説明

アミド形成の改善方法

本発明は、2−(メチルオキシ)−N−[2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]−4,6−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミドの製造方法であって、2,4−ジトリフルオロメチル−6−メトキシ−安息香酸を、アリールスルホニルハライド、C1−6アルキルスルホニルハライドまたはジ−C1−6アルキルホスホニルクロライドで、塩基の存在下、非プロトン性溶媒中で処理し;ついで、[2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]アミンまたはその塩と反応させることを含む方法に関する。
また、本発明は、[2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]アミンの製造方法であって:i)α−ハロケトンをアルコールで、塩基の存在下で処理し、ついで、ピロリジンと反応させること;ii)工程i)の生成物をAr−CH(R)NH(式中、RはC1−4アルキルであり、Arは置換されていてもよいフェニルである)で処理し、ついで、ボロヒドリドナトリウム誘導体で還元すること;およびiii)工程ii)の生成物を水素およびパラジウム触媒で還元することを含む方法に関する。
また、本発明は、新規化合物2−ピロリジニル−2−メチルプロピオフェノンまたはその塩もしくは溶媒和物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安価な活性化剤を用いて、高収率かつ高純度で生成物を得る、カルボン酸およびアミンからのアミド形成の一段階プロシージャを提供する。
【背景技術】
【0002】
本発明で用いられ得る一の化合物は、2−(メチルオキシ)−N−[2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]−4,6−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミド:
【化1】

である。
【0003】
2−(メチルオキシ)−N−[2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]−4,6−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミドおよびその塩酸塩は、WO2006067423に、グリシン輸送阻害剤であり、神経疾患および精神神経疾患、特に精神病、痴呆または注意力欠如障害の治療用の医薬の製造において有用であるとして開示されている。WO2006067423は、2,4−ジトリフルオロメチル−6−メトキシ−安息香酸およびキラル[2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]アミンを、適当な溶媒、例えばDMF中で反応させることによるこの化合物の調製法を開示している。しかしながら、活性化剤としてのTBTU(2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート)の使用は、爆発の可能性のある生成物が生じ、特殊な処理を必要とする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
かくして、第一の態様において、本発明は、2−(メチルオキシ)−N−[2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]−4,6−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミドの製造方法であって:
工程(i):2,4−ジトリフルオロメチル−6−メトキシ−安息香酸を、式(III):
【化2】

[式中、Rは、C1−6アルキルスルホニル、アリールスルホニルおよびジC1−6アルキルホスフェートジエステルからなる群から選択され;Xは塩素または臭素である]
で示される化合物で、塩基の存在下、非プロトン性溶媒中で処理すること;ついで
工程(ii):[2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]アミンまたはその塩と反応させることを含む方法を提供する。
【0005】
本明細書で用いられる場合、「C1−6アルキル」なる語は、1〜6個の炭素原子を含む直鎖または分枝鎖アルキル基のすべての異性体を意味する。例えば、限定するものではないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチルおよびヘキシルが挙げられる。「C1−4アルキル」なる語は、1〜4個の炭素原子を含む直鎖または分枝鎖アルキル基のすべての異性体を意味する。例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、およびtert−ブチルが挙げられる。
【0006】
本明細書で用いられる場合、「アリール」なる語は、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、C1−4アルコキシC1−4アルキル、およびCONR(ここに、RおよびRは、各々独立して、HおよびC1−4アルキルから選択されるか、またはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、4〜7員環を形成する)から選択される、1、2または3個の基により置換されていてもよい、フェニルまたはナフチル基を意味する。
【0007】
本明細書で用いられる場合、「アルコキシ」なる語は、−O−アルキル基(ここに、アルキルは上記と同意義である)を意味する。
本明細書で用いられる場合、「ハロゲン」およびその省略系「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を意味する。
【0008】
本明細書で用いられる場合、「ハロC1−4アルキル」なる語は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素原子から選択される1個またはこれらの原子を入り混ぜて1個以上の原子により置換されている上記と同意義のC1−4アルキル基を意味する。ハロアルキル基は、例えば1、2または3個のハロゲン原子を含有する。例えば、ハロアルキル基は、すべての水素原子がハロゲン原子で置き換えられていてもよい。ハロアルキル基の例としては、限定するものではないが、フルオロメチル、ジフルオロメチルおよびトリフルオロメチルが挙げられる。
【0009】
本明細書で用いられる場合、「C3−6シクロアルキル」なる語は、3〜6個の炭素原子の飽和単環式炭素環を意味する。かかる基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシル等が挙げられる。
「C5−10アリール」なる語は、本明細書で用いられる場合、5〜10個の炭素原子を含有するモノ−または単環式または二環式芳香環基を意味する。
【0010】
本明細書で用いられる場合、「カルボサイクリック環」なる語は、シクロアルキルまたはヘテロサイクリック環を意味する。
本明細書で用いられる場合、「ヘテロサイクリック環」なる語は、飽和または部分的に不飽和の、1個の窒素原子を含有する、単環式環を意味する。かかる単環の例としては、アゼタジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、アパピニル等が挙げられる。
【0011】
式(III)で示される化合物は、市販の化合物であってもよく(供給業者としては、Sigma−Aldrich,Alfa Aesar,TCI Organic Chemicals,Kessler Chemical,Inc.,Acros Organicsが挙げられる)、または公開されている合成経路により合成してもよく(例えば、Zeitschrift fur Naturforschung、B:Chemical Sciences,42(12),1591−4;1987)、または標準的な化学合成により合成してもよい。
【0012】
一の具体例において、Rはアリールスルホニル基である。
一の具体例において、Rは、メシル、トシルおよびジエチルホスフェートジエステルからなる群から選択される。
一の具体例において、Rはn−プロピルスルホニルである。
一の具体例において、Xは塩素である。
【0013】
一の具体例において、式(III)で示される化合物は、塩化メシル、塩化トシルまたはジエチルクロロホスフェートである。
一の具体例において、式(III)で示される化合物はn−プロピルスルホニルクロライドである。
【0014】
一の具体例において、プロセスの工程(i)における塩基は、第3級アミンである。さらなる具体例において、プロセスの工程(i)における塩基は、トリエチルアミンである。
一の具体例において、プロセスの工程(i)における非プロトン性溶媒は、アセトニトリル、塩化メチレンおよび酢酸エチルからなる群から選択される。一の具体例において、プロセスの工程(i)における溶媒は、アセトニトリルである。一の具体例において、プロセスの工程(i)における溶媒は、酢酸エチルである。
【0015】
2−(メチルオキシ)−N−[2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]−4,6−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミドはキラル分子である。(+)型および(−)型は、立体特異的合成および/または最終生成物の分割により調製することができる。
【0016】
一の具体例において、工程(ii)において、(R)−(+)−[2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]アミンまたはその塩が用いられ、最終生成物は(R)−2−(メチルオキシ)−N−[2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]−4,6−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミドである。
【0017】
一の具体例において、本プロセスにより、(R)−2−(メチルオキシ)−N−[2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]−4,6−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミドが、少なくとも90%のエナンチオマー過剰率で得られる。一の具体例において、本プロセスにより、(R)−2−(メチルオキシ)−N−[2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]−4,6−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミドが、少なくとも95%のエナンチオマー過剰率で得られる。一の具体例において、本プロセスにより、(R)−2−(メチルオキシ)−N−[2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]−4,6−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミドが、少なくとも99%のエナンチオマー過剰率で得られる。
【0018】
さらなる具体例において、本発明は、(R)−2−(メチルオキシ)−N−[2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]−4,6−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミドの製造方法であって:
工程(i):2,4−ジトリフルオロメチル−6−メトキシ−安息香酸を、式(III):
【化3】

[式中、Rは、C1−6アルキルスルホニル、アリールスルホニルおよびジC1−6アルキルホスフェートジエステルからなる群から選択され;Xは塩素または臭素である]
で示される化合物で、塩基の存在下、非プロトン性溶媒中で処理すること;ついで
工程(ii):(R)−(+)−[2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]アミンまたはその塩と反応させること;
を含む方法を提供する。
【0019】
一の具体例において、本発明は、(R)−2−(メチルオキシ)−N−[2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]−4,6−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミドの製造方法であって:
工程(i):2,4−ジトリフルオロメチル−6−メトキシ−安息香酸を、塩化メシル、塩化トシルおよびジエチルクロロホスフェートからなる群から選択される化合物で、塩基の存在下、非プロトン性溶媒中で処理すること;ついで
工程(ii):(R)−(+)−[2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]アミンまたはその塩と反応させること;
を含む方法を提供する。
【0020】
一の具体例において、本プロセスの工程(i)における塩基は、第3級アミンである。さらなる具体例において、本プロセスの工程(i)における塩基は、トリエチルアミンである。
一の具体例において、本プロセスの工程(i)における非プロトン性溶媒は、アセトニトリル、塩化メチレンおよび酢酸エチルからなる群から選択される。さらなる具体例において、本プロセスの工程(i)における溶媒はアセトニトリルである。
【0021】
一の具体例において、本発明は、(R)−2−(メチルオキシ)−N−[2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]−4,6−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミドで示される化合物の製造方法であって:
工程(i):2,4−ジトリフルオロメチル−6−メトキシ−安息香酸をn−プロピルスルホニルクロライドで、塩基の存在下、非プロトン性溶媒中で処理すること;ついで
工程(ii):(R)−(+)−[2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]アミンまたはその塩と反応させること;
を含む方法を提供する。
【0022】
一の具体例において、本プロセスの工程(i)における塩基は、第3級アミンである。さらなる具体例において、本プロセスの工程(i)における塩基は、トリエチルアミンである。
一の具体例において、本プロセスの工程(i)における非プロトン性溶媒は、アセトニトリル、塩化メチレンおよび酢酸エチルからなる群から選択される。さらなる具体例において、本プロセスの工程(i)における溶媒は酢酸エチルである。
【0023】
一の具体例において、本発明は、(R)−2−(メチルオキシ)−N−[2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]−4,6−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミドの製造方法であって:
工程(i):2,4−ジトリフルオロメチル−6−メトキシ−安息香酸をn−プロピルスルホニルクロライドで、トリエチルアミンおよび酢酸エチルの存在下で処理すること;ついで
工程(ii):(R)−(+)−[2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]アミンまたはその塩と反応させること;
を含む方法を提供する。
【0024】
WO2006067423は、下記スキーム:
【化4】


に示される、2,4−ジトリフルオロメチル−6−メトキシ−安息香酸およびキラル[2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]アミンの反応による、2−(メチルオキシ)−N−[2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]−4,6−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミドの調製法を開示している。
【0025】
WO2006067423に開示されているキラルジアミン中間体[2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]アミンの形成は、出発物質として2−メチル−2−(1−ピロリジニル)プロパンニトリルの使用を含み、これはそれ自体、ピロリジンから、シアン化カリウムおよびフェニルリチウムを用いて下記のように調製される。
【化5】

【0026】
本発明はまた、シアニドまたはフェニルリチウムの使用を含まない、キラル1,2−ジアミンの新規で有利な方法を提供する。
【0027】
かくして、第二の態様において、本発明はまた、式(I):
【化6】

[式中:
およびRは、水素および、1つまたはそれ以上のYにより置換されていてもよいC1−4アルキルから独立して選択されるか;またはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、Y’基により置換されていてもよい飽和または部分的に不飽和の4−、5−、6−または7−員の炭素環を形成し;
Yは、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロC1−4アルコキシおよびC3−5シクロアルキルからなる群から選択され;
Y’は、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、ハロC1−4アルコキシ、C3−5シクロアルキルおよびC5−10アリールからなる群から選択されるか、またはY’は、4−、5−、6−、または7−員の炭素環の2つの原子間の−CH−または−CH−CH−架橋を形成し;
およびRは、独立して、1つまたはそれ以上のXにより置換されていてもよいC1−4アルキルであるか;またはRおよびRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、1つまたはそれ以上のX’により置換されていてもよい飽和5−または6−員の炭素環を形成し、RおよびRがそれらが結合している炭素原子と一緒になって5員の飽和炭素環を形成する場合、この環は、さらにO、NおよびS(O)(ここに、m=0、1または2)から選択されるさらなるヘテロ原子を含んでいてもよく;
Xは、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、ハロC1−4アルコキシおよびC5−10アリールからなる群から選択され;
X’は、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、ハロC1−4アルコキシおよびC5−10アリールからなる群から選択され;
ただし、R、R、RおよびRは、すべて同時に非置換メチルではない]
で示される化合物の製造方法であって、式(II):
【化7】

[式中、R、R、RおよびRは、式(I)と同意義であり、RはC1−4アルキルであり、Arは、置換されていてもよいフェニルである]
で示される化合物を、水素およびパラジウム触媒を用いて還元することを含む方法を提供する。
【0028】
一の具体例において、反応は高温で行われる。
一の具体例において、反応は、アルコール性溶媒中で行われる。一の具体例において、溶媒はエタノールまたはメタノールである。一の具体例において、溶媒はメタノールである。一の具体例において、反応は酢酸エチルで行われる。
【0029】
一の具体例において、反応時間を早くするために、反応は、有機酸または硫酸の存在下で行われる。一の具体例において、酸は硫酸である。一の具体例において、酸は、有機酸、例えば酢酸またはギ酸である。
【0030】
一の具体例において、パラジウム触媒は、10%炭素担持パラジウム(10%Pd/C)である。
【0031】
一の具体例において、反応は、式(II)を水素ガスおよび10%炭素担持パラジウム(10%Pd/C)で、アルコール性溶媒中、有機酸または硫酸の存在下で処理することを含む。
一の具体例において、反応は、式(II)を、水素ガスおよび10%炭素担持パラジウム(10%Pd/C)で、メタノール中、硫酸の存在下で処理することを含む。
一の具体例において、ギ酸および10%炭素担持パラジウム(10%Pd/C)(CTH還元)で処理し、酸性条件下で加水分解することを含む。
【0032】
一の具体例において、RおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、飽和4−、5−、6−または7−員の炭素環を形成する。
一の具体例において、RおよびRは、独立して、C1−4アルキルである。一の具体例において、RおよびRは両方ともメチルである。
【0033】
式(II)において、Arは置換されていてもよいフェニルである。フェニル環上の置換基の数および種類は重要ではないが、非常に強い電子吸引基は、反応のエナンチオマー選択性に影響を与え得る。一の具体例において、Arは、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロ、ハロC1−4アルキル、ハロC1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、C3−6シクロアルキル、C1−4アルコキシC1−4アルキルおよびシアノからなる群から選択される1、2または3個の置換基により置換されていてもよいフェニルである。
【0034】
一の具体例において、Arは非置換フェニルである。
一の具体例において、Rはメチルである。
【0035】
一の具体例において、本プロセスは、R立体配置の式(I)で示される化合物を提供する。他の具体例において、本プロセスは、S立体配置の式(I)で示される化合物を提供する。
【0036】
一の具体例において、本プロセスにより、式(I)で示される化合物は、少なくとも90%のエナンチオマー過剰率で得られる。一の具体例において、本プロセスにより、式(I)で示される化合物は、少なくとも95%のエナンチオマー過剰率で得られる。一の具体例において、本プロセスにより、式(I)で示される化合物は、少なくとも99%のエナンチオマー過剰率で得られる。
【0037】
一の具体例において、本プロセスにより、式(Ia):
【化8】

[式中、R、R、RおよびRは、式(I)の記載と同意義である]
で示される化合物は、少なくとも90%のエナンチオマー過剰率で得られる。一の具体例において、本プロセスにより、式(Ia)で示される化合物は、少なくとも95%のエナンチオマー過剰率で得られる。一の具体例において、本プロセスにより、式(Ia)で示される化合物は、少なくとも99%のエナンチオマー過剰率で得られる。
【0038】
一の具体例において、本発明は、2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]アミンの製造方法であって:
式(IIa):
【化9】

[式中、RはC1−4アルキルであり、Arは置換されていてもよいフェニルである]
で示される化合物を、水素およびパラジウム触媒を用いて還元することを含む方法を提供する。
【0039】
一の具体例において、本プロセスにより、[(1R)−2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]アミンが得られる。一の具体例において、本プロセスにより、[(1S)−2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]アミンが得られる。
【0040】
一の具体例において、本発明は、2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]アミンの製造方法であって、N−[2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]−α−メチルベンジルアミンを水素およびパラジウム触媒を用いて還元することを含む方法を提供する。
【0041】
一の具体例において、本発明は、[(1R)−2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]アミンの製造方法であって、[(1R)−2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]−R−(+)−α−メチルベンジルアミンまたは[(1R)−2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]−S−(−)−α−メチルベンジルアミンを水素およびパラジウム触媒を用いて還元することを含む方法を提供する。
【0042】
[(1R)−2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]−R−(+)−α−メチルベンジルアミンおよび[(1R)−2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]−S−(−)−α−メチルベンジルアミンは、下記式で示される。
【化10】

【0043】
一の具体例において、本プロセスにより、[(1R)−2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]アミンが、少なくとも90%のエナンチオマー過剰率で得られる。一の具体例において、本プロセスにより、[(1R)−2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]アミンが、少なくとも95%のエナンチオマー過剰率で得られる。一の具体例において、本プロセスにより、[(1R)−2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]アミンが、少なくとも99%のエナンチオマー過剰率で得られる。
【0044】
他の態様において、本発明は、[(1R)−2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]−R−(+)−α−メチルベンジルアミンまたはその塩もしくは溶媒和物を提供する。
【化11】

【0045】
本発明はまた、上記した式(II)で示される化合物の製造方法であって:
(i)式(VIII):
【化12】

[式中、R、R、RおよびRは、式(I)の記載と同意義である]
で示される化合物を、式(IV):
【化13】

[式中、RはC1−4アルキルであり、Arは、1個またはそれ以上の基により置換されていてもよいフェニルである]
で示される化合物と反応させること;ついで
(ii)ボロヒドリドナトリウム誘導体で還元すること;
を含む方法を提供する。
【0046】
式(VIII)で示される化合物と式(IV)で示される化合物間の反応により、下記イミン中間体:
【化14】

が得られ、ついで、これを工程(ii)において式(II)で示される化合物に還元されると考えられる。
【0047】
一の具体例において、アルファ−アミノケトン(VIII)のキラルアミン(IV)での処理は、非プロトン性溶媒中、塩化チタン(IV)および第3級塩基の存在下で行われる。さらなる具体例において、非プロトン性溶媒はアセトニトリルまたは塩化メチレンである。さらなる具体例において、非プロトン性溶媒はアセトニトリルである。
【0048】
一の具体例において、アルファ−アミノケトン(VIII)のキラルアミン(IV)での処理は、高温で行われる。
【0049】
一の具体例において、アルファ−アミノケトン(VIII)のキラルアミン(IV)での処理は、トルエン中、強酸触媒の存在下で行われ、水は、反応混合物から蒸留により除去される。別の具体例において、アルファ−アミノケトン(VIII)のキラルアミン(IV)での処理は、トルエン中、乾燥剤の存在下で行われる。
【0050】
一の具体例において、還元工程(ii)は、ボロヒドリドナトリウム誘導体、ボロヒドリドリチウムおよび水素化アルミニウムリチウムから選択される還元剤を用いて、C1−4アルコールから選択される溶媒中で行われる。さらなる具体例において、還元剤は、ボロヒドリドナトリウム、トリアセトキシボロヒドリドナトリウム、シアノボロヒドリドナトリウム、ボロヒドリドリチウムおよび水素化アルミニウムリチウムから選択される。一の具体例において、還元剤は、トリアセトキシボロヒドリドナトリウムまたはシアノボロヒドリドナトリウムである。一の具体例において、還元剤はボロヒドリドナトリウムである。一の具体例において、溶媒はメタノールである。
【0051】
一の具体例において、RおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、飽和4−、5−、6−または7−員の炭素環を形成する。
一の具体例において、RおよびRは、独立して、C1−4アルキルである。一の具体例において、RおよびRは、両方ともメチルである。
【0052】
一の具体例において、Arはフェニルである。
一の具体例において、Rはメチルである。
【0053】
一の具体例において、式(IV)で示される化合物は、α−メチルベンジルアミンである。一の具体例において、式(IV)で示される化合物は、R−(+)−α−メチルベンジルアミンである。一の具体例において、式(IV)で示される化合物は、S−(−)−α−メチルベンジルアミンである。
【0054】
一の具体例において、本発明は、上記した式(IIa)で示される化合物の製造方法であって:
(i)2−ピロリジニル−2−メチルプロピオフェノン:
【化15】

を、式(IV):
【化16】

[式中、RはC1−4アルキルであり、Arは置換されていてもよいフェニルである]
で示される化合物と反応させること;ついで
(ii)ボロヒドリドナトリウム誘導体で還元すること;
を含む方法を提供する。
【0055】
一の具体例において、式(IV)で示される化合物は、R−(+)−α−メチルベンジルアミンであり、得られた式(II)で示される化合物は、[(1R)−2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]−R−(+)−α−メチルベンジルアミン]である。
【化17】

【0056】
一の具体例において、本発明はまた、[(1R)−2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]R−(+)−α−メチルベンジルアミンの製造方法であって、2−ピロリジニル−2−メチルプロピオフェノンをR−(+)−α−メチルベンジルアミンと反応させ、ついで、ボロヒドリドナトリウム誘導体で還元する方法を提供する。
【0057】
さらなる態様において、本発明は、式(VIII)で示される化合物の製造方法であって、式(V):
【化18】

[式中、RおよびRは、式(I)の記載と同意義であり、Lは脱離基である]
で示される化合物を、式(VI):
−OH
(VI)
[式中、RはC1−4アルキルである]
で示される化合物と、塩基の存在下で反応させ、ついで、式(VII):
NHR
(VII)
[式中、RおよびRは式(I)の記載と同意義である]
で示される化合物で還元することを含む方法を提供する。
【0058】
一の具体例において、式(V)において、RおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、飽和4−、5−、6−または7−員の炭素環を形成する。一の具体例において、RおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ピロリジンを形成する。
【0059】
一の具体例において、式(V)において、RおよびRは、独立して、C1−4アルキルである。一の具体例において、RおよびRは、両方ともメチルである。
【0060】
一の具体例において、Lはハロゲンである。一の具体例において、Lは臭素である。
一の具体例において、式(VI)で示される化合物は、エタノールまたはメタノールである。一の具体例において、式(VI)で示される化合物はメタノールである。
【0061】
一の具体例において、塩基は、炭酸塩、炭酸水素塩、無機アミド、ヒドリドまたは無機アルコキシドからなる群から選択される。一の具体例において、塩基は、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、水素化ナトリウム、NaOR(ここに、RはC1−4アルキルである)または水素化ナトリウムから選択される。一の具体例において、塩基は炭酸カリウムである。
【0062】
式(V)で示される化合物の式(VI)で示される化合物での処理により、エポキシ化合物が得られると考えられる。
【化19】

【0063】
一の具体例において、本発明は、2−ピロリジニル−2−メチルプロピオフェノンの製造方法であって、式(Va):
【化20】

[式中、Lは脱離基である]
で示される化合物を、式(VI):
−OH
(VI)
[式中、RはC1−4アルキルである]
で示される化合物で、塩基の存在下で処理し、ついで、ピロリジンと反応させることを含む方法を提供する。
【0064】
一の具体例において、本発明は、2−ピロリジニル−2−メチルプロピオフェノンの製造方法であって、2−ブロモイソブチロフェノンをエタノールまたはメタノールで、塩基の存在下で処理し、ついで、ピロリジンと反応させることを含む方法を提供する。
【0065】
一の具体例において、本発明は、2−ピロリジニル−2−メチルプロピオフェノンの製造法であって、2−ブロモイソブチロフェノンをメタノールで、塩基の存在下で処理し、ついで、ピロリジンと反応させることを含む方法を提供する。
【0066】
一の具体例において、本発明は、2−ピロリジニル−2−メチルプロピオフェノンの製造方法であって、2−ブロモイソブチロフェノンをエタノールまたはメタノールで、炭酸カリウムの存在下で処理し、ついで、ピロリジンと反応させることを含む方法を提供する。
【0067】
一の具体例において、本発明は、2−ピロリジニル−2−メチルプロピオフェノンの製造方法であって、2−ブロモイソブチロフェノンをメタノールで、炭酸カリウムの存在下で処理し、ついで、ピロリジンと反応させることを含む方法を提供する。
【0068】
一の具体例において、本発明は、2−(メチルオキシ)−N−[2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]−4,6−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミドの製造方法であって:
i)式(Va):
【化21】

[式中、Lは脱離基である]
で示される化合物を、式(VI):
−OH
(VI)
[式中、RはC1−4アルキルである]
で示される化合物で、塩基の存在下で処理し、ついで、ピロリジンと反応させることにより2−ピロリジニル−2−メチルプロピオフェノンを形成すること;
ii)2−ピロリジニル−2−メチルプロピオフェノンを、式(IV):
【化22】

[式中、RはC1−4アルキルであり、Arは置換されていてもよいフェニルである]
で示される化合物と反応させ;ついで、ボロヒドリドナトリウム誘導体で還元すること;
iii)工程ii)の生成物を、水素およびパラジウム触媒を用いて還元すること;および
iv)工程iii)の生成物またはその塩を、[2−(メチルオキシ)−4,6−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニルC1−6アルキルスルホン、[2−(メチルオキシ)−4,6−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニルアリールスルホンおよびジC1−6アルキル[2−(メチルオキシ)−4,6−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニルホスフェートからなる群から選択される化合物と反応させること;
を含む方法を提供する。
【0069】
一の具体例において、本発明は、2−(メチルオキシ)−N−[2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]−4,6−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミドで示される化合物の製造方法であって:
i)2−ブロモイソブチロフェノンをメタノールで、炭酸カリウムの存在下で処理し、ついで、ピロリジンと反応させることにより2−ピロリジニル−2−メチルプロピオフェノンを形成すること;
ii)2−ピロリジニル−2−メチルプロピオフェノンをR−(+)−α−メチルベンジルアミンと反応させ;ついで、ボロヒドリドナトリウムで還元すること;
iii)工程ii)の生成物を、水素およびパラジウム触媒を用いて還元すること;および
iv)工程iii)の生成物またはその塩を[2−(メチルオキシ)−4,6−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]カルボニルプロピルスルホンと反応させることを;
を含む方法を提供する。
【0070】
第3の態様において、本発明は、2−ピロリジニル−2−メチルプロピオフェノンまたはその塩もしくは溶媒和物を提供する。
【化23】

【0071】
本発明を、以下の非限定的実施例によりさらに説明する。
【0072】
略語
【表1】

【実施例】
【0073】
実施例1:2−ピロリジニル−2−メチルプロピオフェノンの合成:
【化24】

メタノール中:
2−ブロモイソブチロフェノン(0.1mol、22.7g)およびKCO99%(46g、3.3当量)のメタノール(HPLCグレード、50mL)中溶液を、室温にて3時間、窒素雰囲気下で撹拌した。H−NMRスペクトルにより反応の完了を確認した後、反応混合物を濾過し、固体をMTBE(100ml)で洗浄した。有機層を約50mlに濃縮し、ついで、ピロリジン99.5%(15mL)をスラリーに加え、75〜85℃で18時間加熱した。反応混合物を蒸発させて約30mlに減少させ、ついで、EtOAc(25ml)を加え、有機溶液を4NのHCl溶液(2×25ml)で抽出した。合した水層を15%NaOH溶液(約35ml)で塩基性化し、EtOAc(50ml)で抽出した。水溶液を再びEtOAc(2×25ml)で抽出し、合した有機溶液を蒸発させて、所望の化合物(17.27g)(アッセイ95%a/a、約80%の収率)を得た。
【0074】
エタノール中:
2−ブロモイソブチロフェノン(0.015mol、3.37g、2.5mL)およびKCO99%(6g、1.8当量)のエタノール(9ml、2.7当量/vol)中溶液を、室温にて20時間、窒素雰囲気下で撹拌した。ピロリジン99.5%(3.5ml、1当量/vol)をスラリーに加え、70℃で24時間加熱した。溶液を、EtOAc(20mL)で希釈し、濾過した。残渣をEtOAc(20ml)で洗浄し、合した有機層を水(20mL)で洗浄し、2NのHCl(5mL×2)で抽出した。酸性溶液を、EtOAc(20mL)で洗浄し、ついで、EtOAc(20mL)を、ついで、飽和KCO溶液(20ml)を加えた。EtOAc層を分離し、水層をEtOAc(20ml)で再び抽出した。合した有機溶液を水(2×20mL)で洗浄し、濃縮して、所望の生成物(2.62g、81%収率)を得た。
【0075】
実施例2:[(1R)−2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]−R−(+)−α−メチルベンジルアミン]の合成
【化25】

方法1:
フラスコに、(±)−2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロパン−1−オン(3.9g、18mmol、1wt)、トリエチルアミン99.5%(10ml、2.5vol)およびR−(+)−α−メチルベンジルアミン(2.8ml、0.7vol)のアセトニトリル(35ml、9vol)中溶液を、窒素雰囲気下で加えた。溶液を10℃(氷水浴)に保持し、ジクロロメタン中1M塩化チタン(IV)(14.3ml、3.7vol)を15分で、強く撹拌しながら滴下した。得られたスラリーを室温にて2.5時間保持した(ミニ処理後のHPLC:反応試料をメタノールで希釈し、ボロヒドリドナトリウムを加え、2N塩酸でクエンチした;RTRP4.28、RTSP2.49;8分方法;95%a/a)。混合物を0℃に冷却し、ボロヒドリドナトリウム(1.40g、0.36wt)を滴下し、ついで、メタノール(8mL)を滴下した。反応物をゆっくりと2時間で室温にし、一晩撹拌した(LCMS、RTSP4.3、RTSP、分解なし;MHSP321、MHRP323)。スラリーを水(4ml、1vol)でクエンチし、濾過し、フィルターをEtOAc(8ml、2vol×2)で洗浄した。溶媒を約10volまで蒸発させた。溶液をEtOAc(20ml)で希釈し、2NのHCl(20ml)で抽出し、分離した。EtOAcを再び2NのHCl(8ml)で抽出し、ついで、合した水層を6NのNaOHでpH12にし、EtOAc(8ml×3)で抽出した。溶媒を蒸発させて、標題化合物を黄暗色油として得た(5.4g、100%収率、94%a/a)。
【0076】
方法2:
フラスコに、(±)−2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロパン−1−オン(1g、4.6mmol、1wt)、トリエチルアミン99.5%(2.5ml、2.5vol)およびR−(+)−α−メチルベンジルアミン(0.7ml、0.7vol)のアセトニトリル(8ml、9vol)中溶液を、窒素雰囲気下15−20℃で加えた。1M塩化チタン(IV)のジクロロメタン(4.6ml、1当量)中溶液を、15分にわたって、10℃(氷水浴)で、強く撹拌しながら加えた。漏斗をアセトニトリル(2ml)で洗浄した。得られたスラリーを室温にて1.5時間保持した。ボロヒドリドナトリウム(350mg、0.36wt)を加え、ついで、メタノール(4mL)を滴下した(20分)。反応物を20℃で2時間撹拌した。反応が完了していなかったので、メタノール(2ml)を加え、反応物を再び1時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させて5volにし、EtOAc(10mL)を加えた。懸濁液をSterimatで濾過し、固体をEtOAc(5mL)で洗浄した。EtOAc層を2NのHCl溶液(10ml×2)で抽出し、合した水溶液をEtOAc(10mL)で洗浄した。EtOAc(10mL)を加え、合した水層を固体KOHでpH12にした。EtOAcを分離し、水相をEtOAc(10mL)で抽出した。有機相を合し、水(2×10mL)で洗浄し、蒸発させて、所望の化合物(1.45g、97%)を得た。
【0077】
実施例3:[(1R)−2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]アミンの合成
【化26】

方法1(HSO、単一工程):
試験管に、[(1R)−2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]−R−(+)−α−メチルベンジルアミン](1.62g、1wt)を、メタノール(HPLCグレード、3ml、2vol)中10%濃硫酸溶液に溶解した溶液を加えた。溶液に、10%パラジウム/炭素(150mg、10%wt;Strem Chemicals、50%湿)を加え、1時間3atmの水素下60℃においた。混合物を室温にし、セライト(登録商標)で濾過した。フィルターをメタノール(4mL×2、5vol)で洗浄し、5容量に蒸発させた。淡黄色溶液を、1NのHCl(6ml、4vol)に加え、EtOAc(6ml、4vol)で抽出し、分離した。有機相を2NのHCl(2vol)で抽出し、合した水層を6NのNaOH(4ml、3vol)でpH12〜13に塩基性化した。得られた乳濁液を、室温にて10℃で1時間撹拌した後白色固体を得た。固体を水(1vol)で洗浄した。濾過した後、オーブン中30℃で一晩乾燥した。標題化合物を白色固体として回収した(890mg、76%)。
【0078】
方法2(CHCOOH、二工程):
試験管に、[(1R)−2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]−R−(+)−α−メチルベンジルアミン](1.0g、1wt)を、氷酢酸(2ml、2vol)およびメタノール(2ml、2vol)に溶解した溶液を加えた。10%パラジウム/炭素(100mg、0.1wt;Strem Chemicals、50%湿wet)を溶液に加え、5atmの水素下で2時間置いた。反応はゆっくりであったので、水素化を5atmの水素下50℃で12時間続けた(反応は、一晩の間、常に室温で止めた)。混合物を室温にし、セライト(登録商標)で濾過した。フィルターをメタノール(10ml、10vol)で洗浄し、2容量まで蒸発させた。淡黄色溶液を4NのHCl(2ml、2vol)で希釈し、100℃で6時間加熱した。混合物を室温にし、水(8mL)を加え、EtOAc(4vol×2)で抽出した。水層を、15%NaOH(約5ml、5vol)で塩基性化し、30℃で1時間置いた。得られた固体を濾過し、水(2ml)で洗浄し、乾燥して、所望の化合物(460mg、68%)を得た。
【0079】
方法3(CTH、二工程):
[(1R)−2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]−R−(+)−α−メチルベンジルアミン](1.45g、1wt)を、ギ酸(5ml、3.4vol)およびEtOAc(0.5mL)中に溶解した。10%パラジウム/炭素(300mg、10%wt;Strem Chemicals、50%湿)を加え、懸濁液を100℃に加えた。2時間撹拌した後、反応は完了し、ホルミル誘導体が得られた。懸濁液を40−50℃に冷却し、Sterimatで濾過した。Pd/CをEtOAc(5mL×2)で洗浄した。溶媒を3〜4総容量にまで蒸発させ、4NのHCl水溶液(10mL)を加えた。反応物を100℃で3時間、ついで、室温にて撹拌した。水層をEtOAc(10mL×2)で洗浄した。EtOH(2mL)を加え、溶液を10℃に冷却し、ついで、NaOH30%を加えてpH12〜13にした。固体が得られ、1時間後に濾過し、冷水(5ml×2)で洗浄した。固体を14時間減圧下25℃で乾燥して、所望の化合物(710mg、71%)を得た。
【0080】
実施例4:2−(メチルオキシ)−N−[2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]−4,6−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミド
実施例4.1−メシルクロライド方法
2,4−ジトリフルオロメチル−6−メトキシ−安息香酸(150mg、0.55mmol)を、AcCN(1.5ml、10vol)中に懸濁させ、TEA(0.1ml、1.4当量)を加え、混合物を0℃に冷却した。メシルクロライド(0.054ml、0.7mmol)を加え、混合物を30分間撹拌した。[2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]アミン(100mg、0.5mmol)を加え、15分間撹拌した後、TEA(0.1ml、1.4当量)を加え、得られた懸濁液を10分間撹拌した。メタノール(0.2ml)を加え、30分間撹拌した後、溶媒を一部蒸発させ、得られた懸濁液をEtOAc(2ml)で希釈し、水、1%重炭酸ナトリウム、水で洗浄し、蒸発させて、所望の2−(メチルオキシ)−N−[2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]−4,6−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミドを得た(200mg、約80%収率)。
【0081】
実施例4.2−トシルクロライド方法
2,4−ジトリフルオロメチル−6−メトキシ−安息香酸(300mg、1.1mmol)を、AcCN(3ml、10vol)中に懸濁させ、TEA(0.2ml、1.4当量)を加え、混合物を0℃に冷却した。トシルクロライド(200mg、0.7mmol)を加え、混合物を30分間撹拌し、ついで、[2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]アミン(200mg、1mmol)を加えた。15分間撹拌した後、TEA(0.2ml、1.4当量)を加え、得られた懸濁液を30分間0℃で撹拌した。溶媒を一部蒸発させ、得られた懸濁液をEtOAc(5ml)で希釈し、水(5ml)、1MのNaOHの水溶液(2×5ml)、水(5ml)で洗浄し、蒸発させて、所望の2−(メチルオキシ)−N−[2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]−4,6−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミドを得た(500mg、90%a/a純度、約70%収率)。
【0082】
実施例4.3−ジエチルクロロホスフェート方法
2,4−ジトリフルオロメチル−6−メトキシ−安息香酸(1.58g、5.5mmol)を、AcCN(15ml、10vol)中に懸濁させ、TEA(1.4ml、10mmol)を加え、混合物を0℃に冷却した。ジエチルクロロホスフェート(0.8ml、5.5mmol)を5分間にわたって加え、混合物を30分間1時間にわたって加えた。別のフラスコにおいて、[2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]アミン(1.92gr、5mmol)のキラル塩を、CHCl(20ml、10vol)中に溶解し、1MのNaOHで処理し、有機相を分離し、水をCHCl(10ml)で抽出した。合した有機層を約10ml総容量に蒸発させた。得られたCHCl溶液を、15分にわたって、−5℃に冷却した活性化酸溶液に加えた。
添加の終わりに、反応は完了し、10分後、溶媒を一部蒸発させて10mlにし、EtOAc(20ml)を加え、1MのNaOH(2×15ml)、水(2×15ml)で洗浄し、ついで、蒸発させて、所望の2−(メチルオキシ)−N−[2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]−4,6−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミド(2.33gr、94%収率)を得た。
【0083】
実施例4.4−アミン塩を用いるメシルクロライド方法
2,4−ジトリフルオロメチル−6−メトキシ−安息香酸(1.58g、5.5mmol)をAcCN(15ml、10vol)中に懸濁させ、TEA(0.83ml、約1.4当量)を加え、混合物を−10℃に冷却した。5分後、メシルクロライド(0.42ml)を加え、混合物を30分間撹拌した。CHCl(15ml)を加え、混合物を−15℃に冷却した。[2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]アミン(2gr、5.2mmol)のキラル塩、ついで、HCl(5ml)およびTEA(0.8ml)を加えた。反応混合物を−15℃で1時間撹拌し、ついで、水(2ml)を加え、反応混合物を一部蒸発させて約5volにした。
得られた懸濁液をEtOAc(20ml)で希釈し、1MのNaOH(2×20ml)、水(2×20ml)で洗浄し、蒸発させて、所望の2−(メチルオキシ)−N−[2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]−4,6−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミドを得た(2.4g、94%収率)。
【0084】
実施例4.5−アミン塩を用いるトシルクロライド方法
2,4−ジトリフルオロメチル−6−メトキシ−安息香酸(1.7g、6mmol)を、AcCN(17ml、10vol)中に懸濁させ、−10℃に冷却した。TEA(0.77ml、約5mmol)、ついで、トシルクロライド(1gr)を加えた。混合物を20分間撹拌し、ついで、TEA(1.6ml)、ついで、[2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]アミンのキラル塩(1.9gr、5mmol)およびCHCl(10ml)を加えた。反応温度を0℃にし、混合物をこの温度で30分間撹拌した。
溶媒を一部蒸発させ、得られた懸濁液をEtOAc(20ml)で希釈し、1MのNaOH(2×20ml)、水(2×20ml)で洗浄し、蒸発させて。所望の2−(メチルオキシ)−N−[2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]−4,6−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミド(2g、80%a/a純度、約70%収率)を得た。
【0085】
実施例4.6−アミン塩を用いるジエチルクロロホスフェート方法
2,4−ジトリフルオロメチル−6−メトキシ−安息香酸(1.58g、5.5mmol)をAcCN(15ml、10vol)中に懸濁させ、TEA((1.4ml、10mmol)を加え、混合物を0℃に冷却した。ジエチルクロロホスフェート(0.8ml、5.5mmol)を5分で加え、混合物を1時間30分間撹拌した。
混合物を−20℃に冷却し、CHCl(10ml)、ついで、[2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]アミン(1.92gr、5mmol)およびCHCl(5ml)のキラル塩を加えた。5分間撹拌した後、TEA(0.8ml)を加え、得られた懸濁液を−10℃で1時間30分撹拌した。
溶媒を一部蒸発させ(約10vol)、EtOAc(20ml)を加え、1MのNaOH(2×15ml)、水(2×15ml)で洗浄し、ついで、蒸発させて、所望の2−(メチルオキシ)−N−[2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]−4,6−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミドを得た(2.3gr、96%a/a純度、約90%収率)。
【0086】
実施例5:[(1R)−2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]アミンの合成
実施例5.1:2−ピロリジニル−2−メチルプロピオフェノンの合成:
【化27】

2−ブロモイソブチロフェノン(0.1mol、22.7g)およびKCO99%(46g、3.3当量)のメタノール(HPLCgrade、50ml)中溶液を室温にて3時間、窒素雰囲気下で撹拌した。H−NMRスペクトルが反応の完了を示した後、反応混合物を濾過し、固体をMTBE(100ml)で洗浄した。有機層を約50mlにまで濃縮し、ついで、ピロリジン99.5%(15mL)をスラリーに加え、75〜85℃で18時間加熱した。反応混合物を蒸発させて約30mlにまで減少させ、ついで、EtOAc(25ml)を加え、有機溶液を4NのHCl溶液(2×25ml)で抽出した。合した水相を、15%NaOH溶液(約35ml)で塩基性化し、EtOAc(50ml)で抽出した。水溶液を再びEtOAc(2×25ml)で抽出し、合した有機溶液を蒸発させて、所望の化合物を得た(17.27g)(アッセイ95%a/a、収率約80%)。
【0087】
実施例5.2:[(1R)−2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]−R−(+)−α−メチルベンジルアミン]の合成
【化28】

フラスコに、(±)−2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロパン−1−オン(3.9g、18mmol、1wt)、トリエチルアミン99.5%(10ml、2.5vol)およびR−(+)−α−メチルベンジルアミン(2.8ml、0.7vol)のアセトニトリル(35ml、9vol)中溶液を、窒素雰囲気下で加えた。溶液を、10℃(氷水浴)に保持し、1Mの塩化チタン(IV)のジクロロメタン(14.3ml、3.7vol)中溶液を、強く撹拌しながら、15分で滴下した。得られたスラリーを室温にて2.5時間保持した(ミニ処理後のHPLC:反応試料をメタノールで希釈し、ボロヒドリドナトリウムを加え、2Nの塩酸でクエンチした;RTRP4.28、RTSP2.49;8分方法;95%a/a)。混合物を0℃に冷却し、ボロヒドリドナトリウム(1.40g、0.36wt)を加え、ついで、メタノール(8mL)を滴下した。反応物をゆっくりと2時間にわたって室温にし、撹拌しながら一晩置いた(LCMS、RTSP4.3、RTSP、分解なし;MHSP321、MHRP323)。スラリーを水(4ml、1vol)でクエンチし、濾過し、フィルターをEtOAc(8ml、2vol×2)で洗浄した。溶媒を一部蒸発させて約10volにした。溶液をEtOAc(20ml)で希釈し、2NのHCl(20ml)で抽出し、分離した。EtOAcを再び2NのHCl(8ml)で抽出し、ついで、合した水層を6NのNaOHでpH12にし、EtOAc(8ml×3)で抽出した。溶媒を蒸発させて、標題化合物を黄暗色油として得た(5.4g、100%収率、94%a/a)。
【0088】
実施例5.3:[(1R)−2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]アミンの合成
【化29】

試験管に、[(1R)−2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]−R−(+)−α−メチルベンジルアミン](1.62g、1wt)を、メタノール(HPLCグレード、3ml、2vol)中10%濃硫酸溶液に溶解した溶液を加えた。溶液に、10%パラジウム/炭素(150mg、10%wt;Strem Chemicals、50%湿)を加え、3atmの水素下、60℃で1時間置いた。混合物を室温にし、セライト(登録商標)により濾過した。フィルターをメタノール(4mL×2、5vol)で洗浄し、5容量に蒸発させた。淡黄色溶液を1NのHCl(6ml、4vol)に加え、EtOAc(6ml、4vol)で抽出し、分離した。有機相を2NのHCl(2vol)で抽出し、合した水層を、6NのNaOH(4ml、3vol)でpH12−13に塩基性化した。得られた乳濁液を室温で撹拌し、ついで、10℃で1時間撹拌して白色固体を得た。固体を水(1vol)で洗浄した。濾過し、オーブン中30℃で一晩乾燥した。標題化合物を白色固体として回収した(890mg、76%)。
【0089】
実施例6:2−(メチルオキシ)−N−[2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]−4,6−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミド
(2R)−(メチルオキシ)(フェニル)エタン酸−[(1R)−2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]アミン(1:1)(3.05g)を、酢酸エチル(30ml)中に懸濁し、水酸化アンモニウム水溶液14%(15.25ml)を加えた。反応混合物を溶解するまで撹拌し、相を分離した。有機相を水(15ml.)で洗浄し、7.6mlまで濃縮し、キラル中間体[(1R)−2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]アミン遊離塩基の溶液を得た。
【0090】
2−(メチルオキシ)−4,6−ビス(トリフルオロメチル)安息香酸(2.51g)を、20℃で、酢酸エチル(23ml)に溶解し、トリエチルアミン(2.21ml)を加えた。反応混合物を0℃に冷却し、1−プロパンスルホニルクロライド(0.98ml)を、内部温度を5℃以下に保ちながら加えた。反応混合物を1時間0℃で撹拌した。[(1R)−2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]アミンの遊離塩基の溶液を、内部温度を10℃以下に保持しながら0℃で加えた。反応混合物を一晩室温にて撹拌した。反応混合物を水(15ml)でクエンチし、相を分離した。有機相を水酸化ナトリウム水溶液1M(2×15ml)で2回洗浄し、水(15ml)で洗浄した。有機相を減圧下で15mlにまで濃縮し、さらに酢酸エチル(15ml)を加えた。溶液を70℃に加熱し、コハク酸(0.842g)を加え、混合物を15分間この温度で撹拌した。シード(3mg)を加えた。混合物を70℃でさらに20分間撹拌し、ついで、20℃に冷却し、2時間撹拌した。懸濁液を濾過し、ケークを酢酸エチル(2×3ml)で2回洗浄し、固体を減圧オーブン中40℃で乾燥し、3.59gの最終生成物を得た(収率=74%)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2−(メチルオキシ)−N−[2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]−4,6−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミドの製造方法であって:
工程(i):2,4−ジトリフルオロメチル−6−メトキシ−安息香酸を式(III):
【化1】

[式中、Rは、C1−6アルキルスルホニル、アリールスルホニルおよびジC1−6アルキルホスフェートジエステルからなる群から選択され、Xは、塩素または臭素から選択される]
で示される化合物で、塩基および非プロトン性溶媒の存在下で処理すること;ついで
工程(ii):[2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]アミンまたはその塩と反応させること;
を含む方法。
【請求項2】
(R)−2−(メチルオキシ)−N−[2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]−4,6−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアミドの製造方法であって:
工程(i):2,4−ジトリフルオロメチル−6−メトキシ−安息香酸を、式(III):
【化2】

[式中:
は、C1−6アルキルスルホニル、アリールスルホニルおよびジC1−6アルキルホスフェートジエステルからなる群から選択され、Xは塩素または臭素である]
で示される化合物で、塩基および非プロトン性溶媒の存在下で処理すること;ついで
工程(ii):(R)−(+)−[2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]アミンまたはその塩と反応させること;
を含む方法。
【請求項3】
が、メシル、トシルおよびジエチルホスフェートジエステルからなる群から選択される請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
がn−プロピルスルホニルである、請求項1または2記載の方法。
【請求項5】
Xが塩素である、請求項1〜4いずれか一項記載の方法。
【請求項6】
工程(i)における塩基が第三級アミンである、請求項1〜5いずれか一項記載の方法。
【請求項7】
第三級アミンがトリエチルアミンである、請求項6記載の方法。
【請求項8】
工程(i)における非プロトン性溶媒が、アセトニトリル、塩化メチレンおよび酢酸エチルからなる群から選択される、請求項1〜7いずれか一項記載の方法。
【請求項9】
非プロトン性溶媒がアセトニトリルである、請求項8記載の方法。
【請求項10】
非プロトン性溶媒が酢酸エチルである、請求項8記載の方法。
【請求項11】
式(I):
【化3】

[式中:
およびRは、水素および、1つまたはそれ以上のYにより置換されていてもよいC1−4アルキルから独立して選択されるか;またはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、Y’基により置換されていてもよい飽和または部分的に不飽和の4−、5−、6−または7−員の炭素環を形成し;
Yは、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロC1−4アルコキシおよびC3−5シクロアルキルからなる群から選択され;
Y’は、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、ハロC1−4アルコキシ、C3−5シクロアルキルおよびC5−10アリールからなる群から選択されるか、またはY’は、4−、5−、6−、または7−員の炭素環の2つの原子間の−CH−または−CH−CH−架橋を形成し;
およびRは、独立して、1つまたはそれ以上のXにより置換されていてもよいC1−4アルキルであるか;またはRおよびRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、1つまたはそれ以上のX’により置換されていてもよい飽和5−または6−員の炭素環を形成し、RおよびRがそれらが結合している炭素原子と一緒になって5員の飽和炭素環を形成する場合、この環は、さらにO、NおよびS(O)(ここに、m=0、1または2)から選択されるさらなるヘテロ原子を含んでいてもよく;
Xは、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、ハロC1−4アルコキシおよびC5−10アリールからなる群から選択され;
X’は、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、ハロC1−4アルコキシおよびC5−10アリールからなる群から選択され;
ただし、R、R、RおよびRは、すべて同時に非置換メチルではない]
で示される化合物の製造方法であって、式(II):
【化4】

[式中、R、R、RおよびRは、式(I)と同意義であり、RはC1−4アルキルであり、Arは、置換されていてもよいフェニルである]
で示される化合物を、水素およびパラジウム触媒を用いて還元することを含む方法。
【請求項12】
2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]アミンの製造方法であって、式(IIa):
【化5】

[式中、RはC1−4アルキルであり、Arは置換されていてもよいフェニルである]
で示される化合物を、水素およびパラジウム触媒を用いて還元することを含む方法。
【請求項13】
反応が高温で行われる、請求項11または請求項12記載の方法。
【請求項14】
反応がアルコール性溶媒中で行われる、請求項11〜13いずれか一項記載の方法。
【請求項15】
反応が有機酸または硫酸の存在下で行われる、請求項11〜14いずれか一項記載の方法。
【請求項16】
[(1R)−2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]−R−(+)−α−メチルベンジルアミンまたはその塩もしくは溶媒和物:
【化6】


【請求項17】
請求項11に記載の式(II)で示される化合物の製造方法であって:
(i)式(VIII):
【化7】

[式中、R、R、RおよびRは、請求項11の式(I)の記載と同意義である]
で示される化合物を、式(IV):
【化8】

[式中、RはC1−4アルキルであり、Arは、1つまたはそれ以上の基により置換されていてもよいフェニルである]
で示される化合物と反応させること;ついで、
(ii)ボロヒドリドナトリウム誘導体で還元すること、
を含む方法。
【請求項18】
請求項12に記載の式(IIa)で示される化合物の製造方法であって:
(i)2−ピロリジニル−2−メチルプロピオフェノン:
【化9】

を式(IV):
【化10】

[式中、RはC1−4アルキルであり、Arは、置換されていてもよいフェニルである]
で示される化合物と反応させること;ついで
(ii)ボロヒドリドナトリウム誘導体で還元すること;
を含む方法。
【請求項19】
[(1R)−2−メチル−1−フェニル−2−(1−ピロリジニル)プロピル]R−(+)−α−メチルベンジルアミンの製造方法であって:
(i)2−ピロリジニル−2−メチルプロピオフェノンとR−(+)−α−メチルベンジルアミンを反応させること、ついで
(ii)ボロヒドリドナトリウム誘導体で還元すること;
を含む方法。
【請求項20】
工程(i)が、非プロトン性溶媒中塩化チタン(IV)および第3級塩基の存在下で行われる、請求項17〜19いずれか一項記載の方法。
【請求項21】
工程(i)が高温で行われる、請求項17〜20いずれか一項記載の方法。
【請求項22】
請求項17記載の式(VIII)で示される化合物の製造方法であって:
式(V):
【化11】

[式中、RおよびRは請求項11の式(I)の記載と同意義であり、Lは脱離基である]
で示される化合物を、式(VI):
−OH
(VI)
[式中、RはC1−4アルキルである]
で示される化合物で、塩基の存在下で処理し、ついで、式(VII):
NHR
(VII)
[式中、RおよびRは請求項11の式(I)の記載と同意義である]
で示される化合物と反応させることを含む方法。
【請求項23】
2−ピロリジニル−2−メチルプロピオフェノンの製造方法であって:
式(Va):
【化12】

[式中、Lは脱離基である]
で示される化合物を、式(VI):
−OH
(VI)
[式中、RはC1−4アルキルである]
で示される化合物で、塩基の存在下で処理し、ついで、ピロリジンと反応させることを含む方法。
【請求項24】
2−ピロリジニル−2−メチルプロピオフェノンまたはその塩もしくは溶媒和物:
【化13】



【公表番号】特表2010−530397(P2010−530397A)
【公表日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−512669(P2010−512669)
【出願日】平成20年6月18日(2008.6.18)
【国際出願番号】PCT/EP2008/057642
【国際公開番号】WO2008/155334
【国際公開日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(397009934)グラクソ グループ リミテッド (832)
【氏名又は名称原語表記】GLAXO GROUP LIMITED
【住所又は居所原語表記】Glaxo Wellcome House,Berkeley Avenue Greenford,Middlesex UB6 0NN,Great Britain
【Fターム(参考)】