説明

アウトドライブ装置用操舵システム

【課題】アウトドライブ装置の舵角度が不明になった場合に該アウトドライブ装置の舵角度を自動的に舵中央とすることができる技術を提供する。
【解決手段】シリンダスリーブに内設されたピストンが摺動することによってアウトドライブ装置10を回動させる操舵用油圧アクチュエータ20と、操舵用油圧アクチュエータ20の作動油の流動方向を変更してピストンの摺動方向を切り換えるスプールバルブ30と、スプールバルブ30に制御信号を送信して作動油の流動方向を変更させる制御装置40と、を備えたアウトドライブ装置用操舵システム100であって、アウトドライブ装置10の舵角度が舵中央となるときに位置するピストンについて検出できるピストン検出センサ27を具備し、制御装置40は、ピストン検出センサ27からの電気信号に基づいてスプールバルブ30を制御することでアウトドライブ装置10の舵角度を舵中央とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アウトドライブ装置用操舵システムの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、船体内部にエンジンを配置し、船体外部に配置されたアウトドライブ装置へ動力を伝達する船内外機(インボートエンジン・アウトボートドライブ)が知られている。アウトドライブ装置は、スクリュープロペラを回転することによって船体を推進させる推進装置であり、船体の進行方向に対して回動することによって該船体を旋回させる舵装置でもある。
【0003】
このようなアウトドライブ装置は、該アウトドライブ装置に設けられた操舵用油圧アクチュエータによって自在に回動される(例えば特許文献1参照。)。そして、アウトドライブ装置の回動角度、即ち、舵角度は、この操舵用油圧アクチュエータに取り付けられたストロークセンサ等の検出結果に基づいて把握される。
【0004】
しかし、ストロークセンサ等を用いて舵角度を把握する構成においては、例えばストロークセンサが故障して舵角度の把握ができなくなった場合に操船を行なうことが不可能となる。そのため、何らかの理由によってアウトドライブ装置の舵角度が不明になった場合には、該アウトドライブ装置の舵角度を自動的に舵中央とすることができる技術が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平1−285486号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はかかる問題を解決すべくなされたものであり、アウトドライブ装置の舵角度が不明になった場合に該アウトドライブ装置の舵角度を自動的に舵中央とすることができる技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、シリンダスリーブに内設されたピストンが摺動することによってアウトドライブ装置を回動させる操舵用油圧アクチュエータと、
前記操舵用油圧アクチュエータの作動油の流動方向を変更して前記ピストンの摺動方向を切り換えるスプールバルブと、
前記スプールバルブに制御信号を送信して作動油の流動方向を変更させる制御装置と、を備えたアウトドライブ装置用操舵システムであって、
前記アウトドライブ装置の舵角度が舵中央となるときに位置する前記ピストンについて検出できるピストン検出センサを具備し、
前記制御装置は、前記ピストン検出センサからの電気信号に基づいて前記スプールバルブを制御することで前記アウトドライブ装置の舵角度を舵中央とする、としたものである。
【0009】
請求項2においては、請求項1に記載のアウトドライブ装置用操舵システムにおいて、前記ピストンの摺動範囲における一端部に第二のピストン検出センサを設ける、としたものである。
【0010】
請求項3においては、請求項1に記載のアウトドライブ装置用操舵システムにおいて、前記ピストンの摺動範囲における一端部に第二のピストン検出センサを設け、他端部に第三のピストン検出センサを設ける、としたものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、ピストン検出センサからの電気信号に基づいてピストンの停止位置を制御することができる。これにより、アウトドライブ装置の舵角度を正確に舵中央とすることが可能となる。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、ピストンが該ピストンの摺動範囲における一端部にあることを検出できる。これにより、アウトドライブ装置の舵角度を素早く舵中央とすることが可能となる。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、アウトドライブ装置の舵角度が舵中央となるときに位置するピストンについて何らかの理由によって検出することができなかったとしても、再度、検出を行なうことが可能となる。これにより、アウトドライブ装置の舵角度を確実に舵中央とすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】アウトドライブ装置用操舵システムの全体構成を示す図。
【図2】アウトドライブ装置の構成を示す図。
【図3】操舵用油圧アクチュエータの構成を示す一の図。
【図4】操舵用油圧アクチュエータの構成を示す他の図。
【図5】スプールバルブの構成を示す図。
【図6】本発明の第一実施形態に係るアウトドライブ装置用操舵システムの制御フローを示す図。
【図7】本発明の第二実施形態に係るアウトドライブ装置用操舵システムの制御フローを示す図。
【図8】本発明の第三実施形態に係るアウトドライブ装置用操舵システムの制御フローを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
まず、図1から図5を用いてアウトドライブ装置用操舵システム100の全体構成について説明する。なお、図1は、アウトドライブ装置10を二台備えた、いわゆる二軸推進方式におけるアウトドライブ装置用操舵システム100について図示したものであるが、例えば一軸推進方式等であっても良く、これに限定するものではない。
【0017】
アウトドライブ装置用操舵システム100は、操舵ハンドル2の操作に応じてアウトドライブ装置10を回動させる制御システムである。アウトドライブ装置用操舵システム100は、主にアウトドライブ装置10と、操舵用油圧アクチュエータ20と、スプールバルブ30と、制御装置40と、から構成される。
【0018】
アウトドライブ装置10は、スクリュープロペラ15を回転させることによって船体1を推進させる推進装置である。また、アウトドライブ装置10は、船体1の進行方向に対して回動することによって該船体1を旋回させる舵装置でもある。図2に示すように、アウトドライブ装置10は、主に入力軸11と、切換クラッチ12と、駆動軸13と、出力軸14と、スクリュープロペラ15と、から構成される。
【0019】
入力軸11は、ユニバーサルジョイント4を介して伝達されたエンジン3の回転動力を切換クラッチ12に伝達する回転軸である。入力軸11の一端部は、エンジン3の出力軸に取り付けられたユニバーサルジョイント4と連結され、その他端部は、アッパーハウジング10Uの内部に配置された切換クラッチ12と連結される。
【0020】
切換クラッチ12は、入力軸11等を介して伝達されたエンジン3の回転動力を正回転方向又は逆回転方向に切換可能とする回転方向切換装置である。切換クラッチ12は、ディスクプレートを備えたインナードラムと連結された正回転用ベベルギア、ならびに、逆回転用ベベルギアを有し、入力軸11に連結されたアウタードラムのプレッシャープレートをいずれのディスクプレートに押し付けるかによって回転方向の切り換えが行なわれる。
【0021】
駆動軸13は、切換クラッチ12等を介して伝達されたエンジン3の回転動力を出力軸14に伝達する回転軸である。駆動軸13の一端部に設けられたベベルギアは、切換クラッチ12に設けられた正回転用ベベルギア、ならびに、逆回転用ベベルギアと歯合され、その他端部に設けられたベベルギアは、ロアハウジング10Rの内部に配置された出力軸14のベベルギアと歯合される。
【0022】
出力軸14は、駆動軸13等を介して伝達されたエンジン3の回転動力をスクリュープロペラ15に伝達する回転軸である。出力軸14の一端部に設けられたベベルギアは、上述したように駆動軸13のベベルギアと歯合され、その他端部には、スクリュープロペラ15が取り付けられている。
【0023】
スクリュープロペラ15は、回転することによって推進力を発生させるものである。スクリュープロペラ15は、出力軸14等を介して伝達されたエンジン3の回転動力によって駆動され、回転軸周りに配置された複数枚のブレード15aが周囲の水をかくことによって推進力を発生させる。
【0024】
そして、アウトドライブ装置10は、船体1の船尾板(トランサムボード)に取り付けられたジンバルハウジング5に支持されている。具体的には、アウトドライブ装置10は、該アウトドライブ装置10のジンバルリング16が喫水線wlから略垂直方向となるようにジンバルハウジング5に支持されている。なお、ジンバルリング16とは、アウトドライブ装置10に取り付けられた略円筒形状の回動軸であり、アウトドライブ装置10は、該ジンバルリング16を中心として回動することが可能とされる。
【0025】
また、ジンバルリング16の上方側端部には、船体1の内部へ延設された操舵アーム17が取り付けられている。そして、操舵アーム17は、ジンバルリング16を中心にアウトドライブ装置10を回動させる。なお、操舵アーム17は、操舵ハンドル2の操作に応じて連動する操舵用油圧アクチュエータ20によって駆動される。
【0026】
操舵用油圧アクチュエータ20は、アウトドライブ装置10の操舵アーム17を駆動して該アウトドライブ装置10を回動させる油圧装置である。図3に示すように、操舵用油圧アクチュエータ20は、主にシリンダスリーブ21と、ピストン22と、ロッド23と、第一シリンダキャップ24と、第二シリンダキャップ25と、ストロークセンサ26と、ピストン検出センサ27と、から構成される。なお、本実施形態に係る操舵用油圧アクチュエータ20は、いわゆる片ロッド型の油圧アクチュエータであるが、図4に示すように両ロッド型であっても良い。
【0027】
シリンダスリーブ21は、ピストン22が摺動可能に内設される略円管形状の部材である。シリンダスリーブ21の両端部には、周方向に突設された鍔部21bが設けられており、該鍔部21bには、第一シリンダキャップ24又は第二シリンダキャップ25を固設するボルト穴が設けられている。
【0028】
ピストン22は、油圧を受けることによってシリンダスリーブ21の内部を摺動する略円筒形状の部材である。ピストン22には、該ピストン22の中心軸と同軸に貫通孔22hが設けられており、該貫通孔22hには、ロッド23が挿通されている。また、ピストン22の外周面には、その周方向にリング溝22g・22gが平行に設けられており、該リング溝22g・22gには、シールリング221・221が環装されている。更に、各シールリング221・221の間であってピストン22の外周面には、磁力部材として永久磁石222が取り付けられている。
【0029】
ロッド23は、ピストン22の摺動を操舵アーム17に伝達する略円筒形状の部材である。ロッド23の一端部には、該ロッド23の外径を縮径した縮径部23taが設けられている。そして、ロッド23は、ピストン22の貫通孔22hに縮径部23taを挿通した状態でナット231が螺合されて該ピストン22と固設される。また、ロッド23の他端部には、該ロッド23の外径を縮径した縮径部23tbが設けられている。そして、ロッド23は、クレビス18の貫通孔18hに縮径部23tbを挿通した状態でナット232が螺合されて該クレビス18と固設される。なお、クレビス18とは、ロッド23と操舵アーム17とを連結する連結部材である。
【0030】
第一シリンダキャップ24は、シリンダスリーブ21の一端部を密封する蓋部材である。第一シリンダキャップ24には、シリンダスリーブ21とピストン22とで構成された第一油室Oc1に連通する第一油路24pが設けられている。また、シリンダスリーブ21に嵌入される周壁面には、その周方向にリング溝24gが設けられてシールリング241が環装されている。これにより、第一油室Oc1は、所定の油圧に耐え得る耐圧室を構成している。
【0031】
第二シリンダキャップ25は、シリンダスリーブ21の他端部を密封するとともに、ロッド23を摺動可能に支持する軸受部材である。第二シリンダキャップ25には、シリンダスリーブ21とピストン22とで構成された第二油室Oc2に連通する第二油路25pが設けられている。また、シリンダスリーブ21に嵌入される周壁面には、その周方向にリング溝25gaが設けられてシールリング251が環装されている。更に、第二シリンダキャップ25には、シリンダスリーブ21の中心軸と同軸に貫通孔25hが設けられており、該貫通孔25hには、ロッド23が摺動可能に挿通される。なお、貫通孔25hの内周面には、その周方向にリング溝25gbが設けられており、該リング溝25gbには、シールリング252が嵌挿されている。これにより、第二油室Oc2は、所定の油圧に耐え得る耐圧室を構成している。
【0032】
ストロークセンサ26は、ピストン22に取り付けられた永久磁石222を検出する磁気センサである。ストロークセンサ26は、少なくともピストン22が摺動できる範囲内において該ピストン22の摺動方向に対して平行となるようにシリンダスリーブ21の外周面に取り付けられている。これにより、制御装置40は、ピストン22の位置を把握することができ、ひいてはアウトドライブ装置10の舵角度を把握することができるのである。
【0033】
また、ピストン検出センサ27は、ピストン22に取り付けられた永久磁石222を検出する磁気センサである。ピストン検出センサ27は、アウトドライブ装置10の舵角度が舵中央となるときに位置するピストン22について検出することができる箇所に取り付けられている。これにより、制御装置40は、アウトドライブ装置10の舵角度が舵中央となる位置にピストン22があることを確認できるのである。
【0034】
なお、ストロークセンサ26及びピストン検出センサ27は、主に磁束密度の変化に応じて出力電圧を変換する、いわゆるホール素子から構成されている。ホール素子は、磁界と電流の相互作用によって電子にローレンツ力が作用することを利用し、ローレンツ力に起因する電位差(ホール電圧)から磁界の強さを検出する。なお、本実施形態においては、磁気センサの主な構成要素としてホール素子を用いているが磁界の強さに応じて電気抵抗値が変化する磁気抵抗素子を用いたもの等であっても良く、これに限定するものではない。
【0035】
スプールバルブ30は、作動油の流動方向を変更することによってピストン22の摺動方向を切り換える切換バルブである。図5に示すように、スプールバルブ30は、主にバルブボディ31と、スプールシャフト32と、電動アクチュエータ33と、から構成される。
【0036】
バルブボディ31は、その内部にスプールシャフト32が摺動可能に内設される略円管形状の部材である。バルブボディ31には、スプールシャフト32が内設されるバレル孔31hが設けられており、該バレル孔31hには、操舵用油圧アクチュエータ20の各油路24p・25pと連通される給排ポート31pa・31pbが設けられている。また、バレル孔31hには、作動油ポンプ50と連通されるポンプポート31pp、ならびに、作動油タンク60と連通されるリターンポート31rpが設けられている。更に、バルブボディ31には、スプールシャフト32が所定の位置にあることを条件として給排ポート31pbとリターンポート31rpとを連通する油路31olが設けられている。
【0037】
スプールシャフト32は、電動アクチュエータ33によってシリンダスリーブ21の内部を摺動する略円筒形状の部材である。スプールシャフト32には、該スプールシャフト32の外径を縮径した縮径部32ta・32tb・32tcが設けられており、該スプールシャフト32が摺動することによって各ポート31pa・31pb・31pp・31rpどうしを連通又は遮断する。
【0038】
電動アクチュエータ33は、制御装置40からの制御信号によってスプールシャフト32を駆動する動力源である。本実施形態における電動アクチュエータ33は、複動可変式電磁アクチュエータであって励磁された電磁コイルに可動鉄心が吸着することを利用してスプールシャフト32を駆動する。
【0039】
制御装置40は、操舵ハンドル2やピストン検出センサ27等からの電気信号に基づいて制御信号を作成するとともに、作成した制御信号をスプールバルブ30の電動アクチュエータ33等に送信するものである。また、制御装置40は、全地球測位システム(GPS:Global Positioning System)からの情報に基づいて制御信号を作成するとともに、作成した制御信号を電動アクチュエータ33等に送信することも可能としている。つまり、制御装置40は、オペレータが手動で行なう操船のほかに、自らの位置と設定されている目的地とから航路を算出して自動で操船を行なう、いわゆる自動航法を可能としているのである。
【0040】
以下に本発明の第一実施形態に係るアウトドライブ装置用操舵システム100の制御態様について説明する。図6は、アウトドライブ装置用操舵システム100の制御フローを示したものである。
【0041】
制御装置40は、操舵用油圧アクチュエータ20に取り付けられたストロークセンサ26の故障等、何らかの理由によってアウトドライブ装置10の舵角度が不明になったと判断した場合に以下に説明する制御を開始する。
【0042】
まず、ステップS101において制御装置40は、本制御を実行するか否かの許否スイッチがどのような状態にあるかを判断する。つまり、制御装置40は、アウトドライブ装置10の舵角度が不明になった場合に該アウトドライブ装置10の舵角度を自動的に舵中央とするか否かの判断を行なう。
【0043】
そして、制御装置40は、許否スイッチが入状態である、即ち、アウトドライブ装置10の舵角度を舵中央とする制御を行なうと判断した場合にステップS102へ移行し、許否スイッチが切状態である、即ち、アウトドライブ装置10の舵角度を舵中央とする制御を行なわないと判断した場合に同制御を終了する。
【0044】
ステップS102において制御装置40は、スプールバルブ30の電動アクチュエータ33に制御信号を送信することによってスプールシャフト32を所定の位置まで摺動させる(図5B参照)。これにより、操舵用油圧アクチュエータ20のピストン22は、図3、図4に示す矢印Lの方向に摺動することとなる。
【0045】
具体的に説明すると制御装置40は、スプールシャフト32を摺動させることによって給排ポート31paとポンプポート31ppとを連通させ、給排ポート31pbとリターンポート31rpとを連通させる(図5B参照。)。これにより、作動油ポンプ50から圧送された作動油は、第一油路24pを通って第一油室Oc1へ供給され、第二油室Oc2内の作動油は、第二油路25pを通って作動油タンク60へ戻される。こうすることで、第一油室Oc1に掛かる油圧は、第二油室Oc2に掛かる油圧よりも高くなり、第一油室Oc1と第二油室Oc2とを隔てるピストン22は、第二油室Oc2側へ摺動するのである。
【0046】
ステップS103において制御装置40は、該制御装置40に内蔵されたタイマーのカウントアップを開始する。これにより、制御装置40は、ステップS102において制御信号を送信してからの経過時間を把握することができ、ピストン22の位置を予測することを可能としている。
【0047】
ステップS104において制御装置40は、ステップS102又は後述するステップS115において制御信号を送信してからの経過時間が所定時間を超えたか否かを判断する。なお、この所定時間は、ピストン22の摺動範囲における一端部から他端部まで該ピストン22が摺動した場合の所要時間の半分に等しいとされる。
【0048】
そして、制御装置40は、ステップS102において制御信号を送信してからの経過時間が所定時間を超えていない、即ち、ピストン22が摺動範囲における一端部まで到達していない可能性があると判断した場合にステップS105へ移行し、ステップS102において制御信号を送信してからの経過時間が所定時間を超えた、即ち、ピストン22が摺動範囲における一端部に到達していると判断した場合にステップS115へ移行する。
【0049】
ステップS115において制御装置40は、スプールバルブ30の電動アクチュエータ33に制御信号を送信することによってスプールシャフト32を所定の位置まで摺動させる(図5C参照)。これにより、操舵用油圧アクチュエータ20のピストン22は、図3、図4に示す矢印Rの方向に摺動することとなる。
【0050】
具体的に説明すると制御装置40は、スプールシャフト32を摺動させることによって給排ポート31paとリターンポート31rpとを連通させ、給排ポート31pbとポンプポート31ppとを連通させる(図5C参照。)。これにより、作動油ポンプ50から圧送された作動油は、第二油路25pを通って第二油室Oc2へ供給され、第一油室Oc1内の作動油は、第一油路24pを通って作動油タンク60へ戻される。こうすることで、第二油室Oc2に掛かる油圧は、第一油室Oc1に掛かる油圧よりも高くなり、第二油室Oc2と第一油室Oc1とを隔てるピストン22は、第一油室Oc1側へ摺動するのである。
【0051】
ステップS116において制御装置40は、該制御装置40に内蔵されたタイマーのカウントアップを開始する。これにより、制御装置40は、ステップS115において制御信号を送信してからの経過時間を把握することができ、ピストン22の位置を予測することを可能としている。
【0052】
ステップS105において制御装置40は、ピストン検出センサ27がピストン22を検出したか否かを判断する。詳細には、磁気センサであるピストン検出センサ27がピストン22に取り付けられた永久磁石222を検出したか否かを判断する。なお、上述したように、ピストン検出センサ27は、アウトドライブ装置10の舵角度が舵中央となるときに位置するピストン22について検出することができる箇所に取り付けられている。
【0053】
そして、制御装置40は、ピストン検出センサ27がピストン22を検出した、即ち、ピストン22がアウトドライブ装置10の舵角度を舵中央とする位置にあると判断した場合にステップS106へ移行し、ピストン検出センサ27がピストン22を検出できない、即ち、ピストン22がアウトドライブ装置10の舵角度を舵中央とする位置にないと判断した場合にステップS104へ戻す。
【0054】
ステップS106において制御装置40は、スプールバルブ30の電動アクチュエータ33に制御信号を送信することによってスプールシャフト32を所定の位置まで摺動させる(図5A参照)。これにより、操舵用油圧アクチュエータ20のピストン22は、アウトドライブ装置10の舵角度が舵中央となる位置で停止することとなる。
【0055】
具体的に説明すると制御装置40は、スプールシャフト32を摺動させることによって各ポート31pa・31pb・31pp・31rpを遮断させる(図5A参照。)。これにより、作動油ポンプ50から圧送された作動油は、第一油室Oc1や第二油室Oc2へ供給されず、各油室Oc1・Oc2内の作動油も作動油タンク60へ戻されない。こうすることで、第一油室Oc1と第二油室Oc2とを隔てるピストン22は、アウトドライブ装置10の舵角度が舵中央となる位置で停止するのである。
【0056】
このような構成により、ピストン検出センサ27からの電気信号に基づいてピストン22の停止位置を制御できるため、アウトドライブ装置10の舵角度を正確に舵中央とすることが可能となるのである。
【0057】
なお、本実施形態においては、ステップS102においてピストン22を第二油室Oc2側へ摺動するものとし(図3、図4中矢印L参照。)、ステップS115においてピストン22を第一油室Oc1側へ摺動するものとしているが(図3、図4中矢印R参照。)、それぞれ逆方向に摺動するとしても良く、ピストン22の摺動方向について限定するものではない。
【0058】
次に本発明の第二実施形態に係るアウトドライブ装置用操舵システム200の制御態様について説明する。図7は、アウトドライブ装置用操舵システム200の制御フローを示したものである。なお、本実施形態においては、ピストン検出センサ27に加えて第二のピストン検出センサ28が備えられる点で第一実施形態に係るアウトドライブ装置用操舵システム100と相異する。また、第二のピストン検出センサ28は、ピストン22の摺動範囲における一端部(ストローク最大位置)に設けられている。
【0059】
制御装置40は、操舵用油圧アクチュエータ20に取り付けられたストロークセンサ26の故障等、何らかの理由によってアウトドライブ装置10の舵角度が不明になったと判断した場合に以下に説明する制御を開始する。
【0060】
まず、ステップS201において制御装置40は、本制御を実行するか否かの許否スイッチがどのような状態にあるかを判断する。つまり、制御装置40は、アウトドライブ装置10の舵角度が不明になった場合に該アウトドライブ装置10の舵角度を自動的に舵中央とするか否かの判断を行なう。
【0061】
そして、制御装置40は、許否スイッチが入状態である、即ち、アウトドライブ装置10の舵角度を舵中央とする制御を行なうと判断した場合にステップS202へ移行し、許否スイッチが切状態である、即ち、アウトドライブ装置10の舵角度を舵中央とする制御を行なわないと判断した場合に同制御を終了する。
【0062】
ステップS202において制御装置40は、スプールバルブ30の電動アクチュエータ33に制御信号を送信することによってスプールシャフト32を所定の位置まで摺動させる(図5B参照)。これにより、操舵用油圧アクチュエータ20のピストン22は、図3、図4に示す矢印Lの方向に摺動することとなる。
【0063】
具体的に説明すると制御装置40は、スプールシャフト32を摺動させることによって給排ポート31paとポンプポート31ppとを連通させ、給排ポート31pbとリターンポート31rpとを連通させる(図5B参照。)。これにより、作動油ポンプ50から圧送された作動油は、第一油路24pを通って第一油室Oc1へ供給され、第二油室Oc2内の作動油は、第二油路25pを通って作動油タンク60へ戻される。こうすることで、第一油室Oc1に掛かる油圧は、第二油室Oc2に掛かる油圧よりも高くなり、第一油室Oc1と第二油室Oc2とを隔てるピストン22は、第二油室Oc2側へ摺動するのである。
【0064】
ステップS203において制御装置40は、ピストン検出センサ28がピストン22を検出したか否かを判断する。詳細には、磁気センサであるピストン検出センサ28がピストン22に取り付けられた永久磁石222を検出したか否かを判断する。なお、上述したように、ピストン検出センサ28は、ピストン22の摺動範囲における一端部(ストローク最大位置)に設けられている。
【0065】
そして、制御装置40は、ピストン検出センサ28がピストン22を検出した、即ち、ピストン22が該ピストン22の摺動範囲における一端部(ストローク最大位置)にあると判断した場合にステップS214へ移行し、ピストン検出センサ28がピストン22を検出できない、即ち、ピストン22が該ピストン22の摺動範囲における一端部(ストローク最大位置)にないと判断した場合にステップS204へ移行する。
【0066】
ステップS214において制御装置40は、スプールバルブ30の電動アクチュエータ33に制御信号を送信することによってスプールシャフト32を所定の位置まで摺動させる(図5C参照)。これにより、操舵用油圧アクチュエータ20のピストン22は、図3、図4に示す矢印Rの方向に摺動することとなる。
【0067】
具体的に説明すると制御装置40は、スプールシャフト32を摺動させることによって給排ポート31paとリターンポート31rpとを連通させ、給排ポート31pbとポンプポート31ppとを連通させる(図5C参照。)。これにより、作動油ポンプ50から圧送された作動油は、第二油路25pを通って第二油室Oc2へ供給され、第一油室Oc1内の作動油は、第一油路24pを通って作動油タンク60へ戻される。こうすることで、第二油室Oc2に掛かる油圧は、第一油室Oc1に掛かる油圧よりも高くなり、第二油室Oc2と第一油室Oc1とを隔てるピストン22は、第一油室Oc1側へ摺動するのである。
【0068】
ステップS204において制御装置40は、ピストン検出センサ27がピストン22を検出したか否かを判断する。詳細には、磁気センサであるピストン検出センサ27がピストン22に取り付けられた永久磁石222を検出したか否かを判断する。なお、ピストン検出センサ27は、第一実施形態に係るアウトドライブ装置用操舵システム100と同様にアウトドライブ装置10の舵角度が舵中央となるときに位置するピストン22について検出することができる箇所に配置されている。
【0069】
そして、制御装置40は、ピストン検出センサ27がピストン22を検出した、即ち、ピストン22がアウトドライブ装置10の舵角度を舵中央とする位置にあると判断した場合にステップS205へ移行し、ピストン検出センサ27がピストン22を検出できない、即ち、ピストン22がアウトドライブ装置10の舵角度を舵中央とする位置にないと判断した場合にステップS203へ戻す。
【0070】
ステップS205において制御装置40は、スプールバルブ30の電動アクチュエータ33に制御信号を送信することによってスプールシャフト32を所定の位置まで摺動させる(図5A参照)。これにより、操舵用油圧アクチュエータ20のピストン22は、アウトドライブ装置10の舵角度が舵中央となる位置で停止することとなる。
【0071】
具体的に説明すると制御装置40は、スプールシャフト32を摺動させることによって各ポート31pa・31pb・31pp・31rpを遮断させる(図5A参照。)。これにより、作動油ポンプ50から圧送された作動油は、第一油室Oc1や第二油室Oc2へ供給されず、各油室Oc1・Oc2内の作動油も作動油タンク60へ戻されない。こうすることで、第一油室Oc1と第二油室Oc2とを隔てるピストン22は、アウトドライブ装置10の舵角度が舵中央となる位置で停止するのである。
【0072】
このような構成により、ピストン22が該ピストン22の摺動範囲における一端部(ストローク最大位置)にあることを検出できるため、アウトドライブ装置10の舵角度を素早く舵中央とすることが可能となるのである。
【0073】
なお、本実施形態においては、ステップS202においてピストン22を第二油室Oc2側へ摺動するものとし(図3、図4中矢印L参照。)、ステップS214においてピストン22を第一油室Oc1側へ摺動するものとしているが(図3、図4中矢印R参照。)、それぞれ逆方向に摺動するとしても良く、ピストン22の摺動方向について限定するものではない。但し、このときのピストン検出センサ28の取り付け箇所は、ピストン22の摺動範囲における他端部とする必要があることに留意する。
【0074】
次に本発明の第三実施形態に係るアウトドライブ装置用操舵システム300の制御態様について説明する。図8は、アウトドライブ装置用操舵システム300の制御フローを示したものである。なお、実施形態においては、ピストン検出センサ27に加えて第二のピストン検出センサ28及び第三のピストン検出センサ29が備えられる点で第一実施形態に係るアウトドライブ装置用操舵システム100と相異する。また、第二のピストン検出センサ28は、ピストン22の摺動範囲における一端部(ストローク最大位置)に設けられ、第三のピストン検出センサ29は、ピストン22の摺動範囲における他端部(ストローク最小位置)に設けられている。
【0075】
制御装置40は、操舵用油圧アクチュエータ20に取り付けられたストロークセンサ26の故障等、何らかの理由によってアウトドライブ装置10の舵角度が不明になったと判断した場合に以下に説明する制御を開始する。
【0076】
まず、ステップS301において制御装置40は、本制御を実行するか否かの許否スイッチがどのような状態にあるかを判断する。つまり、制御装置40は、アウトドライブ装置10の舵角度が不明になった場合に該アウトドライブ装置10の舵角度を自動的に舵中央とするか否かの判断を行なう。
【0077】
そして、制御装置40は、許否スイッチが入状態である、即ち、アウトドライブ装置10の舵角度を舵中央とする制御を行なうと判断した場合にステップS302へ移行し、許否スイッチが切状態である、即ち、アウトドライブ装置10の舵角度を舵中央とする制御を行なわないと判断した場合に同制御を終了する。
【0078】
ステップS302において制御装置40は、スプールバルブ30の電動アクチュエータ33に制御信号を送信することによってスプールシャフト32を所定の位置まで摺動させる(図5B参照)。これにより、操舵用油圧アクチュエータ20のピストン22は、図3、図4に示す矢印Lの方向に摺動することとなる。
【0079】
具体的に説明すると制御装置40は、スプールシャフト32を摺動させることによって給排ポート31paとポンプポート31ppとを連通させ、給排ポート31pbとリターンポート31rpとを連通させる(図5B参照。)。これにより、作動油ポンプ50から圧送された作動油は、第一油路24pを通って第一油室Oc1へ供給され、第二油室Oc2内の作動油は、第二油路25pを通って作動油タンク60へ戻される。こうすることで、第一油室Oc1に掛かる油圧は、第二油室Oc2に掛かる油圧よりも高くなり、第一油室Oc1と第二油室Oc2とを隔てるピストン22は、第二油室Oc2側へ摺動するのである。
【0080】
ステップS303において制御装置40は、ピストン検出センサ28がピストン22を検出したか否かを判断する。詳細には、磁気センサであるピストン検出センサ28がピストン22に取り付けられた永久磁石222を検出したか否かを判断する。なお、上述したように、ピストン検出センサ28は、ピストン22の摺動範囲における一端部(ストローク最大位置)に設けられている。
【0081】
そして、制御装置40は、ピストン検出センサ28がピストン22を検出した、即ち、ピストン22が該ピストン22の摺動範囲における一端部(ストローク最大位置)にあると判断した場合にステップS314へ移行し、ピストン検出センサ28がピストン22を検出できない、即ち、ピストン22が該ピストン22の摺動範囲における一端部(ストローク最大位置)にないと判断した場合にステップS304へ移行する。
【0082】
ステップS314において制御装置40は、スプールバルブ30の電動アクチュエータ33に制御信号を送信することによってスプールシャフト32を所定の位置まで摺動させる(図5C参照)。これにより、操舵用油圧アクチュエータ20のピストン22は、図3、図4に示す矢印Rの方向に摺動することとなる。
【0083】
具体的に説明すると制御装置40は、スプールシャフト32を摺動させることによって給排ポート31paとリターンポート31rpとを連通させ、給排ポート31pbとポンプポート31ppとを連通させる(図5C参照。)。これにより、作動油ポンプ50から圧送された作動油は、第二油路25pを通って第二油室Oc2へ供給され、第一油室Oc1内の作動油は、第一油路24pを通って作動油タンク60へ戻される。こうすることで、第二油室Oc2に掛かる油圧は、第一油室Oc1に掛かる油圧よりも高くなり、第二油室Oc2と第一油室Oc1とを隔てるピストン22は、第一油室Oc1側へ摺動するのである。
【0084】
ステップS304において制御装置40は、ピストン検出センサ29がピストン22を検出したか否かを判断する。詳細には、磁気センサであるピストン検出センサ29がピストン22に取り付けられた永久磁石222を検出したか否かを判断する。なお、上述したように、ピストン検出センサ29は、ピストン22の摺動範囲における他端部(ストローク最小位置)に設けられている。
【0085】
そして、制御装置40は、ピストン検出センサ29がピストン22を検出した、即ち、ピストン22が該ピストン22の摺動範囲における他端部(ストローク最小位置)にあると判断した場合にステップS315へ移行し、ピストン検出センサ29がピストン22を検出できない、即ち、ピストン22が該ピストン22の摺動範囲における他端部(ストローク最小位置)にないと判断した場合にステップS305へ移行する。
【0086】
ステップS315において制御装置40は、スプールバルブ30の電動アクチュエータ33に制御信号を送信することによってスプールシャフト32を所定の位置まで摺動させる(図5B参照)。これにより、操舵用油圧アクチュエータ20のピストン22は、図3、図4に示す矢印Lの方向に摺動することとなる。
【0087】
具体的に説明すると制御装置40は、スプールシャフト32を摺動させることによって給排ポート31paとポンプポート31ppとを連通させ、給排ポート31pbとリターンポート31rpとを連通させる(図5B参照。)。これにより、作動油ポンプ50から圧送された作動油は、第一油路24pを通って第一油室Oc1へ供給され、第二油室Oc2内の作動油は、第二油路25pを通って作動油タンク60へ戻される。こうすることで、第一油室Oc1に掛かる油圧は、第二油室Oc2に掛かる油圧よりも高くなり、第一油室Oc1と第二油室Oc2とを隔てるピストン22は、第二油室Oc2側へ摺動するのである。
【0088】
ステップS305において制御装置40は、ピストン検出センサ27がピストン22を検出したか否かを判断する。詳細には、磁気センサであるピストン検出センサ27がピストン22に取り付けられた永久磁石222を検出したか否かを判断する。なお、ピストン検出センサ27は、第一実施形態に係るアウトドライブ装置用操舵システム100と同様にアウトドライブ装置10の舵角度が舵中央となるときに位置するピストン22について検出することができる箇所に配置されている。
【0089】
そして、制御装置40は、ピストン検出センサ27がピストン22を検出した、即ち、ピストン22がアウトドライブ装置10の舵角度を舵中央とする位置にあると判断した場合にステップS306へ移行し、ピストン検出センサ27がピストン22を検出できない、即ち、ピストン22がアウトドライブ装置10の舵角度を舵中央とする位置にないと判断した場合にステップS303へ戻す。
【0090】
ステップS306において制御装置40は、スプールバルブ30の電動アクチュエータ33に制御信号を送信することによってスプールシャフト32を所定の位置まで摺動させる(図5A参照)。これにより、操舵用油圧アクチュエータ20のピストン22は、アウトドライブ装置10の舵角度が舵中央となる位置で停止することとなる。
【0091】
具体的に説明すると制御装置40は、スプールシャフト32を摺動させることによって各ポート31pa・31pb・31pp・31rpを遮断させる(図5A参照。)。これにより、作動油ポンプ50から圧送された作動油は、第一油室Oc1や第二油室Oc2へ供給されず、各油室Oc1・Oc2内の作動油も作動油タンク60へ戻されない。こうすることで、第一油室Oc1と第二油室Oc2とを隔てるピストン22は、アウトドライブ装置10の舵角度が舵中央となる位置で停止するのである。
【0092】
このような構成により、アウトドライブ装置10の舵角度が舵中央となるときに位置するピストン22について何らかの理由によって検出することができなかったとしても、再度、検出を行なうことができるため、アウトドライブ装置10の舵角度を確実に舵中央とすることが可能となるのである。
【0093】
なお、本実施形態においては、ステップS302においてピストン22を第二油室Oc2側へ摺動するものとし(図3、図4中矢印L参照。)、ステップS314においてピストン22を第一油室Oc1側へ摺動するものとし(図3、図4中矢印R参照。)、ステップS315においてピストン22を第二油室Oc2側へ摺動するものとしているが(図3、図4中矢印L参照。)、それぞれ逆方向に摺動するとしても良く、ピストン22の摺動方向について限定するものではない。
【符号の説明】
【0094】
2 操舵ハンドル
10 アウトドライブ装置
15 スクリュープロペラ
17 操舵アーム
20 操舵用油圧アクチュエータ
27 ピストン検出センサ
30 スプールバルブ
40 制御装置
50 作動油ポンプ
60 作動油タンク
100 アウトドライブ装置用操舵システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダスリーブに内設されたピストンが摺動することによってアウトドライブ装置を回動させる操舵用油圧アクチュエータと、
前記操舵用油圧アクチュエータの作動油の流動方向を変更して前記ピストンの摺動方向を切り換えるスプールバルブと、
前記スプールバルブに制御信号を送信して作動油の流動方向を変更させる制御装置と、を備えたアウトドライブ装置用操舵システムであって、
前記アウトドライブ装置の舵角度が舵中央となるときに位置する前記ピストンについて検出できるピストン検出センサを具備し、
前記制御装置は、前記ピストン検出センサからの電気信号に基づいて前記スプールバルブを制御することで前記アウトドライブ装置の舵角度を舵中央とする、としたことを特徴とするアウトドライブ装置用操舵システム。
【請求項2】
前記ピストンの摺動範囲における一端部に第二のピストン検出センサを設ける、としたことを特徴とする請求項1に記載のアウトドライブ装置用操舵システム。
【請求項3】
前記ピストンの摺動範囲における一端部に第二のピストン検出センサを設け、他端部に第三のピストン検出センサを設ける、としたことを特徴とする請求項1に記載のアウトドライブ装置用操舵システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−246052(P2011−246052A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−123119(P2010−123119)
【出願日】平成22年5月28日(2010.5.28)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】