説明

アレイ型積層セラミックコンデンサ及びアレイ型積層セラミックコンデンサ製造方法

【課題】段差問題を解決し、接触問題を解決することができるアレイ型積層セラミックコンデンサ及びアレイ型積層セラミックコンデンサ製造方法を提供すること。
【解決手段】誘電体フィルムを形成する段階、誘電体フィルム上に複数のインクジェットプリンタヘッドを利用して内部電極用インクと誘電体用インクを噴射することで内部電極及び内部電極と同一平面上に形成される電極間誘電体が同時に印刷された誘電体シートを形成する段階、誘電体シートを積層及び圧着する段階、積層された誘電体シートを誘電体シートと同一平面上の複数の内部電極を含んで切断する段階、切断された誘電体シートを焼成する段階を含むアレイ型積層セラミックコンデンサ製造方法が提供される。本発明によるアレイ型積層セラミックコンデンサは誘電体と内部電極を同時に印刷することで段差問題を解決し、内部電極と外部電極を一体に印刷することで接触問題を解決することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品に関し、特に積層セラミックコンデンサ及び積層セラミックコンデンサ製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
積層セラミックコンデンサ(MLCC:Multi-Layer Ceramic Capacitor)は、キャパシタを多層に積層して形成した電子部品であって、DC信号遮断、バイパッシング(bypassing)、周波数共振など多様な役目を果たす。電子製品の個人化によるポータブル端末機の市場が漸次的に拡がるによって積層セラミックコンデンサは小型化、軽量化になっている。
【0003】
最近には、多くの積層セラミックコンデンサがアレイ形態に一つのチップに形成されるアレイ型積層セラミックコンデンサが使われる。アレイ型積層セラミックコンデンサは、複数の積層セラミックコンデンサを一つに代替することができるので、積層セラミックコンデンサを個別的に使う場合と比べて実装面積、時間、費用などを減少することができる長所がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術によれば、アレイ型積層セラミックコンデンサは、グリーンシート(green sheet)にスクリーンプリント、フレキソ(flexo)印刷、グラビア(gravure)印刷などの印刷方式によって電極ペースト(paste)を印刷した後、多層に積層して切断(cutting)した後高温で焼結して、外部電極を塗布、焼結してメッキする工程で製造される。
【0005】
ここで、印刷された誘電体シート上に内部電極が印刷されるので、誘電体シートが多層に積層される場合内部電極の厚さによって段差が形成される。図1を参照すれば、アレイ型積層セラミックコンデンサの断面図に誘電体110及び内部電極120が示されていて、誘電体110間に内部電極120の厚さによって段差(g)が形成される。このような段差問題を解決するために内部電極の厚さを減らす方法が提示されることもあるが、内部電極の厚さを減らすことには限界がある。
【0006】
また、上述したようにアレイ型積層セラミックコンデンサを製造する工程は、成形、印刷、積層、圧着、切断、研磨、外部電極工程を含む。したがって、誘電体シート間に結合がよくない場合、誘電体シートが層別に割れる(delamination)問題が発生する。また、内部電極と外部電極を別途の工程によって生成することで内部電極と外部電極間に接触不良の問題点が発生する。
【0007】
本発明は、誘電体と内部電極を同時に印刷することで段差問題を解決することができるアレイ型積層セラミックコンデンサ及びその製造方法を提供する。
【0008】
また、本発明は、積層の際誘電体シート間接着力を進めることができるアレイ型積層セラミックコンデンサ及びその製造方法を提供する。
【0009】
また、本発明は、内部電極と外部電極を一体に印刷することで接触問題を解決することができるアレイ型積層セラミックコンデンサ及びその製造方法を提供する。
【0010】
また、本発明は、内部電極と外部電極を同時に印刷することで製造工程を縮めることができるアレイ型積層セラミックコンデンサ及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一側面によれば、(a)誘電体フィルムを形成する段階、(b)誘電体フィルム上に複数のインクジェットプリンタヘッドを利用して内部電極用インクと誘電体用インクを噴射することで内部電極及び内部電極と同一平面上に形成される電極間誘電体が同時に印刷された誘電体シートを形成する段階、(c)誘電体シートを積層及び圧着する段階、(d)積層された誘電体シートを、誘電体シートと同一平面上の複数の内部電極を含んで切断する段階、(e)切断された誘電体シートを焼成する段階を含むアレイ型積層セラミックコンデンサ製造方法を提供することができる。
【0012】
ここで、誘電体フィルムは、誘電体懸濁液を利用して形成するかインクジェットプリンタヘッドを利用して誘電体用インクを噴射することで形成することができる。
【0013】
また、誘電体シートを切断する切断線は内部電極と平行であって電極間誘電体を両分することができる。
【0014】
また、段階(d)で、誘電体シートと同一平面上に含まれる内部電極の数は2または4であることができる。
【0015】
また、複数のインクジェットプリンタヘッドは、内部電極用インクを噴射する内部電極用インクジェットプリンタヘッドと、誘電体用インクを噴射する誘電体用インクジェットプリンタヘッドを含むことができる。
【0016】
ここで、内部電極用インクジェットプリンタヘッドと誘電体用インクジェットプリンタヘッドは一体で動きながらインクを噴射するか、相互違う動作制御信号に応じて個別的に動きながらインクを噴射することができる。
【0017】
本発明の別の側面によれば、第1外部電極、第1外部電極に結合し一部分で一面が開放されるように陥入された誘電体、誘電体の陥入された部分に形成された内部電極及び内部電極と一体に結合され形成された第2外部電極の印刷された誘電体シートを形成する段階、誘電体シートを、第1外部電極と第2外部電極が相互電気的に繋がれるように対称で交互に積層及び圧着する段階、積層された誘電体シートを上記誘電体シートと同一平面上の複数の内部電極を含んで切断する段階、切断された誘電体シートを焼成する段階を含むアレイ型積層セラミックコンデンサ製造方法を提供することができる。
【0018】
本発明のまた別の側面によれば、第1外部電極、第1外部電極に結合し一部分で一面が開放されるように陥入された誘電体、誘電体の陥入された部分に形成された内部電極及び内部電極と一体に結合され形成された第2外部電極の印刷された複数の誘電体シートを含むが、第1外部電極、内部電極及び第2外部電極はあらかじめ設定された数だけ誘電体シートと同一平面上に所定の間隔に配列されるし、誘電体シートは第1外部電極と第2外部電極が相互電気的に繋がれるように対称で交互に積層されるアレイ型積層セラミックコンデンサを提供することができる。
【0019】
ここで、第1外部電極、誘電体、内部電極及び第2外部電極は、インクジェット方式によって同時に印刷されられるし、インクジェット方式は、複数のインクジェットプリンタヘッドを利用して電極用インクと誘電体用インクを噴射する方式であることができる。
【0020】
また、第1外部電極、内部電極及び第2外部電極は、相互違う種類の材料にて形成されることができるし、誘電体シートと同一平面上に含まれる内部電極の数は2または4であることができる。
【0021】
本発明のまた別の側面によれば、上述したアレイ型積層セラミックコンデンサ製造方法によって製造されたアレイ型積層セラミックコンデンサを提供することができる。
【発明の効果】
【0022】
上述したように、本発明によるアレイ型積層セラミックコンデンサ及びその製造方法は、誘電体と内部電極を同時に印刷することで段差問題を解決することができる。
【0023】
また、本発明によるアレイ型積層セラミックコンデンサ及びその製造方法は、積層の際、誘電体シート間接着力を進めることができる。
【0024】
また、本発明によるアレイ型積層セラミックコンデンサ及びその製造方法は、内部電極と外部電極を一体に印刷することで接触問題を解決することができる。
【0025】
また、本発明によるアレイ型積層セラミックコンデンサ及びその製造方法は、内部電極と外部電極を同時に印刷することで製造工程を縮めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明によるアレイ型積層セラミックコンデンサの望ましい実施例を添付図面を参照して詳しく説明する事にするが、添付図面を参照して説明することにおいて、図面符号に構わず同一の構成要素は同じ参照符号を付与してこれに対する重複される説明は略する事にする。本発明の望ましい実施例を詳しく説明することの前にアレイ型積層セラミックコンデンサの一般的な原理に対して先ず説明する事にする。
【0027】
アレイ型積層セラミックコンデンサは、複数の積層セラミックコンデンサで構成されて、それぞれの積層セラミックコンデンサは誘電体、内部電極及び外部電極を含む。誘電体は、アレイ型積層セラミックコンデンサの外部体部分であり、その材質がセラミック材料よりなっているので一般的にセラミック体と称する。誘電体としては一般的にBaTiO3(Barium Titanate、BT系)が使われていて、これは常温で高誘電率を有する。誘電体のBT粉末の焼結温度は1250℃位である。
【0028】
内部電極は、誘電体の中に位している伝導性物質である。内部電極の材料としては一般的にパラジウム(Pd)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)などが使われる。内部電極の材料であるパラジウム(Pd)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)の融点はそれぞれ1555℃、1452℃、1083℃である。
【0029】
外部電極は、アレイ型積層セラミックコンデンサを外部電源と連結させてくれる伝導性物質である。アレイ型積層セラミックコンデンサは基板の表面実装用に設計された素子であるから外部電極は、単純に外部電圧との連結の役目だけではなく基板に実装される時半田をよく附着させる役目まで果たす。
【0030】
図2は、本発明の望ましい実施例によるインクジェットプリンタヘッドを利用するインクジェット方式によって誘電体及び電極を同時に印刷する方法を示す図面である。図2を参照すれば、電極用インクジェットプリンタヘッド240と誘電体用インクジェットプリンタヘッド250はあらかじめ設定されたパターンによってそれぞれ電極230と誘電体220をキャリア(carrier)フィルム210に形成する。
【0031】
電極用インクジェットプリンタヘッド240と誘電体用インクジェットプリンタヘッド250はそれぞれ電極用インクと誘電体用インクを噴射する。電極用インクはパラジウム(Pd)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)のような金属粉末と、バインダー(binder)及び溶媒を含むことができるし、誘電体用インクはBT粉末と、バインダー(binder)及び溶媒を含むことができる。ここで、電極用インクと誘電体用インクを同時に印刷する場合互いに混合されないよう不混和性の溶媒が使われる。
【0032】
ここで、インクジェット方式によって誘電体220と電極230を同時に印刷するということは、同じ時間帯に誘電体用インクと電極用インクを噴射することを意味するだけでなく、複数のインクジェットプリンタヘッドを利用してあらかじめ設定されたプログラム及びパターンによって誘電体220と電極230を印刷することを意味する。したがって、誘電体220と電極230は一緒に印刷されるとかまたは、同一パス(pass)で印刷されることができる。例えば、図2を参照すれば、電極用インクジェットプリンタヘッド240と誘電体用インクジェットプリンタヘッド250はキャリアフィルム210に対向して一体に移動しながら電極230と誘電体220を同時に印刷する。ここで、誘電体220のみを印刷する部分では、電極用インクジェットプリンタヘッド240は作動を止めて、誘電体用インクジェットプリンタヘッド250だけが誘電体用インクを噴射する。
【0033】
このような電極用インクジェットプリンタヘッド240と誘電体用インクジェットプリンタヘッド250はインクを噴射するインクジェットプリント装置のヘッドになることができる。例えば、インクジェットプリント装置は、その装置を支持している受け台と、あらかじめ設定されたパターンによってキャリアフィルム210上にインクを噴射して電極と誘電体を印刷するインクジェットプリンタヘッドと、インクジェットプリンタヘッドをキャリアフィルム210上で移動させる移動装置と、インクジェットプリンタヘッドがあらかじめ設定されたパターンによってインクを噴射するように制御するプログラムを実行する回路部などを含むことができる。
【0034】
ここで、電極用インクジェットプリンタヘッド240と誘電体用インクジェットプリンタヘッド250は一体で動きながらインクを噴射することができる。すなわち、あらかじめ設定されたパターンによって同じ経路上で一緒に動きながら電極と誘電体を印刷することができる。ヘッドが一緒に動く場合にはそれぞれのヘッドから噴射されるインクの噴射時点、噴射される量などを調節することであらかじめ設定されたパターンによって電極と誘電体を印刷することができる。別の実施例によれば、電極用インクジェットプリンタヘッド240と誘電体用インクジェットプリンタヘッド250は相互違う動作制御信号に応じて個別的に動きながらインクを噴射することができる。すなわち、それぞれのヘッドは一つの装置または別個の装置に具備されてそれぞれ異なるプログラムにしたがって相互違う動作制御信号を受信しここに応ずる動作を遂行することができる。
【0035】
アレイ型積層セラミックコンデンサは、個別的にコンデンサ役目をする積層セラミックコンデンサをあらかじめ設定された数だけ一つのチップに含んでおり、図3を参照すれば、誘電体310、外部電極320が示されていて、アレイ型積層セラミックコンデンサは4個の積層セラミックコンデンサを含んでいる。ここで、アレイ型積層セラミックコンデンサに含まれたそれぞれの積層セラミックコンデンサは相互同一の電気容量を有するかまたは相互違う電気容量を有することができる。内部電極と誘電体の印刷パターンを制御することによりそれぞれの積層セラミックコンデンサに互いに異なる電気容量を持たせることもできる。すなわち、誘電体シートの積層される方向に、内部電極間に形成される誘電体の厚さを隣接の内部電極間に形成される誘電体の厚さと異にして形成するかまたは、内部電極の厚さを違うように形成することでそれぞれの積層セラミックコンデンサに互いに異なる電気容量を持たせることができる。または、誘電体シートが積層される方向に、内部電極の間に形成される誘電体の誘電率を互いに異ならせることで、それぞれの積層セラミックコンデンサに互いに異なる電気容量を持たせることもできる。
【0036】
以上のように、アレイ型積層セラミックコンデンサ及びその製造方法を一般的に示す図面に対して説明したが、以下では添付図面を参照して、本発明によるアレイ型積層セラミックコンデンサ及びその製造方法を具体的な実施例を基準にして説明する事にする。本発明による実施例は大きく二つに区分されるが、その第一は、内部電極及びその内部電極と同一平面上に形成された電極間誘電体をインクジェット方式によって同時に印刷する方法であり、第二は、内部電極と外部電極をインクジェット方式によって同時に印刷する方法である。以下で順次に説明する。
【0037】
図4は、本発明の望ましい第1実施例によって誘電体フィルム上にインクジェット方式を利用して同時に形成された内部電極と電極間誘電体を示している。図4を参照すれば、誘電体粉末、分散剤及びバインダー(binder)を含む懸濁液(slurry)を利用して形成されたものまたは、電極用インクジェットプリンタヘッド240と誘電体用インクジェットプリンタヘッド250によって形成された誘電体フィルム410が示されている。誘電体フィルム410を形成した後、電極用インクジェットプリンタヘッド240と誘電体用インクジェットプリンタヘッド250を利用して誘電体フィルム410上に内部電極420と電極間誘電体430を形成する。
【0038】
誘電体フィルム410は、従来技術によるバッチ(batch)工程と成形(casting)工程によって形成されられる。また、内部電極420と電極間誘電体430は、インクジェットプリンタヘッドがあらかじめ設定されたパターンによって噴射した内部電極用インクと誘電体用インクによって形成される。ここで、電極間誘電体430に使われた誘電体用インクは誘電体フィルム410に使われた懸濁液と同一であるかまたは他のバインダー及び溶媒を含むことができる。
【0039】
ここで、それぞれの積層セラミックコンデンサを製造する方法は多様に具現することができる。例えば、内部電極420と電極間誘電体430があらかじめ設定されたパターンによって同時に印刷された誘電体シートを積層、圧着、切断することで積層セラミックコンデンサを形成することができる。別の実施例によれば、チップ(chip)単位に内部電極420と電極間誘電体430を印刷して、その上部に誘電体フィルムを形成し、以後その上部に続いて内部電極420と電極間誘電体430を印刷する工程を繰り返すことで積層セラミックコンデンサを形成することもできる。
【0040】
また、別の実施例によれば、誘電体フィルム410が従来技術による成形工程によらなく、インクジェット方式によって形成されることができる。例えば、全体工程の中の一番目段階ではインクジェット方式によって誘電体フィルム410を形成し、二番目段階ではインクジェット方式によって誘電体フィルム410上に内部電極420と電極間誘電体430を同時に形成することができる。ここで、誘電体フィルム410は、上述した誘電体用インクジェットプリンタヘッド250によって形成されることもできるし、別途の誘電体フィルム用インクジェットプリンタヘッドによって形成されることもできる。また別の実施例によれば、全体工程の中の一番目段階では誘電体懸濁液を利用して誘電体フィルム410を形成し、二番目段階では誘電体フィルムが半反乾燥された状態でインクジェット方式によって誘電体フィルム410上に内部電極420と電極間誘電体430を同時に形成することもできる。
【0041】
図5は、図3の切断線(a)によって形成された断面図であり、図6は、図3の切断線(b)によって形成された断面図である。図5を参照すれば、アレイ型積層セラミックコンデンサは縦方向に内部電極420が積層されることで個別的に形成された4個の積層セラミックコンデンサを含んでいる。図6を参照すれば、内部電極420は、層別に行き違うように積層されてそれぞれ違う外部電極と電気的に繋がれる。ここで、電極間誘電体430は、図1に示されている段差と区別するために陰影で表示したし、内部電極420間に形成されているので、従来技術による内部電極420間に形成された段差をとり除くことができる。
【0042】
図7は、本発明の望ましい第1実施例によるアレイ型積層セラミックコンデンサの製造方法を示すフローチャートである。
【0043】
段階S710で、懸濁液(slurry)を利用するかまたは、電極用インクジェットプリンタヘッド240と誘電体用インクジェットプリンタヘッド250によって誘電体フィルムを形成する。
【0044】
段階S720で、電極用インクジェットプリンタヘッド240と誘電体用インクジェットプリンタヘッド250を利用してあらかじめ設定されたパターンによって内部電極420及び電極間誘電体430を印刷する。
【0045】
段階S730で、内部電極420及び電極間誘電体430の印刷された誘電体シートをあらかじめ設定された枚数積層して、段階S740で、圧着した後、段階S750から、横方向に、すなわち、誘電体シートと同一平面上に複数の内部電極を含んでチップ(chip)単位に切断する。以後段階S760で、形成されたチップを焼成して、メッキ工程によってチップ(chip)単位にアレイ型積層セラミックコンデンサを製造する。
【0046】
図8は、本発明の望ましい第2実施例によるアレイ型積層セラミックコンデンサの誘電体シートの斜視図であり、図9は、図8の切断線(c)によって形成された断面図であって、図10は、図8の切断線(d)によって形成された断面図である。
【0047】
図8ないし10を参照すれば、外部電極820、910、誘電体830及び内部電極810が示されている。内部電極810と外部電極910はインクジェット方式によって一体に形成されているので、接触不良の問題を解決することができる。ここで、内部電極810と外部電極820、910は相互同一の種類の金属材料にて形成されることもできるし、インクジェット印刷のプログラムによって相互違う種類の金属材料にて形成されることもできる。もし、内部電極810と外部電極820、910が相互違う種類の金属材料にて形成されれば、電極用インクジェットプリンタヘッド240は二つの方法に具現されることができる。すなわち、一つの電極用インクジェットプリンタヘッドがあらかじめ設定されたパターンにしたがって移動しながら内部電極部分では内部電極用インクを噴射して、外部電極部分では外部電極用インクを噴射することができる。そして他の方法は、電極用インクジェットプリンタヘッド240は内部電極用インクジェットプリンタヘッドと外部電極用インクジェットプリンタヘッド240を含んでおり、それぞれ内部電極用インクと外部電極用インクを噴射することで内部電極と外部電極を印刷することもできる。
【0048】
ここで、電極と誘電体が同時に印刷された誘電体シートが交互にオフセット(offset)値だけ移動された後積層されるか、180°位行き違って対称に積層されれば、アレイ型積層セラミックコンデンサが形成される。すなわち、誘電体シートのオフセット(offset)値だけ移動されるか、誘電体の中心を回転軸にして誘電体シートを回転させて下部誘電体シートの外部電極820と上部誘電体シートの外部電極910が重なるように誘電体シートをあらかじめ設定された枚数積層してアレイ型積層セラミックコンデンサを形成する。したがって、下部誘電体シートの外部電極820と上部誘電体シートの外部電極910が相互重なるので、内部電極と外部電極間の接触問題は発生しない。ここで、誘電体は一部分で一面が開放されるように陥入され、開放されない一側で外部電極820と結合されるし、開放された他側で他の外部電極910と結合される。また、下部誘電体シートの誘電体と上部誘電体シートの誘電体は相互接触されて、積層セラミックコンデンサの層間誘電体の役目をする。誘電体が横方向に半分以上陥入される場合、誘電体シートを横方向に対称に積層すれば陥入された部分に形成される内部電極810は相互一定部分が誘電体を介して重なる。したがって内部電極810の重なった部分は積層セラミックコンデンサにおいて電極の役目をする。
【0049】
図11は、本発明の望ましい実施例によるアレイ型積層セラミックコンデンサの積層構造を示す図面であり、図12は、図3の切断線(a)によって形成された断面図であって、図13は、図3の切断線(b)によって形成された断面図である。
【0050】
図11を参照すれば、内部電極810と外部電極820は交互にオフセット(offset)値だけ移動された後積層されるか、交互に180°位行き違って横方向に対称に積層される。
【0051】
ここで、あらかじめ設定されたパターンにしたがって複数の電極と誘電体を印刷し、以後パターンによって切断してアレイ型積層セラミックコンデンサを製造することができる。すなわち、梳き櫛形象の電極と梳き櫛形象の電極間に形成された一字形象の電極を複数個印刷した後、所定の数だけ内部電極を含んで切断することでアレイ型積層セラミックコンデンサを大量に製造することができる。ここで、梳き櫛形象の突出部は内部電極810であり、梳き櫛の体部は外部電極910であって、梳き櫛形象の電極間に形成された一字形象の電極はまた別の外部電極820になる。上部誘電体シートの外部電極820と下部誘電体シートの外部電極910が相互接するようにあらかじめ設定された数だけ誘電体シートを積層して、パターンによって切断すれば、内部電極が相互行き違っている積層セラミックコンデンサを形成することができる。ここで、誘電体シートを切断する切断線はそれぞれの外部電極820、910と平行であって、その外部電極820、910を両分する。
【0052】
ここで、インクジェット方式によってキャリアフィルムに誘電体シートを形成した後、形成された誘電体シートを積層することでアレイ型積層セラミックコンデンサを製造することができる。また、別の実施例によれば、インクジェット方式によって誘電体シートを形成して、形成された誘電体シート上にインクジェット方式によってあらかじめ設定された数だけ繰り返して誘電体シートを形成することでアレイ型積層セラミックコンデンサを製造することもできる。後者の場合、誘電体の半乾燥された状態で誘電体シートが積層されるので、誘電体シート間接着力の強いという長所がある。
【0053】
図12を参照すれば、内部電極810が誘電体830の間に形成されていて、図5に示されている断面図と類似している。しかし、図13を参照すれば、外部電極820、910が内部電極810及び誘電体830と同時に印刷されるので、別途に外部電極820、910を生成する工程は必要ない。
【0054】
図14は、本発明の望ましい第2実施例によるアレイ型積層セラミックコンデンサの製造方法を示すフローチャートである。
【0055】
段階S1410で、電極用インクジェットプリンタヘッド240と誘電体用インクジェットプリンタヘッド250を利用してあらかじめ設定されたパターンによって外部電極820、910、内部電極810及び誘電体830を印刷する。
【0056】
段階S1420で、外部電極820、910、内部電極810及び誘電体830の印刷された誘電体シートを対称になるよう交互にあらかじめ設定された枚数積層し、段階S1430で、圧着した後、段階S1440で、横方向に、すなわち誘電体シートと同一平面上で複数の内部電極を含んでチップ(chip)単位に切断する。以後段階S1450で、形成されたチップを焼成して、メッキ工程によってチップ(chip)単位にアレイ型積層セラミックコンデンサを製造する。
【0057】
本発明は、上記実施例に限定されないし、本発明の思想内で当分野の通常の知識を持った者によって多くの変形が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】従来技術によるアレイ型積層セラミックコンデンサの内部電極によって発生した段差を示す図面である。
【図2】本発明の望ましい実施例によるインクジェット方式によって誘電体と電極を同時に印刷する方法を示す図面である。
【図3】本発明の望ましい実施例によるアレイ型積層セラミックコンデンサの斜視図である。
【図4】本発明の望ましい第1実施例によるインクジェット方式によって同時に印刷された内部電極と誘電体を示す図面である。
【図5】本発明の望ましい第1実施例によるアレイ型積層セラミックコンデンサの断面図である。
【図6】本発明の望ましい第1実施例によるアレイ型積層セラミックコンデンサの断面図である。
【図7】本発明の望ましい第1実施例によるアレイ型積層セラミックコンデンサの製造方法を示すフローチャートである。
【図8】本発明の望ましい第2実施例によるアレイ型積層セラミックコンデンサの誘電体シートの斜視図である。
【図9】本発明の望ましい第2実施例によるアレイ型積層セラミックコンデンサの誘電体シートの断面図である。
【図10】本発明の望ましい第2実施例によるアレイ型積層セラミックコンデンサの誘電体シートの断面図である。
【図11】本発明の望ましい第2実施例によるアレイ型積層セラミックコンデンサの積層構造を示す図面である。
【図12】本発明の望ましい第2実施例によるアレイ型積層セラミックコンデンサの断面図である。
【図13】本発明の望ましい第2実施例によるアレイ型積層セラミックコンデンサの断面図である。
【図14】本発明の望ましい第2実施例によるアレイ型積層セラミックコンデンサの製造方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0059】
240 電極用インクジェットプリンタヘッド
250 誘電体用インクジェットプリンタヘッド
320 外部電極
410 誘電体フィルム
420 内部電極
430 電極間誘電体
810 内部電極
820 外部電極
910 外部電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)誘電体フィルムを形成する段階、
(b)上記誘電体フィルム上に、複数のインクジェットプリンタヘッドを利用して内部電極用インクと誘電体用インクを噴射することで内部電極及び上記内部電極と同一平面上に形成される電極間誘電体が同時に印刷された誘電体シートを形成する段階、
(c)上記誘電体シートを積層及び圧着する段階、
(d)上記積層された誘電体シートを上記誘電体シートと同一平面上の複数の内部電極を含んで切断する段階、及び
(e)上記切断された誘電体シートを焼成する段階を含むアレイ型積層セラミックコンデンサ製造方法。
【請求項2】
上記段階(a)で、
上記誘電体フィルムは、誘電体懸濁液を利用して形成される
請求項1に記載のアレイ型積層セラミックコンデンサ製造方法。
【請求項3】
上記段階(a)で、
上記誘電体フィルムは、上記インクジェットプリンタヘッドを利用して誘電体用インクを噴射することで形成される
請求項1に記載のアレイ型積層セラミックコンデンサ製造方法。
【請求項4】
上記誘電体シートを切断する切断線は、上記内部電極と平行であって上記電極間誘電体を両分する
請求項1に記載のアレイ型積層セラミックコンデンサ製造方法。
【請求項5】
上記段階(d)で、上記誘電体シートと同一平面上に含まれた内部電極の数は2または4である
請求項1に記載のアレイ型積層セラミックコンデンサ製造方法。
【請求項6】
上記複数のインクジェットプリンタヘッドは、
上記内部電極用インクを噴射する内部電極用インクジェットプリンタヘッド、及び
上記誘電体用インクを噴射する誘電体用インクジェットプリンタヘッドを含む
請求項1に記載のアレイ型積層セラミックコンデンサ製造方法。
【請求項7】
上記内部電極用インクジェットプリンタヘッドと上記誘電体用インクジェットプリンタヘッドは一体で動きながらインクを噴射する
請求項6に記載のアレイ型積層セラミックコンデンサ製造方法。
【請求項8】
上記内部電極用インクジェットプリンタヘッドと上記誘電体用インクジェットプリンタヘッドは、相互違う動作制御信号に応じて個別的に動きながらインクを噴射する
請求項6に記載のアレイ型積層セラミックコンデンサ製造方法。
【請求項9】
請求項1ないし請求項8の中のある一つの項による上記積層セラミックコンデンサ製造方法によって製造されたアレイ型積層セラミックコンデンサ。
【請求項10】
第1外部電極、上記第1外部電極に結合し一部分で一面が開放されるように陥入された誘電体、上記誘電体の陥入された部分に形成された内部電極及び上記内部電極と一体に結合され形成された第2外部電極の印刷された誘電体シートを形成する段階、
上記誘電体シートを、上記第1外部電極と上記第2外部電極が相互電気的に繋がれるように対称で交互に積層及び圧着する段階、
上記積層された誘電体シートを上記誘電体シートと同一平面上の複数の上記内部電極を含んで切断する段階、及び
上記切断された誘電体シートを焼成する段階を含むアレイ型積層セラミックコンデンサ製造方法。
【請求項11】
上記第1外部電極、上記誘電体、上記内部電極及び上記第2外部電極は、インクジェット方式によって同時に印刷された
請求項10に記載のアレイ型積層セラミックコンデンサ製造方法。
【請求項12】
上記インクジェット方式は、複数のインクジェットプリンタヘッドを利用して電極用インクと誘電体用インクを噴射する方式である
請求項11に記載のアレイ型積層セラミックコンデンサ製造方法。
【請求項13】
上記第1外部電極、上記内部電極及び上記第2外部電極は相互違う種類の材料にて形成された
請求項10に記載のアレイ型積層セラミックコンデンサ製造方法。
【請求項14】
上記誘電体シートと同一平面上に含まれた内部電極の数は2または4である
請求項10に記載のアレイ型積層セラミックコンデンサ製造方法。
【請求項15】
第1外部電極、上記第1外部電極に結合し一部分で一面が開放されるように陥入された誘電体、上記誘電体の陥入された部分に形成された内部電極及び上記内部電極と一体に結合され形成された第2外部電極の印刷された複数の誘電体シートを含むが、
上記第1外部電極、上記内部電極及び上記第2外部電極はあらかじめ設定された数だけ上記誘電体シートと同一平面上に所定の間隔に配列されるし、上記誘電体シートは上記第1外部電極と上記第2外部電極が相互電気的に繋がれるように対称で交互に積層されたアレイ型積層セラミックコンデンサ。
【請求項16】
上記第1外部電極、上記誘電体、上記内部電極及び上記第2外部電極はインクジェット方式によって同時に印刷された
請求項15に記載のアレイ型積層セラミックコンデンサ。
【請求項17】
上記インクジェット方式は、複数のインクジェットプリンタヘッドを利用して電極用インクと誘電体用インクを噴射する方式である
請求項16に記載のアレイ型積層セラミックコンデンサ。
【請求項18】
上記第1外部電極、上記内部電極及び上記第2外部電極は相互違う種類の材料にて形成される
請求項15に記載のアレイ型積層セラミックコンデンサ。
【請求項19】
上記誘電体シートと同一平面上に所定の間隔に配列された内部電極の数は2または4である
請求項15に記載のアレイ型積層セラミックコンデンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−287200(P2006−287200A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−27783(P2006−27783)
【出願日】平成18年2月3日(2006.2.3)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】