説明

アルコールからハロゲンアルカンを製造するための方法

本発明は、アルコールとハロゲン化水素との反応をイオン性液体の存在下に少なくとも一時的に100℃を上回る温度で実施し、かつ少なくとも反応開始の時点で含水量がイオン性液体の量に対して最大で25モル%であり、その際、イオン性液体がオクチルトリメチルアンモニウムクロリドではないことを特徴とする、アルコールとハロゲン化水素との反応によりハロゲンアルカンを製造するための方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルコールとハロゲン化水素とをイオン性液体の存在下に反応させることにより、ハロゲンアルカンを製造するための方法に関する。
【0002】
該方法は、以下の一般反応式
【0003】
【化1】

に相応し、ここで、Rは任意のアルキル基を表す。
【0004】
刊行物には、既に、ハロゲン化水素を用いたアルコールのハロゲン化のための多数の方法が記載されている。これらの方法において、反応は水性塩基(大抵はアルキルアミン又はピリジン誘導体並びにその塩)の存在下に実施され、その際、塩基は触媒として作用する。
【0005】
EP−A0428166には、アミンヒドロハロゲン化物の存在下に1〜4個の炭素原子を有するハロゲンアルカンの製造法が記載されている。ヒドロハロゲン化物のベースとなるアミンとして、例えばアニリン、ピリジン、キノリン、フェニレンジアミン、α−及びβ−ナフチルアミン又はイミダゾールが使用される。アミンヒドロハロゲン化物は水溶液として使用され、その際、(塩酸)アミンに対して1.9〜11.9倍のモル過剰の水が使用される。
【0006】
EP−A0789013は、相応するアルコールと塩化水素とを詳細には規定されていない塩酸アルキルピリジン水溶液の存在下に反応させ、その際、該反応をアルキルクロリドの沸点を下回る温度で実施し、かつ形成されたアルキルクロリドを付加的に供給された濃塩酸を用いて塔頂を介して留去することによって、6〜16個のC原子を有するアルキルクロリドを製造するための方法に関する。
【0007】
相応するアルコールから3級アルキルクロリドを製造するための方法はUS3,852,368に記載されている。該反応は、有機溶剤、例えばヘプタン又はベンゼン並びにアミンの水溶液の存在下に実施される。アミンとして、トリブチルアミン、トリエチルアミン、n−ブチルアミン又はピリジンが使用され、かつ水はアミンに対して少なくとも1.4倍のモル過剰で使用される。
【0008】
DE−A19926165は、ビス(3−ヒドロキシプロピル)エーテルと塩化水素とを、触媒としての3級塩基性窒素化合物又は他の3級脂肪族塩基の存在下に反応させることによって1,3−ジクロロプロパンを製造するための方法に関する。適当な3級塩基性窒素化合物は、ピリジン、アルキルピリジン、キノリン又はトリアルキルアミンであり、その際、3級塩基性窒素化合物は水との混合物中に存在し、かつ塩基対水の比は0.87〜1.18:1(モル)である。
【0009】
DE−A2149822は、1,4−又は1,5−ジオール及び/又は相応する環式エーテルと塩化水素とから成る液体の反応混合物の反応により1,4−又は1,5−位が塩素化された炭化水素を製造するための連続的な方法に関する。該反応は触媒(塩酸トリブチルアミン又はN,N−塩酸ジメチルアミン)並びに水の存在下に実施され、その際、使用される水の量は触媒の量に対して31モル%を下回らない。
【0010】
R.X. Ren et al., Organic Letters, Band 3 (2001), 3727-3728には、イオン性液体(1−n−ブチル−3−メチル−イミダゾリウムハロゲニド)並びにブレンステッド酸の存在下に室温でアルコールを反応させることが記載されている。水性形で使用されるブレンステッド酸HClに関して、>48時間の期間に亘って、(クロリドとしての)イオン性液体の存在下に、n−ブチルアルコールとの反応が生じないことが報告されている。
【0011】
更に、刊行物には、相応するアルコールとハロゲン化水素とを付加的な水を添加せずに反応させるハロゲンアルカンの製造法も記載されている。
【0012】
JP−A2002179600には、1,3−プロパンジオールとガス状塩化水素とから触媒の存在下に高純度の3−クロロ−1−プロパノールを製造するための方法が記載されている。触媒として特にゼオライトが使用されるが、しかしながら4級アンモニウム塩、例えばテトラブチルアンモニウム−及びベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、オクチル−又はオクタデシル基を有するアンモニウム塩並びにホスホニウム塩を使用することもできる。反応を選択的に実施することができるようにするために、温度は100℃を上回ってはならない。
【0013】
JP−A2001288127は、アルコールとガス状の塩化水素とから、触媒としてのC〜C20−アルキル−ジメチルアミンの存在下にアルキルクロリドを製造するための方法に関する。反応は130℃で実施され、触媒の含分は使用されるアルコールの量に対して20モル%である。比較実験の範囲内ではオクチルトリメチルアンモニウムクロリドが触媒として使用されている。しかしながら、前記触媒の使用はJP−A2001288127には不利であると記載されており、なぜならば、反応が比較的緩慢に進行し、かつ使用されるアルコールに対して等モル量の触媒の割合が必要であるためである。従って、オクチルトリメチルアンモニウムクロリドの使用はJP−A2001288127の開示の本質ではなく、それというのも、オクチルトリメチルアンモニウムクロリドは使用されていないためである。
【0014】
本発明の基礎をなす課題は、先行技術から公知である方法に対して改善されたハロゲンアルカンの製造法を提供することである。生成物の空時収率、収率ないし純度及び/又は変換率に関して改善が達成されるべきである。本発明によれば、前記の課題は、アルコールとハロゲン化水素との反応をイオン性液体の存在下に少なくとも一時的に100℃を上回る温度で実施し、かつ少なくとも反応開始の時点で含水量がイオン性液体の量に対して最大で25モル%であるように、ハロゲン化水素を用いたアルコールのハロゲン化を行う方法により解決される。本発明の範囲内で、オクチルトリメチルアンモニウムクロリドはイオン性液体から除外されている。
【0015】
イオン性液体ないしイオン性液体に相応する塩基の水溶液に基づく方法に対して、本発明による方法は、本発明による方法によって、空時収率の改善、従ってアルコールとハロゲン化水素との促進された反応が達成され得るという利点を有する。更に、本発明による方法において、イオン性液体を水溶液で使用する方法と比較して改善された変換率を認めることもできる。付加的な水の添加なしに実施される既に公知である方法と比較しても、本発明による方法は利点を有する。相応する塩基の代わりにイオン性液体を使用することは、生成物(ハロゲンアルカン)をより高い選択率で製造することができるという利点を有し、更に、反応温度の上昇によって明らかに改善された変換率が生じる。
【0016】
ハロゲンアルカンの製造法の最適化、即ち、高められた反応温度及び(少なくとも最初の)水不含ないし十分な水不含でのイオン性液体の使用のために、アルコールとハロゲン化水素との反応時間の明らかな短縮、高められた変換率並びに改善された生成物純度を達成することができ、この結果として、特に比較的大工業的な、ないし大工業的なバッチに関する費用の最小化がもたらされる。
【0017】
本発明による方法のもう1つの利点は、反応の際に遊離する水を連続的に系から除去するという実施態様において、水分に乏しい系中のハロゲン化水素(特にHCl)があまり腐食性でなく、従って装置、特に反応釜を傷めないという点において示される。それにより、装置の整備及び修理に関する費用及び負担を低減することができる。
【0018】
液体塩とも呼称されるイオン性液体とは、一般に、融点が通常100℃を下回る塩溶融物であると解釈される(Ionic Liquids in Synthesis von P. Wasserscheid und T. Welton (Herausgeber), 2003, S. 41- 43,Viley-VCH Verlag, Weinheim (ドイツ))。この場合、100℃という融点の確定は任意の限界値を意味することに留意すべきであり、それというのも、100℃よりも高い融点を有するにもかかわらずイオン性液体として使用することができる化合物も公知であるためである。
【0019】
本発明による方法において、少なくとも1つの正電荷と少なくとも1つの負電荷とを有するが、しかしながら全体としては電荷中性であり、かつ200℃を下回る、有利に150℃を下回る、特に有利に100℃を下回る融点を有する化合物がイオン性液体であると解釈される。本発明の範囲内で、オクチルトリメチルアンモニウムクロリドはイオン性液体から除外されている。
【0020】
イオン性液体は複数の、例えば1〜5つの、有利に1〜4つの、特に有利に1〜3つの、極めて特に有利に1〜2つの正電荷又は負電荷を有してもよいが、しかしながら特に正電荷と負電荷とを1つずつ有してよい。
【0021】
電荷は、分子の内部の種々の局在化又は非局在化領域に存在し、即ちベタイン様であってもよいし、それぞれアニオンとカチオンとに分かれて分布していてもよい。少なくとも1つのカチオンと少なくとも1つのアニオンとから構成されているイオン性液体は有利である。カチオンとアニオンは上記のように一価又は多価、有利に一価の電荷を有していてよい。イオン性液体のアニオン及びカチオンとして、原則的に全てのアニオンないしカチオンが考えられる。
【0022】
当然のことながら、種々のイオン性液体の混合物、又はイオン性液体と金属塩、例えばAlCl、FeCl、ZnCl又はCoClとの混合物も考えられる。
【0023】
有利なイオン性液体は、1000g/モルを下回る、特に有利に350g/モルを下回る分子量を有するイオン性液体である。
【0024】
有利なイオン性液体は以下に挙げられたアニオン及びカチオンを1つずつ有する。この場合、アニオン及びカチオンが種々の質量のものであるアニオンとカチオンとの全ての組合せ、例えば更に有利なカチオンと更に有利なアニオンとの組合せも含まれる。
【0025】
カチオンとして原則的に全てのカチオンが考えられる。
【0026】
式(a)〜(w)
【0027】
【化2】

【0028】
【化3】

【0029】
【化4】

の化合物並びに前記の構造を有するオリゴマーないしポリマーから選択されたカチオンは有利であり、
ここで、
、R、R、R、R、R及びRは相互に無関係にそれぞれ水素、C〜C18−アルキル、場合により1個以上の酸素−及び/又は硫黄原子及び/又は1個以上の置換されたか又は非置換のイミノ基により中断されたC〜C18−アルキル、C〜C12−アリール、C〜C12−シクロアルキル又は5〜6員の、酸素−、窒素−及び/又は硫黄原子を有する複素環を意味するか、又は前記基のうち2つは一緒になって不飽和、飽和又は芳香族及び場合により1個以上の酸素−及び/又は硫黄原子及び/又は1個以上の置換されたか又は非置換のイミノ基により中断された環を形成し、その際、上記の基はそれぞれ官能基、アリール、アルキル、アリールオキシ、アルキルオキシ、ハロゲン及び/又は複素環により置換されていてよい。上記の基は相互に無関係に場合により1個以上の前記置換基を有してよい。アンモニウムイオン(v)の場合には、R、R、R及びRはそれぞれ同時に非置換のアルキル基であることはない。
【0030】
は更にC〜C18−アルキロイル(アルキルカルボニル)、C〜C18−アルキルオキシカルボニル、C〜C12−シクロアルキルカルボニル又はC〜C12−アリーロイル(アリールカルボニル)を表すことができ、その際、上記の基はそれぞれ官能基、アリール、アルキル、アリールオキシ、アルキルオキシ、ハロゲン及び/又は複素環により置換されていてよい。上記の基は相互に無関係に場合により1個以上の前記置換基を有してよい。
【0031】
1つ以上の基R−Rがアルキル断片を有する場合、これらはそれぞれ有利にC〜C−アルキル断片であり、該アルキル断片は非置換であってもよいし1個以上の上記の置換基を有していてもよい。この場合、基R−Rは同じか又は異なるアルキル断片、特に同じか又は異なるC〜C−アルキル断片を有してよい。
【0032】
上記のカチオン(a)〜(w)が1個以上の(他の)非共有電子対を例えば複素環及び/又は基R−R中に有する場合、例えばハロゲン化水素の導入によりこのカチオンの非共有電子対の1つ以上が場合により付加的にプロトン化されている前記カチオンの形も本発明に含まれる。
【0033】
この場合、アルキルは以下のものを表す:
場合により官能基、アリール、アルキル、アリールオキシ、アルキルオキシ、ハロゲン及び/又は複素環により置換されたC〜C18−アルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert.−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、2,4,4−トリメチルペンチル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、1,1−ジメチルプロピル、1,1−ジメチルブチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、ベンジル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、α,α−ジメチルベンジル、ベンズヒドリル、p−トリルメチル、1−(p−ブチルフェニル)−エチル、p−クロロベンジル、2,4−ジクロロベンジル、p−メトキシベンジル、m−エトキシベンジル、2−シアノエチル、2−シアノプロピル、2−メトキシカルボニルエチル、2−エトキシカルボニルエチル、2−ブトキシカルボニルプロピル、1,2−ジ−(メトキシカルボニル)−エチル、2−メトキシエチル、2−エトキシエチル、2−ブトキシエチル、ジ−エトキシメチル、ジエトキシエチル、1,3−ジオキソラン−2−イル、1,3−ジオキサン−2−イル、2−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル、4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イル、2−イソプロポキシエチル、2−ブトキシプロピル、2−オクチルオキシエチル、クロロメチル、2−クロロエチル、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、1,1−ジメチル−2−クロロエチル、2−メトキシイソプロピル、2−エトキシエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、6−ヒドロキシヘキシル、2−アミノエチル、2−アミノプロピル、3−アミノプロピル、4−アミノブチル、6−アミノヘキシル、2−メチルアミノエチル、2−メチルアミノプロピル、3−メチルアミノプロピル、4−メチルアミノブチル、6−メチルアミノヘキシル、2−ジメチルアミノエチル、2−ジメチルアミノプロピル、3−ジメチルアミノプロピル、4−ジメチルアミノブチル、6−ジメチルアミノヘキシル、2−ヒドロキシ−2,2−ジメチルエチル、2−フェノキシエチル、2−フェノキシプロピル、3−フェノキシプロピル、4−フェノキシブチル、6−フェノキシヘキシル、2−メトキシエチル、2−メトキシプロピル、3−メトキシプロピル、4−メトキシブチル、6−メトキシヘキシル、2−エトキシエチル、2−エトキシプロピル、3−エトキシプロピル、4−エトキシブチル又は6−エトキシヘキシル、及び
場合により1個以上の酸素−及び/又は硫黄原子及び/又は1個以上の置換されたか又は非置換のイミノ基により中断されたC〜C18−アルキル、例えば5−ヒドロキシ−3−オキサ−ペンチル、8−ヒドロキシ−3,6−ジオキサ−オクチル、11−ヒドロキシ−3,6,9−トリオキサ−ウンデシル、7−ヒドロキシ−4−オキサ−ヘプチル、11−ヒドロキシ−4,8−ジオキサ−ウンデシル、15−ヒドロキシ−4,8,12−トリオキサ−ペンタデシル、9−ヒドロキシ−5−オキサ−ノニル、14−ヒドロキシ−5,10−オキサ−テトラデシル、5−メトキシ−3−オキサ−ペンチル、8−メトキシ−3,6−ジオキサ−オクチル、11−メトキシ−3,6,9−トリオキサ−ウンデシル、7−メトキシ−4−オキサ−ヘプチル、11−メトキシ−4,8−ジオキサ−ウンデシル、15−メトキシ−4,8,12−トリオキサ−ペンタデシル、9−メトキシ−5−オキサ−ノニル、14−メトキシ−5,10−オキサ−テトラデシル、5−エトキシ−3−オキサ−ペンチル、8−エトキシ−3,6−ジオキサ−オクチル、11−エトキシ−3,6,9−トリオキサ−ウンデシル、7−エトキシ−4−オキサ−ヘプチル、11−エトキシ−4,8−ジオキサ−ウンデシル、15−エトキシ−4,8,12−トリオキサ−ペンタデシル、9−エトキシ−5−オキサ−ノニル、14−エトキシ−5,10−オキサ−テトラデシル、ブチルチオメチル、2−ドデシルチオエチル又は2−フェニル−チオエチル。
【0034】
2つの基が1つの環を形成する場合、前記基は一緒になって1,3−プロピレン、1,4−ブチレン、2−オキサ−1,3−プロピレン、1−オキサ−1,3−プロピレン、2−オキサ−1,3−プロピレン、1−オキサ−1,3−プロペニレン、1−アザ−1,3−プロペニレン、1−C〜C−アルキル−1−アザ−1,3−プロペニレン、1,4−ブタ−1,3−ジエニレン、1−アザ−1,4−ブタ−1,3−ジエニレン又は2−アザ−1,4−ブタ−1,3−ジエニレンを表す。
【0035】
酸素−及び/又は硫黄原子及び/又はイミノ基の数は制限されない。一般に、前記の数は、前記基中に5個以下、有利には4個以下、極めて特に有利には3個以下である。
【0036】
更に、2つのヘテロ原子(S、N、O)の間には通常少なくとも1個、有利に少なくとも2個の炭素原子が存在する。
【0037】
置換されたか又は非置換のイミノ基は、例えばイミノ−、メチルイミノ−、イソ−プロピルイミノ、n−ブチルイミノ又はtert−ブチルイミノであってよい。
【0038】
更に、
官能基は以下のものを表す:
カルボキシ、カルボキサミド、ヒドロキシ、アミノ、C〜C−アルキルアミノ、ジ−(C〜C−アルキル)−アミノ、C〜C−アルキルオキシカルボニル、シアノ又はC〜C−アルキルオキシ、
アリールは以下のものを表す:
場合により官能基、アリール、アルキル、アリールオキシ、アルキルオキシ、ハロゲン及び/又は複素環により置換されたC〜C12−アリール、例えばフェニル、トリル、キシリル、α−ナフチル,β−ナフチル、4−ジフェニリル、クロロフェニル、ジクロロフェニル、トリクロロフェニル、ジフルオロフェニル、メチルフェニル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、エチルフェニル、ジエチルフェニル、イソ−プロピルフェニル、tert.−ブチルフェニル、ドデシルフェニル、メトキシフェニル、ジメトキシフェニル、エトキシフェニル、ヘキシルオキシフェニル、メチルナフチル、イソプロピルナフチル、クロロナフチル、エトキシナフチル、2,6−ジメチルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、2,6−ジエトキシフェニル、2,6−ジクロロフェニル、4−ブロモフェニル、2−又は4−ニトロフェニル、2,4−又は2,6−ジニトロフェニル、4−ジメチルアミノフェニル、4−アセチルフェニル、メトキシエチルフェニル又はエトキシエチルフェニル、
シクロアルキルは以下のものを表す:
場合により官能基、アリール、アルキル、アリールオキシ、アルキルオキシ、ハロゲン及び/又は複素環により置換されたC〜C12−シクロアルキル、例えばシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル、シクロドデシル、メチルシクロペンチル、ジメチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、ジメチルシクロヘキシル、ジエチルシクロヘキシル、ブチルシクロヘキシル、メトキシシクロヘキシル、ジメトキシシクロヘキシル、ジエトキシシクロヘキシル、ブチルチオシクロヘキシル、クロロシクロヘキシル、ジクロロシクロヘキシル、ジクロロシクロペンチル並びに飽和又は不飽和の二環系、例えばノルボルニル又はノルボルネニル、
複素環は以下のものを表す:
5〜6員の、酸素−、窒素−及び/又は硫黄原子を有する複素環、例えばフリル、チオフェニル、ピリル、ピリジル,インドリル、ベンゾオキサゾリル、ジオキソリル、ジオキシル、ベンゾイミダゾリル、ベンズチアゾリル、ジメチルピリジル、メチルキノリル、ジメチルピリル、メトキシフリル、ジメトキシピリジル、ジフルオロピリジル、メチルチオフェニル、イソプロピルチオフェニル又はtert.−ブチルチオフェニル、場合により前記複素環は官能基、アリール、アルキル、アリールオキシ、アルキルオキシ、ハロゲン及び/又は他の複素環により置換されていてよく、かつ
〜C−アルキルは例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル又はtert.−ブチルを表す。
【0039】
〜C18−アルキロイル(アルキルカルボニル)は、例えばアセチル、プロピオニル、n−ブチロイル、sec−ブチロイル、tert.−ブチロイル、2−エチルヘキシルカルボニル、デカノイル、ドデカノイル、クロロアセチル、トリクロロアセチル又はトリフルオルアセチルであってよい。
【0040】
〜C18−アルキルオキシカルボニルは、例えばメチルオキシカルボニル、エチルオキシカルボニル、プロピルオキシカルボニル、イソプロピルオキシカルボニル、n−ブチルオキシカルボニル、sec−ブチルオキシカルボニル、tert.−ブチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル、2−エチルヘキシルオキシカルボニル又はベンジルオキシカルボニルであってよい。
【0041】
〜C12−シクロアルキルカルボニルは、例えばシクロペンチルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル又はシクロドデシルカルボニルであってよい。
【0042】
〜C12−アリーロイル(アリールカルボニル)は、例えばベンゾイル、トルイル、キシロイル、α−ナフトイル、β−ナフトイル、クロロベンゾイル、ジクロロベンゾイル、トリクロロベンゾイル又はトリメチルベンゾイルであってよい。
【0043】
アルキルオキシ−(アルコキシ−)及びアリールオキシ−置換基の場合、そのアルキル−ないしアリール−断片はアルキルないしアリールに関する上記の定義を有する。
【0044】
有利に、R、R、R、R、R及びRは相互に無関係に水素、メチル、エチル、n−ブチル、2−ヒドロキシエチル、2−シアノエチル、2−(メトキシカルボニル)−エチル、2−(エトキシ−カルボニル)−エチル、2−(n−ブトキシカルボニル)−エチル、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ又は塩素である。
【0045】
有利に、Rは水素、メチル、エチル、n−ブチル、2−ヒドロキシエチル、2−シアノエチル、2−(メトキシカルボニル)−エチル、2−(エトキシカルボニル)−エチル、2−(n−ブトキシカルボニル)−エチル、アセチル、プロピオニル、t−ブチリル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル又はn−ブトキシカルボニルである。
【0046】
更に有利なピリジニウムイオン(a)は、少なくとも1つの基R〜Rがメチル、エチル又は塩素であって、Rが水素、アセチル、メチル、エチル又はn−ブチルであってかつ他の全てが水素であるか、又は、Rがジメチルアミノであって、Rが水素、アセチル、メチル、エチル又はn−ブチルであってかつ他の全てが水素であるか、又は、Rが水素、アセチル、メチル、エチル又はn−ブチルであってかつ他の全てが水素であるか、又は、Rがカルボキシ又はカルボキサミドであって、Rが水素、アセチル、メチル、エチル又はn−ブチルであってかつ他の全てが水素であるか、又は、R及びR又はR及びRが1,4−ブタ−1,3−ジエニレンであって、Rが水素、アセチル、メチル、エチル又はn−ブチルであってかつ他の全てが水素であるものである。
【0047】
更に有利なピリダジニウムイオン(b)は、基R〜Rがメチル又はエチルであって、Rが水素、アセチル、メチル、エチル又はn−ブチルであってかつ他の全てが水素であるか、又は、Rが水素、アセチル、メチル、エチル又はn−ブチルであってかつ他の全てが水素であるものである。
【0048】
更に有利なピリミジニウムイオン(c)は、R〜Rが水素又はメチルであって、Rが水素、アセチル、メチル、エチル又はn−ブチルであってかつRが水素、メチル又はエチルであるか、又は、R及びRがメチルであって、Rが水素であって、Rが水素、メチル又はエチルであってかつRが水素、アセチル、メチル、エチル又はn−ブチルであるものである。
【0049】
更に有利なピラジニウムイオン(d)は、
〜R全てがメチルであってかつ
が水素、アセチル、メチル、エチル又はn−ブチルであるか、又は、Rが水素、アセチル、メチル、エチル又はn−ブチルであってかつ他の全てが水素であるものである。
【0050】
更に有利なイミダゾリウムイオン(e)は、相互に無関係に
がメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−オクチル、n−デシル、n−ドデシル、2−ヒドロキシエチル又は2−シアノエチルから選択されており、
が水素、アセチル、メチル、エチル、n−プロピル又はn−ブチルを意味し、かつ
〜Rが相互に無関係に水素、メチル又はエチルを意味するものである。
【0051】
更に有利な1H−ピラゾリウムイオン(f)は、相互に無関係に
が水素、メチル又はエチルから選択されており、
、R及びRが水素又はメチルから選択されており、かつ
が水素、アセチル、メチル、エチル又はn−ブチルから選択されているものである。
【0052】
更に有利な3H−ピラゾリウムイオン(g)は、相互に無関係に
が水素、メチル又はエチルから選択されており、
、R及びRが水素又はメチルから選択されており、かつ
が水素、アセチル、メチル、エチル又はn−ブチルから選択されているものである。
【0053】
更に有利な4H−ピラゾリウムイオン(h)は、相互に無関係に
〜Rが水素又はメチルから選択されており、かつ
が水素、アセチル、メチル、エチル又はn−ブチルから選択されているものである。
【0054】
更に有利な1−ピラゾリニウムイオン(i)は、相互に無関係に
〜Rが水素又はメチルから選択されており、かつ
が水素、アセチル、メチル、エチル又はn−ブチルから選択されているものである。
【0055】
更に有利な2−ピラゾリニウムイオン(j)は、相互に無関係に
が水素、メチル、エチル又はフェニルから選択されており、
が水素、アセチル、メチル、エチル又はn−ブチルから選択されており、かつ
〜Rが水素又はメチルから選択されているものである。
【0056】
更に有利な3−ピラゾリニウムイオン(k)は、相互に無関係に
又はRが水素、メチル、エチル又はフェニルから選択されており、
が水素、アセチル、メチル、エチル又はn−ブチルから選択されており、かつ
〜Rが水素又はメチルから選択されているものである。
【0057】
更に有利なイミダゾリニウムイオン(l)は、相互に無関係に
又はRが水素、メチル、エチル、n−ブチル又はフェニルから選択されており、
が水素、アセチル、メチル、エチル又はn−ブチルから選択されており、
又はRが水素、メチル又はエチルから選択されており、かつ
又はRが水素又はメチルから選択されているものである。
【0058】
更に有利なイミダゾリニウムイオン(m)は、相互に無関係に
又はRが水素、メチル又はエチルから選択されており、
が水素、アセチル、メチル、エチル又はn−ブチルから選択されており、かつ
〜Rが水素又はメチルから選択されているものである。
【0059】
更に有利なイミダゾリニウムイオン(n)は、相互に無関係に
1、又はRが水素、メチル又はエチルから選択されており、
が水素、アセチル、メチル、エチル又はn−ブチルから選択されており、かつ
〜Rが水素又はメチルから選択されているものである。
【0060】
更に有利なチアゾリウムイオン(o)又はオキサゾリウムイオン(p)は、相互に無関係に
が水素、メチル、エチル又はフェニルから選択されており、
が水素、アセチル、メチル、エチル又はn−ブチルから選択されており、かつ
又はRが水素又はメチルから選択されているものである。
【0061】
更に有利な1,2,4−トリアゾリウムイオン(q)及び(r)は、相互に無関係に
又はRが水素、メチル、エチル又はフェニルから選択されており、
が水素、アセチル、メチル、エチル又はn−ブチルから選択されており、かつ
が水素、メチル又はフェニルから選択されているものである。
【0062】
更に有利な1,2,3−トリアゾリウムイオン(s)及び(t)は、相互に無関係に
が水素、メチル又はエチルから選択されており、
が水素、アセチル、メチル、エチル又はn−ブチルから選択されており、かつ
又はRが水素又はメチルから選択されているか、又は、
及びRが1,4−ブタ−1,3−ジエニレンでありかつ他の全てが水素であるものである。
【0063】
更に有利なピロリジニウムイオン(u)は、相互に無関係に
及びRが水素、アセチル、メチル、エチル又はn−ブチルから選択されており、かつ
、R、R及びRが水素を表すものである。
【0064】
更に有利なアンモニウムイオン(v)は、相互に無関係に
が水素又はアセチルであり、
、R及びRが2−ヒドロキシエチル、ベンジル又はフェニルから選択されているものである。
【0065】
更に有利なホスホニウムイオン(w)は、相互に無関係に
が水素、アセチル、メチル、エチル又はn−ブチルから選択されており、かつ
、R及びRがフェニル、フェノキシ、エトキシ及びn−ブトキシから選択されているものである。
【0066】
上記の更に有利なカチオン(a〜w)のうち、それぞれホスホニウム−(w)、ピリジニウム−(a)及びイミダゾリウムイオン(e)、特にそれぞれピリジニウム−(a)及びイミダゾリウムイオン(e)はなお一層有利である。
【0067】
カチオンとして、1−メチルイミダゾリウム、1−エチルイミダゾリウム、1−プロピルイミダゾリウム、1−ブチルイミダゾリウム、2−エチルピリジニウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−n−ブチル−3−エチルイミダゾリウム、1,2−ジメチルピリジニウム、1−メチル−2−エチルピリジニウム、1−メチル−2−エチル−6−メチルピリジニウム、N−メチルピリジニウム、1−ブチル−2−メチルピリジニウム、1−ブチル−2−エチルピリジニウム、1−ブチル−2−エチル−6−メチルピリジニウム、N−ブチルピリジニウム、1−ブチル−4−メチルピリジニウム、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1−n−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、1,3,4,5−テトラメチルイミダゾリウム、1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、1,2−ジメチルイミダゾリウム、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、3,4−ジメチルイミダゾリウム、2−エチル−3,4−ジメチルイミダゾリウム、3−メチル−2−エチルイミダゾリウム、3−ブチル−1−メチルイミダゾリウム、3−ブチル−1−エチルイミダゾリウム、3−ブチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジ−n−ブチルイミダゾリウム、3−ブチル−1,4,5−トリメチルイミダゾリウム、3−ブチル−1,4−ジメチルイミダゾリウム、3−ブチル−2−メチルイミダゾリウム、1,3−ジブチル−2−メチルイミダゾリウム、3−ブチル−4−メチルイミダゾリウム、3−ブチル−2−エチル−4−メチルイミダゾリウム、3−ブチル−2−エチルイミダゾリウム、1−メチル−3−オクチルイミダゾリウム及び1−デシル−3−メチルイミダゾリウムは特に有利である。
【0068】
カチオンとして、1−メチルイミダゾリウム、1−エチルイミダゾリウム、1−プロピルイミダゾリウム、1−ブチルイミダゾリウム、2−エチルピリジニウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−ブチル−4−メチルピリジニウム、1−n−ブチル−3−メチルイミダゾリウム及び1−n−ブチル−3−エチルイミダゾリウムは極めて特に有利である。
【0069】
アニオンとして原則的に全てのアニオンが考えられる。
【0070】
アニオンとして、ハロゲン化物イオン(F、Cl、Br、I)、アルキルカルボン酸イオン(C〜C18−アルキル−CO)、トシル酸イオン(p−CHSO)、スルホン酸イオン(C〜C18−アルキル−SO)、ジアルキルリン酸イオン(ジ(C〜C18−アルキル)−PO)、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドイオン((CFSO)、トリフルオロ酢酸イオン(CFCOO)、トリフルオロメタンスルホン酸イオン(CFSO)、硫酸イオン(SO2−)、硫酸水素イオン(HSO)、メチル硫酸イオン(CHOSO)、エチル硫酸イオン(COSO)、亜硫酸イオン(SO2−)、亜硫酸水素イオン(HSO)、クロロアルミン酸イオン(AlCl)、(AlCl)、(AlCl10)、ブロモアルミン酸イオン(AlBr)、亜硝酸イオン(NO)、硝酸イオン(NO)、銅塩化物イオン(CuCl)、リン酸イオン(PO3−)、リン酸水素イオン(HPO2−)、リン酸二水素イオン(HPO)、炭酸イオン(CO2−)及び炭酸水素イオン(HCO)は有利である。
【0071】
アニオンとして、ハロゲン化物イオン、ハロゲン化物イオン、酢酸イオン、メタンスルホン酸イオン、トシル酸イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、リン酸イオン、リン酸水素イオン、リン酸二水素イオン、ジアルキルリン酸イオン及びビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドイオンは更に有利である。
【0072】
アニオンとして、塩化物イオン、臭化物イオン、硫酸水素イオン及びジエチルリン酸イオンは特に有利である。
【0073】
特に有利なイオン性液体は、以下:
1−メチルイミダゾリウムクロリド、1−メチルイミダゾリウムブロミド、1−メチルイミダゾリウムフルオリド、1−メチルイミダゾリウムヨージド、1−メチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1−メチルイミダゾリウムスルファート、1−メチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−メチルイミダゾリウムトシラート、1−メチルイミダゾリウムジエチルホスファート、1−エチルイミダゾリウムクロリド、1−エチルイミダゾリウムブロミド、1−エチルイミダゾリウムフルオリド、1−エチルイミダゾリウムヨージド、1−エチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1−エチルイミダゾリウムスルファート、1−エチルイミダゾリウムメタンスルファート、1−エチルイミダゾリウムトシラート、1−エチルイミダゾリウムジエチルホスファート、1−プロピルイミダゾリウムクロリド、1−プロピルイミダゾリウムブロミド、1−プロピルイミダゾリウムフルオリド、1−プロピルイミダゾリウムヨージド、1−プロピルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1−プロピルイミダゾリウムスルファート、1−プロピルイミダゾリウムメタンスルファート、1−プロピルイミダゾリウムトシラート、1−プロピルイミダゾリウムジエチルホスファート、1−ブチルイミダゾリウムクロリド、1−ブチルイミダゾリウムブロミド、1−ブチルイミダゾリウムフルオリド、1−ブチルイミダゾリウムヨージド、1−ブチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1−ブチルイミダゾリウムスルファート、1−ブチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−ブチルイミダゾリウムトシラート、1−ブチルイミダゾリウムジエチルホスファート、2−エチルピリジニウムクロリド、2−エチルピリジニウムブロミド、2−エチルピリジニウムヨージド、2−エチルピリジニウムヒドロゲンスルファート、2−エチルピリジニウムスルファート、2−エチルピリジニウムメタンスルホナート、2−エチルピリジニウムトシラート、2−エチルピリジニウムジエチルホスファート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムフルオリド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヨージド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムスルファート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトシラート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジエチルホスファート、1−n−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−n−ブチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド、1−n−ブチル−3−メチル−イミダゾリウムフルオリド、1−n−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヨージド、1−n−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヒドロゲンスルホナート、1−n−ブチル−3−メチルイミダゾリウムスルファート、1−n−ブチル−3−メチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−n−ブチル−3−メチルイミダゾリウムトシラート、1−n−ブチル−3−メチルイミダゾリウムジエチルホスファート、1−n−ブチル−3−エチル−イミダゾリウムクロリド、1−n−ブチル−3−エチルイミダゾリウムブロミド、1−n−ブチル−3−エチルイミダゾリウムフルオリド、1−n−ブチル−3−エチルイミダゾリウムヨージド、1−n−ブチル−3−エチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1−n−ブチル−3−エチルイミダゾリウムスルファート、1−n−ブチル−3−エチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−n−ブチル−3−エチルイミダゾリウムトシラート及び1−n−ブチル−3−エチルイミダゾリウムジエチルホスファート
から成る群から選択されている。
【0074】
極めて特に有利なイオン性液体は、以下:
1−メチルイミダゾリウムクロリド、1−メチルイミダゾリウムブロミド、1−メチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、2−エチルピリジニウムクロリド、2−エチルピリジニウムブロミド、2−エチルピリジニウムヒドロゲンスルファート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド及び1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート
から成る群から選択されている。
【0075】
本発明による方法において、原則的に全てのアルコールを使用することができ、2個以上のOH基を有するアルコールを使用することもできる。場合により、アルコールは一置換又は多置換されていてよい。
【0076】
有利なアルコールは以下のものである:直鎖、分枝鎖又は環式C〜C20−アルコール。直鎖、分枝鎖又は環式C〜C10−アルコール、例えばsec−ブタノール、イソブタノール、2−エチルヘキサノール、2−プロピルヘプタノール、イソノナノール、シクロヘキサノール、シクロペンタノール、グリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリット、グリセリン、トリメチロールエタン、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、アリルアルコール、プロパルギルアルコール、ジエチレングリコール及びトリエチレングリコールは更に有利である。
【0077】
特に有利なアルコールは以下のものである:1,6−ヘキサンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、グリコール、アリルアルコール及びプロパルギルアルコール。
【0078】
本発明による方法におけるハロゲン化はハロゲン化水素を用いて実施され、該ハロゲン化水素は専らガス状で使用される。ハロゲン化水素として、フッ化水素、塩化水素、臭化水素及びヨウ化水素、有利に塩化水素及び臭化水素、特に有利に塩化水素が適当である。
【0079】
本発明による方法は、通常、上記のアルコール1種を上記のハロゲン化水素1種と反応させて実施される。
【0080】
しかしながら場合により、アルコール及び/又はハロゲン化水素の混合物を使用することもできる。
【0081】
アルコールとハロゲン化水素との反応の際に、1分子当たり1個を上回るOH基を有するアルコールの場合、全てのOH基をハロゲンで置換するか、又は、(例えばグリセリン又は1,3−プロパンジオールの場合には)(1分子当たり)相応するアルコールのOH基の一部のみをハロゲンで置換するというように反応を進行させる。従って、1,3−プロパンジオールの場合、3−クロロプロパノールか又は1,3−ジクロロプロパンが本発明による方法において製造され、その際、反応は添加されるハロゲン化水素の量によって制御される。有利に、本発明による方法において、アルコールの全てのOH基がハロゲンで置換される。
【0082】
本発明による方法において、イオン性液体を装入し、その後、温度がイオン性液体の融点を上回るように調節する。引き続き、イオン性液体の飽和が達成されるまでハロゲン化水素を導入することができる。そのために、アルコールを添加し、アルコール添加に引き続き(再度)ハロゲン化水素を導入する。場合によりアルコールを予め装入することもでき、かつ飽和イオン性液体をイオン性液体の融点を上回る温度でアルコール中に導入する。有利にアルコールを飽和イオン性液体中に導入する。
【0083】
有利に、反応させるべきアルコールのOH基各モルに対して、反応を0.3〜3倍、更に有利に1〜3倍、特に有利に1〜2倍のモル量のイオン性液体の存在下に実施するというように本発明による方法を実施する。場合により、反応をイオン性液体のより大きなモル過剰で実施することもできるが、しかしながらその際、体積の増加に基づいて空時収率の低下が認められる。同様に、0.3倍を下回るモル量のイオン性液体も考えられる。
【0084】
本発明による方法は、少なくとも一時的に100℃を上回る温度で実施される。有利に、反応は少なくとも一時的に110℃〜150℃の温度で実施される。120℃〜145℃での少なくとも一時的な反応実施は更に有利であり、125℃〜140℃での少なくとも一時的な反応実施は特に有利である。
【0085】
本発明による方法において、アルコールを100℃を下回る温度でイオン性液体に添加することができる。引き続く、アルコールとイオン性液体とを含有する混合物中へのガス状のハロゲン化水素の導入を、同様に(部分的にか又は完全に)100℃を下回る温度で行うことができる。
【0086】
イオン性液体へのアルコールの添加及び/又は引き続くガス状のハロゲン化水素の導入を(部分的にか又は完全に)100℃を下回る温度で実施する場合、これを有利に少なくとも20℃、更に有利に少なくとも50℃、更に有利に少なくとも75℃、特に有利に85℃で行う。しかしながら、アルコールから相応するハロゲンアルカンへの選択的反応のための必要条件は、ガス状のハロゲン化水素をアルコールとイオン性液体とを含有する混合物中に導入する前ではないが遅くともガス状のハロゲン化水素の導入の終了後に、この際に形成される、ハロゲン化水素、アルコール及びイオン性液体を含有する混合物を、一時的に100℃を上回る温度に加熱することである。このように反応温度を100℃を上回る温度に上昇させることによって初めて、所望のハロゲンアルカンへの完全かつ選択的な反応が生じる。
【0087】
反応温度を十分な時間に亘って100℃を上回る温度に高めねばならない。100℃を上回る温度への温度上昇の期間は1分を下回るべきではなく、有利に1分を上回り、更に有利に5分を上回り、更に有利に15分を上回り、特に有利に30分を上回るべきである。有利に、アルコールを含有する混合物中にハロゲン化水素を添加した後になって初めて温度を100℃を上回るように上昇させる。有利に、100℃を上回る温度への反応温度の上昇は温度傾斜の形で行われ、即ち反応温度を少なくとも部分的なハロゲン化水素添加の後に連続的に100℃を上回る温度に上昇させ、かつ反応混合物を完全な反応が行われるまで100℃を上回るように保持する。
【0088】
しかしながら本発明の実施態様において、アルコールを含有する混合物中へのハロゲン化水素の全ての添加を、100℃を上回る温度で行うことができる。場合により、イオン性液体へのアルコールの添加も100℃を上回る温度で行うことができる。有利な(更に有利な、などの)温度範囲に関しては、一時的にのみ100℃を上回る温度に温度を上昇させる反応実施と同じ範囲の記載が当てはまる。
【0089】
有利に、本発明による方法は一時的にのみ100℃を上回る温度で実施される。それにより、副生成物として生じるエーテルに対して、製造すべきハロゲンアルカンに関する更に良好な選択性並びに改善された変換率を達成することができる。
【0090】
ハロゲン化反応の開始における含水量が少ないほど、アルコールとハロゲン化水素との反応は迅速に行われる。従って、本発明による方法において、少なくとも反応開始の時点で含水量はイオン性液体の量に対して最大で25モル%であってよい。有利にこの場合、最大の含水量は20モル%、更に有利に最大10モル%、更に有利に最大5モル%であり、反応開始の時点で反応が水不含か又はほぼ水不含であることは特に有利である。十分な水不含下では、引き続き、水中の不純物がppm範囲で認められる。
【0091】
本発明による方法を用いて製造されたハロゲンアルカンは、当業者に公知の方法を用いて、反応の終了後に反応混合物から単離することができる。反応混合物中で2相系が形成されている場合には、生成物(ハロゲンアルカン)を一回の相分離により単離することができ、場合により、2相系の別の相内に存在する生成物の副次的な量を、付加的な抽出工程又は蒸留によって前記相から単離することができ、単相の反応混合物が形成されている場合には、生成物を抽出又は蒸留により反応混合物から単離することができる。有利に、生成物は、蒸留により、特に蒸留ブリッジを用いて減圧下に反応混合物から得られる。この蒸留の際に二相の混合物が生じる場合、生成物を例えば分離、抽出又は場合により付加的な蒸留工程により単離することができる。
【0092】
もう1つの実施態様において、反応時間全体に亘って、含水量が、イオン性液体の量に対して最大で25モル%であるように本発明による方法が実施され、20モル%の最大含水量は有利であり、最大10モル%は更に有利であり、最大5モル%は特に有利である。この、反応時間全体に亘る最大含水量の制限は、アルコールとハロゲン化水素との反応の際に遊離する反応水ないし既に予め系中に存在する水を連続的に系から除去することにより達成される。水を、例えば留去によって、又は乾燥剤又は膜の使用によって系から除去することができる。有利に、これは水の留去により行われる。系中に存在する水が少ない程反応は迅速に進行し、かつ反応水の含分の増加によって反応速度の連続的な低下、従って空時収率の低下が認められるため、このような趣旨で反応水の連続的な除去は有利である。本発明による方法は連続的にも非連続的にも運転することができる。連続的な運転方式とは、水のみを連続的に除去するのではなく、出発物質及び場合により生成物をも連続的に追加ないし除去することであると解釈される。
【0093】
イオン性液体は、本発明による方法において直接使用することができるか、又は、イオン性液体は、アルコールとハロゲン化水素との反応の直前に、ハロゲン化水素を相応する塩基へ導入しかつ相応する塩基を飽和させることにより製造される。
【0094】
以下の実施例により本発明を詳細に説明する:
【0095】
実施例
実施例1
約93℃の温度で、1−メチルイミダゾール82.0g中に塩化水素51.7gをガス導入することにより、この条件下で液体の塩酸塩を製造し、引き続き135℃に加熱する。この温度で、1,6−ヘキサンジオール59.0gを添加した後に塩化水素83.3gを反応混合物中に導入し、その際、液体の2相混合物が形成される。反応が完了する。上相の分離により、1,6−ジクロロヘキサン66.5g(81.4%)が96.2%の純度(GC)で得られ、これは更になおビス−(6−クロロヘキシル)−エーテル3.2%を含有する。
【0096】
下相の蒸留により、更に1,6−ジクロロヘキサン3.3g(4.1%)が98.2%の純度で得られる。
【0097】
比較例1A
温度135℃で、1−メチルイミダゾール82.0g及び1,6−ヘキサンジオール59.0gを撹拌下に装入し、引き続き塩化水素85.6gを導入し、その際、液体の二相混合物が形成される。変換率は99.9%である。上相の分離により、1,6−ジクロロヘキサン67.3g(74.1%)が88.5%の純度(GC)で得られ、これは更になおビス−(6−クロロヘキシル)−エーテル8.2%を含有する。
【0098】
比較例1B
約86℃の温度で、1−メチルイミダゾール82.0g中に塩化水素56.7gをガス導入することにより、この条件下で液体の塩酸塩を製造する。引き続き、1,6−ヘキサンジオール59.0gを添加し、80〜86℃で塩化水素(49.3g)を導入する。単相の反応混合物の分析により、変換率が49.7%であることが判明した。1,6−ジクロロヘキサンの含分は収率8.7%に相当する。
【0099】
実施例1から、>100℃の温度でかつイオン性液体の存在下でのアルコールとハロゲン化水素との反応は、先行技術(比較例1A、1B)に対して有利であることが明らかである。比較例1Aでは、イオン性液体の代わりに相応する遊離塩基を使用している。反応生成物の全収率は低下し、より多量のエーテルが副生成物として生じる。比較例1Bに対して、反応はより高い温度で実施され、これは変換率に対しても反応生成物(ハロゲンアルカン)の収率(より高い選択率)に対してもプラスの影響を及ぼす。
【0100】
実施例2−4
HWS−撹拌型反応器中に塩基ないしイオン性液体1モルを装入する。その後、135℃に加熱する。飽和するまで塩化水素を導入することにより、塩基から相応するイオン性液体を製造する。この場合、遊離塩基と比較して出発条件が同じになるように、イオン性液体中にも塩化水素を導入するが、これは必ずしも必要ではない。引き続き、1,6−ヘキサンジオール0.5モルと混合し、その後塩化水素を導入し、その際、HClの吸収をガスビュレットにより行う。
【0101】
【表1】

【0102】
比較例2−5
比較例を本発明による実施例に相応して実施するが、但し、付加的に塩基ないしイオン性液体に対して、表中に記載された(イオン性液体に対する)量の水を装入し、かつ溶液を引き続き塩化水素で飽和させる。
【0103】
【表2】

【0104】
HCl吸収の時間は反応速度に関する尺度の1つである。上記表から、本発明による方法による反応は明らかに迅速に行われ、これは結果として空時収率の改善をもたらすことが明らかである。HCl吸収が約1500mlである場合、導入されたHClが完全に変換され、かつその挙動が理想気体であると仮定して、最大30モル%の量の遊離反応水が生じる。実験によって更に、イオン性液体をより高い温度でかつ最初に水不含で使用することによって、反応水の量が(最大で30モル%まで)増えるにもかからわず、反応速度の顕著な低下は認められないことが判明した。
【0105】
実施例5
135℃の温度で、1−メチルイミダゾールヒドロクロリド118.5g(1.0モル)を溶融物として装入し、固体の1,6−ヘキサンジオール59.0g(0.5モル)と混合する。引き続き、塩化水素ガス47.3g(1.29モル)を35分以内に一定のガス流として反応混合物中に導入する。引き続き、内部温度139℃でかつ33ミリバールで生成物がもはや上昇しなくなるまでの間、蒸留ブリッジを介して減圧下で蒸留する。留出物は二相混合物として生じる。水相の分離後に、1,6−ジクロロヘキサン69.7g(88.8%)を98.7%の純度(GC)で得る。
【0106】
実施例6
85℃の温度で、塩化水素44.6g(1.22モル)を1−メチルイミダゾール82.0g(1.0モル)中にガス導入することにより、この条件下で液体の塩酸塩を製造し、水18.0g(1.0モル)と混合し、引き続き135℃に加熱する。この温度で、1,6−ヘキサンジオール59.0g(0.5モル)の添加後に4時間以内で塩化水素67.7g(1.85モル)を反応混合物中に導入し、その際、二相混合物が形成される。引き続き、内部温度135℃でかつ39ミリバールで生成物がもはや上昇しなくなるまでの間、蒸留ブリッジを介して減圧下で蒸留する。二相留出物の分離により、1,6−ジクロロヘキサン58.1g(74.0%)が98.7%の純度(GC)で得られる。
【0107】
実施例7
111℃までの温度で、1−メチルイミダゾール82.0g(1.0モル)を、塩化水素45.3g(1.24モル)のガス導入により1−メチルイミダゾールヒドロクロリドに変換し、98℃で固体の1,6−ヘキサンジオール59.0g(0.5モル)と混合する。引き続き、2.5時間以内に、塩化水素ガス37.8g(1.04モル)を一定のガス流で反応混合物中に導入する。この場合、最初の130分間で温度を83℃〜88℃に調節し、その後、20分以内で135℃に加熱し、HCl導入を終了し、2時間後撹拌する。その後、内部温度140℃でかつ24ミリバールで生成物がもはや上昇しなくなるまでの間、蒸留ブリッジを介して減圧下で蒸留する。留出物は二相混合物として生じる。水相の分離後に、1,6−ジクロロヘキサン72.7g(95.5%)を99.1%の純度(GC)で得る。
【0108】
実施例7と実施例5とを比較した場合、温度傾斜を用いた場合、即ちアルコールとハロゲン化水素との反応をイオン性液体の存在下に一時的にのみ100℃を上回る温度で実施した場合、改善された選択率並びに改善された変換率がもたらされることが明らかである。更に、実施例6と比較した場合にも、水相中のイオン性液体の使用によって、所望の生成物(ここでは1,6−ジクロロヘキサン)の明らかに低下された変換率がもたらされることが明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルコールとハロゲン化水素との反応によりハロゲンアルカンを製造するための方法において、アルコールとハロゲン化水素との反応をイオン性液体の存在下に少なくとも一時的に100℃を上回る温度で実施し、かつ少なくとも反応開始の時点で含水量がイオン性液体の量に対して最大で25モル%であり、その際、イオン性液体がオクチルトリメチルアンモニウムクロリドではないことを特徴とする、アルコールとハロゲン化水素との反応によりハロゲンアルカンを製造するための方法。
【請求項2】
ハロゲン化水素を部分的に又は完全に100℃を下回る温度でアルコールとイオン性液体とを含有する混合物に導入し、かつその際に形成される混合物を一時的に100℃を上回る温度に加熱する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
反応を110℃〜150℃の温度で実施する、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
ハロゲン化水素としてHCl又はHBrを使用する、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
sec−ブタノール、イソブタノール、2−エチルヘキサノール、2−プロピルヘプタノール、イソノナノール、シクロヘキサノール、シクロペンタノール、グリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリット、グリセリン、トリメチロールエタン、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、アリルアルコール、プロパルギルアルコール、ジエチレングリコール及びトリエチレングリコールから成る群から選択されるアルコール、特に1,6−ヘキサンジオール、1,5ペンタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、グリコール、アリルアルコール及びプロパルギルアルコールから成る群から選択されるアルコールを使用する、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
以下に挙げられたカチオン及びアニオンを1つずつ有するイオン性液体を使用し、その際、カチオンを、以下:
【化1】

【化2】

並びに前記の構造を有するオリゴマーないしポリマーから成る群から選択し、
ここで、
、R、R、R、R、R及びRは相互に無関係にそれぞれ水素、C〜C18−アルキル、場合により1個以上の酸素−及び/又は硫黄原子及び/又は1個以上の置換されたか又は非置換のイミノ基により中断されたC〜C18−アルキル、C〜C12−アリール、C〜C12−シクロアルキル又は5〜6員の、酸素−、窒素−及び/又は硫黄原子を有する複素環を意味するか、又は前記基のうち2つは一緒になって不飽和、飽和又は芳香族及び場合により1個以上の酸素−及び/又は硫黄原子及び/又は1個以上の置換されたか又は非置換のイミノ基により中断された環を形成し、その際、上記の基はそれぞれ相互に無関係に1箇所又は複数箇所で、官能基、アリール、アルキル、アリールオキシ、アルキルオキシ、ハロゲン及び/又は複素環により置換されていてよく、その際、アンモニウムイオン(v)の場合には、R、R、R及びRはそれぞれ同時に非置換のアルキル基であることはなく、
は更にC〜C18−アルキロイル、C〜C18−アルキルオキシカルボニル、C〜C12−シクロアルキルカルボニル又はC〜C12−アリーロイルを表すことができ、その際、上記の基はそれぞれ相互に無関係に1箇所又は複数箇所で官能基、アリール、アルキル、アリールオキシ、アルキルオキシ、ハロゲン及び/又は複素環により置換されていてよく、かつ
官能基は:カルボキシ、カルボキサミド、ヒドロキシ、アミノ、C〜C−アルキルアミノ、ジ−(C〜C−アルキル)−アミノ、C〜C−アルキルオキシカルボニル、シアノ又はC〜C−アルキルオキシを表し、
かつ、アニオンを以下:
ハロゲン化物イオン、アルキルカルボン酸イオン、トシル酸イオン、スルホン酸イオン、ジアルキルリン酸イオン、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドイオン、トリフルオロ酢酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、メチル硫酸イオン、エチル硫酸イオン、亜硫酸イオン、亜硫酸水素イオン、クロロアルミン酸イオン、ブロモアルミン酸イオン、亜硝酸イオン、硝酸イオン、銅塩化物イオン、リン酸イオン、リン酸水素イオン、リン酸二水素イオン、炭酸イオン及び炭酸水素イオン
から成る群から選択する、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
以下に挙げられたカチオン及びアニオンを1つずつ有するイオン性液体を使用し、その際、カチオンを、以下:
1−メチルイミダゾリウム、1−エチルイミダゾリウム、1−プロピルイミダゾリウム、1−ブチルイミダゾリウム、2−エチルピリジニウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−n−ブチル−3−エチルイミダゾリウム、1,2−ジメチルピリジニウム、1−メチル−2−エチルピリジニウム、1−メチル−2−エチル−6−メチルピリジニウム、N−メチルピリジニウム、1−ブチル−2−メチルピリジニウム、1−ブチル−2−エチルピリジニウム、1−ブチル−2−エチル−6−メチルピリジニウム、N−ブチルピリジニウム、1−ブチル−4−メチルピリジニウム、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1−n−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、1,3,4,5−テトラメチルイミダゾリウム、1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、1,2−ジメチルイミダゾリウム、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、3,4−ジメチルイミダゾリウム、2−エチル−3,4−ジメチルイミダゾリウム、3−メチル−2−エチルイミダゾリウム、3−ブチル−1−メチルイミダゾリウム、3−ブチル−1−エチルイミダゾリウム、3−ブチル−1,2−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジ−n−ブチルイミダゾリウム、3−ブチル−1,4,5−トリメチルイミダゾリウム、3−ブチル−1,4−ジメチルイミダゾリウム、3−ブチル−2−メチルイミダゾリウム、1,3−ジブチル−2−メチルイミダゾリウム、3−ブチル−4−メチルイミダゾリウム、3−ブチル−2−エチル−4−メチルイミダゾリウム、3−ブチル−2−エチルイミダゾリウム、1−メチル−3−オクチルイミダゾリウム及び1−デシル−3−メチルイミダゾリウム
から成る群から選択し、
かつ、アニオンを以下:
ハロゲン化物イオン、酢酸イオン、メタンスルホン酸イオン、トシル酸イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、リン酸イオン、リン酸水素イオン、リン酸二水素イオン、ジアルキルリン酸イオン及びビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドイオン
から成る群から選択する、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
以下:
1−メチルイミダゾリウムクロリド、1−メチルイミダゾリウムブロミド、1−メチルイミダゾリウムフルオリド、1−メチルイミダゾリウムヨージド、1−メチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1−メチルイミダゾリウムスルファート、1−メチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−メチルイミダゾリウムトシラート、1−メチルイミダゾリウムジエチルホスファート、1−エチルイミダゾリウムクロリド、1−エチルイミダゾリウムブロミド、1−エチルイミダゾリウムフルオリド、1−エチルイミダゾリウムヨージド、1−エチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1−エチルイミダゾリウムスルファート、1−エチルイミダゾリウムメタンスルファート、1−エチルイミダゾリウムトシラート、1−エチルイミダゾリウムジエチルホスファート、1−プロピルイミダゾリウムクロリド、1−プロピルイミダゾリウムブロミド、1−プロピルイミダゾリウムフルオリド、1−プロピルイミダゾリウムヨージド、1−プロピルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1−プロピルイミダゾリウムスルファート、1−プロピルイミダゾリウムメタノスルファート、1−プロピルイミダゾリウムトシラート、1−プロピルイミダゾリウムジエチルホスファート、1−ブチルイミダゾリウムクロリド、1−ブチルイミダゾリウムブロミド、1−ブチルイミダゾリウムフルオリド、1−ブチルイミダゾリウムヨージド、1−ブチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1−ブチルイミダゾリウムスルファート、1−ブチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−ブチルイミダゾリウムトシラート、1−ブチルイミダゾリウムジエチルホスファート、2−エチルピリジニウムクロリド、2−エチルピリジニウムブロミド、2−エチルピリジニウムヨージド、2−エチルピリジニウムヒドロゲンスルファート、2−エチルピリジニウムスルファート、2−エチルピリジニウムメタンスルホナート、2−エチルピリジニウムトシラート、2−エチルピリジニウムジエチルホスファート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムフルオリド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヨージド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムスルファート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムトシラート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジエチルホスファート、1−n−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−n−ブチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド、1−n−ブチル−3−メチル−イミダゾリウムフルオリド、1−n−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヨージド、1−n−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヒドロゲンスルホナート、1−n−ブチル−3−メチルイミダゾリウムスルファート、1−n−ブチル−3−メチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−n−ブチル−3−メチルイミダゾリウムトシラート、1−n−ブチル−3−メチルイミダゾリウムジエチルホスファート、1−n−ブチル−3−エチル−イミダゾリウムクロリド、1−n−ブチル−3−エチルイミダゾリウムブロミド、1−n−ブチル−3−エチルイミダゾリウムフルオリド、1−n−ブチル−3−エチルイミダゾリウムヨージド、1−n−ブチル−3−エチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、1−n−ブチル−3−エチルイミダゾリウムスルファート、1−n−ブチル−3−エチルイミダゾリウムメタンスルホナート、1−n−ブチル−3−エチルイミダゾリウムトシラート及び1−n−ブチル−3−エチルイミダゾリウムジエチルホスファート
から成る群から選択されたイオン性液体、
特に以下:
1−メチルイミダゾリウムクロリド、1−メチルイミダゾリウムブロミド、1−メチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート、2−エチルピリジニウムクロリド、2−エチルピリジニウムブロミド、2−エチルピリジニウムヒドロゲンスルファート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド及び1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヒドロゲンスルファート
から成る群から選択されたイオン性液体を使用する、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
ハロゲンアルカンを蒸留によって反応混合物から単離する、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
イオン性液体が150℃を下回る、特に100℃を下回る融点を有する、請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
反応させるべきアルコールのOH基各1モルに対して、反応を1〜3倍のモル量のイオン性液体の存在下に実施する、請求項1から10までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
反応開始の時点で反応を水不含か又はほぼ水不含で実施する、請求項1から11までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
反応の際に遊離する水を連続的に除去、特に留去する、請求項1から12までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
アルコールとハロゲン化水素との反応の際の含水量が、反応時間全体に亘って、イオン性液体の量に対して最大で25モル%、有利に最大で20モル%、更に有利に最大で10モル%、特に有利に最大で5モル%である、請求項13記載の方法。
【請求項15】
1分子当たり1個を上回るOH基を有するアルコールの反応の際に、全てのOH基をハロゲンで置換する、請求項1から14までのいずれか1項に記載の方法。

【公表番号】特表2007−505072(P2007−505072A)
【公表日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−525743(P2006−525743)
【出願日】平成16年9月7日(2004.9.7)
【国際出願番号】PCT/EP2004/009974
【国際公開番号】WO2005/026089
【国際公開日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(595123069)ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト (847)
【氏名又は名称原語表記】BASF Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】