アクチュエータ
【課題】移動体に回転運動及び直線運動をさせることが可能で、構造が簡単で且つ、より容易に機器に適用させることが可能なアクチュエータを提供する。
【解決手段】回転駆動部1aによってシャフト2による軸回りの回転運動を可能とし、直線駆動部1bによってシャフト2の軸方向の直線運動を可能にした2軸アクチュエータ1であって、機器を装着するターンテーブル3と、シャフト2の直線運動を運動方向を変えずにターンテーブル3に伝達するとともにシャフト2の回転運動を回転軸方向を90度変更した上でターンテーブル3に伝達する駆動伝達部1cを備える。
【解決手段】回転駆動部1aによってシャフト2による軸回りの回転運動を可能とし、直線駆動部1bによってシャフト2の軸方向の直線運動を可能にした2軸アクチュエータ1であって、機器を装着するターンテーブル3と、シャフト2の直線運動を運動方向を変えずにターンテーブル3に伝達するとともにシャフト2の回転運動を回転軸方向を90度変更した上でターンテーブル3に伝達する駆動伝達部1cを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体に直線運動させ且つ、当該移動体に所定の回転軸の周りに回転運動させることが可能なアクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
工作機械、組立て機械や測定器などの機器においては、ワークや工具、部品、プローブなどの移動体を直線運動させるとともに所定の回転軸に対して回転運動させることが要求される場合がある。直線運動と回転運動の両方が可能なアクチュエータとしては、リニアパルスモータとロータリパルスモータとを軸線方向に結合したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、上記の公知技術においては、出力軸がその軸方向に直線運動するとともに軸回りに回転運動するものであって、その回転運動及び直線運動を直接、工作機械、組立て機械や測定器などの機器に容易に適用できる形態になっていたとは言えず、使い勝手が良くない場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−237931号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記のような不都合を解決するためになされたものであり、所定の軸回りの回転運動及び直線運動が可能で、より容易に機器に適用させることが可能なアクチュエータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明は、シャフトによる軸回りの回転運動と軸方向の直線運動の両方を可能にしたアクチュエータにおいて、機器を装着可能なターンテーブルを有しており、シャフトの直線運動が運動方向を変えずにターンテーブルに伝達されるとともにシャフトの回転運動が回転軸を90度変更した上でターンテーブルに伝達されることを最大の特徴とする。
【0007】
より詳しくは、
軸回りの回転及び軸方向の直進が可能に設けられたシャフトと、
前記シャフトに軸回りの回転トルクを電磁的に作用させる回転駆動装置と、
前記シャフトに軸方向の推進力を電磁的に作用させる直線駆動装置と、を備え、
前記シャフトに、軸回りの回転運動及び軸方向の直線運動を行なわせるアクチュエータであって、
回転運動及び直線運動をさせる対象となる移動体を装着可能であり前記シャフトの軸と垂直の中心軸を有する略円板状のターンテーブルと、
前記シャフトの直線運動を運動方向を変えずに前記ターンテーブルに伝達するとともに前記シャフトの回転運動の回転軸を垂直に変更して前記ターンテーブルに伝達する駆動伝達装置と、
をさらに備えることを特徴とする。
【0008】
ここで、1本のシャフトが、そのシャフトの軸回りの回転運動とそのシャフトの軸方向
の直線運動の両方できるように構成したアクチュエータを、以下においては、2軸に対する自由度を有するという意味で2軸アクチュエータと呼ぶ。そして、工作機械、組立て機械や測定器などの実際の機器においては、移動体を直線運動させるとともに、直線運動の進行方向に垂直な回転軸の回りに前記移動体を回転させることが要求される場合が多い。本発明においては、シャフトを軸回りに回転させるとともにシャフトの軸方向に直線運動させる回転駆動装置及び直線駆動装置を用いた上で、ターンテーブルをシャフトの進行方向に垂直な軸回りに回転させることが可能となる。これにより、2軸アクチュエータをより容易に機器に適用することができ、2軸アクチュエータの適用範囲を広げることが可能となる。
【0009】
なお、本発明において上記した課題を解決するための手段は、可能なかぎり組み合わせて用いることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、2軸アクチュエータを種々の機器により容易に適用して、2軸アクチュエータの回転運動及び直線運動を前記各機器における移動体に伝達することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る2軸アクチュエータの斜視図である。
【図2】本発明に係る2軸アクチュエータの断面図、平面図、底面図及び側面図である。
【図3】本発明の2軸アクチュエータにおける回転駆動部の断面図である。
【図4】本発明の回転駆動部においてハウジングを取り外した状態を示す図である。
【図5】本発明におけるスプラインナットの斜視図である。
【図6】本発明の回転駆動部における永久磁石及びコイル付近を示す図である。
【図7】本発明の直線駆動部の一部断面を含む斜視図である。
【図8】本発明の直線駆動部における複数のコイルを示す斜視図である。
【図9】本発明の直線駆動部の作動原理を説明するための図である。
【図10】本発明の2軸アクチュエータのシステム図である。
【図11】本発明の駆動伝達部の断面図、平面図及び側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る運動案内装置について、図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
<実施例1>
図1は本実施例における2軸アクチュエータ1の斜視図を示す。2軸アクチュエータ1はシャフト2に軸回りの回転運動と軸方向の直線運動とをさせることが可能な複合アクチュエータであり、回転駆動部1a、直線駆動部1b、駆動伝達部1cとを有している。回転駆動部1aにおいては、シャフト2に軸回りの回転トルクが作用することにより、シャフト2を軸回りに回転させることが可能となっている。また、直線駆動部1bにおいては、シャフト2には軸方向の駆動力が作用することにより、シャフト2を軸方向に直線運動させることが可能となっている。よって、回転駆動部1aと直線駆動部1bの作用によって、シャフト2が、回転運動及び直線運動を自在に行うことができる。
【0014】
さらに、駆動伝達部1cにおいては、シャフト2の回転運動及び直線運動が伝達機構を介してターンテーブル3に伝達される。このターンテーブル3は、機器における移動体が装着された上で、図中直線矢印方向に直線運動可能であるとともに図中曲線矢印方向に回転可能となっている。
【0015】
図2には、本実施例における2軸アクチュエータ1の断面図と、平面図、底面図及び2
方向からの側面図を示す。図2(a)は2軸アクチュエータの断面図、図2(b)は平面図、図2(c)は底面図、図2(d)及び(e)は側面図である。図2(a)に示す断面図から分かるように、2軸アクチュエータ1のシャフト2は、回転駆動部1aにおいてシャフト2の軸回りの回転トルクが作用するスプライン軸2aと、直線駆動部1bにおいて軸方向の駆動力が作用するロッド2bとが、連結部2cにおいて結合されることで、1本のシャフト2として機能するようになっている。
【0016】
次に、回転駆動部1a、直進駆動部1b、駆動伝達部1cの各々の詳細な構造について説明する。図3は、2軸アクチュエータ1における回転駆動部1aの断面図を示している。また、図4は、回転駆動部1aのうちの、シャフト2及びスプラインナット10、11及び、回転モータ4を取り出した状態の斜視図を示す。図3に示されるように、回転駆動部1aのハウジング5に回転可能に収容されたスプライン軸2aは、さらに直線運動が可能なように、2つのスプラインナット10、11と係合している。
【0017】
また、スプライン軸2aにおけるスプラインナット10が係合する部分とスプラインナット11が係合する部分との間には、スプライン軸2aに回転トルクを作用させるための回転モータ4が形成されている。スプラインナット10、11は、異径の円筒の組み合わせからなるナット保持部材12、13に収納され、ナット保持部材12、13と一体に回転する。ナット保持部材12、13は、各々、スプラインナット10,11における回転モータ4から遠い側が収容される第一筒状部材12a、13aと、スプラインナット10、11における回転モータ4に近い側が収容される第二筒状部材12b、13bとから構成される。
【0018】
第一筒状部材12a、13aと第二筒状部材12b、13bとは、スプラインナット10、11が挿入される比較的径の大きい大径筒部12a1、13a1、12b1、13b1と、スプライン軸2aのみが挿入される比較的径の小さい小径筒部12a2、13a2、12b2、13b2とからなる。第一筒状部材12a、13aは第二筒状部材12b、13bからスプラインナット10、11が抜けることを防止する。第二筒状部材12b、13bの小径筒状部12b2、13b2は、回転モータ4の方向に互いに延設され、その端部同士が対向するように配置されている。この小径筒状部12b2、13b2の端部同士の間には、隙間を設けてもよいし設けなくてもよい。
【0019】
第二筒状部材12b、13bの小径筒状部12b2、13b2の端部付近の外周面には、周方向にN極及びS極の異なる磁極が交互に現れるような環状の永久磁石4bが設けられている。また、環状の永久磁石4bの外周を囲うように、複数のコイル4aがコイルの端面が永久磁石4bの外周面と対向するように配置されている。複数のコイル4aによって、位相の異なるU,V,Wの交流電流が印加される三相コイルが形成される。また、コイル4aには、コイル4aが発生させる磁界をより効率よく永久磁石4bに作用させるためのコア4cが備えられている。このコア4cは、永久磁石4bを囲う円筒状の外形を有しており、永久磁石4bの方(内周側)に向けてセンターコア4dが延設されており、コイル4aはこのセンターコア4dの周りに回巻される形で形成されている。このコア4cがハウジング5に固定されることで、コイル4aもハウジング5に対して固定されている。
【0020】
回転モータ4の複数のコイル4aに三相の交流電流を流すことにより、永久磁石4bに対して回転磁界が作用する。そして、永久磁石4bに回転トルクが作用することで、ナット保持部材12及び13が回転する。ナット保持部材12及び13が回転することにより、ナット保持部材12及び13と―体のスプラインナット10、11が回転し、さらにスプラインナット10、11に係合しているスプライン軸2aが回転する。
【0021】
第一筒状部材12a,13aの小径筒状部12a2、13a2の端部付近の外側には回転ベアリング14,15が嵌めこまれている。この回転ベアリング14、15はナット保持部材12、13及びスプラインナット10,11をハウジング5に対して回転可能に支持する。回転ベアリング14,15には、例えば深溝玉軸受けが用いられる。これにより、スプライン軸2aがハウジング5に対して円滑に回転することが可能となっている。
【0022】
図5には、スプライン軸2aに係合するスプラインナット10、11の斜視図を示す。スプライン軸2aの外周面には、長手方向に伸びる複数条のボール転走溝2cが形成されている。スプラインナット10,11の内周面にはスプライン軸2aのボール転走溝2cに対向する複数条の負荷ボール転走溝10a、11aが形成される。
【0023】
また、スプラインナット10,11には、ボール10b、11bを保持する保持器10c、11cが設けられている。保持器10c、11cには、スプラインナット10,11の負荷ボール転走溝10a,11aの条数に合わせた条数の転動体循環路として複数のボール循環路10d、11dが形成されている。
【0024】
スプライン軸2aの外周面にボール転走溝2cを形成し、スプラインナット10,11とスプライン軸2aとの間にボール10b、11bを介在させることで、スプライン軸2aがスプラインナット10、11に対して円滑に直線運動することが可能となっている。また、スプライン軸2aの軸線に直交する方向の荷重に対する耐性を大きくすることができる。また、スプラインナット10,11に作用する回転トルクをスプライン軸2aに伝達することが可能になる。
【0025】
図6は、回転モータ4の複数の永久磁石4b及びこの永久磁石4bに対向する複数のコイル4aを示す。回転モータ4は、前述のように、複数の永久磁石4bに複数のコイル4aが対向する同期回転モータである。コイル4aは銅線を環状に巻いたものであり、長方形の枠状に形成される。本実施例においては、コイル4aの数は六個であり、二組の三相コイルが形成される。
【0026】
なお、回転モータ4には、シャフト2(スプライン軸2a)の回転角度を測定する磁気センサ6が隣接されている。この磁気センサ6は、永久磁石4bが回転した際の磁界の周期的変化を検出する。基板に実装された磁気センサ6は箱型の収納容器6aに収められた後、その周囲が充填剤で埋められる。この収納容器6aは止めねじによってハウジング5に固定されている。本実施例における回転駆動部1aは、上述したように、回転モータ4の複数のコイル4aに三相の交流電流を流すことにより、永久磁石4bに対して回転磁界を作用させ、シャフト2に回転トルクを電磁的に作用させる。従って、機械的な損失を少なくすることができ、より効率的にシャフト2に回転運動をさせることができる。また、装置の構造を簡単にすることができる。
【0027】
次に、2軸アクチュエータ1の直線駆動部1bについて説明する。
【0028】
図7は直線駆動部1bの斜視図(一部断面を含む)である。図7に示されるように直線駆動部1bは、全体の基板としてのベース24と、ベース24に取り付けられるリニアハウジング21と、リニアハウジング21に軸線方向に移動可能に収納された移動子としてのロッド2bと、ロッド2bに孔部を貫通させるように、ロッド2bの軸線方向に重ねられてリニアハウジング21に固定される固定子としての複数のコイル20と、を備える。
【0029】
ロッド2bは、例えばステンレス等の非磁性材からなり、内部に中空空間を有する。ロッド2bの中空空間には、円柱状の複数の永久磁石2cがロッド2bの軸方向に並べられている。この永久磁石2cは円柱形の軸方向に着磁されている。そして、互いに同じ極が
対向するように、すなわちN極とN極が、S極とS極とが対向するように配列されている。永久磁石6の間には、例えば鉄等の磁性体からなるポールシュー2dが介在されている。なお、リニアハウジング21の回転駆動部1a側には先端部材25が設けられ、リニアハウジング21の回転駆動部1aとは反対側には端末部材23が設けられ、各々、回転駆動部1aと直線駆動部1bとの接続、直線駆動部1bと駆動伝達部1cとの接続の役割を負っている。また、端末部材23とリニアハウジング21との間にはセンサホルダ26が設けられ、このセンサホルダ26には磁気センサが備えられてロッド2bの軸方向の位置を検出することが可能となっている。
【0030】
図8には、コイル20及びコイル20を保持するコイルホルダ22の詳細図を示す。コイル20は銅線を円環状に巻いたもので、コイルホルダ22に保持されている。コイルホルダ22は樹脂の射出成形品であり、コイル20の配列方向に細長く伸びる板状のホルダ本体22aと、ホルダ本体22aから垂下する薄肉の複数のスペーサ部22bとから構成される。このスペーサ部22bにより、隣接するコイル20同士が絶縁される。スペーサ部22bはコイル20の正面形状と同様に円環形状に形成される。コイル20はコイルホルダ22に保持された状態で、リニアハウジング21に収容されている。
【0031】
図9は、ロッド2b及びコイル20の断面図であり直線駆動部1bの動作原理を説明するための図である。複数のコイル20のうち連続して並べられた3つによってU・V・W相からなる一組の三相コイルが形成される。コイル20で形成される三相コイルに120度ずつ位相が異なる三相交流電流が流されることによって、コイル20の軸線方向に移動する移動磁界が発生する。ロッド2bは移動磁界により推力を得て、移動磁界の速度と同一の速度でコイル20に対して相対的に直線運動を行う。このように、本実施例の直線駆動部1bでは、複数のコイル20で形成される三相コイルに三相交流電流が流されることによって、ロッド2bに電磁的に推力を作用させる。従って、機械的な損失を少なくすることができ、より効率的にシャフト2に直線運動をさせることができる。また、装置の構造を簡単にすることができる。
【0032】
図10は、本実施例における2軸アクチュエータ1のシステム図である。このシステムは、回転駆動部1aの制御系及び直線駆動部1bの制御系から構成される。回転駆動部1aの制御系は、回転モータ4のナット保持部材10,11(シャフト2)の回転角度を検出する磁気センサ6と、磁気センサ6が出力する信号を内挿処理する角度算出回路としてのインターポレータ30と、インターポレータ30が算出した回転角の信号に基づいて回転モータ4を制御する回転モータ用ドライバ31と、から構成される。回転モータ用ドライバ31は、ナット保持部材10,11の回転角度が指令値に一致するように回転モータ4を制御する。磁気センサ6とインターポレータ30とはエンコーダケーブル32によって接続され、回転モータ4のコイル4aと回転モータ用ドライバ31の電力変換器とは動カケーブル34によって接続される。インターポレータ30及び回転モータ用ドライバ31は、制御盤33に収容される。
【0033】
直線駆動部1bの制御系も同様に、直線駆動部1bのロッド2bの軸線方向の位置を検出する磁気センサ35と、磁気センサ35が出力する信号を内挿処理する位置算出回路36と、位置算出回路36が算出した位置の信号に基づいて直線駆動部1bを制御する直線駆動部用ドライバ37と、から構成される。直線駆動部用ドライバ37は、ロッド2bの位置が指令値に一致するように直線駆動部1を制御する。磁気センサ35と位置算出回路36とはエンコーダケーブル38によって接続される。直線駆動部1bのコイル20と直線駆動部用ドライバ37の電力変換器とは動カケーブル39によって接続される。位置算出回路36及び直線駆動部用ドライバ37も、インターポレータ30及び回転モータ用ドライバ31と同様、制御盤33に収容される。
【0034】
次に、図11を用いて本実施例の駆動伝達部1cについて説明する。図11(a)は駆動伝達部1cの正面から見た断面図、図11(b)は平面図、図11(c)及び(d)は側面図を示す。駆動伝達部1cは、回転駆動部1a及び直線駆動部1bによって駆動されるシャフト2の回転運動及び直線運動を、ターンテーブル3の回転運動及び直線運動に変換することで、2軸アクチュエータ1をより実際の機器に適用し易くし使い勝手のよいものにするための部分である。
【0035】
図11に示されるように、駆動伝達部1cは、装置のベース24を直線駆動部1bと共通にしている。そして、ベース24における回転駆動部1aの反対側には、第二端末部材50が設けられ、ベース24に固定されている。また、駆動伝達部1cには、直線運動案内装置51が備えられている。具体的には、案内部材としてのレール51aが、直線駆動部1bの端末部材23と、第二端末部材50との間に、シャフト2の直線運動方向と平行に渡されている。レール51aには、移動ブロック51bがレール51aに沿って直線運動可能に係合されている。
【0036】
移動ブロック51bには、駆動伝達ベース52が固定されている。この駆動伝達ベース52は、シャフト2の回転運動及び直線運動をターンテーブル3に伝達するための各機械要素を連動させる部材である。駆動伝達ベース52は、図11中、水平に延びた平板状の移動ブロック結合部52aで移動ブロック51bに固定されている。これにより、駆動伝達ベース52が直線運動案内装置51のレール51aに沿って滑らかに移動可能となっている。
【0037】
また、駆動伝達ベース52における移動ブロック結合部52aの、直線駆動部1bと反対側には、垂直下方向に延設された平板状のシャフト結合部52bが設けられている。このシャフト結合部52bには、シャフト2(ロッド2a)の端部が回転可能に結合している。具体的には、シャフト2の端部には、第一プーリ軸53aと第一プーリ53bからなる第一プーリユニット53が固定されており、第一プーリ軸53aと第一プーリ53bとが、シャフト2の運動に連動して回転及び直線運動するようになっている。駆動伝達ベース52のシャフト結合部52bは、シャフト2に結合された第一プーリ軸53aがベアリング52cを介して滑らかに回転可能に貫通しており、第一プーリ軸53aに固定された第一プーリ53bと、シャフト2の端部との間に隙間を伴って挟まれる構成となっている。すなわち、シャフト結合部52bは、シャフト2の直線運動にのみ追従する。そして、シャフト2の回転運動(及び直線運動)は、第一プーリ53bに伝達される。なお、この構成により、駆動伝達ベース52のシャフト結合部52bは、シャフト2の一端を回転可能に支持する軸受としての機能も有している。
【0038】
駆動伝達ベース52の移動ブロック結合部52aから垂直上方に、平板状の第二プーリ支持部52dが延設されている。この第2プーリ支持部52dには、第二プーリユニット54が回転可能に支持されている。具体的には、ベアリング52eを介して第二プーリ軸54aが第二プーリ支持部52eに回転可能に支持されている。第二プーリ軸54aの直線駆動部1bと反対側には第二プーリ54bが固定されている。また、第二プーリ軸54aの直線駆動部1b側には第一ギアとしての第一傘歯車54cが固定されている。これにより、互いに同軸に固定された、第二プーリ54bと第一傘歯車54cとが、第二プーリ支持部52dに滑らかに回転可能に支持される構成となる。
【0039】
さらに、第一プーリ53bと第二プーリ54bとは、ベルト55により、互いの回転運動が伝達可能に結合されている。これにより、シャフト2の回転運動が、第一プーリ53b、ベルト55、第二プーリ54bを介して、第一傘歯車54cに伝達される。
【0040】
第二プーリ支持部52eの上端からは、さらに平板状のターンテーブル支持部52fが
、直線駆動部1b側に水平に延設されている。このターンテーブル支持部52fには、ターンテーブルユニット56が回転可能に支持されている。具体的には、ターンテーブル支持部52fには、ベアリング52gを介して、ターンテーブル軸56aが滑らかに回転可能に支持されている。ターンテーブル軸56aの上端にはターンテーブル3が同軸に固定されている。また、ターンテーブル軸56aの下端には第二ギアとしての第二傘歯車56bが固定されている。この第二傘歯車56bは、第一傘歯車54cと噛みあっており、第一傘歯車54cの回転が第二傘歯車56bを介して、ターンテーブル3に伝達されるようになっている。
【0041】
以上、説明した駆動伝達部1cにより、シャフト2の回転運動及び直線運動をターンテーブル3に伝達することが可能である。また、その際に、シャフト2の軸回りの回転運動を、シャフト2とは90度異なる回転軸を有するターンテーブル3の回転運動に変換することが可能である。なお、本実施例の第一傘歯車54cは、シャフト2の軸方向と平行の回転軸を有しており、第二傘歯車56bは、シャフト2の軸方向と垂直な回転軸を有している。そして、第一傘歯車54cと第二傘歯車56bとが互いに噛みあって回転運動を伝達することで、シャフト2の軸回りの回転運動をターンテーブル3に伝達する。従って、より簡単な機構でより確実に、シャフト2の軸回りの回転運動を、シャフト2とは90度異なる回転軸を有するターンテーブル3の回転運動に変換することができる。
【0042】
また、本実施例では、シャフト2の回転運動が、第一プーリ53b、ベルト55、第二プーリ54bを介して、第一傘歯車54cに伝達されることとしたので、バックラッシュによる回転運動の伝達時の誤差を低減し、シャフト2の回転運動をより正確に第一傘歯車54cに伝達することができる。なお、駆動伝達部1cの各機械要素におけるガタ、バックラッシュ等については、ターンテーブル3に装着される移動体に求められる位置精度に応じて適宜調整される。
【0043】
本実施例に示した2軸アクチュエータ1においては、スプライン軸2aとロッド2bとが一体化したシャフト2に対して、回転トルク及び直線運動の推進力を電磁的に作用させるため、回転運動を行なうアクチュエータと直線運動を行なうアクチュエータを別個に設ける必要がなく、装置全体としての構造を簡単にすることができる。 また、本実施例に示した2軸アクチュエータ1においては、回転駆動部1aと直線駆動部1bとが、シャフト2の軸方向に直列に配置されている。従って、例えば、直線運動を行なうアクチュエータによって直進する部材に、回転運動を行なうアクチュエータを載置させるような積載構造をとる必要がないので、装置全体として必要な負荷を低減することができ、消費電力や装置サイズを小さくし、コストを低減することができる。
【0044】
また、本実施例においては、シャフト2の直線運動及び回転運動を、第1プーリユニット53から第2プーリユニット54へと上方に伝達し、さらに、第1プーリユニット53及び第2プーリユニット54より回転駆動部1a側にあるターンテーブルユニット56に折り返して伝達しているため、装置全体の長さを短くすることができる。また、駆動伝達部1cによって、シャフト2の軸回りの回転運動をターンテーブル3の水平方向の回転に変換しているため、2軸アクチュエータを生産装置や測定装置など実際の機器により容易に適用することが可能となる。
【0045】
なお、上記の実施例において、回転駆動部1aは回転駆動装置に相当する。直線駆動部1bは直線駆動装置に相当する。駆動伝達部1cは駆動伝達装置に相当する。また、上記の実施例においては、第一ギアと第二ギアの組み合わせとして第一傘歯車54cと第二傘歯車56bとの組み合わせを用いたが、この組み合わせは上記に限られない。例えば、ハイポイドギアの組み合わせを用いてもよいし、ウォームとウォームホイールの組み合わせであるウォームギアを用いてもよい。
【0046】
また、上記の実施例においては、シャフト2の回転運動が、第一プーリ53b、ベルト55、第二プーリ54bを介して、第一傘歯車54cに伝達されることとしたが、シャフト2の回転運動を第一傘歯車(第一ギア)に伝達する方法はこれに限られない。シャフト2の端部に直接第一ギアを取り付けてもよいし、他のギアを用いて伝達しても構わない。
【0047】
また、上記の実施例においては、回転駆動部1a、直線駆動部1b、駆動伝達部1cがシャフト2の軸方向に直列に配置された例について説明したが、回転駆動部1a、直線駆動部1b、駆動伝達部1cの位置関係は適宜変更しても構わない。例えば、回転駆動部1aを直線駆動部1bの上に載置する形とし、スプライン軸2aとロッド2bとをプーリとベルトで連結するようにしても構わない。また、ギアなど他の機構を用いてもよい。
【符号の説明】
【0048】
1・・・2軸アクチュエータ、1a・・・回転駆動部、1b・・・直線駆動部、1c・・・駆動伝達部、2・・・シャフト、2a・・・スプライン軸、2b・・・ロッド、3・・・ターンテーブル、4・・・回転モータ、5・・・ハウジング、6・・・磁気センサ、7 ケージ、10,11・・・スプラインナット、12,13・・・ナット保持部材、20・・・コイル、22・・・コイルホルダ、51・・・運動案内装置、52・・・駆動伝達ベース、53・・・第一プーリユニット、54・・・第二プーリユニット、55・・・ベルト、56・・・ターンテーブルユニット
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体に直線運動させ且つ、当該移動体に所定の回転軸の周りに回転運動させることが可能なアクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
工作機械、組立て機械や測定器などの機器においては、ワークや工具、部品、プローブなどの移動体を直線運動させるとともに所定の回転軸に対して回転運動させることが要求される場合がある。直線運動と回転運動の両方が可能なアクチュエータとしては、リニアパルスモータとロータリパルスモータとを軸線方向に結合したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、上記の公知技術においては、出力軸がその軸方向に直線運動するとともに軸回りに回転運動するものであって、その回転運動及び直線運動を直接、工作機械、組立て機械や測定器などの機器に容易に適用できる形態になっていたとは言えず、使い勝手が良くない場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−237931号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記のような不都合を解決するためになされたものであり、所定の軸回りの回転運動及び直線運動が可能で、より容易に機器に適用させることが可能なアクチュエータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明は、シャフトによる軸回りの回転運動と軸方向の直線運動の両方を可能にしたアクチュエータにおいて、機器を装着可能なターンテーブルを有しており、シャフトの直線運動が運動方向を変えずにターンテーブルに伝達されるとともにシャフトの回転運動が回転軸を90度変更した上でターンテーブルに伝達されることを最大の特徴とする。
【0007】
より詳しくは、
軸回りの回転及び軸方向の直進が可能に設けられたシャフトと、
前記シャフトに軸回りの回転トルクを電磁的に作用させる回転駆動装置と、
前記シャフトに軸方向の推進力を電磁的に作用させる直線駆動装置と、を備え、
前記シャフトに、軸回りの回転運動及び軸方向の直線運動を行なわせるアクチュエータであって、
回転運動及び直線運動をさせる対象となる移動体を装着可能であり前記シャフトの軸と垂直の中心軸を有する略円板状のターンテーブルと、
前記シャフトの直線運動を運動方向を変えずに前記ターンテーブルに伝達するとともに前記シャフトの回転運動の回転軸を垂直に変更して前記ターンテーブルに伝達する駆動伝達装置と、
をさらに備えることを特徴とする。
【0008】
ここで、1本のシャフトが、そのシャフトの軸回りの回転運動とそのシャフトの軸方向
の直線運動の両方できるように構成したアクチュエータを、以下においては、2軸に対する自由度を有するという意味で2軸アクチュエータと呼ぶ。そして、工作機械、組立て機械や測定器などの実際の機器においては、移動体を直線運動させるとともに、直線運動の進行方向に垂直な回転軸の回りに前記移動体を回転させることが要求される場合が多い。本発明においては、シャフトを軸回りに回転させるとともにシャフトの軸方向に直線運動させる回転駆動装置及び直線駆動装置を用いた上で、ターンテーブルをシャフトの進行方向に垂直な軸回りに回転させることが可能となる。これにより、2軸アクチュエータをより容易に機器に適用することができ、2軸アクチュエータの適用範囲を広げることが可能となる。
【0009】
なお、本発明において上記した課題を解決するための手段は、可能なかぎり組み合わせて用いることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、2軸アクチュエータを種々の機器により容易に適用して、2軸アクチュエータの回転運動及び直線運動を前記各機器における移動体に伝達することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る2軸アクチュエータの斜視図である。
【図2】本発明に係る2軸アクチュエータの断面図、平面図、底面図及び側面図である。
【図3】本発明の2軸アクチュエータにおける回転駆動部の断面図である。
【図4】本発明の回転駆動部においてハウジングを取り外した状態を示す図である。
【図5】本発明におけるスプラインナットの斜視図である。
【図6】本発明の回転駆動部における永久磁石及びコイル付近を示す図である。
【図7】本発明の直線駆動部の一部断面を含む斜視図である。
【図8】本発明の直線駆動部における複数のコイルを示す斜視図である。
【図9】本発明の直線駆動部の作動原理を説明するための図である。
【図10】本発明の2軸アクチュエータのシステム図である。
【図11】本発明の駆動伝達部の断面図、平面図及び側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る運動案内装置について、図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
<実施例1>
図1は本実施例における2軸アクチュエータ1の斜視図を示す。2軸アクチュエータ1はシャフト2に軸回りの回転運動と軸方向の直線運動とをさせることが可能な複合アクチュエータであり、回転駆動部1a、直線駆動部1b、駆動伝達部1cとを有している。回転駆動部1aにおいては、シャフト2に軸回りの回転トルクが作用することにより、シャフト2を軸回りに回転させることが可能となっている。また、直線駆動部1bにおいては、シャフト2には軸方向の駆動力が作用することにより、シャフト2を軸方向に直線運動させることが可能となっている。よって、回転駆動部1aと直線駆動部1bの作用によって、シャフト2が、回転運動及び直線運動を自在に行うことができる。
【0014】
さらに、駆動伝達部1cにおいては、シャフト2の回転運動及び直線運動が伝達機構を介してターンテーブル3に伝達される。このターンテーブル3は、機器における移動体が装着された上で、図中直線矢印方向に直線運動可能であるとともに図中曲線矢印方向に回転可能となっている。
【0015】
図2には、本実施例における2軸アクチュエータ1の断面図と、平面図、底面図及び2
方向からの側面図を示す。図2(a)は2軸アクチュエータの断面図、図2(b)は平面図、図2(c)は底面図、図2(d)及び(e)は側面図である。図2(a)に示す断面図から分かるように、2軸アクチュエータ1のシャフト2は、回転駆動部1aにおいてシャフト2の軸回りの回転トルクが作用するスプライン軸2aと、直線駆動部1bにおいて軸方向の駆動力が作用するロッド2bとが、連結部2cにおいて結合されることで、1本のシャフト2として機能するようになっている。
【0016】
次に、回転駆動部1a、直進駆動部1b、駆動伝達部1cの各々の詳細な構造について説明する。図3は、2軸アクチュエータ1における回転駆動部1aの断面図を示している。また、図4は、回転駆動部1aのうちの、シャフト2及びスプラインナット10、11及び、回転モータ4を取り出した状態の斜視図を示す。図3に示されるように、回転駆動部1aのハウジング5に回転可能に収容されたスプライン軸2aは、さらに直線運動が可能なように、2つのスプラインナット10、11と係合している。
【0017】
また、スプライン軸2aにおけるスプラインナット10が係合する部分とスプラインナット11が係合する部分との間には、スプライン軸2aに回転トルクを作用させるための回転モータ4が形成されている。スプラインナット10、11は、異径の円筒の組み合わせからなるナット保持部材12、13に収納され、ナット保持部材12、13と一体に回転する。ナット保持部材12、13は、各々、スプラインナット10,11における回転モータ4から遠い側が収容される第一筒状部材12a、13aと、スプラインナット10、11における回転モータ4に近い側が収容される第二筒状部材12b、13bとから構成される。
【0018】
第一筒状部材12a、13aと第二筒状部材12b、13bとは、スプラインナット10、11が挿入される比較的径の大きい大径筒部12a1、13a1、12b1、13b1と、スプライン軸2aのみが挿入される比較的径の小さい小径筒部12a2、13a2、12b2、13b2とからなる。第一筒状部材12a、13aは第二筒状部材12b、13bからスプラインナット10、11が抜けることを防止する。第二筒状部材12b、13bの小径筒状部12b2、13b2は、回転モータ4の方向に互いに延設され、その端部同士が対向するように配置されている。この小径筒状部12b2、13b2の端部同士の間には、隙間を設けてもよいし設けなくてもよい。
【0019】
第二筒状部材12b、13bの小径筒状部12b2、13b2の端部付近の外周面には、周方向にN極及びS極の異なる磁極が交互に現れるような環状の永久磁石4bが設けられている。また、環状の永久磁石4bの外周を囲うように、複数のコイル4aがコイルの端面が永久磁石4bの外周面と対向するように配置されている。複数のコイル4aによって、位相の異なるU,V,Wの交流電流が印加される三相コイルが形成される。また、コイル4aには、コイル4aが発生させる磁界をより効率よく永久磁石4bに作用させるためのコア4cが備えられている。このコア4cは、永久磁石4bを囲う円筒状の外形を有しており、永久磁石4bの方(内周側)に向けてセンターコア4dが延設されており、コイル4aはこのセンターコア4dの周りに回巻される形で形成されている。このコア4cがハウジング5に固定されることで、コイル4aもハウジング5に対して固定されている。
【0020】
回転モータ4の複数のコイル4aに三相の交流電流を流すことにより、永久磁石4bに対して回転磁界が作用する。そして、永久磁石4bに回転トルクが作用することで、ナット保持部材12及び13が回転する。ナット保持部材12及び13が回転することにより、ナット保持部材12及び13と―体のスプラインナット10、11が回転し、さらにスプラインナット10、11に係合しているスプライン軸2aが回転する。
【0021】
第一筒状部材12a,13aの小径筒状部12a2、13a2の端部付近の外側には回転ベアリング14,15が嵌めこまれている。この回転ベアリング14、15はナット保持部材12、13及びスプラインナット10,11をハウジング5に対して回転可能に支持する。回転ベアリング14,15には、例えば深溝玉軸受けが用いられる。これにより、スプライン軸2aがハウジング5に対して円滑に回転することが可能となっている。
【0022】
図5には、スプライン軸2aに係合するスプラインナット10、11の斜視図を示す。スプライン軸2aの外周面には、長手方向に伸びる複数条のボール転走溝2cが形成されている。スプラインナット10,11の内周面にはスプライン軸2aのボール転走溝2cに対向する複数条の負荷ボール転走溝10a、11aが形成される。
【0023】
また、スプラインナット10,11には、ボール10b、11bを保持する保持器10c、11cが設けられている。保持器10c、11cには、スプラインナット10,11の負荷ボール転走溝10a,11aの条数に合わせた条数の転動体循環路として複数のボール循環路10d、11dが形成されている。
【0024】
スプライン軸2aの外周面にボール転走溝2cを形成し、スプラインナット10,11とスプライン軸2aとの間にボール10b、11bを介在させることで、スプライン軸2aがスプラインナット10、11に対して円滑に直線運動することが可能となっている。また、スプライン軸2aの軸線に直交する方向の荷重に対する耐性を大きくすることができる。また、スプラインナット10,11に作用する回転トルクをスプライン軸2aに伝達することが可能になる。
【0025】
図6は、回転モータ4の複数の永久磁石4b及びこの永久磁石4bに対向する複数のコイル4aを示す。回転モータ4は、前述のように、複数の永久磁石4bに複数のコイル4aが対向する同期回転モータである。コイル4aは銅線を環状に巻いたものであり、長方形の枠状に形成される。本実施例においては、コイル4aの数は六個であり、二組の三相コイルが形成される。
【0026】
なお、回転モータ4には、シャフト2(スプライン軸2a)の回転角度を測定する磁気センサ6が隣接されている。この磁気センサ6は、永久磁石4bが回転した際の磁界の周期的変化を検出する。基板に実装された磁気センサ6は箱型の収納容器6aに収められた後、その周囲が充填剤で埋められる。この収納容器6aは止めねじによってハウジング5に固定されている。本実施例における回転駆動部1aは、上述したように、回転モータ4の複数のコイル4aに三相の交流電流を流すことにより、永久磁石4bに対して回転磁界を作用させ、シャフト2に回転トルクを電磁的に作用させる。従って、機械的な損失を少なくすることができ、より効率的にシャフト2に回転運動をさせることができる。また、装置の構造を簡単にすることができる。
【0027】
次に、2軸アクチュエータ1の直線駆動部1bについて説明する。
【0028】
図7は直線駆動部1bの斜視図(一部断面を含む)である。図7に示されるように直線駆動部1bは、全体の基板としてのベース24と、ベース24に取り付けられるリニアハウジング21と、リニアハウジング21に軸線方向に移動可能に収納された移動子としてのロッド2bと、ロッド2bに孔部を貫通させるように、ロッド2bの軸線方向に重ねられてリニアハウジング21に固定される固定子としての複数のコイル20と、を備える。
【0029】
ロッド2bは、例えばステンレス等の非磁性材からなり、内部に中空空間を有する。ロッド2bの中空空間には、円柱状の複数の永久磁石2cがロッド2bの軸方向に並べられている。この永久磁石2cは円柱形の軸方向に着磁されている。そして、互いに同じ極が
対向するように、すなわちN極とN極が、S極とS極とが対向するように配列されている。永久磁石6の間には、例えば鉄等の磁性体からなるポールシュー2dが介在されている。なお、リニアハウジング21の回転駆動部1a側には先端部材25が設けられ、リニアハウジング21の回転駆動部1aとは反対側には端末部材23が設けられ、各々、回転駆動部1aと直線駆動部1bとの接続、直線駆動部1bと駆動伝達部1cとの接続の役割を負っている。また、端末部材23とリニアハウジング21との間にはセンサホルダ26が設けられ、このセンサホルダ26には磁気センサが備えられてロッド2bの軸方向の位置を検出することが可能となっている。
【0030】
図8には、コイル20及びコイル20を保持するコイルホルダ22の詳細図を示す。コイル20は銅線を円環状に巻いたもので、コイルホルダ22に保持されている。コイルホルダ22は樹脂の射出成形品であり、コイル20の配列方向に細長く伸びる板状のホルダ本体22aと、ホルダ本体22aから垂下する薄肉の複数のスペーサ部22bとから構成される。このスペーサ部22bにより、隣接するコイル20同士が絶縁される。スペーサ部22bはコイル20の正面形状と同様に円環形状に形成される。コイル20はコイルホルダ22に保持された状態で、リニアハウジング21に収容されている。
【0031】
図9は、ロッド2b及びコイル20の断面図であり直線駆動部1bの動作原理を説明するための図である。複数のコイル20のうち連続して並べられた3つによってU・V・W相からなる一組の三相コイルが形成される。コイル20で形成される三相コイルに120度ずつ位相が異なる三相交流電流が流されることによって、コイル20の軸線方向に移動する移動磁界が発生する。ロッド2bは移動磁界により推力を得て、移動磁界の速度と同一の速度でコイル20に対して相対的に直線運動を行う。このように、本実施例の直線駆動部1bでは、複数のコイル20で形成される三相コイルに三相交流電流が流されることによって、ロッド2bに電磁的に推力を作用させる。従って、機械的な損失を少なくすることができ、より効率的にシャフト2に直線運動をさせることができる。また、装置の構造を簡単にすることができる。
【0032】
図10は、本実施例における2軸アクチュエータ1のシステム図である。このシステムは、回転駆動部1aの制御系及び直線駆動部1bの制御系から構成される。回転駆動部1aの制御系は、回転モータ4のナット保持部材10,11(シャフト2)の回転角度を検出する磁気センサ6と、磁気センサ6が出力する信号を内挿処理する角度算出回路としてのインターポレータ30と、インターポレータ30が算出した回転角の信号に基づいて回転モータ4を制御する回転モータ用ドライバ31と、から構成される。回転モータ用ドライバ31は、ナット保持部材10,11の回転角度が指令値に一致するように回転モータ4を制御する。磁気センサ6とインターポレータ30とはエンコーダケーブル32によって接続され、回転モータ4のコイル4aと回転モータ用ドライバ31の電力変換器とは動カケーブル34によって接続される。インターポレータ30及び回転モータ用ドライバ31は、制御盤33に収容される。
【0033】
直線駆動部1bの制御系も同様に、直線駆動部1bのロッド2bの軸線方向の位置を検出する磁気センサ35と、磁気センサ35が出力する信号を内挿処理する位置算出回路36と、位置算出回路36が算出した位置の信号に基づいて直線駆動部1bを制御する直線駆動部用ドライバ37と、から構成される。直線駆動部用ドライバ37は、ロッド2bの位置が指令値に一致するように直線駆動部1を制御する。磁気センサ35と位置算出回路36とはエンコーダケーブル38によって接続される。直線駆動部1bのコイル20と直線駆動部用ドライバ37の電力変換器とは動カケーブル39によって接続される。位置算出回路36及び直線駆動部用ドライバ37も、インターポレータ30及び回転モータ用ドライバ31と同様、制御盤33に収容される。
【0034】
次に、図11を用いて本実施例の駆動伝達部1cについて説明する。図11(a)は駆動伝達部1cの正面から見た断面図、図11(b)は平面図、図11(c)及び(d)は側面図を示す。駆動伝達部1cは、回転駆動部1a及び直線駆動部1bによって駆動されるシャフト2の回転運動及び直線運動を、ターンテーブル3の回転運動及び直線運動に変換することで、2軸アクチュエータ1をより実際の機器に適用し易くし使い勝手のよいものにするための部分である。
【0035】
図11に示されるように、駆動伝達部1cは、装置のベース24を直線駆動部1bと共通にしている。そして、ベース24における回転駆動部1aの反対側には、第二端末部材50が設けられ、ベース24に固定されている。また、駆動伝達部1cには、直線運動案内装置51が備えられている。具体的には、案内部材としてのレール51aが、直線駆動部1bの端末部材23と、第二端末部材50との間に、シャフト2の直線運動方向と平行に渡されている。レール51aには、移動ブロック51bがレール51aに沿って直線運動可能に係合されている。
【0036】
移動ブロック51bには、駆動伝達ベース52が固定されている。この駆動伝達ベース52は、シャフト2の回転運動及び直線運動をターンテーブル3に伝達するための各機械要素を連動させる部材である。駆動伝達ベース52は、図11中、水平に延びた平板状の移動ブロック結合部52aで移動ブロック51bに固定されている。これにより、駆動伝達ベース52が直線運動案内装置51のレール51aに沿って滑らかに移動可能となっている。
【0037】
また、駆動伝達ベース52における移動ブロック結合部52aの、直線駆動部1bと反対側には、垂直下方向に延設された平板状のシャフト結合部52bが設けられている。このシャフト結合部52bには、シャフト2(ロッド2a)の端部が回転可能に結合している。具体的には、シャフト2の端部には、第一プーリ軸53aと第一プーリ53bからなる第一プーリユニット53が固定されており、第一プーリ軸53aと第一プーリ53bとが、シャフト2の運動に連動して回転及び直線運動するようになっている。駆動伝達ベース52のシャフト結合部52bは、シャフト2に結合された第一プーリ軸53aがベアリング52cを介して滑らかに回転可能に貫通しており、第一プーリ軸53aに固定された第一プーリ53bと、シャフト2の端部との間に隙間を伴って挟まれる構成となっている。すなわち、シャフト結合部52bは、シャフト2の直線運動にのみ追従する。そして、シャフト2の回転運動(及び直線運動)は、第一プーリ53bに伝達される。なお、この構成により、駆動伝達ベース52のシャフト結合部52bは、シャフト2の一端を回転可能に支持する軸受としての機能も有している。
【0038】
駆動伝達ベース52の移動ブロック結合部52aから垂直上方に、平板状の第二プーリ支持部52dが延設されている。この第2プーリ支持部52dには、第二プーリユニット54が回転可能に支持されている。具体的には、ベアリング52eを介して第二プーリ軸54aが第二プーリ支持部52eに回転可能に支持されている。第二プーリ軸54aの直線駆動部1bと反対側には第二プーリ54bが固定されている。また、第二プーリ軸54aの直線駆動部1b側には第一ギアとしての第一傘歯車54cが固定されている。これにより、互いに同軸に固定された、第二プーリ54bと第一傘歯車54cとが、第二プーリ支持部52dに滑らかに回転可能に支持される構成となる。
【0039】
さらに、第一プーリ53bと第二プーリ54bとは、ベルト55により、互いの回転運動が伝達可能に結合されている。これにより、シャフト2の回転運動が、第一プーリ53b、ベルト55、第二プーリ54bを介して、第一傘歯車54cに伝達される。
【0040】
第二プーリ支持部52eの上端からは、さらに平板状のターンテーブル支持部52fが
、直線駆動部1b側に水平に延設されている。このターンテーブル支持部52fには、ターンテーブルユニット56が回転可能に支持されている。具体的には、ターンテーブル支持部52fには、ベアリング52gを介して、ターンテーブル軸56aが滑らかに回転可能に支持されている。ターンテーブル軸56aの上端にはターンテーブル3が同軸に固定されている。また、ターンテーブル軸56aの下端には第二ギアとしての第二傘歯車56bが固定されている。この第二傘歯車56bは、第一傘歯車54cと噛みあっており、第一傘歯車54cの回転が第二傘歯車56bを介して、ターンテーブル3に伝達されるようになっている。
【0041】
以上、説明した駆動伝達部1cにより、シャフト2の回転運動及び直線運動をターンテーブル3に伝達することが可能である。また、その際に、シャフト2の軸回りの回転運動を、シャフト2とは90度異なる回転軸を有するターンテーブル3の回転運動に変換することが可能である。なお、本実施例の第一傘歯車54cは、シャフト2の軸方向と平行の回転軸を有しており、第二傘歯車56bは、シャフト2の軸方向と垂直な回転軸を有している。そして、第一傘歯車54cと第二傘歯車56bとが互いに噛みあって回転運動を伝達することで、シャフト2の軸回りの回転運動をターンテーブル3に伝達する。従って、より簡単な機構でより確実に、シャフト2の軸回りの回転運動を、シャフト2とは90度異なる回転軸を有するターンテーブル3の回転運動に変換することができる。
【0042】
また、本実施例では、シャフト2の回転運動が、第一プーリ53b、ベルト55、第二プーリ54bを介して、第一傘歯車54cに伝達されることとしたので、バックラッシュによる回転運動の伝達時の誤差を低減し、シャフト2の回転運動をより正確に第一傘歯車54cに伝達することができる。なお、駆動伝達部1cの各機械要素におけるガタ、バックラッシュ等については、ターンテーブル3に装着される移動体に求められる位置精度に応じて適宜調整される。
【0043】
本実施例に示した2軸アクチュエータ1においては、スプライン軸2aとロッド2bとが一体化したシャフト2に対して、回転トルク及び直線運動の推進力を電磁的に作用させるため、回転運動を行なうアクチュエータと直線運動を行なうアクチュエータを別個に設ける必要がなく、装置全体としての構造を簡単にすることができる。 また、本実施例に示した2軸アクチュエータ1においては、回転駆動部1aと直線駆動部1bとが、シャフト2の軸方向に直列に配置されている。従って、例えば、直線運動を行なうアクチュエータによって直進する部材に、回転運動を行なうアクチュエータを載置させるような積載構造をとる必要がないので、装置全体として必要な負荷を低減することができ、消費電力や装置サイズを小さくし、コストを低減することができる。
【0044】
また、本実施例においては、シャフト2の直線運動及び回転運動を、第1プーリユニット53から第2プーリユニット54へと上方に伝達し、さらに、第1プーリユニット53及び第2プーリユニット54より回転駆動部1a側にあるターンテーブルユニット56に折り返して伝達しているため、装置全体の長さを短くすることができる。また、駆動伝達部1cによって、シャフト2の軸回りの回転運動をターンテーブル3の水平方向の回転に変換しているため、2軸アクチュエータを生産装置や測定装置など実際の機器により容易に適用することが可能となる。
【0045】
なお、上記の実施例において、回転駆動部1aは回転駆動装置に相当する。直線駆動部1bは直線駆動装置に相当する。駆動伝達部1cは駆動伝達装置に相当する。また、上記の実施例においては、第一ギアと第二ギアの組み合わせとして第一傘歯車54cと第二傘歯車56bとの組み合わせを用いたが、この組み合わせは上記に限られない。例えば、ハイポイドギアの組み合わせを用いてもよいし、ウォームとウォームホイールの組み合わせであるウォームギアを用いてもよい。
【0046】
また、上記の実施例においては、シャフト2の回転運動が、第一プーリ53b、ベルト55、第二プーリ54bを介して、第一傘歯車54cに伝達されることとしたが、シャフト2の回転運動を第一傘歯車(第一ギア)に伝達する方法はこれに限られない。シャフト2の端部に直接第一ギアを取り付けてもよいし、他のギアを用いて伝達しても構わない。
【0047】
また、上記の実施例においては、回転駆動部1a、直線駆動部1b、駆動伝達部1cがシャフト2の軸方向に直列に配置された例について説明したが、回転駆動部1a、直線駆動部1b、駆動伝達部1cの位置関係は適宜変更しても構わない。例えば、回転駆動部1aを直線駆動部1bの上に載置する形とし、スプライン軸2aとロッド2bとをプーリとベルトで連結するようにしても構わない。また、ギアなど他の機構を用いてもよい。
【符号の説明】
【0048】
1・・・2軸アクチュエータ、1a・・・回転駆動部、1b・・・直線駆動部、1c・・・駆動伝達部、2・・・シャフト、2a・・・スプライン軸、2b・・・ロッド、3・・・ターンテーブル、4・・・回転モータ、5・・・ハウジング、6・・・磁気センサ、7 ケージ、10,11・・・スプラインナット、12,13・・・ナット保持部材、20・・・コイル、22・・・コイルホルダ、51・・・運動案内装置、52・・・駆動伝達ベース、53・・・第一プーリユニット、54・・・第二プーリユニット、55・・・ベルト、56・・・ターンテーブルユニット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸回りの回転及び軸方向の直進が可能に設けられたシャフトと、
前記シャフトに軸回りの回転トルクを電磁的に作用させる回転駆動装置と、
前記シャフトに軸方向の推進力を電磁的に作用させる直線駆動装置と、を備え、
前記シャフトに、軸回りの回転運動及び軸方向の直線運動を行なわせるアクチュエータであって、
回転運動及び直線運動をさせる対象となる移動体を装着可能であり前記シャフトの軸と垂直の中心軸を有する略円板状のターンテーブルと、
前記シャフトの直線運動を運動方向を変えずに前記ターンテーブルに伝達するとともに前記シャフトの回転運動の回転軸を垂直に変更して前記ターンテーブルに伝達する駆動伝達装置と、
をさらに備えることを特徴とするアクチュエータ。
【請求項2】
前記回転駆動装置、直線駆動装置及び駆動伝達装置は、前記シャフトの軸方向に直列に配置されたことを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項3】
前記駆動伝達装置は、
前記シャフトの軸方向と平行の回転軸を有するとともに前記シャフトの回転運動が伝達される第一ギアと、
前記シャフトの軸方向と垂直な回転軸を有するとともに前記ターンテーブルに回転運動を伝達する第二ギアと、
を有し、
前記第一ギアと前記第二ギアが互いに噛みあって回転運動を伝達することで、前記シャフトの軸回りの回転運動を前記ターンテーブルに伝達することを特徴とする請求項1または2に記載のアクチュエータ。
【請求項4】
前記シャフトから前記第一ギアへの回転運動の伝達は、
前記シャフトと同軸に設けられた第一プーリと、
前記第一ギアに同軸に設けられた第二プーリと、
前記第一プーリ及び第二プーリの間に掛けられたベルトと、によって行われることを特徴とする請求項3に記載のアクチュエータ。
【請求項5】
前記回転駆動装置は、
前記シャフトの周方向にN極及びS極の磁極が交互に形成されるように設けられた複数の永久磁石と、
前記シャフトを周方向に囲うように並べられるとともに前記複数の永久磁石と対向するように固定された複数のコイルと、
を有し、
前記複数のコイルに通電することで回転磁界を発生させることにより、前記シャフトに軸回りの回転トルクを作用させることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項6】
前記直線駆動装置は、
前記シャフトの内部に軸方向に着磁された複数の永久磁石と、
前記シャフトが中央部の空間を貫通するように前記シャフトの軸線方向に配列された複数のコイルと、を有し、
前記複数の永久磁石のうち隣り合う永久磁石は互いに同極どうしが対向するように配列され、
前記複数のコイルに通電することで移動磁界を発生させることにより前記シャフトに軸
方向の推進力を作用させることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項1】
軸回りの回転及び軸方向の直進が可能に設けられたシャフトと、
前記シャフトに軸回りの回転トルクを電磁的に作用させる回転駆動装置と、
前記シャフトに軸方向の推進力を電磁的に作用させる直線駆動装置と、を備え、
前記シャフトに、軸回りの回転運動及び軸方向の直線運動を行なわせるアクチュエータであって、
回転運動及び直線運動をさせる対象となる移動体を装着可能であり前記シャフトの軸と垂直の中心軸を有する略円板状のターンテーブルと、
前記シャフトの直線運動を運動方向を変えずに前記ターンテーブルに伝達するとともに前記シャフトの回転運動の回転軸を垂直に変更して前記ターンテーブルに伝達する駆動伝達装置と、
をさらに備えることを特徴とするアクチュエータ。
【請求項2】
前記回転駆動装置、直線駆動装置及び駆動伝達装置は、前記シャフトの軸方向に直列に配置されたことを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項3】
前記駆動伝達装置は、
前記シャフトの軸方向と平行の回転軸を有するとともに前記シャフトの回転運動が伝達される第一ギアと、
前記シャフトの軸方向と垂直な回転軸を有するとともに前記ターンテーブルに回転運動を伝達する第二ギアと、
を有し、
前記第一ギアと前記第二ギアが互いに噛みあって回転運動を伝達することで、前記シャフトの軸回りの回転運動を前記ターンテーブルに伝達することを特徴とする請求項1または2に記載のアクチュエータ。
【請求項4】
前記シャフトから前記第一ギアへの回転運動の伝達は、
前記シャフトと同軸に設けられた第一プーリと、
前記第一ギアに同軸に設けられた第二プーリと、
前記第一プーリ及び第二プーリの間に掛けられたベルトと、によって行われることを特徴とする請求項3に記載のアクチュエータ。
【請求項5】
前記回転駆動装置は、
前記シャフトの周方向にN極及びS極の磁極が交互に形成されるように設けられた複数の永久磁石と、
前記シャフトを周方向に囲うように並べられるとともに前記複数の永久磁石と対向するように固定された複数のコイルと、
を有し、
前記複数のコイルに通電することで回転磁界を発生させることにより、前記シャフトに軸回りの回転トルクを作用させることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項6】
前記直線駆動装置は、
前記シャフトの内部に軸方向に着磁された複数の永久磁石と、
前記シャフトが中央部の空間を貫通するように前記シャフトの軸線方向に配列された複数のコイルと、を有し、
前記複数の永久磁石のうち隣り合う永久磁石は互いに同極どうしが対向するように配列され、
前記複数のコイルに通電することで移動磁界を発生させることにより前記シャフトに軸
方向の推進力を作用させることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−23869(P2012−23869A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−160024(P2010−160024)
【出願日】平成22年7月14日(2010.7.14)
【出願人】(390029805)THK株式会社 (420)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月14日(2010.7.14)
【出願人】(390029805)THK株式会社 (420)
【Fターム(参考)】
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