説明

アルキルポリグルコシド、共界面活性剤および高分子添加剤を含む混合物

成分I、および成分IIとしての高分子添加剤を含む混合物であって、成分Iは、1〜2個のグルコシド部分および炭化水素部分を含有するアルキルポリグルコシドである界面活性剤成分I1を80〜20重量%、アルキルポリグルコシド以外のアルコール基を含有する界面活性剤成分I2を20〜80重量%を含み;前記高分子添加剤は、水溶性部分および疎水性部分を含有し、疎水性部分の数平均分子量に対する水溶性部分の数平均分子量の割合が、2:1〜1000:1であり、前記の疎水性部分は、それぞれ数平均分子量が最大1000 g/molである成分II1、水溶性部分および疎水性部分を含有し、側鎖が結合した主鎖を含む両親媒性櫛形ポリマーである成分II2、または、水溶性部分および疎水性部分を含有し、水溶性Aブロックと疎水性Bブロックを有する、ABのジブロックコポリマーまたはABAもしくはBABのトリグロックコポリマーである成分II3である混合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの成分IおよびIIを含む混合物、該混合物から製造することができ、マイクロエマルジョン、特に両連続(bicontinuous)マイクロエマルジョンの形態であってもよいエマルジョン、および該エマルジョンを含む洗浄剤、化粧品および食品、および該洗浄剤の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
界面活性剤は、洗濯洗剤、食器洗剤およびシャンプーに含まれる洗浄性物質である。界面活性剤は特徴的な構造を有し、少なくとも1つの親水性部分と1つの疎水性部分を含む。界面活性剤は両親媒性を有する。水油混合物に対する安定化効果が重要な特徴である場合、これらの両親媒性物質は、乳化剤として使用される。
【0003】
界面活性剤は、不混和相である、親水性(水溶性、疎油性)相、主に水相と、疎水性(油溶性、親油性)相との間の、界面張力を減じる。このような液体の2相混合物を「エマルジョン(乳剤)」と言う。
【0004】
慣用のエマルジョンは、種々の容量比で親水相と疎水相を含み得る。該エマルジョンは、連続相と、連続相に含有され、極小球体の形態であってその表面を占有する界面活性剤によって安定化された分散相を含む。連続相の性質によって、エマルジョンは「水中油」または「油中水」と称される。
【0005】
エマルジョンとマイクロエマルジョンとは、根本的に区別される。マイクロエマルジョンは熱力学的に安定であるが、エマルジョンは不安定な性質のため分離する。独国特許DE 10 2005 049 765 A1号(特許文献1)に記載の通り、顕微鏡スケールでは、この違いは、マイクロエマルジョン中に乳化される液体は、エマルジョン(例えば、10-12 μl)と比べて、より小さい液体容量(例えば、10-15μl)中に含有されると言う事実において明示される。従って、熱力学的に不安定なエマルジョンは、より大きい構造を有する。
【0006】
マイクロエマルジョンでは、ラメラ中間相が生じ得る。ラメラ中間相は、光学異方性および粘度の増加をもたらす。このような特性は、例えば洗浄剤には望ましくない。加えて、ラメラ相がマイクロエマルジョンと共存する場合には、しばしば相分離が起こる。
【0007】
マイクロエマルジョンは、少なくとも3つの成分、即ち、油、水および界面活性剤より成る(非特許文献1〜7)。油と水は混和しないので、ナノサイズの領域(ドメイン)を形成する。界面活性剤はこれら2つの成分の間に介在し、混合物を巨視的に均質にする効果がある。顕微鏡スケールでは、界面活性剤は、油および水の領域間にフィルムを形成する。マイクロエマルジョンは、巨視的には均質であり、光学等方性挙動を有し、エマルジョンと対照的に、熱力学的に安定である。w/oおよびo/w液滴マイクロエマルジョンがあり、それぞれ、水滴が油で取り囲まれるか、油滴が水で取り囲まれる。油と水がおよそ均等割合であることが、両連続マイクロエマルジョンの形成に有利である。
【0008】
界面活性剤の効率の特徴は、所望の期間にわたってエマルジョンを安定化する、または、マイクロエマルジョンを維持するために、最少量の界面活性剤しか要しないことである。
【0009】
基礎科学の分野において、マイクロエマルジョンは鋭意研究されてきた(非特許文献8、9)。それらにより得られた知識は、実質的に、純粋で定義された成分:脱イオン水、化学的に純粋な油および純粋な界面活性剤の使用に基づいている。技術的マイクロエマルジョンにおいては、該成分は通常、物質の混合物より成る。このことは、相の割合を著しく変化させ、基礎研究における単純モデルより得られる知識は、そう容易に技術的応用に移行することはできない。もう一つの問題は、マイクロエマルジョンの熱安定性が低いことであり、これは実用的な配合には広範な温度にわたる安定性が必要とされるためである。特に、幅広く使用される脂肪族アルコールエトキシレートに基づく系は、数℃の非常に狭い温度領域内でのみ安定であるか、非常に高い界面活性剤濃度を使用しなければならない。対照的に、糖界面活性剤によって製造されるマイクロエマルジョンは、より広範な温度範囲にわたって安定であり得る。同様に、非イオン性およびイオン性界面活性剤の混合物も使用し得る。この場合、非イオン性界面活性剤とイオン性界面活性剤との異なる熱的挙動を利用する。しかし、糖界面活性剤および、非イオン性界面活性剤の混合物にも欠点がある。糖界面活性剤で製造されるマイクロエマルジョンは、共界面活性剤を使用する場合のみ製造し得る。最新技術によれば、ヘキサノールやオクタノール等の一価アルコールは、該共界面活性剤として使用される。イオン性界面活性剤を含有するマイクロエマルジョンは、塩濃度の変化に対して敏感である。
【0010】
マイクロエマルジョンの研究は、主に基礎研究の分野で行われることから、この分野では、潜在的危険性が低いか、再生可能な原材料より製造される界面活性剤を使用することには、殆ど注意が払われていない。技術的応用のためには、このことは非常に重要であり得るが、それは慣用のマイクロエマルジョンでは、充分に広範な温度安定性を達成するため、界面活性剤の含量は通常20〜30%であるからである。このような濃度では、界面活性剤は、もはや無視できない潜在的危険性を有する。特に、界面活性剤は皮膚および目に対する刺激作用を有する。この点での例外はアルキルポリグルコシドであり、これは再生可能な原材料より製造され、潜在的危険性は中程度であり、さらに、比較的肌に優しい。対照的に、ソルビタンエステルは、潜在的危険性は非常に低く、また実質的に再生可能な原材料から製造されるが、これまで、マイクロエマルジョンにおける使用に関して、殆ど研究されていない。
【0011】
独国特許DE-A-19839054号(特許文献2)には、ラメラ中間相を抑制すると同時に、界面活性剤の効率を増強する方法、油、水および界面活性剤の混合物のための、単相領域の温度状態の安定化方法、マイクロエマルジョン中の乳化液体粒子の構造サイズの増大方法、および、水溶性ブロックAおよび非水溶性ブロックBを有するABブロックコポリマーを添加した油水混合物の界面張力の低減方法が開示されている。ポリマーは水溶性ブロックAと疎水性ブロックから成る。AおよびBについての数平均分子量の下限はおよそ500 g/molである。この方法はマイクロエマルジョンの製造に好適である。
【0012】
独国特許DE-A-10323180号(特許文献3)には、共界面活性剤として2以上の側鎖が結合した主鎖を有する両親媒性櫛形ポリマーを用いることを特徴とする、界面活性剤と共界面活性剤を含有する混合物が記載されており、ここで側鎖は両親媒性特性に関して互いにおよび/または主鎖と区別される。この共界面活性剤は、マイクロエマルジョンにおける効率を増大するのに好適である。
【0013】
さらに、独国特許DE-A-4417476号(特許文献4)には、アルキルグリコシドおよび脂肪酸ポリオール部分エステルを含有するマイクロエマルジョンが開示されている。このマイクロエマルジョンは、幅広く存在し得るが、マイクロエマルジョンが安定である温度範囲は開示されていない。
【0014】
独国特許DE-A-19824236号(特許文献5)では、印刷機または印刷フォームの洗浄方法であって、水、界面活性剤および水不混和性の有機溶媒を含有するマイクロエマルジョンを用いて洗浄することによって、汚染物質を洗浄される表面から除去する、洗浄方法が提案されている。
【0015】
米国特許US-A-5,719,113号(特許文献6)には、抗菌性物質、非イオン性界面活性剤および両性界面活性剤を含む洗浄剤が開示されている。本発明の混合物とは対照的に、この米国特許ではアルコール基を含有する第二の界面活性剤は開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】独国特許DE 10 2005 049 765 A1号
【特許文献2】独国特許DE-A-19839054号
【特許文献3】独国特許DE-A-10323180号
【特許文献4】独国特許DE-A-4417476号
【特許文献5】独国特許DE-A-19824236号
【特許文献6】米国特許US-A-5,719,113号
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】カールヴァイト(Kahlweit), ストレイ(Strey), アンゲウ(Angew). Chem. Int. Ed. Engl. 24巻, 654頁 (1985年)
【非特許文献2】ゾットマン(Sottmann), ストレイ(Strey), J. Chem. Phys. 106巻, 8606頁 (1997年)
【非特許文献3】ストゥベンラウヒ(Stubenrauch), コロイドおよび界面科学における最新の見解(Current Opinion in Colloid & Interfacial Science) 6巻, 160頁 (2001年)
【非特許文献4】ゾットマン(Sottmann)ら, Langmuir 18巻, 3058頁 (2002年)
【非特許文献5】アラマキ(Aramaki)ら, J. Colloid Interface Sci. 196巻, 74頁 (1997年)
【非特許文献6】ビンクス(Binks)ら, Langmuir 13巻, 7030頁 (1997年)
【非特許文献7】シラス(Silas), カレル(Kaler), J. Colloid Interface Sci. 243巻, 248頁 (2001年)
【非特許文献8】カールヴァイト(Kahlweit), ストレイ(Strey), アンゲウ(Angew). Chem. Int. Ed. Engl. 24巻, 654頁 (1985年)
【非特許文献9】ゾットマン(Sottmann), ストレイ(Strey), J. Chem. Phys. 106巻, 8606頁 (1997年)
【非特許文献10】グリフィン(Griffin), W. C., HLBによる界面活性剤の分類(Classification of surface active agents by HLB), J. Soc. Cosmet. Chem. 1, 1949年
【非特許文献11】先端材料(Advanced Materials), 2000年, 12, 23号, 1751 ff.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の目的は、エマルジョン、特にマイクロエマルジョンに加工し得る、改良された特性を有する混合物を提供することである。
【0019】
このエマルジョン、特にマイクロエマルジョンは、界面活性剤の必要量がより少なく、より広い温度範囲において安定であり得る。1つの態様において、本発明のエマルジョン、特にマイクロエマルジョンは、揮発性有機化合物(VOCs)を含まないか、殆ど含まないという利点を有する。ドイツ連邦排出規制法、第31施行規則(the 31st Regulation for Implementing the Federal Immission Control Act; 31. BimschV)、第2節、11番によれば、「VOC」は、293.15ケルビンでの蒸気圧が0.01kPa以上である揮発性有機化合物と定義されている。VOCとしては、例えば、アルカン/アルケン、芳香族化合物、テルペン、ハロゲン化炭化水素、エステル、アルデヒドおよびケトンである物質の群からの化合物が挙げられる。
【0020】
上記の目的は、請求項1に規定される通りの本発明の混合物によって達成される。
【0021】
本発明の混合物は、成分I、および成分IIとして高分子添加剤を含み、
成分Iは、1〜2個のグルコシド部分および炭化水素部分、特に6〜16個の炭素原子のアルキル残基を含有するアルキルポリグルコシドである、第一の界面活性剤成分I1を80〜20重量%、アルキルポリグルコシド以外のアルコール基を含有する第二の界面活性剤である、界面活性剤成分I2を20〜80重量%含み、前記重量比率は成分Iのみに基づき;そして、
【0022】
前記高分子添加剤は、成分II1として、少なくとも1つの水溶性部分および少なくとも1つの疎水性部分を含有し、全ての疎水性部分の数平均分子量に対する全ての水溶性部分の数平均分子量の割合が、2:1〜1000:1または3:1〜1000:1、特に5:1〜200:1、特別には10:1〜50:1であり、前記の少なくとも1つの疎水性部分は、それぞれ数平均分子量が最大1000 g/molであるか;または
前記高分子添加剤は、成分II2として、少なくとも1つの水溶性部分および少なくとも1つの疎水性部分を含有し、および2以上の側鎖が結合した主鎖を含む両親媒性櫛形ポリマーであり、該側鎖はそれらの両親媒性特性に関して互いにおよび/または主鎖と区別されるか;または
前記高分子添加剤は、成分II3として、少なくとも1つの水溶性部分および少なくとも1つの疎水性部分を含有し、成分II3としての前記高分子添加剤は、水溶性Aブロックと疎水性Bブロックを有する、ABのジブロックコポリマーまたはABAもしくはBABのトリグロックコポリマーである。
【0023】
成分II1、II2、またはII3の前記高分子添加剤は、前記混合物中で組み合わせられて
いてもよい。
【0024】
請求項1の混合物に高分子添加剤として含まれている前記の成分IIにより、成分I中の界面活性剤の効率が上がるようである。
【0025】
コストの理由に加えて、界面活性剤の節約は生態学的または健康の理由にも有益である。界面活性剤は環境に融和しなければならない、特に生態学的関連性のある物質である。
【0026】
界面活性剤の節約の別の利点はマイクロエマルジョンの適用において界面活性剤がかく乱効果を有する場合に見て取れる。例えば、界面活性剤の、敏感な皮膚に起こりうる皮膚への悪影響、または目を刺激する作用のため、界面活性剤の含量をできるだけ少なくするべきである化粧品を言及することができる。同じことが特に食品にも言える。界面活性剤からの消費者の負担は出来るだけ少なくすべきである。本発明はこの点に貢献する。
【0027】
1つの態様では、本発明のエマルジョンは、先行技術と比較して、洗浄のために費
やす時間がより少なくてすむ。
【0028】
本発明の混合物は成分Iおよび成分IIを含む。成分Iは同様に1〜2個のグルコシド部分および炭化水素部分、特に6〜16個の炭素原子のアルキル残基を含有するアルキルポリグルコシドである、成分I1を80〜20重量%含み、さらに、アルキルポリグルコシド以外のアルコール基を含有する共界面活性剤である成分I2を20〜80重量%含む。前記重量比率は成分Iのみに基づく。
【0029】
したがって、本発明に従うと、成分I2はプロピレングリコールではない。
【0030】
本発明の混合物の1つの実施態様において、成分I2は水溶液中で、1-11または3-11
または5-11または1-5または3-5のHLB値を有する。HLB値は界面活性剤の親水性および
親油性の部位を表す。
【0031】
グリフィン(Griffin)によると、HLB値は以下のように計算される[非特許文献10
]:
HLB = 20・Mh/M
式中、Mh=分子中の親水性部位の分子量;
M=分子全体の分子量。
【0032】
本発明によると、肌に優しい成分I2の界面活性剤が、特に用いられる。この例とし
ては、ソルビタンエステルがあげられる。加えて、食品法の下許容できるほかの界面
活性剤(乳化剤)も使用してもよい。
【0033】
本発明の混合物の1つの実施態様において、成分I1は、成分I2よりも親水性である
。これは、成分I1のHLB値が成分I2のHLB値より高いことを意味する。
【0034】
例えば、本発明の混合物は成分I1が、11−19、特に11−15のHLB値を有し、成分I2が、1−11、特に3−11または5-11または1−5、または3−5のHLB値を有するように調製すればよい。
【0035】
請求項1に従い、本発明の成分IIは、成分II1または成分II2または成分II3のいずれかを含む高分子添加剤である。さらに、成分II1は、少なくとも1つの水溶性部分および少なくとも1つの疎水性部分を含有し、全ての疎水性部分の数平均分子量に対する全ての水溶性部分の数平均分子量の割合は、2:1〜1000:1、特に5:1〜200:1、特別には10:1〜50:1であり、前記の少なくとも1つの疎水性部分は、数平均分子量が最大1000 g/molである。
【0036】
成分II2もまた、少なくとも1つの水溶性部分および少なくとも1つの疎水性部分を含有する。成分II2は2以上の側鎖が結合した主鎖を含む両親媒性櫛形ポリマーであり、該側鎖はそれらの両親媒性特性に関して互いにおよび/または主鎖と区別される。
【0037】
成分II3は、少なくとも1つの水溶性部分および少なくとも1つの疎水性部分を含有し、水溶性Aブロックと疎水性Bブロックを有する、ABジブロックコポリマーまたはABAもしくはBABトリグロックコポリマーである。
【0038】
他の実施態様では、本発明の混合物は80〜99重量%、特に85〜95重量%の成分Iと、
1〜20重量%、特に5〜15重量%の成分IIとを含む。
【0039】
本発明はまた、本発明の混合物を水溶液および油相で希釈することにより得られ得
るエマルジョンに関する。これにより、本発明の混合物により安定化された親水相と
疎水相とのエマルジョンが形成される。
【0040】
1つの実施態様では、前記エマルジョンはマ集合イクロエマルジョンである、特に
両連続マイクロエマルジョンであるという特徴を有する。両連続マイクロエマルジョ
ンは、2つの相、親水相と疎水相を含み、広がって共存し、絡み合うドメインであっ
て、その接触面で安定化界面活性剤が一分子層で濃縮しているドメイン集合の形態に
なっている(非特許文献11参照)。個々の成分、水、油、および適用な界面活性シ
ステムが混合されると非常に低い界面張力のためにマイクロエマルジョンはとても簡
単に、また自然に形成する。前記のドメイン集合は少なくとも1つの側面で数ナノメ
ーターのオーダーであって非常にサイズが小さいので、マイクロエマルジョンは、し
ばしば視覚的に透明に見え、また、熱力学的に安定、すなわち、時間制限なく、使用
される界面活性システムによる特定の温度範囲で、熱力学的に安定である。マイクロ
エマルジョンの界面活性剤の量が少なければ、マイクロエマルジョンは不透明であっ
てもよい。
【0041】
他の実施態様では、本発明のマイクロエマルジョンは、それぞれ、水滴が油に囲ま
れているか、または油滴が水に囲まれているw/oまたはo/wマイクロエマルジョン滴で
あればよい。
【0042】
油相と水相の適当な質量比は応用分野に強く依存し、日常的な実験によって当業者
が最適化すればよい。したがって、例えば、0.01の比が植物保護の分野において
、0.7の比が家庭用洗浄剤の分野において満足な結果を与えるかもしれない。
【0043】
本発明のマイクロエマルジョンの他の実施態様では、油相と水相の質量比は0.5
〜1.6である。このような比は工業用洗浄剤に適している。
【0044】
本発明の洗浄剤の他の実施態様では、マイクロエマルジョンの油相と水相の質量比
は1.0〜1.4である。
【0045】
1つの実施態様ではマイクロエマルジョンの油相は鉱油、特に石油スピリットのよ
うな脂肪族のナフテン炭化水素、を含む。これは、また、11-14炭素原子の脱芳香化石
油ブレンド、9-12炭素原子の脱芳香化揮発油, 9-10炭素原子の特定の脱芳香化分画、
並びに極性溶媒、例えば炭酸(例えば4-メチル-1,3-ジオキソラン-2-オン)の誘導体、
乳酸エチル、乳酸n-プロピル、および乳酸2−エチルヘキシルのような乳酸の誘導体
、およびグルタル酸、アジピン酸あるいはコハク酸のジメチル・エステルまたはジイ
ソブチル・エステルのようなジカルボン酸の誘導体、並びにジエチレン・グリコール
モノブチル・エーテルあるいはジプロピレングリコール・ジメチルエーテルのような
エチレングリコールとプロピレングリコールのユニットに基づいたグリコールエーテ
ルを含む。エマルジョンの油相はさらにトリグリセリドおよび脂肪酸メチルエステル
(例えば、菜種油メチルエステルまたはココナツエステル)のような植物油のエステ
ル化およびエステル交換製品を含んでいてもよい。これらの物質はまた、界面活性の
機能を示してもよい。
【0046】
特に、例えば植物または重炭化水素油、特に脂肪族炭化水素に由来するトリグリセ
リドが使用される場合、ほとんど匂いのないエマルジョンを調製することができる。
【0047】
他の実施態様では、本発明のマイクロエマルジョンはラメラ相を有しない。
【0048】
1つの実施態様では、本発明のエマルジョンは、該エマルジョンの活性な界面活性
剤の総量に基づき80〜99重量%、特に85〜95重量%の成分Iを含む。成分Iはさらに2つ
の成分:本発明の混合物の成分I1および成分I2を含む。さらに、前記エマルジョンは
、該エマルジョンの活性な界面活性剤の総量に基づき1〜20重量%、特に5〜15重量%
の、本発明の混合物の高分子添加剤である、成分IIを含む。
【0049】
1つの実施態様では、本発明のエマルジョンの総量に基づく本発明の混合物の量は
1〜20%、特に3〜15%、特別には3〜10%である。
【0050】
さらなる実施態様では、前記エマルジョンはさらに界面活性剤を含む。
【0051】
1つの実施態様では、前記の両親媒性櫛形ポリマー(成分II2)は櫛形ポリマーの骨
格が疎水性で櫛形ポリマーの側鎖が親水性であるという特徴を有する。
【0052】
別の実施態様では、前記の両親媒性櫛形ポリマーは繰り返し部分[A]n、[A’]m
および[X]iを有し、部分[A]n、[A’]mは骨格を形成し、部分 [A’]mは側鎖を形成
する部分[X]iを結合するためのアンカー機能を有し、ここで変数n、m、iはモル比
であり、
n+m+i=1;
n≧m;および
1>mである。
【0053】
本発明の1つの実施態様では、成分I2は、炭化水素残基、特に1〜2アルキル残基、
好ましくは1〜1.5アルキル残基であって、それぞれ8〜20個の炭素原子を有するもの、
および、1より多いが最高で5個のOH基を有する親水性残基を含む。
【0054】
本発明の1つの実施態様では、成分I1のアルキルポリグルコシドが、1〜1.5個のグルコシド部分および1個の炭化水素残基、特に8〜14個の炭素原子を有するアルキル残基を有する。
【0055】
本発明の別の実施態様では、成分I2の炭化水素残基、特にアルキル残基は、エーテルまたはエステル基によって親水性残基と結合することを特徴とする。
【0056】
別の実施態様では、成分I2の炭化水素残基、特にアルキル残基が、炭素結合によって親水性残基と結合する。
【0057】
1つの実施態様では、成分I2のOH基はエトキシ化されている。しかし、OH基につき、5以下、好ましくは2以下のエチレンオキシド部位がある。
【0058】
別の実施態様では、成分I2が炭化水素残基、特に、10〜18個の炭素原子、好ましくは10〜14個の炭素原子を有するアルキル残基を含む。
【0059】
さらに別の実施態様では、成分I2の親水性残基が1.5〜3個のOH基を含む。
【0060】
追加の実施態様では、成分I2の親水性残基がエトキシ化されていない。
【0061】
1つの実施態様では、成分I2がソルビタンラウリン酸モノエステルまたはソルビタンパルミチン酸モノエステルのようなソルビタンエステル、ポリソルベート61(POE(4)- モノステアリン酸ソルビタン)のようなポリソルベート、グリセロールモノエステル、グリセロールモノエステルとグリセロールジエステルとの混合物、ペンタエリスリトールのモノエステルまたはジエステル、ペンタエリスリトールのモノエーテルまたはジエーテル、1,2-デカンジオールまたは1,2-ドデカンジオールである。
【0062】
別の実施態様では、該成分II1の少なくとも1つの疎水性部分が、水溶性部分の少なくとも1つの鎖末端に設けられる。
【0063】
追加の実施態様では、前記の成分II1の少なくとも1つの疎水性部分は水溶性部分の
非末端置換基である。
【0064】
特別の実施態様では、前記の成分II1の少なくとも1つの疎水性部分は、少なくとも1つより多い水溶性部分が存在する場合、少なくとも2つの水溶性部分の間に設けられる。
【0065】
1つの実施態様では、請求項1に記載の成分II3のジブロックコポリマーまたはトリブロックコポリマーの水溶性Aブロックおよび疎水性Bブロックの数平均分子量が、500〜100,000 g/molの間、特に2000〜20,000 g/molの間、および特に3000〜10,000 g/molの間である。
【0066】
1つの実施態様では、成分II1のそれぞれの疎水性部分の数平均分子量が、80〜1000 g/molの間、特に110〜500 g/molの間、特別には110〜280 g/molの間である。
【0067】
追加の実施態様では、成分II1のそれぞれの水溶性部分の数平均分子量が、少なくとも500 g/molである;前記数平均分子量の上限は応用分野に依存する。典型的には、前記数平均分子量は500〜50,000 g/molの間、特に900〜20,000 g/molの間、特別には2000〜20,000 g/molの間または3000〜10,000 g/molの間である。
【0068】
別の実施態様では、成分IIの全ての水溶性部分の数平均分子量は成分Iの親水性部分の数平均分子量より少なくとも5倍高い。
【0069】
さらに別の実施態様では、成分IIの全ての水溶性部分の数平均分子量は成分Iの親水性部分の数平均分子量より少なくとも10倍高い。
【0070】
1つの実施態様では、成分IIの水溶性部分は下記分子の少なくとも1つを含む:ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体、ポリアクロレイン、ポリビニルアルコールおよびその水溶性誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸無水物、ポリギ酸、ポリアクリル酸、ポリスチレンスルホン酸およびその水溶性塩。
【0071】
追加の実施態様では、成分II1の水溶性部分が線状ポリマーである。
【0072】
本発明の1つの実施態様では、成分IIの水溶性部分が事実上イオン性でないことを特徴とする。
【0073】
本発明の1つの実施態様では、成分IIの水溶性部分が事実上イオン性であればよい。
【0074】
追加の実施態様では、成分IIの水溶性部分は少なくとも2つの電荷を有する。
【0075】
別の実施態様では、成分IIの水溶性部分がイオン性および非イオン性成分で構成される。
【0076】
1つの実施態様では、成分II1の疎水性部分が炭化水素残基、特にアルキル残基である。
【0077】
別の実施態様では、前記炭化水素残基、特にアルキル残基が、6〜50個の炭素原子、好ましくは8〜20個の炭素原子を含有する。
【0078】
本発明の1つの実施態様では、成分IIの疎水性部分は不飽和である。
【0079】
追加の実施態様では、成分II1が、8〜20個の炭素原子および25〜500個のエチレンオキシド部分を有する一価アルコールよりなるアルコールエトキシレートである。
【0080】
本発明の混合物の1つの実施態様では、成分I1のアルキルポリグルコシドは1〜1.5個のグルコシド部分および1個の炭化水素残基、特に8〜14個の炭素原子を有するアルキル残基を有するか、または、1〜2個のグルコシド部分および1個の炭化水素残基、特に8〜14個の炭素原子を有するアルキル残基を有し;成分I2が、炭化水素、特に1〜2アルキル残基、好ましくは1〜1.5アルキル残基であって、それぞれ8〜20個の炭素原子を有するもの、および、1より多いが最高で5個のOH基を有する親水性残基を含む。
【0081】
本発明の混合物の追加の実施態様では、成分I1のアルキルポリグルコシドは1〜1.5個のグルコシド部分および1個の炭化水素残基、特に8〜14個の炭素原子を有するアルキル残基を有するか、または、1〜2個のグルコシド部分および1個の炭化水素残基、特に8〜14個の炭素原子を有するアルキル残基を有し;成分I2がソルビタンエステル、ポリソルベート、グリセロールモノエステル、グリセロールモノエステルとグリセロールジエステルとの混合物、ペンタエリスリトールのモノエステルまたはジエステル、ペンタエリスリトールのモノエーテルまたはジエーテル、1,2-デカンジオールまたは1,2-ドデカンジオールである。
【0082】
本発明の混合物の別の実施態様では、成分I1のアルキルポリグルコシドは1〜1.5個のグルコシド部分および1個の炭化水素残基、特に8〜14個の炭素原子を有するアルキル残基を有するか、または、1〜2個のグルコシド部分および1個の炭化水素残基、特に8〜14個の炭素原子を有するアルキル残基を有し;成分I2が、炭化水素残基、特に1〜2アルキル残基、好ましくは1〜1.5アルキル残基であって、それぞれ8〜20個の炭素原子を有するもの、および、1より多いが最高で5個のOH基を有する親水性残基を含み;前記の成分II1の少なくとも1つの疎水性部分が、水溶性部分の少なくとも1つの鎖末端に設けられる。
【0083】
本発明の混合物のさらに別の実施態様では、成分I1のアルキルポリグルコシドは1〜1.5個のグルコシド部分および1個の炭化水素残基、特に8〜14個の炭素原子を有するアルキル残基を有するか、または、1〜2個のグルコシド部分および1個の炭化水素残基、特に8〜14個の炭素原子を有するアルキル残基を有し;成分I2が、炭化水素、特に1〜2アルキル残基、好ましくは1〜1.5アルキル残基であって、それぞれ8〜20個の炭素原子を有するもの、および、1より多いが最高で5個のOH基を有する親水性残基を含み;さらに、成分II1のそれぞれの疎水性部分の数平均分子量が、80〜1000 g/molの間、特に110〜500 g/molの間、特別には110〜280 g/molの間であるか、または、成分II1の疎水性部分が6〜50個の炭素原子、好ましくは8〜20個の炭素原子を含有する、炭化水素残基、特にアルキル残基であるか、または成分IIが、8〜20個の炭素原子および25〜500個のエチレンオキシド部分を有する一価アルコールよりなるアルコールエトキシレートである。
【0084】
本発明の混合物のさらに別の実施態様では、成分I1は、6〜8個の炭素原子を有するアルキルポリグルコシド(例えば、ヘキシルーおよびオクチルグルコシド)およびヒドロトピックな効果を示すスルホネート(クメンスルホン酸ナトリウムのようなジ−、ポリ−、アルキルアリルスルホネート)を含む。本発明の混合物の追加の実施態様は、いわゆる「ビルダー」(例えば、リン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、ポリリン酸塩、ホスホン酸、グルコン酸ナトリウム、ホウ酸塩、ポリカルボン酸塩、EDTAなど)を含んでいてもよい。
【0085】
ビルダーはエマルジョン中でアルカリ土類金属と結合して、それを安定化する錯化剤である。
【0086】
本発明の混合物の別の実施態様は、いわゆる「ブースター」を、洗浄効果を増強する発泡剤、および/または湿潤剤として含んでいてもよい(例えば、アルキルポリグルコシド、ホスホン酸、ジエチレングリコールモノブチルエーテルのようなエチレングリコールとプロピレングリコールの部分に基づいたグリコールエーテル、およびAOT(1,4-ビス(2-エチルヘキシル) スルホコハク酸のナトリウム塩))。
【0087】
湿潤剤は、洗浄効果の増強およびマイクロエマルジョンの安定化に貢献できる界面活性剤であって、発泡剤ではない。
【0088】
本発明の混合物および本発明のエマルジョンのいずれも洗浄剤での使用に用いるこ
とができる。1つの実施態様では、前記洗浄剤はマイクロエマルジョンまたは両連続
マイクロエマルジョンを含む。
【0089】
本発明の洗浄剤のさらに別の実施態様では全界面活性剤濃度が15%未満、特に12%
、または9%、または7%未満である。応用分野によっては、この非常に低い界面活性
剤濃度(界面活性剤の濃度)のおかげで、界面活性剤濃度に関し、ラベル付けの義務
の対象とならない製品の製造が可能である。
【0090】
本発明の洗浄剤は、有機溶媒の代替品として、特に好適である。これにより、使用される有機溶媒の量は、芳香族溶媒を使用せずに済むまで減じられ、このことは、作業現場の保護および環境保護の観点から有利である。加えて、本発明の洗浄剤および該洗浄剤に含まれる本発明のマイクロエマルジョンの両者は、該洗浄剤に含まれる有機相と比較して、引火点が高い。
【0091】
さらに、工業および商業分野において、本発明の洗浄剤は、塗料、特に部分的に乾燥したかまたは乾燥した塗料、ラッカーおよびタール化合物および接着剤の除去のため、汎用洗浄剤および家庭での中性洗剤として使用することが可能である。
【0092】
また、本発明の洗浄剤の使用は、水性および有機性基材の塗料およびラッカーの除去、特にペンキ用はけの洗浄に推奨される。
【0093】
さらに、本発明の洗浄剤は、金属および/またはプラスチック表面の、塗料、ラッカー、油および/または塩様残留物の除去に使用し得る。
【0094】
このような使用は、傷つきやすい表面、特に、アルミニウム面等の、有機溶媒または酸性もしくはアルカリ性洗浄剤の侵襲を受けやすいものに推奨される。従って、本発明の洗浄剤は、例えば、多くの応用分野において、有機洗浄剤を代替し得る。
【0095】
本発明の洗浄剤は、印刷業において、特に印刷機および印刷フォーム上の印刷インクおよび紙屑の蓄積の除去のために、有利に使用し得る。例えば、水性または油性印刷インク、および放射線硬化性印刷インクの除去に好適である。さらに、該洗浄剤は、例えば印刷工程が中断したときの、印刷シリンダー、印刷ロールおよび印刷機表面の洗浄、好ましくは慣用の印刷のための印刷機および印刷フォームの洗浄、および、非衝撃印刷法に適用されるであろう。該洗浄剤を使用し得る、印刷フォームを有する慣用の印刷法としては、平板印刷、グラビア印刷、活版印刷、フレキソ印刷およびスクリーン印刷が挙げられ;オフセット印刷および水なしオフセット印刷が特に挙げられる。印刷フォームを用いない非衝撃印刷法としては、電子写真、イオノグラフィー、マグネトグラフィー、インクジェット印刷およびサーモグラフィーが挙げられる。
【0096】
言及した洗浄目的のため、特にオフセット印刷において、通常の製造操作において、定期的に洗浄作業を行うことが必要である。この洗浄作業は、手作業の洗浄または自動洗浄システムを用いて実施される。使用される洗浄剤としては、有機溶媒が挙げられる。製造の長期中断(例えば、週末時)の前に、機械のインクベアリング部分を溶媒で洗浄する。加えて、印刷フォーム、特に平板印刷フォームは、印刷工程を中断した際に、残ったインクを慎重に取り除かなければならない。ラバーブランケット洗浄システムに加えて、近代的印刷プラントは、一部分において、インクユニット洗浄手段も備える。あるいは、布巾を用いて手作業で洗浄する。維持管理および修理の範囲内で、印刷プラントの減衰システムも、定期的に空にして洗浄する。
【0097】
手作業での洗浄において、洗浄剤は布巾を用いてラバーブランケットに塗布する。インクロールには、スプレーボトルを用いて塗布を行うことができる。洗浄剤に含まれる本発明の混合物は、一部インクを溶解した後、ラバーブランケットまたはインクロールから除去され得る。ラバーブランケットシリンダーの手作業での洗浄においては、ラバーブランケットの表面に、布巾を用いて洗浄剤の塗布を行うことができる。わずかな加圧下、洗浄剤を含むフィルム、および一部溶解したインク残留物および紙成分を、例えば、布巾を用いて洗い落とす。インクロールの孔隙の、着色顔料、紙コーティング、炭酸カルシウムおよび他の鉱物の残留物によって、しばしば問題が起こる。その問題により、インクロールおよび印刷版が「分かりにくく(blind)」なる。慣用の界面活性剤混合物では、このような残留物を除去することはできない。
【0098】
オフセット印刷において、操作状態および必要条件によって順序が変わる際に、インクユニット、印刷版、ラバーシリンダー上のラバーブランケットおよび圧胴を洗浄し得る。インクユニットおよびシリンダー表面の洗浄のため、技術的設計の種類が異なる自動洗浄システムが利用可能である。ブラシ洗浄手段においては、ブラシロールを用いて洗浄が行われる。このようなブラシロールを通って、供給された洗浄用液体が洗浄される表面(ラバーシリンダー、圧胴およびインクユニット)に運ばれる。ブランケット洗浄手段のブランケットには、例えば、ノズルストリップにより、精細な投与法で洗浄用液体が供給される。洗浄ブランケットは、洗浄される表面(ラバーシリンダー、圧胴およびインクユニット)に押し付けられる。
【0099】
ロールオフセット操作の校正刷りおよび最終印刷の間の状態に関しては、水性洗浄剤を使用することにより、紙印刷基材へ水分が浸透して、送り込まれた巻き取り紙との接触に際して、巻き取り紙が破れ得る。特に、自動洗浄システムを使用した際に、このことが観察され得る。
【0100】
その水性画分によって、本発明の洗浄剤は、前段落に示したような巻き取り紙が破けるという問題を起こさずに、紙屑が洗浄の間に除去されるという利点を有する。
【0101】
印刷の問題が起きる際、および一定の製品品質を保証するため、インク送達ラバーブランケットで、中間洗浄工程を実施する。この目的のため、自動洗浄システムを使用する。ドイツでは約80%のヒートセット機が自動(ラバーブランケット)洗浄システムを備えている。適用のタイプによって、55%がブランケットシートで、30〜35%がブラシシステムで、および10〜15%がスプレーシステムで作動する。あるいは、洗浄は手作業で行われる。現在、ヒートセット印刷で使用される洗浄剤の約90%は、揮発性有機化合物(蒸気圧 > 0.01kPa/20℃)であり、残りの10%は、鉱物油または植物油またはそれらの混合物系の高沸点洗浄剤である。
【0102】
本発明のエマルジョンは、さらに、食品、医薬品または化学産業において使用し得る。
【0103】
本発明は、さらに、本発明のエマルジョンを含有する化粧品に関する。
【0104】
加えて、本発明のエマルジョンは、食品、農薬、特に除草剤、または医薬品の製造に好適である。
【0105】
最後に、この発明は、成分I1、I2およびIIを混合する、本発明のエマルジョンの製造方法に関する。マイクロエマルジョン混合物の成分は、どのような順序で混合してもよい。好ましくは、易水溶性成分を予め水に溶解し、易油溶性成分を予め油に溶解する。激しい撹拌および任意の加熱は、混合工程を加速する。
【0106】
本発明を、以下の実施例によってさらに説明する。
【実施例】
【0107】
使用する飲用水は、以下の特性を特徴とする:pH = 8.0;ナトリウム 14mg/ml;カリウム2.7mg/ml;カルシウム 60mg/ml;マグネシウム14mg/ml;硝酸塩 34.9 mg/ml;塩化物 46.1mg/ml。
【0108】
ケトルル(Ketrul)D85(トータル(Total))は、引火点が82℃の脂肪族炭化水素混合物である。
ハイドロシール(Hydroseal)G232Hは、引火点が103℃の脂肪族炭化水素混合物である。
【0109】
スパン(Span)20(ウニケマ(Uniqema)):ソルビタンラウリン酸モノエステル、活性物質含量100%。
インウィター(Imwitor)928(サソール(Sasol)):グリセリル・モノ-、ジ-またはトリココエート、活性物質含量100%。
【0110】
ハイドロパラート(Hydropalat)225(コグニス(Cognis)):C8/10のアルキル鎖長を有するアルキルポリグルコシド、活性物質含量70%。
ハイドロパラート(Hydropalat)600(コグニス(Cognis)):C12/14のアルキル鎖長を有するアルキルポリグルコシド、活性物質含量51.5%。
【0111】
AG 6210(アクゾノーベル(Akzo Nobel)):C8/10のアルキル鎖長を有するアルキルポリグルコシド、活性物質含量60%。
1,2-デカンジオール(アルドリッチ(Aldrich)):活性物質含量98%。
【0112】
ブリッジ(Brij)700(ユニケマ(Uniqema)):PEG-100ステアリルエーテル、活性物質含量100%。
C12E190およびC12E480は、それぞれ重合した190または480のエチレンオキサイドを有するn-ドデカノールよりなるアルコールエトキシドである。
【0113】
グルコン酸ナトリウム(ポール・ローマン(Paul Lohmann)博士):グルコン酸ナトリウム、活性物質含量100%。
DME(クラリアント(Clariant))、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、活性物質含量100%。
ズソラト(Zusolat)1004(ツィマー・ウント・シュヴァルツ(Zschimmer & Schwarz)):5EOを有する脂肪アルコールエトキシレート、活性物質含量85%。
【0114】
マイクロエマルジョンの温度安定性は、サーモスタットで制御した水浴中、透過の目視検査によって測定した。従って、混合物は、直径約5〜15 mmの円筒形の密閉ガラス容器中で試験し、マイクロエマルジョンが高濁度を呈した場合は、層厚さ1 mmのキュベットを使用した。マイクロエマルジョンの一相領域の温度相境界が、安定性ウインドウ(stability window)が超過されるかまたは不十分である場合に、劇的に増加する濁度から認識できた。ラメラ相は、交差偏光子を用いて測定した。実施例で述べる安定性領域には、ラメラ相を含まない、基本的に一相のマイクロエマルジョンが存在する。
【0115】
総界面活性剤含量は、界面活性剤成分および重合添加剤中の活性物質の割合に関係する。全てのパーセントは、成分の重量に関する。
【0116】
例1
飲用水: 39.81%
トリポリリン酸ナトリウム: 1.23%
ケトルル(Ketrul) D85: 47.52%
ブチルジグリコール: 1.90%
スパン(Span) 20: 5.63%
ハイドロパラート(Hydropalat) 225: 3.05%
ブリッジ(Brij) 700: 0.86%
マイクロエマルジョンの安定性領域は、11〜28℃の間であり、総界面活性剤含量:8.6%。
【0117】
例2
飲用水: 46.45%
ハイドロシール(Hydroseal) G232H: 42.38%
スパン(Span) 20: 4.88%
AG 6210: 5.39
ブリッジ(Brij) 700: 0.90%
マイクロエマルジョンの安定性領域は、0〜52℃の間であり、総界面活性剤含量:9.0%。
【0118】
例3
飲用水: 37.60%
ケトルル(Ketrul) D85: 49.98%
インウィター(Imwitor) 928: 5.41%
AG 6210: 6.01%
ブリッジ(Brij) 700: 1.00%
マイクロエマルジョンの安定性領域は、43〜71℃の間であり、総界面活性剤含量:10.0%。
【0119】
例4
飲用水: 38.99%
ケトルル(Ketrul) D85: 51.07%
インウィター(Imwitor) 928: 4.33%
AG 6210: 4.81%
ブリッジ(Brij) 700: 0.80%
マイクロエマルジョンの安定性領域は、44〜72℃の間であり、総界面活性剤含量:8.0%。
【0120】
例5
飲用水: 43.84%
ケトルル(Ketrul) D85: 48.41%
インウィター(Imwitor) 928: 3.22%
AG 6210: 3.94%
C12E190: 0.59%
マイクロエマルジョンの安定性領域は、15〜75℃の間であり、総界面活性剤含量:6.2%。
【0121】
例6
飲用水: 43.73%
ケトルル(Ketrul) D85: 48.47%
インウィター(Imwitor) 928: 3.24%
AG 6210: 3.97%
C12E480: 0.59%
マイクロエマルジョンの安定性領域は、11〜70℃の間であり、総界面活性剤含量:6.2%。
【0122】
例7
飲用水: 39.71%
トリポリリン酸ナトリウム: 1.26%
ケトルル(Ketrul) D85: 48.85%
ブチルジグリコール: 1.94%
スパン(Span) 20: 2.93%
ハイドロパラート(Hydropalat) 600: 4.73%
ブリッジ(Brij) 700: 0.58%
マイクロエマルジョンの安定性領域は、13〜42℃の間であり、総界面活性剤含量:5.9%。
【0123】
例8
飲用水: 36.06%
トリポリリン酸ナトリウム: 1.21%
ケトルル(Ketrul) D85: 46.59%
ブチルジグリコール: 1.86%
スパン(Span) 20: 4.25%
ハイドロパラート(Hydropalat) 600: 9.04%
ブリッジ(Brij) 700: 0.99%
マイクロエマルジョンの安定性領域は、0〜26℃の間であり、総界面活性剤含量:9.9%。
【0124】
例9
飲用水: 49.89%
ケトルル(Ketrul) D85: 37.98%
1,2-デカンジオール: 3.43%
AG 6210: 7.80%
ブリッジ(Brij) 700: 0.90%
マイクロエマルジョンの安定性領域は、13〜33℃の間であり、総界面活性剤含量:9.0%。
【0125】
例10
実施例1および7で得られたマイクロエマルジョンについて、引火点を測定した。測定した引火点は、90℃および92℃であった。
ケトルル(Ketrul) D85の引火点は82℃である。
【0126】
例11
飲用水: 31.60%
グルコン酸ナトリウム: 2.30%
ジプロピレングリコールジメチルエーテル: 8.60%
ケトルル(Ketrul) D85: 41.70%
スパン(Span) 20: 7.00%
AG6210: 6.70%
ズソラト(Zusolat) 1004: 1.40%
ブリッジ(Brij) 700: 0.70%
マイクロエマルジョンの安定性領域は、5〜40℃の間であり、総界面活性剤含量は12.9%である。
【0127】
比較例の範囲内では、市販の油性オフセット印刷インク(フーバー(Huber))を用いる輪転オフセット印刷機のラバーブランケットを、一方で有機溶媒系(主に脂肪族炭化水素、白色ガソリン)の洗浄剤で、もう一方で本発明のマイクロエマルジョンで洗浄した。洗浄性能、即ち、印刷インク、および紙屑の蓄積、即ち紙繊維からの固体在留物の除去は、実質的に同等であった。洗浄後、有機溶媒を洗浄剤として使用した場合と比較して、ロールはより清浄で乾燥していたが、その結果、起動廃棄物が減少した。マイクロエマルジョンを使用した場合、ラバーブランケットの手作業での洗浄における作業費用はより少なかった。
【0128】
例12
飲用水: 31.60%
グルコン酸ナトリウム: 2.30%
ジプロピレングリコールジメチルエーテル: 8.60%
ケトルル(Ketrul) D85: 41.70%
スパン(Span) 20: 7.00%
AG6210: 6.70%
ズソラト(Zusolat) 1004: 1.40%
ブリッジ(Brij) 700: 0.70%
マイクロエマルジョンの安定性領域は、5〜40℃の間であり、総界面活性剤含量は12.9%である。
【0129】
比較例の範囲内では、アクリル酸系塗料(クラシック(Classic)社の白色塗料)とアルキル化レジン系塗料(クラシック社のカラー塗料)で汚れた市販のペンキ用はけを、一方で洗浄スピリッツ(クラシック社のペンキ用はけクリーナー)で、もう一方でマイクロエマルジョンで、洗浄した。どちらの場合も、洗浄性能、即ち、ペンキ用はけの剛毛からの塗料残留物の除去は、実質的に同等であった。特に、マイクロエマルジョンの残留物は、水で簡単にすすぐことにより容易に除去することができた。触覚特性およびその後新たに湿らせる際には、差は見られなかった。
【0130】
引用文献:
[1] カールヴァイト(Kahlweit), ストレイ(Strey), アンゲウ(Angew). Chem. Int. Ed. Engl. 24巻, 654頁 (1985年).
[2] ゾットマン(Sottmann), ストレイ(Strey), J. Chem. Phys. 106巻, 8606頁 (1997年).
[3] ストゥベンラウヒ(Stubenrauch), コロイドおよび界面科学における最新の見解(Current Opinion in Colloid & Interfacial Science) 6巻, 160頁 (2001年).
[4] ゾットマン(Sottmann)ら, Langmuir 18巻, 3058頁 (2002年).
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[6] ビンクス(Binks)ら, Langmuir 13巻, 7030頁 (1997年).
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[8] カールヴァイト(Kahlweit), ストレイ(Strey), アンゲウ(Angew). Chem. Int. Ed. Engl. 24巻, 654頁 (1985年).
[9] ゾットマン(Sottmann), ストレイ(Strey), J. Chem. Phys. 106巻, 8606頁 (1997年).
[10] グリフィン(Griffin), W. C., HLBによる界面活性剤の分類(Classification of surface active agents by HLB), J. Soc. Cosmet. Chem. 1, 1949年.
[11] 先端材料(Advanced Materials), 2000年, 12, 23号, 1751 ff.

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成分I、および成分IIとしての高分子添加剤を含む混合物であって、
1.1 成分Iは、
1.1.1 1〜2個のグルコシド部分および1つの炭化水素部分、特に6〜16個の炭素原子のアルキル残基を含有するアルキルポリグルコシドである、第一の界面活性剤成分I1を80〜20重量%;および
1.1.2 アルキルポリグルコシド以外のアルコール基を含有する第二の界面活性剤である界面活性剤成分I2を20〜80重量%を含み、重量比率は成分Iのみに基づき;
1.2
1.2.1 前記高分子添加剤は、成分II1として、少なくとも1つの水溶性部分および少なくとも1つの疎水性部分を含有し、全ての疎水性部分の数平均分子量に対する全ての水溶性部分の数平均分子量の割合が、2:1〜1000:1、特に5:1〜200:1、特別には10:1〜50:1であり、前記の少なくとも1つの疎水性部分は、数平均分子量が最大1000 g/molであるか;または
1.2.2 前記高分子添加剤は、成分II2として、少なくとも1つの水溶性部分および少なくとも1つの疎水性部分を含有し、および2以上の側鎖が結合した主鎖を含む両親媒性櫛形ポリマーであり、該側鎖はそれらの両親媒性特性に関して互いにおよび/または主鎖と区別されるか;または
1.2.3 前記高分子添加剤は、成分II3として、少なくとも1つの水溶性部分および少なくとも1つの疎水性部分を含有し、成分II3は、水溶性Aブロックと疎水性Bブロックを有する、ABのジブロックコポリマーまたはABAもしくはBABのトリグロックコポリマーである、
混合物。
【請求項2】
請求項1に記載の混合物を、水溶液および油相で希釈することにより得られ得るエマルジョン。
【請求項3】
請求項2に記載のエマルジョンであって、
3.1 エマルジョンの総活性界面活性剤含量に対して、80〜99重量%、特に85〜95重量%の成分Iであって、
3.1.1 請求項1に記載の成分I1
3.1.2 請求項1に記載の成分I2
を含む成分、および
3.2 エマルジョンの総活性界面活性剤含量に対して、1〜20重量%、特に5〜15重量%の成分IIとしての高分子添加剤、および
3.3 任意にさらなる界面活性剤
を含む、エマルジョン。
【請求項4】
請求項2および3に記載のエマルジョンであって、成分I2が、炭化水素、特に1〜2アルキル残基、好ましくは1〜1.5アルキル残基であって、それぞれ8〜20個の炭素原子を有するもの、および、1より多いが最高で5個のOH基を有する親水性残基を含む、エマルジョン。
【請求項5】
請求項2〜4のうちの少なくとも一項に記載のエマルジョンであって、成分I1のアルキルポリグルコシドが、1〜1.5個のグルコシド部分および1個の炭化水素残基、特に8〜14個の炭素原子を有するアルキル残基を有するか、または、1〜2個のグルコシド部分および1個の炭化水素残基、特に8〜14個の炭素原子を有するアルキル残基を有する、エマルジョン。
【請求項6】
請求項4に記載のエマルジョンであって、成分I2の炭化水素残基、特にアルキル残基が、エーテルまたはエステル基によって親水性残基と結合する、エマルジョン。
【請求項7】
請求項4および6のうちの少なくとも一項に記載のエマルジョンであって、成分I2の炭化水素残基、特にアルキル残基が、炭素結合によって親水性残基と結合する、エマルジョン。
【請求項8】
請求項4〜7のうちの少なくとも一項に記載のエマルジョンであって、成分I2が炭化水素残基、特に、10〜18個の炭素原子、好ましくは10〜14個の炭素原子を有するアルキル残基を含む、エマルジョン。
【請求項9】
請求項4〜8のうちの少なくとも一項に記載のエマルジョンであって、成分I2の親水性残基が1.5〜3個のOH基を含む、エマルジョン。
【請求項10】
請求項4〜9のうちの少なくとも一項に記載のエマルジョンであって、成分I2の親水性残基がエトキシ化されていない、エマルジョン。
【請求項11】
請求項3に記載のエマルジョンであって、成分I2がソルビタンエステル、ポリソルベート、グリセロールモノエステル、グリセロールモノエステルとグリセロールジエステルとの混合物、ペンタエリスリトールのモノエステルまたはジエステル、ペンタエリスリトールのモノエーテルまたはジエーテル、1,2-デカンジオールまたは1,2-ドデカンジオールである、エマルジョン。
【請求項12】
請求項3〜11のうちの少なくとも一項に記載のエマルジョンであって、該成分II1の少なくとも1つの疎水性部分が、水溶性部分の少なくとも1つの鎖末端に設けられる、エマルジョン。
【請求項13】
請求項3〜12のうちの少なくとも一項に記載のエマルジョンであって、請求項1に記載の成分II3のジブロックコポリマーまたはトリブロックコポリマーの水溶性Aブロックおよび疎水性Bブロックの数平均分子量が、500〜100,000 g/molの間、特に2000〜20,000 g/molの間、および特に3000〜10,000 g/molの間である、エマルジョン。
【請求項14】
請求項3〜13のうちの少なくとも一項に記載のエマルジョンであって、成分II1のそれぞれの疎水性部分の数平均分子量が、80〜1000 g/molの間、特に110〜500 g/molの間、特別には110〜280 g/molの間である、エマルジョン。
【請求項15】
請求項3〜14のうちの少なくとも一項に記載のエマルジョンであって、成分II1のそれぞれの水溶性部分の数平均分子量が、少なくとも500 g/molである、エマルジョン。
【請求項16】
請求項3〜15のうちの少なくとも一項に記載のエマルジョンであって、成分II1の水溶性部分が線状ポリマーである、エマルジョン。
【請求項17】
請求項3〜16のうちの少なくとも一項に記載のエマルジョンであって、成分IIの水溶性部分が事実上イオン性でない、エマルジョン。
【請求項18】
請求項3〜17のうちの少なくとも一項に記載のエマルジョンであって、成分IIの水溶性部分が事実上イオン性である、エマルジョン。
【請求項19】
請求項3〜18のうちの少なくとも一項に記載のエマルジョンであって、成分IIの水溶性部分がイオン性および非イオン性成分で構成される、エマルジョン。
【請求項20】
請求項3〜19のうちの少なくとも一項に記載のエマルジョンであって、成分II1の疎水性部分が炭化水素残基、特にアルキル残基である、エマルジョン。
【請求項21】
請求項20に記載のエマルジョンであって、炭化水素残基、特にアルキル残基が、6〜50個の炭素原子、好ましくは8〜20個の炭素原子を含有する、エマルジョン。
【請求項22】
請求項3〜21のうちの少なくとも一項に記載のエマルジョンであって、成分II1が、8〜20個の炭素原子および25〜500個のエチレンオキシド部分を有する一価アルコールよりなるアルコールエトキシレートである、エマルジョン。
【請求項23】
請求項2〜22のうちの少なくとも一項に記載のエマルジョンであって、マイクロエマルジョン、特に両連続マイクロエマルジョンであることを特徴とする、エマルジョン。
【請求項24】
請求項2〜23のうちの少なくとも一項に記載のエマルジョンを含む、洗浄剤。
【請求項25】
全界面活性剤濃度が15%未満、特に12%、または9%、または7%未満である、請求項24に記載の洗浄剤。
【請求項26】
印刷業において、特にオフセット印刷において、特に印刷機および印刷フォーム上の印刷インクおよび紙屑の蓄積の除去のため、印刷シリンダー、印刷ロールおよび印刷機の表面の洗浄のため、好ましくは印刷工程が中断したときの、慣用の印刷用の印刷機および印刷フォームの洗浄のための、請求項24または25に記載の洗浄剤の使用。
【請求項27】
工業および商業分野において、汎用洗浄剤および家庭での中性洗剤として、塗料、ラッカー、紙屑の蓄積、塩様、油性およびタール化合物および接着剤を洗浄するための、請求項24または25に記載の洗浄剤の使用。
【請求項28】
請求項2〜23のうちの少なくとも一項に記載のエマルジョンを含む、化粧品。
【請求項29】
請求項2〜23のうちの少なくとも一項に記載のエマルジョンを含む、食品。
【請求項30】
請求項2〜23のうちの少なくとも一項に記載のエマルジョンの製造方法であって、成分I1、I2およびIIを混合する、方法。
【請求項31】
水性および有機性基材の塗料およびラッカーの除去のため、特にペンキ用はけを洗浄するための、請求項24または25に記載の洗浄剤の使用。
【請求項32】
金属および/またはプラスチック表面からの、塗料、ラッカー、油および/または塩様残留物の除去のための、請求項24または25に記載の洗浄剤の使用。

【公表番号】特表2010−525132(P2010−525132A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−504723(P2010−504723)
【出願日】平成20年4月28日(2008.4.28)
【国際出願番号】PCT/EP2008/055176
【国際公開番号】WO2008/132202
【国際公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願人】(599000142)フォルシュングスツェントルム ユーリッヒ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (8)
【氏名又は名称原語表記】Forschungszentrum Juelich GmbH
【住所又は居所原語表記】D−52428 Juelich, Germany
【Fターム(参考)】