説明

アタッチメントの取り付け構造

【課題】車両の内装部材に被取付部材を取り付けるアタッチメントの使用性を向上させることができる取り付け構造を提供すること。
【解決手段】アタッチメント40、50は、車両1の内装部材30に設けられ、被取付部材42、52を取り付け可能な構造となっている。このアタッチメント40、50は、内装部材30に対してスライド可能に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アタッチメントの取り付け構造に関し、詳しくは、車両の内装部材に設けられ、被取付部材を取り付け可能なアタッチメントの取り付け構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の内装部材(例えば、インストルメントパネル)に被取付部材(例えば、携帯電話)を取り付ける技術が既に知られている。ここで、下記特許文献1には、車両の内装部材にアタッチメントを介して被取付部材を取り付ける技術が開示されている。このようなアタッチメントは、予め、取り付ける被取付部材の形状に応じて形成されている。そのため、車両の内装部材にアタッチメントを介することなく被取付部材を取り付ける場合と比較すると、取り付けた被取付部材の使用性を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平08−214051号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1の技術では、例えば、アタッチメントがインストルメントパネルの助手席と向かい合う位置に取り付けられている場合、助手席の乗員のとってはアタッチメントを使用し易かったが、運転席の乗員にとっては手が届き難くアタッチメントを使用し難かった。
【0005】
本発明は、このような課題を解決しようとするもので、その目的は、車両の内装部材に被取付部材を取り付けるアタッチメントの使用性を向上させることができる取り付け構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の目的を達成するためのものであって、以下のように構成されている。
請求項1に記載の発明は、車両の内装部材に設けられ、被取付部材を取り付け可能なアタッチメントの取り付け構造であって、アタッチメントは、内装部材に対してスライド可能に設けられていることを特徴とする構造である。
この構造によれば、例えば、内装部材がインストルメントパネルの場合、アタッチメントを助手席の乗員が使用するときには、このアタッチメントを助手席と向かい合う位置に設定できる。また、このアタッチメントを運転席の乗員が使用するときには、このアタッチメントをスライドさせて運転席側に設定できる。そのため、インストルメントパネルに対してスライド不可能にアタッチメントが取り付けられている場合と比較すると、このアタッチメントの使用性を向上させることができる。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のアタッチメントの取り付け構造であって、内装部材は、アタッチメントを介して被取付部材に給電可能となっていることを特徴とする構造である。
この構造によれば、例えば、被取付部材が携帯電話の場合、アタッチメントに携帯電話を装着させたとき、この装着させた携帯電話を充電できる。そのため、携帯電話の保管と充電を同時に行うことができるため、アタッチメントの利便性を高めることができる。
【0008】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1〜2のいずれかに記載のアタッチメントの取り付け構造であって、アタッチメントは、内装部材に対して着脱可能に構成されていることを特徴とする構造である。
この構造によれば、このアタッチメントを使用しないとき、このアタッチメントを取り外して保管できる。そのため、このアタッチメントを使用しないときの内装部材の見栄えを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の実施例に係るアタッチメントの取り付け構造を適用した車両内部の斜視図である。
【図2】図2は、図1のII−II線断面図である。
【図3】図3は、図1の両アタッチメントを運転席側にスライドさせた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態を、図1〜3を用いて説明する。なお、以下の説明にあたって、『内装部材』の例として、『インストルメントパネル30』を例に説明することとし、また、『被取付部材』の例として、『缶ジュース42、携帯電話52』を例に説明することとする。また、以下の説明にあたって、上、下、前、後、左、右とは、上述した図に記載した、上、下、前、後、左、右の方向、すなわち、車両1を基準にしたときの上、下、前、後、左、右の方向を示している。
【0011】
まず、図1を参照して、本発明の実施例に係る車両1の内部の概略構成を説明する。この車両1の内部は、図1からも明らかなように、運転席10と、助手席20とが配置されている。そして、これら運転席10と助手席20との向かい合う位置には、インストルメントパネル30が配置されている。
【0012】
このインストルメントパネル30において、運転席10の乗員が見易い位置に形成されている表示部30aには、運転に必要な各種データ(例えば、車両速度)が表示されている。また、このインストルメントパネル30において、助手席20の乗員と向かい合う位置には、幅方向に沿って切欠32が形成されている。
【0013】
この切欠32には、その長手方向に沿ってLED等の照明部材(図示しない)が設けられている。これにより、夜間であっても、後述する両アタッチメント40、50のスライド可能範囲を認識できる。
【0014】
次に、図2を参照して、インストルメントパネル30の詳細な構成を説明する。このインストルメントパネル30の切欠32の内面側(反意匠面側)には、スライドレール34が組み付けられている。
【0015】
このスライドレール34には、その長手方向に沿ってそれぞれスライド可能なスライダを成す第1のアタッチメント40と第2のアタッチメント50とが組み付けられている。この第1のアタッチメント40は、缶ジュース42を装着可能なカップホルダの形状を成している。
【0016】
一方、この第2のアタッチメント50は、携帯電話52を装着可能なホルダの形状を成している。図1では、これら両アタッチメント40、50に缶ジュース42と携帯電話52とを装着させた状態を示している。
【0017】
なお、第2のアタッチメント50に携帯電話52を装着させたとき、この装着させた携帯電話52を充電できる構成としてもよい。その場合、スライドレール34沿いには、給電のための給電レール(図示しない)が設けられている。この第2のアタッチメント50は、スライドレール34のどの位置にあっても、給電レールから給電されるように構成されている。そして、給電された電力は、第2のアタッチメント50から無線により携帯電話52へと送られる。このようにして、携帯電話52を充電できる。
【0018】
また、これら両アタッチメント40、50は、スライドレール34の両端34a、34aから取り外し可能となっている。
【0019】
なお、これら両アタッチメント40、50は、スライドレール34のどの位置にでもスライドさせることができる。図3では、これら両アタッチメント40、50を運転席10側にスライドさせた状態を示している。
【0020】
本発明の実施例に係るアタッチメント40、50の取り付け構造は、上述したように構成されている。この構成によれば、両アタッチメント40、50は、インストルメントパネル30に対してスライド可能に設けられている。そのため、この両アタッチメント40、50を助手席20の乗員が使用するときには、この両アタッチメント40、50を助手席20と向かい合う位置に設定できる(図1参照)。また、この両アタッチメント40、50を運転席10の乗員が使用するときには、この両アタッチメント40、50をスライドさせて運転席10側に設定できる(図3参照)。したがって、インストルメントパネル30に対してスライド不可能に両アタッチメント40、50が取り付けられている場合と比較すると、運転席10の乗員でも、この両アタッチメント40、50を使用し易いため、この両アタッチメント40、50の使用性を向上させることができる。
【0021】
また、この構成によれば、第2のアタッチメント50に携帯電話52を装着させたとき、この装着させた携帯電話52を充電可能となっている。そのため、携帯電話52の保管と充電を同時に行うことができるため、第2のアタッチメント50の利便性を高めることができる。
【0022】
また、この構成によれば、両アタッチメント40、50は、スライドレール34の両端34a、34aから取り外し可能となっている。そのため、この両アタッチメント40、50を使用しないとき、この両アタッチメント40、50を取り外して保管できる。したがって、この両アタッチメント40、50を使用しないときのインストルメントパネル30の見栄えを向上させることができる。
【0023】
上述した内容は、あくまでも本発明の一実施の形態に関するものであって、本発明が上記内容に限定されることを意味するものではない。
実施例では、『内装部材』の例として、『インストルメントパネル30』を例に説明した。しかし、これに限定されるものでなく、『ドア内張り』、『コンソールボックス』等であっても構わない。
【0024】
また、実施例では、『被取付部材』の例として、『缶ジュース42、携帯電話52』を例に説明した。しかし、これに限定されるものでなく、『ティッシュボックス』、『テーブル』、『傘』、『買い物をぶら下げるフック』、『鏡』等であっても構わない。その場合、これら『ティッシュボックス』、『テーブル』、『傘』、『買い物をぶら下げるフック』、『鏡』の形状に合うようにアタッチメントを形成すればよい。
【0025】
また、下記に示すような形態にしても構わない。スライドレール34は、ドアパネルに設けてもよい。運転席10ならびに助手席20は、各シート内部に設けられた位置センサーとアクチュエーターで、運転の状況に合わせて運転者の姿勢を矯正する機能を追加してもよい。また、これら運転席10ならび助手席20は、使用者が自由に取り外しが可能となっている。
【0026】
また、これら運転席10ならび助手席20だけではなくデスク、ベッド等と付け替えることで自分の使い易い形にできる。運転席10ならびに助手席20は、広い範囲に送風穴をたくさん開け、そこからエアコンからの風を送り込んでもよい。運転席10ならびに助手席20に付設されたシートベルト(図示しない)、もしくはハンドル60、アームレスト(図示しない)などの運転中に触れる部分に心拍数や体温を図るセンサを内蔵することで運転者の健康状態を監視すると共に、異常時に知らせるアラーム機能をもたせてもよい。
【0027】
また、シートベルト(図示しない)で使用者の胴周りを測定してもよい。運転席10ならびに助手席20は、座った時にその形状が体の形に合うようになっている。また、運転席10ならびに助手席20は、通常は柔らかく、違和感がない。衝突した時に電気等で硬化し体を保持する。ハンドル60に温度センサー(図示しない)を配置し、手の温度を測定、空調の温度を設定してもよい。
【0028】
ハンドル60の中央に鏡60aを設けてもよく、女性運転手などそのまま化粧、確認ができる。コンソール62下部に暖房装置(図示しない)をセットすることにより、寒冷地でも直接または車両吹出し口を通じて大量のホットエアを効率的に送ることができる。コンソール62内を赤ちゃん用哺乳瓶収納ボックスとしてもよい。その場合、消毒殺菌機能付き冷温庫の保温機能をパワーアップさせて煮沸消毒orプラズなどによる除菌を行ってもよい。
【0029】
コンソール62内に非接触充電機(図示しない)を設けてもよく、コンソール内で携帯電話(図示しない)などの端末機能を充電してもよい。コンソール62内の平面一面に充電用の置き場があり、その下一面にコイル(図示しない)が分けて何箇所も置いてあり、その場の磁界の分布により使うコイルを検出して充電できるようにしてもよい。また電磁波のパワーを上げて、電子レンジ機能として活用してもよい。
【0030】
コンソール62の蓋62aをアームレストとして使用してもよく、その場合、高さ、前後位置の調整が可能となっている。また、アームレストに低反発クッションを利用して、その人に合わせた形になり、疲れにくくする。コンソール62から人が乗っていない時に定期的にコンソールから車内に香料噴出してもよい。コンソール62内をゴミ箱として使用してもよく、当該ゴミを自動処理して自己発電してもよい。
【0031】
インストルメントパネル30に設けられた警報装置(図示しない)が自車後部からのセンサー(図示しない)により後方からの距離と速度を判断し追突の危険性を搭乗者に警報音で知らせてもよい。インストルメントパネル30に設けられた警報装置(図示しない)が自車後部からのセンサー(図示しない)により後方からの距離を計測し追突の危険性をホーンとハザードランプで相手車両に知らせてもよい。
【0032】
インストルメントパネル30に設けたカメラ(図示しない)を前面だけでなく、車室内360°見渡せるようにしておき車両盗難時の社内撮影も使用可能となっている。インストルメントパネル30は、運転時間やアクセルやブレーキの踏み方などによってインパネ照明を変化させてもよい。例えば、運転手の乱暴な運転を検出した際には落ち着かせる為にインパネ照明を青色に変化させてもよい。
【0033】
また、現在の運転を過去の運転と比べ、心理状態などを推測し、インストルメントパネル30に設けたオーディオ(図示しない)や芳香装置(図示しない)から音楽や匂いなどを出し、運転に適した心理状態を保ってもよい。インストルメントパネル30には予め芳香剤などを設けておき、キーレス開錠時に噴射することでドアを開けた際に車内の嫌な臭いなどを消臭することができる。
【0034】
インストルメントパネル30には、随所に光ファイバを仕込んでおき、夜になるとインストルメントパネル30が星空のように光ることで昼と夜でインストルメントパネル30の印象を変えてもよい。オーバーヘッドからプロジェクタ(図示しない)を使って、使用者が好きな柄をインストルメントパネル30に表示させるようにして、自分の好みのインストルメントパネル30になるようにしてもよい。
【0035】
第1のアタッチメント40の一部もしくは全部をアクリル樹脂部品にし、根元からのLED発光を透過させてもよい。もしくは、第1のアタッチメント40の一部もしくは全部に光ファイバを使い発光を透過させてもよい。第1のアタッチメント40には、振り子形状とは反対に動くような機構を設ける事で中身がこぼれないようにしてもよい。
【0036】
第1のアタッチメント40はアームのようなもので挟み込んでもよい。また人間の手のようなもので把持してもよい。第1のアタッチメント40には、ペルチェ素子を使いホルダの発熱もしくは冷却を行ってもよい。また、夏はエアコンのダクトから冷気を導入し、冬はヒーターの熱源として使用し排熱側の冷却を行ってもよい。また、第1のアタッチメント40自身に設けた熱センサー(図示しない)を利用して、飲み物の温度を感知してそれに合わせて、保温か保冷なのか判断して飲み物の温度を保つようにしてもよい。
【0037】
ピラー64を透明な強化樹脂で構成し、死角を減らしてもよい。また、電子ペーパーのように屈曲性のある表示デバイスをピラー64に搭載させ、車外に設けたカメラと連動させることで、当該電子ペーパーにて死角部の表示を行い安全性向上を図ってもよい。フロントガラス66を樹脂製としてもよく。また、最初から氷がつかないようなコーティングを施しておいてもよい。
【符号の説明】
【0038】
1 車両
30 インストルメントパネル(内装部材)
40 第1のアタッチメント
42 缶ジュース(被取付部材)
50 第2のアタッチメント
52 携帯電話(被取付部材)




【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の内装部材に設けられ、被取付部材を取り付け可能なアタッチメントの取り付け構造であって、
アタッチメントは、内装部材に対してスライド可能に設けられていることを特徴とするアタッチメントの取り付け構造。
【請求項2】
請求項1に記載のアタッチメントの取り付け構造であって、
内装部材は、アタッチメントを介して被取付部材に給電可能となっていることを特徴とするアタッチメントの取り付け構造。
【請求項3】
請求項1〜2のいずれかに記載のアタッチメントの取り付け構造であって、
アタッチメントは、内装部材に対して着脱可能に構成されていることを特徴とするアタッチメントの取り付け構造。




【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2012−187998(P2012−187998A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−52753(P2011−52753)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(308013436)小島プレス工業株式会社 (386)
【出願人】(309018445)明和工業株式会社 (13)
【Fターム(参考)】