説明

アダプタ並びに電動モータをボデー部分の伝動装置インタフェースに結合するための方法

アダプタエレメント(10)、及びケーシング(14)を有する電動モータ(12)を自動車のボデー部分(50)の伝動装置インタフェース(48)と結合するための方法において、アダプタエレメント(10)が環状に形成されており且つ半径方向の加工成形部(18,58,78)を有しており、これらの加工成形部がケーシング(14,15)の対応する対応加工成形部(20,60,80)に半径方向で係合可能であり、これにより、アダプタエレメント(10)が、出力軸線(31)を中心としてケーシング(14,15)を取り囲んでおり且つケーシング(14,15)に対して形状接続的に軸方向で位置固定されており、更に、アダプタエレメント(10)が、伝動装置インタフェース(48)に対して軸方向で結合するための手段(44,38,42,46)を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景技術
本発明は、独立請求項の上位概念に記載の形式のアダプタエレメント、即ち、ケーシングを有する電動モータを、自動車のボデー部分の伝動装置インタフェースに結合するためのアダプタエレメント並びに電動モータを自動車のボデー部分に結合するための方法に関する。
【0002】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第10335014号明細書により、自動車の可動部品を調節するための伝動装置駆動ユニットが公知となっており、この伝動装置駆動ユニットは、ボルト固定部を介してボデー部分に固定される。同一の伝動装置駆動ユニットを、種々異なる顧客固有のボデーねじ締結ビルダに結合するためには、固定部がシフト可能に伝動装置駆動ユニットに配置されているので、伝動装置駆動ユニットのねじ締結ポイントは、顧客固有のボデー部分に対応して、駆動ユニットのケーシングを変更することなく変化させられる。伝動装置駆動ユニットのこのような固定は比較的変動的であるが、伝動装置駆動ユニットの組付け時には、ボルト固定部は正しく位置決めされねばならない。更に、ねじ締結又はリベット留め、並びにこれらの結合手段の保持は、比較的手間のかかるプロセス段階である。
【0003】
発明の利点
独立請求項の特徴部に記載の構成を有する本発明によるアダプタエレメント及び電動モータをボデー部分の伝動装置インタフェースに結合するための本発明による方法は、本発明によるアダプタエレメントを使用することにより、自動車における多数の異なる顧客固有の伝動装置インタフェース用に、1つの具体的な電動モータが結合され得るという利点を有している。環状のアダプタエレメントが、その内面に複数の半径方向の加工成形部を有しており、これらの加工成形部が、対応する電動モータの対応部材と協働可能であると、電動モータのケーシングは、多数の異なる伝動装置用途に関して常に同一に形成されていてよい。これにより、手間のかかる構造変更及びこの構造変更に関連したモータケーシング製作用の工具コストが省かれる。これにより、例えば電動モータの磁極ポットが常に所定の規定された対応加工成形部を有していてよく、この加工成形部は、その時々で異なるアダプタエレメントの、対応する同一の加工成形部に係合する。
【0004】
従属請求項に記載の構成により、独立請求項に記載の装置及び方法の有利な改良が可能である。アダプタエレメントの半径方向の加工成形部が、例えば半径方向内側に延びる付加部として形成されていると、この付加部は電動モータのケーシングの(例えば打抜きにより)極めて廉価に加工成形されるべき切欠きに係合可能である。これにより、アダプタエレメントは電動モータのケーシングに、軸方向で形状接続的に位置固定される。
【0005】
択一的な構成では、アダプタエレメントは少なくとも1つの半径方向の切欠きを有しており、この切欠きには、電動モータのケーシングに対応して加工成形された半径方向の付加部が係合する。この場合、この半径方向の付加部は、例えば深絞り部材として製作された磁極ポットに、例えば一体に成形可能である。
【0006】
アダプタエレメントの半径方向の加工成形部が、付加的に対応するケーシングの対応加工成形部と相俟って周方向の形状接続部を有していると、当該アダプタエレメントは付加的なプロセス段階無しで、電動モータに関して回動しないように位置固定されている。
【0007】
別の有利な構成では、アダプタエレメントは2つの皿状のアダプタ部材を有しており、これらのアダプタ部材は、組み立てられた状態では円形の切欠きを形成し、この切欠きには、有利には電動モータのほぼ管状のケーシングが収容される。前記の円形の切欠きを介して、駆動トルクが出力部材を介して伝動装置インタフェースに伝達され得る。
【0008】
特に有利なのは、両アダプタ部材を同一の構成部材として製作することである。それというのも、この場合は第2のアダプタ部材を製作するための第2の工具及び付加的な構成部材の保管及び用意を省くことができるからである。同一の両アダプタ部材は、電動モータにおける組付け時に結合手段によって接合される。これらの結合手段は、アダプタ部材に一体成形された係止部材として、又は別個の結合手段として形成されていてよい。
【0009】
部品の多様性を減少させるために、更に別の有利な構成では2つ又は複数の接合部材がヒンジによって互いに結合されている。これにより、一体のアダプタエレメントが半径方向で電動モータを取り囲んで当て付けられて、別の結合手段によって閉鎖可能である。特に、例えば2つのアダプタ部材の場合は、第1のスリーブ状の結合手段がヒンジピンとして予め組み込まれていてよく、第2の結合手段はアダプタエレメントの組付け時に、接合部材の対応する孔に挿入可能である。
【0010】
前記結合手段が、アダプタエレメントを軸方向でボデー部分の伝動装置インタフェースに固定する固定部材を収容するために役立つスリーブとして形成されていると、特に有利である。
【0011】
択一的な構成では、アダプタエレメントが、開いた端部で以て電動モータのケーシングに半径方向で被せ嵌められる、ばね弾性的な保持クリップとして一体に形成されている。この場合、ばね弾性的な両脚片は、その半径方向加工成形部で以てケーシングの対応する対応加工成形部に形状接続的に係合する。
【0012】
このような構成では、アダプタエレメントは少なくとも一方の軸方向側面にストッパ面を有しており、このストッパ面はケーシングへの組付け後に、予め組み込まれたボデー部分を軸方向でケーシングに対して緊締する。
【0013】
択一的な構成では、前記ばね部材はばね弾性的な脚片間に、当該ばね部材が固定部材により軸方向で伝動装置インタフェースに固定可能な領域を有している。
【0014】
当該のアダプタエレメントは、特に本発明による伝動装置駆動ユニットに適しており、この伝動装置駆動ユニットでは電動モータが、アダプタエレメントの均一に形成された半径方向の切欠きと協働する、均一に形成されたジオメトリ(対応加工成形部)を備えた規格化されたケーシングを有している。この場合、伝動装置インタフェースに対するアダプタエレメントの結合部は、それぞれ顧客固有に形成されており、これにより、ボデー部分の種々異なる顧客固有の伝動装置インタフェースに結合可能となる。本発明による伝動装置駆動ユニットのこのようなアダプタ構成は、ボデー側の顧客インタフェースに未だ統一された結合ジオメトリが形成されていない限り、例えば移行手段としても使用され得る。これに基づき、アダプタエレメントの半径方向の加工成形部は、ボデー部分の伝動装置インタフェースに直接に形成されてよく、これによりアダプタエレメントを長期間省くことができる。
【0015】
本発明による方法では、アダプタエレメントを極めて簡単に、半径方向で電動モータのケーシングに組み付けてから、当該アダプタエレメントを軸方向で伝動装置インタフェースにフランジ締結することができる。これにより、顧客側の軸方向の組付けプロセスが、電動モータケーシングの加工成形部が種々異なる場合でも統一され得る。結合手段を固定部材用の収容部として形成することにより、有利には収容部の別個の成形又は組込みが省かれる。
【0016】
電動モータをボデー部分に結合するための択一的な方法では、ボデー部分をまず最初に軸方向でケーシングに当て付けてから、ばね部材として形成されたアダプタエレメントを半径方向でケーシングに被せ嵌める。この場合、アダプタエレメントに形成された加工成形部が、対応するケーシングの対応加工成形部に半径方向で係合し、これにより、アダプタエレメントとケーシングとの間に軸方向の形状接続部が形成される。これにより、ボデー部分はアダプタエレメントの軸方向のストッパ面を介して、ケーシングに対して軸方向で緊締される。
【0017】
実施例の説明
以下に、本発明の実施例を図面につき詳しく説明する。
【0018】
図1に示したアダプタエレメント10は、電動モータ12のケーシング14に組み付けられている。このケーシング14は、例えば磁極ケーシング15として、特に金属製の深絞り部材として製作されている。ケーシング14は、一方の軸方向端部16に半径方向の対応加工成形部20を有しており、この対応加工成形部20には、アダプタエレメント10の内面22に一体成形された半径方向の加工成形部18が形状接続式で係合する。図2でも判るように、アダプタエレメント10は2つのアダプタ部材24,26を有しており、これらの両アダプタ部材24,26はシェル状に形成されている。これらの両接合部材24,26が半径方向28で接合されると、内面22は円形の切欠きを形成し、この切欠きにはケーシング14の端部16若しくはケーシング14から突出した出力部材30が挿入されている。この出力部材30は、軸方向52で延びる出力軸線31上に配置されており、例えば出力軸32として、この出力軸32に配置された出力ピニオン34を備えて形成されている。択一的に、フレキシブルな軸36が電動モータ12のケーシング14の開口17に係合していてもよい。両アダプタ部材24,26は、結合部材40により互いに結合されている。この結合部材40は、本実施例では両アダプタ部材24,26の対応する孔44に挿入されるスリーブ42として形成されている。この場合、アダプタエレメント10は組み立てられた状態で、ほぼ管状のケーシング14を完全に取り囲んでいる。半径方向の加工成形部18は、ケーシング14の対応加工成形部20と相俟って軸方向の形状接続部21を形成するので、接合されたアダプタエレメント10は電動モータ12に不動に位置固定されている。スリーブ状の結合部材40,42には固定手段46を挿入することができ、この固定手段46によって、アダプタエレメント10を軸方向52で自動車の伝動装置インタフェース48(詳しくは図示せず)に固定することができる。固定手段46は、例えば結合部材40に収容されるねじ47又はリベットとして形成されており且つ軸方向52で伝動装置インタフェース48に対応するように、ボデー部分50に固定される。図1では、両アダプタ部材24,26は同一に形成されているので、これらの両アダプタ部材24,26間の分離平面54に対して垂直方向で対称である。アダプタ部材24,26は、プラスチック射出成形部材として形成されており且つ金属製のスリーブ42によって互いに結合されている。これにより、固定手段46のための形状安定的な耐摩耗性の収容部38が得られる。
【0019】
図2には、図面を見やすくするために一方のアダプタ部材24及びケーシング14との2つの異なる形状接続部21だけが示されている。図面下半分において、アダプタエレメント10はその内面22に、半径方向の加工成形部18として切欠き58を有しており、この切欠き58は、環状の半径方向溝59として形成されている。この半径方向の切欠き58には、半径方向外側に延びる、ケーシングの対応加工成形部20としての半径方向ウェブ60が係合する。本実施例では、半径方向の切欠き58も半径方向ウェブ60も、周方向で全周62にわたって形成されている。択一的な構成では、加工成形部18及び対応する対応加工成形部20が規定された角度範囲に限定されていてもよい。このようにして、電動モータ12に関してアダプタ10の回転ロック67を成す、周方向62に関する形状接続部66も実現される。図2では、前記回転ロック67,66はケーシング14の半径方向ウェブ60若しくは対応するアダプタエレメント10の半径方向の切欠き58に設けられた半径方向の切込み68によって形成されている。
【0020】
図面の上半分に示したアダプタエレメント10の択一的な構成は、半径方向の加工成形部18として、半径方向内側に延びるウェブ78を有しており、このウェブ78は、対応する環状溝80として形成された、ケーシング14の半径方向の対応加工成形部20に係合している。前記のような環状溝80は、例えばケーシング14の壁81から切り欠かれている(特に打ち抜かれている)か、又はケーシング14に押し込まれていてよい。半径方向の溝80内にもやはり、周方向62に関する形状接続部66が形成されており、この形状接続部66は、ケーシング14に対するアダプタエレメント10の回動を防止する。本実施例では、ケーシング14はその端部16に軸方向の開口17を有しており、この開口17では出力部材30として例えば可撓軸36が形状接続的に出力軸32に係合している。
【0021】
図3には、電動モータ12に組み付ける前の、図1に示したアダプタエレメント10が示されており、2つのハーフシェル状の接合部材24,26が結合手段40を介して、それぞれ一方の端部をヒンジ状に互いに結合されている。この場合、第1の結合手段40がヒンジピン41として働き、このヒンジピン41には両アダプタ部材24,26が回動可能に互いに支承されている。この場合、ヒンジピン41は例えば図1及び図2に示したようにスリーブ42として形成されており、このスリーブ42はアダプタ部材24,26の孔44に挿入されている。組付けのためには、この一体のアダプタエレメント10はカラー13のように、ケーシング14の半径方向の対応加工成形部20,60に半径方向で被せ嵌められるので、これらの対応加工成形部20,60は、アダプタエレメント10の半径方向の切欠き18,58に係合する。その後、第2の結合部材40が接合部材24,26に挿入されることにより、カラー13が閉じられる。これにより、例えば2つの同一の接合部材24,26から成るアダプタエレメント10が、電動モータ12に不動に位置固定されている。
【0022】
図4では、アダプタエレメント10は例えばばね鋼85から製作された一体の保持クリップ84として形成されている。当該のアダプタエレメント10は開いた端部86を有するU字形で形成されており、前記端部86で以てアダプタエレメント10は半径方向28でケーシング14に被せ嵌められる。保持クリップ84はばね弾性的な2つの脚片88を有しており、これらの脚片88は、半径方向で組み付けられた後は、ケーシング14に半径方向でばね弾性的に接触する。半径方向の加工成形部18としては、アダプタエレメント10に半径方向の切欠き58が切り欠かれており、これらの切欠き58には、ケーシング14の半径方向ウェブ60が対応加工成形部20として係合する。アダプタエレメント10においては、やはりこのアダプタエレメント10と一体に、両脚片88間のクリップ状の領域87に固定部材46のための収容部38が成形されており、前記固定部材46によって、電動モータ12に位置固定されたアダプタ10が伝動装置インタフェース48に固定され得る。
【0023】
本実施例の1変化態様では、保持クリップ84が軸方向のストッパ面90を有しており、これらのストッパ面90は、予め軸方向で組み付けられたボデー部分50を、ケーシング14の別のストッパ92に対して軸方向で押圧する。この変化態様では、伝動装置インタフェース48を有するボデー部分50が、まず最初に電動モータ12のケーシング14に被せ嵌められ、これにより、当該のボデー部分50が軸方向で見て、ケーシング14の対応加工成形部20とストッパ92との間に位置することになる。次いで、アダプタエレメント10が半径方向28でケーシング14に被せ嵌められ、この場合、保持クリップ84の半径方向の加工成形部18が、対応するケーシング14の対応加工成形部20に係合する。保持クリップ84として形成されたアダプタエレメント10を半径方向で組み付けると、ボデー部分50がアダプタエレメント10のストッパ面90により、対応する電動モータ12のストッパ92に対して緊締され、これにより、ボデー部分50は確実に電動モータ12と結合される。この場合、ボデー部分50には、電動モータ12の出力部材30が伝動装置駆動ユニット11としての伝動装置インタフェース48の顧客側の伝動装置と接続されているように、伝動装置インタフェース48が配置されている。
【0024】
択一的な実施例では、保持クリップ84が板ばね状の脚片88の代わりに、線材状の脚片を備えて形成されている。この場合、これらの線材状の脚片は、同時に半径方向の加工成形部18を形成しており、これらの半径方向の加工成形部18は、半径方向ウェブ78に対応し且つケーシング14の対応する溝80若しくは切欠き80に係合する。この場合、線材状の脚片はやはり、ボデー部分50をケーシング14に対して押圧する軸方向のストッパ面90を形成する。
【0025】
指摘しておくと、図面及び実施例の説明で説明した実施例に関しては、個別の特徴相互の多様な組合せの可能性がある。即ち、例えば対応する対応加工成形部20を伴った半径方向の加工成形部18の具体的な構成は、任意に変更可能である。前記加工成形部18及び対応加工成形部20に形成される、周方向62に関する形状接続部66(回転ロック67)も同様である。2つの部分から成るアダプタエレメント10も、一体のアダプタエレメント10も、それぞれ半径方向28で対応するケーシング14の対応加工成形部20に組み付けられる。アダプタエレメント10の軸方向52での結合は、多様な結合技術により従来技術に基づいて実施され得る。この場合、固定手段がアダプタエレメント10と一体に形成されていてもよい。有利には、本発明によるアダプタエレメント10は、シート調整駆動装置12を調整機構50に結合するために使用されるが、自動車の別の調整駆動装置のためにも使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】電動モータに予め組み付けられた2つの部分から成るアダプタエレメントを示した図である。
【図2】図1に示した実施例と同じ実施例において、種々様々な半径方向の加工成形部を示した図である。
【図3】電動モータに組み付けられる前の、図1に示したヒンジ状のアダプタエレメントを示した図である。
【図4】電動モータに組み付けられるアダプタエレメントの別の実施例を示した図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシング(14,15)を有する電動モータ(12)を、自動車のボデー部分(50)の伝動装置インタフェース(48)に結合するためのアダプタエレメント(10)において、該アダプタエレメント(10)が、環状に形成されており且つ半径方向の加工成形部(18,58,78)を有しており、これらの加工成形部が、ケーシング(14,15)の対応する対応加工成形部(20,60,80)に半径方向で係合可能であり、これにより、アダプタエレメント(10)が、ケーシング(14,15)を出力軸線(31)を中心として取り囲んでおり且つケーシング(14,15)に対して軸方向で形状接続的に位置固定されており、更に、アダプタエレメント(10)が、前記伝動装置インタフェース(48)に軸方向で結合するための手段(44,38,42,46)を有していることを特徴とする、アダプタエレメント。
【請求項2】
アダプタエレメント(10)の半径方向の加工成形部(18,58,78)が半径方向ウェブ(78)として形成されており、該半径方向ウェブが、半径方向内側に向かって延びており且つケーシング(14,15)の対応する半径方向溝(80)に係合可能である、請求項1記載のアダプタエレメント。
【請求項3】
アダプタエレメント(10)の半径方向の加工成形部(18,58,78)が半径方向の切欠き(58,59)として形成されており、該切欠きに、半径方向外側に向かって延びるケーシング(14,15)のウェブ(60)が係合可能である、請求項1又は2記載のアダプタエレメント。
【請求項4】
アダプタエレメント(10)の半径方向の加工成形部(18,58,78)が、その周方向(62)に関して内側輪郭(68)を有しており、該内側輪郭が、ケーシング(14,15)に半径方向で組み付けられた後に、ケーシング(14,15)の対応する対応輪郭(68)と相俟って形状接続的な回転ロック(66,67)を形成する、請求項1から3までのいずれか1項記載のアダプタエレメント。
【請求項5】
アダプタエレメント(10)が、2つの半円形の接合部材(24,26)を有しており、これらの接合部材が、ケーシング(14,15)に半径方向で組み付けられた後に、特に2つの結合部材(40,42)によって接合可能である、請求項1から4までのいずれか1項記載のアダプタエレメント。
【請求項6】
前記両接合部材(24,26)が同一に形成されており、特にスリーブ状の別個の結合手段(42)によって接合可能である、請求項1から5までのいずれか1項記載のアダプタエレメント。
【請求項7】
半円形の接合部材(24,26)が、特にスリーブ状の結合部材(40,42)によってヒンジ状に互いに結合されている、請求項1から6までのいずれか1項記載のアダプタエレメント。
【請求項8】
前記結合手段(40,42)が、伝動装置インタフェース(48)に対する軸方向組付け用の固定部材(46)のための収容部(38)として形成されている、請求項1から7までのいずれか1項記載のアダプタエレメント。
【請求項9】
特にばね鋼(85)から製作された一体のU字形の保持部材(84)として形成されている、請求項1から8までのいずれか1項記載のアダプタエレメント。
【請求項10】
当該アダプタエレメント(10)が軸方向のストッパ面(90)を有しており、これらのストッパ面が、アダプタエレメント(10)の組付け後にボデー部分(50)を軸方向でケーシング(14,15)に対して押圧することに適している、請求項1から9までのいずれか1項記載のアダプタエレメント。
【請求項11】
前記保持部材がクリップ状の領域(87)を有しており、該領域に、伝動装置インタフェース(48)に対する軸方向組付け用の固定部材(46)のための収容部(38)が形成されている、請求項1から10までのいずれか1項記載のアダプタエレメント。
【請求項12】
請求項1から11までのいずれか1項記載のアダプタエレメント(10)により、ボデー部分(50)の伝動装置インタフェース(48)に固定されたケーシング(14)、特に磁極ケーシング(15)を有する電動モータ(12)を備えていることを特徴とする、伝動装置駆動ユニット(11)。
【請求項13】
‐アダプタエレメント(10)を電動モータ(12)に半径方向で組み付け、これにより、アダプタエレメント(10)の半径方向の加工成形部(18,58,78)が、電動モータ(12)の対応する対応加工成形部(20,60,80)に係合し且つ軸方向の形状接続部(1)を形成し、
‐アダプタエレメント(10)をボデー部分(50)の伝動装置インタフェース(48)に対して軸方向で当接させ、これにより、電動モータ(12)の出力部材(30,34,36)が環状のアダプタエレメント(10)を貫通して前記伝動装置インタフェース(48)に係合し、
‐アダプタエレメント(10)を、該アダプタエレメント(10)の収容部(44,38)に係合する固定手段(46)により、ボデー部分(50)に位置固定することを特徴とする、特に請求項1から12までのいずれか1項記載のアダプタエレメント(10)を介して、電動モータ(12)をボデー部分(50)の伝動装置インタフェース(48)と結合するための方法。
【請求項14】
‐電動モータ(12)の出力部材(30,32,34,36)が伝動装置インタフェース(48)に係合するように、電動モータ(12)を軸方向ストッパ(92)で以てボデー部分(50)に軸方向で当接させ、
‐アダプタエレメント(10)を電動モータ(12)のケーシング(14,15)に半径方向で組み付け、この場合、アダプタエレメント(10)の半径方向の加工成形部(18,58,78)が、電動モータ(12)の対応する対応加工成形部(20,60,80)に係合し且つ軸方向の形状接続部(21)を形成し、しかも、アダプタエレメント(10)がボデー部分(50)を、軸方向のストッパ面(90)で以てケーシング(14,15)に対して緊締することを特徴とする、特に請求項1から13までのいずれか1項記載のアダプタエレメント(10)を介して、電動モータ(12)をボデー部分(50)の伝動装置インタフェース(48)と結合するための方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−545108(P2008−545108A)
【公表日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−519885(P2008−519885)
【出願日】平成18年5月29日(2006.5.29)
【国際出願番号】PCT/EP2006/062655
【国際公開番号】WO2007/000381
【国際公開日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(390023711)ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (2,908)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
【Fターム(参考)】