説明

アピコンプレクサFerlin、Ferlin様タンパク質、及び他のC2ドメイン含有タンパク質に基づくマラリアワクチン

本発明は、アピコンプレクサFerlin、Ferlin様タンパク質、及び/又は別のC2ドメイン含有タンパク質の少なくとも1つの抗原決定基又はエピトープを含む、マラリアワクチンとしての使用のためのペプチドに関する。それは、さらに、前記ペプチドを含む組成物及びマラリアワクチンとしてのそのような組成物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アピコンプレクサFerlin、Ferlin様タンパク質、及び/又は別のC2ドメイン含有タンパク質の少なくとも1つの抗原決定基又はエピトープを含む、マラリアワクチンとしての使用のためのペプチドに関する。それは、さらに、前記ペプチドを含む組成物及びマラリアワクチンとしてのそのような組成物の使用に関する。
【0002】
発明の背景
マラリアは、主にアフリカにおいて、毎年200万人以上の死亡を起こす。しかし、疾患の持続的な制御のために必要である効果的なワクチンは、見つけにくいままである。マラリアに対するワクチン接種の実施可能性は、放射線弱毒化スポロゾイト(RAS)を使用して十分に実証されており、それは、スポロゾイト(刺咬性ハマダラカ蚊により皮膚中に接種される)をターゲティングすること及び寄生虫のその後の肝臓段階により、げっ歯類、非ヒト霊長類、及びヒトを保護する。RASの発生は肝臓において中断され、このように、これらの寄生虫は疾患誘発性の血液段階感染に進行しない(図1)。しかし、γ線照射された寄生虫により提供される殺菌免疫にもかかわらず、実際的な問題(大規模産生及び最終産物の均一性を確保することを含む)は、このワクチンがヒト使用のために認可される可能性を低くする。それにもかかわらず、RASは、実験室において十分に試験された実験的ワクチン接種モデルである。RASモデルにおける最も優性の免疫応答は、スポロゾイト周囲表面タンパク質により活性化される(CSP;図2)。これらの知見は、CSタンパク質に基づくRTS,Sワクチンの開発を後押しした。今日まで、RTS,Sは市販されている最先端のマラリアワクチンであり、それは、現在、臨床第III相にある。流行区域に生存している健常ボランティア及びアフリカ系小児での試験では、ワクチンの良好な寛容性及び安全性が示された。しかし、異なるアジュバントシステムも伴うRTS,Sの効力は、わずか40〜60%である。加えて、CSトランスジェニックマウスにおける観察は、保護が、CSPに寛容であるマウスにおいても観察できることを示したが、それは、宿主の免疫応答を誘導する他の抗原の存在を示す。RAS誘導性免疫応答を試験することは、注射されたスポロゾイトの遺伝的背景が、個々のスポロゾイトの間で、及び、また、スポロゾイトの異なるバッチ間で高度に変動し、異なって発現される抗原ももたらすという事実により常に限定される。遺伝子ターゲティング技術における最近の進歩によって、寄生虫の発生のために不可欠な遺伝子における定められた変異を持つ遺伝的弱毒化寄生虫(GAP)の生成が促進されてきた。RASのように、GAPは肝臓において弱毒化され、それにより段階特異的な殺菌免疫を与えるが、しかし、GAPは、感染の開始に続く特定の時点(〜24時間)で、及び、分化の非常に特定の段階で停止される(図1)。対照的に、RASは複数の異種の変異を持ち、増殖停止が複数の段階で生じる。十分に定義された遺伝的弱毒化寄生虫(uis3(−)及び/又はuis4(−))は、従って、肝臓段階の寄生虫に対する防御免疫応答のさらなる特徴付けのための理想的なツールである。ノックアウトマウスにおける試験では、インターフェロンγ産生Tリンパ球がGAP誘導性免疫を媒介すること、及び、B細胞が重要ではないことが示された。よく見ると、CD8+T細胞が主要なプレーヤーであることがさらに明らかになった。しかし、その免疫に関与する抗原特異性及びエフェクター機構はまだ理解されていない。
【0003】
効果的なマラリアワクチンのための手段を提供することが本発明の目的であった。より具体的には、免疫のために決定的である新規抗原を同定することが本発明の目的であった。
【0004】
本発明の好ましい実施態様の説明
本発明を以下でより詳細に記載する前に、本発明が、本明細書に記載される特定の方法論、プロトコール、及び試薬に限定されないことを理解すべきである。なぜなら、これらは変動しうるからである。本明細書において使用する用語は、特定の実施態様だけを記載する目的のためであり、添付の請求項だけにより限定される本発明の範囲を限定することを意図しないことも理解すべきである。別に定義しない限り、本明細書において使用する全ての技術用語及び科学用語は、当業者により一般に理解されるのと同じ意味を有する。本発明の目的のために、本明細書において引用する全ての参考文献が、その全体において参照により組み入れられる。
【0005】
本発明によれば、上の目的は、以下:
Ferlin、
Ferlin様タンパク質ファミリーのメンバー、及び
他のC2ドメイン含有タンパク質
より選択されるアピコンプレクサタンパク質の少なくとも1つの抗原決定基又はエピトープを含む、マラリアワクチンとしての使用のためのペプチドにより解決される。
【0006】
用語「ペプチド」は、本明細書において使用する通り、その長さ及びサイズに関して限定されないペプチドを指すことを意味する。故に、一実施態様において、ペプチドは、アピコンプレクサタンパク質自体又はその(より大きな)フラグメントである。別の実施態様において、ペプチドは5〜50アミノ酸、より好ましくは8〜25アミノ酸、より好ましく8〜15アミノ酸の範囲にある。
【0007】
用語「アピコンプレクサタンパク質」は、本明細書において使用する通り、アピコンプレクサ生物からのタンパク質を指すことを意味する。アピコンプレクサ生物(また、アピコンプレックス門又はアピコンプレクサ亜門として言及される)は原生生物の大きなグループであり、その大半が、アピコプラストと呼ばれるユニークなオルガネラ及び宿主細胞の侵入に関与する尖端の複雑な構造を持つ。それらは、哺乳類の単細胞の芽胞形成寄生虫である。好ましくは、アピコンプレクサ生物は、プラスモディウム・ファルシパラム(Plasmodium falciparum)、プラスモディウム・ベルゲイ(Plasmodium berghei)、プラスモディウム・ヨエリ(Plasmodium yoelii)、及びトキソプラズマ・ゴンディ(Toxoplasma gondii)より選択される。好ましくは、アピコンプレクサタンパク質は、マラリアのアピコンプレクサタンパク質であり、即ち、それは、哺乳類においてマラリアを起こすアピコンプレクサ生物、好ましくはプラスモディウム・ファルシパラム及びプラスモディウム・ベルゲイ、最も好ましくはプラスモディウム・ファルシパラムからである。
【0008】
C2ドメインは、細胞膜へのタンパク質のターゲティングに関与するタンパク質構造ドメインである。それは、膜結合面上で、ドメインの最初及び最後のループにより形成される空洞において結合する、2つ又は3つのカルシウムイオンを配位させる8つのβ鎖で構成されるベータサンドイッチである。C2ドメイン含有タンパク質は、それらのアミノ酸配列に基づいて当業者により容易に同定されることができる。
【0009】
一実施態様において、他のC2ドメイン含有タンパク質は、プラスモディウム・ベルゲイC2ドメイン含有タンパク質(Pb C2CP)、プラスモディウム・ファルシパラムにおけるそのオルソログ、及び、これらのタンパク質と少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%、さらにより好ましくは少なくとも96%、さらにより好ましくは少なくとも97%、さらにより好ましくは少なくとも98%、さらにより好ましくは少なくとも99%同一であるタンパク質より選択される。
【0010】
本発明のマラリアワクチンは、好ましくは、サブユニットワクチンである。
【0011】
一実施態様において、アピコンプレクサタンパク質は以下:
プラスモディウム・ベルゲイFerlin(Pb FER)、
プラスモディウム・ファルシパラムFerlin(Pf FER)、
プラスモディウム・ヨエリFerlin(Py FER)、
トキソプラズマ・ゴンディFerlin(Tg FER)、
プラスモディウム・ベルゲイFerlin様タンパク質(Pb FLP)、
プラスモディウム・ファルシパラムFerlin様タンパク質(Pf FLP)、
プラスモディウム・ヨエリFerlin様タンパク質(Py FLP)、
トキソプラズマ・ゴンディFerlin様タンパク質(Tg FLP)、
プラスモディウム・ベルゲイC2ドメイン含有タンパク質(Pb C2CP)、及び、
上のタンパク質のいずれかと少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%、さらにより好ましくは少なくとも96%、さらにより好ましくは少なくとも97%、さらにより好ましくは少なくとも98%、さらにより好ましくは少なくとも99%同一であるタンパク質
より選択される。
【0012】
Pb FERはPBANKA_131930(配列番号26)を指し、
Pf FERはPF14_0530(配列番号27)を指し、
Py FERはPY05745(配列番号28)を指し、
Tg FERはTGVEG_073920(配列番号29)を指し、
Pb FLPはPBANKA_122440(配列番号30)を指し、
Pf FLPはMAL8P1.134(配列番号31)を指し、
Py FLPはPY04695(配列番号32)を指し、
Tg FLPはTGVEG_093560(配列番号33)を指し、及び
Pb C2CPはPB402109.00.0(配列番号34)を指し、
それにおいて、上のアクセッションナンバーはPlasmoDB/GeneDBアクセッションナンバーである(www.plasmodb.org, version:7.1、2010年11月22日;www.genedb.org, version:2010年11月)。
【0013】
本明細書において使用する通り、用語「パーセント(%)同一である」は、2つのアミノ酸配列の間での配列同一性を指す。同一性は、比較の目的ために整列させられうる、両方の配列中の位置を比較することにより決定することができる。比較される配列中の相当する位置が同じアミノ酸により占められている場合、分子はその位置で同一であると考えられる。
【0014】
一般的には、当業者は、タンパク質又はペプチドのアミノ酸配列における一部のアミノ酸交換が、タンパク質又はペプチドの(二次又は三次)構造、機能、及び活性に全く影響を有さないという事実を知っている。本明細書において開示するアミノ酸配列と比較した、そのような「ニュートラルな」アミノ酸交換を伴うアミノ酸配列は、本発明の範囲内に該当する。非アピコンプレクサ生物(例えば大腸菌など)において、ペプチド、特にアピコンプレクサタンパク質自体又はそのより大きなフラグメントの産生を許す又は促進する元のアミノ酸配列における変異も含まれる。
【0015】
好ましい実施態様において、アピコンプレクサタンパク質は、Pf FER、Pf FLP、及び、Pf FER又はPf FLPと少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%、さらにより好ましくは少なくとも96%、さらにより好ましくは少なくとも97%、さらにより好ましくは少なくとも98%、さらにより好ましくは少なくとも99%同一であるタンパク質より選択される。
【0016】
一実施態様において、抗原決定基又はエピトープは、CD8+T細胞エピトープ、CD4+T細胞エピトープ又はB細胞エピトープ、好ましくCD8+T細胞エピトープである。好ましくは、CD8+T細胞エピトープは、P.ファルシパラム特異的CD8+T細胞エピトープ(例えばHLA−A 0201制限CD8+T細胞エピトープなど)又はP. ベルゲイ特異的CD8+T細胞エピトープ(例えばH2b制限CD8+T細胞エピトープなど)である。当業者は、所与のアミノ酸配列において上のエピトープをどのように同定/予測するかを知っている(例、エピトープ予測プログラム、例えばSYFPEITHI(http://www.syfpeithi.de)などによる)。
【0017】
一実施態様において、抗原決定基又はエピトープは、Ferlin、Ferlin様タンパク質ファミリーのメンバー、及び他のC2ドメイン含有タンパク質のドメインに由来し、それにおいてドメインは以下:
C2ドメイン、
ATPアーゼドメイン、
エキソドメイン
より選択される。
【0018】
一実施態様において、抗原決定基又はエピトープのアミノ酸配列は、少なくとも8アミノ酸の長さを有する。好ましくは、抗原決定基又はエピトープのアミノ酸配列は、8、9、又は10アミノ酸の長さを有する。
【0019】
一実施態様において、アピコンプレクサタンパク質はプラスモディウム・ベルゲイFerlin(Pb FER)であり、抗原決定基又はエピトープのアミノ酸配列は以下:
【化1】


より選択される。
【0020】
一実施態様において、アピコンプレクサタンパク質はプラスモディウム・ファルシパラムFerlin(Pf FER)であり、抗原決定基又はエピトープのアミノ酸配列は以下:
【化2】


より選択される。
【0021】
一実施態様において、アピコンプレクサタンパク質はプラスモディウム・ベルゲイFerlin様タンパク質(Pb FLP)であり、抗原決定基又はエピトープのアミノ酸配列は以下:
【化3】


より選択される。
【0022】
一実施態様において、アピコンプレクサタンパク質はプラスモディウム・ファルシパラムFerlin様タンパク質(Pf FLP)であり、抗原決定基又はエピトープのアミノ酸配列は以下:
【化4】


より選択される。
【0023】
一実施態様において、アピコンプレクサタンパク質はプラスモディウム・ベルゲイC2ドメイン含有タンパク質(Pb C2CP)であり、抗原決定基又はエピトープのアミノ酸配列は以下:
【化5】


より選択される。
【0024】
一実施態様において、抗原決定基又はエピトープのアミノ酸配列は、配列番号1〜25より、好ましくは配列番号4〜9及び配列番号14〜21より選択される。
【0025】
一実施態様において、本発明のペプチドは、上に定義するアピコンプレクサタンパク質の少なくとも2つの抗原決定基又はエピトープをさらに含む。
【0026】
さらなる実施態様において、本発明のペプチドは、3、4、5又はそれ以上のそのような抗原決定基又はエピトープを含む。
【0027】
一実施態様において、本発明のペプチドは、以下:
Ferlin、
Ferlin様タンパク質ファミリーのメンバー、及び
他のC2ドメイン含有タンパク質
とは異なるアピコンプレクサタンパク質の少なくとも1つの抗原決定基又はエピトープをさらに含む。
【0028】
上に列挙するタンパク質とは異なるアピコンプレクサタンパク質は、公知の潜在的なサブユニットワクチン候補、例えば、MSP1、CSP(リードワクチン候補、RTS,S、GSK)、あるいは本発明者らのSSHスクリーンに由来する1つ又は複数の候補ペプチドでありうる。
【0029】
一実施態様において、ペプチドは、さらなる成分、例えば標識、N及び/又はC末端修飾、さらなる薬物又は薬剤などを含む。当業者は、適したさらなる成分を選択することができる。
【0030】
本発明の目的は、また、上に定義する少なくとも1つのペプチドをコードする核酸分子により解決される。それは、さらに、少なくとも1つのそのような核酸分子を含むプラスミドにより解決される。
【0031】
一実施態様において、核酸分子又はプラスミドは、マラリアワクチンとしての使用のために提供される。
【0032】
本発明の目的は、また、上に定義するペプチドに対する抗体により解決される。
【0033】
本発明の目的は、以下:
(i)上に定義する少なくとも1つのペプチド、
(ii)場合により、キャリア、
(iii)場合により、アジュバント
を含む組成物によりさらに解決される。
【0034】
一実施態様において、組成物は、少なくとも2つのペプチド(i)を含む。さらなる実施態様において、本発明の組成物は、3、4、5又はそれ以上の上に定義するペプチドを含む。
【0035】
一実施態様において、組成物は、以下:
Ferlin、
Ferlin様タンパク質ファミリーのメンバー、及び
他のC2ドメイン含有タンパク質
とは異なるアピコンプレクサタンパク質の少なくとも1つの抗原決定基又はエピトープを含む少なくとも1つのペプチドをさらに含む。
【0036】
したがって、組成物において、本発明のペプチドを、公知の潜在的なサブユニットワクチン候補、例えば、MSP1、CSP(リードワクチン候補、RTS,S、GSK)からの他のペプチド(フラグメント)と、最終的には、本発明者らのSSHスクリーンに由来する1つ又は複数の候補ペプチドと組み合わせることができる。
【0037】
一実施態様において、キャリア(ii)をペプチドに融合する。
【0038】
一実施態様において、キャリア(ii)は、ウイルス粒子又はその部分、ウイルスベクターの又はウイルス粒子のエンベロープタンパク質、ナノキャリアである。
【0039】
一実施態様において、ウイルス粒子はB型肝炎ウイルス粒子又はその部分である。
【0040】
そのような実施態様において、キャリア(ii)(例、B型肝炎ウイルス粒子又はその部分)は、本発明のペプチドの肝臓ターゲティングのために適する。
【0041】
一実施態様において、ナノキャリアは、細胞ターゲティングナノキャリア、例えばRodos BioTarget GmbH(ハノーバー)(www.biotargeting.org)から入手可能な細胞ターゲティングナノキャリアなど(例、TargoSphere(登録商標)デリバリーシステム)である。これらのナノキャリアは、所望のペプチドと組み合わせて、抗原提示免疫細胞(APC、DC、マクロファージなど)に特異的に向けることができる。
【0042】
一実施態様において、アジュバント(iii)は、一般的にCD8 T細胞応答を誘発している。好ましくは、アジュバントは、商業的に入手可能なアジュバントシステム、例、IC31(Intercell社、ウィーン)である。なぜなら、そのアジュバントシステムは、抗体媒介性免疫よりもむしろCD8 T細胞応答を誘発しているからである。
【0043】
一実施態様において、上に定義する組成物は、マラリアワクチンとしての使用のために提供される。
【0044】
本発明の目的は、また、上に定義する少なくとも2つのペプチドを混合する工程を含む、上に定義する組成物を産生する方法により解決される。
【0045】
本発明の目的は、また、上に定義するペプチド、又は上に定義する核酸分子もしくはプラスミド、又は上に定義する組成物を、それを必要とする人に投与する工程を含む、マラリアの予防の方法により解決される。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】図1は、放射線弱毒化スポロゾイト(RAS)又は遺伝的弱毒化寄生虫(GAP)を使用したマラリアに対する2つのワクチン接種戦略を示し、それらは両方が弱毒化肝臓段階(LS)の発生に基づく。RASの投与は、依然としてワクチン接種のための「ゴールドスタンダード」である。
【図2】図2は、スポロゾイト周囲の表面タンパク質(CSP)の一次構造及びその細胞局在化(プラスモディウムスポロゾイトの表面染色)(免疫蛍光染色により明らかにする通り)を示す。また、その単一の主要組織適合複合体(MHC)クラスI(H2Kd)制限CD8+T細胞エピトープ(P.ベルゲイについてのSYVPSAEQI及びP.ヨエリについてのSYIPSAEKI)のおよその位置を示す。
【図3】図3は、20時間の肝臓段階の発生後にマラリアWT、GAP、及びRAS寄生虫の転写物を比較するための改変されたサプレッションサブトラクティブハイブリダイゼーション(SSH)アッセイの実験セットアップを示す。
【図4】図4は、サプレッションサブトラクティブハイブリダイゼーション(SSH)によりWT配列と比較した遺伝的弱毒化(GAP特異的)又は放射線弱毒化(RAS特異的)寄生虫の200の分析配列において同定された、特定の肝臓段階での転写物のパーセンテージを示す。配列分析を、PlasmoDB(http://plasmodb.org)及びGeneDB(www.genedb.org)ホームページ上でBLAST検索を使用して実施した。
【図5A】図5Aは、注釈付きのアピコンプレクサFerlin及びFerlin様タンパク質(FLP)及びP.ベルゲイのC2ドメイン含有タンパク質(Pb C2CP)の一次構造を示す。P.ファルシパラムFerlin及びP.ベルゲイFerlin及びFLPパラログ、ならびにトキソプラズマ・ゴンディオルソログ(B)を示す。P.ベルゲイ及びP.ファルシパラムのFerlinオルソログは、約20%アミノ酸(AA)同一性を共有する。特徴的なC2ドメインは、他に記載されるFerlinタンパク質におけるCa2+センシング及びシグナル伝達に関与する。これらのドメインの他、SMART分析(http://smart.embl-heidelberg.de/)によって、Pb C2CPにおける予測されるエキソヌクレアーゼ(exo)及びATPアーゼ活性を伴うドメインが明らかになった。また、N末端の予測されるシグナルペプチドならびにC末端の注釈付き膜貫通ドメイン(atd)及び予測される膜貫通スパン(pts)を示す。
【図5B】図5Bは、注釈付きのアピコンプレクサFerlin及びFerlin様タンパク質(FLP)及びP.ベルゲイのC2ドメイン含有タンパク質(Pb C2CP)の一次構造を示す。P.ファルシパラムFerlin及びP.ベルゲイFerlin及びFLPパラログ、ならびにトキソプラズマ・ゴンディオルソログ(B)を示す。P.ベルゲイ及びP.ファルシパラムのFerlinオルソログは、約20%アミノ酸(AA)同一性を共有する。特徴的なC2ドメインは、他に記載されるFerlinタンパク質におけるCa2+センシング及びシグナル伝達に関与する。これらのドメインの他、SMART分析(http://smart.embl-heidelberg.de/)によって、Pb C2CPにおける予測されるエキソヌクレアーゼ(exo)及びATPアーゼ活性を伴うドメインが明らかになった。また、N末端の予測されるシグナルペプチドならびにC末端の注釈付き膜貫通ドメイン(atd)及び予測される膜貫通スパン(pts)を示す。
【図6】図6は、遺伝子特異的オリゴヌクレオチドプライマー対を使用し、テンプレートとして野生型(WT)、放射線弱毒化(RAS)、又は遺伝的弱毒化(GAP)寄生虫のいずれかからの20時間のP.ベルゲイ肝臓段階から単離した全RNAを用いた定量的リアルタイムRT−PCRを示す。P.ベルゲイ C2CPの転写物レベルを示す。転写物の量を、遺伝子特異的プラスミドを用いて産生される外部標準曲線と比較したコピー数(+/− SD)として表す。
【図7】図7Aは、いくつかのプログラム(エピトープ予測プログラムSYFPEITHI(http://www.syfpeithi.de)を含む)により予測される、Pb C2CPのH−2B制限CD8+T細胞エピトープを示す。一次構造上に示すバーは、予測されるT細胞エピトープのおよその局在化を示す。図7Bは、プライム−ツー−ブースト免疫化プロトコールの概略図である。C57BL/6マウスに、P.ベルゲイのRAS又はGAPを用いて0日目に静脈内注射した。第1のブーストを典型的には14日後に、第2のブーストをそれから14日後に投与した。ブースター用量は、典型的には、プライミング用量よりも低かった。最後のブーストから7日後、動物を、WTスポロゾイト(spz)を用いて攻撃した、又は、臓器を免疫学的試験のために解剖した(攻撃前に収集)。攻撃したマウスをWT攻撃から7日後に屠殺した(攻撃後に収集)。
【図8】図8は、免疫化動物におけるPb C2CPパルス標的細胞の溶解に基づくインビボ細胞毒性アッセイを示す。未感作脾細胞を、Pb C2CP由来エピトーププールを用いて負荷し、2μMのCFSE(CFSEhigh)(5−(及び6)−カルボキシフルオレセインジアセテート、スクシンイミジルエステル、Invitrogen)を用いて標識した。コントロール細胞集団を、0.2μMのCFSE(CFSElow)を用いて標識した。細胞集団を等しい数(1:1)で混合し、それぞれ1μM又は0.1μMの最終CFSE濃度をもたらした。この混合集団の1×10個細胞を、細胞単離の18時間前に免疫化動物又は未感作コントロール動物の尾静脈中に静脈内注射した。CFSE標識細胞を、脾臓及び肝臓におけるフローサイトメトリーにより検出した。特異的溶解をCFSEhigh細胞及びCFSElow細胞の比率として算出し、未感作動物において検出された比率と比較した。3つの独立した実験(各々3〜5匹マウス/群を用いる)における溶解細胞の平均パーセンテージを示す。
【図9】図9は、マウス(n=5)のGAP及びRAS免疫化後の肝臓におけるCD8CD44highCD62Llow細胞の平均パーセンテージを示し、肝臓中のエフェクターメモリーT細胞集団(CD8CD44highCD62Llow)がGAP及びRAS免疫化後に増加することを示す。肝臓リンパ球を、BMDC及びPb C2CP由来ペプチドT9Lを用いて一晩インキュベートした。表面染色を、抗CD8a−PacBlue結合抗体(1:100、BD biosciences)、抗CD44−FITC(1:100、BD biosciences)、抗CD62L−PE(1:200、BD biosciences)、及び抗CD25−Alexa647(1:50、BD biosciences)を用いて実施した。染色細胞の分析を、FACSCantoシステム(BD biosciences)を使用したフローサイトメトリーにより実施した。結果として生じるデータを、flowjo分析ソフトウェア(http://www.flowjo.com)を使用してさらに分析した。
【図10】図10は、RAS及びGAP免疫化マウスからのエフェクターT細胞のインターフェロンγ(IFN−γ)応答を測定するサイトカインベースELISpotアッセイを示す。免疫化動物からの培養リンパ球を、1μMのPb C2CP由来ペプチドT9Lを用いて一晩再刺激した、又は、刺激なしにインキュベートした。細胞を、その後、5μg/mlのIFN−γ抗体を用いてコーティングされたMultiScreenフィルタープレートにトランスファーした。検出されたIFN−γ応答を、カウントされたスポット/100万個の培養細胞として示す。未感作コントロール動物のカウントを引いた。カウントした5匹の動物の3通りの群での平均を示す。
【図11】図11Aは、エピトープ予測プログラムSYFPEITHI(http://www.syfpeithi.de)により予測される、Pf FERのHLA−A 0201制限CD8+T細胞エピトープを示す。一次構造上に示すバーは、予測されるT細胞エピトープのおよその局在化を示す。図11Bは、遺伝子特異的オリゴヌクレオチドプライマー対を使用し、テンプレートとして野生型(WT)又は放射線弱毒化(RAS)寄生虫のいずれかからのP.ファルシパラム肝臓段階から単離した全RNAを用いた定量的リアルタイムRT−PCRを示す。P.ファルシパラムFerlin(Pf FER)の相対的な転写物レベルを示す。
【図12】図12Aは、Pf Ferlin特異的エピトープを用いた再刺激後のCD8+T細胞の活性化を決定するための10日間にわたる培養ELISpotアッセイを示す。各々のエピトープを個々に及びエピトープのプールにおいてテストしたが、それはこの図に要約されている。マラリア曝露及び非曝露(未感作)個人の血液からの新たに単離したPBMCを、Pf Ferlinエピトープを用いて刺激した。IFNγの分泌をELISpotにより分析した。Pf AMA1(公知のマラリア血液段階抗原)を陽性コントロールとして使用した(図12B)。
【図13】図13は、P.ベルゲイFerlin(FER)及びFerlin様タンパク質(FLP)のノックアウト(A)及び相補性(B)戦略を示す。置換コンストラクト(A)は、TgDHFR/TS選択マーカーに隣接するP.ベルゲイのFER又はFLPオープンリーディングフレームの5’及び3’非翻訳領域を含む。野生型(WT)ゲノム遺伝子座を、直線化KpnI/XbaIターゲティングベクターを用いてターゲティングする。ダブルクロスオーバー事象によって、選択マーカーにより、それぞれ内因性FER又はFLP ORFが置換される。相補性コントロールコンストラクト(pCONT)(B)は、P.ベルゲイのFER又はFLP ORF(fer/flp)の5’切断バージョン及びTgDHFR/Ts選択マーカーを含む。XbaI直線化プラスミドは、FER又はFLP WTゲノム遺伝子座をそれぞれターゲティングし、選択マーカー及び追加の切断fer又はflpコピーを挿入する。P.ベルゲイFerlin(FER)及びFerlin様タンパク質(FLP)ノックアウト又は相補性トランスフェクタントのジェノタイピングPCRを、それぞれC及びDに示す。標準的PCRを、ORF、テスト、及びエピソーム(epi)特異的オリゴヌクレオチド対を用いて実行した。テンプレートとして、異なるトランスファートランスフェクタント(Δflp/Δfer/flpCONT/ferCONT)のgDNA及びP.ベルゲイ野生型gDNA(WT)又はそれぞれのターゲティングコンストラクト(v)(PCRコントロールとして)が役割を果たした。特定のDNA断片をアガロースゲル電気泳動により分離した。
【図14】図14は、マラリアのライフサイクルを通じた、P.ベルゲイFerlin(A)及びコントロール酵素アルドラーゼ(B)の転写プロファイルのRT−PCR分析を示す(BS=血液段階;GA=生殖母体;Sg Spz=唾液腺スポロゾイト;LS=肝臓段階)。
【0047】
本発明を、本明細書において、以下の実施例の参照によりさらに記載し、それらは、例証することを意味するが、しかし、本発明を限定しない。
【0048】
初期プラスモジウム肝臓段階の比較分析によって、防御免疫の潜在的な標的が同定される。
【0049】
遺伝的弱毒化寄生虫(GAP)は肝臓段階(LS)発生の間に停止し、従って、通常はLS発生の間に発現される遺伝子の全てが発現されるわけではない。野生型(WT)スポロゾイトのLS(しかし、GAPではない)により発現される任意の遺伝子が、防御免疫応答の開始のために非必須であると仮定することができる。このように、uis3(−) LSにより発現される遺伝子のレパートリーを分析することによって、前赤血球免疫の決定的な標的である抗原を絞り込むことが許される。
【0050】
サプレッションサブトラクティブハイブリダイゼーションによって、弱毒化寄生虫において特異的に上方調節された転写物のセットがもたらされる。
【0051】
本発明者らはサプレッションサブトラクティブハイブリダイゼーション(SSH)を利用し、20時間のLS発生後でのWT、GAP、及びRAS寄生虫の転写物を比較した(図3)。この高度に効果的な方法によって、2つの異なるcDNA集団において異なって発現される転写物を同定することが許される(Diatchenko, 1996)。プラスモジウム寄生虫のLS発生が培養肝細胞において達成された。P.ベルゲイのスポロゾイトがヒト肝癌細胞に入り、形質転換することが記載されている(Hollingdale, 1983)。従って、ヒト肝癌細胞株Huh7細胞を、LS発生のための適切な宿主として使用した。このインビトロ培養は、寄生虫と宿主細胞の比率を高め、従って、その後のサブトラクションのための十分なRNA材料を得ることを許した。GAP、RAS、又はWT LSのいずれか1つのcDNA集団について、25,000個のHuh7細胞及び25,000〜35,000個のスポロゾイト/ウェルを伴う2〜3つの8ウェルチャンバースライドを接種し、LS発生を20時間後に停止させた。この時間点を選んだ。なぜなら、uis3(−)寄生虫が24時間後に肝臓において発生停止を受けるためである。従って、既に、この期間の間に発現されるこれらの初期遺伝子は前赤血球免疫のために重要でなければならない。回収した細胞を、0.05%ジギトニンを用いて処理し、それは、細胞内寄生虫に影響を与えることなく、宿主細胞の原形質膜を選択的に透過処理し、このように、宿主細胞RNAを伴う混入を低下させた。寄生虫特異的RNAを、その後、RNeasy Mini Kit(Qiagen)を使用して単離した。得られたRNA濃度は、容積40μl中で約150〜250μg/mlに達し、最終量6〜10μgの全RNAを意味した。適用したSMART方法(Clontech;SMART(商標)PCR cDNA Synthesis Kit, Protocol No. PT3041-1)を用いたcDNA合成は0.05〜1μgの全RNAを要求する。従って、この技術は、出発材料が限られていたため、このアプローチのために特に有用であった。約0.5μgの全RNAを、SMART技術を用いたcDNA合成のために使用した。このcDNAを、その後、サブトラクションのために使用した。サブトラクション手順を、製造者のマニュアルに従って実施した(Clontech;PCR-Select(商標)cDNA Subtraction Kit, Protocol No. PT1117-1)。結果として得られたcDNA断片を、pGEMT-easy T/Aクローニングベクター(Promega)中に直接的にクローン化し、従来の方法を用いて配列決定した。
【0052】
SSHスクリーンに起因する配列を、PlasmoDBデータベース(http://plasmodb.org)を使用して、BLASTにより検索した。顕著な上方調節遺伝子の大部分が、両方の弱毒化寄生虫株の間で共有された(図4)。最も顕著な遺伝子の間には、Ferlin、Ferlin様タンパク質、及びSMARTデータベース(http://smart.embl-heidelberg.de/)により同定されたC2ドメイン含有タンパク質があった。
【0053】
アピコンプレクサFerlin、Ferlin様タンパク質、及びPb C2CP(PB402109.00.0)の一次構造を図5A及びBに示す。P.ベルゲイのFerlin様タンパク質(PbANKA_122440)及びPb Ferlinパラログ(PBANKA_131930)がある。P.ファルシパラムゲノムにおいて、1つのFerlin(PF14_0530)及び1つのFerlin様タンパク質(MAL8P1.134)(注釈付き)がある。いくつかのFerlinが、P.ヨエリゲノムにおいて注釈が付けられている(示さず)。Ferlin及びFLPオルソログは、また、アピコンプレクサ寄生虫トキソプラズマ・ゴンディにおいて見出される(図5B)。
【0054】
Ferlin及びFerlin様タンパク質は、可変数の特徴的なC2ドメインを伴う膜タンパク質である。これらのドメインは、一般的に、Ca2+依存的な脂質プロセシング事象に関与する。Ferlinファミリーのメンバーは、細胞型特異的な膜融合事象を調節するための保存された機構を共有する(Mc Neil et al., 2005に概説されている)。プラスモディウムにおいて、このタンパク質ファミリーの機能はまだ特徴付けられていない。P.ベルゲイ C2ドメイン含有タンパク質(C2CP)は、1つの特徴的なC2ドメインの他、予測エキソヌクレアーゼ活性を伴う1つのドメイン及び1つの予測ATPアーゼドメインを含む。さらに、全てのFerlin及びFerlin様タンパク質が膜貫通ドメインを含み、N末端シグナルペプチドがPf Ferlin及びPb C2CPにおいて見出される。
【0055】
P.ベルゲイ C2CP(実施例1)
GAP及びRAS肝臓段階におけるP.ベルゲイのC2ドメイン含有タンパク質(C2CP)の上方調節を検証し、遺伝子特異的プライマーを使用した定量的リアルタイムPCR(qRT−PCR)により定量した。テンプレートとして、20時間のLS発生後に肝臓段階から単離されたP.ベルゲイのGAP、RAS、及びWT RNAが役割を果たし、cDNAに転写された。図6は、GAP、RAS、及びWT LSにおけるPb C2CPのmRNAのコピー数を示す。
【0056】
抗原候補としてのPb C2CPの潜在力が、4つの予測H−2B制限CD8+T細胞エピトープを、いくつかの予測プログラム(エピトープ予測プログラムSYFPEITHI(http://www.syfpeithi.de)を含む)の助けを用いて検出した場合に明らかになった(図7A)。予測Pb C2CP CD8+T細胞エピトープA9I、T9L、S8V、及びA8Iのアミノ酸配列を表1に示す。
【0057】
【表1】

【0058】
免疫学的試験のために、GAP(uis3(−))及びRASを用いたマウスの免疫化を、プライム−ツー−ブーストプロトコールに従って実施した(図7B)。
【0059】
インビボ細胞毒性アッセイを、その表面にPb C2CP由来エピトープを運ぶ細胞を認識し、殺すGAP及びRAS免疫化動物の能力を解明するために実施した。4つの予測CD8+T細胞エピトープA9I、T9L、S8V、及びA8Iのプールを、CFSE標識脾細胞上に負荷し、エピトープを運ばず、より低濃度のCFSEを用いて標識したコントロール細胞集団と一緒に免疫化マウスに注射した。マウスを18時間後に屠殺し、肝臓のリンパ球及び脾細胞を単離した。これらの細胞の一部をフローサイトメトリーにより直接測定し、そこではCFSE標識細胞を、BD FACSCalibur(励起488nm、発光517nm)のFL1チャンネルで見ることができる。特異的に溶解された細胞のパーセンテージを、以下:
【数1】


の数学関数を用いて算出した。
【0060】
その後のWT攻撃から7日後のRAS及びGAP免疫化マウスの脾臓及び肝臓における特異的に溶解された細胞のパーセンテージを図8に示す。免疫化動物の脾臓において検出される特異的な細胞毒性溶解はなかった。RAS及びGAP免疫化マウスの肝臓においては、しかし、11.8%及び19.6%のPb C2CP特異的細胞がそれぞれ溶解する。これは、未感作コントロール動物(蛍光標識Pb C2CP特異的細胞の平均0.001%未満が溶解した)におけるよりも有意に多い。WT攻撃マウスにおいて、また、Pb C2CP特異的の10.5%が殺された。これらのマウスは、以前にP.ベルゲイのWT肝臓段階を見ていたが、しかし、免疫化マウスとは対照的に、それらは血液段階感染を発生していた。これらの結果は、Pb C2CP特異的細胞が、実際に、免疫化又は曝露動物を認識し、殺したことを実証する。Pb C2CP由来エピトープに対して向けられる免疫機構を検出することができた。
【0061】
RAS及びGAP免疫化動物においてPb C2CP特異的な免疫応答をより詳細に解読するために、単一ペプチドT9Lを、以下の実験における再刺激のために使用した。エピトープT9Lを選んだ。なぜなら、それはH2Bに対して最も高い予測される結合親和性を有したからである。GAP及びRAS免疫化マウスからの再刺激リンパ球の表面活性化マーカーについての染色は、未感作マウスと比較して、明らかに増強されたエフェクターメモリーT細胞集団(TEM;CD8CD44highCD62Llow)を示した(図9)。未感作マウスの肝臓における42.4%のTEM細胞の平均パーセンテージは、RAS免疫化動物において71.5%に及びGAP免疫化動物において65.1%に有意に増加した(p<0.0001及びp=0.058;対応のないt検定)。TEM細胞集団は、加えて、表面マーカーCD25を発現した(示さず)。これは、さらに、特定のエフェクター機構がRAS及びGAP免疫化動物においてPb C2CPに対して存在していることを示す。
【0062】
ELISpot(酵素結合免疫吸着スポット)は、単一細胞レベルでのサイトカインの検出を許す極めて高感度なアッセイであり、RAS及びGAP免疫化マウスの肝臓及び脾臓における低IFN−γ応答を測定するために適用した。免疫化マウスからの精製した肝臓リンパ球又は全脾細胞を、Pb C2CP由来ペプチドT9Lを用いて一晩再刺激した。IFN−γコーティングMultiScreenフィルタープレートに再刺激した細胞をトランスファーする前に、培養培地を、新鮮培地を用いて交換し、培養上清中の分泌IFN−γを希釈し、バックグラウンドを低下させた。フィルタープレート上での刺激細胞の24時間インキュベーション後、スポットを、二次ビオチン化抗IFN−γ抗体により検出した。膜上に発生したすべてのスポットが、単一の反応細胞を示した。スポットを解剖顕微鏡下でカウントした。免疫化動物からの刺激細胞についてのコントロールは、刺激なしでインキュベートした細胞及び未感作動物から単離した細胞であった。陽性コントロール(抗CD3抗体を用いて活性化された未感作リンパ球)を一緒に実行し、アッセイが機能していることを証明した。
【0063】
GAP及びRAS免疫化後の再刺激された脾細胞でのIFN−γ応答は非常に低かった(図10)。残念なことに、抗CD3陽性コントロールも予想外に低く、100万個の全脾細胞当たりわずか平均168スポットであった。しかし、IFN−γ応答は、Pb C2CP由来ペプチドT9Lを用いて再刺激した場合、GAP免疫化C57Bl/6マウスの脾臓において有意に増加した(p=0.0346;対応のないt検定)。精製した肝臓リンパ球のIFN−γ応答は、全体で、脾細胞のものよりも高く、寄生虫感染が生じた肝臓におけるより活性化したT細胞を示唆する。GAP免疫化動物からの肝臓リンパ球を、Pb C2CP由来ペプチドT9Lを用いて特異的に再刺激した場合は622個の細胞の反応を、RAS免疫化動物からの場合には825個もの応答リンパ球/100万個細胞の応答を検出した。コントロールとして、抗CD3抗体を用いた未感作細胞の非特異的刺激は、平均して、681個の反応細胞/100万個の肝臓リンパ球をもたらした。残念なことに、また、無刺激のバックグラウンドがかなり高かったため、再刺激後の有意な増加は、RAS免疫化マウスからの肝臓においてだけ検出可能であった(p=0.0446;対応のないt検定)。これらの結果は、GAP及びRAS免疫化C57Bl/6マウスからのT細胞を、実際に、少なくとも1つのPb C2CP由来エピトープを用いて特異的に再刺激することができることを示した。
【0064】
P.ファルシパラムFerlin(実施例2)
RAS肝臓段階におけるP.ファルシパラムFerlin(Pf FER)の上方調節を検証し、遺伝子特異的プライマーを使用した定量的リアルタイムPCR(qRT−PCR)により定量した。図11Bは、P.ファルシパラムFerlin(Pf FER)の相対的な転写物レベルを示す。
【0065】
6つの予測HLA−A 0201制限CD8+T細胞エピトープを、いくつかの予測プログラム(エピトープ予測プログラムSYFPEITHI(http://www.syfpeithi.de)を含む)の助けを用いて検出した(図11A)。
【0066】
マラリアに曝露された個人におけるPf Ferlin特異的T細胞の存在を研究するために、Pf Ferlinペプチド(NLLDPLVVV、YLYVNIHKI、LLLEGNFYL、KLIPVNYEL、YLYEKQQEL、ILIPSLPLI)に対するT細胞応答を、Kenyan Medical Research Institute-Wellcome Trust Research Programme(KEMRI)のBritta Urban博士との共同研究において半免疫ケニア成人においてテストした。全ての成人がJunju地区(ケニア海岸のモンバサの約60km北)に居住している。この区域は2つの高伝染季節を有し、しかし、低レベル伝染が一年中生じる(感染性咬傷/年:23〜53)(Mwangi et al., 2005)。
【0067】
活性化した末梢血単核細胞(PBMC)による抗原特異的IFN−γの産生を決定するために、培養ELISpot分析を、マラリアに曝露された成人及びマラリア未感作個人において10日の期間にわたり行った。興味深いことに、活性化したFerlin特異的T細胞を検出することができた(図12)。さらに、12人のマラリアに曝露された成人及び5人のマラリア未感作個人において活性化した末梢血単核細胞(PBMC)による抗原特異的IFN−γの産生を試験する際、Pf Ferlin特異的T細胞が、12人中4人において少なくとも1つのペプチドに対して、及び、12人のマラリアに曝露された成人中3人において1を上回るペプチドに対して検出された(表2)。
【0068】
【表2】

【0069】
Ferlin及びFerlin様タンパク質の機能的特徴付け
P.ベルゲイFerlin(FER)及びFerlin様タンパク質(FLP)を機能的に特徴付けるために、ターゲティング遺伝子枯渇を実施した。なぜなら、結果として得られた枯渇の表現型は、タンパク質の潜在的な機能を示唆しうるからである。プラスモジウムにおけるターゲティング遺伝子枯渇は、血液段階の寄生虫において行われる。従って、血液段階の発生の間に必須の遺伝子をターゲティングすることはできない。ターゲティングコンストラクトの組み込みでの失敗は、しかし、相同組換えのためのゲノム遺伝子座の不良な接近可能性にも起因しうる。従って、Pb FER及びPb FLPについてのノックアウトコンストラクト及び相補性コンストラクトを生成し、それらを同じ実験の間に別々にトランスフェクトした。
【0070】
異なる遺伝的戦略を図13A及びBに示す。ノックアウトターゲティングコンストラクトのために、それぞれの遺伝子の5’及び3’非翻訳領域(UTR)からの2つの断片を特定のオリゴヌクレオチドを用いて増幅した。予想される断片サイズを、アガロースゲル電気泳動により確認した。Pb FER断片は5’及び3’UTR断片についてそれぞれ676bp及び773bpであり、Pb FLP断片はそれぞれ678bp及び612bpの長さを有した(示さず)。2つの対応する断片を、記載する通りにターゲティングベクターb3D中にクローン化し、TgDHFR/TS選択マーカーに隣接させ、コンストラクトpΔfer及びpΔflpをもたらした。コントロール相補性コンストラクトについては、終止コドンを含むC末端断片を2つの部分において増幅し、トランスフェクションの前での線形化のために必要な固有の制限部位を挿入した。Pb FER相補性については952bp及び744bpならびにPb FLP相補性については497bp及び481bpのサイズを、それぞれ、アガロースゲル電気泳動により再び確認した(示さず)。2つの対応する断片をクローニングベクターb3D+中に次々にクローン化することで、相補性コンストラクトpferCONT及びpflpCONTをもたらした。
【0071】
P.ベルゲイ ANKA GFPcon株(Franke-Fayard, 2004)を、KpnI/XbaI消化したΔfer及びΔflpコンストラクトを用いて、ならびにXbaI線形化コンストラクトferCONT及びflpCONTを用いて、記載されているAMAXAトランスフェクションプロトコールに従ってトランスフェクトした。トランスフェクトしたメロゾイトを、NMRIマウス中に直接的に静脈内注射(i.v.)した。寄生虫血を、トランスフェクション後1日目にギムザ染色した血液スミアによりチェックした。開始時の寄生虫血はかなり低く、3つの独立した実験について0.1%〜0.3%を伴った。1日目から、ピリメタミンを、飲料水を用いて提供し、トランスフェクトされた寄生虫を選択した。2日目に、寄生虫血は、ギムザ染色した血液スミアにおいて検出不可能なレベルまで減少した。連続的な薬物選択下で、耐性寄生虫が、7〜9日目に血液中に最初に現れた。ノックアウトコンストラクトを用いてトランスフェクトした耐性寄生虫は、薄い血液スミアにおいて検出可能になるまでに、Δflpについて平均9日及びΔferについて8.5日を要した。相補性コンストラクトferCONT及びflpCONTを用いてトランスフェクトした寄生虫はわずかに速かったが、それぞれのマウスは、トランスフェクションから平均7.5日後に陽性である血液段階を得た。血液中の寄生虫レベルが0.5%〜1%まで増加するとすぐに、マウスを屠殺した。感染血液を凍結ストックとして保存し、単離した寄生虫を、ゲノムDNA(gDNA)のための親集団として保持した。約50〜100μlの感染血液を、未感作NMRIマウス中に腹腔内(i.p.)にトランスファーし、寄生虫血を薬物圧力下で再びモニターした。次回の寄生虫を感染血液から再び回収し、トランスファー集団として保持した。トランスフェクタントを、ターゲティングコンストラクトの組込みについて特異的PCRによりチェックした(図13C及びD)。
【0072】
特異的オリゴヌクレオチド対ORF I及びORF IIは、Pb FER又はPb FLPオープンリーディングフレームの異なる部分を増幅した。ノックアウトジェノタイピングPCRについて、ORF Iオリゴヌクレオチドを用いて増幅したDNA断片は、Pb FLPについては978bp及びPb FERについては1696bpであると予想された。それぞれのバンドを、PCRテンプレートとしてWT gDNA又はΔflp/Δfer gDNAを使用した場合、アガロースゲル上で見ることができた(図13C)。予想通り、ORF I特異的DNA断片は、ターゲティングノックアウトコンストラクトをテンプレートとして使用した場合、増幅はなかった。エピソーム特異的オリゴヌクレオチド対epi I及びepi IIは、ベクター特異的断片を増幅する。従って、epi I特異的DNAバンド(Pb FLP及びPb FERについてそれぞれ1165bp及び1326bpの予想サイズを伴う)を、それぞれ、それぞれのターゲティングコンストラクトpΔflp及びpΔferをテンプレートとして、ならびに、プラスミドを運ぶ耐性トランスフェクタントΔflp及びΔferのgDNAを使用する場合、アガロースゲル上で検出することができた。テストオリゴヌクレオチド対テストI及びIIは、寄生虫ゲノム中へのターゲティングコンストラクトの組込みを証明し、従って、陽性トランスフェクタントのgDNAからだけ増幅することができた。予想されるテストI特異的DNA断片(1301bp及び1557bpのサイズを伴う)を、トランスフェクタントgDNAから増幅することができなかったことは、ターゲティングコンストラクトpΔflp及びpΔferの組込みがなく、従って、それぞれの遺伝子Pb FLP及びPb FERの枯渇がないことを示す。それは、コントロール相補性ジェノタイピングPCRについて異なって見えた(図13D)。978bp又は1068bpのサイズを有するORF II特異的DNA断片は、テンプレートとしてWTgDNA又はトランスフェクタントflpCONT及びferCONTのgDNAを使用した場合、アガロースゲル上で可視化することができ、CONT相補性コンストラクトから増幅されなかった。epi II特異的DNAバンドを、トランスフェクタントのgDNA及びベクターコントロールだけについて、それぞれ1478bp及び2196bpのサイズを伴いアガロースゲル上で検出することができた。flpCONTについて2879bp及びferCONTについて4304bpのサイズを伴うテストII特異的DNA断片は、コントロール相補性コンストラクトpflpCONT及びpferCONTの成功裏の組込みを実証した。それにより、両方のゲノム遺伝子座の接近可能性を証明することができた。同じジェノタイピング結果が、3つの独立したトランスフェクション実験から達成された。
【0073】
P.ベルゲイFerlin及びFerlin様タンパク質が血液段階の発生の間に必須であることを示すこれらの結果は、また、マラリアのライフサイクルを通じたP.ベルゲイFerlinの転写プロファイルのRT−PCR分析により確認された(図14)。
【0074】
先行する記載において、請求項において及び/又は添付の図面において開示する特徴は、別々に又はその任意の組み合わせの両方で、その多様な形態において本発明を実現するための材料でありうる。
【0075】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下:
Ferlin、
Ferlin様タンパク質ファミリーのメンバー、及び
他のC2ドメイン含有タンパク質
より選択されるアピコンプレクサタンパク質の少なくとも1つの抗原決定基又はエピトープを含む、マラリアワクチンとしての使用のためのペプチド。
【請求項2】
アピコンプレクサタンパク質が以下:
プラスモディウム・ベルゲイFerlin(Pb FER)、
プラスモディウム・ファルシパラムFerlin(Pf FER)、
プラスモディウム・ヨエリFerlin(Py FER)、
トキソプラズマ・ゴンディFerlin(Tg FER)、
プラスモディウム・ベルゲイFerlin様タンパク質(Pb FLP)、
プラスモディウム・ファルシパラムFerlin様タンパク質(Pf FLP)、
プラスモディウム・ヨエリFerlin様タンパク質(Py FLP)、
トキソプラズマ・ゴンディFerlin様タンパク質(Tg FLP)、
プラスモディウム・ベルゲイC2ドメイン含有タンパク質(Pb C2CP)、及び、
上のタンパク質のいずれかと少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%同一であるポリペプチド
より選択される、請求項1記載のペプチド。
【請求項3】
抗原決定基又はエピトープが、CD8+T細胞エピトープ、CD4+T細胞エピトープ又はB細胞エピトープ、好ましくCD8+T細胞エピトープである、請求項1又は2記載のペプチド。
【請求項4】
抗原決定基又はエピトープのアミノ酸配列が、少なくとも8アミノ酸の長さを有する、請求項1〜3のいずれか一項記載のペプチド。
【請求項5】
アピコンプレクサタンパク質がプラスモディウム・ベルゲイFerlin(Pb FER)であり、抗原決定基又はエピトープのアミノ酸配列が以下:
【化6】


より選択される、請求項1〜4のいずれか一項記載のペプチド。
【請求項6】
アピコンプレクサタンパク質がプラスモディウム・ファルシパラムFerlin(Pf FER)であり、抗原決定基又はエピトープのアミノ酸配列が以下:
【化7】


より選択される、請求項1〜4のいずれか一項記載のペプチド。
【請求項7】
アピコンプレクサタンパク質がプラスモディウム・ベルゲイFerlin様タンパク質(Pb FLP)であり、抗原決定基又はエピトープのアミノ酸配列が以下:
【化8】


より選択される、請求項1〜4のいずれか一項記載のペプチド。
【請求項8】
アピコンプレクサタンパク質がプラスモディウム・ファルシパラムFerlin様タンパク質(Pf FLP)であり、抗原決定基又はエピトープのアミノ酸配列が以下:
【化9】


より選択される、請求項1〜4のいずれか一項記載のペプチド。
【請求項9】
アピコンプレクサタンパク質がプラスモディウム・ベルゲイC2ドメイン含有タンパク質(Pb C2CP)であり、抗原決定基又はエピトープのアミノ酸配列が以下:
【化10】


より選択される、請求項1〜4のいずれか一項記載のペプチド。
【請求項10】
以下:
Ferlin、
Ferlin様タンパク質ファミリーのメンバー、及び
他のC2ドメイン含有タンパク質
より選択されるアピコンプレクサタンパク質の少なくとも2つの抗原決定基又はエピトープを含む、請求項1〜9のいずれか一項記載のペプチド。
【請求項11】
以下:
Ferlin、
Ferlin様タンパク質ファミリーのメンバー、及び
他のC2ドメイン含有タンパク質
とは異なるアピコンプレクサタンパク質の少なくとも1つの抗原決定基又はエピトープをさらに含む、請求項1〜10のいずれか一項記載のペプチド。
【請求項12】
さらなる成分、例えば標識、N及び/又はC末端修飾、さらなる薬物又は薬剤などを含む、請求項1〜11のいずれか一項記載のペプチド。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか一項記載の少なくとも1つのペプチドをコードする核酸分子又はマラリアワクチンとしての使用のため少なくとも1つのそのような核酸分子を含むプラスミド。
【請求項14】
請求項1〜12のいずれか一項記載のペプチドに対する抗体。
【請求項15】
以下:
(i)請求項1〜12のいずれか一項記載の少なくとも1つのペプチド、
(ii)場合により、キャリア、
(iii)場合により、アジュバント
を含む組成物。
【請求項16】
請求項1〜12のいずれか一項記載の少なくとも2つのペプチドを含む、請求項15記載の組成物。
【請求項17】
以下:
Ferlin、
Ferlin様タンパク質ファミリーのメンバー、及び
他のC2ドメイン含有タンパク質
とは異なるアピコンプレクサタンパク質の少なくとも1つの抗原決定基又はエピトープを含む少なくとも1つのペプチドをさらに含む、請求項15又は16記載の組成物。
【請求項18】
キャリア(ii)が、ウイルス粒子又はその部分、ウイルスベクターの又はウイルス粒子のエンベロープタンパク質、ナノキャリアである、請求項15〜17のいずれか一項記載の組成物。
【請求項19】
ウイルス粒子がB型肝炎ウイルス粒子又はその部分である、請求項18記載の組成物。
【請求項20】
ナノキャリアが細胞ターゲティングナノキャリアである、請求項18記載の組成物。
【請求項21】
アジュバント(iii)が、一般的にCD8 T細胞応答を誘発している、例えばIC31などである、請求項15〜20のいずれか一項記載の組成物。
【請求項22】
マラリアワクチンとしての使用のための請求項15〜21のいずれか一項記載の組成物。
【請求項23】
請求項1〜12のいずれか一項記載の少なくとも2つのペプチドを混合する工程を含む、請求項16〜22のいずれか一項記載の組成物を産生する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2013−512866(P2013−512866A)
【公表日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−541362(P2012−541362)
【出願日】平成22年12月6日(2010.12.6)
【国際出願番号】PCT/EP2010/007399
【国際公開番号】WO2011/066995
【国際公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(509161141)ルプレヒト−カールス−ウニヴェルジテート ハイデルベルク (6)
【氏名又は名称原語表記】Ruprecht−Karls−Universitaet Heidelberg
【住所又は居所原語表記】Grabengasse 1, D−69117 Heidelberg, Germany
【Fターム(参考)】