又は20%エタノールのある状態で保存されるべきである。
サンプル溶液は興味のあるアナライトの入ったどの溶液でも良い。この発明は特に生体分子の抽出と精製に有益であり、故に、サンプル溶液は頻繁に生体物的な起源、例えば、細胞ライセート、である。或る発明の形態では、サンプル溶液はハイブリドーマ細胞培養上清である。
【0063】
抽出の前に、調節するステップを加えることができる。単一パスでのアナライト抽出が未完成の場合、サンプル溶液を何回も成分に通すことができる。抽出と脱離の間の選択的な洗浄ステップも、最終物質の純正度を上げる事ができる。典型的には、水、又は緩衝液が洗浄液に使われる。洗浄液は、興味のあるアナライトの脱離を最小限に留め、不必要な汚染物を排出できるものが好まれる。
使われる脱離液の容積は、およそ抽出成分層の組織容積程度の非常に小さい。発明の好まれる形態では、使われる脱離液の量は、抽出成分層の組織容積の十倍以下であり、より好まれるのは抽出成分層の組織容積の五倍以下であり、更にもっと好まれるのは抽出成分層の組織容積の三倍以下であり、更にもっと好まれるのは抽出成分層の組織容積の二倍以下であり、最も好まれるのは抽出成分層の組織容積と同じか、それ以下である。
【0064】
脱離液はアナライトの性質と抽出成分によって変わる。例えば、アナライトがヒスタグ蛋白質で抽出成分がIMACの樹脂の場合、脱離液には、樹脂から蛋白質を放出させるためイミダゾール、又はそれと似通ったものを取り入れる。或るケースでは、脱離はpH、又はイオンの強度、例えば、低pHか、高イオンの強度の脱離液、を変える事によって達成できる。適切な脱離液は、このことに長けた達人で得られる知識を使って到達することができる。
或る形態では、抽出カラムは、同位体符号化親和性タグ(ICAT)ペプチドのマルチディメンショナルステップごとの固体相抽出のために使われるかもしれない。画分はイオン強度、又はpHの増加を元に集められ、下記に記述された親和性分離の次元でプロセスされるが、より大きなサンプルの容量が親和性の毛細管に取り入れられる場合と(か)、可能なpHの相違、を適切に調節しなければならない。或るケースの場合、アビジン親和性カラムから集められた画分は、更に同位符号化された領域からタグを分裂するため、下記に記述されているように逆相分離の次元で分離する前に、プロセスするかもしれない。
【0065】
分裂は、Huilin Zhou, et al., Nature Biotech., 19:512 (2002) に記述されているように、集められた画分に光開裂、又はBrian Williamson, et al., Proceedings of the 50th ASMS Conference on Mass Spectrometry and Allied Topics, Orlando, Florida, June 2-6, 2002, Orlando, FL, Poster # WPA023 に記述されているようにTFA-トリエチルシランの酸開裂、又はWilliamson, et al., 50th ASMA Conference Proceedings, June 2nd-6th 2002, Orlando, FL, Poster # WPA023 (2002) に記述されているように、標準的な方法で画分を乾燥するまで蒸発し、TFA-トリエチレンシラン試薬を足し、酸開裂を直接行う事ができる。
放出によって作られたペプチドの混合物で、標識化と蛋白質加水分解がより以上複雑でない場合、イオン交換分離の次元を飛び越えて、親和性分離次元に直接行くことが可能である。イオン交換分離の次元を飛び越える例は、LC Packings/Dionex’ Application Note, “2D Analysis of Isotope Coded Affinity Tag (ICAT) Labeled Proteins,” Application Note UltiMate Capillary and Nano LC System, Proteomics #09 に提供されている。しかしながら、もしこの方法が使用される場合は、サンプルが単量体のアビジンカラムに加えられる前に、とり込められなかった、普通イオン交換分離次元で除去されるICATのタグを除去することを薦める。
【0066】
或るケースの場合、イオン交換分離と親和性分離の次元を通り越して、サンプル蛋白質の放出、リシスと標識ステップ(例えば、この例の始めに最初のステップが記述されている)から、固体相同位体符号化タグ試薬が、Huilin Zhou, et al., Nature Biotech., 19:512 (2002) に記述されているように、直接逆相分離の次元に進むことができる。このケースの場合、同位体符号化ペプチドを固体相サポートから分裂することは、Huilin Zhou, et al., Nature Biotech., 19:512 (2002) に記述されているように、光開裂で達成されるか、Brian Williamson, et al., Proceedings of the 50th ASMS Conference on Mass Spectrometry and Allied Topics, Orlando, Florida, June 2-6, 2002, Orlando, FL, Poster # WPA023 に記述されているように、酸開裂で達成される。
この発明のデバイスと装置と方法は、蛋白質チップ、又はDNAチップ、又は他のチップ用の物質を用意するために使われる。
【0067】
蛋白質チップの動力学は次の方程式で表す。
A+B=AB
ABは分析できるシグナルを発信し、Aはチップ上の部分で、Bはチップで使われる同族の結合体である。特定の相互作用はいつも前提になっている。「AB」以外の結合するイベントはABの様相をしいて、変異は、Aではない (すなわち、汚染する) 部分がBに親和力を持つか、Bではない (すなわち、汚染する) 部分がAに親和力を持つか、この二つの組み合わせである。いずれかのイベントは本来のABの様相をしている。この特性が、或る蛋白質チップの実験の成功か失敗を明示し、この技術の最も軽視、又は無視されている点である。
【0068】
或る非蛋白質チップ(特に、DNAチップ)の場合、Aグループはその場で
合成されるか、PCRを介して増幅され、スポットされる為、精製、又は濃縮の必要はない。短いペプチドの例外を除いて、蛋白質の複雑な構造のため、Aのチップ上での合成はできない。故に、A物質の蛋白質チップ内で使うため準備は物質の純度にプレミアムが付いている。その上、A物質は、ABが最大限起こるように、頻繁に高度に濃縮されなければならない。
蛋白質チップは、表面に小さな「A」容積があることで特徴付けられている。容積はは頻繁に各スポット用に10 nL かそれ以下である。多くの蛋白質は準備するのに費用が高く(いか)、難しいので、スポットのサイズの大きさのレベルで精製し、濃縮する機能は、無駄物を大いに減少する。これは、「ジャストインタイム」の精製を可能にし、チップが、蛋白質が精製されるのと同時に用意される。
【0069】
Aのように、異なった物質がチップに持ち込まれ、各物質は精製と (か)、濃縮が必要である。これらの物質の例は、親和性分子としての抗体(例えば、IgG,IgY, 等)や、親和性分子としての一般的な親和性蛋白質(例えば、scFvs, Fabs, affibodies, ペプチド、等)や、一般的に親和力の属性で遮られるその他の蛋白質や、例えば、親和性分子としての核酸・(フォト)アプタマーである。
異なった方法でチップの表面にAを付着させ、各方法は、付着化学に準拠した精製と濃縮の工程が必要である。付着化学の例は、蛋白質チップ基板に直接・間接的に固定化する方法が含まれ、一つの例では、ネイティブチオールが金の表面に反応する場合、これらは共有原子価になる。共有結合の付着は、チップの表面に官能基を付着するもう一つの方法であり、これらは頻繁に、ヒドロゲル、等のような官能基の(不)追加で自己組織化される単分子膜である。チップの表面で官能基・リガンドに非共有結合・親和性付着する事は、付着のもう一つの方法である。この方法の例は、IgG用のProA、又はProGと、サリチルヒドロキサム酸基のフェニル(ジ)ボロン酸と、ビオチン化されたネイティブリシン・システィンのストレプトアビジン単分子膜、等である。
【0070】
チップ上に採り込められるれるサンプル、又はアナライトは、Aとの相互作用の形態と構成で変化する事ができる。
Bを操作することによって、特定のAB相互作用の達成は幾つかの方法がある。一つの方法は、これらの汚染物がアルブミンや、フィブリン、等のように明確に定義されているのであれば、可能性のある非Bの汚染物を除去することである。
【0071】
もう一つの方法は、B(個々か群として)を捕獲することによって非B汚染物を除去し、洗浄によって除去し、Bを放出する。これは同時にBの濃縮を可能にし、従って、ABイベントのための機敏性を増加する。
チップのスケールが小さくなるように、サンプルのスケールを小さくする機会があり、従って、微量のサンプルの分析を可能にする。サンプルは貴重な物質である為、精製と濃縮のスケールがこのことを可能にする。チップの準備のように、これも「ジャストインタイム」の仕方で行うことができる。
【0072】
検出イベントは、何らかのAとBとの相互作用が必要で、検出イベント(蛋白質チップ自身の一部でないので)の主役はBである。B(又は、Bと同じような上記した物質)の存在を検出する方法は、色々あり、HTS Biosystems が提唱する表面プラズモン共鳴画像のようなAと相互作用する非標識なB(又は、Bのような)、グレーティング対SPR,又はBiaCoreのプリズム、又はKretchmannベースのSPR,又はProtiverisが提唱するマイクロカンチレバー検出案を含んでいる。
検出方法は、Aと相互作用するB(又はBのような物質)の物理的な標識を含み、次に、BD Biosciences Clontech が提唱するAB対(すなわち、Cy/Cy5)差次標識の空間画像を標準蛍光画像で、Jereni が提唱するキナーゼ基質の放射性ATP標識をオートラジオグラフィー画像で、又は他の適切な画像技法でする。蛍光タグの場合、ZeptoSensが提唱する蛍光導波路画像で高感度を達成できる。
【0073】
検出方法は、AB複合体と三番目のB-特定親和性パートナーCも含むことができ、Cは蛍光タグである事によってシグナルを発生するか、その位置でタグ化されたグループと化学反応(蛍光部分の発生、光の直接の発生、等のように)が生じる。このAB-C結合イベントの検出は、ZumyxとSomaLogicが提唱する蛍光画像、又はHTS BiosystemsとHypromatrixが提唱する化学発光画像、又は蛍光導波路技術を介しての蛍光画像、又はその他の適切な検出方法を介して起きる。
アレーヤーは、分子生物学研究、又は診断のために使われるチップ上に核酸か、蛋白質か、他の試薬をスポットするための道具である。アレーヤーは、チップの製造と使用両方に使う事ができる。製造では、アレーヤーは、チップ上の特定の場所に化学反応物を運ぶ為に使う事ができる。これは、検出のために使われる化学複合体はアレーの特定の各スポット作り上げられるため、複数のステップになるかもしれない。
【0074】
各プロセスは、サンプル準備が必要になるかもしれない。或るケースでは、DNAは精製され、チップの表面に沈殿される。その後、抗DNA,又は抗RNAが入ったサンプルがチップで反応される。サンプルが反応される前に、核酸は、サンプル内で見つかった他の物質(蛋白質、微粒子、炭水化物、等)から精製され、分離される。他のケースでは、蛋白質チップは、特定の蛋白質を配列的に沈殿し製造される。その後、蛋白質の入ったサンプルは、蛋白質・蛋白質相互作用を色々な配列場所で測定するため反応する事ができる。
生体分子の分析のための質量分析器の応用として、分子は、液体、又は固体相から気体と真空相に移動されなければならない。生体分子のほとんどが大きく壊れやすいので、最も有効的な真空相への移動の方法は、マトリックス支援レーザー離脱イオン化(MALDI)、又はエレクトロスプレーイオン化(ESI)である。
【0075】
質量分析器は、蛋白質分析に基本的に、ボトムアップとトップダウンの二つの方法がある。ボトムアップの分析の場合、蛋白質は操作され、制御された形態(一般的に酵素分解プロセス)で細かくされ、分析され、その後、色々な部分のデータ使って組み立てられる。トップダウン分析は蛋白質全体で行われ、選択的に、蛋白質がイオンを使って細かくされ、蛋白質の正体を確認する。
双方の方法は質量分析器での分析に長時間掛かるかもしれないが、普通トップダウンの方が最も時間が掛かる。理想的なケースの場合、静的なサンプルが測定され、ソースが指示され、履行されたパラメーターが測定される。データが解析される方法は、蛋白質の全貌を分析する為に色々ある。
【0076】
数多くのサンプル注入方法はサンプル「急ぎの際に」のやり方である。サンプルはHPLCカラムより連続的なフローでエレクトロスプレー(ESI)ソースのノズルに注入される。トップダウンの分析が履行されるようにサンプルを注入するには、サンプルのフローの速度を落とさなければならないかもしれない。この方法はピークパーキングと呼ばれる。この方法では、サンプル居留時間は十倍かそれ以上増やすことができ、分析感度は八倍かそれ以上に上げる事ができる。しかし、この方法は、分析がすばやく行われなければならないし、頻繁に計器プロセスできるよりも速く行われなければならないので、不十分で柔軟性に欠ける。
この事は、固体相デバイスにサンプルを注入するときも同じである。サンプル全部を、分析が完結する前に注入することになるであろう。個々の同一のサンプルを質量分析器に注入するほうがより良い。この仕方で、質量分析器とその工程はサンプルに適応するように最適化できる。
【0077】
これは、オープンチューブ抽出デバイスからの脱離された物質が直接エレクトロスプレーのノズルに沈積できる装置を使って達成する事ができる。
MALDIは普通飛行時間型 (TOF) 質量分析器 (MALDI-TOF) とインターフェースし、ESIは、四連とイオントラップとTOF質量分析計にインターフェースしている。MALDIとESIの両方法は、精製とms/ms の分析の為のペプチドの分裂の促進の前後に、混合物内の蛋白質とペプチドの質量全体を確定付けるのに有用である。最近の質量分析器は、的確性が十分なため、生体分子の正しい翻訳、又は化学合成の評価に有益である。観察された質量のサンプルと計算された質量に誤差は、不正確な合成か、翻訳後のか、化学修飾の存在を示す。生体分子は、質量分析器内で意図的に分裂する事ができ、その断片の質量は正確に確定する事ができる。そのような断片の質量のパターンは、ペプチドのms/ms シーケンシングとデータ管理の同位体のために有益である。
【0078】
エレクトロスプレーは、サンプルと揮発性酸と有機溶液を混ぜ、高電圧で帯電された誘電針を通して注ぎ込まれる。針の先からスプレー(又は、射出された)された帯電液滴は、質量分析器に誘導され、それが飛び込む最中に熱と真空で乾燥される。液滴が乾燥した後、残った帯電分子は電磁レンズで質量検出器に誘導され、質量分析される。エレクトロスプレー質量分析器は、小さなペプチドから保存された大きな蛋白質までの異なった分子の質量を確定する為に使う事ができる。現在使用可能な計器の質量の範囲は、2000から10000の質量単位だけであるが、蛋白質のほとんどがエレクトロスプレーのステップの間多価され、計器は分子の質量と帯電比率 (m/z) を測定する為、蛋白質のほとんどは十分に帯電されm/z は質量範囲以内である。異なった、測定されたm/z から蛋白質の質量ぜんたいを算出するには、デコンボリューションが、蛋白質の全質量を出す為、行われる。
MALDI-TOFでは、蛋白質は有機マトリックスで共結晶するように、メタルターゲットに沈殿される。サンプルは乾燥され、質量分析器に差し込まれる。真空ができた後、高強度レーザーの短閃光からの光エネルギーをマトリックス結晶が吸収する。マトリックスはいち早く昇華し、生体分子を真空相へ運び込む。サンプルとマトリックスの冠毛が強度の電磁界に入り、帯電分子が自由飛行地帯で加速し、逆の末端の検出器に当たるまで飛び続ける。蛋白質の質量はその飛行時間で算出される。質量の正確な測定は、知られている質量の標準の飛行時間と比較して入手される。飛行時間は、蛋白質の質量の対数に正比例していて、より大きな蛋白質はより遅く、検出器に遅れて到着する。
【0079】
この仕様書内に書かれているすべての発刊物と特許の応用は、各個々の発刊物、又は特許が個々に具体的に表記されてるのと同じよう、此処に参考文献として組み込まれている。
発明は一般的に記述されたので、図形を介して記述されている次の実施例を参照する事によって更に良く理解でき、実施例はこの発明の限定として表記されているのではない。
【0080】
実施例
下記の準備事項と実施例は、この発明がこの技法の熟練工によりはっきり理解し、遂行してもらえるように此処に記述されている。これは、この発明の範囲を限定する事ではなく、例証的な、典型的な例として解釈されるべきである。
【0081】
実施例1
ピペットのティップから抽出カラムを用意する事
第6図に表記されているデザイン(VWR, Brisbane, CA PN 53508-987) の二つの1000 μL のポリプロピレンのピペットのティップが使われ、一つの抽出カラムが作られた。この実施例では、二つの抽出カラム、10 μLの層容積と20 μLの層容積、が作られた。カラムを作る為に、ティップは幾つかのカスタムメードの切断機に入れられ、切断機から延び出ている余計な物はかみそりの刃で切られ、カラムの特定の長さと直径され、色々な部品が作られる。
第7図では、下側のカラム本体の内側直径1.25 mm の穴94が、ピペットチューブ90のティップ92の最初の切断92で作られ、長さ15 mm の下側のカラム本体層98が、二つ目の切断96で作られた。
【0082】
第8図では、上側カラム本体104が、別のピペットティップ100を切断102することによって作られた。10 μL 層容積カラムを作るには、外側の直径2.09 mm のティップ106が切断102され作られ、下側本体に上側の本体が取り込められるときには、固体相の成分層114(第10図)のカラムの高さは4.5 mm であった。20 μL の層容積カラムを作るには、外側の直径2.55 mm 切断102のティップで作られ、下側の本体に上側の本体が取り入れられたときには、固体相の成分層114(第10図)のカラムの高さは7.0 mm であった。
第9図では、43 μm の孔隙の大きさのSpectra/Mesh(登録商標)ポリエステル網目物質は(Spectrum Labs, Ranch Dominguez, CA PN 145837) は丸のこ盤 (Pace Punches, Inc., Irvine, CA) で切断され、上側と下側のカラムの末端106と108に付着され、逆浸透膜スクリーン110と112を作った。逆浸透膜スクリーンはシアノアクリル酸の糊PLATIX(登録商標) (Loctite, Inc., Avon, OH) を使って付着された。糊はポリプロピレンの本体に適用され、その後、逆浸透膜スクリーンの物質に押し付けられた。かみそりの刃を使って、各カラム本体の末端の外側の縁の回りの余計な網目の物は切り除かれた。
第10図では、上側のカラム本体104がしたがわのカラム本体層98の上に取り入れられ、下に固体相の成分層を詰めて、層の上のデッドヴォリュームを無くすためるため押し詰められた。
【0083】
実施例2
G蛋白質のSEPHAROSE(登録商標)とMEP HYPERCEL(登録商標) 抽出の準備
第9図では、粒子の大きさ45-165 μm の水・エタノール内の浮遊状態のG蛋白質SEPHAROSE(登録商標) 4 Fast Flow(Amersham Biosciences, Piscataway, NJ, PN 17-0618-01) が用意され、適切な量の物質114が下側のカラム本体98にピペットで注入された。
第10図では、上側のカラム本体104は下側のカラム本体98に、層114の上に、すなわち、カラム層の上に、デッドスペースが残らないように押し込められる。
上側と下側のカラム本体104と98の間に封ができるように気をつけ、カラム本体に結合している逆浸透膜スクリーンがそのまま保持されているようにする。幾つかの10 μLと20 μL層容積のティップが用意された。同じ工程を使って、幾つかのMEP (マーカプト-エチル-ピリヂン) HYPERCEL(登録商標)(Cyphergen, Fremont, CA PN 12035-010) 抽出カラムが用意された。MEP HYPERCEL(登録商標) 樹脂は、80-100 μm の大きさの粒子で、モノクローナルとポリクローナル抗体の捕獲と精製のために設計されている。抽出カラムは、使われるまでは、冷蔵庫に0.01% のアジ化ナトリウムの水系溶液内に保管される。
【0084】
実施例3
10 μL と 20 μL層容積G蛋白質SEPHAROSE(登録商標)抽出カラムのアンチレプチンモノクローナル抗体IgGの準備
実施例2に記述されているように、G蛋白質SEPHAROSE(登録商標) 4 Fast Flow(Amersham Biosciences, Piscataway, NJ, PN 17-0618-01) 抽出カラムが用意された。
興味のあるIgG (HTS Biosystems, Hopkinton, MA) の入った500 μL の無血清培地(HTS Biosystems, Hopkinton, MA) は500 μL のスタンダードPBS緩衝液と組み合わされた。その結果できた1 mL のサンプルは、G蛋白質で充填された層をおよそ1 mL/分(又は、およそ15 cm/分)のフローの速度で通され、ピペットのティップへ注入された。その後、サンプルは、およそ同じ速度のフローで廃棄物へ押し出された。余分な緩衝液は、層から1 mL の脱イオン水をピペットカラムにおよそ1 mL/分の速度で吸引して、除去された。水は、できるだけ押し出され、カラム層ができるだけ乾燥するように押し出された。IgGは、100 mL のグリシン・塩化水素、pH 2.5 (20 μL 層容積の場合、20 μL 溶出液で、10 μL 層容積の場合、15 μL 溶出液である)の適切な溶出液容積を吸引する事によって、カラムから溶出された。溶出液が完全に層に吸引されたら、層に五、六回前後に「ポンプで出し入れされ」、IgGの入った溶出液は、その後、層から完全に排出された。その後、溶出液は、100 mM NaH2PO4/100 mM Na2HPO4 (20 μL 層容積の場合、5 μL 中性緩衝液で、10 μL 層容積の場合、4 μL 中性緩衝液である)で中性化された。精製され、濃縮された抗体はアレー用に用意が整った形になった。
【0085】
実施例4
10 μL と20 μL G蛋白質層容積SEPHAROSE(登録商標) 抽出カラムでのアンチレプチンモノクローナル抗体IgGの精製
実施例2に記述されているように、G蛋白質SEPHAROSE(登録商標) 4 Fast Flow(Amersham Biosciences, Piscataway, NJ, PN 17-0618-01) 抽出カラムが用意された。
興味のあるIgG (HTS Biosystems, Hopkinton, MA) の入った500 μL の無血清培地(HTS Biosystems, Hopkinton, MA) は500 μL のスタンダードPBS緩衝液と組み合わされた。その結果できた1 mL のサンプルは、G蛋白質で充填された層をおよそ1 mL/分(又は、およそ150 cm/分の直線速度)のフローの速度で通され、ピペットのティップへ注入された。その後、サンプルは、およそ同じ速度のフローで廃棄物へ押し出された。余分な緩衝液は、層から1 mL の脱イオン水をピペットカラムにおよそ1 mL/分の速度で吸引して、除去された。水は、できるだけ押し出され、カラム層ができるだけ乾燥するように押し出された。IgGは、10 mM の燐酸 (H3PO4)、pH 2.5 (20 μL 層容積の場合、20 μL 溶出液で、10 μL 層容積の場合、15 μL 溶出液である)の適切な溶出液容積を吸引する事によって、カラムから溶出された。溶出液が完全に層に吸引されたら、層に五、六回前後に「ポンプで出し入れされ」、IgGの入った溶出液は、その後、層から完全に排出された。その後、溶出液は、100 mM H2NaPO4/100 mM HNa2PO4, pH 7.5 (20 μL 層容積の場合、5 μL 中性緩衝液で、10 μL 層容積の場合、4 μL 中性緩衝液である)で中性化された。精製され、濃縮された抗体はアレー用に用意が整った形になった。
【0086】
実施例5
精製されたIgGをグレーティング対表面プラズモン共鳴によっての分析
実施例4でのアンチレプチンモノクローナル抗体IgGの精製されたサンプルはGC-SPRで分析された。分析用に使われたシステムは、FLEX CHIP(登録商標) 動力学的解析システムで(HTS Biosystems, Hopkinton, MA)、金の薄膜で塗られたプラスチックの光格子の上に生体分子の配列が固定化された。精製されたIgGを固定化するために、金の薄膜化された格子は、EtOH (ETOHの流れの下で10-20 秒)洗い、きれいにされた。その後、金の薄膜化された格子は、EtOHの中に入った1 mM の11-mercptoundecanoic acid (MUA) 溶液に一時間浸され、自己組織化された単分子膜が作られた。表面はEtOHと超純水で完全に洗浄され、窒素の流れの下で乾燥された。75 mM EDC (1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩)と15mM スルホ-NHS(N-hydroxysulfo-succinimide) の新しい溶液が水の中で用意された。EDC/NHSの溶液の部分が表面に加えられ、20-30分間反応され、その後、表面は超純水で完全に漱ぎ落とされた。PBSのA/G蛋白質の1 mg/mL、pH 7.4, の一部が表面に加えられた。表面は湿気のある環境に置かれ、1-2時間反応された。表面は気乾され、超純水で漱ぎ落とされ、その後、窒素の流れの下で乾燥された。IgGを配列する寸前に、表面は、一般に入手できるアレー化するシステムの給湿室に入れて再水化された(例えば、Cartesian MicroSys synQUAD System)。精製されたアンチレプチンは表面に、事前に記述された(J. Brockman, et al, “Grating-Coupled SPR: A Platform for Rapid, Label-free, Array-Based Affinity Screening of Fabs and Mabs”, 12th Annual Antibody Engineering Conference, December 2-6, 2001, San Diego, CA) とおり配列され、表面はHTS Biosystems FLEX CHIP System に入れられた。PBS, pH 7.4, の中の150 nM のレプチンは、FLEX CHIP System を通して表面に加えられ、リアルタイムの結合シグナルが、あらかじめ記述されたよう (同じ個所に) に集められた。これらのリアルタイム結合シグナルは、あらかじめ記述された方法に従って、数学的に解析され(D. Myszka, “Kinetic analysis of macromolecular interactions using surface plasmon resonance biosensors”, Current Opinion in Biotechnology, 1997, Vol 8, pp. 50-57) 抽出の会合速度定数 (ka) と, 解離速度定数 (kd) と、解離親和定数 (Kd = kd/ka) である。下のテーブルIIに動力学的データが表記されている。
「無処理」の最初の組のデータは、検出可能なIgGが存在する場合、無血清培地の物質が誤差に寄与する事が指摘される。これらのデータは、実験内で同じ濃度のIgGが認められた場合、算出された解離親和定数はほぼ6倍近く(18 nM対 3.2 nM)違うことがある。これは、IgGの濃度と構成は各サンプル全く同じの為、無血清培地内の部分がIgGと共配列された結果でしか起こらない。従って、配列する前に、IgGの濃度に関係なく、余計な部分を除去する必要があることが立証される。
「処理」の二つ目の組のデータは、検出可能 (20 μg/mL) なIgGの量が存在する場合、サンプル処理は十分プロセスできるシグナルが発生されるだけでなく、余計な部分が発生する誤差を削除できる。これらのデータは、解離親和定数はPBS内(無処理)の精製された500 μg/mL のIgGと、この発明で一度プロセスされた(5.9 nM対6.6 nM)、無血清培地内の算出された20 μg/mL のIgGとほぼ同一であることが示唆される。
【0087】
実施例6
抽出カラムで核酸の精製
実施例1でのカラムは、21 μm の孔隙の大きさのSPECTRA/MESH(登録商標)ポリエステル網目物質(Spectrum Labs, Ranch Dominguez, CA, PN 148244) に実施例2に記述されているのと同じ工程で取り付けられる。10 μL 層容積カラムは、粒子の大きさ30-50 μm のPELLICULAR C18 (Altech, Deerfield, IL, PN28551) によって満たされる。抽出カラムの一つの末端はピペッターポンプ(Gibson, Middleton, WI, P-1000 PipetteMan) に接続され、他の末端は、動かすことができ、異なった位置で物質を取り上げる事ができるか、沈殿できる装置に接続されている。
抽出カラムは、1 mL の注入器 (VWR, Brisbane, CA, PN 53548-000) でできていて、一つの末端はピペッターポンプ (Gibson, Middleton, WI, P-1000 PipetteMan) に接続され、他の末端は、動かすことができ、異なった位置で物質を取り上げる事ができるか、沈殿できる装置に接続されている。
0.01 μg のDNAが入った100 μL サンプルは、US特許4,683,195 に記述されて工程に従って、ヒトヘモグロビン遺伝子内の対立MstII部位に延びる100 bp シーケンスのPCR増幅を使って用意される。10 μL のトリエチルアンモニウム酢酸塩の凝縮 (TEAA) が加えられ、溶液の最終容積が110 μL になり、サンプル内のTEAAの濃度が100 mM になる。サンプルはカラムに加えられ、DNA/TEAAイオン対複合体が吸着される。
サンプルは、カラムから噴出され、10 μL の50% (v/v) アセトニトリル・水がカラム内に通され、DNAが脱離され、サンプルは分析用にバイアルに沈殿される。
【0088】
実施例7
抽出カラムで蛋白質を脱塩する事
実施例1でのカラムは、21 μm の孔隙の大きさのSPECTRA/MESH(登録商標)ポリエステル網目物質(Spectrum Labs, Ranch Dominguez, CA, PN 148244) に実施例2に記述されているのと同じ工程で取り付けられる。10 μL 層容積カラムは、粒子の大きさ30-50 μm のPELLICULAR C18 (Altech, Deerfield, IL, PN28551) によって満たされる。抽出カラムの一つの末端はピペッターポンプ(Gibson, Middleton, WI, P-1000 PipetteMan) に接続され、他の末端は、動かすことができ、異なった位置で物質を取り上げる事ができるか、沈殿できる装置に接続されている。
サンプルは、燐酸緩衝食塩 (0.9% w/v NaCl, 10 mM 燐酸ナトリウム、pH 7.2) 水緩衝液の0.1 μg のA蛋白質キナーゼの入った100 μL の溶液である。10 μL のトリフルオロ酢酸の10%水溶液が加えられ、溶液の最終容積が110 μL になり、サンプル内のTFAの濃度が0.1%になる。カラム内にサンプルが入れられ、蛋白質・TFA複合体は層の逆相に吸着される。
カラムからサンプルが噴出され、10 μL の50% (v/v) アセトニトリル・水がカラムに通され、抽出成分層から蛋白質が脱離され、サンプルは分析用にバイアルに沈殿される。
二者択一的に、層は10 μL の0.1% の水系TFAで洗浄しても良い。この溶液はカラムから除去され、蛋白質は脱離され、容器に沈殿される。
必要であれば、二者択一的に、サンプルがエレクトロスプレーイオントラップ型質量分析器で分析されるときには、TFAの変わりに、1% のヘプタフルオロ酪酸(HFBA)を使ってイオン制御効果を削減する。
【0089】
実施例8
真っ直ぐな接続の形態
この実施例は、カラム本体は上側のチューブラー部分と逆浸透膜スクリーンをまっすぐな形態で結び付け、作られる形体が記述されている。
第11図では、カラムは、上側チューブラー部分120と、下側チューブラー部分122と、上の逆浸透膜スクリーン124と、下の逆浸透膜スクリーンと、上下のチューブラー部分を保持する下側のチューブラーの環134で形成されている。上側の逆浸透膜スクリーンは、上下のチューブラー部分で保持されている。上側の逆浸透膜スクリーンと、下側の浸透膜スクリーンと、下側のチューブラー部分のチャンネルの表面130が抽出成分層132(すなわち、充填物質)の入った抽出成分小室128を定義づけている。第11図に表記されているチュウブラー部分は円錐台形状の形をしているが、これに関連した形態は異なった、たとえば、円筒状の、形をしている。
カラムを作るには、色々な部品が、ポリピレンから射出成形されたもの、又はPEEKポリマーから工作された部品から形成され、特定のカラムの長さや直径や、末端がそれぞれ絡み合うように作られている。雄とと雌のカラム本体の部分の形体は、組み立てに使われる方法と部分を一緒に保持する方法によって、異なった形になる。
部品は接着されるか、溶接される。二者択一的に、スナップで取り付けられる。スナップで部品を取り付ける場合、雌の部分にへりがあり、雄の部分に溝があり、一度組み立てられれば、部品が保持され、封される。逆浸透膜スクリーンはオートマチックに組み立て中に切断されるか、組み立てられた後に、切り取られる。
【0090】
実施例9
末端の蓋と保持用の環の形態
この実施例は、末端の蓋と保持用に環の形態が、20 μl のカラム充填剤層の入った逆浸透膜スクリーンを保持する為に使われる形態を説明する。第12図にこの形態が表記されている。
図案を参照すると、ピペットのティップ140 (VWR, Brisbane, CA, PN 53508-987) スムーズな側面と真っ直ぐな、平たい下の先142を作る為かみそりの刃で切り落とされ、後で押し入れこみ、合わせる事ができるようにされた。末端の蓋144は、PEEKポリマーのチューブから工作され、下側の逆浸透膜スクリーン146が保持された。
二つの異なった直径のスクリーンが、一つは上の逆浸透膜スクリーン148用で、もう一つは下の逆浸透膜スクリーン146用で、丸のこ盤 (Pace Punches, Inc., Irving, CA) でポリエステルの金網目 (Spectrum Labs, Ranch Dominguez, CA, PN 145836) から切り出された。下の逆浸透膜スクリーンは、20 μL のビーズ容積層150は、カラム本体に40 μL のG蛋白質アゴロース樹脂の50%スラリーがピペットで注入され作られた。二つの保持環が、ビーズ層の上に逆浸透膜スクリーンを取り付ける為使われた。保持環は、1/8 インチ直径のポリピレンチューブを入手し、チューブからかみそりの刃で薄い円状の環を切り出して用意された。最初の保持環152は、カラムに挿入され、同じ直径の金棒で層の上から押し込められた。逆浸透膜スクリーン148は、最初の保持環の上に位置され、その後、二つ目の保持環154は、下に押し入れられ、逆浸透膜スクリーンをはさんで「サンドイッチ」にして、同時に。スクリーン形態全体を層の上から押し込み、デッドヴォリュムが除去されるようにした。逆浸透膜は柔軟性があり、自然に層の上にその形に合うように入った。
カラムは、1000 μL のピペッター (Gilson, Middleton, WI, P-1000 PipetteMan) に接続され、水が層を通してポンプで流し込まれ、層から排泄された。カラムは水溶液を通すのに低抵抗であった。
この発明は、此処に具体的な形態を使って説明されたが、修正を加える事が可能な事は重々承知のとおりで、この応用は、この発明の変形、又は使用、又は適応をすべて含んでいる事意図としていて、一般的に、ここで表記した、この発明が関係しているか、又は、この基本的な特色を適応して、一般的に知られている技巧や慣習によって生まれる新案も、この発明の原理に帰属している。その上、更に、発明の或る見地が好まれる形態であることの事実は、この発明をそれらの好まれる形態だけに制限することを故意にしたのではない。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】尖塔状のピペットのティップから抽出カラム本体が作られたこの発明の形態を描写したものである。
【図2】第1図の抽出カラムの拡大図を描写したものである。
【図3】二つの円筒状のメンバーから抽出カラムが作られたこの発明の形態を描写したものである。
【図4】円筒状の固体相成分層が入ったティップとスポイトのこの発明の形態を描写したものである。
【図5】第4図の抽出カラムの部分のスポイトの形態を拡大した図である。
【図6】第1図と第2図の形態の成形の段階を継続的に描写したものである。
【図7】第1図と第2図の形態の成形の段階を継続的に描写したものである。
【図8】第1図と第2図の形態の成形の段階を継続的に描写したものである。
【図9】第1図と第2図の形態の成形の段階を継続的に描写したものである。
【図10】第1図と第2図の形態の成形の段階を継続的に描写したものである。
【図11】実施例8に記述されたこの発明の真っ直ぐな連結部の形態を描写したものである。
【図12】実施例9に記述されたこの発明のリテーナーリングと末端のキャップの形態を描写したものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
小デッドヴォリューム抽出カラムは下記のもので構成されている。
i)ポンプが取り付けられるオープンの上側の末端があるカラム本体で、液体を抽出入できるオープンの下側の末端があるカラム本体で、オープンチャンネルがカラム本体の上下の末端の間にあり、
ii)下の低質量域はオープンチャンネルに結合され、横切って延び、下の低質量域は低孔隙容積であり、
iii)上の低質量域は、下の低質量域とカラム本体のオープンの上の末端の間のオープンチャンネルに結合され、横切って延び、上の低質量域は低孔隙容積で、上の低質量域と下の低質量域とチャンネルの表面が抽出成分小室を定義し、
iv)抽出成分層は抽出成分小室の中に位置される。
【請求項2】
請求事項1の小デッドヴォリューム抽出カラムで、下の低質量域はカラム本体のオープンの下側の末端に位置される。
【請求項3】
請求事項1の小デッドヴォリューム抽出カラムで、下の低質量域は200マイクロン以下の厚さである。
【請求項4】
請求事項1の小デッドヴォリューム抽出カラムで、下の低質量域は、孔隙容積が抽出成分層組織容積の10%かそれ以下と相等しい。
【請求項5】
請求事項1の小デッドヴォリューム抽出カラムで、下の低質量域は、0.5 マイクロリッターかそれ以下の孔隙容積である。
【請求項6】
請求事項1の小デッドヴォリューム抽出カラムで、抽出成分は、ゲルタイプの充填剤の充填層で構成されている。
【請求項7】
請求事項5の小デッドヴォリューム抽出カラムで、ゲルタイプの充填剤はアガロースとセファロースで構成されている基から選ばれる。
【請求項8】
請求事項1の小デッドヴォリューム抽出カラムで、抽出成分層は20マイクロリッターかそれ以下の層容積である。
【請求項9】
請求事項1の小デッドヴォリューム抽出カラムで、下の低質量域は逆浸透膜スクリーンで、上の低質量域は選択的に逆浸透膜スクリーンである。
【請求項10】
請求事項8の小デッドヴォリューム抽出カラムで、逆浸透膜スクリーンはナイロンかポリエステルの織られた逆浸透膜である。
【請求項11】
請求事項1の小デッドヴォリューム抽出カラムで、抽出成分はゲルタイプクロマトグラフィービードで形成している。
【請求項12】
請求事項1の小デッドヴォリューム抽出カラムで、抽出成分は、興味のある生体分子に親和力のある親和性結合基で形成している。
【請求項13】
請求事項11の小デッドヴォリューム抽出カラムで、親和性結合基は、A蛋白質とG蛋白質と固定化された金属基から選択される。
【請求項14】
請求事項1の小デッドヴォリューム抽出カラムで、カラム本体で、ポリカーボネート、又はポリプロピレン、又はポリエチレン物質が形成している。
【請求項15】
請求事項1の小デッドヴォリューム抽出カラムで、一つ目と二つ目の逆浸透膜ろ過装置は、接着剤か溶接でカラム本体に結合される。
【請求項16】
請求事項1の小デッドヴォリューム抽出カラムで、抽出成分小室の容積は20マイクロリッターかそれ以下である。
【請求項17】
請求事項1の小デッドヴォリューム抽出カラムで、抽出成分層は、2 mgsかそれ以下の乾燥重量である。
【請求項18】
請求事項1の小デッドヴォリューム抽出カラムで、抽出成分は、蛋白質精製のために使われる親和性ビーズと、蛋白質精製のために使われるイオン交換ビーズと、蛋白質精製のために使われる疎水性相互作用ビーズと、IgG蛋白質精製のために使われるアガロースG蛋白質ビーズと、IgG蛋白質精製のために使われるHypercellビーズで形成されたグループから選ばれた抽出ビードで形成している。
【請求項19】
請求事項1の小デッドヴォリューム抽出カラムで、カラム本体は、ルアーアダプターか、注入器か、ピペットのティップで形成している。
【請求項20】
請求事項1の小デッドヴォリューム抽出カラムで、カラム本体の上側の末端は、カラム本体の下側の末端を通して液体を吸引する為のポンプが取り付けられている。
【請求項21】
請求事項1の小デッドヴォリューム抽出カラムで、ポンプは、ピペッターか、注入器か、ペリスタルチックポンプか、電動ポンプか、誘導式の流体ポンプである。
【請求項22】
請求事項1の小デッドヴォリューム抽出カラムで、下記のもので形成されている。
i)下のチューブラー部分は、カラム本体の下側の末端と、最初の絡み合う先と、カラム本体の下側の末端と最初の絡み合う先の間の下側のオープンチャンネルで形成し、上側のチューブラー部分は、カラム本体の上側の末端と、二つ目の絡み合う先と、カラム本体の上側の末端と二つ目の絡み合う先の間の上側のオープンチャンネルで形成し、
ii)抽出カラムの上の逆浸透膜スクリーンが、二つ目の絡み合う先で上側のオープンチャンネルが結合され、横切って延びていて、最初の絡み合う先が二つ目の絡み合う先に密封された形で繋がれている。
【請求項23】
請求事項22の小デッドヴォリューム抽出カラムで、最初の絡み合う末端は、二つ目の外側の直径が合致する内側の直径があり、最初の絡み合う先は、二つ目の絡み合う先をテレスコープにような形で受け止めるようになっている。
【請求項24】
請求事項23の小デッドヴォリューム抽出カラムで、最初の絡み合う先にはテーパ穴軸受があり、二つ目の絡み合う先の外側の円筒の表面と合致するようになっている。
【請求項25】
サンプル溶液からアナライトを抽出する方法は次のステップから構成されている。
i)請求事項20の抽出カラムのカラム本体の下側の末端を、アナライトが入っているサンプル溶液に接触させ、カラムに或る量のサンプル溶液を吸引させ、抽出成分層に或る量のサンプル溶液が入り、抽出成分によってアナライトが吸着され、
ii)抽出カラム本体の下側の末端を通してサンプル溶液が排出され、
iii)カラム本体の下側の末端が脱離溶液に触れ、カラムに或る量の脱離溶液が吸引され、或る量のサンプル溶液が抽出成分層に入り、脱離溶液内に抽出成分からアナライトが脱離され、
iv)カラムの下側の末端を通してアナライトの入った脱離溶液が排出される。
【請求項26】
請求項目25の方法で、カラムは、カラム本体の下側の末端を通して液体が吸引し、排出する為のポンプが取り付けられ、ポンプは、抽出カラムからアナライトが入った脱離溶液とサンプル溶液を排出する為に使われる。
【請求項27】
請求項目25の方法で、ステップ (ii) と (iii) の間でカラムの下側の末端から或る量の洗浄液がカラムに吸引され、その後、カラムの下側の末端より排出され、抽出成分層が洗浄される。
【請求項28】
請求項目25の方法で、カラムに吸引される脱離溶液は、抽出ビーズ充填層の組織容積の三倍より少ない容積である。
【請求項29】
請求項目25の方法で、或る量の脱離溶液がカラムに一度以上吸引され、排出される。
【請求項30】
請求項目25の方法で、アナライトが生体高分子である。
【請求項31】
請求項目30の方法で、生体高分子が蛋白質である。
【請求項32】
請求項目31の方法で、アナライトが入った脱離溶液が蛋白質チップに入れられる。
【請求項33】
請求項目31の方法で、アナライトが入った脱離溶液が質量分析器に入れられる。
【請求項34】
請求項目31の方法で、サンプル溶液がハイブリドーマ細胞培養上清である。
【請求項1】
小デッドヴォリューム抽出カラムは下記のもので構成されている。
i)ポンプが取り付けられるオープンの上側の末端があるカラム本体で、液体を抽出入できるオープンの下側の末端があるカラム本体で、オープンチャンネルがカラム本体の上下の末端の間にあり、
ii)下の低質量域はオープンチャンネルに結合され、横切って延び、下の低質量域は低孔隙容積であり、
iii)上の低質量域は、下の低質量域とカラム本体のオープンの上の末端の間のオープンチャンネルに結合され、横切って延び、上の低質量域は低孔隙容積で、上の低質量域と下の低質量域とチャンネルの表面が抽出成分小室を定義し、
iv)抽出成分層は抽出成分小室の中に位置される。
【請求項2】
請求事項1の小デッドヴォリューム抽出カラムで、下の低質量域はカラム本体のオープンの下側の末端に位置される。
【請求項3】
請求事項1の小デッドヴォリューム抽出カラムで、下の低質量域は200マイクロン以下の厚さである。
【請求項4】
請求事項1の小デッドヴォリューム抽出カラムで、下の低質量域は、孔隙容積が抽出成分層組織容積の10%かそれ以下と相等しい。
【請求項5】
請求事項1の小デッドヴォリューム抽出カラムで、下の低質量域は、0.5 マイクロリッターかそれ以下の孔隙容積である。
【請求項6】
請求事項1の小デッドヴォリューム抽出カラムで、抽出成分は、ゲルタイプの充填剤の充填層で構成されている。
【請求項7】
請求事項5の小デッドヴォリューム抽出カラムで、ゲルタイプの充填剤はアガロースとセファロースで構成されている基から選ばれる。
【請求項8】
請求事項1の小デッドヴォリューム抽出カラムで、抽出成分層は20マイクロリッターかそれ以下の層容積である。
【請求項9】
請求事項1の小デッドヴォリューム抽出カラムで、下の低質量域は逆浸透膜スクリーンで、上の低質量域は選択的に逆浸透膜スクリーンである。
【請求項10】
請求事項8の小デッドヴォリューム抽出カラムで、逆浸透膜スクリーンはナイロンかポリエステルの織られた逆浸透膜である。
【請求項11】
請求事項1の小デッドヴォリューム抽出カラムで、抽出成分はゲルタイプクロマトグラフィービードで形成している。
【請求項12】
請求事項1の小デッドヴォリューム抽出カラムで、抽出成分は、興味のある生体分子に親和力のある親和性結合基で形成している。
【請求項13】
請求事項11の小デッドヴォリューム抽出カラムで、親和性結合基は、A蛋白質とG蛋白質と固定化された金属基から選択される。
【請求項14】
請求事項1の小デッドヴォリューム抽出カラムで、カラム本体で、ポリカーボネート、又はポリプロピレン、又はポリエチレン物質が形成している。
【請求項15】
請求事項1の小デッドヴォリューム抽出カラムで、一つ目と二つ目の逆浸透膜ろ過装置は、接着剤か溶接でカラム本体に結合される。
【請求項16】
請求事項1の小デッドヴォリューム抽出カラムで、抽出成分小室の容積は20マイクロリッターかそれ以下である。
【請求項17】
請求事項1の小デッドヴォリューム抽出カラムで、抽出成分層は、2 mgsかそれ以下の乾燥重量である。
【請求項18】
請求事項1の小デッドヴォリューム抽出カラムで、抽出成分は、蛋白質精製のために使われる親和性ビーズと、蛋白質精製のために使われるイオン交換ビーズと、蛋白質精製のために使われる疎水性相互作用ビーズと、IgG蛋白質精製のために使われるアガロースG蛋白質ビーズと、IgG蛋白質精製のために使われるHypercellビーズで形成されたグループから選ばれた抽出ビードで形成している。
【請求項19】
請求事項1の小デッドヴォリューム抽出カラムで、カラム本体は、ルアーアダプターか、注入器か、ピペットのティップで形成している。
【請求項20】
請求事項1の小デッドヴォリューム抽出カラムで、カラム本体の上側の末端は、カラム本体の下側の末端を通して液体を吸引する為のポンプが取り付けられている。
【請求項21】
請求事項1の小デッドヴォリューム抽出カラムで、ポンプは、ピペッターか、注入器か、ペリスタルチックポンプか、電動ポンプか、誘導式の流体ポンプである。
【請求項22】
請求事項1の小デッドヴォリューム抽出カラムで、下記のもので形成されている。
i)下のチューブラー部分は、カラム本体の下側の末端と、最初の絡み合う先と、カラム本体の下側の末端と最初の絡み合う先の間の下側のオープンチャンネルで形成し、上側のチューブラー部分は、カラム本体の上側の末端と、二つ目の絡み合う先と、カラム本体の上側の末端と二つ目の絡み合う先の間の上側のオープンチャンネルで形成し、
ii)抽出カラムの上の逆浸透膜スクリーンが、二つ目の絡み合う先で上側のオープンチャンネルが結合され、横切って延びていて、最初の絡み合う先が二つ目の絡み合う先に密封された形で繋がれている。
【請求項23】
請求事項22の小デッドヴォリューム抽出カラムで、最初の絡み合う末端は、二つ目の外側の直径が合致する内側の直径があり、最初の絡み合う先は、二つ目の絡み合う先をテレスコープにような形で受け止めるようになっている。
【請求項24】
請求事項23の小デッドヴォリューム抽出カラムで、最初の絡み合う先にはテーパ穴軸受があり、二つ目の絡み合う先の外側の円筒の表面と合致するようになっている。
【請求項25】
サンプル溶液からアナライトを抽出する方法は次のステップから構成されている。
i)請求事項20の抽出カラムのカラム本体の下側の末端を、アナライトが入っているサンプル溶液に接触させ、カラムに或る量のサンプル溶液を吸引させ、抽出成分層に或る量のサンプル溶液が入り、抽出成分によってアナライトが吸着され、
ii)抽出カラム本体の下側の末端を通してサンプル溶液が排出され、
iii)カラム本体の下側の末端が脱離溶液に触れ、カラムに或る量の脱離溶液が吸引され、或る量のサンプル溶液が抽出成分層に入り、脱離溶液内に抽出成分からアナライトが脱離され、
iv)カラムの下側の末端を通してアナライトの入った脱離溶液が排出される。
【請求項26】
請求項目25の方法で、カラムは、カラム本体の下側の末端を通して液体が吸引し、排出する為のポンプが取り付けられ、ポンプは、抽出カラムからアナライトが入った脱離溶液とサンプル溶液を排出する為に使われる。
【請求項27】
請求項目25の方法で、ステップ (ii) と (iii) の間でカラムの下側の末端から或る量の洗浄液がカラムに吸引され、その後、カラムの下側の末端より排出され、抽出成分層が洗浄される。
【請求項28】
請求項目25の方法で、カラムに吸引される脱離溶液は、抽出ビーズ充填層の組織容積の三倍より少ない容積である。
【請求項29】
請求項目25の方法で、或る量の脱離溶液がカラムに一度以上吸引され、排出される。
【請求項30】
請求項目25の方法で、アナライトが生体高分子である。
【請求項31】
請求項目30の方法で、生体高分子が蛋白質である。
【請求項32】
請求項目31の方法で、アナライトが入った脱離溶液が蛋白質チップに入れられる。
【請求項33】
請求項目31の方法で、アナライトが入った脱離溶液が質量分析器に入れられる。
【請求項34】
請求項目31の方法で、サンプル溶液がハイブリドーマ細胞培養上清である。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2006−515562(P2006−515562A)
【公表日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−521804(P2004−521804)
【出願日】平成15年7月14日(2003.7.14)
【国際出願番号】PCT/US2003/021998
【国際公開番号】WO2004/007081
【国際公開日】平成16年1月22日(2004.1.22)
【出願人】(504455089)フィネクサス, インク. (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成15年7月14日(2003.7.14)
【国際出願番号】PCT/US2003/021998
【国際公開番号】WO2004/007081
【国際公開日】平成16年1月22日(2004.1.22)
【出願人】(504455089)フィネクサス, インク. (1)
【Fターム(参考)】
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