説明

アスパラガス・オフィシナリスL.の根及び/又は苗条からの抽出物、それらの調整及び使用

本発明は、アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条に由来するサポニン涸渇した生抽出物及びサポニンを含まない抽出物に関連する。本発明はまた、アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条から得られるサポニン涸渇した生抽出物及びサポニンを含まない抽出物の調整並びにそれらの医薬の製造のための使用にも関連する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条からの、サポニン涸渇した生抽出物及びサポニンを含まない抽出物に関連する。本発明はまた、アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条からの、サポニン涸渇した生抽出物及びサポニンを含まない抽出物の調整並びに医薬の製造のためのそれらの利用にも関連する。
【背景技術】
【0002】
アスパラガス・オフィシナリス L.は、伝統的に、温暖気候において食糧及び薬用植物として少なくとも2000年にわたって栽培されている。世界で生産されているアスパラガスには、若い茎である苗条を土中に現れると直ぐに揚床から収穫するホワイトアスパラガスと地表高さで収穫するグリーンアスパラガスの2つの種類がある。
【0003】
地下部分即ちアスパラガスの根は、伝統的に、浮腫性疾患において利尿薬として利用されている。この利尿特性は、古代のディオスコリデス、プリニウス、セルシウスなどの著述家により、利用が薦められている。植物療法においては、アスパラガスの根が、茶用に切断した根茎並びに内服用の他の生薬形態を有する製剤の形態例えば乾燥粉末の形態で用いられる。利用分野は、尿路の炎症性疾患の洗浄療法から、腎砂及び腎結石の予防に、それぞれ及んでいる。加えて、粉末化アスパラガス根は、増大したアクアレーゼによって体重減少に役立ち及び軽い本態性高血圧症の治療における並行療法として役立つ。現在まで、アスパラガス苗条の如何なる治療効果も知られていない。
【0004】
水及び植物タンパク質の他に、アスパラガス植物は、主として、アミノ酸、フェノール、脂肪、ステロイド及び糖類並びにナトリウム及びカリウムを主要微量元素として含む。アスパラガスの典型的特徴は、そのサポニン含量である。今日まで、多くのサポニンが、アスパラガスから分離され且つ特徴付けられている。これらのサポニンはすべてフラスタノール及びスピロスタノール型であり、ステロイド性サポニンに属する。
【0005】
今日まで、上記の成分の何れが薬理学的に有効であるのかは、依然として不明である。一方ではサポニンが、及び/又は他方では高いカリウム含量が、利尿効果の、それ故に、アクアレーゼ効果の原因であるということが仮定されている。
【0006】
サポニンは、殆どすべての利尿性薬用植物で見出される一群の化合物であり、利尿効果と関連している。しかしながら、多くのサポニンの周知の表面活性は、この一群の薬用植物の利用で遭遇する幾つかの望ましくない有害反応を引き起こし、それ故、それらの適用分野及び許容しうる投与可能な投薬量を制限するものと考えられている。しかしながら、後者は、治療の成功に対する臨界的因子である。特に、サポニンの溶血性、催吐性及び細胞障害性は、サポニン含有薬用植物の利用範囲を有意に制限している。例えば、市販のアスパラガスの根の抽出物は、5〜10%(乾燥抽出物の重量に対して)の範囲のサポニン含量を有している。
【0007】
驚くべきことに、本発明の方法(プロセス)により、優れた利尿効果と抗高血圧性効果を有すると同時に望ましくないサポニンを含まないか殆ど含まないアスパラガス抽出物を提供することが可能であることが判明した。特に、少なくともアスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条の誘導体について、従来技術において繰り返し述べられたように、認められた利尿効果がサポニンの存在と全く関係していないということは驚くべきことである。従って、優れた利尿活性を示すが、典型的にサポニンと関係する有害反応は全く又は殆ど伴わない製剤を提供することが可能である。それ故、本発明のアスパラガス抽出物は、普通のアスパラガス製剤では、それらの有害反応プロフィルのために投薬できない病気の予防及び治療に適している。
【0008】
何年も前から、合成利尿薬、そしてそれらの内で、標準物質として広く用いられているヒドロクロロチアジド(HCT)は、Caアンタゴニスト、βブロッカー、ACEインヒビター及びアンギオテンシンIIアンタゴニストに加えて、高い血圧(高血圧)を治療するための標準的治療剤に属している。これらの利尿薬は、単独で又は上記の抗高血圧剤と組み合せて用いられる。
【0009】
利尿薬は、それらの腎臓を介した顕著なアクアレーゼ効率の故に、抗高血圧症効果及び心臓保護効果を有する。
【0010】
しかしながら、従来技術の利尿薬は、望ましくない副作用を示す。特に、ヒドロクロロチアジド(HCT)は、ナトリウム及びカリウムの排出により水を分泌し、これは、身体中の電解質の大規模の喪失(電解質バランスの変化)へと導く。
【0011】
この大規模の電解質バランスの変化は、有意の副作用例えば不整脈、性的能力の問題、糖尿病などへと導きうる。
【0012】
本発明は、上記の問題点を克服することを目的としている。
【0013】
本発明の目的は、利尿効果及び抗高血圧効果を有するだけでなく、アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/苗条由来のサポニンを含まない抽出物への広く入手可能な出発物質でもある中間体としての、アスパラガス・オフィシナリス
L.の根及び/又は苗条に由来するサポニンが涸渇した生抽出物を提供することである。
【0014】
本発明の別の目的は、利尿薬及び抗高血圧薬物としての強力な効力を有する該サポニン涸渇した生抽出物からサポニンを含まない抽出物を提供することである。
【0015】
アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条由来のサポニン枯渇した生抽出物の中間体としての製造方法を提供することは、本発明の更なる目的である。
【0016】
サポニンを含まない抽出物を前記のサポニン涸渇した生抽出物から製造する方法を提供することは、本発明の更なる目的である。
【0017】
本発明の別の目的は、アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条由来の該サポニン涸渇した生抽出物の並びに/又はアスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条由来のサポニンを含まない抽出物の、利尿の促進、身体の浄化の促進、体重減少の促進、心不全の予防及び/又は治療、高血圧の予防及び/又は治療、並びに/又は心臓肥大の予防及び/又は治療のための利用を提供することである。
【0018】
最後に、利尿の促進、身体の浄化の促進、体重減少の促進、心不全の予防及び/又は治療、高血圧の予防及び/又は治療、並びに/又は心臓肥大の予防及び/又は治療のための方法を提供することも又、本発明の目的である。
【0019】
それ故に、本発明は、アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条に由来するサポニン涸渇した生抽出物であって、少なくとも下記の工程によって得ることのできる中間体としての当該抽出物に関連する:
アスパラガス・オフィシナリス L.の乾燥した根及び/又は苗条をすり潰して乾燥粉末を得;
そうして得られた乾燥粉末に、水、少なくとも一種の水混和性の有機液体並びに水と少なくとも一種の水混和性有機液体との混合物よりなる群から選択した溶媒を加えて懸濁液を得;
そうして得られた懸濁液を、10時間より長い時間にわたって、該懸濁液の成分を生物学的分解の危険にさらすことのない温度で攪拌し;
懸濁液の、該溶媒に可溶性でない成分を、該溶媒に可溶性の成分から分離して該溶媒に溶けた可溶性画分(フラクション)及び不溶性画分(フラクション)を得て;
該溶媒を可溶性画分から除去して、生抽出物を得;そして随意的に
得られた生抽出物をすり潰して、アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条のサポニン涸渇した生抽出物を粉末形態で調製する。
【0020】
サポニン涸渇した生抽出物の好適な実施形態は、従属クレーム2〜9に記載されている。
【0021】
本発明が関連するアスパラガス・オフィシナリス植物は、小さい根茎を有する多年草の緑色植物であって、下記の分類法が適用される。
綱: 単子葉植物綱
目: ユリ目
科: ユリ科
亜科: アパラゴイド
属: アスパラガス属
種: オフィシナリス
【0022】
本発明のサポニン涸渇した生抽出物を調製するための出発物質として、アスパラガス・オフィシナリス L.の根又は苗条を用いる。本明細書及び請求の範囲で用いる場合、用語「根」は、アスパラガス・オフィシナリス L.の地下にあって、栽培中、この植物に滋養物を与える部分を含むことを意味する。本明細書及び請求の範囲で用いる場合、用語「苗条」は、アスパラガス・オフィシナリス L.の、トランスフォームされた葉により形成された部分を含むことを意味し、それ故に、土の上で成長して緑色の苗条を生成する部分(苗条の光合成を生じる自然の太陽光に曝されたため)又は苗条の白色が優勢となるように太陽光から苗条を遮蔽する揚床で成長する部分を含むことを意味する。
【0023】
本発明の抽出物の原料物質を与える第一のステップ(工程)において、アスパラガスの根及び/又は苗条は、大きさにおいて、小片にまで小さくされ、それらは、注意深く乾燥され、すり潰されて、アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条の乾燥粉末が得られる。
【0024】
第二のステップにおいては、第一のステップで得られた乾燥粉末を、溶媒抽出にかける。この抽出は、一種以上の溶媒を用いることにより行なわれる。一種類の溶媒を用いるのが好ましい。得られる抽出物の最終用途(特に、医療分野の用途)に適合性を有する任意の溶媒を用いることができる。有用な溶媒は、懸濁液を得るための、水、少なくとも一種の水混和性の有機液体並びに水と少なくとも一種の水混和性の有機液体との混合物よりなる群から選択される。
【0025】
本発明の好ましい実施形態においては、水が、溶媒として用いられる。水を溶媒として用いる場合に、有利なことには、特に、サポニンを含まない生抽出物をアスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条から得ることができる。本発明のアスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条の好適な生抽出物を実際的に得る場合には、水を、アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条の乾燥粉末100g当たり0.1〜10l(リットル)の量で、一層好ましくは、アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条の乾燥粉末100g当たり0.5〜5リットルの量で、溶媒として用いる。
【0026】
或いは、本発明の他の好ましい実施形態において、少なくとも一種の、水混和性の有機液体で、1〜6炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖又は環状アルコール及び3〜6炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖又は環状ケトンよりなる群から選択した有機液体を溶媒として用いることができる。好ましくは、アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条の生抽出物は、1〜6炭素原子一層好ましくは1〜3炭素原子を有する脂肪族直鎖又は分枝鎖アルコール、及び3〜5炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖脂肪族ケトンよりなる群から選択する一種以上の溶媒を用いて得ることができる。尚一層好ましいのは、メタノール及びエタノール及びアセトン並びにこれらの混合物から選択する溶媒を用いることにより得ることのできるアスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条の生抽出物である。最も好ましいのは、メタノール及び/又はエタノール及び/又はアセトンを、アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条の乾燥粉末100g当たり0.5〜5リットルの溶媒の量(最高に好ましくは、アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条の乾燥粉末100g当たり0.5〜5リットルのメタノール及び/又はエタノール及び/又はアセトンの量)で用いることにより得ることのできる生抽出物である。
【0027】
特に好適な実施形態においては、溶媒としては、水と少なくとも一種の水混和性で、1〜6炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖又は環状アルコール及び3〜6炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖又は環状ケトンよりなる群から選択される有機液体との混合物を用いることができ、好ましくは、水と、1〜6炭素原子好ましくは1〜3炭素原子を有する脂肪族直鎖又は分枝鎖アルコール及び3〜5炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖脂肪族ケトンよりなる群から選択する有機液体との混合物を用いることができ、尚一層好ましいのは、水と、メタノール及びエタノール及びアセトン並びにこれらの混合物から選択する有機液体との混合物、尚一層好ましいのは、水と、50容量%以下のメタノール及び/又はエタノール及び/又はアセトンとの混合物、尚一層好ましいのは、水と、20〜40容量%のメタノール及び/又はエタノール及び/又はアセトンとの混合物、尚一層好ましいのは、水と、25〜35容量%のメタノール及び/又はエタノール及び/又はアセトンとの混合物であり、最も好ましいのは、アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条の乾燥粉末100g当たり0.5〜5リットルの量の上記の溶媒であり、最高に好ましいのは、上記溶媒としてアスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条の乾燥粉末100g当たり0.5〜5リットルの量のメタノール及び/又はエタノール及び/又はアセトンである。
【0028】
本発明の最も好ましく且つ特に有利な実施形態において、粉末化したアスパラガスの根及び/又は苗条を、特に有利な生抽出物を得るために、水又は水と30容量%のエタノールの混合物で抽出する。
【0029】
本発明により、この抽出を、アスパラガス/溶媒懸濁液を10時間より長い時間にわたって該懸濁液の成分を生物学的分解の危険に曝すことのない温度で攪拌することによって行なう。特に好適なアスパラガス・オフィシナリスの根及び/又は苗条からの生抽出物は、該懸濁液(一層好ましくは、水性又は水性/アルコール性懸濁液)を10〜48時間の範囲の時間にわたって及び/又は10〜25℃の範囲の温度で振盪することにより得ることができる。
【0030】
抽出ステップが完了した後に、該溶媒に可溶性でない懸濁液の成分を、該溶媒に可溶性の成分から、液体と固体物質を分離するのに適していると考えられる任意の方法によって分離する。当業者は、かかる分離方法を知っているであろうから、適当な分離ステップを容易に選択することができる。本発明の好適な生抽出物は、遠心分離、デカンテーション、濾過及びこれらの組合せよりなる群から選択する方法によって得ることができ、これによって、溶媒に溶解した可溶性画分と、不溶性画分とが得られる。不溶性画分は、該溶媒で再度すすぐことができ、可溶性画分を合せて、固体残留物を捨てる。
【0031】
分離ステップの後に、可溶性画分の溶媒を除去する。この溶媒除去は、溶媒を溶液から、得るべき所望の成分の何れの化学分解の危険もないように注意深く除去するのに適した任意の方法によって行なうことができる。アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条からの好適な生抽出物は、溶媒の部分的蒸発及び溶質の結晶化、溶媒の完全な蒸発及び乾燥溶質の回収、溶液の凍結乾燥、及びこれらのステップの組合せよりなる群から選択する少なくとも一つのステップによって、得ることができる。結果として、アスパラガスの根及び/又は苗条のサポニン涸渇した生抽出物を、良好な収率で得ることができ、このサポニン涸渇した生抽出物は、驚くほど低いサポニン含量を有する。
【0032】
随意的なステップにおいて、得られた乾燥生抽出物をすり潰し、アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条の生抽出物の乾燥粉末とする。
【0033】
さらに、本発明は、上記のサポニン涸渇した生抽出物から、少なくとも下記のステップによって得ることのできる、アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条に由来するサポニンを含まない抽出物に関連する:
水混和性有機液体、及び水と少なくとも一種の水混和性有機液体との混合物よりなる群から選択する少なくとも一種の溶媒を、請求項1〜9の何れかの生抽出物に加えて懸濁液を得、該溶媒は、生抽出物の調製に用いる溶媒より低い親水性を有し;
そうして得られた懸濁液を、30分より長い時間、その成分を生物学的分解の危険に曝すことのない温度で攪拌し;
液相を任意の不溶性成分から分離して、該液相に不溶性の固体残留物を得;そして
該固体残留物を乾燥し、そして随意的に、すり潰すことにより、アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条に由来する分画されたサポニンを含まない抽出物が得られる。
【0034】
サポニンを含まない抽出物の好適な実施形態は、従属クレーム11〜20にクレームされている。
【0035】
このサポニンを含まない抽出物の調製の第一ステップにおいて、水混和性有機液体及び水と少なくとも一種の水混和性有機液体との混合物よりなる群から選択する少なくとも一種の溶媒(該溶媒は、生抽出物の調製に用いる溶媒より低い親水性を有する)を、抽出溶媒として、該生抽出物又は粉末化生抽出物に加えて、溶液又は懸濁液を得る。
【0036】
サポニンを含まない抽出物を調製するための代替的な溶液においては、前述の抽出用溶媒を、水、及び生抽出物を得るために用いた溶媒よりなる群から選択する生抽出物の溶液に加えて、溶液又は懸濁液を得る。該溶液は、生抽出物の調製に用いる溶媒より低い親水性を有する。
【0037】
更に代替的には、この抽出を、前述の抽出溶媒を、生抽出物の調製方法において、直接、可溶性成分の溶液に加えて溶液又は懸濁液を得ることによって行なうこともでき、該溶媒は、生抽出物の調製に用いる溶媒より低い親水性を有する。例えば、この抽出は、液−液抽出により行なうことができる(液−液相での抽出)。
【0038】
上記の抽出ステップで用いた溶媒は、水と高含有量の少なくとも一種の水混和性有機液体との混合物を含む溶媒、好ましくは、水と、高含有量の少なくとも一種の1〜6炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖又は環状アルコール及び3〜6炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖又は環状ケトンよりなる群から選択する有機液体とを含む溶媒、一層好ましくは、水と、高含有量の1〜3炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖脂肪族アルコール及び3〜5炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖脂肪族ケトンよりなる群から選択する有機液体とを含む溶媒、尚一層好ましくは、水と、高含有量のメタノール及び/又はエタノール及び/又はアセトンとを含む溶媒であり、尚一層好ましい溶媒は、水と、50容量%より多くのメタノール及び/又はエタノール及び/又はアセトンとを含み、尚一層好ましい溶媒は、水と、60〜90容量%のメタノール及び/又はエタノール及び/又はアセトンとを含み、最も好ましい溶媒は、水と、75〜95容量%のメタノール及び/又はエタノール及び/又はアセトンとを含み、又は溶媒として純粋有機液体、好ましくは、1〜6炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖又は環状アルコール及び3〜6炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖又は環状ケトンよりなる群から選択する有機液体、一層好ましくは、1〜3炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖脂肪族アルコール及び3〜5炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖脂肪族ケトンよりなる群から選択する有機液体、尚一層好ましくは、メタノール及び/又はエタノール及び/又はアセトンよりなる群から選択する有機液体を利用する。
【0039】
最も好ましい実施形態において、抽出用の溶媒は、エタノールである。
【0040】
抽出を効果的に行うためには、先行するステップからの溶液又は懸濁液を攪拌する。任意の攪拌方法を、サポニンを含まない優れたアスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条抽出物を得るために適用することができる。本発明の好ましい実施形態において、本発明のサポニンを含まない抽出物は、例えば、前のステップで得られた懸濁液又は溶液を30〜90分の範囲の時間にわたって震盪することにより及び/又は該懸濁液又は溶液を10〜25℃の範囲の温度で震盪することによって得ることができる。
【0041】
抽出ステップの完了後に、液相を任意の不溶性成分から分離して、該液相の抽出溶媒に不溶性の固体残留物を得る。本発明を特定の分離ステップに限定することなく、任意の好適な分離方法を利用することができる。該分離ステップの例は、濾過、デカンテーション、遠心分離若しくは浮選又はかかる分離方法の組合せのステップである。
【0042】
不溶性及び可溶性成分を分離するために、好ましくは、懸濁液を、液相と固体残留物を得るように、遠心分離、デカンテーション、濾過及びこれらのステップの組合せよりなる群から選択する少なくとも一つのステップにかける。
【0043】
最後に、分離ステップからの固相を乾燥し、そして随意的に、すり潰して、アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条由来の分画されたサポニンを含まない抽出物を得る。
【0044】
更なる記載された代替的な実施形態に関して、両方の場合において、液相が、好適なパラメーターによって互いに分離され、そして随意的に、任意の不溶性の成分から分離されて、比較的高親水性の溶媒を含む液相及び比較的低親水性の溶媒を含む液相及び、そして随意的に、両液相に不溶性の固相が得られる。
【0045】
その後、固体残留物を、比較的高親水性の溶媒を含む液相から、該溶媒を除去し、得られた固体残留物を乾燥し、そして随意的に、すり潰すことにより回収する。その生成物が、アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条由来の分画されたサポニンを含まない抽出物である。
【0046】
溶媒を、溶液又は懸濁液から除去することは、溶媒を部分的に蒸発させて且つ溶質を結晶化させること、溶媒を完全に蒸発させて且つ乾燥溶質を回収すること、溶液を凍結乾燥することにより及びこれらのステップの組合せによって実施することができる。しかしながら、本発明は、溶媒を除去して溶質を得るためのこれらのステップには全く限定されない。
【0047】
サポニンを含まない抽出物は、本発明の特に有利な実施形態において、アスパラガス・オフィシナリス L.の根又は苗条由来の水性生抽出物又は水性アルコール性、好ましくは水性エタノール性、一層好ましくは水性(20〜40容量%のエタノール性)生抽出物から調製される。
【0048】
本発明の好ましい実施形態において、サポニンを含まない抽出物は、アスパラガス・オフィシナリス L.の根又は苗条からの水性生抽出物を利用して調製される。
【0049】
アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条からの生抽出物は、5重量%未満の、好ましくは2〜3重量%の、尚一層好ましくは2重量%未満のサポニン含量を有する。
【0050】
アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条からの分画された、サポニンを含まない抽出物は、実質的に、サポニンを含まない。
【0051】
加えて、本発明は、サポニン涸渇した生抽出物をアスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条から調製する方法であって、下記のステップを含む当該方法に関連する:
アスパラガス・オフィシナリス L.の乾燥した根及び/又は苗条をすり潰して、乾燥粉末を得;
そうして得られた乾燥粉末に、水、少なくとも一種の水混和性有機液体、水と少なくとも一種の水混和性有機液体との混合物よりなる群から選択する溶媒を加えて、懸濁液を得;
そうして得られた懸濁液を、10時間より長い時間にわたって、その成分が生物学的分解の危険に曝されることのない温度で攪拌し;
該溶媒に溶解しない懸濁液の成分を、該溶媒に可溶性の成分から分離して、該溶媒に溶解した可溶性画分と不溶性画分とを得;そして
溶媒を可溶性画分から除去して生抽出物を得;そして随意的に、
得られた生抽出物をすり潰して、アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条のサポニンを含まない粉末形態の生抽出物を調製する。
【0052】
該方法の好ましい実施形態は、サブクレーム24〜31にクレームされている。
【0053】
サポニン涸渇した生抽出物の調製のための出発材料として、アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条を使用する。
【0054】
この方法の第一ステップにおいて、アスパラガスの根及び/又は苗条を、小片にして、乾燥し、そしてすり潰して乾燥粉末を得る。
【0055】
第二のステップにおいて、この粉末を、水、少なくとも一種の水混和性有機液体、及び水と少なくとも一種の水混和性有機液体との混合物よりなる群から選択するそれぞれ異なる溶媒を利用して抽出して、懸濁液を得る。好ましい実施形態において、水を、溶媒として、アスパラガスの根及び/又は苗条の乾燥粉末100g当たり水0.1〜10リットル、一層好ましくは、アスパラガスの根及び/又は苗条の乾燥粉末100g当たり水0.5〜5リットルの量で使用する。
【0056】
代替的には、溶媒として、少なくとも一種の水混和性であり且つ、1〜6炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖又は環状アルコール及び3〜6炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖又は環状ケトンよりなる群から選択する、好ましくは、1〜6炭素原子(一層好ましくは、1〜3炭素原子)を有する脂肪族直鎖又は分枝鎖アルコール及び3〜5炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖脂肪族ケトンよりなる群から選択する、尚一層好ましくは、メタノール及びエタノール及びアセトン並びにこれらの混合物から選択する有機液体を、最も好ましくはアスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条の乾燥粉末100g当たり0.5〜5リットルの量で用いることができ、最高に好ましくはアスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条の乾燥粉末100g当たり0.5〜5リットルのメタノール及び/又はエタノール及び/又はアセトンを用いることができる。
【0057】
好ましい実施形態において、溶媒として、水と、少なくとも一種の水混和性の、1〜6炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖又は環状アルコール及び3〜6炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖又は環状ケトンよりなる群から選択する有機液体との混合物、好ましくは、水と、1〜6炭素原子(一層好ましくは、1〜3炭素原子)を有する脂肪族直鎖又は分枝鎖アルコール及び3〜5炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖脂肪族ケトンよりなる群から選択する有機液体との混合物、尚一層好ましくは、水と、メタノール及びエタノール及びアセトン並びにこれらの混合物から選択する有機液体との混合物、尚一層好ましくは、水と、50容量%以下のメタノール及び/又はエタノール及び/又はアセトンとの混合物、尚一層好ましくは、水と、20〜40容量%のメタノール及び/又はエタノール及び/又はアセトンとの混合物、尚一層好ましくは、水と、25〜35容量%のメタノール及び/又はエタノール及び/又はアセトンとの混合物を用いることができ、最も好ましくは、該溶媒を、アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条の乾燥粉末100g当たり0.5〜5リットルの量で用いることができ、最高に好ましくは、該溶媒を、アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条の乾燥粉末100g当たりメタノール及び/又はエタノール及び/又はアセトン0.5〜5リットルの量で用いることができる。
【0058】
最も好適な実施形態において、粉末化アスパラガスの根及び/又は苗条を、水又は水と30容量%のエタノールとの混合物で抽出する。
【0059】
この抽出を、アスパラガス/溶媒懸濁液を、10時間より長い時間にわたって、且つ該懸濁液の成分が生物学的分解の危険に曝されることのない温度で攪拌することにより、好ましくは、該懸濁液を、10〜48時間の範囲の時間にわたって、及び/又は該懸濁液を10〜25℃の範囲の温度で攪拌することによって行なう。
【0060】
この抽出ステップが完了した後に、懸濁液の、該溶媒に可溶性でない成分を、該溶媒に可溶性の成分から、遠心分離、デカンテーション、濾過及びこれらの組合せによって分離し、そうすることにより、該溶媒に溶解した可溶性画分と不溶性画分とを得る。この不溶性画分を、再度、該溶媒ですすいで、該溶媒画分を合せ、固体残留物を捨てる。
【0061】
この分離ステップの後で、可溶性画分の溶媒を、溶媒の部分的蒸発と溶質の結晶化、溶媒の完全な蒸発と乾燥溶質の回収、溶液の凍結乾燥及びこれらのステップの組合せよりなる群から選択する少なくとも一つのステップによって除去して、アスパラガスの根及び/又は苗条のサポニン涸渇した生抽出物を調製する。
【0062】
随意的なステップにおいて、この得られた乾燥生抽出物を、すり潰す。
【0063】
さらに、本発明は、サポニンを含まない抽出物を、アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条から調整する方法に関連し、該方法は、上記のサポニン涸渇した生抽出物から、少なくとも下記のステップによって得ることができる:
水混和性有機液体、及び水と少なくとも一種の水混和性有機液体との混合物よりなる群から選択する少なくとも一種の溶媒を、請求項1〜9の何れかの生抽出物に加えて懸濁液を得、それにおいて、該溶媒は、生抽出物の調製に用いる溶媒より低い親水性を有しており;
そうして得られた懸濁液を、30分より長い時間にわたって、その成分を生物学的分解の危険に曝すことのない温度で攪拌し;
液相を任意の不溶性成分から分離して、該液相に不溶性の固体残留物を得;そして
該固体残留物を乾燥し、そして随意的に、すり潰して、アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条からの分画されかつサポニンを含まない抽出物を得る。
【0064】
サポニンを含まない抽出物を調整する方法の好ましい実施形態は、従属クレーム32〜42でクレームされている。
【0065】
サポニンを含まない抽出物を調整する第一のステップにおいて、水混和性有機液体、及び水と少なくとも一種の水混和性有機液体との混合物よりなる群から選択する少なくとも一種の溶媒を、生抽出物又は粉末化生抽出物に加えて、溶液又は懸濁液を得、それにおいて、該溶媒は、生抽出物の調整に用いる溶媒より低い親水性を有している。
【0066】
サポニンを含まない抽出物を調整するための代替的な溶液において、前述の抽出のための溶媒を、水、及び生抽出物を得るために用いた溶媒よりなる群から選択する生抽出物の溶液に加えて、溶液又は懸濁液を得る。
【0067】
さらに代替的には、この抽出は、前述の溶媒を、生抽出物の調整方法において、可溶性成分の溶液に直接加えることにより行なって、溶液又は懸濁液を得ることもできる。例えば、この抽出は、液−液抽出(液−液相での抽出)によって行なうことができる。
【0068】
上記の抽出ステップで用いた溶媒は、水と、高含有量の少なくとも一種の水混和性有機液体との混合物を含む溶媒であり、好ましくは、水、及び高含有量の、1〜6炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖又は環状アルコール及び3〜6炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖又は環状ケトンよりなる群から選択する少なくとも一種の有機液体を含む溶媒であり、一層好ましくは、水及び高含有量の、1〜3炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖脂肪族アルコール及び3〜5炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖脂肪族ケトンよりなる群から選択する有機液体を含む溶媒であり、尚一層好ましくは、水、及び高含有量のメタノール及び/又はエタノール及び/又はアセトンを含む溶媒であり、尚一層好ましくは、水、及び50容量%より多くのメタノール及び/又はエタノール及び/又はアセトンを含む溶媒であり、尚一層好ましくは、水、及び60〜90容量%のメタノール及び/又はエタノール及び/又はアセトンを含む溶媒であり、最も好ましくは、水、及び75〜95容量%のメタノール及び/又はエタノール及び/又はアセトンを含む溶媒であり、又は溶媒として用いることにより、純粋な有機液体、好ましくは、1〜6炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖又は環状アルコール及び3〜6炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖又は環状ケトンよりなる群から選択する有機液体であり、一層好ましくは、1〜3炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖脂肪族アルコール及び3〜5炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖脂肪族ケトンよりなる群から選択する有機液体であり、尚一層好ましくは、メタノール及び/又はエタノール及び/又はアセトンよりなる群から選択する有機液体である。
【0069】
最も好適な実施形態において、抽出のための溶媒は、エタノールである。
【0070】
抽出を効果的に行うためには、先行するステップからの溶液又は懸濁液を、例えば、震盪することにより、好ましくは、30〜90分の範囲の時間にわたって及び/又は10〜25℃の範囲の温度で震盪することにより攪拌する。
【0071】
抽出ステップの完了後に、液相を、任意の不溶性成分から分離して、該液相に不溶性の固体残留物を得る。不溶性及び可溶性の成分を分離するために、この懸濁液を、遠心分離、デカンテーション、濾過及びこれらのステップの組合せよりなる群から選択する少なくとも一つのステップにかけて、液相と固体残留物とを得る。
【0072】
最後に、分離ステップからの固相を乾燥し、そして随意的に、すり潰して、アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条からの分画されたサポニンを含まない抽出物を得る。
【0073】
更に記載した代替的な実施形態に関して、両方の場合において、液相を、好適なパラメーターにより、互いに分離し、そして随意的に、任意の不溶性成分から分離して、比較的高い親水性の溶媒を含む液相と比較的低い親水性の溶媒を含む液相、そして随意的に、両液相に不溶性の固相を得る。
【0074】
その後、固体残留物を、比較的高い親水性の溶媒を含む液相から溶媒を取り出すことにより回収して、得られた固体残留物を乾燥し、そして随意的に、すり潰す。この生成物は、アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条からの分画された且つサポニンを含まない抽出物である。
【0075】
溶液又は懸濁液からの溶媒の除去は、溶媒の部分的蒸発と溶質の結晶化、溶媒の完全な蒸発と乾燥溶質の回収、溶液の凍結乾燥及びこれらのステップの組合せによって行なうことができる。
【0076】
サポニンを含まない抽出物は、アスパラガス・オフィシナリス L.の根若しくは苗条からの水性生抽出物から又は水性アルコール性の、好ましくは水性エタノール性の、一層好ましくは水性(20〜40容量%エタノール性)の、アスパラガス・オフィシナリス L.の根若しくは苗条からの生抽出物から調製される。
【0077】
本発明の好ましい実施形態において、サポニンを含まない抽出物は、アスパラガス・オフィシナリス L.の根若しくは苗条からの水性の生抽出物を用いて調製される。
【0078】
さらに、本発明は、医薬製剤又は栄養補助食品に関連し、特に、アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/若しくは苗条からのサポニン涸渇した生抽出物及び/又は上記の少なくとも一つのアスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/若しくは苗条からのサポニンを含まない抽出物の少なくとも一つの成分を含む植物利尿製剤に関連する。
【0079】
これらの製剤は、そして随意的に、一種以上の薬理学的に許容しうるキャリアー物質、補助物質及び/又はビヒクルを含むことができる。さらに、これらの製剤は、更に、付加的利尿効果を有するブロッコリ、トウモロコシ、イラクサ、パセリ、パイナップル、パパイヤ、マンゴーなどから選択する植物抽出物を含むことができる。加えて、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンE、ビオチン、無機栄養素、微量元素及び/又は天然の香味性物質を、この製剤に加えることができる。
【0080】
最も好ましい実施形態において、医薬製剤又は栄養補助食品、特に、植物性利尿製剤は、水性又は水性アルコール性の、アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条からの生抽出物の、サポニンを含まないエタノール不溶性の成分を含む。
【0081】
さらに、本発明は、アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条からのサポニン涸渇した生抽出物の少なくとも一種の成分の及び/又は上記のアスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条からの少なくとも一種のサポニンを含まない抽出物の、利尿を促進するための、身体の浄化を促進するための、体重減少を促進するための、心不全の予防及び/又は治療のための、高血圧の予防及び/又は治療のための、及び/又は心臓肥大の予防及び/又は治療のための医薬の製造のための使用に関連する。
【0082】
加えて、本発明は、哺乳動物好ましくはヒトにおいて、利尿を促進し、身体の浄化を促進し、体重減少を促進し、心不全の予防及び/又は治療のための、高血圧の予防及び/又は治療のための、及び/又は心臓肥大の予防及び/又は治療のための方法であって、上記で詳述したアスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条からのサポニン涸渇した生抽出物の少なくとも一つの成分及び/又はアスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条からの少なくとも一種のサポニンを含まない抽出物を、かかる健康状態の促進及び/又は病気の予防及び/又は治療を必要とする哺乳動物好ましくはヒトに、健康状態の有効な促進及び/又は病気の予防及び/又は治療与える量で投与することを含む当該方法に関連する。
【0083】
本発明を、以下に、下記の実施例により、さらに詳細に説明する。これらの実施例は、本発明を説明することを意図するものであり、発明を限定するものではない。
【実施例】
【0084】
実施例1
アスパラガス オフィシナリス L.の種々の抽出物の調製
植物抽出物
用いる抽出物を、アスパラガス オフィシナリス L.の根及び苗条からそれぞれ別々に調製した。
【0085】
根の部分から調製した抽出物:
水性生抽出物:調製実施例1
制御された条件下で注意深く乾燥させた100gの粉末形態のアスパラガス
オフィシナリス L.の根を、1000mlの水に懸濁させた。その懸濁液を、20℃(室温)で、48時間にわたって震盪させた。そうして得られた混合懸濁液を、4,500rpmで、2時間の間遠心分離にかけた。固体残留物を、水ですすぎ、再び、4,500rpmで、2時間の遠心分離にかけた。この2回目の遠心分離ステップから生じた固体残留物を捨てた。これらの2回の遠心分離ステップの上清を合せて、水を、凍結乾燥により除去した。暗褐色の固体が、出発根粉末の重量に対して11重量%の収率で得られた。ナトリウム含有量は、125mgであり、カリウム含有量は、121mgであった(乾燥植物出発材料100gに対して)。この方法を、図1に示す。
【0086】
水性アルコール性生抽出物:調製実施例2
上記の手順(水性生抽出物の獲得:調製実施例1)を反復したが、但し、30容量%のエタノールと70容量%の水との混合物を、抽出用に用いた。生成物は、明褐色の固体で、出発根粉末の10重量%の収率であった。ナトリウム含有量は、126mgであり、カリウム含有量は、106mgであった(乾燥植物出発材料100gに対して)。この方法を、図1に示す。
【0087】
分画した水性抽出物:調製実施例3
調製実施例1の水性生抽出物の乾燥粉末(10g)を、400mlのエタノール中に懸濁させた。この懸濁液を、60分間、20℃(周囲温度)で、震盪させた。そうして得られた懸濁液を、4,500rpmで、30分の間遠心分離にかけた。固体残留物を、400mlのエタノールですすいで、濾過にかけて、真空下で乾燥させた。乾燥ステップから生じた固体残留物を回収した(収率:用いた生抽出物の量に対して56重量%)。ナトリウム含有量は90mgであり、カリウム含有量は78mgであった(乾燥植物出発材料100gに対して)。この遠心分離及び濾過のステップの上清の内容物は、更なる研究のためには考慮されなかった。この方法を、図2に示す。
【0088】
分画した水性アルコール性抽出物:調製実施例4
調製実施例2の水性アルコール性生抽出物の乾燥粉末(10g)を、400mlのエタノールに懸濁させた。この懸濁液を、60分間、20℃(周囲温度)で震盪させた。そうして得られた懸濁液を、4,500rpmで、30分間の間遠心分離にかけた。固体残留物を、400mlのエタノールですすいで、濾過にかけて、真空下で乾燥させた。該乾燥ステップから生じた固体残留物を、回収した。その収率は、用いた生抽出物の量に対して47重量%であった。ナトリウム含有量は、35mgであり、カリウム含有量は、19mgであった(乾燥植物出発材料100gに対して)。遠心分離及び濾過のステップの上清の内容物は、更なる研究のためには考慮されなかった。この方法を、図2に示す。
【0089】
苗条の部分から調製した抽出物:
水性生抽出物:調製実施例5
制御された条件下で注意深く乾燥させた粉末形態の100gのアスパラガス・オフィシナリス L.の苗条を、1000mlの水中に懸濁させた。この懸濁液を、20℃(室温)で48時間にわたって振盪した。そうして得られた混合懸濁液を、4,500rpmで2時間の間遠心分離にかけた。固体残留物を水ですすいで、再度、4,500rpmで2時間の遠心分離にかけた。該第二の遠心分離ステップから生じた固体残留物を捨てた。これらの2回の遠心分離ステップの上清を合わせ、水を凍結乾燥により除去した。明褐色の固体が、出発根粉末の重量に対して収率31重量%で得られた。ナトリウム含有量は、198mgであり、カリウム含有量は、1,954mgであった(乾燥植物出発材料100gに対して)。この方法を、図1に示す。
【0090】
水性アルコール性生抽出物:調製実施例6
上記の手順(水性生抽出物の獲得;調製実施例5)を繰り返し行ったが、但し、30容量%のエタノールと70容量%の水との混合物を抽出に用いた。その生成物は、明褐色の固体であり、出発根粉末の33重量%の収率であった。ナトリウム含有量は、210mgであり、カリウム含有量は、2,210mgであった(乾燥植物出発材料100gに対して)。この方法を、図1にす。
【0091】
分画した水性抽出物:調製実施例7
調製実施例5の水性生抽出物の乾燥粉末(10g)を、400mlのエタノールに懸濁させた。この懸濁液を、60分間、20℃(周囲温度)で振盪した。こうして得られた懸濁液を、4,500rpmで30分間の間遠心分離にかけた。固体残留物を400mlのエタノールですすぎ、濾過にかけて、真空下で乾燥させた。該乾燥ステップから生じた固体残留物を、回収した。遠心分離及び濾過のステップの上清の含有物は、更なる研究のためには更に考慮されなかった。この方法を、図2に示す。
【0092】
分画した水性アルコール性抽出物:調製実施例8
調製実施例6の水性アルコール性生抽出物の乾燥粉末(10g)を、400mlのエタノールに懸濁させた。この懸濁液を60分間、20℃(周囲温度)で振盪させた。そうして得られた懸濁液を、4,500rpmで30分の間遠心分離にかけた。固体残留物をエタノールですすぎ、濾過にかけて、真空下で乾燥させた。該乾燥ステップから生じた固体残留物を、回収した。遠心分離及び濾過のステップの上清の含有物は、更なる研究のためには更に考慮されなかった。この方法を、図2に示す。
【0093】
アスパラガス・オフィシナリス L.の出発物質(アスパラガス・オフィシナリス L.の根又は苗条の粉末)、生抽出物及び分画された抽出物のサポニン含量は、シリカゲル上の薄層クロマトグラフィーによって測定された。これらの測定結果は、出発材料の比較的高いサポニン含量(予想通り)を示したが、生抽出物中では、サポニン含量は、相当低下していた。エタノール分画ステップ(調製実施例3、4、7及び8)の固体残留物において、薄層クロマトグラフィーは、実質的に、サポニンを含まない生成物を示した。
【0094】
実施例2
アスパラガス・オフィシナリス L.の種々の抽出物の利尿効果及び抗高血圧効果
動物
試験で用いた動物は、体重225〜250gの範囲の雄のOFASprague-Dawleyラット(Cerntre d'elevage lffa-Credoより入手)であった。これらの、後に試験に使うすべての動物は、別々のケージに、温度21±1℃で保持され、8日間にわたって12時間/12時間の明/暗サイクルにかけられて、試験環境に適応させられた。この期間中、これらの動物は、標準的食餌(コロッケM20;SDS、G.B.)を給餌されて、自由に水を摂取できた。
【0095】
実験プロトコール
・適応
実験開始の48時間前に、これらのラットを、別々の食餌と個別の物質代謝が可能なケージ内に置いた。食餌及び飲水は、自由にさせた。
【0096】
・実験法
48時間後に、各動物に、その体重100g当たり5mlの量のNaCl溶液(0.45% NaCl)を腹腔内投与経路で投与した。該溶液には、治療対象動物群の場合には、試験すべき生成物を加えた。対照群の動物の場合には、塩溶液のみを腹腔内投与した。これらの動物を、該投与後、各々のケージ内で8時間にわたって食餌を与えた。すべての動物の尿を、目盛り付きのポリプロピレン製の小瓶に集めて、この8時間中、それらの容積を1時間ごとに記録した。8時間後に、これらの小瓶を、動物から回収して、尿のpH値を測定し(携帯型pH計PHM201Meterlab(登録商標)、フランス国、Choffel在)、K及びNaの含有量を発光分光法(Spectraspan VII; Spectrametrics)により測定した。
【0097】
・試験
対照群:NaCl
0.45%(n=10ラット)
参照群:ヒドロクロロチアジド(Esidrix(登録商標);Ciba-Geigy製) 体重1kg当たり10mg(n=10ラット);ヒドロクロロチアジドを標準的利尿剤として使用。
植物抽出物「根」群:各抽出物を、体重1kg当たり400mgの出発材料(乾燥植物材料)に基づいて試験した;
群当たりの動物数は、水性(調製実施例1)及び水性アルコール性(調製実施例2)生抽出物につき10匹であり、分画した水性(調製実施例3)及び分画した水性アルコール性(調製実施例4)抽出物につき各々12匹であった;
植物抽出物「苗条」群:各生抽出物を、2つの異なる濃度で、即ち、水性生抽出物(調製実施例5)については、体重1kg当たり400mg及び116mgの乾燥植物で、及び水性アルコール性生抽出物(調製実施例6)については、体重1kg当たり400mg及び109mgの乾燥植物で試験した;
群当たりの動物数は、各事例につき10匹であった。
【0098】
(4)利尿効果:
調製実施例1〜4の抽出物の並びに調製実施例5及び6の抽出物の利尿効果を、それぞれ、図3及び4に示した。
【0099】
アスパラガスの根由来の抽出物に関して、水性アルコール性生抽出物(調製実施例2の生成物)、分画した水性抽出物(調製実施例3の生成物)、及び分画した水性アルコール性抽出物(調製実施例4の生成物)が、上記の濃度で投与したならば、従来技術の強力な利尿剤であるヒドロクロロチアジドに匹敵するか、又はむしろそれよりも優れた利尿効果さえ有したということは、図3から明らかである。
【0100】
図4に示したように、アスパラガスの苗条に由来する抽出物に関して、水性生抽出物(調製実施例5の生成物)及び水性アルコール性生抽出物(調製実施例6の生成物)は、体重1kg当たり400mgの乾燥植物の投与量で、参照物質ヒドロクロロチアジド(標準的利尿剤)よりかなり良い利尿効果を示した。この水性アルコール性生抽出物(調製実施例6の生成物)は、体重1kg当たり109mgの乾燥植物の量で投与したならば、参照物質ヒドロクロロチアジドにより発揮される効果に類似した利尿効果を示した。
【0101】
アスパラガス苗条の分画した水性抽出物(調製実施例7)に関して驚くべき結果が見出された。すなわち、もし、(a)体重1kg当たり116mg(乾燥植物出発材料に対して)の量;(b)体重1kg当たり58mg(乾燥植物出発材料に対して)の量;及び(c)体重1kg当たり29mg(乾燥植物出発材料に対して)の量で投与したならば、後の2つ投与は、前の1つよりかなり良い結果を発揮する。これは、図5に示してある。換言すると、利尿的に効果的なより低濃度の抽出物が、匹敵する条件下で投与されると、より高濃度の植物性利尿剤よりもさらに効果的な結果を生じる。
【0102】
(5)結果の評価:
上記の結果をまとめると、本発明の抽出物は、標準的利尿物質であるヒドロクロロチアジド(HCT)と比較すると、優れた利尿効果を示すということがいえる。
【0103】
さらに、この利尿効果は、当技術分野で知られている通り、他の高血圧の薬と組み合わせた場合だけでなく、単独で投与した場合でも、抗高血圧効果を伴っている。
【0104】
本発明の抽出物を用いれば、同時に起きるナトリウム及びカリウムイオンの排出により引き起こされる不都合な副作用を減らすことができる:本発明の抽出物は、ナトリウム及びカリウムをかなりの量で含んでいる。アルカリ金属イオン含量(調製実施例参照)の故に、本発明の抽出物の投与は、広く、ナトリウム及びカリウムイオンの利尿排出を補償する。この電解質バランスの改善は、従来技術の利尿剤の問題点を克服する。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】図1は、サポニン涸渇した生抽出物を製造するためのステップを示す流れ図である。
【図2】図2は、サポニンを含まない分画された抽出物を調整するための抽出ステップを示す流れ図である。
【図3】図3は、「根」の抽出時間に依存する尿の累加平均体積を示す図である。
【図4】図4は、「苗条」の抽出時間に依存する尿の累加平均体積を示す図である。
【図5】図5は、「苗条」の分画された水性抽出物に関する時間に依存する、ラットにより排泄される尿の累加平均体積を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条に由来するサポニン涸渇した生抽出物であって、少なくとも下記の工程によって得ることのできる中間体としての当該生抽出物:
アスパラガス・オフィシナリス L.の乾燥した根及び/又は苗条をすり潰して乾燥粉末を得;
そうして得られた乾燥粉末に、水、少なくとも一種の水混和性の有機液体並びに水と少なくとも一種の水混和性有機液体との混合物よりなる群から選択した溶媒を加えて懸濁液を得;
そうして得られた懸濁液を、10時間より長い時間にわたって、該懸濁液の成分を生物学的分解の危険にさらすことのない温度で攪拌し;
懸濁液の該溶媒に可溶性でない成分を、該溶媒に可溶性の成分から分離して該溶媒に溶けた可溶性画分及び不溶性画分を得て;
該溶媒を可溶性画分から除去して、生抽出物を得;そして随意的に
得られた生抽出物をすり潰して、アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条のサポニン涸渇した生抽出物を粉末形態で調製する。
【請求項2】
水を溶媒として用いることにより、好ましくは、水を溶媒として、アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条の乾燥粉末100g当たり0.1〜10リットルの量で用いることにより、一層好ましくは、水を溶媒として、アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条の乾燥粉末100g当たり0.5〜5リットルの量で用いることにより得ることのできる、請求項1に記載の生抽出物。
【請求項3】
少なくとも一種の、水混和性で、1〜6炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖又は環状アルコール及び3〜6炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖又は環状ケトンよりなる群から選択した、好ましくは、1〜6炭素原子一層好ましくは1〜3炭素原子を有する脂肪族直鎖又は分枝鎖アルコール、及び3〜5炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖脂肪族ケトンよりなる群から選択した、尚一層好ましくは、メタノール及びエタノール及びアセトン並びにこれらの混合物から選択した有機液体を溶媒として用いることにより得ることができ、最も好ましくは、前記溶媒を、アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条の乾燥粉末100g当たり0.5〜5リットルの量で、最高に好ましくは、メタノール及び/又はエタノール及び/又はアセトンを、アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条の乾燥粉末100g当たり0.5〜5リットルの量で用いることにより得ることのできる、請求項1に記載の生抽出物。
【請求項4】
水と、少なくとも一種の水混和性で、1〜6炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖又は環状アルコール及び3〜6炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖又は環状ケトンよりなる群から選択される有機液体との混合物、好ましくは、水と、1〜6炭素原子、一層好ましくは1〜3炭素原子を有する脂肪族直鎖又は分枝鎖アルコール及び3〜5炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖脂肪族ケトンよりなる群から選択する有機液体との混合物、尚一層好ましくは、水と、メタノール及びエタノール及びアセトン並びにこれらの混合物から選択する有機液体との混合物、尚一層好ましくは、水と、50容量%以下のメタノール及び/又はエタノール及び/又はアセトンとの混合物、尚一層好ましくは、水と、20〜40容量%のメタノール及び/又はエタノール及び/又はアセトンとの混合物、尚一層好ましくは、水と、25〜35容量%のメタノール及び/又はエタノール及び/又はアセトンとの混合物を溶媒として用いることにより、最も好ましくは、アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条の乾燥粉末100g当たり0.5〜5リットルの溶媒の量で前記溶媒を用いることにより、最高に好ましくは、アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条の乾燥粉末100g当たり0.5〜5リットルのメタノール及び/又はエタノール及び/又はアセトンの量で該溶媒を用いることにより得ることのできる、請求項1に記載の生抽出物。
【請求項5】
前記懸濁液を、10〜48時間の範囲の時間にわたって及び/又は10〜25℃の範囲の温度で振盪することにより得ることのできる、請求項1〜4の何れか一項に記載の生抽出物。
【請求項6】
前記懸濁液の不溶性成分と可溶性成分とを、遠心分離、デカンテーション、濾過及びこれらのステップの組合せよりなる群から選択する少なくとも一つのステップによって分離することにより得ることのできる、請求項1〜5の何れか一項に記載の生抽出物。
【請求項7】
溶液から溶媒を、溶媒の部分的蒸発及び溶質の結晶化、溶媒の完全な蒸発及び乾燥溶質の回収、溶液の凍結乾燥、及びこれらのステップの組合せよりなる群から選択する少なくとも一つのステップによって、除去することにより得ることのできる、請求項1〜6の何れか一項に記載の生抽出物。
【請求項8】
アスパラガス・オフィシナリス L.の根に由来する、請求項1〜7の何れか一項に記載の生抽出物。
【請求項9】
アスパラガス・オフィシナリス L.の苗条に由来する、請求項1〜7の何れか一項に記載の生抽出物。
【請求項10】
請求項1〜9の何れか一項のサポニン涸渇した生抽出物から、少なくとも下記のステップによって得ることのできる、アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条に由来するサポニンを含まない抽出物:
水混和性有機液体及び水と少なくとも一種の水混和性有機液体との混合物よりなる群から選択する少なくとも一種の溶媒を、請求項1の生抽出物の可溶性成分の溶液に加えて溶液又は懸濁液を得、該溶媒は、生抽出物の調製に用いる溶媒より低い親水性を有しており;
そうして得られた溶液又は懸濁液を、30分より長い時間、その成分を生物学的分解の危険に曝すことのない温度で攪拌し;
液相を、好適なパラメーターによって互いに分離し、そして随意的に、任意の不溶性の成分から分離して、比較的高親水性の溶媒を含む液相及び比較的低親水性の溶媒を含む液相及び、随意的に、両液相に不溶性の固相を得;
比較的高親水性の溶媒を含む液相から該溶媒を除去して、固体残留物を得;そして
該固体残留物を乾燥し、そして随意的に、すり潰してアスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条由来の分画されたサポニンを含まない抽出物を得る。
【請求項11】
請求項1〜9の何れか一項のサポニン涸渇した生抽出物から、少なくとも下記のステップによって得ることのできる、アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条に由来するサポニンを含まない抽出物:
水混和性有機液体及び水と少なくとも一種の水混和性有機液体との混合物よりなる群から選択する少なくとも一種の溶媒を、水及び生抽出物を得るために用いた溶媒の群から選択する溶媒中の生抽出物の溶液に加えて、溶液又は懸濁液を得、該加えた溶媒は、生抽出物の調製に用いる溶媒より低い親水性を有しており;
そうして得られた溶液又は懸濁液を、30分より長い時間、かつその成分を生物学的分解の危険に曝すことのない温度で攪拌し;
液相を、好適なパラメーターによって互いに分離し、そして随意的に、任意の不溶性の成分から分離して、比較的高親水性の溶媒を含む液相及び比較的低親水性の溶媒を含む液相及び、随意的に、両液相に不溶性の固相を得;
比較的高親水性の溶媒を含む液相から該溶媒を除去して、固体残留物を得;そして
該固体残留物を乾燥し、そして随意的に、すり潰してアスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条由来の分画されたサポニンを含まない抽出物を得る。
【請求項12】
請求項1〜9の何れか一項のサポニン涸渇した生抽出物から、少なくとも下記のステップによって得ることのできる、アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条に由来するサポニンを含まない抽出物:
水混和性有機液体及び水と少なくとも一種の水混和性有機液体との混合物よりなる群から選択する少なくとも一種の溶媒を請求項1〜9の何れか一項の生抽出物に加えて懸濁液を得、該溶媒は、生抽出物の調製に用いる溶媒より低い親水性を有しており;
そうして得られた懸濁液を、30分より長い時間、且つその成分を生物学的分解の危険に曝すことのない温度で攪拌し;
液相を任意の不溶性成分から分離して、該液相に不溶性の固体残留物を得;そして
該固体残留物を乾燥し、そして随意的に、すり潰してアスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条由来の分画されたサポニンを含まない抽出物を得る。
【請求項13】
水と高含有量の少なくとも一種の水混和性有機液体との混合物を含む溶媒、好ましくは、水と、高含有量の少なくとも一種の1〜6炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖又は環状アルコール及び3〜6炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖又は環状ケトンよりなる群から選択する有機液体とを含む溶媒、一層好ましくは、水と、高含有量の1〜3炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖脂肪族アルコール及び3〜5炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖脂肪族ケトンよりなる群から選択する有機液体とを含む溶媒、尚一層好ましくは、水と、高含有量のメタノール及び/又はエタノール及び/又はアセトンとを含む溶媒、尚一層好ましくは、水と、50容量%より多くのメタノール及び/又はエタノール及び/又はアセトンとを含む溶媒、尚一層好ましくは、水と、60〜90容量%のメタノール及び/又はエタノール及び/又はアセトンとを含む溶媒、最も好ましくは、水と、75〜95容量%のメタノール及び/又はエタノール及び/又はアセトンとを含む溶媒を用いて得ることができ、又は溶媒として純粋有機液体、好ましくは、1〜6炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖又は環状アルコール及び3〜6炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖又は環状ケトンよりなる群から選択する有機液体、一層好ましくは、1〜3炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖脂肪族アルコール及び3〜5炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖脂肪族ケトンよりなる群から選択する有機液体、尚一層好ましくは、メタノール及び/又はエタノール及び/又はアセトンよりなる群から選択する有機液体、最も好ましくは、エタノールを利用することにより得ることのできる、請求項10〜12の何れか一項に記載のサポニンを含まない抽出物。
【請求項14】
前記懸濁液又は溶液を30〜90分の範囲の時間にわたって震盪することにより及び/又は該懸濁液又は溶液を10〜25℃の範囲の温度で震盪することによって得ることのできる、請求項10〜13の何れか一項に記載のサポニンを含まない抽出物。
【請求項15】
前記懸濁液の不溶性及び可溶性成分を、遠心分離、デカンテーション、濾過及びこれらのステップの組合せよりなる群から選択する少なくとも一つのステップによって分離することにより得ることのできる、請求項10〜14の何れか一項に記載のサポニンを含まない抽出物。
【請求項16】
溶媒を、溶液から、溶媒を部分的に蒸発させて溶質を結晶化させること、溶媒を完全に蒸発させて乾燥溶質を回収すること、溶液を凍結乾燥することにより及びこれらのステップの組合せにより除去することにより得ることのできる、請求項10〜15の何れか一項に記載のサポニンを含まない抽出物。
【請求項17】
アスパラガス・オフィシナリス L.の根由来の水性生抽出物から得ることのできる、請求項10〜16の何れか一項に記載のサポニンを含まない抽出物。
【請求項18】
アスパラガス・オフィシナリス L.の根由来の、水性アルコール性、好ましくは水性エタノール性、一層好ましくは水性(20〜40容量%のエタノール性)生抽出物から得ることのできる、請求項10〜16の何れか一項に記載のサポニンを含まない抽出物。
【請求項19】
アスパラガス・オフィシナリス L.の苗条由来の水性生抽出物から得ることのできる、請求項10〜16の何れか一項に記載のサポニンを含まない抽出物。
【請求項20】
アスパラガス・オフィシナリス L.の苗条由来の、水性アルコール性、好ましくは水性エタノール性、一層好ましくは水性(20〜40容量%のエタノール性)生抽出物から得ることのできる、請求項10〜16の何れか一項に記載のサポニンを含まない抽出物。
【請求項21】
5重量%未満のサポニン含量を有する、アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条からの生抽出物。
【請求項22】
アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条由来のサポニンを含まない抽出物。
【請求項23】
アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条からサポニン涸渇した生抽出物を調製する方法であって、下記のステップを含む当該方法:
アスパラガス・オフィシナリス L.の乾燥した根及び/又は苗条をすり潰して乾燥粉末を得;
そうして得られた乾燥粉末に、水、少なくとも一種の水混和性の有機液体並びに水と少なくとも一種の水混和性有機液体との混合物よりなる群から選択した溶媒を加えて懸濁液を得;
そうして得られた懸濁液を、10時間より長い時間にわたって、且つ該懸濁液の成分を生物学的分解の危険にさらすことのない温度で攪拌し;
懸濁液の該溶媒に可溶性でない成分を、該溶媒に可溶性の成分から分離して該溶媒に溶けた可溶性画分及び不溶性画分を得て;
該溶媒を可溶性画分から除去して、生抽出物を得;そして随意的に、
得られた生抽出物をすり潰して、アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条のサポニン涸渇した生抽出物を粉末形態で調製する。
【請求項24】
水を溶媒として用いる、好ましくは、水を溶媒として、アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条の乾燥粉末100g当たり0.1〜10リットルの量で用い、一層好ましくは、水を溶媒として、アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条の乾燥粉末100g当たり0.5〜5リットルの量で用いる、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
少なくとも一種の、水混和性で、1〜6炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖又は環状アルコール及び3〜6炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖又は環状ケトンよりなる群から選択した、好ましくは、1〜6炭素原子一層好ましくは1〜3炭素原子を有する脂肪族直鎖又は分枝鎖アルコール、及び3〜5炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖脂肪族ケトンよりなる群から選択した、尚一層好ましくは、メタノール及びエタノール及びアセトン並びにこれらの混合物から選択した有機液体を溶媒として用い、最も好ましくは、前記溶媒の少なくとも一つを、アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条の乾燥粉末100g当たり0.5〜5リットルの溶媒の量で、最高に好ましくは、メタノール及び/又はエタノール及び/又はアセトンをアスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条の乾燥粉末100g当たり0.5〜5リットルのメタノール及び/又はエタノール及び/又はアセトンの量で溶媒として用いる、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
水と少なくとも一種の水混和性で、1〜6炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖又は環状アルコール及び3〜6炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖又は環状ケトンよりなる群から選択される有機液体との混合物を溶媒として用い、好ましくは、水と、1〜6炭素原子、より好ましくは1〜3炭素原子を有する脂肪族直鎖又は分枝鎖アルコール及び3〜5炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖脂肪族ケトンよりなる群から選択する有機液体との混合物を溶媒として用い、尚一層好ましくは、水と、メタノール及びエタノール及びアセトン並びにこれらの混合物から選択する有機液体との混合物を溶媒として用い、尚一層好ましくは、水と、50容量%以下のメタノール及び/又はエタノール及び/又はアセトンとの混合物を溶媒として用い、尚一層好ましくは、水と、20〜40容量%のメタノール及び/又はエタノール及び/又はアセトンとの混合物、尚一層好ましくは、水と、25〜35容量%のメタノール及び/又はエタノール及び/又はアセトンとの混合物を溶媒として用い、最も好ましくは、該溶媒を、アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条の乾燥粉末100g当たり0.5〜5リットルの溶媒の量で用い、最高に好ましくは、該溶媒を、アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条の乾燥粉末100g当たり0.5〜5リットルのメタノール及び/又はエタノール及び/又はアセトンの量で用いる、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
懸濁液の攪拌が、該懸濁液を10〜48時間の範囲の時間にわたって及び/又は10〜25℃の範囲の温度で振盪することである、請求項23〜26の何れか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記懸濁液の不溶性成分と可溶性成分を、遠心分離、デカンテーション、濾過及びこれらのステップの組合せよりなる群から選択する少なくとも一つのステップによって分離する、請求項23〜27の何れか一項に記載の方法。
【請求項29】
溶媒を溶液から、溶媒の部分的蒸発及び溶質の結晶化、溶媒の完全な蒸発及び乾燥溶質の回収、溶液の凍結乾燥、及びこれらのステップの組合せよりなる群から選択する少なくとも一つのステップによって除去する、請求項23〜28の何れか一項に記載の方法。
【請求項30】
アスパラガス・オフィシナリス L.の根を出発材料として用いる、請求項23〜29の何れか一項に記載の方法。
【請求項31】
アスパラガス・オフィシナリス L.の苗条を出発材料として用いる、請求項23〜29の何れか一項に記載の方法。
【請求項32】
アスパラガス・オフィシナリス L.のサポニンを含まない抽出物を、請求項23〜31の何れか一項に記載の方法により得ることのできるサポニン涸渇した生抽出物から製造する方法であって、少なくとも下記のステップを含む当該方法:
水混和性有機液体及び水と少なくとも一種の水混和性有機液体との混合物よりなる群から選択する少なくとも一種の溶媒を、請求項23に従って調製した生抽出物の可溶性成分の溶液に加えて溶液又は懸濁液を得、該溶媒は、生抽出物の調製に用いる溶媒より低い親水性を有しており;
そうして得られた溶液又は懸濁液を、30分より長い時間にわたって、且つその成分を生物学的分解の危険に曝すことのない温度で攪拌し;
液相を、好適なパラメーターによって互いに分離し、そして随意的に、任意の不溶性の成分から分離して、比較的高親水性の溶媒を含む液相及び比較的低親水性の溶媒を含む液相及び、随意的に、両液相に不溶性の固相を得;
比較的低親水性の溶媒を含む液相から該溶媒を除去して、固体抽出物を得;そして随意的に、
その固体抽出物をすり潰して、固体抽出物の粉末を得;そして随意的に、
分離ステップからの固相を回収し、該固相を乾燥してすり潰して、アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条由来のサポニンを含まない抽出物を得る。
【請求項33】
アスパラガス・オフィシナリス L.のサポニンを含まない抽出物を、請求項23〜31の何れか一項に記載の方法により得ることのできるサポニン涸渇した生抽出物から製造する方法であって、少なくとも下記のステップを含む当該方法:
水混和性有機液体及び水と少なくとも一種の水混和性有機液体との混合物よりなる群から選択する少なくとも一種の溶媒を、水及び生抽出物を得るために用いた溶媒の群から選択する溶媒中の生抽出物の溶液に加えて、溶液又は懸濁液を得、該加えた溶媒は、生抽出物の調製に用いる溶媒より低い親水性を有しており;
そうして得られた溶液又は懸濁液を、30分より長い時間にわたって、且つその成分を生物学的分解の危険に曝すことのない温度で攪拌し;
液相を、好適なパラメーターによって互いに分離し、そして随意的に、任意の不溶性の成分から分離して、比較的高親水性の溶媒を含む液相及び比較的低親水性の溶媒を含む液相及び、随意的に、両液相に不溶性の固相を得;
比較的低親水性の溶媒を含む液相から該溶媒を除去して、固体抽出物を得;そして随意的に、
該固体抽出物をすり潰して、固体抽出物の粉末を得;そして随意的に、
分離ステップからの固相を回収し、該固相を乾燥してすり潰して、アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条由来のサポニンを含まない抽出物を得る。
【請求項34】
アスパラガス・オフィシナリス L.のサポニンを含まない抽出物を、請求項23〜31の何れか一項に記載の方法により得ることのできるサポニン涸渇した生抽出物から製造する方法であって、少なくとも下記のステップを含む当該方法:
水混和性有機液体及び水と少なくとも一種の水混和性有機液体との混合物よりなる群から選択する少なくとも一種の溶媒を請求項1〜9の何れか一項の生抽出物に加えて懸濁液を得、該溶媒は、生抽出物の調製に用いる溶媒より低い親水性を有しており;
そうして得られた懸濁液を、30分より長い時間にわたって、且つその成分を生物学的分解の危険に曝すことのない温度で攪拌し;
液相を任意の不溶性成分から分離して、液相と、該液相に不溶性の固相を得;
溶媒を液相から除去して、分画された抽出物を得;そして随意的に、
得られた分画された抽出物をすり潰して、分画した抽出物を粉末形態で調製し;そして
分離ステップからの固相を回収し、該固相を乾燥してすり潰して、アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条由来のサポニンを含まない抽出物を得る。
【請求項35】
水と高含有量の少なくとも一種の水混和性有機液体との混合物を含む溶媒を用い、好ましくは、水と、高含有量の少なくとも一種の1〜6炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖又は環状アルコール及び3〜6炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖又は環状ケトンよりなる群から選択する有機液体とを含む溶媒を用い、一層好ましくは、水と、高含有量の1〜3炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖脂肪族アルコール及び3〜5炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖脂肪族ケトンよりなる群から選択する有機液体とを含む溶媒を用い、尚一層好ましくは、水と、高含有量のメタノール及び/又はエタノール及び/又はアセトンとを含む溶媒を用い、尚一層好ましくは、水と、50容量%より多くのメタノール及び/又はエタノール及び/又はアセトンとを含む溶媒を用い、尚一層好ましくは、水と、60〜90容量%のメタノール及び/又はエタノール及び/又はアセトンとを含む溶媒を、最も好ましくは、水と、75〜95容量%のメタノール及び/又はエタノール及び/又はアセトンとを含む溶媒を用い、又は溶媒として純粋有機液体を用い、好ましくは、1〜6炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖又は環状アルコール及び3〜6炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖又は環状ケトンよりなる群から選択する有機液体を用い、一層好ましくは、1〜3炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖脂肪族アルコール及び3〜5炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖脂肪族ケトンよりなる群から選択する有機液体を用い、尚一層好ましくは、メタノール及び/又はエタノール及び/又はアセトンよりなる群から選択する有機液体を、最も好ましくはエタノールを用いる、請求項32〜34の何れか一項に記載の方法。
【請求項36】
懸濁液又は溶液の攪拌のステップが、懸濁液又は溶液を振盪することであり、好ましくは、懸濁液又は溶液を30〜90分の範囲の時間にわたって振盪し及び/又は該懸濁液又は溶液を10〜25℃の範囲の温度で振盪することによる、請求項34〜35の何れか一項に記載の方法。
【請求項37】
懸濁液の不溶性及び可溶性成分を、遠心分離、デカンテーション、濾過及びこれらのステップの組合せよりなる群から選択する少なくとも一つのステップによって分離する、請求項34〜36の何れか一項に記載の方法。
【請求項38】
溶媒を溶液から、溶媒を部分的に蒸発させて溶質を結晶化させること、溶媒を完全に蒸発させて乾燥溶質を回収すること、溶液を凍結乾燥すること及びこれらのステップの組合せよりなる群から選択する少なくとも一つのステップによって、除去する、請求項34〜37の何れか一項に記載の方法。
【請求項39】
アスパラガス・オフィシナリス L.の根由来の水性生抽出物を用いる、請求項34〜38の何れか一項に記載の方法。
【請求項40】
アスパラガス・オフィシナリス L.の根由来の水性アルコール性、好ましくは水性エタノール性、一層好ましくは水性(20〜40容量%のエタノ−ル性)生抽出物を用いる、請求項34〜38の何れか一項に記載の方法。
【請求項41】
アスパラガス・オフィシナリス L.の苗条由来の水性生抽出物を用いる、請求項34〜38の何れか一項に記載の方法。
【請求項42】
アスパラガス・オフィシナリス L.の苗条由来の水性アルコール性、好ましくは水性エタノール性、一層好ましくは水性(20〜40容量%のエタノ−ル性)生抽出物を用いる、請求項34〜38の何れか一項に記載の方法。
【請求項43】
請求項1〜9及び21の何れか一項に記載のアスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条由来の、5重量%未満のサポニン含量を有する、医療用途のための生抽出物。
【請求項44】
医療用途のための、請求項10〜20及び22の何れか一項に記載のアスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条由来のサポニンを含まない抽出物。
【請求項45】
請求項1〜9及び21の何れか一項に記載のアスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/若しくは苗条由来のサポニン涸渇した生抽出物の少なくとも一つの成分及び/又は請求項10〜20及び22の何れか一項に記載のアスパラガス・オフィシナリス
L.の根及び/若しくは苗条由来の少なくとも一種のサポニンを含まない抽出物を含み、随意的に、一種以上の薬理学的に許容しうるキャリアー物質、補助物質及び/又はビヒクルを含む医薬製剤又は栄養補助食品、特に、植物性利尿製剤。
【請求項46】
アスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条の生抽出物の、サポニンを含まない水性又は水性アルコール性の、エタノール不溶性の成分を含む、請求項45に記載の医薬製剤又は栄養補助食品、特に、植物性利尿製剤。
【請求項47】
請求項1〜9及び21の何れか一項に記載のアスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/若しくは苗条由来のサポニン涸渇した生抽出物の少なくとも一つの成分及び/又は請求項10〜20及び22の何れか一項に記載のアスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/若しくは苗条由来の少なくとも一種のサポニンを含まない抽出物の、利尿を促進するための、身体の浄化を促進するための、体重減少を促進するための、心不全の予防及び/又は治療のための、高血圧の予防及び/又は治療のための、及び/又は心臓肥大の予防及び/又は治療のための使用。
【請求項48】
請求項1〜9及び21の何れか一項に記載のアスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/若しくは苗条由来のサポニン涸渇した生抽出物の少なくとも一つの成分及び/又は請求項10〜20及び22の何れか一項に記載のアスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/若しくは苗条由来の少なくとも一種のサポニンを含まない抽出物の、利尿を促進するための、身体の浄化を促進するための、体重減少を促進するための、心不全の予防及び/又は治療のための、高血圧の予防及び/又は治療のための、及び/又は心臓肥大の予防及び/又は治療のための医薬の製造のための使用。
【請求項49】
哺乳動物好ましくはヒトにおいて、利尿を促進し、身体の浄化を促進し、体重減少を促進し、心不全の予防及び/又は治療のための、高血圧の予防及び/又は治療のための、及び/又は心臓肥大の予防及び/又は治療のための方法であって、請求項1〜9及び21の何れか一項に記載のアスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条からのサポニン涸渇した生抽出物の少なくとも一つの成分及び/又は請求項10〜20及び22の何れか一項に記載のアスパラガス・オフィシナリス L.の根及び/又は苗条からの少なくとも一種のサポニンを含まない抽出物を、かかる健康状態の促進及び/又は病気の予防及び/又は治療を必要とする哺乳動物好ましくはヒトに健康状態の有効な促進及び/又は病気の予防及び/又は治療を与える量で投与することを含む当該方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−513530(P2008−513530A)
【公表日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−532837(P2007−532837)
【出願日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【国際出願番号】PCT/EP2005/010282
【国際公開番号】WO2006/032510
【国際公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(507092768)プランティーナ エントヴィックルングス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1)
【Fターム(参考)】