説明

アミノベンズイミダゾール尿素を生成するためのプロセスおよび中間体

抗生物質に対する細菌耐性が重要な公衆衛生問題になるにしたがって、細菌感染を治療するために以前は使用されなかった新しいクラスの化合物を代表する抗生物質についての必要性が存在する。かかる化合物は、耐性細菌の形成および伝染が徐々に蔓延している病院での院内感染を治療するのに、特に有用である。本発明は、細菌性ジャイレースおよびトポイソメラーゼIV(トポIV)の阻害剤として有用な化合物の調製のためのプロセスおよび中間体に関連する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細菌性ジャイレースおよびトポイソメラーゼIV(トポIV)の阻害剤として有用な化合物の調製のためのプロセスおよび中間体に関連する。
【背景技術】
【0002】
抗生物質に対する細菌の耐性は長い間認識されており、今日では深刻な世界的健康問題であると考えられている。耐性の結果として、細菌感染の中には、治療することが困難であるか、または治療不可能なものさえある。
【0003】
ジャイレースは、一群の酵素であるトポイソメラーゼの1つであり、DNAのトポロジー異性体の相互変換を触媒する(一般に非特許文献1を参照のこと)。ジャイレース自体は、DNAスーパーコイル化を制御し、複製プロセスの間に親二重鎖のDNA鎖がほどけると生じるトポロジーストレスを軽減する。ジャイレースはまた、弛緩して閉じた環状二重鎖DNAの、組換えのためにより好ましい負の超らせん型への変換を触媒する。スーパーコイル化反応の機構は、DNAの領域の周りにジャイレースを巻きつけること、その領域で二本鎖を破壊すること、該破壊を通してDNAの第2領域を通過させること、および破壊された鎖を再び連結することに関与する。かかる切断機構は、II型トポイソメラーゼに特有である。スーパーコイル化反応は、ATPがジャイレースに結合することによって促進される。次いでATPは、反応の間に加水分解される。このATPの結合およびそれに続く加水分解は、ジャイレースの活性に必要なDNA結合ジャイレースにおけるコンホメーションの変化を引き起こす。DNAスーパーコイル化(または弛緩)のレベルは、ATP/ADPの比率に依存することもまた明らかになっている。ATPの不在下では、ジャイレースは、スーパーコイル化DNAを弛緩させる能力しか持たない。
【0004】
細菌性DNAジャイレースは、2つのAサブユニット(GyrA)および2つのBサブユニット(GyrB)から構成される400キロダルトンのタンパク質テトラマーである。DNAの結合および切断は、GyrAに関連し、一方、ATPはGyrBタンパク質によって結合および加水分解される。GyrBは、ATPアーゼ活性を有するアミノ末端ドメイン、ならびにGyrAおよびDNAと相互作用するカルボキシ末端ドメインから構成される。対照的に、真核生物のII型トポイソメラーゼは、負および正のスーパーコイルを弛緩させことはできるが、負のスーパーコイルを導入することはできないホモ二量体である。理想的には、細菌性DNAジャイレースの阻害に基づく抗生物質は、この酵素に選択的であり、また真核生物のII型トポイソメラーゼに対して比較的不活性である。
【0005】
環状DNAに沿った複製フォークの動きは、複製複合体の前方、および既に複製された領域の後方の両方で、トポロジー変化を引き起こし得る(非特許文献2)。DNAジャイレースは、負のスーパーコイルを導入して複製フォークの前方でトポロジーストレスを補うことができるが、巻き過ぎが、既に複製されたDNAの領域に拡散させられ、プレカテナン(precatenanes)を生じ得る場合がある。除去されない場合、プレカテナンの存在は、複製の末端で連結した(カテナン化した)娘分子を生じ得る。TopoIVは、カテナン化した娘プラスミドを分離すること、および複製中に形成されたプレカテナンを除去して、最終的には娘分子を娘細胞中に隔離可能にすることに関与する。TopoIVは、酵素をリセットして再び触媒サイクルに戻るためにATPの加水分解(EサブユニットのN末端で)を必要とするC四量体として、2つのParCサブユニットおよび2つのparEサブユニットから構成される(C単量体およびE単量体は、それぞれジャイレースのA単量体およびB単量体と相同である)。TopoIVは、細菌の中で高度に保存され、細菌の複製に不可欠である(非特許文献3)。
【0006】
複数の重要な標的を効果的に阻害し得る薬剤は、効力のスペクトルの拡大、抗菌能の向上、単一の標的変異に対する効力の向上、および/または耐性のより低い自然発生率をもたらし得る。
【0007】
抗生物質に対する細菌耐性が重要な公衆衛生問題になるにしたがって、より新しくかつより強力な抗生物質を開発する継続的な必要性が存在する。より具体的には、細菌感染を治療するために以前は使用されなかった新しいクラスの化合物を代表する抗生物質についての必要性が存在する。かかる化合物は、耐性細菌の形成および伝染が徐々に蔓延している病院での院内感染を治療するのに、特に有用である。
【0008】
細菌感染の治療に有用なジャイレースおよびトポIV阻害剤として記載される化合物は、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、および特許文献5に開示される。これらの刊行物には、これらの化合物の調製のためのプロセスおよび中間体もまた、開示される。しかしながら、これらの化合物の調製のための経済的なプロセスの必要性が依然として存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公開第02/060879号パンフレット
【特許文献2】国際公開第05/0122292号パンフレット
【特許文献3】米国特許出願公開第2005/0038247号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2006/0122196号明細書
【特許文献5】国際公開第07/056330号パンフレット
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Kornberg and Baker, DNA Replication, 2d Ed., Chapter 12, 1992, W.H. Freeman and Co.; Drlica, Molecular Microbiology, 1992, 6, 425; Drlica and Zhao, Microbiology and Molecular Biology Reviews, 1997, 61, 377
【非特許文献2】Champoux, J. J., Ann. Rev. Biochem., 2001, 70, 369−413
【非特許文献3】Drlica and Zhao, Microbiol. Mol. Biol. Rev., 1997, 61, 377
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本明細書に記載されるように、本発明の一態様は、細菌感染の治療に有用なジャイレースおよびトポIV阻害剤を調製するためのプロセスを提供する。かかる化合物は、以下の構造を有する1−エチル−3−(5−(5−フルオロピリジン−3−イル)−7−(ピリミジン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)尿素(化合物1)を含む。
【0012】
【化1】

【0013】
別の態様において、本発明は、本発明のプロセスにおける中間体として有用な化合物を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
一態様において、本発明は、式1
【0015】
【化2】

【0016】
の化合物を調製するためのプロセスであって、
i)3−フルオロ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(式2)および4−ブロモ−2−ニトロ−6−(ピリミジン−2−イル)ベンゼンアミン(式3)を提供するステップと、
【0017】
【化3】

【0018】
ii)水、有機溶媒、塩基、および遷移金属触媒を含む二相混合物中で、式2の化合物と式3の化合物とをクロスカップリングさせ、
【0019】
【化4】

【0020】
の4−(5−フルオロピリジン−3−イル)−2−ニトロ−6−(ピリミジン−2−イル)ベンゼンアミンを生成するステップと、
iii)式4の化合物を還元して、式5
【0021】
【化5】

【0022】
の5−(5−フルオロピリジン−3−イル)−3−(ピリミジン−2−イル)ベンゼン−1,2−ジアミンを生成するステップと、
iv)緩衝水および有機溶媒を含む二相混合物中で、式5の化合物と式6
【0023】
【化6】

【0024】
の化合物とを反応させて、式1の化合物を生成するステップと、
を含む、プロセスに関連する。
【0025】
別の態様において、本発明は、式I
【0026】
【化7】

【0027】
の化合物を調製するためのプロセスであって、
ib)式4b
【0028】
【化8】

【0029】
(式中、
環Cは、1〜2個の窒素を有する6員のへテロアリール環であり、
環Cは1〜3個のR基で置換され、
各RはORまたはハロゲンから独立して選択され、
はC1−4脂肪族であるか、または
環Cは非置換の2−ピリミジン環であり、
Xは窒素、CH、またはCFである)の化合物を、式6b
【0030】
【化9】

【0031】
(式中、
xは0〜5であり、
は−R、−OR、−N(R、−NO、ハロゲン、−CN、−C1−4ハロアルキル、−C1−4ハロアルコキシ、−C(O)N(R、−NRC(O)R、−SOR、−SO、−SON(R、−NRSO、−COR、−NRSON(R、−COCORから選択され、
は窒素または非置換のC1−6脂肪族であり、
各RはC1−6脂肪族である)の化合物と、
緩衝水および有機溶媒を含む二相混合物中で反応させて、式Iの化合物を生成するステップを含む、プロセスを提供する。
【0032】
さらに別の態様において、本発明は、式1
【0033】
【化10】

【0034】
の化合物を精製するためのプロセスであって、
a)式1の化合物を含む調製物を、有機溶媒、水、および酸中でスラリー化させて式1の化合物の懸濁液を得るステップと、
b)懸濁液を加熱して化合物1の均一溶液を得るステップと、
c)化合物1の均一溶液を濾過するステップと、
d)溶液を冷却して化合物1の塩を固体の形態で得るステップと、
を含む、プロセスもまた提供する。
【0035】
別の態様において、本発明は、式6b
【0036】
【化11】

【0037】
の化合物を調製するためのプロセスであって、
式中、
xは0〜5であり、
は−R、−OR、−N(R、−NO、ハロゲン、−CN、−C1−4ハロアルキル、−C1−4ハロアルコキシ、−C(O)N(R、−NRC(O)R、−SOR、−SO、−SON(R、−NRSO、−COR、−NRSON(R、−COCORから選択され、
は窒素または非置換のC1−6脂肪族であり、
各RはC1−6脂肪族であり、
ic)式6aaa
【0038】
【化12】

【0039】
(式中、xは0〜5であり、
は−R、−OR、−N(R、−NO、ハロゲン、−CN、−C1−4ハロアルキル、−C1−4ハロアルコキシ、−C(O)N(R、−NRC(O)R、−SOR、−SO、−SON(R、−NRSO、−COR、−NRSON(R、−COCORから選択され、
は水素または非置換のC1−6脂肪族である)の化合物またはその好適な塩を、
式R−N=C=Oのイソシアネート
(式中、RはC1−6脂肪族である)と、
水と有機溶媒との好適な混合物中で反応させて、式6bの化合物を生成するステップを含む、プロセスもまた、提供する。
【0040】
別の態様において、本発明は、本発明のプロセスにおける中間体として有用な式6b
【0041】
【化13】

【0042】
の化合物であって、
式中、
xは0〜5であり、
は−R、−OR、−N(R、−NO、ハロゲン、−CN、−C1−4ハロアルキル、−C1−4ハロアルコキシ、−C(O)N(R、−NRC(O)R、−SOR、−SO、−SON(R、−NRSO、−COR、−NRSON(R、−COCORから選択され、
は窒素または非置換のC1−6脂肪族であり、
各RはC1−6脂肪族である、
式6bの化合物もまた提供する
さらに別の態様において、本発明は、本発明のプロセスにおける中間体として有用な式4a
【0043】
【化14】

【0044】
の化合物であって、
式中、
環Cは、1〜2個の窒素を有する6員のへテロアリール環であり、
環Cは1〜3個のR基で置換され、
各RはORまたはハロゲンから独立して選択され、
はC1−4脂肪族であるか、または
環Cは非置換の2−ピリミジン環であり、
Xは窒素、CH、またはCFであり、
およびRは、独立してNO、NH、またはNHRであり、
は、アミノ保護基であるが、
但し、以下の化合物を除く式4aの化合物もまた提供する:
2−ニトロ−6−(ピリジン−2−イル)−4−(ピリジン−3−イル)フェニル)アミン、3−(ピリジン−2−イル)−5−(ピリジン−3−イル)ベンゼン−1,2−ジアミン、および(2−ニトロ−3−(ピラゾール−1−イル)−5−(ピリジン−3−イル)フェニル)アミン。
【0045】
定義および一般的な用語
本明細書で使用される場合、他に指定のない限り、以下の定義が適用される。本発明の目的のために、化学元素は、Periodic Table of the Elements, CAS version, Handbook of Chemistry and Physics, 75th Edに従って同定される。また、有機化学の一般原則は、”Organic Chemistry”, Thomas Sorrell, University Science Books、Sausalito: 1999および”March’s Advanced Organic Chemistry”, 5th Ed., Ed., Smith, M.B. and March, J., John Wiley & Sons, New York: 2001に記載され、その内容全体は参照により本明細書に援用される。
【0046】
本明細書に記載される場合、本発明の化合物は、一般的に上記に示される、または本発明の特定のクラス、サブクラス、および種によって例示されるような1つ以上の置換基で任意選択的に置換され得る。任意の所与の構造における1つより多くの位置が、特定の基から選択される1つより多くの置換基で置換され得る場合は、該置換基は各位置で同じかまたは異なり得る。
【0047】
置換基のラジカルまたは構造が「任意選択的に置換される」と同定または定義されていない場合は、該置換基のラジカルまたは構造は非置換である。
【0048】
本発明によって想定される置換基の組み合わせは、好ましくは、安定したまたは化学的に実現可能な化合物の形成をもたらす組み合わせである。「安定した」という用語は、本明細書で使用される場合、それらの生成、検出、また好ましくはそれらの回収、精製、および本明細書に開示される目的のうちの1つ以上のための使用を可能にする条件に供された場合に、実質的に変化しない化合物を指す。いくつかの実施形態において、安定した化合物または化学的に実現可能な化合物は、水分の非存在下または他の化学反応条件において、40℃以下の温度で少なくとも1週間維持された場合に、実質的に変化しない化合物である。
【0049】
「脂肪族」または「脂肪族基」という用語は、本明細書で使用される場合、完全に飽和しているかまたは1つ以上の不飽和単位を含む、直鎖(すなわち、分岐していない)または分岐の、置換または非置換の炭化水素鎖を意味する。他に特定されない限り、脂肪族基は、1〜6個の脂肪族炭素原子を含む。いくつかの実施形態において、脂肪族基は1〜4個の脂肪族炭素原子を含む。好適な脂肪族基には、直鎖または分岐の、置換もしくは非置換のアルキル、アルケニル、またはアルキニル基を含むが、これらに限定されない。脂肪族基のさらなる例には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−フェニルまたはn−ヘキシルを含むが、これらに限定されない。「アルキル」という用語および「alk−」という接頭語は、本明細書で使用される場合、直鎖および分岐の両方の飽和炭素鎖を包括する。
【0050】
「アルコキシ」という用語は、本明細書で使用される場合、上で定義したように、酸素(「アルコキシ」)原子を介して炭素主鎖に結合するアルキル基を指す。
【0051】
「ハロアルコキシ」または「ハロアルキル」という用語は、場合に応じて1つ以上のハロゲン原子で置換されるアルキル、アルケニル、またはアルコキシを指す。
【0052】
「ハロゲン」または「ハロ」という用語は、本明細書で使用される場合、フッ素、塩素、臭素、または沃素を指す。
【0053】
「ヘテロアリール」という用語は、1つ以上の窒素ヘテロ原子を含む合計6環員を有する単環系を指す。「ヘテロアリール」という用語は、「ヘテロアリール環」という用語と交換可能に使用され得る。
【0054】
限定されることなく、単環式ヘテロアリール環は以下を含む:ピリジニル(例えば、ピリド−2−イル、ピリド−3−イル、またはピリド−4−イル)、ピリミジニル(例えば、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−4−イル、またはピリミジン−5−イル)、ピリダジニル(例えば、ピリダジン−3−イル、ピリダジン−4−イル、ピリダジン−5−イル、またはピリダジン−6−イル)、ピラジニル。ヘテロアリールは、標準的な化学命名法にしたがって番号付けされている。
【0055】
いくつかの実施形態において、ヘテロアリール基は1つ以上の置換基を含み得る。ヘテロアリール基の不飽和炭素原子上の好適な置換基は、Rの定義に列記されるものから選択される。
【0056】
本明細書に記載される場合、ある置換基から複数環系内(以下に示す)の1つの環の中心へと描かれた結合は、該複数環系内の環のうちのいずれかにおけるいずれかの置換可能な位置での置換基の置換を表す。例えば、図aは、図bに示す位置のうちのいずれかにおける可能な置換を表す。
【0057】
【化15】

【0058】
「保護基」という用語は、本明細書で使用される場合、例えば、アルコールアミン、カルボキシル、カルボニル等の官能基を、合成手順の間の望ましくない反応から保護することを目的とする基を表す。一般的に使用される保護基は、Greene and Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd Edition (John Wiley & Sons, New York, 1999)に開示され、それらは参照により本明細書に援用される。窒素保護基の例には、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ピバロイル、t−ブチルアセチル、2−クロロアセチル、2−ブロモアセチル、トリフルオロアセチル、トリクロロアセチル、フタリル、o−ニトロフェノキシアセチル、α−クロロブチリル、ベンゾイル、4−クロロベンゾイル、4−ブロモベンゾイル、4−ニトロベンゾイル等のアシル基、アロイル基、またはカルバミル基、および、アラニン、ロイシン、フェニルアラニン等の保護または非保護のD、L、もしくはD,L−アミノ酸等のキラル補助基、ベンゼンスルホニルおよびp−トルエンスルホニル等のスルホニル基、ベンジロキシカルボニル、p−クロロベンジロキシカルボニル、p−メトキシベンジロキシカルボニル、p−ニトロベンジロキシカルボニル、2−ニトロベンジロキシカルボニル、p−ブロモベンジロキシカルボニル、3,4−ジメトキシベンジロキシカルボニル、3,5−ジメトキシベンジロキシカルボニル、2,4−ジメトキシベンジロキシカルボニル、4−メトキシベンジロキシカルボニル、2−ニトロ−4,5−ジメトキシベンジロキシカルボニル、3,4,5−トリメトキシベンジロキシカルボニル、1−(p−ビフェニルイル)−1−メチルエトキシカルボニル、α,α−ジメチル−3,5−ジメトキシベンジロキシカルボニル、ベンズヒドリロキシカルボニル、t−ブチロキシカルボニル、ジイソプロピルメトキシカルボニル、イソプロピロキシカルボニル、エトキシカルボニル、メトキシカルボニル、アリロキシカルボニル、2,2,2,−トリクロロエトキシカルボニル、フェノキシカルボニル、4−ニトロフェノキシカルボニル、フルオレニル−9−メトキシカルボニル、シクロペンチロキシカルボニル、アダマンチロキシカルボニル、シクロヘキシロキシカルボニル、フェニルチオカルボニル等のカルバメート基、ベンジル、トリフェニルメチル、ベンジロキシメチル等のアリールアルキル基、ならびにトリメチルシリル等のシリル基を含む。一実施形態において、N−保護基はピバロイルである。
【0059】
他に記載のない限り、本明細書に示される構造はまた、該構造のすべての異性体(例えば、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、および幾何異性体(または立体配座異性体))の形態(例えば、それぞれの不斉中心についてのRおよびS立体配置、(Z)および(E)二重結合異性体、ならびに(Z)および(E)立体配座異性体)を含むことも意味している。したがって、単一の立体化学的異性体と同様に、本発明の化合物の鏡像異性体、ジアステレオ異性体、および幾何異性体(または立体配座異性体)の混合物も、本発明の範囲内である。他に記載のない限り、本発明の化合物のすべての互変異性形態は、本発明の範囲内である。また、他に記載のない限り、本明細書に示される構造はまた、1つ以上の同位体濃縮された原子の存在下においてのみ異なる化合物を含むことも意味している。例えば、重水素またはトリチウムによる水素の置き換え、または13C−もしくは14C−濃縮炭素による炭素の置き換えを除いて、本発明の構造を有する化合物は本発明の範囲内である。かかる化合物は、例えば、分析ツール、生物学的検定におけるプローブ、または改良された治療プロファイルを有するジャイレース/トポIV阻害剤として有用である。
【0060】
一実施形態において、本発明は、式1
【0061】
【化16】

【0062】
の化合物を調製するためのプロセスを提供する。
【0063】
いくつかの実施形態において、式1の化合物を調製するためのプロセスは、
i)3−フルオロ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(式2)および4−ブロモ−2−ニトロ−6−(ピリミジン−2−イル)ベンゼンアミン(式3)を提供するステップと、
【0064】
【化17】

【0065】
ii)水、有機溶媒、塩基、および遷移金属触媒を含む二相混合物中で、式2の化合物と式3の化合物とをクロスカップリングさせて、式4
【0066】
【化18】

【0067】
の4−(5−フルオロピリジン−3−イル)−2−ニトロ−6−(ピリミジン−2−イル)ベンゼンアミンを生成するステップと、
iii)式4の化合物を還元して、式5
【0068】
【化19】

【0069】
の5−(5−フルオロピリジン−3−イル)−3−(ピリミジン−2−イル)ベンゼン−1,2−ジアミンを生成するステップと、
iv)緩衝水および有機溶媒を含む二相混合物中で、式5の化合物と式6
【0070】
【化20】

【0071】
の化合物とを反応させて、式1の化合物を生成するステップと、を含む。
【0072】
いくつかの実施形態において、ii)の有機溶媒は、非プロトン性溶媒である。
【0073】
いくつかの実施形態において、ii)の非プロトン性溶媒は、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、アセトニトリル、トルエン、ベンゼン、キシレン、メチルt−ブチルエーテル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン,またはジメチルスルホキシドから選択される。
【0074】
他の実施形態において、ii)の非プロトン性溶媒は、1,2−ジメトキシエタンまたはジオキサンから選択される。他の実施形態において、ii)の非プロトン性溶媒は1,2−ジメトキシエタンである。
【0075】
他の実施形態において、ii)の有機溶媒はプロトン性溶媒である。いくつかの実施形態において、ii)のプロトン性溶媒は、メタノール、エタノール、またはイソプロパノールから選択される。
【0076】
いくつかの実施形態において、ii)の塩基は、無機塩基である。
【0077】
いくつかの実施形態において、ii)の無機塩基は、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、または水酸化リチウムから選択される。
【0078】
他のいくつかの実施形態において、ii)の無機塩基は、炭酸カリウム、炭酸セシウム、またはリン酸カリウムから選択される。さらに他の実施形態において、ii)の無機塩基は炭酸カリウムから選択される。
【0079】
いくつかの実施形態において、ii)の遷移金属触媒は、パラジウム系触媒である。
【0080】
いくつかの実施形態において、ii)のパラジウム系触媒は、パラジウム(II)アセテート、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、またはトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)から選択される。さらに他の実施形態において、ii)のパラジウム系触媒はパラジウム(II)アセテートである。
【0081】
いくつかの実施形態において、ii)の二相混合物は、追加的にホスフィン配位子を含む。
【0082】
いくつかの実施形態において、ii)のホスフィン配位子は、トリアリールホスフィン配位子またはトリアルキルホスフィン配位子である。
【0083】
いくつかの実施形態において、ii)のホスフィン配位子は、トリアルキルホスフィン配位子である。
【0084】
他の実施形態において、ii)のトリアルキルホスフィン配位子は、トリ−n−ブチルホスフィン、トリ−t−ブチルホスフィン、またはトリシクロヘキシルホスフィンから選択される。
【0085】
いくつかの実施形態において、ii)のホスフィン配位子は、トリフェニルホスフィン、トリ−o−トリルホスフィン、トリ−m−トリルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン、またはトリ−p−アニシルホスフィンから選択されるトリアリールホスフィン配位子である。
【0086】
他の実施形態において、ii)のトリアリールホスフィン配位子は、トリフェニルホスフィンから選択される。
【0087】
いくつかの実施形態において、ii)の二相混合物は、追加的にアルシン配位子を含む。いくつかの実施形態において、ii)のアルシン配位子は、トリアリールアルシン配位子である。いくつかの実施形態において、ii)のトリアリールアルシン配位子は、トリフェニルアルシンである。
【0088】
他のいくつかの実施形態において、ii)の二相混合物は、追加的に相間移動触媒を含む。
【0089】
いくつかの実施形態において、ii)の相間移動触媒は、臭化セチルトリメチルアンモニウム、トリ−n−ブチル塩化アンモニウム、またはベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシドから選択される。
【0090】
他の実施形態において、ii)の相間移動触媒は、臭化セチルトリメチルアンモニウムである。
【0091】
いくつかの実施形態において、ii)のクロスカップリング反応は、75℃〜100℃の間で行われる。
【0092】
他の実施形態において、ii)のクロスカップリング反応は、80℃〜90℃の間で行われる。さらに他の実施形態において、ii)のクロスカップリング反応は、85℃で行われる。
【0093】
いくつかの実施形態において、iii)において、式4の化合物は、好適な水素雰囲気および好適な有機溶媒を含む触媒水素化条件下で還元される。
【0094】
iii)の他の実施形態において、触媒水素化条件は、炭素上のパラジウム金属触媒、1〜10気圧の間の水素雰囲気、および非プロトン性溶媒、プロトン性溶媒、またはその混合物から選択される有機溶媒を含む。
【0095】
iii)の他の実施形態において、パラジウム金属触媒は炭素上の1重量%〜30重量%の間のパラジウム金属であり、水素雰囲気は1〜6気圧であり、有機溶媒はメタノールもしくはエタノールから選択されるプロトン性溶媒、またはN,N−ジメチルアセトアミドもしくはN,N−ジメチルホルムアミドから選択される非プロトン性溶媒である。
【0096】
iii)のさらに他の実施形態において、パラジウム金属触媒は炭素上の1重量%〜30重量%の間のパラジウム金属であり、水素雰囲気は1〜6気圧であり、有機溶媒はメタノールもしくはエタノールから選択されるプロトン性溶媒、またはN,N−ジメチルアセトアミドから選択される非プロトン性溶媒である。
【0097】
iii)の他の実施形態において、パラジウム金属触媒は炭素上の5重量%〜10重量%の間のパラジウム金属であり、水素雰囲気は1〜5気圧であり、有機溶媒はN,N−ジメチルアセトアミドである。
【0098】
いくつかの実施形態において、iv)の有機溶媒は、非プロトン性溶媒である。
【0099】
いくつかの実施形態において、iv)の非プロトン性溶媒は、1,2−ジメトキシエタンまたはジオキサンから選択される。
【0100】
いくつかの実施形態において、式6の化合物は、非プロトン性溶媒中の溶液として使用される。
【0101】
いくつかの実施形態において、式6の化合物は、1,2−ジメトキシエタン中の溶液として使用される。
【0102】
他のいくつかの実施形態において、式6の化合物は、固体の形態で使用される。
【0103】
いくつかの実施形態において、iv)の二相緩衝水溶液は、非プロトン性溶媒および2〜5の間のpHに調整される水性緩衝液を含む。
【0104】
いくつかの実施形態において、iv)の二相緩衝水溶液は、非プロトン性溶媒および3〜4の間のpHに調整される水性緩衝液を含む。
【0105】
いくつかの実施形態において、iv)の非プロトン性溶媒は、1,2−ジメトキシエタンまたはジオキサンから選択される。
【0106】
他の実施形態において、iv)の非プロトン性溶媒は、1,2−ジメトキシエタンである。
【0107】
いくつかの実施形態において、iv)の反応は、50℃〜100℃の間で行われる。
【0108】
他の実施形態において、iv)の反応は、70℃〜90℃の間で行われる。
【0109】
さらに他の実施形態において、iv)の反応は、75℃〜85℃の間で行われる。
【0110】
いくつかの実施形態において、式1の1−エチル−3−(5−(5−フルオロピリジン−3−イル)−7−(ピリミジン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)尿素を調製するためのプロセスは、
a)式1の化合物を含む調製物を、有機溶媒、水、および酸中でスラリー化させて式1の化合物の懸濁液を得るステップと、
b)懸濁液を加熱して化合物1の均一溶液を得るステップと、
c)化合物1の均一溶液を濾過するステップと、
d)溶液を冷却して化合物1の塩を固体の形態で得るステップと、
をさらに含む。
【0111】
いくつかの実施形態において、a)の上記有機溶媒はプロトン性溶媒であり、上記酸はスルホン酸であり、b)の加熱は40℃〜90℃の間の温度である。
【0112】
他のいくつかの実施形態において、a)の上記プロトン性溶媒はメタノールまたはエタノールであり、上記スルホン酸はメタンスルホン酸またはエタンスルホン酸であり、b)の上記加熱は60℃〜85℃の間の温度である。
【0113】
いくつかの実施形態において、式1の1−エチル−3−(5−(5−フルオロピリジン−3−イル)−7−(ピリミジン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)尿素を調製するためのプロセスは、
e)好適な温度の好適な有機溶媒または有機溶媒と水との混合物中で、化合物1の塩を再結晶化させるステップをさらに含む。
【0114】
いくつかの実施形態において、再結晶化は、水とプロトン性溶媒との混合物を含む。
【0115】
e)の他の実施形態において、プロトン性溶媒は、エタノールである。
【0116】
いくつかの実施形態において、式1
【0117】
【化21】

【0118】
の化合物を精製するためのプロセスであって、
a)式1の化合物を、有機溶媒、水、および酸中でスラリー化させて式1の化合物の懸濁液を得るステップと、
b)懸濁液を加熱して化合物1の均一溶液を得るステップと、
c)化合物1の均一溶液を濾過するステップと、
d)溶液を冷却して化合物1の塩を固体の形態で得るステップと、
を含むプロセスを提供する。
【0119】
式1の化合物を精製するためのプロセスのいくつかの実施形態において、a)において、上記有機溶媒はプロトン性溶媒であり、上記酸はスルホン酸であり、b)において、上記加熱は40℃〜90℃の間の温度である。
【0120】
式1の化合物を精製するためのプロセスのいくつかの他の実施形態において、a)において、上記プロトン性溶媒はメタノールまたはエタノールであり、上記スルホン酸はメタンスルホン酸またはエタンスルホン酸であり、b)において、上記加熱は50℃〜80℃の間の温度である。
【0121】
式1の化合物を精製するためのプロセスのいくつかの他の実施形態において、a)において、上記プロトン性溶媒はエタノールであり、上記スルホン酸はエタンスルホン酸であり、b)において、上記加熱は60℃〜70℃の間の温度である。
【0122】
いくつかの実施形態において、本発明は、好適な温度の好適な有機溶媒または有機溶媒と水との混合物中で、化合物1の塩を再結晶化させるステップをさらに含む、式1の化合物を精製するためのプロセスを提供する。
【0123】
いくつかの実施形態において、再結晶化は、水とプロトン性溶媒との混合物を含む。他の実施形態において、プロトン性溶媒はエタノールである。
【0124】
他の実施形態において、式1の化合物を調製するためのプロセスは、
ia)緩衝水および有機溶媒を含む二相混合物中で、式5
【0125】
【化22】

【0126】
の5−(5−フルオロピリジン−3−イル)−3−(ピリミジン−2−イル)ベンゼン−1,2−ジアミンを、式6
【0127】
【化23】

【0128】
の化合物と反応させて、式1の化合物を生成するステップを含む。
【0129】
いくつかの実施形態において、ia)の有機溶媒は、非プロトン性溶媒である。
【0130】
いくつかの実施形態において、ia)の非プロトン性溶媒は、1,2−ジメトキシエタンまたはジオキサンから選択される。
【0131】
いくつかの実施形態において、式6の化合物は、非プロトン性溶媒中の溶液として得られる。
【0132】
いくつかの実施形態において、式6の化合物は、1,2−ジメトキシエタン中の溶液として得られる。
【0133】
他のいくつかの実施形態において、式6の化合物は、固体の形態で得られる。
【0134】
いくつかの実施形態において、ia)の二相緩衝水溶液は、非プロトン性溶媒および2〜5の間のpHに調整される水性緩衝液を含む。
【0135】
いくつかの実施形態において、ia)の二相緩衝水溶液は、非プロトン性溶媒および3〜4の間のpHに調整される水性緩衝液を含む。
【0136】
いくつかの実施形態において、ia)の非プロトン性溶媒は、1,2−ジメトキシエタンまたはジオキサンから選択される。
【0137】
他の実施形態において、ia)の非プロトン性溶媒は、1,2−ジメトキシエタンである。
【0138】
いくつかの実施形態において、ia)の反応は、50℃〜100℃の間で行われる。
【0139】
他の実施形態において、ia)の反応は、70℃〜90℃の間で行われる。
【0140】
さらに他の実施形態において、ia)の反応は、75℃〜85℃の間で行われる。
【0141】
他の実施形態において、本発明は、式I
【0142】
【化24】

【0143】
の化合物を調製するためのプロセスであって、
ib)式4b
【0144】
【化25】

【0145】
(式中、
環Cは、1〜2個の窒素を有する6員のへテロアリール環であり、
環Cは1〜3個のR基で置換され、
各RはORまたはハロゲンから独立して選択され、
はC1−4脂肪族であるか、または
環Cは非置換の2−ピリミジン環であり、
Xは窒素、CH、またはCFである)の化合物を、式6b
【0146】
【化26】

【0147】
(式中、
xは0〜5であり、
は−R、−OR、−N(R、−NO、ハロゲン、−CN、−C1−4ハロアルキル、−C1−4ハロアルコキシ、−C(O)N(R、−NRC(O)R、−SOR、−SO、−SON(R、−NRSO、−COR、−NRSON(R、−COCORから選択され、
は窒素または非置換のC1−6脂肪族であり、
各RはC1−6脂肪族である)の化合物と、
緩衝水および有機溶媒を含む二相混合物中で反応させて、式Iの化合物を生成するステップを含む、プロセスを提供する。
【0148】
いくつかの実施形態において、ib)の有機溶媒は、非プロトン性溶媒である。
【0149】
いくつかの実施形態において、ib)の非プロトン性溶媒は、1,2−ジメトキシエタンまたはジオキサンから選択される。
【0150】
いくつかの実施形態において、式6bの化合物は、非プロトン性溶媒中の溶液として得られる。
【0151】
いくつかの実施形態において、式6bの化合物は、1,2−ジメトキシエタン中の溶液として得られる。
【0152】
他のいくつかの実施形態において、式6bの化合物は、固体の形態で得られる。
【0153】
いくつかの実施形態において、ib)の二相緩衝水溶液は、非プロトン性溶媒および2〜5の間のpHに調整される水性緩衝液を含む。
【0154】
いくつかの実施形態において、ib)の二相緩衝水溶液は、非プロトン性溶媒および3〜4の間のpHに調整される水性緩衝液を含む。
【0155】
いくつかの実施形態において、ib)の非プロトン性溶媒は、1,2−ジメトキシエタンまたはジオキサンから選択される。
【0156】
他の実施形態において、ib)の非プロトン性溶媒は、1,2−ジメトキシエタンである。
【0157】
いくつかの実施形態において、ib)の反応は、50℃〜100℃の間で行われる。
【0158】
他の実施形態において、ib)の反応は、70℃〜90℃の間で行われる。
【0159】
さらに他の実施形態において、ib)の反応は、75℃〜85℃の間で行われる。
【0160】
他の実施形態において、本発明は、式6b
【0161】
【化27】

【0162】
の化合物を調製するためのプロセスであって、
式中、
xは0〜5であり、
は−R、−OR、−N(R、−NO、ハロゲン、−CN、−C1−4ハロアルキル、−C1−4ハロアルコキシ、−C(O)N(R、−NRC(O)R、−SOR、−SO、−SON(R、−NRSO、−COR、−NRSON(R、−COCORから選択され、
は水素または非置換のC1−6脂肪族であり、
各RはC1−6脂肪族であり、
ic)式6aaa
【0163】
【化28】

【0164】
(式中、xは0〜5であり、
は−R、−OR、−N(R、−NO、ハロゲン、−CN、−C1−4ハロアルキル、−C1−4ハロアルコキシ、−C(O)N(R、−NRC(O)R、−SOR、−SO、−SON(R、−NRSO、−COR、−NRSON(R、−COCORから選択され、
は水素または非置換のC1−6脂肪族である)の化合物またはその好適な塩を、
式RNCOのイソシアネート
(式中、RはC1−6脂肪族である)と、
水と有機溶媒との好適な混合物中で反応させて、式6bの化合物を生成するステップを含む、プロセスを提供する。
【0165】
ic)のいくつかの実施形態において、有機溶媒は、非プロトン性溶媒である。他の実施形態において、非プロトン性溶媒は、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、アセトニトリル、トルエン、ベンゼン、キシレン、メチルt−ブチルエーテル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン、またはジメチルスルホキシドから選択される。
【0166】
他の実施形態において、ic)の非プロトン性溶媒は、1,2−ジメトキシエタンまたはジオキサンから選択される。他の実施形態において、ic)の非プロトン性溶媒は、1,2−ジメトキシエタンである。
【0167】
いくつかの実施形態において、式5または式4bの化合物および式6または式6bの化合物は、本明細書に開示されるプロセスおよび手順にしたがって調製される。他の実施形態において、式4bの化合物は、当業者に既知である手順にしたがって調製される(例えば、式4bの化合物の調製に関連する手順を参照することにより、それぞれが援用される、国際公開第WO02/060879号、国際公開第WO05/0122292号、米国特許第2005/0038247号、米国特許第2006/0122196号、および国際公開第WO07/056330号)。
【0168】
いくつかの実施形態において、本発明は、式6b
【0169】
【化29】

【0170】
(式中、
xは0〜5であり、
は−R、−OR、−N(R、−NO、ハロゲン、−CN、−C1−4ハロアルキル、−C1−4ハロアルコキシ、−C(O)N(R、−NRC(O)R、−SOR、−SO、−SON(R、−NRSO、−COR、−NRSON(R、−COCORから選択され、
は水素または非置換のC1−6脂肪族であり、
各RはC1−6脂肪族である)の化合物を提供する。
【0171】
式6bの化合物のいくつかの実施形態において、xは1であり、R置換基はパラであり、またRはC1−4脂肪族である。
【0172】
式6bの化合物の他の実施形態において、R置換基はパラNOであり、またRはエチルである。
【0173】
さらに他の実施形態において、本発明は、式4a
【0174】
【化30】

【0175】
の化合物であって、
式中、
環Cは、1〜2個の窒素を有する6員のへテロアリール環であり、
環Cは1〜3個のR基で置換され、
各RはORまたはハロゲンから独立して選択され、
はC1−4脂肪族であるか、または
環Cは非置換の2−ピリミジン環であり、
Xは窒素、CH、またはCFであり、
およびRは、独立してNO、NH、またはNHRであり、
は、アミノ保護基であるが、
但し、以下の化合物を除く式4aの化合物を提供する:
2−ニトロ−6−(ピリジン−2−イル)−4−(ピリジン−3−イル)フェニル)アミン、3−(ピリジン−2−イル)−5−(ピリジン−3−イル)ベンゼン−1,2−ジアミン、および(2−ニトロ−3−(ピラゾール−1−イル)−5−(ピリジン−3−イル)フェニル)アミン。
【0176】
式4aの化合物のいくつかの実施形態において、XはC−Fであり、環Cは非置換のピリミジンであり、RおよびRは両方ともNHである。
【0177】
式4aの化合物の他の実施形態において、XはC−Fであり、環Cは非置換のピリミジンであり、RはNOであり、またRはNHである。
式4aの化合物のさらに他の実施形態において、XはC−Fであり、環Cは非置換のピリミジンであり、RはNHであり、またRはNOである。
【0178】
他の実施形態において、本発明は、式4a
【0179】
【化31】

【0180】
の化合物であって、
式中、
環Cは、1〜2個の窒素を有する6員のへテロアリール環であり、
環Cは1〜3個のR基で置換され、
各RはORまたはハロゲンから独立して選択され、
はC1−4脂肪族であるか、または
環Cは非置換の2−ピリミジン環であり、
Xは窒素、CH、またはCFであり、
およびRは、独立してNO、NH、またはNHRであり、
は、アミノ保護基である、化合物を提供する。
【0181】
他の実施形態において、式4a
【0182】
【化32】

【0183】
の化合物であって、
式中、
環Cは、1〜2個の窒素を有する6員のへテロアリール環であり、
環Cは1〜3個のR基で置換され、
各RはORまたはハロゲンから独立して選択され、
はC1−4脂肪族であるか、または
環Cは非置換の2−ピリミジン環であり、
Xは窒素、CH、またはCFであり、
およびRは、独立してNOまたはNHであるが、
但し、以下の化合物を除く式4aの化合物を提供する:
2−ニトロ−6−(ピリジン−2−イル)−4−(ピリジン−3−イル)フェニル)アミン、3−(ピリジン−2−イル)−5−(ピリジン−3−イル)ベンゼン−1,2−ジアミン、および(2−ニトロ−3−(ピラゾール−1−イル)−5−(ピリジン−3−イル)フェニル)アミン。
【0184】
他の実施形態において、本発明は、式4a
【0185】
【化33】

【0186】
の化合物であって、
式中、
環Cは、1〜2個の窒素を有する6員のへテロアリール環であり、
環Cは1〜3個のR基で置換され、
各RはORまたはハロゲンから独立して選択され、
はC1−4脂肪族であるか、または
環Cは非置換の2−ピリミジン環であり、
Xは窒素、CH、またはCFであり、
およびRは、独立してNOまたはNHである、化合物を提供する。
【0187】
プロセスおよび中間体
以下の定義は、本明細書で使用される用語および略語を説明する。
Ac アセチル
Bu ブチル
Et エチル
Ph フェニル
Me メチル
THF テトラヒドロフラン
DCM ジクロロメタン
CHCl ジクロロメタン
EtOAc 酢酸エチル
CHCN アセトニトリル
EtOH エタノール
MeOH メタノール
MTBE メチルtert−ブチルエーテル
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMAまたはDMAc N,N−ジメチルアセトアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
HOAc 酢酸
TFA トリフルオロ酢酸
EtN トリエチルアミン
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
DIEA ジイソプロピルエチルアミン
CO 炭酸カリウム
NaCO 炭酸ナトリウム
CsCO 炭酸セシウム
NaHCO 重炭酸ナトリウム
NaOH 水酸化ナトリウム
NaSO 硫酸ナトリウム
PO リン酸カリウム
NHCl 塩化アンモニウム
LC/MS 液体クロマトグラフィ/質量スペクトル
HPLC 高速液体クロマトグラフィ
GC ガスクロマトグラフィ
LC 液体クロマトグラフィ
Hrまたはh 時間
atm 気圧
rtまたはRT 室温
TLC 薄層クロマトグラフィ
HCl 塩酸
O 水
EtNCO エチルイソシアネート
Pd/C 炭素上のパラジウム
NaOAc 酢酸ナトリウム
SO 硫酸
窒素ガス
水素ガス
n−BuLi n−ブチルリチウム
Piv ピバロイル
DI 脱イオン化
Pd(OAc) パラジウム(II)アセテート
PPh トリフェニルホスフィン
i−PrOH イソプロピルアルコール
NBS N−ブロモサクシニミド
Pd[(Ph)P] テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)
PTFE ポリテトラフルオロエチレン
NLT 〜以上
NMT 〜以下
rpm 毎分回転数
SM 出発物質
Equiv. 当量
H NMR プロトン核磁気共鳴
本明細書で使用される場合、他の略語、記号、および規則は、現代の科学文献において使用されるものに適合している。例えば、参照によりその全体が本明細書に援用されるJanet S. Dodd, ed., The ACS Style Guide: A Manual for Authors and Editors, 2nd Ed., Washington, D.C.: American Chemical Soiety, 1997を参照のこと。
【0188】
一実施形態において、本発明は、スキームIに概説されるように式6の化合物を調製するためのプロセスおよび中間体を提供する。
【0189】
スキームI
【0190】
【化34】

【0191】
スキームIでは、好適な溶媒(例えばアセトン)中の式6cのチオ尿素を、好適な溶媒(例えばアセトン)中の式6dの臭化物の混合物に添加することにより、式6aのイソチオ尿素を調製する。水と有機溶媒(例えば1,2−ジメトキシエタン)との好適な混合物中で、過剰なイソシアン酸エチルを用いて式6aのイソチオ尿素を処理することで、式6のプソイドチオ尿素(pseudothiourea)を得た。
【0192】
スキームIの一実施形態では、水と有機溶媒(例えば1,2−ジメトキシエタン)との混合物中で、市販の式6aの2−(4−ニトロベンジル)イソチオ尿素臭化水素酸塩と過剰なイソシアン酸エチルを0℃〜50℃の間の温度で反応させることにより、式6のプソイドチオ尿素を調製する。
【0193】
一実施形態において、スキームVに記載されるように、式6の化合物は有機溶媒(例えば1,2−ジメトキシエタン)中の溶液として調製され、さらに単離することなく化合物1の調製に使用される。
【0194】
別の実施形態において、スキームVに記載されるように、式6の化合物は固体として単離され、化合物1の調製に使用される。
【0195】
別の実施形態において、本発明は、以下のスキームIaに記載されるように式6bの化合物を調製するためのプロセスおよび中間体を提供する。
【0196】
スキームIa
【0197】
【化35】

【0198】
スキームIaでは、好適な溶媒(例えばアセトン)中の式6cのイソチオ尿素を、好適な溶媒(例えばアセトン)中の式6ddの化合物の混合物に添加することにより、式6bのイソチオ尿素を調製する。水と有機溶媒(例えば1,2−ジメトキシエタン)との好適な混合物中で、式6aaのイソチオ尿素中間体を過剰なイソシアネートを用いて処理することにより、式6bのプソイドチオ尿素を得る。上のスキームIaでは、ラジカルR、X、およびRは、本明細書において定義されるとおりである。式6aaの化合物中のラジカルHXは、化合物6aaの単離を促進するために任意選択的に存在する好適な塩(例えば臭化水素酸塩)を表すことを理解されたい。式6ddの化合物中のラジカルXは、好適な脱離基(例えばハロゲン)である。本明細書で使用される場合、好適な脱離基は、所望の外来する化学的部分によって容易に置換される化学的部分である。好適な脱離基は、当該技術分野において周知である(例えば、参照によりそれら両方の内容が本明細書に援用される“Advanced Organic Chemistry,” Jerry March, 4th Ed., pp. 351−357, John Wiley and Sons, N.Y. (1992)および“Comprehensive Organic Transformations,” Larock, Richard C., 2nd Ed., John Wiley & Sons, 1999を参照のこと)。
【0199】
かかる脱離基は、ハロゲン、スルホニルオキシ、任意選択的に置換されたアルキルスルホニル、任意選択的に置換されたアルケニルスルホニル、任意選択的に置換されたアリールスルホニル、およびジアゾニウム部分を含むが、これらに限定されない。
【0200】
別の実施形態において、本発明は、スキームIIに概説されるように式2の化合物を調製するためのプロセスおよび中間体を提供する。
【0201】
スキームII
【0202】
【化36】

【0203】
スキームIIでは、好適な非プロトン性溶媒中のホウ酸エステル(例えばホウ酸イソプロピル)の存在下において、市販の式2aの3−ブロモ−5−フルオロピリジンと強いリチウム塩基(例えばn−ブチルリチウム)を反応させることにより、式2bのボロン酸を調製する。好適な非プロトン性溶媒は、例えば、テトラヒドロフランを含む。続いて、中間体ホウ酸エステル混合物を反応停止し、水性鉱酸(例えば9%水性HCl)で加水分解してボロン酸2bを得る。続いて、式2bのボロン酸を、好適な溶媒(例えばトルエン)中で、80℃〜150℃の間の昇温でピナコラートアルコール(pinacolate alcohol)でエステル化し、式2の化合物を得る。
【0204】
一実施形態において、スキームIIにおける式2の化合物については、市販品を購入することができる。
【0205】
一実施形態において、スキームIIIにおける式3の化合物は、国際公開第WO05/012292号に記載される手順にしたがって式3cの化合物から調製することができる。別の実施形態において、式3cの化合物については、市販品を購入することができる。さらに別の実施形態において、式3cの化合物は、既知の手段にしたがって2−ブロモベンゼンアミンから調製することができる。
【0206】
別の実施形態において、本発明は、スキームIIIに概説されるように式3の化合物を調製するためのプロセスおよび中間体を提供する。
【0207】
スキームIII
【0208】
【化37】

【0209】
スキームIIIを参照すると、好適な塩基(例えばトリエチルアミン等の有機三級アミン塩基)の存在下において、好適な非プロトン性溶媒(例えばジクロロメタン)中で、−20℃〜25℃の間の温度で塩化ピバロイルを用いて式3aの化合物を処理することにより、式3bのピバルアミドのブロモアニリンを調製する。好適な非プロトン性溶媒(例えばテトラヒドロフラン)中で、式3bの臭化物を強いリチウム塩基(例えばn−ブチルリチウム)と好適な温度(例えば−45℃〜−100℃)で反応させてから、好適なホウ酸エステル(例えばホウ酸イソプロピル)を添加することにより、対応する式3cのボロン酸の調製を達成する。好適な遷移金属触媒(例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0))を含む水性無機塩基(例えば炭酸ナトリウム等のアルカリ金属塩基)と好適な有機溶媒(例えばグリコールジメチルエーテル)との二相混合物中で、ボロン酸3cと2−クロロピリミジンを好適な温度(例えば25℃〜120℃の間)でクロスカップリング反応させることにより、ビアリール中間体3dを調製する。次いで、氷酢酸中で、臭素化試薬(例えばNBSまたはN−ブロモこはく酸イミド)を用いて好適な温度(例えば25℃〜80℃)で式3dの化合物を臭素化し、式3eの臭化アリールを提供する。好適な酸(例えば硫酸)中で、冷却した3eの水溶液(例えば−20℃〜10℃)を硝酸と反応させることにより3eのニトロ化を達成し、式3fの化合物を提供する。好適な温度(例えば30℃〜120℃の間)の有機溶媒(例えば無水エタノール)中で、好適な酸(例えば塩酸)を用いてピバロイル保護基の除去を達成し、式3の化合物を得る。
【0210】
別の実施形態において、本発明は、スキームIVに概説されるように式4の化合物を調製するためのプロセスおよび中間体を提供する。
【0211】
スキームIV
【0212】
【化38】

【0213】
スキームIVでは、好適な遷移金属触媒(例えばパラジウム(II)アセテート)、好適なホスフィン触媒(例えばトリフェニルホスフィン)、および好適な相間移動触媒(例えば臭化セチルトリメチルアンモニウム)を含む、水性無機塩基(例えば炭酸カリウム、炭酸セシウム等のアルカリ金属塩基)と好適な非プロトン性有機溶媒(例えば1,2−ジメトキシエタンまたはジオキサン)との二相混合物中で、式2のボロネートを式3の臭化アリールと好適な温度(例えば40℃〜120℃の間)でクロスカップリングさせ、式4の化合物を得る。
【0214】
別の実施形態において、スキームIVでは、好適な遷移金属触媒(例えばパラジウム(II)アセテート)、好適なホスフィン触媒(例えばトリフェニルホスフィン)、および好適な相間移動触媒(例えば臭化セチルトリメチルアンモニウム)を含む、無機塩基(例えばリン酸カリウム等のアルカリ金属塩基)と好適なプロトン性有機溶媒(例えばエタノール)との二相混合物中で、式2のボロネートを式3の臭化アリールと好適な温度(例えば40℃〜120℃の間)でクロスカップリングさせ、式4の化合物を得る。
【0215】
別の実施形態において、本発明は、スキームVに概説されるように式5の化合物を調製するためのプロセスおよび中間体を提供する。
【0216】
スキームV
【0217】
【化39】

【0218】
スキームVでは、還元条件下(例えば、パラジウム触媒の存在下での好適な水素雰囲気)において、好適な溶媒(例えばN,N−ジメチルアセトアミド)中で、式4の化合物中のニトロ基のアニリンへの変換が達成され得、所望の式5のジアミンを得る。
【0219】
別の実施形態において、本発明は、スキームVIに概説されるように式1の化合物を調製するためのプロセスおよび中間体を提供する。
【0220】
スキームVI
【0221】
【化40】

【0222】
スキームVIでは、酸性の水溶液(例えば、濃縮硫酸等の好適な酸を用いて3〜4の間のphに調整された水中の酢酸ナトリウム)中の式5のジアミンを、有機溶媒(例えば1,2−ジメトキシエタン)中の式6の化合物の溶液と、好適な温度(例えば40℃〜120℃の間)で反応させる。
【実施例】
【0223】
本発明がより完全に理解されるように、以下の調製例を記載する。これらの実施例は、例示目的のみであって、いかなる点においても本発明の範囲を制限すると解釈されるものではない。
【0224】
使用した分析方法
(A)Waters XBridge Phenylカラム(4.6×75mm、3.5ミクロン)上でのHPLC。移動相Aは水/1Mギ酸アンモニウム、pH7.0(99:1)。移動相BはACN/水/1Mギ酸アンモニウム、pH7.0(90:9:1)。10〜12分で勾配10〜100%B。流速1.2mL/分。UV245nmで検出。T=30℃。
【0225】
(B)Agilent RP18カラム(4.6×250mm)上でのLC。移動相ACN/HO/TFA(60:40:0.1)。265nmで検出。流速1.0mL/分。実行時間22分。
【0226】
(C)HP−5カラム上でのGC。キャリアガスとしてHを使用、温度勾配8−2−10−240。流速1.4mL/分。実行時間24分。
【0227】
(D)Altima C18カラム(4.6×250mm)上でのHPLC。移動相ACN/HO(7:3)。220nmで検出。流速1.0mL/分。周囲温度。実行時間21分。
【0228】
(E)移動相ACN/HO/TFA(70:30:0.1)および250nmで検出するが(D)と同様。
【0229】
(F)Agilent HC−C18カラム(4.6×250mm)上でのLC。移動相ACN/HO/TFA(50:50:0.1)。250nmで検出。流速1.0mL/分。周囲温度。実行時間25分。
【0230】
(G)より低い流速0.8ml/分および移動相70:30:0.1%を用いるが、(E)と同様。
【0231】
(H)J&W DB−1カラム(60m×0.32mm(内径)、フィルムの厚さは3.0mm)上でのGC。キャリアガスはHe。実行時間17.0分。初期温度40℃、40℃で5分間維持。100℃(10℃/分)までランプし、次いで240℃(35℃/分)までランプして240℃で2分間維持。カラム流量2.5mL/分。ヘリウム(一定)。FID検出器。スプリット比30:1。
【0232】
実施例1
4−(5−フルオロピリジン−3−イル)−2−ニトロ−6−(ピリミジン−2−イル)ベンゼンアミン(4)
方法1
3L丸底フラスコに機械的オーバーヘッド撹拌機、還流冷却器、温度計を装着し、Nでパージした。3−フルオロ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(2)(95.0g、421mmol、1.2当量)、4−ブロモ−2−ニトロ−6−(ピリミジン−2−イル)ベンゼンアミン(3)(104.55g、354mmol、1.0当量)、KPO(93.1g、438mmol、1.25当量、Riedel−deHaen番号S29375−366)、Pd(OAc)(0.80g、3.5mmol、1mol%、Aldrich番号06410JE)臭化セチルトリメチルアンモニウム(1.28g、3.5mmol、1mol%、Aldrich番号0823CE)、およびPPh(3.74g、14mmol、4mol%、Fluka番号1093859)を、EtOH(10vol)および水(1.1vol)に続いて添加した。不均一な反応混合物を激しく撹拌し(>300rpm)、加熱して還流させた(80℃)。6時間後、試料を除去して反応の完了を分析した(方法C)。反応が完了したと判断された後、混合物を30℃まで冷却し、次いで水(10vol)を添加し、反応物を2時間撹拌した。得られたスラリーを濾過し、濾過ケーキを水(2×5vol)およびアセトニトリル(2×5vol)で洗浄した。次いで、濾過ケーキをフラスコ内に再度充填し、水(10vol)を添加した。スラリーを30℃で3時間撹拌し、再度濾過した。次いで濾過ケーキを皿に移し、60〜80℃で真空下で12時間乾燥させ、化合物4を橙色の粉末(104.87g、88%)、純度:96.14%AUC(モデルAを用いて決定))として得た。典型的な反応時間は、SM(2)は7.9分、生成物(4)は6.9分であった。
【0233】
方法2
4−ブロモ−2−ニトロ−6−(ピリミジン−2−イル)ベンゼンアミン(3)(754g、2.56モル、1.0当量)、3−フルオロ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(2)(684.0g、3.04mmol、1.2当量)、KCO(3M、1.06Kg、1.59モル、3.0当量、約3.4vol)、臭化セチルトリメチルアンモニウム(9.70g、0.025モル、1mol%)、Pd(OAc)2(5.80g、0.025モル、1%mol)、およびPhP(27.0g、0.1モル、4%mol)を、機械的撹拌装置、還流冷却器、および温度計を備えたフラスコにN下で充填し、続いてDME(7.54L、10vol)を添加した。不均一な反応混合物を激しく撹拌し(>300rpm)、加熱して還流させた(80℃)。反応の過程において、生成物の量が蓄積するにつれて混合物は粘稠性となり、5時間後に試料を除去して分析した(方法A)。反応が完了したと判断された後、水(2.53L、5vol)を添加して加熱を停止した。反応混合物を25℃まで冷却し、その時点で二相混合物をさらに2時間撹拌した。得られたスラリーを濾過し、濾過ケーキを水(3.77L、2×3vol)中の10体積%のACNで洗浄した。次いで濾過ケーキを皿に移し、60〜80℃で真空下で12時間乾燥させた。表題化合物を茶色の粉末(726.2g、92%、方法Aにより96.9%AUC、典型的な収率は85〜95%の間の範囲)として得た。
【0234】
実施例2
5−(5−フルオロピリジン−3−イル)−3−(ピリミジン−2−イル)ベンゼン−1,2−ジアミン(5)
Buchiガス制御装置およびHuber温度制御装置を備えた20LのBuchi水素化装置に、4−(5−フルオロピリジン−3−イル)−2−ニトロ−6−(ピリミジン−2−イル)ベンゼンアミン(4)(1095g、3.581mol、1.00当量)、5%Pd/C(438g、湿度50%)、およびDMA(N,N−ジメチルアセトアミド、11.0L、10vol)を添加した。反応器を、窒素ガス(3回)、次いで水素ガス(3回)でパージした。反応温度を23℃に設定し、反応器の圧力を水素ガスで50psiに設定した。混合物を1350rpmで撹拌した。反応の進行は、1.7時間後に平坦になり始めた水素吸蔵曲線で監視した。水素化をさらに2時間継続した。反応器を、窒素ガス(3回)でパージした。アリコートを除去し、HPLC(方法A)を用いてそれを分析して、1%AUC以下の4を得た。水素化をもう0.5時間継続し、続いて圧力解除およびNパージ(3回)を行った。反応混合物をセライトのパッド(400g、1.50LのDMAで湿潤させた)およびWhatman濾紙3番を通して濾過した。水素化装置をDMA(1.10L)で洗浄し、セライトパッドを通して濾過した。濾過ケーキを0.300LのDMAで洗浄した。得られた濾液を合わせて、活性炭で2回(各493g)処理した。2回目の洗浄後、濾過により木炭を除去し、3番の濾紙を通して濾液を濾過した。水(20.0L)を徐々に添加してNMTの温度を40℃に維持し、黄色の固体を析出した。Whatman濾紙3番を通して室温でスラリーを濾過し、6.0Lの水で黄色の固体を洗浄した。60℃の真空オーブンで黄色の固体を真空下で乾燥させ、表題化合物(5)を白色の粉末(671g、68%、方法Aを用いて99.2%AUC)として得た。典型的な滞留時間は、SM(4)は7.08分、生成物(5)は5.03分であった。
【0235】
実施例3
N,N−ジエチルウレアミド(diethylureamido)−2−(4−ニトロベンジル)−2−チオプソイド尿素(6)
2−(4−ニトロベンジル)イソチオ尿素臭化水素酸塩(6a)(748g、2.56モル、1.0当量)、水(1.0L、1.4vol)、およびDME(2L、2.8L)を、オーバーヘッド撹拌機および熱電対を備えた10LのMortonフラスコに充填した。エチルイソシアネート(800mL、10.2モル、4.0当量)を透明な黄色の溶液に添加し、得られた二相混合物(EtNCO層および水/DME層)を、15〜25℃で21〜24時間激しく撹拌した。反応の最後には、混合物は、無色透明な上部の水層と、黄色で透明な下部の有機層とから構成される。水層を除去し、DME(2L、2.8vol)をMortonフラスコに添加し、次いで、真空圧下35〜40℃で2.8volまで濃縮した。この蒸留をさらに1回繰り返し、次いで、式6の化合物を含む得られた混合物を次のステップに直接使用した。次のステップを実行する前に、混合物を分析し(方法H)、すべてのイソシアネートが除去されたことを確認した(そうでない場合は、さらなる蒸留が必要となり得る)。
【0236】
実施例3A
N,N−ジエチルウレアミド−2−(4−ニトロベンジル)−2−チオプソイド尿素(6)の代替的な単離
pH7.0の緩衝溶液(3.0mL)および1,2−ジメトキシエタン(4.0mL)中の2−(4−ニトロベンジル)イソチオ尿素臭化水素酸塩(6a)(2.15g、7.33mmol)の懸濁液に、エチルイソシアネート(2.40mL、30.6mmol)を添加した。二相溶液を18時間撹拌させ、その時点で白色の懸濁液が観察された。固体を濾過した。濾過ケーキを、水、次いでジエチルエーテルで洗浄し、空気乾燥した後で、表題化合物6を白色の固体(1.76g、68%)として得た。表題化合物は、回転異性体の混合物として存在する。H NMR:12.00(bs、1NH)、8.15(d、2H、J=8.1Hz)、7.95bs、1NH)、7.69(d、2H、J=8.3Hz)、7.64(app t、1NH)、4.29(s、2H)、3.10(5重線、2H、J=6.6Hz)、3.01(5重線、2H、J=7.0Hz)、1.07(t、3H、J=7.1Hz)、1.00(t、3H、J=7.2Hz)ppm。
【0237】
実施例3B
2−(4−ニトロベンジル)イソチオ尿素臭化水素酸塩(6a)
窒素雰囲気下の72−L反応器に、チオ尿素(1.55kg)およびアセトン(30L)を添加した。混合物を撹拌した。別のフラスコに、4−ニトロフェニルメチルブロミド(4.00kg)およびアセトン(15L)を添加した。ブロミドが溶解するまで混合物を撹拌した(加温が必要であり得る)。40℃を下回る温度に維持しながら、ブロミドの溶液をチオ尿素の混合物に添加した。30分以内に粘度の高い溶液を形成した。2時間撹拌した後、混合物のHPLC分析は>99%の変換率を示した。混合物を濾過し、濾過ケーキを1:1のMTBE:アセトン溶液(8L)ですすいだ。固体を乾燥させ、5.09kg(収率93%)の所望の生成物6aを白色の固体として得た。
【0238】
実施例4
1−エチル−3−(5−(5−フルオロピリジン−3−イル)−7−(ピリミジン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)尿素(1)
NaOAc(1040g、12.7モル、6.0当量)および水(16L、10.5vol)を、オーバーヘッド撹拌機、pHプローブ、熱電対、および2つの還流冷却器を備えた22LのMortonフラスコに添加した。この溶液のpH読み取り値は8.3であった。溶液のpH読み取り値が3.5になるまで、HSO(328mL、3.94モル、0.547vol)の濃縮溶液を添加した。次いで、5−(5−フルオロピリジン−3−イル)−3−(ピリミジン−2−イル)ベンゼン−1,2−ジアミン(5)(600g、2.13モル、1.0当量)を添加した。実施例3で上記のように得られた6のDME溶液(1.2当量)を、次いで黄色の懸濁液に直接添加した。この不均一な混合物を激しく撹拌し(200〜250rpm)、加熱して還流させた(80℃)。反応の過程において、黄色の懸濁液は、最初に暗黄色の懸濁液に、次いで黄褐色に変化した。4時間後、反応混合物を22〜35℃まで冷却した。黄褐色の懸濁液を濾過し、濾過ケーキを水(8×2L)、EtOAc(5×4L)で洗浄し、真空下40〜50℃で乾燥させ、化合物1をベージュ色の粉末(747g、93%、純度:方法Aにより99.32%AUC)として得た。典型的な滞留時間:プソイドイソチオ尿素中間体(6)7.3分、生成物(1)6.3分、SM(5)は5.4分。
【0239】
実施例5
1−エチル−3−(5−(5−フルオロピリジン−3−イル)−7−(ピリミジン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)尿素、モノエシラート塩(1のモノエシラート塩)
1−エチル−3−(5−(5−フルオロピリジン−3−イル)−7−(ピリミジン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)尿素(1)(51.0g、0.135モル、1.0当量)、EtOH(255mL、5vol)、エタンスルホン酸(12.5mL、0.149モル、1.1当量)、およびHO(71.4mL、1.4vol)を、機械的撹拌装置、還流冷却器、および温度計を備えたフラスコに窒素下で充填した。スラリーを撹拌して65〜70℃まで加熱し、すべての固体が溶解して褐色の溶液が残り、それを0.5℃/分の速度で45〜50℃まで冷却し、0.2μmのPTFE膜フィルタを通して濾過した。濾過した反応混合物を20〜25℃までさらに冷却し、その間に播種床を確立した。20〜25℃で2時間経過した後、EtOH(255mL、5vol)を30分かけて添加し、次いで混合物を2時間かけて−20〜−15℃まで冷却し、−20〜−15℃で2時間維持した。混合物を濾過し、濾過ケーキを冷EtOH(2×5vol)で洗浄した。次いで濾過ケーキを皿に移し、真空下40℃で12時間乾燥させて、1のモノエシラート塩を淡黄色の粉末(57.6g、87.5%、純度:方法Aにより99.86%AUC)として得た。
【0240】
実施例5B
1のモノエシラート塩からの遊離塩基の回収
上記のように調製したエシラート(esylate)(1.0当量)、水(2.5vol)、および6N HCl(2.5vol)を、機械的撹拌装置、還流冷却器、および温度計を備えたフラスコに窒素下で充填した。反応混合物を1時間以上撹拌した。次いで混合物をセライト454のパッドおよび活性炭(1:1混合物)、次いで0.2μm濾過膜を通して濾過した。濾液を0〜5℃まで冷却し、その時点で6N NaOH(およそ3.05vol)を徐々に添加して、pHが11以上に到達するまで5℃を下回る温度に維持した。粘度の高い白色のスラリーを1時間以上0℃〜5℃で撹拌した。スラリーを濾過し、濾過ケーキを0.5N NaOH(2×3vol)、水(2×3vol)、およびエチルアセテート(2×10vol)で洗浄した。濾過ケーキを皿に移し、真空下40〜50℃で12時間乾燥させて遊離塩基を白色の粉末(60.40g、87%)として得た。
【0241】
実施例6
5−フルオロピリジン−3−ボロン酸(2b).
700Lの低温反応器に、3−ブロモ−5−フルオロピリジン(2a)(25Kg、142モル、1.0当量)、THF(222.5Kg)、およびホウ酸イソプロピル(28Kg、149.3モル、1.05当量)を添加した。得られた混合物を撹拌しながら−90℃〜−80℃まで冷却した。次いで、n−BuLi(40.2Kg、2.5M、142モル、1.0当量)を滴下して(2Kg/時間)添加し、−87℃を下回る温度に維持した。添加が完了した後、混合物を−88〜−83℃で2.5時間維持した。HPLC分析により反応が完了したと見なされた時、9%水性HCl(7.7Kg)を添加して反応を停止した。混合物をガラスで内張りした1000Lの反応器に移し、温度が−20℃〜−10℃まで回復した。次いで、pHが1〜2に調整されるまで追加のHCl溶液(122.3Kg)を添加し、温度を0〜10℃に維持した。次いで、混合物を0.5時間保持して層を分離させた。有機層を分離して飽和鹹水(38Kg)で洗浄した。それを0.5時間撹拌し、次いで再度0.5時間保持して層分離させた。水層を分離し、合わせた水層をEtOAcで2回(51+25Kg)抽出した。有機相を分離して、30%水性NaOH溶液(27.4Kg)を使用してpHの値を6に調整した。このpHで、固体を析出した。遠心分離でスラリーを濾過し、トレー乾燥機内で40〜45℃で乾燥させた。表題化合物2bを白色の固体(17.5Kg、87.4%、純度:方法Bにより98.6%AUC)として得た。
【0242】
実施例7
5−フルオロピリジン−3−ボロン酸ピナコラート(2)
ガラスで内張りした1000Lの反応器に、トルエン(20L/Kg)、続いて5−フルオロピリジン−3−ボロン酸(2a)(19.45Kg、138モル、1.0当量)、およびピナコラート(16.3Kg、138モル、1.0当量)を添加した。得られた混合物を114〜118℃まで加熱し、同じ温度で21時間維持した。SMが検出されなくなるまで、TLCによって反応を監視した。次いで混合物を80℃まで冷却し、20〜25℃まで冷却を継続した。この時点で、真空フィルタを使用してそれを濾過した。真空下T≦80℃およびP<−0.08MPaで、蒸留により画分が除去されなくなるまで濾液を濃縮した。次いで、混合物を60℃まで冷却した後、シクロヘキサン(27.4Kg)を添加し、蒸留が観察されなくなるまで同一条件下で再度混合物を蒸発させた。温度を55〜65℃に維持しながらイソプロピルアルコール(20.8Kg)を添加し、得られた混合物を70〜80℃まで加熱し、生成物を5〜15℃で12時間再結晶化させた。得られたスラリーを濾過し、濾過ケーキをトレー乾燥機内で37〜43℃で乾燥させ、生成物を白色の固体(25Kg、81.2%、純度:98%AUC(方法Cにより決定))として得た。生成物(2)の典型的な滞留時間は9.6分であった。H NMR(CDCl、300MHz):8.75(1H、s)、8.53(1H、d)、7.75(1H、m)、1.96(12H、s)ppm。
【0243】
実施例8
N−(2−ブロモフェニル)ピバルアミド(3b)の調製
ガラスで内張りした0℃の1000Lの反応器に、DCM(670Kg)およびEtN(76.4Kg)を添加した。次いで、2−ブロモアニリン(3a)(100Kg、581モル、1.0当量)を撹拌しながら添加した。得られた混合物を0〜10℃まで冷却し、同じ温度を維持しながら塩化ピバロイル(77.1Kg、640モル、1.1当量)を滴下して(5Kg/時間)添加した。この温度で混合物を1時間25分撹拌し、HPLCを用いて反応の進行を監視した。反応が完了したと見なされた時、NaCO(120Kg)の5%水溶液を2Kg/分の速度で添加して反応を停止した。添加後、混合物を1.5時間撹拌し、pH値が7〜8の間であるかを調べた。混合物を20〜30分静置させ、有機相を分離した。水層をDCMで2回(60×2Kg)抽出した。各抽出中に二相混合物を15〜20分撹拌し、次いで15〜20℃で保持して層分離させた。すべての有機層を合わせ、HCl(251.8Kg)の3%水溶液を添加してpH値を5〜6の間に調整した。次いで水層を分離し、有機層を飽和NaHCO(150L)で洗浄した。洗浄中に二相混合物を30分撹拌し、30分保持した。有機相を分離し、13時間撹拌しながらNaSO(50Kg)上で乾燥した。50L真空フィルタを使用して、得られたスラリーを真空下で濾過した。濾過ケーキをDCMで2回(25Kg×2)洗浄した。大気圧下T≦50℃で蒸発させて、蒸留により溶媒が除去されなくなるまで濾液を濃縮した。次いで、それを真空下(P≦MPa)65〜70℃で蒸発させ、さらに濃縮した。濃縮した後、混合物を55〜60℃まで冷却し、THF(993Kg)を添加した。次いで、上記と同一条件下で混合物を再度蒸発させて濃縮した。方法Fを用いたGCにより、DCMの内容が<0.1%になるまで監視した。混合物をN下で20〜30℃まで冷却し、次いで、それを乾燥するためにシリカゲル(8Kg)を通して濾過した。シリカプラグをTHF(20Kg×2)で2回洗浄して粗溶液(3b)を得、次のステップのために200Lのドラムに移した。典型的な滞留時間は、出発物質(3a)は8.0分、生成物(3b)は8.9分であった。
【0244】
実施例9
N−(2,2−ジメチル−プロピオンアミド)−1−フェニル−ボロン酸(3c)
1500Lのチタン反応器内で、THF(278Kg)中のN−(2−ブロモフェニル)ピバルアミド(3b)の上記溶液をTHF(102.7Kg)とN下で混合した。撹拌しながら、得られた溶液を−65〜−70℃まで冷却した。次いで、同じ温度範囲を維持しながら、n−BuLi(2.5M、73.4Kg、2.4当量)を滴下して(2.5/3.0Kg/時間)添加した。添加後、反応物をこの温度で45分撹拌した。次いで、残りのn−BuLi(73.4Kg)を添加し、2回目の添加後、混合物を−65〜−70℃で1時間撹拌した。リチオ化の割合>96%が検出されるまで、HPLCを用いて反応を監視した。次いで、ホウ酸イソプロピル(105.9Kg、563モル、2.6当量)を、10〜15Kg/時間の速度で−60〜−70℃で添加した。得られた混合物を、同じ温度で4時間20分撹拌した。HPLCを用いて反応が完了するまで監視した。石油エーテル(241.2Kg)を添加して反応混合物の反応を停止し、0〜5℃まで加温させ、この温度で2時間維持した。得られた混合物を遠心分離により洗浄濾過し、ケーキを1時間撹拌しながら飽和水性NHCl(159Kg)で洗浄した。次いで、洗浄混合物も遠心分離で濾過し、真空下T≦35℃およびP≦−0.09MPaで、蒸留により画分が除去されなくなるまで合わせた濾液を濃縮した。次いで、混合物を27℃まで冷却し、再度遠心分離にかけた。ケーキを水(150Kg)で0.5〜1時間洗浄し、さらにもう1回遠心分離にかけた。ケーキをMTBE(114Kg)で0.5〜1時間洗浄し、遠心分離で濾過した。乾燥後、ボロン酸(3c)を灰白色の固体(51Kg、98.6%、純度:方法Eを用いて99.5%)として得た。SM(3b)の典型的な滞留時間は2.3分であった。
【0245】
実施例10
N−(2−ピリミジン−2−イル)フェニル)ピバルアミド(3d)
ガラスで内張りした500Lの反応器内で、グリコールジメチルエーテル(152.3Kg、5L/Kg)をN下で添加した。次いで2−クロロピリミジン(18.4Kg、160モル、1.01当量)を撹拌しながら添加し、続いてPd[(Ph)P](3.65Kg、3.2モル、0.02当量)を添加した。得られた混合物を15〜25℃で20〜30分撹拌し、次いでN−(2,2−ジメチル−1−プロピオンアミド)1−フェニル−ボロン酸(3c)(35Kgの生成物、追加的に11Kgの塩を含有、158モル、1.0当量)を1度に添加した。添加後、水性NaCO溶液(132.8Kg、2M)を迅速に添加し、混合物を78〜83℃まで加熱して3時間還流させた。SM(3c)が<3%になるまで、方法Hを用いたHPLCにより反応を監視した。次いで、混合物を70〜75℃まで若干冷却し、低温精製水(5〜10℃、525Kg)を添加して反応停止し、0〜10℃で1〜2時間撹拌を持続した。次いで、混合物を遠心分離により濾過し、ケーキを精製水で洗浄した。4バッチ(7、35、および35Kgのスケール)からの湿潤生成物を合わせ、トレー乾燥機で1週間乾燥させ、次いで回転式の円錐型乾燥機で乾燥させたが、いくらかの水(少なくとも3重量%)を除去することができなかった。表題化合物(3d)を、黄色の湿潤固体(157Kg、>100%、純度>98%(方法Fにより決定))として得た。生成物の典型的な滞留時間は15.9分であった。
【0246】
実施例11
N−(4−ブロモ−2−(ピリミジン−2−イル)ピバルアミド(3e)の調製
酢酸(367.5Kg)を500Lの反応器に充填した。次いで、N−(2−(ピリミジン−2−イル)フェニル)ピバルアミド(3d)(35Kgの生成物、水含有、137.3モル、1.0当量)を、NBS(26.9Kg、151.1モル、1.1当量)に続いて加えた。得られた混合物を50〜55℃まで加熱し、5時間撹拌した。HPLC(方法I)を用いて、3dが<2%になるまで反応の進行を監視した。事前に0〜5℃に冷却しておいた精製水(350Kg)上に注ぐことにより反応を停止した。混合物を1〜2時間撹拌しながら0〜10℃で維持した。次いで混合物を遠心分離により濾過した。3バッチ(それぞれ35Kgの3dから)から合わせたケーキを、0.5〜1時間撹拌しながら精製水で2回(550+500Kg)洗浄した。遠心分離を用いた2回目の濾過および乾燥後、表題生成物(3e)を淡黄色の固体(105.6Kg、80%、純度:99.3%(分析方法Gにより決定))として得た。典型的な滞留時間は、SM(3d)は7.5分、生成物(3e)は15.1分であった。
【0247】
実施例12
N−(4−ブロモ−2−ニトロ−6−ピリミジン−2−イル)フェニル)ピバルアミド(3f)の調製
200Lの反応器に水(7.4Kg)を充填した。0〜5℃まで冷却した後、濃縮HSO(138Kg、98%、3.77L/Kg)をT≦30℃の温度で添加した。得られた混合物を再度0〜5℃まで冷却し、、温度を一定に維持しながらN−(4−ブロモ−2−ピリミジン−2−イル)フェニル)ピバルアミド(3e)(20Kg、59.8モル、1.0当量)を4部に分けて添加した。添加後、固体が完全に消失するまで混合物を5〜10℃で0.5〜1時間撹拌した。−10〜−5℃まで冷却した後、HNO(12Kg、98%、0.4L/Kg)を滴下(2Kg/時間)して添加し、この温度を維持した。添加後、混合物を同じ温度で30分撹拌した。TLCを用いて、SM(3e)が検出できなくなるまで反応の進行を監視した。温度を−10〜0℃に維持しながら、ガラスで内張りした1000Lの反応器内の砕いた氷(280Kg)と水道水(420Kg)との混合物上に注ぐことにより反応を停止した。次いで、混合物を0〜10℃で0.5〜1時間維持した。混合物を遠心分離で濾過し、pHが6〜7の間になるまでケーキを洗浄した。得られた生成物を50〜60℃で乾燥した。いくつかのバッチ(3×20Kgスケール)からの粗生成物を合わせ、DCM(469Kg)中に溶解し、4時間撹拌しながらNaSO(25Kg)上で乾燥させ、シリカゲル(40Kg)を通して圧縮濾過した。シリカプラグをDCMで2回(90Kg×2)洗浄し、合わせた濾液を真空下T<50℃で濃縮して溶媒を除去した。次いで石油エーテルを添加し(141.7Kg)、蒸留により画分が除去されなくなるまで、溶液を40〜50℃で再度濃縮した。得られた粗生成物を遠心分離により濾過した。ケーキを合わせて、表題化合物(3f)を灰色がかった褐色の固体(62Kg、91%、純度:>92.7%(方法Gにより決定))として得た。生成物(3f)の典型的な滞留時間は11.3分であった。
【0248】
実施例13
4−ブロモ−2−ニトロ−6−ピリミジン−2−イル−フェニルアミン(3)の調製
500Lの反応器にEtOH(87.4Kg、3.12Kg/Kg)を充填した。撹拌しながら、EtOH(168Kg、35%、6Kg/6Kg)中のHClの溶液を次いで添加した。最後に、N−(4−ブロモ−2−ニトロ−6−ピリミジン−2−イル)フェニル)ピバルアミド(3f)(28Kg、73.8モル、1.0当量)を1度に添加した。添加後、混合物を80〜88℃まで加熱し、49時間還流させた。HPLC(方法I)を用いて、3fが≦3%になるまで反応の進行を監視した。追加のHCl/EtOH溶液(50.5Kg)を添加し、混合物の還流をさらに9.5時間継続した。混合物を30〜40℃まで冷却し、低温精製水(280Kg)上に注ぐことにより反応停止させた。遠心分離で混合物を濾過し、ケーキを水で2回撹拌しながら(450Kg×2)洗浄した。得られた固体をN下で40〜50℃で乾燥し、表題化合物3を褐色がかった黄色の固体(20.9Kg、96%、純度:99.0%(方法Gにより決定))として得た。3の典型的な滞留時間は10.1分であった。H NMR(CDCl、300MHz):δ9.00(1H、d)、8.85(1H、d)、8.46(1H、d)、7.29(2H、m)ppm。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式1
【化41】


の1−エチル−3−(5−(5−フルオロピリジン−3−イル)−7−(ピリミジン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)尿素を調製するためのプロセスであって、
i)3−フルオロ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(式2)および4−ブロモ−2−ニトロ−6−(ピリミジン−2−イル)ベンゼンアミン(式3)を提供するステップと、
【化42】


ii)水、有機溶媒、塩基、および遷移金属触媒を含む二相混合物中で、前記式2の化合物と前記式3の化合物とをクロスカップリングさせ、式4
【化43】


の4−(5−フルオロピリジン−3−イル)−2−ニトロ−6−(ピリミジン−2−イル)ベンゼンアミンを生成するステップと、
iii)前記式4の化合物を還元して、式5
【化44】


の5−(5−フルオロピリジン−3−イル)−3−(ピリミジン−2−イル)ベンゼン−1,2−ジアミンを生成するステップと、
iv)緩衝水および有機溶媒を含む二相混合物中で、前記式5の化合物と式6
【化45】


の化合物とを反応させて、前記式1の化合物を生成するステップと、
を含む、プロセス。
【請求項2】
ii)の前記有機溶媒は、非プロトン性溶媒である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記非プロトン性溶媒は、1,2−ジメトキシエタンまたはジオキサンである、請求項2に記載のプロセス。
【請求項4】
ii)の前記塩基は、無機塩基である、請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項5】
前記無機塩基は、炭酸カリウム、炭酸セシウム、またはリン酸カリウムから選択される、請求項4に記載のプロセス。
【請求項6】
ii)の前記遷移金属触媒は、パラジウム系触媒である、請求項1〜5のうちのいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項7】
前記パラジウム系触媒は、パラジウム(II)アセテート、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、またはトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)である、請求項6に記載のプロセス。
【請求項8】
ii)の前記二相混合物は、ホスフィン配位子を追加的に含む、請求項1〜7のうちのいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項9】
前記ホスフィン配位子は、トリアリールホスフィン配位子またはトリアルキルホスフィン配位子である、請求項8に記載のプロセス。
【請求項10】
前記ホスフィン配位子は、トリフェニルホスフィンから選択されるトリアリールホスフィン配位子である、請求項9に記載のプロセス。
【請求項11】
ii)の前記二相混合物は、相間移動触媒を追加的に含む、請求項1〜10のうちのいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項12】
前記相間移動触媒は、臭化セチルトリメチルアンモニウムである、請求項11に記載のプロセス。
【請求項13】
ii)の前記クロスカップリング反応は、75℃〜120℃の間で行われる、請求項1〜12のうちのいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項14】
前記クロスカップリング反応は、80℃〜100℃の間で行われる、請求項13に記載のプロセス。
【請求項15】
前記クロスカップリング反応は、80℃〜90℃の間で行われる、請求項14に記載のプロセス。
【請求項16】
iii)において、前記式4の化合物は、好適な水素雰囲気および好適な有機溶媒を含む触媒水素化条件下で還元される、請求項1〜15のうちのいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項17】
前記触媒水素化条件は、炭素上のパラジウム金属触媒、1〜10気圧の間の水素雰囲気、および非プロトン性溶媒、プロトン性溶媒、またはその混合物から選択される有機溶媒を含む、請求項16に記載のプロセス。
【請求項18】
前記パラジウム金属触媒は炭素上の1重量%〜30重量%の間のパラジウム金属であり、前記水素雰囲気は1〜6気圧であり、前記有機溶媒はメタノールもしくはエタノールから選択されるプロトン性溶媒、またはN,N−ジメチルアセトアミドから選択される非プロトン性溶媒である、請求項17に記載のプロセス。
【請求項19】
前記パラジウム金属触媒は炭素上の5重量%〜10重量%の間のパラジウム金属であり、前記水素雰囲気は1〜5気圧であり、前記有機溶媒はN,N−ジメチルアセトアミドである、請求項18に記載のプロセス。
【請求項20】
iv)の前記有機溶媒は、非プロトン性溶媒である、請求項1〜19のうちのいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項21】
前記非プロトン性溶媒は、1,2−ジメトキシエタンまたはジオキサンから選択される、請求項20に記載のプロセス。
【請求項22】
前記式6の化合物は、非プロトン性溶媒中の溶液として使用される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項23】
前記式6の化合物は、1,2−ジメトキシエタン中の溶液として使用される、請求項22に記載のプロセス。
【請求項24】
前記式6の化合物は、固体の形態で使用される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項25】
iv)の前記二相緩衝水溶液は、非プロトン性溶媒および2〜5の間のpHに調整される水性緩衝液を含む、請求項20に記載のプロセス。
【請求項26】
前記水性緩衝液は、3〜4の間のpHに調整される、請求項25に記載のプロセス。
【請求項27】
前記非プロトン性溶媒は、1,2−ジメトキシエタンまたはジオキサンから選択される、請求項25に記載のプロセス。
【請求項28】
iv)の前記反応は、50℃〜100℃の間で行われる、請求項1〜27のうちのいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項29】
前記反応は、70℃〜90℃の間で行われる、請求項28に記載のプロセス。
【請求項30】
前記反応は、75℃〜85℃の間で行われる、請求項29に記載のプロセス。
【請求項31】
a)前記式1の化合物を含む調製物を、有機溶媒、水、および酸中でスラリー化させて前記式1の化合物の懸濁液を得るステップと、
b)前記懸濁液を加熱して化合物1の均一溶液を得るステップと、
c)前記化合物1の均一溶液を濾過するステップと、
d)前記溶液を冷却して化合物1の塩を固体の形態で得るステップと、
を、さらに含む、請求項1〜30のうちのいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項32】
a)およびb)において、前記有機溶媒はプロトン性溶媒であり、前記酸はスルホン酸であり、また前記加熱は40℃〜90℃の間の温度である、請求項31に記載のプロセス。
【請求項33】
前記プロトン性溶媒はメタノールまたはエタノールであり、前記スルホン酸はメタンスルホン酸またはエタンスルホン酸であり、また前記加熱は60℃〜85℃の間の温度である、請求項32に記載のプロセス。
【請求項34】
前記プロトン性溶媒はエタノールであり、前記スルホン酸はエタンスルホン酸であり、また前記加熱は65℃〜80℃の間の温度である、請求項33に記載のプロセス。
【請求項35】
e)好適な温度の好適な有機溶媒または有機溶媒と水との混合物中で、前記化合物1の塩を再結晶化させるステップをさらに含む、請求項31に記載のプロセス。
【請求項36】
e)の前記再結晶化は、水とプロトン性溶媒との混合物を含む、請求項35に記載のプロセス。
【請求項37】
前記プロトン性溶媒は、エタノールである、請求項36に記載のプロセス。
【請求項38】
式1
【化46】


の化合物を精製するためのプロセスであって、
a)前記式1の化合物を含む調製物を、有機溶媒、水、および酸中でスラリー化させて前記式1の化合物の懸濁液を得るステップと、
b)前記懸濁液を加熱して化合物1の均一溶液を得るステップと、
c)前記化合物1の均一溶液を濾過するステップと、
d)前記溶液を冷却して化合物1の塩を固体の形態で得るステップと、
を含む、プロセス。
【請求項39】
前記有機溶媒はプロトン性溶媒であり、前記酸はスルホン酸であり、前記加熱は40℃〜90℃の間の温度である、請求項38のプロセス。
【請求項40】
前記プロトン性溶媒はメタノールまたはエタノールであり、前記スルホン酸はメタンスルホン酸またはエタンスルホン酸であり、また前記加熱は50℃〜80℃の間の温度である、請求項39に記載のプロセス。
【請求項41】
前記プロトン性溶媒はエタノールであり、前記スルホン酸はエタンスルホン酸であり、また前記加熱は60℃〜70℃の間の温度である、請求項40に記載のプロセス。
【請求項42】
好適な温度の好適な有機溶媒または有機溶媒と水との混合物中で、前記化合物1の塩を再結晶化させるステップをさらに含む、請求項38に記載のプロセス。
【請求項43】
前記再結晶化は、水とプロトン性溶媒との混合物を含む、請求項42に記載のプロセス。
【請求項44】
前記プロトン性溶媒は、エタノールである、請求項43に記載のプロセス。
【請求項45】
式1
【化47】


の化合物を調製するためのプロセスであって、
ia)緩衝水および有機溶媒を含む二相混合物中で、式5
【化48】


の5−(5−フルオロピリジン−3−イル)−3−(ピリミジン−2−イル)ベンゼン−1,2−ジアミンを、式6
【化49】


の化合物と反応させて、前記式1の化合物を生成するステップをさらに含む、プロセス。
【請求項46】
式I
【化50】


の化合物を調製するためのプロセスであって、
ib)式4b
【化51】


(式中、
環Cは、1〜2個の窒素を有する6員のへテロアリール環であり、
環Cは1〜3個のR基で置換され、
各RはORまたはハロゲンから独立して選択され、
はC1−4脂肪族であるか、または
環Cは非置換の2−ピリミジン環であり、
Xは窒素、CH、またはCFである)の化合物を、式6b
【化52】


(式中、
xは0〜5であり、
は−R、−OR、−N(R、−NO、ハロゲン、−CN、−C1−4ハロアルキル、−C1−4ハロアルコキシ、−C(O)N(R、−NRC(O)R、−SOR、−SO、−SON(R、−NRSO、−COR、−NRSON(R、−COCORから選択され、
は水素または非置換のC1−6脂肪族であり、
各RはC1−6脂肪族である)の化合物と、
緩衝水および有機溶媒を含む二相混合物中で反応させて、前記式Iの化合物を生成するステップを含む、プロセス。
【請求項47】
式6b
【化53】


の化合物を調製するためのプロセスであって、
式中、
xは0〜5であり、
は−R、−OR、−N(R、−NO、ハロゲン、−CN、−C1−4ハロアルキル、−C1−4ハロアルコキシ、−C(O)N(R、−NRC(O)R、−SOR、−SO、−SON(R、−NRSO、−COR、−NRSON(R、−COCORから選択され、
は水素または非置換のC1−6脂肪族であり、
各RはC1−6脂肪族であり、
ic)式6aaa
【化54】


(式中、xは0〜5であり、
は−R、−OR、−N(R、−NO、ハロゲン、−CN、−C1−4ハロアルキル、−C1−4ハロアルコキシ、−C(O)N(R、−NRC(O)R、−SOR、−SO、−SON(R、−NRSO、−COR、−NRSON(R、−COCORから選択され、
は水素または非置換のC1−6脂肪族である)の化合物またはその好適な塩を、
式R−N=C=Oのイソシアネート
(式中、RはC1−6脂肪族である)と、
水と有機溶媒との好適な混合物中で反応させて、式6bの化合物を生成するステップを含む、プロセス。
【請求項48】
式6b
【化55】


の化合物であって、
式中、
xは0〜5であり、
は−R、−OR、−N(R、−NO、ハロゲン、−CN、−C1−4ハロアルキル、−C1−4ハロアルコキシ、−C(O)N(R、−NRC(O)R、−SOR、−SO、−SON(R、−NRSO、−COR、−NRSON(R、−COCORから選択され、
は窒素または非置換のC1−6脂肪族であり、
各RはC1−6脂肪族である、
化合物。
【請求項49】
xは1であり、前記R置換基はパラであり、またRはC1−4脂肪族である、請求項48に記載の化合物。
【請求項50】
前記R置換基はパラNOであり、またRはエチルである、請求項49に記載の化合物。
【請求項51】
式4a
【化56】


の化合物であって、
式中、
環Cは、1〜2個の窒素を有する6員のへテロアリール環であり、
環Cは1〜3個のR基で置換され、
各RはORまたはハロゲンから独立して選択され、
はC1−4脂肪族であるか、または
環Cは非置換の2−ピリミジン環であり、
Xは窒素、CH、またはCFであり、
およびRは、独立してNO、NH、またはNHRであり、
は、アミノ保護基であるが、
但し、以下の化合物を除く化合物:
2−ニトロ−6−(ピリジン−2−イル)−4−(ピリジン−3−イル)フェニル)アミン、3−(ピリジン−2−イル)−5−(ピリジン−3−イル)ベンゼン−1,2−ジアミン、および(2−ニトロ−3−(ピラゾール−1−イル)−5−(ピリジン−3−イル)フェニル)アミン。
【請求項52】
XはC−Fであり、環Cは非置換のピリミジンであり、RおよびRは両方ともNHである、請求項51に記載の化合物。
【請求項53】
XはC−Fであり、環Cは非置換のピリミジンであり、RはNOであり、またRはNHである、請求項51に記載の化合物。
【請求項54】
XはC−Fであり、環Cは非置換のピリミジンであり、RはNHであり、またRはNOである、請求項51に記載の化合物。

【公表番号】特表2011−503091(P2011−503091A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−533227(P2010−533227)
【出願日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際出願番号】PCT/US2008/082565
【国際公開番号】WO2009/061875
【国際公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【出願人】(598032106)バーテックス ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (414)
【氏名又は名称原語表記】VERTEX PHARMACEUTICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】130 Waverly Street, Camridge, Massachusetts 02139−4242, U.S.A.
【Fターム(参考)】