説明

アクセスシステムおよび冗長切替方法

【課題】
従来の冗長構成は、装置自体が異常状態に陥った場合に対応できなかった。
【解決手段】
本発明は、ユーザデータを冗長して送受信可能な伝送装置を複数台配置し、伝送装置は、通信先装置との間でユーザデータを送受信するデータ通信手段と、通信路異常または自装置異常を検出する異常検出手段と、複数の伝送装置間で制御フレームを送受信する制御フレーム通信手段と、異常検出手段が異常を検出した場合に予備系の伝送装置への切り替えを行う制御手段とを有し、制御手段は、自装置が運用系の伝送装置である場合、且つ、異常検出手段が異常を検出した場合、ユーザ側ポートを閉塞する処理と、制御フレーム通信手段により予備系の伝送装置に運用系への状態変更を指令する制御フレームを送信する処理と、状態変更を指令する制御フレームを受信した場合にユーザ側ポートを開放する処理とを実行することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伝送装置間で冗長を構成しているアクセスシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、大容量で安価な情報通信サービスを利用できるイーサネット(登録商標)システムが注目されており、ネットワークに対する信頼性の要求も高まっている。ネットワークの信頼性を高める方法として、回線セレクタ方式やリンクアグリゲーション方式など、ネットワークを冗長構成にする技術が用いられている。
【0003】
例えば、イーサネット(登録商標)システムは、多数のL2SW(レイヤー2スイッチ装置)が交換ノードとして接続され、ユーザのVPN(Virtual Private Network)は、L2SWのVLAN(Virtual LAN)機能によって形成されている。そして、アクセス回線のL2SW内でネットワークを冗長構成にして、ネットワークの信頼性を高めるようにしている。
【0004】
アクセス回線の冗長方式としては、L2SWに回線セレクタを実装する方式1と、L2SWでリンクアグリゲーション(LAG)を構築する方式2の2つの方式がある。
【0005】
方式1は、図16(a)に示すようにアクセス回線のL2SW902に回線セレクタ903を実装して、PortAとPortBの2経路(回線906、回線907)のアクセス回線のうち片側の回線のみを主信号の送受信に使用する冗長方式である。例えば、使用中の回線905のリンク断を検出すると片方の回線906へ切り替えが行われ、新たな回線906で主信号の送受信が行われる。
【0006】
方式2は、図17(a)に示すようにアクセス回線のL2SW902にリンクアグリゲーション機能を提供するブロック903aを搭載して、PortAとPortBの2経路(回線906、回線907)のアクセス回線をフレーム毎に切り替えて主信号の送受信を行うネットワーク冗長方式である。2つの経路を使用するので、例えば1つの経路でリンク異常を検出すると、残った経路で主信号の送受信が行われる。
【0007】
このように、障害発生時に対応するための冗長化技術が用いられている。また、VLANを使用する場合は、障害発生時にL2SW装置内の切り替えで対応するのではなく、予備系のVLANに切り替えるようにして冗長化を図る技術も考えられている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−158539号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところが、従来の方式1では、図16(b)に示すように、L2SW902の装置自体に異常が発生した場合、切り替え動作やフレームの転送が正常に行われなくなる可能性がある。また、従来の方式2においても、図17(b)に示すように、L2SW902の装置自体に異常が発生した場合、切り替え動作やフレームの転送が正常に行われなくなる可能性がある。このように、従来の方式では、装置自体が異常状態に陥った場合に対応できず、ネットワークの信頼性が損なわれるという問題があった。
【0010】
上記課題に鑑み、本発明の目的は、装置異常時に別の装置への切り替えを実施することによりネットワーク停止のリスクを抑制し、また異常状態にある特定セグメントのみ経路切り替えを実施することにより他セグメントへの影響を少なくし、ネットワークの信頼性を高めることができるアクセスシステムおよび冗長切替方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係るアクセスシステムは、ユーザ側に配置された伝送装置からネットワークを介して通信先装置にアクセスするアクセスシステムにおいて、ユーザデータを冗長して送受信可能な前記伝送装置を複数台配置し、前記伝送装置は、前記通信先装置との間でユーザデータを送受信するデータ通信手段と、通信路異常または自装置異常を検出する異常検出手段と、前記複数の伝送装置間で制御フレームを送受信する制御フレーム通信手段と、前記異常検出手段が異常を検出した場合に、予備系の前記伝送装置への切り替えを行う制御手段とを有し、前記制御手段は、自装置が運用系の前記伝送装置である場合、且つ、前記異常検出手段が異常を検出した場合、自装置のユーザ側ポートを閉塞する処理と、前記制御フレーム通信手段により予備系の伝送装置に運用系への状態変更を指令する制御フレームを送信する処理と、前記状態変更を指令する制御フレームを受信した場合に自装置のユーザ側ポートを開放する処理とを実行することを特徴とする。
【0012】
特に、前記異常検出手段は、前記通信先の伝送装置との間で前記データ通信手段を介して特定フレームを定期的に送受信し、前記通信先の伝送装置から前記特定フレームが受信されない場合に伝送路異常と判断することを特徴とする。
【0013】
また、前記データ通信手段は、通信先装置との間でセグメント単位でユーザデータを送受信し、前記異常検出手段は、前記セグメント単位での通信路異常または自装置異常を検出し、前記制御フレーム通信手段は、前記複数の伝送装置間で前記セグメント毎のユーザデータを迂回して送受信し、前記制御手段は、自装置が前記セグメントに対する運用系の前記伝送装置である場合、且つ、当該セグメントの異常を前記異常検出手段が検出した場合、当該セグメントのユーザデータを前記制御フレーム通信手段により前記予備系の伝送装置に転送する処理を行い、前記予備系の伝送装置に転送された前記セグメントのユーザデータは、前記予備系の伝送装置の前記データ通信手段から前記通信先装置に送信されることを特徴とする。
【0014】
さらに、前記予備系の伝送装置の前記異常検出手段は、前記通信先の伝送装置との間で前記データ通信手段を介して特定フレームを定期的に送受信し、前記通信先の伝送装置から前記特定フレームが受信されない場合に伝送路異常と判断し、前記予備系の伝送装置の前記制御手段は、伝送路異常であることを示す制御フレームを前記運用系の伝送装置に送信する処理を行い、前記運用系の伝送装置の前記制御手段は、前記予備系の伝送装置から伝送路異常であることを示す制御フレームを受信した場合は前記予備系の伝送装置への切り替え処理を実行しないことを特徴とする。
【0015】
或いは、前記運用系の伝送装置と前記予備系の伝送装置との間で特定フレームを定期的に送受信して、前記運用系の伝送装置の前記異常検出手段は、前記予備系の伝送装置から前記特定フレームを受信できない場合に予備系の伝送装置の異常と判断し、前記運用系の伝送装置の前記制御手段は、前記予備系の伝送装置への切り替え処理を実行しないことを特徴とする。
【0016】
本発明に係る冗長切替方法は、ユーザ側に配置された伝送装置からネットワークを介して通信先装置にアクセスするアクセスシステムにおける冗長切替方法であって、ユーザデータを冗長して送受信可能な前記伝送装置を複数台配置し、前記各伝送装置は、自装置が運用系の前記伝送装置である場合、且つ、通信路異常または自装置異常を検出した場合、自装置のユーザ側ポートを閉塞して、予備系の伝送装置に運用系に状態変更を指令する制御フレームを送信し、前記状態変更を指令する制御フレームを受信した場合に自装置のユーザ側ポートを開放することを特徴とする。
【0017】
特に、前記通信先の伝送装置との間で前記データ通信手段を介して特定フレームを定期的に送受信し、前記通信先の伝送装置から前記特定フレームが受信されない場合に伝送路異常と判断することを特徴とする。
【0018】
また、前記伝送装置は、通信先装置との間でセグメント単位でユーザデータを送受信し、通信路異常または自装置異常を前記セグメント単位で検出し、自装置が前記セグメントに対する運用系の前記伝送装置である場合、且つ、当該セグメントの異常を検出した場合、当該セグメントのユーザデータは、前記予備系の伝送装置に転送され、前記予備系の伝送装置から前記通信先装置に送信されることを特徴とする。
【0019】
さらに、前記予備系の伝送装置は、前記通信先の伝送装置との間で前記データ通信手段を介して特定フレームを定期的に送受信し、前記通信先の伝送装置から前記特定フレームが受信されない場合に伝送路異常と判断し、伝送路異常であることを示す制御フレームを前記運用系の伝送装置に送信し、前記運用系の伝送装置は、前記予備系の伝送装置から伝送路異常であることを示す制御フレームを受信した場合は前記予備系の伝送装置への切り替え処理を実行しないことを特徴とする。
【0020】
或いは、前記運用系の伝送装置と前記予備系の伝送装置との間で特定フレームを定期的に送受信して、前記運用系の伝送装置は、前記予備系の伝送装置から前記特定フレームを受信できない場合に予備系の伝送装置の異常と判断し、前記予備系の伝送装置への切り替え処理を実行しないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係るアクセスシステムおよび冗長切替方法は、装置異常時に装置の切り替えを実施することにより、ネットワーク停止のリスクを抑制することができる。また、異常状態にある特定セグメントのみの経路を切り替えることにより、他のセグメントに与える影響を少なくすることができる。これにより、ネットワークの信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】第1実施形態に係るアクセスシステム100の構成例を示す図である。
【図2】第1実施形態に係るアクセスシステム100において異常発生時の動作例を示す図である。
【図3】第1実施形態に係るアクセスシステム100で経路切り替え後の状態を示す図である。
【図4】第1実施形態に係るアクセスシステム100のL2SW102の構成例を示す図である。
【図5】ユーザデータ、特定フレームおよび制御フレームの送受信の様子を示す図である。
【図6】第1実施形態におけるL2SW102とL2SW103の処理を示すフローチャートである。
【図7】第2実施形態に係るアクセスシステム100aの構成例を示す図である。
【図8】第2実施形態に係るアクセスシステム100aにおいて異常発生時の動作例を示す図である。
【図9】第2実施形態に係るアクセスシステム100で迂回経路の形成動作を示す図である。
【図10】第2実施形態に係るアクセスシステム100で経路切り替え後の状態を示す図である。
【図11】第2実施形態におけるL2SW102aとL2SW103aの処理を示すフローチャートである。
【図12】応用例1における処理を示すフローチャートである。
【図13】予備系に異常が発生した時の動作を示す図である。
【図14】運用系と予備系との間で送受信する特定フレームの様子を示す図である。
【図15】応用例2における処理を示すフローチャートである。
【図16】従来の回線セレクタ方式の動作例を示す図である。
【図17】従来のリンクアグリゲーション方式の動作例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る「アクセスシステムおよび冗長切替方法」の実施形態について詳しく説明する。
(第1実施形態)
図1は第1実施形態に係るアクセスシステム100の構成例を示す図である。図1において、アクセスシステム100は、例えばイーサネット(登録商標)などのネットワーク101に接続される運用系のL2SW102と、予備系のL2SW103とを有する。尚、L2SWはレイヤ2に対応する伝送装置(スイッチ)の略である。
【0024】
そして、L2SW102およびL2SW103は冗長系を構成するための同じ機能を有する伝送装置で、ユーザ側の伝送装置(例えばL2SW104)の異なるポートに接続されている。図1の例では、L2SW102に接続するL2SW104のポートをポートA1(Port−A1)、L2SW103に接続するL2SW104のポートをポートA2(Port−A2)とする。但し、運用系のL2SW102が正常に動作している場合は、予備系のL2SW103の入力ポートはリンクダウン(Linkdown)状態になっているので、L2SW104のポートA2はリンクダウンを検出し、ポートA1とL2SW102との間でユーザデータを送受信する。逆に、L2SW102の入力ポートがリンクダウン状態にあり、L2SW103の入力ポートがリンクアップ状態にある場合は、L2SW104は自動的にポートA2を介してL2SW103との間でユーザデータを送受信する。これは、ユーザ装置が接続前に例えばARP(Address Resolution Protocol)によってブロードキャストフレームを送信した場合、L2SW104はブロードキャストフレームをフラッディングするが、フラッディングできないリンクダウンのポートは除かれるので、リンクアップしているポートを経由した通信路が自動的に確立されるからである。このようにして、L2SW104から送信されるユーザデータは、L2SW102またはL2SW103でリンクアップしている側の装置を介して送受信される。
【0025】
図1において、通常はL2SW102が運用系として動作し、L2SW104側から送られてくるユーザデータは、L2SW102からネットワーク101を介して形成される経路106により、L2SW102およびL2SW103の対向先であるL2SW105に送信される。尚、L2SW105は、さらに上位のネットワークまたは装置にユーザデータを伝送する。逆に、上位側から送られてくるユーザデータは、L2SW105からネットワーク101を介して経路106により、L2SW102で受信され、さらにユーザ側のL2SW105のポートA1に出力される。このようにして、ユーザデータはL2SW104とL2SW105との間で送受信される(矢印201)。ここまでの動作は、ユーザデータを1台の装置(L2SW102)とL2SW105との間で送受信するだけなので、従来と同じ動作である。
【0026】
本実施形態に係るアクセスシステム100では、L2SW102およびL2SW103と対向先のL2SW105との間で周期的に特定フレームを送受信する。特定フレームは、ネットワーク101の回線状態や通信先のL2SW105の装置状態をチェックするために周期的に送受信されるフレームで、例えばpingやイーサネット(登録商標)OEMなどの機能が用いられる。尚、特定フレームのフォーマットについては特に限定されず、一般的な宛先アドレスと送信元アドレスとを含むヘッダ部分と、装置状態などの情報を搭載するペイロード部分とを少なくとも含んでいればよい。
【0027】
図1において、L2SW102とL2SW105との間では経路106を介して特定フレームが送受信され(矢印202)、L2SW103とL2SW105との間では経路107を介して特定フレームが送受信される(矢印203)。尚、矢印203で送受信される特定フレームによって異常を検出した場合の処理は後の実施形態で説明する。また、矢印203の特定フレームの送受信は本実施形態で説明する予備系への切り替え処理には直接関係しない。
【0028】
さらに、本実施形態に係るアクセスシステム100において、L2SW102とL2SW103は専用回線108で接続され、制御フレームを送受信する。尚、本実施形態に係るアクセスシステム100では、専用回線108で接続しているが、ネットワーク101を介して制御フレームを送受信するようにしても構わない。この場合は、ユーザデータを送受信するポートとは異なるポートでネットワーク101に接続される。また、制御フレームは、相手のL2SWを制御するためのフレームで、例えばポートの有効/無効の切り替えなどの指令を示す要求メッセージや、指令に対する動作が正常に行われたか否かを示す応答メッセージなどで構成される。尚、制御フレームのフォーマットについては特に限定されず、一般的な宛先アドレスと送信元アドレスとを含むヘッダ部分と、要求メッセージや応答メッセージなどの情報を搭載するペイロード部分とを少なくとも含んでいればよい。
【0029】
図1において、正常時は運用系であるL2SW102とL2SW105の間の経路106でユーザデータの送受信(データ通信)が行われており、ポートA1とポートA2の間でネットワークループが形成されるのを回避するために、予備系であるL2SW103のユーザ側ポートの状態を無効(リンクダウン)にしている。そして、運用系のL2SW102が自装置異常または経路106の通信路異常を検出した場合、図2(a)に示すようにL2SW102のユーザ側ポート(L2SW104のポートA1に接続されるポート)の状態を無効にし、運用系のL2SW102は予備系のL2SW103に対して予備系から運用系に状態を変更するように指示する制御フレームを専用回線108を介して送信して(矢印204a)、L2SW102は予備系の状態に移行する。
【0030】
一方、図2(b)に示すように、予備系のL2SW103は、運用系のL2SW102から運用系への状態変更を指示する制御フレームを受信すると、L2SW103のユーザ側ポート(L2SW104のポートA2に接続されるポート)の状態を有効(リンクアップ)にする。そして、予備系のL2SW103は運用系のL2SW102に運用系への状態変更の完了を通知する制御フレームを送信して(矢印204b)、運用系の状態に移行する。この結果、図3に示すように、ユーザデータはL2SW104のポートA2から予備系のL2SW103を介してL2SW105に送受信される(矢印205)。尚、L2SW104のポートA1からポートA2への切り替えは、先に説明したように、L2SW104がポートA1のリンクダウンを検出した時に自動的に行われる。
【0031】
このようにして、運用系のL2SW102が装置異常や通信路異常を検出した場合、予備系のL2SW103への通信路の切り替えを装置単位で行うので、従来のように装置異常による通信断を回避することができる。
[L2SW102およびL2SW103の構成例]
図4は、L2SW102の構成例を中心にアクセスシステム100の全体構成を描いた図である。尚、図16と同符号のものは同じものを示す。また、L2SW103についてもL2SW102と同様の構成で、それぞれユーザ側の装置(L2SW104)の異なるポートに接続されている。
【0032】
図4において、L2SW102は、IF部151と、IF部152と、スイッチ部(SW部)153と、監視制御部154と、監視通信IF部155とを有する。
【0033】
IF部151は、L2SW104のポートA1に接続されてユーザデータを送受信するための物理的なインターフェースである。また、IF部152は、ネットワーク101側との間でユーザデータを送受信するための物理的なインターフェースである。尚、IF部151およびIF部152は複数のポートを有し、それぞれ他の装置やネットワークなどに接続される。
【0034】
SW部153は、IF部151とIF部152との間に配置され、送受信されるデータフレームの宛先やフレームの種類(ブロードキャストフレームなど)に応じてIF部151およびIF部152の入出力ポートが選択される。
【0035】
監視制御部154は、内部に予め記憶されたプログラムに従って動作するCPUで構成され、IF部151やIF部152およびスイッチ部153の異常の監視および制御を行う。
【0036】
監視通信IF部155は、ペアとなる冗長系の伝送装置(ここでは、予備系のL2SW103)との間に配置された専用回線108を介して制御フレームを送受信するための物理的なインターフェースである。
【0037】
特に、本実施形態に係るアクセスシステム100では、ユーザ側のL2SW104をネットワーク101に接続するためのアクセス用の伝送装置に特徴があり、L2SW102とL2SW103の2台の装置で冗長系を構成する。そして、図5に示すように、ユーザ側のL2SW104と通信先のL2SW105との間で送受信されるユーザデータ(矢印201)とは別に、同じ経路でL2SW102の監視制御部154と通信先のL2SW105との間で定期的に特定フレーム(矢印202)を送受信する。尚、特定フレームは、L2SW102およびL2SW105のそれぞれから予め決められた時間間隔(例えば1分毎など)で自動的に送信するようにしてもよいし、L2SW102またはL2SW105のいずれかからポーリング方式により特定フレームを要求して送信するようにしてもよい。ここで、特定フレームは、先に説明したように、予め決められた時間間隔内で受信されない場合に、通信路異常または通信相手の装置不良があったものと判断して、冗長系への切り替え処理を開始するためのフレームである。また、冗長系を構成する予備系のL2SW103は、ユーザデータを送受信していない場合でもL2SW102と同様に通信先のL2SW105との間で特定フレームを送受信する(矢印203)。
【0038】
さらに、運用系のL2SW102の監視制御部154は、監視通信IF部155を介して予備系のL2SW103との間で制御フレームを送受信する(矢印204)。
【0039】
このように、運用系のL2SW102および予備系のL2SW103は構成され、ユーザ側のL2SW104のポートA1またはポートA2を介してユーザデータは通信先のL2SW105との間で送受信される。
【0040】
次に、第1実施形態に係るアクセスシステム100の処理の流れについて図6のフローチャートを用いて説明する。図6のフローチャートは、運用系のL2SW102と予備系のL2SW103との処理の流れを示している。尚、各装置で実行する処理は、監視制御部154の内部に予め記憶されたプログラムに基づいて実行される。以下、順番に説明する。
【0041】
(ステップS101)L2SW102は運用系の伝送装置として稼動を開始し、図5の矢印201で示したように、L2SW104とL2SW105との間でユーザデータの送受信を行う。
【0042】
(ステップS102)L2SW102の監視制御部154は、稼動中において、特定フレームをL2SW105との間で定期的に送受信する。
【0043】
(ステップS103)L2SW102の監視制御部154は、L2SW105との間の通信路または自装置の異常を検出したか否かを判別する。そして、異常を検出した場合はステップS104に進み、異常を検出しない場合はステップS102に戻って特定フレームの送受信を継続して行う。尚、L2SW105から定期的に特定フレームを受信できない場合は通信路異常と判断し、IF部151、IF部152およびSW部153のいずれかからアラームが出力された場合は自装置異常と判断する。
【0044】
(ステップS104)L2SW102の監視制御部154は、ユーザ側のL2SW104のポートA1に接続されているポートを無効にする(Linkdown)。
【0045】
(ステップS105)L2SW102の監視制御部154は、専用回線108を介して運用系への状態変更を指示する制御フレームを予備系のL2SW103に送信する。
【0046】
(ステップS106)L2SW102の監視制御部154は、専用回線108を介して予備系のL2SW103から運用系への状態変更完了を通知する制御フレームを受信して、予備系への切り替えが完了したことを確認する。そして、保守者による通信路または装置の保守点検などが行われる。
【0047】
次に、予備系のL2SW103の処理について説明する。
【0048】
(ステップS151)L2SW103の監視制御部154は、ユーザ側のL2SW104のポートA2に接続されているポートを無効にし(Linkdown)、予備系として待機する。
【0049】
(ステップS152)L2SW103の監視制御部154は、待機中において、定期的に特定フレームをL2SW105との間で送受信処理と、ステップS103のように異常を検出する処理とを実行する(ここでは特定フレーム処理と称する)。そして、異常を検出した場合に、運用系のL2SW102に異常を通知する制御フレームを送信する。この場合の実施例については後で詳しく説明するが、ステップS152の処理を実行しなくても本実施形態で説明する予備系への切り替え動作には直接関係しない。
【0050】
(ステップS153)L2SW103の監視制御部154は、L2SW102から制御フレームを受信したか否かを判別し、受信した場合は次のステップに進み、受信しない場合は待機する。
【0051】
(ステップS154)L2SW103の監視制御部154は、ユーザ側のL2SW104のポートA2に接続されているポートを有効にする(Linkup)。
【0052】
(ステップS155)L2SW103の監視制御部154は、専用回線108を介して運用系のL2SW102に対して運用系への状態変更完了を通知する制御フレームを送信する。
【0053】
(ステップS156)L2SW103の監視制御部154は、運用系として稼動を開始する。
【0054】
このようにして、第1実施形態に係るアクセスシステム100は、運用系のL2SW102が装置異常や通信路異常を検出した場合に、予備系のL2SW103への通信路の切り替えを装置単位で行うので、装置異常が発生した場合でも通信断を回避でき、信頼性が高く安定した通信環境をユーザに提供することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係るアクセスシステム100aの構成例について図7を用いて説明する。尚、図7において、第1実施形態の図1と同符号のものは同じものを示す。本実施形態に係るアクセスシステム100aは、例えばイーサネット(登録商標)などのネットワーク101に接続される運用系のL2SW102aと、予備系のL2SW103aとを有する。第1実施形態と異なるのは、ユーザデータがVPN(Virtual Private Network)として形成されるVLAN(Virtual LAN)毎(セグメント単位)に送受信されることである。
【0055】
図7において、運用系のL2SW102aは、ユーザ側のL2SW104との間でVLAN−AとVLAN−Bにより接続される。VLAN−Aは矢印301に示すようにL2SW102aからネットワーク101を介してL2SW105に接続され、データ通信が行われる。VLAN−Bは矢印302に示すようにL2SW102aからネットワーク101を介してL2SW109に接続され、データ通信が行われる。
【0056】
また、L2SW102aおよびL2SW103aはL2SW105およびL2SW109との間で定期的に特定フレームを送受信している。図7の例において、VLAN−Aでは、L2SW102aとL2SW105との間で矢印303に示すように特定フレームが送受信され、L2SW103aとL2SW105との間で矢印304に示すように特定フレームが送受信される。VLAN−Bでは、L2SW102aとL2SW109との間で矢印305に示すように特定フレームが送受信され、L2SW103aとL2SW109との間で矢印306に示すように特定フレームが送受信される。
【0057】
このように、本実施形態に係るアクセスシステム100aでは、第1実施形態のアクセスシステム100と同様の動作や処理がVLAN単位で行われる。
【0058】
次に、VLAN−Aの通信路に異常が発生した場合の動作について説明する。図8に示すように、L2SW102aからL2SW105までのVLAN−Aの通信路に異常が発生すると、同じVLAN−Aで送受信しているデータ通信(矢印301)と特定フレーム(矢印303)がL2SW102aとL2SW105との間で送受信できなくなる。この場合、L2SW102aとL2SW109との間のVLAN−Bは正常に動作しており、VLAN−Bで送受信されるデータ通信(矢印302)と特定フレーム(矢印305)に問題は生じない。
【0059】
ここで、L2SW102aは、L2SW105から定期的に送信される特定フレームが受信できないので、VLAN−Aが通信路異常であることを検出する。そして、VLAN−Aを予備系に切り替えるために、予備系のL2SW103aに接続される専用回線108にVLAN−Aのユーザデータを送信する。一方、L2SW103aは、専用回線108を介して受信するVLAN−Aのユーザデータをネットワーク101を介してL2SW105に送信する。逆に、L2SW105から受信するVLAN−Aのユーザデータは、専用回線108を介してL2SW102aに送信され、ユーザ側のL2SW104を介してユーザ側に出力される(図9の矢印301aに示した迂回経路)。
【0060】
このように、本実施形態に係るアクセスシステム100aは、複数の装置で冗長系を構成しているので、複数のVLANでユーザデータを送受信する場合にVLAN単位で異常が生じた場合でも、VLAN単位で予備系に迂回経路を形成することができる。尚、本実施形態では、VLAN−Aに通信路異常がある場合について説明したが、VLAN−Aに関係する装置異常が生じた場合でも同様に迂回経路を形成して通信断を回避することができる。図10は、VLAN−Aを予備系のL2SW103aに切り替えた後の様子を示す図である。図10において、L2SW102aとL2SW105との間のVLAN−Aの通信路は使用できないので、専用回線108を介してL2SW103aに迂回して、L2SW103aからL2SW105にVLAN−Aを形成する(矢印301a)。
【0061】
次に、第2実施形態に係るアクセスシステム100aの処理の流れについて図11のフローチャートを用いて説明する。図11のフローチャートは、運用系のL2SW102aと予備系のL2SW103aの処理を示している。尚、各装置で実行する処理は、監視制御部154の内部に予め記憶されたプログラムに基づいて実行される。以下、順番に説明する。
【0062】
(ステップS201)L2SW102aは、運用系の伝送装置として稼動を開始し、L2SW104とL2SW105との間でVLAN単位でユーザデータの送受信が行われる。例えば図7の場合は、VLAN−Aは矢印301、VLAN−Bは矢印302でそれぞれ送受信される。
【0063】
(ステップS202)L2SW102aの監視制御部154は、稼動中において、VLAN単位で定期的に特定フレームをL2SW105との間で送受信する。例えば図7の場合はL2SW102aは、VLAN−Aを矢印303の経路で、VLAN−Bは矢印305の経路でそれぞれ送受信される。同様に、L2SW103aは、VLAN−Aを矢印304の経路で、VLAN−Bは矢印306の経路でそれぞれ送受信される。
【0064】
(ステップS203)L2SW102aの監視制御部154は、VLAN単位でL2SW105またはL2SW109との間の通信路異常を検出したか否かを判別する。そして、異常を検出した場合はステップS204に進み、異常を検出しない場合はステップS202に戻ってVLAN単位での特定フレームの送受信を継続して行う。尚、定期的に特定フレームがL2SW105から受信できないVLANがある場合に当該VLANの通信路異常と判断する。
【0065】
(ステップS204)L2SW102aの監視制御部154は、専用回線108を介してユーザ側のL2SW104のポートA1から出力されるVLAN−Aのユーザデータを予備系のL2SW103aに迂回して出力する(VLAN単位での予備系への切り替え処理)。これにより、VLAN−Aの予備系への切り替えが完了する。
【0066】
次に、予備系のL2SW103aの処理の流れについて説明する。
【0067】
(ステップS251)予備系のL2SW103aの監視制御部154は、ユーザ側のL2SW104のポートA2に接続されているポートを無効にし(Linkdown)、予備系として待機する。
【0068】
(ステップS252)L2SW103aの監視制御部154は、待機中において、定期的にVLAN単位で特定フレームをL2SW105またはL2SW109との間で送受信処理と、VLAN単位での通信路異常や自装置異常の検出を行う処理とを実行する。そして、異常を検出した場合に、運用系のL2SW102に異常を通知する制御フレームを送信するようにしてもよい。この場合の実施例については後の実施形態で詳しく説明する。
【0069】
(ステップS253)L2SW103aの監視制御部154から送信されるVLAN−Aのユーザデータは、L2SW103aからネットワーク101を介してL2SW102aに送信される。
【0070】
このようにして、第2実施形態に係るアクセスシステム100aは、運用系のL2SW102aがVLAN単位で通信路異常を検出し、予備系のL2SW103aに迂回して通信先のL2SW105との間でユーザデータを送受信することができる。
(応用例1)
次に、第1実施形態および第2実施形態の応用例1について説明する。応用例1では、予備系のL2SW103またはL2SW103aで異常を検出した場合に運用系のL2SW102またはL2SW102aに異常を検出したことを通知する制御フレームを専用回線108を介して送信する。そして、予備系の装置から異常通知を受けた運用系のL2SW102またはL2SW102aは、自装置で異常を検出した場合でも、第1実施形態や第2実施形態で説明したような経路の切り替えを行わないようにする。これにより、予備系に異常がある場合に無駄に切り替え動作を行わないようにすることができる。
【0071】
図12は、応用例1におけるL2SW102(L2SW102a)とL2SW103(L2SW103a)の処理を示すフローチャートである。尚、図12のフローチャートは本応用例1に関係のある処理のみを示してあり、図6および図11のフローチャートで説明した特定フレームを送受信する処理などは同じである。
【0072】
(ステップS351)L2SW103(L2SW103a)は、通信路異常(或いはVLAN単位の通信路異常)や装置異常を検出したか否かを判別し、異常を検出した場合はステップS352に進む。
【0073】
(ステップS352)L2SW103(L2SW103a)は、運用系のL2SW102(L2SW102a)にそれぞれ異常を検出したことを専用回線108の制御フレームで通知する。
【0074】
一方、運用系のL2SW102(L2SW102a)は次の処理を実行する。
【0075】
(ステップS301)L2SW103(L2SW103a)から制御フレームで異常通知を受信した運用系のL2SW102(L2SW102a)は、自装置側で通信路異常や装置異常を検出した場合でも予備系のL2SW103(L2SW103a)に切り替える処理を行わないように設定する。
【0076】
図13は、第2実施形態で説明した図7に対応する図である。図13(a)において、運用系のL2SW103aと通信先のL2SW105との間でVLAN−Aによるデータ通信が行われ、運用系のL2SW103aと通信先のL2SW109との間でVLAN−Bによるデータ通信が行われている。一方、予備系のL2SW103aと通信先のL2SW109との間においても図7で説明したように特定フレームの送受信がVLAN−AおよびVLAN−Bのそれぞれについて行われている。ところが、予備系のVLAN−Bの特定フレームの送受信(矢印306)に異常が生じた場合、図13(a)に示すように、L2SW103aはVLAN−Bの通信先であるL2SW109から特定フレームを受信できないので、通信路異常を検出する。そして、L2SW103aは、図13(b)に示すように、専用回線108を介してVLAN−Bの通信路異常を検出したことを通知する。これを受けた運用側のL2SW102aは、予備系のL2SW103aへのVLAN−Bの迂回を行わないように設定する。
【0077】
このようにして、本応用例では、予備系に異常がある場合に無駄に切り替え動作を行わないようにすることができる。
(応用例2)
次に、第1実施形態および第2実施形態の応用例2について説明する。応用例2では、運用系のL2SW102(L2SW102a)と予備系のL2SW103(L2SW103a)との間で特定フレームを定期的に送受信する。例えば図14(a)に示すように、運用系のL2SW102(L2SW102a)は専用回線108を介して特定フレームを矢印401aのように予備系のL2SW103(L2SW103a)に、逆に予備系のL2SW103(L2SW103a)から特定フレームを矢印401bのように運用系のL2SW102(L2SW102a)に、それぞれ定期的に送信する。
【0078】
ところが、図14(b)に示すように、予備系のL2SW103(L2SW103a)に装置異常がある場合は、矢印401bの特定フレームが送信されないので、運用系のL2SW102(L2SW102a)は定期的な時間間隔が過ぎても受信できず、予備系のL2SW103(L2SW103a)に異常が発生したと判断する。これにより、予備系に異常がある場合に無駄な切り替え動作を行わないようにすることができる。
【0079】
図15は、応用例2におけるL2SW102(L2SW102a)とL2SW103(L2SW103a)との間の処理の流れを示すフローチャートである。尚、図15のフローチャートは本応用例2に関係のある処理のみを示してあり、図6および図11のフローチャートで説明した特定フレームを送受信する処理を行うところで図15の処理を行うようにすればよい。以下、図15のフローチャートについて説明する。
【0080】
(ステップS451)予備系のL2SW103(L2SW103a)の監視制御部154は、専用回線108を介して定期的に特定フレームをL2SW102(L2SW102a)との間で送受信する。
【0081】
一方、運用系のL2SW102(L2SW102a)は次の処理を実行する。
【0082】
(ステップS401)L2SW102(L2SW102a)の監視制御部154は、専用回線108を介して定期的に特定フレームをL2SW103(L2SW103a)との間で送受信する。
【0083】
(ステップS402)L2SW102(L2SW102a)の監視制御部154は、特定フレームの異常を検出する。特定フレームの異常は、L2SW103(L2SW103a)から定期的に受信するはずの特定フレームを受信できなかった場合に異常であると判断する。
【0084】
(ステップS403)ステップS402で特定フレームの異常を検出すると、予備系のL2SW103(L2SW103a)に問題があると判断し、運用系のL2SW102(L2SW102a)は、自装置側で通信路異常や装置異常を検出した場合でも予備系のL2SW103(L2SW103a)に切り替える処理を行わないように設定する。
【0085】
このようにして、本応用例では、予備系に異常がある場合には無駄に切り替え動作を行わないようにすることができる。
【0086】
以上、各実施形態で説明してきたように、本発明に係るアクセスシステムおよび冗長切り替え方法は、装置異常時に装置の切り替えを実施することによりネットワーク停止のリスクを抑制し、また異常状態にある特定セグメント(VLANなど)だけの経路切り替えを実施することにより他セグメントへの影響を少なくし、ネットワークの信頼性を高めることができる。
【0087】
特に、本発明に係るアクセスシステムおよび冗長切り替え方法は、イーサネット(登録商標)システムのレイヤー2対応の伝送装置を用いるネットワークにおいて有効である。
【0088】
尚、本発明に係るアクセスシステムおよび冗長切り替え方法について、各実施例を挙げて説明してきたが、その精神またはその主要な特徴から逸脱することなく他の多様な形で実施することができる。そのため、上述した実施例はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明は、特許請求の範囲によって示されるものであって、本発明は明細書本文にはなんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内である。
【符号の説明】
【0089】
100・・・アクセスシステム
101・・・ネットワーク
102、103、104、105、109・・・L2SW
151、152・・・IF部
153・・・SW部
154・・・監視制御部
155・・・監視通信IF部
108・・・専用回線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ側に配置された伝送装置からネットワークを介して通信先装置にアクセスするアクセスシステムにおいて、
ユーザデータを冗長して送受信可能な前記伝送装置を複数台配置し、
前記伝送装置は、
前記通信先装置との間でユーザデータを送受信するデータ通信手段と、
通信路異常または自装置異常を検出する異常検出手段と、
前記複数の伝送装置間で制御フレームを送受信する制御フレーム通信手段と、
前記異常検出手段が異常を検出した場合に、予備系の前記伝送装置への切り替えを行う制御手段と
を有し、
前記制御手段は、自装置が運用系の前記伝送装置である場合、且つ、前記異常検出手段が異常を検出した場合、自装置のユーザ側ポートを閉塞する処理と、前記制御フレーム通信手段により予備系の伝送装置に運用系への状態変更を指令する制御フレームを送信する処理と、前記状態変更を指令する制御フレームを受信した場合に自装置のユーザ側ポートを開放する処理と
を実行することを特徴とするアクセスシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のアクセスシステムにおいて、
前記異常検出手段は、前記通信先の伝送装置との間で前記データ通信手段を介して特定フレームを定期的に送受信し、前記通信先の伝送装置から前記特定フレームが受信されない場合に伝送路異常と判断する
ことを特徴とするアクセスシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のアクセスシステムにおいて、
前記データ通信手段は、通信先装置との間でセグメント単位でユーザデータを送受信し、
前記異常検出手段は、前記セグメント単位での通信路異常または自装置異常を検出し、
前記制御フレーム通信手段は、前記複数の伝送装置間で前記セグメント毎のユーザデータを迂回して送受信し、
前記制御手段は、自装置が前記セグメントに対する運用系の前記伝送装置である場合、且つ、当該セグメントの異常を前記異常検出手段が検出した場合、当該セグメントのユーザデータを前記制御フレーム通信手段により前記予備系の伝送装置に転送する処理を行い、
前記予備系の伝送装置に転送された前記セグメントのユーザデータは、前記予備系の伝送装置の前記データ通信手段から前記通信先装置に送信される
ことを特徴とするアクセスシステム。
【請求項4】
請求項1から3に記載のアクセスシステムにおいて、
前記予備系の伝送装置の前記異常検出手段は、前記通信先の伝送装置との間で前記データ通信手段を介して特定フレームを定期的に送受信し、前記通信先の伝送装置から前記特定フレームが受信されない場合に伝送路異常と判断し、
前記予備系の伝送装置の前記制御手段は、伝送路異常であることを示す制御フレームを前記運用系の伝送装置に送信する処理を行い、
前記運用系の伝送装置の前記制御手段は、前記予備系の伝送装置から伝送路異常であることを示す制御フレームを受信した場合は前記予備系の伝送装置への切り替え処理を実行しない
ことを特徴とするアクセスシステム。
【請求項5】
請求項1から4に記載のアクセスシステムにおいて、
前記運用系の伝送装置と前記予備系の伝送装置との間で特定フレームを定期的に送受信して、
前記運用系の伝送装置の前記異常検出手段は、前記予備系の伝送装置から前記特定フレームを受信できない場合に予備系の伝送装置の異常と判断し、
前記運用系の伝送装置の前記制御手段は、前記予備系の伝送装置への切り替え処理を実行しない
ことを特徴とするアクセスシステム。
【請求項6】
ユーザ側に配置された伝送装置からネットワークを介して通信先装置にアクセスするアクセスシステムにおける冗長切替方法であって、
ユーザデータを冗長して送受信可能な前記伝送装置を複数台配置し、前記各伝送装置は、自装置が運用系の前記伝送装置である場合、且つ、通信路異常または自装置異常を検出した場合、自装置のユーザ側ポートを閉塞して、予備系の伝送装置に運用系に状態変更を指令する制御フレームを送信し、前記状態変更を指令する制御フレームを受信した場合に自装置のユーザ側ポートを開放する
ことを特徴とするアクセスシステムにおける冗長切替方法。
【請求項7】
請求項1に記載のアクセスシステムにおける冗長切替方法であって、
前記通信先の伝送装置との間で前記データ通信手段を介して特定フレームを定期的に送受信し、前記通信先の伝送装置から前記特定フレームが受信されない場合に伝送路異常と判断する
ことを特徴とするアクセスシステムにおける冗長切替方法。
【請求項8】
請求項1に記載のアクセスシステムにおける冗長切替方法であって、
前記伝送装置は、通信先装置との間でセグメント単位でユーザデータを送受信し、通信路異常または自装置異常を前記セグメント単位で検出し、自装置が前記セグメントに対する運用系の前記伝送装置である場合、且つ、当該セグメントの異常を検出した場合、当該セグメントのユーザデータは、前記予備系の伝送装置に転送され、前記予備系の伝送装置から前記通信先装置に送信される
ことを特徴とするアクセスシステムにおける冗長切替方法。
【請求項9】
請求項1から3に記載のアクセスシステムにおける冗長切替方法であって、
前記予備系の伝送装置は、前記通信先の伝送装置との間で前記データ通信手段を介して特定フレームを定期的に送受信し、前記通信先の伝送装置から前記特定フレームが受信されない場合に伝送路異常と判断し、伝送路異常であることを示す制御フレームを前記運用系の伝送装置に送信し、
前記運用系の伝送装置は、前記予備系の伝送装置から伝送路異常であることを示す制御フレームを受信した場合は前記予備系の伝送装置への切り替え処理を実行しない
ことを特徴とするアクセスシステムにおける冗長切替方法。
【請求項10】
請求項1から4に記載のアクセスシステムにおける冗長切替方法であって、
前記運用系の伝送装置と前記予備系の伝送装置との間で特定フレームを定期的に送受信して、
前記運用系の伝送装置は、前記予備系の伝送装置から前記特定フレームを受信できない場合に予備系の伝送装置の異常と判断し、前記予備系の伝送装置への切り替え処理を実行しない
ことを特徴とするアクセスシステムにおける冗長切替方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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