説明

アイドリングストップ装置、及び、電力制御方法

【課題】マイクロコンピュータのリセット後においてもバッテリの電圧低下を把握して、バッテリの電圧の大きな低下を防止できる技術を提供する。
【解決手段】アイドリングストップ装置1においては、バッテリ51の電圧が低下して、マイクロコンピュータ2の電源の電圧VCCがマイクロコンピュータ2の最低動作電圧Vt未満となった場合に、マイクロコンピュータ2がリセットされる。その一方で、電圧低下情報が記憶部3に記憶される。このため、リセット後のマイクロコンピュータ2は、電圧低下情報に基づいてバッテリ51の電圧が低下したことを把握できる。そして以降、マイクロコンピュータ2は、エンジン57を始動する際に電気負荷部58への電力の供給を停止する。これにより、エンジン57を始動する際にバッテリの電圧の大きな低下を防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のエンジンを自動で停止/始動するアイドリングストップ技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、燃料節減や排ガス削減などを目的とし、信号待ちなどの比較的短時間の車両の停車中において、車両のエンジンを自動で停止/始動するアイドリングストップ装置が実用化されている。アイドリングストップ装置を備えた車両においては、走行状態からブレーキが踏まれて停止状態となるなどの停止条件が成立するとエンジンが自動で停止され、そのエンジン停止中にブレーキがリリースされるなどの始動条件が成立するとエンジンが自動で始動されるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−13953号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両のエンジンを始動するためのスタータモータを駆動する電力は車両が備えるバッテリから供給される。エンジンの始動のためにスタータモータが必要とする電力は非常に大きいことから、バッテリの電圧が低下している場合にアイドリングストップ機能によるエンジンの停止/始動を繰り返すと、バッテリの電圧がさらに低下し、エンジンが始動できないなどの支障をきたす可能性がある。したがって、バッテリが劣化してその電圧が低下しているような場合は、アイドリングストップ機能でエンジンを始動可能とするために、バッテリの電圧の低下を防止する対策が必要となる。
【0005】
ところで、前述のように、エンジンの始動のためにスタータモータが必要とする電力は非常に大きいため、エンジンの始動の際にはバッテリの電圧が大きく低下する。このため例えば、アイドリングストップ装置が備えるマイクロコンピュータに、ユーザのスタートスイッチの操作によるエンジンの始動の際におけるバッテリの電圧を監視させる。そして、このときのバッテリの電圧が所定の閾値よりも低下するような場合は、それ以降のアイドリングストップ機能でのエンジンの始動の際に、マイクロコンピュータがバッテリの電圧の低下を防止する対策を実行するように構成することが考えられる。
【0006】
しかしながら、マイクロコンピュータを動作させるための電力もバッテリから供給されるため、エンジンの始動の際に、バッテリの電圧がマイクロコンピュータが動作可能な電圧未満まで大きく低下するような場合は、マイクロコンピュータ自体が動作できずにリセットされてしまう。このようにしてリセットされ再起動したマイクロコンピュータは、リセットの原因やリセット前のバッテリの電圧を把握できない。マイクロコンピュータは、電源の電圧低下のほか、例えば、暴走状態となった場合などにおいてもリセットされるが、このようなリセットの原因を把握できない。
【0007】
このため、バッテリの電圧が大きく低下してリセットされた場合においても、リセット後のマイクロコンピュータは、バッテリの電圧の低下を防止する対策をせずに、アイドリングストップ機能によるエンジンの始動を実行してしまう。その結果、マイクロコンピュータのリセットが再発生して、エンジンが始動できなくなるおそれがある。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、マイクロコンピュータのリセット後においてもバッテリの電圧低下を把握して、エンジンを始動する際にバッテリの電圧の大きな低下を防止できる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、車両に搭載され、前記車両のエンジンを自動で停止/始動するアイドリングストップ装置であって、所定の停止条件が成立したときに前記エンジンを自動で停止するとともに、前記エンジンの停止中に所定の始動条件が成立したときに前記エンジンを自動で始動するアイドリングストップ機能を有するマイクロコンピュータと、前記車両のバッテリの電圧を降圧して得られる前記マイクロコンピュータの電源の電圧が前記マイクロコンピュータの最低動作電圧未満となったことを検知する検知手段と、前記電源の電圧が前記最低動作電圧未満となった場合に、前記マイクロコンピュータの状態に関わらず電圧低下情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に前記電圧低下情報が記憶されている場合は、前記エンジンを始動する際に、前記バッテリから電力が供給される電気負荷の一部への電力の供給を停止する電力制御手段と、を備えている。
【0010】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載のアイドリングストップ装置において、前記電力制御手段は、前記エンジンの完爆後に、前記電力の供給が停止された前記電気負荷に電力の供給を開始する。
【0011】
また、請求項3の発明は、請求項1または2に記載のアイドリングストップ装置において、前記電力の供給が停止された前記電気負荷は、複数のグループに組み分けされ、前記電力制御手段は、前記グループごとに時間間隔をおいて電力の供給を開始する。
【0012】
また、請求項4の発明は、所定の停止条件が成立したときに車両のエンジンを自動で停止するとともに、前記エンジンの停止中に所定の始動条件が成立したときに前記エンジンを自動で始動するアイドリングストップ機能を有するマイクロコンピュータが搭載された車両における電力の供給を制御する電力制御方法であって、前記車両のバッテリの電圧を降圧して得られる前記マイクロコンピュータの電源の電圧が前記マイクロコンピュータの最低動作電圧未満となったことを検知する工程と、前記電源の電圧が前記最低動作電圧未満となった場合に、前記マイクロコンピュータの状態に関わらず電圧低下情報を記憶手段に記憶する工程と、前記記憶手段に前記電圧低下情報が記憶されている場合は、前記エンジンを始動する際に、前記バッテリから電力が供給される電気負荷の一部への電力の供給を停止する工程と、を備えている。
【発明の効果】
【0013】
請求項1ないし3の発明によれば、マイクロコンピュータの電源の電圧がマイクロコンピュータの最低動作電圧未満となった場合に、マイクロコンピュータがリセットされたとしても電圧低下情報が記憶手段に記憶される。このため、リセット後のマイクロコンピュータは、電圧低下情報に基づいてバッテリの電圧低下を把握できる。そして以降、エンジンを始動する際に電気負荷の一部への電力の供給を停止することから、エンジンを始動する際にバッテリの電圧の大きな低下を防止できる。
【0014】
また、特に請求項2の発明によれば、エンジンの完爆後に電気負荷に電力の供給を開始することで、エンジンの始動中にバッテリにさらに負荷がかかって電圧が大きく低下することを防止できる。
【0015】
また、特に請求項3の発明によれば、グループごとに時間間隔をおいて電気負荷への電力の供給を開始することで、バッテリへ急激に大きな負荷がかかって電圧が大きく低下することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、アイドリングストップ装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、電気負荷部及びスイッチ部の構成を詳細に示す図である。
【図3】図3は、マイクロコンピュータがリセットする場合のアイドリングストップ装置の処理の流れを示す図である。
【図4】図4は、マイクロコンピュータがリセットする場合の各種信号の変化を示す図である。
【図5】図5は、アイドリングストップ装置のアイドリングストップ機能に係る処理の流れを示す図である。
【図6】図6は、アイドリングストップ機能でエンジンを始動する場合の電気負荷の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
【0018】
<1.構成>
図1は、本実施の形態のアイドリングストップ装置1とその周辺要素との構成を示すブロック図である。このアイドリングストップ装置1は、例えば、自動車などの車両に搭載され、信号待ちなどの比較的短時間の車両の停車中において、車両が備えるエンジン57を自動で停止/始動する機能を有している。
【0019】
アイドリングストップ装置1が搭載される車両は、車両各部の電気負荷に電力を供給するバッテリ51を備えている。このバッテリ51には電源ライン91が接続され、この電源ライン91にはユーザが操作可能なイグニッションスイッチ92が設けられている。イグニッションスイッチ92がオンとなると、電源ライン91を介してバッテリ51からアイドリングストップ装置1に電力が供給される。
【0020】
また、イグニッションスイッチ92がオンとなると、車両に搭載される各種の電気負荷が含まれる電気負荷部58に対しても、バッテリ51から電源ライン91を介して電力が供給される。
【0021】
また、このバッテリ51は、発電機であるオルタネータ52によって充電される。オルタネータ52は、エンジン57から伝達される機械的運動エネルギーを交流の電力へと変換し、さらにダイオードを含む整流器で直流の電力へと整流する。発電した電力は、電源ライン91を介してバッテリ51に蓄積される。オルタネータ52が発電する際には発電の目標となる目標電圧が設定され、電源ライン91の電圧が目標電圧となるようにオルタネータ52が発電を行う。
【0022】
アイドリングストップ装置1は、ECU(Electronic Control Unit)として構成されており、主たる構成要素としてマイクロコンピュータ2を備えている。マイクロコンピュータ2は、CPU21、RAM22及びROM23を備えている。マイクロコンピュータ2が備える各種機能は、ROM23に予め記録されたプログラムに従ってCPU21が演算処理を行うことで実現される。このようなマイクロコンピュータ2が備える機能に、電力制御機能、及び、アイドリングストップ機能が含まれている。
【0023】
電力制御機能は、バッテリ51から電気負荷部58への電力の供給/供給停止を制御する機能である。電気負荷部58のグランド側には、電気負荷部58に含まれる電気負荷の通電状態を切り替えるスイッチ部59が設けられている。このスイッチ部59の動作は、アイドリングストップ装置1が備える電力制御回路17によって制御される。電力制御機能で電気負荷部58への電力の供給/供給停止を制御する際には、マイクロコンピュータ2が電力制御回路17に所定の制御信号を送信する。電力制御回路17は、この制御信号に応答してスイッチ部59の動作を制御する。
【0024】
図2は、電気負荷部58及びスイッチ部59の構成を詳細に示す図である。図に示すように、電気負荷部58に含まれている電気負荷は、3つのグループに組み分けされている。具体的には、この3つのグループは、エンジン系負荷71、走行系負荷72、及び、ユーザ系負荷73である。
【0025】
エンジン系負荷71には、例えば、02センサヒータ、電子スロットル制御用モータ、及び、EGR用モータなど、エンジン57に関連するが、エンジン57の始動には直接的な関連のない電気負荷が含まれている。なお、燃料を噴射するインジェクタや、燃料を着火させる点火プラグなど、エンジン57の始動に直接的に関連する電気負荷は、本実施の形態でのエンジン系負荷71には含まれていない。
【0026】
走行系負荷72には、例えば、EPS(Electric Power Steering)制御装置、及び、ABS(Anti-lock Braking System)制御装置など、エンジン57以外に車両の走行に必要となるステアリングやブレーキに関連する電気負荷が含まれている。
【0027】
ユーザ系負荷73には、例えば、エアコン装置、オーディオ装置、及び、ナビゲーション装置など、車両の走行に直接的には必要ないユーザの快適性を向上するための電気負荷が含まれている。
【0028】
また、スイッチ部59には、3つのリレースイッチ82,84,86が設けられている。エンジン系負荷71、走行系負荷72及びユーザ系負荷73のグランド側に、これら3つのリレースイッチ82,84,86がそれぞれ接続されている。
【0029】
これら3つのリレースイッチ82,84,86は、ノーマリークローズ型となっており、通常はオンとなっているが、それぞれ対応するリレーコイル81,83,85を通電するとオフとなる。リレーコイル81,83,85は、アイドリングストップ装置1の電力制御回路17によって通電される。例えば、リレーコイル81を通電すると、リレースイッチ82はオフとなり、バッテリ51からエンジン系負荷71への電力の供給が停止されることになる。
【0030】
このような構成により、アイドリングストップ装置1のマイクロコンピュータ2は、電気負荷部58に含まれている3つのグループ(エンジン系負荷71、走行系負荷72、及び、ユーザ系負荷73)へのバッテリ51からの電力の供給/供給停止を、グループごとに変更することが可能となっている。
【0031】
マイクロコンピュータ2が備えるアイドリングストップ機能は、車両の走行状態に応じて、車両のエンジン57を自動で停止/始動する機能である。図1に示すように、車両の走行状態を示す信号は、車両に設けられた各種センサからインターフェイス18を介してマイクロコンピュータ2に入力される。具体的には、車速センサから車両の速度、シフトセンサからシフトレバーのポジション、アクセルセンサからアクセルの操作内容、ブレーキセンサからブレーキの操作内容がそれぞれ信号として入力される。
【0032】
これらの走行状態を示す信号に基づいて所定の停止条件が成立した場合は、アイドリングストップ機能によりエンジン57が停止される。例えば、「車両の速度が0」、「シフトレバーが”D”または”N”」、「アクセルの操作なし」、及び、「ブレーキの操作あり」の各種条件をすべて満足した場合に、停止条件が成立したと判断される。
【0033】
アイドリングストップ機能でエンジン57を停止する際には、マイクロコンピュータ2が、エンジン57を制御するエンジンECU56に対して所定の停止信号を送信する。エンジンECU56は、この信号に応答してエンジン57を停止する。
【0034】
また、アイドリングストップ機能によるエンジン57の停止中に、走行状態を示す信号に基づいて所定の始動条件が成立した場合は、アイドリングストップ機能によりエンジン57が自動で始動される。例えば、「シフトレバーが”D”」、「アクセルの操作あり」、及び、「ブレーキの操作なし」の各種条件をすべて満足した場合に、始動条件が成立したと判断される。
【0035】
アイドリングストップ機能でエンジン57を始動する際には、マイクロコンピュータ2が、アイドリングストップ装置1が備えるスタータ制御回路16に対して所定の始動信号を送信する。スタータ制御回路16は、この信号に応答してリレーコイル53を通電する。このリレーコイル53の通電により、車両のエンジン57を始動するスタータモータ55に接続されたリレースイッチ54がオンとなる。これにより、バッテリ51からスタータモータ55へ電力が供給され、スタータモータ55が駆動してエンジン57が始動する。なお、リレーコイル53は、ユーザが操作可能なスタートスイッチ93をオンすることによっても通電される。ユーザが車両に乗車した際には、このスタートスイッチ93の操作に応答してスタータモータ55が駆動し、エンジン57が始動することになる。
【0036】
また、アイドリングストップ装置1は、マイクロコンピュータ2への電源供給回路として、入力電圧を一定電圧へ降圧するレギュレータ11を備えている。レギュレータ11は、例えば、スイッチングレギュレータとシリーズレギュレータとを組み合わせて構成される。
【0037】
マイクロコンピュータ2の電力は車両のバッテリ51から供給されるが、マイクロコンピュータ2の電源の電圧の理想値は例えば5Vであるのに対し、バッテリ51の通常電圧は例えば12Vである。このため、アイドリングストップ装置1では、バッテリ51の電圧BATTを、レギュレータ11で降圧してマイクロコンピュータ2の電源の電圧VCCを得るようになっている。
【0038】
なお、レギュレータ11は、入力電圧を上限とする範囲で出力電圧を調整するものであり、入力電圧が一定とすべき目的の電圧より低下すれば、レギュレータ11の出力電圧も目的の電圧より低下することになる。したがって、バッテリ51が劣化している場合においては、バッテリの電圧BATTが低下すれば、それにつれて、レギュレータ11で降圧して得られるマイクロコンピュータ2の電源の電圧VCCも低下する。
【0039】
また、アイドリングストップ装置1は、マイクロコンピュータ2をリセットするための回路として、減電圧検知部13と、リセット部14と、暴走検知部15とを備えている。
【0040】
減電圧検知部13は、レギュレータ11からマイクロコンピュータ2への電力供給線に接続され、マイクロコンピュータ2の電源の電圧VCCを監視する。そして、マイクロコンピュータ2の電源の電圧VCCが、マイクロコンピュータ2が動作可能な最低動作電圧(以下、記号「Vt」を用いる。)未満となった場合は、リセット部14にリセットすべきことを示す指示信号を出力する。マイクロコンピュータ2の最低動作電圧Vtは例えば3.9Vである。減電圧検知部13は、例えば、電圧VCCと最低動作電圧Vtとを比較するコンパレータで構成される。
【0041】
暴走検知部15は、マイクロコンピュータ2がフリーズするなどの暴走状態に陥っていないかを検出する。暴走検知部15は、例えば、マイクロコンピュータ2のウォッチドッグタイマの動作信号を監視し、規則的な信号が検知されなかった場合に、マイクロコンピュータ2が暴走状態であると判断する。暴走状態となると、マイクロコンピュータ2はリセットしないとその機能を回復できない。このため、暴走検知部15は、リセット部14にリセットすべきことを示す指示信号を出力する。
【0042】
リセット部14は、マイクロコンピュータ2に対してリセットを指示するリセット信号を出力するものである。リセット信号は、通常は”H”であり、”L”となることでマイクロコンピュータ2に対してリセットが指示される。リセット部14は、減電圧検知部13及び暴走検知部15のいずれかからリセットすべきことを示す指示信号が入力されると、リセット信号を”L”とする。マイクロコンピュータ2はこのリセット信号を常時に監視しており、リセット信号が”L”となるとリセットする。すなわち、マイクロコンピュータ2は、一旦動作停止した後、再起動することになる。
【0043】
アイドリングストップ装置1は、マイクロコンピュータ2の電源の電圧VCCが最低動作電圧Vt未満となった場合に、電圧VCCが最低動作電圧Vt未満となったことを示す情報(以下、「電圧低下情報」という。)を記憶する記憶部3を備えている。減電圧検知部13から出力される指示信号は、記憶部3にも入力される。すなわち、マイクロコンピュータ2の電源の電圧VCCが最低動作電圧Vt未満となった場合は、指示信号により記憶部3にその旨が通知され、それに応答して電圧低下情報が記憶部3に記憶されることになる。
【0044】
記憶部3は、例えば、1ビットの情報を記憶可能な論理回路であるフリップフロップで構成される。記憶部3の最低動作電圧は、マイクロコンピュータ2の最低動作電圧Vt(例えば、3.6V)よりも低く、例えば1.6Vとなっている。すなわち、記憶部3は、その電源電圧が、マイクロコンピュータ2の最低動作電圧Vtよりも低くなったとしても、その記憶内容を保持できる。このため、記憶部3は、マイクロコンピュータ2の状態に関わらず、マイクロコンピュータ2のリセット中においても電圧低下情報を記憶できる。
【0045】
バッテリ51の電圧が低下して電圧VCCが最低動作電圧Vt未満となると、マイクロコンピュータ2はリセットされるが、その一方で記憶部3に電圧低下情報が記憶される。リセット後のマイクロコンピュータ2は、この記憶部3に電圧低下情報が記憶されていることに基づいて、リセット前に電源の電圧VCCが最低動作電圧Vt未満となったことを把握することが可能となる。
【0046】
<2.リセット処理>
バッテリ51の電圧が大きく低下してマイクロコンピュータ2がリセットされる現象は、スタータモータ55が必要とする電力が非常に大きいことから、エンジン57を始動する際に発生する。以下、ユーザのスタートスイッチ93の操作によりエンジン57を始動する場合における、アイドリングストップ装置1の処理について説明する。図3は、このアイドリングストップ装置1の処理の流れを示す図である。この処理の開始時点は、ユーザが車両に乗車した直後であり、アイドリングストップ装置1は起動しているが、エンジン57は始動していない。
【0047】
まず、エンジン57の始動中にマイクロコンピュータ2をリセットすべき条件が成立したか否かが判断される。具体的には、減電圧検知部13により、マイクロコンピュータ2の電源の電圧VCCが、マイクロコンピュータ2の最低動作電圧Vt未満となっていないかが判断される(ステップS11)。これとともに、暴走検知部15により、マイクロコンピュータ2が暴走状態に陥っていないかが判断される(ステップS12)。電圧VCCが最低動作電圧Vt以上であり(ステップS11にてNo)、かつ、マイクロコンピュータ2が暴走状態でないままエンジン57が完爆(完全に始動)した場合は(ステップS12にてNo)、処理が終了する。
【0048】
また、マイクロコンピュータ2の電源の電圧VCCが最低動作電圧Vt未満となった場合は(ステップS11にてYes)、減電圧検知部13からリセット部14に指示信号が出力される。また、この指示信号は記憶部3にも入力され、これに応答して記憶部3において電圧低下情報が記憶される(ステップS13)。
【0049】
一方、マイクロコンピュータ2が暴走状態となった場合にも(ステップS12にてYes)、減電圧検知部13からリセット部14に指示信号が出力される。
【0050】
リセット部14は、減電圧検知部13及び暴走検知部15のいずれかから指示信号が入力されると、リセット信号を”L”とする。マイクロコンピュータ2は、このリセット信号が”L”となったことに応答してリセットされる(ステップS14)。記憶部3に電圧低下情報が記憶されている場合は、このようなマイクロコンピュータ2のリセット中においても記憶部3の電圧低下情報の記憶が保持される。
【0051】
その後、マイクロコンピュータ2は再起動する。再起動したマイクロコンピュータ2は、記憶部3に電圧低下情報が記憶されているか否かに基づいて、リセットされた原因を把握することが可能である。すなわち、記憶部3に電圧低下情報が記憶されていない場合は暴走状態となったことに起因してリセットされたと判断できる。逆に、記憶部3に電圧低下情報が記憶されていた場合は電圧VCCが最低動作電圧Vt未満となったことに起因してリセットされたと判断できる。
【0052】
図4は、エンジン57の始動時にバッテリ51の電圧が低下する場合における各種信号の変化を示すタイムチャートである。このチャートの開始時点では、イグニッションスイッチ92はオフとされ、エンジン57は始動されていない。
【0053】
まず、時点T1において、ユーザの操作によりイグニッションスイッチ92がオンとなる。これにより、バッテリ51からアイドリングストップ装置1に電力が供給され、マイクロコンピュータ2が起動する。
【0054】
次に、時点T2において、ユーザの操作によりスタートスイッチ93がオンとなりスタータモータ55が駆動される。このスタータモータ55の駆動に伴ってバッテリ51の電圧BATTが低下する。これにより、電源ライン91の電圧が低下する。さらに、バッテリ51が劣化している場合は、マイクロコンピュータ2の電源の電圧VCCも低下する。
【0055】
このようにして、マイクロコンピュータ2の電源の電圧VCCが低下して、時点T3において、マイクロコンピュータ2の最低動作電圧Vt未満となると、減電圧検知部13がこれを検知し、指示信号を発生する(”H”とする)。これを受けて、リセット部14は、リセット信号を”L”とし、マイクロコンピュータ2はリセットのために動作を停止する。これとともに、減電圧検知部13からの指示信号が記憶部3にも入力され、記憶部3において電圧低下情報が記憶される。以降、マイクロコンピュータ2の状態に関わらず、記憶部3において電圧低下情報が保持される。
【0056】
その後、エンジン57の回転に伴いスタータモータ55の負荷が小さくなると、バッテリ51の電圧BATTが徐々に上昇していく。このため、電源ライン91の電圧や、マイクロコンピュータ2の電源の電圧VCCも上昇する。そして、マイクロコンピュータ2の電源の電圧VCCが上昇して、時点T4において、マイクロコンピュータ2の最低動作電圧Vt以上となると、減電圧検知部13は指示信号を停止する(”L”とする)。これを受けて、リセット部14はリセット信号を”H”とし、マイクロコンピュータ2が再起動することになる。以降、再起動したマイクロコンピュータ2は、記憶部3に電圧低下情報が記憶されていることに基づいて、バッテリ51が劣化してその電圧が通常よりも低下した状態となっていることを把握できることになる。
【0057】
<3.アイドリングストップ処理>
リセット後のマイクロコンピュータ2は、記憶部3に電圧低下情報が記憶されている場合は、アイドリングストップ機能を維持できるように、アイドリングストップ機能でエンジン57を始動する際にバッテリ51の電圧の低下を防止する対策を実行する。具体的には、マイクロコンピュータ2は、電力制御機能により、バッテリ51から電力が供給される電気負荷の一部への電力の供給を停止することになる。以下、このような処理について説明する。
【0058】
図5は、アイドリングストップ装置1のアイドリングストップ機能及び電力制御機能に係る処理の流れを示す図である。この処理の開始時点では、エンジン57は始動しているものとする。
【0059】
まず、マイクロコンピュータ2は、入力される走行状態を示す信号に基づいて停止条件が成立したか否かを判断する(ステップS21)。そして、停止条件が成立した場合は、マイクロコンピュータ2は、エンジンECU56に対して停止信号を送信して、エンジン57を停止させる(ステップS22)。
【0060】
その後、マイクロコンピュータ2は、入力される走行状態を示す信号に基づいて始動条件が成立したか否かを判断する(ステップS23)。始動条件が成立した場合は、マイクロコンピュータ2は、続いて、記憶部3に電圧低下情報が記憶されているか否かを判断する(ステップS24)。
【0061】
記憶部3に電圧低下情報が記憶されていない場合は、バッテリ51は正常であるため、通常通り、マイクロコンピュータ2は、スタータ制御回路16に対して始動信号を送信してスタータモータ55を駆動させ、エンジン57を始動させる(ステップS31)。
【0062】
一方、記憶部3に電圧低下情報が記憶されている場合は、バッテリ51が劣化しているため、まず、電気負荷部58に含まれる全てのグループへのバッテリ51からの電力の供給が停止される(ステップS25)。
【0063】
具体的には、マイクロコンピュータ2は、電力制御回路17に所定の制御信号を送信する。この制御信号に応答して、電力制御回路17が、スイッチ部59の3つのリレーコイル81,83,85を通電する。これにより、スイッチ部59の3つのリレースイッチ82,84,86の全てがオフとなり、電気負荷部58に含まれている3つのグループ(エンジン系負荷71、走行系負荷72、及び、ユーザ系負荷73)の全てへのバッテリ51からの電力の供給が停止される。
【0064】
このようにして電力の供給が停止される電気負荷は、バッテリ51から電力が供給される電気負荷の全てではなく一部である。アイドリングストップ装置1、エンジンECU56、インジェクタ、点火プラグなど、エンジン57の始動に必要となる電気負荷には電力の供給が維持される。
【0065】
電気負荷部58への電力の供給が停止されると、続いて、マイクロコンピュータ2は、スタータ制御回路16に対して始動信号を送信してスタータモータ55を駆動させる(ステップS26)。この際、電気負荷部58への電力の供給が停止されていることから、バッテリ51の電圧の大きな低下を防止でき、スタータモータ55を含むエンジン57の始動に必要となる電気負荷にバッテリ51の電力を優先的に用いることができる。その結果、マイクロコンピュータ2のリセットの発生が防止され、エンジン57を始動できる。
【0066】
次に、エンジン57が完爆したか否かが判断される(ステップS27)。このエンジン57の完爆の判定は、バッテリ51の電圧の上昇や、エンジンの回転数が所定以上(例えば、500rpm)の回転数となったことなどで行うことができる。
【0067】
エンジン57が完爆すると、スタータモータ55が停止される。これとともに、エンジン系負荷71への電力の供給が開始される(ステップS28)。具体的には、マイクロコンピュータ2が、電力制御回路17に所定の制御信号を送信し、この制御信号に応答して電力制御回路17が、スイッチ部59のリレーコイル81を非通電とする。これにより、リレースイッチ82がオンとなり、バッテリ51からエンジン系負荷71へ電力が供給される。
【0068】
次に、エンジン系負荷71へ電力の供給開始から所定の時間間隔をおいて、走行系負荷72への電力の供給が開始される(ステップS29)。具体的には、マイクロコンピュータ2が、電力制御回路17に所定の制御信号を送信し、この制御信号に応答して電力制御回路17が、スイッチ部59のリレーコイル83を非通電とする。これにより、リレースイッチ84がオンとなり、バッテリ51から走行系負荷72へ電力が供給される。
【0069】
さらに、走行系負荷72へ電力の供給開始から所定の時間間隔をおいて、ユーザ系負荷73への電力の供給が開始される(ステップS30)。具体的には、マイクロコンピュータ2が、電力制御回路17に所定の制御信号を送信し、この制御信号に応答して電力制御回路17が、スイッチ部59のリレーコイル85を非通電とする。これにより、リレースイッチ86がオンとなり、バッテリ51からユーザ系負荷73へ電力が供給されることになる。
【0070】
これにより、エンジン57を始動する際に電力の供給が停止された全ての電気負荷へ電力が供給され、車両が通常の状態に戻ることになる。
【0071】
図6は、記憶部3に電圧低下情報が記憶されている場合においてアイドリングストップ機能でエンジン57を始動する際の各種の電気負荷の状態を示すタイムチャートである。このチャートの開始時点では、アイドリングストップ機能によりエンジン57が停止されている。
【0072】
まず、時点T11において始動条件が成立する。これに応答して、記憶部3に電圧低下情報が記憶されていることが確認されると、時点T12において、電気負荷部58のエンジン系負荷71、走行系負荷72、及び、ユーザ系負荷73への電力の供給が停止される。
【0073】
そして、時点T13においてスタータモータ55が駆動される。このスタータモータ55の駆動に伴ってバッテリ51の電圧BATTが低下するが、電気負荷部58への電力の供給が停止されていることからバッテリ51の電圧の大きな低下が防止される。
【0074】
時点T14において、エンジン57の完爆が確認されると、スタータモータ55が停止される。そして以降、電気負荷のグループごとに時間間隔をおいて電力の供給が開始される。すなわち、時点T14でエンジン系負荷71への電力の供給が開始され、時点T15で走行系負荷72への電力の供給が開始され、さらに、時点T16で電力の供給が開始される。
【0075】
各グループへの電力の供給開始時点(時点T14,T15,T16)では、バッテリ51の電圧BATTが低下するが、急激に大きく低下することはなく、すみやかに所定の電圧まで上昇する。これは、電気負荷の全てのグループに同時に供給を開始するのではなく、グループごとに時間間隔をおいて電力の供給を開始するためである。3つのグループの全てに同時に電力の供給を開始すると、急激な電流の上昇によりバッテリ51へ急激に大きな負荷がかかり、バッテリ51の電圧が大きく低下する可能性がある。本実施の形態では、グループごとに時間間隔をおいて電力の供給を開始することで、このようなバッテリ51の電圧が大きく低下することを防止できる。
【0076】
以上のように、本実施の形態のアイドリングストップ装置1においては、バッテリ51の電圧が低下して、マイクロコンピュータ2の電源の電圧VCCがマイクロコンピュータ2の最低動作電圧Vt未満となった場合に、マイクロコンピュータ2がリセットされる。その一方で、電圧低下情報が記憶部3に記憶される。このため、リセット後のマイクロコンピュータ2は、電圧低下情報に基づいてバッテリ51の電圧が低下したことを把握できる。そして以降、マイクロコンピュータ2は、アイドリングストップ機能でエンジン57を始動する際に電気負荷部58への電力の供給を停止する。これにより、エンジン57を始動する際にバッテリの電圧の大きな低下を防止でき、アイドリングストップ機能を維持することができる。
【0077】
また、エンジン57の完爆を確認した後に電気負荷部58への電力の供給を開始するため、エンジン57の始動中においてバッテリ51にさらに負荷がかかり、電圧が大きく低下することを防止できる。
【0078】
また、電気負荷部58のグループごとに時間間隔をおいて電気負荷への電力の供給を開始することで、バッテリ51へ急激に大きな負荷がかかることが防止され、バッテリ51の電圧が大きく低下することを防止できる。
【0079】
また、エンジン57に関連するエンジン系負荷71から電力の供給を開始するため、エンジン57を通常の状態ですみやかに動作させることが可能となる。また、走行系負荷72に対してユーザ系負荷73よりも先に電力の供給を開始するため、車両を速やかに走行させることが可能となる。
【0080】
<4.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。以下では、このような変形例について説明する。上記実施の形態で説明した形態及び以下で説明する形態を含む全ての形態は、適宜に組み合わせ可能である。
【0081】
上記実施の形態では、エンジン57の完爆後に電気負荷部58への電力の供給を開始すると説明したが、エンジン57の完爆前に電気負荷部58への電力の供給を開始するようにしてもよい。
【0082】
また、上記実施の形態では、電気負荷部58のグループごとに時間間隔をおいて電気負荷への電力の供給を開始するとしたが、この時間間隔は一定でなくてもよい。例えば、バッテリ51の電圧を監視しておき、エンジン系負荷71への電力の供給の開始後にバッテリ51の電圧が所定の閾値以上となったときに走行系負荷72への電力の供給を開始し、さらに、走行系負荷72への電力の供給の開始後にバッテリ51の電圧が所定の閾値以上となったときにユーザ系負荷73への電力の供給を開始するようにしてもよい。
【0083】
また、記憶部3の電源電圧をバッテリ51から直接的に供給するようにしたり、EEPROMやフラッシュメモリなどの不揮発性メモリを記憶部3として採用してもよい。この場合は、イグニッションスイッチのオン/オフに関わらず、電圧低下情報を記憶部3に記憶させることができる。その結果、アイドリングストップ機能でエンジン57を始動する場合とともに、ユーザの操作でエンジン57を始動する場合においても、エンジン57を始動する際に電気負荷の一部への電力の供給を停止し、バッテリ51の電圧の大きな低下を防止できる。
【0084】
また、上記実施の形態では、記憶部3は1ビットの情報を記憶可能な論理回路で構成されていたが、比較的大きな記憶容量を有するメモリなどを採用してもよい。ただし、上記実施の形態のように、記憶部3を1ビットの情報を記憶可能な論理回路を1つのみ備えて構成すれば、記憶部3を非常に低コストで実現することができる。
【0085】
また、上記実施の形態では、プログラムに従ったCPUの演算処理によってソフトウェア的に各種の機能が実現されると説明したが、これら機能のうちの一部は電気的なハードウェア回路により実現されてもよい。また逆に、ハードウェア回路によって実現されるとした機能のうちの一部は、ソフトウェア的に実現されてもよい。
【符号の説明】
【0086】
1 アイドリングストップ装置
2 マイクロコンピュータ
3 記憶部
13 減電圧検知部
17 電力制御回路
51 バッテリ
58 電気負荷部
59 スイッチ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され、前記車両のエンジンを自動で停止/始動するアイドリングストップ装置であって、
所定の停止条件が成立したときに前記エンジンを自動で停止するとともに、前記エンジンの停止中に所定の始動条件が成立したときに前記エンジンを自動で始動するアイドリングストップ機能を有するマイクロコンピュータと、
前記車両のバッテリの電圧を降圧して得られる前記マイクロコンピュータの電源の電圧が前記マイクロコンピュータの最低動作電圧未満となったことを検知する検知手段と、
前記電源の電圧が前記最低動作電圧未満となった場合に、前記マイクロコンピュータの状態に関わらず電圧低下情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に前記電圧低下情報が記憶されている場合は、前記エンジンを始動する際に、前記バッテリから電力が供給される電気負荷の一部への電力の供給を停止する電力制御手段と、
を備えることを特徴とするアイドリングストップ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のアイドリングストップ装置において、
前記電力制御手段は、前記エンジンの完爆後に、前記電力の供給が停止された前記電気負荷に電力の供給を開始することを特徴とするアイドリングストップ装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のアイドリングストップ装置において、
前記電力の供給が停止された前記電気負荷は、複数のグループに組み分けされ、
前記電力制御手段は、前記グループごとに時間間隔をおいて電力の供給を開始することを特徴とするアイドリングストップ装置。
【請求項4】
所定の停止条件が成立したときに車両のエンジンを自動で停止するとともに、前記エンジンの停止中に所定の始動条件が成立したときに前記エンジンを自動で始動するアイドリングストップ機能を有するマイクロコンピュータが搭載された車両における電力の供給を制御する電力制御方法であって、
前記車両のバッテリの電圧を降圧して得られる前記マイクロコンピュータの電源の電圧が前記マイクロコンピュータの最低動作電圧未満となったことを検知する工程と、
前記電源の電圧が前記最低動作電圧未満となった場合に、前記マイクロコンピュータの状態に関わらず電圧低下情報を記憶手段に記憶する工程と、
前記記憶手段に前記電圧低下情報が記憶されている場合は、前記エンジンを始動する際に、前記バッテリから電力が供給される電気負荷の一部への電力の供給を停止する工程と、
を備えることを特徴とする電力制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−173512(P2011−173512A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−39113(P2010−39113)
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】