説明

ひねり包装機

【課題】被包装物が連続シートに対して位置ズレしない、ひねり包装機を提供する。
【解決手段】送り出される連続シート(16)を幅方向に湾曲させて断面U字状のアーチ状連続体にするフォーマ(6)と、フォーマ(6)内の前記アーチ状連続体の内部に被包装物(A)を押し込む移送棒(18a)と、フォーマ(6)の下流側にて移送棒(18a)で押されている搬送途中の被包装物(A)を、前記U字の幅方向から挟持しながら下流側へ移動する第1,第2挟持体(34)(82)と、前記挟持する部位の下流側にて前記連続シート(16)の両側辺部を順次被包装物(A)上に重ねる第1,第2折込ガイド(90)(91)と、該両折込ガイドの下流側にて被包装物(A)を前記両側辺部の重なり方向から挟持し直す第3,第4挟持体(35)(36)と、前記挟持し直した後に被包装物(A)の下流側及び上流側で連続シート(16)を切断するカッター(4)と、前記切断された部分を摘んでひねる、ひねり装置(5)を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャンディなどの被包装物に包装紙を筒状に巻き付けた後、該包装紙の両端開放部をひねり加工する形式の、ひねり包装機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図8は、従来の横型のひねり包装機の概略構成図である。
ホッパ(10)から分離槽(11)上に供給された被包装物(A)(A)は、該分離槽(11)の底部に設けられた回転円盤(12)の外周の分離孔(13)(13)に分離ブラシ(14)で掻き込まれるようになっている。分離孔(13)(13)に掻き込まれた被包装物(A)(A)は、原反ロール(15)から繰り出された連続シート(16)上に順次落下されると共に、被包装物(A)(A)を受け取った連続シート(16)は上方開放の整形樋(19)に沿って走行することで幅方向に湾曲されて断面U字状に整形される。
【0003】
整形樋(19)を連続シート(16)と共に通過する被包装物(A)(A)は、連続シート(16)と同速で走行する移送棒(18a)(18a)で後方から押され、製袋装置(20)の入口近傍まで移送される。
整形樋(19)を通過する連続シート(16)(断面U字状に整形されている)の両側縁部は、製袋装置(20)に到達する前は起立しているが、製袋装置(20)を通過することで水平に折り畳まれて重ね合わせられ、これにより、連続シート(16)は、被包装物(A)を包囲する筒状に整形される。製袋装置(20)を通過した被包装物(A)は、前記連続シート(16)越しに、キャッチャ(3)で挟持され、この挟持状態でカッタ(4)の配設部まで搬送される。次に、連続シート(16)は、キャッチャ(3)(3)の相互間にてカッタ(4)で切断され(以下、この切断後のシートを、単に「包装シート」という。)、これにより、被包装物(A)に包装シートが巻き付いた半包装品(B)が形成される。その後、半包装品(B)を保持したキャッチャ(3)を上下方向に90度回転させることにより、包装シートの両端開放部を上下に向け、その後、キャッチャ(3)と同速で移動する回転摘み具(50)(50)により包装シート(被包装物(A)に筒状に巻き付いている)の両端をひねる。これにより、包装品(C)が出来上がる。
【特許文献1】特開平7−96920号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のものでは、被包装物(A)は、移送棒(18a)(18a)から製袋装置(20)へ受け渡される部分や、製袋装置(20)からキャッチャ(3)(3)へ受け渡される部分では、筒状に整形された連続シート(16)内に自由状態で挿入されているだけであり、連続シート(16)以外のものでは保持されていない。このことから、被包装物(A)が連続シート(16)に対して安定せず、前記の各受け渡される部分では、機械の振動等に起因して連続シート(16)に対し被包装物(A)が位置ズレし易い。特に、製造寸法のバラツキで、小さな被包装物(A)が分離槽(11)側から供給されて来た場合は、これが筒状の連続シート(16)内でがたつき易く、位置ズレし易い。このことから、上記従来のものでは、キャッチャ(3)で被包装物(A)を正確に挟持できない場合があり、包装不良が生じ易いという問題があった。
本発明は、かかる点に鑑みて成されたもので、被包装物(A)が連続シート(16)に対して位置ズレしないようにし、包装不良の発生を少なくすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[請求項1に係る発明]
上記課題を解決する為の請求項1に係る発明の解決手段は、
『長手方向に送り出される連続シート(16)を幅方向に湾曲させることにより、U字状折返部の両側に続けて一対の折込片部が対向状態で延長するアーチ状連続体に整形するフォーマ(6)と、
被包装物(A)を、前記連続シート(16)と同方向から前記フォーマ(6)内の前記アーチ状連続体の内部に押し込むように搬送する移送棒(18a)と、
前記被包装物(A)が前記フォーマ(6)を通過してから更に前記移送棒(18a)で押されている搬送途中で、前記一対の折返片部の外側から前記被包装物(A)を挟持しながら搬送方向の下流側へ移動する第1,第2挟持体と、
前記第1,第2挟持体で挟持されて搬送される前記被包装物(A)の搬送域に配設され、且つ、前記連続シート(16)の一方の折返片部を他方の折返片部側に折り畳むことにより前記被包装物(A)上に重ねる第1折込ガイドと、
前記第1折込ガイドの下流側に配設され、且つ、前記連続シート(16)の前記他方の折返片部を、前記折り畳まれた一方の折返片部上に重ねるように折り畳む第2折込ガイドと、
前記第2折込ガイドの下流側にて前記第1,第2挟持体で挟持されている被包装物(A)の部位を、前記折り畳んだ両折返片部の重なり方向から挟持し直す機能を有し、且つ、前記第1挟持体に取付けられた第3,第4挟持体と、
前記挟持し直す位置の下流側に配設され、且つ、前記第3,第4挟持体により挟持状態で搬送される被包装物(A)の下流側及び上流側で連続シート(16)を切断するカッター(4)と、
前記カッター(4)の配設部の下流側に設けられ、且つ、前記切断された部分を摘んでひねる、ひねり装置(5)を具備する』ことである。
上記解決手段によれば、長手方向に送り出される連続シート(16)は、フォーマ(6)を通過することにより、U字状折返部の両側に続けて一対の折返片部が対向状態で延長したアーチ状連続体に整形される。
【0006】
一方、被包装物(A)は、移送棒(18a)で押されながら前記連続シート(16)と同方向から前記フォーマ(6)内に供給される。これにより、前記被包装物(A)は、移送棒(18a)によって前記アーチ状連続体の内部に押し込まれる。
【0007】
次に、フォーマ(6)の下流側まで搬送された被包装物(A)が移送棒(18a)で搬送方向に押されている途中で、前記被包装物(A)が、前記一対の折返片部の外側から(連続シート(16)越しに)第1,第2挟持体で挟持される。これにより、被包装物(A)が移送棒(18a)から第1,第2挟持体に受け渡される。従って、この受け渡し時には、既述従来のように被包装物(A)が連続シート(16)のみで保持されることがなく、被包装物(A)が連続シート(16)に対して位置ズレする心配がない。
【0008】
次に、連続シート(16)越しに第1,第2挟持体で挟持された被包装物(A)が第1折込ガイドの配設部まで搬送されると、連続シート(16)の前記一方の折込片部が、第1折込ガイドによって他方の折込片部側に折り畳まれて被包装物(A)上に重ねられる。その後、第1,第2挟持体で挟持された被包装物(A)が、更に下流側の第2折込ガイドの配設部まで搬送されると、連続シート(16)の他方の折込片部が、第2折込ガイドによって前記一方の折返片部上に重ねるように折り畳まれる。これにより、被包装物(A)に連続シート(16)が筒状に巻き付けられた状態になる。
【0009】
次に、第2折込ガイドの下流側に於いて第1,第2挟持体で挟持されている被包装物(A)の部位が、前記折り畳んだ両折返片部の重なり方向から第3,第4挟持体(第1挟持体に取り付けられている)で挟持し直される。そして、この挟持し直されるときには、被包装物(A)は、第1,第2挟持体と第3,第4挟持体の両方、又は、第1,第2挟持体か第3,第4挟持体の何れか一方で、連続シート(16)越しに挟持されている。従って、前記挟持し直されるときに、被包装物(A)が連続シート(16)に対して位置ズレする心配がない。
【0010】
次に、被包装物(A)を第3,第4挟持体で挟持し直した後に、更に下流側に移動すると、第3,第4挟持体により挟持状態で搬送される被包装物(A)の下流側及び上流側で、連続シート(16)がカッター(4)で切断される。これにより、被包装物(A)の外周に包装シートが巻き付けられた半包装品が得られる。
その後、被包装物(A)に筒状に巻き付いた包装シートの両端が、ひねり装置(5)によって摘んでひねられる。これにより、ひねり包装品が完成する。
【0011】
このように、本発明によれば、被包装物(A)が移送棒(18a)から第1,第2挟持体に受け渡される際には、既述従来のように被包装物(A)が連続シート(16)のみで保持されることがない。又、被包装物(A)が第1,第2挟持体から第3,第4挟持体に挟持し直される際には、被包装物(A)は、連続シート(16)越しに第1,第2挟持体又は、第3,第4挟持体の何れかに挟持されている。従って、既述従来のものと相違し、被包装物(A)が移送棒(18a)でフォーマ(6)に押し込まれてから、ひねり包装品が完成するまでの全域に亘って、被包装物(A)が連続シート(16)(半包装品に成った後は包装シート)に対して位置ズレすることがない。
【0012】
[請求項2に係る発明]
請求項1に係る発明に於いて、
『前記第2挟持体は、前記被包装物(A)の搬送路と平行に走行する無端ベルトの外周面部であり、
前記第1挟持体は、前記被包装物(A)の搬送路を隔てて前記無端ベルトに対向する領域を通過するように循環走行する』ものでは、無端ベルト及び第1挟持体が閉ループに沿って循環走行しながら、被包装物(A)を挟持する。
【発明の効果】
【0013】
本発明は次の特有の効果を有する。
被包装物(A)が移送棒(18a)でフォーマ(6)に押し込まれてから、ひねり包装品が完成するまでの全域に亘って、被包装物(A)が連続シート(16)(半包装品に成った後は包装シート)に対して位置ズレすることがない。従って、前記位置ズレし易い既述従来のものと相違し、被包装物(A)が連続シート(16)に対して常に適正位置に維持された状態で各包装工程が進行するから、包装不良の発生が少なくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に、本発明を実施するための最良の形態について添付図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明のひねり包装機の全体斜視図である。
[全体構成]
既述従来のものと同様に、ホッパ(10)の出口には被包装物(A)(A)を振動させつつ分離槽(11)に供給するフィーダ(100)が設けられていると共に、分離槽(11)の底部には、外周に分離孔(13)(13)が形成された回転円盤(12)が設けられている。
回転円盤(12)の外周部には、回転円盤(12)上の被包装物(A)(A)を分離孔(13)(13)に掻き込む為の分離ブラシ(14)が配設されていると共に、該分離ブラシ(14)の開設部の近傍には回転円盤(12)の分離孔(13)(13)から落下する被包装物(A)(A)を下流側に移送する移送棒(18a)(18a)を備えた移送装置(18)が設けられている。移送装置(18)の下流側には、機体上部のリール(7)から繰り出される連続シート(16)を幅方向に湾曲させて逆U字状に整形するフォーマ(6)が配設されている。フォーマ(6)の下流側には、被包装物(A)を連続シート(16)越しにつかむキャッチャ(3)や保持ベルト(8)と、筒状の連続シート(16)を被包装物(A)(A)間にて切断するカッタ(4)と、切断により被包装物(A)の外周に巻き付いた包装シートの両端を摘んでひねるひねり装置(5)が、この順序で配設されている。以下、各部の詳細を説明する。
【0015】
[移送装置(18)]
図2,図3に示すように、分離槽(11)から供給される被包装物(A)(A)を1個ずつ搬送する移送装置(18)は、被包装物(A)(A)を後方から押す移送棒(18a)(18a)と、該移送棒(18a)(18a)を所定ピッチで固定した閉ループ状のチェーン(18b)を備えており、前記チェーン(18b)はスプロケット(17)に掛けられている。移送棒(18a)は、被包装物(A)(A)を下方から支持する支持レール(22)の側方を上下に横切っており、これにより、支持レール(22)上に載置された被包装物(A)(A)を後方から押し動かせる構成になっている。
【0016】
[フォーマ(6)]
リール(7)から繰り出される連続シート(16)を逆U字状に整形するフォーマ(6)は、図4に示すように、隙間(62)を隔てて横方向に対向する一対の側板(60)(61)を具備しており、該側板(60)(61)の下端から下フランジ(601)(611)が互いに対向するように屈曲している。そして、下フランジ(601)(611)の内縁部にシート合せ板(602)(612)が対向状態で垂下している。側板(60)(61)には、入口部(65)側の下部コーナ部に位置し且つ下流側(連続シート(16)の送り方向)に向けて順次低くなったシート案内翼(66)(67)が設けられている。
【0017】
従って、フォーマ(6)に供給される連続シート(16)は、シート案内翼(66)(67)の案内作用によって被包装物(A)の外周に沿って湾曲されて逆U字状に整形される。又、フォーマ(6)に挿通された連続シート(16)の両側縁部は、側板(60)(61)の下フランジ(601)(611)から屈曲垂下するシート合せ板(602)(612)で略重ね合わされて鉛直状態になる。これにより、フォーマ(6)を通過した連続シート(16)は、U字状折返部(161)の両側に続けて一対の折込片部(162)(163)が対向状態で延長する逆U字状のアーチ連続体に整形される。
【0018】
[保持ベルト(8)]
フォーマ(6)の下流側には、連続シート(16)の移動域の横方向にて、これと平行に走行する水平な保持ベルト(8)(既述発明特定事項たる「無端ベルト」に対応する。)が配設されている。保持ベルト(8)は、駆動プーリ(80)と従動プーリ(81)に掛け回された歯付ベルトで形成されていると共に、外周には被包装物(A)(A)を連続シート(16)越しに押圧する押圧突起(82)(82)が隆起している。そして、本実施の形態では、前記押圧突起(82)(82)は既述発明特定事項たる「第2挟持体」に対応している。
【0019】
[キャッチャ(3)]
被包装物(A)を筒状の連続シート(16)越しに挟持するキャッチャ(3)(3)は、保持ベルト(8)に対向した状態で循環走行するものであり、プーリ(31)で駆動される無端ベルト(30)に取り付けられている。又、キャッチャ(3)(3)は、保持ベルト(8)の外周に隆起する押圧突起(82)(82)と同一ピッチで無端ベルト(30)に取り付けられている。
【0020】
図5に示すように、キャッチャ(3)は、ベース部(32)から前方に突出するアーム取付ブロック(33)を具備しており、該アーム取付ブロック(33)の前面には被包装物(A)を連続シート(16)越しに前記保持ベルト(8)側に押え付ける押圧ゴム(34)が固定されている。そして、本実施の形態では、押圧ゴム(34)を具備するアーム取付ブロック(33)が既述発明特定事項たる「第1挟持体」に対応する。又、アーム取付ブロック(33)には、既述発明特定事項たる「第3,第4挟持体」たる上下一対の挟持アーム(35)(36)が軸(37)(38)で回動自在に支持されており、該挟持アーム(35)(36)の自由端から直角に突出するゴム受ブロック(350)(360)には、連続シート(16)越しに被包装物(A)を挟持する為の挟持ゴム(351)(361)が固定されている。そして、前記挟持アーム(35)(36)は、図示しない駆動源で上下に回動されるようになっている。
【0021】
[連続シート(16)の折込片部(162)(163)を折り込む折込ガイド]
保持ベルト(8)とキャッチャ(3)(3)が互いに対向状態で走行する領域の下方には、図3,図6に示すように、上面が被包装物(A)に沿う樋状に形成された第1,第2折込ガイド(90)(91)が、この順序で下流側に向けて配列されている。これにより、逆U字状に湾曲した連続シート(16)の折込片部(162)(163)が、第1,第2折込ガイド(90)(91)の上面に案内されて被包装物(A)に沿って順次折り畳まれるようになっている。
【0022】
[カッタ(4)]
上記第1,第2折込ガイド(90)(91)の下流側には、連続シート(16)をキャッチャ(3)(3)の相互間で切断する為のカッタ(4)が配設されていると共に、該カッタ(4)は、シャフト(40)に回動自在に取り付けられている。
【0023】
[ひねり装置]
カッタ(4)の配設部の下流側には、既述キャッチャ(3)に保持された半包装品(B)の両端の包装シートをひねる為のひねり装置(5)が配設されていると共に、該ひねり装置(5)は、前記両端の包装シートを摘んだ状態でひねる機能を備えた回転摘み具(50)(50)を備えている。これら回転摘み具(50)(50)は、半包装品(B)を摘んだキャッチャ(3)に対して上下から対向した状態で移動するように構成されている。
回転摘み具(50)は、上下方向の回転軸(51)に対し、摘み片(52)(53)を基端軸(a)(a)で回動自在に取り付けた構成である。そして、摘み片(52)(53)は、図示しない駆動源で開閉されるようになっている。
【0024】
[動作の説明]
次に、上記実施の形態に係るひねり包装機の動作を説明する。
図示しない運転スイッチが投入されると、ホッパ(10)の被包装物(A)(A)がフィーダ(100)から分離槽(11)の回転円盤(12)に上供給され、その後、分離ブラシ(14)によって、回転円盤(12)の外周の分離孔(13)(13)に掻き込まれる。分離孔(13)(13)に掻き込まれた被包装物(A)(A)は、走行する移送棒(18a)(18a)の前方に落下し、図3に示すように、支持レール(22)上を移送棒(18a)(18a)に押されてフォーマ(6)側に移動する。一方、図1に示すように、ロール状に巻き取られた連続シート(16)はリール(7)から繰り出されると共に、複数のガイドローラ(70)(70)を経由し、図2,図3に示すフォーマ(6)に供給され、これにより、連続シート(16)と被包装物(A)がフォーマ(6)の入口部(65)で集合される。
【0025】
フォーマ(6)内の整形位置(S1)(図2参照)に侵入した連続シート(16)は、既述したように、アーチ状連続体(U字状折返部(161)の両側に一対の折返片部(162)(163)が対向状態で延長したのもの)に整形されると共に、図2,図3に示すように、フォーマ(6)内に移送棒(18a)で押し込まれる被包装物(A)が、前記逆U字状のアーチ状連続体で包囲された状態になる。尚、移送棒(18a)の移動速度は連続シート(16)の送り速度と一致しており、これにより、被包装物(A)が連続シート(16)と同速で下流側に搬送されるようになっている。
【0026】
フォーマ(6)を通過した被包装物(A)が、移送装置(18)の下流端近傍の横支持位置(S2)(図2,図3参照)に到達すると、図6の(イ)及び図7に示すように、被包装物(A)は、保持ベルト(8)の外周の押圧突起(82)とキャッチャ(3)の前面の押圧ゴム(34)で挟持され、且つ、移送装置(18)の移送棒(18a)で後方から押された状態になる。即ち、被包装物(A)は、前記押圧突起(82)と押圧ゴム(34)と更に移送棒(18a)で3点支持されて安定した状態になる。従って、被包装物(A)が移送棒(18a)から押圧突起(82)と押圧ゴム(34)に受け渡される時には、既述従来のように被包装物(A)が連続シート(16)のみで保持されることがなく、被包装物(A)が位置ズレする心配がない。
【0027】
更に、被包装物(A)が下流側に移動して移送装置(18)の下流端を通過すると、移送棒(18a)がスプロケット(17)の外周に沿うように移動し、これにより、移送棒(18a)が被包装物(A)の搬送域の下方へ降下する。この状態では、被包装物(A)は、保持ベルト(8)の押圧突起(82)とキャッチャ(3)の前面の押圧ゴム(34)によって、アーチ状連続体(連続シート(16)が逆U字状に整形されたもの)の両折返片部(161)(162)越しに挟持されおり、この挟持状態で支持レール(22)上から第1折込ガイド(90)上に搬送されて第1折込位置(S3)に到達する(図2,図3参照)。被包装物(A)が第1折込位置(S3)に到達すると、図6(ウ)に示すように、連続シート(16)の一方の折込片部(161)が、第1折込ガイド(90)で他方の折込片部(162)側に向けて折り畳まれて被包装物(A)上に重ねられる。更に、被包装物(A)が下流側に搬送されて第2折込位置(S4)に到達すると、図6(エ)に示すように、連続シート(16)の他方の折込片部(162)が第2折込ガイド(91)で被包装物(A)の下面に沿うように折り込まれる。これにより、第1折込位置(S3)で折り込まれた連続シート(16)の折込片部(161)に他方の折込片部(162)が折り重ねられ、被包装物(A)の外周に連続シート(16)が筒状に巻き付いた状態になる。更に、被包装物(A)が上下摘み位置(S5)まで搬送されると、図6(オ)に示すように、連続シート(16)が巻き付いた被包装物(A)が、両折返部(161)(162)の重なり方向から、キャッチャ(3)の挟持アーム(35)(36)で挟持され、その後、被包装物(A)が保持ベルト(8)の走行域の下流端(駆動プーリ(80)の配設部)の下流へ搬送される。これにより、被包装物(A)は保持ベルト(8)の押圧突起(82)(第1,第2挟持体を構成する)とキャッチャ(3)前面の押圧ゴム(34)から、挟持アーム(35)(36)(第3,第4挟持体)に挟持し直された状態になる。そして、この挟持し直される際の被包装物(A)は、押圧突起(82)と押圧ゴム(34)、又は、挟持アーム(35)(36)の何れかに挟持されている。
【0028】
この挟持状態で切断位置(S6)まで搬送される。そして、被包装物(A)の外周に筒状に巻き付いた連続シート(16)が、前記切断位置(S6)の下流側にてカッタ(4)で切断され、これにより、被包装物(A)の外周に包装シートが筒状に巻き付いた半包装品(B)が出来る。次に、キャッチャ(3)が上下に90度回転して起立位置(S7)に到達し、更に、ひねり位置(S8)まで移動すると、半包装品(B)の包装シートの上下端部が回転摘み具(50)(50)の摘み片(52)(53)で扁平に摘まれ、その後、回転摘み具(50)(50)を具備する回転軸(51)(51)が回転し、これにより、包装シートの上下端部がひねられる。これにより、ひねり包装品(C)が完成する。
【0029】
このものでは、被包装物(A)の外周に連続シート(16)を逆U字状に巻き付けるフォーマ(6)の整形位置(S1)から、被包装物(A)を保持ベルト(8)とキャッチャ(3)で水平方向に挟持する横支持位置(S2)までは、該被包装物(A)が移送棒(18a)で押されて移動する。従って、機械の振動等が発生しても、被包装物(A)が連続シート(16)に対して位置ズレする心配が少ない。よって、横支持位置(S2)において、被包装物(A)がキャッチャ(3)と保持ベルト(8)で水平方向に確実に挟持され、挟持ミスが発生し難い。又、横支持位置(S2)〜第2折込位置(S4)では、被包装物(A)がキャッチャ(3)と保持ベルト(8)で水平方向に挟持された状態で移動する一方、上下摘み位置(S5)では、前記水平方向の挟持に加えて更にキャッチャ(3)の挟持アーム(35)(36)で上下に挟持し直され、その後、カッタ(4)による切断位置(S6)からひねり位置(S8)に至る範囲では、キャッチャ(3)の挟持アーム(35)(36)で被包装物(A)が挟持されてる。従って、整形位置(S1)からひねり位置(S8)に至る全域で被包装物(A)が移送棒(18a)等で常に支持された状態になるから、該被包装物(A)が連続シート(16)に対して位置ズレする心配がなく、包装不良が生じない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施の形態に係るひねり包装機の全体斜視図
【図2】図1の包装機のフォーマ(6)より下流側の各工程を説明する拡大斜視図
【図3】図1の包装機のフォーマ(6)より下流側の各工程を説明する概略断面図
【図4】フォーマ(6)を下方から見上げた斜視図
【図5】キャッチャ(3)の斜視図
【図6】整形位置(S1)〜上下摘み位置(S5)の説明図
【図7】横支持位置(S2)での被包装物(A)の挟持状態を説明する平面図
【図8】従来例の説明図
【符号の説明】
【0031】
(4)・・・カッター
(5)・・・ひねり装置
(6)・・・フォーマ
(16)・・・連続シート
(18a)・・・移送棒
(A)・・・被包装物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に送り出される連続シート(16)を幅方向に湾曲させることにより、U字状折返部の両側に続けて一対の折込片部が対向状態で延長するアーチ状連続体に整形するフォーマ(6)と、
被包装物(A)を、前記連続シート(16)と同方向から前記フォーマ(6)内の前記アーチ状連続体の内部に押し込むように搬送する移送棒(18a)と、
前記被包装物(A)が前記フォーマ(6)を通過してから更に前記移送棒(18a)で押されている搬送途中で、前記一対の折返片部の外側から前記被包装物(A)を挟持しながら搬送方向の下流側へ移動する第1,第2挟持体と、
前記第1,第2挟持体で挟持されて搬送される前記被包装物(A)の搬送域に配設され、且つ、前記連続シート(16)の一方の折返片部を他方の折返片部側に折り畳むことにより前記被包装物(A)上に重ねる第1折込ガイドと、
前記第1折込ガイドの下流側に配設され、且つ、前記連続シート(16)の前記他方の折返片部を、前記折り畳まれた一方の折返片部上に重ねるように折り畳む第2折込ガイドと、
前記第2折込ガイドの下流側にて前記第1,第2挟持体で挟持されている被包装物(A)の部位を、前記折り畳んだ両折返片部の重なり方向から挟持し直す機能を有し、且つ、前記第1挟持体に取付けられた第3,第4挟持体と、
前記挟持し直す位置の下流側に配設され、且つ、前記第3,第4挟持体により挟持状態で搬送される被包装物(A)の下流側及び上流側で連続シート(16)を切断するカッター(4)と、
前記カッター(4)の配設部の下流側に設けられ、且つ、前記切断された部分を摘んでひねる、ひねり装置(5)を具備する、ひねり包装機。
【請求項2】
請求項1に記載のひねり包装機に於いて、
前記第2挟持体は、前記被包装物(A)の搬送路と平行に走行する無端ベルトの外周面部であり、
前記第1挟持体は、前記被包装物(A)の搬送路を隔てて前記無端ベルトに対向する領域を通過するように循環走行する、ひねり包装機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−137716(P2008−137716A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−328085(P2006−328085)
【出願日】平成18年12月5日(2006.12.5)
【出願人】(390003654)テンチ機械株式会社 (9)
【Fターム(参考)】