説明

アルコキシポリオキシアルキレン(メタ)アクリレートの製造方法

a)金属アルコラートMetOR10を装入し、b)式(IV)のアルキレンオキシドを添加し、かつ、前記金属アルコラートと反応させ、かつ、c)直接的に(メタ)アクリル酸無水物を添加し、かつ、工程b)からの反応生成物と反応させる、アルコキシポリオキシアルキレン(メタ)アクリラートの製造方法。適切には、工程c)において、例えば次の成分を含有する安定剤混合物を添加する;少なくとも1種の式(I)の化合物;少なくとも1種の式(IIa又はIIb)又は式(IV)の化合物;少なくとも1種の式(V)の化合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
本発明は、アルコキシポリオキシアルキレン(メタ)アクリラートの製造方法並びにこの方法のために特に適切である安定剤混合物に関する。
【0002】
先行技術
DE 10 2004 042 799 (BASF)は触媒による触媒作用下でのポリエチレングリコール(メタ)アクリラートの製造を記載し、これは90℃で、ポリエチレングリコール中で10g/リットルを上回らない溶解性を有する。触媒として、水酸化物、酸化物、カルボナート又はヒドロゲンカルボナートの一価の又は二価のアルカリ−又はアルカリ土類金属が使用される。
【0003】
アルコキシポリオキシアルキレン(メタ)アクリラートは既に公知であり、かつ、例えば、特許出願EP 0 965 605 A2 (NOF Corporation)中に、分散剤の製造のために提案されている。アルコキシポリオキシアルキレン(メタ)アクリラートの製造は、触媒、例えばp−トルエンスルホン酸一水和物の、ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルへの添加及びアクリル酸又はメタクリル酸とのエステル化の引き続く実施、触媒、例えばナトリウムメトキシドのポリオキシアルキルレンモノアルキルエーテルへの添加及びアルキルアクリラート、例えばメチルアクリラート、又は、アルキルメタクリラート、例えばメチルメタクリラートとの引き続くエステル交換、ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルとアクリル酸塩化物又はメタクリル酸塩化物との反応又はポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルと無水アクリル酸又は無水メタクリル酸との反応により行われる。
【0004】
EP 0 965 605 A2中には、実施例7−11並びに比較例3及び4が、この製造経路を具体的に説明する。実施例7、9−11並びに比較例3及び4においては、アルコラート、例えばナトリウムメタノラートが装入され、アルキレンオキシド、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、又は、プロピレンオキシドと1,2−ブチレンオキシドからなるアルキレンオキシド混合物と反応させられ、塩酸で中和され、引き続き、アクリル酸又はメタクリル酸とトルエン中で、p−トルエンスルホン酸による触媒作用下でエステル化される。安定剤としてはヒドロキノンが使用される。
【0005】
前述の出願の実施例8においては、ナトリウムメタノラートがエチレンオキシドとメタノール中で反応させられ、塩酸で中和され、この生成物が単離及び乾燥され、新たに、メタノール中のナトリウムメタノラートと混合され、かつ、メチルメタノラートとエステル交換される。安定剤としてはt−ブチルヒドロキシトルエンが添加される。
【0006】
アルコキシポリオキシアルキレン(メタ)アクリラートの前述の製造方法は原則的に適しているものの、より効率的な及びより安価な製造経路が所望される。
【0007】
課題および解決手段
本発明に基づく課題は従って、アルコキシポリオキシアルキレン(メタ)アクリラートの改善された方法を提供することである。これは、特に用意な手法で、大工業的にかつ安価に高い品質で、及び、許容可能な反応速度でもって、アルコキシポリオキシアルキレン(メタ)アクリラートの製造を可能にするものである。
【0008】
以下において、(メタ)アクリラートとの呼称はアクリラートもメタクリラートも、また、これらの両者の化合物からなる混合物も意味する。
【0009】
意外にも、前記課題は、反応器中で、
a)少なくとも1種の金属アルコラートMetOR10を装入し、
b)少なくとも1種のアルコールR12OHを混合し、
c)少なくとも1種の式(VI)のアルキレンオキシド
【化1】

を添加し、かつ、前記金属アルコラート/アルコール混合物と反応させ、
d)この後に、直接的に(メタ)アクリル酸無水物を添加し、かつ、工程c)からの反応生成物と反応させ、並びに、この後場合により水で希釈する
方法により解決されることができることが見出された。
【0010】
この際、本発明による過程は、「ワンポット合成」を可能にし、即ち、中間生成物の単離及び精製はもはや必要でない。
【0011】
本発明は、従って、ポリ(オキシアルキレン)−モノアクリル酸エステル及び−モノメタクリル酸エステルの製造方法であって、無水アクリル酸又は無水メタクリル酸(以下において、(メタ)アクリル酸無水物、A)を、
d)少なくとも1種の金属アルコラートMetOR10
e)少なくとも1種のアルコールR12OH
f)少なくとも1種の式(VI)のアルキレンオキシド
【化2】

からの反応生成物と反応させることによる製造方法に関し、その際、この終生成物は、反応終了後に、場合により水と混合され、かつ、この無水メタクリル酸は、金属アルコラート、MetOR10、アルコールR12OH及び式(VI)のアルキレンオキシドからなる反応生成物に対して、1:1〜3:1のモル比で使用される。
【0012】
本発明による方法は、一連の利点と関連しており、一方では、OH基を有する一官能性ポリオキシアルキレン原料の別個の調製がもはや必要でなく、他方では、技術水準のように、2つの別個のバッチにおける作業様式と比較して、全体としてより短い反応時間が達成される。
【0013】
更に、反応混合物並びに生じる生成物の安定化のための改善された手段が指摘されるものである。
【0014】
意外にも、安定剤又は安定剤混合物の、特に、水溶性でありかつ無水メタクリル酸に対して不活性である安定剤又は安定剤混合物の適した選択により、モノマーの安定性時間が顕著に延長化されることが見出された。
【0015】
これらの並びに更なる、具体的には記載されていない課題(これはしかしながら、前記した関連から導かれる)は、本発明の独立した方法請求項の全ての特徴部を有する、アルコキシポリオキシアルキレン(メタ)アクリラートの製造方法により解決される。この係属する方法請求項は、アルコキシポリオキシアルキレン(メタ)アクリラートの製造のための特に有利な過程を記載する。更なる物の請求項は安定剤混合物を保護し、この使用は、本発明による方法の際に特に適している。
【0016】
本発明による方法の際にはまず、少なくとも1種の金属アルコラートMetOR10を装入する。この残基Metは、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム又はセシウム、有利にはリチウム、ナトリウム又はカリウム、特にナトリウム又はカリウム、特に有利にはナトリウムを意味する。金属水酸化物も装入されることができ、この場合には、反応溶液の脱水が、アルキレンオキシドの添加前に必要である。
【0017】
10は線状の又は分枝したアルキル残基であり、有利には1〜18個の炭素原子を有し、特にメチル−、エチル−、n−プロピル、イソプロピル−、n−ブチル−、イソブチル−、tert−ブチル−、n−ペンチル−、n−ヘキシル−、n−ヘプチル−、n−オクチル−、ノニル−、デシル−、ウンデシル−、ドデシル−、トリデシル−、テトラデシル−、ペンタデシル−、ヘキサデシル−、ヘプタデシル−又はオクタデシル残基である。R10は、水素を意味することもできる。
【0018】
特に有利には、1〜4個の炭素原子を有する残基である。
【0019】
12は、線状の又は分枝した、場合によりアルコキシル化したアルキル残基であり、有利には1〜18個の炭素原子を有し、特に、メチル−、2−メトキシエチル−、2−(2−メトキシエトキシ)エチル−、2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エチル−、エチル−、n−プロピル、イソプロピル−、n−ブチル−、イソブチル−、tert−ブチル−、n−ペンチル−、n−ヘキシル−、n−ヘプチル−、n−オクチル−、ノニル−、デシル−、ウンデシル−、ドデシル−、トリデシル−、テトラデシル−、ペンタデシル−、ヘキサデシル−、ヘプタデシル−又はオクタデシル残基であり、その際、R12のモル質量は、本発明によるアルコキシポリオキシアルキレンのモル質量よりも小さい。特に有利には1〜4個の炭素原子を有する残基である。
【0020】
本発明による方法の際には、少なくとも1種の式(VI)のアルキレンオキシドを添加し、この化合物を前記金属アルコラートと反応させる。
【化3】

【0021】
残基R11は、それぞれ相互に独立して、水素又は線状の又は分枝したアルキル残基であり、有利には1〜8個の炭素原子を有し、特にメチル−、エチル−、n−プロピル−、イソプロピル−、n−ブチル−、イソブチル−、tert−ブチル−、n−ペンチル−、n−ヘキシル−、n−ヘプチル−又はn−オクチル残基である。特に有利には1〜4個の炭素原子を有する残基である。
【0022】
この関連において、エチレンオキシド、プロピレンオキシド及び1,2−ブチレンオキシド並びにこれらの化合物の混合物が特にとりわけ適している。
【0023】
金属アルコラートとアルキレンオキシドとの反応は有利には反応性溶媒R12OH中で実施される。特に有利な溶媒は、この際、このアルコラートとアルキレンオキシドとが反応するアルコールである。
【0024】
ポリアルキレンブロックの長さは、一方では金属アルコラートとアルコールR12OHとの、他方ではアルキレンオキシドに対するモル比を介して調節される。この比は、1:1〜10000、適切には1:1〜1000、特に1:1〜100の範囲内にある。
【0025】
この反応は、60℃〜150℃の範囲内の、有利には80℃〜120℃の範囲内の、特に90℃〜110℃の範囲内の温度で、有利には実施される。
【0026】
この反応時間は有利には1〜20時間の範囲内に、特に有利には2〜10時間の範囲内に、特にとりわけ4〜8時間の範囲内にある。
【0027】
この反応後に、場合により過剰のアルキレンオキシドが、例えば、負圧をかけることにより除去されることができる。
【0028】
金属アルコラート及びアルコールとアルキレンオキシドとの反応からの反応混合物は、(メタ)アクリル酸無水物と直接的に、即ち、この中間生成物の単離及び/又は精製無しに反応される。(メタ)アクリル酸無水物との表現は、この際、メタクリル酸無水物もまた同様にアクリル酸無水物も並びにこの両者の化合物からの混合物も含む。
【0029】
本発明の枠内において、(メタ)アクリル酸無水物は、この金属アルコール及びアルコールの合計に対して、有利には過剰量で、適切には、1より大きい、特に1〜3:1の範囲内の、(メタ)アクリル酸無水物対金属アルコラートのモル比で使用される。
【0030】
この反応は、60℃〜150℃の範囲内の、有利には70℃1〜110℃の範囲内の、特に80℃〜100℃の範囲内の温度で適切に実施される。
【0031】
この反応時間は有利には、1〜20時間の範囲内、有利には2〜10時間の範囲内、特に4〜8時間の範囲内にある。
【0032】
安定剤及び安定剤混合物
更に、この反応は、適切には、少なくとも1種の安定剤又は安定剤混合物の存在下で実施される。本発明の枠内で、有利には、有機の化合物であって、メタアクリル酸無水物及び/又はアルコキシポリオキシアルキレン(メタ)アクリラートの不所望な反応を抑制するものである有機の化合物を安定剤(酸化防止剤)と呼ぶ。この安定剤の作用は大抵は、この安定剤が、重合の際に生じるフリーラジカルのためのラジカル捕捉剤として作用することにある。この更なる詳細については、慣用の専門書、特に、Roempp-Lexikon Chemie; Herausgeber: J. Falbe, M. Regitz; Stuttgart, New York; 第10版(1996); 見出し"Antioxioxidantien"及びこの部位に引用されている文献部分が参照される。
【0033】
本発明の目的のためには、特に適した安定剤は、特に、トコフェロール、tert−ブチルメトキシフェノール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、オクチルガラート、ドデシルガラート、アスコルビン酸、場合により置換されたフェノール、場合により置換されたヒドロキノン、例えばヒドロキノンモノメチルエーテル(HQME)、場合により置換されたキノン、場合により置換されたブレンツカテキン、場合により置換された芳香族アミン、場合により置換された、芳香族アミンの金属錯体、場合により置換されたトリアジン、有機スルフィド、有機ポリスルフィド、有機ジチオカルバマート、有機ホスフィット及び有機ホスホナートを含む。
【0034】
置換されたフェノール
場合により置換されたフェノールは、本発明により、特にとりわけ有利に使用される。このフェノールは有利には式(I)
【化4】

[式中、残基R1は、それぞれ相互に独立して、次のものである;水素、線状の又は分枝したアルキル残基、有利にはこれは1〜8個の炭素原子を有する、特にメチル−、エチル−、n−プロピル−、イソプロピル−、n−ブチル−、イソブチル−、tert−ブチル−、n−ペンチル−、n−ヘキシル−、n−ヘプチル−又はn−オクチル残基、有利にはこれは1〜4個の炭素原子を有する、場合により置換されたシクロアルキル残基、有利にはこれは4〜8個の炭素原子を有する、特にシクロヘキシル残基、場合により置換されたアリール残基、有利にはこれは6〜18個の炭素原子を有する、又は、ハロゲン、有利には、フッ素、塩素又は臭素、及び、式中R2は、次のものである:線状の又は分枝したアルキル残基、有利にはこれは1〜8個の炭素原子を有する、特にメチル−、エチル−、n−プロピル−、イソプロピル−、n−ブチル−、イソブチル−、tert−ブチル−、n−ペンチル−、n−ヘキシル−、n−ヘプチル−又はn−オクチル残基、これは特に有利には1〜4個の炭素原子を有する、場合により置換されたシクロアルキル残基、有利にはこれは4〜8個の炭素原子を有する、特にシクロヘキシル残基、又は、場合により置換されたアリール残基、有利にはこれは6〜18個の炭素原子を有する]
を満たす。
【0035】
この関連において、特にとりわけ有利な化合物(I)は、R1として水素を有する。R2は、有利には1〜4個の炭素原子を有するアルキル残基、特にメチル残基である。
【0036】
更に、式(II)の化合物も、本発明の目的のために有効であることが示された。
【化5】

[式中、R3、R4及びR5は、それぞれ相互に独立して、次のものである;水素、線状の又は分枝したアルキル残基、有利にはこれは1〜8個の炭素原子を有する、特にメチル−、エチル−、n−プロピル−、イソプロピル−、n−ブチル−、イソブチル−、tert−ブチル−、n−ペンチル−、n−ヘキシル−、n−ヘプチル−又はn−オクチル残基、特に有利にはこれは1〜4個の炭素原子を有する、場合により置換されたシクロアルキル残基、有利にはこれは4〜8個の炭素原子を有する、特にシクロヘキシル残基、場合により置換されたアリール残基、有利にはこれは6〜18個の炭素原子を有する、又は、ハロゲン、有利には、フッ素、塩素又は臭素、又は式(III)の残基
【化6】

[式中、R6は、線状の又は分枝した、1〜6個の炭素原子を有するアルキル残基、有利にはメチル−、エチル−、n−プロピル−、イソプロピル−、n−ブチル−、イソブチル−、tert−ブチル−、n−ペンチル−又はn−ヘキシル残基、特にエチル残基である]]。
【0037】
この関連において、特にとりわけ有利な化合物(II)は、R4として水素を有する。R3は有利には、1〜4個の炭素原子を有するアルキル残基、特にメチル残基である。R5は、適切には、1〜4個の炭素原子を有するアルキル残基、特にtert−ブチル残基である。
【0038】
本発明の目的のためには、式(IIa)の化合物も適していることが分かった。
【化7】

【0039】
更に、式(IIb)の化合物が特に有利であることが強調される:
【化8】

[式中、R5=tert−ブチル]。
【0040】
この化合物は、商品名Topanol(R) A で、Ciba社により市販されている。
【0041】
更に、式(IV)の化合物の使用下でも有利な結果が達成されることができる
【化9】

[式中、oは1〜4の範囲内の整数、pは1又2、有利には2である、
式中、残基R3は、前に定義したとおりである、
式中、R7は水素であるか又は次のものである:
線状の又は分枝したアルキル残基、有利には1〜8個の炭素原子を有する、特にメチル−、エチル−、n−プロピル−、イソプロピル−、n−ブチル−、イソブチル−、tert−ブチル−、n−ペンチル−、n−ヘキシル−、n−ヘプチル−又はn−オクチル残基、特にメチル残基である
式中R8は、一価のアルキル基又は二価のアルキレン基、有利には線状の、α,β−二価のアルキレン基、有利には1〜8個の炭素原子を有する、特にメチル−、メチレン−、エチル−、1,2−エチレン−、n−プロピル、1,3−n−プロピレン、イソプロピル−、n−ブチル−、イソブチル−、tert−ブチル−、1,4−ブチレン−、n−ペンチル−、1,5−ペンチレン−、n−ヘキシル−、1,6−ヘキシレン−、n−ヘプチル−、1,7−ヘプチレン−、n−オクチル−又は1,8−オクチレン基、特に有利にはこれらは1〜4個、特にとりわけ有利には2個の炭素原子を有する]。
【0042】
特にとりわけ有利な式(IV)の化合物は、ビス[3,3−ビス−(4′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチルフェニル)−ブタン酸]−グリコールエステルである。
【0043】
本発明の特にとりわけ有利な一実施態様によれば、
a)少なくとも1種の式(I)の化合物
b)少なくとも1種の式(II)又は(IV)の化合物及び
c)少なくとも1種の式(V)の化合物
【化10】

[式中、残基R9は、それぞれ相互に独立して、次のものである:線状の又は分枝したアルキル残基、有利には1〜6個、特に1〜4個の炭素原子を有する、例えばメチル−、エチル−、n−プロピル、イソプロピル−、n−ブチル−、イソブチル−、tert−ブチル残基、特にメチル残基である]
を含有する安定剤混合物が使用される。式(V)の化合物は、商品名Tempol (R)でCibaにより、及び4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルとの呼称でDegussa GmbHにより販売されている。
【0044】
化合物(I)の化合物(II)又は(IV)に対する、そして、化合物(V)に対する質量比は有利には1:0.1〜25.0:0.01〜1.0の範囲にある。
【0045】
(メタ)アクリル酸無水物に対しては、安定剤の個々の又は混合物としての割合は、有利には0.001〜2.0質量%である。
【0046】
この出発材料の加水分解感受性のために、適切には、可能な限り水不含の条件下で作業される。更に、この使用される出発材料は可能な限り完全に乾燥される。更には、不活性ガス雰囲気、特に水不含の(trocken)窒素及び/又はアルゴンの使用が、アルコキシル化部分工程の実施の際に特に有効であることも判明した。これに対して(メタ)アクリル酸無水物との引き続く反応の際には、重合に対する安定化の作用を高めるべく、酸素が、前述の不活性ガスと混合して、又は、水不含の空気雰囲気として添加されていることが望ましい。
【0047】
アルコキシポリオキシアルキレン(メタ)アクリラートの可能性のある適用領域は既に知られている。これは特に、分散剤の製造に適している。
【0048】
以下において、本発明を、複数の本発明による実施例により、より詳細に説明するが、この特定の実施態様に限定されるものではない。
【0049】
この際、ポリアルキレンブロックの算出は、工程b)後の小さな試料の取り出し及びOH価の算出により行われる。
【0050】
実施例
実施例1
装置:圧力計、機械的な撹拌機、内側のPt−100−温度センサ、導入管及びオイル空気循環サーモスタットを有する2lのBuechiの二重ジャケット付きガラスオートクレーブ。
【0051】
この反応器を排気し、窒素で充填し、メタノール中のナトリウムメタノラートの30%の溶液6.6g(NM 30, Degussa AG)を装入する。6gの無水メタノールを更に添加し、100℃に加熱し、2時間のうちに756gのエチレンオキシドをポンプ輸送して添加し、この結果6barの圧力を超えない。この後で更なる0.5時間この温度で後反応させる。80℃に冷却し、かつ、真空中(約150mbar)で消費されていないエチレンオキシドを取り除く(約0.5hの期間)。試料(10g)をヒドロキシル価決定のために取り出し、83.6gの無水メタクリル酸を反応器中に添加し、これは3.4gのヒドロキノンモノメチルエーテル(HQME)並びに0.17gの2,6−ジメチル−4−tert−ブチルフェノール(Topanol(R) A)及び0.08gの4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(Tempo 1(R))を溶解して含有し、かつ、常圧で緩慢に空気を導入して、6時間90℃に加熱する。
【0052】
室温への冷却後にこの反応生成物を取り出し、秤量し、同じ量の水と混合する。1700gの水性のメタクリル酸含有メトキシポリエチレングリコール−2000−メタクリラート溶液を得る。
【0053】
分析データ:
メトキシポリエチレングリコール2000からなる10gの試料のOH価:27mgKOH/g
モル質量の測定:
M=(モル質量 水酸化カリウム)*100/(OH価)=5600/27=2024
終生成物:水含有量:50%(カールフィッシャー滴定)
酸価:23mgKOH/g(滴定)
ヒドロキシル価(乾燥物質に対して計算):1mgKOH/g
HQME含有量:25ppm(液体クロマトグラフィにより測定)
Topanol A:80ppm(液体クロマトグラフィにより測定)
Tempol:検出限度未満の含有量。
【0054】
最初に量り取った量に対してHQMEに関する含有量(水性の生成物溶液に対して2000ppm)は、副反応により取り除かれ、TempoI含有量(最初に量り取った量、47ppm、水性の生成物溶液に対して)も同様である。Topanol Aに関する含有量はこれに対して100ppmから80ppmにのみ減少する。
【0055】
実施例2
実施例1と同様に、しかしながら2.64gのNM30溶液及び12.3gのメチルトリグリコールをメタノールの代わりに使用した。1.5時間605gのエチレンオキシドと反応させる。試料取り出しの後に28gの無水メタクリル酸(2.5gのHQME、0.06gのTempol及び0.06gのTopanol(R)Aを溶解して含有する)を添加する。反応終了及び水添加後に、1270gの水性のメトキシポリエチレングリコール−5000−メタクリラート溶液を得る。
【0056】
分析データ:
メトキシポリエチレングリコール5000からなる10gの試料のOH価:11mgKOH/g
終生成物:水含有量:51%(カールフィッシャー滴定)
酸価:9.5mgKOH/g(滴定)
ヒドロキシル価(乾燥物質に対して計算);1.5mgKOH/g。
【0057】
実施例3
実施例1と同様に、但し、13.2gのNM30溶液及び12gのメタノールを使用する。2時間737gのエチレンオキシドと反応させる。試料取り出しの後に174gの無水メタクリル酸(3.7gのHQME、0.09gのTempol及び0.35gのTopanol(R)Aを溶解して含有する)を添加する。反応終了及び水添加後に、1880gの水性のメトキシポリエチレングリコール−1000−メタクリラート溶液を得る。
【0058】
分析データ:
メトキシポリエチレングリコール1000からなる10gの試料のOH価:55mgKOH/g
終生成物:水含有量:49%(カールフィッシャー滴定)
酸価:43mgKOH/g(滴定)
ヒドロキシル価(乾燥物質に対して計算);1mgKOH/g。
【0059】
実施例4
実施例1と同様に、但し、18gのNM30溶液及び16.5gのメタノールを使用する。2時間760gのエチレンオキシドと反応させる。試料取り出しの後に242gの無水メタクリル酸(4.2gのHQME、0.1gのTempol及び0.5gのTopanol(R)Aを溶解して含有する)を添加する。反応終了及び水添加後に、2080gの水性のメタクリル酸含有メトキシポリエチレングリコール−750−メタクリラート溶液を得る。
【0060】
分析データ:
メトキシポリエチレングリコール750からなる10gの試料のOH価:75mgKOH/g
終生成物:水含有量:50%(カールフィッシャー滴定)
酸価:55mgKOH/g(滴定)
ヒドロキシル価(乾燥物質として計算):2mgKOH/g。
【0061】
実施例5
実施例1と同様に、但し、26.4gのNM30溶液及び24gのメタノールを使用する。2時間737gのエチレンオキシドと反応させる。試料取り出しの後に359gの無水メタクリル酸(4.6gのHQME、0.1gのTempol(R)及び0.72gのTopanol(R)Aを溶解して含有する)を添加する。反応終了及び水添加後に、2300gの水性のメタクリル酸含有メトキシポリエチレングリコール−500−メタクリラート溶液を得る。
【0062】
分析データ:
メトキシポリエチレングリコール500からなる10gの試料のOH価:110mgKOH/g
終生成物:水含有量:52%(カールフィッシャー滴定)
酸価:76mgKOH/g(滴定)
ヒドロキシル価(乾燥物質として計算):2.5mgKOH/g。
【0063】
実施例6
実施例1と同様に、但し、39.6gのNM30溶液及び36gのメタノールを使用する。2.5時間774gのエチレンオキシドと反応させる。試料取り出しの後に554gの無水メタクリル酸(5.6gのHQME、0.14gのTempol(R)及び1.11gのTopanol(R)Aを溶解して含有する)を添加する。反応終了及び水添加後に、2800gの水性のメタクリル酸含有メトキシポリエチレングリコール−350−メタクリラート溶液を得た。
【0064】
分析データ:
メトキシポリエチレングリコール350からなる10gの試料のOH価:155mgKOH/g
終生成物:水含有量:50%(カールフィッシャー滴定)
酸価:99mgKOH/g(滴定)
ヒドロキシル価(乾燥物質として計算):2.1mgKOH/g。
【0065】
実施例7
実施例1と同様に、但し、試料取り出しの後に70gの無水アクリル酸(3.3gのHQME、0.08gのTempol(R)及び0.14gのTopanol(R)Aを溶解して含有する)を添加する。反応終了及び水添加後に、1600gの水性のアクリル酸含有メトキシポリエチレングリコール−2000−アクリラート溶液を得る。
【0066】
分析データ:
メトキシポリエチレングリコール2000からなる10gの試料のOH価:26mgKOH/g
終生成物:水含有量:49%(カールフィッシャー滴定)
酸価:24mgKOH/g(滴定)
ヒドロキシル価(乾燥物質に対して計算);2mgKOH/g。
【0067】
実施例8
実施例1と同様に、しかしながらナトリウムメタノラート溶液及びメタノールの代わりに、4.1gのカリウム−tert−ブタノラート及び27gの無水n−ブタノールを使用する。4時間のうちに971gのプロピレンオキシドと反応させる。試料取り出しの後に115gの無水メタクリル酸(4.5gのHQME、0.11gのTempol(R)及び0.23gのTopanol(R)Aを溶解して含有する)を添加する。反応終了及び水添加後に、2200gの水性のメタクリル酸含有ブトキシポリプロピレングリコール−2000−メタクリラート溶液を得る。
【0068】
分析データ:
ブトキシポリプロピレングリコール2000からなる10gの試料のOH価:25mgKOH/g
終生成物:水含有量:50%(カールフィッシャー滴定)
酸価:24mgKOH/g(滴定)
ヒドロキシル価(乾燥物質に対して計算);1.2mgKOH/g。
【0069】
実施例9
実施例8と同様に、但し全体で4時間次々に486gのエチレン−及び486gのプロピレンオキシドと反応させる。試料取り出しの後に115gの無水メタクリル酸(4.5gのHQME、0.11gのTempol(R)及び0.23gのTopanol(R)Aを溶解して含有する)を添加する。反応終了及び水添加後に、2200gの水性のメタクリル酸含有ブトキシポリエチレンポリプロピレングリコール−2000−メタクリラート溶液を得る。
【0070】
分析データ:
ブトキシポリエチレンポリプロピレングリコール2000からなる10gの試料のOH価:28mgKOH/g
終生成物:水含有量:50%(カールフィッシャー滴定)
酸価:23.5mgKOH/g(滴定)
ヒドロキシル価(乾燥物質に対して計算):1mgKOH/g。
【0071】
実施例10
実施例1と同様に、但し、18gのNM30溶液及び261gのC16〜C18アルコール(Hydrenol(R) D, Cognis)を使用する。100℃/150mbarで、このメタノール成分を取りだし、この後で窒素で換気し、1100gのエチレンオキシドと反応させる。試料取り出しの後に229gの無水メタクリル酸(6.3gのHQME、0.16gのTempol(R)及び0.46gのTopanol(R)Aを溶解して含有する)を添加する。反応終了及び水添加後に、3190gの水性のメタクリル酸含有アルコキシポリエチレングリコール−1100−メタクリラート溶液を得る。
【0072】
分析データ:
1618−−−−アルコキシポリエチレングリコールメタクリラート1100からなる10gの試料のOH価:50mgKOH/g
終生成物:水含有量:51%(カールフィッシャー滴定)
酸価:40mgKOH/g(滴定)
ヒドロキシル価(乾燥物質に対して計算);1.8mgKOH/g。
【0073】
実施例11(本発明によらない、比較例)
技術水準による、別個のエトキシル化及びメタクリル化
装置:圧力計、機械的な撹拌機、内側のPt−100−温度センサ、導入管及びオイル空気循環サーモスタットを有する2lのBuechiの二重ジャケット付きガラスオートクレーブ。
【0074】
この反応器を排気し、窒素で充填し、メタノール中のナトリウムメタノラートの30%の溶液6.6g(NM 30, Degussa AG)を装入する。6gの無水メタノールを更に添加し、100℃に加熱し、2時間のうちに756gのエチレンオキシドをポンプ輸送して添加し、この結果6barの圧力を超えない。この後で更なる0.5時間この温度で後反応させる。80℃に冷却し、かつ、真空中(約150mbar)で消費されていないエチレンオキシドを取り除く(約0.5hの期間)。この形成されたメトキシポリエチレングリコール−2000を、床の弁を介して取り出し、かつ、この試料(10g)をヒドロキシル化測定のために取り出した。収率:753g(理論値の98%)
メトキシポリエチレングリコール2000からなる10gの試料のOH価:28mgKOH/g。
【0075】
この生成物を、83.6gの無水メタクリル酸(3.4gのヒドロキノンモノメチルエーテル(HQME)並びに0.17gの2,6−ジメチル−4−tert−ブチルフェノール(Topanol(R) A)及び0.08gの4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(Tempol(R))を溶解して含有する)を、撹拌機及び還流冷却器を有する2lの丸底フラスコ中に添加し、常圧で及び緩慢に空気を導通しながら90℃に加熱した。6時間後に試料を取り出し、これはNMR分光法により90%の変換率を有する。90℃での全体として8時間後に室温に冷却し、この反応生成物を取り出し、秤量し、同じ量の水と混合する。1650gの水性のメタクリル酸含有メトキシポリエチレングリコール−2000−メタクリラート溶液を得る。
終生成物:水含有量:49%(カールフィッシャー滴定)
酸価:24mgKOH/g(滴定)
ヒドロキシル価(乾燥物質に対して計算);1mgKOH/g。
【0076】
実施例12
実施例1と同様に、但し、1.44gの水酸化ナトリウム及び60gのトリエチレングリコールモノメチルエーテルを使用する。100℃への加熱後に、0.5時間の間形成される反応水を真空中で除去する。次いで1.5時間のうちに624gのエチレンオキシドをポンプ輸送により添加する。試料取り出しの後に、83.6gの無水メタクリル酸を反応器中に添加し、これは3.4gのヒドロキノンモノメチルエーテル(HQME)並びに0.17gの2,6−ジメチル−4−tert−ブチルフェノール(Topanol(R) A)及び0.08gの4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(Tempol(R))を溶解して含有し、かつ、常圧で緩慢に空気を導入して、6時間90℃に加熱する。
【0077】
室温への冷却後にこの反応生成物を取り出し、秤量し、同じ量の水と混合する。1500gの水性のメタクリル酸含有メトキシポリエチレングリコール−2000−メタクリラート溶液を得る。
【0078】
メトキシポリエチレングリコール2000からなる10gの試料のOH価:29mgKOH/g
終生成物:水含有量:51%(カールフィッシャー滴定)
酸価:26mgKOH/g(滴定)
ヒドロキシル価(乾燥物質に対して計算);1.5mgKOH/g。
【0079】
実施例13
実施例1と同様に、但し安定剤として、単に3.4gのTopanol A(R) を前記無水メタクル酸に添加する。この得られる、水中のメトキシポリエチレングリコール−2000−メタクリラート溶液1680gは、1520ppmのTopanol A(R)を含有し、即ち、使用される2000ppmの安定剤のうち、より少ない部分のみが副反応により消費された。
【0080】
実施例14(比較例)
実施例1と同様に、但し安定剤として単に0.85gのフェノチアジン(水性の生成物溶液に対して500ppm)を無水メタクリル酸に添加する。この得られる、水中の1690gのメトキシポリエチレングリコール−2000−メタクリラート溶液は、490ppmのフェノチアジンを含有する(液体クロマトグラフィにより測定)。
【0081】
この生成物溶液は、分散性の日光中での1週間の貯蔵後に、ポリマー割合を示す(NMR分光器により算出)。
【0082】
実施例15(比較例)
実施例1と同様に、但し安定剤として0.85gの2,6−ジ−(tert−ブチル)−4−メチルフェノール(Topanol O(R))(水性の生成物溶液に対して500ppm)を無水メタクリル酸に添加する。この得られる、水中の1700gのメトキシポリエチレングリコール−2000−メタクリラート溶液は、480ppmのTopanol O(R)を含有する(液体クロマトグラフィにより測定)。この生成物溶液は安定であるが濁りを示す。
【0083】
実施例16(比較例)
実施例1と同様に、但し安定剤として0.85gのTempol(R)(水性の生成物溶液に対して500ppm)を無水メタクリル酸に添加する。この得られる、水中のメトキシポリエチレングリコール−2000−メタクリラート溶液は、50mol%のポリマーを含有する(NMR分光器により測定)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルコキシポリオキシアルキレン(メタ)アクリラートの製造方法であって、
a)少なくとも1種の金属アルコラートMetOR10を装入し、その際、Metはリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム又はセシウムであり、かつ、R10は線状の又は分枝したアルキル残基である、
b)少なくとも1種のアルコールR12OHを添加し、その際R12は線状の又は分枝した、場合によりアルコキシル化したアルキル残基であり、有利には1〜18個の炭素原子を有し、特に、メチル−、2−メトキシエチル−、2−(2−メトキシエトキシ)エチル−、2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エチル−、エチル−、n−プロピル、イソプロピル−、n−ブチル−、イソブチル−、tert−ブチル−、n−ペンチル−、n−ヘキシル−、n−ヘプチル−、n−オクチル−、ノニル−、デシル−、ウンデシル−、ドデシル−、トリデシル−、テトラデシル−、ペンタデシル−、ヘキサデシル−、ヘプタデシル−又はオクタデシル残基であり、その際、R12のモル質量は、本発明によるアルコキシポリオキシアルキレンのモル質量よりも小さい、
c)少なくとも1種の式(VI)のアルキレンオキシド
【化1】

[式中、残基R11は、それぞれ相互に独立して、水素又は線状の又は分枝したアルキル残基であり、これは有利には1〜8個の炭素原子を有し、特にメチル−、エチル−、n−プロピル−、イソプロピル−、n−ブチル−、イソブチル−、tert−ブチル−、n−ペンチル−、n−ヘキシル−、n−ヘプチル−又はn−オクチル残基である]を添加し、前記金属アルコラートと反応させ、かつ
d)直接的に(メタ)アクリル酸無水物を添加し、かつ、工程c)からの反応生成物と反応させる、アルコキシポリポキシアルキレン(メタ)アクリラートの製造方法。
【請求項2】
10=メチル、エチル又はtert−ブチルを有する金属アルコラートを使用することを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
工程b)における反応をアルコールR12OH中で実施し、前記アルコールは有利には、式R12OHを満たし、その際前記金属アルコラート及びアルコールは有利には同じアルキル残基を有することを特徴とする、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドをアルキレンオキシドとして使用することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
工程d)における反応を安定剤又は安定剤混合物の存在下で、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法に応じて実施することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
(メタ)アクリル酸無水物:安定剤又は安定剤混合物の質量比が、100:0.5〜15.0の範囲内で選択されることを特徴とする、請求項5記載の方法。
【請求項7】
工程b)における反応を、60℃〜150℃の範囲内の温度で実施することを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
工程c)における反応を、60℃〜150℃の範囲内の温度で実施することを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
アルコキシポリオキシアルキレン(メタ)アクリラートの製造方法であって、
a)少なくとも1種の触媒を使用し、
b)少なくとも1種のアルコールR12OHを添加し、
c)少なくとも1種の式(VI)のアルキレンオキシド
【化2】

[式中、残基R11は、それぞれ相互に独立して、水素又は線状の又は分枝したアルキル残基である]を添加し、かつ、前記金属アルコラートと反応させ、かつ
d)直接的に(メタ)アクリル酸無水物を添加し、かつ、工程b)からの反応生成物と反応させる、
アルコキシポリオキシアルキレン(メタ)アクリラートの製造方法。
【請求項10】
安定剤を、この使用する反応パートナーの質量の合計に対して、50ppm〜5000ppmの量で使用することを特徴とする、請求項9記載の方法。
【請求項11】
安定剤混合物であって、
I.少なくとも1種の式(I)の化合物
【化3】

[式中、残基R1は、それぞれ相互に独立して、水素、線状の又は分枝したアルキル残基、場合により置換されたシクロアルキル残基、場合により置換されたアリール残基又はハロゲンであり、かつ、
その際R2は、線状の又は分枝したアルキル残基、場合により置換されたシクロアルキル残基又は場合により置換されたアリール残基である]
II.少なくとも1種の式(II)の化合物
【化4】

[式中、残基R3、R4及びR5は、それぞれ相互に独立して、水素、線状の又は分枝状のアルキル残基、場合により置換されたシクロアルキル残基、場合により置換されたアリール残基、ハロゲン、又は式(III)の残基
【化5】

[式中、R6は、炭素原子1〜6個を有する線状の又は分枝したアルキル残基である]
であり、
7は、水素又は線状の又は分枝したアルキル残基であり、かつ
8は、一価のアルキル基又は二価のアルキレン基である]
III.少なくとも1種の式(V)の化合物
【化6】

[式中、残基R9は、それぞれ相互に独立して、線状の又は分枝状のアルキル残基又は場合により置換されたシクロアルキル残基である]
を含有する安定剤混合物。
【請求項12】
1がそれぞれ水素であり、かつ、Rが1〜4個の炭素原子を有するアルキル残基であることを特徴とする、請求項11記載の安定剤混合物。
【請求項13】
3がそれぞれ1〜4個の炭素原子を有するアルキル残基、R4がそれぞれ水素、そしてR5は1〜4個の炭素原子を有するアルキル残基であることを特徴とする、請求項11又は12記載の安定剤混合物。
【請求項14】
9がそれぞれメチル残基であることを特徴とする、請求項11から13までのいずれか1項記載の安定剤混合物。
【請求項15】
化合物(I):化合物(II)及び/又は(IV):化合物(V)の質量比が、1:0.1〜25.0:0.01〜1.0の範囲内にあることを特徴とする、請求項11から14までのいずれか1項記載の安定剤混合物。
【請求項16】
金属アルコラートMetOR10の代わりに、金属水酸化物MetOHを使用し、かつ、アルコールR12OHを有するこの混合物を、アルキレンオキシド添加の前に、自体公知の方法により脱水することを特徴とする、請求項1記載の化合物の製造方法。

【公表番号】特表2009−527606(P2009−527606A)
【公表日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−555729(P2008−555729)
【出願日】平成19年1月30日(2007.1.30)
【国際出願番号】PCT/EP2007/050875
【国際公開番号】WO2007/096228
【国際公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(390009128)エボニック レーム ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (293)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Roehm GmbH
【住所又は居所原語表記】Kirschenallee,D−64293 Darmstadt,Germany
【Fターム(参考)】