説明

ねじ付きシャフト及び回転直線運動変換機構

【課題】面取り部及びねじ部に奇数条の雄ねじを形成する際のシャフト本体の湾曲を許容上限値未満に抑える。
【解決手段】プラネタリシャフト本体の素材Wは奇数条の雄ねじを形成予定の本体ねじ部41Aと面取り部41Bとを備え、面取り部41Bは素材Wの軸線に対し傾斜角度α分だけ傾斜する。素材Wは一対のねじ型52の間に配置される。そして、それらねじ型52の一方と他方とを上記軸線と直交する方向に相対移動させると、それらねじ型52の対向面52aに形成された加工歯52bにより本体ねじ部41A及び面取り部41Bに奇数条の雄ねじが形成される。また、面取り部41Bの傾斜角度αに関しては、その傾斜角度αの45°以下の領域のうちの「0」寄りの領域内の値であって、同傾斜角度αの変化に対する雄ねじの形成後におけるプラネタリシャフト本体の湾曲の大きさの変化の変曲点に対応する値以下に設定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ねじ付きシャフト及び回転直線運動変換機構に関する。
【背景技術】
【0002】
ねじ付きシャフトは、回転運動を直線運動に変換する回転直線運動変換機構など、駆動力を伝達するための各種機構に用いられている。
こうしたねじ付きシャフトとしては、シャフト本体に設けられた円柱状のねじ部と、そのねじ部に繋がるとともに前記シャフト本体の端部に向かうほど前記ねじ部と同一の径から徐々に縮径してゆく面取り部とを備え、それらねじ部及び面取り部に転造によって雄ねじを形成したものが知られている。このねじ付きシャフトの雄ねじは、同シャフトとの間で駆動力の伝達を行う他の部品のねじ山と噛み合わされる。なお、ねじ付きシャフトにおける面取り部は、その面取り部及びねじ部に形成された雄ねじと上記他の部品のねじ山とを噛み合わせる際、それを円滑に行うためのものである。
【0003】
ねじ付きシャフトにおける雄ねじの転造による形成は、例えば特許文献1に示されるように行われる。詳しくは、シャフト本体をその軸線周りに回転可能に支持した状態で一対のねじ型の間に配置し、同シャフト本体のねじ部及び面取り部に対しそれらねじ型の対向面に形成された複数の加工歯を当てる。この状態で一対のねじ型の一方と他方とをシャフト本体の軸線と直交する方向に相対移動させると、それらねじ型の対向面に形成された加工歯がシャフト本体における面取り部及びねじ部を押圧し、それによって同シャフト本体のねじ部及び面取り部に雄ねじが形成される。
【0004】
図7及び図8は、上記ねじ型によるシャフト本体への雄ねじの形成態様を模式的に示したものである。なお、図7は偶数条の雄ねじを形成する場合の例を示し、図8は奇数条の雄ねじを形成する場合の例を示している。
【0005】
これらの図に示されるように、シャフト本体101のねじ部102及び面取り部105を挟むように配置された一対のねじ型103,104においては、それらの対向面103a,104aに複数の加工歯103b,104bが形成されている。これらの加工歯103b,104bは、シャフト本体101のねじ部102及び面取り部105に上記雄ねじを形成するためのものであって、ねじ型103とねじ型104とをシャフト本体101の軸線と直交する方向に相対移動させる際の移動方向に対し上記形成予定の雄ねじのリード角に対応した角度だけ傾斜している。そして、ねじ型103とねじ型104とを上述したように相対移動させることで、シャフト本体101がねじ型103とねじ型104との間で転がりながら、同シャフト本体101のねじ部102及び面取り部105が上記加工歯103b,104bにより押圧され、それによってねじ部102及び面取り部105に雄ねじが形成される。
【特許文献1】特許第2902101号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述した転造によりシャフト本体のねじ部及び面取り部に雄ねじを形成するに当たり、その形成予定の雄ねじが奇数条の雄ねじである場合には、面取り部に雄ねじを形成する際にシャフト本体に湾曲が生じるおそれがある。
【0007】
ここで、こうした不具合の発生理由について図7及び図8を参照して説明する。
ねじ部102及び面取り部105に偶数条の雄ねじを形成する場合、その雄ねじにおけるシャフト本体101の径方向についての断面が同シャフト本体101の軸線を中心とする線対称となる。このことは、ねじ型103の加工歯103bとねじ型104の加工歯104bとが、図7に示されるように、シャフト本体101の軸線方向に互いにずれることなく対応して位置するようにされることを意味する。従って、各加工歯103bがねじ部102及び面取り部105を押圧する際にシャフト本体101に対し作用する力と、各加工歯104bねじ部102及び面取り部105を押圧する際にシャフト本体101に対し作用する力とは、互いに逆方向に働いて相殺され、それら力の作用によってシャフト本体101が湾曲することは抑制される。
【0008】
しかし、ねじ部102及び面取り部105に奇数条の雄ねじを形成する場合には、その雄ねじにおけるシャフト本体101の径方向についての断面が同シャフト本体101の軸線を中心とする線対称とはならない。このことは、ねじ型103の加工歯103bとねじ型104の加工歯104bとが、図8に示されるように、シャフト本体101の軸線方向に互いにずれて位置するようにされることを意味する。従って、面取り部105への加工歯103b,104bの押圧に関して、加工歯103bと加工歯104bとの一方のみが面取り部105を押圧したり、両方が面取り部105を押圧するとしてもそれらの押圧の位置や強さが不規則であるという状況が生じる。例えば、図8の例では、面取り部105に対する押圧がほぼ加工歯103bのみによって行われる状況となっている。そして、上述したように面取り部105が不規則に押圧される状況では、その押圧に基づく力が面取り部105に対しシャフト本体101の軸線に向けて作用する。このとき、ねじ部102は、各加工歯103b,104bからの押圧によって径方向について固定された状態となる。従って、面取り部105への上記力の作用によりシャフト本体101がねじ部102を支点として大きく湾曲するおそれがある。
【0009】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、面取り部及びねじ部に奇数条の雄ねじを形成する際のシャフト本体の湾曲を許容上限値未満に抑えることのできるねじ付きシャフト、及び同シャフトを用いた回転直線運動変換機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、シャフト本体に設けられた円柱状のねじ部と、そのねじ部に繋がるとともに前記シャフト本体の端部に向かうほど前記ねじ部と同一の径から徐々に縮径してゆく面取り部とを備え、前記シャフト本体を一対のねじ型の間に配置して前記ねじ部及び前記面取り部に対しそれらねじ型の対向面に形成された複数の加工歯を当てた状態で、それらねじ型の一方と他方とを前記シャフト本体の軸線と直交する方向に相対移動させることにより、前記面取り部及び前記ねじ部に奇数条の雄ねじを形成したねじ付きシャフトにおいて、前記面取り部の前記シャフト本体の軸線に対する傾斜角度に関しては、その傾斜角度の45°以下の領域のうちの「0」寄りの領域内の値であって、同傾斜角度の変化に対する前記雄ねじの形成後における前記シャフト本体の湾曲の変化の変曲点に対応する値以下に設定されていることを要旨とした。
【0011】
面取り部の傾斜角度が大きくなるほど、面取り部に雄ねじを形成するために同面取り部に対し加工歯による押圧が行われる際、同加工歯が面取り部に食い込む際の深さが深くなり、加工歯の面取り部に対する押圧に基づきシャフト本体に対しその軸線に向かって作用する力の大きさが大きくなる。このため、雄ねじの形成後におけるシャフト本体の湾曲の大きさに関しては、面取り部の傾斜角度が大きいほど大きくなる傾向がある。更に、上記傾斜角度の単位増加量当たりの上記湾曲の大きさの増加量に関しては、同傾斜角度における45°以下の領域のうち上記変曲点に対応する値よりも「0」寄りの領域で小となり、上記変曲点に対応する値よりも増加側の領域では大となる傾向がある。以上のことから、上記傾斜角度を上記変曲点に対応する値以下に設定することで、雄ねじ形成後におけるシャフト本体の湾曲の大きさを的確に小さくすることができ、その湾曲の大きさを許容上限値未満に抑えることができるようになる。
【0012】
請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明において、前記面取り部の傾斜角度に関しては、前記雄ねじのピッチに基づき、そのピッチが大きいほど小さい値に設定されることを要旨とした。
【0013】
ねじ型における隣合う加工歯は形成予定の雄ねじに対応した形状とされるため、隣り合う加工歯の間隔に関しては同雄ねじのピッチが大きいほど大きくなる。その結果、雄ねじのピッチが大きいほど、一対のねじ型の対向面に各々形成された加工歯のうちの一方と他方とのシャフト本体の軸線方向についてのずれ量も大きくなる。このため、面取り部への雄ねじの形成に際して、一方の加工歯による面取り部の押圧が行われるとき、その押圧に基づく力がシャフト本体に対しねじ部からより離れた位置にて同シャフトの軸線に向けて作用する可能性が高くなり、その力の作用によってシャフト本体が固定状態にあるねじ部を支点として曲がりやすくなる。しかし、上記構成によれば、面取り部の傾斜角度に関しては雄ねじのピッチが大きいほど小さい値に設定されるため、それによって上述したシャフト本体の曲がりを的確に抑制することができる。
【0014】
請求項3記載の発明では、請求項1又は2記載の発明では、前記面取り部の傾斜角度に関しては、前記雄ねじの高さに基づき、その高さが大であるときほど小さい値に設定されることを要旨とした。
【0015】
ねじ型における隣合う加工歯は形成予定の雄ねじに対応した形状とされるため、加工歯の高さに関しては同雄ねじの高さが大となるほど大きくなる。その結果、雄ねじの高さが大であるほど、面取り部への雄ねじの形成に際して、加工歯による面取り部への押圧が強く行われ、その押圧に基づきシャフト本体に対しその軸線に向かって作用する力の大きさが大きくなる。このため、雄ねじ形成後のシャフト本体の湾曲がより大きくなりやすくなる。しかし、上記構成によれば、面取り部の傾斜角度に関しては雄ねじの高さが大であるときほど小さい値に設定されるため、それによって上述したシャフト本体の湾曲を的確に抑制することができる。
【0016】
請求項4記載の発明では、請求項1記載の発明において、前記面取り部の傾斜角度αは、前記雄ねじのピッチP及び高さH、並びに所定の係数Kを用いた式「α=H/(K・P)」を満たす値に設定されていることを要旨とした。
【0017】
ねじ型における隣合う加工歯は形成予定の雄ねじに対応した形状とされるため、隣り合う加工歯の間隔に関しては同雄ねじのピッチPが大きいほど大きくなる。その結果、雄ねじのピッチPが大きいほど、一対のねじ型の対向面に各々形成された加工歯のうち、一方と他方とのシャフト本体の軸線方向についてのずれ量が大きくなる。このため、面取り部への雄ねじの形成に際して、一方の加工歯による面取り部の押圧が行われるとき、その押圧に基づく力がシャフト本体に対しねじ部からより離れた位置にて同シャフトの軸線に向けて作用する可能性が高くなり、その力の作用によってシャフト本体が固定状態にあるねじ部を支点として曲がりやすくなる。
【0018】
また、加工歯の高さHに関しては形成予定の雄ねじの高さHが大となるほど大きくなる。その結果、雄ねじの高さHが大であるほど、面取り部への雄ねじの形成に際して、加工歯による面取り部への押圧が強く行われ、その押圧に基づきシャフト本体に対しその軸線に向かって作用する力の大きさが大きくなる。このため、雄ねじ形成後のシャフト本体の湾曲がより大きくなりやすくなる。
【0019】
上記構成によれば、面取り部の傾斜角度αが雄ねじのピッチP及び高さHを用いて上記式「α=H/(K・P)」を満たす値に設定されているため、その傾斜角度αに関しては、雄ねじのピッチPが大きいほど小さい値に設定されるとともに、雄ねじの高さHが大となるほど小さい値に設定される。従って、上述したシャフト本体の曲がり(湾曲)が的確に抑制されるようになる。
【0020】
請求項5記載の発明では、パイプ状をなして内周面に雌ねじ及びギヤ歯が形成されるリングシャフトと、前記リングシャフト内に同リングシャフトと同一軸線上で延びるように配置されて外周面に雄ねじ及びギヤ歯が形成されるサンシャフトと、前記サンシャフトの外周面と前記リングシャフトの内周面との間にそれらシャフトと同方向に延びるように配置されて前記リングシャフトの雌ねじ及びギヤ歯に噛み合わされるとともに前記サンシャフトの雄ねじ及びギヤ歯と噛み合わされる雄ねじ及びギヤ歯を外周面に形成した複数のプラネタリシャフトと、を備える回転直線運動変換機構において、前記プラネタリシャフトが請求項1〜4のいずれか一項に記載のねじ付きシャフトとされていることを要旨とした。
【0021】
回転直線運動変換機構においては、その駆動力の伝達効率を高い状態に維持するため、各プラネタリシャフトをその軸線方向に一直線上に延びるように形成し、かつ各プラネタリシャフトの姿勢をサンシャフトに対し平行となるようにすることが重要である。上記構成によれば、転造による面取り部への雄ねじの形成に伴うプラネタリシャフトの曲がりの大きさが許容上限値未満に抑えられるとともに、そのプラネタリシャフトの曲がりに伴い同シャフトがサンシャフトに対し傾くことも抑制される。従って、回転直線運動変換機構の駆動力の伝達効率を高い状態に維持することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明を回転直線運動変換機構、及びそれに用いられるプラネタリシャフトに具体化した一実施形態について、図1〜図6に従って説明する。
図1に示されるように、回転直線運動変換機構1は、軸方向へ延びる空間を内部に有するパイプ状のリングシャフト2と、リングシャフト2の内部に配置されて同シャフト2と同軸上で延びるサンシャフト3と、サンシャフト3の周囲にサンシャフト3及びリングシャフト2と平行に配置される複数のプラネタリシャフト4とを備えている。
【0023】
リングシャフト2は、パイプ状のリングシャフト本体21における前面寄りの部分(図中右寄りの部分)の内周面に前面リングギヤ22を嵌め込んで固定するとともに、同リングシャフト本体21における背面寄りの部分(図中左寄りの部分)の内周面に背面リングギヤ23を嵌め込んで固定したものである。上記リングシャフト本体21の長手方向中央部の内周面には雌ねじ24が形成されている。
【0024】
サンシャフト3は、外周面に雄ねじ34を有するサンシャフト本体31の同雄ねじ34よりも前面側(図中の右側)に前面サンギヤ32を設けるとともに、同サンシャフト本体31の雄ねじ34よりも背面側(図中の左側)に背面サンギヤ33を設けたものである。上記前面サンギヤ32は、サンシャフト本体31と一体に形成されている。また、上記背面サンギヤ33は、サンシャフト本体31と別体となっており、サンシャフト本体31における背面寄りの部分の外周面に嵌め込むことにより同サンシャフト本体31に対しその軸線回りに一体回転可能に取り付けられている。
【0025】
プラネタリシャフト4は、外周面に奇数条の雄ねじ44を有するプラネタリシャフト本体41の同雄ねじ44よりも前面側(図中の右側)の部分に前面プラネタリギヤ42を設けるとともに、同プラネタリシャフト本体41の雄ねじ44よりも背面側(図中の左側)に背面プラネタリギヤ43を設けたものである。上記雄ねじ44は、リングシャフト2の雌ねじ24と噛み合うとともに、サンシャフト3の雄ねじ34とも噛み合っている。上記前面プラネタリギヤ42は、プラネタリシャフト本体41と一体に形成されており、リングシャフト2の前面リングギヤ22と噛み合うとともに、サンシャフト3の前面サンギヤ32とも噛み合っている。上記背面プラネタリギヤ43は、プラネタリシャフト本体41と別体となっており、プラネタリシャフト本体41の雄ねじ44よりも背面寄りの部分に対し同プラネタリシャフト本体41の軸線回りに相対回転可能となるよう組み付けられている。
【0026】
以上のように構成された回転直線運動変換機構1においては、リングシャフト2に回転運動が入力される。このようにリングシャフト2に回転運動が入力されると、前面リングギヤ22と各前面プラネタリギヤ42との噛み合い、背面リングギヤ23と各背面プラネタリギヤ43との噛み合い、及び雌ねじ24と各雄ねじ44との噛み合いを通じて、回転運動するリングシャフト2から各プラネタリシャフト4への力の伝達が行われる。この力の伝達により、各プラネタリシャフト4が自身の軸線を中心に自転しつつサンシャフト3の軸線を中心に公転する遊星運動を行う。更に、こうした各プラネタリシャフト4の遊星運動が行われると、各前面プラネタリギヤ42と前面サンギヤ32との噛み合い、各背面プラネタリギヤ43と背面サンギヤ33との噛み合い、及び各雄ねじ44と雄ねじ34との噛み合いを通じて、遊星運動する各プラネタリシャフト4からサンシャフト3への力の伝達が行われる。このとき、サンシャフト3の回転方向への変位を規制しておけば、上記力の伝達を通じてサンシャフト3が軸線方向に変位する。
【0027】
次に、回転直線運動変換機構1にねじ付きシャフトとして設けられている上記プラネタリシャフト4について、図2を参照して詳しく説明する。なお、図2において、(a)はプラネタリシャフト4を示す側面図であり、(b)は同プラネタリシャフト4を分解した状態を示す側面図であり、(c)は同プラネタリシャフト4を構成する背面プラネタリギヤ43の中心線に沿った断面構造を示す断面図である。
【0028】
図2(a)に示されるように、プラネタリシャフト4は、プラネタリシャフト本体41の長手方向中央部に設けられて上記雄ねじ44の形成される円柱状の本体ねじ部41Aを備えている。また、プラネタリシャフト本体41は、上記本体ねじ部41Aに繋がるとともにプラネタリシャフト本体41の端部に向かうほど本体ねじ部41Aと同一の径から徐々に縮径してゆき、同本体ねじ部41Aと同じく上記雄ねじ44の形成される面取り部41Bも備えている。プラネタリシャフト本体41における本体ねじ部41A及び面取り部41Bの雄ねじ44は転造によって形成されている。この面取り部41Bは、同面取り部41B及び本体ねじ部41Aに形成された上記雄ねじ44をサンシャフト3の雄ねじ34及びリングシャフト2の雌ねじ24と噛み合わせる際、それを円滑に行うためのものである。
【0029】
プラネタリシャフト4の前面プラネタリギヤ42と背面プラネタリギヤ43とは、互いに同一形状となる平歯の外歯車として形成されている。前面プラネタリギヤ42は、プラネタリシャフト本体41における前面寄りの部分である前面シャフト41Fに転造によって形成されている。また、背面プラネタリギヤ43に関しては、図2(b)に示されるようにプラネタリシャフト本体41と別体となっており、図2(c)に示されるように内部に同ギヤ43の中心線上に延びる軸受孔43Hが形成されている。そして、この軸受孔43Hにプラネタリシャフト本体41における背面寄りの部分である背面シャフト41Rを挿入することで、背面プラネタリギヤ43がプラネタリシャフト本体41に対して相対回転可能に組み付けられている。
【0030】
次に、プラネタリシャフト本体41を形成するための素材について、図3を参照して説明する。
この素材Wは、プラネタリシャフト本体41(図2(b))に対し雄ねじ44及び前面プラネタリギヤ42を転造により形成する前のものであって丸棒状をなしている。そして、素材Wは、その長手方向中央部に形成された円柱状の本体ねじ部41Aと、同本体ねじ部41Aに繋がるとともに素材Wの端部に向かうほど本体ねじ部41Aと同一の径から徐々に縮径してゆく面取り部41Bとを備えている。更に、素材Wは、それら本体ねじ部41A及び面取り部41Bに隣り合うよう形成された円柱状の前面シャフト41F、及び上記背面シャフト41Rを備えている。上記面取り部41Bは素材Wの軸線(プラネタリシャフト本体41の軸線)に対し傾斜角度α分だけ傾斜しており、このことから転造による雄ねじ44及び前面プラネタリギヤ42の形成後のプラネタリシャフト本体41においても面取り部41Bは上記軸線に対し傾斜角度αだけ傾斜することとなる。
【0031】
次に、素材Wの本体ねじ部41A及び面取り部41Bに雄ねじ44を、更に同素材Wの前面シャフト41Fに前面プラネタリギヤ42を、それぞれ転造により形成するための転造工具について、図4を参照して説明する。
【0032】
同図に示される転造工具51は、上記雄ねじ44を形成するためのねじ型52と、上記前面プラネタリギヤ42を形成するためのギヤ型53とを備えている。これらねじ型52及びギヤ型53は、並設されるとともに、それぞれ上下一対となっている(図4には下側のねじ型52及びギヤ型53のみ図示)。そして、上側のねじ型52及びギヤ型53と下側のねじ型52及びギヤ型53とは、それらの長手方向について相対移動可能となっている。上側のねじ型52と下側のねじ型52との対向面52aには、それらねじ型52の移動方向に対し素材Wに形成予定の雄ねじ44のリード角に対応した角度だけ傾斜した複数の加工歯52bが形成されている。また、上側のギヤ型53と下側のギヤ型53との対向面53aには、それらギヤ型53の移動方向に対し直交する方向に延びる複数の加工歯52bが形成されている。
【0033】
そして、素材Wに対する雄ねじ44及び前面プラネタリギヤ42の転造による形成は、以下のようにして行われる。すなわち、素材Wをその軸線周りに回転可能に支持し、素材Wの前面シャフト41Fが上下一対のギヤ型53の間に位置するとともに、素材Wの本体ねじ部41A及び面取り部41Bが上下一対のねじ型52の間に位置するよう上記素材Wが配置される。この状態で、上側のねじ型52及びギヤ型53と下側のねじ型52及びギヤ型53とをそれらの長手方向(素材Wと直交する方向)において互いに逆方向に移動させ、それらの相対移動が行われる。このとき、素材Wがその軸線を中心に転がりながら、同素材Wの本体ねじ部41A及び面取り部41Bに対し、上下一対のねじ型52の対向面52aに形成された加工歯52bが押圧され、それによって本体ねじ部41A及び面取り部41Bに雄ねじ44が形成される。また、その際には素材Wの前面シャフト41Fに対し上下一対のギヤ型53の対向面53aに形成された加工歯53bが押圧され、それによって前面シャフト41Fに前面プラネタリギヤ42が形成される。
【0034】
次に、ねじ型52による素材Wの本体ねじ部41A及び面取り部41Bへの雄ねじ44の形成態様について、その形成態様を模式的に示した図5を参照して詳しく説明する。
上下一対のねじ型52を用いた転造により本体ねじ部41A及び面取り部41Bに奇数条の雄ねじ44を形成する場合、面取り部41Bに雄ねじ44を形成する際に素材W(プラネタリシャフト本体41)に湾曲が生じるおそれがある。
【0035】
これは、雄ねじ44におけるプラネタリシャフト本体41の径方向についての断面が同プラネタリシャフト本体41の軸線を中心とする線対称とならず、こうした雄ねじ44を形成するために上側のねじ型52の加工歯52bと下側のねじ型52との加工歯52bが上記軸線方向に互いにずらした状態とされることが原因である。この場合、それら加工歯52bの面取り部41Bに対する押圧に関して、上側のねじ型52の加工歯52bと下側のねじ型52の加工歯52bとの一方のみが面取り部41Bを押圧したり、両方が面取り部41Bを押圧するとしてもそれらの押圧の位置や強さが不規則になるという状況が生じる。例えば、図5の例では、面取り部41Bに対する上側のねじ型52の加工歯52bによる押圧と下側のねじ型52の加工歯52bによる押圧とで押圧位置が異なり、下側のねじ型52の加工歯52bの押圧が上側のねじ型52の加工歯52bによる押圧よりも強く行われる状況となっている。そして、上述したように面取り部41Bの不規則な押圧が行われる状況では、その押圧に基づく力が素材Wの軸線(プラネタリシャフト本体41の軸線)に向けて作用する。このとき、本体ねじ部41Aは、図中上側と下側との両方の加工歯52bからの押圧によって径方向について固定された状態となる。従って、面取り部41Bへの上記力の作用により、雄ねじ44形成後のプラネタリシャフト本体41が湾曲するおそれがある。
【0036】
こうした不具合に対処するため、面取り部41Bの傾斜角度αの大きさと雄ねじ44形成後のプラネタリシャフト本体41の湾曲の大きさとの間にある図6に示される関係を考慮して、プラネタリシャフト4における面取り部41Bの傾斜角度αが次のように小さく設定される。すなわち、面取り部41Bの傾斜角度αに関しては、その傾斜角度αの45°以下の領域のうちの「0」寄りの領域内の値であって、同傾斜角度αの変化に対する雄ねじ44の形成後におけるプラネタリシャフト本体41の湾曲の大きさの変化の変曲点Xに対応する値αX以下に設定されている。
【0037】
図6から分かるように、傾斜角度αが大きくなるほど、雄ねじ44形成後のプラネタリシャフト本体41の湾曲が大きくなる。これは、傾斜角度αが図5に矢印で示されるように大きくなるほど、面取り部41Bに対し加工歯52bによる押圧が行われ、同加工歯52bが面取り部41Bに対し図中にハッチングで示されるように食い込む際の深さが深くなることが関係している。このように加工歯52bが面取り部41Bに食い込む際の深さが深くなるということは、加工歯52bによる面取り部41Bに対する押圧が強くなり、その押圧に基づきプラネタリシャフト本体41(素材W)に対しその軸線に向かって作用する力の大きさが大きくなることを意味する。このため、雄ねじ44の形成後におけるプラネタリシャフト本体41の湾曲の大きさに関しては、図6に示されるように面取り部41Bの傾斜角度αが大きいほど大きくなる傾向がある。更に、上記傾斜角度αの単位増加量当たりの上記湾曲の大きさの増加量に関しては、同傾斜角度αにおける45°以下の領域のうち上記変曲点Xに対応する値αXよりも「0」寄りの領域で小となり、上記変曲点Xに対応する値αXよりも増加側の領域では大となる傾向がある。
【0038】
以上のことを考慮して、上述したように傾斜角度αを図6の変曲点Xに対応する値αX以下に設定することで、雄ねじ44形成後におけるプラネタリシャフト本体41の湾曲の大きさを的確に小さくすることができ、その湾曲の大きさを許容上限値未満に抑えることができるようになる。なお、傾斜角度αを小さくしすぎると、面取り部41Bにおけるプラネタリシャフト本体41の軸線方向についての長さが長くなったり、前面シャフト41F及び背面シャフト41Rが太くなったりし、回転直線運動変換機構1を組み立てられなくなるおそれがある。従って、傾斜角度αの最小値としては例えば「0」よりも大きい値であって回転直線運動変換機構1を組み立て可能な最小値が用いられ、その最小値から上記値αXまでの範囲内の値に傾斜角度αが設定される。
【0039】
また、面取り部41Bの傾斜角度αに関しては、上述したように最小値から値αXまでの範囲内の値に設定したうえで、更に雄ねじ44のピッチPに基づき同ピッチPが大きいほど小さい値に設定されるとともに、雄ねじ44の高さHに基づき同高さHが大であるときほど小さい値に設定される。
【0040】
より具体的には、傾斜角度αがピッチP、高さH、及び所定の係数Kを用いた次の式「α==H/(K・P) …(1)」を満たす値に設定される。なお、上記係数Kは、ピッチP及び高さHを含む雄ねじ44の緒元に基づいて可変設定とされる値であり、この実施形態では例えば「1.5」に設定される。この式(1)を満たす値に傾斜角度αを設定することで、雄ねじ44のピッチPが大きいほど傾斜角度αを小さい値に設定すること、及び雄ねじ44の高さHが大であるほど傾斜角度αを小さい値に設定することを、それぞれ的確に行うことができるようになる。
【0041】
ここで、ねじ型52における隣合う加工歯52bは形成予定の雄ねじ44に対応した形状とされるため、隣り合う加工歯52bの間隔に関しては、同雄ねじ44のピッチPが大きいほど大きくなる。その結果、雄ねじ44のピッチPが大きいほど、上下一対のねじ型52の対向面52aに各々形成された加工歯52bのうち、一方と他方との素材W(プラネタリシャフト本体41)の軸線方向についてのずれ量が大きくなる。このため、面取り部41Bへの雄ねじ44の形成に際して、一方のねじ型52の加工歯52bによる面取り部41Bの押圧が行われるとき、図5のハッチングで示される位置が本体ねじ部41Aに対しより遠い位置になる可能性が高くなる。言い換えれば、上記加工歯52bが面取り部41Bを押圧する際の力が、素材Wに対し本体ねじ部41Aからより離れた位置にて同素材Wの軸線に向けて作用する可能性が高くなる。その結果、同力の作用によって素材Wが固定状態にある本体ねじ部41Aを支点として曲がりやすくなる。
【0042】
また、ねじ型52における隣合う加工歯52bは形成予定の雄ねじ44に対応した形状とされるため、加工歯52bの高さHに関しては形成予定の雄ねじ44の高さHが大となるほど大きくなる。その結果、雄ねじ44の高さHが大であるほど、面取り部41Bへの雄ねじ44の形成に際して、図5のハッチングで示される部分の面積が大となり、加工歯52bによる面取り部41Bへの押圧が強く行われ、その押圧に基づき素材Wに対しその軸線に向かって作用する力の大きさが大きくなる。このため、雄ねじ44形成後のプラネタリシャフト本体41の湾曲がより大きくなりやすくなる。
【0043】
しかし、面取り部41Bの傾斜角度αに関しては、雄ねじ44のピッチP及び高さHを用いて上記式(1)を満たす値に設定され、それによってピッチPが大きいほど小さい値となるよう、且つ雄ねじ44の高さHが大となるほど小さい値となるよう、的確に設定される。これにより、上述した雄ねじ44形成後のプラネタリシャフト本体41の曲がり(湾曲)を的確に抑制することが可能になる。
【0044】
以上詳述した本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)プラネタリシャフト4の面取り部41Bの同シャフト4の軸線に対する傾斜角度αを、図6の変曲点Xに対応する値αX以下に設定することで、雄ねじ44形成後におけるプラネタリシャフト本体41の湾曲の大きさを的確に小さくすることができ、その湾曲の大きさを許容上限値未満に抑えることができる。
【0045】
(2)面取り部41Bの傾斜角度αに関しては、形成予定の雄ねじ44のピッチPが大きいほど小さい値に設定される。形成予定の雄ねじ44のピッチPが大きいほど、面取り部41Bへの加工歯52bの押圧が行われるとき、その押圧に基づく力が固定状態にある本体ねじ部41Aからより離れた位置にて作用する可能性が高くなり、雄ねじ44形成後のプラネタリシャフト本体41の湾曲が大きくなりやすくなる。しかし、上述したように傾斜角度αをピッチPに基づき設定することで、上記プラネタリシャフト本体41の湾曲を的確に抑制することが可能になる。
【0046】
(3)また、面取り部41Bの傾斜角度αに関しては、形成予定の雄ねじ44の高さHが大となるほど小さい値に設定される。形成予定の雄ねじ44の高さHが大となるほど、面取り部41Bへの加工歯52bの押圧が行われるとき、面取り部41Bへの雄ねじ44の食い込みが深くなることから上記押圧が強く行われ、雄ねじ44形成後のプラネタリシャフト本体41の湾曲が大きくなりやすくなる。しかし、上述したように傾斜角度αを高さHに基づき設定することで、上記プラネタリシャフト本体41の湾曲を的確に抑制することが可能になる。
【0047】
(4)上記(2)及び(3)でのピッチP及び高さHに基づく傾斜角度αの設定は、式(1)を満たす値に傾斜角度αを設定することによって実現される。これにより、雄ねじ44のピッチPが大きいほど傾斜角度αを小さい値に設定すること、及び雄ねじ44の高さHが大であるほど傾斜角度αを小さい値に設定することを、的確に行うことができるようになる。
【0048】
(5)上述した傾斜角度αの設定を通じて雄ねじ44形成後のプラネタリシャフト本体41の湾曲を抑制できるため、プラネタリシャフト4を回転直線運動変換機構1に組み付けたとき、同シャフト4がその軸線方向に一直線上に延びなくなったり、同シャフト4の姿勢がサンシャフト3に対し平行に維持できなくなったりすることは抑制される。なお、回転直線運動変換機構1においては、その駆動力の伝達効率を高い状態に維持するために、各プラネタリシャフト4をその軸線方向に一直線上に延びるように形成し、かつ各プラネタリシャフト4の姿勢をサンシャフト3に対し平行となるようにすることが重要である。このため、プラネタリシャフト本体41が湾曲することで、プラネタリシャフト4がその軸線方向に一直線上に延びなくなったり、同シャフト4の姿勢がサンシャフト3に対し平行に維持できなくなったりすると、上記駆動力の伝達効率を高い状態に維持することが困難になる。しかし、こうした不具合が生じることは抑制されるようになる。
【0049】
なお、上記各実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
・回転直線運動変換機構1以外のねじ付きシャフトが用いられる機構、及びそのねじ付きシャフトに本発明を適用してもよい。
【0050】
・サンシャフト3に本発明を適用することも可能である。
・傾斜角度αの設定に関して、必ずしも上記式(1)を用いる必要はない。
・傾斜角度αの設定に関して、形成予定の雄ねじ44のピッチPと高さHとのうち、ピッチPのみを考慮して設定したり、高さHのみを考慮して設定したりしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本実施形態の回転直線運動変換機構の内部構造を示す斜視図。
【図2】(a)は同機構におけるプラネタリシャフトを示す側面図であり、(b)は同プラネタリシャフトを分解した状態を示す側面図であり、(c)は同プラネタリシャフトを構成する背面プラネタリギヤの中心線に沿った断面構造を示す断面図である。
【図3】プラネタリシャフト本体を形成するための素材を示す略図。
【図4】同素材に対し雄ねじ及び前面プラネタリギヤを形成するための転造工具の構造を示す斜視図。
【図5】ねじ型によりシャフト本体に奇数条の雄ねじを形成する際の同雄ねじの形成態様を示す模式図。
【図6】面取り部の傾斜角度の大きさと雄ねじ形成後のプラネタリシャフト本体の湾曲の大きさとの間の関係を示すグラフ。
【図7】ねじ型によりシャフト本体に偶数条の雄ねじを形成する際の同雄ねじの形成態様を示す模式図。
【図8】ねじ型によりシャフト本体い奇数条の雄ねじを形成する際の同雄ねじの形成態様を示す模式図。
【符号の説明】
【0052】
1…回転直線運動変換機構、2…リングシャフト、3…サンシャフト、4…プラネタリシャフト、21…リングシャフト本体、22…前面リングギヤ、23…背面リングギヤ、24…雌ねじ、31…サンシャフト本体、32…前面サンギヤ、33…背面サンギヤ、34…雄ねじ、41…プラネタリシャフト本体、41A…本体ねじ部、41B…面取り部、41F…前面シャフト、41R…背面シャフト、42…前面プラネタリギヤ、43…背面プラネタリギヤ、43H…軸受孔、44…雄ねじ、51…転造工具、52…ねじ型、52a…対向面、52b…加工歯、53…ギヤ型、53a…対向面、53b…加工歯、W…素材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフト本体に設けられた円柱状のねじ部と、そのねじ部に繋がるとともに前記シャフト本体の端部に向かうほど前記ねじ部と同一の径から徐々に縮径してゆく面取り部とを備え、前記シャフト本体を一対のねじ型の間に配置して前記ねじ部及び前記面取り部に対しそれらねじ型の対向面に形成された複数の加工歯を当てた状態で、それらねじ型の一方と他方とを前記シャフト本体の軸線と直交する方向に相対移動させることにより、前記面取り部及び前記ねじ部に奇数条の雄ねじを形成したねじ付きシャフトにおいて、
前記面取り部の前記シャフト本体の軸線に対する傾斜角度に関しては、その傾斜角度の45°以下の領域のうちの「0」寄りの領域内の値であって、同傾斜角度の変化に対する前記雄ねじの形成後における前記シャフト本体の湾曲の変化の変曲点に対応する値以下に設定されている
ことを特徴とするねじ付きシャフト。
【請求項2】
前記面取り部の傾斜角度に関しては、前記雄ねじのピッチに基づき、そのピッチが大きいほど小さい値に設定される
請求項1記載のねじ付きシャフト。
【請求項3】
前記面取り部の傾斜角度に関しては、前記雄ねじの高さに基づき、その高さが大であるときほど小さい値に設定される
請求項1又は2記載のねじ付きシャフト。
【請求項4】
前記面取り部の傾斜角度αは、前記雄ねじのピッチP及び高さH、並びに所定の係数Kを用いた式「α=H/(K・P)」を満たす値に設定されている
請求項1記載のねじ付きシャフト。
【請求項5】
パイプ状をなして内周面に雌ねじ及びギヤ歯が形成されるリングシャフトと、
前記リングシャフト内に同リングシャフトと同一軸線上で延びるように配置されて外周面に雄ねじ及びギヤ歯が形成されるサンシャフトと、
前記サンシャフトの外周面と前記リングシャフトの内周面との間にそれらシャフトと同方向に延びるように配置されて前記リングシャフトの雌ねじ及びギヤ歯に噛み合わされるとともに前記サンシャフトの雄ねじ及びギヤ歯と噛み合わされる雄ねじ及びギヤ歯を外周面に形成した複数のプラネタリシャフトと、
を備える回転直線運動変換機構において、
前記プラネタリシャフトが請求項1〜4のいずれか一項に記載のねじ付きシャフトとされている
ことを特徴とする回転直線運動変換機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−291950(P2008−291950A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−139519(P2007−139519)
【出願日】平成19年5月25日(2007.5.25)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】