説明

アクセス制御装置および読取り/書込み装置

固定要素を有する錠を備え、固定要素の作動要素、電子式キー、キーの認証データを受信する受信ユニットおよび受信した認証データに基づいてアクセス承認を確立する評価回路を備えたアクセス制御の装置において、評価回路は、作動要素および/又は固定要素と相互作用して、錠の選択的な開錠又は施錠を行う。電子式キーは、認証データの送信に使用される容量性近接場を生成する手段を有する。更に、キーを持つ人に対して容量性近接場を結合させる装置が設けられる。受信ユニットは、錠から切り離された装置の形をしており、少なくとも1つの容量性結合表面を有することによって、人が容量性結合表面に接触するか、あるいは、容量性結合表面に接近すると、AC回路が閉じられて、受信ユニットを通る電気の流れが生成されて、それを受信ユニットが検出することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクセス制御装置に関するものであって、それは、固定要素を備えた錠、固定要素の駆動要素、電子式キー、キー認証データを受信する受信機ユニットおよび受信した認証データに基づいてアクセス承認を決定する評価回路であって、駆動要素および/又は固定要素と共同して錠を選択的に施錠又は開錠するための評価回路を含む。本発明は、更にそのような装置用の書込み/読取り装置にも関連する。
【背景技術】
【0002】
以下において、電子式キーは、各種の形状のものを含み、それらの中には、特にカード、キー・リング又はチェーンと、機械式および電子式キーの組合せが含まれるものとする。
【0003】
最初に定義した種類のアクセス制御装置は、各種の形状のものが知られるようになってきた。すなわち、例えば、特に車のドアを施錠および開錠する無線式の遠隔制御型錠が知られるようになってきた。この場合、オプションで符号化された形で無線リンクを介して錠の受信機に認証データを送信するために移動型電子式キーが提供される。錠は、受信した情報を評価し、オプションとして復号化するための電気回路を有する。これにより、受信した認証データに基づいてアクセス承認が決定され次第、錠が駆動される。このような無線式遠隔制御型錠のほかにも、トランスポンダ・キーを使用したアクセス制御システムが存在する。錠を駆動するために、単にトランスポンダ・キーを錠の送信機−受信機ユニットの数センチメートル近くにまで接近させればよい。これによって、トランスポンダ・キーに記憶された認証データが誘導的に読み取られる。
【0004】
更に、いわゆる「ヒューマン・エリア・ネットワーク(HAN)」が知られるようになってきた。これは、電子装置を運ぶ人の皮膚を送信媒体として使用することによって、少なくとも2つの電子装置間でデータ交換を行うものである。この場合に、データ送信は、電磁波や光によってではなく、皮膚表面の弱い電場を介して行われる。これは、容量性近接場とも呼ばれ、ここには、原則として容量性近接場を発生する送信機およびそれぞれの人の皮膚に対して近接場を結合させる手段が提供される。電場上で変調されたデータが後に受信機で受信され、それに従って評価される。
【0005】
EP1,239,420A1から1つの認証システムが知られるようになった。これは、少なくとも部分的にユーザが接触できる物体の内部に別の電場が生成されるようになっている。ユーザに対して結合された電場と、それの周囲の二次的電場とが容量的に結合する。ユーザが運ぶ符号送信機は、二次的電場を確認して、その場合に限り符号信号を送信して承認を確認する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】EP−A1−1239420
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、アクセス制御の取扱いを簡略化し、従来のアクセス制御システムを改善して、安全性を高め、未承認者による誤操作の機会を減らし、悪意のある操作を防止するとともに、信頼性、使いやすさおよび耐久性を強化することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するために、最初に定義した種類のアクセス制御装置の本質的特徴として、電子式キーは、認証データを発信するための媒体となる容量性近接場を生成する手段と、キーを運ぶ人に容量性近接場を結合させる装置とを含むこと、また受信機ユニットは、錠および駆動要素から切り離された壁設置型リーダ又は卓上型リーダ・ユニットとして設計され、少なくとも1つの容量性結合表面を含むため、前記人が容量性結合表面に接触するか接近することによって交流電流回路が閉じて受信機ユニットを横切る電束が発生し、それを受信機ユニットが検出できるようになることを挙げることができる。認証データの送信は、容量性近接場の助けを借りて電子式キーから錠へと実行されるため、電子式キー自身を錠の受信機のごくそばまで接近させる必要はなく、また例えば、ボタンを押すなどキーを駆動するための個別手段は、必要とされない。それよりもむしろ、例えば、ズボンのポケットやブリーフ・ケースなどに入れた形で電子式キーをそれぞれのユーザの身体に近づけることでよく、それによって電子式キーによってそれぞれのユーザの身体表面に結合された容量性近接場を介して、認証データの送信および受信が実行される。キーを運ぶ人が受信機ユニットの容量性結合表面又は結合表面に伝導的につながる部分に接近又は接触し次第、容量性近接場を介してキーの送信機から受信機ユニットへデータ送信自体が発生して、交流電流回路が閉じられ、受信機ユニットを横切る電束が誘起され、それを受信機ユニットが検出できるようになる。認証データは、例えば、電子式キーによって生成される搬送周波数上で変調される。
【0009】
このようにすることで錠を開錠するときのアクセス制御の使いやすさが本質的に改善される一方で、キーを運ぶ人が別個の受信機ユニットに接近するかそれに接触した場合にのみデータ送信が実行されることが同時に保証され、それによって第三者による誤操作の機会がほとんどすべて排除される。本発明に従うことで低エネルギーの容量性近接場が供給されるという事実のせいで、アクセス制御システムのエネルギー消費、特に電子式キーの電力消費は、なおさら極端にまで低減される。概して、容量性近接場によって生成される電流は、極端にまで小さく、ユーザの皮膚を通って送信された場合でも、人の臓器に対して全く無害なものとなる。
【0010】
受信機ユニットおよびオプションで受信データの評価のために必要な回路すべてを錠から切り離された受信機ユニット内部に配置することで、既存の錠の改良が容易になり、錠が電気作動式であれば、錠自体を交換する必要がなくなる。
【0011】
錠から切り離された受信機ユニットを設けることで、錠の構造的条件に関わらず、錠の取扱いおよび受信品質を最適化するように受信機ユニットを構成することが可能になる。更に、例えば、壁設置型リーダとして設計された外部受信機ユニットにその他の機能を備えることが簡単に可能となる。こうすることによって、例えば、指紋スキャナ、虹彩スキャナ又はアクセス・コードを入力用キー・パッドのような付加的な認証およびアクセス承認の検査が提供される。このような付加的な制御設備は、例えば、誤作動キーの場合に電子式キーによって許可されるアクセス制御を置換え、あるいは、補助的な安全対策として提供される。
【0012】
更に、錠から切り離された別個のユニットとして受信機ユニットを構成することは、例えば、時間検出システム(time detection system)などの外部および内部通信ネットワーク又はデータベースへの受信機ユニットの接続を容易にする。
【0013】
受信機ユニットの具体的な構成オプションに関する限り、それは、錠の受信機ユニットが、一緒になって受信機キャパシタを構成する少なくとも2つの電極を含むように好適なやり方で設けられる。この場合、原則として、受信機キャパシタの電極は、受信機ユニット内部の、電束のほとんどが通過する場所に配置されることが最も望ましい。受信機ユニットを貫通する電束の経路は、例えば、受信機ユニットのそれぞれの設置状況のほか、容器および容器の蓋など、受信機ユニットの個別部品の具体的な構造的形状に依存する。設置状況のほか、受信機ユニットの具体的な形状に対して依存して程度に差のある強い浮遊場が形成されるため、例えば、受信機ユニットが設置される壁および電子式キーを運ぶ人の背景のアースおよびキーを介して交流電流回路が閉じられてデータ交換が発生することを可能にするように、受信機キャパシタの電極が電束の通過する場所に配置されるように注意を払う必要がある。
【0014】
錠の簡単な開錠又は施錠のためには、受信機ユニットを介して電子式キーから錠への一方向のデータ交換でもよい。しかし、好ましい別の展開では、双方向的なデータ交換が採用され、電子式キーへデータを送信する送信ニットが設けられる。このような受信機ユニットからキーへの裏ルートは、例えば、符号化や付加的データ送信の目的に役立ち、付加的データは、のちにキーに記憶されて、次の開錠手続きの間に評価回路又は錠へ送り返される。このようなデータの送り返しは、例えば、受信機ユニットから中央データベース又は時間検出システムなどの人に関連するシステムへそのようなデータをのちに運ぶ目的のためにも実行される。
【0015】
送信ユニットは、好ましくは、容量性近接場を生成し、キーを運ぶ人に前記場を結合させる手段を含む。このケースの送信ユニットもまた、一緒になって送信機キャパシタを形成する少なくとも2つの電極を含む。この点に関して、構成を工夫することによって、受信機キャパシタの電極と送信機キャパシタの電極とは、互いに独立し互いに分離したものとして設計される。しかし、有利なやり方として、構成を工夫して、受信機キャパシタの電極の少なくとも1つが同時に送信機キャパシタの電極の1つを兼ねるようにすることもできる。この場合、1つの電極が受信機キャパシタの1つの電極と送信機キャパシタの1つの電極とを同時に構成し、各々のキャパシタに付加的な別の電極を有する方法と、合計で2つだけ電極を設けて、それらが受信機キャパシタと送信機キャパシタとを交番的に構成するようにする方法とが考えられる。
【0016】
電極の具体的な形状は、各種のやり方で実現されるが、電極の少なくとも1つを受信機ユニットのコンポネント上の伝導性フォイルとして形成した構造が好ましい。伝導性フォイルの代わりに、電極の少なくとも1つを受信機ユニットのコンポネントの伝導性被覆、特にワニスとして形成することも考えられる。
【0017】
受信機ユニットの設置を容易にし、かつ単純なやり方で壁設置型リーダを構成できるように、受信機キャパシタの電極は、電気設備ボックスに配置するか、あるいは、それの一部として形成することが好ましい。
【0018】
電極の、特に電気設備ボックス内での特に有利な配置を実現するために各種のオプションが考えられる。すなわち、壁に設置することによって、受信機キャパシタの電極の1つが受信機キャパシタの他方の電極に対して直交する平面内に配置される点で好ましい、アースに対する良好な浮遊状態が実現される。ここで円筒形の設置ボックスの状態は、好適な構成に従うように、受信機キャパシタの電極の1つを円形に設計し、受信機キャパシタの他方の電極を円筒の部分的なカバー表面に沿うように円形電極に対して直交するように配置された軸を有し、円筒の半径を、好ましくは、円形電極の半径に本質的に対応するように設計すれば、特にうまく説明することができる。この結果、良好な受信特性を実現しながら、しかも特にコンパクトで空間を節約した形状が実現できる。受信機キャパシタの内部容量を増やすために、この形状は、好ましくは、更に発展させられ、円形に設計された電極が、他方の電極のカバー表面内に配置され、それと平行して湾曲する突出部を有するようにされる。
【0019】
例えば、卓上型読取り装置として使用するためには、分離した受信機および/又はリーダ・ユニットを水平に搭載した状態で、受信機キャパシタの2つの電極が平行に配置された形状が好ましく、ここで2つの平行に配置された電極の1つが他方の電極の平行な突出部内に配置されて、好ましくは、より小さい表面積を有するのであれば特に好ましい。
【0020】
既に述べたように、受信機ユニットは、錠から切り離されたユニットとして設計されるべきであり、錠への接続は、ワイヤレス方式で、あるいは、ケーブルの助けによって行うことが可能である。この場合、受信機ユニットは、例えば、送信機ユニット又は評価回路などの固定装置のその他の回路又はコンポネントと一緒に外部読取り又は書込み/読取り装置と組み合わされることが好ましい。この場合、アクセス承認に関して電子式キーから受信したデータを評価する評価回路は、同様に外部読取り又は書込み/読取り装置内に配置されることが好ましく、それによって外部読取り又は書込み/読取り装置は、本発明に従うアクセス制御のために必要な任意のコンポネントを組み合わせることができ、それによってこのタイプの外部読取り又は書込み/読取り装置は、従来の電気的に動作可能な錠と電気的に接続するだけでよいことになる。このようにして、既存錠の改良や性能向上が本質的に容易になる。
【0021】
読取り又は書込み/読取り装置のその他の組織内システムへの統合化は、読取り又は書込み/読取り装置が、オプションの電子式キーの承認情報および施錠および/又は開錠手続きに関する情報のほか、認証データを、例えば、時間検出システム等のような外部機器へ送信するためのインタフェースを含むように許容されることが好ましい。
【0022】
以下において、図面に模式的に示された例示的実施の形態を例に取って本発明について更に詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】発明に従うアクセス制御装置の模式図。
【図2】図1に従う構成の簡略化された等価回路図。
【図3】錠から切り離された受信機ユニットの模式図。
【図4】錠から切り離された受信機ユニットの模式図。
【図5】受信機ユニットの修正された構成を示す模式図。
【図6】受信機ユニットの修正された構成を示す模式図。
【図7】受信機ユニットの更に別の修正構成を示す模式図。
【図8】受信機ユニットの更に別の修正構成を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、人が開こうとしているドアを模式的に示しており、同時に個々の浮遊、損失および結合容量を示している。ドアは、1で示され、ノブとして示された駆動要素3を含む錠2を含んでいる。人4は、電子式キー5を持っており、これは、例えばズボンのポケットに入れてある。電子式キーは、好ましくは、認証データで変調された搬送周波数を有する容量性近接場を発生させる。容量性近接場は、人4の身体表面に結合され、のちに受信機ユニット8を含む壁設置型リーダ9に向かって運ばれる。受信機ユニットによって受信されたデータは、オプションとしての評価のあと、ライン10を介して錠2に送信される。電子式キー5は、アース6に対する浮遊容量Cstを有する。電子式キー5と人4との遷移領域には、結合容量Cが観察されるはずである。更に、人4とアース6との間には、損失容量Cが生じる。最後に、受信機ユニットは、アースとの間に円筒容量Cを有する。
【0025】
図2には、対応する簡略化した等価回路図が示され、上述の容量も示されている。ここで、Cは、送信機から受信機の受信機容量を介して閉じることなく、むしろそれの脇を通過し、従って受信機と送信機との間の結合になんら関与しない電束を生ずるすべての容量を表す。Cstは、合計として、送信機の下部電極とアースとの容量性結合に寄与する容量を表す。Cは、合計として、人4と第2の電極との容量性結合に寄与する容量を表す。Cは、合計として、受信機ユニット8又は壁設置型リーダ9からアースへの容量性結合に寄与する容量を表す。図2にも、壁設置型リーダが9で示されており、受信機キャパシタ7を有している。受信機キャパシタ7は、一方で十分な電束が受信機キャパシタを介して閉じるが、他方でキャパシタの電圧が余り小さくならないように工夫されなければならない。受信機キャパシタの容量が小さくなりすぎると、それを介して閉じる電束が少なすぎることになる。また、逆に受信機キャパシタの容量が余りに大きすぎても、キャパシタ電圧u=q/cが不利に小さくなるので望ましくない。
【0026】
図3は、円筒形壁設置型リーダの側面図であり、また図4は、その前面図である。これは、例えば、電気設備ボックス11に統合される。ボックス11内部に、受信機キャパシタの第1の電極12と第2の電極13が示されている。アース6に対する浮遊状態を改善するために、第2の電極13は、円形に設計された第1の電極12に対して本質的に垂直に配置される。この場合の第2の電極は、ボックス11の円筒形カバー表面に平行に湾曲するように設計されている。円弧角αは、それぞれの要求の関数として0および360°の間の角度に選ばれる。受信機キャパシタの内部容量を状況に合わせるように、電極12に対して、図5および図6に示されたように、付加的な部品14が追加される。突出部14は、電極13に平行に湾曲するように設計され、深さは、適合目的に合わせて変化する。円弧角βも同様に変化する。
【0027】
電極12および13は、例えば、十分伝導性の高い材料(例えば金属)、十分伝導性の高いフォイル(例えば、金属フォイル)、十分伝導性の高い被覆、十分伝導性の高いワニスを含むか、任意のその他のやり方で十分伝導性の高いものとされる。
【0028】
電極12は、また壁設置型リーダの端面を形成するか、あるいは、それに接続される。同様に、電極13も壁設置型リーダ・ボックス11によって形成されるか、それの一部によって形成されるか、あるいは、それに接続される。好適な構成において、ボックス11の端面は、丸くされるか、あるいは、矩形にされる。
【0029】
電気設備ボックスを設置するとき、電極12は、市販されているブラインド・カバーの上に形成されるか、あるいは、それによって形成される。
【0030】
図7および図8に従う説明では、受信機ユニットは、例えば、水平設置の卓上型リーダとして設計されている。このケースでは、受信機キャパシタの2つの平行な電極15および16が設けられている。この実施の形態で、受信機キャパシタの内部容量は、長さlおよび/又はlを変化させることによって特にうまく実現できる。当然ながら、改造のために電気工学で一般的な手段(l、l、電極15と16との間の距離)を利用できる。電極15および16の浮遊状態および電子式キーに対する結合状態は、長さl、l、l、lおよび電極間隔によって、用途(壁設置型リーダ、卓上型リーダ)の関数として特にうまく適合させることができる。
【0031】
電極に加えて、ボックス11内に必要なエレクトロニクスは、適した場所(電極間、電極脇、又は個々の電極の前又は背後)に配置することができる。
【0032】
概して、壁設置型リーダ、卓上型リーダおよびリーダ端末の形をした読取り又は書込み/読取りユニット形状が好ましい。
【0033】
壁設置型リーダは、壁に設置するために提供される。これは、送信機および受信機電極、リーダ電極、例えば、リレーや半導体リリース要素(MOSFET、トランジスタ)などのリリース要素のほかに、アクセス承認を決定するための評価エレクトロニクスを含む。オプションとして、例えば、LEDおよび/又はブザーなどの信号手段が設けられる。エネルギー供給は、電源ユニット又は電池によって実現される。評価回路およびリリース要素もまた、離れた容器(例えば、安全領域に)中に収容することができる。
【0034】
卓上型リーダは、通常は、コンピュータの近くに配置又は設置される。その仕事は、電気式キーからコンピュータへ、あるいは、その逆にコンピュータから電子式キーへデータを転送することである。卓上型リーダは、送信機および受信機電極、リーダ電極のほか、必要に応じてコンピュータへのデータ転送を許可するエレクトロニクスを含む。オプションとして、LEDおよび/又はブザーなどの信号手段も設けられる。エネルギー供給は、電源ユニットによって、コンピュータから、あるいは、電池によって実現される。
【0035】
リーダ端末は、通常は、転送ユニットを含むデータ読出しユニットとして採用される。これによって、データは、例えば、1kmという長距離を転送することもできる。端末は、しばしばインタフェース変換機としても使用される。データは、インタフェースにおいて機器と交換され、機器に対して決定的なインタフェース・プロトコルは、完全に監視される。従って、ほとんどのケースで、これは、機器の近く又は内部(技術的に可能な場所)に設置される。必要であれば、リーダ端末は、また電子式キーにデータを書き込むこともできる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセス制御装置であって、固定要素を備えた錠、固定要素の駆動要素、電子式キー、キー認証データを受信する受信機ユニットおよび錠を選択的に施錠又は開錠するために駆動要素および/又は固定要素と共同し、受信した認証データに基づいてアクセス承認を決定する評価回路を含み、電子式キー(5)は、それを介して認証データを発信させる容量性近接場を発生させる手段と、キーを運ぶ人(4)に対して容量性近接場を結合させる装置とを含むこと、および受信機ユニット(8)は、錠および駆動要素から切り離された壁設置型リーダ又は卓上型リーダ・ユニット(9)として設計されて、少なくとも1つの容量性結合表面を含むことによって、前記人(4)が容量性結合表面に接触するか、あるいは、容量性結合表面に接近することによって交流電流回路が閉じて、受信機ユニット(8)を横切る電束が生成され、それを受信機ユニット(8)が検出できることを特徴とするアクセス制御装置。
【請求項2】
請求項1記載の装置であって、受信機ユニットは、一緒になって受信機キャパシタを形成する少なくとも2つの電極(12、13)を含むことを特徴とする前記装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の装置であって、更に電子式キー(5)にデータを送信する送信機ユニットが設けられることを特徴とする前記装置。
【請求項4】
請求項3記載の装置であって、送信機ユニットは、容量性近接場を発生させ、キー(5)を運ぶ人(4)にその場を結合させる手段を含むことを特徴とする前記装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の装置であって、送信機ユニットは、結合することによって送信機キャパシタを形成する少なくとも2つの電極を含むことを特徴とする前記装置。
【請求項6】
請求項1から5の任意の1項記載の装置であって、受信機キャパシタの電極の少なくとも1つは、同時に送信機キャパシタの電極の1つを形成することを特徴とする前記装置。
【請求項7】
請求項1から6の任意の1項記載の装置であって、電極の少なくとも1つは、受信機ユニット(8)のコンポネント上の伝導性フォイルとして形成されることを特徴とする前記装置。
【請求項8】
請求項1から7の任意の1項記載の装置であって、電極の少なくとも1つは、受信機ユニット(8)の伝導性被覆、特にワニスとして形成されることを特徴とする前記装置。
【請求項9】
請求項1から8の任意の1項記載の装置であって、受信機キャパシタの電極(12、13)は、電気設備ボックス(11)内に配置されるか、あるいは、それの一部として形成されることを特徴とする前記装置。
【請求項10】
請求項1から9の任意の項記載の装置であって、受信機キャパシタの1つの電極(12)は、受信機キャパシタの他方の電極(13)に直交する平面に配置されることを特徴とする前記装置。
【請求項11】
請求項1から10の任意の1項記載の装置であって、受信機キャパシタの1つの電極(12)は、円形に設計され、受信機キャパシタの他方の電極(13)は、円筒の部分的なカバー表面に沿って円形電極(12)に直交するように配置された軸を有し、円筒の半径は、好ましくは、円形電極(12)の半径に本質的に対応するように設計されることを特徴とする前記装置。
【請求項12】
請求項1から11の任意の1項記載の装置であって、円形に設計された電極(12)は、他方の電極(13)のカバー表面内に配置され、それに平行に湾曲した突出部(14)を含むことを特徴とする前記装置。
【請求項13】
請求項1から12の任意の1項記載の装置であって、受信機ユニットおよびオプションの送信機ユニットは、錠(2)から切り離された読取り又は書込み/読取り装置内に配置され、ワイヤレス方式で、あるいは、ケーブルの助けによって評価回路と接続されることを特徴とする前記装置。
【請求項14】
請求項13記載の装置であって、評価装置は、読取り又は書込み/読取り装置(9)内に配置されることを特徴とする前記装置。
【請求項15】
請求項1から14の任意の1項記載の装置であって、読取り又は書込み/読取り装置(9)は、認証データのほか、オプションとしての電子式キー(5)の承認情報および施錠および/又は開錠手続きに関する情報を、例えば、時間検出システム等の外部機器に対して送信するインタフェースを含むことを特徴とする前記装置。
【請求項16】
請求項1から15の任意の1項記載の装置であって、受信機ユニット(8)は、少なくとも1つの容量性結合表面を含むことによって、容量性近接場を発信する電子式キー(5)を運ぶ人(4)が容量性結合表面に接触するか、あるいは、容量性結合表面に接近すると、交流電流回路が閉じられて、受信機ユニット(8)を横切る電束が生成され、それを受信機ユニット(8)が検出できることを特徴とする前記装置。
【請求項17】
請求項16記載の書込み/読取り装置であって、受信機ユニット(8)は、一緒になって受信機キャパシタを形成する少なくとも2つの電極(15、16)を含むことを特徴とする前記書込み/読取り装置。
【請求項18】
請求項16又は17に記載の書込み/読取り装置であって、電極の少なくとも1つは、受信機ユニットのコンポネント上の伝導性フォイルとして形成されることを特徴とする前記書込み/読取り装置。
【請求項19】
請求項16から18の任意の1項記載の書込み/読取り装置であって、電極の少なくとも1つは、受信機ユニットの伝導性被覆、特にワニスとして形成されることを特徴とする前記書込み/読取り装置。
【請求項20】
請求項16から19の任意の1項記載の書込み/読取り装置であって、受信機キャパシタの2つの電極(15、16)は、平行に配置されることを特徴とする前記書込み/読取り装置。
【請求項21】
請求項16から20の任意の1項記載の書込み/読取り装置であって、2つの平行に配置された電極(15、16)の1つ(16)は、他方の電極(15)の平行な突出部内に配置され、好ましくは、より小さい表面積を有することを特徴とする前記書込み/読取り装置。
【請求項22】
請求項16から21の任意の1項記載の書込み/読取り装置であって、それは、認証データのほか、オプションとして電子式キーの承認情報および施錠および/又は開錠手続きに関する情報を、例えば、時間検出システム等などの外部機器へ送信するインタフェースを含むことを特徴とする前記書込み/読取り装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−544871(P2009−544871A)
【公表日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−521061(P2009−521061)
【出願日】平成19年6月26日(2007.6.26)
【国際出願番号】PCT/AT2007/000315
【国際公開番号】WO2008/011643
【国際公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(508252125)エバ − ヴェルク シュペツィアレルツォイグンク フォン シリンダー − ウント ズィヒェルハイツシュレッセルン ゲゼルシャフト エム.ベー.ハー.ウント カンパニー カーゲー (8)
【Fターム(参考)】