説明

こんにゃく粉末

【課題】日本人の肥満は、生活習慣病の原因である。生活習慣病の改善は肥満を改善することで解決できる。日本人の健康維持と医療費高騰の抑制が課題である。
【解決手段】加熱殺菌されたこんにゃく乾燥粉末をサプリメントに利用することにある。サプリメントの利用目的は、こんにゃく乾燥粉末の水分を含むと膨張する特性を活かして、粉末自体を摂取し、胃に膨満感を与え、食事の量を減らすことにある。また、こんにゃくの有する食物繊維が、食材の吸収時間を調節し、食事の排泄にも役立つ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱殺菌されたこんにゃく乾燥粉末の特性を生かしたダイエット素材としての利用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこんにゃくの利用方法は、こんにゃく乾燥粉末に石灰等の凝固剤を添加し、こんにゃく製品を作り、おでん、煮しめ、刺身こんにゃく、糸こんにゃくに利用されている。最近はこんにゃく乾燥粉末をそば、ゼリー、パン等に配合した製品が人気を集めている。
こんにゃくは薬用植物として全国に広がった歴史がある。徳川時代に御殿医として有名な曲直瀬道三がこんにゃくを好んで利用したことは歴史書に記載されている。
今日では、こんにゃくが水分を含むと膨張する性質を利用した製品は作られているが、こんにゃく粉末の膨張特性を生かしたサプリメント製品は上市されていない。
【発明の開示】

【発明を解決しようとする課題】
【0003】
日本人の健康維持を課題とし、その解決方法としてこんにゃくを利用することにある。今や日本の医療は破壊寸前である。このまま医療費の高騰が進めば、医療制度が崩壊するところまできている。この医療費の高騰をいかに抑えるか、厚生労働省も苦悩している。
この医療費高騰の原因は、日本人の食生活の変化による肥満が生活習慣病を誘発させている。
肥満を改善すれば、生活習慣病の主要原因のひとつを断つことが出来る。
しかし、日本人が食べている加工食品の殆どは、加工技術の発達により高カロリーで吸収されやすい製品に仕上っている。特に製粉技術の発達は目覚しく、殆どの原料が超微粒子の粉末に仕上がっている。結果、食べた物の大半が短時間で、体内に吸収されて栄養になってしまう。エネルギー消費されない栄養素は、体内に脂肪として蓄積され、肥満の原因になる。
昔は石臼などで引いて粉にするが、粒子が粗く、吸収に時間がかかるため、食べ物の何割かは排泄される。食生活には吸収時間が重要である。吸収時間を調節する役目が食物繊維であるが、加工食品には食物繊維は皆無である。さらに、労働に関して現代人とは比較にならない。
また、加工食品は高カロリー食品が多く、体内のエネルギー消費のアンバランスが肥満の原因になっている。運動不足ということである。
この高カロリーで吸収率の高い食品に対して、こんにゃく乾燥粉末の特性を利用して肥満予防に役立てることが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
従来のこんにゃく製品は、こんにゃくの膨張を利用して製品化している。本発明は、こんにゃく乾燥粉末自体の膨張する性質を利用して、医療費高騰の原因である肥満を改善することにある。こんにゃく乾燥粉末は、生のこんにゃくを乾燥粉末化したもので、このまま摂取することは出来ない。摂取する為には、こんにゃく乾燥粉末に熱を加える事は必須条件である。加熱温度は80度以上を維持し、乾燥粉末の芯温度が80度以上になるまで過熱しつづけることが条件である。加熱方法は、検討の結果、蒸す方法が最適であることがわかった。こんにゃく乾燥粉末を加熱に耐えるビニール袋に適量包装して、蒸すことで製品化するための原料を製造することができる。芯温度80度以上で加熱殺菌されたこんにゃく乾燥粉末を利用して、水分を含むと膨張する性質を利用してサプリメントを作ることが出来る。
【発明の効果】
【0005】
こんにゃく乾燥粉末は水を含んで30倍に膨れ上がる。これを利用してこんにゃく製品は作られているが、こんにゃく乾燥粉末が水を含むと膨張する性質を利用して、粉末自体を体内に摂取させるダイエットサプリを作ることが出来る。
食事前に、適量の加熱殺菌されたこんにゃく乾燥粉末を飲むことで、胃に膨満感が生じ、食事の量が激減する。また、こんにゃくの食物繊維が食べ物の排泄に大きな役割を果たす。
さらに、こんにゃくの特性はすばらしく、女性の更年期障害(不定愁訴)の改善に役立ち、有効成分は抗コレステロール作用、血圧効果作用、抗腫瘍作用、甲状腺肥大、糖尿病の治療と予防、ビフィズス菌増殖作用、脂質代謝改善作用などすばらしい効能効果が期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
加熱殺菌されたこんにゃく乾燥粉末は、自然状態に維持しかつその新鮮さを保持しつつ素材から商品化への加工工程において、酵素や熱、水、圧力、空気、酸化等の品質劣化要因の少ない商品形態に考慮しなければならない。また、一日の生産量、消費量、摂取量、取扱い易さ、コスト、関係法規の要因も考慮しなければならない。
製品化は、自体公知の酵素或は食品添加物、賦形剤、医薬担体と自体公知の方法で配合し、特性を生かした効能効果を有するこんにゃく乾燥粉末にすることができる。用いる酵素或いは食品添加物は特に限定するものではなく、目的とする効能効果の具体的用途に応じて当業者が適宜選択できる。また、形態も特に限定するものではなく、具体的用途に応じていろいろな形状にすることができる。
【実施例】
【0007】
加熱殺菌されたこんにゃく乾燥粉末を3g、キシリトールを4g、ビタミンCを200mg配合した原料を1袋づつに入れて、実験を行った。
実験に参加した4名は、28歳の男性、86歳の女性、63歳の男性、59歳の女性である。
各人の身長・体重は、28歳の男性 身長167cm・75kg、86歳の女性 身長153cm・体重52kg、63歳の男性 身長171cm・体重71kg、59歳の女性 身長164cm・体重57kgである。
各人、食事の前にこんにゃく粉末サプリメントを1袋づつ摂取して、2週間経過した。
結果、4名の体重は、全員減量に成功した。一番体重が減ったのは28歳の男性で、3kgの減量を確認した。
【産業上の利用可能性】
【0008】
加熱殺菌されたこんにゃく乾燥粉は、いろいろな味に変化させることが出来る素材である為、サプリメントに最適である。顆粒状に成形された加熱殺菌されたこんにゃく乾燥粉末サプリメントを食事の前に摂取することで、こんにゃくの有する特性により、肥満の解決に役立つ。
肥満の解決は、日本人の殆どが抱えている生活習慣病の改善に役立ち、健康な毎日を送ることが出来る。結果、日本が抱えている医療費高騰の抑制策にも大いに貢献できる。
現在、市場で人気のあるサプリメントは、水を含むと10倍に膨れ上がる種子のバジルやチアシードである。胃の膨満感が食事の量を減らすことが出来る素材として、ダイエット素材として販売されている。このバジルやチアシードはテレビ放映されたため、原料が品切れ状態である。
原因は種子の為、収穫時期があること、輸入原料であることが品切れ状態を起こしていると思われる。
その点、こんにゃく乾燥粉末は、日本の食材に使われ原料に関して不足することはない。また、原料自体が、日本人に古くから愛されている素材である。さらに、こんにゃく粉末は30倍に膨れ上がる素材である。加熱殺菌されたこんにゃく乾燥粉末は、肥満予防サプリメントの原料として充分期待できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱殺菌されたこんにゃく粉末が水分を含むと膨張する特性を生かしたダイエット素材としての利用方法

【公開番号】特開2007−295906(P2007−295906A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−147412(P2006−147412)
【出願日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(505308179)有限会社健康の駅 (10)
【Fターム(参考)】