説明

アリールグリセリンエーテル

アリールグリセリンエーテル。
次式(I)


[式中、R1、R2またはR3基のうちの少なくとも一つは芳香族基であるかまたは芳香族基を含む]
で表される芳香族基で置換されたグリセリンエーテルが開示される。これらの化合物は、界面活性物質として好ましく使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の対象は、芳香族基で置換されたグリセリンエーテル及び分散体中でのそれの使用である。
【0002】
分散体は、一つの物質(分散相)が他の物質(分散剤)中に微細に分布、すなわち分散している、二つまたはそれ以上の相からなる物質系である。分散剤も、分散相の物質も、固体、液状またはガス状であることができる。分布の程度に依存して、分子分散系、コロイド分散系、微分散系及び粗分散系に分けられる。分散体の例は、懸濁体、エマルション、泡、エアロゾル及び煙である。多くの工業的な製品が分散体の形で使用されている。
【0003】
安定した分散体を得るためには、第一には相の分布を可能にするかまたは容易にしそして個々の成分のゲルの形成、相の分離、結晶化または沈降を防ぐ界面活性物質(分散剤)をしばしば加えなければならない。
【0004】
それ故、技術的に簡単に入手可能であり、様々な物質系に使用できるが、毒性の面での懸念がなくかつ生態学的に適合性の効果的な分散剤に対する関心が強い。
【0005】
驚くべきことに、芳香族基により置換されたグリセリンエーテルが、優れた界面活性の性質を示し、水性分散体やエマルション、懸濁体濃厚物及びサスポエマルション中に良好に使用することができ、各種成分相互、例えば助剤、分散剤、電解質などの成分相互の高い相溶性を実現し、更に、各成分の高い懸濁性(懸濁のし易さ)並びに各相の安定をもたらすことが見出された。
【0006】
本発明の対象は、次式(I)
【0007】
【化1】

{式中、
1、R2及びR3は、互いに独立して、同一かまたは異なることができ、そして水素(−H)、
及び/または
−(CR45xフェニル(この際、R4及びR5は、同一かまたは異なることができ、−H、OH基、線状もしくは分枝状(C1〜C10)アルキルまたは線状もしくは分枝状(C2〜C30)アルケニルを表し、そしてxは1〜10の数を表す)、
及び/または
−(CR45xナフチル(この際、R4及びR5は、同一かまたは異なることができ、−H、OH基、線状もしくは分枝状(C1〜C10)アルキルまたは線状もしくは分枝状(C2〜C30)アルケニルを表し、そしてxは1〜10の数を表す)、
及び/または
次式(II)
【0008】
【化2】

で表される基、
及び/または
67N−(CH2y−(式中、R6及びR7は、同一かまたは異なることができ、−H、線状もしくは分枝状(C1〜C10)アルキルまたは線状もしくは分枝状(C2〜C30)アルケニルを表し、そしてyは1〜22の数を表す)、
及び/またはHO−(CH2y−(式中、yは1〜22の数を表す)、
及び/または
−SO3-+, −PO32-+X'+または−CH2COO-+(式中、X+及びX'+は、H+、Li+、Na+、K+、Ca2+/2、Mg2+/2、またはN(R84を表し、そしてR8は、同一かまたは異なることができ、そして−Hまたは(C1〜C10)アルキル、好ましくは(C1〜C4)アルキルを表す)、
及び/または
次式(III)
【0009】
【化3】

[式中、X+及びX'+は、H+、Li+、Na+、K+、Ca2+/2、Mg2+/2、またはN(R84+を表し、そしてR8は、同一かまたは異なることができ、−Hまたは(C1〜C10)アルキル、好ましくは(C1〜C4)アルキルを表す]
で表される基、
及び/または
−C(R9)2−COO-+、−CO−R10−COO-+または−C(R9)2C(R9)2C(R9)2−R(R11)2(式中、R9は、同一かまたは異なることができ、−H及び/または−CH3を表し、R10は、(C1〜C10)アルキレンまたは(C2〜C30)アルケニレンを表し、R11は、同一かまたは異なることができ、(C1〜C10)アルキルまたは(C2〜C30)アルケニルを表し、X-は、H+、Li+、Na+、K+、Ca2+/2、Mg2+/2、またはN(R84+を表し、そしてR8は、同一かまたは異なることができ、−Hまたは(C1〜C10)アルキル、好ましくは(C1〜C4)アルキルを表す)、
及び/または
−C(R12)2C(R12)2C(R12)2−N((GO)zH)2(式中、R12は、同一かまたは異なることができ、−H及び/または−CH3を表し、Gは−C24−、−C36−または−C48−を表し、そしてzは1〜22の数を表す)、
及び/または
次式(IV)
【0010】
【化4】

[式中、A、B及びDは、同一かまたは異なることができ、−C24−、−C36−、−C48−または−CH(フェニル)CH2−を表す]
で表される基を表し、
指数p1、q1、r1、p2、q2、r2、p3、q3及びr3は0〜500の数を表し、そしてnは1〜100の数を表し、但し、R1、R2及びR3基のうちの少なくとも一つは芳香族基であるかまたは芳香族基を含むものである}
で表される芳香族基で置換されたグリセリンエーテルである。
【0011】
本発明の好ましい態様の一つでは、式(I)の化合物は、ベンジル、式(II)の基、式(III)の基、−PO32-+X'+、−SO3-+及び式(IV)の基から選択されるR1、R2及びR3基の一つまたはそれ以上を含む。本発明の特に好ましい態様の一つでは、式(I)の化合物は、ベンジル、式(II)の基及び式(IV)の基から選択されるR1、R2及びR3基の一つまたはそれ以上を含む。
【0012】
好ましくは、nは1〜35の数、特に好ましくは2〜35の数を表す。本発明の特に好ましい態様の一つでは、nは2〜5の数を表す。本発明の更に別の特に好ましい態様の一つでは、nは4〜6の数を表す。本発明の更に別の特に好ましい態様の一つでは、nは5〜25の数を表す。最後に挙げた範囲では、5〜10の範囲が極めて好ましい。
【0013】
本発明の更に別の好ましい態様の一つでは、A、B及びDは、同一かまたは異なることができ、そして各々互いに独立して、−C24−または−C6−、好ましくは−C24−を表す。
【0014】
本発明の更に別の好ましい態様では、指数p1、q1、r1、p2、q2、r2、p3、q3及びr3は、0〜100の数、好ましくは0〜50の数、特に好ましくは0〜25の数、就中好ましくは0〜20の数を表す。
【0015】
本発明の更に別の好ましい態様の一つでは、指数p1、q1、r1、p2、q2、r2、p3、q3及びr3の合計は0〜100の数、好ましくは0〜60の数、特に好ましくは0〜40の数である。
【0016】
本発明の特に好ましい態様の一つでは、上記式(I)の芳香族基で置換されたグリセリンエーテルは、
1、R2及びR3基が、−H及びベンジル−CH2−フェニルから選択され、そしてR1、R2及びR3基の一つまたはそれ以上、好ましくは二つがベンジルを表し、
A、B及びDが−CH2CH2−を表し、
指数p1、q1、r1、p2、q2、r2、p3、q3及びr3が0〜25の数、好ましくは0〜20の数を表し、そして指数p1、q1、r1、p2、q2、r2、p3、q3及びr3の合計が0〜30の数、好ましくは5〜30の数、特に好ましくは15〜20の数であり、
nが2〜5の数を表し、
かつこの際、前記ベンジル基はグリセリン部に直接結合し、そして
2基がベンジルを表す場合には、R2基のうちの一つまたはそれ以上がベンジルを表す、
化合物である。
【0017】
特に好ましいものは、前記式(I)中、R1及びR2がベンジルを表し、R3が−Hを表し、nが2〜5の数を表し、p1、q1、r1、p2、q2、r2が0を表し、A、B及びDが−CH2CH2−を表し、p3、q3及びr3が0〜25、好ましくは0〜20の数を表し、指数p3、q3及びr3の合計が0〜30の数、好ましくは5〜30の数、特に好ましくは15〜20の数である、同式で表される芳香族基で置換されたグリセリンエーテルである。
【0018】
本発明の更に別の特に好ましい態様の一つでは、上記式(I)で表される芳香族基で置換されたグリセリンエーテルは、
1、R2及びR3基が、−H及び上記式(II)の基から選択され、そしてR1、R2及びR3基のうちの一つまたはそれ以上、好ましくは一つが上記式(II)の基を表し、
A、B及びDが、同一かまたは異なることができ、−C24−、−C36−、−C48−または−CH(フェニル)CH2−、好ましくは−C24−を表し、
指数p1、q1、r1、p2、q2、r2、p3、q3及びr3が、0〜100、好ましくは0〜50、特に好ましくは0〜25の数を表し、そして指数p1、q1、r1、p2、q2、r2、p3、q3及びr3の合計が0〜100、好ましくは10〜60、特に好ましくは15〜40であり、
nが、1〜8の数、好ましくは2〜5を表し、
そしてこの際、R2基が上記式(II)の基を表す場合には、R2基の一つまたはそれ以上が上記式(II)の基を表す、
化合物である。
【0019】
更に別の特に好ましいものは、式(I)中、R1が上記式(II)の基を表し、R2及びR3が−Hを表し、A、B及びDが、同一かまたは異なることができ、−C24−、−C36−、−C48−または−CH(フェニル)CH2−、好ましくは−C24−を表し、指数p1、q1、r1、p2、q2、r2、p3、q3及びr3が、0〜100,好ましくは0〜50、特に好ましくは0〜25の数を表し、指数p1、q1、r1、p2、q2、r2、p3、q3及びr3の合計が0〜100、好ましくは10〜60、特に好ましくは15〜40の数であり、そしてnが1〜8の数、好ましくは2〜5の数を表す、同式で表される芳香族基で置換されたグリセリンエーテルである。
【0020】
本発明の更に別の特に好ましい態様の一つでは、上記式(I)の芳香族基で置換されたグリセリンエーテルは、
1、R2及びR3基のうちの一つまたはそれ以上、好ましくは一つが上記式(III)の基を表し、
A、B及びDが、同一かまたは異なることができ、−C24−、−C36−、−C48−または−CH(フェニル)CH2−、好ましくは−C24−を表し、
指数p1、q1、r1、p2、q2、r2、p3、q3及びr3が0〜100の数、好ましくは0〜50の数、特に好ましくは0〜25の数を表し、そして指数p1、q1、r1、p2、q2、r2、p3、q3及びr3の合計が0〜100、好ましくは10〜60、特に好ましくは15〜40の数であり、
nが2〜10の数、好ましくは4〜9の数、特に好ましくは4〜6の数を表し、
そしてこの際、R2基が−H以外の意味を有する場合には、R2基のうちの一つのみまたはそれ以上が−H以外の意味を有することができる、
化合物である。
【0021】
更に別の特に好ましいものは、式(I)中、R1が上記式(II)の基を表し、R2またはR3基のうちの一つが上記式(III)の基を表し、残りのR2またはR3基の全てが−Hを表し、A、B及びDが、同一かまたは異なることができ、−C24−、−C36−、−C48−または−CH(フェニル)CH2−、好ましくは−C24−を表し、指数p1、q1、r1、p2、q2、r2、p3、q3及びr3が0〜100、好ましくは0〜50、特に好ましくは0〜25の数を表し、そして指数p1、q1、r1、p2、q2、r2、p3、q3及びr3の合計が0〜100、好ましくは10〜60、特に好ましくは15〜40の数であり、そしてnが2〜10の数、好ましくは4〜9の数、特に好ましくは4〜6の数を表す、同式で表される芳香族基で置換されたグリセリンエーテルである。
【0022】
本発明の更に別の特に好ましい態様の一つでは、上記式(I)の芳香族基で置換されたグリセリンエーテルは、
1、R2及びR3基のうちの一つまたはそれ以上、好ましくは一つが−PO32-+X'+を表し、この際X+及びX'+は、H+、Li+、Na+、K+、Ca2+/2、Mg2+/2またはN(R8)4+を表し、そしてR8は、同一かまたは異なることができ、−Hまたは−(C1〜C10)アルキル、好ましくは(C1〜C4)アルキルを表し、
A、B及びDが、同一かまたは異なることができ、−C24−、−C36−、−C48−または−CH(フェニル)CH2−、好ましくは−C24−を表し、
指数p1、q1、r1、p2、q2、r2、p3、q3及びr3が、0〜100、好ましくは0〜50、特に好ましくは0〜25の数を表し、そして指数p1、q1、r1、p2、q2、r2、p3、q3及びr3の合計が0〜100の数、好ましくは10〜60の数、特に好ましくは15〜40の数であり、
nが、2〜10の数、好ましくは4〜9の数、特に好ましくは4〜6の数を表し、
そしてこの際、R2基が−H以外の意味を有する場合には、R2基のうちの一つだけまたはそれ以上が、−H以外の意味を有することができる、
化合物である。
【0023】
更に別の特に好ましいものは、上記式(I)中、R1が上記式(II)の基を表し、R2またはR3基のうちの一つが−PO32-+X'+を表し、この際X+及びX'+は、H+、Li+、Na+、K+、Ca2+/2、Mg2+/2またはN(R8)4+を表し、そしてR8は、同一かまたは異なることができ、−Hまたは(C1〜C10)アルキル、好ましくは(C1〜C4)アルキルを表し、そして残りのR2またはR3基の全てが−Hを表し、A、B及びDが、同一かまたは異なることができ、−C24−、−C36−、−C48−または−CH(フェニル)CH2−、好ましくは−C24−を表し、指数p1、q1、r1、p2、q2、r2、p3、q3及びr3が0〜100、好ましくは0〜50、特に好ましくは0〜25の数を表し、そして指数p1、q1、r1、p2、q2、r2、p3、q3及びr3の合計が0〜100、好ましくは10〜60、特に好ましくは15〜40の数であり、そしてnが2〜10の数、好ましくは4〜9の数、特に好ましくは4〜6の数を表す、同式で表される芳香族基で置換されたグリセリンエーテルである。
【0024】
本発明の更に別の特に好ましい態様の一つでは、上記式(I)の芳香族基で置換されたグリセリンエーテルは、
1、R2及びR3基のうちの一つまたはそれ以上、好ましくは一つが、−SO3-+であり、この際、X+は、H+、Li+、Na+、K+、Ca2+/2、Mg2+/2またはN(R8)4+を表し、そしてR8は、同一かまたは異なることができ、−Hまたは(C1〜C10)アルキル、好ましくは(C1〜C4)アルキルを表し、
A、B及びDが、同一かまたは異なることができ、−C24−、−C36−、−C48−または−CH(フェニル)CH2−、好ましくは−C24−を表し、
指数p1、q1、r1、p2、q2、r2、p3、q3及びr3が0〜100、好ましくは0〜50、特に好ましくは0〜25の数を表し、そして指数p1、q1、r1、p2、q2、r2、p3、q3及びr3の合計が0〜100、好ましくは10〜60、特に好ましくは15〜40の数であり、nが2〜10の数、好ましくは4〜9の数、特に好ましくは4〜6の数を表し、
そしてこの際、R2基が−H以外の意味を有する場合には、R2基のうちの一つだけまたはそれ以上が−H以外の意味を有することができる、
化合物である。
【0025】
更に別の特に好ましいものは、上記式(I)中、R1、R2及びR3基のうちの一つまたはそれ以上、好ましくは一つが上記式(II)の基を表し、そしてR1、R2及びR3基のうちの一つまたはそれ以上、好ましくは一つが−SO3-+を表し、この際、X+は、H+、Li+、Na+、K+、Ca2+/2、Mg2+/2またはN(R8)4+を表し、R8は、同一かまたは異なることができ、−Hまたは(C1〜C10)アルキル、好ましくは(C1〜C4)アルキルを表し、そして残りのR1、R2またはR3基の全ては−Hを表し、A、B及びDが、同一かまたは異なることができ、−C24−、−C36−、−C48−または−CH(フェニル)CH2−、好ましくは−C24−を表し、指数p1、q1、r1、p2、q2、r2、p3、q3及びr3が0〜100、好ましくは0〜50、特に好ましくは0〜25の数を表し、そして指数p1、q1、r1、p2、q2、r2、p3、q3及びr3の合計が0〜100、好ましくは10〜60、特に好ましくは15〜40の数であり、そしてnが2〜10の数、好ましくは4〜9の数、特に好ましくは4〜6の数を表す、同式で表される芳香族基で置換されたグリセリンエーテルである。
【0026】
本発明の更に別の特に好ましい態様の一つでは、上記式(I)の芳香族基で置換されたグリセリンエーテルは、
1、R2及びR2基が−H及び上記式(IV)の基から選択され、そしてR1、R2及びR3のうちの一つまたはそれ以上、好ましくは二つが上記式(IV)の基を表し、
A、B及びDが−CH2CH2−を表し、
指数p1、q1、r1、p2、q2、r2、p3、q3及びr3が0〜25、好ましくは0〜20の数を表し、そして指数p1、q1、r1、p2、q2、r2、p3、q3及びr3の合計が0〜30、好ましくは5〜30、特に好ましくは15〜20の数であり、
nが1〜5の数を表し、
そしてこの際、上記式(IV)の基がグリセリン部に直接結合し、そして
2基が上記式(IV)の基を表す場合には、R2基のうちの一つまたはそれ以上が上記式(IV)の基を表す、
化合物である。
【0027】
更に別の特に好ましいものは、上記式(I)中、R1及びR2が上記式(IV)の基を表し、R3が−Hを表し、nが1〜5の数を表し、p1、q1、r1、p2、q2、r2が0を表し、A、B及びDが−CH2CH2−を表し、p3、q3及びr3が0〜25、好ましくは0〜20の数を表し、そして指数p3、q3及びr3の合計が0〜30、好ましくは5〜30、特に好ましくは15〜20の数である、同式で表される芳香族基で置換されたグリセリンエーテルである。
【0028】
本発明の更に別の特に好ましい態様の一つでは、上記式(I)の芳香族基で置換されたグリセリンエーテルは、
1、R2及びR3基が、−H及び上記式(IV)の基から選択され、そしてR1、R2及びR3基のうちの一つまたはそれ以上、好ましくは二つが上記式(IV)の基を表し、
A、B及びDが、−CH2CH2−及び−CH(フェニル)CH2−から選択され、この際、該グリセリンエーテルが、−CH2CH2−ばかりでなく、−CH(フェニル)CH2−基も含む場合には、−CH2CH2−はグリセリン部に、そして−CH(フェニル)CH2−基はエチレンオキシに直接結合し、
指数p1、q1、r1、p2、q2、r2、p3、q3及びr3が、0〜25、好ましくは0〜20の数を表し、そして指数p1、q1、r1、p2、q2、r2、p3、q3及びr3の合計が0〜35、好ましくは5〜35、特に好ましくは15〜25の数であり、そして
nが1〜5の数を表し、
そしてこの際、上記式(IV)の基はグリセリン部に直接結合し、そして
2基が上記式(IV)の基を表す場合には、R2基のうちの一つまたはそれ以上が上記式(IV)の基を表す、
化合物である。
【0029】
更に別の特に好ましいものは、上記式(I)中、R1及びR2が上記式(IV)の基を表し、R3が−Hを表し、nが1〜5の数を表し、p1、q1、r1が0を表し、Aが−CH2CH2−を表し、B及びDが−CH(フェニル)CH2−を表し、p2、q2、r2、p3、q3及びr3が0〜25、好ましくは0〜20の数を表し、そして指数p2、q2、r2、p3、q3及びr3の合計が0〜35、好ましくは5〜35、特に好ましくは15〜25の数である、同式で表される芳香族基で置換されたグリセリンエーテルである。
【0030】
本発明の更に別の対象は、本発明による芳香族基で置換されたグリセリンエーテルの一種またはそれ以上を含む分散体である。
【0031】
本発明の芳香族基で置換されたグリセリンエーテルは、界面活性物質として有利に好適である。それ故、本発明の更に別の対象は、本発明の芳香族基で置換されたグリセリンエーテルの一種またはそれ以上の、界面活性物質としての使用である。
【0032】
本発明の更に別の好ましい態様の一つでは、本発明の芳香族基で置換されたグリセリンエーテルは分散体中に界面活性物質として使用される。
一般的製造手順
A) グリセリンの重合によるオリゴグリセリンもしくはポリグリセリンの生成
グリセリンを重合してオリゴグリセリンもしくはポリグリセリンとする方法は公知方法において行う。
【0033】
このためには、グリセリンを、水分離器及び窒素導入管を備えた攪拌装置中で、酸性触媒、例えばHCl、H2SO4、スルホン酸またはH3PO4の存在下またはアルカリ性触媒、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカリ金属アルコレート、アルカリ炭酸塩、アルカリ重炭酸塩の存在下、及び0.1〜0.4重量%の範囲の触媒濃度において、200〜280℃、好ましくは240〜270℃で加熱する。縮合水を除去しながら、2〜100個、好ましくは3〜35個のグリセリン単位の平均縮合度を有するオリゴグリセリンまたはポリグリセリンの生成を3〜14時間行う。オリゴグリセリンまたはポリグリセリンの平均分子量は、それのOH価から計算することができる。
【0034】
グリセリンを重合してオリゴグリセリンもしくはポリグリセリンとした際の縮合時間に対する縮合度nの関係を表1に示す。
【0035】
【表1】

B)グリセリンエーテルの製造
本発明によるモノグリセリンエーテル、オリゴグリセリンエーテルまたはポリグリセリンエーテルの製造のためには、上記のモノグリセリン、オリゴグリセリンもしくはポリグリセリンまたは対応するオキシアルキル化されたグリセリンを、当業者には公知のエーテル化方法、例えばウイリアムソン−エーテル合成法に従ってエーテル化することができる。ウイリアムソンエーテル合成法では、上記のグリセリンを、アルカリ性触媒の作用下に、例えばアリールアルキルクロライド(例えばベンジルクロライド)と、好ましくは80〜110℃の温度で反応させることができる。しかし、上記のモノグリセリン、オリゴグリセリンまたはポリグリセリンを、酸性もしくはアルカリ性触媒の作用下に、例えば適当な酸化物またはエポキシドと反応させることもできる。反応の制御は、それぞれOH価を測定することによって行われる。
【0036】
本発明によるモノグリセリンエーテル、オリゴグリセリンエーテルまたはポリグリセリンエーテルの製造は、上記のモノグリセリン、オリゴグリセリンもしくはポリグリセリンまたは対応するオキシアルキル化されたグリセリンを、ウイリアムソンエーテル合成法に従い、アルカリ性触媒の作用下に、例えばアリールアルキルクロライドと、好ましくは80〜110℃の温度で反応させ、そしてそうして得られたグリセリンエーテルを、次いで、酸性またはアルカリ性触媒の作用下に、例えば酸化物またはエポキシドと反応させることによって行うこともできる。
【0037】
本発明によるモノグリセリンエーテル、オリゴグリセリンエーテルまたはポリグリセリンエーテルは、当業者には公知の標準方法に従い、アルコキシル化(すなわち、例えばエチレンオキシ基などのアルキレンオキシ基の導入)、硫酸塩化、リン酸塩化、アミン化などによって変性することができる。
【0038】
本発明による化合物は、優れた分散力及び高い電解質安定性を特徴とする。更に、本発明のグリセリンエーテルは、親水性成分及び疎水性成分の相溶性を向上させ、及び該グリセリンエーテルを含む調合物の湿潤力及び吸収力を向上させる。
【実施例】
【0039】
以下には、本発明のグリセリンエーテルの製造例を記載するが、本発明はこれらの例に限定されない。
オリゴ及びポリグリセリン−ベンジルエーテルの製造
製造手順
反応させるべきオリゴグリセリン(2または5の平均縮合度nを有するオリゴグリセリン混合物)をNaOHと混合し、そして水流減圧下に80℃で2時間攪拌する。次いで、常圧下に、ベンジルクロライドを80〜100℃の温度下に5時間内で滴下する。この際、温度は100℃を超えるべきではない。次いで、100℃で三時間、後攪拌する。仕上げするために、この反応混合物を水と一緒に振とうする。有機相を単離しそして乾燥した。
【0040】
オリゴグリセリン及びポリグリセリンPG(nは縮合度を意味する)、ベンジルクロライド及び水酸化ナトリウムNaOHの使用量、並びにグリセリンエーテルのOH価を表2に示す。
【0041】
【表2】

オリゴグリセリンまたはポリグリセリン−トリスチリルフェニルエーテルの製造
一般的製造手順
反応させるべきオリゴグリセリン(2または5の平均縮合度nを有するオリゴグリセリン混合物)及びトリスチリルフェノールまたはトリスチリルフェノールエトキシレートを、触媒量のNaOHと混合し、そして攪拌しながら170℃に加熱する。生じた反応水を、水分離器で反応混合物から分離する。この反応混合物を、6時間の間、上記の温度に維持する。その後、室温まで冷却する。
【0042】
オリゴグリセリン及びポリグリセリンPG(nは縮合度を意味する)、トリスチリルフェノールまたはトリスチリルフェノールエトキシレートTSP−(EO)m−H(EOは−CH2CH2O−を意味する)の使用量、並びにグリセリンエーテルのOH価を表3に示す。
【0043】
【表3】

モノグリセリン−、オリゴグリセリン−またはポリグリセリン−スチレンオキシドエーテルの製造
一般的製造手順
モノグリセリン及びオリゴグリセリン(5の平均縮合度nを有するオリゴグリセリン混合物)をカリウムメトキシレートと混合し、そして70℃に加熱する。水流減圧下に、生じたメタノールを除去する。その後、70〜75℃で、スチレンオキシドを3〜5時間の期間内で滴下する。次いで、70〜75℃で3〜6時間、後攪拌する。次いで、OH価を測定する。
【0044】
モノグリセリン、オリゴグリセリンもしくはポリグリセリンPG(nは縮合度を意味する)及びスチレンオキシドの使用量、並びにグリセリンエーテルのOH価を表4に示す。
【0045】
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式(I)
【化1】

{前記式中、R1、R2及びR3は、互いに独立して同一かまたは異なることができ、そして
水素−H、
及び/または
−(CR45)x−フェニル(式中、R4及びR5は、同一かまたは異なることができ、−H、OH基、線状もしくは分枝状(C1〜C10)アルキルまたは線状もしくは分枝状(C2〜C30)アルケニルを表し、そしてxは1〜10の数を表す)、
及び/または
−(CR45x−ナフチル(式中、R4及びR5は、同一かまたは異なることができ、−H、OH基、線状もしくは分枝状(C1〜C10)アルキルまたは線状もしくは分枝状(C2〜C30)アルケニルを表し、そしてxは1〜10の数を表す)、
及び/または
次式(II)
【化2】

で表される基、
及び/または
67N−(CH2y−(式中、R6及びR7は、同一かまたは異なることができ、−H、線状もしくは分枝状(C1〜C10)アルキルまたは線状もしくは分枝状(C2〜C30)アルケニルを表し、そしてyは1〜22の数を表す)、
及び/または
HO−(CH2y−(式中、yは1〜22の数を表す)、
及び/または
−SO3-+、−PO32-+X'+または−CH2COO-+(式中、X+及びX'+は、H+、Li+、Na+、K+、Ca2+/2、Mg2+/2またはN(R84+を表し、R8は、同一かまたは異なることができ、−Hまたは(C1〜C10)アルキル、好ましくは(C1〜C4)アルキルを表す)、
及び/または
次式(III)
【化3】

[式中、X+及びX'+は、H+、Li+、Na+、K+、Ca2+/2、Mg2+/2またはN(R84+を表し、R8は、同一かまたは異なることができ、−Hまたは(C1〜C10)アルキル、好ましくは(C1〜C4)アルキルを表す]
で表される基、
及び/または
−C(R92−COO-+、−CO−R10−COO-+または−C(R92C(R92C(R92−N(R112(式中、R9は、同一かまたは異なることができ、−H及び/または−CH3を表し、R10は(C1〜C10)アルキレンまたは(C2〜C30)アルケニレンを表し、R11は、同一かまたは異なることができ、(C1〜C10)アルキルまたは(C2〜C30)アルケニルを表し、X+は、H+、Li+、Na+、K+、Ca2+/2、Mg2+/2またはN(R84+を表し、R8は、同一かまたは異なることができ、−Hまたは(C1〜C10)アルキル、好ましくは(C1〜C4)アルキルを表す)、
及び/または
−C(R122C(R122C(R122−N((GO)zH)2(式中、R12は、同一かまたは異なることができ、−H及び/または−CH3を表し、Gは、−C24−、−C36−または−C48−を表し、そしてzは1〜22の数を表す)、
及び/または
次式(IV)
【化4】

で表される基を表し、
A、B及びDは、同一かまたは異なることができ、−C24−、−C36−、−C48−または−CH(フェニル)CH2−を表し、
指数p1、q1、r1、p2、q2、r2、p3、q3及びr3は0〜500の数を表し、そして
nは、1〜100の数を表し、
但し、R1、R2及びR3基のうちの少なくとも一つは、芳香族基であるかまたは芳香族基を含む}
で表される芳香族基で置換されたグリセリンエーテル。
【請求項2】
ベンジル、上記式(II)の基、上記式(III)の基、−PO32-+X'+、−SO3-+、及び上記式(IV)の基から選択されるR1、R2及びR3基の一つまたはそれ以上を含むことを特徴とする、請求項1の芳香族基で置換されたグリセリンエーテル。
【請求項3】
nが1〜35の数、好ましくは2〜35の数を表すことを特徴とする、請求項1または2の芳香族基で置換されたグリセリンエーテル。
【請求項4】
A、B及びDが、同一かまたは異なることができ、それぞれ互いに独立して−C24−または−C36−、好ましくは−C24−を表すことを特徴とする、請求項1〜3の一つまたはそれ以上に記載の芳香族基で置換されたグリセリンエーテル。
【請求項5】
指数p1、q1、r1、p2、q2、r2、p3、q3及びr3が0〜100、好ましくは0〜50、特に好ましくは0〜25、就中好ましくは0〜20の数を表すことを特徴とする、請求項1〜4の一つまたはそれ以上に記載の芳香族基で置換されたグリセリンエーテル。
【請求項6】
指数p1、q1、r1、p2、q2、r2、p3、q3及びr3の合計が0〜100、好ましくは0〜60、特に好ましくは0〜40の数であることを特徴とする、請求項1〜5の一つまたはそれ以上に記載の芳香族基で置換されたグリセリンエーテル。
【請求項7】
1、R2及びR3基が−H及びベンジル(−CH2−フェニル)から選択され、そしてR1、R2及びR3基のうちの一つまたはそれ以上、好ましくは二つがベンジルを表し、
A、B及びDが−CH2CH2−を表し、
指数p1、q1、r1、p2、q2、r2、p3、q3及びr3が0〜25、好ましくは0〜20の数を表し、そして指数p1、q1、r1、p2、q2、r2、p3、q3及びr3の合計が0〜30、好ましくは5〜30、特に好ましくは15〜20の数であり、
nが2〜5の数を表し、
そしてこの際、ベンジル基がグリセリン部に直接結合し、そしてR2基がベンジルを表す場合に、R2基のうちの一つまたはそれ以上がベンジルを表す、
ことを特徴とする請求項1〜6の一つまたはそれ以上に記載の芳香族基で置換されたグリセリンエーテル。
【請求項8】
1及びR2がベンジルを表し、R3が−Hを表し、nが2〜5の数を表し、p1、q1、r1、p2、q2、r2が0を表し、A、B及びDが−CH2CH2−を表し、p3、q3及びr3が0〜25、好ましくは0〜20の数を表し、そして指数p3、q3及びr3の合計が0〜30、好ましくは5〜30、特に好ましくは15〜20の数であることを特徴とする、請求項1〜7の一つまたはそれ以上に記載の芳香族基で置換されたグリセリンエーテル。
【請求項9】
1、R2及びR3基が−H及び上記式(II)の基から選択され、そしてR1、R2及びR3基のうちの一つまたはそれ以上、好ましくは一つが上記式(II)の基を表し、
A、B及びDが、同一かまたは異なることができ、−C24−、−C36−、−C48−または−CH(フェニル)CH2−、好ましくは−C24−を表し、
指数p1、q1、r1、p2、q2、r2、p3、q3及びr3が0〜100、好ましくは0〜50、特に好ましくは0〜25の数を表し、そして指数p1、q1、r1、p2、q2、r2、p3、q3及びr3の合計が0〜100、好ましくは10〜60、特に好ましくは15〜40の数であり、
nが1〜8の数、好ましくは2〜5を表し、
そしてこの際、R2基が上記式(II)の基を表す場合は、R2基のうちの一つまたはそれ以上が上記式(II)の基を表す、
ことを特徴とする、請求項1〜6の一つまたはそれ以上に記載の芳香族基で置換されたグリセリンエーテル。
【請求項10】
1が上記式(II)の基を表し、R2及びR3が−Hを表し、A、B及びDが、同一かまたは異なることができ、−C24−、−C36−、−C48−または−CH(フェニル)CH2−、好ましくは−C24−を表し、指数p1、q1、r1、p2、q2、r2、p3、q3及びr3が0〜100、好ましくは0〜50、特に好ましくは0〜25の数を表し、指数p1、q1、r1、p2、q2、r2、p3、q3及びr3の合計が0〜100、好ましくは10〜60、特に好ましくは15〜40の数であり、そしてnが1〜8の数、好ましくは2〜5を表すことを特徴とする、請求項1〜6及び9の一つまたはそれ以上に記載の芳香族基で置換されたグリセリンエーテル。
【請求項11】
1、R2及びR3基のうちの一つまたはそれ以上、好ましくは一つが上記式(III)の基を表し、そして他のR1、R2及びR3基が請求項1に記載の意味を有し、
A、B及びDが、同一かまたは異なることができ、−C24−、−C36−、−C48−または−CH(フェニル)CH2−、好ましくは−C24−を表し、
指数p1、q1、r1、p2、q2、r2、p3、q3及びr3が0〜100、好ましくは0〜50、特に好ましくは0〜25の数を表し、そして指数p1、q1、r1、p2、q2、r2、p3、q3及びr3の合計が0〜100、好ましくは10〜60、特に好ましくは15〜40の数であり、
nが2〜10の数、好ましくは4〜9の数、特に好ましくは4〜6の数を表し、
そしてこの際、R2基が−H以外の意味を有する場合は、R2基のうちの一つだけまたはそれ以上が−H以外の意味を有することができる、
ことを特徴とする請求項1〜6の一つまたはそれ以上に記載の芳香族基で置換されたグリセリンエーテル。
【請求項12】
1が上記式(II)の基を表し、R2またはR3基のうちの一つが上記式(III)の基を表し、そして残りのR2またはR3基の全てが−Hを表し、A、B及びDが、同一かまたは異なることができ、−C24−、−C36−、−C48−または−CH(フェニル)CH2−、好ましくは−C24−を表し、指数p1、q1、r1、p2、q2、r2、p3、q3及びr3が0〜100、好ましくは0〜50、特に好ましくは0〜25の数を表し、そして指数p1、q1、r1、p2、q2、r2、p3、q3及びr3の合計が0〜100、好ましくは10〜60、特に好ましくは15〜40の数であり、そしてnが2〜10の数、好ましくは4〜9の数、特に好ましくは4〜6の数を表すことを特徴とする、請求項1〜6及び11の一つまたはそれ以上に記載の芳香族基で置換されたグリセリンエーテル。
【請求項13】
1、R2及びR3基のうちの一つまたはそれ以上、好ましくは一つが−PO32-+X'+を表し、この際、X+及びX'+は、H+、Li+、Na+、K+、Ca2+/2、Mg2+/2またはN(R84+を表し、R8は、同一かまたは異なることができ、−Hまたは(C1〜C10)アルキル、好ましくは(C1〜C4)アルキルを表し、そして他のR1、R2及びR3基が請求項1に記載の意味を有し、
A、B及びDが、同一かまたは異なることができ、−C24−、−C36−、−C48−または−CH(フェニル)CH2−、好ましくは−C24−を表し、
指数p1、q1、r1、p2、q2、r2、p3、q3及びr3が0〜100、好ましくは0〜50、特に好ましくは0〜25の数を表し、そして指数p1、q1、r1、p2、q2、r2、p3、q3及びr3の合計が0〜100、好ましくは10〜60、特に好ましくは15〜40の数であり、
nが2〜10の数、好ましくは4〜9の数、特に好ましくは4〜6の数を表し、
そしてこの際、R2基が−H以外の意味を有する場合は、R2基のうちの一つだけがまたはそれ以上が−H以外の意味を有することができる、
ことを特徴とする請求項1〜6の一つまたはそれ以上に記載の芳香族基で置換されたグリセリンエーテル。
【請求項14】
1が上記式(II)の基を表し、R2またはR3のうちの一つが−PO32-+X'+を表し、この際、X+及びX'+は、H+、Li+、Na+、K+、Ca2+/2、Mg2+/2またはN(R84+を表し、R8は、同一かまたは異なることができ、−Hまたは(C1〜C10)アルキル、好ましくは(C1〜C4)アルキルを表し、そして残りのR2またはR3の全てが−Hを表し、A、B及びDが、同一かまたは異なることができ、−C24−、−C36−、−C48−または−CH(フェニル)CH2−、好ましくは−C24−を表し、指数p1、q1、r1、p2、q2、r2、p3、q3及びr3が0〜100、好ましくは0〜50、特に好ましくは0〜25の数を表し、そして指数p1、q1、r1、p2、q2、r2、p3、q3及びr3の合計が、0〜100、好ましくは10〜60、特に好ましくは15〜40の数であり、そしてnが2〜10の数、好ましくは4〜9の数、特に好ましくは4〜6の数を表すことを特徴とする、請求項1〜6及び13の一つまたはそれ以上に記載の芳香族基で置換されたグリセリンエーテル。
【請求項15】
1、R2及びR3基のうちの一つまたはそれ以上、好ましくは一つが−SO3-+であり、この際、X+がH+、Li+、Na+、K+、Ca2+/2、Mg2+/2またはN(R84+を表し、R8は、同一かまたは異なることができ、−Hまたは(C1〜C10)アルキル、好ましくは(C1〜C4)アルキルを表し、そして他のR1、R2及びR3基が請求項1に記載の意味を有し、
A、B及びDが、同一かまたは異なることができ、−C24−、−C36−、−C48−または−CH(フェニル)CH2−、好ましくは−C24−を表し、
指数p1、q1、r1、p2、q2、r2、p3、q3及びr3が0〜100、好ましくは0〜50、特に好ましくは0〜25の数を表し、そして指数p1、q1、r1、p2、q2、r2、p3、q3及びr3の合計が0〜100、好ましくは10〜60、特に好ましくは15〜40の数であり、
nが2〜10の数、好ましくは4〜9の数、特に好ましくは4〜6の数を表し、
そしてこの際、R2基が−H以外の意味を有する場合は、R2基の一つだけまたはそれ以上が−H以外の意味を有することができることを特徴とする、請求項1〜6の一つまたはそれ以上に記載の芳香族基で置換されたグリセリンエーテル。
【請求項16】
1、R2及びR3基のうちの一つまたはそれ以上、好ましくは一つが上記式(II)の基を表し、そしてR1、R2及びR3基の一つまたはそれ以上、好ましくは一つが−SO3-+を表し、この際、X+はH+、Li+、Na+、K+、Ca2+/2、Mg2+/2またはN(R84+を表し、R8は、同一かまたは異なることができ、−Hまたは(C1〜C10)アルキル、好ましくは(C1〜C4)アルキルを表し、そして残りのR1、R2またはR3基の全てが−Hを表し、A、B及びDが、同一かまたは異なることができ、−C24−、−C36−、−C48−または−CH(フェニル)CH2−、好ましくは−C24−を表し、指数p1、q1、r1、p2、q2、r2、p3、q3及びr3が0〜100、好ましくは0〜50、特に好ましくは0〜25の数を表し、そして指数p1、q1、r1、p2、q2、r2、p3、q3及びr3の合計が0〜100、好ましくは10〜60、特に好ましくは15〜40の数であり、そしてnが2〜10の数、好ましくは4〜9の数、特に好ましくは4〜6の数を表すことを特徴とする、請求項1〜6及び15の一つまたはそれ以上に記載の芳香族基で置換されたグリセリンエーテル。
【請求項17】
1、R2及びR3基が−H及び上記式(IV)の基から選択され、そしてR1、R2及びR3基のうちの一つまたはそれ以上、好ましくは二つが上記式(IV)の基を表し、
A、B及びDが−CH2CH2−を表し、
指数p1、q1、r1、p2、q2、r2、p3、q3及びr3が0〜25、好ましくは0〜20の数を表し、そして指数p1、q1、r1、p2、q2、r2、p3、q3及びr3の合計が0〜30、好ましくは5〜30、特に好ましくは15〜20の数であり、
nが1〜5の数を表し、
この際、上記式(IV)の基はグリセリン部に直接結合し、
そしてR2基が上記式(IV)の基を表す場合には、R2基の一つまたはそれ以上が上記式(IV)の基を表す、
ことを特徴とする、請求項1〜6の一つまたはそれ以上に記載の芳香族基で置換されたグリセリンエーテル。
【請求項18】
1及びR2が上記式(IV)の基を表し、R3が−Hを表し、nが1〜5の数を表し、p1、q1、r1、p2、q2、r2が0を表し、A、B及びDが−CH2CH2−を表し、p3、q3及びr3が0〜25、好ましくは0〜20の数を表し、そして指数p3、q3及びr3の合計が0〜30、好ましくは5〜30、特に好ましくは15〜20の数であることを特徴とする、請求項1〜6及び17の一つまたはそれ以上に記載の芳香族基で置換されたグリセリンエーテル。
【請求項19】
1、R2及びR3基が−H及び上記式(IV)の基から選択され、そしてR1、R2及びR3基のうちの一つまたはそれ以上、好ましくは二つが上記式(IV)の基を表し、
A、B及びDが−CH2CH2−及び−CH(フェニル)CH2−から選択され、この際、該グリセリンエーテルが、−CH2CH2−ばかりでなく、−CH(フェニル)CH2−基も含む場合には、−CH2CH2−はグリセリン部に、そして−CH(フェニル)CH2−はエチレンオキシに直接結合し、
指数p1、q1、r1、p2、q2、r2、p3、q3及びr3が0〜25、好ましくは0〜20の数を表し、そして指数p1、q1、r1、p2、q2、r2、p3、q3及びr3の合計が0〜35、好ましくは5〜35、特に好ましくは15〜25の数であり、そして
nが1〜5の数を表し、
この際、上記式(IV)の基はグリセリン部に直接結合し、
そしてR2基が上記式(IV)の基を表す場合には、R2基のうちの一つまたはそれ以上が上記式(IV)の基を表す、
ことを特徴とする、請求項1〜6の一つまたはそれ以上に記載の芳香族基で置換されたグリセリンエーテル。
【請求項20】
1及びR2が上記式(IV)の基を表し、R3が−Hを表し、nが1〜5の数を表し、p1、q1、r1が0を表し、Aが−CH2CH2−を表し、B及びDが−CH(フェニル)CH2−を表し、p2、q2、r2、p3、q3及びr3が0〜25、好ましくは0〜20の数を表し、そして指数p2、q2、r2、p3、q3及びr3の合計が0〜35、好ましくは5〜35、特に好ましくは15〜25の数であることを特徴とする、請求項1〜6及び19の一つまたはそれ以上に記載の芳香族基で置換されたグリセリンエーテル。
【請求項21】
請求項1〜20の一つまたはそれ以上に記載の芳香族基で置換されたグリセリンエーテルの一種またはそれ以上を含む分散体。
【請求項22】
界面活性物質としての、請求項1〜20の一つまたはそれ以上に記載の芳香族基で置換されたグリセリンエーテルの一種またはそれ以上の使用。
【請求項23】
分散体中での請求項22の使用。

【公表番号】特表2008−546817(P2008−546817A)
【公表日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−518681(P2008−518681)
【出願日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際出願番号】PCT/EP2006/006003
【国際公開番号】WO2007/003276
【国際公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【出願人】(597109656)クラリアント・プロドゥクテ・(ドイチュラント)・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング (115)
【Fターム(参考)】