説明

アミノシリコーン及び天然由来のカチオン性ポリマーを含むパーソナルケア組成物

本発明は、パーソナルケア組成物であって、
a.)約5重量%〜約50重量%のアニオン性界面活性剤系であって、該アニオン性界面活性剤系は、少なくとも1つのアニオン性界面活性剤を含み、エトキシレートレベル及びアニオンレベルを有し、
i)該エトキシレートレベルは約1.5〜約6であり、
ii)該アニオンレベルは約1.5〜約6である、アニオン性界面活性剤系と、
b.)水不溶性アミノシリコーンと、
c.)少なくとも約0.05重量%の天然由来のカチオン性ポリマー誘導体であって、該ポリマー誘導体は、約1,000〜約1,000万の分子量を有し、該ポリマー誘導体は、少なくとも約3.0meq/gのカチオン電荷密度を有する天然由来のカチオン性ポリマー誘導体と、並びに
d.)水性キャリアと、を含むパーソナルケア組成物を目的とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水不溶性のアミノシリコーン及び天然由来のカチオン性ポリマーを含有するパーソナルケア組成物に関し、これは、ヘアコンディショニング効果を提供する。
【背景技術】
【0002】
様々な組み合わせの洗浄性界面活性剤及びヘアコンディショニング剤を含有するパーソナルケア組成物が知られている。これらの組成物は、ヘアコンディショニング及び毛髪洗浄性能を、全て単一ヘアケア製品から、便利に得る手段として、消費者の間でより人気が高くなった。
【0003】
パーソナルケア組成物からの全般的なコンディショニング性能を改善する取り組みの1つは、シリコーンコンディショニング剤の使用を伴う。これらのコンディショナーは、コンディショニング剤を有さない組成物と比較して、改善されたヘアコンディショニング性能を提供し、特に、乾燥した状態の毛髪の柔軟性及び清浄な感触を改善する。しかし、これらのシリコーンコンディショナーは、シリコーン構成要素の毛髪への付着が最適ではなく、及び/又は乾燥毛髪の平滑度、毛髪ストランドの配列(例えば、縮れを最小限にする)、及び櫛通りの容易さのようなコンディショニング効果も最適ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
シリコーン剤の付着を向上するために、以前の製剤は、シリコーン剤と組み合わせてカチオン性ポリマーを包含した。しかし、消費者は、コンディショニング効果を提供する天然成分を含む製剤に対する要求を表明してきている。したがって、シリコーンコンディショニング剤と組み合わせて、付着助剤として天然源に由来するポリマーを組み込む製剤に対する必要性がある。
【0005】
加えて、パーソナルケア組成物へのコンディショニング剤の添加は、洗浄及び泡立て性能を妨げる可能性があり、重い髪又は不十分な皮脂除去をもたらす。同様に、多くの界面活性剤系は、付着ポリマーと組み合わせると、不十分なコアセルベート形成をもたらす。
【0006】
前述に基づいて、天然由来の付着助剤を使用して、シリコーン構成要素の付着及び/又はヘアコンディショニング効果が改善されたパーソナルケア組成物に対する必要性が存在する。同様に、天然の付着助剤と組み合わせるとき、十分な洗浄、コアセルベート形成、及び起泡性能を提供するパーソナルケア組成物に対する必要性も存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、パーソナルケア組成物であって、
a)約5重量%〜約50重量%のアニオン性界面活性剤系であって、該アニオン性界面活性剤系は、少なくとも1つのアニオン性界面活性剤を含み、エトキシレートレベル及びアニオンレベルを有し、
i)該エトキシレートレベルは約1.5〜約6であり、
ii)該アニオンレベルは約1.5〜約6である、アニオン性界面活性剤系と、
b)水不溶性アミノシリコーンと、
c)少なくとも約0.05重量%の天然由来のカチオン性ポリマー誘導体であって、該ポリマー誘導体は、約1,000〜約1,000万の分子量を有し、該ポリマー誘導体は、少なくとも約3.0meq/gのカチオン電荷密度を有する天然由来のカチオン性ポリマー誘導体と、並びに
d)水性キャリアと、を含む、パーソナルケア組成物を目的とする。
【0008】
本開示を読むことで、本発明のこれら及び他の特徴、態様、及び利点が、当業者に明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書は、本発明を特に指摘し、明確に請求する請求項により結論とするが、本発明は、以下の説明からよりよく理解されるであろうと考えられる。
特に指定しない限り、百分率、割合、及び比率は全て、本発明の組成物の総重量を基準としている。全てのこうした重量は、列記した成分に関する限り、活性レベルに基づくため、特に指定しない限り、市販物質に包含される可能性のある溶媒又は副産物を包含しない。用語「重量百分率」は、本明細書では「重量%」として表示される可能性がある。
【0010】
特に指定しない限り、本明細書で使用される分子量は全て、グラム/モルで表される重量平均分子量である。
【0011】
特に記載のない限り、全ての比率は重量比である。
【0012】
本明細書において、「μ」はミクロンを意味する。
【0013】
本明細書において、「cs」はセンチストークスを意味する。
【0014】
本明細書において、「分子量」は、重量平均分子量に関して測定され、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定される。
【0015】
本明細書において、「グラフト」は、末端基以外のいずれかの位置で骨格鎖に結合していることを意味する。
【0016】
本明細書において、「末端(terminal)」は、末端基で骨格鎖に結合していることを意味する。
【0017】
本明細書で使用されるとき、用語「水溶性」は、ポリマーが本組成物中の水に可溶性であることを意味する。一般にポリマーは、25℃において、水溶媒の少なくとも0.1重量%、好ましくは少なくとも1重量%、より好ましくは少なくとも5重量%、最も好ましくは少なくとも15重量%の濃度で可溶性であるべきである。
【0018】
本明細書で使用されるとき、用語「水不溶性」は、化合物が本組成物中の水に可溶性でないことを意味する。したがって、化合物は水と混和しない。
【0019】
本明細書に説明されている本発明の態様及び実施形態は多くの利点を有する。例えば、アミノシリコーン付着は、本明細書に記載された天然由来のカチオン性ポリマーの添加によって増強されるということが発見された。本発明の様々な実施形態は、例えば、乾燥毛髪の柔軟性、平滑度、毛髪ストランドの配列(即ち、縮れ毛の最小化)、乾燥時の櫛通りの容易さ、及び/又は一般的な状態の毛髪の感触が挙げられるヘアコンディショニング効果を改善する必要性に更に対処する。
【0020】
洗浄性界面活性剤
本発明のパーソナルケア組成物は、洗浄性界面活性剤を包含する。洗浄性界面活性剤は、組成物に洗浄性能を提供するために包含される。洗浄性界面活性剤は、アニオン性洗浄性界面活性剤、双極性又は両性界面活性剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてよい。こうした界面活性剤は、本明細書に記載される必須成分と物理的及び化学的に適合すべきであるか、又はさもなければ過度に製品の安定性、審美性、若しくは性能を損なうべきではない。
【0021】
パーソナルケア組成物での使用に好適なアニオン性洗浄性界面活性剤には、毛髪ケア又は他のパーソナルケア洗浄剤組成物での使用に既知のものが挙げられる。組成物中のアニオン性界面活性剤構成要素の濃度は、所望の洗浄及び起泡性能を提供するのに十分であるべきであり、一般に、組成物の約5%〜約50%、好ましくは約8%〜約30%、より好ましくは約10%〜約25%、更により好ましくは約12%〜約22%の範囲である。
【0022】
本組成物での使用に好ましいアニオン性洗浄性界面活性剤には、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエチルアミン、ラウレス硫酸トリエチルアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウレス硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウレス硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸ジエタノールアミン、ラウレス硫酸ジエタノールアミン、ラウリルモノグリセリド硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウレス硫酸カリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン、ココイルサルコシン、ココイル硫酸アンモニウム、ラウロイル硫酸アンモニウム、ココイル硫酸ナトリウム、ラウロイル硫酸ナトリウム、ココイル硫酸カリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ココイル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0023】
本明細書の組成物での使用に好適な両性又は双極性洗浄性界面活性剤には、毛髪ケア又は他のパーソナルケア洗浄での使用に既知のものが挙げられる。こうした両性の洗浄性界面活性剤の濃度は、約0.5%〜約20%、好ましくは約1%〜約10%の範囲である可能性がある。好適な双極性又は両性界面活性剤の非限定例は、米国特許第5,104,646号(ボリッチ(Bolich Jr.)ら)、及び同第5,106,609号(ボリッチ(Bolich Jr.)ら)に記載されている。
【0024】
コアセルベート形成、湿潤コンディショニング性能、乾燥コンディショニング性能、及び毛髪上へのコンディショニング成分の付着のようなパーソナルケア組成物の性能特性を考察する際に、ポリマー系の潜在性能を最大化するために、界面活性剤の濃度及び種類を最適化することが必要である。具体的には、コアセルベート形成は、コンディショニング剤の効率的な付着にとって必須であると考えられる。カチオン性ポリマーが、最適化された界面活性剤系で存在しない限り、コアセルベートが容易に形成されないことが見出された。全般的な製剤が原価目標を満たすことを許容する実際的なレベルの様々な界面活性剤を含むことは、最適化された界面活性剤系の実際的な適用にとっても必須である。したがって、本発明のパーソナルケア組成物に使用されるアニオン性界面活性剤系は、エトキシレートレベル及びアニオンレベルを有し、エトキシレートレベルは約1.5〜約6、アニオンレベルは約1.5〜約6である。本明細書の高電荷密度で天然由来のカチオン性ポリマーと、こうしたアニオン性界面活性剤系との組み合わせは、洗浄性能を低減することなく、コンディショニング剤の増強された付着を毛髪及び/又は皮膚に提供する。
【0025】
最適エトキシレートレベルは、所与の界面活性剤分子におけるエトキシレートモル数を最初に測定することで計算できる。界面活性剤分子のための分子量値及び化学構造の関連化学量論と共に、エトキシレート分子の総量又はエトキシレートのモルレベルは、このようにして計算できる。同様に、総アニオンレベルは、界面活性剤分子量についての値、及びアニオン化反応完全性の量についての値を所与として計算できる。所与の界面活性剤系中でのエトキシル化及びアニオン化についての値を測定するために、分析技術が開発されてきている。特定の界面活性剤系を表すエトキシレートレベル及びアニオンレベル(両方ともモルレベル)は、次の方法で個々の界面活性剤のエトキシル化百分率及びアニオン百分率から計算される:
【0026】
組成物のエトキシレートレベル=[エトキシル化%]×[活性エトキシル化界面活性剤の%](組成物の総重量に基づく)。
【0027】
組成物のアニオンレベル=[エトキシル化界面活性剤のアニオン%]×[活性エトキシル化界面活性剤の%](組成物の総重量に基づく)
+[非エトキシル化界面活性剤のアニオン%]×[活性非エトキシル化界面活性剤の%](組成物の総重量に基づく)。
【0028】
組成物がそれぞれ異なるアニオンを有する2つ以上の界面活性剤を含む場合(例えば、界面活性剤Aが硫酸基を有し、界面活性剤Bがスルホン酸基を有する)、組成物のアニオンレベルは上記のように計算した各アニオンのモルレベルの合計である。
【0029】
試料計算:
実施例1は、0.294321%のエトキシレート、及びアニオンとして0.188307%のサルフェートを含有するエトキシル化界面活性剤、並びにアニオンとして0.266845%のサルフェートを含有する非エトキシル化界面活性剤を示している。双方の界面活性剤とも29%活性である。
【0030】
実施例1のエトキシレートレベル=[0.294321]×[7](活性エトキシル化界面活性剤の%)。したがって実施例1の組成物中のエトキシレートレベルは、およそ2.06である。
【0031】
実施例1のアニオンレベル=[0.188307]×[7](活性エトキシル化界面活性剤の%)
+0.266845×[7](活性非エトキシル化界面活性剤の%)。したがって、実施例1の組成物のアニオンレベルは、およそ3.19である。
【0032】
アミノシリコーン
また本発明のパーソナルケア組成物は、水不溶性の不揮発性アミノシリコーンも含み、これは、1つ以上のポリアルキルシロキサン、1つ以上のポリアルキルアリールシロキサン、又はこれらの混合物であってよい。アミノシリコーンは、組成物の水性マトリックスに不溶性であり、そのため、分散した粒子として存在するアミノシリコーンと共に、乳化形態で存在する。
【0033】
好適なポリアルキルシロキサンには、CAFTAN表記ジメチコンを有し、それぞれ25℃において、約5E−6m2/秒(5cs)〜約1m2/秒(100万cs)、より好ましくは約0.005m2/秒(5,000cs)〜約0.5m2/秒(50万cs)、最も好ましくは約0.01m2/秒(1万cs)〜約0.3m2/秒(30万cs)の粘度を有するポリジメチルシロキサンが挙げられる。これらのシロキサンは、ゼネラル・エレクトリック・カンパニー(General Electric Company)からビスカシル(Viscasil)シリーズとして、及び、ダウ・コーニング(Dow Corning)からDC200シリーズとして、市販されている。好ましいアミノシロキサンには、GE Y−14945及びGE Y−14935が挙げられ、それぞれゼネラル・エレクトリック・カンパニー(General Electric Company)から市販されている。ダウ・コーニング社試験方法(Dow Corning Corporate Test Method)CTM004(1970年7月20日)で更に述べられるように、粘度はガラスキャピラリー粘度計によって測定できる。
【0034】
同様に好適であるのは、ポリジエチルシロキサンである。
【0035】
本発明の組成物において使用してもよいポリアルキルアリールシロキサンには、25℃において1.5E−5m2/秒〜6.5E−5m2/秒(15〜65センチストークス)の粘度を有するポリメチルフェニルポリシロキサンが挙げられる。シロキサンは、ゼネラル・エレクトリック・カンパニー(General Electric Company)からSF1075メチルフェニル流体として、又はダウ・コーニング(Dow Corning)から556コスメチック・グレード流体(Cosmetic Grade Fluid)として市販されている。
【0036】
同様に好適であるのは、米国特許第4,152,416号(スピッツァー(Spitzer))及びゼネラル・エレクトリック・シリコーンラバー製品データシートSE 30、SE 33、SE 54、及びSE 76に記載されているものなどのシリコーンゴムである。「シリコーンゴム」とは、約5万〜約100万の分子量を有するポリジオルガノシロキサンを意味し、具体例としては、ポリジメチルシロキサンポリマー、ポリジメチルシロキサン/ジフェニル/メチルビニルシロキサンコポリマー、ポリジメチルシロキサン/メチルビニルシロキサンコポリマー及びこれらの混合物が挙げられる。
【0037】
本明細書において「アミノシリコーン」とは、あらゆるアミン官能化シリコーン、即ち、少なくとも1つの一級アミン、二級アミン、三級アミン、又は四級アンモニウム基を含有するシリコーンを意味する。好ましいアミノシリコーンは、典型的には該アミノシリコーンの約0.5重量%未満、より好ましくは約0.2重量%未満、より一層好ましくは約0.10重量%未満の窒素を有するであろう。アミノシリコーン中の窒素(アミン官能基)がより高いレベルであると、摩擦低減の減少と、毛髪へのアミノシリコーン付着の極度の減少との両方が生じる傾向があり、その結果、アミノシリコーン構成要素からのコンディショニング効果が極小〜ゼロになる。
【0038】
一実施形態では、アミノシリコーン物質は、事前形成されたエマルションの形態であってよい。本明細書において、用語「事前形成されたエマルション」とは、パーソナルケア組成物から外的に作製されるエマルションを意味し、これはエマルションの形成の際のみに添加される。事前形成されたエマルションが包含されると、このエマルション中のアミノシリコーン物質の平均粒径は、一般に約50ミクロン以下である。一実施形態では、アミノシリコーン物質の平均粒径は、約1ミクロン未満である。更に別の実施形態では、アミノシリコーン物質の平均粒径は、約1ミクロン〜約30ミクロン、より好ましくは約2ミクロン〜30ミクロンである。粒径は、マルヴァーン・インスツルメント(Malvern Instruments)からの2600D粒子寸法測定器(Particle Sizer)を使用して、レーザー光線散乱技術を用いて測定される。
【0039】
事前形成されたエマルションは、アミノシリコーンと水との高せん断機械的混合により、又は不溶性の不揮発性アミノシリコーンと水及び乳化剤との乳化、例えば乳化剤の加熱溶液へのアミノシリコーンの混合により、又は機械的及び化学的乳化の組み合わせにより、調製されてもよい。エマルションを調製するための更なる好適な技術は、エマルション重合である。このようなエマルション重合アミノシリコーンは、米国特許第2,891,920号(ハイド(Hyde))、米国特許第3,294,725号(フィンドレイ(Findlay))、及び米国特許第3,360,491号(アクソン(Axon))に記載されている。
【0040】
事前形成されないエマルションについては、シャンプー組成物中の所望の粒径のアミノシリコーンは、アミノシリコーン添加前のパーソナルケア組成物の粘度及び混合速度を制御することを包含する添加方法に基づいて形成される。
【0041】
単独又は混合物のいずれかの界面活性剤物質を、事前形成されたシリコーンエマルションの調製における乳化剤として使用してもよい。好適な乳化剤には、アニオン性、カチオン性、及び非イオン性の乳化剤が挙げられる。アニオン性乳化剤の例は、アルキルアリールスルホネート、例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム;硫酸アルキル、例えばラウリル硫酸ナトリウム;硫酸アルキルエーテル、例えば、硫酸ラウリルエーテルナトリウムnEO(nは1〜20である);硫酸アルキルフェノールエーテル、例えば硫酸オクチルフェノールエーテルnEO(nは1〜20である);及びスルホコハク酸塩、例えばジオクチルスルホコハク酸ナトリウムである。
【0042】
非イオン性乳化剤の例は、アルキルフェノールエトキシレート、例えば、ノニルフェノールエトキシレートnEO(nは1〜50である);アルコールエトキシレート、例えばラウリルアルコールnEO(nは1〜50である);エステルエトキシレート、例えばポリオキシエチレンモノステアレート(オキシエチレン単位の数は1〜30である)である。
【0043】
典型的には、事前形成されたエマルションは、約25%〜約50%のアミノシリコーンを含有するであろう。事前形成されたエマルションは、ダウ・コーニング(Dow Corning)、ゼネラル・エレクトリック(General Electric)、ユニオンカーバイド(Union Carbide)、ワッカー・ケミー(Wacker Chemie)、信越(Shin Etsu)、東芝(Toshiba)、東洋ビューティ社(Toyo Beauty Co)、及び東レシリコーン社(Toray Silicone Co.)などのアミノシリコーン油の供給元から入手可能である。例は、DC−1310としてダウ・コーニング(Dow Corning)から販売されている物質、並びにX−52−1086、X−52−2127及びX−52−2112として信越(Shin-Etsu)から販売されている物質である。
【0044】
典型的には、本発明の組成物は、0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.25〜3重量%の不溶性の不揮発性アミノシリコーンを含有する。組成物中に0.01重量%未満が存在するならば、コンディショニング効果がほんの少ししか観察されず、20重量%超過が存在するならば、毛髪が脂っぽく見えるであろう。
【0045】
水性の事前形成されたエマルションは、0.02〜40重量%、好ましくは0.2〜20重量%の量でパーソナルケア組成物に組み込まれてもよい。
【0046】
もちろん、エマルションの正確な量は、エマルションの濃度に依存し、最終組成物に所望の量の不溶性の不揮発性シリコーンを与えるために選択されなければならない。
【0047】
天然由来のカチオン性ポリマー
本発明のパーソナルケア組成物は、天然由来のカチオン性ポリマーを含む。本明細書で使用されるとき、用語「天然由来のカチオン性ポリマー」とは、天然源から得られるカチオン性ポリマーを指す。天然源は、セルロース、デンプン、ガラクトマンナン、及び天然に見られる他の供給源から選択されてよい。天然由来のカチオン性ポリマーは、約1,000〜約1,000万の分子量を有し、少なくとも約3.0meq/g、より好ましくは少なくとも約3.2meq/gのカチオン電荷密度を有する。好ましくは、カチオン電荷密度は約7meq/g未満でもある。天然由来のポリマーは、パーソナルケア組成物の少なくとも0.05重量%の量で存在する。好ましくは、ポリマーは、組成物の約0.05重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.05重量%〜約5重量%の範囲で存在する。
【0048】
天然由来のカチオン性ポリマーは、本明細書に記載のアミノシリコーンコンディショニング剤の付着を補助する。こうした付着増強は、毛髪感触、湿潤コンディショニング、輝き、及び他の感知できる効果をもたらす。
【0049】
カチオン性ポリマーは、パーソナルケア組成物に可溶であるか、又は好ましくはカチオン性ポリマー及び本明細書中で前述されたアニオン性洗浄性界面活性剤構成要素によって形成されるパーソナルケア組成物中の複合コアセルベート相に可溶である。またカチオン性ポリマーの複合コアセルベートは、パーソナルケア組成物中の他の帯電物質で形成することもできる。
【0050】
コアセルベートの形成は、分子量、構成要素濃度、及び相互作用するイオン性構成要素の比率、イオン強度(例えば、塩の添加によるイオン強度の修正を包含する)、カチオン性及びアニオン性構成要素の電荷密度、pH、温度、並びに前述の界面活性剤系などの様々な基準に依存する。コアセルベート系及びこれらのパラメーターの効果は、例えば、J.カエルス(Caelles)ら著「混合系中のアニオン性及びカチオン性化合物(Anionic and Cationic Compounds in Mixed Systems)」(「コスメティックス&トイレトリーズ(Cosmetics & Toiletries)」106巻、1991年4月、49〜54頁)、C.J.バン・オス(van Oss)著「コアセルベーション、複合コアセルベーション、及び凝集(Coacervation, Complex Coacervation and Flocculation)」(「ジャーナル・オブ・ディスパーション・サイエンス・アンド・テクノロジー(J. Dispersion Science and Technology)」9巻(5,6)、1988〜89年、561〜573頁)、並びにD.J.バーゲス(Burgess)著「複合コアセルベート系の実用的分析(Practical Analysis of Complex Coacervate Systems)」(「ジャーナル・オブ・コロイド・アンド・インターフェイス・サイエンス(J. of Colloid and Interface Science)」140巻、No.1、1990年11月、227〜238頁)により記載されており、これらの記載を参考として本明細書に組み入れる。
【0051】
カチオン性ポリマーが、コアセルベート相でパーソナルケア組成物に存在すること、又は毛髪への若しくは毛髪からの組成物の適用若しくはすすぎの際コアセルベート相を形成することは、特に有利であると考えられている。複合コアセルベートは、より容易に毛髪に付着すると考えられている。したがって、一般に、カチオン性ポリマーは、コアセルベート相としてパーソナルケア組成物中に存在するか、又は希釈の際にコアセルベート相を形成するのが好ましい。コアセルベートがパーソナルケア組成物にまだ存在しないのであれば、カチオン性ポリマーは、水で希釈されるときにパーソナルケア組成物中に複合コアセルベートの形態で存在するのが好ましいであろう。
【0052】
複合コアセルベートの形成の分析技術は、当該技術分野において既知である。例えば、希釈のいずれかの選択された段階におけるパーソナルケア組成物の顕微鏡分析が、コアセルベート相が形成されたか否かを確認するために利用できる。こうしたコアセルベート相は、組成物における追加の乳化相として確認されるであろう。染料を使用することで、コアセルベート相と、パーソナルケア組成物中に分散する他の不溶性相とを区別するのを補助することができる。
【0053】
セルロース又はグアーカチオン沈着ポリマー
本発明のパーソナルケア組成物は、セルロース又はグアーカチオン沈着ポリマーを包含してよい。こうしたセルロース又はグアー沈着ポリマーの電荷密度は、パーソナルケア組成物の目的の用途のpHにおいて約3meq/g〜約4.0meq/gであり、pHは一般にpH約3〜pH約9、好ましくはpH約4〜pH約8であろう。本発明の組成物のpHは、そのままで(neat)測定する。
【0054】
好適なセルロースカチオン性ポリマーには、以下の式に従うものが挙げられる。
【0055】
【化1】

式中、Aはセルロース無水グルコース残基などの無水グルコース残基であり、Rはアルキレンオキシアルキレン、ポリオキシアルキレン、又はヒドロキシアルキレン基、又はこれらの組み合わせであり;R1、R2、及びR3は独立して、アルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、アルコキシアルキル、又はアルコキシアリール基であり、各基は約18個までの炭素原子を含有し、各カチオン性部分の炭素原子の総数(即ち、R1、R2、及びR3の炭素原子の合計)は、好ましくは約20以下であり、Xはアニオン性対イオンである。こうした対イオンの非限定的な例には、ハロゲン化物(例えば、塩素、フッ素、臭素、ヨウ素)、サルフェート及びメチルサルフェートが挙げられる。これらの多糖類ポリマーのカチオン置換度は、典型的に無水グルコース単位当たりのカチオン性基が約0.01〜約1である。
【0056】
本発明の一実施形態では、セルロースポリマーは、トリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースの塩であり、当業界(CTFA)ではポリクオタニウム(Polyquaternium)10と呼ばれており、アメリコール社(Amerchol Corp.)(米国、ニュージャージー州エジソン(Edison))から入手可能である。
【0057】
他の好適なカチオン性沈着ポリマーには、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロライドなどのカチオン性グアーガム誘導体が挙げられ、その具体例には、ローヌ・プーラン社(Rhone-Poulenc Incorporated)より市販されているジャガー(Jaguar)シリーズ(好ましくはジャガーC−17(登録商標))が挙げられる。
【0058】
カチオン変性デンプンポリマー
またパーソナルケア組成物は、水溶性カチオン変性デンプンポリマーも含んでよい。本明細書で使用されるとき、用語「カチオン変性デンプン」は、デンプンが小さい分子量に分解される前にカチオン性基が付加されたデンプンを指し、又はカチオン性基がデンプンの変性後に付加され所望の分子量に到達したデンプンを指す。用語「カチオン変性デンプン」の定義には、両性変性デンプンも包含される。用語「両性変性デンプン」とは、カチオン性基及びアニオン性基が付加されたデンプン加水分解産物を意味する。
【0059】
本発明で開示されるカチオン変性デンプンポリマーは、結合窒素の百分率が約0.5%〜約4%である。またカチオン変性デンプンポリマーは、約5万〜約1,000万の分子量を有する。
【0060】
カチオン変性デンプンポリマーは、少なくとも約3.0meq/gの電荷密度を有する。このような電荷密度を得るための化学修飾には、デンプン分子へのアミノ基及び/又はアンモニウム基の付加が挙げられるが、これらに限定されない。これらのアンモニウム基の非限定的な例には、ヒドロキシプロピルトリモニウムクロライド、トリメチルヒドロキシプロピルアンモニウムクロライド、ジメチルステアリルヒドロキシプロピルアンモニウムクロライド、及びジメチルドデシルヒドロキシプロピルアンモニウムクロライドなどの置換基を挙げてもよい。ソラレック,D.B.(Solarek,D.B.)著「変性デンプンの中のカチオンデンプン:特性と使用(Cationic Starches in Modified Starches:Properties and Uses)」(ヴュルツブルク,O.B.(Wurzburg,O.B.)版、CRCプレス社(CRC Press,Inc.)、フロリダ州ボーカラトーン、1986年、113〜125頁)を参照のこと。カチオン性基は、デンプンがより小さな分子量に分解される前、又はこのような変性後に、デンプンに付加されてもよい。
【0061】
本明細書で使用されるとき、カチオン変性デンプンポリマーの「置換度」は、置換基によって誘導体化された各無水グルコース単位のヒドロキシル基数の平均値である。各無水グルコース単位は、置換に利用できる3つの可能なヒドロキシル基を有し、可能な最大置換度は3である。置換度は、無水グルコース単位1モル当たりの置換基のモル数として、モル平均基準で表現される。置換度は、当該技術分野において周知のプロトン核磁気共鳴分光法(「1H NMR」法)を使用して測定されてもよい。好適な1H NMR技術には、クィン−ジ・ペン(Qin-Ji Peng)及びアーサー・S.パーリン(Arthur S. Perlin)著「ジメチルスルホキシド中、ヨウ素複合体形成、及び水−ジメチルスルホキシド中での溶媒和におけるデンプンのNMRスペクトルの観察(Observation on NMR Spectra of Starches in Dimethyl Sulfoxide, Iodine-Complexing, and Solvating in Water-Dimethyl Sulfoxide)」(「カーボンハイドレイト・リサーチ(Carbohydrate Research)」160巻、1987年、57〜72頁)、及びJ.ハワード・ブラッドベリ(J. Howard Bradbury)及びJ.グラント・コリンズ(J. Grant Collins)著「NMR分光法によるオリゴ糖の構造解析方法(An Approach to the Structural Analysis of Oligosaccharides by NMR Spectroscopy)」(「カーボンハイドレイト・リサーチ(Carbohydrate Research)」71巻、1979年、15〜25頁)に記載されているものが挙げられる。
【0062】
カチオン変性デンプンポリマーは、マルトデキストリンを含んでもよい。したがって、本発明の1つの実施形態では、カチオン変性デンプンポリマーは、約35未満、より好ましくは約1〜約20のデキストロース当量(「DE」)値によって更に特徴付けられてもよい。DE値は、デキストロースを基準とした加水分解デンプンの還元当量の尺度であり、(乾燥基準にて)パーセントで表される。デキストロースに完全に加水分解したデンプンのDE値は100であり、加水分解していないデンプンのDE値は0である。DE値の好適な定量法としては、「デキストロース当量」(コーン業界研究財団の構成会社の標準的分析方法(Standard Analytical Methods of the Member Companies of the Corn Industries Research Foundation)、第1版、方法E−26)に記載のものが挙げられる。加えて、本発明のカチオン変性デンプンポリマーは、デキストリンを含んでもよい。デキストリンは、典型的に幅広い分子量を持つデンプンの熱分解生成物である。
【0063】
化学修飾前のデンプンの供給源は、塊茎、豆果、穀物、及びグレインなどの様々な供給源から選択することができる。この供給源デンプンの非限定例には、コーンスターチ、小麦スターチ、ライススターチ、ワクシーコーンスターチ、オート麦スターチ、キャッサバスターチ、ワクシー大麦、ワクシーライススターチ、グルテン状ライススターチ、スイートライススターチ、アミオカ、ポテトスターチ、タピオカスターチ、オート麦スターチ、サゴスターチ、スイートライス、又はこれらの混合物を挙げてもよい。ワクシーコーンスターチが好ましい。
【0064】
一実施形態では、カチオン変性デンプンポリマーは、分解カチオン性トウモロコシデンプン、カチオン性タピオカ、カチオン性ジャガイモデンプン、及びこれらの混合物から選択される。別の実施形態では、カチオン変性デンプンポリマーは、カチオン性コーンデンプンである。
【0065】
デンプンは、より小さな分子量に分解させる前又は修飾させた後に、更に1つ以上の修飾処理を含んでもよい。例えば、これらの修飾には、架橋、安定化反応、リン酸化反応、及び加水分解を挙げてもよい。安定化反応には、アルキル化及びエステル化を挙げてもよい。
【0066】
カチオン変性デンプンポリマーは、加水分解デンプン(例えば、酸、酵素、若しくはアルカリ分解)、酸化デンプン(例えば、過酸化物、過酸、次亜塩素酸塩、アルカリ、若しくは他のいずれかの酸化剤)、物理的又は機械的に分解させたデンプン(例えば、加工装置のサーモメカニカルエネルギー投入によるもの)、又はこれらの組み合わせ、の形態で組成物に組み込んでよい。
【0067】
同様に、本発明での使用に適しているのは、当該技術分野において既知のカチオン変性デンプンに更に誘導体化することができる非イオン性変性デンプンである。他の好適な変性デンプンの出発物質は、本発明での使用に好適なカチオン変性デンプンポリマーを製造するために、当該技術分野において既知の方法で四級化してもよい。
【0068】
デンプン分解手順
一実施形態では、デンプンスラリーは、水中に粒状のデンプンを混合することによって調製される。温度を、約35℃に上昇する。その後、過マンガン酸カリウムの水溶液を、デンプンを基準に約50ppmの濃度で添加する。水酸化ナトリウムでpHを約11.5まで上昇し、デンプンの沈殿を防ぐためにスラリーを十分に攪拌する。その後、水で希釈した約30%過酸化水素溶液を、デンプンを基準に約1%の過酸化物レベルまで加える。その後、約11.5のpHは、追加の水酸化ナトリウムを添加することによって保たれる。この反応は、約1〜約20時間にわたって完結される。その後、混合物を希塩酸で中和する。分解されたデンプンを、ろ過によって回収し、洗浄、乾燥する。
【0069】
ガラクトマンナンポリマー誘導体
本発明のパーソナルケア組成物は、モノマー対モノマー基準で2:1超過のマンノース対ガラクトース比を有するガラクトマンナンポリマー誘導体を含んでもよく、このガラクトマンナンポリマー誘導体は、カチオン性ガラクトマンナンポリマー誘導体及び正味の正電荷を有する両性ガラクトマンナンポリマー誘導体からなる群から選択される。用語「ガラクトマンナンポリマー誘導体」は、ガラクトマンナンポリマー(即ち、ガラクトマンナンゴム)から得られる化合物を意味する。本明細書で使用されるとき、用語「カチオン性ガラクトマンナン」は、カチオン性基が添加されたガラクトマンナンポリマーを指す。用語「両性ガラクトマンナン」は、カチオン性基及びアニオン性基が添加されてポリマーが正味の正電荷を有するようになったガラクトマンナンポリマーを指す。
【0070】
非グアーガラクトマンナンポリマー誘導体を調製するのに使用されるガムは、典型的に、植物からの種子又は豆などの天然由来物質として得られる。様々な非グアーガラクトマンナンポリマーの例には、タラガム(3部のマンノース/1部のガラクトース)、イナゴマメ(Locust bean)又はイナゴマメ(Carob)(4部のマンノース/1部のガラクトース)、及びカッシアガム(5部のマンノース/1部のガラクトース)が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書において、用語「非グアーガラクトマンナンポリマー誘導体」とは、非グアーガラクトマンナンポリマーから化学的に変性されたカチオン性ポリマーを指す。好ましい非グアーガラクトマンナンポリマー誘導体は、カチオン性カッシアであり、これは、商標名カッシア(Cassia)EX−906として販売されており、ノベオン社(Noveon Inc.)から市販されている。
【0071】
ガラクトマンナンポリマー誘導体は、約1,000〜約1,000万の分子量を有する。一実施形態では、ガラクトマンナンポリマー誘導体は、約5,000〜約300万の分子量を有する。本明細書で使用されるとき、用語「分子量」とは、重量平均分子量を指す。重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーによって測定されてもよい。
【0072】
パーソナルケア組成物は、組成物の少なくとも約0.05重量%のガラクトマンナンポリマー誘導体を含有してもよい。一実施形態では、パーソナルケア組成物は、組成物の約0.05重量%〜約2重量%のガラクトマンナンポリマー誘導体を含む。好適なガラクトマンナンポリマー誘導体は、米国特許出願公開第2006/0099167A1号(ストウジゲル(Staudigel)ら)に記載されている。
【0073】
水性キャリア
パーソナルケア組成物は、一般に約20%〜約95%、より好ましくは約60%〜約85%のレベルで存在する水性キャリアを含む。水性キャリアは、水、又は水と有機溶媒との混和性混合物を含んでもよいが、好ましくは、他の必須又は任意の構成要素の微量成分として組成物中に付随的に組み込まれる場合を除いて、最小限の有機溶媒を有する水か又は有意の濃度の有機溶媒を有さない水を含む。
【0074】
非アミノ官能化シリコーン(NAFS)
NAFSを含有する実施形態では、アミノシリコーン対NAFSの重量比は、好ましくは約1:2〜約1:99.9、より好ましくは約1:5〜約1:99、より好ましくは5:95である。好ましくはNAFSは、少なくとも約0.01m2/秒(1万cs)、より好ましくは約0.06m2/秒(6万cs)〜約2m2/秒(200万cs)、より好ましくは約0.1m2/秒(10万cs)〜約0.5m2/秒(50万cs)の粘度を有する。
【0075】
NAFS構成要素は、揮発性NAFS、不揮発性NAFS、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。好ましいのは、不揮発性NAFSである。揮発性NAFSが存在する場合、典型的には、NAFSゴム及び樹脂のような不揮発性NAFS物質成分の市販形態のための溶媒又はキャリアとしてのそれらの使用に付随して起こるであろう。シリコーン流体付着効率を改善するか又は毛髪のつやを増強するために、NAFSは、シリコーン流体コンディショニング剤を含んでもよく、またNAFS樹脂などの他の成分を含んでもよい。
【0076】
NAFSの濃度は、典型的には、約0.01%〜約10%、好ましくは約0.1%〜約8%、より好ましくは約0.1%〜約5%、より好ましくは約0.2%〜約3%の範囲である。好適なNAFS及びシリコーン用の任意の懸濁剤の非限定例は、米国再発行特許第34,584号、米国特許第5,104,646号、及び同第5,106,609号に記載されている。
【0077】
シリコーン流体、ゴム、及び樹脂、並びにシリコーンの製造を議論する項を包含するシリコーンの背景資料は、「ポリマーの科学と技術の百科事典(Encyclopedia of Polymer Science and Engineering)」15巻、第2版、204〜308頁、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ社(John Wiley & Sons Inc.)(1989年)に見出される。
【0078】
アミノシリコーンとNAFSの混合物を含有する実施形態は、唯一のシリコーン構成要素としてNAFSを含有する組成物よりも、シリコーン構成要素の付着が改善されること、及び毛髪の感触が改善されることを包含する、いくつかの効果を提供する。更に、アミノシリコーンは、NAFSよりも一般により高額なので、両物質を含有する組成物は、シリコーン構成要素としてアミノシリコーンのみを含有する組成物よりも一般に安価であり、更になお、唯一のシリコーン構成要素としてNAFSを含有する組成物に比べ、改善されたヘアコンディショニングを提供するであろう。好適なNAFS物質は、米国特許出願公開第2006/0127345A1号に記載されている。
【0079】
分散ゲル網状組織相
本発明のパーソナルケア組成物はまた、脂肪族両親媒性物質を含む分散ゲル網状組織相も含んでもよい。ゲル網状組織相は、本発明のパーソナルケア組成物に包含されてコンディショニング効果を提供する可能性がある。本明細書で使用されるとき、用語「ゲル網状組織」とは、以下に指定されるような少なくとも1つの脂肪族両親媒性物質、以下に指定されるような少なくとも1つの二次界面活性剤、及び水又は他の好適な溶媒を含む層状の又は小胞性の固体結晶性相を指す。層状相又は小胞性相は、脂肪族両親媒性物質及び二次界面活性剤を含む第一層と、交互の、水又は他の好適な溶媒を含む第二層とから構成される2層を含む。本明細書で使用されるとき、用語「結晶性固体」とは、1つ以上の脂肪族両親媒性物質を含むゲル網状組織の層の溶融転移温度(即ち、鎖溶融温度)未満の温度において形成される層状相又は小胞性相の構造を指し、溶融転移温度は少なくとも約27℃である。溶融転移温度は、示差走査熱量計により測定されてもよく、その方法は下記の実施例に記載されている。
【0080】
一般にゲル網状組織は、G.M.エクレストン(Eccleston)著「外皮用ローション及びクリームにおける混合乳化剤及び乳化ワックスの機能(Functions of Mixed Emulsifiers and Emulsifying Waxes in Dermatological Lotions and Creams)」(「コロイズ・アンド・サーフェイシズA:フィジオケミカル・アンド・エンジニアリング・アスペクツ(Colloids and Surfaces A: Physiochem. and Eng. Aspects)」123〜124巻、1997年、169〜182頁)、並びにG.M.エクレストン(Eccleston)著「半固体クリームのミクロ構造(The Microstructure of Semisolid Creams)」(「ファーマシー・インターナショナル(Pharmacy International)」7巻、63〜70頁、1986年)により、更に記載されている。
【0081】
本発明の実施形態においては、分散ゲル網状組織相は、事前形成される。本明細書で使用されるとき、用語「事前形成」とは、パーソナルケア組成物の他の構成要素に添加されるときに、脂肪族両親媒性物質、二次界面活性剤、及び水又は他の好適な溶媒の混合物の少なくとも50%が、実質的に結晶性固体相であることを意味する。
【0082】
この実施形態に従うと、本発明のゲル網状組織構成要素は、別個のプレミックスとして調製され、冷却後、続いてパーソナルケア組成物の洗浄性界面活性剤及び他の構成要素に組み込まれる。ゲル網状組織構成要素の調製は、米国特許出願公開第2006/0024256A1号において詳細に議論される。
【0083】
続いて、冷却及び事前形成したゲル網状組織構成要素を、洗浄性界面活性剤構成要素を包含するパーソナルケア組成物の他の構成要素に添加する。理論に制限されるものではないが、パーソナルケア組成物の洗浄性界面活性剤及び他の構成要素に冷却及び事前形成したゲル網状組織構成要素を組み込むと、最終パーソナルケア組成物において実質的に平衡な層状分散物(「ELD」)が形成されると考えられる。ELDは、パーソナルケア組成物内に存在する可能性がある洗浄性界面活性剤、水、及び他の任意構成要素(塩など)と、実質的に平衡化している、事前形成したゲル網状組織構成要素から得られる、分散層状相又は小胞性相である。この平衡は、事前形成したゲル網状組織構成要素をパーソナルケア組成物の他の構成要素に組み込む際に起こり、製造後、約24時間以内に効果的に完了する。ELDが形成されているパーソナルケア組成物は、改善された湿潤及び乾燥コンディショニング効果を毛髪に提供する。更に、ゲル網状組織構成要素(即ち、水と組み合わせられる脂肪族両親媒性物質及び二次界面活性剤)を含む構成要素が、1つの混合工程において、パーソナルケア組成物の他の構成要素と共に個々の構成要素として添加されても、別個の冷却し事前形成したゲル網状組織構成要素として添加されないならば、ELDは形成されない。
【0084】
前述のように、パーソナルケア組成物の洗浄性界面活性剤及び他の構成要素に、冷却及び事前形成したゲル網状組織構成要素を組み込むことによって、ELDが形成される。ELD及び事前形成したゲル網状組織構成要素は、脂肪族両親媒性物質、二次界面活性剤、及び水を、層状又は小胞性結晶性固体相の形態で共に含むが、ELDの特定の物理的特性間には、事前形成したゲル網状組織構成要素の物理的特性と比較して違いがある。パーソナルケア組成物の洗浄性界面活性剤及び他の構成要素の組み込みに先立ち、事前形成したゲル網状組織構成要素は、脂肪族両親媒性物質、二次界面活性剤、及び水から本質的になる。組み込みに際し、鋳型の働きをするゲル網状組織の層状構造は、パーソナルケア組成物の洗浄性界面活性剤、並びに塩及び香料などの他の構成要素により膨潤し、これらと平衡化する。したがって、事前形成したゲル網状組織構成要素とELDとの間の特定の物理的特性におけるこれらの違いは、例えば、洗浄性界面活性剤、塩、及び香料のゲル網状組織相への移行と一致すると考えられている。
【0085】
プレミックス中の及び最終パーソナルケア組成物中の、ELDの形態のゲル網状組織の存在は、X線分析、光学顕微鏡法、電子顕微鏡法、及び示差走査熱量測定法などの当業者に既知の手段により、確認することができる。X線分析及び示差走査熱量測定の方法は、米国特許出願公開第2006/0024256 A1号に記載されている。
【0086】
本発明の一実施形態では、パーソナルケア組成物の分散ゲル網状組織相(即ち、ELD)のスケールサイズは、約10nm〜約500nmの範囲である。別の実施形態では、パーソナルケア組成物中の分散ゲル網状組織相のスケールサイズは、約0.5μm〜約10μmの範囲である。更に別の実施形態では、パーソナルケア組成物中の分散ゲル網状組織相のスケールサイズは、約10μm〜約150μmの範囲である。
【0087】
パーソナルケア組成物中の分散ゲル網状組織相のスケールサイズ分布は、ホリバ(Horiba)モデルLA910レーザー散乱粒径分布分析器(Laser Scattering Particle Size Distribution Analyzer)(ホリバ・インスツルメンツ社(Horiba Instruments, Inc.)(米国、カリフォルニア州、アーバイン(Irvine)))を使用して、レーザー光線散乱技術により測定されてよい。本発明のパーソナルケア組成物中におけるスケールサイズ分布は、米国特許出願公開第2006/0269502A1号に記載の方法に従って測定されてもよい。
【0088】
一実施形態においては、パーソナルケア組成物は、パーソナルケア組成物の約0.1重量%超過、好ましくは約1重量%〜約60重量%、より好ましくは約5重量%〜約40重量%の量のゲル網状組織を含む。
【0089】
以下は、アミノシリコーンの粒径が15ミクロン(μm)である本発明の実施例を表す。
【0090】
【表1】

1 カチオン性ガラクトマンナンカッシアEX−906、MW=30万、CD=3.1meq/グラム、供給元:ノベオン社(Noveon Inc.)
2 カチオンデンプン、MW=800万〜1,000万、CD=3.2meq/グラム、供給元:ナショナル・スターチ(National Starch)
3 28%活性のラウレス硫酸ナトリウム、供給元:P&G
4 29%活性のラウリル硫酸ナトリウム、供給元:P&G
5 テゴベタイン(Tegobetaine)F−B、30%活性、供給元:ゴールドシュミット・ケミカルズ(Goldschmidt Chemicals)
6 モナミド(Monamid)CMEA、供給元:ゴールドシュミット・ケミカルズ(Goldschmidt Chemicals)
7 エチレングリコールジステアレートEGDSピュア(Pure);供給元:ゴールドシュミット・ケミカルズ(Goldschmidt Chemicals)
8 塩化ナトリウムUSP(食品等級)、供給元:モートン(Morton)
9 GEシリコーンズアミノシロキサン、GE Y−14945;粘度=10Pa.s(1万cps)
10 GEシリコーンズジメチコンビスカシル330M、粘度=330Pa.s(33万cps)
【0091】
15μm末端アミノシリコーンのための製品の製造方法
上の実施例1及び2は、上に列記した順番で成分を共に混合することにより、製造される。粒径15μmのアミノシリコーンを得るために必要である製剤の重大な点は、粘度を少なくとも約4Pa.s(4,000cps)に調整するために、アミノシリコーンの添加前に有効量の塩を製剤に添加しなければならないということである。コロイドを製造する当業者は、過度の実験をせずにこの標的粒径に適合するために、適切な調整を行うことができる。15μmのための製造手順の別の重要な態様は、末端アミノシリコーンの添加後、少なくとも15分間にわたって、約200rpmの速度での混合が製剤にて実行されることを確認することである。
【0092】
コンディショニング効果の実証
実施例の効率的で優れたコンディショニング効果は、乾燥した毛髪表面の摩擦を測定することにより、実証できる。より低い摩擦値は、優れた乾燥条件を実証する。以下のデータに示すように、より低いレベルのアミノシリコーン及び高電荷密度カチオン性ガラクトマンナンを含有するシャンプー試料は、より高いレベルの標準非アミノシリコーン及びより低い電荷密度ポリマーを含有する製品に比べて、毛髪との最も低い摩擦を示す。
【0093】
【表2】

【0094】
以下は、アミノの粒径がおよそ15ミクロンである本発明の追加の実施例である。
【0095】
【表3】

1 カチオン性ガラクトマンナンカッシアEX−906、MW=30万、CD=3.1meq/グラム、供給元:ノベオン社(Noveon Inc.)
2 カチオンデンプンMW=800万〜1,000万、CD=3.2meq/グラム、供給元:ナショナル・スターチ(National Starch)
3 28%活性のラウレス硫酸ナトリウム、供給元:P&G
4 29%活性のラウリル硫酸ナトリウム、供給元:P&G
5 テゴベタイン(Tegobetaine)F−B、30%活性、供給元:ゴールドシュミット・ケミカルズ(Gold Schmidt Chemicals)
6 モナミド(Monamid)CMEA、供給元:ゴールドシュミット・ケミカルズ(Gold Schmidt Chemical)
7 エチレングリコールジステアレートEGDSピュア;供給元:ゴールドシュミット・ケミカルズ(Gold Schmidt Chemicals)
8 塩化ナトリウムUSP(食品等級)、供給元:モートン(Morton)
9 GEシリコーンアミノシロキサン、GE Y−14945;粘度=10Pa.s(1万cps)
10 GEシリコーンアミノシロキサン、GE Y−14935;粘度=300Pa.s(30万cps)
【0096】
実施例1及び2について使用される態様を作製する同一方法が、実施例3〜10について使用され、下記の実施例11〜15でも使用される。
【0097】
次の実施例は、非アミノシリコーンと組み合わせたアミノシリコーンの使用を表す。
【0098】
【表4】

1 カチオン性ガラクトマンナンカッシアEX−906、MW=30万、CD=3.1meq/グラム、供給元:ノベオン社(Noveon Inc.)
2 28%活性のラウレス硫酸ナトリウム、供給元:P&G
3 29%活性のラウリル硫酸ナトリウム、供給元:P&G
4 テゴベタイン(Tegobetaine)F−B、30%活性、供給元:ゴールドシュミット・ケミカルズ(Gold Schmidt Chemicals)
5 モナミド(Monamid)CMEA、供給元:ゴールドシュミット・ケミカルズ(Gold Schmidt Chemicals)
6 エチレングリコールジステアレートEGDSピュア;供給元:ゴールドシュミット・ケミカルズ(Gold Schmidt Chemicals)
7 塩化ナトリウムUSP(食品等級)、供給元:モートン(Morton)
8 GEシリコーンアミノシロキサンGE Y−14945;粘度=10Pa.s(1万cps)
9 GEシリコーンジメチコン液、ビスカシル(Viscasil)330M(粘度=330Pa.s(33万cps))
【0099】
>20μm粒子DC−330Mシリコーンと混合した15μm粒子末端アミノシリコーンの実施例
およその粒径15μmを得るためには、末端アミノシリコーンに混合する際に、200rpmで15分間にわたって混合しなければならない。粒径>20μmを得るためには、DC−330Mを添加する前に、15分間にわたって100rpmに減速しなければならない。
【0100】
【表5】

【0101】
以下は、ジメチコンエマルション(1<μm)がおよそ15μm粒子末端アミノシリコーンと共に存在する実施例である。
【0102】
【表6】

1 カチオン性ガラクトマンナンカッシアEX−906、MW=30万、CD=3.1meq/グラム、供給元:ノベオン社(Noveon Inc.)
2 28%活性のラウレス硫酸ナトリウム、供給元:P&G
3 29%活性のラウリル硫酸ナトリウム、供給元:P&G
4 テゴベタイン(Tegobetaine)F−B、30%活性、供給元:ゴールドシュミット・ケミカルズ(Goldschmidt Chemicals)
5 モナミド(Monamid)CMEA、供給元:ゴールドシュミット・ケミカルズ(Goldschmidt Chemical)
6 エチレングリコールジステアレートEGDSピュア;供給元:ゴールドシュミット・ケミカルズ(Gold Schmidt Chemicals)
7 塩化ナトリウムUSP(食品等級)、供給元:モートン(Morton)
8 GEシリコーンアミノシロキサンGE Y−14945;粘度=10Pa.s(1万cps)
9 DC2−1865、内相粘度=25Pa.s(25,000cps)、25nm粒径(particle size size)ジメチコノール一次界面活性剤としてTEAドデシルベンゼンスルホネート及びラウレス23を使用
10 ダウ・コーニングジメチコンエマルションDC−1664;粒径300nm
以下は、ジメチコンエマルション(<1μm)がおよそ15μm粒子末端アミノシリコーンと共に存在する実施例である。
【0103】
15μm粒子末端アミノシリコーンと混合される<1μmジメチコンマイクロエマルションの実施例
200rpmで15分間にわたって末端アミノシリコーンを混合すべきである。その後、100rpmで15分間にわたってジメチコンマイクロエマルションを混合すべきである。
【0104】
以下は、アミノシリコーンが<1μnである本発明の実施例である。
【0105】
【表7】

1 カチオン性ガラクトマンナンカッシアEx−906、MW=30万、CD=3.1meq/グラム、供給元:ノベオン社(Noveon Inc.)
2 28%活性のラウレス硫酸ナトリウム、供給元:P&G
3 29%活性のラウリル硫酸ナトリウム、供給元:P&G
4 テゴベタイン(Tegobetaine)F−B、30%活性、供給元:ゴールドシュミット・ケミカルズ(Goldschmidt Chemical)
5 モナミド(Monamid)CMEA、供給元:ゴールドシュミット・ケミカルズ(Goldschmidt Chemical)
6 エチレングリコールジステアレートEGDSピュア;供給元:ゴールドシュミット・ケミカルズ(Gold Schmidt Chemicals)
7 ダウ・コーニングアモジメチコンDC−8500、粘度=0.004m2/秒(4,000cts);100%活性
8 ダウ・コーニングアモジメチコンDC−8566、粘度=0.0035m2/秒(3,500cts);100%活性
9 GEシリコーンアモジメチコンSF−1708、粘度0.0025m2/秒(2,500cts);100%活性
10 GEシリコーンアミノシロキサンGE−253、粘度0.002m2/秒(2,000cts);20%活性
12 ワッカー(Wacker)シリコーンアモジメチコン(マイクロエマルション)ADM8020VP、粘度<50[mm2/秒]、15%活性
13 塩化ナトリウムUSP(食品等級)、供給元:モートン(Morton)
【0106】
粒径<1μmのアミノシリコーンの実施例
小さい粒径のアミノシリコーンを得るためには、これらの物質の導入後、塩を調整すべきである。より低粘度のバルク製剤は、粒径の削減に役立つであろう。少なくとも200rpmの速度で少なくとも15分間にわたってアミノシリコーン中で混合することが重要である。その後、塩を添加して、最終的な粘度標的に調整してもよい。
【0107】
次の実施例は、最終シャンプー組成物の洗浄性界面活性剤及び他の構成要素にゲル網状組織プレミックスを組み込むのに先立ち、ゲル網状組織プレミックスの具体的な実施形態を例示する。以下のゲル網状組織プレミックスの各実施例は、分散相として、本発明によるシャンプー組成物へ組み込むことができることが意図される。
【0108】
【表8】

【0109】
【表9】

(1)A&Eコノック(A&E Connock)から入手可能。
(2)クローダ・ケミカルズ(Croda Chemicals)から入手可能。
(3)P&Gケミカルズ(P&G Chemicals)から入手可能。
(4)ゴールドシュミット・ケミカルズ(Goldschmidt Chemical)から入手可能。
【0110】
最終シャンプー組成物の調製
一実施形態では、最終シャンプー組成物を調製するために、初めに界面活性剤溶液プレミックスを形成する。この界面活性剤溶液プレミックスを調製するために、約6%〜約9%のラウレス−3硫酸ナトリウム又はアンモニウム、カチオン性ポリマー、及び約0%〜約5%の水を、ジャケット付き混合タンクに添加し、攪拌しながら約74℃に加熱する。この溶液に、クエン酸、クエン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、及びEDTA二ナトリウムをタンクに添加し、分散させる。次いで、ジステアリン酸エチレングリコール(EGDS)を混合容器に添加し、融解させる。EGDSをよく分散させた後(例えば、約10分後)、防腐剤を添加し、界面活性剤溶液中に混合する。この混合物を、ミル及び約35℃に冷却されている熱交換器に通し、最終タンクに収集する。この冷却工程の結果、EGDSは、結晶化し、ワックス様結晶性懸濁液を形成する。これらの構成要素の混合物は、界面活性剤溶液プレミックスである。
【0111】
次に、上記のように調製された界面活性剤溶液プレミックス及びゲル網状組織プレミックスを、共に混合する。残りの界面活性剤、香料、ジメチコン、粘度調節のための塩化ナトリウム又はキシレンスルホン酸アンモニウム、及び残りの水を十分に攪拌しながら加え、確実に均質に混合する。この混合物は、分散相としてゲル網状組織プレミックスを含む最終シャンプー組成物である。
【0112】
本発明による最終シャンプー組成物の好ましい粘度は、2/秒、3分間で、CP−41円錐平板を使用してウェルズ−ブルックフィールド(Wells-Brookfield)モデルRVTDCP粘度計により測定して、27℃において、約5〜約15Pa.s(約5000〜約15,000センチポアズ)の範囲である。
【0113】
ヒトの毛髪への適用に好適な本発明のシャンプー組成物を提供するために、必要に応じて、pHを調整してよく、pHは、特定の洗浄性界面活性剤、脂肪族両親媒性物質、及び/又は他の構成要素の選択に基づいて変化する可能性がある。
【0114】
シャンプー実施例
次の実施例は、本発明の最終シャンプー組成物の特定の実施形態を例示し、これらはそれぞれ、分散相として、上に例示された選択されたゲル網状組織プレミックスを含む。
【0115】
【表10】

(1)カチオン性ガラクトマンナン(分子量=約20万;電荷密度=3.0meq/g)
(2)カチオン性ガラクトマンナン(分子量=約20万;電荷密度=0.7meq/g)
(3)ジャガー(Jaguar)C17、ローディア(Rhodia)から入手可能
(4)ADPP−5043HMW(分子量=約120万、電荷密度2.0meq/g)、アクアロン(Aqualon)/Hercules(ハーキュレス)から入手可能
(5)ポリマーLR30M アメリコール(Amerchol)/ダウ・ケミカル(Dow Chemical)から入手可能
(6)ビスカシル330M ゼネラル・エレクトリック・シリコーンズ(General Electric Silicones)から入手可能
(7)GE Y−14945、ゼネラル・エレクトリック・シリコーンズ(General Electric Silicones)から入手可能(0.01m2/秒(1万cst)末端アミノシリコーン)
(8)GE Y−14935、ゼネラル・エレクトリック・シリコーンズ(General Electric Silicones)から入手可能(0.3m2/秒(30万cst)末端アミノシリコーン)
【0116】
本明細書に開示されている寸法及び値は、列挙した正確な数値に厳しく限定されるものとして理解するべきではない。それよりむしろ、特に指定しない限り、こうした各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0117】
本発明の「発明を実施するための形態」で引用した全ての文献は、関連部分において、本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを容認するものとして解釈されるべきではない。本文書における用語のいずれかの意味又は定義が、参照として組み込まれた文献における同一の用語のいずれかの意味又は定義と相反する限りにおいて、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0118】
本発明の特定の実施形態を図示し、記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることは当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるこのような全ての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うことが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーソナルケア組成物であって、
a.)約5重量%〜約50重量%のアニオン性界面活性剤系であって、該アニオン性界面活性剤系は、少なくとも1つのアニオン性界面活性剤を含み、エトキシレートレベル及びアニオンレベルを有し、
i)該エトキシレートレベルは約1.5〜約6であり、
ii)該アニオンレベルは約1.5〜約6である、アニオン性界面活性剤系と、
b.)水不溶性アミノシリコーンと、
c.)少なくとも約0.05重量%の天然由来のカチオン性ポリマー誘導体であって、該ポリマー誘導体は、約1,000〜約1,000万の分子量を有し、該ポリマー誘導体は、少なくとも約3.0meq/gのカチオン電荷密度を有する天然由来のカチオン性ポリマー誘導体と、並びに
d.)水性キャリアと、を含むパーソナルケア組成物。
【請求項2】
前記天然由来のカチオン性ポリマーが、約0.05重量%〜約5重量%の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記天然由来のカチオン性ポリマーが、モノマー対モノマーの基準で、マンノース対ガラクトースの比が2:1超過であるガラクトマンナンポリマー誘導体である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記天然由来のカチオン性ポリマーが、3.0meq/g超過〜約7meq/gの平均電荷密度を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記ガラクトマンナンポリマー誘導体が、カッシアゴム及びカチオン性グアーから選択される、請求項3に記載の組成物。
【請求項6】
前記天然由来のカチオン性ポリマーが、カチオン性セルロースポリマー及びカチオン変性デンプンポリマーから選択される、請求項1、2、又は4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記アミノシリコーンが、組成物中において約50ミクロン以下、好ましくは約1ミクロン未満の平均粒径を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記アミノシリコーンが、末端アミノシリコーン、グラフト化アミノシリコーン、及びこれらの混合物からなる群から選択され、前記アミノシリコーンが約0.005m2/秒〜約0.5m2/秒(約5,000cs〜約50万cs)の粘度を有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
分散ゲル網状組織相を更に含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
非アミノ官能化シリコーンを更に含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物。

【公表番号】特表2010−512406(P2010−512406A)
【公表日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−541424(P2009−541424)
【出願日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際出願番号】PCT/US2007/026119
【国際公開番号】WO2008/079317
【国際公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】