説明

めっき密着性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板とその製造方法

自動車の内板または外板として使用される合金化溶融亜鉛めっき鋼板とその製造方法が提供される。この鋼板は、鋼板の少なくとも一面に合金化溶融亜鉛めっき層を有し、前記合金化溶融亜鉛めっき層の合金化度は5〜9%であり、合金相としてはエータ相とゼータ相からなる。この鋼板の製造方法は、鋼板を溶融亜鉛めっきして470〜530℃の温度で合金化処理し、合金化溶融亜鉛めっき層の合金化度は5〜9%であり、合金相としてはエータ相とゼータ相を有するようにするステップと、を含んでなる。本発明によると、溶融亜鉛めっき鋼板(GI)と合金化溶融亜鉛めっき鋼板(GA)の長所を全て有するハイブリッド型めっき鋼板が提供され、溶接性と耐パウダリング性、ボンド接着性の諸般特性が改善される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の内板または外板として使用される合金化溶融亜鉛めっき鋼板とその製造方法に関する。より詳しくは、合金化溶融亜鉛めっき鋼板(GA)の短所である界面密着力の低下によるめっき剥離性と亜鉛めっき鋼板(GI)の短所である溶接性の低下という問題点を同時に改善する合金化溶融亜鉛めっき鋼板とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、エコロジーの問題が社会的な関心となって、自動車産業では自動車の安全性、軽量化及び低燃費化の観点における高強度の溶融亜鉛めっき鋼板を適用する傾向が増加している。
【0003】
ところで、溶融亜鉛めっき鋼板(Galvanizing steel sheet:GI鋼板)は、めっき層が純粋な亜鉛で構成されているため、自動車メーカーの溶接過程において溶接棒の電極寿命を短縮させるという短所があり、かつ塗装性が良くない。従って、GI鋼板を合金化処理したGA鋼板が使用されているが、GA鋼板はめっき層が脆性的な鉄−亜鉛金属間化合物で構成されているため、プレス加工時にめっき層が剥離されるパウダリング(Powdering)及びフレーキング(Flaking)が問題視されてきた。
【0004】
一方、溶融亜鉛めっき鋼板を自動車メーカーが部品に組立する時に既存のSpot(点)溶接外に接着剤(Bond)を使用して加工するため、合金化亜鉛めっき鋼板(GA)のめっき剥離性の問題の改善と、亜鉛めっき鋼板(GI)の溶接劣位性の改善を同時に満たす新概念の高強度鋼板の開発が要求されている。
【0005】
めっき層内のFe(%)含量がどの位含まれているかを数値で示した値である合金化度は、一般のGA鋼板である場合、約9〜11%の水準である。このような合金化度が高い場合、FeとZnの脆性的な反応の結果として急激なデルタ相及びガンマ相の成長により素地鉄界面とめっき層間のめっき剥離が非常に簡単に発生する。このような鋼板に対しては接着剤を使用して加工することが困難になる。一方、既存のGI鋼板は合金化反応が生じないため、界面とめっき層間の剥離による加工欠陥は発生しないが、自動車メーカーでの溶接時にGA鋼板に比べてめっき層の表面が純粋な亜鉛で構成されており、銅からなる溶接棒の使用寿命が著しく低下し、溶接性が劣位した短所を持っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、合金化溶融亜鉛めっき鋼板(GA)の短所である界面密着力の低下によるめっき剥離性と、亜鉛めっき鋼板(GI)の短所である溶接性の低下という問題点を同時に改善するハイブリッド型合金化溶融亜鉛めっき鋼板とその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、鋼板の少なくとも一面に合金化溶融亜鉛めっき層を有し、上記合金化溶融亜鉛めっき層の合金化度は5〜9%であり、合金相としてはエータ相とゼータ相とを有するものである。上記合金相としてエータ相が90%以上であり、ゼータ相が10%以下を満たすことが好ましい。
【0008】
本発明において上記合金化溶融亜鉛めっき層の表面には、直径20〜50μmのオイルポケットが形成されることが好ましい。
【0009】
本発明によるめっき鋼板の製造方法は、鋼板を溶融亜鉛めっきするステップと、470〜530℃の温度で合金化処理して合金化溶融亜鉛めっき層内の合金化度は5〜9%であり、合金相としてはエータ相とゼータ相を有するようにするステップと、を含んでなる。
【0010】
上記合金相としては、合金相としてエータ相が90%以上であり、ゼータ相が10%以下を満たすことが好ましい。また、上記合金化処理された鋼板は、エンボシングロールにより調質圧延を行い、合金化めっき層の表面にオイルポケットを形成することができる。
【0011】
上記溶融亜鉛めっきは、0.12〜0.2%Alと、残りのZnと、その他の不可避な不純物とから組成される溶融亜鉛めっき浴で行うことが好ましい。上記合金化溶融亜鉛めっき層の表面には直径20〜50μmのオイルポケットが形成されることが好ましい。
【0012】
本発明に適用される鋼板は溶融亜鉛または合金化溶融亜鉛が適用される鋼であれば可能であり、最も好ましい一例としては、重量%で、C:0.005%以下、S:0.003〜0.02%を含み、ここに、Mn:0.2%以下とCu:0.2%以下の1種または2種、残りのFe及びその他の不可避な不純物で組成されるものである。さらに他の例としては、重量%で、C:0.01%以下、S:0.005〜0.02%、B:0.0001〜0.002%を含み、ここに、Cu:0.01〜0.2%とMn:0.01〜0.3%の少なくとも1種、並びにNb:0.002〜0.04%とTi:0.005〜0.15%の少なくとも1種を含み、残りのFe及びその他の不可避な不純物で組成されるものである。本発明に適用される鋼板には、以下のA、B、Cから選択される少なくとも1種が含まれる。
A:Si:0.1〜0.8%、P:0.03〜0.2%、Cr:0.2〜1.2%のグループから選択される少なくとも1種
B:Mo:0.01〜0.2%、V:0.01〜0.2%のグループから選択される少なくとも1種
C:Al:0.01〜0.1%とN:0.02%以下
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、ボンド接着性に優れ、点溶接性だけでなく耐パウダリング性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板が提供される。また、オイルポケットを形成する場合は、プレス加工性もさらに改善された合金化溶融亜鉛めっき鋼板が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】亜鉛めっき層上の合金相を模式的に示したもので、(a)は従来の合金化溶融亜鉛めっき鋼板(GA)であり、(b)は従来の溶融亜鉛めっき鋼板(GI)であり、(c)は本発明の合金化溶融亜鉛めっき鋼板(GA)の一例である。
【図2】亜鉛めっき層の走査型電子顕微鏡写真(SEM)であって、(a)は本発明の合金化溶融亜鉛めっき鋼板(GA)の一例であり、(b)は従来の合金化溶融亜鉛めっき鋼板(GA)であり、(c)は従来の溶融亜鉛めっき鋼板(GI)である。
【図3】ボンド接着性をテストした写真であって、(a)〜(c)は本発明材に該当する図面であり、(d)は従来の合金化溶融亜鉛めっき鋼板(GA)に対する図面である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明を詳細に説明する。
【0016】
本発明によると、溶融亜鉛めっき鋼板(GI)と合金化溶融亜鉛めっき鋼板(GA)との長所を全て有するハイブリッド(Hybrid)型めっき鋼板が提供される。添付された図面を参考に説明するが、図面における形状及びサイズ等は、より明確な説明のために誇張することもあり、図面上において同一の符号で示される構成要素は同一の構成要素である。
【0017】
本発明は、溶融亜鉛めっき鋼板(GI)の溶接性を改善しながら、合金化溶融亜鉛めっき鋼板(GA)の耐パウダリング性を改善するための研究過程において、合金化度を適する範囲で制御して溶接性と耐パウダー性を同時に確保することができるようにする。本発明では、合金化溶融亜鉛めっき層内の合金化度は5〜9%とし、合金相としてはエータ相とゼータ相からなる。好ましくは、エータ相が90%以上であり、ゼータ相が10%以下になるようにする。
【0018】
図1において(a)と(b)は、従来のGA鋼板とGI鋼板のめっき層で見ることができる合金相を示したものである。GA鋼板のめっき層には、デルタ相(δ)とキャピタルガンマ相(Γ)が存在し、このような相のために耐パウダリング性がよくない。そして、GI鋼板には、主にエータ相(η)が存在するため溶接性がよくない。本発明では、(c)のようにゼータ相(ζ)とエータ相(η)が主に構成される。本発明の一実施例によると、合金化度が5〜9%を満たし、かつエータ相とゼータ相を有するようにするとき、溶接性と耐パウダリング性の特性を同時に確保することができる。より好ましくは、合金化度が5〜7%を満たすものである。合金化度が9%以下であれば、パウダリング性が確保されるが、7%以下と低くなると、パウダリング性がさらに確実に改善される。合金化度が5%以上でないと、溶接性が確保できない。合金相は低合金化度においてゼータ相(ζ)とエータ相(η)が主に構成されるものであればよいが、本発明の一実施例によると、エータ相(η)が90%以上、ゼータ相(ζ)が10%以下を満たすときに耐パウダリング性と溶接性を確実に両立することができる。
【0019】
本発明は、溶融亜鉛めっきが適用される多様な鋼種に適用でき、特別な鋼種に制限されるものではない。そのような例として、本出願人が国際公開公報WO05/045085号とWO05/061748号に提案した鋼がある。即ち、重量%で、C:0.005%以下、S:0.003〜0.02%を含み、ここに、Mn:0.2%以下とCu:0.2%以下の1種または2種、残りのFe及びその他の不可避な不純物で組成される鋼を例として挙げることができる。また、C:0.01%以下、S:0.005〜0.02%、B:0.0001〜0.002%を含み、ここに、Cu:0.01〜0.2%とMnが0.01〜0.3%の少なくとも1種、並びにNb:0.002〜0.04%とTi:0.005〜0.15%の少なくとも1種を含み、残りのFe及びその他の不可避な不純物で組成される鋼を例として挙げることができる。上記した鋼種には、以下のA、B、Cから選択される少なくとも1種が含まれることができる。
A:Si:0.1〜0.8%P:0.03〜0.2%、Cr:0.2〜1.2%のグループから選択される少なくとも1種
B:Mo:0.01〜0.2%、V:0.01〜0.2%のグループから選択される少なくとも1種
C:Al:0.01〜0.1%とN:0.02%以下
【0020】
本発明によって、低合金化度を有するめっき層の表面には直径20〜50μmのオイルポケットが形成されることが好ましい。オイルポケットとは、鋼板表面にオイルを収容することができる溝を意味する。オイルポケットが、ロールの表面がエンボシング形態からなるプレテクスチャロール(pre−texture roll)で形成することができるものである。オイルポケットによりめっき鋼板のプレス成形時の潤滑特性を確保することができる。
【0021】
本発明に従い、低合金化度の鋼板の製造方法について説明する。先ず、鋼板を溶融亜鉛めっきして合金化処理をする。溶融亜鉛めっきは、通常の亜鉛めっき浴で行うが、めっき浴の一例としては、0.12〜0.2%Alと、残りのZnと、その他の不可避な不純物で組成されるものがある。
【0022】
溶融亜鉛めっき処理した鋼板に対する合金化処理は、470〜530℃の温度で合金化度が5〜9%の範囲であり、合金相としてはエータ相とゼータ相を有するようにする。合金相は、低合金化度においてゼータ相(ζ)とエータ相(η)が主に構成されるものであればよいが、本発明の一実施例によると、エータ相(η)が90%以上、ゼータ相(ζ)が10%以下を満たすときに耐パウダリング性と溶接性を確実に両立することができる。
【0023】
本発明の一実施例によると、重量%で、C:0.005%以下、S:0.003〜0.02%を含み、ここに、Mn:0.2%以下とCu:0.2%以下の1種または2種、残りのFe及びその他の不可避な不純物で組成される鋼の場合は、合金化処理温度が500〜520℃が最も最適な温度である。また、C:0.01%以下、S:0.005〜0.02%、B:0.0001〜0.002%を含み、ここに、Cu:0.01〜0.2%とMn:0.01〜0.3%の少なくとも1種、並びにNb:0.002〜0.04%とTi:0.005〜0.15%の少なくとも1種を含み、残りのFe及びその他の不可避な不純物で組成される鋼の場合、最適の合金化処理温度は420〜440℃である。上記した鋼に対する合金化処理温度が上記条件を満たすことがパウダリング性の側面で好ましい。
【0024】
合金化処理された鋼板は調質圧延する。調質圧延は、ロールの表面がエンボシング形態からなるプレテクスチャロールを用いてオイルポケットを形成することもできる。オイルポケットの直径が20〜50μmを有するよう、プレテクスチャロールを選択して適切に操業を行えばよい。
【0025】
本発明によると、低合金化度を有する合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、耐食性が強化され、めっき層の表面にアウトバースト(outburst)によるクレータが発生しない。従って、既存のGA材の短所である表面の不均一を改善して表面が美麗な鋼板の製造が可能である。表面は、デルタ相でない硬度の弱いエータ相またはゼータ相で構成されている。硬度の弱い合金相によるプレス成形性(潤滑性)の恐れがある場合は、オイルポケットを形成する方案が奨められる。
【0026】
以下に、実施例を通じて本発明をより具体的に説明する。
【実施例】
【0027】
表1の成分系を満たす厚さ0.7mmの冷延鋼板に対して溶融亜鉛めっきし、表2の条件で合金化処理して前面と後面に約45g/mmの厚さでめっき層を形成した。
【0028】
溶融亜鉛めっきのポット(Pot)温度は約450〜460℃であり、Al濃度は0.128%であった。溶融めっき時に浮遊した上部のドロスを十分に除去した。表2にはパウダリングの剥離幅との溶接打点数も共に示した。
【0029】
表2においてパウダリング等級は(鋼板の厚さ0.9mm以下基準)、1等級の場合は剥離幅が4.0mm以下であり、2等級(外板限度)の場合は6.0mm以下、3等級の場合は7.0mm以下、4等級(内板限度)の場合は8.0mm以下、5等級の場合は8.0mm超過という基準により区分した。
【0030】
また、表2において溶接打点数は、表3の溶接条件で行ったものであり、連続打点数を決定するときの基準となるIminは、8.2kAであり、Imaxは10.6kAであった。本発明材のめっき物性値分析は、SEM(Scanning Electron Microscopy:走査型電子顕微鏡)、ICP(Inductive coupled plasma)、GDS(Glow Discharge Spectroscopy)を用いて行った。
【0031】
【表1】

【0032】
【表2】

【0033】
【表3】

【0034】
表2の鋼種に対するめっき層においての合金相とその相の比率は次の通りであり、その測定は、以下のような方法により行われた。
【0035】
合金相比率の測定方法:利用機器はXRD(X−Ray Diffraction)であり、試料にX−rayを走査して通過させると、めっき層内の各合金相によって固有周波数(波長)があるため、周波数Peakが合金相別に検出され、intensityが比率(量)によって決定される。
【0036】
【表4】

【0037】
PSM−A3の鋼に対し、オイルポケットを形成しためっき層に対してパウダリング性と溶接打点数等を調査した結果、オイルポケットの形成に関らず同等水準の特性が現れた。
【0038】
上記した結果から分かるように、本発明の合金化度と合金相の条件を満たす鋼材の場合は、耐パウダリング性と溶接打点数が良好な結果が得られた。一方、図3には、密着性をテストした結果が示されている。PSM−A1、A2、A3の場合はめっき層でない接着剤層において剥離が生じたのに対し、GA−A1の場合はめっき層で剥離が生じた。
【0039】
本発明は、上述した実施形態及び添付された図面によって限定されるものではなく、添付された請求範囲によって限定される。従って、請求範囲に記載の本発明の技術的思想を外れない範囲内において様々な形態の置換、変形及び変更が可能であることは当技術分野において通常の知識を有する者には自明である。
【図2(a)】

【図2(b)】

【図2(c)】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼板の少なくとも一面に合金化溶融亜鉛めっき層を有し、前記合金化溶融亜鉛めっき層の合金化度は5〜9%であり、合金相としてはエータ相とゼータ相とを有するめっき密着性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
【請求項2】
前記合金相としてエータ相が90%以上であり、ゼータ相が10%以下を満たす請求項1に記載のめっき密着性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
【請求項3】
前記合金化溶融亜鉛めっき層の表面には、直径20〜50μmのオイルポケットが形成されることを特徴とする請求項1に記載のめっき密着性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
【請求項4】
前記鋼板は重量%で、C:0.005%以下、S:0.003〜0.02%を含み、ここに、Mn:0.2%以下とCu:0.2%以下の1種または2種、残りのFe及びその他の不可避な不純物で組成されることを特徴とする請求項1に記載のめっき密着性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
【請求項5】
前記鋼板は重量%で、C:0.01%以下、S:0.005〜0.02%、B:0.0001〜0.002%を含み、ここに、Cu:0.01〜0.2%とMn:0.01〜0.3%の少なくとも1種、並びにNb:0.002〜0.04%とTi:0.005〜0.15%の少なくとも1種を含み、残りのFe及びその他の不可避な不純物で組成される請求項1に記載のめっき密着性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
【請求項6】
前記鋼板には、以下のA、B、Cから選択される少なくとも1種が含まれることを特徴とする請求項4または請求項5に記載のめっき密着性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
A:Si:0.1〜0.8%P:0.03〜0.2%、Cr:0.2〜1.2%のグループから選択される少なくとも1種
B:Mo:0.01〜0.2%、V:0.01〜0.2%のグループから選択される少なくとも1種
C:Al:0.01〜0.1%とN:0.02%以下
【請求項7】
鋼板を溶融亜鉛めっきするステップと、溶融亜鉛めっき鋼板を470〜530℃の温度で合金化処理して合金化溶融亜鉛めっき層内の合金化度は5〜9%であり、合金相としてはエータ相とゼータ相を有するようにするステップと、を含んでなるめっき密着性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
【請求項8】
前記合金相としてエータ相が90%以上であり、ゼータ相が10%以下を満たす請求項7に記載のめっき密着性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
【請求項9】
前記合金化処理された鋼板は、エンボシングロールにより調質圧延を行い、合金化めっき層の表面にオイルポケットを形成するステップと、を含んでなる請求項7に記載のめっき密着性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
【請求項10】
前記溶融亜鉛めっきは、0.12〜0.2%Alと、残りのZnと、その他の不可避な不純物とから組成される溶融亜鉛めっき浴で行うことを特徴とする請求項7に記載のめっき密着性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
【請求項11】
前記エンボシングロールは、直径20〜50μmのエンボシングが形成されたことを特徴とする請求項9に記載のめっき密着性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
【請求項12】
前記鋼板は重量%で、C:0.005%以下、S:0.003〜0.02%を含み、ここに、Mn:0.2%以下とCu:0.2%以下の1種または2種、残りのFe及びその他の不可避な不純物で組成され、前記合金化処理温度は500〜520℃であることを特徴とする請求項7に記載のめっき密着性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
【請求項13】
前記鋼板は重量%で、C:0.01%以下、S:0.005〜0.02%、B:0.0001〜0.002%を含み、ここに、Cu:0.01〜0.2%とMn:0.01〜0.3%の少なくとも1種、並びにNb:0.002〜0.04%とTi:0.005〜0.15%の少なくとも1種を含み、残りのFe及びその他の不可避な不純物で組成され、前記合金化処理温度は420〜440℃であることを特徴とする請求項7に記載のめっき密着性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
【請求項14】
前記鋼板には、以下のA、B、Cから選択される少なくとも1種が含まれることを特徴とする請求項12または請求項13に記載のめっき密着性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
A:Si:0.1〜0.8%、P:0.03〜0.2%、Cr:0.2〜1.2%のグループから選択される少なくとも1種
B:Mo:0.01〜0.2%、V:0.01〜0.2%のグループから選択される少なくとも1種
C:Al:0.01〜0.1%とN:0.02%以下

【図1】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−530028(P2010−530028A)
【公表日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−510191(P2010−510191)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【国際出願番号】PCT/KR2007/006920
【国際公開番号】WO2008/147010
【国際公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【出願人】(592000691)ポスコ (130)
【Fターム(参考)】