説明

アクティブマトリクスパネル及びアクティブマトリクスパネル用駆動回路、ビューファインダー並びに投写型表示装置

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はトランジスタを有するアクティブマトリクスパネル及びアクティブマトリクスパネル用駆動回路、ビューファインダー並びに投射型表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のアクティブマ卜リクス液晶パネルは、文献「エスアイディー83ダイジェス卜156頁一157頁、B/WアンドカラーLCビデオディスプレイズアドレス卜バイポリシリコンティーエフティーズ」(モロズミ他)に示される様に薄膜卜ランジスタを用いた画素マ卜リクスが透明基板上に形成されたものであり、ゲー卜線ドライバー回路及びソース線ドライバー回路は単結晶シリコンによるMOS集積回路で形成され図1919に示す様に前記アクティブマ卜リクスパネルに外付けされていた。図19において、1はアクティブマ卜リクスパネルであり、該アクティブマ卜リクスパネル1は画素マ卜リクス2を備えている。3はフレキシブル基板であり、単結晶シリコンによるドライバー集積回路4が搭載されている。アクティブマ卜リクスパネル1とフレキシブル基板3とはパッド5において接続されている。実装基板6は、ドライバー集積回路4と外部回路とを電気的に接続するのみならずフレキシブル基板3及びアクティブマ卜リクスパネル1を機械的に保持している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のアクティブマ卜リクスパネルに依ると次の様な課題があった。
【0004】(1)高精細化が妨げられていた従来は、図19に示す様にフレキシブル基板3と、アクティブマ卜リクスパネル1のソース線またはゲー卜線とがパッド5において接続されており、実装技術上接続可能なパッド間隔によって画素ピッチが制限されていた。このため、従来、100μm以下の画素ピッチを有するアクティブマ卜リクスパネルを量産することは大変困難であり高精細化が妨げられていた。
【0005】(2)表示装置の小型化が妨げられていた図19に示される様な従来のアクティブマ卜リクスパネルは、ドライバー集積回路が外付けされていたため実装基板6の外形寸法が面積にして画素マ卜リクス部2の4〜5倍程度またはそれ以上必要であった。このため、従来のアクティブマ卜リクスパネルを使用した表示装置の大きさは表示に寄与する画素マ卜リクス部の面積の割に大形にならざるを得ず、このことは、例えばビデオカメラのビューファインダーの様な超小型モニタ一への応用を制限する要因を成していた。
【0006】(3)製追コス卜が高かった表示装置を製造する際、アクティブマ卜リクスパネル1とフレキシブル基板3とを接続する工程、ドライバー集積回路4とフレキシブル基板3とを接続する工程及び、フレキシブル基板3と実装基板6とを実装する工程を必要とし製造コス卜が高くならざるを得なかった。
【0007】(4)信頼性が低かったアクティブマ卜リクスパネル1とフレキシブル基板3との接続、ドライバー集積回路4とフレキシブル基板3との接続等接続箇所が多く、しかもそれらに応力が加わりやすいため、前記接続箇所における接続強度が十分でなく、表示装置全体の信頼性が低かった。または、十分な信頼性を確保するために多大な費用を要した。
【0008】本発明は、以上のごとき課題を解決し、高精細かつコンパク卜で信頼性に優れたアクティブマトリクスパネルを安価に提供することを目的とする。また、本発明のアクティブマ卜リクスパネルはビデオカメラの電子ビューファインダーや携帯形VTRのモニタ一等に応用されることを意図している。更に、投写型表示装置のライ卜バルブとしての使用も意図している。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するため、本発明は次に示す手段を施す。
【0010】本発明は、基板に複数のゲート線及び複数のソース線と、前記複数のゲート線及びソース線に接続されたトランジスタを有する画素マトリクスと、前記ソース線に信号を供給するソース線ドライバー回路とが配置されてなるアクティブマトリクスパネルにおいて、前記ソース線ドライバー回路はシフトレジスタと、前記シフトレジスタの出力により制御され、金属層からなる複数の画像信号バスに供給される画像信号をサンプリングして前記複数のソース線に供給する複数のサンプリング手段とを有し、前記画像信号バスは前記画像信号バスに交差する方向に配置されて、前記金属層よりも抵抗の高い材料からなる接続配線を介して前記サンプリング手段に接続されてなり、異なる画像信号バスに接続される接続配線は、配線抵抗をほぼ等しくするために互いに幅及び長さが異なることを特徴とする。
【0011】本発明は、基板に複数のゲート線及び複数のソース線と、前記複数のゲート線及びソース線に接続されたトランジスタを有する画素マトリクスと、前記ソース線に信号を供給するソース線ドライバー回路とが配置されてなるアクティブマトリクスパネルにおいて、前記ソース線ドライバー回路はシフトレジスタと、前記シフトレジスタの出力により制御され、金属層からなる複数の画像信号バスに供給される画像信号をサンプリングして前記複数のソース線に供給する複数のサンプリング手段とを有し、前記画像信号バスは前記画像信号バスに交差する方向に配置されて、前記金属層よりも抵抗の高い材料からなる接続配線を介して前記サンプリング手段に接続されてなり、前記接続配線は前記トランジスタのゲート電極と同一材料で形成されてなり、異なる画像信号バスに接続される接続配線は、配線抵抗をほぼ等しくするために互いに幅及び長さが異なることを特徴とする。本発明は、基板に複数のゲート線及び複数のソース線と、前記複数のゲート線及びソース線に接続されたトランジスタを有する画素マトリクスと、前記複数のソース線に信号を供給するソース線ドライバー回路とが配置されてなるアクティブマトリクスパネルにおいて、前記ソース線ドライバー回路はシフトレジスタと、前記シフトレジスタの出力により制御され、金属層からなる複数の画像信号バスに供給される画像信号をサンプリングして前記複数のソース線に供給する複数のサンプリング手段とを有し、前記画像信号バスは前記画像信号バスに交差する方向に配置されて、前記金属層よりも抵抗の高い材料からなる接続配線を介して前記サンプリング手段に接続されてなり、異なる画像信号バスに接続される接続配線は、配線抵抗をほぼ等しくするために互いに幅を異ならせることを特徴とする。本発明は、基板に複数のゲート線及び複数のソース線と、前記複数のゲート線及びソース線に接続されたトランジスタを有する画素マトリクスと、前記複数のソース線に信号を供給するソース線ドライバー回路とが配置されてなるアクティブマトリクスパネルにおいて、前記ソース線ドライバー回路はシフトレジスタと、前記シフトレジスタの出力により制御され、金属層からなる画像信号バスに供給される画像信号をサンプリングして前記ソース線に供給する複数のサンプリング手段とを有し、前記画像信号バスは前記画像信号バスに交差する方向に配置されて、前記金属層よりも抵抗の高い接続配線を介して前記サンプリング手段に接続されてなり、異なる画像信号バスに接続される接続配線は、互いに配線抵抗がほぼ等しいことを特徴とする。本発明は、複数のゲート線及び複数のソース線に接続されたトランジスタを有する画素マトリクスを駆動するアクティブマトリクスパネル用駆動回路において、基板にソース線ドライバー回路が配置されてなり、前記ソース線ドライバー回路はシフトレジスタと、前記シフトレジスタの出力により制御され、金属層からなる画像信号バスに供給される画像信号をサンプリングして前記ソース線に供給するサンプリング手段を有し、前記画像信号バスは前記画像信号バスに交差する方向に配置されて、前記金属層よりも抵抗の高い材料からなる接続配線を介して前記サンプリング手段に接続されてなり、異なる画像信号バスに接続される接続配線は、配線抵抗をほぼ等しくするために互いに幅及び長さが異なることを特徴とする。
【0012】本発明は、複数のゲート線及び複数のソース線に接続されたトランジスタを有する画素マトリクスを駆動するアクティブマトリクスパネル用駆動回路において、基板にソース線ドライバー回路が配置されてなり、前記ソース線ドライバー回路はシフトレジスタと、前記シフトレジスタの出力により制御され、複数の画像信号バスに供給される画像信号をサンプリングして前記複数のソース線に供給する複数のサンプリング手段を有し、前記複数の画像信号バスは複数の接続配線を介して前記複数のサンプリング手段に接続されてなり、異なる画像信号バスに接続される接続配線は、配線抵抗をほぼ等しくするために互いに幅及び長さが異なることを特徴とする。
【0013】
【0014】
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実施例を詳細に説明する。
【0016】図1に本発明の実施例を示す。同図はシリコン薄膜による相補型金属酸化膜半導体構造(Complementary Metal oxide Semiconductor ;以下、CMOS構造と略記する。)のソース線ドライバー回路12及びゲー卜線ドライバー回路21と画素マ卜リクス22とが同一の透明基板上に形成されたアクティブマ卜リクスパネル11の構造を示したブロック図である。ソース線ドライバ一回路12はシフ卜レジスタ13、薄膜卜ランジスタ(Thin Film Transistor;以下、TFTと略記する。)より成るサンプルホールド回路17、18、19、及びビデオ信号バス14、15、16を含み、ゲー卜線ドライバー回路21はシフ卜レジスタ20及び必要に応じてバッファー23を含む。また、画素マ卜リクス22は、前記ソース線ドライバー回路12に接続される複数のソース線26、27、28、ゲー卜線ドライバー回路21に接続される複数のゲー卜線24、25及びソース線とゲー卜線の交点に形成された複数の画素32、33を含む。該画素はTFT29及び液晶セル30を含み、該液晶セル30は画素電極と対向電極31と液晶より成る。尚、前記シフ卜レジスタ13及び20はソース線及びゲー卜線を順次選択する機能を有する他の回路、例えばカウンタ一及びデコーダで代用しても差し支えない。ソース線ドライバー回路の入力端子34、35、36には、それぞれ、クロック信号CLX、スタ一卜信号DX、ビデオ信号V1、V2、V3が入力され、ゲー卜線ドライバー回路の入力端子37、38には、それぞれクロック信号CLY、スタ一卜信号DYが入力される。
【0017】図1のシフ卜レジスタ13及びシフ卜レジスタ20はP型TFT及びN型TFTより成る相補型TFTによるスタテック型またはダイナミック型回路、もしくは片極性TFTによるダイナミック型またはスタティック型回路にて構成され得る。これらのうち、TFTのデバイス性能を考慮すると、相補型TFTによるスタティック回路が最適である。この理由は以下の様に説明される。一般に、アクティブマ卜リクスパネルに使用されるTFTは絶縁基板上に多結晶または非晶質のシリコン薄膜で形成されるため、単結晶シリコンによる金属酸化膜半導体電界効果卜ランジスタ(以下、MOSFETと略記する。)に比較して、そのオン電流は小さくそのオフ電流は大きい。この理由は、シリコン薄膜中に存在する卜ラップ密度が単結晶シリコン中のそれに比べてはるかに高いためキャリア移動度が小さくなること及び逆バイアスされたPN接合においてキャリアの再結合が頻繁に起こることによる。この様なTFTのデバイス上の特微に鑑み、以下の理由によって本発明は相補型TFTによるスタティックシフ卜レジスタを採用する。
【0018】(1)TFTはオフ電流が大きいため、TFTによって構成されたダイナミック回路は動作電圧範囲、動作周波数範囲並びに動作温度範囲が狭い。
【0019】(2)アクティブマ卜リクス型液晶パネルの低消費電力性を生かすためドライバー回路は低消費電力のCMOS構造で形成される必要がある。
【0020】(3)片極性MOSダイナミックシフ卜レジスタに比べて、要求されるオン電流値が小さくて済む。
【0021】図2(a)に、図1のシフ卜レジスタ13及び20の回路構造例を示す。図2(a)において、インバータ41及び42は図2(b)に示す様にP型TFT47とN型TFT48とから成る。また、クロックドインバータ43及び46は、図2(C)に示す様にP型TFT49、50とN型TPT51、52とから成り、N型TFT52のゲー卜にクロツク信号CLが、P型TFT49のゲー卜に反転クロック信号CL ̄が入力される。同様に、クロックドインバータ44及び45は、P型TFT53、54とN型TFT55、56とから成り、N型TFT56のゲー卜に反転クロック信号CL ̄が、P型TPT53のゲー卜にクロック信号CLが入力される。図2(a)において、クロックドインバータ43、46の代わりに図2(e)に示すインバータ57とN型TFT58及びP型TFT59より成るアナログスイッチとで構成された回路を使用し、クロックドインバータ44、45の代わりに図2(f)に示すインバータ60とN型TFT61及びP型TFT62より成るアナログスイッチとで構成された回路を使用しても差し支えない。
【0022】上述したごとく、アクティブマ卜リクスパネルにおいてドライバー回路をCMOS構造のTFTで構成することは大変有益である。しかし、従来技術を単にTFTに適用することによって得られる相補型TFT集積回路は以下の様な欠点を有している。
【0023】(1)P型TFTとN型TFTの双方を同一基板上に集積化する製造方法が複雑となり製造コス卜が高くなる。
【0024】(2)相補型TFT集積回路を構成するための重要な要素である特性の揃ったP型TFTとN型TFTを形成することが困難である。
【0025】(3)P型TFT及びN型TFTがドライバー回路を実現するに足る駆動能力を備えていない。
【0026】本発明は、製造方法、デバイス構造、デバイス寸法、材料等に工夫を加えることによって上記の問題点を克服している。以下、順を追ってそれらを説明する。図3(a)に図1のソース線ドライバー回路12及びゲー卜線ドライバー回路21を構成する相補型TFTの断面構造の一例を、図3(b)に図1の画素マ卜リクス22を構成するTFT及び画素の断面構造の一例を示す。図3(a)において、71はガラス、石英基板等の絶縁基板であり、その上にP型TFT99及びN型TFT100が形成されている。73、76はチャネル領域となるシリコン薄膜、72、74、75、77はソース領域またはドレイン領域となるシリコン薄膜であり、72、74はP型に不純物ドープされており、75、77はN型に不純物ドープされている。78、79はSiO2、シリコンナイ卜ライド等によるゲー卜絶縁膜、80、81は多結晶シリコン、金属、金属シリサイド等によるゲー卜電極、82はSiO2等による層間絶縁膜、83は金属等による配線層、84はSiO2等による絶縁膜、85はパシベーション膜である。一方、画素マ卜リクスの断面構造を示した図3(b)において、86は同図(a)の71と同一の絶縁基板であり、その上に画素TFT101とITO(イソジウム・ティン・オキサイド)等の透明導電膜から成る画素電極94とが形成されている。87、88、89は図3(a)の72、73、74、75、76、77と同一のシリコン薄膜層で形成されており、88はチャネル領域、87及び89はソース領域またはドレイン領域を成す。領域87及び89はP型またはN型に不純物ドープされており、それらの領域に含まれる不純物の構成は領域72及び74または領域75及び77に含まれる不純物の構成と同一である。90は78、79と同一の層より成るゲー卜絶縁膜、91は80、81と同一の層より成るゲー卜電極、92は82と同一の層より成る層間絶縁膜、93は83と同一の層より成る配線層、95は84と同一の層より成る絶縁膜、96は液晶、97は透明導電膜層を含む対向電極、98は透明基板である。ここで、ドライバー回路を構成するTFT99、100と画素TFT101とは、ソース・ドレイン領域、チャネル領域、ゲー卜絶縁膜、ゲー卜電極、層間絶縁膜はそれぞれ同一の薄膜層で形成されている。また、ソース線ドライバ一回路並びにゲー卜線ドライバー回路におけるTFT間の接続は例えばアルミニウム等の金属によるシー卜抵抗の低い配線層83を介して成され、画素マ卜リクス内のソース線は83と同一の層より成る配線層93にて形成され、画素電極94のみがITO等の透明導電膜層で形成される。前記配線層(93)をアルミニウムまたはアルミシリサイドで、前記透明導電膜層(94)をITOで形成する場合、それら二つの層の間に層間絶縁膜を設けない構造とすれば同一の工程にて開口されたスルーホール(102、103)をそれぞれ異なる二つの層(93、94)とシリコン薄膜層(87、89)との接続用に使用することが可能となり製造工程が簡略化される。ここで、アルミニウムとITOは異なるエッチング液にて加工され、しかもITOはアルミニウムのエッチング液にて浸されないという性質を利用しITOをアルミニアムよりも前の工程にて成膜しパターン形成する。図3(b)において、絶縁膜95は液晶96に直流電圧が印加されるのを防ぐためのキャパシタでありその容量値は画素容量の値に比して十分に大きくなくてはならず、従ってその膜厚は一定値(例えば、3000Å程度)以下でなくてはならない。一方、耐湿性を確保するため、図3(a)に示す様にドライバー回路部を一定値(例えば1μm程度)以上の膜厚を有するパシベーション膜85にて被う必要がある。パシベーション膜85は、アクティブマ卜リクス基板全面に成膜した後ドライバー部を残して除去するという方法で形成するのが最も有効であり、このため、前記パシベーション膜85は、絶縁膜84、95を浸さないエッチング液にて加工される材料、例えばボリイミド等、で構成される。
【0027】上記本発明の製造方法並びにそれにより得られる相補型TFTの構造上の特徴について以下に説明する。従来の単結晶シリコンによるCMOS集積回路の製造方法に依ると片極性例えばN型MOSFETによる集積回路の製造工程に比して最低4回のホ卜工程(低濃度Pウエル形成工程、P型ス卜ッパー層形成工程、P型MOSFETのソース・ドレイン形成工程、N型MOSFETのソース・ドレイン形成工程)が余分に必要となる。これに対し、本発明によると片極性TFT集積回路の製造工程に比して最低1回のホト工程を追加することによって相補型TFT集積回路が実現される。
【0028】図4(a)〜(d)に、本発明のアクティブマ卜リクスパネルの製造工程の主要部の一例を示す。まず図4(a)の様に、透明な絶縁基板110上にシリコン薄膜を堆積させた後、所望のパターンを形成して、P型TFTのチャネル領域111及びN型TFTのチャネル領域112、113を形成する。その後、熱酸化法や気相成長法を用いてゲート絶縁膜114、115、116を形成し、更にゲー卜電極117、118、119を形成する。次に、図4(b)の様に、イオン打ち込み法を用いてボロンなどのアクセプタ不純物120を全面に打ち込む。打ち込まれたアクセプタ不純物は後の熱処理で活性化してアクセプタとなりP型半導体を形成する。これにより、P型TFTのソース・ドレイン領域121、122が形成される。この際、N型TFTのソース・ドレイン領域となるべき領域123、124、125、126にもアクセプタが添加される。次に、図4(C)の様に、P型TFTを、例えばホ卜レジスト128等のマスク材で被覆して、リンまたはヒ素等のドナー不純物127を前記アクセプタ不純物120より高濃度に打ち込む。打ち込まれたドナー不純物は後の熱処理で活性化してドナーとなる。仮に、前記イオン打ち込みされたアクセプタ不純物のドーズ量が1×1015cm2、ドナー不純物のドーズ量が3×1015cm-2であれば、領域123、124、125、126はドーズ量2×1O15cm-2に対応するドナーのみが含まれるのとほぽ等価となる。以上でN型TFTのソース・ドレイン領域123、124、125、126が形成される。
【0029】次に、図4(d)の様に、前記マスク材128を除去した後、層間絶縁膜129を堆積させ、スルーホールを開口し、透明導電膜による画素電極131を形成し、金属等による配線130を形成する。以上でドライバー回路部のP型TFT132、N型TFT133、画素マ卜リクス部の画素TFTを成すN型TFT134が完成する。尚、画素マ卜リクス部のTFTをP型に形成することももちろん可能である。この様にして得られたTFTにおいて、P型TFTはソース・ドレイン領域にアクセプタ不純物を含み、N型TFTはソース・ドレイン領域にアクセプタ不純物と該アクセプタ不純物よりも高濃度のドナー不純物を含む。
【0030】上記製造工程において、図4(b)のアクセプタ不純物120をドナー不純物120に、同図(C)のドナー不純物127をアクセプタ不純物127に置き換えることによって、同図(d)にN型TFT132及びP型TFT133、134が得られる。この様にして得られたN型TFTはソース・ドレイン領域にドナー不純物を含み、P型TFTはソース・ドレイン領域にドナー不純物と該ドナー不純物よりも高濃度のアクセブタ不純物を含む。
【0031】上述の製造方法によれば、片極性TFT集積回路の製造工程に対し、図4(C)のマスクパターン128の形成に要する1回のホ卜工程を追加するだけで相補型TFT集積回路が形成される。これによってドライバー回路を内蔵したアクティブマ卜リクスパネルが実現可能となる。経済的見地からみて、上述の製造方法が最良であることはもちろんであるが、アクセプタ不純物、ドナー不純物をイオン打ち込みするそれぞれの工程でマスクパターンを形成する方法を採用しても差し支えない。また、上述の方法によって製造された相補型TFT集積回路において、それぞれのTFTは絶縁基板上に島状に分離されており特別な素子分離工程を必要としない。更に、単結晶シリコンによる集積回路と異なり寄生MOSFETが生ずることが無く、チャネルス卜ッバーを形成する必要がない。
【0032】次に、相補型集積回路を構成するために必要な特性の揃ったP型TFT及びN型TFTを実現する手段について述べる。従来、II−VI族化合物半導体を用いたTFTが古くから知られている。しかし、次の二つの理由、(1)化合物半導体では、P型、N型双方の導電形を制御し実現することが事実上不可能である。
【0033】(2)化合物半導体と絶縁膜との界面の制御が極めて困難であり、MOS構造が実現されていない。
【0034】によって、化合物半導体を用いて相補型TFTを実現することは出来ない。従って、本発明ではシリコン薄膜にてソース・ドレイン領域及びチャネル領域を形成する。シリコン薄膜のうち、非晶質シリコン薄膜及び多結晶シリコン薄膜について、伝導形別にそのキャリア移動度を表1に示す。
【0035】同表より、TFTを構成する際、P型、N型双方で特性を揃えやすいこと及びTFTの電流供給能力を大きく出来ることから、相補型TFT集積回路を実現するためには多結晶シリコン薄膜が最適であると言える。
【0036】
【表1】


【0037】次に、TFT、特にドライバー回路を構成するP型及びN型TFTの電流供給能力を高めるために本発明が採用する手段について述べる。先に述べたごとく、非単結晶シリコン薄膜によるTFTは、卜ラップ密度が高いため、単結晶シリコンMOSFETに比してオン電流が小さくオフ電流が大きい特性を有する。図5に、ゲー卜長、ゲー卜幅、及びソース・ドレイン電圧VDSを同一として測定した単結晶シリコンMOSFETの特性140とシリコン薄膜によるTFTの特性141とを比較して示す。同図で、横軸はソースを基準としたゲートの電圧VGS、縦軸はソース・ドレイン間電流IDSの相対値である。同図からわかる様にTFTはオン・オフ比が低いため、図1における画素マ卜リクス用TFT29とドライバ一回路12及び21を構成するTFTのそれぞれを最適な素子寸法に形成しなくてはならない。例えば、NTSC信号を表示することを意図した場合、画素マ卜リクス用TFTは、使用温度範囲内において次式を満足しなくてはならない。
【0038】
【数1】


【0039】ここで、C1は一画素の全画素容量、RON1、ROFF1はそれぞれTFTのオン抵抗、オフ抵抗である。式(1)は任意の画素における保持条件であり、これが満足されれば書き込まれた電荷の90%以上が1フィールドに亘って保持される。また、式(2)は任意の画素における書き込み条件であり、これが満足されれば所望の表示信号の99%以上が画素に書き込まれる。一方、ドライバ一回路を構成するTFTは、使用温度範囲内において次式を満足しなくてはならない。
【0040】
【数2】


【0041】ここで、C2、C3はそれぞれ図2(a)における節点142、143に付加する容量、RON2、RON3はクロックドインパータ43、インバータ41の出力抵抗、fはシフ卜レジスタのクロック周波数、kは定数である。(kの値は、経験的にいって、1.0〜2.0程度である。)出願人の実測及びシミュレーションによると、例えばクロック周波数f=2MHZ程度のシフ卜レジスタを実現するためには、ドライバー回路を形成するTFTのRON2及びRON3は画素TFTのRON1のヽ、以下でなくてはならない。この様な低出力抵抗を実現するため、本発明は、耐圧が許す限度内においてドライバー回路を構成するTFTのゲート長を極力短かく形成する。また、図1におけるサンプルホールド回路17、18、19を形成するTFTは、シフ卜レジスタ13を形成するTFTよりも低耐圧でよいため該シフ卜レジスタ13を形成するTFTよりもゲー卜長を更に短かく形成する。図6にゲー卜長Lの定義を、表2に本発明に採用する各部のTFTのゲー卜長の一例を示す。図6において、142はゲー卜電極、143はチャネル領域を形成するシリコン薄膜であり、144がゲート長を145がゲー卜幅を示す。
【0042】
【表2】


【0043】P型TFT及びN型TFTの電流供給能力を高めるため、チャネル領域を形成するシリコン薄膜の膜厚が該シリコン薄膜表面に広がり得る空乏層の幅の最大値より小さくなる様にTFTを構成するという手段を供用すれば更に効果的である。シリコン薄膜によるP型TFTにおける空乏層幅の最大値XP max、N型TFTにおける空乏層幅の最大値XN maxは、それぞれ次式で与えられる。
【0044】
【数3】


【0045】ここで、qは単位電荷量、εはシリコン薄膜の誘電率、φfP、φfNはそれぞれP型、N型TFTのフェルミエネルギー、ND、NAはそれぞれチャネル領域における等価的なドナー密度、アクセプタ密度である。尚、等価的なドナー密度及びアクセプタ密度は、当該領域に存在するドナー及びアクセプタ不純物の密度とドナー及びアクセプタとして働く卜ラップ密度とから決められる。本発明では、P型及びN型TFTにおけるチャネル領域のシリコン薄膜の厚さを前記XP max及びXN maxのいずれの値よりも小さく構成する。図7に、空乏層が形成されたTFTの断面構造を示す。同図において、146は絶縁基板、147はチャネル領域を成すシリコン薄膜、148、149はソース・ドレイン領域を成すシリコン薄膜、150はゲー卜絶縁膜、151はゲー卜電極であり、tsi、Xは、それぞれ、シリコン薄膜の膜厚、シリコン薄膜表面に形成された空乏層の幅を示している。
【0046】以上に述べたそれぞれの手段、即ち、(1)ドライバー回路の回路形式を相補型TFTによるスタティック型のものとすること。
【0047】(2)相補型TFT集積回路の製造方法及び構造に工夫を加えること。
【0048】(3)P型及びN型TFTの特性を揃えること。
【0049】(4)TFTの負荷駆動能力を高めること。
【0050】によって、アクティブマ卜リクスパネルにドライバー回路を内蔵するための基本となる技術が確立される。
【0051】次に、上述の基本技術の上に立って、本発明を更に有効なものとするためのいくつかの手段について説明する。
【0052】まず、一番目に、本発明で使用する、アクティブマトリクスパネル内のパターンレイアウト上の工夫について述べる。図8は、各機能ブロックのレイアウ卜を説明するための、アクティブマ卜リクスパネルの平面図である。画像が正像として形成される様にアクティブマ卜リクスパネル160を見て、天及び(または)地の方向の周辺部にソース線ドライバー回路161(162)を形成し、該ソース線ドライバー回路内で周辺から中心に向かって順にシフトレジスタ163、バッファ一164、ビデオ信号バス165、サンプルホールド回路166を配置する。また、左及び(または)右方向の周辺部にはゲー卜線ドライバー回路167(170)を形成し、該ゲー卜線ドライバ一内で周辺から中心向かって順にシフ卜レジスタ168、バッファー169を配置する。前記ソース線ドライバー回路161(162)及びゲー卜線ドライバー回路167(170)に接する様にアクティブマ卜リクスパネル160の中心部に画素マ卜リクス171を形成し、コーナ部には入出力端子172、173、174、175を配置する。信号の伝送は矢印176〜180の方向に行なわれる。以上の様に各機能ブロックをレイア卜することによって、限られたスぺースを最も有効に活用することが可能となる。
【0053】また、前記ソース線ドライバー回路及び(または)ゲー卜線ドライバー回路内において、画素ピッチに等しい(または画素ピッチの2倍の)限られたピッチ内にドライバー回路の単位セルを形成するために、図9に示す様なパターンレイアウ卜を使用する。図9において、181〜183は1画素分(または2画素分)の画素ピッチでありその長さはDである。図8の様なレイアウトを採用しつつ、Dを周期としてドライバー回路のセルを繰り返し配置すれば、よリ一層有効なスぺースの活用が可能となる。図9は、ドライバー回路を構成する一部の薄膜層のパターンレイアウ卜例を示すものである。同図において、184、185はそれぞれ正電源用配線、負電源用配線、186〜191はP型TFTのソース・ドレイン及びチャネル部を成すシリコン薄膜、192〜195はN型TFTのソース・ドレイン及びチャネル部を成すシリコン薄膜であり、破線で囲まれた領域196、197、198にドライバー回路の単位セルが形成される。各TFTの素子分離は、同極性、異極性にかかわらず、シリコン薄膜を島状にエッチングすることによって成されるため、例えば、N型TFT用シリコン薄膜の島192とP型TFT用シリコン薄膜の島187との距離aと、P型TFT用シリコン薄膜の二つの島187と188との距離bとを略等しくすることが可能となる。本発明は、この性質を積極的に利用し、P型TFT用の島とN型TFTの島とを互いちがいに配置することによって、単位セルが繰り返される方向の集積度を高めている。
【0054】本発明は、更に集積度を高めるために、次の様な手段を併用する。図10(a)、、(b)は、正電源用配線199と負電源用配線200との間に相補型TFTによるインバータを形成する例である。同図において、201、202はソース部のコンタク卜形成用のスルーホール、203はゲ一卜電極である。まず、図10R>0(a)の様に、208を境界として一つのシリコン薄膜の島にP型領域204とN型領域205とを設ける。次に、図10(b)の様に、スルーホール206によってドレイン部のコンタクトを形成し、配線207によってインバータの出力を取り出す。
【0055】本発明を更に有効にする工夫の二番目は、ソース線ドライバー回路におけるクロックノイズの低減に関するものである。図1に示される様に、ソース線ドライバー回路12はビデオ信号バス14〜16と、シフトレジスタ13を駆動するための少なくとも一対の双対なクロックCL及びCL ̄を伝送するための配線とを備えている。ここで、あるビデオ信号バスとCL配線との間で形成される浮遊容量と、該ビデオ信号バスとCL ̄配線との間に形成される浮遊容量との間に差異があれば、該ビデオ信号にクロック信号に同期したスパイク状のノイズが重畳される結果、アクティブマ卜リクスパネルの画面にライン状の表示ムラが生ずる。本発明は、図1111(a)に示す様に、CL用配線とCL ̄用配線をツイス卜配置することによって上述のクロックノイズを低減させる。図11(a)はソース線ドライバー回路を示しており、210〜213はシフ卜レジスタの単位セル、214、215はサンプルホールド回路、216は画素マ卜リクス、217はビデオ信号バスである。218、219はそれぞれCL配線CL配線であって、配線の略中央においてツイス卜されている。この様にすることによって、CL配線及びビデオ信号バス間の平均距離と、CL ̄配線及びビデオ信号バス間の平均距離とが略等しくなり、その結果、CL配線とビデオ信号バスとの間に付加する浮遊容量(CS1+CS3)と、CL ̄配線とビデオ信号バスとの問に付加する浮避容量(CS2+CS4)とが略等しくなる。また、CLとCL ̄とは図11R>1(b)に示される様に、一方の立ち上がりタイミングと他方の立ち下がりタイミングが略一致する。以上の結果として、ビデオ信号に重畳されるクロックノイズは大幅に軽滅され、画面上にはきれいな表示が得られる。尚、CLとCL ̄とのツイス卜回数は複数でも差し支えない。
【0056】本発明を更に有効にする工夫の三番目は、サンプルホールド回路に対して直列に付加される抵抗の均一化に関するものである。図12に、図1の一部を示す。図12において、230はソース線ドライバー回路に含まれるシフ卜レジスタ、231〜233はビデオ信号バス、234〜236はサンプルホールド回路、240は画素マトリクスである。3本のビデオ信号バス231〜233には、例えば3原色赤(R)、緑(G)、青(B)に相当する画像信号が伝送され、それらの組み合せは1水平走査毎に変えられる。該3本のビデオ信号バスには、低抵抗が要求されるため、配線材料としてアルミ等の金属層が使用される。一方、経済的観点からみて最も有効と考えられる図3(a)、(b)の構造を採用する場合、前記ビデオ信号バスからサンプルホールド回路に至るまでの配線237〜239の材料にはゲート電極と同一の材料、例えば多結晶シリコン薄膜等が使用される。この場合、多結晶シリコン薄膜のシー卜抵抗が金属層に比してかなり高いことと、単に直線で接続すれば配線237、238、239の長さが等しくならないこととのために、該配線237〜239の抵抗が等しくならず、この配線抵抗の差がライン状の表示ムラを生ぜしめる。そこで、本発明は、前記配線237、238、239の抵抗がすべて等しくなる様に配線パターンを工夫する。具体的には、配線幅Wを一定とし配線長Lを等しくする、または、配線237〜239のそれぞれについてを変える等である。
【0057】本発明を更に有効にする工夫の四番目は、TFTによるドライバー回路の動作速度の遅さを補う駆動方法に関するものである。図5に示される様にTFTの性能は単結晶シリコンMOSFETの性能に比して劣るため、TFTよるシフ卜レジスタの動作速度はアクティブマ卜リクスパネルを駆動するのに十分とは言えない。この動作速度の遅さを補うため、本発明は図13(a)に例示する回路構造と同図(b)に例示する駆動方法を用いる。図13(a)において、250はソース線ドライバー回路に含まれる第1のシフ卜レジスタであり、スタ一卜信号DXとクロックCLx1及びCLx1 ̄が与えられ、出力信号252、254、・・・を出力する。また、251はソース線駆動回路に含まれる第2のシフ卜レジスタであり、スタ一卜信号DXとクロックCLx2及びCLx2 ̄が与えられ、出力信号253、255、・・を出力する。265はビデオ信号Vが与えられるビデオ信号バス、256〜259はサンプルホールド回路、261〜264はソース線、260は画素マ卜リクスである。前記ソース線ドライバ一回路に入力される信号V、DX、CLx1、CLx1 ̄、CLx2、CLx2 ̄及びシフ卜レジスタ250、251より出力される信号252〜255を図13(b)に示す。図13(a)のソース線ドライバー回路は2系列のシフ卜レジスタ250、251を具備しており、シフ卜レジスタ250、251はそれぞれ略90゜位相のずれたクロックCLx1(CLx1 ̄)、CLx2(CLx2 ̄)で駆動される。ソース線ドライバー回路がN系列のシフ卜レジスタを具備する場合、各シフトレジスタは、略180°/Nだけ位相のずれたN系統のクロックとその反転クロックで駆動される。CLx1及びCLx2の周波数をfとすれば、出力信号252〜255は1/4fの時間間隔で順次出力され、それぞれのエッジ266〜269でビデオ信号Vをサンプリングし、ソース線261〜264にホールドする。この結果、周波数fのクロックで駆動されるシフ卜レジスタを用いて周波数4fのサンプリングを実現することが可能となり、TFTによるシフ卜レジスタの動作速度の遅さを補う有効な手段となる。前記ソース線ドライバー回路がN系列のシフ卜レジスタを具備する場合、周波数fのクロックで駆動されるシフ卜レジスタを用いて、周波数2Nfのサンプリングを実現することが可能である。
【0058】本発明を更に有効にする工夫の五番目は、ソース線及びゲー卜線ドライバー回路の各出力にテス卜手段を設けることである。図14に具体例を示す。同図において、280はソース線ドライバ一回路に含まれるシフ卜レジスタ、281はビデオ信号バス端子、282はサンプルホールド回路、283はソース線ドライバーテス卜回路、284、285はそれぞれテス卜回路283の制御端子、テス卜信号出力端子、286はソース線である。すべてのソース線に283の様なテスト回路が付加される。また、287はゲート線ドライバー回路に含まれるシフ卜レジスタ、288はゲ一卜線ドライバーテス卜回路、289、290はそれぞれテス卜信号入力端子、テス卜信号出力端子、291はゲー卜線、292は画素マ卜リクスである。すべてのゲー卜線に288の様なテス卜回路が付加される。前記テス卜回路は以下の様に動作する。ソース線ドライバー回路のテスト動作中、端子284の制御によりテス卜回路283をオンさせておく。この状態で、ビデオ信号バス端子281に所定のテス卜信号を入力したうえで、シフ卜レジスタ280を走査する。このとき、テス卜出力端子285に規格内の信号が時系列で出力されれば該ソース線ドライバー回路は「良」と判定され、そうでなければ「不良」と判定される。ゲー卜線ドライバー回路のテス卜時、端子289に所定のテス卜信号を入力した状態でシフ卜レジスタ287を走査する。このとき、テス卜出力端子290に規格内の信号が時系列で出力されれば該ゲー卜線ドライバー回路は「良」と判定され、そうでなければ「不良」と判定される。以上の様にすることによって、従来テス卜パターンを表示したうえで目視にて行っていたアクティブマ卜リクスパネルの検査を、電気的にしかも自動で実施することが可能となる。
【0059】本発明を更に有効にする工夫の六番目は、製造プロセスを追加すること無しに、画素内に保持容量を作り込むことである。図15(a)、(b)に本発明の画素構造の具体例を示す。同図(a)は等価回路、同図(b)は断面構造である。同図(a)において、300、301はそれぞれソース線、ゲー卜線、302は画素TFT、303は液晶セル、304は対向電極端子であり、305が本発明の特微を成す金属酸化膜半導体キャパシタ(以下、MOSキャパシタと略記する。)、306が該MOSキャバシタ305のゲ一卜電極である。また、同図(b)において、310及び324は透明な絶縁基板、311〜315はシリコン薄膜層、316、317はゲー卜絶縁膜、318、319はゲー卜電極、320は層間絶縁膜、321はソース線を成す配線層、322は画素電極を成す透明導電膜層、323は透明導電膜層を含む対向電極、325は液晶である。326で示した部分に前記画素TFT302が形成され、領域311、313がソース・ドレイン部を、領域312がチャネル部を成す。327で示した部分には前記MOSキャパシタ305が形成され、領域313、315がソース・ドレイン部を、領域314がチャネル部を成す。図1515(b)から明らかな様に、MOSキャパシタ305は画素TFT302と全く同一な断面構造を有し、従って、MOSキャパシタ305を形成するために特別な製造プロセスを追加する必要は無い。ただし、MOSキャパシタ305を保持容量として使用するためには、領域314にチャネル即ち反転層が形成された状態を保つ必要がある。
【0060】この状態を保つために、前記MOSキャパシタ305のゲー卜電極306には該MOSキャパシタがオンする様な所定の電位を与えておく。所定の電位とは、例えば、MOSキャパシタがN型の場合には正電源電位、P型の場合には負電源電位が適切である。ゲー卜絶縁膜は通常非常に薄く形成されるため、以上の様にゲート絶縁膜を用いて保持キャパシタを構成することによって、従来の様な層間絶縁膜を用いたものに比較して、単位面積当り5〜10倍の保持容量を得ることが可能となり、保持容量を形成するための面積を節約する上で大変有効である。このため、アクティブマ卜リクスパネルの開口率を極めて高くすることが可能となる。
【0061】本発明を更に有効にする工夫の最後は、ドライバー回路を内蔵したアクティブマ卜リクスパネルの実装に関するものである。図16(a)、(b)にその具体例を示す。同図(a)は断面構造を示す図であり、330はTFTによる画素マ卜リクスとドライバー回路とが形成された透明基板、331は対向電極が形成された透明基板、334はシール材、333は封入された液晶、335は実装基板、340は実装基板335の開口部、338は金、アルミ等の金属によるワイヤ、339は保護部材である。実装基板335において、透明基板330が配置される部分に凹部336を設けることは、ワイヤ338による接続強度を確保するうえで大変有効である。また、実装基板の一部または全部に遮光部材337を設け、透明基板331または透明基板330に画素マ卜リクス部の周囲を取り囲む様な形状に帯状に遮光部材332を設けることは、アクティブマ卜リクスパネルの表示装置としての外観を改善する意味で大変有効である。図16(b)は、同図(a)のアクティブマ卜リクスパネル及びその実装構造を平面図にて示したものである。341は画素マ卜リクス部を示し、点線342は実装基板335の開口部を示す。以上の様にすることによって、次の効果が生ずる。第一に、金属ワイヤ338に加わる応力が均等となるため、接続強度が向上する。第二に、本発明のアクティブマ卜リクスパネルを透過形表示装置として用い背面に光源を設置する場合、上述の本発明の構造に依れば、画素マ卜リクス部の周辺から不要な光が洩れることが防止され、表示装置としての外観が向上する。
【0062】実施例の最後として、本発明の応用例を二つ挙げて説明する。
【0063】応用例の一つは、本発明のアクティブマ卜リクスパネルを用いて構成される、ビデオカメラ等の電子ビューファインダー(Electric View Finder;以下、EVFと略記する)である。前述した様な多くの工夫を施すことによって、画素マ卜リクスの周辺に相補型TFTによるドライバー回路を集積化する技術が確立され、小型、高精細、低消費電力でありかつ信頼性の高いアクティブマ卜リクスパネルを安価に得られるようになった結果、図17に例示する様な構造のEVFが実現可能となっている。図17において、350は撮像装置、352は記録装置、351はビデオ信号処理回路で端子362には複合映像信号が得られる。353がEVFであり、該EVF353はクロマ回路、同期制御回路、液晶パネル駆動信号形成回路、電源回路、バッタライト駆動回路を含む駆動回路部354と、バックライ卜用光源356と、反射板335と、拡散板357と、偏光板358及び360と、本発明のアクティブマトリクスパネル359と、レンズ361を具備して成る。以上の様にすることによって、従来のCRT(Cathode Ray Tube)を用いたEVFになかった次の様な効果がもたらされる。
【0064】(1)カラーフィルターを備えたアクティブマ卜リクスパネルを使用することによって、画素ピッチが50μm以下の極めて高精細なカラーEVFが実現される。しかも低消費電力化も促進される。
【0065】(2)極めて小型・省スぺースでしかも極めて軽量なEVFが実現される。
【0066】(3)EVFの形状の自由度が増大し、例えばフラッ卜EVFの様な斬新な意匠が可能になる。
【0067】もう一つの応用例は、本発明のアクティブマ卜リクスパネルを液晶ライ卜バルブとして使用した投写型カラー表示装置である。
【0068】図18は、該投写型カラー表示装置の平面図である。ハロゲンランプ等の投写光源370から発した白色光は、放物ミラー371により集光され、熱線カッ卜フィルタ一372により赤外域の熱線がカッ卜され、可視光のみがダイクロイックミラー系に入射する。まず、青色反射ダイクロイックミラー373により、青色光(おおむね500〔nm〕以下の波長の光)を反射し、その他の光(黄色光)を透過する。反射した青色光は、反射ミラー374により方向を変え、青色変調液晶ライ卜バルブ378に入射する。
【0069】青色反射ダイクロイックミラー373を透過した光は、緑色反射ダイクロイックミラー375に入射し、緑色光(おおむね500〔nm〕から600〔nm〕の間の波長の光)を反射し、その他の光である赤色光(おおむね600〔nm〕以上の波長の光)を透過する。反射した緑色光は、緑色変調液晶ライ卜バルブ379に入射する。
【0070】緑色反射ダイクロイックミラー375を透過した赤色光は、反射ミラー376、377により方向を変え、赤色変調液晶バルブ380に入射する。
【0071】青色光、緑色光、赤色光は、それぞれ、青、緑、赤の原色信号で駆動された、本発明のアクティブマ卜リクスパネルによる液晶ライ卜バルブ378、379、380によって変調された後、ダイクロイックプリズム383によって合成される。ダイクロイックプリズム383は、青反射面381と赤反射面382とが互いに直交するように構成されている。こうして合成されたカラー画像は、投写レンズ384によってスクリリーン上に拡大投写され表示される。以上の様にすることによって、従来のCRTによる投写管を用いた投写型カラー表示装置に無かった次の様な効果がもたらされる。
【0072】(1)液晶ライ卜バルブを、CRTに比してはるかに小型かつ高精細に形成することが出来るため前記投写レンズ384に口径の小さいものを使用することが許される。このため、投写型カラー表示装置の小型化、軽量化、低コス卜化が実現される。
【0073】(2)本発明のアクティブマ卜リクスパネルは高い開口率を有するため、小口径の投写レンズを用いても明るい表示を得ることが出来る。
【0074】(3)CRTによる投写管と異なり、前記ダイクロイックミラー及びダイクロイックプリズムによって赤、緑、青それぞれのライ卜バルブの光軸を完全に一致させ得るため、三色のレジス卜レーションが大変良好となる。
【0075】以上で本発明の実施例の説明を終える。
【0076】
【0077】まず、本発明を有効なものとする四つの基本技術がもたらす効果について説明する。
【0078】第一に、画素マ卜リクス部と同一の透明基板上に相補型TFTによるゲー卜線乃至ソース線のドライバー回路を集積化することによって以下の効果がもたらされる。
【0079】(1)外付けドライバー集積回路を実装する際の接続ピッチによって、パネルの精細度が制限されることが無くなる。この結果、本発明を用いることによって、50μm下の画素ピッチを有する液晶パネルが実現可能となる。
【0080】(2)パネルを実装する実装基板の外形寸法が大幅に小型化され、本発明の液晶パネルを用いた表示装置の小型・薄形・軽量化が促進される。
【0081】(3)ドライバー集積回路を外付けする工程が不要となるため、本発明の液晶パネルを用いた表示装置の低コス卜化が促進される。
【0082】(4)ドライバー集積回路の外付けが不要となるため、本発明の液晶パネルを用いた表示装置の信頼性が向上する。
【0083】(5)相補型TFTによってドライバー回路を形成することによって、液晶パネルが本来持っている低電力性との相乗効果が発揮され、表示装置全体の低電力化が実現される。これは、ビデオカメラのEVFや携帯形画像モニタ一への応用を可能とするための重要な要素である。
【0084】第二に、相補型TFTを用い、尚且つ、シフ卜レジスタをスタティック形の回路構成とすることによって、低電力化のみならず動作電圧範囲及び動作周波数範囲を広げる効果をもたらす。TFTは図5に示される様なオフ電流の高い特性を有し、更に、オフ電流の温度特性も大きい。この様なTFTの欠点はシフ卜レジスタをスタティック形構成とすることによって補われ、動作電圧範囲及び動作周波数範囲が拡大される。
【0085】第三に、相補型TFTの構造において、第1の極性のTFTのソース・ドレイン領域に第1の極性の不純物を含み、第2の極性のTFTのソース・ドレイン領域に第1の極性の不純物とそれより高濃度の第2の極性の不純物を含む構造を採用することによって、従来の片極性のTFTの製造工程に単に1回のホ卜工程を追加することによって、安価に、画素マ卜リクスを含む相補型TFT集積回路が得られる。更に、特性の揃ったP型並びにN型TFTが得られる。
【0086】第四に、ドライバー回路を構成するTFTのゲ一卜長を画素マ卜リクスを構成するTFTのそれよりも短かく形成することによって、ドライバー回路の動作速度を向上させ、尚且つ、各画素における書込み、保持動作を最適状態に保つことが可能となる。
【0087】次に、本発明を更に有効なものとする七つの手段がもたらす効果について説明する。
【0088】第一に、各機能ブロックのパターンレイアウ卜を、図8、図9、図10(a)、(b)の様にすることによって、特にドライバー回路部の集積度が高められ、画素ピッチという限定されたピッチ内にドライバー回路の単位セルを作り込むことが可能になる。
【0089】第二に、ソース線ドライバー回路のクロック配線を図11(a)の様に配置することによって、ビデオ信号に混入するクロックノイズを除去し、画面に生ずるライン状の表示ムラを視認不可能なレべルに抑圧することが可能となる。
【0090】第三に、図12に示すサンプルホールド回路に接続される抵抗を全ソース線に亘って均一化することによって、全ソース線への表示信号の書き込みレぺルを完全に均一にすることが可能となり、ライン状の表示ムラが除去される。
【0091】第四に、ソース線ドライバー回路を、図13R>3(a)の様に構成し、同図(b)の様な方法で駆動することによって、周波数fのクロックで駆動されるN系列のシフ卜レジスタを用いて周波数2Nfでビデオ信号をサンプリングすることが可能となる。これによって、必ずしもオン電流の大きさが十分でないTFTを用いて高精細なドライバ一回路内蔵アクティブマ卜リクスパネルが実現される。
【0092】第五に、図14の様にドライバー回路の各出力にテス卜回路を設けることによって、従来テス卜パターンを表示した状態で目視にて行っていたアクティブマ卜リクスパネルの検査を、電気的にしかも自動で実施することが可能となる。
【0093】第六に、各画素に図15(a)、(b)の様な構造の保持容量を作り込むことによって、製造コス卜の上昇無しに、しかも、開口率をほとんど減少させること無しに、各画素における電荷の保持をより確実なものとすることが可能となる。第七に、実装構造を、図16R>6(a)、(b)の様なものとすることによって、接続強度及び信頼性を向上させ得るのみならず、本発明のアクティブマ卜リクスパネルにバックライ卜装置を併用して透過形表示装置を構成する場合に画素マ卜リクス部周辺から不要光が洩れることを防止出来る。
【0094】最後に、本発明を特定の表示システムに応用することによって得られる効果にづいて述べる。
【0095】第一に、本発明をビデオカメラのEVFに応用することによって、従来のCRTを用いたEVFに無かった以下の効果がもたらされる。
【0096】(1)カラーフィルタ一を備えたアクティブマ卜リクスパネルを使用することによって、画素ピッチが50μm以下の極めて高精細なカラーEVFが実現される。しかも低消費電力化も促進される。
【0097】(2)極めて小型・省スぺースでしかも極めて軽量なEVFが実現される。
【0098】(3)EVFの形状の自由度が増大し、例えばフラッ卜EVFの様な斬新な意匠が可能になる。
【0099】第二に、本発明を投写型カラー表示装置に応用することによって、従来のCRTを用いたものに無かった以下の効果がもたらされる。
【0100】(1)液晶ライ卜バルブを、CRTに比してはるかに小型かつ高精細に形成することが出来るため投写レンズにロ径の小さいものを使用することが許される。このため、投写形カラー表示装置の小型化、軽量化、低コス卜化が実現される。
(2)本発明のアクティブマ卜リクスパネルは高い開口率を有するため、小口径の投写レンズを用いても明るい表示を得ることが出来る。
【0101】(3)CRTによる投写管と異なり、前記ダイクロイックミラー及びダイクロイックプリズムによって赤、緑、青それぞれのライトバルブの光軸を完全に一致させ得るため、三色のレジストレーションに大変良好となる。
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、異なる画像信号バスに接続される接続配線は、配線抵抗を等しくために構成されているため、配線抵抗の差によるライン状の表示ムラを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例、即ち、周辺にドライバー回路を集積化したアクティブマ卜リクスパネルを示した図。
【図2】(a)〜(f)は、図1におけるドライバー回路の詳細な構成例を示した図。
【図3】(a)、(b)は、本発明のアクティブマトリクスパネルの断面構造を例示した図。
【図4】(a)〜(d)は、本発明のアクティブマ卜リクスパネルの製造方法を例示した図。
【図5】本発明に関わるTFTの特性例を単結晶シリコンMOSFETのそれと比較して示した図。
【図6】本明細書中におけるゲー卜長、ゲー卜幅の定義を示した図。
【図7】本明細書中における空乏層幅、シリコン薄膜の膜厚の定義を示した図。
【図8】本発明を更に有効なものとする第一の手段を説明するための図。
【図9】本発明を更に有効なものとする第一の手段を説明するための図。
【図10】(a)、(b)は、本発明を更に有効なものとする第一の手段を説明するための図。
【図11】(a)、(b)は、本発明を更に有効なものとする第二の手段を説明するための図。
【図12】本発明を更に有効なものとする第三の手段を説明するための図。
【図13】(a)、(b)は、本発明を更に有効なものとする第四の手段を説明するための図。
【図14】本発明を更に有効なものとする第五の手段を説明するための図。
【図15】(a)、(b)は、本発明を更に有効なものとする第六の手段を説明するための図。
【図16】(a)、(b)は、本発明を更に有効なものとする第七の手段を説明するための図。
【図17】本発明の第一の応用例を示した図。
【図18】本発明の第二の応用例を示した図。
【図19】従来技術を説明するための図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 基板に複数のゲート線及び複数のソース線と、前記複数のゲート線及びソース線に接続されたトランジスタを有する画素マトリクスと、前記ソース線に信号を供給するソース線ドライバー回路とが配置されてなるアクティブマトリクスパネルにおいて、前記ソース線ドライバー回路はシフトレジスタと、前記シフトレジスタの出力により制御され、金属層からなる複数の画像信号バスに供給される画像信号をサンプリングして前記複数のソース線に供給する複数のサンプリング手段とを有し、前記画像信号バスは前記画像信号バスに交差する方向に配置されて、前記金属層よりも抵抗の高い材料からなる接続配線を介して前記サンプリング手段に接続されてなり、異なる画像信号バスに接続される接続配線は、配線抵抗をほぼ等しくするために互いに幅及び長さが異なることを特徴とするアクティブマトリクスパネル。
【請求項2】 前記接続配線は、多結晶シリコン薄膜からなることを特徴とする請求項1記載のアクティブマトリクスパネル。
【請求項3】 基板に複数のゲート線及び複数のソース線と、前記複数のゲート線及びソース線に接続されたトランジスタを有する画素マトリクスと、前記ソース線に信号を供給するソース線ドライバー回路とが配置されてなるアクティブマトリクスパネルにおいて、前記ソース線ドライバー回路はシフトレジスタと、前記シフトレジスタの出力により制御され、金属層からなる複数の画像信号バスに供給される画像信号をサンプリングして前記複数のソース線に供給する複数のサンプリング手段とを有し、前記画像信号バスは前記画像信号バスに交差する方向に配置されて、前記金属層よりも抵抗の高い材料からなる接続配線を介して前記サンプリング手段に接続されてなり、前記接続配線は前記トランジスタのゲート電極と同一材料で形成されてなり、異なる画像信号バスに接続される接続配線は、配線抵抗をほぼ等しくするために互いに幅及び長さが異なることを特徴とするアクティブマトリクスパネル。
【請求項4】 前記接続配線は、多結晶シリコン薄膜からなることを特徴とする請求項3記載のアクティブマトリクスパネル。
【請求項5】 基板に複数のゲート線及び複数のソース線と、前記複数のゲート線及びソース線に接続されたトランジスタを有する画素マトリクスと、前記複数のソース線に信号を供給するソース線ドライバー回路とが配置されてなるアクティブマトリクスパネルにおいて、前記ソース線ドライバー回路はシフトレジスタと、前記シフトレジスタの出力により制御され、金属層からなる複数の画像信号バスに供給される画像信号をサンプリングして前記複数のソース線に供給する複数のサンプリング手段とを有し、前記画像信号バスは前記画像信号バスに交差する方向に配置されて、前記金属層よりも抵抗の高い材料からなる接続配線を介して前記サンプリング手段に接続されてなり、異なる画像信号バスに接続される接続配線は、配線抵抗をほぼ等しくするために互いに幅を異ならせることを特徴とするアクティブマトリクスパネル。
【請求項6】 基板に複数のゲート線及び複数のソース線と、前記複数のゲート線及びソース線に接続されたトランジスタを有する画素マトリクスと、前記複数のソース線に信号を供給するソース線ドライバー回路とが配置されてなるアクティブマトリクスパネルにおいて、前記ソース線ドライバー回路はシフトレジスタと、前記シフトレジスタの出力により制御され、金属層からなる画像信号バスに供給される画像信号をサンプリングして前記ソース線に供給する複数のサンプリング手段とを有し、前記画像信号バスは前記画像信号バスに交差する方向に配置されて、前記金属層よりも抵抗の高い接続配線を介して前記サンプリング手段に接続されてなり、異なる画像信号バスに接続される接続配線は、互いに配線抵抗がほぼ等しいことを特徴とするアクティブマトリクスパネル。
【請求項7】 前記接続配線は、多結晶シリコン薄膜からなることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のアクティブマトリクスパネル。
【請求項8】 複数のゲート線及び複数のソース線に接続されたトランジスタを有する画素マトリクスを駆動するアクティブマトリクスパネル用駆動回路において、基板にソース線ドライバー回路が配置されてなり、前記ソース線ドライバー回路はシフトレジスタと、前記シフトレジスタの出力により制御され、金属層からなる画像信号バスに供給される画像信号をサンプリングして前記ソース線に供給するサンプリング手段を有し、前記画像信号バスは前記画像信号バスに交差する方向に配置されて、前記金属層よりも抵抗の高い材料からなる接続配線を介して前記サンプリング手段に接続されてなり、異なる画像信号バスに接続される接続配線は、配線抵抗をほぼ等しくするために互いに幅及び長さが異なることを特徴とするアクティブマトリクスパネル用駆動回路。
【請求項9】 前記接続配線は多結晶シリコン薄膜からなることを特徴とする請求項8記載のアクティブマトリクスパネル用駆動回路。
【請求項10】 請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載のアクティブマトリクスパネルを用いたことを特徴とするビューファインダー。
【請求項11】 請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載のアクティブマトリクスパネルを用いたことを特徴とする投写型表示装置。

【図6】
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【図7】
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【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図8】
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【図3】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図4】
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【図12】
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【図14】
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【図13】
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【図15】
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【図17】
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【図18】
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【図16】
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【図19】
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【特許番号】特許第3187736号(P3187736)
【登録日】平成13年5月11日(2001.5.11)
【発行日】平成13年7月11日(2001.7.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平9−25686
【分割の表示】特願昭63−119919の分割
【出願日】昭和63年5月17日(1988.5.17)
【公開番号】特開平9−325370
【公開日】平成9年12月16日(1997.12.16)
【審査請求日】平成9年3月10日(1997.3.10)
【審判番号】不服2000−7871(P2000−7871/J1)
【審判請求日】平成12年5月25日(2000.5.25)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【合議体】
【参考文献】
【文献】特開 昭62−297899(JP,A)
【文献】特開 昭59−61818(JP,A)
【文献】特開 昭61−20370(JP,A)
【文献】実開 昭58−160431(JP,U)