しゃもじ受け具
【課題】デザイン性を確保しつつ、かつ操作性のよいしゃもじ受け具を提供することを目的とする。
【解決手段】しゃもじ受け具6は、炊飯器本体1の持ち運び用のハンドル3に着脱自在に取付け可能な取付け部7と、しゃもじ把手部8の取付け方向に開放してしゃもじ5を保持するしゃもじ保持部9とを有する。これによって、しゃもじ保持部9からしゃもじ把手部8を抜き差しするだけでしゃもじ5を容易に着脱可能となり、炊飯器のデザイン性を確保しつつ、しゃもじの着脱操作性のよいしゃもじ受け具とすることができる。
【解決手段】しゃもじ受け具6は、炊飯器本体1の持ち運び用のハンドル3に着脱自在に取付け可能な取付け部7と、しゃもじ把手部8の取付け方向に開放してしゃもじ5を保持するしゃもじ保持部9とを有する。これによって、しゃもじ保持部9からしゃもじ把手部8を抜き差しするだけでしゃもじ5を容易に着脱可能となり、炊飯器のデザイン性を確保しつつ、しゃもじの着脱操作性のよいしゃもじ受け具とすることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炊飯器用のしゃもじ受け具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、炊飯器の使用において、しゃもじはご飯をよそうのに必要な部品であり、ご飯をよそった後の置き方として、しゃもじを直接テーブルなどの上に置くとご飯粒がテーブル上に付着するなど不衛生のため、炊飯器本体に付随したしゃもじ受け具を用いるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
これは、しゃもじにしゃもじ受け具を取付け、しゃもじとしゃもじ受け具を一体として取り扱い、しゃもじ受け具付しゃもじを炊飯器本体に回動自在に取付けられている持ち運び用のハンドルに固定していた。
【特許文献1】特開2003−310457号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の構成では、しゃもじ受け具をしゃもじに取付け一体としていたため、しゃもじ受け具のハンドルへの固定は容易に着脱できる必要があり、そのことによりハンドルに固定している時の安定性が低いものである。そのため、しゃもじ受け具付しゃもじをハンドルに傾けて取付けた場合などには脱落する場合があった。また、炊飯器本体をハンドルによって持ち運ぶ時に、ハンドルをおよそ水平の収納状態からおよそ垂直の使用状態へ回動させるのであるが、ハンドルを回動させたとき、しゃもじ受け具付しゃもじがハンドルから脱落する場合があった。
【0005】
また、ハンドルは炊飯器本体後方に収納しており、しゃもじ受け具付しゃもじは炊飯器本体後方への取付けとなり、しゃもじ受け具付しゃもじの着脱において操作しにくい場合があった。
【0006】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、デザイン性を確保しつつ、かつ操作性のよいしゃもじ受け具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、本発明のしゃもじ受け具は、炊飯器本体の持ち運び用のハンドルに着脱自在に取付け可能な取付け部と、しゃもじ把手部の取付け方向に開放してしゃもじを保持するしゃもじ保持部とを有するものとした。
【0008】
これによって、しゃもじ保持部からしゃもじ把手部を抜き差しするだけでしゃもじを容易に着脱可能となり、炊飯器のデザイン性を確保しつつ、しゃもじの着脱操作性のよいしゃもじ受け具とすることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明のしゃもじ受け具は、炊飯器のデザイン性を確保しつつ、しゃもじの着脱操作性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
第1の発明は、炊飯器本体の持ち運び用のハンドルに着脱自在に取付け可能な取付け部と、しゃもじ把手部の取付け方向に開放してしゃもじを保持するしゃもじ保持部とを有するしゃもじ受け具とすることにより、しゃもじ保持部からしゃもじ把手部を抜き差しするだけでしゃもじを容易に着脱可能となり、炊飯器のデザイン性を確保しつつ、しゃもじの着脱操作性のよいしゃもじ受け具とすることができる。
【0011】
第2の発明は、特に、第1の発明において、しゃもじ保持部は、しゃもじ把手部とのがたつきを規制した有底筒形状とすることにより、しゃもじのしゃもじ受け具への取付け状態を安定させ、しゃもじがしゃもじ受け具から脱落するなどの不具合を無くすことができる。
【0012】
第3の発明は、特に、第2の発明において、しゃもじ保持部は、その高さを、しゃもじを保持した状態において、しゃもじの重心よりしゃもじ把手部側としたことにより、ハンドルを使用状態のおよそ垂直状態に回動した場合においても、てこの原理により、しゃもじの重心の力点に対し、しゃもじ保持部の先端が支点となり、しゃもじ保持部の内面が作用点となりしゃもじを支えることにより、しゃもじがしゃもじ受け具から脱落しないようにすることができる。
【0013】
第4の発明は、特に、第1の発明において、しゃもじ保持部は、しゃもじの取付け方向を規制するベース部と、このベース部と平行に設けたガイドピンとにより形成したことにより、しゃもじのしゃもじ受け具への取付け状態を安定させ、しゃもじがしゃもじ受け具から脱落するなどの不具合を無くすことができる。
【0014】
第5の発明は、特に、第4の発明において、しゃもじ保持部のベース部とガイドピンの高さを、しゃもじを支持した状態において、しゃもじの重心よりしゃもじ把手部側としたことにより、ハンドルを使用状態のおよそ垂直状態に回動した場合においても、てこの原理により、しゃもじの重心の力点に対し、しゃもじ保持部のガイドピン先端が支点となり、しゃもじ保持部のガイドピン胴体部あるいはベース部が作用点となりしゃもじを支えることにより、しゃもじがしゃもじ受け具から脱落しないようにすることができる。
【0015】
第6の発明は、特に、第1〜第5のいずれか1つの発明において、しゃもじ保持部のしゃもじ把手部との接触面に複数の突起を設けたことにより、しゃもじ保持部としゃもじの摩擦抵抗が大きくなることにより滑りにくくなり、ハンドルを使用状態のおよそ垂直状態に回動した場合においても、さらにしゃもじがしゃもじ受け具から脱落しないようにすることができる。
【0016】
第7の発明は、特に、第1〜第6のいずれか1つの発明において、しゃもじ保持部のしゃもじ把手部との接触面を摩擦部面としたことにより、しゃもじ保持部としゃもじの摩擦抵抗が大きく滑りにくくなり、ハンドルを使用状態のおよそ垂直状態に回動した場合においても、さらにしゃもじがしゃもじ受け具から脱落しないようにすることができる。
【0017】
第8の発明は、特に、第2、第3、第6、第7のいずれか1つの発明において、しゃもじ保持部の底面に穴を設けたことにより、しゃもじ保持部を炊飯器本体から外して水洗いなどを行う場合、水切れが良くなり、しゃもじ保持部のお手入れ性を向上させることができる。
【0018】
第9の発明は、特に、第1〜第8のいずれか1つの発明において、ハンドルアーム部の炊飯器本体との軸契合部より先端側に支持部を設け、上記支持部に取付けるしゃもじ受け具としたことにより、しゃもじ受け具を炊飯器本体の前方に取付けることになり、しゃもじを身近な位置でしゃもじ受け具へ着脱することができる。
【0019】
第10の発明は、特に、第9の発明において、支持部の形状を凹形状または穴形状とし、上記支持部に取付けるしゃもじ受け具としたことにより、炊飯器の外形を大きくすることなくしゃもじ受け具を設けることができる。
【0020】
第11の発明は、特に、第9〜第10のいずれか1つの発明において、支持部を炊飯器本体の両側2ヶ所に設け、上記2ヶ所のどちらにも取付くしゃもじ受け具としたことにより、しゃもじ受け具の取付け側を限定することなく炊飯器の使用環境に応じてしゃもじ受け具の取付け位置を選択し、しゃもじの着脱操作性を向上させることができる。
【0021】
第12の発明は、特に、第1〜第11のいずれか1つの発明において、しゃもじ把手部を、炊飯器本体に対し後方下方に傾斜した状態でしゃもじを保持するしゃもじ受け具としたことにより、しゃもじ把手部が掴みやすくなり、しゃもじの着脱操作性を向上させることができる。
【0022】
第13の発明は、特に、第12の発明において、ヘラ部が、炊飯器本体の後方外形より前方側となる状態でしゃもじを保持するしゃもじ受け具としたことにより、しゃもじをしゃもじ受け具に取付けたままの状態で炊飯器本体を棚などに収納した場合においても、しゃもしが炊飯器本体外形より突出していないため、しゃもじが炊飯器の収納棚などと干渉することなく炊飯器本体を棚の奥まで収納が可能となり、且つご飯と接するヘラ部が棚と干渉しないため、しゃもじと棚の両方を衛生的に保つことができる。
【0023】
第14の発明は、特に、第1〜第13のいずれか1つの発明において、取付け部の上面が、炊飯器本体の上面と同じ高さまたは下方に位置するしゃもじ受け具としたことにより、炊飯器本体内のご飯をよそう時や炊飯器本体をお手入れする時、作業している手が取付け部に干渉することなくスムーズに作業を行うことができる。
【0024】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0025】
(実施の形態1)
図1〜図7は、本発明の実施の形態1におけるしゃもじ受け具を示すものである。
【0026】
図1〜図5において、炊飯器本体1に開閉自在に蓋2が軸支されている。炊飯器本体1には炊飯器本体1を運搬する時に使用するU字形状の持ち運び用のハンドル3が前後方向に回動自在に軸支されている。ハンドル3は、収納時にはハンドル把手部4を炊飯器本体1の後方に回し蓋2の開閉に干渉しない位置に収め、使用時にはハンドル把手部4を上方に立ち上げ使用する。
【0027】
しゃもじ5はポリプロピレンなどの樹脂で成形しており、ご飯に直接触れるヘラ部10と使用者が掴むしゃもじ把手部8とにより構成され、しゃもじ把手部8はしゃもじ5が使いやすいようヘラ部10の方向が定まるよう断面形状がおよそ楕円形状やコの字形状、または長方形をしており、さらにへラ部10の幅方向としゃもじ把手部8断面の長手方向を合せているのが一般的である。本実施の形態では、しゃもじ把手部8の断面形状はおよそ長方形で角に丸みを設け持ちやすい形状としている。このときのしゃもじ5は、ヘラ部10はご飯をよそうため幅が広く、しゃもじ把手部8は持ちやすくするため細くなっており、しゃもじ5の重心26はヘラ部10の根元になっている。
【0028】
しゃもじ5を保持するしゃもじ受け具6はポリプロピレンなどの弾性力のある樹脂で成形し、しゃもじ受け具6をハンドル3に固定するフック形状をした取付け部7と、しゃもじ把手部8をその下方より保持する有底筒形状のしゃもじ保持部9により構成し、ハンドル3に着脱自在に取付けられている。ここで、取付け部7のフック形状は、ハンドル3へ取付けた状態でしゃもじ受け具6がハンドル3からがたつきの無いようフック部11が弾性変形しハンドル3に嵌合する構成としている(図3)。有底筒状のしゃもじ保持部9であるが、筒の形状はしゃもじ5の方向が定まるようしゃもじ把手部8の断面形状に合せ4角に丸みを持たせた長方形とし、しゃもじ5が不安定にならないようしゃもじ5のしゃもじ受け具6への取付け時の前後左右の傾きが15度以内になるようしゃもじ把手部8とのクリアランスを小さくした形状としている。このときのしゃもじ保持部9の深さはしゃもじ把手部8の長さの1/3程度としている。また、しゃもじ保持部9の上方の開口部13はしゃもじ把手部8を挿入しやすいよう底部12より大きな形状とし、しゃもじ保持部9の底には穴14を設けている(図5)。
【0029】
以上のように構成されたしゃもじ受け具6について、以下その動作、作用を説明する。
【0030】
炊飯器本体1にしゃもじ受け具6によりしゃもじ5を取付ける場合には、炊飯器本体1のハンドル3にしゃもじ受け具6のフック部11を嵌合させしゃもじ受け具6をハンドル3に取付ける。しゃもじ5のしゃもじ把手部8を上方よりしゃもじ受け具6のしゃもじ保持部9に方向を合せ差し込むことにより、しゃもじ5を取付けることができる。このときのしゃもじ5であるが、しゃもじ5の重心26がヘラ部10の根元であり、ヘラ部10はバランスが悪くなるのであるが、しゃもじ保持部9によりしゃもじ5の取付け時の傾きを規制していることにより、しゃもじ5のバランスを崩すこと無く安定した状態で保持することができる。
【0031】
また、しゃもじ5をしゃもじ受け具6から取り外すときであるが、しゃもじ把手部8の1/3がしゃもじ保持部9で囲われ2/3がしゃもじ保持部9より露出しているので、しゃもじ把手部8を容易に掴み取り外すことができる。さらに、底部に穴14を設けていることにより、しゃもじ受け具6のお手入れ時、穴14が水抜き穴の役割を果たし、しゃもじ保持部9に洗浄水が残らず衛生的に保つことができる。
【0032】
また、ハンドル3にしゃもじ受け具6によりしゃもじ5を取付けた状態での炊飯器本体1の持ち運びであるが、ハンドル3を収納状態から使用状態の上方に立ち上げることによりしゃもじ保持部9が上方への開口状態からおよそ水平方向の開口状態になるのであるが(図4)、しゃもじ保持部9をしゃもじ把手部8の断面形状に合せかつしゃもじ把手部8とのクリアランスを小さくし、またしゃもじ保持部9の深さをしゃもじ5の重心26よりしゃもじ把手部8側になるようしゃもじ把手部9の1/3の深さとしていることにより、しゃもじ保持部9がおよそ水平の状態になった場合においても、重心26がしゃもじ5が脱落しようとする力点27となり、開口部13が支点29となり、しゃもじ保持部9の内面が作用点28となりしゃもじ把手部8を支えることにより(図5)、しゃもじ5はしゃもじ保持部9から脱落することはない。
【0033】
また、図6に示すように、しゃもじ保持部9の内面に点または線の複数の突起30を設けることにより、しゃもじ保持部9の内面としゃもじ把手部8との摩擦抵抗が大きくなり、ハンドル3を上方に立ち上げた場合、さらにしゃもじ5がしゃもじ受け具6から脱落しにくくすることができる。
【0034】
また、図7に示すように、しゃもじ保持部9の内面をゴム材などの弾性があり摩擦抵抗の大きな部材31で構成して摩擦部面とすることにより、上記同様しゃもじ保持部9の内面としゃもじ把手部8との摩擦抵抗が大きくなり、ハンドル3を上方に立ち上げた場合、さらにしゃもじ5がしゃもじ受け具6から脱落しにくくすることができる。
【0035】
また、しゃもじ把手部8の断面形状を角に丸みを設けた長方形としたが、しゃもじ把手部8の断面形状は角に丸みを設けた長方形に限るものではなく、楕円形状や半月形状やコの字形状などの形状であっても、しゃもじ保持部9により保持することができる形状であれば同様の効果が得られるものである。
【0036】
また、しゃもじ受け具6をハンドル3にフック部11により取付けるとしたが、しゃもじ受け具6のハンドル3への取付けはフック部11によるハンドル3への嵌合に限るものではなく、両面テープによる固定やビス止めなどの固定手段であっても同様の効果が得られるものである。
【0037】
また、しゃもじ5をポリプロピレンなどの樹脂としたが、しゃもじ5は樹脂に限るものではなく、木材や樹脂とアルミニウムやステンレスの金属との複合構成であっても、何ら問題なく同様の効果が得られるものである。
【0038】
また、しゃもじ保持部9の深さをしゃもじ把手部8の1/3としたが、しゃもじ保持部9の深さはしゃもじ把手部8の1/3に限るものではなく、しゃもじ5の重心26よりしゃもじ把手部8側でしゃもじ把手部8を容易に掴むことのできる深さであれば同様の効果が得られるものである。
【0039】
さらに、しゃもじ受け具6のしゃもじ保持部9は、有底筒形状としているが、これに限らず、しゃもじ把手部の取付け方向に開放してしゃもじを保持するものであればよい。例えば、上下に環状の保持部を備えた全体として筒形状でないものであってもよい。
【0040】
(実施の形態2)
図8、図9は、本発明の実施の形態2におけるしゃもじ受け具を示すものである。炊飯器本体1およびハンドル3は実施の形態1と同様であり、異なる部分を中心に説明する。
【0041】
図において、しゃもじ19はポリプロピレンなどの樹脂で成形しており、ご飯に直接触れるヘラ部10と使用者が掴むしゃもじ把手部20とにより構成され、しゃもじ把手部20はしゃもじ19が使いやすいようヘラ部21の方向が定まるよう断面形状がおよそ楕円形状やコの字形状、または長方形をしており、さらにへラ部21の幅方向と長手方向を合せているのが一般的である。本実施の形態では、しゃもじ把手部20の断面形状はおよそコの字形状で凹部24を有し、角に丸みを設け持ちやすい形状としている。このときのしゃもじ19は、ヘラ部21はご飯をよそうため幅が広く、しゃもじ把手部20は持ちやすくするため細くなっており、しゃもじ19の重心はヘラ部21の根元になっている。
【0042】
しゃもじ19を保持するしゃもじ受け具15は、ポリプロピレンなどの弾性力のある樹脂で成形し、しゃもじ受け具15をハンドル3に固定するフック形状をした取付け部22と、しゃもじ保持部16とにより構成している。しゃもじ保持部16は、しゃもじ把手部20の一方向の側方と下方を保持してしゃもじ19の取付け方向を規制するベース部17と、このベース部17と平行に設け、ベース部17の相対側方よりしゃもじ把手部20を支持する上方に突き出たガイドピン18とにより構成される。
【0043】
ここで、取付け部22のフック形状は、ハンドル3へ取付けた状態でしゃもじ受け具15がハンドル3からがたつきの無いようフック部23が弾性変形しハンドル3に嵌合する構成としている。しゃもじ保持部16であるが、ベース部17とガイドピン18間はしゃもじ把手部20の凹部24が収まる形状としており、ベース部17とガイドピン18と凹部24によりしゃもじ19のしゃもじ受け具15への取付け位置が定まる構成となっている。このときのベース部17とガイドピン18のしゃもじ把手部20との距離であるが、しゃもじ19が不安定にならないようしゃもじ19のしゃもじ受け具15への取付け時の前後左右の傾きが15度以内になるようしゃもじ把手部20とのクリアランスを小さくした形状としている。このときのベース部17とガイドピン18の高さはしゃもじ把手部20の長さの1/3程度としている。また、ベース部17およびガイドピン18はしゃもじ把手部20が挿入しやすいよう上方のすきまが大きな形状としている。
【0044】
以上のように構成されたしゃもじ受け具15について、以下その動作、作用を説明する。
【0045】
炊飯器本体1にしゃもじ受け具15によりしゃもじ19を取付ける場合には、炊飯器本体1のハンドル3にしゃもじ受け具15のフック部23を嵌合させしゃもじ受け具15をハンドル3に取付ける。しゃもじ19のしゃもじ把手部20を上方よりしゃもじ受け具15のしゃもじ保持部16にしゃもじ把手部20の凹部24とガイドピン18方向を合せ差し込むことにより、しゃもじ19を取付けることができる。このときのしゃもじ19であるが、しゃもじ19の重心がヘラ部21の根元でありヘラ部21を上方に指し込んだ状態ではバランスが悪くなるのであるが、しゃもじ保持部16によりしゃもじ19の取付け時の傾きを規制していることにより、しゃもじ19のバランスを崩すこと無く安定した状態で保持することができる。さらに、しゃもじ把手部20がしゃもじ保持部16から露出していることにより、しゃもじ把手部20の先端から根元のどこでも掴むことが可能となり、しゃもじ19が取り外ししやすい。
【0046】
また、炊飯器本体1をハンドル3にしゃもじ受け具15によりしゃもじ19を取付けた状態での持ち運びであるが、ハンドル3を収納状態から使用状態の上方に立ち上げることによりしゃもじ保持部16のガイドピン18が上方への突き出し状態からおよそ水平方向になるのであるが、ベース部17とガイドピン18と凹部24によりしゃもじ19のしゃもじ受け具15への取付け位置が定まる構成とし、かつしゃもじ19が不安定にならないようしゃもじ19のしゃもじ受け具15への取付け時の前後左右の傾きが15度以内になるようしゃもじ把手部20とのクリアランスを小さくした形状とし、さらにベース部17とガイドピン18の高さをしゃもじ把手部20の長さの1/3程度としていることにより、しゃもじ保持部16がおよそ水平の状態になった場合においても、しゃもじ19の重心がしゃもじ19が脱落しようとする力点となり、ガイドピン18の先端が支点となり、ガイドピン胴体部25が作用点となり、しゃもじ把手部20を支えることによりしゃもじ19はしゃもじ保持部16から脱落することはない。
【0047】
また、本実施の形態では、ガイドピン18に点または線の複数の突起を設けることによりしゃもじ把手部20との摩擦抵抗が大きくなり、ハンドル3を上方に立ち上げた場合、さらにしゃもじ19がしゃもじ受け具15から脱落しにくくすることができる。
【0048】
また、ガイドピン18をゴム材などの弾性があり摩擦抵抗の大きな部材とすることにより、上記同様ガイドピン18としゃもじ把手部20との摩擦抵抗が大きくなり、ハンドル3を上方に立ち上げた場合、さらにしゃもじ19がしゃもじ受け具15から脱落しにくくすることができる。
【0049】
また、しゃもじ把手部20の断面形状を角にRを設けたコの字形状としたが、しゃもじ把手部20の断面形状は角にRを設けたコの字形状に限るものではなく、H形状などベース部17とガイドピン18によりしゃもじ19の取付け位置が定まる形状であれば同様の効果が得られるものである。
【0050】
また、しゃもじ受け具15をハンドル3にフック部23により取付けるとしたが、しゃもじ受け具15のハンドル3への取付けはフック部23によるハンドル3への嵌合に限るものではなく、両面テープによる固定やビス止めなどの固定手段であても同様の効果が得られるものである。
【0051】
また、しゃもじ19をポリプロピレンなどの樹脂としたが、しゃもじ19は樹脂に限るものではなく、木材や樹脂とアルミニウムやステンレスの金属との複合構成であっても、何ら問題なく同様の効果が得られるものである。
【0052】
また、ベース部17とガイドピン18の高さをしゃもじ把手部20の1/3としたが、ベース部17とガイドピン18の高さはしゃもじ把手部8の1/3に限るものではなく、しゃもじ19の重心よりしゃもじ把手部20側であれば同様の効果が得られるものである。
【0053】
(実施の形態3)
図10〜図14は、本発明の実施の形態3におけるしゃもじ受け具を示すものである。炊飯器本体1は実施の形態1と同様であり、異なる部分を中心に説明する。
【0054】
図において、U字形状のハンドル35はハンドル把手部4とハンドルアーム部32とハンドル軸契合部33としゃもじ受け具6を取付ける支持部34により構成しており、ハンドル軸契合部33により前後方向に回動自在に炊飯器本体1に軸支されている。支持部34はハンドルアーム部32をハンドル軸契合部33より先端側に延長したハンドルアーム部先端36に配置し、取付け部7を炊飯器本体1とハンドルアーム部32の間で支持するよう炊飯器本体1側へ略半円弧の凹形状としている。
【0055】
以上のように構成されたしゃもじ受け具6と支持部34について、以下その動作、作用を説明する。
【0056】
炊飯器本体1にしゃもじ受け具6によりしゃもじ5を取付ける場合には、ハンドル35に設けた支持部34にしゃもじ受け具6の取付け部7を勘合させしゃもじ受け具6をハンドル35に取付け、ハンドル35に取付けたしゃもじ受け具6へしゃもじ5を取付ける。支持部34をハンドル35のハンドル軸契合部33より先端側のハンドルアーム部先端36に設けてしゃもじ受け具6を支持していることにより、しゃもじ5の取付け位置は炊飯器本体1の側面前方に取付けることになる。このときのしゃもじ5の取付け、取り外しであるが、しゃもじ受け具6を炊飯器本体1の側面前方に取付けることになり、手を炊飯器の後方まで伸ばす必要が無く身近な位置でしゃもじ5を容易に取付け、取り外しができるようになる。
【0057】
また、ハンドル軸契合部33からハンドル把手部4にかけてのハンドルアーム部32は炊飯器本体1の重量を保持する強度が必要であり、凹形状や穴など細く強度の低い部分を設けることはできない。しかし、ハンドル軸契合部33より先端側に延長したハンドルアーム部先端36は炊飯器本体1の重量を保持する強度が必要ではないので自由な形状を構成することができる。このことにより、支持部34の形状を炊飯器本体1側へ略半円弧の凹形状とすることが可能となり、ハンドル35の外側に突起など炊飯器の外形を大きくするなどのデザインを損ねることなくしゃもじ受け具6の取付け部7を凹形状部分に勘合させしゃもじ受け具6を保持することができる。さらに凹形状の支持部34としたことにより、ハンドルアーム部32と炊飯器本体1の間に取付け部7の厚みを確保する必要が無く、ハンドルを含めた炊飯器本体1の外形をコンパクトにすることができる。
【0058】
また、支持部34を炊飯器本体1側へ略半円弧の凹形状としたが、支持部34の凹形状は略半円弧に限るものではなく、三角や四角などの凹形状であっても、しゃもじ受け具6を取付けることのできる形状であれば同様の効果が得られるものである。
【0059】
また、図13に示すように、支持部34を凹形状ではなく略四角の貫通の穴形状とすることもできる。穴形状とした支持部37では、しゃもじ受け具6の取付け部7の全周をガイドする構成となることにより、しゃもじ5のしゃもじ受け具6からの着脱操作時、しゃもじ5を前後左右に傾いた状態で操作した場合でも、しゃもじ受け具6がハンドル35から脱落することなく操作することができる。さらに、貫通穴としたことにより、ほこりやご飯粒などが支持部37に落下しても支持部37内に留まることなく落下するのでお手入れしやすく衛生的である。
【0060】
また、支持部37を略四角の穴形状としたが、支持部37の穴形状は四角に限るものではなく、また、穴の数も1ヶ所に限るものではなく、例えば丸穴を2ヶ所設け、しゃもじ受け具6の取付け部7の形状を先の丸穴の2ヶ所に合せた形状にするなど、しゃもじ受け具6の取付け部7の全周をガイドし固定する構成であれば同様の効果が得られるものである。
【0061】
また、図14に示すように、ハンドルアーム部先端36にしゃもじ把手部8を保持するしゃもじ保持部38を構成することもできる。図10〜図12ではハンドルアーム部先端36にしゃもじ受け具6を取付ける支持部37を設けた構成としたが、図14においては、しゃもじ保持部38を貫通穴とし、しゃもじ把手部8の側面を保持する構成としている。しゃもじ5をハンドルアーム部先端36に保持する構成はしゃもじ受け具6の支持部37への取付けに限るものではなく、ハンドルアーム部先端36にしゃもじ5を保持するしゃもじ保持部9の機能を持たせ、しゃもじ5を直接ハンドルで保持する構成としてもしゃもじ5を炊飯器本体1の側前方で保持することにおいて同様の効果が得られるものである。
【0062】
(実施の形態4)
図15〜図16は、本発明の実施の形態4におけるしゃもじ受け具を示すものである。炊飯器本体1は実施の形態3と同様であり、異なる部分を中心に説明する。
【0063】
図において、しゃもじ受け具39は取付け部40によりハンドル35の支持部34に取付けられている。このときの取付け部40の上面である取付け部上面42の高さであるが、蓋2を開放した状態の炊飯器本体1の上面である炊飯器本体上面43より低い位置となるよう構成している。しゃもじ保持部41は、しゃもじ5のしゃもじ把手部8が下方となり、且つヘラ部10が炊飯器本体1の後方側に傾くようしゃもじ5を傾斜させ保持している。このときのヘラ部10の位置であるが、ヘラ部10の先端が炊飯器本体1の後面より前方に位置した状態で保持している。
【0064】
以上のように構成されたしゃもじ受け具39について、以下その動作、作用を説明する。
【0065】
炊飯器本体1にしゃもじ受け具39によりしゃもじ5を取付ける場合には、しゃもじ把手部8を下向きの状態で上方に開口したしゃもじ保持部41に差し込む。しゃもじ5はしゃもじ把手部8を炊飯器の下方手前側、ヘラ部10を炊飯器の上方後方側となるようしゃもじ受け具39により保持される。このとき、しゃもじ把手部8は、先端が炊飯器の下方手前の状態で上方後方へ傾斜した状態となることにより、炊飯器使用者が炊飯器本体1の前方からしゃもじ5のしゃもじ把手部8を掴もうとする作業において、しゃもじ把手部8が目視しやすく、且つしゃもじ把手部8の角度が手を振り下ろしている角度とおよそ直角になり、手のひらでしゃもじ把手部8を掴みやすい角度となっている。
【0066】
また、しゃもじ5を傾斜させて保持することにより、ヘラ部10の先端高さが低くなり、しゃもじ5を炊飯器本体1に取付けた状態で炊飯器本体1を棚などに保管する場合、ヘラ部10が棚の天井に干渉しにくくなり、利便性を向上させることができる。
【0067】
また、ヘラ部10の先端が炊飯器本体1の後面より前方に位置していることにより、しゃもじ5を炊飯器本体1に取付けた状態で炊飯器本体1を棚などに保管する場合、ヘラ部10が棚の後壁面などに干渉することがなく、ヘラ部10および棚を衛生的に保つことができ、且つ炊飯器本体1を棚の奥まで収納することができ利便性を向上させることができる。
【0068】
また、取付け部上面42を、炊飯器本体上面43より低い位置としていることにより、蓋2を開放した状態で炊飯器本体上面43が凹凸なくフラットな状態となることにより、ご飯をよそう時や炊飯器本体上面43のお手入れを行う時に、作業する手が取付け部40に触れて作業が不十分になる、さらには作業する手が取付け部40に触れてしゃもじ受け具39が炊飯器本体1から脱落するなどの不具合が発生することが無く、操作性とお手入れ性をを向上させることができる。
【0069】
また、しゃもじ把手部8が下方前方側になるようしゃもじ5を傾斜させしゃもじ受け具39で保持するとしたが、しゃもじ5の保持する向きはしゃもじ把手部8が下方前方側に限るものではなく、しゃもじ把手部8が炊飯器前方側におよそ水平な状態で保持されていても、しゃもじ把手部8を掴む作業において何ら問題なく同様の効果が得られるものである。
【産業上の利用可能性】
【0070】
以上のように、本発明にかかるしゃもじ受け具は、炊飯器のデザイン性を確保しつつ、しゃもじの着脱操作性を向上させることができるので、家庭用および業務用のしゃもじ受け具として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の実施の形態1におけるしゃもじ受け具を炊飯器本体に取付けてしゃもじを保持した状態を示す全体の斜視図
【図2】同しゃもじ受け具を炊飯器に取付けた斜視図
【図3】同しゃもじ受け具としゃもじの関係を示す斜視図
【図4】同しゃもじ受け具を取付けたハンドルを立ち上げた状態を示す斜視図
【図5】同しゃもじ受け具としゃもじとの関係を示すハンドル立ち上げ時の断面図
【図6】同しゃもじ受け具としゃもじとの関係を示すハンドル立ち上げ時における他の構成の断面図
【図7】同しゃもじ受け具としゃもじとの関係を示すハンドル立ち上げ時におけるさらに他の構成の断面図
【図8】本発明の実施の形態2におけるしゃもじ受け具としゃもじの関係を示す斜視図
【図9】同しゃもじ受け具を炊飯器本体に取付けてしゃもじを保持した状態を示す全体の斜視図
【図10】本発明の実施の形態3におけるしゃもじ受け具を炊飯器本体に取付けてしゃもじを保持した状態を示す全体の斜視図
【図11】同しゃもじ受け具を炊飯器に取付けた斜視図
【図12】同しゃもじ受け具を取付けた状態の炊飯器の天面図
【図13】同しゃもじ受け具を取付ける前の支持部の他の構成の炊飯器の天面図
【図14】同ハンドルアーム部先端にしゃもじ保持部を一体に構成ししゃもじを保持した状態を示す全体の斜視図
【図15】本発明の実施の形態4におけるしゃもじ受け具を炊飯器本体に取付けてしゃもじを保持した状態を示す側面図
【図16】同しゃもじ受け具を炊飯器に取付け蓋を開放した炊飯器の側面図
【符号の説明】
【0072】
1 炊飯器本体
3、35 ハンドル
5、19 しゃもじ
6、15、39 しゃもじ受け具
7、22、40 取付け部
8、20 しゃもじ把手部
9、16、38、41 しゃもじ保持部
14 穴
17 ベース部
18 ガイドピン
26 重心
30 突起
31 摩擦抵抗の大きな部材
32 ハンドルアーム部
33 ハンドル軸契合部
34、37 支持部
36 ハンドルアーム部先端
42 取付け部上面
【技術分野】
【0001】
本発明は、炊飯器用のしゃもじ受け具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、炊飯器の使用において、しゃもじはご飯をよそうのに必要な部品であり、ご飯をよそった後の置き方として、しゃもじを直接テーブルなどの上に置くとご飯粒がテーブル上に付着するなど不衛生のため、炊飯器本体に付随したしゃもじ受け具を用いるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
これは、しゃもじにしゃもじ受け具を取付け、しゃもじとしゃもじ受け具を一体として取り扱い、しゃもじ受け具付しゃもじを炊飯器本体に回動自在に取付けられている持ち運び用のハンドルに固定していた。
【特許文献1】特開2003−310457号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の構成では、しゃもじ受け具をしゃもじに取付け一体としていたため、しゃもじ受け具のハンドルへの固定は容易に着脱できる必要があり、そのことによりハンドルに固定している時の安定性が低いものである。そのため、しゃもじ受け具付しゃもじをハンドルに傾けて取付けた場合などには脱落する場合があった。また、炊飯器本体をハンドルによって持ち運ぶ時に、ハンドルをおよそ水平の収納状態からおよそ垂直の使用状態へ回動させるのであるが、ハンドルを回動させたとき、しゃもじ受け具付しゃもじがハンドルから脱落する場合があった。
【0005】
また、ハンドルは炊飯器本体後方に収納しており、しゃもじ受け具付しゃもじは炊飯器本体後方への取付けとなり、しゃもじ受け具付しゃもじの着脱において操作しにくい場合があった。
【0006】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、デザイン性を確保しつつ、かつ操作性のよいしゃもじ受け具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、本発明のしゃもじ受け具は、炊飯器本体の持ち運び用のハンドルに着脱自在に取付け可能な取付け部と、しゃもじ把手部の取付け方向に開放してしゃもじを保持するしゃもじ保持部とを有するものとした。
【0008】
これによって、しゃもじ保持部からしゃもじ把手部を抜き差しするだけでしゃもじを容易に着脱可能となり、炊飯器のデザイン性を確保しつつ、しゃもじの着脱操作性のよいしゃもじ受け具とすることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明のしゃもじ受け具は、炊飯器のデザイン性を確保しつつ、しゃもじの着脱操作性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
第1の発明は、炊飯器本体の持ち運び用のハンドルに着脱自在に取付け可能な取付け部と、しゃもじ把手部の取付け方向に開放してしゃもじを保持するしゃもじ保持部とを有するしゃもじ受け具とすることにより、しゃもじ保持部からしゃもじ把手部を抜き差しするだけでしゃもじを容易に着脱可能となり、炊飯器のデザイン性を確保しつつ、しゃもじの着脱操作性のよいしゃもじ受け具とすることができる。
【0011】
第2の発明は、特に、第1の発明において、しゃもじ保持部は、しゃもじ把手部とのがたつきを規制した有底筒形状とすることにより、しゃもじのしゃもじ受け具への取付け状態を安定させ、しゃもじがしゃもじ受け具から脱落するなどの不具合を無くすことができる。
【0012】
第3の発明は、特に、第2の発明において、しゃもじ保持部は、その高さを、しゃもじを保持した状態において、しゃもじの重心よりしゃもじ把手部側としたことにより、ハンドルを使用状態のおよそ垂直状態に回動した場合においても、てこの原理により、しゃもじの重心の力点に対し、しゃもじ保持部の先端が支点となり、しゃもじ保持部の内面が作用点となりしゃもじを支えることにより、しゃもじがしゃもじ受け具から脱落しないようにすることができる。
【0013】
第4の発明は、特に、第1の発明において、しゃもじ保持部は、しゃもじの取付け方向を規制するベース部と、このベース部と平行に設けたガイドピンとにより形成したことにより、しゃもじのしゃもじ受け具への取付け状態を安定させ、しゃもじがしゃもじ受け具から脱落するなどの不具合を無くすことができる。
【0014】
第5の発明は、特に、第4の発明において、しゃもじ保持部のベース部とガイドピンの高さを、しゃもじを支持した状態において、しゃもじの重心よりしゃもじ把手部側としたことにより、ハンドルを使用状態のおよそ垂直状態に回動した場合においても、てこの原理により、しゃもじの重心の力点に対し、しゃもじ保持部のガイドピン先端が支点となり、しゃもじ保持部のガイドピン胴体部あるいはベース部が作用点となりしゃもじを支えることにより、しゃもじがしゃもじ受け具から脱落しないようにすることができる。
【0015】
第6の発明は、特に、第1〜第5のいずれか1つの発明において、しゃもじ保持部のしゃもじ把手部との接触面に複数の突起を設けたことにより、しゃもじ保持部としゃもじの摩擦抵抗が大きくなることにより滑りにくくなり、ハンドルを使用状態のおよそ垂直状態に回動した場合においても、さらにしゃもじがしゃもじ受け具から脱落しないようにすることができる。
【0016】
第7の発明は、特に、第1〜第6のいずれか1つの発明において、しゃもじ保持部のしゃもじ把手部との接触面を摩擦部面としたことにより、しゃもじ保持部としゃもじの摩擦抵抗が大きく滑りにくくなり、ハンドルを使用状態のおよそ垂直状態に回動した場合においても、さらにしゃもじがしゃもじ受け具から脱落しないようにすることができる。
【0017】
第8の発明は、特に、第2、第3、第6、第7のいずれか1つの発明において、しゃもじ保持部の底面に穴を設けたことにより、しゃもじ保持部を炊飯器本体から外して水洗いなどを行う場合、水切れが良くなり、しゃもじ保持部のお手入れ性を向上させることができる。
【0018】
第9の発明は、特に、第1〜第8のいずれか1つの発明において、ハンドルアーム部の炊飯器本体との軸契合部より先端側に支持部を設け、上記支持部に取付けるしゃもじ受け具としたことにより、しゃもじ受け具を炊飯器本体の前方に取付けることになり、しゃもじを身近な位置でしゃもじ受け具へ着脱することができる。
【0019】
第10の発明は、特に、第9の発明において、支持部の形状を凹形状または穴形状とし、上記支持部に取付けるしゃもじ受け具としたことにより、炊飯器の外形を大きくすることなくしゃもじ受け具を設けることができる。
【0020】
第11の発明は、特に、第9〜第10のいずれか1つの発明において、支持部を炊飯器本体の両側2ヶ所に設け、上記2ヶ所のどちらにも取付くしゃもじ受け具としたことにより、しゃもじ受け具の取付け側を限定することなく炊飯器の使用環境に応じてしゃもじ受け具の取付け位置を選択し、しゃもじの着脱操作性を向上させることができる。
【0021】
第12の発明は、特に、第1〜第11のいずれか1つの発明において、しゃもじ把手部を、炊飯器本体に対し後方下方に傾斜した状態でしゃもじを保持するしゃもじ受け具としたことにより、しゃもじ把手部が掴みやすくなり、しゃもじの着脱操作性を向上させることができる。
【0022】
第13の発明は、特に、第12の発明において、ヘラ部が、炊飯器本体の後方外形より前方側となる状態でしゃもじを保持するしゃもじ受け具としたことにより、しゃもじをしゃもじ受け具に取付けたままの状態で炊飯器本体を棚などに収納した場合においても、しゃもしが炊飯器本体外形より突出していないため、しゃもじが炊飯器の収納棚などと干渉することなく炊飯器本体を棚の奥まで収納が可能となり、且つご飯と接するヘラ部が棚と干渉しないため、しゃもじと棚の両方を衛生的に保つことができる。
【0023】
第14の発明は、特に、第1〜第13のいずれか1つの発明において、取付け部の上面が、炊飯器本体の上面と同じ高さまたは下方に位置するしゃもじ受け具としたことにより、炊飯器本体内のご飯をよそう時や炊飯器本体をお手入れする時、作業している手が取付け部に干渉することなくスムーズに作業を行うことができる。
【0024】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0025】
(実施の形態1)
図1〜図7は、本発明の実施の形態1におけるしゃもじ受け具を示すものである。
【0026】
図1〜図5において、炊飯器本体1に開閉自在に蓋2が軸支されている。炊飯器本体1には炊飯器本体1を運搬する時に使用するU字形状の持ち運び用のハンドル3が前後方向に回動自在に軸支されている。ハンドル3は、収納時にはハンドル把手部4を炊飯器本体1の後方に回し蓋2の開閉に干渉しない位置に収め、使用時にはハンドル把手部4を上方に立ち上げ使用する。
【0027】
しゃもじ5はポリプロピレンなどの樹脂で成形しており、ご飯に直接触れるヘラ部10と使用者が掴むしゃもじ把手部8とにより構成され、しゃもじ把手部8はしゃもじ5が使いやすいようヘラ部10の方向が定まるよう断面形状がおよそ楕円形状やコの字形状、または長方形をしており、さらにへラ部10の幅方向としゃもじ把手部8断面の長手方向を合せているのが一般的である。本実施の形態では、しゃもじ把手部8の断面形状はおよそ長方形で角に丸みを設け持ちやすい形状としている。このときのしゃもじ5は、ヘラ部10はご飯をよそうため幅が広く、しゃもじ把手部8は持ちやすくするため細くなっており、しゃもじ5の重心26はヘラ部10の根元になっている。
【0028】
しゃもじ5を保持するしゃもじ受け具6はポリプロピレンなどの弾性力のある樹脂で成形し、しゃもじ受け具6をハンドル3に固定するフック形状をした取付け部7と、しゃもじ把手部8をその下方より保持する有底筒形状のしゃもじ保持部9により構成し、ハンドル3に着脱自在に取付けられている。ここで、取付け部7のフック形状は、ハンドル3へ取付けた状態でしゃもじ受け具6がハンドル3からがたつきの無いようフック部11が弾性変形しハンドル3に嵌合する構成としている(図3)。有底筒状のしゃもじ保持部9であるが、筒の形状はしゃもじ5の方向が定まるようしゃもじ把手部8の断面形状に合せ4角に丸みを持たせた長方形とし、しゃもじ5が不安定にならないようしゃもじ5のしゃもじ受け具6への取付け時の前後左右の傾きが15度以内になるようしゃもじ把手部8とのクリアランスを小さくした形状としている。このときのしゃもじ保持部9の深さはしゃもじ把手部8の長さの1/3程度としている。また、しゃもじ保持部9の上方の開口部13はしゃもじ把手部8を挿入しやすいよう底部12より大きな形状とし、しゃもじ保持部9の底には穴14を設けている(図5)。
【0029】
以上のように構成されたしゃもじ受け具6について、以下その動作、作用を説明する。
【0030】
炊飯器本体1にしゃもじ受け具6によりしゃもじ5を取付ける場合には、炊飯器本体1のハンドル3にしゃもじ受け具6のフック部11を嵌合させしゃもじ受け具6をハンドル3に取付ける。しゃもじ5のしゃもじ把手部8を上方よりしゃもじ受け具6のしゃもじ保持部9に方向を合せ差し込むことにより、しゃもじ5を取付けることができる。このときのしゃもじ5であるが、しゃもじ5の重心26がヘラ部10の根元であり、ヘラ部10はバランスが悪くなるのであるが、しゃもじ保持部9によりしゃもじ5の取付け時の傾きを規制していることにより、しゃもじ5のバランスを崩すこと無く安定した状態で保持することができる。
【0031】
また、しゃもじ5をしゃもじ受け具6から取り外すときであるが、しゃもじ把手部8の1/3がしゃもじ保持部9で囲われ2/3がしゃもじ保持部9より露出しているので、しゃもじ把手部8を容易に掴み取り外すことができる。さらに、底部に穴14を設けていることにより、しゃもじ受け具6のお手入れ時、穴14が水抜き穴の役割を果たし、しゃもじ保持部9に洗浄水が残らず衛生的に保つことができる。
【0032】
また、ハンドル3にしゃもじ受け具6によりしゃもじ5を取付けた状態での炊飯器本体1の持ち運びであるが、ハンドル3を収納状態から使用状態の上方に立ち上げることによりしゃもじ保持部9が上方への開口状態からおよそ水平方向の開口状態になるのであるが(図4)、しゃもじ保持部9をしゃもじ把手部8の断面形状に合せかつしゃもじ把手部8とのクリアランスを小さくし、またしゃもじ保持部9の深さをしゃもじ5の重心26よりしゃもじ把手部8側になるようしゃもじ把手部9の1/3の深さとしていることにより、しゃもじ保持部9がおよそ水平の状態になった場合においても、重心26がしゃもじ5が脱落しようとする力点27となり、開口部13が支点29となり、しゃもじ保持部9の内面が作用点28となりしゃもじ把手部8を支えることにより(図5)、しゃもじ5はしゃもじ保持部9から脱落することはない。
【0033】
また、図6に示すように、しゃもじ保持部9の内面に点または線の複数の突起30を設けることにより、しゃもじ保持部9の内面としゃもじ把手部8との摩擦抵抗が大きくなり、ハンドル3を上方に立ち上げた場合、さらにしゃもじ5がしゃもじ受け具6から脱落しにくくすることができる。
【0034】
また、図7に示すように、しゃもじ保持部9の内面をゴム材などの弾性があり摩擦抵抗の大きな部材31で構成して摩擦部面とすることにより、上記同様しゃもじ保持部9の内面としゃもじ把手部8との摩擦抵抗が大きくなり、ハンドル3を上方に立ち上げた場合、さらにしゃもじ5がしゃもじ受け具6から脱落しにくくすることができる。
【0035】
また、しゃもじ把手部8の断面形状を角に丸みを設けた長方形としたが、しゃもじ把手部8の断面形状は角に丸みを設けた長方形に限るものではなく、楕円形状や半月形状やコの字形状などの形状であっても、しゃもじ保持部9により保持することができる形状であれば同様の効果が得られるものである。
【0036】
また、しゃもじ受け具6をハンドル3にフック部11により取付けるとしたが、しゃもじ受け具6のハンドル3への取付けはフック部11によるハンドル3への嵌合に限るものではなく、両面テープによる固定やビス止めなどの固定手段であっても同様の効果が得られるものである。
【0037】
また、しゃもじ5をポリプロピレンなどの樹脂としたが、しゃもじ5は樹脂に限るものではなく、木材や樹脂とアルミニウムやステンレスの金属との複合構成であっても、何ら問題なく同様の効果が得られるものである。
【0038】
また、しゃもじ保持部9の深さをしゃもじ把手部8の1/3としたが、しゃもじ保持部9の深さはしゃもじ把手部8の1/3に限るものではなく、しゃもじ5の重心26よりしゃもじ把手部8側でしゃもじ把手部8を容易に掴むことのできる深さであれば同様の効果が得られるものである。
【0039】
さらに、しゃもじ受け具6のしゃもじ保持部9は、有底筒形状としているが、これに限らず、しゃもじ把手部の取付け方向に開放してしゃもじを保持するものであればよい。例えば、上下に環状の保持部を備えた全体として筒形状でないものであってもよい。
【0040】
(実施の形態2)
図8、図9は、本発明の実施の形態2におけるしゃもじ受け具を示すものである。炊飯器本体1およびハンドル3は実施の形態1と同様であり、異なる部分を中心に説明する。
【0041】
図において、しゃもじ19はポリプロピレンなどの樹脂で成形しており、ご飯に直接触れるヘラ部10と使用者が掴むしゃもじ把手部20とにより構成され、しゃもじ把手部20はしゃもじ19が使いやすいようヘラ部21の方向が定まるよう断面形状がおよそ楕円形状やコの字形状、または長方形をしており、さらにへラ部21の幅方向と長手方向を合せているのが一般的である。本実施の形態では、しゃもじ把手部20の断面形状はおよそコの字形状で凹部24を有し、角に丸みを設け持ちやすい形状としている。このときのしゃもじ19は、ヘラ部21はご飯をよそうため幅が広く、しゃもじ把手部20は持ちやすくするため細くなっており、しゃもじ19の重心はヘラ部21の根元になっている。
【0042】
しゃもじ19を保持するしゃもじ受け具15は、ポリプロピレンなどの弾性力のある樹脂で成形し、しゃもじ受け具15をハンドル3に固定するフック形状をした取付け部22と、しゃもじ保持部16とにより構成している。しゃもじ保持部16は、しゃもじ把手部20の一方向の側方と下方を保持してしゃもじ19の取付け方向を規制するベース部17と、このベース部17と平行に設け、ベース部17の相対側方よりしゃもじ把手部20を支持する上方に突き出たガイドピン18とにより構成される。
【0043】
ここで、取付け部22のフック形状は、ハンドル3へ取付けた状態でしゃもじ受け具15がハンドル3からがたつきの無いようフック部23が弾性変形しハンドル3に嵌合する構成としている。しゃもじ保持部16であるが、ベース部17とガイドピン18間はしゃもじ把手部20の凹部24が収まる形状としており、ベース部17とガイドピン18と凹部24によりしゃもじ19のしゃもじ受け具15への取付け位置が定まる構成となっている。このときのベース部17とガイドピン18のしゃもじ把手部20との距離であるが、しゃもじ19が不安定にならないようしゃもじ19のしゃもじ受け具15への取付け時の前後左右の傾きが15度以内になるようしゃもじ把手部20とのクリアランスを小さくした形状としている。このときのベース部17とガイドピン18の高さはしゃもじ把手部20の長さの1/3程度としている。また、ベース部17およびガイドピン18はしゃもじ把手部20が挿入しやすいよう上方のすきまが大きな形状としている。
【0044】
以上のように構成されたしゃもじ受け具15について、以下その動作、作用を説明する。
【0045】
炊飯器本体1にしゃもじ受け具15によりしゃもじ19を取付ける場合には、炊飯器本体1のハンドル3にしゃもじ受け具15のフック部23を嵌合させしゃもじ受け具15をハンドル3に取付ける。しゃもじ19のしゃもじ把手部20を上方よりしゃもじ受け具15のしゃもじ保持部16にしゃもじ把手部20の凹部24とガイドピン18方向を合せ差し込むことにより、しゃもじ19を取付けることができる。このときのしゃもじ19であるが、しゃもじ19の重心がヘラ部21の根元でありヘラ部21を上方に指し込んだ状態ではバランスが悪くなるのであるが、しゃもじ保持部16によりしゃもじ19の取付け時の傾きを規制していることにより、しゃもじ19のバランスを崩すこと無く安定した状態で保持することができる。さらに、しゃもじ把手部20がしゃもじ保持部16から露出していることにより、しゃもじ把手部20の先端から根元のどこでも掴むことが可能となり、しゃもじ19が取り外ししやすい。
【0046】
また、炊飯器本体1をハンドル3にしゃもじ受け具15によりしゃもじ19を取付けた状態での持ち運びであるが、ハンドル3を収納状態から使用状態の上方に立ち上げることによりしゃもじ保持部16のガイドピン18が上方への突き出し状態からおよそ水平方向になるのであるが、ベース部17とガイドピン18と凹部24によりしゃもじ19のしゃもじ受け具15への取付け位置が定まる構成とし、かつしゃもじ19が不安定にならないようしゃもじ19のしゃもじ受け具15への取付け時の前後左右の傾きが15度以内になるようしゃもじ把手部20とのクリアランスを小さくした形状とし、さらにベース部17とガイドピン18の高さをしゃもじ把手部20の長さの1/3程度としていることにより、しゃもじ保持部16がおよそ水平の状態になった場合においても、しゃもじ19の重心がしゃもじ19が脱落しようとする力点となり、ガイドピン18の先端が支点となり、ガイドピン胴体部25が作用点となり、しゃもじ把手部20を支えることによりしゃもじ19はしゃもじ保持部16から脱落することはない。
【0047】
また、本実施の形態では、ガイドピン18に点または線の複数の突起を設けることによりしゃもじ把手部20との摩擦抵抗が大きくなり、ハンドル3を上方に立ち上げた場合、さらにしゃもじ19がしゃもじ受け具15から脱落しにくくすることができる。
【0048】
また、ガイドピン18をゴム材などの弾性があり摩擦抵抗の大きな部材とすることにより、上記同様ガイドピン18としゃもじ把手部20との摩擦抵抗が大きくなり、ハンドル3を上方に立ち上げた場合、さらにしゃもじ19がしゃもじ受け具15から脱落しにくくすることができる。
【0049】
また、しゃもじ把手部20の断面形状を角にRを設けたコの字形状としたが、しゃもじ把手部20の断面形状は角にRを設けたコの字形状に限るものではなく、H形状などベース部17とガイドピン18によりしゃもじ19の取付け位置が定まる形状であれば同様の効果が得られるものである。
【0050】
また、しゃもじ受け具15をハンドル3にフック部23により取付けるとしたが、しゃもじ受け具15のハンドル3への取付けはフック部23によるハンドル3への嵌合に限るものではなく、両面テープによる固定やビス止めなどの固定手段であても同様の効果が得られるものである。
【0051】
また、しゃもじ19をポリプロピレンなどの樹脂としたが、しゃもじ19は樹脂に限るものではなく、木材や樹脂とアルミニウムやステンレスの金属との複合構成であっても、何ら問題なく同様の効果が得られるものである。
【0052】
また、ベース部17とガイドピン18の高さをしゃもじ把手部20の1/3としたが、ベース部17とガイドピン18の高さはしゃもじ把手部8の1/3に限るものではなく、しゃもじ19の重心よりしゃもじ把手部20側であれば同様の効果が得られるものである。
【0053】
(実施の形態3)
図10〜図14は、本発明の実施の形態3におけるしゃもじ受け具を示すものである。炊飯器本体1は実施の形態1と同様であり、異なる部分を中心に説明する。
【0054】
図において、U字形状のハンドル35はハンドル把手部4とハンドルアーム部32とハンドル軸契合部33としゃもじ受け具6を取付ける支持部34により構成しており、ハンドル軸契合部33により前後方向に回動自在に炊飯器本体1に軸支されている。支持部34はハンドルアーム部32をハンドル軸契合部33より先端側に延長したハンドルアーム部先端36に配置し、取付け部7を炊飯器本体1とハンドルアーム部32の間で支持するよう炊飯器本体1側へ略半円弧の凹形状としている。
【0055】
以上のように構成されたしゃもじ受け具6と支持部34について、以下その動作、作用を説明する。
【0056】
炊飯器本体1にしゃもじ受け具6によりしゃもじ5を取付ける場合には、ハンドル35に設けた支持部34にしゃもじ受け具6の取付け部7を勘合させしゃもじ受け具6をハンドル35に取付け、ハンドル35に取付けたしゃもじ受け具6へしゃもじ5を取付ける。支持部34をハンドル35のハンドル軸契合部33より先端側のハンドルアーム部先端36に設けてしゃもじ受け具6を支持していることにより、しゃもじ5の取付け位置は炊飯器本体1の側面前方に取付けることになる。このときのしゃもじ5の取付け、取り外しであるが、しゃもじ受け具6を炊飯器本体1の側面前方に取付けることになり、手を炊飯器の後方まで伸ばす必要が無く身近な位置でしゃもじ5を容易に取付け、取り外しができるようになる。
【0057】
また、ハンドル軸契合部33からハンドル把手部4にかけてのハンドルアーム部32は炊飯器本体1の重量を保持する強度が必要であり、凹形状や穴など細く強度の低い部分を設けることはできない。しかし、ハンドル軸契合部33より先端側に延長したハンドルアーム部先端36は炊飯器本体1の重量を保持する強度が必要ではないので自由な形状を構成することができる。このことにより、支持部34の形状を炊飯器本体1側へ略半円弧の凹形状とすることが可能となり、ハンドル35の外側に突起など炊飯器の外形を大きくするなどのデザインを損ねることなくしゃもじ受け具6の取付け部7を凹形状部分に勘合させしゃもじ受け具6を保持することができる。さらに凹形状の支持部34としたことにより、ハンドルアーム部32と炊飯器本体1の間に取付け部7の厚みを確保する必要が無く、ハンドルを含めた炊飯器本体1の外形をコンパクトにすることができる。
【0058】
また、支持部34を炊飯器本体1側へ略半円弧の凹形状としたが、支持部34の凹形状は略半円弧に限るものではなく、三角や四角などの凹形状であっても、しゃもじ受け具6を取付けることのできる形状であれば同様の効果が得られるものである。
【0059】
また、図13に示すように、支持部34を凹形状ではなく略四角の貫通の穴形状とすることもできる。穴形状とした支持部37では、しゃもじ受け具6の取付け部7の全周をガイドする構成となることにより、しゃもじ5のしゃもじ受け具6からの着脱操作時、しゃもじ5を前後左右に傾いた状態で操作した場合でも、しゃもじ受け具6がハンドル35から脱落することなく操作することができる。さらに、貫通穴としたことにより、ほこりやご飯粒などが支持部37に落下しても支持部37内に留まることなく落下するのでお手入れしやすく衛生的である。
【0060】
また、支持部37を略四角の穴形状としたが、支持部37の穴形状は四角に限るものではなく、また、穴の数も1ヶ所に限るものではなく、例えば丸穴を2ヶ所設け、しゃもじ受け具6の取付け部7の形状を先の丸穴の2ヶ所に合せた形状にするなど、しゃもじ受け具6の取付け部7の全周をガイドし固定する構成であれば同様の効果が得られるものである。
【0061】
また、図14に示すように、ハンドルアーム部先端36にしゃもじ把手部8を保持するしゃもじ保持部38を構成することもできる。図10〜図12ではハンドルアーム部先端36にしゃもじ受け具6を取付ける支持部37を設けた構成としたが、図14においては、しゃもじ保持部38を貫通穴とし、しゃもじ把手部8の側面を保持する構成としている。しゃもじ5をハンドルアーム部先端36に保持する構成はしゃもじ受け具6の支持部37への取付けに限るものではなく、ハンドルアーム部先端36にしゃもじ5を保持するしゃもじ保持部9の機能を持たせ、しゃもじ5を直接ハンドルで保持する構成としてもしゃもじ5を炊飯器本体1の側前方で保持することにおいて同様の効果が得られるものである。
【0062】
(実施の形態4)
図15〜図16は、本発明の実施の形態4におけるしゃもじ受け具を示すものである。炊飯器本体1は実施の形態3と同様であり、異なる部分を中心に説明する。
【0063】
図において、しゃもじ受け具39は取付け部40によりハンドル35の支持部34に取付けられている。このときの取付け部40の上面である取付け部上面42の高さであるが、蓋2を開放した状態の炊飯器本体1の上面である炊飯器本体上面43より低い位置となるよう構成している。しゃもじ保持部41は、しゃもじ5のしゃもじ把手部8が下方となり、且つヘラ部10が炊飯器本体1の後方側に傾くようしゃもじ5を傾斜させ保持している。このときのヘラ部10の位置であるが、ヘラ部10の先端が炊飯器本体1の後面より前方に位置した状態で保持している。
【0064】
以上のように構成されたしゃもじ受け具39について、以下その動作、作用を説明する。
【0065】
炊飯器本体1にしゃもじ受け具39によりしゃもじ5を取付ける場合には、しゃもじ把手部8を下向きの状態で上方に開口したしゃもじ保持部41に差し込む。しゃもじ5はしゃもじ把手部8を炊飯器の下方手前側、ヘラ部10を炊飯器の上方後方側となるようしゃもじ受け具39により保持される。このとき、しゃもじ把手部8は、先端が炊飯器の下方手前の状態で上方後方へ傾斜した状態となることにより、炊飯器使用者が炊飯器本体1の前方からしゃもじ5のしゃもじ把手部8を掴もうとする作業において、しゃもじ把手部8が目視しやすく、且つしゃもじ把手部8の角度が手を振り下ろしている角度とおよそ直角になり、手のひらでしゃもじ把手部8を掴みやすい角度となっている。
【0066】
また、しゃもじ5を傾斜させて保持することにより、ヘラ部10の先端高さが低くなり、しゃもじ5を炊飯器本体1に取付けた状態で炊飯器本体1を棚などに保管する場合、ヘラ部10が棚の天井に干渉しにくくなり、利便性を向上させることができる。
【0067】
また、ヘラ部10の先端が炊飯器本体1の後面より前方に位置していることにより、しゃもじ5を炊飯器本体1に取付けた状態で炊飯器本体1を棚などに保管する場合、ヘラ部10が棚の後壁面などに干渉することがなく、ヘラ部10および棚を衛生的に保つことができ、且つ炊飯器本体1を棚の奥まで収納することができ利便性を向上させることができる。
【0068】
また、取付け部上面42を、炊飯器本体上面43より低い位置としていることにより、蓋2を開放した状態で炊飯器本体上面43が凹凸なくフラットな状態となることにより、ご飯をよそう時や炊飯器本体上面43のお手入れを行う時に、作業する手が取付け部40に触れて作業が不十分になる、さらには作業する手が取付け部40に触れてしゃもじ受け具39が炊飯器本体1から脱落するなどの不具合が発生することが無く、操作性とお手入れ性をを向上させることができる。
【0069】
また、しゃもじ把手部8が下方前方側になるようしゃもじ5を傾斜させしゃもじ受け具39で保持するとしたが、しゃもじ5の保持する向きはしゃもじ把手部8が下方前方側に限るものではなく、しゃもじ把手部8が炊飯器前方側におよそ水平な状態で保持されていても、しゃもじ把手部8を掴む作業において何ら問題なく同様の効果が得られるものである。
【産業上の利用可能性】
【0070】
以上のように、本発明にかかるしゃもじ受け具は、炊飯器のデザイン性を確保しつつ、しゃもじの着脱操作性を向上させることができるので、家庭用および業務用のしゃもじ受け具として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の実施の形態1におけるしゃもじ受け具を炊飯器本体に取付けてしゃもじを保持した状態を示す全体の斜視図
【図2】同しゃもじ受け具を炊飯器に取付けた斜視図
【図3】同しゃもじ受け具としゃもじの関係を示す斜視図
【図4】同しゃもじ受け具を取付けたハンドルを立ち上げた状態を示す斜視図
【図5】同しゃもじ受け具としゃもじとの関係を示すハンドル立ち上げ時の断面図
【図6】同しゃもじ受け具としゃもじとの関係を示すハンドル立ち上げ時における他の構成の断面図
【図7】同しゃもじ受け具としゃもじとの関係を示すハンドル立ち上げ時におけるさらに他の構成の断面図
【図8】本発明の実施の形態2におけるしゃもじ受け具としゃもじの関係を示す斜視図
【図9】同しゃもじ受け具を炊飯器本体に取付けてしゃもじを保持した状態を示す全体の斜視図
【図10】本発明の実施の形態3におけるしゃもじ受け具を炊飯器本体に取付けてしゃもじを保持した状態を示す全体の斜視図
【図11】同しゃもじ受け具を炊飯器に取付けた斜視図
【図12】同しゃもじ受け具を取付けた状態の炊飯器の天面図
【図13】同しゃもじ受け具を取付ける前の支持部の他の構成の炊飯器の天面図
【図14】同ハンドルアーム部先端にしゃもじ保持部を一体に構成ししゃもじを保持した状態を示す全体の斜視図
【図15】本発明の実施の形態4におけるしゃもじ受け具を炊飯器本体に取付けてしゃもじを保持した状態を示す側面図
【図16】同しゃもじ受け具を炊飯器に取付け蓋を開放した炊飯器の側面図
【符号の説明】
【0072】
1 炊飯器本体
3、35 ハンドル
5、19 しゃもじ
6、15、39 しゃもじ受け具
7、22、40 取付け部
8、20 しゃもじ把手部
9、16、38、41 しゃもじ保持部
14 穴
17 ベース部
18 ガイドピン
26 重心
30 突起
31 摩擦抵抗の大きな部材
32 ハンドルアーム部
33 ハンドル軸契合部
34、37 支持部
36 ハンドルアーム部先端
42 取付け部上面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炊飯器本体の持ち運び用のハンドルに着脱自在に取付け可能な取付け部と、しゃもじ把手部の取付け方向に開放してしゃもじを保持するしゃもじ保持部とを有するしゃもじ受け具。
【請求項2】
しゃもじ保持部は、しゃもじ把手部とのがたつきを規制した有底筒形状とする請求項1に記載のしゃもじ受け具。
【請求項3】
しゃもじ保持部は、その高さを、しゃもじを保持した状態において、しゃもじの重心よりしゃもじ把手部側とした請求項2に記載のしゃもじ受け具。
【請求項4】
しゃもじ保持部は、しゃもじの取付け方向を規制するベース部と、このベース部と平行に設けたガイドピンとにより形成した請求項1に記載のしゃもじ受け具。
【請求項5】
しゃもじ保持部のベース部とガイドピンの高さを、しゃもじを支持した状態において、しゃもじの重心よりしゃもじ把手部側とした請求項4に記載のしゃもじ受け具。
【請求項6】
しゃもじ保持部のしゃもじ把手部との接触面に複数の突起を設けた請求項1〜5のいずれか1項に記載のしゃもじ受け具。
【請求項7】
しゃもじ保持部のしゃもじ把手部との接触面を摩擦部面とした請求項1〜6のいずれか1項に記載のしゃもじ受け具。
【請求項8】
しゃもじ保持部の底面に穴を設けた請求項2、3、6、7のいずれか1項に記載のしゃもじ受け具。
【請求項9】
ハンドルアーム部の炊飯器本体との軸契合部より先端側に支持部を設け、上記支持部に取付ける請求項1〜8のいずれか1項に記載のしゃもじ受け具。
【請求項10】
支持部の形状を凹形状または穴形状とし、上記支持部に取付ける請求項9に記載のしゃもじ受け具。
【請求項11】
支持部を炊飯器本体の両側2ヶ所に設け、上記2ヶ所の支持部のどちらにも取付く請求項9〜10のいずれかに記載のしゃもじ受け具。
【請求項12】
しゃもじ把手部を、炊飯器本体に対し前方下方に傾斜した状態でしゃもじを保持する請求項1〜11のいずれかに記載のしゃもじ受け具。
【請求項13】
ヘラ部が、炊飯器本体の後方外形より前方側となる状態でしゃもじを保持する請求項12に記載のしゃもじ受け具。
【請求項14】
取付け部の上面が、炊飯器本体の上面と同じ高さまたは下方に位置する請求項1〜13のいずれか1項に記載のしゃもじ受け具。
【請求項1】
炊飯器本体の持ち運び用のハンドルに着脱自在に取付け可能な取付け部と、しゃもじ把手部の取付け方向に開放してしゃもじを保持するしゃもじ保持部とを有するしゃもじ受け具。
【請求項2】
しゃもじ保持部は、しゃもじ把手部とのがたつきを規制した有底筒形状とする請求項1に記載のしゃもじ受け具。
【請求項3】
しゃもじ保持部は、その高さを、しゃもじを保持した状態において、しゃもじの重心よりしゃもじ把手部側とした請求項2に記載のしゃもじ受け具。
【請求項4】
しゃもじ保持部は、しゃもじの取付け方向を規制するベース部と、このベース部と平行に設けたガイドピンとにより形成した請求項1に記載のしゃもじ受け具。
【請求項5】
しゃもじ保持部のベース部とガイドピンの高さを、しゃもじを支持した状態において、しゃもじの重心よりしゃもじ把手部側とした請求項4に記載のしゃもじ受け具。
【請求項6】
しゃもじ保持部のしゃもじ把手部との接触面に複数の突起を設けた請求項1〜5のいずれか1項に記載のしゃもじ受け具。
【請求項7】
しゃもじ保持部のしゃもじ把手部との接触面を摩擦部面とした請求項1〜6のいずれか1項に記載のしゃもじ受け具。
【請求項8】
しゃもじ保持部の底面に穴を設けた請求項2、3、6、7のいずれか1項に記載のしゃもじ受け具。
【請求項9】
ハンドルアーム部の炊飯器本体との軸契合部より先端側に支持部を設け、上記支持部に取付ける請求項1〜8のいずれか1項に記載のしゃもじ受け具。
【請求項10】
支持部の形状を凹形状または穴形状とし、上記支持部に取付ける請求項9に記載のしゃもじ受け具。
【請求項11】
支持部を炊飯器本体の両側2ヶ所に設け、上記2ヶ所の支持部のどちらにも取付く請求項9〜10のいずれかに記載のしゃもじ受け具。
【請求項12】
しゃもじ把手部を、炊飯器本体に対し前方下方に傾斜した状態でしゃもじを保持する請求項1〜11のいずれかに記載のしゃもじ受け具。
【請求項13】
ヘラ部が、炊飯器本体の後方外形より前方側となる状態でしゃもじを保持する請求項12に記載のしゃもじ受け具。
【請求項14】
取付け部の上面が、炊飯器本体の上面と同じ高さまたは下方に位置する請求項1〜13のいずれか1項に記載のしゃもじ受け具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2007−236915(P2007−236915A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−213172(P2006−213172)
【出願日】平成18年8月4日(2006.8.4)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年8月4日(2006.8.4)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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