説明

アラニンデヒドロゲナーゼ、セリンデヒドラターゼおよび/またはグルタミンシンテターゼを発現する結核ワクチンとしてのリコンビナントBCG株

本発明は、発現可能な核酸を含む生リコンビナントMycobacterium bovisBCG株に関する。前記核酸は、アラニンデヒドロゲナーゼ活性、グルタミンシンテターゼ活性またはセリンデヒドラターゼ活性を示す少なくとも1つのタンパク質またはポリペプチドをコードする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は結核のワクチンに関する。
【背景技術】
【0002】
結核は、感染性因子、Mycobacterium tuberculosisによってひき起こされる致死的な伝染性疾患である。結核によって毎年2百万人が死亡している。世界保健機構(WHO)の2001年の年次報告では、1999年には8.4百万人の新規結核症例が存在すると概算され、1997年の8.0百万人から上昇している。現在の傾向が続くならば、2000年から2020年の間にほぼ10億人が新たに感染し、2億人が発症し、さらに3千5百万人が結核で死亡するであろう。HIV/エイズの蔓延および多剤耐性結核の出現はこの疾患の影響を悪化させた。Bacille Calmette−Guerin(BCG)、Mycobacterium bovisの弱毒株は、結核の予防に現在のところ利用可能な唯一のワクチンである。動物の感染モデルでは、BCGのワクチン接種はMycobacterium tuberculosisの攻撃に対し防御免疫を誘導することを示した(Balwin et al., 1998)。ヒトでは、BCGワクチン接種は結核の小児型(特に髄膜炎)に対して一貫した防御を示した。しかしながらBCGワクチン接種は、成人の肺結核の防御に対するその有効性のばらつきのために矛盾を呈している(Fine, 1989: Colditz et al., 1994; Sterne et al., 1998)。先進国(例えば英国、デンマークおよび北アメリカ)で1940年代および1950年代に実施された試験では前記ワクチンは有効であることが示された(70−80%)。しかしながら、インドで1970年代に実施され、265,000人を超える人々を対象とした1つの最大の臨床試験では、BCGワクチン接種は肺結核に対し検出可能な防御を示さなかった。したがって、BCGの代替となり結核を予防する改良ワクチンを作製する差し迫った必要性が存在する。
【0003】
BCGの防御効能におけるばらつきに対していくつかの説明が提唱されている(Andersen, 2001)。もっとも有名な仮説は、周囲環境に存在するマイコバクテリアに暴露されることによってホストは一般的なマイコバクテリアに対して感作され、それによってBCGワクチン接種の潜在的利益を曖昧にさせる異種免疫が提供されるということである(Fine, 1995; Fine & Vynnycky, 1998)。さらにまた、最近の研究によって、BCGの増殖は周囲環境のマイコバクテリアで感作された動物で阻害され、結果としてBCGワクチン接種は一過性免疫反応しか誘導できず、結核に対する感染防御免疫を提供できないことが示された(Brandt et al., 2002)。前記実験はまた、結核に対する免疫の誘導にはBCGの増殖性感染が必要であるという長期的観察を支持している。BCGは生ワクチンである。死菌BCGは防御を提供しない。Mycobacterium tuberculosis(M.tuberculosis)のように、BCGは、感染ホストで多様な組織に肉芽腫および膿瘍を形成することができる(Hogan et al., 2001)。肉芽腫内(栄養物へのアクセスが制限され酸素圧が低い敵対的環境である)で生存し持続することができるM.tuberculosisおよびM.bovisBCG株の能力は、炭水化物、窒素およびエネルギーの利用可能な供給源に対して前記細菌がその代謝能力を適応させる能力に依存しているようである(Barclay & Wheeler, 1998)。最近の研究によって、脂肪酸は炭水化物の供給源として機能し、マウスおよび活性化マクロファージ内でのM.tuberculosisの生存維持のために必要であることが明らかにされた(McKinney et al., 2000)。免疫能力を有する個体へのワクチン接種後、BCGはホストから排除されるまで一定期間生存し続けることができる(Dunn & North, 1995; Lagranderie et al., 1996; Moisan et al., 2001)。
【0004】
新規で有効な結核ワクチンの開発に重要なことは長期の防御を提供することである(Orme, 2001; Young, 2000)。現在のBCGワクチンは小児の結核の症状に対して防御を付与するが、おそらくBCGによって誘導される防御免疫が徐々に失われるために、その効能は10から15年かけて衰える(Orme, 2001)。改良されたワクチンを開発する新規な方法には弱毒マイコバクテリア、サブユニットワクチンおよびDNAワクチンの使用が含まれる(Andersen, 2001)。しかしながら、これらの方法はいずれもBCGよりも強力ではなく、または同程度の有効性すらもたないことが確認された。M.bovisBCG株の生存および増殖は防御免疫の誘導に必要である。杆菌の増殖阻害のためのイソニアジドによる感染マウスの早期治療は後天的抵抗性の発達を妨げることが示された。ホスト内で長期間生存し続けるBCG株が、より有効なワクチンを得るために必要である。したがって、Bacille Calmette−Guerinの新規なリコンビナント株が希求される。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の要旨
本発明は、BCG株が有する増殖の窒素源として天然に存在するアミノ酸を使用する能力に対する限定を乗り越えるワクチンを提供する。さらにまた、L−アラニン、D−アラニンまたはL−セリンは、アンモニウムが存在しているときでさえBCG株の増殖を阻害する。機能的アラニンデヒドロゲナーゼ(配列番号1;配列番号2)のBCG株での発現はアラニンによるBCGの増殖阻害を軽減する。同様に、機能的L−セリンデヒドラターゼ(配列番号5;配列番号6)のBCG株での発現はL−セリンによるBCGの増殖阻害を軽減する。そのような阻害のメカニズムはグルタミンシンテターゼの阻害から生じる。グルタミンシンテターゼ(配列番号7から配列番号14)のBCGでの過剰発現はアラニンおよびL−セリンによるBCGの増殖阻害を軽減する。機能的アラニンデヒドロゲナーゼ(配列番号1;配列番号2)、L−セリンデヒドラターゼ(配列番号5;配列番号6)および/またはグルタミンシンテターゼ(配列番号7から配列番号14)を発現(または過剰発現)するリコンビナントBCG株はホストの体内でより長期間生存し続けて結果として長期の防御免疫を誘導する。そのような持続的リコンビナントBCG株は、結核および他のマイコバクテリア感染の予防のためのより有効なワクチンを提供する。
【0006】
本発明はリコンビナントMycobacterium bovis BCGに関し、このリコンビナントMycobacterium bovis BCGは、アラニンデヒドロゲナーゼ(配列番号1;配列番号2)、L−セリンデヒドラターゼ(配列番号5;配列番号6)および/またはグルタミンシンテターゼ(配列番号7から配列番号14)をコードするDNAを発現する。我々は、機能的アラニンデヒドロゲナーゼ(配列番号3;配列番号4)を欠くために、BCGは、増殖のための唯一の窒素源としてアラニン(L−アラニンまたはD−アラニン)を利用することができないということを発見した。我々はさらに、アラニン(L−アラニンまたはD−アラニン)は全てのBCGワクチン株の増殖を阻害することを見出した。前記阻害は、機能的アラニンデヒドロゲナーゼ(配列番号1;配列番号2)をBCGで発現させることによって軽減される。同様に、BCGは、増殖のための唯一の窒素源としてL−セリンを利用することができず、BCGの増殖はL−セリンによって阻害される。L−セリンデヒドラターゼ(配列番号5;配列番号6)のBCG株での発現はL−セリンによるBCGの増殖阻害を軽減する。
【0007】
アラニン(L−アラニンまたはD−アラニン)およびL−セリンは、おそらくグルタミンシンテターゼ(配列番号7から配列番号14)の活性を阻害することによってBCGの増殖を阻害する。グルタミンシンテターゼ(配列番号7から配列番号14)のBCGでの過剰発現はアラニンおよびL−セリンによるBCGの増殖阻害を軽減する。グルタミンシンテターゼは、グルタメートシンターゼと連係してグルタミンおよびグルタメートを提供する。グルタミンおよびグルタメートは全てのアミノ酸、タンパク質、プリンおよびピリミジンの生合成に必須である。グルタミンシンテターゼの阻害は細胞増殖を停止させる。グルタメートに変換させることができるアミノ酸(例えばL−グルタミン、L−グルタメート、L−アスパルテートおよびL−アスパラギン)の供給はそのような阻害を軽減させることができる。実際のところ、我々のデータは、アラニン(L−アラニンまたはD−アラニン)またはL−セリンによるBCG増殖の阻害はL−グルタミン、L−グルタメート、L−アスパルテートまたはL−アスパラギンを増殖培地に補充することによって軽減されることを示している。
【0008】
BCGは生ワクチンであるので、機能的アラニンデヒドロゲナーゼ(配列番号1;配列番号2)、L−セリンデヒドラターゼ(配列番号5;配列番号6)および/またはグルタミンシンテターゼ(配列番号7から配列番号14)を発現または過剰発現するリコンビナントBCG株はヒトホスト体内でより長期間生存し、続いて長期にわたる記憶免疫を誘導する。これらのリコンビナントBCG株は極めて有用なワクチンを提供する。
【0009】
本発明は、発現可能な核酸を含む生リコンビナントMycobacterium bovis−BCG株に関し、その核酸は、アラニンデヒドロゲナーゼ活性(配列番号1;配列番号2)、グルタミンシンテターゼ活性(配列番号7から配列番号14)またはL−セリンデヒドラターゼ活性(配列番号5;配列番号6)を示す少なくとも1つのタンパク質またはポリペプチドをコードする。
【0010】
本発明はまた、発現可能な核酸を含む生リコンビナントMycobacterium bovis−BCG株に関し、その核酸は、アラニンデヒドロゲナーゼ(配列番号1;配列番号2)、グルタミンシンテターゼ(配列番号7から配列番号14)およびL−セリンデヒドラターゼ(配列番号5;配列番号6)から成る群から選択される少なくとも1つのタンパク質またはポリペプチドをコードする。
【0011】
本発明はさらに、発現可能な核酸を含む生リコンビナントMycobacterium bovis−BCG株に関し、その核酸は、(配列番号1)、(配列番号2)、(配列番号5)、(配列番号6)、(配列番号7)、(配列番号8)、(配列番号9)、(配列番号10)、(配列番号11)、(配列番号12)、(配列番号13)、(配列番号14)から成る群から選択される少なくとも1つの核酸分子の全部または一部を含む。
【0012】
ある実施態様では、生リコンビナントMycobacterium bovis−BCG株は、Mycobacterium bovis−BCG−Russia、Mycobacterium bovis−BCG−Moreau、Mycobacterium bovis−BCG−Japan、Mycobacterium bovis−BCG−Sweden、Mycobacterium bovis−BCG−Birkhaug、Mycobacterium bovis−BCG−Prague、Mycobacterium bovis−BCG−Glaxo、Mycobacterium bovis−BCG−Denmark、Mycobacterium bovis−BCG−Tice、Mycobacterium bovis−BCG−Frappier、Mycobacterium bovis−BCG−Connaught、Mycobacterium bovis−BCG−Phipps、およびMycobacterium bovis−BCG−Pasteurから成る群から選択される。
【0013】
本発明のまた別の側面は、発現可能な核酸を含む生リコンビナントMycobacterium bovis−BCG株を含む医薬組成物であり、前記核酸は、アラニンデヒドロゲナーゼ活性(配列番号1;配列番号2)、グルタミンシンテターゼ活性(配列番号7から配列番号14)およびL−セリンデヒドラターゼ活性(配列番号5;配列番号6)を示す少なくとも1つのタンパク質またはポリペプチドをコードする。
【0014】
本発明はまた、発現可能な核酸を含む生リコンビナントMycobacterium bovis−BCG株に関し、前記核酸は、アラニンデヒドロゲナーゼ(配列番号1;配列番号2)、グルタミンシンテターゼ(配列番号7から配列番号14)およびL−セリンデヒドラターゼ(配列番号5;配列番号6)から成る群から選択される少なくとも1つのタンパク質またはポリペプチドをコードする。
【0015】
本発明のさらに別の特徴では、発現可能な核酸を含む生リコンビナントMycobacterium bovis−BCG株を含む医薬組成物が提供される。前記核酸は、(配列番号1)、(配列番号2)、(配列番号5)、(配列番号6)、(配列番号7)、(配列番号8)、(配列番号9)、(配列番号10)、(配列番号11)、(配列番号12)、(配列番号13)、(配列番号14)から成る群から選択される少なくとも1つの核酸分子の全部または一部を含む。
【0016】
本発明のさらに別の側面では、マイコバクテリアによる攻撃に対し哺乳類を治療または予防するワクチンもしくは免疫原性組成物が提供される。前記ワクチンまたは免疫原性組成物は、発現可能な核酸を含む生リコンビナントMycobacterium bovis−BCG株を含み、前記核酸は、アラニンデヒドロゲナーゼ活性(配列番号1;配列番号2)、グルタミンシンテターゼ活性(配列番号7から配列番号14)またはL−セリンデヒドラターゼ活性(配列番号5;配列番号6)を示す少なくとも1つのタンパク質またはポリペプチドをコードする。
【0017】
本発明のまた別の側面では、マイコバクテリアによる攻撃に対し哺乳類を治療または予防するワクチンもしくは免疫原性組成物が提供される。前記ワクチンまたは免疫原性組成物は、発現可能な核酸を含む生リコンビナントMycobacterium bovis−BCG株を含み、前記核酸は、アラニンデヒドロゲナーゼ(配列番号1;配列番号2)、グルタミンシンテターゼ(配列番号7から配列番号14)およびL−セリンデヒドラターゼ(配列番号5;配列番号6)から成る群から選択される少なくとも1つのタンパク質またはポリペプチドをコードする。
【0018】
本発明のさらに別の側面では、マイコバクテリアによる攻撃に対し哺乳類を治療または予防するワクチンもしくは免疫原性組成物が提供される。前記ワクチンまたは免疫原性組成物は、発現可能な核酸を含む生リコンビナントMycobacterium bovis−BCG株を含み、前記核酸は、(配列番号1)、(配列番号2)、(配列番号5)、(配列番号6)、(配列番号7)、(配列番号8)、(配列番号9)、(配列番号10)、(配列番号11)、(配列番号12)、(配列番号13)、(配列番号14)から成る群から選択される少なくとも1つの核酸分子の全部または一部を含む。好ましい実施態様では、前記ワクチンまたは免疫原性組成物はMycobacterium tuberuculosisによる攻撃に対し哺乳類を治療または予防するためのものである。別の好ましい実施態様では、本発明のワクチンまたは免疫原性組成物はさらに医薬的に許容できる担体を含む。さらに別の好ましい実施態様では、前記ワクチンまたは免疫原性組成物はさらにアジュバントを含む。また別の好ましい実施態様では、前記ワクチンまたは免疫原性組成物はさらに1つまたは2つ以上の他の病源体に由来する免疫原性物質を含む。
【0019】
本発明のまた別の側面は、Mycobacterium tuberuclosisまたはMycobacterium bovisによる攻撃に対し哺乳類を治療または予防する方法に関し、前記方法は、本発明のワクチンまたは免疫原性組成物を哺乳類に投与することを含む。ある実施態様では前記哺乳類は牛である。別の実施態様では、前記哺乳類はヒトである。さらに別の実施態様では、前記ワクチンまたは免疫原性組成物はアジュバントの存在下で投与される。
【0020】
本発明のさらに別の側面は癌に対して哺乳類を治療または予防する方法であり、前記方法は本発明のワクチンまたは免疫原性組成物を哺乳類に投与することを含む。ある実施態様では、前記癌は膀胱癌である。別の実施態様では、前記ワクチンまたは免疫原性組成物はアジュバントの存在下で投与される。
【0021】
本発明はまた、本発明の生リコンビナントMycobacterium bovis−BCG株を含む検査キットに関する。
【0022】
本発明はさらに、増殖のための唯一の窒素源としてアラニンを含む、Mycobacterium bovis−BCGの増殖を阻害する培地組成物に関する。ある実施態様では、増殖のための唯一の窒素源はセリンである。別の実施態様では、本発明の培地組成物はさらに炭素源、鉄、マグネシウムおよびSO4を含む。ある実施態様では、前記炭素源はグリセロール、デキストロース、クエン酸塩およびグルコースから成る群から選択される。
【0023】
本発明はMycobacterium bovis−BCGの増殖を阻害する方法に関し、前記方法は、(a)Mycobacteriumを含むサンプルを入手し、さらに(b)前記サンプルを選択的培地で培養することを含む。ある実施態様では、前記選択的培地は、唯一の窒素源としてアラニンを含む。さらに別の実施態様では、前記選択的培地は唯一の窒素源としてセリンを含む。
【0024】
本発明の別の側面は、Mycobacterium bovis−BCG株を培養する方法に関し、前記方法は、(a)Mycobacteriumを含むサンプルを入手し、さらに(b)前記サンプルを確認培地で培養することを含む。ある実施態様では、前記確認培地はヒスチジンを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
発明の詳細な説明
BCGワクチン株は増殖のための窒素源としてアミノ酸を利用する能力が限られている。さらにまた、天然に存在するアミノ酸L−アラニンおよびL−セリンはBCG株の増殖を阻害することを我々は発見した。BCGでの機能的L−アラニンデヒドロゲナーゼ(配列番号1;配列番号2)の発現はアラニンによる増殖阻害を軽減する。BCGでの機能的L−セリンデヒドラターゼ(配列番号5;配列番号6)の発現はL−セリンによる増殖阻害を軽減する。同様に、グルタミンシンテターゼ(配列番号7から配列番号14)の過剰発現は、アラニンおよびセリンによる増殖阻害を軽減させる。これらの新規な発見は重要である。なぜならば、機能的なアラニンデヒドロゲナーゼ(配列番号1;配列番号2)、L−セリンデヒドラターゼ(配列番号5;配列番号6)および/またはグルタミンシンテターゼ(配列番号7から配列番号14)を発現(または過剰発現)するリコンビナントBCG株はヒトホストの体内でより良好に生存し、長期の記憶免疫を誘導し、結核予防のためのより有効なワクチンを提供し、特に成人の肺結核を防ぐからである。
【0026】
死菌BCG株の投与は弱い一過性の免疫反応をもたらすことは長い間知られている。防御免疫は、ワクチンを接種されたホストでのBCGの生存および複製を必要とする。この概念は、周囲環境に存在する生BCGにあらかじめ暴露されることによってBCGの増殖が感染マウスで阻害されることを示した最近の動物感染モデルの研究によって補強された。結果としてBCGは、結核に対し防御免疫を提供することができない一過性の免疫反応を誘導しただけであった(Brandt et al. 2002)。生BCGは持続的に多くの異なる抗原を分泌し、これらはおそらく防御免疫の誘導に重要であろう。増殖するBCGによる多数の抗原の持続的産生は、いくつかの抗原を一過性に産生するサブユニットまたはDNAワクチンを凌ぐ利点を生ワクチンに与える。したがって、BCGがホストの体内で増殖し生存し続ける能力はBCGの有効性の重要な決定要素である。
【0027】
ホストの体内で増殖し生存し続けるために、BCGはホストの体内で利用可能な栄養物を利用できなければならない。イソシトレートリアーゼ(脂肪酸の異化に必須の酵素)は感染の慢性期におけるM.tuberculosisの生存維持に必要であり、さらに前記必要はホストの完全な免疫反応に依存することが示された(McKinney et al., 2000)。別の研究では、嫌気的ナイトレートレダクターゼ(硝酸塩呼吸に必須の酵素)を欠くM.bovisBCG株は、免疫能力をもつマウスの肺、肝および腎臓で生存し続けることができなかった(Fritz et al., 2002)。BCG株は増殖のための窒素源として数タイプのアミノ酸しか利用せず、さらに全てのBCG株の増殖は天然に存在するL−アラニンおよびL−セリンによって阻害されるという我々の発見は、ホストの体内で増殖し生存し続けるBCGの能力が限られていることを示唆する。ヒトの体内で増殖するBCGが利用しうるL−アラニンの濃度は0.33−0.42mMと概算され(Barclay & Wheeler, 1989)、前記濃度は、BCG−PasteurまたはBCG−Frappierの増殖の阻害、およびBCG−Japanの増殖の顕著な低下に十分な濃度である(図4)。ホストの細胞外液に存在するL−セリンの濃度はおよそ0.1mMであり(Barclay & Wheeler, 1989)、前記濃度はBCGの増殖の顕著な阻害をひき起こすことができる。BCGの増殖は防御免疫の発生のために必要であるので、ホスト体内でのアミノ酸によるそのような阻害は長期防御免疫の発達を妨げ、したがって成人における肺結核に対する防御の欠如をもたらすであろう。
【0028】
Mycobacterium bovisBCGはまた膀胱癌の治療に用いられる。多数の任意抽出管理臨床試験は、BCGの膀胱内投与によって腫瘍の再発を予防または遅らせることができることを示した(Lamm(2000)の概説;Locker & Gillatt, 2001)。どのようにしてBCGがこの作用を及ぼすかについての詳細は未確定である。しかしながら、抗腫瘍反応は完全なT細胞反応を要求し、Th1−型サイトカイン(TNFαおよびIL−6を含む)の発現の増加を必要とする(Prescott et al.(2000)の概説)。もっとも有効な治療計画には複数回のBCGの適用が含まれ、長期にわたる前記細菌への暴露が必要であることが示唆される。同様に、BCGを食菌する能力を有する腫瘍は前記の治療に対して最も感受性が高く(de Boer et al. 1996)、細菌と腫瘍との相互作用が重要であることを示している。したがって、増強された生存維持を示すBCG株は抗腫瘍活性の強化を提供することができる。
【0029】
機能的アラニンデヒドロゲナーゼ(配列番号1;配列番号2)が存在しないことが、BCG株がアラニン(L−アラニンまたはD−アラニン)を唯一の窒素源として利用できない原因であることを我々は示す。L−アラニンデヒドロゲナーゼ(ald)(配列番号1)をコードする遺伝子(Rv2708)がM.tuberculosisのゲノムで特定された。M.tuberculosis由来のこの酵素の活性はin vitroで生化学的に示された。aldはL−アラニンをピルベートおよびアンモニアに変換し、L−アラニンに高度に特異的である(Hutter & Singh, 1999)。この酵素はM.tuberculosisの培養上清分画で検出されるが、M.bovisBCG−JapanおよびBCG−Copenhagenではこの遺伝子の存在がDNAサザンブロットで示されたにもかかわらず検出されなかった(Anderson et al., 1992)。同様に、我々は本報告に挙げた12のBCG株のいずれにおいてもアラニンデヒドロゲナーゼ活性を検出しなかった(データは示されていない)。BCG株におけるこの機能的アラニンデヒドロゲナーゼの欠如はおそらくald遺伝子(配列番号3)内における変異によって惹起され、おそらく初期のM.bovis株から由来している。フレームシフト変異が公開されたM.bovisのゲノム配列のald遺伝子内で見つかった(図9)(配列番号3)。結果として、完全長のL−アラニンデヒドロゲナーゼタンパク質(配列番号2;配列番号4)はBCG株では産生されず、したがってBCGはアラニンを異化することができない。同様に、唯一の窒素源としてL−セリンをBCGが利用できないことは、おそらくsdaA遺伝子(配列番号5;配列番号6、L−セリンデヒドラターゼをコードする)の変異または発現の変化によるものである。BCGでのM.tuberculosisのsdaA(配列番号5;配列番号6)の発現は、BCG株が唯一の窒素源としてL−セリンを用いて増殖することを可能にし、L−セリンによるBCGの増殖阻害を軽減する(図8)。アラニンおよびセリンによるBCG増殖阻害は、グルタミンシンテターゼ(配列番号7から配列番号14)の阻害によって生じる。BCGでのグルタミンシンテターゼ(配列番号7から配列番号14)の過剰発現は、L−セリン、L−アラニンおよびD−アラニンによる増殖阻害を軽減する。
【0030】
BCG−FrappierおよびBCG−Pasteurは、おそらくグルタミンシンテターゼの発現レベルまたは活性における違いのためにアラニンによる阻害に対しBCG−Japanよりも感受性が高い。BCG−Japanは、BCG−FrappierまたはBCG−Pasteurと遺伝的に異なる(Behr et al. 1999)。Calmette & Guerinは、M.bovis単離菌をin vitroで13年および230継代後に1921年にBCGワクチンを開発した。1924年から、BCGロットは世界中の研究室に配布された。それらの研究室は、種々のレシピおよびプロトコルを用い、凍結乾燥された種菌が確立される1961年までin vitroで前記細菌の継代が続けられた。そのような作業の結果として、生化学的および遺伝的に異なる種々のBCG子孫株が作製された(Oettinger et al. 1999; Behr et al. 1999)。我々のデータは、窒素源としてアミノ酸を利用するBCG株の能力は様々であることを示している。例えば、BCG−Japanは陽イオン性アミノ酸(L−アルギニンおよびL−リジンを含む)で増殖することができるが、BCG−PasteurおよびBCG−Frappierは増殖できない。これらの相違はまた種々の臨床試験におけるBCGの有効性の相違に寄与しているであろう。
【0031】
要約すれば、我々は、機能的アラニンデヒドロゲナーゼ(配列番号1;配列番号2)、L−セリンデヒドラターゼ(配列番号5;配列番号6)および/またはグルタミンシンテターゼ(配列番号7から配列番号14)を発現するリコンビナントBCG株を、結核および他のマイコバクテリア感染を予防するワクチンとして使用する。これらのリコンビナントBCGワクチンは結核に対し長期の防御免疫を誘導するであろう。
【0032】
核酸分子の多様性
改変
本明細書に開示した核酸分子のDNA配列に多くの改変を加えることができる。そのような改変は当業者には明白であろう。本発明は、細菌または哺乳類細胞で発現を指令可能な、本明細書に開示した配列(またはそのフラグメント)のヌクレオチド改変を含む。改変にはヌクレオチドの置換、挿入もしくは欠失、またはヌクレオチドの相対的位置もしくは順序の変更が含まれる。
【0033】
核酸分子は、アラニンデヒドロゲナーゼ、グルタミンシンテターゼまたはL−セリンデヒドラターゼにおける保存的アミノ酸改変をコードすることができる。本発明は、アラニンデヒドロゲナーゼ、グルタミンシンテターゼまたはL−セリンデヒドラターゼ内に保存的アミノ酸改変をコードし、アラニンデヒドロゲナーゼ、グルタミンシンテターゼまたはL−セリンデヒドラターゼ内にサイレントアミノ酸変化を生じる機能的に等価の核酸分子を含む。経験的に保存されたアミノ酸置換群を特定する方法は当業界で周知である(例えば以下を参照されたい:Thomas D. Wu, "Discovering Empirically Conserved Amino Acid Substitution Groups in Databases of Protein Families"")(http://www.ncbi.nlm.nih.gov:80/entrez/query.fcgi?cmd=Retrieve&db=PubMed&list_uids=8877523&dopt=Abstract)。
【0034】
核酸分子はまた、アラニンデヒドロゲナーゼ、グルタミンシンテターゼまたはL−セリンデヒドラターゼ内に非保存的アミノ酸置換、付加または欠失をコードすることができる。本発明は、配列番号2、6、8、10、12または14のアミノ酸配列内に非保存的アミノ酸変化をコードする機能的に等価の核酸分子を含む。機能的に等価の核酸分子には、DNAおよびRNAであって、非保存的アミノ酸置換(好ましくは化学的に類似するアミノ酸の置換)、付加または欠失を有するペプチドまたはタンパク質をコードするが、配列番号2に示したアラニンデヒドロゲナーゼ、配列番号8、10、12もしくは14に示したグルタミンシンテターゼ、または配列番号6に示したL−セリンデヒドラターゼと同じまたは類似のアラニンデヒドロゲナーゼ、グルタミンシンテターゼまたはL−セリンデヒドラターゼ活性を保持する、DNAおよびRNAが含まれる。前記DNAまたはRNAはアラニンデヒドロゲナーゼ、グルタミンシンテターゼまたはL−セリンデヒドラターゼのフラグメントまたは変種をコードすることができる。フラグメントは免疫原として、さらに免疫原性組成物として有用である。そのようなフラグメントおよび変種のアラニンデヒドロゲナーゼ、グルタミンシンテターゼまたはL−セリンデヒドラターゼ様活性は、下記に記載するアッセイによって特定される。
【0035】
配列同一性
本発明の核酸分子はまた、本発明の核酸分子に対して少なくとも約60%の同一性、少なくとも70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも96%の同一性、少なくとも97%の同一性、少なくとも98%の同一性、またはもっとも好ましくは少なくとも99%または99.5%の同一性を有し、細菌または哺乳類細胞で核酸分子発現可能な核酸分子(またはそのフラグメント)を含む。同一性とは、最高の順序適合が得られるようにアラインメントを実施した2つのヌクレオチド配列の類似性を指す。同一性は当業界で公知の方法にしたがって計算される。例えば、あるヌクレオチド配列(“配列A”と呼ぶ)が配列番号1の一部分と90%同一性を有する場合、配列Aは配列番号1の照合された部分の各100ヌクレオチドにつき10個までの点変異(例えば他のヌクレオチドをもつ置換)を含みうることを除けば配列Aは配列番号1の照合された部分と同一である。
【0036】
配列同一性(各構築物は好ましくはコード核酸分子の挿入物を含まない)は、配列番号1から配列番号14またはその相補性配列に対し好ましくは少なくとも約70%の同一性、少なくとも80%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性、少なくとも96%の同一性、少なくとも97%の同一性、少なくとも98%の同一性、またはもっとも好ましくは少なくとも99%または99.5%の同一性とされる。配列同一性は好ましくはバイオインフォーマティクス(Bioinformatics、University of Wisconsin)のGCGプログラムを用いて計算される。他のプログラムもまた配列同一性の計算に利用することができる。例えば以下のようなプログラムを利用することができる:Clustal W プログラム(好ましくはデフォルトパラメーターを用いる;JD Thomas et al. Nucleic Acid Res. 22:4673−4680);BLAST P、BLAST Xアルゴリズム;Mycobacterium avium BLASTN(Institute for Genomic Research(http:tigrblast.tigr.org/));Mycobacterium bovis、M.Bovis BCG (Pasteur)、M. marinum、M. leprae、M.tuberculosisBLASTN(Wellcome Trust Sanger Institute(http://www.sanger.ac.uk/Projects/Microbes/));M.tuberculosisBLASTサーチ(Institute Pasterur(Tuberculist)http://genolist.pasteur.fr/TubercuList/);M.lepraeBLASTサーチ(Institute Pasterur(Leproma)http://genolist.pasteur.fr/Leproma/);M. paratuberculosis BLASTN(Microbial Genome Project, University of Minnesota, (http://www.cbc.umn.edu/ResearchProjects/Ptb/およびhttp://www.cbc.umn.edu/ResearchProjects/AGAC/Mptb/Mptbhome.html)、種々のBLASTサーチ(National Center for Biotechnology Information−USA,(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/))およびゲノムネット(GenomeNet)の種々のBLASTサーチ(Bioinformatics Center−Institute for Chemical Research(http://blast.genome.ad.jp/))。
【0037】
遺伝暗号は縮退性であるので、デヒドロゲナーゼ活性を有するポリペプチドをコードすることができる配列は配列番号1の核酸配列のみではなく、グルタミンシンテターゼ活性を有するポリペプチドをコードすることができる配列は配列番号7、9、11および13の核酸配列のみではなく、さらにL−セリンデヒドラターゼ活性を有するポリペプチドをコードすることができる配列は配列番号5の核酸配列のみではない。本発明は、配列番号1、5、7、9、11および13に記載された核酸分子と同一の主要遺伝情報をもつ核酸分子を含む。本明細書に記載した配列と比較して1つまたは2つ以上の核酸の変更を有する核酸分子(RNAを含む)であって、配列番号2、6、8、10、12および14に示したポリペプチドの生成をもたらす核酸分子は本発明の範囲内に包含される。他の機能的な等価の形態のアラニンデヒドロゲナーゼ、グルタミンシンテターゼおよびL−セリンデヒドラターゼをコードする核酸も通常のDNA−DNAまたはDNA−RNAハイブリダイゼーション技術を用いて単離することができる。
【0038】
ハイブリダイゼーション
本発明は、本明細書に記載された核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするために十分な同一性を有する配列をもつDNAを含む(ハイブリダイゼーション技術は当業界では周知である)。本発明はまた配列番号1から配列番号14の配列またはその相補性配列の1つまたは2つ以上とハイブリダイズする核酸分子を含む。そのような核酸分子は、好ましくは高度にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする(以下を参照されたい:Sambrook et al. Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Most Recent Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY)。高度にストリンジェントな洗浄は好ましくは低塩濃度(好ましくは約0.2%のSSC)および約50−65℃の温度を有する。
【0039】
ワクチン
当業者には生リコンビナントワクチンの製造は公知である。典型的にはそのようなワクチンは注射可能な溶液または懸濁液として製造される。注射前に液体となる溶液または懸濁液に適した固体形態に製造してもよい。前記調製物はまた乳化されてもよく、またはタンパク質をリポソームに被包化してもよい。生の免疫原性成分は、医薬的に許容され活性成分と適合する賦形剤としばしば混合される。適切な賦形剤は、例えば、水、食塩水、デキストロース、グリセロール、エタノールなど、またはその組み合わせなどである。さらにまた、所望の場合には、本ワクチンは微量の補助物質、例えば湿潤剤、乳化剤、pH緩衝剤および/またはワクチンの有効性を高めるアジュバントを含むことができる。有効でありうるアジュバントの例には以下が含まれるがこれらに限定されるものではない:水酸化アルミニウム、N−アセチル−ムラミル−L−スレオニル−D−イソグルタミン(thr−MDP)、N−アセチル−ノル−ムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン(CGP11637、nor−MDPと称される)、N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミニル−L−アラニン−2−(1'−2'−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ヒドロキシホスホリルオキシ)−エチルアミン(CGP19835A、MTE−PEと称される)およびRIBI(細菌から抽出された3つの成分(モノホスホリル脂質A、トレハロースジミコレートおよび細胞壁骨格(MPL+TDM+CWS))を2%スクォレン/トゥイーン80(登録商標)乳液中に含む)。
【0040】
アジュバントの有効性は、生リコンビナントMycobacterium bovis−BCGワクチン(種々のアジュバントをまた含む)の投与により生じた、Mycobacterium tuberculosisの抗原性配列を含む免疫原性ポリペプチドに対する抗体の量を測定することによって決定することができる。
簡便には、前記ワクチンは非経口的に、例えば注射(皮下または筋肉内)によって投与される。他の投与態様に適したさらに別の製剤には座薬および、いくつかの事例では経口製剤が含まれる。座薬のためには、伝統的な結合剤および担体には例えばポリアルキレングリコールまたはトリグリセリドが含まれるであろう。そのような座薬は、0.5%から10%、好ましくは1%から2%の範囲の活性成分を含む混合物から成形されるであろう。経口製剤には通常用いられる賦形剤、例えば医薬グレードのマンニトール、ラクトース、澱粉、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース炭酸マグネシウムなどが含まれる。これらの製剤は、溶液、懸濁液、錠剤、ピル、カプセル、徐放性製剤または散剤の形態をもち、10%から95%、好ましくは25%から70%の活性成分を含む。
【0041】
ワクチンは予防的および/または治療的に有効な量で剤形に適合する態様で投与される。
【0042】
ワクチンは単回投与スケジュールまたは複数回投与スケジュールで投与することができる。複数回投与スケジュールは、初期コースでは1から10回の独立した投与と、免疫反応の維持および/または補強に要求される時間間隔で与えられる別の投与がその後に続く(例えば第二回目の投与のためには1−4ヶ月、必要な場合には数ヵ月後にさらに次の投与が続く)。投薬スケジュールはまた、少なくとも部分的には各個体の必要によって決定され、医師の判断に左右されるであろう。
【0043】
さらにまた、生のリコンビナントMycobacterium bovis−BCGワクチンは、他の免役調節物質(例えば免疫グロブリン)と併用して投与される。本発明の目的はまた多価ワクチン製剤であり、混合物としてまたは混合されるべきものとして、上記で定義した生リコンビナントMycobacterium bovis−BCGを別のワクチン、特に上記に定義した別の生リコンビナントMycobacterium bovis−BCGワクチンとともに含む。これらのワクチンは別々の挿入配列を含む。
【0044】
医薬組成物
本発明の医薬組成物は、Mycobacterium tuberculosisまたはMycobacterium bovisによる攻撃に対して哺乳類を治療または予防するために用いられる。本発明の医薬組成物はまた、変性疾患、障害または異常な身体状態(例えば癌)をもつ患者の治療に用いられる。
【0045】
前記医薬組成物は、例えば錠剤、エアゾル投与、膀胱内点滴および静脈内注射のような方法によってヒトまたは動物に投与することができる。
【0046】
培地組成物
Mycobacterium bovis−BCGの増殖を阻害する本発明の培地組成物は唯一の窒素源としてアラニンまたはセリンを含む。アラニンが唯一の窒素源であるときアラニンは0.03mM以上の量で存在し、セリンが唯一の窒素源であるときセリンは0.03mM以上の量で存在する。
【0047】
前記培地組成物はさらに約1.35g/Lから約1.65g/Lの量、好ましくは少なくとも1.5g/Lの量の炭素;約0.045g/Lから約0.055g/Lの量、好ましくは少なくとも0.05g/Lの量の鉄;約0.45g/Lから約0.55g/Lの量、好ましくは少なくとも0.5g/Lの量のマグネシウム;および約0.045g/Lから0.055g/Lの量、好ましくは少なくとも0.05g/Lの量のSO4を含むことができる。
【0048】
キット
免疫診断に適し、適切な標識試薬を含むキットは、本発明の生リコンビナントMycobacterium bovisBCG株を含む適切な材料を適切な容器に残りの試薬およびアッセイの実施に必要な材料並びに適切なアッセイ使用説明書セットとともに包装することによって構築される。いかなる免疫学的検査様式も意図され(例えばELISA、ウェスタンブロット、サンドイッチアッセイなど)、それらは当業者に周知である。
【0049】
材料と方法
細菌株および培養条件:12のMycobacterium bovisBCG株:BCG−Japan、BCG−Russia、BCG−Moreau、BCG−Sweden、BCG−Birkhaug、BCG−Frappier、BCG−Pasteur、BCG−Glaxo、BCG−Phipps、BCG−Tice、BCG−Denmark、およびBCG−Pragueを本実験に用い、それらはマーセル=ベーア博士(Dr. Macel Behr, McGill University)から入手した。前記の株の特性については以前に詳細に記載された(Behr et al. 1999)。ミドルブルック7H9培地(Midlebrook 7H9, Difco)は1リットル当たり以下を含む:硫酸アンモニウム、0.5g;L−グルタメート、0.5g;クエン酸ナトリウム、0.1g;ピリドキシン、1mg;ビオチン、0.5mg;リン酸二ナトリウム、2.5g;リン酸一カリウム、1g;クエン酸第二鉄アンモニウム、40mg;硫酸マグネシウム、50mg;塩化カルシウム、0.5mg;硫酸亜鉛、1mg;硫酸銅、1mg;およびグリセロール2mL(前記の他に5gのアルブミン(ウシ、V分画)、デキストロース2gおよび0.05%トゥイーン80を滅菌後に添加)。Sauton培地は1リットル当たり以下を含む:L−アスパラギン、4g;硫酸一カリウム、0.5g;硫酸マグネシウム、0.5g;クエン酸第二鉄アンモニウム、50mg;クエン酸、2g;硫酸亜鉛、1mg;およびグリセロール、60mL(0.05%トゥイーン80を滅菌後に添加)。グリセロール−アラニン−塩類(GAS)培地は1リットル当たり以下を含む:塩化アンモニウム、2g;L−アラニン、1g;バクトカシトーン(Bacto Casitone, Difco)、0.3g;二塩基性リン酸カリウム、4g;クエン酸、2g;クエン酸第二鉄アンモニウム、50mg;塩化マグネシウム6水和物、1.2g;硫酸カリウム、0.6g;10Mの水酸化ナトリウム、1.8mL;および10mLのグリセロール。トゥイーン80を滅菌後に0.05%添加した。BCG培養は37℃で定常的に振盪しながら3−4週間増殖させた。
【0050】
aldのクローニング:ald(配列番号1)のクローニングは二工程で実施した(図1)。先ず初めに、aldを含むM.tuberculosisの4.5kb、ScaIフラグメントをEcl136IIで直鎖化させたpUC19に連結してpUC−ALDを作製した。続いて、ald遺伝子(配列番号1)を含む1.9kbのKpnIフラグメントをKpnIで直鎖化させたpMD31(Yu et al., 1998)に連結することによって、マイコバクテリアプラスミドpALDを作製した。前記プラスミドpALDをエレクトロポレーションによってM.bovisBCG株に導入し、リコンビナントM.bovisBCG株を、10%オレイック/アルブミン/デキストロース/カタラーゼ(OADC)濃縮物および25μg/mLのカナマイシンを補充したミドルブルック7H9寒天(Difco)で選別した。
【0051】
sdaAのクローニング:sdaA(配列番号5)のクローニングは二工程で実施した。先ず初めに、M.tuberculosisゲノムDNAの9.5kbのBamHIフラグメントをBamHI−直鎖化pMD31に連結してpSDA1を作製した。プラスミドpSDA1をPstIで切断し、続いて10.9kbのPstIフラグメントの自己連結によってプラスミド、pSDAAを作製した。前記のプラスミドpSDAAをエレクトロポレーションによってM.bovisBCG株に導入し、リコンビナントM.bovisBCG株を、10%オレイック/アルブミン/デキストロース/カタラーゼ(OADC)濃縮物および25μg/mLのカナマイシンを補充したミドルブルック7H9寒天(Difco)で選別した。
【実施例1】
【0052】
グリセロール−アラニン−塩類(GAS)培地でのBCG株の増殖:実験過程で、我々は、BCG−Japan株は7H9培地の場合よりも遅いがGAS培地でも増殖できることを発見した。BCG−FrappierおよびBCG−Pasteurは、長期間インキュベートした後(2ヶ月)でもGAS培地では増殖できなかった。他のBCG株のGAS培地での増殖も調べた。表1にその結果をまとめた。BCG−Japan、BCG−Russia、BCG−Moreau、BCG−SwedenおよびBCG−BirkhaugはGAS培地で増殖できたが、BCG−Frappier、BCG−Pasteur、BCG−Glaxo、BCG−Phipps、BCG−Tice、BCG−DenmarkおよびBCG−Pragueは増殖できなかったことが示されている。これは興味深い観察である。なぜならば、上記に挙げた12のBCG株の全てが7H9およびSautonの両培地で増殖できたからである(表1)。なぜある種のBCG株がGAS培地で増殖できないかを知るために、GAS、7H9およびSauton培地の化学的組成を比較した。ZnSO4(1mg/L)(7H9およびSauton培地には存在するが、GAS培地には存在しない)またはピルビン酸ナトリウム(0.5%)(M.bovisの大型コロニーの増殖に必要)の補充はGASでのBCG株の増殖を支えなかった(データは示されていない)。次に窒素源を比較した。L−アスパラギン(4mg/L)はSauton培地では唯一の窒素源であるが、塩化アンモニウム(2g/L)およびL−アラニン(1g/L)がGASでの主要な窒素源である。L−アスパラギンをGAS培地に(4g/Lで)添加したとき、BCG−Frappier、BCG−Pasteur、BCG−Glaxo、BCG−Phipps、BCG−Tice、BCG−DenmarkおよびBCG−Pragueは迅速に増殖できた(表1)。L−アスパルテート、L−グルタミンまたはL−グルタメートのGAS培地への補充はこれらのBCG株の増殖を支えたが、他のタイプのアミノ酸の補充は増殖を支えなかった(表1)。これらの結果は、ある種のBCG株のGAS培地での増殖できなかったことは、そこに存在する窒素源をそれらのBCG株が利用できないことによって生じることを示している。
【実施例2】
【0053】
BCG株の増殖のための窒素源としてのアミノ酸:上記の結果から我々はBCG株が種々のタイプのアミノ酸を唯一の窒素源として利用する能力を調べることを計画した。GAS培地は少量のBacto Casitone(0.3g/L)(Bacto Casitoneは種々のアミノ酸およびペプチドの複雑な混合物である)を含むので、前記の目的のために我々は(確定した培地である)Sauton培地を選択した。Sauton培地の本来の成分中のL−アスパラギンを同濃度(27mM)の各タイプのアミノ酸で個々に置換え、pHは7.0に調節した。27mMまたは1mMの塩化アンモニウムを唯一の窒素源とした場合もテストした。表2は3つの代表的なBCG株(BCG−Japan、BCG−PasteurおよびBCG−Frappier)についての結果をまとめている。表1の結果と同様に、唯一の窒素源としてL−アスパラギン、L−アスパルテート、L−グルタミンまたはL−グルタメートが用いられたとき、3つのBCG株全てが迅速に増殖した。BCG−Japanは陽イオン性アミノ酸(例えばL−アルギニン、L−リジン)で増殖することができたが、BCG−PasteurおよびBCG−Frappierはそのような条件では増殖できなかった。より興味深いことには、いずれのBCG株も唯一の窒素源としてL−アラニン、L−セリン、L−ロイシン、L−イソロイシン、L−メチオニンまたはL−グリシンを利用することができないが、他の種のマイコバクテリア(病原性を有するM.tuberculosisおよびM.avium、並びに非病原性のM.smegmatisを含む)は、これらのアミノ酸で増殖することができた。これらの結果は、BCGワクチン株は限られた種類のアミノ酸を増殖のための窒素源として利用し、いくつかのBCG株(例えばBCG−PasteurまたはBCG−Frappier)は4種のアミノ酸で増殖することができるだけであることを示している(表2)。そのような制限はin vivo(ホストの体内)でのBCGの増殖および生存維持能力をおそらく制限するであろう。
【実施例3】
【0054】
L−アラニン、D−アラニンまたはL−セリンはBCGの増殖を抑制する:上記の実験からの驚くべき発見は、全てのBCG株は低濃度(1mM)の塩化アンモニウムが唯一の窒素源として存在する場合、および高濃度(27mM)の塩化アンモニウムが唯一の窒素源として存在する場合のどちらにおいても増殖することができるということであった(表2)。これはGAS培地で得られた結果(37mMの塩化アンモニウムはBCG−PasteurおよびBCG−Frappierの増殖を支えない)と矛盾する(表1)。GAS培地はまたL−アラニンを含み、BCG株はL−アラニンを増殖に利用しないので(表2)、ただ1つの可能な説明は、L−アラニンは実際にBCG株の増殖を阻害するということである。このことを証明するために、改変GAS培地(L−アラニン抜き)を作製し、前記培地でのBCG株の増殖を調べた。予想したように、L−アラニンを含む本来のGAS培地では増殖できないBCG−FrappierおよびBCG−PasteurはL−アラニンを含まないGASで迅速に増殖した(図3)。BCG−Japanもまた本来のGAS培地よりもこのL−アラニン非含有培地でより迅速に増殖した(図3)。同様の結果が本明細書に挙げた他の9つのBCG株についても得られた。
【0055】
この結果をさらに確認するために、L−アラニンを濃度を増加させながら塩化アンモニウム含有(5g/L)Sauton培地に添加し、BCG−Japan、BCG−FrappierおよびBCG−Pasteurの増殖を決定した(図4)。驚くべきことに、非常に低い濃度(0.25mM)ですら、L−アラニンはBCG−FrappierおよびBCG−Pasteurの増殖を完全に阻害した。BCG−Japanの増殖阻害は幾分前記2つのBCG株よりは弱いが、0.5mMのL−アラニンはその増殖を顕著に低下させ、8−16mMでは増殖は完全に抑制された(図4)。総合すれば、これらの結果はL−アラニンがBCG株の増殖を阻害することを明瞭に示している。我々はさらに、D−アラニンもBCG株の増殖を阻害することを見出した。GAS培地におけるD−アラニンの存在は、BCG−PasteurおよびBCG−Frappierの増殖を停止させ、BCG−Japanの増殖を顕著に低下させた(図5)。同様に、GAS培地におけるL−セリンの存在はBCG−Japan、BCG−FrappierおよびBCG−Pasteurの増殖を顕著に阻害した(図7)。
【実施例4】
【0056】
BCGでのL−アラニンデヒドロゲナーゼ(配列番号1;配列番号2)の発現はL−アラニンおよびD−アラニンによるBCG増殖の阻害を軽減する:アラニンは、多くのマイコバクテリア種(M.tuberculosis、M.aviumおよびM.smegmatisを含む)にとって優れた窒素供給源である。D−アラニンの分解はL−アラニンへのラセミ化で開始し、L−アラニンは続いてL−アラニンデヒドロゲナーゼによってアンモニウムとピルベートに分解する。興味深いことには、機能的L−アラニンデヒドロゲナーゼはM.tuberculosisおよびM.smegmatisで検出されるが、BCG−JapanまたはBCG−Copenhagenでは検出されなかった(Andersen et al. 1992; Hutter & Dick, 1998)。我々は、この実験で示したBCG株のいずれについてもL−アラニンデヒドロゲナーゼ活性を検出しなかった(データは示されていない)。BCG株がL−またはD−アラニンを増殖のための唯一の窒素源として利用することができないのは機能的L−アラニンデヒドロゲナーゼを欠くためである。このことを証明するために、M.tuberculosisのL−アラニンデヒドロゲナーゼ(配列番号2)をコードするald遺伝子(配列番号1)をシャトルベクターにクローニングし、BCG−FrappierおよびBCG−Pasteurを形質転換した。得られたリコンビナントBCG株をL−アラニンまたはD−アラニンを含むGAS培地で増殖する能力について調べた。両リコンビナント株(BCG−Frappier/aldおよびBCG−Pasteur/ald)はL−アラニンまたはD−アラニンのどちらを含むGAS培地でも迅速に増殖し(図6)、一方、クローニングベクターのみを含む株は増殖しなかった。この結果は、機能的L−アラニンデヒドロゲナーゼ(配列番号1;配列番号2)のBCG株での発現はL−アラニンおよびD−アラニンによるBCGの増殖阻害を軽減することを示している。
【実施例5】
【0057】
BCGでのL−セリンデヒドラターゼ(配列番号5;配列番号6)の発現はL−セリンによるBCG増殖の阻害を軽減する:L−セリンは、増殖のための唯一の窒素としてM.tuberculosis、M.aviumおよびM.smegmatisに利用されるが、M.bovisBCG株には利用されない。BCG株がL−セリンを増殖のための唯一の窒素源として利用することができないのは、BCG中のL−セリンデヒドラターゼをコードする遺伝子、sdaA(配列番号5)の変異または発現の改変がおそらく原因であろう。BCGでのM.tuberculosisのSdaA(配列番号5;配列番号6)の発現は、BCG株が唯一の窒素供給源としてL−セリンを用いて増殖することを可能にし、さらにL−セリンによるBCGの増殖阻害を軽減する(図8)。
【実施例6】
【0058】
L−アラニン、D−アラニンおよびL−セリンによるBCG増殖の阻害はおそらくグルタミンシンテターゼ(配列番号7から配列番号14)の活性の阻害によって生じる:グルタミンシンテターゼは細菌の窒素代謝で中心的な役割を果す(Reitzer, 1996)。グルタメートシンターゼとタンデムに機能しながら、グルタミンシンテターゼはグルタミンおよびグルタメートの合成を触媒する。グルタミンおよびグルタメート両者でほとんど全てのアミノ酸、タンパク質およびヌクレオチドのための窒素を提供する。Escherichia coliおよびKlebsiella aerogenesでは、グルタミンシンテターゼはフィードバック阻害下にあり、精製グルタミンシンテターゼはL−アラニン、L−セリンおよびグリシンによって阻害される(Reitzer, 1996)。グルタミンシンテターゼはM.tuberculosisおよびM.bovisBCGでは細胞外タンパク質として同定された(Harth et al. 1994)。未分解L−アラニンはグルタミンシンテターゼを阻害し、続いてBCGの増殖を妨げる可能性が高い。これが正しければ、L−セリン(増殖のためにBCGによって代謝されない)(表1)は同じメカニズムでBCGの増殖を阻害するであろう。この仮説を支持するように、窒素供給源として塩化アンモニウムのみを含むGAS培地へのL−セリンの添加は、BCG−Frappier、BCG−PasteurまたはBCG−Japanの増殖を阻害する(図7)。さらにまた、グルタミンシンテターゼがL−アラニンおよびL−セリン阻害の標的であるならば、K.aerogenesで示されたように(Janes & Bender, 1998)、グルタメートに変換されえるアミノ酸の補充はまたそれらの影響を軽減させるであろう。実際、L−グルタメートおよび代謝によってグルタメートを生じるアミノ酸(L−グルタミン、L−アスパラギンおよびL−アスパルテート)の添加によって、アラニンの存在下でもBCG株は増殖するが(表1)、代謝によってグルタメートを生じないアミノ酸(例えばL−リジン、L−メチオニン、L−ロイシン)はBCG株を増殖させることができない。BCG−FrappierおよびBCG−PasteurはBCG−Japanよりもアラニンおよびセリンによる阻害により敏感で、これはグルタミンシンテターゼ(配列番号7から配列番号14)の発現レベルまたは活性における違いのためである。すなわち、BCG−Japanは、BCG−FrappierまたはBCG−Pasteurよりも多くのグルタミンシンテターゼを産生するか、またはより強い活性をもつグルタミンシンテターゼを産生する。
【0059】
本発明を詳細にかつ好ましい実施態様の具体的な引用とともに述べてきたが、当業者には本発明の精神と範囲から逸脱することなく改変を実施できることは理解できよう。例えば本出願がタンパク質に言及している場合、ペプチドおよびポリペプチドをしばしば用いることができよう。同様に本出願で遺伝子が記載されている場合、核酸または遺伝子フラグメントもしばしば用いることができることは明瞭である。
【0060】
各刊行物、特許、特許出願が具体的に個別に全体を取り込まれた場合と同様な程度に、全ての刊行物(GenBankエントリーを含む)、特許および特許出願は参照によりその全体が本明細書に取り込まれる。
【0061】
【表1】

【0062】
【表2】

【0063】
参考文献:

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【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】ald遺伝子のクローニングを示す。先ず初めに、Ald遺伝子(配列番号1)を含むM.tuberculosisのゲノムDNAの4.5kbのScaIフラグメントをEcl136IIで直鎖化させたpUC19に連結してpUC−ALDを作製した。続いて、ald遺伝子(配列番号1)を含む1.9kbのKpnIフラグメントをKpnIで直鎖化させたpMD31に連結することによって、マイコバクテリアプラスミドpALDを作製した。
【図2】sdaA遺伝子のクローニングを示す。sdaA(配列番号5)のクローニングは二工程で達成した。先ず初めに、M.tuberculosisゲノムDNAの9.5kbのBamHIフラグメントをBamHI−直鎖化pMD31に連結してpSDA1を作製した。pSDA1をPstIで切断し、続いて10.9kbのPstIフラグメントの自己融合によってプラスミド、pSDAAを作製した。
【図3】GASでのL−アラニンによるBCGの増殖阻害を示す。7H9/ADC/グリセロール/トゥイーン−80液体培地で定常期まで増殖させたBCG−Japan、BCG−Frappier、およびBCG−Pasteurを5mLの培養容積のGAS、L−アラニンを含まないGAS、および27mMのL−アスパラギン補充GASに、各サンプル2つづつになるよう細胞濃度2×107細胞/mLで接種した。培養を定常的に振盪しながら16日間37℃でインキュベートし、続いて細胞培養の部分標本2mLを遠心し、細胞ペレットを凍結乾燥させて細胞の乾燥重量を決定した。
【図4】NH4Cl(5g/L)含有Sauton中でL−アラニンの濃度を増加させることによるBCGの増殖阻害を示す。a)BCG−Japan、b)BCG−Frappierおよびc)BCG−Pasteurを7H9/ADC/グリセロール/トゥイーン−80液体培地で定常期まで増殖させた。細胞を洗浄し、Sauton基本培地(窒素源なし)に再懸濁させた。各株の再懸濁細胞を5mL培養容積のNH4Cl補充Sauton培地に各サンプル2つづつになるように接種し、L−アラニン濃度を増加させた。培養を定常的に振盪しながら30日間37℃でインキュベートし、さらに細胞乾燥重量を決定した。
【図5】GASでのD−アラニンによるBCGの増殖阻害を示す。7H9/ADC/グリセロール/トゥイーン−80液体培地で定常期まで増殖させたBCG−Japan、BCG−Frappier、およびBCG−Pasteurを、各々5mLの培養容積のGAS(L−アラニンがD−アラニンで置換されている)、L−アラニンを含まないGAS、および27mMのL−アスパラギンを補充したGAS(D−アラニン含有)に、細胞濃度2x107細胞/mLで接種した。培養を定常的に振盪しながら13日間37℃でインキュベートし、さらに細胞乾燥重量を決定した。
【図6】アラニンデヒドロゲナーゼ(配列番号1)を発現するリコンビナントBCG株のGAS培地での増殖を示す。BCG−Frappier/ald、BCG−Pasteur/ald、BCG−Frappier/pMD31、BCG−Pasteur/pMD31、BCG−Frappier、およびBCG−Pasteurの増殖を比較した。7H9/ADC/グリセロール/トゥイーン−80液体培地で定常期まで増殖させた各株の細胞を洗浄し、Sauton基本培地(窒素源なし)に再懸濁させた。再懸濁細胞を5mLの培養容積のL−アラニンを含まないGAS、L−アラニンを含むGAS、およびL−アラニンがD−アラニンで置換されているGASに各サンプル2つづつとなるように接種した。培養を定常的に振盪しながら15日間37℃でインキュベートし、続いて細胞乾燥重量を決定した。
【図7】GAS中でのL−セリンによるBCGの増殖阻害を示す。7H9/ADC/グリセロール/トゥイーン−80液体培地で定常期まで増殖させたBCG−Japan、BCG−Frappier、およびBCG−Pasteurを5mLの培養容積のGAS(L−アラニンがL−セリンで置換されている)、L−アラニンを含まないGAS、および27mMのL−アスパラギンを補充したGAS(L−セリン含有)に、各サンプル2つづつとなるように細胞濃度2×107細胞/mLで接種した。培養を定常的に振盪しながら15日間37℃でインキュベートし、さらに細胞乾燥重量を決定した。
【図8】L−セリンデヒドラターゼ(配列番号5)を発現するリコンビナントBCG株のL−セリン含有GAS培地での増殖を示す。BCG−Japan/sdaA、BCG−Frappier/sdaA、BCG−Pasteur/sdaA、BCG−Japan、BCG−Frappier、およびBCG−Pasteurの増殖を比較した。7H9/ADC/グリセロール/トゥイーン−80液体培地で定常期まで増殖させた各株の細胞を洗浄し、Sauton基本培地(窒素源なし)に再懸濁させた。再懸濁細胞を5mLの培養容積のL−アラニン非含有GAS、L−アラニンがL−セリンで置換されているGAS、および27mMのL−アスパラギンを補充したGAS(L−セリン含有)に各サンプル2つづつになるように接種した。培養を定常的に振盪しながら15日間37℃でインキュベートし、続いて細胞乾燥重量を決定した。
【図9】Mycobacterium tuberculosis(M.tb)のald遺伝子(配列番号1;配列番号2)およびMycobacterium bovis(M. bovis)のald遺伝子(配列番号3;配列番号4)のA)ヌクレオチドおよびB)アミノ酸配列のアラインメントを示す。M. bovisのald(配列番号3)でフレームシフトを生じる点欠失変異は矢印で示されている。この変異によって影響を受けるヌクレオチドコドンおよびアミノ酸がハイライトされている。
【配列表】






























【特許請求の範囲】
【請求項1】
アラニンデヒドロゲナーゼ活性、グルタミンシンテターゼ活性またはL−セリンデヒドラターゼ活性を示す少なくとも1つのタンパク質またはポリペプチドをコードする発現可能な核酸を含む、生リコンビナントMycobacterium bovis−BCG株。
【請求項2】
アラニンデヒドロゲナーゼ(配列番号1から配列番号2)、グルタミンシンテターゼ(配列番号7から配列番号14)およびL−セリンデヒドラターゼ(配列番号5から配列番号6)から成る群から選択される少なくとも1つのタンパク質またはポリペプチドをコードする発現可能な核酸、を含む生リコンビナントMycobacterium bovis−BCG株。
【請求項3】
配列番号1、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11および配列番号13から成る群から選択される少なくとも1つの核酸分子の全部または一部を含む発現可能な核酸、を含む生リコンビナントMycobacterium bovis−BCG株。
【請求項4】
配列番号1、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11および配列番号13から成る群から選択される少なくとも1つの核酸分子と少なくとも60%の配列同一性を有する配列を含む発現可能な核酸、を含む生リコンビナントMycobacterium bovis−BCG株。
【請求項5】
前記核酸分子が改変を受けている請求項3または4の生リコンビナントMycobacterium bovis−BCG株。
【請求項6】
前記Mycobacterium bovis−BCG株が、Mycobacterium bovis−BCG−Russia、Mycobacterium bovis−BCG−Moreau、Mycobacterium bovis−BCG−Japan、Mycobacterium bovis−BCG−Sweden、Mycobacterium bovis−BCG−Birkhaug、Mycobacterium bovis−BCG−Prague、Mycobacterium bovis−BCG−Glaxo、Mycobacterium bovis−BCG−Denmark、Mycobacterium bovis−BCG−Tice、Mycobacterium bovis−BCG−Frappier、Mycobacterium bovis−BCG−Connaught、Mycobacterium bovis−BCG−Phipps、およびMycobacterium bovis−BCG−Pasteurから成る群から選択される請求項1、2、3、4または5の生リコンビナントMycobacterium bovis−BCG株。
【請求項7】
請求項1、2、3、4、5または6の生リコンビナントMycobacterium bovis−BCG株を含む医薬組成物。
【請求項8】
請求項1、2、3、4、5または6の生リコンビナントMycobacterium bovis−BCG株を含む、マイコバクテリアによる攻撃に対し哺乳類を治療または予防するワクチンまたは免疫原性組成物。
【請求項9】
前記がマイコバクテリアがMycobacterium tuberculosisである請求項8のワクチンまたは免疫原性組成物。
【請求項10】
医薬的に許容できる担体をさらに含む請求項8または9のワクチンまたは免疫原性組成物。
【請求項11】
さらにアジュバントを含む請求項8、9または10のワクチンまたは免疫原性組成物。
【請求項12】
1つ以上の他の病源体に由来する免疫原性物質をさらに含む請求項8、9、10または12のワクチンまたは免疫原性組成物。
【請求項13】
請求項1、2、3、4、5または6の生リコンビナントMycobacterium bovis−BCG株を哺乳類に投与することを含む、Mycobacterium tuberculosisまたはMycobacterium bovisによる攻撃に対し前記哺乳類を治療または予防する方法。
【請求項14】
前記哺乳類が牛である請求項13の方法。
【請求項15】
前記哺乳類がヒトである請求項13の方法。
【請求項16】
前記ワクチンまたは免疫原性組成物がアジュバントの存在下で投与される請求項13の方法。
【請求項17】
請求項1、2、3、4、5または6の生リコンビナントMycobacterium bovis−BCG株を哺乳類に投与することを含む、癌に対して前記哺乳類を治療または予防する方法。
【請求項18】
前記ワクチンまたは免疫原性組成物がアジュバントの存在下で投与される請求項17の方法。
【請求項19】
前記癌が膀胱癌である請求項17または18の方法。
【請求項20】
請求項1、2、3、4、5または6の生リコンビナントMycobacterium bovis−BCG株を含む検査キット。
【請求項21】
増殖のための唯一の窒素源としてアラニンを含む、Mycobacterium bovis−BCGの増殖を阻害する培地組成物。
【請求項22】
増殖のための唯一の窒素源としてセリンを含む、Mycobacterium bovis−BCGの増殖を阻害する培地組成物。
【請求項23】
さらに(a)炭素源、(b)鉄、(c)マグネシウムおよび(d)SO4を含む請求項21または22の培地組成物。
【請求項24】
前記炭素源がグリセロール、デキストロース、クエン酸塩およびグルコースから成る群から選択される請求項23の培地組成物。
【請求項25】
(a)Mycobacteriumを含むサンプルを入手し、さらに(b)前記サンプルを選択的培地で培養することを含むMycobacterium bovis−BCGの増殖を阻害する方法。
【請求項26】
前記選択的培地が増殖のための唯一の窒素源としてアラニンを含む請求項25の方法。
【請求項27】
前記選択的培地が増殖のための唯一の窒素源としてセリンを含む請求項25の方法。
【請求項28】
(a)Mycobacteriumのサンプルを入手し、さらに(b)前記サンプルを確認培地で培養することを含むMycobacterium bovis−BCGを培養する方法。
【請求項29】
前記確認培地がヒスチジンを含む請求項28の方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2006−508633(P2006−508633A)
【公表日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−586182(P2003−586182)
【出願日】平成15年4月16日(2003.4.16)
【国際出願番号】PCT/CA2003/000566
【国際公開番号】WO2003/089462
【国際公開日】平成15年10月30日(2003.10.30)
【出願人】(504388385)
【Fターム(参考)】