アクセスポイント名に基づく混雑状態の制御を取り扱う方法および関連する通信装置
【課題】無線通信システムにおけるモバイルデバイスにおいて、無線通信システムのアクセスポイント名(“APN”;Access Point Name)を用いてサービスを始動する方法を提供する。
【解決手段】モバイルデバイス(UE)はAPNとの複数の接続を有する。モバイルデバイス(UE)が複数の接続のうちの少なくとも1つの第2の接続を維持しつつ、複数の接続のうちの少なくとも1つの第1の接続をAPNから切断するステップと、少なくとも1つの第1の接続をAPNから切断した後に、APNを用いてサービスを始動するステップとを含んでおり、APNが混雑状態またはオーバーロード状態である。
【解決手段】モバイルデバイス(UE)はAPNとの複数の接続を有する。モバイルデバイス(UE)が複数の接続のうちの少なくとも1つの第2の接続を維持しつつ、複数の接続のうちの少なくとも1つの第1の接続をAPNから切断するステップと、少なくとも1つの第1の接続をAPNから切断した後に、APNを用いてサービスを始動するステップとを含んでおり、APNが混雑状態またはオーバーロード状態である。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔関連出願件に関する記述〕
本願は、米国特許仮出願第61/390,166号(出願日2010年10月5日、発明の名称:「Method of APN based congestion control by using NAS level request with back-off timer or NAS level rejection with back-off timer」)の利益を主張するものであり、該特許仮出願の内容は全てここに引用されるものとする。
【0002】
〔背景技術〕
〔1.技術分野〕
本発明は、無線通信システムにおいて使用される方法および関連通信装置に関し、さらに具体的には、アクセスポイント名(“APN”;Access Point Name)に基づく混雑状態の制御を取り扱う方法および関連する通信装置に関する。
【0003】
〔2.先行技術に関する記述〕
第3世代パートナーシッププロジェクト(“3GPP”;3rd Generation Partnership Project)によって、3GPP Rel−8標準規格および/または3GPP Rel−9標準規格をサポートするロング・ターム・エボリューション(“LTE”;Long−Term Evolution)システムが、ユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーション・システム(“UMTS”;Universal Mobile Telecommunications System)の後継規格として、UMTSの性能をさらに強化して、増加するユーザ需要を満たせるように開発されている。LTEシステムは、高いデータレート、低い遅延性、パケット最適化、ならびに、より優れたシステム容量およびサービス提供エリアを提供する、新しいラジオインターフェースとラジオネットワークアーキテクチャとを備えている。LTEシステムでは、進化型UTRAN(“E−UTRAN”;Evolved UTRAN)として知られているラジオアクセスネットワークが、複数のユーザ装置(“UE”;User Equipment)と通信するための複数の進化型NB(“eNB”;Evolved NB)を備え、非アクセス層(“NAS”;Non−access Stratum)を制御するために、モビリティ管理エンティティ(“MME”;Mobility Management Entity)、サービング・ゲートウェー(Serving Gateway)などを含めたコアネットワークと通信する。
【0004】
LTE−Advanced(LTE−A)システムは、その名前が示すように、LTEシステムが進化型システムである。LTE−Aシステムは、複数のパワー(power)状態間でより速いスイッチングを行うこと目標とし、eNBのサービス提供エリアの周縁部で性能を改善し、例えばキャリアアグリゲーション(“CA”;Carrier Aggregation)、セル間協調送受信(“CoMP”Coordinated Multipoint Transmission/Reception)、アップリンクマルチ入力マルチ出力(“MIMO”;Multiple−input Multiple−output)などの高度な技術を利用している。LTE−AシステムにおいてUEとeNBとが互いに通信するためには、UEおよびeNBがLTE−Aシステムに適用するために開発された標準規格(例えば3GPP Rel−10標準規格、または、これより後のバージョンの標準規格)をサポートしていなければならない。
【0005】
アクセスポイント名(APN)は、LTEシステムおよびLTE−Aシステムにおいてパケットデータ接続を確立するために使用され、MMEによって管理される。また、APNは、パケットデータネットワーク(“PDN”;Packet Data Network)またはサービスタイプ(例えばマルチメディアメッシセージングサービス(“MMS”;Multimedia Messaging Service))を特定するために使用され、上記PDNまたはサービスタイプはパケットデータ接続で伝送される。
【0006】
先行技術では、APNが混雑状態、つまりオーバーロード(overload)状態であれば、MMEは、UEによって送信されるAPNを用いて、アタッチリクエスト、トラッキングエリア更新、ルーティングエリア更新、または、サービスリクエストを拒否する。また、MMEはモビリティ管理バックオフタイマー(Mobility Management back−off timer)を用いてUEに対して応答する。一方、MMEが、UEによって送信されるAPNを用いて、PDN接続リクエスト、PDN接続切断リクエスト、進化型パケットシステム(“EPS”;Evolved Packet System)有効化リクエスト、または、EPS無効化リクエストを拒否する場合は、MMEはセッション管理バックオフタイマー(Session Management back−off timer)を用いてUEに対して応答する。いずれか場合においても、対応するバックオフタイマーが時間切れになる前に、UEが同じリクエストをMMEに送信することは許可されない。換言すれば、UEは、対応するバックオフタイマーが動作しているかぎり、混雑しているAPNに対して同じリクエストを再度MMEに送信することができない。ただし、UEは、たとえモビリティ管理バックオフタイマーまたはセッション管理バックオフタイマーが動作している場合であっても、高優先度サービスまたは緊急サービスを実現するためであれば、APNに対してモビリティ管理過程またはセッション管理過程を始動することが許可されている。この状況では、APNが依然混雑状態にあって高優先度サービスまたは緊急サービスを提供するためのリソースがないので、MMEは高優先度サービスまたは緊急サービスを拒否し、高優先度サービスまたは緊急サービスのアクセスに遅延が発生する。したがって、高優先度サービスまたは緊急サービスの遅延が原因となって、災害が発生する可能性がある。
【0007】
さらに、バックオフタイマーが時間切れになると、UEはMMEにリクエストを再度送信することができる。ただし、APNが、依然として混雑状態にあって、リクエストを受け入れるためのリソースがなく、MMEはリクエストを再度拒否する必要がある可能性はある。APNが長時間混雑状態にあれば、UEは何度もMMEにリクエストを送信することもあり、これに対して、MMEは、混雑状態が解消されるまで、つまり、リクエストを受け入れるリソースが利用可能になるまで、何度もリクエストを拒否する。何度も再送および拒否することによって、APNの混雑状態は悪化し、MMEの負荷が増加する。この状況では、リクエストの遅延が増加するだけではなく、他のUEによって送信される他のリクエストの遅延も増加する。
【0008】
したがって、高優先度サービスおよび緊急サービスをどのようにしてすばやく取り扱うのかということが、議論し解決すべき課題である。さらに、MMEができるだけ早くリクエストを受け入れられるように、APNの混雑状態を緩和することが重要である。したがって、APNの混雑状態緩和するためのメカニズムが必要とされている。
【0009】
〔先行技術文献〕
〔非特許文献〕
〔非特許文献1〕3GPP TSG SA WG2 Meeting #80 S2−104406 30 August − 3 September,2010,Brunstad,Norway,“NAS level reject per APN with back−off timer function”
〔非特許文献2〕3GPP TS 23.401 V10.1.0(2010−09)Technical Specification 3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Services and System Aspects; General Packet Radio Service(GPRS)enhancements for Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network(E−UTRAN)access(Release 10)
〔非特許文献3〕3GPP TS 24.301 V10.0.0(2010−09)Technical Specification 3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Core Network and Terminals; Non−Access−Stratum(NAS)protocol for Evolved Packet System(EPS); Stage 3(Release 10)
【0010】
〔発明の概要〕
したがって、本発明は、アクセスポイント名(APN)に基づく混雑状態の制御を取り扱う方法および関連する通信装置を提供し、上述の問題の解決を図るものである。
【0011】
無線通信システムにおけるモバイルデバイスにおいて、無線通信システムのアクセスポイント名(APN)を用いて、サービスを始動する方法を開示する。上記モバイルデバイスはAPNとの複数の接続を有する。本方法は、上記モバイルデバイスが上記複数の接続のうちの少なくとも1つの第2の接続を維持しつつ、上記複数の接続のうちの少なくとも1つの第1の接続をAPNから切断するステップと、上記少なくとも1つの第1の接続をAPNから切断した後に、上記APNを用いて、サービスを始動するステップとを含んでおり、上記APNは混雑状態またはオーバーロード状態である。
【0012】
無線通信システムのネットワークにおけるサービスを取り扱う方法を開示する。本方法は、上記無線通信システムにおいて、アクセスポイント名(APN)との複数の接続を有するモバイルデバイスが、無線通信システムの上記APNを介してサービスにアクセスするために、上記モバイルデバイスから上記サービスを要求するリクエストを受信するステップと、上記ネットワークが上記複数の接続のうちの少なくとも1つの第2の接続を維持しつつ、上記モバイルデバイスの複数の接続のうちの少なくとも1つの第1の接続を切断するステップとを含んでおり、上記APNは混雑状態またはオーバーロード状態である。
【0013】
無線通信システムのネットワークにおいて、無線通信システムにおける複数のモバイルデバイスを取り扱う方法を開示する。上記複数のモバイルデバイスのそれぞれが、無線通信システムのアクセスポイント名(APN)との少なくとも1つの接続を有している。本方法は、上記複数のモバイルデバイスから、優先度が高い上記APNとの接続を有していない少なくとも1つのモバイルデバイスを選択するステップと、上記少なくとも1つのモバイルデバイスに、上記少なくとも1つのモバイルデバイスをAPNからデタッチするリクエストメッセージをバックオフタイマーとともに送信するステップとを含んでおり、上記APNは混雑状態またはオーバーロード状態である。
【0014】
無線通信システムのネットワークにおいて、無線通信システムにおけるモバイルデバイスの少なくとも1つの接続の少なくとも1つのベアラを取り扱う方法を開示する。上記モバイルデバイスは、無線通信システムのアクセスポイント名(APN)との上記少なくとも1つの接続を有している。本方法は、上記少なくとも1つのベアラを上記少なくとも1つの接続から選択するステップと、上記モバイルデバイスに、上記モバイルデバイスの上記少なくとも1つのベアラを無効化することを要求する無効化リクエストメッセージをバックオフタイマーとともに送信するステップとを含んでおり、上記APNは混雑状態またはオーバーロード状態である。
【0015】
無線通信システムのネットワークにおいて、無線通信システムにおけるモバイルデバイスの少なくとも1つの接続の少なくとも1つのベアラを取り扱う方法を開示する。上記モバイルデバイスは、無線通信システムのアクセスポイント名(APN)との上記少なくとも1つの接続を有している。本方法は、上記少なくとも1つの接続の上記少なくとも1つのベアラを、少なくとも1つのクオリティ・オブ・サービス(“QoS”;Quality of Service)パラメータを調整するために決定するステップと、上記少なくとも1つの接続の上記少なくとも1つのベアラの上記少なくとも1つのQoSパラメータの調整を上記モバイルデバイスに指示するために、リクエストメッセージを上記モバイルデバイスに送信するステップとを含んでおり、上記APNは混雑状態またはオーバーロード状態である。
【0016】
本発明の上記目的およびその他の目的は、以下の図面に示す好適な実施形態についての詳細な説明を読めば、当業者には明らかになるであろう。
【0017】
〔図面の簡単な説明〕
図1は、本発明に係る一例としての無線通信システムの概略図である。
【0018】
図2は、本発明に係る一例としての通信装置の概略図である。
【0019】
図3は、本発明に係る一例としてのプロセスのフローチャートである。
【0020】
図4は、本発明に係る一例としての無線通信システムの概略図である。
【0021】
図5は、本発明に係る一例としてのプロセスのフローチャートである。
【0022】
図6は、本発明に係る一例としてのプロセスのフローチャートである。
【0023】
図7は、本発明に係る一例としての無線通信システムの概略図である。
【0024】
図8は、本発明に係る一例としてのプロセスのフローチャートである。
【0025】
図9は、本発明に係る一例としての無線通信システムの概略図である。
【0026】
図10は、本発明に係る一例としてのプロセスのフローチャートである。
【0027】
〔詳細な説明〕
図1は、本発明の一例に係る無線通信システム10の概略図である。無線通信システム10は、無線アクセスシステム(例えばロング・ターム・エボリューション(LTE)システムまたはLTE−Advanced(LTE−A)システム)、コアネットワーク、ユーザ装置(UE)、ならびに、2つのパケットデータネットワーク(PDN)PDN1およびPDN2を備えている。PDNは、例えばインターネットやIMSなどのサービスを、無線アクセスシステムを介してUEに提供する。上記コアネットワークは、例えば、進化型パケットコア(“EPC”Evolved Packet Core)ネットワークまたはGPRS(General Packet Radio Service)ネットワークであればよく、UEのPDN接続を非アクセス層(“NAS”;Non access Stratum)プロトコルに基づいて管理する。UEがアクセスしようとするPDNは、「アクセスポイント名」(APN)の情報(例えば図1に示すAPN1およびAPN2)によって決められており、該「アクセスポイント名」(APN)は、所望のサービスがどこで利用可能であるかを示唆するための、PDNに対するレファレンスである。上記コアネットワークは、PDN接続を設定するためにPDNを選択する際には、APNを使用する。詳細に述べると、UEは、APNとのPDN接続を確立してサービス(例えばPDN接続/接続切断リクエスト、進化型パケットコア(EPS)ベアラコンテキスト有効化/無効化など)を受けるために、例えば拡張セッション管理(“ESM”;Extended Session Management)リクエストを、NASシグナリングを介してコアネットワークに送信する。コアネットワークは、基準(例えばAPNの負荷)にしたがって上記リクエストを受け入れるか、または、拒否するかを決定する。UEは、コアネットワークがリクエストを受け入れるときにかぎって、サービスにアクセスすることが許可される。その他の場合には、UEは、リクエストの拒否を示唆するレスポンスをバックオフタイマーとともに受信する。UEがサービスを受けるために関連するAPNに対してPDN接続をするリクエストを再送できるのは、バックオフタイマーが時間切れになった後、つまりバックオフタイマーの動作が停止された後に限られる。
【0028】
図1において、無線アクセスシステム、コアネットワーク、PDNを示すAPN、および、UEは、無線通信システム10の構成を例示するために用いたものに過ぎない。実際には、上記無線アクセスシステムは、例えば、無線LAN(“WLAN”;Wireless Local Area Network)のアクセスポイント(AP)、ワイマックス(“WiMAX”;Worldwide Interoperability for Microwave Access)の基地局、複数のノードB(“NB”;Node B)を備えたユニバーサル地上波無線アクセスネットワーク(“UTRAN”;Universal Terrestrial Radio Access Network)、複数の進化型ノードB(“eNB”;Evolved NB)を備えた進化型UTRAN(E−UTRAN)などの、別のアクセス技術を備えたものであってもよい。つまり、UEは、異なる無線アクセスインターフェースを介して複数のPDN接続を有し、同じAPNに関連する同じPDNに接続してもかまわない。さらに、コアネットワークは、好ましくは、PDN接続およびPDN接続内のEPSベアラを管理するためのリクエストおよびレスポンスを、コアネットワーク中のMME/SGSNとUEとの間で送受信することができるように、モバイル交換センタ(MSC)、モビリティ管理エンティティ(MME)、SGSN(Serving GPRS Support Network)、サービング・ゲートウェー(“SGW”;Serving Gateway)、PDNゲートウェイ(PGW)、および、GGSN(Gateway General packet radio service Support Node)を備えている。UEは、例えば、携帯電話、ラップトップ、タブレットコンピュータ、電子書籍、マシン通信(“MTC”;Machine−type Communication)装置、携帯用コンピュータシステムなどのモバイルデバイスであってもよい。
【0029】
図2は、本発明の一例に係る通信装置20の概略図である。通信装置20は、図1に示すUEまたはコアネットワークであってもよいが、これらの例に限定されるわけではない。通信装置20は、例えば、プロセッサ(例えばマイクロプロセッサまたは特定用途向け集積回路(ASIC))200、記憶ユニット210、および、通信インターフェースユニット220を備えている。記憶ユニット210は、例えば、プロセッサ200がアクセスするプログラムコード214を記憶可能な任意のデータ記憶装置であればよい。記憶ユニット210の例としては、加入者同定モジュール(“SIM”;Subscriber Identity Module)、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、CD−ROM/DVD−ROM、磁気テープ、ハードディスク、光学データ記憶装置などがあげられるが、これらの例に限定されるものではない。通信インターフェースユニット220は、好ましくは送受信機であって、プロセッサ200の処理結果に応じてコアネットワークで、コントロールプレーン(control plane)およびユーザプレーン(user plane)において信号/メッセージを送受信することができる。
【0030】
図3は、本発明の一例に係るプロセス30のフローチャートである。プロセス30は、図1に示すUEによって、実行される。UEは同じAPNに関連する複数のPDN接続を有し、APNを用いて、サービスの始動の準備をする。プロセス30はプログラムコード214にコンパイルされてもよく、以下の各ステップを含んでいる。
【0031】
ステップ300:スタート。
【0032】
ステップ302:UEが複数のPDN接続のうちの少なくとも1つの第2のPDN接続を維持しつつ、複数のPDN接続のうちの少なくとも1つの第1のPDN接続をAPNから切断する。
【0033】
ステップ304:少なくとも1つの第1のPDN接続をAPNから切断した後に、APNを用いて、サービスを始動する。
【0034】
ステップ306:エンド。
【0035】
プロセス30によれば、UEがAPNを用いて、サービスを始動する前に、UEは、サービスの受け入れ速度を向上させるために、まず、上記複数の接続のうちの少なくとも1つの第1のPDN接続のリソースを解放して、この少なくとも1つの第1のPDN接続をAPNから切断する。さらに、UEは、上記複数のPDN接続のうちの少なくとも1つの第2のPDN接続を維持する。つまり、UEは、APNとのアタッチステータスを維持するために、上記APNとのすべてのPDN接続を切断するわけではない。したがって、APNが混雑状態にある場合には、APNは、UEが解放したばかりの少なくとも1つの第1のPDN接続のリソースを使用することによって、依然UEにサービスを提供することができる。UEは遅延することなくサービスにアクセスすることができる。
【0036】
一例を図4に示す。図4は本発明の一例に係る無線通信システム40の概略図である。図4は図1を変更したもので、これを用いてプロセス30について説明する。図4では、UEは、APNとのPDN−PDN1〜PDN4接続を有し、リクエストをコアネットワーク(例えばEPCネットワーク)に送ることによって、該APNを用いて、サービスの始動の準備をする。上記APNが混雑状態にある(つまりオーバーロード状態である)場合、UEは、APNの混雑状態の情報を、APNに関するセッション管理リクエストメッセージのためのバックオフタイマー、および、拒否メッセージから、または、ブロードキャストチャンネルから取得することができる。UEは、PDN−PDN2〜PDN4接続を能動的に切断し、PDN−PDN1接続だけを維持して、APNとのアクティブアタッチステータスを維持することができる。したがって、PDN−PDN2〜PDN4接続のリソースが解放されてAPNによって使用可能になり、高優先度サービスまたは緊急サービスに対するリクエストの受け入れ速度が向上される。
【0037】
なお、UEがどのPDN接続を選択して切断決定の際の基準とするのかは、限定されない。例えば、この基準は、UEのユーザの優先順位であっても、PDN−PDN1〜PDN4接続の活動性(Activity)であっても(例えば活動性が低いPDN接続を切断する)、PDN−PDN1〜PDN4接続の優先度であっても(例えば優先度が低いPDN接続を切断する)、または、これらの任意の組み合わせであってもかまわない。換言すれば、UEは、リクエストするサービスの優先度に比べて優先度が低いPDN接続を切断し、少なくとも1つのPDN接続を維持してもよい。また、UEは、PDN−PDN1〜PDN4接続の優先度を比較し、少なくとも1つの最低の優先度を有する少なくとも1つのPDN接続を選択して、この少なくとも1つのPDN接続を切断してもよい。アタッチステータスを維持するための少なくとも1つのPDN接続が維持されるので、UEはAPNに再アタッチする必要がなく、余計な遅延が回避される。したがって、優先/緊急サービスのためのPDN接続が確立される場合に、コアネットワークは優先度が比較的低い別のPDN接続を切断することができる。
【0038】
したがって、上述の例示およびプロセス30によれば、UEがAPNを用いて、サービス(特に高優先度サービスまたは緊急サービス)の始動を準備する際、該APNが混雑状態にある場合、UEは、APNとの少なくとも1つの不要なPDN接続を切断し、少なくとも1つのPDN接続のリソースを得ることができる。バックオフタイマーがAPNの混雑状態の制御のためにUEにおいて動作している場合、または、UEがAPNとの接続をブロードキャストチャンネルから認識している場合には、UEは、PDN接続を切断するためのPDN接続切断メッセージをネットワークに送信することができる。好ましくは、上記PDN接続切断メッセージは、3GPP標準規格にて規定される“PDN DISCONNECT REQUEST”メッセージである。したがって、上述の少なくとも1つのPDN接続のリソースを使用することによって、サービスが比較的速い受け入れ速度で受け入れられるようになる。
【0039】
混雑している同じAPNに関連する複数のPDN接続を有するUEからサービスにアクセスするためにリソース不足を解消することにだけではなく、コアネットワーク側でのリソース不足を解消することも効果的である。図5は、本発明の一例に係るプロセス50のフローチャートである。プロセス50は、図1に示すコアネットワークによって実行される。プロセス50はプログラムコード214にコンパイルされてもよく、以下の各ステップを含んでいる。
【0040】
ステップ500:スタート。
【0041】
ステップ502:無線通信システムにおいて、APNとの複数のPDN接続を有するUEがAPNを介してサービスにアクセスするために、UEからサービスを要求するリクエストを受信する。
【0042】
ステップ504:コアネットワークが、複数のPDN接続のうちの少なくとも1つの第2のPDN接続維持しつつ、UEの複数のPDN接続のうちの少なくとも1つの第1のPDN接続を切断する。
【0043】
ステップ506:エンド。
【0044】
プロセス50によれば、UEがAPNを介してサービスにアクセスするために、UEからサービスを要求するリクエストを、コアネットワークが受信する際に、上記UEはAPNとの複数のPDN接続をすでに有しており、コアネットワークは、サービスの受け入れ速度を向上させるために、このUEの複数のPDN接続のうちの少なくとも1つの第1のPDN接続のリソースを解放して、この少なくとも1つの第1のPDN接続を切断する。さらに、コアネットワークは、上記複数のPDN接続のうちの少なくとも1つの第2のPDN接続を維持する。つまり、コアネットワークは、UEのAPNとのアタッチステータスを維持するために、UEとAPNとの間のすべてのPDN接続を切断するわけではない。したがって、APNが混雑状態にある場合には、APNは、コアネットワークが解放したばかりの少なくとも1つの第1のPDN接続のリソースを使用することによって、依然UEにサービスを提供することができる。よって、UEは遅延することなくサービスにアクセスすることができる。
【0045】
一例として、図4を用いてプロセス50について説明する。図4では、UEが1つのAPNとの複数のPDN−PDN1〜PDN4接続を有し、リクエストをコアネットワークに送ることによって、サービスの始動の準備をする。上記APNが混雑状態にある(つまりオーバーロード状態である)ので、コアネットワークは、UEのPDN−PDN2〜PDN4接続を切断することによって、ネットワークの混雑状況を能動的に解消することができ、PDN−PDN1接続だけを維持して、UEのAPNとのアタッチステータスを維持する。コアネットワークは、PDN接続切断リクエストメッセージをUEに送信し、PDN接続のすべてのEPSベアラを無効化(つまり接続を切断)することができる。好ましくは、上記無効化リクエストメッセージは、3GPP標準規格にて規定される“DEACTIVATE EPS BEARER CONTEXT REQUEST”メッセージである。したがって、PDN−PDN2〜PDN4接続のリソースが解放され、高優先度サービスまたは緊急サービスに対するリクエストの受け入れ速度が向上される。
【0046】
なお、コアネットワークがどのPDN接続を選択して接続切断の際の基準とするのかは、限定されない。例えば、この基準は、コアネットワークの優先順位であっても、PDN−PDN1〜PDN4接続の活動性であっても(例えば活動性が低いPDN接続を切断する)、PDN−PDN1〜PDN4接続の優先度であっても(例えば優先度が低いPDN接続を切断する)、または、これらの任意の組み合わせであってもかまわない。換言すれば、コアネットワークは、リクエストするサービスの優先度に比べて優先度が低いPDN接続を切断し、少なくとも1つのPDN接続を維持してもよい。また、コアネットワークは、PDN−PDN1〜PDN4接続の優先度を比較し、少なくとも1つの最低の優先度を有する少なくとも1つのPDN接続を選択して、この少なくとも1つのPDN接続を切断してもよい。アタッチステータスを維持するための少なくとも1つのPDN接続が維持されるので、UEはAPNに再アタッチする必要がなく、余計な遅延が回避される。したがって、優先/緊急サービスのためのPDN接続が確立される場合に、コアネットワークは優先度が比較的低い別のPDN接続を切断することができる。
【0047】
したがって、上述の例示およびプロセス50によれば、UEが、リクエストを送ることによって、APNを用いて、サービス(特に高優先度サービスまたは緊急サービス)のためのPDN接続の始動を準備する際、該APNが混雑状態にある場合、このUEを管理するコアネットワークは、該APNに関連する少なくとも1つのPDN接続を切断することができる。したがって、UEの少なくとも1つの切断されたPDN接続から解放されたリソースを使用することによって、該サービスのための新しいPDN接続が比較的速い受け入れ速度で受け入れられるようになる。
【0048】
上述の各例では、UEがサービスを受けるためにAPNとのPDN接続の始動の準備をする際に、リソース不足をどのようにして解消するかについて説明した。ただし、APNが長時間にわたって混雑状態にある場合には、UEでバックオフタイマーが非優先サービス/非緊急サービスを受けるために使用されているにも関わらず、UEは、優先/緊急サービスを要求するリクエストを何度も再送し続けることがある。この複数回の再送および拒否によって、APNの混雑状態は悪化し、コアネットワークの負荷は増加する。この状況では、UEによって送信されるリクエストをコアネットワークがただちに受け入れることができるように、リソースをあらかじめ解放しておくことが好ましい。
【0049】
図6は、本発明の一例に係るプロセス60のフローチャートである。プロセス60は、APNに関連する少なくとも1つのPDN接続を個々に有する複数のUEを取り扱うために、図1に示すコアネットワークによって実行される。プロセス60はプログラムコード214にコンパイルされてもよく、以下の各ステップを含んでいる。
【0050】
ステップ600:スタート。
【0051】
ステップ602:優先度が高いAPNとのPDN接続を有しない少なくとも1つのUEを、複数のUEから選択する。
【0052】
ステップ604:上記少なくとも1つのUEをAPNからデタッチするために、リクエストメッセージをバックオフタイマーとともに上記少なくとも1つのUEへ送信する。
【0053】
ステップ606:エンド。
【0054】
プロセス60によれば、APNが混雑状態にあることをコアネットワークが検出すると、コアネットワークは、まず、複数のUEから、優先度が高いAPNとのPDN接続を有しない少なくとも1つのUEを選択する。次に、この少なくとも1つのUEをAPNからデタッチするために、コアネットワークは、リクエストメッセージをバックオフタイマーとともにこの少なくとも1つのUEに送信する。換言すれば、コアネットワークは、UEが送信してくるサービスを要求するリクエストを待って、そのサービスが提供されるためのリソースを見つけることを試みるのではなく、あらかじめAPNの混雑状態を能動的に解消しておくのである。したがって、サービスの受け入れ速度を向上させることができるだけではなく、リクエストがUEとコアネットワークとの間で複数回拒否または再送されることを減少させることもできる。よって、拒否および再送を何度も送信するためのリソースが節約でき、さらに、コアネットワークの負荷を軽減することができる。
【0055】
一例をあげれば、図7は本発明の一例に係る無線通信システム70の概略図である。図7は、プロセス60を説明するために使用される。無線通信システム70において、同じAPNに関連するPDN接続を有する複数のUE1〜UE4が存在し、コアネットワークがこれらのUE1〜UE4を管理する。具体的には、各UE1〜UE4が、上記APNに関連する少なくとも1つのPDN接続を有する。上記APNは混雑状態にあり(つまりオーバーロード状態であり)、コアネットワークは、あらかじめリソースを解放しておくことを決定する。PDN接続を有するUE1〜UE4を調べた後に、コアネットワークは、リクエストメッセージをバックオフタイマーとともにUE1〜UE3に送ることによって、UE1〜UE3をコアネットワークからデタッチする(つまり、UE1〜UE3をAPNからデタッチする)。コアネットワークがUE1〜UE3を選択する基準は限定されない。例えば、この基準は、UE1〜UE3が優先度の高いPDN接続(つまり、高優先度サービスまたは緊急サービスを伝送するPDN接続)を有しないことであってもよい。UE1〜UE3がリクエストメッセージ(このリクエストメッセージは、好ましくは、3GPP標準規格にて規定される“DETACH REQUEST”メッセージである)を受信した後に、UE1〜UE3はコアネットワークからデタッチし、バックオフタイマーが時間切れになるまで、つまり、バックオフタイマーの動作が停止されるまでは、上記APNにアタッチすることを、コアネットワークに対して要求しない。したがって、コアネットワークが、遅延することなく高優先度サービスまたは緊急サービスを提供するためのリソースを得られるだけではなく、リクエストがUEとコアネットワークとの間で複数回拒否または再送されることを減少させることもできる。
【0056】
したがって、上述の例示およびプロセス60によれば、APNが混雑状態にある場合、コアネットワークは、上記APNに関連するPDN接続を有する少なくとも1つのUEを能動的にデタッチし、この少なくとも1つのUEからリソースを解放する。デタッチされたUEは、バックオフタイマーが時間切れになる前にコアネットワークに再アタッチすることはできない。この状況では、高優先度サービスまたは緊急サービスを要求しているUEに対してこのようなサービス提供するための十分なリソースを、コアネットワークが有することができる。したがって、受け入れ速度を向上させることができるだけではなく、リクエストがUEとコアネットワークとの間で複数回拒否または再送されることを減少させることもできる。拒否および再送を何度も送信するためのリソースが節約でき、さらに、コアネットワークの負荷を軽減することができる。
【0057】
ただし、UEがコアネットワークからデタッチされると、UEは、APNに再アタッチするためにアタッチ手順を実行する必要がある。アタッチ手順の各種信号は、UEとコアネットワークとの間で送受信される。一般には、この信号の送受信に大量のリソースおよび電力を消費することになる。したがって、UEをコアネットワークからデタッチすることが、APNの混雑状態を解消するための効果的な方法ではあるが、APNの混雑状態があまりひどくない場合には、UEをデタッチすることよりも柔軟な方法も効果的かもしれない。
【0058】
図8は、本発明の一例に係るプロセス80のフローチャートである。プロセス80は、UEのAPNに関連する少なくとも1つのPDN接続の少なくとも1つのEPSベアラを取り扱うために、図1に示すコアネットワークによって実行される。プロセス80はプログラムコード214にコンパイルされてもよく、以下の各ステップを含んでいる。
【0059】
ステップ800:スタート。
【0060】
ステップ802:少なくとも1つのPDN接続から少なくとも1つのEPSベアラを選択する。
【0061】
ステップ804:UEの少なくとも1つのPDN接続の少なくとも1つのEPSベアラを無効化することを要求する無効化リクエストメッセージをバックオフタイマーとともにUEに送信する。
【0062】
ステップ806:エンド。
【0063】
プロセス80によれば、APNが混雑状態にあることをコアネットワークが検出すると、コアネットワークは、少なくとも1つのPDN接続から少なくとも1つのEPSベアラを選択し、無効化リクエストメッセージをバックオフタイマーとともにUEに送信して、UEの少なくとも1つのPDN接続の少なくとも1つのEPSベアラを無効化する。UEは、バックオフタイマーが時間切れになる前に、上記少なくとも1つのPDN接続の上記少なくとも1つのEPSベアラを再度有効化させることは許可されない。換言すれば、プロセス30とは異なり、コアネットワークは、上記UEまたは別のUEが送信してくるサービスを要求するリクエストを待って、そのサービスを実現するためのリソースを見つけることをすることを試みるのではなく、あらかじめAPNの混雑状態を能動的に解消しておくのである。したがって、サービスの受け入れ速度を向上させることができるだけではなく、リクエストがUEとコアネットワークとの間で複数回拒否または再送されることを減少させることもできる。拒否および再送を何度も送信するためのリソースが節約でき、さらに、コアネットワークの負荷を軽減することができる。さらに、プロセス60とは異なり、プロセス80はUEの少なくとも1つのPDN接続の少なくとも1つのEPSベアラを無効化するだけであって、UEのすべてのPDN接続を切断するためにUEをデタッチするわけではない。つまり、プロセス80はプロセス60に比べて柔軟であって、UEがAPNに関する再接続にリソースおよび時間を消費することを防止する。
【0064】
一例をあげれば、図9は、本発明の一例に係る無線通信システム90の概略図である。図9は、図1を簡素化したものであって、プロセス80を説明するために使用される。図9では、UEが、1つのAPNとの複数のPDN−PDN1a〜PDN4a接続を有する。さらに、PDN−PDN1a接続を一例としてあげると、PDN−PDN1a接続にはEPSベアラEPS1〜EPS3が存在する。APNは混雑状態にあり(つまりオーバーロード状態であり)、コアネットワークは、あらかじめリソースを解放しておくことを決定する。コアネットワークは、無効化リクエストメッセージをバックオフタイマーとともにUEに送信し、EPSベアラEPS2〜EPS3を無効化する(つまり、接続を切断する)。好ましくは、この無効化リクエストメッセージは、3GPP標準規格にて規定される“DEACTIVATE EPS BEARER CONTEXT REQUEST”メッセージである。UEは、バックオフタイマーが時間切れになるまで、つまり、バックオフタイマーの動作が停止されるまでは、PDN−PDN1a接続においてEPSベアラEPS2〜EPS3を再度有効化することを、コアネットワークに対して要求しない。したがって、APNが、遅延することなく高優先度サービスまたは緊急サービスを提供するためのリソースを得られるだけではなく、リクエストがUEとコアネットワークとの間で複数回拒否または再送されることを減少させることもできる。さらに、上記の例はPDN−PDN1a接続およびそのEPSベアラを一例としてあげたにすぎない。実際には、コアネットワークの選択によって、PDN−PDN2a〜PDN4a接続の各EPSベアラも同じ方法で無効化してかまわないのであって、ここでは限定されない。
【0065】
なお、コアネットワークが少なくとも1つのPDN接続およびその少なくとも1つのEPSベアラを選択して無効化する基準は、限定されない。例えば、この基準は、コアネットワークの優先順位であっても、少なくとも1つのPDN接続の活動性であっても、少なくとも1つのPDN接続の各EPSベアラの活動性であっても(例えば活動性が低いEPSベアラを無効化する)、少なくとも1つのPDN接続の優先度であっても、少なくとも1つのPDN接続の各EPSベアラの優先度であってもよく(例えば優先度が低いEPSベアラを無効化する)、ここでは限定されない。換言すれば、例えば、コアネットワークは、少なくとも1つのPDN接続において、所定の優先度に比べて優先度が低い少なくとも1つのEPSベアラを無効化すればよい。あるいは、コアネットワークは、少なくとも1つのPDN接続において各EPSベアラの優先度を比較し、少なくとも1つの最低の優先度を有する少なくとも1つのEPSベアラを選択し、この少なくとも1つのEPSベアラを無効化する。
【0066】
したがって、上述の例示およびプロセス80によれば、APNが混雑状態にある場合、UEのAPNへのアクセスを管理するコアネットワークは、リソースを解放するために、少なくとも1つのEPSベアラをUEから能動的に無効化する。この状況では、高優先度サービスまたは緊急サービスを要求しているUEに対してこのようなサービスを提供するための十分なリソースを、APNが有することができる。したがって、受け入れ速度を向上させることができるだけではなく、リクエストがUEとコアネットワークとの間で複数回拒否または再送されることを減少させることもできる。拒否および再送を何度も送信するためのリソースが節約でき、さらに、コアネットワークの負荷を軽減することができる。
【0067】
一方で、コアネットワークは、UEの少なくとも1つのPDN接続の少なくとも1つのEPSベアラの少なくとも1つのクオリティ・オブ・サービス(QoS)パラメータを調節することによっても、リソースを解放することができる。図10は、本発明の一例に係るプロセス100のフローチャートである。プロセス100は、UEの少なくとも1つのPDN接続の少なくとも1つのEPSベアラの少なくとも1つのQoSパラメータを取り扱うために、図1に示すコアネットワークによって実行される。プロセス100はプログラムコード214にコンパイルされてもよく、以下の各ステップを含んでいる。
【0068】
ステップ1000:スタート。
【0069】
ステップ1002:UEの少なくとも1つのPDN接続の少なくとも1つのEPSベアラを、少なくとも1つのQoSパラメータを調整するために決定する。
【0070】
ステップ1004:この少なくとも1つのPDN接続の少なくとも1つのEPSベアラの少なくとも1つのQoSパラメータの調整をUEに指示するために、リクエストメッセージをUEに送信する。
【0071】
ステップ1006:エンド。
【0072】
プロセス100によれば、APNが混雑状態にあることをコアネットワークが検出すると、コアネットワークは、少なくとも1つのQoSパラメータを調整する(例えば値を小さくする)ために、UEの少なくとも1つのPDN接続の少なくとも1つのEPSベアラを決定し、このUEの少なくとも1つのPDN接続の少なくとも1つのEPSベアラの少なくとも1つのQoSパラメータの調整を指示するために、リクエストメッセージをUEに送信する。換言すれば、コアネットワークは、上記UEまたは別のUEが送信してくるサービスを要求するリクエストを待って、そのサービスが提供されるためのリソースを見つけることを試みるのではなく、あらかじめAPNの混雑状態を解消しておくのである。したがって、サービスの受け入れ速度を向上させることができるだけではなく、リクエストがUEとコアネットワークとの間で複数回拒否または再送されることを減少させることもできる。拒否および再送を何度も送信するためのリソースが節約でき、さらに、コアネットワークの負荷を軽減することができる。さらに、プロセス80と同様に、プロセス100も、リソースを解放するための柔軟な方法を提供し、UEがAPNとの再アタッチにリソースおよび時間を消費することを防止する。
【0073】
一例をあげると、図9は、本発明の一例に係る無線通信システム90の概略図である。図9は、図1を簡素化したものであって、プロセス100を説明するために使用される。図9では、UEが、1つのAPNとの複数のPDN−PDN1a〜PDN4a接続を有する。さらに、PDN−PDN1a接続を一例としてあげると、PDN−PDN1a接続にはEPSベアラEPS1〜EPS3が存在する。APNは混雑状態にあり(つまりオーバーロード状態であり)、コアネットワークは、あらかじめリソースを解放しておくことを決定する。コアネットワークは、少なくとも1つのQoSパラメータの値を小さくするために、まず、PDN−PDN1a接続のEPSベアラEPS2〜EPS3を決定する。次に、コアネットワークは、PDN−PDN1a接続のEPSベアラEPS2〜EPS3の少なくとも1つのQoSパラメータの値を小さくすることをUEに指示するために、リクエストメッセージをUEに送信する。好ましくは、このリクエストメッセージは、3GPP標準規格にて規定される“MODIFY EPS BEARER CONTEXT REQUEST”メッセージである。また、バックオフタイマーも、3GPP標準規格にて規定されるセッション管理バックオフタイマーであってよい。UEは、バックオフタイマーが時間切れになるまで、つまり、バックオフタイマーの動作が停止されるまでは、APNとのPDN−PDN1a接続のEPSベアラEPS2〜EPS3の少なくとも1つのQoSパラメータを元の値に戻すことを、コアネットワークに対して要求しない。したがって、APNが、遅延することなく高優先度サービスまたは緊急サービスを提供するためのリソースを得られるだけではなく、リクエストがUEとコアネットワークとの間で複数回拒否または再送されることを減少させることもできる。さらに、上記の例はPDN−PDN1a接続およびそのEPSベアラを一例としてあげたにすぎない。実際には、コアネットワークの選択によって、PDN−PDN2a〜PDN4a接続におけるEPSベアラの各QoSパラメータも同じ方法で調整してかまわないのであって、ここでは限定されない。
【0074】
なお、コアネットワークがUEの少なくとも1つのPDN接続の少なくとも1つのEPSベアラの少なくとも1つのQoSパラメータの値を小さくする基準は、限定されない。例えば、この基準は、コアネットワークの優先順位であっても、少なくとも1つのEPSベアラの活動性であっても(例えば、活動性が低い少なくとも1つのEPSベアラのQoSパラメータとしてのQCIの値を大幅に小さくする)、少なくとも1つのEPSベアラの優先度であっても(例えば、優先度が低い少なくとも1つのEPSベアラのQoSパラメータとしてのARPの値を大幅に小さくする)、または、これらの任意の組み合わせであってもかまわない。さらに、上記少なくとも1つのQoSパラメータは、少なくとも1つのEPSベアラの、クオリティー・クラス・インデックス(“QCI”;Quality class index)、アロクーション/リテンション優先順位(“ARP”;Allocation and Retention Priority)、合計最大ビットレート(“AMBR”;Aggregated Maximum Bit Rate)、最大ビットレート(“MBR”;Maximum Bit Rate)、および、保証ビットレート(“GBR”;Guaranteed Bit Rate)のうちの少なくとも1つであってもかまわないのであって、ここでは限定されない。さらに、バックオフタイマーが動作して(つまり、APNが混雑状態であることを意味している)いれば、UEは、上記リクエストメッセージを受信した後には、少なくとも1つのQoSパラメータの値を小さくすることを承諾しなければならない。あるいは、リクエストメッセージを受信した後に、少なくとも1つのQoSパラメータの値を小さくすることをUEが承諾できず、かつ、バックオフタイマーが動作しているのであれば、UEが1つのPDN接続しか有していない場合には、UEは、PDN接続を切断する、または、コアネットワークからデタッチする。したがって、たとえ少なくとも1つのQoSパラメータの値を小さくすることをUEがサポートしなくても、プロセス100の有効性は保証される。
【0075】
したがって、上述の例示およびプロセス100によれば、APNが混雑状態にある場合、APNを管理するコアネットワークは、UEの少なくとも1つのPDN接続の少なくとも1つのEPSベアラの少なくとも1つのQoSパラメータを能動的に調整し、上記少なくとも1つのPDN接続からリソースを解放する。この状況では、高優先度サービスまたは緊急サービスを要求しているUEに対してこのようなサービスを提供するための十分なリソースを、APNが有することができる。したがって、受け入れ速度を向上させることができるだけではなく、リクエストがUEとコアネットワークとの間で複数回拒否または再送されることを減少させることもできる。拒否および再送を何度も送信するためのリソースが節約でき、さらに、コアネットワークの負荷を軽減することができる。
【0076】
なお、提案したステップを含めた上述のプロセスの各ステップは、例えばハードウェア、(ハードウェアデバイスと、ハードウェアデバイスに読み出し専用ソフトウェアとして保存されているコンピュータの命令およびデータとの組み合わせとして知られている)ファームウェア、電子システムなどの手段によって実現可能である。ハードウェアの例としては、マイクロ回路、マイクロチップ、または、シリコンチップとして知られている、アナログ回路、デジタル回路、混合回路などがあげられる。電子システムの例としては、システム・オン・チップ(SOC)、システム・イン・パッケージ(SiP)、コンピュータ・オン・モジュール(COM)、通信装置20などがあげられる。
【0077】
まとめると、本発明は、APNのリソース不足を解消するための複数の方法を提供する。本方法には、アクティブな方法もインアクティブな方法もあり、いずれの場合もAPNとの接続を有するUEまたはAPNを管理するコアネットワークにおいて使用可能である。したがって、UEがAPNを用いて、高優先度サービスまたは緊急サービスにアクセスすることを必要とする場合に、この高優先度サービスまたは緊急サービスを要求するリクエストが、遅延することなくただちに受け入れられるようになる。
【0078】
当業者であれば、本発明の教唆を保持しながら、装置および方法に多数の調整および変更を加えてもかまわないことが容易に理解できるであろう。したがって、上記の開示は、添付の請求項の範囲内にのみ限定されるものと解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明に係る一例としての無線通信システムの概略図である。
【図2】本発明に係る一例としての通信装置の概略図である。
【図3】本発明に係る一例としてのプロセスのフローチャートである。
【図4】本発明に係る一例としての無線通信システムの概略図である。
【図5】本発明に係る一例としてのプロセスのフローチャートである。
【図6】本発明に係る一例としてのプロセスのフローチャートである。
【図7】本発明に係る一例としての無線通信システムの概略図である。
【図8】本発明に係る一例としてのプロセスのフローチャートである。
【図9】本発明に係る一例としての無線通信システムの概略図である。
【図10】本発明に係る一例としてのプロセスのフローチャートである。
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔関連出願件に関する記述〕
本願は、米国特許仮出願第61/390,166号(出願日2010年10月5日、発明の名称:「Method of APN based congestion control by using NAS level request with back-off timer or NAS level rejection with back-off timer」)の利益を主張するものであり、該特許仮出願の内容は全てここに引用されるものとする。
【0002】
〔背景技術〕
〔1.技術分野〕
本発明は、無線通信システムにおいて使用される方法および関連通信装置に関し、さらに具体的には、アクセスポイント名(“APN”;Access Point Name)に基づく混雑状態の制御を取り扱う方法および関連する通信装置に関する。
【0003】
〔2.先行技術に関する記述〕
第3世代パートナーシッププロジェクト(“3GPP”;3rd Generation Partnership Project)によって、3GPP Rel−8標準規格および/または3GPP Rel−9標準規格をサポートするロング・ターム・エボリューション(“LTE”;Long−Term Evolution)システムが、ユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーション・システム(“UMTS”;Universal Mobile Telecommunications System)の後継規格として、UMTSの性能をさらに強化して、増加するユーザ需要を満たせるように開発されている。LTEシステムは、高いデータレート、低い遅延性、パケット最適化、ならびに、より優れたシステム容量およびサービス提供エリアを提供する、新しいラジオインターフェースとラジオネットワークアーキテクチャとを備えている。LTEシステムでは、進化型UTRAN(“E−UTRAN”;Evolved UTRAN)として知られているラジオアクセスネットワークが、複数のユーザ装置(“UE”;User Equipment)と通信するための複数の進化型NB(“eNB”;Evolved NB)を備え、非アクセス層(“NAS”;Non−access Stratum)を制御するために、モビリティ管理エンティティ(“MME”;Mobility Management Entity)、サービング・ゲートウェー(Serving Gateway)などを含めたコアネットワークと通信する。
【0004】
LTE−Advanced(LTE−A)システムは、その名前が示すように、LTEシステムが進化型システムである。LTE−Aシステムは、複数のパワー(power)状態間でより速いスイッチングを行うこと目標とし、eNBのサービス提供エリアの周縁部で性能を改善し、例えばキャリアアグリゲーション(“CA”;Carrier Aggregation)、セル間協調送受信(“CoMP”Coordinated Multipoint Transmission/Reception)、アップリンクマルチ入力マルチ出力(“MIMO”;Multiple−input Multiple−output)などの高度な技術を利用している。LTE−AシステムにおいてUEとeNBとが互いに通信するためには、UEおよびeNBがLTE−Aシステムに適用するために開発された標準規格(例えば3GPP Rel−10標準規格、または、これより後のバージョンの標準規格)をサポートしていなければならない。
【0005】
アクセスポイント名(APN)は、LTEシステムおよびLTE−Aシステムにおいてパケットデータ接続を確立するために使用され、MMEによって管理される。また、APNは、パケットデータネットワーク(“PDN”;Packet Data Network)またはサービスタイプ(例えばマルチメディアメッシセージングサービス(“MMS”;Multimedia Messaging Service))を特定するために使用され、上記PDNまたはサービスタイプはパケットデータ接続で伝送される。
【0006】
先行技術では、APNが混雑状態、つまりオーバーロード(overload)状態であれば、MMEは、UEによって送信されるAPNを用いて、アタッチリクエスト、トラッキングエリア更新、ルーティングエリア更新、または、サービスリクエストを拒否する。また、MMEはモビリティ管理バックオフタイマー(Mobility Management back−off timer)を用いてUEに対して応答する。一方、MMEが、UEによって送信されるAPNを用いて、PDN接続リクエスト、PDN接続切断リクエスト、進化型パケットシステム(“EPS”;Evolved Packet System)有効化リクエスト、または、EPS無効化リクエストを拒否する場合は、MMEはセッション管理バックオフタイマー(Session Management back−off timer)を用いてUEに対して応答する。いずれか場合においても、対応するバックオフタイマーが時間切れになる前に、UEが同じリクエストをMMEに送信することは許可されない。換言すれば、UEは、対応するバックオフタイマーが動作しているかぎり、混雑しているAPNに対して同じリクエストを再度MMEに送信することができない。ただし、UEは、たとえモビリティ管理バックオフタイマーまたはセッション管理バックオフタイマーが動作している場合であっても、高優先度サービスまたは緊急サービスを実現するためであれば、APNに対してモビリティ管理過程またはセッション管理過程を始動することが許可されている。この状況では、APNが依然混雑状態にあって高優先度サービスまたは緊急サービスを提供するためのリソースがないので、MMEは高優先度サービスまたは緊急サービスを拒否し、高優先度サービスまたは緊急サービスのアクセスに遅延が発生する。したがって、高優先度サービスまたは緊急サービスの遅延が原因となって、災害が発生する可能性がある。
【0007】
さらに、バックオフタイマーが時間切れになると、UEはMMEにリクエストを再度送信することができる。ただし、APNが、依然として混雑状態にあって、リクエストを受け入れるためのリソースがなく、MMEはリクエストを再度拒否する必要がある可能性はある。APNが長時間混雑状態にあれば、UEは何度もMMEにリクエストを送信することもあり、これに対して、MMEは、混雑状態が解消されるまで、つまり、リクエストを受け入れるリソースが利用可能になるまで、何度もリクエストを拒否する。何度も再送および拒否することによって、APNの混雑状態は悪化し、MMEの負荷が増加する。この状況では、リクエストの遅延が増加するだけではなく、他のUEによって送信される他のリクエストの遅延も増加する。
【0008】
したがって、高優先度サービスおよび緊急サービスをどのようにしてすばやく取り扱うのかということが、議論し解決すべき課題である。さらに、MMEができるだけ早くリクエストを受け入れられるように、APNの混雑状態を緩和することが重要である。したがって、APNの混雑状態緩和するためのメカニズムが必要とされている。
【0009】
〔先行技術文献〕
〔非特許文献〕
〔非特許文献1〕3GPP TSG SA WG2 Meeting #80 S2−104406 30 August − 3 September,2010,Brunstad,Norway,“NAS level reject per APN with back−off timer function”
〔非特許文献2〕3GPP TS 23.401 V10.1.0(2010−09)Technical Specification 3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Services and System Aspects; General Packet Radio Service(GPRS)enhancements for Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network(E−UTRAN)access(Release 10)
〔非特許文献3〕3GPP TS 24.301 V10.0.0(2010−09)Technical Specification 3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Core Network and Terminals; Non−Access−Stratum(NAS)protocol for Evolved Packet System(EPS); Stage 3(Release 10)
【0010】
〔発明の概要〕
したがって、本発明は、アクセスポイント名(APN)に基づく混雑状態の制御を取り扱う方法および関連する通信装置を提供し、上述の問題の解決を図るものである。
【0011】
無線通信システムにおけるモバイルデバイスにおいて、無線通信システムのアクセスポイント名(APN)を用いて、サービスを始動する方法を開示する。上記モバイルデバイスはAPNとの複数の接続を有する。本方法は、上記モバイルデバイスが上記複数の接続のうちの少なくとも1つの第2の接続を維持しつつ、上記複数の接続のうちの少なくとも1つの第1の接続をAPNから切断するステップと、上記少なくとも1つの第1の接続をAPNから切断した後に、上記APNを用いて、サービスを始動するステップとを含んでおり、上記APNは混雑状態またはオーバーロード状態である。
【0012】
無線通信システムのネットワークにおけるサービスを取り扱う方法を開示する。本方法は、上記無線通信システムにおいて、アクセスポイント名(APN)との複数の接続を有するモバイルデバイスが、無線通信システムの上記APNを介してサービスにアクセスするために、上記モバイルデバイスから上記サービスを要求するリクエストを受信するステップと、上記ネットワークが上記複数の接続のうちの少なくとも1つの第2の接続を維持しつつ、上記モバイルデバイスの複数の接続のうちの少なくとも1つの第1の接続を切断するステップとを含んでおり、上記APNは混雑状態またはオーバーロード状態である。
【0013】
無線通信システムのネットワークにおいて、無線通信システムにおける複数のモバイルデバイスを取り扱う方法を開示する。上記複数のモバイルデバイスのそれぞれが、無線通信システムのアクセスポイント名(APN)との少なくとも1つの接続を有している。本方法は、上記複数のモバイルデバイスから、優先度が高い上記APNとの接続を有していない少なくとも1つのモバイルデバイスを選択するステップと、上記少なくとも1つのモバイルデバイスに、上記少なくとも1つのモバイルデバイスをAPNからデタッチするリクエストメッセージをバックオフタイマーとともに送信するステップとを含んでおり、上記APNは混雑状態またはオーバーロード状態である。
【0014】
無線通信システムのネットワークにおいて、無線通信システムにおけるモバイルデバイスの少なくとも1つの接続の少なくとも1つのベアラを取り扱う方法を開示する。上記モバイルデバイスは、無線通信システムのアクセスポイント名(APN)との上記少なくとも1つの接続を有している。本方法は、上記少なくとも1つのベアラを上記少なくとも1つの接続から選択するステップと、上記モバイルデバイスに、上記モバイルデバイスの上記少なくとも1つのベアラを無効化することを要求する無効化リクエストメッセージをバックオフタイマーとともに送信するステップとを含んでおり、上記APNは混雑状態またはオーバーロード状態である。
【0015】
無線通信システムのネットワークにおいて、無線通信システムにおけるモバイルデバイスの少なくとも1つの接続の少なくとも1つのベアラを取り扱う方法を開示する。上記モバイルデバイスは、無線通信システムのアクセスポイント名(APN)との上記少なくとも1つの接続を有している。本方法は、上記少なくとも1つの接続の上記少なくとも1つのベアラを、少なくとも1つのクオリティ・オブ・サービス(“QoS”;Quality of Service)パラメータを調整するために決定するステップと、上記少なくとも1つの接続の上記少なくとも1つのベアラの上記少なくとも1つのQoSパラメータの調整を上記モバイルデバイスに指示するために、リクエストメッセージを上記モバイルデバイスに送信するステップとを含んでおり、上記APNは混雑状態またはオーバーロード状態である。
【0016】
本発明の上記目的およびその他の目的は、以下の図面に示す好適な実施形態についての詳細な説明を読めば、当業者には明らかになるであろう。
【0017】
〔図面の簡単な説明〕
図1は、本発明に係る一例としての無線通信システムの概略図である。
【0018】
図2は、本発明に係る一例としての通信装置の概略図である。
【0019】
図3は、本発明に係る一例としてのプロセスのフローチャートである。
【0020】
図4は、本発明に係る一例としての無線通信システムの概略図である。
【0021】
図5は、本発明に係る一例としてのプロセスのフローチャートである。
【0022】
図6は、本発明に係る一例としてのプロセスのフローチャートである。
【0023】
図7は、本発明に係る一例としての無線通信システムの概略図である。
【0024】
図8は、本発明に係る一例としてのプロセスのフローチャートである。
【0025】
図9は、本発明に係る一例としての無線通信システムの概略図である。
【0026】
図10は、本発明に係る一例としてのプロセスのフローチャートである。
【0027】
〔詳細な説明〕
図1は、本発明の一例に係る無線通信システム10の概略図である。無線通信システム10は、無線アクセスシステム(例えばロング・ターム・エボリューション(LTE)システムまたはLTE−Advanced(LTE−A)システム)、コアネットワーク、ユーザ装置(UE)、ならびに、2つのパケットデータネットワーク(PDN)PDN1およびPDN2を備えている。PDNは、例えばインターネットやIMSなどのサービスを、無線アクセスシステムを介してUEに提供する。上記コアネットワークは、例えば、進化型パケットコア(“EPC”Evolved Packet Core)ネットワークまたはGPRS(General Packet Radio Service)ネットワークであればよく、UEのPDN接続を非アクセス層(“NAS”;Non access Stratum)プロトコルに基づいて管理する。UEがアクセスしようとするPDNは、「アクセスポイント名」(APN)の情報(例えば図1に示すAPN1およびAPN2)によって決められており、該「アクセスポイント名」(APN)は、所望のサービスがどこで利用可能であるかを示唆するための、PDNに対するレファレンスである。上記コアネットワークは、PDN接続を設定するためにPDNを選択する際には、APNを使用する。詳細に述べると、UEは、APNとのPDN接続を確立してサービス(例えばPDN接続/接続切断リクエスト、進化型パケットコア(EPS)ベアラコンテキスト有効化/無効化など)を受けるために、例えば拡張セッション管理(“ESM”;Extended Session Management)リクエストを、NASシグナリングを介してコアネットワークに送信する。コアネットワークは、基準(例えばAPNの負荷)にしたがって上記リクエストを受け入れるか、または、拒否するかを決定する。UEは、コアネットワークがリクエストを受け入れるときにかぎって、サービスにアクセスすることが許可される。その他の場合には、UEは、リクエストの拒否を示唆するレスポンスをバックオフタイマーとともに受信する。UEがサービスを受けるために関連するAPNに対してPDN接続をするリクエストを再送できるのは、バックオフタイマーが時間切れになった後、つまりバックオフタイマーの動作が停止された後に限られる。
【0028】
図1において、無線アクセスシステム、コアネットワーク、PDNを示すAPN、および、UEは、無線通信システム10の構成を例示するために用いたものに過ぎない。実際には、上記無線アクセスシステムは、例えば、無線LAN(“WLAN”;Wireless Local Area Network)のアクセスポイント(AP)、ワイマックス(“WiMAX”;Worldwide Interoperability for Microwave Access)の基地局、複数のノードB(“NB”;Node B)を備えたユニバーサル地上波無線アクセスネットワーク(“UTRAN”;Universal Terrestrial Radio Access Network)、複数の進化型ノードB(“eNB”;Evolved NB)を備えた進化型UTRAN(E−UTRAN)などの、別のアクセス技術を備えたものであってもよい。つまり、UEは、異なる無線アクセスインターフェースを介して複数のPDN接続を有し、同じAPNに関連する同じPDNに接続してもかまわない。さらに、コアネットワークは、好ましくは、PDN接続およびPDN接続内のEPSベアラを管理するためのリクエストおよびレスポンスを、コアネットワーク中のMME/SGSNとUEとの間で送受信することができるように、モバイル交換センタ(MSC)、モビリティ管理エンティティ(MME)、SGSN(Serving GPRS Support Network)、サービング・ゲートウェー(“SGW”;Serving Gateway)、PDNゲートウェイ(PGW)、および、GGSN(Gateway General packet radio service Support Node)を備えている。UEは、例えば、携帯電話、ラップトップ、タブレットコンピュータ、電子書籍、マシン通信(“MTC”;Machine−type Communication)装置、携帯用コンピュータシステムなどのモバイルデバイスであってもよい。
【0029】
図2は、本発明の一例に係る通信装置20の概略図である。通信装置20は、図1に示すUEまたはコアネットワークであってもよいが、これらの例に限定されるわけではない。通信装置20は、例えば、プロセッサ(例えばマイクロプロセッサまたは特定用途向け集積回路(ASIC))200、記憶ユニット210、および、通信インターフェースユニット220を備えている。記憶ユニット210は、例えば、プロセッサ200がアクセスするプログラムコード214を記憶可能な任意のデータ記憶装置であればよい。記憶ユニット210の例としては、加入者同定モジュール(“SIM”;Subscriber Identity Module)、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、CD−ROM/DVD−ROM、磁気テープ、ハードディスク、光学データ記憶装置などがあげられるが、これらの例に限定されるものではない。通信インターフェースユニット220は、好ましくは送受信機であって、プロセッサ200の処理結果に応じてコアネットワークで、コントロールプレーン(control plane)およびユーザプレーン(user plane)において信号/メッセージを送受信することができる。
【0030】
図3は、本発明の一例に係るプロセス30のフローチャートである。プロセス30は、図1に示すUEによって、実行される。UEは同じAPNに関連する複数のPDN接続を有し、APNを用いて、サービスの始動の準備をする。プロセス30はプログラムコード214にコンパイルされてもよく、以下の各ステップを含んでいる。
【0031】
ステップ300:スタート。
【0032】
ステップ302:UEが複数のPDN接続のうちの少なくとも1つの第2のPDN接続を維持しつつ、複数のPDN接続のうちの少なくとも1つの第1のPDN接続をAPNから切断する。
【0033】
ステップ304:少なくとも1つの第1のPDN接続をAPNから切断した後に、APNを用いて、サービスを始動する。
【0034】
ステップ306:エンド。
【0035】
プロセス30によれば、UEがAPNを用いて、サービスを始動する前に、UEは、サービスの受け入れ速度を向上させるために、まず、上記複数の接続のうちの少なくとも1つの第1のPDN接続のリソースを解放して、この少なくとも1つの第1のPDN接続をAPNから切断する。さらに、UEは、上記複数のPDN接続のうちの少なくとも1つの第2のPDN接続を維持する。つまり、UEは、APNとのアタッチステータスを維持するために、上記APNとのすべてのPDN接続を切断するわけではない。したがって、APNが混雑状態にある場合には、APNは、UEが解放したばかりの少なくとも1つの第1のPDN接続のリソースを使用することによって、依然UEにサービスを提供することができる。UEは遅延することなくサービスにアクセスすることができる。
【0036】
一例を図4に示す。図4は本発明の一例に係る無線通信システム40の概略図である。図4は図1を変更したもので、これを用いてプロセス30について説明する。図4では、UEは、APNとのPDN−PDN1〜PDN4接続を有し、リクエストをコアネットワーク(例えばEPCネットワーク)に送ることによって、該APNを用いて、サービスの始動の準備をする。上記APNが混雑状態にある(つまりオーバーロード状態である)場合、UEは、APNの混雑状態の情報を、APNに関するセッション管理リクエストメッセージのためのバックオフタイマー、および、拒否メッセージから、または、ブロードキャストチャンネルから取得することができる。UEは、PDN−PDN2〜PDN4接続を能動的に切断し、PDN−PDN1接続だけを維持して、APNとのアクティブアタッチステータスを維持することができる。したがって、PDN−PDN2〜PDN4接続のリソースが解放されてAPNによって使用可能になり、高優先度サービスまたは緊急サービスに対するリクエストの受け入れ速度が向上される。
【0037】
なお、UEがどのPDN接続を選択して切断決定の際の基準とするのかは、限定されない。例えば、この基準は、UEのユーザの優先順位であっても、PDN−PDN1〜PDN4接続の活動性(Activity)であっても(例えば活動性が低いPDN接続を切断する)、PDN−PDN1〜PDN4接続の優先度であっても(例えば優先度が低いPDN接続を切断する)、または、これらの任意の組み合わせであってもかまわない。換言すれば、UEは、リクエストするサービスの優先度に比べて優先度が低いPDN接続を切断し、少なくとも1つのPDN接続を維持してもよい。また、UEは、PDN−PDN1〜PDN4接続の優先度を比較し、少なくとも1つの最低の優先度を有する少なくとも1つのPDN接続を選択して、この少なくとも1つのPDN接続を切断してもよい。アタッチステータスを維持するための少なくとも1つのPDN接続が維持されるので、UEはAPNに再アタッチする必要がなく、余計な遅延が回避される。したがって、優先/緊急サービスのためのPDN接続が確立される場合に、コアネットワークは優先度が比較的低い別のPDN接続を切断することができる。
【0038】
したがって、上述の例示およびプロセス30によれば、UEがAPNを用いて、サービス(特に高優先度サービスまたは緊急サービス)の始動を準備する際、該APNが混雑状態にある場合、UEは、APNとの少なくとも1つの不要なPDN接続を切断し、少なくとも1つのPDN接続のリソースを得ることができる。バックオフタイマーがAPNの混雑状態の制御のためにUEにおいて動作している場合、または、UEがAPNとの接続をブロードキャストチャンネルから認識している場合には、UEは、PDN接続を切断するためのPDN接続切断メッセージをネットワークに送信することができる。好ましくは、上記PDN接続切断メッセージは、3GPP標準規格にて規定される“PDN DISCONNECT REQUEST”メッセージである。したがって、上述の少なくとも1つのPDN接続のリソースを使用することによって、サービスが比較的速い受け入れ速度で受け入れられるようになる。
【0039】
混雑している同じAPNに関連する複数のPDN接続を有するUEからサービスにアクセスするためにリソース不足を解消することにだけではなく、コアネットワーク側でのリソース不足を解消することも効果的である。図5は、本発明の一例に係るプロセス50のフローチャートである。プロセス50は、図1に示すコアネットワークによって実行される。プロセス50はプログラムコード214にコンパイルされてもよく、以下の各ステップを含んでいる。
【0040】
ステップ500:スタート。
【0041】
ステップ502:無線通信システムにおいて、APNとの複数のPDN接続を有するUEがAPNを介してサービスにアクセスするために、UEからサービスを要求するリクエストを受信する。
【0042】
ステップ504:コアネットワークが、複数のPDN接続のうちの少なくとも1つの第2のPDN接続維持しつつ、UEの複数のPDN接続のうちの少なくとも1つの第1のPDN接続を切断する。
【0043】
ステップ506:エンド。
【0044】
プロセス50によれば、UEがAPNを介してサービスにアクセスするために、UEからサービスを要求するリクエストを、コアネットワークが受信する際に、上記UEはAPNとの複数のPDN接続をすでに有しており、コアネットワークは、サービスの受け入れ速度を向上させるために、このUEの複数のPDN接続のうちの少なくとも1つの第1のPDN接続のリソースを解放して、この少なくとも1つの第1のPDN接続を切断する。さらに、コアネットワークは、上記複数のPDN接続のうちの少なくとも1つの第2のPDN接続を維持する。つまり、コアネットワークは、UEのAPNとのアタッチステータスを維持するために、UEとAPNとの間のすべてのPDN接続を切断するわけではない。したがって、APNが混雑状態にある場合には、APNは、コアネットワークが解放したばかりの少なくとも1つの第1のPDN接続のリソースを使用することによって、依然UEにサービスを提供することができる。よって、UEは遅延することなくサービスにアクセスすることができる。
【0045】
一例として、図4を用いてプロセス50について説明する。図4では、UEが1つのAPNとの複数のPDN−PDN1〜PDN4接続を有し、リクエストをコアネットワークに送ることによって、サービスの始動の準備をする。上記APNが混雑状態にある(つまりオーバーロード状態である)ので、コアネットワークは、UEのPDN−PDN2〜PDN4接続を切断することによって、ネットワークの混雑状況を能動的に解消することができ、PDN−PDN1接続だけを維持して、UEのAPNとのアタッチステータスを維持する。コアネットワークは、PDN接続切断リクエストメッセージをUEに送信し、PDN接続のすべてのEPSベアラを無効化(つまり接続を切断)することができる。好ましくは、上記無効化リクエストメッセージは、3GPP標準規格にて規定される“DEACTIVATE EPS BEARER CONTEXT REQUEST”メッセージである。したがって、PDN−PDN2〜PDN4接続のリソースが解放され、高優先度サービスまたは緊急サービスに対するリクエストの受け入れ速度が向上される。
【0046】
なお、コアネットワークがどのPDN接続を選択して接続切断の際の基準とするのかは、限定されない。例えば、この基準は、コアネットワークの優先順位であっても、PDN−PDN1〜PDN4接続の活動性であっても(例えば活動性が低いPDN接続を切断する)、PDN−PDN1〜PDN4接続の優先度であっても(例えば優先度が低いPDN接続を切断する)、または、これらの任意の組み合わせであってもかまわない。換言すれば、コアネットワークは、リクエストするサービスの優先度に比べて優先度が低いPDN接続を切断し、少なくとも1つのPDN接続を維持してもよい。また、コアネットワークは、PDN−PDN1〜PDN4接続の優先度を比較し、少なくとも1つの最低の優先度を有する少なくとも1つのPDN接続を選択して、この少なくとも1つのPDN接続を切断してもよい。アタッチステータスを維持するための少なくとも1つのPDN接続が維持されるので、UEはAPNに再アタッチする必要がなく、余計な遅延が回避される。したがって、優先/緊急サービスのためのPDN接続が確立される場合に、コアネットワークは優先度が比較的低い別のPDN接続を切断することができる。
【0047】
したがって、上述の例示およびプロセス50によれば、UEが、リクエストを送ることによって、APNを用いて、サービス(特に高優先度サービスまたは緊急サービス)のためのPDN接続の始動を準備する際、該APNが混雑状態にある場合、このUEを管理するコアネットワークは、該APNに関連する少なくとも1つのPDN接続を切断することができる。したがって、UEの少なくとも1つの切断されたPDN接続から解放されたリソースを使用することによって、該サービスのための新しいPDN接続が比較的速い受け入れ速度で受け入れられるようになる。
【0048】
上述の各例では、UEがサービスを受けるためにAPNとのPDN接続の始動の準備をする際に、リソース不足をどのようにして解消するかについて説明した。ただし、APNが長時間にわたって混雑状態にある場合には、UEでバックオフタイマーが非優先サービス/非緊急サービスを受けるために使用されているにも関わらず、UEは、優先/緊急サービスを要求するリクエストを何度も再送し続けることがある。この複数回の再送および拒否によって、APNの混雑状態は悪化し、コアネットワークの負荷は増加する。この状況では、UEによって送信されるリクエストをコアネットワークがただちに受け入れることができるように、リソースをあらかじめ解放しておくことが好ましい。
【0049】
図6は、本発明の一例に係るプロセス60のフローチャートである。プロセス60は、APNに関連する少なくとも1つのPDN接続を個々に有する複数のUEを取り扱うために、図1に示すコアネットワークによって実行される。プロセス60はプログラムコード214にコンパイルされてもよく、以下の各ステップを含んでいる。
【0050】
ステップ600:スタート。
【0051】
ステップ602:優先度が高いAPNとのPDN接続を有しない少なくとも1つのUEを、複数のUEから選択する。
【0052】
ステップ604:上記少なくとも1つのUEをAPNからデタッチするために、リクエストメッセージをバックオフタイマーとともに上記少なくとも1つのUEへ送信する。
【0053】
ステップ606:エンド。
【0054】
プロセス60によれば、APNが混雑状態にあることをコアネットワークが検出すると、コアネットワークは、まず、複数のUEから、優先度が高いAPNとのPDN接続を有しない少なくとも1つのUEを選択する。次に、この少なくとも1つのUEをAPNからデタッチするために、コアネットワークは、リクエストメッセージをバックオフタイマーとともにこの少なくとも1つのUEに送信する。換言すれば、コアネットワークは、UEが送信してくるサービスを要求するリクエストを待って、そのサービスが提供されるためのリソースを見つけることを試みるのではなく、あらかじめAPNの混雑状態を能動的に解消しておくのである。したがって、サービスの受け入れ速度を向上させることができるだけではなく、リクエストがUEとコアネットワークとの間で複数回拒否または再送されることを減少させることもできる。よって、拒否および再送を何度も送信するためのリソースが節約でき、さらに、コアネットワークの負荷を軽減することができる。
【0055】
一例をあげれば、図7は本発明の一例に係る無線通信システム70の概略図である。図7は、プロセス60を説明するために使用される。無線通信システム70において、同じAPNに関連するPDN接続を有する複数のUE1〜UE4が存在し、コアネットワークがこれらのUE1〜UE4を管理する。具体的には、各UE1〜UE4が、上記APNに関連する少なくとも1つのPDN接続を有する。上記APNは混雑状態にあり(つまりオーバーロード状態であり)、コアネットワークは、あらかじめリソースを解放しておくことを決定する。PDN接続を有するUE1〜UE4を調べた後に、コアネットワークは、リクエストメッセージをバックオフタイマーとともにUE1〜UE3に送ることによって、UE1〜UE3をコアネットワークからデタッチする(つまり、UE1〜UE3をAPNからデタッチする)。コアネットワークがUE1〜UE3を選択する基準は限定されない。例えば、この基準は、UE1〜UE3が優先度の高いPDN接続(つまり、高優先度サービスまたは緊急サービスを伝送するPDN接続)を有しないことであってもよい。UE1〜UE3がリクエストメッセージ(このリクエストメッセージは、好ましくは、3GPP標準規格にて規定される“DETACH REQUEST”メッセージである)を受信した後に、UE1〜UE3はコアネットワークからデタッチし、バックオフタイマーが時間切れになるまで、つまり、バックオフタイマーの動作が停止されるまでは、上記APNにアタッチすることを、コアネットワークに対して要求しない。したがって、コアネットワークが、遅延することなく高優先度サービスまたは緊急サービスを提供するためのリソースを得られるだけではなく、リクエストがUEとコアネットワークとの間で複数回拒否または再送されることを減少させることもできる。
【0056】
したがって、上述の例示およびプロセス60によれば、APNが混雑状態にある場合、コアネットワークは、上記APNに関連するPDN接続を有する少なくとも1つのUEを能動的にデタッチし、この少なくとも1つのUEからリソースを解放する。デタッチされたUEは、バックオフタイマーが時間切れになる前にコアネットワークに再アタッチすることはできない。この状況では、高優先度サービスまたは緊急サービスを要求しているUEに対してこのようなサービス提供するための十分なリソースを、コアネットワークが有することができる。したがって、受け入れ速度を向上させることができるだけではなく、リクエストがUEとコアネットワークとの間で複数回拒否または再送されることを減少させることもできる。拒否および再送を何度も送信するためのリソースが節約でき、さらに、コアネットワークの負荷を軽減することができる。
【0057】
ただし、UEがコアネットワークからデタッチされると、UEは、APNに再アタッチするためにアタッチ手順を実行する必要がある。アタッチ手順の各種信号は、UEとコアネットワークとの間で送受信される。一般には、この信号の送受信に大量のリソースおよび電力を消費することになる。したがって、UEをコアネットワークからデタッチすることが、APNの混雑状態を解消するための効果的な方法ではあるが、APNの混雑状態があまりひどくない場合には、UEをデタッチすることよりも柔軟な方法も効果的かもしれない。
【0058】
図8は、本発明の一例に係るプロセス80のフローチャートである。プロセス80は、UEのAPNに関連する少なくとも1つのPDN接続の少なくとも1つのEPSベアラを取り扱うために、図1に示すコアネットワークによって実行される。プロセス80はプログラムコード214にコンパイルされてもよく、以下の各ステップを含んでいる。
【0059】
ステップ800:スタート。
【0060】
ステップ802:少なくとも1つのPDN接続から少なくとも1つのEPSベアラを選択する。
【0061】
ステップ804:UEの少なくとも1つのPDN接続の少なくとも1つのEPSベアラを無効化することを要求する無効化リクエストメッセージをバックオフタイマーとともにUEに送信する。
【0062】
ステップ806:エンド。
【0063】
プロセス80によれば、APNが混雑状態にあることをコアネットワークが検出すると、コアネットワークは、少なくとも1つのPDN接続から少なくとも1つのEPSベアラを選択し、無効化リクエストメッセージをバックオフタイマーとともにUEに送信して、UEの少なくとも1つのPDN接続の少なくとも1つのEPSベアラを無効化する。UEは、バックオフタイマーが時間切れになる前に、上記少なくとも1つのPDN接続の上記少なくとも1つのEPSベアラを再度有効化させることは許可されない。換言すれば、プロセス30とは異なり、コアネットワークは、上記UEまたは別のUEが送信してくるサービスを要求するリクエストを待って、そのサービスを実現するためのリソースを見つけることをすることを試みるのではなく、あらかじめAPNの混雑状態を能動的に解消しておくのである。したがって、サービスの受け入れ速度を向上させることができるだけではなく、リクエストがUEとコアネットワークとの間で複数回拒否または再送されることを減少させることもできる。拒否および再送を何度も送信するためのリソースが節約でき、さらに、コアネットワークの負荷を軽減することができる。さらに、プロセス60とは異なり、プロセス80はUEの少なくとも1つのPDN接続の少なくとも1つのEPSベアラを無効化するだけであって、UEのすべてのPDN接続を切断するためにUEをデタッチするわけではない。つまり、プロセス80はプロセス60に比べて柔軟であって、UEがAPNに関する再接続にリソースおよび時間を消費することを防止する。
【0064】
一例をあげれば、図9は、本発明の一例に係る無線通信システム90の概略図である。図9は、図1を簡素化したものであって、プロセス80を説明するために使用される。図9では、UEが、1つのAPNとの複数のPDN−PDN1a〜PDN4a接続を有する。さらに、PDN−PDN1a接続を一例としてあげると、PDN−PDN1a接続にはEPSベアラEPS1〜EPS3が存在する。APNは混雑状態にあり(つまりオーバーロード状態であり)、コアネットワークは、あらかじめリソースを解放しておくことを決定する。コアネットワークは、無効化リクエストメッセージをバックオフタイマーとともにUEに送信し、EPSベアラEPS2〜EPS3を無効化する(つまり、接続を切断する)。好ましくは、この無効化リクエストメッセージは、3GPP標準規格にて規定される“DEACTIVATE EPS BEARER CONTEXT REQUEST”メッセージである。UEは、バックオフタイマーが時間切れになるまで、つまり、バックオフタイマーの動作が停止されるまでは、PDN−PDN1a接続においてEPSベアラEPS2〜EPS3を再度有効化することを、コアネットワークに対して要求しない。したがって、APNが、遅延することなく高優先度サービスまたは緊急サービスを提供するためのリソースを得られるだけではなく、リクエストがUEとコアネットワークとの間で複数回拒否または再送されることを減少させることもできる。さらに、上記の例はPDN−PDN1a接続およびそのEPSベアラを一例としてあげたにすぎない。実際には、コアネットワークの選択によって、PDN−PDN2a〜PDN4a接続の各EPSベアラも同じ方法で無効化してかまわないのであって、ここでは限定されない。
【0065】
なお、コアネットワークが少なくとも1つのPDN接続およびその少なくとも1つのEPSベアラを選択して無効化する基準は、限定されない。例えば、この基準は、コアネットワークの優先順位であっても、少なくとも1つのPDN接続の活動性であっても、少なくとも1つのPDN接続の各EPSベアラの活動性であっても(例えば活動性が低いEPSベアラを無効化する)、少なくとも1つのPDN接続の優先度であっても、少なくとも1つのPDN接続の各EPSベアラの優先度であってもよく(例えば優先度が低いEPSベアラを無効化する)、ここでは限定されない。換言すれば、例えば、コアネットワークは、少なくとも1つのPDN接続において、所定の優先度に比べて優先度が低い少なくとも1つのEPSベアラを無効化すればよい。あるいは、コアネットワークは、少なくとも1つのPDN接続において各EPSベアラの優先度を比較し、少なくとも1つの最低の優先度を有する少なくとも1つのEPSベアラを選択し、この少なくとも1つのEPSベアラを無効化する。
【0066】
したがって、上述の例示およびプロセス80によれば、APNが混雑状態にある場合、UEのAPNへのアクセスを管理するコアネットワークは、リソースを解放するために、少なくとも1つのEPSベアラをUEから能動的に無効化する。この状況では、高優先度サービスまたは緊急サービスを要求しているUEに対してこのようなサービスを提供するための十分なリソースを、APNが有することができる。したがって、受け入れ速度を向上させることができるだけではなく、リクエストがUEとコアネットワークとの間で複数回拒否または再送されることを減少させることもできる。拒否および再送を何度も送信するためのリソースが節約でき、さらに、コアネットワークの負荷を軽減することができる。
【0067】
一方で、コアネットワークは、UEの少なくとも1つのPDN接続の少なくとも1つのEPSベアラの少なくとも1つのクオリティ・オブ・サービス(QoS)パラメータを調節することによっても、リソースを解放することができる。図10は、本発明の一例に係るプロセス100のフローチャートである。プロセス100は、UEの少なくとも1つのPDN接続の少なくとも1つのEPSベアラの少なくとも1つのQoSパラメータを取り扱うために、図1に示すコアネットワークによって実行される。プロセス100はプログラムコード214にコンパイルされてもよく、以下の各ステップを含んでいる。
【0068】
ステップ1000:スタート。
【0069】
ステップ1002:UEの少なくとも1つのPDN接続の少なくとも1つのEPSベアラを、少なくとも1つのQoSパラメータを調整するために決定する。
【0070】
ステップ1004:この少なくとも1つのPDN接続の少なくとも1つのEPSベアラの少なくとも1つのQoSパラメータの調整をUEに指示するために、リクエストメッセージをUEに送信する。
【0071】
ステップ1006:エンド。
【0072】
プロセス100によれば、APNが混雑状態にあることをコアネットワークが検出すると、コアネットワークは、少なくとも1つのQoSパラメータを調整する(例えば値を小さくする)ために、UEの少なくとも1つのPDN接続の少なくとも1つのEPSベアラを決定し、このUEの少なくとも1つのPDN接続の少なくとも1つのEPSベアラの少なくとも1つのQoSパラメータの調整を指示するために、リクエストメッセージをUEに送信する。換言すれば、コアネットワークは、上記UEまたは別のUEが送信してくるサービスを要求するリクエストを待って、そのサービスが提供されるためのリソースを見つけることを試みるのではなく、あらかじめAPNの混雑状態を解消しておくのである。したがって、サービスの受け入れ速度を向上させることができるだけではなく、リクエストがUEとコアネットワークとの間で複数回拒否または再送されることを減少させることもできる。拒否および再送を何度も送信するためのリソースが節約でき、さらに、コアネットワークの負荷を軽減することができる。さらに、プロセス80と同様に、プロセス100も、リソースを解放するための柔軟な方法を提供し、UEがAPNとの再アタッチにリソースおよび時間を消費することを防止する。
【0073】
一例をあげると、図9は、本発明の一例に係る無線通信システム90の概略図である。図9は、図1を簡素化したものであって、プロセス100を説明するために使用される。図9では、UEが、1つのAPNとの複数のPDN−PDN1a〜PDN4a接続を有する。さらに、PDN−PDN1a接続を一例としてあげると、PDN−PDN1a接続にはEPSベアラEPS1〜EPS3が存在する。APNは混雑状態にあり(つまりオーバーロード状態であり)、コアネットワークは、あらかじめリソースを解放しておくことを決定する。コアネットワークは、少なくとも1つのQoSパラメータの値を小さくするために、まず、PDN−PDN1a接続のEPSベアラEPS2〜EPS3を決定する。次に、コアネットワークは、PDN−PDN1a接続のEPSベアラEPS2〜EPS3の少なくとも1つのQoSパラメータの値を小さくすることをUEに指示するために、リクエストメッセージをUEに送信する。好ましくは、このリクエストメッセージは、3GPP標準規格にて規定される“MODIFY EPS BEARER CONTEXT REQUEST”メッセージである。また、バックオフタイマーも、3GPP標準規格にて規定されるセッション管理バックオフタイマーであってよい。UEは、バックオフタイマーが時間切れになるまで、つまり、バックオフタイマーの動作が停止されるまでは、APNとのPDN−PDN1a接続のEPSベアラEPS2〜EPS3の少なくとも1つのQoSパラメータを元の値に戻すことを、コアネットワークに対して要求しない。したがって、APNが、遅延することなく高優先度サービスまたは緊急サービスを提供するためのリソースを得られるだけではなく、リクエストがUEとコアネットワークとの間で複数回拒否または再送されることを減少させることもできる。さらに、上記の例はPDN−PDN1a接続およびそのEPSベアラを一例としてあげたにすぎない。実際には、コアネットワークの選択によって、PDN−PDN2a〜PDN4a接続におけるEPSベアラの各QoSパラメータも同じ方法で調整してかまわないのであって、ここでは限定されない。
【0074】
なお、コアネットワークがUEの少なくとも1つのPDN接続の少なくとも1つのEPSベアラの少なくとも1つのQoSパラメータの値を小さくする基準は、限定されない。例えば、この基準は、コアネットワークの優先順位であっても、少なくとも1つのEPSベアラの活動性であっても(例えば、活動性が低い少なくとも1つのEPSベアラのQoSパラメータとしてのQCIの値を大幅に小さくする)、少なくとも1つのEPSベアラの優先度であっても(例えば、優先度が低い少なくとも1つのEPSベアラのQoSパラメータとしてのARPの値を大幅に小さくする)、または、これらの任意の組み合わせであってもかまわない。さらに、上記少なくとも1つのQoSパラメータは、少なくとも1つのEPSベアラの、クオリティー・クラス・インデックス(“QCI”;Quality class index)、アロクーション/リテンション優先順位(“ARP”;Allocation and Retention Priority)、合計最大ビットレート(“AMBR”;Aggregated Maximum Bit Rate)、最大ビットレート(“MBR”;Maximum Bit Rate)、および、保証ビットレート(“GBR”;Guaranteed Bit Rate)のうちの少なくとも1つであってもかまわないのであって、ここでは限定されない。さらに、バックオフタイマーが動作して(つまり、APNが混雑状態であることを意味している)いれば、UEは、上記リクエストメッセージを受信した後には、少なくとも1つのQoSパラメータの値を小さくすることを承諾しなければならない。あるいは、リクエストメッセージを受信した後に、少なくとも1つのQoSパラメータの値を小さくすることをUEが承諾できず、かつ、バックオフタイマーが動作しているのであれば、UEが1つのPDN接続しか有していない場合には、UEは、PDN接続を切断する、または、コアネットワークからデタッチする。したがって、たとえ少なくとも1つのQoSパラメータの値を小さくすることをUEがサポートしなくても、プロセス100の有効性は保証される。
【0075】
したがって、上述の例示およびプロセス100によれば、APNが混雑状態にある場合、APNを管理するコアネットワークは、UEの少なくとも1つのPDN接続の少なくとも1つのEPSベアラの少なくとも1つのQoSパラメータを能動的に調整し、上記少なくとも1つのPDN接続からリソースを解放する。この状況では、高優先度サービスまたは緊急サービスを要求しているUEに対してこのようなサービスを提供するための十分なリソースを、APNが有することができる。したがって、受け入れ速度を向上させることができるだけではなく、リクエストがUEとコアネットワークとの間で複数回拒否または再送されることを減少させることもできる。拒否および再送を何度も送信するためのリソースが節約でき、さらに、コアネットワークの負荷を軽減することができる。
【0076】
なお、提案したステップを含めた上述のプロセスの各ステップは、例えばハードウェア、(ハードウェアデバイスと、ハードウェアデバイスに読み出し専用ソフトウェアとして保存されているコンピュータの命令およびデータとの組み合わせとして知られている)ファームウェア、電子システムなどの手段によって実現可能である。ハードウェアの例としては、マイクロ回路、マイクロチップ、または、シリコンチップとして知られている、アナログ回路、デジタル回路、混合回路などがあげられる。電子システムの例としては、システム・オン・チップ(SOC)、システム・イン・パッケージ(SiP)、コンピュータ・オン・モジュール(COM)、通信装置20などがあげられる。
【0077】
まとめると、本発明は、APNのリソース不足を解消するための複数の方法を提供する。本方法には、アクティブな方法もインアクティブな方法もあり、いずれの場合もAPNとの接続を有するUEまたはAPNを管理するコアネットワークにおいて使用可能である。したがって、UEがAPNを用いて、高優先度サービスまたは緊急サービスにアクセスすることを必要とする場合に、この高優先度サービスまたは緊急サービスを要求するリクエストが、遅延することなくただちに受け入れられるようになる。
【0078】
当業者であれば、本発明の教唆を保持しながら、装置および方法に多数の調整および変更を加えてもかまわないことが容易に理解できるであろう。したがって、上記の開示は、添付の請求項の範囲内にのみ限定されるものと解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明に係る一例としての無線通信システムの概略図である。
【図2】本発明に係る一例としての通信装置の概略図である。
【図3】本発明に係る一例としてのプロセスのフローチャートである。
【図4】本発明に係る一例としての無線通信システムの概略図である。
【図5】本発明に係る一例としてのプロセスのフローチャートである。
【図6】本発明に係る一例としてのプロセスのフローチャートである。
【図7】本発明に係る一例としての無線通信システムの概略図である。
【図8】本発明に係る一例としてのプロセスのフローチャートである。
【図9】本発明に係る一例としての無線通信システムの概略図である。
【図10】本発明に係る一例としてのプロセスのフローチャートである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムのアクセスポイント名(“APN”;Access Point Name)との複数の接続を有する、上記無線通信システムにおけるモバイルデバイスにおいて、上記APNを用いてサービスを始動する方法であって、
上記モバイルデバイスが上記複数の接続のうちの少なくとも1つの第2の接続を維持しつつ、上記複数の接続のうちの少なくとも1つの第1の接続をAPNから切断するステップと、
上記少なくとも1つの第1の接続を上記APNから切断した後に、上記APNを用いてサービスを始動するステップとを含んでおり、
上記APNが混雑状態またはオーバーロード状態である、方法。
【請求項2】
上記サービスが高優先度サービスまたは緊急サービスである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
上記少なくとも1つの第1の接続を上記APNから切断する上記ステップが、モバイルデバイスのユーザの優先順位、上記複数の接続の活動性、および、上記複数の接続の優先度、のうちの少なくとも1つに基づいて、上記少なくとも1つの第1の接続を上記APNから切断するステップを含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
上記複数の接続がパケットデータネットワーク(“PDN”;Packet Data Network)接続である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
無線通信システムのネットワークにおけるサービスを取り扱う方法であって、
上記無線通信システムにおいて、アクセスポイント名(“APN”;Access Point Name)との複数の接続を有するモバイルデバイスが、無線通信システムの上記APNを介してサービスにアクセスするために、上記モバイルデバイスから上記サービスを要求するリクエストを受信するステップと、
上記ネットワークが上記複数の接続のうちの少なくとも1つの第2の接続を維持しつつ、上記モバイルデバイスの複数の接続のうちの少なくとも1つの第1の接続を切断するステップとを含んでおり、
上記APNが混雑状態またはオーバーロード状態である、方法。
【請求項6】
上記サービスが高優先度サービスまたは緊急サービスである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
上記モバイルデバイスの少なくとも1つの第1の接続を切断する上記ステップが、上記ネットワークの優先順位、上記複数の接続の活動性、および、上記複数の接続の優先度、のうちの少なくとも1つに基づいて、上記モバイルデバイスの少なくとも1つの第1の接続を切断するステップを含んでいる、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
上記複数の接続がパケットデータネットワーク(“PDN”;Packet Data Network)接続である、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
上記ネットワークが、モビリティ管理エンティティ(“MME”;Mobility Management Entity)、SGSN(Serving GPRS Support Network)、または、モバイル交換センタ(“MSC”;Mobile Switching Center)を備えている、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
無線通信システムのネットワークにおいてのための、無線通信システムにおけるおいて複数のモバイルデバイスのそれぞれが、無線通信システムのアクセスポイント名(“APN”;Access Point Name)との少なくとも1つの接続を有しており、上記複数のモバイルデバイスを取り扱う方法であって、
上記複数のモバイルデバイスから、優先度が高い上記APNとの接続を有していない少なくとも1つのモバイルデバイスを選択するステップと、
上記少なくとも1つのモバイルデバイスに、上記少なくとも1つのモバイルデバイスを上記APNからデタッチするリクエストメッセージをバックオフタイマーとともに送信するステップとを含んでおり、
上記APNが混雑状態またはオーバーロード状態である、方法。
【請求項11】
上記少なくとも1つのモバイルデバイスが、上記バックオフタイマーが時間切れになる前に、上記APNからデタッチして該APNに再アタッチすることを停止するステップをさらに含んでいる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
上記リクエストメッセージが、3GPP標準規格にて規定される“DETACH REQUEST”メッセージである、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
無線通信システムのネットワークにおいて、無線通信システムにおけるモバイルデバイスが、無線通信システムのアクセスポイント名(“APN”;Access Point Name)との少なくとも1つの接続を有しており、上記モバイルデバイスの上記少なくとも1つの接続の少なくとも1つのベアラを取り扱う方法であって、
上記少なくとも1つのベアラを上記少なくとも1つの接続から選択するステップと、
上記モバイルデバイスに、上記モバイルデバイスの上記少なくとも1つのベアラを無効化することを要求する無効化リクエストメッセージをバックオフタイマーとともに送信するステップとを含んでおり、
上記APNが混雑状態またはオーバーロード状態である、方法。
【請求項14】
上記少なくとも1つのベアラを上記少なくとも1つの接続から選択するステップが、上記ネットワークの優先順位、上記少なくとも1つのベアラの活動性、および、上記少なくとも1つのベアラの優先度、のうちの少なくとも1つに基づいて、上記少なくとも1つのベアラを上記少なくとも1つの接続から選択するステップを含んでいる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
上記モバイルデバイスが、バックオフタイマーが時間切れになる前に、上記少なくとも1つのベアラを上記APNから無効化し、上記少なくとも1つのベアラを上記APNに対して再度有効化することを停止するステップをさらに含んでいる、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
上記無効化リクエストメッセージが、3GPP標準規格にて規定される“DEACTIVATE EVOLVED PACKET SYSTEM(EPS) BEARER CONTEXT REQUEST”メッセージである、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
上記少なくとも1つのベアラが少なくとも1つのEPSベアラであり、
上記少なくとも1つの接続が少なくとも1つのパケットデータネットワーク(PDN)接続である、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
無線通信システムのネットワークにおいて、無線通信システムにおけるモバイルデバイスが、無線通信システムのアクセスポイント名(“APN”;Access Point Name)との少なくとも1つの接続を有しており、上記モバイルデバイスの上記少なくとも1つの接続の少なくとも1つのベアラを取り扱う方法であって、
上記少なくとも1つの接続の上記少なくとも1つのベアラを、少なくとも1つのクオリティ・オブ・サービス(“QoS”;Quality of Service)パラメータを調整するために決定するステップと、
上記少なくとも1つの接続の上記少なくとも1つのベアラの上記少なくとも1つのQoSパラメータの調整を上記モバイルデバイスに指示するために、リクエストメッセージを上記モバイルデバイスに送信するステップとを含んでおり、
上記APNが混雑状態またはオーバーロード状態である、方法。
【請求項19】
上記少なくとも1つのQoSパラメータが、合計最大ビットレート(“AMBR”;Aggregated Maximum Bit Rate)、最大ビットレート(“MBR”;Maximum Bit Rate)、および、保証ビットレート(“GBR”;Guaranteed Bit Rate)のうちの少なくとも1つである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
上記少なくとも1つの接続の上記少なくとも1つのベアラを、少なくとも1つのQoSパラメータを調整するために決定する上記ステップが、
上記少なくとも1つの接続の上記少なくとも1つのベアラを、上記ネットワークの優先順位、上記少なくとも1つのベアラの活動性、および、上記少なくとも1つのベアラの優先度、のうちの少なくとも1つに基づいて、上記少なくとも1つのQoSパラメータを調整するために決定するステップを含んでいる、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
バックオフタイマーが動作していれば、上記モバイルデバイスが、上記リクエストメッセージを受信した後に上記少なくとも1つのQoSパラメータの調整を承諾するステップ、または、
バックオフタイマーが動作し、かつ、上記モバイルデバイスがリクエストメッセージを受信した後に上記少なくとも1つのQoSパラメータの調整を承諾できなければ、上記モバイルデバイスが上記少なくとも1つの接続を上記APNから切断するステップをさらに含んでいる、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
上記バックオフタイマーが、3GPP標準規格にて規定される、モビリティ管理バックオフタイマーまたはセッション管理バックオフタイマーである、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
上記少なくとも1つのベアラが少なくとも1つの進化型パケットシステム(“EPS”;Evolved Packet System)ベアラであり、
上記少なくとも1つの接続が少なくとも1つのパケットデータネットワーク(PDN)接続である、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
上記リクエストメッセージが、3GPP標準規格にて規定される“MODIFY EPS BEARER CONTEXT REQUEST”メッセージである、請求項18に記載の方法。
【請求項1】
無線通信システムのアクセスポイント名(“APN”;Access Point Name)との複数の接続を有する、上記無線通信システムにおけるモバイルデバイスにおいて、上記APNを用いてサービスを始動する方法であって、
上記モバイルデバイスが上記複数の接続のうちの少なくとも1つの第2の接続を維持しつつ、上記複数の接続のうちの少なくとも1つの第1の接続をAPNから切断するステップと、
上記少なくとも1つの第1の接続を上記APNから切断した後に、上記APNを用いてサービスを始動するステップとを含んでおり、
上記APNが混雑状態またはオーバーロード状態である、方法。
【請求項2】
上記サービスが高優先度サービスまたは緊急サービスである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
上記少なくとも1つの第1の接続を上記APNから切断する上記ステップが、モバイルデバイスのユーザの優先順位、上記複数の接続の活動性、および、上記複数の接続の優先度、のうちの少なくとも1つに基づいて、上記少なくとも1つの第1の接続を上記APNから切断するステップを含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
上記複数の接続がパケットデータネットワーク(“PDN”;Packet Data Network)接続である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
無線通信システムのネットワークにおけるサービスを取り扱う方法であって、
上記無線通信システムにおいて、アクセスポイント名(“APN”;Access Point Name)との複数の接続を有するモバイルデバイスが、無線通信システムの上記APNを介してサービスにアクセスするために、上記モバイルデバイスから上記サービスを要求するリクエストを受信するステップと、
上記ネットワークが上記複数の接続のうちの少なくとも1つの第2の接続を維持しつつ、上記モバイルデバイスの複数の接続のうちの少なくとも1つの第1の接続を切断するステップとを含んでおり、
上記APNが混雑状態またはオーバーロード状態である、方法。
【請求項6】
上記サービスが高優先度サービスまたは緊急サービスである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
上記モバイルデバイスの少なくとも1つの第1の接続を切断する上記ステップが、上記ネットワークの優先順位、上記複数の接続の活動性、および、上記複数の接続の優先度、のうちの少なくとも1つに基づいて、上記モバイルデバイスの少なくとも1つの第1の接続を切断するステップを含んでいる、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
上記複数の接続がパケットデータネットワーク(“PDN”;Packet Data Network)接続である、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
上記ネットワークが、モビリティ管理エンティティ(“MME”;Mobility Management Entity)、SGSN(Serving GPRS Support Network)、または、モバイル交換センタ(“MSC”;Mobile Switching Center)を備えている、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
無線通信システムのネットワークにおいてのための、無線通信システムにおけるおいて複数のモバイルデバイスのそれぞれが、無線通信システムのアクセスポイント名(“APN”;Access Point Name)との少なくとも1つの接続を有しており、上記複数のモバイルデバイスを取り扱う方法であって、
上記複数のモバイルデバイスから、優先度が高い上記APNとの接続を有していない少なくとも1つのモバイルデバイスを選択するステップと、
上記少なくとも1つのモバイルデバイスに、上記少なくとも1つのモバイルデバイスを上記APNからデタッチするリクエストメッセージをバックオフタイマーとともに送信するステップとを含んでおり、
上記APNが混雑状態またはオーバーロード状態である、方法。
【請求項11】
上記少なくとも1つのモバイルデバイスが、上記バックオフタイマーが時間切れになる前に、上記APNからデタッチして該APNに再アタッチすることを停止するステップをさらに含んでいる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
上記リクエストメッセージが、3GPP標準規格にて規定される“DETACH REQUEST”メッセージである、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
無線通信システムのネットワークにおいて、無線通信システムにおけるモバイルデバイスが、無線通信システムのアクセスポイント名(“APN”;Access Point Name)との少なくとも1つの接続を有しており、上記モバイルデバイスの上記少なくとも1つの接続の少なくとも1つのベアラを取り扱う方法であって、
上記少なくとも1つのベアラを上記少なくとも1つの接続から選択するステップと、
上記モバイルデバイスに、上記モバイルデバイスの上記少なくとも1つのベアラを無効化することを要求する無効化リクエストメッセージをバックオフタイマーとともに送信するステップとを含んでおり、
上記APNが混雑状態またはオーバーロード状態である、方法。
【請求項14】
上記少なくとも1つのベアラを上記少なくとも1つの接続から選択するステップが、上記ネットワークの優先順位、上記少なくとも1つのベアラの活動性、および、上記少なくとも1つのベアラの優先度、のうちの少なくとも1つに基づいて、上記少なくとも1つのベアラを上記少なくとも1つの接続から選択するステップを含んでいる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
上記モバイルデバイスが、バックオフタイマーが時間切れになる前に、上記少なくとも1つのベアラを上記APNから無効化し、上記少なくとも1つのベアラを上記APNに対して再度有効化することを停止するステップをさらに含んでいる、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
上記無効化リクエストメッセージが、3GPP標準規格にて規定される“DEACTIVATE EVOLVED PACKET SYSTEM(EPS) BEARER CONTEXT REQUEST”メッセージである、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
上記少なくとも1つのベアラが少なくとも1つのEPSベアラであり、
上記少なくとも1つの接続が少なくとも1つのパケットデータネットワーク(PDN)接続である、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
無線通信システムのネットワークにおいて、無線通信システムにおけるモバイルデバイスが、無線通信システムのアクセスポイント名(“APN”;Access Point Name)との少なくとも1つの接続を有しており、上記モバイルデバイスの上記少なくとも1つの接続の少なくとも1つのベアラを取り扱う方法であって、
上記少なくとも1つの接続の上記少なくとも1つのベアラを、少なくとも1つのクオリティ・オブ・サービス(“QoS”;Quality of Service)パラメータを調整するために決定するステップと、
上記少なくとも1つの接続の上記少なくとも1つのベアラの上記少なくとも1つのQoSパラメータの調整を上記モバイルデバイスに指示するために、リクエストメッセージを上記モバイルデバイスに送信するステップとを含んでおり、
上記APNが混雑状態またはオーバーロード状態である、方法。
【請求項19】
上記少なくとも1つのQoSパラメータが、合計最大ビットレート(“AMBR”;Aggregated Maximum Bit Rate)、最大ビットレート(“MBR”;Maximum Bit Rate)、および、保証ビットレート(“GBR”;Guaranteed Bit Rate)のうちの少なくとも1つである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
上記少なくとも1つの接続の上記少なくとも1つのベアラを、少なくとも1つのQoSパラメータを調整するために決定する上記ステップが、
上記少なくとも1つの接続の上記少なくとも1つのベアラを、上記ネットワークの優先順位、上記少なくとも1つのベアラの活動性、および、上記少なくとも1つのベアラの優先度、のうちの少なくとも1つに基づいて、上記少なくとも1つのQoSパラメータを調整するために決定するステップを含んでいる、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
バックオフタイマーが動作していれば、上記モバイルデバイスが、上記リクエストメッセージを受信した後に上記少なくとも1つのQoSパラメータの調整を承諾するステップ、または、
バックオフタイマーが動作し、かつ、上記モバイルデバイスがリクエストメッセージを受信した後に上記少なくとも1つのQoSパラメータの調整を承諾できなければ、上記モバイルデバイスが上記少なくとも1つの接続を上記APNから切断するステップをさらに含んでいる、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
上記バックオフタイマーが、3GPP標準規格にて規定される、モビリティ管理バックオフタイマーまたはセッション管理バックオフタイマーである、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
上記少なくとも1つのベアラが少なくとも1つの進化型パケットシステム(“EPS”;Evolved Packet System)ベアラであり、
上記少なくとも1つの接続が少なくとも1つのパケットデータネットワーク(PDN)接続である、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
上記リクエストメッセージが、3GPP標準規格にて規定される“MODIFY EPS BEARER CONTEXT REQUEST”メッセージである、請求項18に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
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【図8】
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【図10】
【公開番号】特開2012−85287(P2012−85287A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−221421(P2011−221421)
【出願日】平成23年10月5日(2011.10.5)
【出願人】(502160992)宏達國際電子股▲ふん▼有限公司 (97)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−221421(P2011−221421)
【出願日】平成23年10月5日(2011.10.5)
【出願人】(502160992)宏達國際電子股▲ふん▼有限公司 (97)
【Fターム(参考)】
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