説明

ぱちんこ遊技機

【課題】大当たりとなる図柄変動よりも前の図柄変動でも遊技者に期待感を与えること。
【解決手段】ぱちんこ遊技機は、保留球の大当たり抽選の抽選結果を判定し、所定条件を満たす保留球がある場合には大当たりへの信頼度が高く定められた所定の演出の選択確率が高く定められた第1抽選テーブルを用いて演出を選択するための抽選をおこない、所定条件を満たす保留球がない場合には第1抽選テーブルよりも高信頼度演出の選択確率が低く定められた第2抽選テーブルを用いて演出を選択するための抽選をおこなう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、始動条件が成立する前に入賞した遊技球に対する事前判定をおこない、当該事前判定による判定結果を用いた演出をおこなうぱちんこ遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、たとえば、遊技盤上の所定の始動口へ遊技球が入賞することにより大当たり抽選をおこなって、可変表示装置にて3列の図柄(たとえば1〜12の数字の図柄)を変動表示させる遊技機があった。このような遊技機は、大当たり抽選に当選した場合に、変動表示させた3列の図柄を特定の組み合わせ(たとえば「7・7・7」)で停止表示させ、大当たり遊技状態へと移行する。この大当たり遊技状態において、遊技者は多数の賞球を獲得できる。
【0003】
また、このような遊技機においては、数回後の図柄変動で大当たりとなる場合に、当該大当たりまでに複数回の図柄変動にわたって継続した演出(以下「連続演出」という)をおこなうものが公知である(たとえば、下記特許文献1参照。)。たとえば、この遊技機の場合、始動入賞口に遊技球が入賞したときに取得された大当り判定用乱数の値とあらかじめ定めた演出判定値とを比較し、これらの両値が一致すると、その時点における保留球の数(以下「保留球数」という)に基づいた連続演出を実行させるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−275410号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の従来技術にあっては、遊技者に大当たりへの期待感を与えることができる図柄変動が限られており、それ以外の図柄変動中に遊技者が退屈してしまう場合があった。たとえば、上記のような連続演出をおこなう遊技機は、大当たりとなる図柄変動(連続演出を開始させる契機となった保留球による図柄変動)よりも前の図柄変動で、いわゆる「チャンス目」を停止させることが多い。このようなチャンス目を停止させる図柄変動中に、遊技機は、今回の図柄変動で大当たりになることを遊技者に期待させるような演出ではなく、チャンス目を停止させることを遊技者に示唆する演出をおこなう。このため、このような遊技機は、遊技者に「今回の図柄変動では大当たりにはならない」と思わせてしまい、このような図柄変動中に遊技者を退屈させてしまうこともあった。
【0006】
本発明は、上記の従来技術による問題点を解消するため、遊技者が退屈してしまうことを防止して、興趣性を向上させることができるぱちんこ遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述の課題を解決し、目的を達成するため、本発明は以下の構成を採用した。括弧内の参照符号は、本発明の理解を容易にするために実施形態との対応関係を示したものであって、本発明の範囲を何ら限定するものではない。本発明にかかるぱちんこ遊技機(100)は、遊技盤上の始動口へ遊技球が入賞することにより大当たり抽選をおこなって、当該大当たり抽選の抽選結果を示すための図柄を変動させるぱちんこ遊技機において、前記始動口へ遊技球が入賞することにより発生した前記大当たり抽選を受けるための権利を保留球として記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された保留球に対して、当該保留球によって前記図柄を変動させるより前に、当該保留球の大当たり抽選の抽選結果を判定する判定手段と、前記大当たり抽選の抽選結果に基づき、前記大当たり抽選の抽選結果を示すための複数の図柄(以下「演出図柄」という)を表示画面上に表示して、当該演出図柄を変動させた後、前記大当たり抽選の抽選結果を示すように停止させる演出図柄制御手段と、前記演出図柄制御手段による演出図柄の変動中におこなう演出を、予め用意された演出群の中から抽選により選択し、当該演出を前記表示画面上でおこなう変動演出実行手段と、を備え、前記変動演出実行手段は、前記判定手段による判定結果に基づき、所定条件を満たす保留球がある場合には、大当たりへの信頼度が高く定められた所定の演出(以下「高信頼度演出」という)の選択確率が高く定められた第1抽選テーブルを用いて前記演出を選択するための抽選をおこない、所定条件を満たす保留球がない場合には、前記第1抽選テーブルよりも前記高信頼度演出の選択確率が低く定められた第2抽選テーブルを用いて前記演出を選択するための抽選をおこなうことを特徴とする。
【0008】
また、上記の発明において、前記変動演出実行手段は、前記記憶手段に複数の保留球が記憶され、且つ、前記所定条件を満たす保留球がある場合には、前記複数の保留球のうちの少なくとも一つの保留球に対しては前記第1抽選テーブルを用いて前記演出を選択するための抽選をおこなうとともに、当該保留球以外の前記複数の保留球のうちの少なくとも一つの保留球に対しては前記第2抽選テーブルを用いて前記演出を選択するための抽選をおこなうことを特徴とする。
【0009】
また、上記の発明において、前記変動演出実行手段は、前記所定条件を満たす保留球がある場合には、前記高信頼度演出の選択確率が、前記高信頼度演出以外の演出の選択確率よりも高く定められた前記第1抽選テーブルを用いて前記演出を選択するための抽選をおこなうことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、所定条件を満たす保留球による図柄の変動よりも前の変動でも高信頼度演出をおこなうことで、その際の、遊技者の大当たりに対する期待感を高めることができ、遊技者が退屈してしまうことを防止して、興趣性を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態にかかるぱちんこ遊技機の一例を示す正面図である。
【図2】本発明の実施の形態にかかるぱちんこ遊技機の内部構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態にかかるぱちんこ遊技機の機能的構成を示すブロック図である。
【図4−1】変動パターンテーブルの内容を示す説明図(その1)である。
【図4−2】変動パターンテーブルの内容を示す説明図(その2)である。
【図5】変動演出パターンテーブルの内容を示す説明図(その1)である。
【図6】変動演出パターンテーブルの内容を示す説明図(その2)である。
【図7】タイマ割込処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図8】始動口スイッチ処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図9】事前判定処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図10】特別図柄処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図11】大当たり抽選処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図12】演出タイマ割込処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図13】コマンド受信処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図14】変動演出選択処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図15】変動演出パターン選択処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図16−1】本実施の形態のぱちんこ遊技機による具体的な演出例を示す説明図(その1)である。
【図16−2】本実施の形態のぱちんこ遊技機による具体的な演出例を示す説明図(その2)である。
【図17】本実施の形態のぱちんこ遊技機による具体的な演出例を示す説明図(その3)である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照して、本発明にかかるぱちんこ遊技機の好適な実施の形態を詳細に説明する。以下に示す実施の形態は、本発明にかかるぱちんこ遊技機を、旧第一種に属するぱちんこ遊技機(いわゆる「デジパチ」)に適用した場合の例である。
【0013】
(ぱちんこ遊技機の基本構成)
まず、本発明の実施の形態にかかるぱちんこ遊技機の基本構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態にかかるぱちんこ遊技機の一例を示す正面図である。図1に示すように、本実施の形態のぱちんこ遊技機100は、遊技盤101を備えている。遊技盤101の下部位置には、発射部(図2中符号292参照)が配置されている。
【0014】
発射部の駆動によって発射された遊技球は、レール102a,102b間を上昇して遊技盤101の上部位置に達した後、遊技領域103内を落下するようになっている。遊技領域103には、複数の釘(不図示)が設けられており、この釘によって遊技球は不特定な方向に向けて落下する。また、遊技領域103において遊技球の落下途中となる位置には、遊技球の落下方向を変化させる風車や各種入賞口(始動口や大入賞口など)が配設されている。
【0015】
遊技盤101の略中央部分には、画像表示部104が配置されている。画像表示部104としては液晶表示器(LCD:Liquid Crystal Display)などが用いられる。画像表示部104の下方には、第1始動口105と、第2始動口106とが配設されている。第1始動口105、第2始動口106は、始動入賞させるための入賞口である。
【0016】
第2始動口106の近傍には、普通電動役物(後述する普通図柄抽選の抽選結果に基づき可動する役物)としての電動チューリップ107が設けられている。電動チューリップ107は、遊技球を第2始動口106へ入賞し難くさせる閉状態(閉口された状態)と、閉状態よりも入賞し易くさせる開状態(開放された状態)とを有する。これらの状態の制御は、電動チューリップ107が備えるソレノイド(図2中符号231参照)によっておこなわれる。
【0017】
電動チューリップ107は、画像表示部104の左側に配設されたゲート108を遊技球が通過したことによりおこなわれる普通図柄抽選の抽選結果に基づいて開放される。ゲート108は、画像表示部104の左側(図示の位置)に限らず、遊技領域103内の任意の位置に配設してよい。
【0018】
第2始動口106の下方には、大入賞口109が設けられている。大入賞口109は、大当たり状態となったときに開放され、遊技球の入賞により所定個数(たとえば15個)の賞球を払い出すための入賞口である。
【0019】
画像表示部104の側部や下方などには普通入賞口110が配設されている。普通入賞口110は、遊技球の入賞により所定個数(たとえば10個)の賞球を払い出すための入賞口である。普通入賞口110は、図示の位置に限らず、遊技領域103内の任意の位置に配設してよい。遊技領域103の最下部には、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を回収する回収口111が設けられている。
【0020】
遊技盤101の右下部分には、特別図柄が表示される特別図柄表示部112が配置されている。特別図柄表示部112は、第1特別図柄が表示される第1特別図柄表示部(図2中符号112a参照)と、第2特別図柄が表示される第2特別図柄表示部(図2中符号112b参照)とを有する。
【0021】
ここで、第1特別図柄は、ぱちんこ遊技機100の主制御部(図2中符号201参照)に表示制御され、遊技球が第1始動口105へ入賞することによりおこなう第1大当たり抽選の抽選結果をあらわす図柄である。第2特別図柄は、ぱちんこ遊技機100の主制御部によって表示制御され、遊技球が第2始動口106へ入賞することによりおこなう第2大当たり抽選の抽選結果をあらわす図柄である。第1大当たり抽選および第2大当たり抽選は、ぱちんこ遊技機100の遊技状態を大当たり遊技状態とするか否かの抽選である。
【0022】
また、遊技盤101の右下部分には、普通図柄が表示される普通図柄表示部113が配置されている。ここで、普通図柄は、普通図柄抽選の抽選結果をあらわす図柄である。普通図柄抽選は、前述のように電動チューリップ107を開状態とするか否かの抽選である。たとえば、特別図柄表示部112および普通図柄表示部113としては7セグメントディスプレイが用いられる。
【0023】
特別図柄表示部112および普通図柄表示部113の左側には、特別図柄または普通図柄に対する保留数を表示する保留数表示部114が配置されている。たとえば、保留数表示部114としてはLEDが用いられる。この保留数表示部114としてのLEDは複数配置され、点灯/消灯によって保留数をあらわす。
【0024】
遊技盤101の遊技領域103の外周部分には、枠部材115が設けられている。枠部材115は、遊技盤101の上下左右の4辺において遊技領域103の周囲を囲む形状を有している。また、枠部材115は、遊技盤101の盤面から遊技者側に突出する形状を有している。
【0025】
枠部材115において遊技領域103の上側および下側となる2辺には、演出ライト部(枠ランプ)116が設けられている。演出ライト部116は、それぞれ複数のランプとモータ(不図示)とを有する。各ランプは、ぱちんこ遊技機100の正面にいる遊技者を照射する。また、各ランプは、モータの駆動により光の照射方向を上下方向・左右方向に変更することができる。また、各ランプは、ぱちんこ遊技機100の周囲を照射し、その照射位置がぱちんこ遊技機100を基準にして円をなすように、光の照射方向を回転させることもできる。
【0026】
枠部材115の下部位置には、操作ハンドル117が配置されている。操作ハンドル117は、上記の発射部の駆動によって遊技球を発射させる際に、遊技者によって操作される。操作ハンドル117は、上記の枠部材115と同様に、遊技盤101の盤面から遊技者側に突出する形状を有している。
【0027】
操作ハンドル117は、上記の発射部を駆動させて遊技球を発射させる発射指示部材118を備えている。発射指示部材118は、操作ハンドル117の外周部において、遊技者から見て右回りに回転可能に設けられている。公知の技術であるため説明を省略するが、操作ハンドル117には、遊技者が発射指示部材118を直接操作していることを検出するセンサなどが設けられている。これにより、発射部は、発射指示部材118が遊技者によって直接操作されている時に遊技球を発射させる。
【0028】
枠部材115において、遊技領域103の下側となる辺には、演出ボタン(チャンスボタン)119および十字キー120が設けられている。これら演出ボタン119および十字キー120は、ぱちんこ遊技機100において遊技者からの操作を受け付ける操作受付部を構成している。また、枠部材115には、音声を出力するスピーカ(図2中符号254参照)が組み込まれている。
【0029】
また、図示は省略するが、遊技領域103内の所定位置(たとえば画像表示部104の周囲)には演出用の可動役物(以下「演出役物」という。図2中符号265参照)が設けられている。この演出役物は、不図示のソレノイドやモータを備えており、このソレノイドやモータの駆動によって駆動される。
【0030】
(ぱちんこ遊技機の内部構成)
つぎに、本発明の実施の形態にかかるぱちんこ遊技機100の内部構成について説明する。図2は、本発明の実施の形態にかかるぱちんこ遊技機の内部構成を示すブロック図である。図2に示すように、ぱちんこ遊技機100の制御部200は、遊技の進行を制御する主制御部201と、演出内容を制御する演出制御部202と、賞球の払い出しを制御する賞球制御部203とを備えている。以下にそれぞれの制御部について詳細に説明する。
【0031】
(1.主制御部)
主制御部201は、CPU(Central Processing Unit)211と、ROM(Read Only Memory)212と、RAM(Random Access Memory)213と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。
【0032】
CPU211は、メイン制御処理(不図示)、タイマ割込処理(図7を参照)など、ぱちんこ遊技機100の遊技の進行に関する各種プログラムを実行する。ROM212には、CPU211が上記の処理を実行するために必要となる各種プログラムや各種テーブル(たとえば後述する変動パターンテーブル)などが記憶されている。RAM213は、CPU211のワークエリアとして機能する。なお、CPU211が上記のプログラムを実行することによりRAM213にセットされたデータは、所定のタイミングで主制御部201に接続された各構成部に対して送信される。
【0033】
すなわち、主制御部201は、CPU211がRAM213をワークエリアとして使用しながら、ROM212に記憶された各種プログラムを実行することによって、ぱちんこ遊技機100の遊技の進行を制御するように機能する。たとえば、主制御部201は、主制御基板(公知の技術のため詳細な説明は省略する)によって実現される。
【0034】
主制御部201には、遊技球を検出する検出手段として機能する各種スイッチ(SW)、大入賞口109などの電動役物を開閉動作させるためのソレノイド、上記の第1特別図柄表示部112a、第2特別図柄表示部112b、普通図柄表示部113、保留数表示部114などが接続される。
【0035】
具体的に、上記の各種SWとしては、第1始動口105へ入賞した遊技球を検出する第1始動口SW221と、第2始動口106へ入賞した遊技球を検出する第2始動口SW222と、ゲート108を通過した遊技球を検出するゲートSW223と、大入賞口109へ入賞した遊技球を検出する大入賞口SW224と、普通入賞口110へ入賞した遊技球を検出する普通入賞口SW225とが主制御部201に接続される。
【0036】
それぞれのSW(221〜225)による検出結果は主制御部201へ入力される。これらのSWには、近接スイッチなどを用いることができる。なお、普通入賞口SW225は、普通入賞口110の配置位置別に複数個設けてもよい。
【0037】
また、上記のソレノイドとしては、電動チューリップ107を開閉動作させる電動チューリップソレノイド231、大入賞口109を開閉動作させる大入賞口ソレノイド232とが主制御部201に接続される。主制御部201は、それぞれのソレノイド(231,232)に対する駆動を制御する。たとえば、主制御部201は、普通図柄抽選の抽選結果に基づいて電動チューリップソレノイド231の駆動を制御する。主制御部201は、大当たり抽選の抽選結果に基づいて大入賞口ソレノイド232の駆動を制御する。
【0038】
また、主制御部201は、大当たり抽選(第1大当たり抽選、第2大当たり抽選)、普通図柄抽選の抽選結果に基づいて、第1特別図柄表示部112a、第2特別図柄表示部112b、普通図柄表示部113の表示内容を制御する。たとえば、主制御部201は、第1大当たり抽選をおこなうと第1特別図柄表示部112aの第1特別図柄を変動表示させる。そして、所定期間経過後に、第1大当たり抽選の抽選結果を示す図柄にて第1特別図柄を停止表示させる。
【0039】
同様に、主制御部201は、第2大当たり抽選をおこなうと第2特別図柄表示部112bの第2特別図柄を、普通図柄抽選をおこなうと普通図柄表示部113の普通図柄を、変動/停止表示させる。
【0040】
さらに、主制御部201は、演出制御部202および賞球制御部203にも接続され、それぞれに対して各種コマンドを送信する。たとえば、主制御部201は、大当たり抽選をおこなうと、演出制御部202に対して変動開始コマンドを送信する。ここで、変動開始コマンドには、大当たり抽選の抽選結果(停止表示させる特別図柄の種類)、遊技状態や、大当たり抽選の抽選結果を示すまでに特別図柄を変動表示させる時間(以下「変動時間」という)などを示す情報が含まれている。
【0041】
また、主制御部201は、各入賞口(始動口105,106、大入賞口109、普通入賞口110)へ入賞した遊技球を検出すると、賞球制御部203に対して賞球コマンドを送信する。ここで、賞球コマンドには、払い出させる賞球の個数などを示す情報が含まれている。
【0042】
(2.演出制御部)
演出制御部202は、演出統括部202aと、画像・音声制御部202bと、ランプ制御部202cとによって構成され、ぱちんこ遊技機100の演出内容を制御する機能を有する。ここで、演出統括部202aは、主制御部201から受信したコマンド(たとえば変動開始コマンド)に基づいて演出制御部202全体を統括する機能を有している。画像・音声制御部202bは、演出統括部202aからの指示に基づき、画像および音声の制御をおこなう機能を有している。ランプ制御部202cは、遊技盤101および枠部材115などに設けられたランプの点灯を制御する機能を有している。
【0043】
(2−1.演出統括部)
まず、演出統括部202aの構成について説明する。演出統括部202aは、CPU241と、ROM242と、RAM243と、リアルタイムクロック(以下「RTC」という)244と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。
【0044】
CPU241は、演出タイマ割込処理(図12参照)など、演出制御部202全体を統括するための各種プログラムを実行する。ROM242には、CPU241が上記の処理を実行するために必要となる各種プログラムや各種テーブル(たとえば後述する変動演出パターンテーブル)などが記憶されている。RAM243は、CPU241のワークエリアとして機能する。CPU241がプログラムを実行することによりRAM243にセットされたデータは、所定のタイミングで画像・音声制御部202bおよびランプ制御部202cに対して送信される。
【0045】
すなわち、演出統括部202aは、CPU241がRAM243をワークエリアとして使用しながら、ROM242に記憶されたプログラムを実行することによって、演出制御部202全体を統括するように機能する。たとえば、演出統括部202aは、変動開始コマンドに基づいて、特別図柄の変動表示に合わせて実行する演出を決定し、画像・音声制御部202b、ランプ制御部202cに所定の処理を実行するように指示出力して、演出制御部202全体を統括する。
【0046】
RTC244は、実時間を計時出力する計時手段として機能する。RTC244は、ぱちんこ遊技機100の電源が遮断されてもバックアップ電源(不図示)により計時動作を継続する。なお、RTC244は、演出統括部202aなど演出制御部202内に配置する例に限らず、主制御部201内に配置してもよい。また、RTC244は、単独で配置して演出制御部202や主制御部201に対して実時間を計時出力してもよい。
【0047】
また、演出統括部202aには、演出ボタン119が接続されている。たとえば、演出ボタン119は、遊技者によって押下されると、対応する入力信号を演出統括部202aへ入力する。また、図2において図示は省略するが、十字キー120も演出統括部202aに接続されている。十字キー120は、遊技者によって選択されたキーに対応する入力信号を演出統括部202aへ入力する。
【0048】
(2−2.画像・音声制御部)
つぎに、画像・音声制御部202bの構成について説明する。画像・音声制御部202bは、CPU251と、ROM252と、RAM253と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。
【0049】
CPU251は、画像・音声の生成処理、および出力処理を実行する。ROM252には、画像・音声の生成処理、および出力処理を実行するためのプログラム、該処理に必要となる背景画像・演出用の図柄(以下「演出図柄」という)・キャラクタ画像など各種画像データや各種音声データなどが記憶されている。RAM253は、CPU251のワークエリアとして機能するとともに、画像表示部104に表示させる画像データやスピーカ254から出力させる音声データが一時的に格納される。たとえば、RAM253には、画像表示部104に表示させる画像データが一時的に格納されるVRAM(Video RAM)などが含まれる。
【0050】
すなわち、画像・音声制御部202bは、CPU251がRAM253をワークエリアとして使用しながら、ROM252に記憶されたプログラムを実行することによって、演出統括部202aからの指示に基づき、画像表示部104に表示させる画像や、スピーカ254から出力させる音声の制御をおこなうように機能する。
【0051】
たとえば、CPU251は、演出統括部202aから指示された指示内容に基づいて、画像表示部104に表示する表示内容を制御する表示制御処理(不図示)、スピーカ254から出力される音声内容を制御する音声制御処理(不図示)などを実行する。このときには、CPU251は、処理に必要な画像データおよび音声データをROM252から読み出してRAM253に書き込む。
【0052】
RAM253に書き込まれた背景画像や演出図柄などの画像データは、画像・音声制御部202bに接続された画像表示部104に対して出力され、画像表示部104の表示画面上において重畳表示される。すなわち、演出図柄は、背景画像よりも手前に見えるように表示される。なお、同一位置に背景画像と演出図柄が重なる場合などには、Zバッファ法など周知の陰面消去法により各画像データのZバッファのZ値を参照することで、演出図柄を優先してRAM253に記憶させる。
【0053】
また、RAM253に書き込まれた音声データは、画像・音声制御部202bに接続されたスピーカ254に対して出力され、音声データに基づく音声がスピーカ254から出力される。
【0054】
(2−3.ランプ制御部)
つぎに、ランプ制御部202cの構成について説明する。ランプ制御部202cは、CPU261と、ROM262と、RAM263と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。CPU261は、ランプを点灯させる処理などを実行する。ROM262には、上記の処理を実行するために必要となる各種プログラム、該処理に必要となるランプ点灯に用いる制御データなどが記憶されている。RAM263は、CPU261のワークエリアとして機能する。
【0055】
ランプ制御部202cは、演出ライト部(枠ランプ)116と、盤ランプ264と演出役物265と接続され、点灯制御するデータや動作制御するデータを出力する。これにより、ランプ制御部202cは、遊技盤101および枠部材115などに設けられたランプの点灯、演出役物265の動作を制御するように機能する。
【0056】
本実施の形態では、演出制御部202は、演出統括部202aと画像・音声制御部202bとランプ制御部202cとがそれぞれ異なる基板機能として設けられるが、これらは同じプリント基板上に組み込んで構成してもよい。ただし、同じプリント基板上に組み込まれた場合であってもそれぞれの機能は独立しているものとする。
【0057】
(3.賞球制御部)
つぎに、賞球制御部203の構成について説明する。賞球制御部203は、CPU281と、ROM282と、RAM283と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。CPU281は、払い出す賞球を制御する賞球制御処理を実行する。ROM282には、該処理に必要となるプログラムなどが記憶されている。RAM283は、CPU281のワークエリアとして機能する。
【0058】
また、賞球制御部203は、払出部(払出駆動モータ)291と、発射部292と、定位置検出SW293と、払出球検出SW294と、球有り検出SW295と、満タン検出SW296と接続される。
【0059】
賞球制御部203は、払出部291に対して入賞時の賞球数を払い出す制御をおこなう。払出部291は、遊技球の貯留部から所定数を払い出すためのモータからなる。具体的には、賞球制御部203は、払出部291に対して各入賞口(第1始動口105、第2始動口106、大入賞口109、普通入賞口110)に入賞した遊技球に対応した賞球数を払い出す制御をおこなう。
【0060】
また、賞球制御部203は、発射部292に対する遊技球の発射の操作を検出して遊技球の発射を制御する。発射部292は、遊技のための遊技球を発射するものであり、遊技者による遊技操作を検出するセンサと、遊技球を発射させるソレノイドなどを備える。賞球制御部203は、発射部292のセンサにより遊技操作を検出すると、検出された遊技操作に対応してソレノイド等を駆動させて遊技球を間欠的に発射させ、遊技盤101の遊技領域103に遊技球を送り出す。
【0061】
また、この賞球制御部203には、払い出す遊技球の状態を検出する各所の検出部が接続され、賞球のための払い出し状態を検出する。これらの検出部としては、定位置検出SW293、払出球検出SW294、球有り検出SW295、満タン検出SW296等がある。たとえば、賞球制御部203は、賞球制御基板によってその機能を実現する。
【0062】
上記構成の主制御部201と、演出制御部202と、賞球制御部203は、それぞれ異なるプリント基板(主制御基板、演出制御基板、賞球制御基板)に設けられる。これに限らず、たとえば、賞球制御部203は、主制御部201と同一のプリント基板上に設けることもできる。
【0063】
また、主制御部201には、盤用外部情報端子基板297が接続されており、主制御部201が実行処理した各種情報を外部に出力することができる。賞球制御部203についても、枠用外部情報端子基板298が接続されており、賞球制御部203が実行処理した各種情報を外部に出力することができる。
【0064】
(ぱちんこ遊技機が有する遊技状態)
つぎに、本実施の形態のぱちんこ遊技機100が有する遊技状態について説明する。ぱちんこ遊技機100の主制御部201は、大当たりや小当たりなどの各種当たりに当選した場合の大入賞口109の開閉動作をおこなう当たり遊技状態のほか、高確遊技フラグと、時短遊技フラグとの2つのフラグのON/OFFの設定の組み合わせにより、4つの遊技状態をとり得る。
【0065】
まず、通常遊技状態は、高確遊技フラグおよび時短遊技フラグの双方がOFFに設定されているときの遊技状態である。この通常遊技状態では、主制御部201は、高確遊技フラグのOFF設定によって低確率遊技状態用の当たり判定テーブル(不図示。以下「低確率当たり判定テーブル」という)を用いて当たり判定をおこない、たとえば、1/300の確率で大当たりに当選するようになっている。また、通常遊技状態では、主制御部201は、時短遊技フラグのOFF設定によって電動チューリップ107の開閉による遊技サポート機能(以下「電チューサポート機能」という)を付与しない。
【0066】
電チューサポート機能の具体的な内容としては、公知の技術のため詳細な説明は省略するが、たとえば、普通図柄の変動時間の短縮および普通図柄当たりの当選確率の上昇(電動チューリップの開放頻度の増加)や、電動チューリップの開放時間の長時間化などが挙げられる。すなわち、電チューサポート機能が付与されていない通常遊技状態では、第2始動口106への遊技球の入賞がし難くなっている。
【0067】
時短遊技状態は、高確遊技フラグがOFFで、時短遊技フラグがONに設定されているときの遊技状態である。この時短遊技状態では、主制御部201は、高確遊技フラグのOFF設定によって低確率当たり判定テーブルを用いて当たり判定をおこなう。また、時短遊技状態では、主制御部201は、時短遊技フラグのON設定によって電チューサポート機能を付与する。このため、電チューサポート機能が付与された時短遊技状態では、電チューサポート機能が付与されていないときに比べて、第2始動口106への遊技球の入賞がし易くなっている。
【0068】
確変遊技状態は、高確遊技フラグおよび時短遊技フラグの双方がONに設定されているときの遊技状態である。この確変遊技状態では、主制御部201は、高確遊技フラグのON設定によって高確率遊技状態用の当たり判定テーブル(不図示。以下「高確率当たり判定テーブル」という)を用いて当たり判定をおこない、たとえば、1/30の確率で大当たりに当選するようになっている。また、確変遊技状態では、主制御部201は、時短遊技フラグのON設定によって電チューサポート機能を付与する。
【0069】
潜確遊技状態は、高確遊技フラグがONで、時短遊技フラグがOFFに設定されているときの遊技状態である。この潜確遊技状態では、主制御部201は、高確遊技フラグのON設定によって高確率当たり判定テーブルを用いて当たり判定をおこなう。また、潜確遊技状態では、主制御部201は、電チューサポート機能を付与しない。
【0070】
たとえば、主制御部201は、大当たりに当選した場合の当たり遊技状態終了時に、高確遊技フラグおよび時短遊技フラグのON/OFFの切り替えをおこなう。すなわち、主制御部201は、大当たりを契機として遊技状態の移行をおこなう。このとき、移行先の遊技状態は、当選した大当たりの内容により決定される。たとえば、確変大当たりに当選した場合にはこの大当たり遊技状態後に確変遊技状態とし、通常大当たりに当選した場合にはこの大当たり遊技状態後に時短遊技状態とし、潜確大当たりに当選した場合にはこの大当たり遊技状態後に潜確遊技状態とする。
【0071】
また、主制御部201は、前回の遊技状態の移行後、規定回数の大当たり抽選をおこなったときにつぎの遊技状態の移行をおこなってもよい。このとき、移行先の遊技状態は、ぱちんこ遊技機100の製造者によってあらかじめ設定されている。たとえば、主制御部201は、時短遊技状態に移行後、100回の大当たり抽選をおこなったときに、通常遊技状態へと移行させる。
【0072】
(ぱちんこ遊技機の基本動作)
つぎに、本実施の形態のぱちんこ遊技機100の基本動作の一例について説明する。ぱちんこ遊技機100は、遊技球が第1始動口105または第2始動口106へ入賞すると、入賞した始動口に応じた大当たり抽選をおこなう。たとえば、遊技球が第1始動口105へ入賞した場合に、ぱちんこ遊技機100は第1大当たり抽選をおこなう。このとき、ぱちんこ遊技機100は、第1特別図柄表示部112aの第1特別図柄を変動表示する。そして、この変動表示開始から所定期間経過後に、第1大当たり抽選の抽選結果を示す図柄にて第1特別図柄を停止表示する。
【0073】
また、遊技球が第2始動口106へ入賞した場合に、ぱちんこ遊技機100は第2大当たり抽選をおこなう。このとき、ぱちんこ遊技機100は、第2特別図柄表示部112bの第2特別図柄を変動表示する。そして、この変動表示開始から所定期間経過後に、第2大当たり抽選の抽選結果を示す図柄にて第2特別図柄を停止表示する。
【0074】
ぱちんこ遊技機100は、特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)を変動表示すると、それに合わせて画像表示部104の演出図柄(たとえば3列の数字)を変動表示する。そして、特別図柄を停止表示すると、演出図柄を停止表示する。たとえば、特別図柄を大当たりを示す所定の図柄で停止表示させた場合(第1大当たり抽選または第2大当たり抽選にて大当たりに当選した)には、ぱちんこ遊技機100は、大当たりを示す組み合わせ(たとえば「7・7・7」)で演出図柄を停止表示する。
【0075】
大当たりを示す組み合わせで演出図柄を停止表示すると、ぱちんこ遊技機100は、遊技状態を大当たり遊技状態とし、当選した大当たりに応じたラウンド分(たとえば15ラウンド)、大入賞口109を開放する。この開放中に、遊技球が大入賞口109へ入賞すると、ぱちんこ遊技機100は所定個数の賞球を払い出す。
【0076】
大当たり遊技状態は、大当たり終了条件を満たすと終了し、他の遊技状態へ移行する。たとえば、確変大当たりに当選した場合には、ぱちんこ遊技機100は大当たり遊技状態が終了すると確変遊技状態へ移行する。また、ぱちんこ遊技機100は、通常大当たりに当選した場合には大当たり遊技状態が終了すると時短遊技状態へ移行する。
【0077】
また、ぱちんこ遊技機100は、遊技球がゲート108を通過した場合には普通図柄抽選をおこなう。このときには、普通図柄表示部113の普通図柄を変動表示する。そして、変動開始から所定期間経過後に、普通図柄抽選の抽選結果を示す図柄にて普通図柄を停止表示する。普通図柄抽選にて普通図柄当たり(以下「普図当たり」という)に当選した場合には、ぱちんこ遊技機100は、普図当たりを示す所定の図柄にて普通図柄を停止表示する。その後、電動チューリップ107を所定期間開放する。
【0078】
(本実施の形態のぱちんこ遊技機の機能的構成)
つぎに、ぱちんこ遊技機100の機能的構成について説明する。図3は、本発明の実施の形態にかかるぱちんこ遊技機の機能的構成を示すブロック図である。図3に示すように、ぱちんこ遊技機100は、主制御部201と、演出制御部202とを備える。まず、主制御部201が備える各機能部について説明する。
【0079】
(主制御部の機能的構成)
図3に示すように、主制御部201は、検出部311と、乱数取得部312と、大当たり抽選部313と、変動パターン選択部314と、特別図柄制御部315と、事前判定部316とを備える。
【0080】
検出部311は、遊技盤101上の始動口(第1始動口105、第2始動口106)へ入賞した遊技球を検出する機能を有する。たとえば、検出部311は、第1始動口SW221または第2始動口SW222からの検出信号を受け付けることにより、それぞれの始動口SWに対応した始動口に入賞した遊技球を検出する。検出部311は、入賞した遊技球を検出すると、その検出結果を乱数取得部312へ出力する。
【0081】
乱数取得部312は、検出部311から検出結果を受け付けて、遊技の進行に必要となる各種乱数を取得し、記憶部312aに記憶する機能を有する。たとえば、乱数取得部312は、当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数などを取得する。当たり乱数は、当たり(たとえば大当たりおよび小当たり)か否かを判定する当たり判定に用いる乱数である。図柄乱数は、当たり時に当たりの内容を決定する図柄判定に用いる乱数である。リーチ乱数は、ハズレ時にリーチ用の変動パターンを選択するか否かを判定するリーチ判定に用いる乱数である。変動パターン乱数は、変動パターン選択時に用いられる乱数である。
【0082】
たとえば、乱数取得部312は、各乱数に対応して、所定範囲の数値で+1ずつしていくカウントをおこなうカウンタを有している。例えば、当たり乱数に対応する当たり乱数カウンタは0〜299の範囲の数値でカウントする。図柄乱数に対応する図柄乱数カウンタは0〜99の範囲の数値でカウントする。リーチ乱数に対応するリーチ乱数カウンタは0〜99の範囲の数値でカウントする。変動パターン乱数に対応する変動パターン乱数カウンタは0〜99の範囲の数値でカウントする。
【0083】
乱数取得部312は、ぱちんこ遊技機100に電源が供給されると、各カウンタによるカウントを開始する。各カウンタによるカウント値が上限値(例えば当たり乱数カウンタであれば299)に達した場合には、カウント値を所定値(例えば「0」)に戻して、再度、同じようにカウントする。
【0084】
そして、乱数取得部312は、検出部311から検出信号を受け付けると、その時点での各カウンタのカウント値を各種乱数として取得する。乱数取得部312は、各種乱数を取得すると、大当たり抽選を受ける権利に相当する保留球として各乱数の値を記憶部312aに記憶する。たとえば、記憶部312aには、それぞれの始動口105,106ごとに、それぞれ4つを上限として保留球を記憶することができる。
【0085】
大当たり抽選部313は、記憶部312aに記憶された保留球のうち、始動条件が成立した保留球に対する大当たり抽選をおこなう機能を有する。ぱちんこ遊技機100は、第1始動口105や第2始動口106に遊技球が入賞しても、直ちに大当たり抽選をおこなうのではなく、あらかじめ定められた条件が成立した場合に、大当たり抽選をおこなう。この条件を始動条件という。本実施の形態において、始動条件は、特別図柄が変動中でないこと、当たり遊技状態(例えば大当たり遊技状態)中ではないこととし、これらの条件がすべて満たされた場合に、大当たり抽選部313は大当たり抽選をおこなう。
【0086】
大当たり抽選に際して、たとえば、大当たり抽選部313は、まず、記憶部312aに記憶された始動条件が成立した入賞に対する当たり乱数と当たり判定テーブルとを用いて、当たり乱数が当たり判定テーブルにおいて各当たり(大当たり、小当たり)とされる所定値と一致するかを判定する。以下、この判定を「当たり判定」という。
【0087】
そして、当たり判定により大当たりと判定された場合、大当たり抽選部313は、記憶部312aに記憶された始動条件が成立した入賞に対する図柄乱数と図柄判定テーブルとを用いて、図柄乱数が図柄判定テーブルにおいてどの内容の大当たり(たとえば確変長当たり、通常長当たり、潜確短当たり)とされる所定値と一致するかを判定する。以下、この判定を「図柄判定」という。
【0088】
大当たり抽選部313は、当たり判定および図柄判定(大当たり時)をおこなうと、これらを示す情報を、大当たり抽選の抽選結果として、変動パターン選択部314、特別図柄制御部315、演出制御部202へ出力する。
【0089】
変動パターン選択部314は、大当たり抽選部313から大当たり抽選の抽選結果を受け付けて、あらかじめ用意された変動パターン群(変動パターンテーブル)の中から変動パターンを選択する機能を有する。ここで、変動パターンとは、図柄の変動時間を定義したものである。
【0090】
たとえば、変動パターン選択部314は、まず、大当たり抽選の抽選結果がハズレであるか否かを判定する。ハズレであれば、リーチ乱数とリーチ判定テーブルとを用いて、このハズレが「リーチ有」のハズレであるか、「リーチ無」のハズレであるかを判定するリーチ判定をおこなう。以下、「リーチ有」のハズレを「リーチハズレ」といい、「リーチ無」のハズレを「ノーマルハズレ」という。ノーマルハズレと判定された場合、変動パターン選択部314は現在の保留球数に基づき、ノーマルハズレ用変動パターンテーブルの中から変動パターンを選択する。
【0091】
図4−1は、変動パターンテーブルの内容を示す説明図(その1)である。図4−1に示すように、本実施の形態において、ノーマルハズレ用変動パターンテーブルHt1には、変動時間「3秒」を定義した変動パターンHp1、変動時間「8秒」を定義した変動パターンHp2、変動時間「12秒」を定義した変動パターンHp3の3つの変動パターンが登録されている。
【0092】
それぞれの変動パターンHp1,Hp2,Hp3には、それぞれの変動パターンが選択される条件(以下「選択条件」という)が対応づけられている。この選択条件にしたがってノーマルハズレ時には、変動パターン選択部314は、保留球数が「3」以上であれば変動パターンHp1を、保留球数が「2」であれば変動パターンHp2を、保留球数が「2」未満であれば変動パターンHp3を、選択する。
【0093】
また、リーチハズレと判定された場合、変動パターン選択部314は、変動パターン乱数とリーチハズレ用変動パターンテーブルとを用いて、リーチハズレ用変動パターンテーブルの中から変動パターンを選択する。大当たりの場合、変動パターン選択部314は、変動パターン乱数と大当たり用変動パターンテーブルとを用いて、大当たり用変動パターンテーブルの中から変動パターンを選択する。
【0094】
図4−2は、変動パターンテーブルの内容を示す説明図(その2)である。図4−2に示すように、本実施の形態において、リーチハズレ用変動パターンテーブルHt2および大当たり用変動パターンテーブルHt3には、それぞれ異なる変動時間を定義した変動パターンHp4,Hp5,Hp6,Hp7,Hp8,Hp9(以下「Hp4〜9」と略す)の6つの変動パターンが登録されている。
【0095】
それぞれの変動パターンHp4〜9には、「乱数値」が対応づけられている。ここで、変動パターンテーブルHt2,Ht3の乱数値は変動パターン抽選において、それぞれの変動パターンHp4〜9が選択される確率(以下「選択確率」という)を定めたものである。具体的に、変動パターン抽選において、それぞれの変動パターンHp4〜9の選択確率は、それぞれに対応づけられた乱数値の個数によって定められる。
【0096】
たとえば、図4−2の変動パターンテーブルHt2では、変動パターンHp4には乱数値「0〜29(30個)」を、変動パターンHp5には乱数値「30〜59(30個)」を、変動パターンHp6には乱数値「60〜74(15個)」を、変動パターンHp7には乱数値「75〜89(15個)」を、変動パターンHp8には乱数値「90〜94(5個)」を、変動パターンHp9には乱数値「95〜99(5個)」を、それぞれ割り当てている。
【0097】
本実施の形態で変動パターン乱数は「0」〜「99」までのいずれかの数値が、それぞれ同じ確率で取得されるため、変動パターンテーブルHt2を用いた場合(リーチハズレの場合)の変動パターン抽選において、変動パターンHp4は「30/100」、変動パターンHp5は「30/100」、変動パターンHp6は「15/100」、変動パターンHp7は「15/100」、変動パターンHp8は「5/100」、変動パターンHp9は「5/100」、の選択確率でそれぞれ選択される。
【0098】
一方、図4−2の変動パターンテーブルHt3では、変動パターンHp4には乱数値「0〜4(5個)」を、変動パターンHp5には乱数値「5〜9(5個)」を、変動パターンHp6には乱数値「10〜24(15個)」を、変動パターンHp7には乱数値「25〜39(15個)」を、変動パターンHp8には乱数値「40〜69(30個)」を、変動パターンHp9には乱数値「70〜99(30個)」を、それぞれ割り当てている。
【0099】
このため、変動パターンテーブルHt3を用いた場合(大当たりの場合)の変動パターン抽選において、変動パターンHp4は「5/100」、変動パターンHp5は「5/100」、変動パターンHp6は「15/100」、変動パターンHp7は「15/100」、変動パターンHp8は「30/100」、変動パターンHp9は「30/100」、の選択確率でそれぞれ選択される。
【0100】
これによって、ぱちんこ遊技機100では、大当たり抽選の抽選結果に応じて選択される変動パターンの傾向が異なる。具体的に、大当たり時にはハズレ時に比べて、変動パターンHp8や変動パターンHp9が選択され易い傾向となる。逆に、ハズレ時には大当たり時に比べて、変動パターンHp4や変動パターンHp5が選択され易い傾向となる。変動パターン選択部314は、上記により変動パターンを選択すると、選択された変動パターンを示す情報を、特別図柄制御部315および演出制御部202へ出力する。
【0101】
特別図柄制御部315は、大当たり抽選部313から大当たりの抽選結果を示す情報を受け付けるとともに、変動パターン選択部314から選択された変動パターンを示す情報を受け付けて、特別図柄表示部112に表示させた特別図柄の変動および停止を制御する機能を有する。具体的に、特別図柄制御部315は、大当たり抽選がおこなわれると、変動パターンによって定義された期間だけ、特別図柄を変動させた後に、大当たり抽選の抽選結果を示す図柄で停止させる。
【0102】
たとえば、第1大当たり抽選がおこなわれた場合(大当たり抽選の抽選結果が第1大当たり抽選の抽選結果であった場合)には、特別図柄制御部315は第1特別図柄表示部112aの特別図柄を変動および停止させる。第2大当たり抽選がおこなわれた場合(大当たり抽選の抽選結果が第2大当たり抽選の抽選結果であった場合)には、特別図柄制御部315は第2特別図柄表示部112bの特別図柄を変動および停止させる。
【0103】
事前判定部316は、記憶部312aに記憶された各種乱数に基づき、始動条件成立前の保留球に対する事前判定をおこなう機能を有する。前述したように、ぱちんこ遊技機100において、大当たり抽選部313による大当たり抽選は始動条件成立時におこなわれる。事前判定部316は、始動条件成立前に、大当たり抽選で大当たりとなる保留球であるか、この大当たり抽選の抽選結果を示す際の変動パターンはどの変動パターンとなるかなどを判定する事前判定をおこなう。事前判定部316は、事前判定をおこなうと、この判定結果を示す情報を演出制御部202へ出力する。
【0104】
ぱちんこ遊技機100は、事前判定部316により事前判定をおこなうことで、先の保留(たとえば大当たりとなる保留)に対して、複数の変動を跨いで遊技者の期待感を徐々に高めていくような演出をおこなうことができる。
【0105】
なお、以上で説明した例では、遊技球が始動口に入賞すると、その時点で事前判定部316が事前判定をおこなって、特別図柄を変動させる直前となると、大当たり抽選部313が大当たり抽選をおこなって特別図柄を変動させる構成としたがこれに限らない。たとえば、ぱちんこ遊技機100は、事前判定部316による判定結果に基づいて、特別図柄を変動させてもよい。
【0106】
(演出制御部の機能的構成)
つぎに、演出制御部202の各機能について説明する。図3に示すように、演出制御部202は、演出図柄制御部321と、変動演出実行部322とを備える。演出図柄制御部321は、画像表示部104の表示画面上に表示させた演出図柄の表示制御をおこなう機能を有する。たとえば、演出図柄制御部321は、大当たり抽選がおこなわれると、表示画面上に表示させた複数の演出図柄の変動表示をおこなう。その後、演出図柄制御部321は大当たり抽選の抽選結果を示す組み合わせとなるように、各演出図柄を停止表示する。このとき、大当たりに当選していれば、演出図柄制御部321は、3つの演出図柄を同一種類の図柄で停止させる(いわゆる「ゾロ目」)。
【0107】
変動演出実行部322は、変動パターン選択部314から選択された変動パターンを示す情報を受け付けて、当該情報に基づき、演出図柄制御部321による演出図柄の変動中におこなう演出(以下「変動演出」という)の演出内容を決定し、当該演出を画像表示部104の表示画面上でおこなう機能を有する。
【0108】
また、変動演出実行部322は、事前判定部316から事前判定の判定結果を示す情報を受け付けて、当該情報に基づき、始動条件成立前の保留球の中に所定条件を満たす保留球がある場合には、当該保留球の始動条件成立前におこなわれるハズレを示すための演出図柄の変動中に、大当たりへの信頼度が高く定められた所定の演出(以下「高信頼度演出」という)をおこなう。
【0109】
たとえば、変動演出実行部322は、変動演出の演出内容を定義した変動演出パターンが複数登録された変動演出パターンテーブルを有している。変動演出実行部322は、大当たり抽選部313による大当たり抽選の抽選結果や、変動パターン選択部314により選択された変動パターンに基づき、変動演出パターンテーブルの中から変動演出パターンを選択する。そして、この変動演出パターンにより定義される演出内容の変動演出を画像表示部104の表示画面上でおこなう。
【0110】
また、変動演出実行部322は、複数の変動演出パターンテーブルを有しており、大当たり抽選の抽選結果や事前判定の判定結果などにより、変動演出パターン選択時に用いる変動演出パターンテーブルを切り替えることもできる。以下に、本実施の形態における変動演出パターンテーブルの内容、および変動演出パターンテーブルを用いた変動演出実行部322による変動演出パターンの選択手順について説明する。
【0111】
図5は、変動演出パターンテーブルの内容を示す説明図(その1)である。変動演出実行部322は、ノーマルハズレである場合に、図5−1に示す変動演出パターンテーブルEt1の中から変動演出パターンを選択する。以下、ノーマルハズレである場合に用いる変動演出パターンテーブルEt1を「ハズレ演出パターンテーブルEt1」という。
【0112】
図5に示すように、ハズレ演出パターンテーブルEt1には、変動パターンHp1〜Hp3に対応づけられた変動演出パターンEp1〜Ep3が登録されている。ここで、変動演出パターンEp1は「ハズレ演出A」を定義した変動演出パターンである。変動演出パターンEp2は「ハズレ演出B」を定義した変動演出パターンである。変動演出パターンEp3は「ハズレ演出C」を定義した変動演出パターンである。
【0113】
変動演出実行部322は、ノーマルハズレ(大当たり抽選の抽選結果がハズレで、変動パターンがHp1〜Hp3のいずれか)の場合、ハズレ演出パターンテーブルEt1の中から、変動パターン選択部314により選択された変動パターンに対応づけられた変動演出パターンを選択する。
【0114】
図6は、変動演出パターンテーブルの内容を示す説明図(その2)である。変動演出実行部322は、大当たりまたはリーチハズレである場合に、図6に示す変動演出パターンテーブルEt2、または変動演出パターンテーブルEt3の中から変動演出パターンを選択する。以下、変動演出パターンテーブルEt2を「通常リーチ演出パターンテーブルEt2」という。また、変動演出パターンテーブルEt3を「特殊リーチ演出パターンテーブルEt3」という。
【0115】
図6に示す通常リーチ演出パターンテーブルEt2において、それぞれの変動演出パターンEp4a〜Ep9bには、変動パターンが対応づけられている。また、それぞれの変動演出パターンEp4a〜Ep9bには、たとえば、変動パターンテーブルHt2で示した変動パターンと同様に「乱数値」が対応づけられて(不図示)、それぞれの変動演出パターンEp4a〜Ep9bの選択確率が定められている。
【0116】
ここで、同一の変動パターンに対応づけられた変動演出パターン群(たとえば変動演出パターンEp4aと変動演出パターンEp4b)に着目すると、これらに対する選択確率は、大当たり抽選の抽選結果に応じて異なるようになっている。
【0117】
たとえば、通常リーチ演出パターンテーブルEt2を用いて、変動パターンHp4のリーチハズレの場合に変動演出実行部322が変動演出パターンを選択すると、変動演出実行部322は、70/100の選択確率で変動演出パターンEp4aを選択し、30/100の確率で変動演出パターンEp4bを選択することになる。一方、変動パターンHp4の大当たりの場合には、変動演出実行部322は、30/100の確率で変動演出パターンEp4aを選択し、70/100の確率で変動演出パターンEp4bを選択することになる。
【0118】
このため、変動演出実行部322は、通常時にはハズレの場合と大当たりの場合とで、おこなう演出の傾向を異ならせることができる。この際に、大当たりの場合に発生し易く、ハズレの場合に発生し難い傾向とされた演出を高信頼度演出とすることができる。
【0119】
また、図6に示す特殊リーチ演出パターンテーブルEt3は、通常リーチ演出パターンテーブルEt2と同様に、それぞれの変動演出パターンEp4a〜Ep9bに対して変動パターンが対応づけられている。また、それぞれの変動演出パターンEp4a〜Ep9bには、たとえば、変動パターンテーブルHt2で示した変動パターンと同様に「乱数値」が対応づけられて(不図示)、それぞれの変動演出パターンEp4a〜Ep9bの選択確率が定められている。
【0120】
ここで、特殊リーチ演出パターンテーブルEt3における高信頼度演出の選択確率は、通常リーチ演出パターンテーブルEt2における高信頼度演出の選択確率よりも高く定められている。たとえば、変動パターンHp4のハズレ時において高信頼度演出とされた「強リーチ演出A」の選択確率は、通常リーチ演出パターンテーブルEt2では30/100であったが、特殊リーチ演出パターンテーブルEt3では70/100とされている。
【0121】
また、特殊リーチ演出パターンテーブルEt3において高信頼度演出の選択確率は、特殊リーチ演出パターンテーブルEt3における低信頼度演出の選択確率よりも高く定められている。たとえば、特殊リーチ演出パターンテーブルEt3では、前述の「強リーチ演出A」の選択確率は70/100とされ、「弱リーチ演出A」の選択確率30/100よりも高く定められている。
【0122】
また、変動演出実行部322は、複数の保留球が記憶され、且つ、所定条件を満たす保留球がある場合には、複数の保留球のうちの少なくとも一つの保留球に対しては特殊リーチ演出パターンテーブルEt3を用いて変動演出を選択し、当該保留球以外の複数の保留球のうちの少なくとも一つの保留球に対しては通常リーチ演出パターンテーブルEt2を用いて変動演出を選択するようにしてもよい。
【0123】
たとえば、保留球が3つあり、3つ目の保留球が所定条件を満たす保留球である場合、変動演出実行部322は、1つ目の保留球に対して特殊リーチ演出パターンテーブルEt3を用いて変動演出を選択すると、その後は通常リーチ演出パターンテーブルEt2に切り替えて、2つ目および3つ目の保留球に対して通常リーチ演出パターンテーブルEt2を用いて変動演出を選択するようにしてもよい。
【0124】
上記の検出部311と、乱数取得部312と、大当たり抽選部313と、変動パターン選択部314と、特別図柄制御部315と、事前判定部316とは、たとえば、主制御部201のCPU211がROM212に記憶された各種プログラムを実行することによりその機能を実現することができる。また、上記の演出図柄制御部321と、変動演出実行部322とは、たとえば、演出統括部202aのCPU241がROM242に記憶された各種プログラムを実行することによりその機能を実現することができる。
【0125】
(主制御部がおこなう処理)
つぎに、ぱちんこ遊技機100が上記の動作を実現するために、ぱちんこ遊技機100の各制御部がおこなう処理について説明する。まず、ぱちんこ遊技機100の主制御部201がおこなう処理について説明する。なお、以下に説明する主制御部201の各処理は、主制御部201のCPU211がROM212に記憶されたプログラムを実行することによりおこなうものである。
【0126】
(タイマ割込処理)
図7は、タイマ割込処理の処理内容を示すフローチャートである。主制御部201は、電源の供給が開始されると、起動処理や電源遮断監視処理などを含んだメイン制御処理(図示を省略)の実行を開始し、このメイン制御処理を主制御部201への電源の供給中、継続的に実行する。そして、このメイン制御処理に対して、主制御部201は、図7に示すタイマ割込処理を所定周期(たとえば4ms)で割り込み実行する。
【0127】
図7に示すように、タイマ割込処理において、主制御部201は、まず、主制御部201がおこなう各種抽選に用いる乱数の更新をおこなう乱数更新処理を実行する(ステップS701)。主制御部201は、この乱数更新処理において、前述した当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数などの更新(たとえば各乱数カウンタのカウント値に+1する)をおこなう。
【0128】
つぎに、主制御部201は、遊技球の検出に関するスイッチ処理を実行する(ステップS702)。主制御部201は、このスイッチ処理において、始動口へ入賞した遊技球を検出する始動口スイッチ処理(図8参照)、ゲート108を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ処理(不図示)、普通入賞口・大入賞口を通過した遊技球を検出する入賞口スイッチ処理(不図示)などをおこなう。ゲートスイッチ処理および入賞口スイッチ処理については公知の技術であるため、詳細な説明は省略する。
【0129】
つぎに、主制御部201は、特別図柄および普通図柄に関する図柄処理を実行する(ステップS703)。ここで、図柄処理は、特別図柄に関する特別図柄処理(図10参照)と、普通図柄に関する普通図柄処理(不図示)とからなる。特別図柄処理において主制御部201は、大当たり抽選をおこない、特別図柄を変動表示/停止表示させる。普通図柄処理において主制御部201は、普通図柄抽選をおこない、普通図柄を変動表示/停止表示させる。
【0130】
図柄処理を実行すると、主制御部201は、各種電動役物の動作制御に関する電動役物制御処理を実行する(ステップS704)。公知の技術のため詳細な説明および図示は省略するが、電動役物制御処理には、電動チューリップ107の動作を制御する電動チューリップ制御処理、大入賞口109の動作を制御する大入賞口処理などが含まれる。
【0131】
つぎに、主制御部201は、賞球に関する賞球処理を実行して(ステップS705)、上記の各処理によりRAM213にセットされたコマンドを演出制御部202などに対して出力する出力処理を実行し(ステップS706)、タイマ割込処理を終了する。タイマ割込処理を終了すると、主制御部201は、メイン処理へ戻る。
【0132】
(始動口スイッチ処理)
つぎに、始動口スイッチ処理の処理内容について説明する。前述したように、この始動口スイッチ処理は、図7のステップS702に示したスイッチ処理に含まれる一処理である。図8は、始動口スイッチ処理の処理内容を示すフローチャートである。始動口スイッチ処理において、主制御部201は、まず、第1始動口SW221がONになったかを判定する(ステップS801)。第1始動口SW221がONになっていなければ(ステップS801:No)、ステップS806へ移行する。
【0133】
第1始動口SW221がONになっていれば(ステップS801:Yes)、第1始動口105に入賞した遊技球の保留球数U1が4未満であるか(U1<4)を判定する(ステップS802)。保留球数U1が4未満でなければ(ステップS802:No)、すなわち、保留球数U1が4以上であればステップS806へ移行する。
【0134】
保留球数U1が4未満であれば(ステップS802:Yes)、保留球数U1に「1」加算したものを新たなU1の値とし(ステップS803)、入賞した遊技球に対する各種乱数を取得して、RAM213に格納する(ステップS804)。ここで、取得される乱数としては、たとえば、当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数などが挙げられる。
【0135】
入賞した遊技球に対する各種乱数を取得・格納すると、主制御部201は、これらの乱数に基づき第1始動口105に入賞した遊技球に対しての事前判定処理をおこなう(ステップS805)。事前判定処理の詳細な処理内容については図9を用いて後述する。事前判定処理をおこなうと、つづいて、主制御部201は、第2始動口SW222がONになったかを判定する(ステップS806)。第2始動口SW222がONになっていなければ(ステップS806:No)、そのまま始動口スイッチ処理を終了する。
【0136】
第2始動口SW222がONになっていれば(ステップS806:Yes)、第2始動口106へ入賞した遊技球の保留球数U2が4未満であるか(U2<4)を判定する(ステップS807)。保留球数U2が4未満でなければ(ステップS807:No)、すなわち、保留球数U2が4以上であれば、そのまま始動口スイッチ処理を終了する。
【0137】
保留球数U2が4未満であれば(ステップS807:Yes)、保留球数U2に「1」加算したものを新たな保留球数U2とし(ステップS808)、入賞した遊技球に対する各種乱数を取得して、RAM213に格納する(ステップS809)。ここでは、第1始動口105に入賞した場合と同様に当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数などが取得される。
【0138】
入賞した遊技球に対する各種乱数を取得・格納すると、主制御部201は、これらの乱数に基づき第2始動口106に入賞した遊技球に対しての事前判定処理をおこない(ステップS810)、始動口スイッチ処理を終了する。
【0139】
(事前判定処理)
つぎに、図8のステップS805およびS810に示した事前判定処理の処理内容について説明する。図9は、事前判定処理の処理内容を示すフローチャートである。事前判定処理において、主制御部201は、まず、現在の遊技状態が高確率遊技状態であるか(高確遊技フラグがONに設定されているか)を判定する(ステップS901)。
【0140】
高確率遊技状態であれば(ステップS901:Yes)、主制御部201は、高確率当たり判定テーブルを選択する(ステップS902)。高確率遊技状態でなければ(ステップS901:No)、主制御部201は、低確率当たり判定テーブルを選択する(ステップS903)。
【0141】
つづいて、主制御部201は、ステップS902またはステップS903で選択した当たり判定テーブルと、事前判定の対象となる保留球の当たり乱数とを比較して、当たり乱数が、当たり判定テーブルにおいて各当たりに対応する所定値と一致するかを判定する、当たり判定をおこなう(ステップS904)。
【0142】
そして、ステップS904の当たり判定の判定結果が当たりであったかを判定する(ステップS905)。当たりであれば(ステップS905:Yes)、当たり用変動パターンテーブルを選択する(ステップS906)。当たりでなければ(ステップS905:No)、所定のリーチ判定テーブル(不図示)と、事前判定の対象となる保留のリーチ乱数とを比較して、リーチ乱数が、リーチ判定テーブルにおいて「リーチ有」に対応する所定値と一致するか(リーチハズレであるか)を判定する、リーチ判定をおこなう(ステップS907)。
【0143】
そして、ステップS907のリーチ判定の判定結果が「リーチ有」、すなわち、リーチハズレであったかを判定する(ステップS908)。リーチハズレであれば(ステップS908:Yes)、リーチハズレ用変動パターンテーブルを選択する(ステップS909)。リーチハズレでなければ、すなわち、ノーマルハズレであれば(ステップS908:No)、ノーマルハズレ用変動パターンテーブルを選択する(ステップS910)。
【0144】
その後、主制御部201は、ステップS906,ステップS909,ステップS910のいずれかで選択した変動パターンテーブルと、事前判定の対象の保留の変動パターン乱数または現在の保留球数とを比較して、変動パターン乱数が、変動パターンテーブルにおいてどの変動パターンに対応するかを判定する、変動パターン判定をおこなう(ステップS911)。
【0145】
そして、ステップS904の当たり判定結果や、ステップS911の変動パターン判定結果などを含む事前判定結果をRAM213にセットし(ステップS912)、事前判定処理を終了する。ステップS912でセットされた事前判定結果は、図7のステップS706の出力処理の実行時に演出制御部202に対して出力される。
【0146】
(特別図柄処理)
図10は、特別図柄処理の処理内容を示すフローチャートである。この特別図柄処理は、図7のステップS703における図柄処理に含まれる一処理である。特別図柄処理において、主制御部201は、まず、当たり遊技フラグがONとなっているかを判定する(ステップS1001)。ここで、当たり遊技フラグとは、たとえば、各種当たり(大当たり、小当たり)当選時にONに設定されるフラグであり、現在の遊技状態が当たり遊技状態(たとえば大当たり遊技状態)であることを示すフラグである。
【0147】
当たり遊技フラグがONであれば(ステップS1001:Yes)、主制御部201は、特別図柄を変動表示させずにそのまま特別図柄処理を終了する。当たり遊技フラグがONでなければ(ステップS1001:No)、主制御部201は、特別図柄を変動表示中であるかを判定する(ステップS1002)。特別図柄を変動表示中でなければ(ステップS1002:No)、主制御部201は、第2始動口106へ入賞した遊技球に対する保留球数U2が1以上であるかを判定する(ステップS1003)。
【0148】
保留球数U2が1以上であれば(U2≧1)(ステップS1003:Yes)、主制御部201は、保留球数U2を「1」減算したものを新たな保留球数U2として(ステップS1004)、ステップS1007へ移行する。保留球数U2が0であれば(U2=0)(ステップS1003:No)、主制御部201は、第1始動口105へ入賞した遊技球に対する保留球数U1が1以上であるかを判定する(ステップS1005)。
【0149】
保留球数U1が0であれば(U1=0)(ステップS1005:No)、主制御部201は、そのまま特別図柄処理を終了する。保留球数U1が1以上であれば(U1≧1)(ステップS1005:Yes)、主制御部201は、保留球数U1を「1」減算したものを新たな保留球数U1として(ステップS1006)、ステップS1007へ移行する。
【0150】
つづいて、主制御部201は、大当たり抽選処理をおこなう(ステップS1007)。大当たり抽選処理の処理内容については図11を用いて後述する。大当たり抽選処理をおこなうと、主制御部201は、変動パターン判定処理を実行する(ステップS1008)。変動パターン判定処理の詳細な処理内容については図示および詳細な説明を省略するが、図9のステップS905〜ステップS911に示した処理と同様に、大当たり抽選の抽選結果およびリーチ判定の判定結果に基づき変動パターンテーブルを選択して、選択した変動パターンテーブルと変動パターン乱数とを比較することで変動パターンの判定をおこなう。
【0151】
変動パターン判定処理により変動パターンを選択すると、主制御部201は、選択した変動パターンに基づき特別図柄表示部112の特別図柄の変動表示を開始する(ステップS1009)。このとき、第2大当たり抽選の抽選結果に基づき変動表示させる場合は、第2特別図柄表示部112bの第2特別図柄を変動表示させる。第1大当たり抽選の抽選結果に基づき変動表示させる場合は、第1特別図柄表示部112aの第1特別図柄を変動表示させる。
【0152】
特別図柄の変動表示開始に合わせ、主制御部201は、変動開始コマンドをRAM213にセットする(ステップS1010)。ステップS1010でセットされる変動開始コマンドには、ステップS1007の大当たり抽選処理の抽選結果やステップS1008の変動パターン判定処理によって選択された変動パターンを示す情報などが含まれる。また、ステップS1010でセットされた変動開始コマンドは、図7のステップS706の出力処理の実行時に演出制御部202に対して出力される。
【0153】
つづいて、主制御部201は、特別図柄の変動表示を開始した時点から所定の変動時間(変動表示開始直前に選択した変動パターンによって定義された変動時間)が経過したかを判定する(ステップS1011)。所定の変動時間が経過していなければ(ステップS1011:No)、主制御部201は、そのまま特別図柄処理を終了する。
【0154】
一方、変動時間が経過していれば(ステップS1011:Yes)、主制御部201は、特別図柄表示部112にて変動表示中の特別図柄を停止表示し(ステップS1012)、変動停止コマンドをRAM213にセットする(ステップS1013)。ステップS1013でセットされた変動停止コマンドは、図7のステップS706の出力処理の実行時に演出制御部202に対して出力される。
【0155】
変動停止コマンドをRAM213にセットした後、主制御部201は、つづいて、遊技状態を示すフラグ(たとえば上記の当たりフラグ)を設定する停止中処理を実行して(ステップS1014)、特別図柄処理を終了する。一方、ステップS1002において特別図柄が変動表示中であるときには(ステップS1002:Yes)、主制御部201は、ステップS1011へ移行して変動時間が経過したかを判定し、上記の処理をおこなう。
【0156】
(大当たり抽選処理)
つぎに、図10のステップS1007に示した大当たり抽選処理の処理内容について説明する。図11は、大当たり抽選処理の処理内容を示すフローチャートである。大当たり抽選処理において、主制御部201は、まず、現在の遊技状態が高確率遊技状態であるか(高確遊技フラグがONか)を判定する(ステップS1101)。
【0157】
高確率遊技状態であれば(ステップS1101:Yes)、主制御部201は、高確率当たり判定テーブルを選択する(ステップS1102)。高確率遊技状態でなければ(ステップS1101:No)、主制御部201は、低確率当たり判定テーブルを選択する(ステップS1103)。
【0158】
つづいて、主制御部201は、ステップS1102またはステップS1103で選択した当たり判定テーブルと、当たり判定の対象となる保留の当たり乱数とを比較して、当たり乱数が、当たり判定テーブルにおいて各当たりに対応する所定値と一致するかを判定する、当たり判定をおこなう(ステップS1104)。
【0159】
そして、ステップS1104の当たり判定の判定結果が大当たりであったかを判定する(ステップS1105)。大当たりであれば(ステップS1105:Yes)、この保留の図柄乱数と所定の図柄判定テーブル(不図示)とを比較して、図柄乱数が、図柄判定テーブルにおいてどの種類の大当り(たとえば確変大当たり、通常大当たり、潜確大当たり)に対応する所定値と一致するかを判定する、図柄判定をおこなう(ステップS1106)。そして、図柄判定の判定結果をあらわす図柄をRAM213にセットして(ステップS1107)、大当たり抽選処理を終了する。
【0160】
一方、ステップS1104の当たり判定の判定結果が大当たりでなければ(ステップS1105:No)、当たり判定の判定結果が小当たりであるかを判定する(ステップS1108)。小当たりであれば(ステップS1108:Yes)、小当たりを示す図柄をRAM213にセットして(ステップS1109)、大当たり抽選処理を終了する。小当たりでなければ(ステップS1108:No)、ハズレを示す図柄をRAM213にセットして(ステップS1110)、大当たり抽選処理を終了する。
【0161】
(演出制御部がおこなう処理)
つぎに、演出制御部202がおこなう処理について詳細に説明する。以下に示す演出制御部202の各処理は、たとえば、演出統括部202aのCPU241がROM242に記憶されているプログラムを実行することによりおこなうものである。
【0162】
(演出タイマ割込処理)
図12は、演出タイマ割込処理の処理内容を示すフローチャートである。演出統括部202aは、起動中継続的に所定のメイン演出制御処理(不図示)をおこなっており、このメイン演出制御処理に対して、図12に示す演出タイマ割込処理を、所定の周期(たとえば4ms)で割り込み実行する。
【0163】
図12に示すように、演出タイマ割込処理において、演出統括部202aは、まず、コマンド受信処理をおこなう(ステップS1201)。コマンド受信処理は、主制御部201から送信された各種コマンド(たとえば変動開始コマンド)を受信するとともに、受信されたコマンドに基づき各種演出(たとえば変動演出や当たり演出)を選択するための処理であり、詳細な処理内容については図13を用いて後述する。
【0164】
コマンド受信処理をおこなうと、演出統括部202aは、つづいて、演出ボタン処理をおこなう(ステップS1202)。演出ボタン処理では、遊技者からの演出ボタン119の操作を受け付けた場合に、操作を受け付けたことを示す操作コマンドをRAM243にセットする処理をおこなう。
【0165】
演出ボタン処理をおこなうと、演出統括部202aは、コマンド送信処理をおこなう(ステップS1203)。コマンド送信処理では、コマンド受信処理または演出ボタン処理によりRAM243にセットされたコマンドを、画像・音声制御部202bやランプ制御部202cに対して出力する処理をおこなう。
【0166】
(コマンド受信処理)
つぎに、図12のステップS1201に示したコマンド受信処理の処理内容について説明する。図13は、コマンド受信処理の処理内容を示すフローチャートである。図13に示すように、コマンド受信処理において、演出統括部202aは、まず、主制御部201から事前判定結果を受信したかを判定する(ステップS1301)。事前判定結果を受信していなければ(ステップS1301:No)、後述するステップS1303へ移行する。事前判定結果を受信していれば(ステップS1301:Yes)、RAM243上に設けられた事前判定結果用の記憶領域(以下「事前判定記憶領域」という)の更新をおこなう(ステップS1302)。また、事前判定結果を受信した際に、演出統括部202aは、この保留球の事前判定結果を示す情報を含んだ保留球数増加コマンドをRAM243に設定してもよい。この保留球数増加コマンドは、ステップS1203のコマンド送信処理で画像・音声制御部202bへ送信される。これにより、画像・音声制御部202bは、後述する保留球数表示Hhなどを画像表示部104に表示させることができる。
【0167】
つぎに、演出統括部202aは、主制御部201から変動開始コマンドを受信したかを判定する(ステップS1303)。変動開始コマンドを受信していなければ(ステップS1303:No)、後述するステップS1305へ移行する。
【0168】
変動開始コマンドを受信していれば(ステップS1303:Yes)、演出統括部202aは、表示画面上で演出図柄を変動表示させる際におこなう演出(以下「変動演出」という)を選択する変動演出選択処理をおこなう(ステップS1304)。変動演出選択処理の詳細な処理内容については図14を用いて後述する。
【0169】
つづいて、演出統括部202aは、主制御部201から変動停止コマンドを受信したかを判定する(ステップS1305)。変動停止コマンドを受信していなければ(ステップS1305:No)、ステップS1307へ移行する。
【0170】
変動停止コマンドを受信していれば(ステップS1305:Yes)、演出統括部202aは、変動演出を終了させる変動演出終了処理をおこなう(ステップS1306)。つぎに、演出統括部202aは、主制御部201からオープニングコマンド(主制御部201がオープニングを開始したときに出力するコマンド)を受信したかを判定する(ステップS1307)。オープニングコマンドを受信していなければ(ステップS1307:No)、ステップS1309へ移行する。
【0171】
オープニングコマンドを受信していれば(ステップS1307:Yes)、演出統括部202aは、当たり(たとえば大当たりや小当たり)当選時におこなう演出(以下「当たり演出」という)を選択する当たり演出選択処理をおこなう(ステップS1308)。たとえば、当たり演出選択処理において、演出統括部202aは、大当たりに当選していれば大当たり用の当たり演出を選択し、小当たりに当選していれば小当たり用の当たり演出(たとえば潜確大当たりと同じ当たり演出)を選択する。
【0172】
つづいて、演出統括部202aは、主制御部201からエンディングコマンド(主制御部201がエンディングを開始したときに出力するコマンド)を受信したかを判定する(ステップS1309)。エンディングコマンドを受信していなければ(ステップS1309:No)、演出統括部202aは、そのままコマンド受信処理を終了する。
【0173】
エンディングコマンドを受信していれば(ステップS1309:Yes)、演出統括部202aは、当たり演出終了時におこなう演出(以下「エンディング演出」という)を選択するエンディング演出選択処理をおこない(ステップS1310)、コマンド受信処理を終了する。
【0174】
(変動演出選択処理)
つぎに、図13のステップS1304に示した変動演出選択処理の処理内容について説明する。図14は、変動演出選択処理の処理内容を示すフローチャートである。図14に示すように、変動演出選択処理において、演出統括部202aは、まず、ステップS1303で受信された変動開始コマンドを解析し(ステップS1401)、大当たり抽選の抽選結果、変動パターン(特別図柄の変動時間)、遊技状態などを示す情報を取得する。
【0175】
つづいて、演出統括部202aは、ステップS1401において取得された各種情報に基づき、今回の変動演出の内容を選択する変動演出パターン選択処理をおこなう(ステップS1402)。変動演出パターン選択処理の処理内容については図15を用いて後述する。
【0176】
その後、演出統括部202aは、変動演出パターン選択処理により選択された演出パターンを示す情報を含んだ演出開始コマンドをRAM243にセットして(ステップS1403)、変動演出選択処理を終了する。なお、ステップS1403においてセットされた演出開始コマンドは、図12のステップS1203にて示したコマンド送信処理の実行時に画像・音声制御部202bやランプ制御部202cに対して送信される。
【0177】
(変動演出パターン選択処理)
つぎに、図14のステップS1402に示した変動演出パターン選択処理の処理内容について説明する。図15は、変動演出パターン選択処理の処理内容を示すフローチャートである。図15に示すように、変動演出パターン選択処理において、演出統括部202aは、まず、図14のステップS1401で解析された変動開始コマンドに基づき、ノーマルハズレであるかを判定する(ステップS1501)。
【0178】
ノーマルハズレであれば(ステップS1501:Yes)、演出統括部202aは、ハズレ演出パターンテーブルEt1の中から、変動開始コマンドの変動パターンに対応する変動演出パターンを選択する(ステップS1502)。そして、選択された変動演出パターンをRAM243に設定し(ステップS1503)、変動演出パターン選択処理を終了する。
【0179】
ノーマルハズレでなければ(ステップS1501:No)、演出統括部202aは、事前判定記憶領域を参照して(ステップS1504)、事前判定記憶領域に記憶された保留球の中に所定条件を満たす保留球(たとえば変動時間が60秒以上の保留球や、大当たりと判定された保留球)があるかを判定する(ステップS1505)。所定条件を満たす保留球があれば(ステップS1505:Yes)、高信頼度演出が選択されたことを示す選択済フラグがONであるかを判定する(ステップS1506)。選択済フラグがOFFであれば(ステップS1506:No)、特殊リーチ演出パターンテーブルEt3の中から、変動開始コマンドの変動パターンに対応する変動演出パターンを選択し(ステップS1507)、選択済フラグをONに設定して(ステップS1508)、ステップS1503へ移行する。選択済フラグがONであれば(ステップS1506:Yes)、ステップS1511へ移行する。
【0180】
また、所定条件を満たす保留球がなければ(ステップS1505:No)、選択済フラグがONに設定されているかを判定する(ステップS1509)。選択済フラグがONであれば(ステップS1509:Yes)、選択済フラグをOFFに設定して(ステップS1510)、通常リーチ演出パターンテーブルEt2の中から、変動開始コマンドの変動パターンに対応する変動演出パターンを選択し(ステップS1511)、ステップS1503へ移行する。選択済フラグがOFFであれば(ステップS1509:No)、そのままステップS1511へ移行する。前述したように、ステップS1507およびステップS1511において、演出統括部202aは、変動パターンだけでなく、変動演出パターンを選択するための乱数(以下「演出用乱数」という)を取得し、この乱数と変動演出パターンテーブルとを用いて、変動演出パターンを選択するための抽選をおこなう。これにより、演出統括部202aは変動演出パターンテーブルにおいて定められた選択確率で、それぞれの変動演出パターンを選択することができる。
【0181】
(ぱちんこ遊技機による具体的な演出例)
つぎに、ぱちんこ遊技機100による具体的な演出例について説明する。図16−1は、本実施の形態のぱちんこ遊技機による具体的な演出例を示す説明図(その1)である。図16−2は、本実施の形態のぱちんこ遊技機による具体的な演出例を示す説明図(その2)である。
【0182】
図16−1は、たとえば、変動演出パターンEp4aにより定義される「弱リーチ演出A」など、信頼度が低い演出の一例である。図16−2は、たとえば、変動演出パターンEp4bにより定義される「強リーチ演出A」など、高信頼度演出の一例である。
【0183】
図16−1に示すように、ぱちんこ遊技機100は、画像表示部104の表示画面上において、3つの演出図柄(左演出図柄Ez1,中演出図柄Ez2,右演出図柄Ez3)の変動表示を開始し、開始時より所定期間が経過すると、リーチ状態となるように、左演出図柄Ez1および右演出図柄Ez3を同一種類の図柄となるように停止表示する。そして、たとえば、このリーチに対する期待度を示唆するために、ぱちんこ遊技機100は、小キャラ1601(図示の例では忍者のキャラクタ)が1人、画像表示部104の表示画面上を横切っていく演出をおこなう。
【0184】
また、図16−2に示すように、ぱちんこ遊技機100は、画像表示部104の表示画面上において、3つの演出図柄(左演出図柄Ez1,中演出図柄Ez2,右演出図柄Ez3)の変動表示を開始し、開始時より所定期間が経過すると、リーチ状態となるように、左演出図柄Ez1および右演出図柄Ez3を同一種類の図柄となるように停止表示する。そして、たとえば、このリーチに対する期待度を示唆するために、小キャラ1601(図示の例では忍者のキャラクタ)が多数、画像表示部104の表示画面上を横切っていく演出(いわゆる群予告)をおこなう。
【0185】
また、図16−1および図16−2に示したように、ぱちんこ遊技機100は現在の保留球数を示す保留球数表示Hhを、画像表示部104の表示画面上に表示している。ぱちんこ遊技機100は、この保留球数表示Hhを用いても、所定条件を満たす保留球までの遊技者の期待感を高めることができる。
【0186】
図17は、本実施の形態のぱちんこ遊技機による具体的な演出例を示す説明図(その3)である。たとえば、現在の保留球数が「2」であるとき、図17に示すように、1つ目の保留球に対応する保留球数表示Hh1と、2つ目の保留球に対応する保留球数表示Hh2とからなる保留球数表示Hhを、ぱちんこ遊技機100は表示画面上に表示する。
【0187】
たとえば、所定条件を満たす保留球はあるものの、その保留球の前にリーチハズレなどがなく、特殊リーチ演出パターンテーブルEt3を用いた変動演出パターンの選択をおこなわない場合、ぱちんこ遊技機100は、所定条件を満たす保留球に対応する保留球数表示Hh上にチャンス画像1701を表示する。図17に示す例では、2つ目の保留球が所定条件を満たす保留球とし、この保留球に対応する保留球数表示Hh2上にチャンス画像1701を表示している。
【0188】
このようにすることで、ぱちんこ遊技機100は、所定条件を満たす保留球の前にリーチハズレなどがない場合にはチャンス画像1701により遊技者の期待感を高めて、所定条件を満たす保留球の前にリーチハズレなどがある場合には高信頼度演出により遊技者の期待感を高めることができる。
【0189】
以上に説明したように、ぱちんこ遊技機100は、所定条件を満たす保留球がある場合には、その前のハズレによる演出図柄の変動表示中に高信頼度演出をおこなう。これにより、ぱちんこ遊技機100は、遊技者に「今回で大当たりになるかも」と思わせることができるとともに、その後の所定条件を満たした保留球による変動でも、遊技者の大当たりに対する期待感を高めることができ、遊技者が退屈してしまうことを防止して、興趣性を向上させることができる。
【0190】
ぱちんこ遊技機100は、高信頼度演出を長時間の演出(たとえばリーチ演出)ではなく、たとえば、キャラクタの差し替え、セリフの差し替え、背景画像の差し替えなど、短時間で完了させることができる演出としてもよい。このようにすることで、ハズレ時のように短時間の変動時間が選択される場合であっても、この変動時間内に高信頼度演出を完了させることができる。
【0191】
以上に説明したように、本発明にかかるぱちんこ遊技機によれば、所定条件を満たす保留球による図柄の変動よりも前の変動でも高信頼度演出をおこなうことで、その際の、遊技者の大当たりに対する期待感を高めることができ、遊技者が退屈してしまうことを防止して、興趣性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0192】
100 ぱちんこ遊技機
101 遊技盤
104 画像表示部
105 第1始動口
106 第2始動口
201 主制御部
202 演出制御部
311 検出部
312 乱数取得部
312a 記憶部
313 大当たり抽選部
314 変動パターン選択部
315 特別図柄制御部
316 事前判定部
321 演出図柄制御部
322 変動演出実行部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技盤上の始動口へ遊技球が入賞することにより大当たり抽選をおこなって、当該大当たり抽選の抽選結果を示すための図柄を変動させるぱちんこ遊技機において、
前記始動口へ遊技球が入賞することにより発生した前記大当たり抽選を受けるための権利を保留球として記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された保留球に対して、当該保留球によって前記図柄を変動させるより前に、当該保留球の大当たり抽選の抽選結果を判定する判定手段と、
前記大当たり抽選の抽選結果に基づき、前記大当たり抽選の抽選結果を示すための複数の図柄(以下「演出図柄」という)を表示画面上に表示して、当該演出図柄を変動させた後、前記大当たり抽選の抽選結果を示すように停止させる演出図柄制御手段と、
前記演出図柄制御手段による演出図柄の変動中におこなう演出を、予め用意された演出群の中から抽選により選択し、当該演出を前記表示画面上でおこなう変動演出実行手段と、
を備え、
前記変動演出実行手段は、前記判定手段による判定結果に基づき、
所定条件を満たす保留球がある場合には、大当たりへの信頼度が高く定められた所定の演出(以下「高信頼度演出」という)の選択確率が高く定められた第1抽選テーブルを用いて前記演出を選択するための抽選をおこない、
所定条件を満たす保留球がない場合には、前記第1抽選テーブルよりも前記高信頼度演出の選択確率が低く定められた第2抽選テーブルを用いて前記演出を選択するための抽選をおこなうことを特徴とするぱちんこ遊技機。
【請求項2】
前記変動演出実行手段は、前記記憶手段に複数の保留球が記憶され、且つ、前記所定条件を満たす保留球がある場合には、前記複数の保留球のうちの少なくとも一つの保留球に対しては前記第1抽選テーブルを用いて前記演出を選択するための抽選をおこなうとともに、当該保留球以外の前記複数の保留球のうちの少なくとも一つの保留球に対しては前記第2抽選テーブルを用いて前記演出を選択するための抽選をおこなうことを特徴とする請求項1に記載のぱちんこ遊技機。
【請求項3】
前記変動演出実行手段は、前記所定条件を満たす保留球がある場合には、前記高信頼度演出の選択確率が、前記高信頼度演出以外の演出の選択確率よりも高く定められた前記第1抽選テーブルを用いて前記演出を選択するための抽選をおこなうことを特徴とする請求項1または2に記載のぱちんこ遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16−1】
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【図16−2】
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【図17】
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