説明

アリールピリミジル化合物、それらを含む医薬組成物、抗菌剤としてのそれらの使用

式(I)に対応する置換されたアリールピリミジル化合物ならびにマイコバクテリアが原因の病状の予防/または治療用医薬の製造のためにそれらの使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ある種の置換されたアリールピリミジル化合物およびそれらの合成法に関する。本発明は、それらを含む医薬組成物および抗菌剤として、特にマイコバクテリアに関係する病状の予防または治療のための使用に関する。
本発明は、特に、結核(tuberculosis)およびマイコバクテリアに起因するその他の疾病の予防または治療のためにそのような分子の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
結核の発生はここ20年間で増加しており、今や、それは全世界の感染症の中で第一の死亡原因であり、年に二百万以上の人が亡くなっている。マイコバクテリウム チューバークロシス(Mycobacterium tuberculosis)(M.tuberculosis)がヒトにおける主な細菌物質である。結核は主に空中浮遊エアゾール化された分泌物により伝染する。その病原性の特異な様相は、休止状態があり数十年後に活動的になるという事実に由来する。結核の進行にとって最も重大な危険因子の一つは、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染である。活動性の結核の最近の治療は、少なくとも6ヶ月間の四つの薬剤(イソニアジド、リファンピシン、ピラジナマイドおよびエタムブトール)を含む。特に発展途上国において、患者のかなりの割合は、治療を完結させず、このことはM. チューバークロシスの耐性菌の出現を導いている。
したがって、M. チューバークロシスに対して効果的な新規分子の必要性が存在する。
【0003】
この文脈において、ヌクレオチド代謝に不可欠な酵素のチミジンモノホスフェートキナーゼ(TMPK)が興味ある標的である。
TMPK (E.C.2.7.4.9, ATP:TMP ホスホトランスフェラーゼ)は、ヌクレオシド一リン酸キナーゼ(NMPK)の大きなスーパーファミリーに属する。それは、好ましいホスホリル供与体としてATPを利用して、チミジンモノホスフェート(TMP)のチミジンジホスフェート(TDP)へのリン酸化を触媒する。それはチミジントリホスフェート(TTP)の新たなサルベージ経路の結合部に位置し、その合成のための最後の特殊な酵素である。これらの特徴が、TMPKを、新規な抗生物質設計のための良好な標的とする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
M. チューバークロシスのTMPKに作用するプリンおよびピリミジンヌクレオシド類縁物質が、S. Pochetら、Chem. Bio. Chem. 2003, 4, 742-747に開示されている。
しかしながら、より強い生物学的活性、より良好な特異性、改善された生物学的利用能を有し、工業的規模でのそれらの製造が想定できるように、合成するのがより容易であろう分子の必要性が常にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は、式(I):
【化1】

(式中、
・R1はCH3、-CF3、ハロゲン原子、-NH2、-COOH、-CONH2からなる群から選択され、
・R2、R3、R4は同一または異なって、
− H、ハロゲン原子、
− C1-C8アルキル、C2-C8アルケニル、C2-C8アルキニル(ここで、アルキル、アルケニルまたはアルキニル鎖は、好ましくはN、S、O、Seから選択されるヘテロ原子ブリッジにより遮断されていてもよい)、
− -OH、-NH2、-CHO、-COOH、-SO4H、-CONH2、-CN、-COOR5、-COR5、-OR5
− 置換されたC1-C8アルキル、置換されたC2-C8アルケニル、または置換されたC2-C8アルキニル(ここで、置換基は-OH、-NH2、-CHO、-COOH、-SO4H、-CONH2、-CN、-COOR5、-COR5、-OR5、ハロゲン原子からなる群から選択され、アルキル、アルケニルまたはアルキニル鎖は、好ましくはN、S、O、Seから選択されるヘテロ原子ブリッジにより遮断されていてもよい)
からなる群から選択され、
・R5はC1-C6アルキルからなる群から選択され、
・R6はC1-C4アルキレン、C2-C4アルケニレン、カルボニル(=C=O)、-(CF2)n-(ここで、nは1、2、3から選択される整数である)の中から選択される)
に対応する分子およびそれらの医薬的に許容される塩である。
【0006】
アルキルは、直鎖状、分枝鎖状または環状の炭化水素基である。
アルケニルは、少なくとも一つの二重結合を含む、直鎖状、分枝鎖状または環状の炭化水素基である。
アルキニルは、少なくとも一つの三重結合を含む、直鎖状、分枝鎖状または環状の炭化水素基である。
【0007】
ハロゲンは、Cl、F、Br、Iからなる群から選択される。
アルキル、アルケニルまたはアルキニル鎖がヘテロ原子で遮断されるとき、該へテロ原子は二価または三価であり得る。この最後の場合、ヘテロ原子はアルキル、アルケニルまたはアルキニル基で置換されていてもよく、そしてそれ自身が官能基:-OH、-NH2、-CHO、-COOH、-SO4H、-CONH2、-CN、-COOR5、-COR5、-OR5またはハロゲン原子の一つで置換されていてもよい。
【0008】
好ましくは、式(I)に対応する分子は、次の条件の一以上を満たす。
・R6が-CH2-である;
・R1が-CH3、-Br、-Clからなる群から選択される;
・R2、R3、R4のうち少なくとも一つがHである。
より好ましくは、R2=R3=Hである。
有利には、R4がフェニル環のパラ位にある。
【0009】
好ましい態様において、R4は置換されたC1-C6アルキルまたは置換されたC2-C6アルケニル(ここで、置換基は-COOHであり、N、S、O、Seから選択されるヘテロ原子ブリッジを含んでいてもよい)から選択される。
なお、より好ましくは、R4は一つの-COOHで置換されたC2-C4アルキルまたは硫黄ブリッジにより遮断されたC1-C8アルキルからなる群から選択される。
【0010】
有利には、R4が4-イル-n-酪酸である。
特に好ましい分子は次の化学式によって表される。
【0011】
【化2−1】

【化2−2】

【化2−3】

【化2−4】

【0012】
上記分子は、M. チューバークロシスTMPK阻害能を示し、その結果、それらは結核の予防および/または治療用医薬の製造のために用いられる。これら分子は、インビトロで、分子によりKi値が異なる、M. チューバークロシスTMPK阻害能を有すると言われなければならない。しかしながら、その阻害活性は現存し、M. チューバークロシスTMPKのインビボでの阻害の良好な見込みを可能にする。好ましい分子は、そのKiが40 μM以下、さらに好ましくは30 μM以下のものである。上記の分子20、21、22、39、61、63および64が、その作用においてM. チューバークロシスTMPKの阻害剤として特に好ましい分子である。
【0013】
本発明の分子は、例えば、生物学的試験に対するマイコバクテリアTMPK、特にインビトロでのM. チューバークロシスTMPKの阻害剤としても用いられ得る。
さらに、これらの分子は、その中にハンセン病(M.leprae)を含むマイコバクテリアに起因するその他の病状の予防または治療用医薬の製造のためにも用いられる。
【0014】
本発明の化合物は、M. チューバークロシスTMPKに対するよりもヒトTMPKに対する方がより低い親和性を有する利点を有している。その結果、治療用量で投与されたこれらの化合物に基づく薬物の副作用は、制限されるであろう。
【0015】
本発明は、医薬的に許容される担体中に少なくとも一つの式(I)の化合物を含む医薬組成物を含む。投与経路は、経口、口腔内、鼻腔内、眼球、静脈内、筋肉内、経皮、非経口および直腸内経路を含む。好ましくは、治療される病状が結核のとき、本発明の医薬組成物は、錠剤、丸剤、糖衣錠、カプセル剤、ゲル剤、懸濁剤、シロップのような経口または鼻腔内経路により投与される。本医薬組成物は、吸入のためのエアゾール状態もしくは溶液として、または肺への迅速な投与のための容易な気化を可能にするその他のあらゆる形態で分散され得る。
【0016】
本医薬組成物の用量および薬量学は、患者の体重、年齢および状態ならびに分子の阻害活性に適合される。活性成分の一日用量は、0.1〜500 mg/kgの間に含まれる。
【0017】
医薬的に許容される塩は、(I)の酸官能基と有機または無機塩基との塩および(I)のアミン官能基と有機または鉱酸との塩を含む。
酸との付加塩の中に、酢酸、シュウ酸、コハク酸、フマル酸、グルコン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、安息香酸、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸、スルフィン酸、ギ酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、硝酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、マレイン酸、ヨウ化水素酸の塩が含まれる。
【0018】
塩基との付加塩の中に、ナトリウム、カリウムおよびリチウムの塩;カルシウム、バリウムおよびマグネシウムの塩;アンモニウム、第一鉄、第二鉄、亜鉛、マンガン、アルミニウム、マグネシウムの塩;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ(n-プロピル)アミン、ジシクロヘキシルアミン、トリエタノールアミン、アルギニン、リジン、ヒスチジン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルコサミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、カフェイン、プロカインの塩が含まれる。
【0019】
医薬的に許容される担体は、非限定的な次の化合物:砂糖、澱粉、ゼラチン、ガム、セルロース誘導体(メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、ポリビニルピロリドン、寒天、アルギン酸、タルク、ポリエチレングリコールのような充填剤、医薬的に許容される顔料および染料、安定化剤、オイル、液体パラフィン、エタノール、グリセリドの一または数種を含み得る。
【0020】
分子の製造
本発明のもう一つの目的は式(I)の分子の合成方法である。
この方法は次のスキーム1に記載される。
【化3】

スキーム1
本発明の方法によれば、式(II)のハロアリールを式(III)のチミンもしくはチミン誘導体またはウラシルもしくはウラシル誘導体と反応させて縮合物(IV)を得る。式(II)において、Xはハロゲン原子、好ましくはBrを表わし; X2、X3、X4はそれぞれR2、R3およびR4ならびにそれらの化学的前駆体の中から選択される。式(III)および式(IV)において、X1はR1およびその化学的前駆体の中から選択され、X5はHおよびベンジル基(Bzl)の中から選択される。
【0021】
化学的前駆体(X1、X2、X3およびX4)は、一以上の工程で所望の官能基(R1、R2、R3およびR4)に変換できる官能基を意味する。
例えば、R1がHまたはハロゲンのときは、X1はそれぞれHまたは当該ハロゲンであるが、R1が-CH2-COOHのときは、X1は-CH2-COOBzlまたは-CH2-OHまたは-CH2-Brであり得、それゆえ、チミン環のアルキル化はいかなる副反応無しに達成され得る。
第二工程において、必要なら、X1、X2、X3、X4およびX5はR1、R2、R3、R4およびHにそれぞれ変換されて式(I)の分子を与える。
【0022】
本発明の特に好ましい変形体によれば、R2=R3=HおよびR6=CH2である。その結果、式(I)の分子の合成のためのキー中間体分子は:
【化4】

(式中、X1およびX5は上記と同じ定義を有する)
である。
【0023】
そして、R1がCH3の場合、式(I)のその他の分子の製造のための特に好ましい中間体分子(V)は:
【化5】

である。
【0024】
式(I)に対応する分子の製造のために、式(V)の化合物および特に化合物11および11bisの使用が、本発明のもう一つの目的である。
上記の方法が実施例に示され、次のスキーム2および3に示される。
【0025】
【化6】

スキーム2
【0026】
【化7】

スキーム3
【0027】
特に好ましい合成ルートは、アリールハライドと適当なアルケンもしくはアルキンとのHeckまたはSonogashira C-Cパラジウム触媒カップリング反応に基づく(スキーム4)。典型的には、第一工程は(N1-ベンゾイル化された)チミンまたはウラシルのアリール化である。このキーハライド中間体(IV)から出発して、種々の(選択された鎖長に依存した)市販の酸、エステルまたはアルコールを、HeckまたはSonogashira反応を用いてカップリングする。
【0028】
【化8】

スキーム4
【0029】
C3アーム(arm)で置換されたN1-ベンジルチミンの製造に対して、アリールブロマイドま
たはアイオダイドとC3鎖の前駆体としてのオレフィンとのHeckパラジウム触媒カップリング反応(Palladium-catalyzed reactions of organic halides with olefins, R.F. Heck et al, Accounts of Chemical Research, (1979), 12(4), 146-151)を検討した(スキーム5)。市販の4-ヨード-ベンジルブロマイドから出発して、先ずN3-ベンゾイルチミンをアルキル化して23を得(収率88%)、次いで脱ベンゾイル化してアイオダイド24とした(収率95%)。無水アセトニトリル中の24とアクリル酸エチルとの混合物を、Pd(OAc)2(2%)、トリ-o-トルイルホスフィン(4%)およびトリエチルアミンの存在下、90℃で18時間撹拌した。トランス-オレフィン17を97%の収率で単離した。化合物17は標的分子1および2の獲得を可能にし、その他の三つの関連誘導体(14、18、19)の合成のための前駆体としても役立つ。したがって、アクリル酸エチルエステル17の10% Pd/Cでの水素化によりプロピオン酸エチルエステル19を得た(収率91%)。1N NaOH中での19の処理によりプロピオン酸2を得(収率59%)、一方、35%アンモニア水中での19の処理により標的化合物1(90%)を得た。同様に、17のケン化によりプロペン酸誘導体18を、一方、17のアミノ分解によりプロペンアミド14を同様の収率で得た。
【0030】
【化9】

スキーム5
【0031】
C4鎖によりパラ位が置換されたN1-ベンジル-チミンの合成をスキーム5に示した。カルボン酸官能基を導入するために選択された前駆体により、二つのルートが検討された。Heckカップリング反応により化合物20を得るために、アセトニトリルとトリエチルアミン中、Pd(OAc)2(2%)、トリ-o-トリイルホスフィン(4%)の存在下、24と3-ブテン酸との混合物を60℃で加熱した。オレフィン28を収率27%で単離し、一方、アイオダイド24を回収した。NMR分析により確認されるように、ただ一つの立体異性体(Z-3,4)を単離した。90℃への温度上昇は収率を改善しなかった。アイオダイド23から出発してアリール化が行われるとき、カップリング収率は、N1-ベンゾイル化された誘導体28を与える対応物の容易な精製の故に幾分改善された(39%)。次いで、アルケン28を10% Pd-C上、H2により還元してC4酸20を得た(収率97%)。あるいは、24と市販のアルキンのC-Cカップリング(Sonogashira
反応)により化合物20を得た。したがって、ブチ-3-イン-1-オールとアイオダイド24を、アルゴン下、CH2Cl2およびEt3Nの混液中、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(6%)、ヨウ化銅(I)(2%)の存在下に72時間、90℃で還流した。主要なアリール化生成物として、化合物30を収率40%で単離した。アリール化を60℃で72時間行なったとき、30を収率49%で単離した。次いで、アルキノール30を10% Pd-C上、H2で還元してアルコール31を得た(収率98%)。t-ブタノールの存在下、PDCでの酸化、次いで、中間体のt-ブチルエステルの酸加水分解によりC4酸20を得た(二工程で収率46%)。酸20をDowex H+の存在下に環流メタノール中での反応、次いで得られたメチルエステル40aをメタノール中アンモニアで処理することによりアミド40bを得た(二工程で収率58%)。
【0032】
ウラシル誘導体の合成に対して、4-ハロゲノベンジル-ウラシルから出発して、同じ手順に従った。したがって、(N1-ベンジルウラシルの4-ヨードベンジルブロマイドでのアルキル化により得られる)アイオダイド25とメチル 3-ブチノエートとのHeckカップリング反応によりメチルエステル29aを収率42%で得た。29aをケン化して酸29bを得、一方、29aの触媒水素化およびケン化により酸38aを得た。あるいは、ブロマイド11とブチ-3-イン-1-オールとのSonogashiraカップリングにより、アルキン36を良好な収率(64%)で得た。アルコール37への触媒還元、t-ブチルエステルへの酸化、次いで酸加水分解によりウラシル酸誘導体38aを得た(三工程で収率49%)。38aの臭素化および塩素化で相当する5-Brおよび5-Cl誘導体、それぞれ21(収率70%)および39(収率49%)を得た。酸38bのメチルエステル38aを経るアミド41への変換、次いで臭素化または塩素化によりそれぞれ5-ブロモまたは5-クロロウラシル誘導体42および43を得た。
【0033】
末端がカルボン酸であるC5鎖を有するN1-ベンジル-チミンは、アリールハライドと適当なC5アルキンとのカップリングによる二工程で得られた(スキーム6)。Pd(OAc)2およびトリ-o-トルイルホスフィンの存在下、ブロマイド11と4-ペンテン酸とのHeck反応により、三つの立体異性体:NMR分析により5/2/1の比で、4-E-ペンテン酸(44a)、3-E-ペンテン酸(44b)および2-E-ペンテン酸(44c)の混合物として収率48%で得た。N3-ベンゾイル化チミンブロマイド11bisから出発すると、カップリング反応は幾分改善し(収率63%)、一方、生成物の精製は高まった。脱ベンゾイル化後、44が同様な全収率で得られた。オレフィン44の異性体混合物の還元により飽和のC5酸45を得た(収率55%)。同様に、C5鎖で置換されたN1-ベンジル-ウラシルをN3-ベンゾイル化ウラシルアイオダイド25と4-ペンテン酸とのHeckカップリングを用いて得、次いで脱ベンゾイル化およびオレフィン46の触媒水素化により酸47を得た。そして、それを臭素化および塩素化して、それぞれ5-ブロモおよび5-クロロ誘導体48および49を得た。
【0034】
【化10】

スキーム6
【0035】
C6鎖を有するN-ベンジル-チミンおよび5-ハロゲン化ウラシルを、アイオダイドと末端にカルボン酸またはアルコールを有する適当なC6アルキンとの間のパラジウム触媒Sonogashira反応を用いて得た。各合成ルートの例をスキーム7に示す。アリール化生成物の精製を容易にするために、(塩基がN1-ベンゾイル化された場合の)キー中間体23または25から出発した。したがって、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(6%)、ヨウ化銅(I)(2%)の存在下、23と5-ヘキシン酸とのパラジウム触媒Sonogashira反応により50を収率80%で得た。50の51への脱ベンゾイル化、次いで水素化により飽和C6酸22を得た(二工程で収率50%)。酸51の相当するメチルエステル52を経るアミド53への変換、次いで53の還元により、C6スペーサー(spacer)アミド54を得た(二工程で収率42%)。5-ヘキシン-1-オールをアイオダイド25とカップリングしたとき、化合物55を収率70%で得た。脱ベンゾイル化、次いで水素化により、C6アルコール56(83%)を得た。56のクロム酸酸化でC6酸57を得、それを臭素化および塩素化して、それぞれ5-ブロモおよび5-クロロ-ウラシル誘導体58および59を得た。同様に、C6アミド末端を有する5-ハロゲン化ウラシル誘導体61および62を、(酸57から得られる)アミド60から合成した。
【0036】
【化11】

スキーム7
【実施例】
【0037】
実験の部
A-化学合成
一般的情報 溶媒は分光またはHPLCグレードであった。試薬はSigma-AldrichまたはFlukaから購入し、精製せずに使用した。1Hおよび13C NMRスペクトルは、それぞれ400.13MHzおよび100.62MHzで操作するBruker AC-400分光計で記録した。ケミカルシフトは、1Hおよび13Cに対して、残留溶媒ピークとの相対的なppm(δ)で示され、カップリング定数(J)はヘルツで示され、標準的な略語が用いられる。薄層クロマトグラフィー(TLC)はMerckシリカゲルプレート(Kieselgel 60 F254/厚さ0.2 mm)を用いて行なわれ、スポットはUV光で可視化され、次いで、硫酸-アニスアルデヒド噴霧後に加熱することにより現わされた。
カラムクロマトグラフィーは、Merckシリカゲル60(230〜400メッシュ)を用いて行なわれた。プレパラティブ(preparative)HPLCは流速5.5 ml/分およびpH7.5の酢酸トリエチルアンモニウム緩衝液(B)10 mM中のCH3CN(A)の20分での線形勾配を用いて、C18逆相カラム(Kromasil、5μ100Å、150×4.5 mm)でのPerkin Elmerシステム(200ポンプ)で行なった。溶出生成物はダイオードアレイ検出器を用いて可視化された。化合物の純度は、流速1 ml/分を用いてC18逆相カラムでの分析HPLCによりチェックされた。ESI-TOFマススペクトルは質量分析ラボラトリー(laboratory)(CNRS-ICSN, Gif-sur-Yvette)により記録された。
【0038】
N-アルキル化に対する一般的方法(スキーム2および3)
DMF(4 ml)中のチミン(または関連塩基)(100 mg)の撹拌溶液に、無水K2CO3(100 mg)を加えた。DMF(1 ml)中のアリールハライド(1.1等量)を1時間で加え、室温で一晩、撹拌を維持した。不溶物を濾過により除き、濾液をキシレンと共蒸発させることにより濃縮乾固した。粗残渣をCH2Cl2に溶解し、水で洗浄した。有機層を乾燥し、真空濃縮し、シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン中メタノールの勾配)で精製し、N1,N3-ジアルキル化およびN1-アルキル化チミンを1:1.2〜1.3の比で得た。
【0039】
あるいは、("The Benzoylation of Uracil and Thymine", Cruickshank, K.A.; Jiricny, J.; Reese, C.B.; (1984) Tet. Letts., 25 (6), 681-684に記載された方法により、チミンから二工程、74%の収率で得られる)N3-ベンゾイル-チミンのアルキル化により、唯一の生成物としてN1-アルキル化 N3-ベンゾイル-チミンを収率84%で得た。塩基性条件(メタノール中33%のアンモニア水)下でのベンゾイルの脱保護により、相当するN1-アルキル化チミンを得た(ほとんど定量的な収率)。
【0040】
5-メチル-1-(4-ブロモ-ベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(11)
DMF(15 ml)中、チミン(300 mg)、K2CO3(330 mg)と4-ブロモ-ベンジルブロマイド(1.1等量)との反応、精製後、化合物11(302 mg、収率43%)を得た。
1H NMR (CDCl3) δ: 1.96 (d, 3H, CH3, J = 1.2 Hz), 4.85 (s, 2H, PhCH2), 6.98 (d, 1H, H6, J = 1.2 Hz), 7.19 (d, 2H, H arom., J = 8 Hz), 7.51 (d, 2H, H arom.), 9.47 (bs, 1H, NH).
13C NMR (CDCl3) δ: 12.76 (CH3), 50.86 (PhCH2), 111.98 (C5), 122.94 (C arom.), 130.07および132.63 (CH arom.), 134.93 (C arom.), 139.88 (C6), 151.59 (C2), 164.53
(C4).
MS (ESI-TOF) m/z 295.0および297.0 (15%, M+H)+, 317.0および319.0 (20%, M+Na)+, 339.0および341.0 (100%, 85%, M+2Na)+.
【0041】
N3-ベンゾイル-5-メチル-1-(4-ブロモ-ベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(11bis)
N3-ベンゾイル-チミン(230 mg, 1 mmol)と4-ブロモ-ベンジルブロマイド(140 mg)との反応、精製後、化合物11bis(336 mg、収率84%)を得た。
1H NMR (DMSO-d6) δ: 1.85 (d, 3H, CH3, J = 1.1 Hz), 4.90 (s, 2H, PhCH2), 7.32 (d, 2H, H arom., J = 8.4 Hz), 7.78 (m, 4H, H arom.およびH arom. Bz), 7.78 (t, 1H, H arom. Bz), 7.93 (m, 2H, H arom. Bz), 7.95 (d, 1H, H6, J = 1.1 Hz).
13C NMR (DMSO-d6) δ: 12.73 (CH3), 51.14 (PhCH2), 110.08 (C5), 121.93 (C arom.),
130.36, 130.71, 131.14 (CH arom.), 131.98 (C arom.), 132.49および136.32 (CH arom.), 136.64 (C arom.), 143.04 (C6), 150.38 (C2), 163.69 (C4), 170.46 (COBz).
MS (ESI-TOF) m/z 421.0および423.0 (100%および90%, M+Na).
【0042】
1-[4-(4-ヒドロキシ-ブチ-1-イニル)-ベンジル]-5-メチル-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(30)
Ar下、乾燥CH2Cl2(10 ml)中の化合物11(1.94 g, 6.57 mmol)の溶液に、新たに蒸留したEt3N(27 ml)、3-ブチン-1-オール(0.46 g, 6.57 mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフ
ィン)パラジウム(0.45 g, 0.39 mmol)およびヨウ化第一銅(25 mg, 0.13 mmol)を加えた。反応混合物を72時間、還流下に加熱した。冷却した混合物に、CH2Cl2(100 ml)を加え、得られた溶液を5%クエン酸水溶液(3×100 ml)、次いで水で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、真空下に濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーでの精製(ジクロロメタン中メタノールの0〜10%の勾配)により、回収された出発物質(0.52 g、27%)、次いで白色粉末として化合物30(0.44 g、24%)を得た。
【0043】
1H NMR (DMSO-d6) δ: 1.75 (d, 3H, CH3, J = 1.2 Hz), 2.54 (t, 2H, CH2), 3.58 (q, 2H, CH2OH), 4.83 (s, 2H, PhCH2), 4.92 (t, 1H, OH), 7.25 (d, 2H, H arom., J = 8 Hz), 7.37 (d, 2H, H arom., J = 8 Hz), 7.61 (d, 1H, H6, J = 1.2 Hz), 11.33 (bs, 1H, NH).
13C NMR (DMSO-d6) δ: 12.77 (CH3), 24.09 (CH2), 50.72 (PhCH2), 60.57 (CH2), 81.54 (C alcyn), 89.68 (C alcyn), 109.98 (C5), 123.32 (C arom.), 128.40 (CH arom.), 132.38 (CH arom.), 137.63 (C arom.), 142.14 (C6), 151.84 (C2), 165.13 (C4).
HRMS (ESI-TOF) m/z C16H17N2O3+Naに対する計算値 307.1059; 測定値 307.1048.
【0044】
1-[4-(4-ヒドロキシ-ブチル)-ベンジル]-5-メチル-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(31)
CH2Cl2/メタノール(1 ml/10 ml)の混液中の化合物30(0.34 g, 1.19 mmol)の溶液にPd/C(100 mg)を加えた。一晩、水素を適用し、次いで混合物をセライトを通して濾過し、濾液を濃縮乾固し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製(ジクロロメタン中メタノールの0〜10%の勾配)後、31を得た(0.24 g、収率70%)。
1H NMR (DMSO-d6) δ: 1.42 (m, 2H, CH2CH2), 1.57 (m, 2H, CH), 1.75 (d, 3H, CH3, J
= 1.2 Hz), 2.55 (t, 2H, CH2Ph), 3.40 (m, 2H, CH2OH), 4.36 (t, 1H, OH), 4.79 (s,
2H, PhCH2), 7.11 (d, 2H, H arom., J = 8.4 Hz), 7.20 (d, 2H, H arom., J = 8.4 Hz), 7.61 (d, 1H, H6, J = 1.2 Hz), 11.30 (bs, 1H, NH).
13C NMR (DMSO-d6) δ: 12.77 (CH3), 28.27 (CH2), 32.93 (CH2), 35.47 (CH2), 50.63 (PhCH2), 61.36 (CH2), 109.83 (C5), 128.29 (C arom.), 129.41 (CH arom.), 135.13 (CH arom.), 142.12 (C6), 142.67 (C arom.), 151.85 (C2), 165.09 (C4).
HRMS (ESI-TOF) m/z C16H20N2O3+Naに対する計算値 311.1372; 測定値 311.1374.
【0045】
4-[4-(5-メチル-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル-メチル)-フェニル]-酪酸(20)
乾燥CH2Cl2中の化合物31(80 mg, 0.28 mmol)の撹拌溶液に、t-ブタノール(0.54 ml, 5.6 mmol)、無水酢酸(0.26 ml, 2.8 mmol)および二クロム酸ピリジニウム(0.21 g, 0.56 mmol)を加えた。室温で1時間30分撹拌後に、TLCで判断され、出発物質が消滅した。粗混合物を酢酸エチルで調整したシリカゲルカラムクロマトグラフィーに装填し、シリカゲル上に15分間放置し、次いで酢酸エチルで溶出する。所望のエステルを含む画分を溜めて、真空下に濃縮し、次いでメタノール(5 ml)中の2N NaOH(1 ml)で一晩処理した。pH3まで陽イオン樹脂(Dowex H+)を加えて反応混合物を酸性にし、濾過し、凍結乾燥した。逆相HPLC(緩衝液中アセトニトリルの5〜30%の線形勾配、Rt=14分)で精製し、化合物20(20 mg, 25%)を得た。
【0046】
1H NMR (DMSO-d6) δ: 1.75 (d, 3H, CH3, J = 1.2 Hz), 1.78 (m, 2H, CH2), 2.20 (t, 2H, CH2), 2.57 (t, 2H, CH2), 4.80 (s, 1H, H5), 7.19 (m, 4H, H arom.), 7.61 (d, 1H, H6, J = 1.2 Hz), 11.30 (bs, 1H, NH).
13C NMR (DMSO-d6) δ: 12.78 (CH3), 27.12 (CH2), 33.97 (CH2), 34.90 (CH2), 50.61 (PhCH2), 109.83 (C5), 128.37 (CH arom.), 129.44 (CH arom.), 135.37 (C arom.), 141.92 (C arom.), 142.12 (C6), 151.86 (C2), 165.08 (C4), 175.09 (COOH).
MS (ESI-TOF) m/z 325.1 (100%, M+Na)+.
HRMS (ESI-TOF) m/z C16H18N2O4+Naに対する計算値 325.1178; 実測値 325.0357.
【0047】
1-(4-ブロモ-ベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(35)
無水DMF(60 ml)中のウラシル(4.94 g, 44.0 mmol)および炭酸カリウム(4.7 g, 33.9 mmol)の懸濁液を室温で1時間撹拌し、次いで4-ブロモベンジルメチルブロマイド(8.47 g, 33.9 mmol)を加えた。一晩撹拌後、混合物を精製し、化合物35を得た(3.15 g, 収率33%)。
1H NMR (DMSO-d6) δ: 4.85 (s, 2H, PhCH2), 5.60 (d, 1H, H5, J = 7.8 Hz), 7.26 (d,
2H, H arom., J = 8.4 Hz), 7.60 (dt, 2H, H arom., J = 8.4 Hz, J = 2 Hz), 7.76 (d, 1H, H6, J = 7.8 Hz), 11.34 (bs, 1H, NH).
13C NMR (DMSO-d6) δ: 50.60 (PhCH2), 102.32 (C5), 121.69 (C arom.), 130.58 CH arom.), 132.39 (CH arom.), 137.17 (CH arom.), 146.38 (C6), 151.84 (C2), 164.48 (C4).
MS (ESI-TOF) m/z 281.0および283.0 (M+H)+, 303.0および305.0 (M+Na)+, 325.0および327.0 (M+2Na)+, 335.0および337.0.
【0048】
1-(4-ヒドロキシ-ブチ-1-イニル-ベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(36)
Ar下、乾燥CH2Cl2(40 ml)中の化合物35(1.46 g, 5.21 mmol)の溶液に、新たに蒸留したEt3N(45 ml)、3-ブチン-1-オール(0.44 g, 6.57 mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.37 g, 0.31 mmol)およびヨウ化第一銅(20 mg, 0.10 mmol)を加えた。反応混合物を80℃で90時間加熱し、化合物30に対してのように処理し、化合物36を得た。
【0049】
1H NMR (DMSO-d6) δ: 1.19 (t, 21H, CH3), 2.54 (t, 2H, CH2), 3.10 (t, 14H, CH2), 3.57 (q, 2H, CH2), 4.87 (s, 2H, PhCH2), 4.89 (t, 1H, OH), 5.60 (dd, 1H, H5, J = 7.8 Hz, J = 2.1 Hz), 7.25 (d, 2H, H arom., J = 8.3 Hz), 7.38 (dd, 2H, H arom., J
= 6.5 Hz, J = 2.7 Hz), 7.76 (d, 1H, H6), 9.10 (bs, 2.3H, NH), 11.33 (bs, 1H, NH).
13C NMR (DMSO-d6) δ: 24.12 (CH2), 50.88 (PhCH2), 60.56 (CH2), 81.52 (C alcyn) ,
89.72 (C alcyn), 102.26 (C5), 123.36 (C arom.), 128.41 (CH arom.), 132.38 (CH arom.), 137.50 (C arom.), 146.38 (C6), 151.85 (C2), 164.50 (C4).
MS (ESI-TOF) m/z 293.1 (100%, M+Na)+, 333.2 (5%, M+Na+K)+.
【0050】
1-[4-(4-ヒドロキシ-ブチル)-ベンジル]-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(37)
化合物36を化合物30に対してのように水素化し、精製後、化合物37を得た(0.25 g, 46%)。
1H NMR (DMSO-d6) δ: 1.41 (m, 2H, CH2), 1.57 (m, 2H, CH2), 2.55 (t, 2H, CH2), 3.39 (m, 2H, CH2), 4.35 (t, 1H, OH), 4.83 (s, 2H, PhCH2), 5.58 (dd, 1H, H5, J = 7.8 Hz, J = 2.3 Hz), 7.19 (m, 4H, H arom.), 7.74 (d, 1H, H6, J = 7.8 Hz), 11.30 (bs, 1H, NH).
13C NMR (DMSO-d6) δ: 28.26 (CH2), 32.93 (CH2), 35.46 (CH2), 50.84 (PhCH2), 61.34 (CH2OH), 102.14 (C5), 128.40 (CH arom.), 129.42 (CH arom.), 134.95 (C arom.), 142.74 (C arom.), 146.45 (C6), 151.86 (C2), 164.50 (C4).
MS (ESI-TOF) m/z 297.1 (100%, M+Na)+, 431.4 (40%).
【0051】
4-[4-(2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イルメチル)-フェニル]-酪酸(38b)
二工程:化合物32に対して記載したように、化合物37(135 mg, 0.5 mmol)のクロム酸酸化により相当するt-ブチルエステル(125 mg, 70%)を得た。そのエステル(105 mg, 0.29 mmol)のケン化により、白色粉末として化合物38bを得た(68 mg, 80%)。
1H NMR (DMSO-d6) δ: 1.77 (m, 2H, CH2), 2.21 (t, 2H, CH2), 2.57 (t, 2H, CH2), 4.83 (s, 2H, PhCH2), 5.58 (dd, 1H, H5, J = 2.2 HzおよびJ = 7.8 Hz), 7.20 (m, 4H, H
arom.), 7.74 (d, 1H, H6, J = 8.8 Hz), 11.30 (bs, 1H, NH), 12.05 (bs, 1H, COOH).

13C NMR (DMSO-d6) δ: 27.08 (CH2), 33.91 (CH2), 34.89 (CH2), 50.83 (PhCH2), 102.15 (C5), 128.40 (CH arom.), 129.46 (CH arom.), 135.19 (C arom.), 141.97 (C arom.), 146.44 (C6), 151.86 (C2), 164.50 (C4), 175.04 (COOH). HRMS (ESI-TOF) m/z C15H16N2O4+Naに対する計算値 311.1008; 実測値 311.1022.
【0052】
4-(5-ブロモ-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イルメチル)-酪酸(21)
ピリジン(3 ml)中の化合物38b(50 mg, 0.17 mmol)に、CCl4(0.23 ml)中の臭素1M溶液を加えた。1時間30分撹拌後、反応は終了し、溶液を真空下に濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィーで精製(ジクロロメタン中メタノールの0〜20%の勾配)し、黄白色粉末として化合物21を得た(45 mg, 70%)。
1H NMR (DMSO-d6) δ: 1.77 (m, 2H, CH2), 2.21 (t, 2H, CH2, J = 7.3 Hz), 2.57 (t, 2H, CH2), 4.84 (s, 2H, PhCH2), 7.18 (d, 2H, H arom., J = 8.1 Hz), 7.25 (d, 2H, H
arom.), 8.35 (d, 1H, H6), 11.83 (bs, 1H, NH), 12.05 (bs, 1H, COOH).
13C NMR (DMSO-d6) δ: 27.08 (CH2), 33.92 (CH2), 34.90 (CH2), 51.32 (PhCH2), 95.92 (C5), 128.51 (CH arom.), 129.45 (CH arom.), 134.84 (C arom.), 142.09 (C arom.), 146.02 (C6), 151.22 (C2), 160.44 (C4), 175.04 (COOH).
MS (ESI-TOF) m/z 389.0 (100%, M+Na)+, 391.0 (86%, M+Na)+.
HRMS (ESI-TOF) m/z C15H15N2O479Br+Naに対する計算値 389.0113およびC15H15N2O481Br+Na 391.0092; 実測値 389.0140 (100%)および391.0136 (87%).
【0053】
5-メチル-1-ベンジル-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(3)
チミンとベンジルブロマイドとの反応、精製後、化合物3を得た(57 mg, %収率)。
1H NMR (CDCl3) δ: 1.90 (d, 3H, CH3, J = 1.1 Hz), 4.92 (s, 2H, PhCH2), 7.00 (d, 1H, H6, J = 1.1 Hz), 7.31 (m, 2H, H arom.), 7.39 (m, 3H, H arom.), 9.14 (bs, 1H,
NH).
MS (ESI-TOF) m/z 217.1 (60%, M+H)+, 239.1 (100%, M+Na)+.
【0054】
5-ブロモ-1-ベンジル-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(4)
5-ブロモ-ウラシルとベンジルブロマイドとの反応、精製後、化合物4を得た。
1H NMR (CDCl3) δ: 4.91 (s, 2H, PhCH2), 7.30-7.40 (m, 5H, H arom.), 8.37 (s, 1H,
H6), 11.84 (bs, 1H, NH).
【0055】
5-フルオロ-1-ベンジル-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(5)
5-フルオロ-ウラシルとベンジルブロマイドとの反応、精製後、化合物5を得た。
1H NMR (DMSO-d6) δ: 4.89 (s, 2H, PhCH2), 7.34 (m, 5H, H arom.), 8.37 (s, 1H, H6), 11.84 (bs, 1H, NH).
MS (ESI-TOF) m/z 279 (M+2Na).
【0056】
5-メチル-1-(4-フルオロ-ベンジル)-1H-ピリジジン-2,4-ジオン(6)
チミンと4-フルオロ-ベンジルクロライドとの反応、精製後、化合物6を得た(64 mg, 収率35%)。
1H NMR (CDCl3) δ: 1.89 (d, 3H, CH3, J = 1.1 Hz), 4.87 (s, 2H, PhCH2), 6.99 (d, 1H, H6, J = 1.1 Hz), 7.06 (m, 2H, H arom.), 7.30 (m, 2H, H arom.), 9.75 (bs, 1H,
NH).
13C NMR (CDCl3) δ: 12.75 (CH3), 50.76 (PhCH2), 111.87 (C5), 116.18および116.52 (CH arom.), 130.25および130.33 (CH arom.), 131.78および131.81 (C arom.), 139.95 (C6), 151.73 (C2), 161.84および161.30 (C arom.), 164.74 (C4).
MS (ESI-TOF) m/z 235.1 (90%, M+H)+, 257.1 (40%, M+Na)+, 279.1 (50%, M+2Na)+.
【0057】
5-メチル-1-(3-フルオロ-ベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(7)
チミンと3-フルオロ-ベンジルクロライドとの反応、精製後、化合物7を得た(48 mg, 収率26%)。
1H NMR (CDCl3) δ: 1.90 (d, 3H, CH3, J = 1.1 Hz), 4.90 (s, 2H, PhCH2), 7.05 (m, 3H, H6およびH arom.), 7.08 (d, 1H, H arom.), 7.35 (m, 1H, H arom.), 9.75 (bs, 1H, NH).
13C NMR (CDCl3) δ: 12.75 (CH3), 50.86 (PhCH2), 111.98 (C5), 115.18および115.40 (CH arom.), 115.69および115.90 (CH arom.), 123.83および123.86 (CH arom.), 131.06および131.14 (CH arom.), 138.36および138.44 (C arom.), 140.00 (C6), 151.68 (C2),
162.19 (C4), 164.66および164.72 (C arom.).
MS (ESI-TOF) m/z 235.1 (100%, M+H)+, 257.1 (5%, M+Na)+, 279.1 (70%, M+2Na)+.
【0058】
5-メチル-1-(3,4-ジフルオロ-ベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(8)
チミンと3,4-ジフルオロ-ベンジルブロマイドとの反応、精製後、化合物8を得た(60 mg, 収率30%)。
1H NMR (CDCl3) δ: 1.89 (d, 3H, CH3, J = 1.1 Hz), 4.90 (s, 2H, PhCH2), 5.30 (d, 1H, =CH, J = 11 Hz), 5.77 (d, 1H, =CH, J = 18 Hz), 6.72 (dd, 1H, =CH, J = 11 Hz,
J = 18 Hz), 6.98 (d, 1H, H6, J = 1.1 Hz), 7.27 (m, 2H, H arom., J = 8 Hz), 7.42
(m, 2H, H arom.), 9.26 (bs, 1H, NH).
13C NMR (CDCl3) δ: 12.74 (CH3), 50.61 (PhCH2), 112.15 (C5), 117.47および117.64 (CH arom.), 118.25および118.43 (CH arom.), 124.46, 124.49, 124.52および124.56 (CH arom.), 132.85および132.90 (C arom.), 139.76 (C6), 149.46, 149.58, 149.63および149.75 (C arom.), 151.49 (C2), 151.93, 152.06, 152.11および152.24 (C arom.), 164.48 (C4).
MS (ESI-TOF) m/z 253.1 (100%, M+H)+.
【0059】
5-メチル-1-(4-クロロ-ベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(9)
チミンと4-クロロ-ベンジルクロライド(1.1等量)との反応、精製後、化合物8を得た(71
mg, 収率36%)。
1H NMR (CDCl3) δ: 1.89 (d, 3H, CH3, J = 1 Hz), 4.86 (s, 2H, PhCH2), 6.99 (d, 1H, H6), 7.25 (d, 2H, H arom.), 7.34 (d, 2H, H arom.), 9.88 (bs, 1H, NH).
13C NMR (CDCl3) δ: 12.75 (CH3), 50.80 (PhCH2), 111.96 (C5), 126.65および129.77 (CH arom.), 134.44および134.82 (C arom.), 139.92 (C6), 151.68 (C2), 164.66 (C4).MS (ESI-TOF) m/z 251.1 (20%, M+H)+, 295.0 (100%, M+2Na)+.
【0060】
5-メチル-1-(3-クロロ-ベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(10)
チミンと3-クロロ-ベンジルクロライド(1.1等量)との反応、精製後、化合物を得た(52 mg, 収率26%)。
1H NMR (CDCl3) δ: 1.92 (d, 3H, CH3, J = 1.1 Hz), 4.88 (s, 2H, PhCH2), 6.99 (d, 1H, H6, J = 1.1 Hz), 7.20 (m, 1H, H arom.), 7.28 (m, 1H, H arom.), 7.32 (m, 2H, H arom.), 9.45 (bs, 1H, NH).
13C NMR (CDCl3) δ: 12.77 (CH3), 50.85 (PhCH2), 112.03 (C5), 126.44, 128.37, 129.06および130.79 (CH arom.), 135.36 (C arom.), 137.92 (C6), 139.92 (C arom.), 151.55 (C2), 164.52 (C4).
MS (ESI-TOF) m/z 251.1 (100%, M+H)+, 273.0 (25%, M+Na)+, 295.0 (35%, M+2Na)+.
【0061】
5-メチル-1-(4-ブロモ-ベンジル/-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(11)
DMF(15 ml)中、チミン(300 mg)、K2CO3(330 mg)と4-ブロモベンジルブロマイド(1.1等量)との反応、精製後、化合物を得た(302 mg, 収率43%)。
1H NMR (DMSO-d6) δ: 1.75 (d, 3H, CH3, J = 1.2 Hz), 4.81 (s, 2H, PhCH2), 7.26 (d
, 2H, H arom., J = 8.3 Hz), 7.56 (d, 2H, H arom.,J = 8.3 Hz), 7.64 (d, 1H, H6, J
= 1.2 Hz), 11.34 (bs, 1H, NH).
13C NMR (DMSO-d6) δ: 12.79 (CH3), 50.37 (PhCH2), 109.99 (C5), 121.63 (C arom.),
130.57および132.38 (CH arom.), 137.34 (C arom.), 142.03 (C6), 151.83 (C2), 165.07 (C4).
MS (ESI-TOF) m/z 295.0および297.0 (15%, M+H)+, 317.0および319.0 (20%, M+Na)+, 339.0および341.0 (100%, 85%, M+2Na)+.
【0062】
3-[4-(5-メチル-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イルメチル)-フェニル]-アクリル酸エチルエステル(17).
1H NMR (DMSO-d6) δ: 1.26 (t, 3H, CH3), 1.76 (d, 3H, CH3, J = 1.1 Hz), 4.19 (q, 2H, OCH2), 4.86 (s, 2H, PhCH2), 6.62 (d, 1H, =CH, J = 16 Hz), 7.32 (d, 2H, H arom., J = 8.1 Hz), 7.63 (d, 1H, =CH), 7.64 (d, 1H, H6, J = 1.1 Hz), 7.71 (d, 2H, H
arom.), 11.33 (bs, 1H, NH).
13C NMR (CDCl3) δ: 12.79 (CH3), 15.04 (CH2CH3), 50.72 (PhCH2), 60.97 (OCH2), 109.98 (C5), 119.13 (=CH), 128.75および129.49 (CH arom.), 134.26 (C arom.), 140.27
(C arom.), 142.27 (C6), 144.70 (=CH), 151.86 (C2), 165.09 (C4), 167.01 (CO).
MS (ESI-TOF) m/z 315.1 (5%, M+H)+, 337.1 (100%, M+Na)+, 359.1 (5%, M+2Na)+.
【0063】
3-[4-(2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル-メチル)-フェニル]-アクリル酸(18).
化合物17(50 mg, 0.16 mmol)をNaOH(1.3等量)で1時間処理した。混合物を水で溶出するDowex H+に通した。化合物18を白色粉末として単離した(27 mg, 収率59%)。
1H NMR (DMSO-d6) δ: 1.76 (d, 3H, CH3, J = 1.2 Hz), 4.86 (s, 2H, PhCH2), 6.52 (d, 1H, =CH, J = 16 Hz), 7.32 (d, 2H arom., J = 8.2 Hz), 7.57 (d, 1H, =CH), 7.64 (s, 1H, H6), 7.68 (d, 2H, H arom.), 11.34 (bs, 1H, NH), 12.40 (bs, 1H, COOH).
13C NMR (DMSO-d6) (: 13.96 (CH3), 51.87 (PhCH2), 111.14 (C5), 121.37 (=CH), 129.93 (CH arom.), 130.52 (CH arom.), 135.65 (C arom.), 141.19 (C arom.), 143.28 (C6), 145.42 (=CH), 153.04 (C2), 166.26 (C4), 169.54 (COOH).
HRMS (ESI-TOF) m/z C15H13N2O4 に対する計算値285.0875; 実測値285.0891.
【0064】
3-[4-(5-メチル-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イルメチル)-フェニル]-アクリルアミド(14).
1H NMR (DMSO-d6) δ: 1.76 (d, 3H, CH3, J = 1.2 Hz), 4.82 (s, 2H, PhCH2), 6.59 (d, 1H, =CH, J = 16 Hz), 7.09 (bs, 1H, CONH2), 7.32 (d, 2H, H arom., J = 8.2 Hz), 7.40 (d, 1H, =CH), 7.55 (bd, 3H, H arom.およびCONH2), 7.64 (s, 1H, H6), 11.32 (bs, 1H, NH).
13C NMR (DMSO-d6) δ: 12.79 (CH3), 50.69 (PhCH2), 109.87 (C5), 123.30 (=CH), 127.50 (CH arom.), 128.23, 128.68および128.80 (CH arom.), 135.12 (C arom.), 139.18 (C arom.), 139.48 (=CH), 142.12 (C6), 151.86 (C2), 165.09 (C4), 167.45 (CONH2).
MS (ESI-TOF) m/z 285.2 (75%) 286.2 (100%, M+H)+, 307.1 308.1 (40%, M+Na)+.
【0065】
3-[4-(5-メチル-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イルメチル)-フェニル]-プロピオン酸エチルエステル(19).
メタノール(10 ml)中の化合物17(90 mg, 0.28 mmol)にPd黒(9 mg)を加えた。水素を一晩適用し、ついで混合物をセライトで濾過し、濾液を濃縮乾固し、19を得た(83 mg, 収率91%)。
1H NMR (DMSO-d6) δ: 1.14 (t, 3H, CH3), 1.74 (d, 3H, CH3, J = 1 Hz), 2.59 (t, 2H, CH2, J = 7.5 Hz), 2.82 (t, 2H, CH2), 4.03 (q, 2H, OCH2, J = 7 Hz), 4.79 (s, 2H, PhCH2), 7.20 (bs, 4H, H arom.), 7.60 (d, 1H, H6, J = 1.0 Hz), 11.29 (bs, 1H, N
H).
13C NMR (DMSO-d6) δ: 12.79 (CH3), 14.92 (OCH2CH3), 30.77 (CH2), 35.82 (CH2), 50.59 (PhCH2), 60.67 (OCH2), 109.82 (C5), 128.38 (CH arom.), 129.38 (CH arom.), 135.67 (C arom.), 140.83 (C arom.), 142.06 (C6), 151.92 (C2), 165.17 (C4), 172.97 (COOEt).
MS (ESI-TOF) m/z 339.1 (100%, M+Na)+.
【0066】
3-[4-(5-メチル-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イルメチル)-フェニル]-プロピオン酸(2).
化合物19(90 mg, 0.28 mmol)を0.5N NaOH(1.3等量)で1時間処理した。混合物を水で溶出するDowex H+に通した。化合物2を白色粉末として単離した(27 mg, 収率59%)。
1H NMR (DMSO-d6) δ: 1.75 (d, 3H, CH3, J = 1.0 Hz), 2.47 (t, 2H, CH2), 2.79 (t, 2H, CH2, J = 7.7 Hz), 4.70 (s, 2H, PhCH2), 7.15 (d, 4H arom.), 7.65 (d, 1H, H6),
11.30 (bs, 1H, NH).
13C NMR (DMSO-d6) δ: 12.77 (CH3), 31.09 (CH2), 36.43 (CH2), 50.58 (PhCH2), 109.84 (C5), 128.34および129.37 (CH arom.), 135.45および141.48 (C arom.), 142.10 (C6), 151.85 (C2), 165.07 (C4).
HRMS (ESI-TOF) m/z C15H16N2O4 + Naに対する計算値 311.1008; 実測値 311.1029.
【0067】
3-[4-(5-メチル-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イルメチル)-フェニル]-プロピオンアミド(1).
化合物19(70 mg, 0.22 mmol)を室温で一晩、33%アンモニア水(25 ml)で処理した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(ジクロロメタン中メタノールの0〜8%の勾配)し、白色粉末として化合物1を得た(57 mg, 90%)。
1H NMR (DMSO-d6) δ: 1.75 (d, 3H, CH3, J = 1 Hz), 2.33 (m, 2H, CH2), 2.79 (m, 2H, CH2), 4.79 (s, 1H, H5), 6.74 (bs, 1H, CONH2), 7.20 (m, 4H, H arom.), 7.28 (bs,
1H, CONH2), 7.60 (d, 1H, H6, J = 1 Hz), 11.29 (bs, 1H, NH).
13C NMR (DMSO-d6) δ: 12.77 (CH3), 31.25 (CH2), 37.41 (CH2), 50.59 (PhCH2), 109.83 (C5), 128.33 (CH arom.), 129.33 (CH arom.), 135.37 (C arom.), 141.82 (C arom.), 142.09 (C6), 151.85 (C2), 165.07 (C4), 174.18 (CONH2).
MS (ESI-TOF) m/z 310.1 (100%, M+Na)+.
HRMS (MALDI-TOF) m/z C15H17N3O3+Naに対する計算値 310.1168; 実測値 310.1174.
【0068】
4-[5-ブロモ-(2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イルメチル)-フェニル]酪酸(21)
ピリジン(3 ml)中の化合物38b(50 mg, 0.17 mmol)に、CCl4(0.23 ml)中の臭素1M溶液を加えた。1時間30分撹拌後、反応は終了し、溶液を濃縮乾固した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(ジクロロメタン中メタノールの0〜20%の勾配)し、黄白色粉末として化合物21を得た(45 mg, 70%)。
1H NMR (DMSO-d6) δ: 1.77 (m, 2H, CH2), 2.21 (t, 2H, CH2, J = 7.3 Hz), 2.57 (t, 2H, CH2), 4.84 (s, 2H, PhCH2), 7.18 (d, 2H, H arom., J = 8.1 Hz), 7.25 (d, 2H, H
arom.), 8.35 (d, 1H, H6), 11.83 (bs, 1H, NH), 12.05 (bs, 1H, COOH).
13C NMR (DMSO-d6) δ: 27.08 (CH2), 33.92 (CH2), 34.90 (CH2), 51.32 (PhCH2), 95.92 (C5), 128.51 (CH arom.), 129.45 (CH arom.), 134.84 (C arom.), 142.09 (C arom.), 146.02 (C6), 151.22 (C2), 160.44 (C4), 175.04 (COOH).
MS (ESI-TOF) m/z 389.0 (100%, M+Na)+, 391.0 (86%, M+Na)+.
HRMS (ESI-TOF) m/z C15H15N2O479Br+NaおよびC15H15N2O481Br+Naに対する計算値 389.0113および391.0092; 実測値 389.0140 (100%)および391.0136 (87%).
【0069】
5-[5-クロロ-4-(2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル-メチル)-フェニル]-
酪酸(39)
1H NMR (DMSO-d6) δ: 1.77 (m, 2H, CH2), 2.21 (t, 2H, CH2, J = 7.4 Hz), 2.57 (t, 2H, CH2, J = 7.7 Hz), 4.84 (s, 2H, PhCH2), 7.15 (d, 2H, H arom., J = 8.1 Hz), 7.25 (d, 2H, H arom., J = 8.1 Hz), 8.29 (s, 1H, H6), 11.89 (bs, 1H, NH).
13C NMR (DMSO-d6) δ: 27.09 (CH2), 33.92 (CH2), 34.90 (CH2), 51.37 (PhCH2), 107.42 (C5), 128.49, 128.51および129.46 (CH arom.), 134.78 (C arom.), 142.10 (C arom.), 143.67 (C6), 150.99 (C2), 160.28 (C4), 175.05 (COOH).
HRMS (ESI-TOF) m/z C15H15N2O435Cl+Naに対する計算値 321.0642; 実測値 321.0638 (100%).
【0070】
4-(5-ブロモ-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イルメチル)-酪酸アミド(42)1H NMR (DMSO-d6) δ: 1.76 (m, 2H, CH2), 2.05 (t, 2H, CH2, J = 7.5 Hz), 2.54 (t, 2H, CH2, J = 7.8 Hz), 4.84 (s, 2H, PhCH2), 6.71 (bs, 1H, CONH2), 7.18 (d, 2H, H arom., J = 8.1 Hz), 7.24 (bs, 1H, CONH2), 7.25 (d, 2H, H arom.), 8.36 (s, 1H, H6), 11.83 (bs, 1H, NH).
13C NMR (DMSO-d6) δ: 27.63 (CH2), 35.18 (CH2), 35.36 (CH2), 51.32 (PhCH2), 95.93 (C5), 128.49 (CH arom.), 129.46 (CH arom.), 134.76 (C arom.), 142.37 (C arom.), 146.01 (C6), 151.24 (C2), 160.47 (C4), 174.79 (CONH2).
HRMS (ESI-TOF) m/z C15H16N3O379Br+NaおよびC15H16N3O381Br+Naに対する計算値 389.0113および 390.0252; 実測値 388.0299 (100%)および390.0282 (83%).
【0071】
4-(5-クロロ-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イルメチル)-酪酸アミド(43)1H NMR (DMSO-d6) δ: 1.76 (m, 2H, CH2), 2.05 (t, 2H, CH2, J = 7.4 Hz), 2.54 (t, 2H, CH2, J = 7.7 Hz), 4.84 (s, 2H, PhCH2), 6.71 (bs, 1H, CONH2), 7.18 (d, 2H, H arom., J = 8.1 Hz), 7.24 (bs, 1H, CONH2), 7.25 (d, 2H, H arom.), 8.29 (s, 1H, H6), 11.86 (bs, 1H, NH).
13C NMR (DMSO-d6) δ: 27.63 (CH2), 35.18 (CH2), 35.36 (CH2), 51.37 (PhCH2), 107.41 (C5), 128.49 (CH arom.), 129.46 (CH arom.), 134.69 (C arom.), 142.37 (C arom.), 143.67 (C6), 151.00 (C2), 160.28 (C4), 174.79 (CONH2).
HRMS (ESI-TOF) m/z C15H15N2O435Cl+NaおよびC15H15N2O437Cl+Naに対する計算値 344.0778および346.0748; 実測値 344.0798 (100%)および346.0798 (4%).
【0072】
5-[4-(5-メチル-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル-メチル)-フェニル]-ペンテン-2-酸(28)
HRMS (ESI-TOF) m/z C16H16N2O4+Naに対する計算値 323.1008; 実測値 232.1044.
【0073】
5-[4-(5-メチル-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル-メチル)-フェニル]-ペンタン酸(45)
1H NMR (CDCl3) δ: 1.67 (m, 4H, 2xCH2), 1.90 (d, 3H, CH3, J = 1.1 Hz), 2.35 (t, 2H, CH2, J = 7.1 Hz), 2.65 (t, 2H, CH2, J = 7.1 Hz), 4.87 (s, 2H, PhCH2), 6.99 (d, 1H, H6, J = 1.2 Hz), 7.21 (m, 4H, H arom.), 8.74 (bs, 1H, NH).
13C NMR (CDCl3) δ: 12.77 (CH3), 24.90 (CH2), 31.11 (CH2), 34.26 (CH2), 35.60 (CH2), 51.12 (PhCH2), 111.52 (C5), 128.47, 128.55および129.50 (CH arom.), 133.26 (C arom.), 140.15 (C arom.), 142.95 (C6), 151.42 (C2), 164.31 (C4), 174.39 (COOH).
HRMS (ESI-TOF) m/z C18H22N2O4+Naに対する計算値 353.1477; 実測値 353.1463.
【0074】
5-[4-(2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル-メチル)-フェニル]-ペンタン酸(47)
1H NMR (DMSO-d6) δ: 1.52 (m, 4H, 2×CH2), 2.22 (t, 2H, CH2, J = 7.1 Hz), 2.56 (
t, 2H, CH2, J = 7.2 Hz), 4.83 (s, 2H, PhCH2), 5.59 (d, 1H, H5, J = 7.8 Hz), 7.20
(m, 4H, H arom.), 7.74 (d, 1H, H6, J = 7.8 Hz), 11.31 (bs, 1H, NH).
13C NMR (DMSO-d6) δ: 24.98 (CH2), 31.32 (CH2), 34.37 (CH2), 35.30 (CH2), 50.83 (PhCH2), 102.15 (C5), 128.34, 129.18および129.41 (CH arom.), 135.02 (C arom.), 142.42 (C arom.), 146.44 (C6), 151.87 (C2), 164.50 (C4), 175.28 (COOH).
【0075】
5-[4-(5-ブロモ-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル-メチル)-フェニル]-ペンタン酸(48)
1H NMR (DMSO-d6) δ: 1.52 (m, 4H, 2×CH2), 2.20 (t, 2H, CH2, J = 7.1 Hz), 2.56 (t, 2H, CH2, J = 7.2 Hz), 4.84 (s, 2H, PhCH2), 7.19 (d, 2H, H arom.), 7.23 (d, 2H, H arom.), 8.35 (s, 1H, H6), 11.62 (bs, 1H, NH).
13C NMR (DMSO-d6) δ: 25.07 (CH2), 31.25 (CH2), 34.58 (CH2), 35.33 (CH2), 51.31 (PhCH2), 95.93 (C5), 128.45および129.51 (CH arom.), 134.68 (C arom.), 142.58 (C arom.), 146.00 (C6), 151.25 (C2), 160.48 (C4), 175.43 (COOH).
HRMS (ESI-TOF) m/z C16H17N2O479Br+Naに対する計算値 403.0269; 実測値 403.0302.
【0076】
6-[4-(5-メチル-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル-メチル)-フェニル]-ヘキシン-5-酸(51)
HRMS (ESI-TOF) m/z C18H18N2O4+Naに対する計算値 349.1164; 実測値 349.1160.
【0077】
6-[4-(5-メチル-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル-メチル)-フェニル]-ヘキシン-5-酸アミド(53)
HRMS (ESI-TOF) m/z C18H19N3O3+Naに対する計算値 348.1324; 実測値 348.1292.
【0078】
6-[4-(5-メチル-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル-メチル)-フェニル]-ヘキサン酸(22)
13C NMR (DMSO-d6) δ: 12.78 (CH3), 25.19 (CH2), 29.08 (CH2), 31.55 (CH2), 34.50 (CH2), 35.51 (CH2), 50.62 (PhCH2), 109.81 (C5), 128.31 (CH arom.), 129.39 (CH arom.), 135.15 (C arom.), 142.13 (C6), 142.56 (C arom.), 151.84 (C2), 165.07 (C4),
175.33 (COOH).
HRMS (ESI-TOF) m/z C18H22N3O4+Naに対する計算値 353.1477; 実測値 353.1455.
【0079】
6-[4-(5-メチル-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル-メチル)-フェニル]-ヘキサン酸アミド(54)
13C NMR (DMSO-d6) δ: 12.78 (CH3), 25.77 (CH2), 29.19 (CH2), 31.60 (CH2), 35.54 (CH2), 35.88 (CH2), 50.63 (PhCH2), 109.81 (C5), 128.30 (CH arom.), 129.39 (CH arom.), 135.14 (C arom.), 142.15 (C6), 142.62 (C arom.), 151.85 (C2), 165.08 (C4),
175.11 (CONH2).
HRMS (ESI-TOF) m/z C18H23N3O3+Naに対する計算値 352.1637; 実測値 352.1601.
【0080】
6-[4-(5-ブロモ-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル-メチル)-フェニル]-ヘキサン酸(58)
1H NMR (DMSO) δ: 1.27 (m, 2H, CH2(c)), 1.52 (m, 4H, 2×CH2 (bおよびd), 2.19 (t,
2H, CH2 (a), J = 6.3 Hz), 2.53 (t, 2H, CH2 (e), J = 7.8 HzおよびJ = 7.5 Hz), 4.84 (s, 2H, PhCH2), 7.18 (d, 2H, H arom (x), J= 8.2 Hz), 7.24 (d, 2H, H arom (y),
J = 8.2 Hz), 8.35 (s, 1H, H6), 11.83 (bs, 1H, NH), 11,97 (bs, 1H, COOH).
13C NMR (DMSO-d6) δ: 25.17 (CH2(b)), 29.06 (CH2(c)), 31.52 (CH2(d)), 34.44 (CH2(a)), 35.52 (CH2(e)), 51.33 (CH2(Bz)), 95.90 (C-Br), 128.45 (2×CH(y)), 129.41 (2×CH(x)), 134.62 (Cq(e)), 142.76 (Cq), 146.02 (C6), 151.22 (C2), 160.44 (C4), 175.29 (COOH).
HRMS (ESI-TOF) m/z C17H19N2O479Br+Naに対する計算値 417.0426; 実測値 417.0443; C17H19N2O481Br+Naに対する計算値 419.0405; 実測値 419.0412.
【0081】
6-[4-(5-クロロ-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル-メチル)-フェニル]-ヘキサン酸(59)
1H NMR (DMSO) δ: 1.28 (m, 2H, CH2(c)), 1.52 (m, 4H, 2×CH2 (bおよびd), 2.21 (t,
2H, CH2 (a), J = 7.3 Hz), 2.55 (t, 2H, CH2 (e), J = 7.8 HzおよびJ = 7.5 Hz), 4.83 (s, 2H, CH2(Bz)), 7.18 (d, 2H, H arom (x), J= 8.1 Hz), 7.24 (d, 2H, H arom (y), J = 8.1 Hz), 8.29 (s, 1H, H6), 11.86 (s, 1H, NH), 12.01 (bs, 1H, COOH).
13C NMR (DMSO-d6) δ: 25.17 (CH2(b)), 29.06 (CH2(c)), 31.53 (CH2(d)), 34.44 (CH2(a)), 35.51 (CH2(e)), 51.37 (CH2(Bz)), 107.40 (C-Br), 128.44 (2×CH(y)), 129.41 (2×CH(x)), 134.56 (Cq(e)), 142.76 (Cq(Bz)), 143.67 (C6), 150.99 (C2), 160.27 (C4), 175.29 (COOH).
HRMS (ESI-TOF) m/z C17H19N2O435Cl+Naに対する計算値 373.0931; 実測値 373.0921; C17H19N2O437Cl+Naに対する計算値 375.0902; 実測値 375.0923.
【0082】
6-[4-(5-ブロモ-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル-メチル)-フェニル]-ヘキサン酸アミド(61)
1H NMR (DMSO) δ: 1.25 (m, 2H, CH2(c)), 1.51 (m, 4H, 2×CH2 (bおよびd), 2.04 (t,
2H, CH2 (a), J = 7.4 Hz), 2.54 (t, 2H, CH2 (e), J = 7.8 HzおよびJ = 7.5 Hz), 4.84 (s, 2H, CH2(Bz)), 6.67および7.19 (d, 2H, CONH2), 7.18 (d, 2H, H arom (x), J= 8.1 Hz), 7.23 (d, 2H, H arom (y), J = 8.1 Hz), 8.35 (s, 1H, H6), 11.82 (s, 1H, NH).
13C NMR (DMSO-d6) δ: 25.77 (CH2(b)), 29.19 (CH2(c)), 31.59 (CH2(d)), 35.55 (CH2(e)), 35.89 (CH2(a)), 51.33 (CH2(Bz)), 95.92 (C-Br), 128.44 (2×CH(y)), 129.41 (2×CH(x)), 134.62 (Cq(e)), 142.81 (Cq(Bz)), 146.00 (C6), 151.24 (C2), 160.47 (C4), 175.09 (CONH2).
HRMS (ESI-TOF) m/z C17H20N3O379Br+Naに対する計算値 416.0586; 実測値 416.0571; C17H20N3O381Br+Naに対する計算値 418.0565; 実測値 418.0555.
【0083】
6-[4-(5-クロロ-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル-メチル)-フェニル]-ヘキサン酸アミド(62)
1H NMR (DMSO) δ: 1.25 (m, 2H, CH2(c)), 1.51 (m, 4H, 2×CH2 (bおよびd), 2.02 (t,
2H, CH2 (a), J = 7.4 Hz), 2.54 (t, 2H, CH2 (e), J = 7.7 HzおよびJ = 7.5 Hz), 4.83 (s, 2H, CH2(Bz)), 6.67および7.19 (各々bs, 2H, CONH2), 7.18 (d, 2H, H arom., J= 8.2 Hz), 7.24 (d, 2H, H arom., J = 8.2 Hz), 8.29 (s, 1H, H6), 11.86 (s, 1H, NH).
13C NMR (DMSO-d6) δ: 25.77 (CH2(b)), 29.19 (CH2(c)), 31.59 (CH2(d)), 34.55 (CH2(e)), 35.89 (CH2(a)), 51.38 (PhCH2), 107.40 (C5), 128.43 (2×CH), 129.41 (2×CH), 134.54 (Cq), 142.81 (Cq), 143.67 (C6), 150.99 (C2), 160.28 (C4), 175.09 (CONH2).
HRMS (ESI-TOF) m/z C17H20N3O335Cl+Naに対する計算値 372.1091; 実測値 372.1093; C17H20N3O337Cl+Naに対する計算値 374.1061; 実測値 374.1073.
【0084】
【化12】

【0085】
3-[4-(5-メチル-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イルメチル)-ベンジルスルファニル]-酢酸(63).
13C NMR (DMSO-d6) δ: 12.79 (CH3), 23.35 (CH2), 33.55 (CH2), 50.60 (PhCH2), 109.89 (C5), 128.38および130.08 (CH arom.), 136.63および138.08 (C arom.), 142.12 (C6), 151.86 (C2), 165.10 (C4), 172.101 (COOH).
HRMS (ESI-TOF) m/z C15H16N2O4S+Naに対する計算値 343.0728; 実測値 343.0728.
【0086】
3-フルオロ-4-[4-(5-メチル-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル-メチル)-フェニル]-ブチルアルデヒド(64)
HRMS (ESI-TOF) m/z C16H17N2O3F+Naに対する計算値 327.1121; 実測値 327.1098.
【0087】
3-フルオロ-4-[4-(5-メチル-2,4-ジオキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ピリミジン-1-イル-メチル)-フェニル]-酪酸(65)
HRMS (ESI-TOF) m/z C16H17N2O4F+Naに対する計算値 343.1070; 実測値 343.1052.
【0088】
B−生物学的活性
活性は、Blondinら(C. Blondin, L. Serina, L. Wiesmuller, A.-M. Gilles, O. Barzu, Anal. Biochem. 1994, 220, 219)に記載された、組み合わされた分光学的アッセイ(coupled spectrophotometric assay)を用いて測定された。
【0089】
【化13】

【0090】
転移されたホスホリル基の各々のモルは、NAD+の2モルを生じ、334 nmでの吸光度の減少はEppendorf ECOM 6122光度計で追跡された。反応媒体(最終容積0.5 ml)は、50 mMのTris-HCl pH 7.4、50 mMのKCl、2 mMのMgCl2、0.2 mMのNADH、1 mMのホスホエノール ピルベートおよび各々2ユニットの乳酸デヒドロゲナーゼ、ピルビン酸キナーゼおよびヌクレオシド二リン酸キナーゼを含んだ。酵素活性の1ユニットは30℃、pH7.4で1分間に形成される生成物の1 μモルに相当する。ATPおよびdTMPの濃度は、各々0.5 mMおよび0.05 mMで一定に保たれたのに対して、類縁物質の濃度は0.005〜8 mMの間で変えられた。式1は、式
2および3を用いてKi値を計算するために用いられた(ラインウィーバー‐バーク表示に従う古典的な競争阻害モデル):
【0091】
【数1】

(ここで、vおよびviは、各々、濃度値[I]で類縁物質が存在しない場合および存在する場合の反応速度であり; KmはdTMPに対するKm(TMPKmtに対しては4.5 μMおよびTMPKhに対しては5 μM)であり; [S]はdTMPの濃度(50 μM)である)。
【0092】
結果を表1および表2に示す。
【表1】

表1:分子1〜22の生物学的活性
【0093】
【表2】

表2:分子28、30、31、39、40a、40b、42、43、45、48、51〜54、58、59、61〜65の生物学的活性
【0094】
三化合物に対するIC50値をマイコバクテリウム チューバークロシスH37Raの菌株で測定した。その結果を表3に要約する。
【表3】

表3:分子20、21および22の生物学的活性(IC50)
【0095】
細胞毒性:分子22をVERO細胞で細胞毒性を試験した。成長阻害およびその結果の細胞毒性活性が、化合物22の250 μg/mlの濃度まで検出されなかったことが測定された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

(式中、
・R1はCH3、-CF3、ハロゲン原子、-NH2、-COOH、-CONH2からなる群から選択され、
・R2、R3、R4は同一または異なって、
− H、ハロゲン原子、
− C1-C8アルキル、C2-C8アルケニル、C2-C8アルキニル(ここで、アルキル、アルケニルまたはアルキニル鎖はヘテロ原子ブリッジにより遮断されていてもよい)、
− -OH、-NH2、-CHO、-COOH、-SO4H、-CONH2、-CN、-COOR5、-COR5、-OR5
− 置換されたC1-C8アルキル、置換されたC2-C8アルケニル、または置換されたC2-C8アルキニル(ここで、置換基は-OH、-NH2、-CHO、-COOH、-SO4H、-CONH2、-CN、-COOR5、-COR5、-OR5、ハロゲン原子からなる群から選択され、アルキル、アルケニルまたはアルキニル鎖はヘテロ原子ブリッジにより遮断されていてもよい)
からなる群から選択され、
・R5はC1-C6アルキルからなる群から選択され、
・R6はC1-C4アルキレン、C2-C4アルケニレン、カルボニル(=C=O)、-(CF2)n-(ここで、nは1、2、3から選択される整数である)の中から選択されるが、
但し、次の場合:
R1=-CH3、R2=R3=R4=HおよびR6=-CH2-、
R1=-CF3、R2=R3=R4=HおよびR6=-CH2-、
R1=-CH3、R2=R3=H、R4=-OCH3(パラ)およびR6=-CH2-、
R1=-CH3、R2=R3=CH3(オルト、パラ)、R4=HおよびR6=-CH2-、
R1=-CH3、R2=CH3(オルト)、R3=R4=HおよびR6=-CH2-、
R1=-CH3、R2=R3=R4=HおよびR6=-CO-、
R1=-CH3、R2=OH(メタ)、R3=R4=HおよびR6=-CH2-、
R2=R3=R4=H、R6=-CH2-およびR1=Cl、IまたはBr
は除く)
に対応する分子およびそれらの医薬的に許容される塩。
【請求項2】
次の条件:
・R6が-CH2-である;
・R1が-CH3、-Br、-Clからなる群から選択さる;
・R2、R3、R4の少なくとも一つがHである
の一以上を満たす、請求項1に記載の分子。
【請求項3】
R2=R3=Hで、R4がフェニル環のパラ位にありかつR4が、N、S、O、Seから選択されるヘテロ原子ブリッジを含んでいてもよい、置換されたC1-C6アルキルまたは置換されたC2-C6アルケニル(ここで、置換基は-COOHである)からなる群から選択される、請求項1または2に記載の分子。
【請求項4】
次の:
【化2−1】

【化2−2】

【化2−3】

【化2−4】

からなる群から選択される、請求項1〜3のいずれか一つに記載の分子。
【請求項5】
次の:
【化3】

からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一つに記載の分子。
【請求項6】
医薬的に許容される担体中に、式(I):
【化4】

(式中、
・R1はCH3、-CF3、ハロゲン原子、-NH2、-COOH、-CONH2からなる群から選択され、
・R2、R3、R4は同一または異なって、
− H、ハロゲン原子、
− C1-C8アルキル、C2-C8アルケニル、C2-C8アルキニル(ここで、アルキル、アルケニルまたはアルキニル鎖はヘテロ原子ブリッジにより遮断されていてもよい)、
− -OH、-NH2、-CHO、-COOH、-SO4H、-CONH2、-CN、-COOR5、-COR5、-OR5
− 置換されたC1-C8アルキル、置換されたC2-C8アルケニル、または置換されたC2-C8アルキニル(ここで、置換基は-OH、-NH2、-CHO、-COOH、-SO4H、-CONH2、-CN、-COOR5、-COR5、-OR5、ハロゲン原子からなる群から選択され、アルキル、アルケニルまたはアルキニル鎖はヘテロ原子ブリッジにより遮断されていてもよい)
からなる群から選択され、
・R5はC1-C6アルキルからなる群から選択され、
・R6はC1-C4アルキレン、C2-C4アルケニレン、カルボニル(=C=O)、-(CF2)n-(ここで、nは1、2、3から選択される整数である)の中から選択される)
の化合物およびそれらの医薬的に許容される塩を少なくとも一つ含む、医薬組成物。
【請求項7】
医薬的に許容される担体中に、請求項2〜5のいずれか一つに記載の式(I)の化合物の少なくとも一つを含む、医薬組成物。
【請求項8】
マイコバクテリアが原因の病状の予防および/または治療用医薬を製造するための、式(I):
【化5】

(式中、
・R1はCH3、-CF3、ハロゲン原子、-NH2、-COOH、-CONH2からなる群から選択され、
・R2、R3、R4は同一または異なって、
− H、ハロゲン原子、
− C1-C8アルキル、C2-C8アルケニル、C2-C8アルキニル(ここで、アルキル、アルケニルまたはアルキニル鎖はヘテロ原子ブリッジにより遮断されていてもよい)、
− -OH、-NH2、-CHO、-COOH、-SO4H、-CONH2、-CN、-COOR5、-COR5、-OR5
− 置換されたC1-C8アルキル、置換されたC2-C8アルケニル、または置換されたC2-C8アルキニル(ここで、置換基は-OH、-NH2、-CHO、-COOH、-SO4H、-CONH2、-CN、-COOR5、-COR5、-OR5、ハロゲン原子からなる群から選択され、アルキル、アルケニルまたはアルキニル鎖はヘテロ原子ブリッジにより遮断されていてもよい)
からなる群から選択され、
・R5はC1-C6アルキルからなる群から選択され、
・R6はC1-C4アルキレン、C2-C4 アルケニレン、カルボニル(=C=O)、-(CF2)n-(ここで、nは1、2、3から選択される整数である)の中から選択される)
の分子およびそれらの医薬的に許容される塩の使用。
【請求項9】
結核の予防および/または治療のための、請求項8に記載の使用。
【請求項10】
ハンセン病の予防および/または治療のための、請求項8に記載の使用。
【請求項11】
活性成分の一日用量が0.1〜500 mg/kgの間に含まれる、請求項8〜10のいずれか一つに記載の使用。
【請求項12】
インビトロでのマイコバクテリアTMPKの阻害剤として、請求項1〜5のいずれか一つに記載の式(I)の分子の使用。
【請求項13】
インビトロでのM. チューバークロシスTMPKの阻害剤として、請求項12に記載の使用。
【請求項14】
式(I)の分子が請求項2〜5のいずれか一つに記載のものから選択される、請求項8〜13のいずれか一つに記載の使用。
【請求項15】
【化6】

− 式(II)のハロアリールを式(III)のチミンもしくはチミン誘導体またはウラシルもしくはウラシル誘導体と反応させ縮合物(IV)を得ること
(ここで、Xはハロゲン原子、好ましくはBrを表わし、X2、X3、X4はそれぞれR2、R3およびR4ならびに一以上の工程でR2、R3およびR4に変換することができる官能基の中から選択され、X1はR1および一以上の工程でR1に変換することができる官能基の中から選択され、X5はHおよびベンジル基(Bzl)の中から選択される);
− 第二工程において、必要なら、X1、X2、X3、X4およびX5はそれぞれR1、R2、R3、R4およびHに変換され、式(I)の分子を与えること
を特徴とする、請求項1〜5のいずれか一つに記載の式(I)に対応する分子の製造方法。
【請求項16】
式(V):
【化7】

(式中、
X1はR1および一以上の工程でR1に変換することができる官能基の中から選択され、
R1はCH3、-CF3、ハロゲン原子、-NH2、-COOH、-CONH2からなる群から選択され、
X5はHおよびベンジル基(Bzl)の中から選択される)
に対応する分子。
【請求項17】
式11または式11bis:
【化8】

に対応することを特徴とする、請求項16に記載の分子。

【公表番号】特表2008−519001(P2008−519001A)
【公表日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−539555(P2007−539555)
【出願日】平成17年11月4日(2005.11.4)
【国際出願番号】PCT/EP2005/012346
【国際公開番号】WO2006/048336
【国際公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(501474748)インスティティ・パスツール (27)
【氏名又は名称原語表記】INSTITUT PASTEUR
【住所又は居所原語表記】28,rue du Docteur Roux,F−75724 Paris Cedex 15 FRANCE
【出願人】(302013564)アンスティテュ ナシオナル ド ラ サント エ ド ラ ルシュルシェ メディカル (6)
【氏名又は名称原語表記】INSTITUT NATIONAL DE LA SANTE ET DE LA RECHERCHE MEDICALE
【住所又は居所原語表記】101 rue de Tolbiac,F−75654 Paris Cedex 13,France
【出願人】(502205846)サントル ナショナル ドゥ ラ ルシェルシュ シアンティフィク (154)
【Fターム(参考)】