説明

アレルゲン制御のための湿式使い捨て拭取り布

家庭内及びその周辺に使用するための拭取り布。本発明は、アレルゲンを低減させること及び制御することに役立つ、家庭用具に使用するための使い捨て拭取り布に関する。拭取り布は、アレルゲン制御剤を含む。拭取り布は、湿潤されていてもよい。拭取り布は、家庭内及びその周辺の布系表面のような表面を処理するために用いられ得る。本発明はまた、本発明の使い捨て拭取り布を利用して家庭内及びその周辺の表面を処理する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋内のアレルゲンを制御するために用いる、家庭用具及び自動車用湿式使い捨て拭取り布に関する。本発明はまた、本発明の湿式拭取り布を利用して、家庭及び自動車周辺の布系材料からアレルゲンを清掃する及び低減する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ハウスダストは多くの成分から成る。その内容物は著しく変化し得るが、一片のほこりは布の繊維、ヒトの皮膚粒子、動物のフケ、ハウスダストダニ、ゴキブリの一部、カビ胞子、細菌、食べかす、及び他の破片を含む場合がある。最も一般的な原因、チリダニ、ペットのフケ、及びカビ胞子を含む、これらのほこり成分の多くは、多くの人々にアレルギーを誘発する。一片のほこり粒子が、これら様々な成分の塊(agglomeration)を含む可能性がある。これらの成分は、アレルギー患者の鼻水又は鼻づまり、痒み/涙目/充血、及びくしゃみと関連する場合が多い。残念ながら、ハウスダストは「清潔な」家にさえ存在する。いくつかの屋内のアレルゲンの一般的な貯蔵所としては、寝具の布、室内装飾品、カーテン、及びじゅうたんが挙げられる。
【0003】
洗濯は、ほこりアレルゲンと戦う1つの手段である。しかし、室内装飾品やカーテンのような家庭の布の多くを、洗濯又はドライクリーニングすることは、容易に又は直ちに利用可能な選択肢ではない。結果として、消費者は日常的に掃除機をかけることにより、これらの物品を清掃していると報告することが多いであろう。しかし、実際は、「日常的に」は言い換えると、1年に1回若しくは2回室内装飾品及びカーテンに掃除機をかけること、又は月に2〜3回ほこり取り布若しくは古いTシャツで布の表面を清掃することである。確かに、掃除機をかけたりほこりを拭き取ったりすることにより、家庭の布のほこりの量を低減させることはできるが、これらの手段により除去することが非常に難しい、アレルゲンを含むほこり成分が多数存在すると考えられている(米国アレルギーぜんそく免疫学会(American College of Allergy, Asthma, & Immunology)オンライン版、パブリックエデュケイション(Public Education):屋内アレルギー残存の警告(Indoor Allergy Survival Tips)2005年)。さらに、これらの実施がアレルゲン問題の一因となる可能性への懸念が増大している。すなわち、掃除機をかけたりほこりを拭き取ったりすることはともに、清掃過程中にアレルゲンを空中に浮遊させることに関係し、これはアレルギー患者にとって事態を著しく悪化させている可能性がある。したがって、これら通常の家事を実施することは、家庭の布上の屋内アレルゲンの量を低減させるのに十分ではなく、またそのために必要な頻度実施している訳でもない。
【0004】
本発明は、布表面からアレルゲンを除去するために独自に設計された、湿式使い捨て拭取り布を具現化する。湿式使い捨て拭取り布は、素早く、容易に、及び穏やかに、布が擦り切れたり、後に綿ぼこりが残ったりすることなく、布の表面から汚れや汚染物質を除去する。湿式使い捨て拭取り布はまた、布表面からアレルゲン(典型的には、非常に小さな大きさであり、一般に約0.1ミクロン〜100ミクロンに分布する)を除去し、その結果、アレルゲンを空気中又は家庭内ではなくゴミ箱に収めることができ、その上同時に、拭取り布により接触した布表面上にアレルゲン制御剤を置くことができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の上記及び他の特徴、態様、利点、及び変形は、本開示内容及び添付の特許請求の範囲を読むことにより当業者には明白であり、及びこれらは特許請求の範囲の範囲内に含まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、家庭用具用布系材料を清掃するための湿式使い捨て拭取り布に関する。拭取り布は、基材及び組成物を含む。組成物は、
i)約0.01重量%〜約25重量%のアレルゲン制御剤、
ii)約0.05重量%〜約15重量%の有機溶媒、並びに
iii)残部の水及び任意成分
を含む。
【0007】
本発明はまた、家庭用具表面を清掃する方法に関する。方法は、
a)使い捨て拭取り布を提供する工程であって、使い捨て拭取り布が少なくとも1層から成る基材を備え、
基材に適用される組成物を含み、組成物が、基材重量のグラム当たり、組成物の約0.5g〜約8gの量で基材に適用され、組成物が、
i)約0.01重量%〜約25重量%のアレルゲン制御剤、
ii)約0.05重量%〜約15重量%の有機溶媒、並びに
iii)残部の水及び他の任意成分
を含む工程と、
b)清掃される表面に使い捨て拭取り布を接触させる工程と、
c)組成物を表面に適用する行程と、
d)汚れや汚染物質を表面から使い捨て拭取り布へ移動させる工程と
を含む。
【0008】
本発明はさらに、家庭用具表面を清掃するためのキットに関する。キットは、:
a)基材に適用される組成物を含む少なくとも1層から成る基材を備えた湿式使い捨て拭取り布であって、組成物が、基材重量のグラム当たり、組成物の約0.5g〜約8gの量で基材に適用され、組成物が、
i)約0.01重量%〜約25重量%のアレルゲン制御剤、
ii)約0.0.01重量%〜約15重量%の有機溶媒、
iii)残部の水を含む湿式使い捨て拭取り布と、
b)湿式使い捨て拭取り布を家庭用具表面に容易に接触させるために、湿式使い捨て拭取り布が取り付けられた器具とを備える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
ここで、本発明の様々な実施形態が詳細に参照され、その実施例は添付図面に例証されているが、類似の番号は各図面を通して同一の要素を示している。本明細書に記載されるすべての百分率、比率、及び割合は、特に指示がない限り重量基準である。
【0010】
特に記載される場合を除き、分量、百分率、部分、及び割合を包含する全ての量は、「約」という言葉によって修飾されるものと理解され、量は、有効数字を示すことを意図しない。
【0011】
特に記載される場合を除き、冠詞「a」、「an」及び「the」は「1つ以上」を意味する。
【0012】
本明細書で使用する時、「清掃シート」、「湿式使い捨て拭取り布」、及び「湿式拭取り布」、「使い捨て拭取り布」、及び「拭取り布」という用語は本明細書で互換的に使用され得る。
【0013】
本明細書で使用する時、「含む」とは、最終結果に影響を及ぼさない他の工程及び他の成分を加えることができることを意味する。この用語は、「から成る」及び「から本質的に成る」という用語を包含する。本発明の組成物及び方法/プロセスは、本明細書に記載された本発明の必須要素及び制限、並びに本明細書に記載された追加成分又は任意成分、構成要素、工程、又は制限のいずれかを含み、これらから成り、及びこれらから本質的に成ることができる。
【0014】
本明細書で使用する時、「布」という用語は、これらに限定されないが、衣類、室内装飾品、リネン製品、カーテン、装身具、革、床の敷物等を含む布物品を包含する。この用語はまた、これらに限定されないが、トートバッグ、家具のカバー、皮製室内装飾品、及び他の革製品、自動車の内装、防水シート、靴、網戸、動物の縫いぐるみ、枕、マットレス等を含む、全体又は一部が布で製造された他の物品をも包含する。
【0015】
本明細書で使用する時、「湿式」という用語は、使用前又は使用時のいずれかに液体を基材に付加することを指す。「液体」という用語は、これに限定されないが、液相を有するエマルションを含む、液相を有する任意の物質を含む。基材は、製造中に液体で湿潤されてもよいし、又は製造後(例えば、ユーザーによって使用時に)液体で湿潤されてもよい。
【0016】
本明細書で使用する時、「使い捨て」という用語は、洗濯ないしは別の方法で再生されることを意図せず、使用後に廃棄されることを意図した物品を説明するために使用される。
【0017】
本明細書で使用する時、「不織布」という用語は、インターレイされているが、いかなる規則性又は反復性もない、個別の繊維又は糸の構造を有する基材を指す。不織布基材は、これらに限定するものではないが、メルトブロー法、スパンボンド法、及び結合梳毛法を含んだ、種々の方法によって形成され得る。本明細書で使用する時、「超極細繊維」という用語は、平均直径が約100ミクロン以下の小さな直径を有する繊維を指す。
【0018】
本明細書で使用する時、「メルトブロー繊維」という用語は、溶融熱可塑性材料を、融解した糸又はフィラメントとして、複数の微細な、通常は環状の金型(die)毛管を通して、溶融熱可塑性材料のフィラメントを弱めてその直径を減少させる高速ガス(例えば空気)の流れの中に押し出すことによって形成される繊維を表す。この場合、繊維の直径は超極細繊維の直径であってもよい。その後、高速ガス流によって、メルトブロー繊維は移動し、収集面上に沈着して、無作為に分散したメルトブロー繊維のウェブを形成する。
【0019】
本明細書で使用する時、「スパンボンド繊維」という用語は、溶融熱可塑性材料を、フィラメントとして、複数の微細な、通常は環状の紡糸口金の毛管から押し出すことによって形成され、次に押し出されたフィラメントの直径を延伸によって急速に減少させた、小さな直径の繊維を指す。
【0020】
本明細書で使用する時、「積層」及び「複合材料」という用語は、本発明に用いられ得る基材を説明するために、互換的に用いられる。両方とも、1を超える層(ply)又は層(layer)から成る単一ウェブを形成するために、対面する関係で結合した少なくとも2つのウェブから形成された基材を指す。
【0021】
本明細書で使用する時、「ポリマー」という用語は、一般にホモポリマー類、例えばブロック、グラフト、ランダム、及び交互コポリマーのようなコポリマー類、ターポリマー類等、並びにこれらの混合物及び修飾物を含むが、これらに限定されない。さらに、特に限定されない限り、「ポリマー」という用語は、材料の全ての可能な幾何学的構造を含むものとする。これらの構造としては、アイソタクチック、シンジオタクチック、及びランダムな対称性が挙げられるが、これらに限定されない。
【0022】
本明細書を通じての所与のあらゆる最大数値限定は、あたかもこうしたより小さい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように、より小さい全ての数値限定を含むと理解されるべきである。本明細書全体を通じての所与の全ての最小数値限定は、あたかもこうしたより大きい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように、より大きい全ての数値限定を含むであろう。本明細書全体を通じての所与の全ての数値範囲は、あたかもこうしたより狭い数値範囲が全て本明細書に明確に記載されているかのように、こうしたより広い数値範囲内に入る、より狭い全ての数値範囲を含むであろう。
【0023】
湿式使い捨て拭取り布
本発明の湿式使い捨て拭取り布は、基材と、基材重量のグラム当たり、組成物の約0.5g〜約8gの量で基材に適用される組成物とを備える。
【0024】
A.基材
本発明の基材は、乳児用拭取り布、清掃用拭取り布、ウェットティッシュ(towelettes)等が挙げられるが、これらに限定されない、任意の好適な拭取り布基材であってよい。本発明の基材は、国際公開特許第2004/080265号(2004年9月23日公開、ホフト(Hofte)ら)、米国特許公開第2006/0052269号(2006年3月9日公開、パナンディケー(Panandiker)ら)、同第6,716,805号(2004年4月6日発行、シェリー(Sherry)ら)、同第6,561,354号(2003年5月13日発行、フェレシュテコー(Fereshtehkhou)ら)、米国特許公開第2003/0028165号(2003年2月6日公開、クロー(Curro)ら)、及び同第2002/0034912号(2002年3月21日公開、クロー(Curro)ら)に従って(これらには限定されないが)製造されてもよい。本発明の基材は、1以上の層から成ってもよい。基材は、織布及び/若しくは不織布、非変性及び/若しくは変性天然繊維(木材パルプ繊維のようなセルロース系繊維である非限定的な例)、合成繊維、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。
【0025】
用いられ得る他の天然繊維としては、綿、エスパルト、バガス、麻、亜麻、絹、羊毛、木材パルプ、化学変性木材パルプ、黄麻、エチルセルロース、及び/又は酢酸セルロースが挙げられるが、これらに限定されない。好適な合成繊維は、1を超えるモノマーを含有するポリマー類を含んでなる繊維を含み、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニリデン、オーロン(ORLON)(登録商標)のようなポリアクリル、ポリビニルアセテート、レーヨン、ポリエチルビニルアセテート、不溶性又は可溶性ポリビニルアルコール、ポリエチレン(例えば、パルペックス(PULPEX)(登録商標))及びポリプロピレンのようなポリオレフィン類、ナイロンのようなポリアミド類、ダクロン(DACRON)(登録商標)又はコーデル(KODEL)(登録商標)のようなポリエステル類、ポリウレタン類、ポリスチレン類等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0026】
本明細書で有用な繊維は、親水性でも、疎水性でもよいし、又は親水性繊維と疎水性繊維との両方の組み合わせでもよい。前述のとおり、親水性又は疎水性繊維の具体的な選択は、吸収剤に含まれる他の物質、(及びある程度は)以下に記載される洗浄層による。本発明で用いるのに好適な親水性繊維としては、セルロース繊維、変性セルロース繊維、レーヨン、綿、親水性ナイロン(ヒドロフィル(HYDROFIL)(登録商標))のようなポリエステル繊維が挙げられる。好適な親水性繊維はまた、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィン類、ポリアクリル類、ポリアミド類、ポリスチレン類、ポリウレタン類等から誘導された、界面活性剤処理又はシリカ処理された熱可塑性繊維のような、疎水性繊維を親水性化することにより得ることもできる。
【0027】
好適な木材パルプ繊維としては、クラフト法及び亜硫酸法のような、周知の化学パルプ化法から得られるものが挙げられる。これらの木材パルプ繊維は、その優れた吸収特性により、南方の針葉樹由来であることが望ましい場合がある。これらの木材パルプ繊維はまた、砕木パルプ、リファイナー砕木(refiner mechanical)、サーモメカニカル、ケミグランド(chemimechanical)、及びケミサーモメカニカルパルプ化法等、機械式パルピング方法から得ることもできる。再利用した又は二次木材パルプ繊維、並びに漂白及び無漂白木材パルプ繊維もまた使用できる。
【0028】
本発明で用いられ得る別の種類の親水性繊維は、化学的に剛化されたセルロース系繊維である。本明細書で使用する時、「化学的に剛化されたセルロース系繊維」という用語は、乾燥条件下及び水性条件下の両方で繊維の剛性を高めるべく化学的な手段により剛化されたセルロース系繊維を意味する。こうした手段としては、例えば、繊維をコーティングする及び/又は繊維に染み込ませる化学的剛化剤の添加を挙げることができる。また、こうした手段として、例えばポリマー鎖を架橋することによって、化学構造を変えることにより、繊維を剛化することを挙げることができる。
【0029】
繊維が吸収層(又はその構成成分)として使用される場合、繊維を所望により熱可塑性材料と組み合わせてもよい。溶融すると、典型的には繊維間毛管勾配のために、この熱可塑性材料の少なくとも一部が繊維の交差部に移動する。これらの交差部は、熱可塑性材料の接合部位になる。冷却される際、これらの交差部において熱可塑性材料は凝固して接合部位を形成し、これが繊維のマトリックス又は基材を各それぞれの層においてともに保持する。これは、清掃用拭取り布にさらなる全体的な一体性を提供する際に有益な場合がある。
【0030】
様々な方法を使用して、本発明で使用するための好適な基材を形成することができる。好適な方法としては、スパンボンド法、メルトブロー積層、梳毛、湿式積層、及び空気積層が挙げられるが、これらに限定されない。基材の繊維をともに接合させる好適な技術としては、水流交絡法、ニードルパンチ法、熱的接合、超音波接合法、化学的接合、表面加工、及び積層が挙げられるが、これらに限定されない。
【0031】
層の1つが吸収層である、1以上の層から成る基材を利用する場合、繊維を所望により熱可塑性材料と組み合わせてもよい。溶融すると、典型的には繊維間毛管勾配のために、この熱可塑性材料の少なくとも一部が繊維の交差部に移動する。これらの交差部は、熱可塑性材料についての接合部位になる。冷却される際、これらの交差部において熱可塑性材料は凝固して接合部位を形成し、これが繊維のマトリックス又は基材を各それぞれの層においてともに保持する。これは、拭取り布にさらなる全体的な一体性を提供する際に有益な場合がある。
【0032】
本発明において有用な熱可塑性材料は、粒子状物質、繊維、又はこれらの組み合わせを含む任意の多様な形態であることができる。好適な熱可塑性材料は、各層の主要基材又はマトリックスを含む繊維に大幅な損傷を与えないであろう温度で溶融できる、任意の熱可塑性ポリマーから製造することができる。典型的には、この熱可塑性材料の融点は、約190℃未満、一般に約50℃〜約175℃であろう。
【0033】
好適な熱可塑性繊維は、単一ポリマーから製造することもでき(単一成分繊維)、又は1を超えるポリマーから製造することもできる(例えば、複合繊維)。芯鞘複合繊維は、異なるポリマーから製造された熱可塑性鞘内に入れられた、1つのポリマーから製造された芯繊維を含む熱可塑性繊維を指す。鞘を構成するポリマーは、多くの場合、芯を構成するポリマーとは異なる、典型的にはより低い温度で溶融する。結果として、これらの複合繊維は、鞘ポリマーの溶融に起因して熱的接合をもたらし、一方で芯ポリマーの望ましい強度特性を保持する。
【0034】
本発明で用いるのに好適な複合繊維としては、ポリエチレン/ポリプロピレン、ポリエチルビニルアセテート/ポリプロピレン、ポリエチレン/ポリエステル、ポリプロピレン/ポリエステル、コポリエステル/ポリエステル等のポリマーの組み合わせを有する芯鞘繊維が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で用いるのに特に好適な複合熱可塑性繊維は、ポリプロピレン又はポリエステルの芯、及び低級溶融コポリエステル、ポリエチルビニルアセテート又はポリエチレンの鞘(例えば、ダナクロン社(Danaklon a/s)、チッソ社(Chisso Corp.)から入手可能なもの、及びハーキュレス(Hercules)から入手可能なセルボンド(CELBOND)(登録商標))を有するものである。これらの芯鞘複合繊維は、「同心」又は「偏心」であってもよい。本明細書で使用する時、「同心」及び「偏心」という用語は、鞘が、複合繊維の断面積を通じて、均一又は不均一な厚さを有するか否かを指す。偏心の複合繊維は、より小さい繊維厚さで、より大きい圧縮強度を提供する際に望ましい場合がある。
【0035】
熱的に接合した繊維材料を調製する好適な方法は、米国特許第5,607,414号(1997年3月4日発行、リチャ−ズ(Richards)ら)、及び同第5,549,589号(1996年8月27日発行、ホーニー(Horney)ら)に記載されている。
【0036】
繊維を接合させる別の方法は、化学的接合である。一般的な化学的接合剤としては、溶媒系及び樹脂系接着剤(例えばラテックス等)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0037】
拭取り布はまた、HIPEから誘導された親水性、高分子発泡体から成ってもよい。これらの調製のためのこのような発泡体及び方法は、米国特許第5,550,167号(1996年8月27日発行、デスマレス(DesMarais))に記載されている。
【0038】
本発明の基材は、ASTM D3776−96に従って測定した場合、典型的には約40〜約250g/m2、又は約50〜約120g/m2の坪量を有し、約0.3〜約2mmのキャリパーを有する。本発明の基材は典型的には、基材のグラム当たり、液体の約1〜約10g、又は約2〜約8g、又は約3〜約5液体gの液体保持能力を有する。基材はまた、典型的には、約0.8mg/cm2未満、又は約約0.5mg/cm2未満、又は約0.3mg/cm2未満の毛羽立ち水準を有する。基材は典型的には、乾燥状態での横断方向(「CD」)の剛性値が約0.01〜約2g−cm、及び湿潤状態での横断方向の剛性値が約0.005〜約2g−cm、又は約0.1〜約1.5g−cmである。
【0039】
ある非限定的な実施形態では、基材は、天然繊維、ステープル長さの合成繊維、及びラテックス接着性結合剤の組み合わせを含む、エアレイド不織布繊維基材であることができる。乾燥繊維基材は、約20重量%〜80重量%が木材パルプ繊維、約10重量%〜60重量%がステープル長さの合成繊維、及び約10重量%〜25重量%が結合剤であり得る。
【0040】
別の非限定的な実施形態では、乾燥繊維基材は少なくとも約50重量%の木材パルプ繊維、及びより好ましくは少なくとも約70重量%の木材パルプ繊維を含んでもよい。本発明で使用するのに好適なある特定のエアレイド不織布繊維基材は、約75重量%の、平均繊維長が約2.6mmである南方の針葉樹クラフト木材パルプ繊維と、約12重量%の、9000m繊維長当たり約1.35gのデニール及び約2.16cm(0.85インチ)のステープル長さを有するポリエステル繊維と、約13重量%の、スチレンブタジエンコポリマーを含む結合剤組成物とを含む。スチレンブタジエンコポリマーは、約45部スチレンに対して55部ブタジエンというスチレンとブタジエンの比を有してもよい。結合剤組成物を製造するのに好適なラテックス接着剤は、ノースカロライナ州シャーロット(Charlotte)のマラード・クリーク・ポリマー社(Mallard Creek Polymers)から入手可能な、ローベン(ROVENE)5550(スチレンブタジエンコポリマーの固体を約50重量%含有する)である。
【0041】
本発明の基材のさらなる非限定的な実施形態は、天然及び合成繊維の混合物を空気積層し、繊維ウェブを形成し、ウェブ上に水を噴霧し、次いでウェブを型押しすることにより形成される。次いで、ラテックス接着性結合剤はウェブに適用され、続いてオーブン内でラテックス接着性結合剤が乾燥及び硬化される。不織布ウェブは、次いで液体で湿潤されてもよい。
【0042】
さらに別の非限定的な実施形態では、基材は、図1に示すように、層状に、対面するように配置された少なくとも3層(layers)又は3層(plies)の積層ウェブ10から形成される積層基材である。この層は米国特許公開第2003/0028165号に記載されるように加工に適した十分な薄さを有するべきであるが、実際の厚さ(すなわちキャリパー)が制限的であるとは考えられない。第1の外層20は典型的には熱接合性であり、十分な量の熱可塑性材料を含む不織布ウェブであってもよく、ウェブは予め定められた伸展性及び破断までの伸び率を有する。「十分な量」とは、熱及び/又は圧力の適用時に十分な熱接合を可能とし、単一ウェブを作成するのに適当な熱可塑性材料の量を意味する。第2の外層40は典型的には、第1の外層20と同じ材料であるが、異なる材料であってもよい。第2の外層40もまた、一般に熱接合性であり、予め定められた伸展性及び破断までの伸び率を有する。少なくとも1層の第3の中心層30は、2層の外層間に配置され得る。
【0043】
積層ウェブ10は、外層20及び40、並びに、ある実施形態では中心層30の一部を結合して、それにより成分層を単一ウェブに形成する、複数個の融解接合部位50を提供するために、超音波溶接、又は米国特許公開第2003/0028165号に記載されているような熱カレンダー法等の結合手段によって加工される。2層の外層を結合することにより、外層間に内側領域が形成される。内側領域は、接合部位50に囲まれた外層間の空間である。ある非限定的な実施形態では、第3の中心層30が内側領域を実質的に満たしており、第3の中心層30は接着部位50に一致する開口部を有する。
【0044】
積層ウェブ10は主に不織布ウェブ及び複合材料との関係において開示されているが、基本的には、積層ウェブ10は本明細書に開示されている要件(例えば、融解特性、伸展性)に適合する任意のウェブ材料から製造されてもよい。例えば、外層20及び40は、熱可塑性フィルム、微孔性フィルム、有孔フィルム等であってもよい。中心層30は、ティッシュペーパーを含む紙、金属箔を含む金属、他の非熱可塑性ウェブ材料、織布地等であってもよい。一般に、外層の材料は、本明細書に記載されるように加工するのに十分な可撓性を有する必要がある。しかしながら、中心層は、加工時に断裂、破断、ないしは別の方法で分解する可能性があっても、本明細書に記載されるように加工可能である限り、脆性で比較的堅い材料であってもよい。
【0045】
積層基材は、有孔、無孔、又はそれらの組み合わせであってもよい。積層基材の平均開口サイズは、約0.01〜約4mm2、又は約0.5〜約2.5mm2でもよい。開口部から成る積層体の割合は、開口率(%)として表すことができる。本発明の積層体の開口率(%)は、約2〜約25%、又は約5〜約20%であってもよい。図2の断面図に示すようなある非限定的な実施形態では、2層の外層には孔を開けず、中心層30には孔を開けることで、積層ウェブ10(全体として)は開口部を有さないが中心層30は開口部を有することを特徴とする3層積層体を提供することができる。積層基材ウェブは、中心層の開口部を通して外層を確実に接合させるため、層の位置決めの必要なく製造され得る。上記のウェブ10のある実施形態について別の言い方をすれば、裸眼で約50cmの距離から直角に見た場合、積層体全体を通して単一ウェブ10に開口部又は穿孔は存在しないように見えるにも関わらず、接合部位50は見える。
【0046】
積層ウェブ10はさらに、接着剤を使用せずに3つの層を単一ウェブに結合できることを特徴とする。したがって、ある実施形態では、層の接合に接着剤を必要としない。結合は、溶融接合部位50で2層の外層を熱融解により接合させる等、成分層にエネルギーを導入することで達成される。他の実施形態では、エネルギーの導入は、超音波接合によるものであってもよい。したがって、積層ウェブ、つまり単一ウェブは、接着剤の必要なく形成され得る。これにより、積層ウェブの加工が容易になりかつコストが低下するだけでなく、不織布ウェブ等の特定の材料を使用する場合、より可撓性のある柔らかいウェブが形成される。
【0047】
図2に示すように、積層ウェブ10の成分ウェブ層が前述のように加工される場合、溶融接合部位50の領域で中心層30の一部が分離して、溶融接合部位50における2つの材料の境界面52で第1の外層20が第2の外層40に直接溶融接合するように、中心層30が選択される。したがって、中心層30の開口部は、以下の本発明の方法で詳しく説明するように、外層の接合直前に、積層工程で排除されることにより形成される。この方法では、中心層30は開口部を有しないウェブとして供給されることができ、積層時に接合部位の位置に開口部をそろえる、複雑な位置合わせの工程を行わなくてもよい。さらに、中心層30は、外層20及び40と熱により融和する必要がない。中心層は熱可塑性材料である必要がなく、融点さえ必要としない。単に、加工装置の作用力によって排除可能であればよい。したがって、積層ウェブについて別の言い方をすれば、中心層は、熱特性、伸張特性、弾力特性、又は導電特性から選択される少なくとも1つの材料特性により、第1又は第2の層の材料とは異なる材料として区別される。「熱特性」とは、主に、中心層が融点を持たない、又は融点を持つ場合は典型的には、いずれの外層より少なくとも約10℃、若しくは約20℃、若しくは約100℃高いような熱溶融特性を意味する。「伸張特性」とは、張力において、中心層の材料がいずれの外層より破断までの伸張が少なくとも約10%、又は約50%、あるいは約100%を超えて少なくてもよいことを意味する。したがって、中心層が延伸性を有することができる一方、外層はいずれも高い延伸性を有することができる。「弾力特性」とは、本明細書で定義するように、中心層は、例えば弾性を有することができる一方、外層はいずれも高い弾性を有することができることを意味する。あるいは、中心層は弾性がなくてもよいが、外層は弾性又は高い弾性を有していてもよい。「導電特性」とは、本明細書で使用する時、中心層が外層より約10倍大きい、又は約100倍以上大きい電気伝導度を有していてもよいような電気伝導性を意味する。導電特性は、中心層を金属箔、又は導電性不織布ウェブを含む導電性ポリマーにすることにより増強することができる。
【0048】
理論に束縛されるものではないが、中心層30を排除し、そこに開口部を形成して外層を接合させるには、米国特許公開第2003/0028165号に記載されているような熱点カレンダー法により、狭い幅寸法Wと高い縦横比を有する熱接合部位を形成するべきであると考えられている。例えば、狭い幅寸法Wと高い縦横比(すなわち、長さLが幅Wよりかなり大きい)を有する単一の溶融接合部位50の溶融領域を図3に示す。長さLは適当な接着領域を可能にするように選択されるべきであるが、一方幅Wは、接合部位の形成に使用される突出部(以下のように)が接合部位の領域で以下に記載する方法により中心層30を切断、剪断、排除、ないしは別の方法で貫通できるのに十分狭い必要がある。幅Wは約0.008cm(0.003インチ)〜約0.050cm(0.020インチ)、又は約0.012cm(0.005インチ)〜約0.025cm(0.010インチ)であってもよく、中心層30の特性に応じて調整可能である。
【0049】
溶融接合部位50の縦横比は、約3(すなわち、L/Wの比が3/1)程度小さくてもよいと考えられる。縦横比は約4〜20であってもよい。溶融接合部位50の縦横比は、米国特許公開第2003/0028165号に開示されているようなカレンダーローラーの点接合突出部に対応する縦横比によってのみ限定されると考えられる。
【0050】
ある実施形態では、接合部位50の長さ方向に対応する各接合部位の長手方向軸lは、一般に図1に示す機械方向MDに平行な一定の反復パターンで配置される。ただし、各接合部位の長手方向軸は、機械横方向に一定の反復パターンで配置されてもよく、又は横方向及び機械方向の混在したランダムな形で配置されてもよい。ある非限定的な例では、接合部位50は「ヘリンボーン(herringbone)」パターンで配置されてもよい。
【0051】
図4は、開口部を有する積層体の部分的切欠図を示す。図に示すように、表面を一部切りとることにより、各層又は層を平面図で見ることができる。図4に示す積層ウェブ10は、熱接合した積層体を溶融接合部位の長手方向軸に直交する方向に伸張した後作成される。この場合、機械横方向では伸張方向に十分伸張されたCDが開口部を形成する。図に示すように、比較的弱い接合部位が張力に負けて、溶融接合部位50が存在した場所に開口部60が形成される。また、図に示すように、中心層30は、中心層30の材料特性に応じて、積層体10内に、一般には均一に配置されたまま留まることができる。例えば、中心層30が外層20又は40より延伸性がある場合、中心層は単に弾力又は塑性変形のいずれかによって伸張するだけだが、ウェブ10の開口部を有しない領域に、一般には均一に配置されたまま留まる。例えば、中心層30に熱可塑性フィルムを利用した場合、中心層は(フィルムの種類に応じて)伸び又は弾力によって伸張するが、例えば一般には、均一な密度又は坪量で留まることができる。
【0052】
このような積層ウェブの有益な特性の1つは、一旦開口されると、中心層との流体連通が容易になることである。したがって、比較的非吸収性の2層の外層間に吸収性の中心層30を使用することができ、積層体10を外表面の手触りが比較的乾燥した、吸収性のある拭取り布にすることができる。
【0053】
中心層30が外層20及び40間のいずれかの接合に関与する又は加わる範囲において、図4に示す接合部分の残部62にも中心層30が関与する。このような関与は、(例えば、熱可塑性の中心層30の場合)接合部位50周辺の実際の溶融接合の程度によって、又は(例えば、繊維性不織布層間のセルロース系繊維の中心層30の場合)もつれ等による機械的な相互作用によって生じることがある。
【0054】
図5は、図4の横断面の略図である。図に示すように、開口部60は積層ウェブを方向Tに伸張した場合に形成される。
【0055】
単一ウェブのある実施形態の例として、破断までの伸張が2層の外層のいずれよりも小さく、実際に伸張する長さよりも小さい中心層を有するウェブを表面を一部切りとって図5に示す。表面を一部切りとることにより、各層又は層を平面図で見ることができる。図に示すように、伸張後、中心層30は断片化し、中心層材料の不連続な領域を形成する。これらの不連続な領域は、溶融接合部位50のパターン、中心層30の物理的特性、及び使用する伸張方法に応じて、図5に示す列状のように比較的均一に配置されても、又は比較的ランダムに配置されてもよい。
【0056】
図5に示す構造と類似の構造を有するウェブ10のある実施例は、比較的延伸性がある不織布の外層、比較的伸展性の低いティッシュペーパーの中心層を有するウェブである。このような積層体は、吸収性の中心コアを有し、吸収性コア材料が積層ウェブの外部領域と流体連通した、有孔積層ウェブであろう。比較的疎水性の不織布ウェブを外層に使用すると、このような拭取り布は高い吸収性とともに指触乾燥特性を示すことができる。
【0057】
図5に示す構造と類似の構造を有するウェブ10のある実施例は、比較的延伸性がある不織布の外層、比較的伸展性の低いティッシュペーパーの中心層を有するウェブである。ある具体的な興味深い構造では、高吸収性の中心層と組み合わせた高疎水性の外層が組み込まれる。好適な疎水性材料は、米国特許第3,354,022号(デトレ(Dettre)ら)に記載されている。このような材料は、90°を超える固有の前進水接触角、及び少なくとも75°の固有の後退水接触角を有する撥水表面を有する。このような材料は、ハス植物の葉に存在することが知られている作用と類似の高疎水特性を示す。このような材料を吸収性の中心層(非限定的な例としては、バウンティ(BOUNTY)(登録商標)ペーパータオルティッシュ層)と組み合わせると、非常に清潔で乾燥した外表面を維持しながら高い吸収性を有する複合材料を得ることができる。外層の坪量及び多孔性は、達成する様々な吸収性能の程度に応じて変化してもよい。
【0058】
本発明で用いるのに好適な他のウェブ及びウェブを製造する方法としては、その開示が本明細書に参照として組み込まれる、以下の特許に記載されているものが挙げられるが、これらに限定されない。米国特許第3,862,472号(1975年1月28日発行、ノートン(Norton)ら)、同第3,905,863号(1975年9月16日発行、エーアズ(Ayers))、同第3,974,025号(1976年8月10日、エーアズ(Ayers))、同第3,918,126号(1975年11月11日発行、ウッド(Wood))、同第3,982,302号(1976年9月28日発行、バールブルグ(Vaalburg))、同第4,004,323号(1977年1月25日発行、ゴッチェル(Gotchel)ら)、同第4,014,635号(1977年3月29日発行、クロイヤー(Kroyer))、同第4,057,669号(1977年11月8日発行、マコーネル(McConnell))、同第4,064,600号(1977年12月27日発行、ゴッチェル(Gotchel)ら)、同第4,074,393号(1978年2月21日発行、ヒックリング(Hickling)ら)、同第4,097,965号(1978年7月4日発行、ゴッチェル(Gotchel)ら)、同第4,130,915号(1978年12月26日発行、ゴッチェル(Gotchel)ら)、同第4,144,619号(1979年3月20日発行、ホワイト(White)ら)、同第4,176,426号(1979年12月4日発行)、同第4,176,427号(1979年12月4日発行、ノイエンシュバンダー(Neuenschwander))、同第4,1919,609号(1980年3月4日発行、トロックハン(Trokhan))、同第4,207,367号(1980年6月10日発行、ベイカージュニア(Baker, Jr.))、同第4,296,161号(1981年10月20日発行、カイザー(Kaiser)ら)、同第4,309,469号(1982年1月5日発行、バローナ(Varona))、国際公開特許第00/08998号(2000年2月24日公開、ハンサー(Hanser)ら)。
【0059】
B.組成物
本発明の基材は、組成物を基準として約0.01重量%〜約25重量%又は約0.05重量%〜約15重量%、又は約0.1重量%〜約5重量%のアレルゲン制御剤を含む。好適なアレルゲン制御剤としては、3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸(没食子酸としても知られる)及び好ましくは3,4,5−トリメトキシ安息香酸を含むがこれらに限定されない、置換安息香酸が挙げられるが、これらに限定されない。他の好適なアレルゲン制御剤の非限定的な例としては、安息香酸ベンジルのような、安息香酸エステルが挙げられる。
【0060】
必要に応じて添加されてもよい、組成物の他の成分としては、凝集ポリマー、有機溶媒、界面活性剤、汚れ懸濁ポリマー、香料、及びこれらの組み合わせが挙げられる。用いられる場合、これらの他の成分は、組成物中に以下の量含まれてもよい。約0.001重量%〜約0.5重量%の凝集ポリマー、約0.05重量%〜約15重量%の有機溶媒、約0.001重量%〜約10重量%又は約0.01重量%〜約2重量%の界面活性剤、約0.001重量%〜約0.5重量%の汚れ懸濁ポリマー、及び約0.001重量%〜約1重量%の香料。約2重量%以下の他の任意成分が、組成物の一部として含まれてもよい。これら他の任意成分の非限定的な例としては、洗浄性ビルダー、酵素、酵素安定剤(これらの非限定的な例としては、プロピレングリコール、ホウ酸、及び/又はホウ砂が挙げられる)、発泡制御剤、汚れ懸濁剤、汚れ放出剤、pH調整剤、キレート剤、相安定剤、可溶化剤、光沢剤、防腐剤、抗菌剤、着色剤、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0061】
必要に応じて、組成物は、さらに任意のマイクロカプセル化活性物質を含んでもよい。1以上の活性物質を単一のマイクロカプセルに収容することができる。様々な活性物質を含有するマイクロカプセルも使用可能である。組成物は、約0.01重量%〜約10重量%、又は約0.025重量%〜約5重量%、又は約0.05重量%〜約1重量%のマイクロカプセル化活性物質(すなわち、マイクロカプセルとそれに収容された活性物質を基準として)を含有してもよい。マイクロカプセル化活性物質の非限定的な例としては、香料、界面活性剤、シリコーン、抗菌剤、アレルギー制御剤、軟化剤、柔軟剤、コンディショニング剤、防腐剤等が挙げられる。本発明における使用に好適なマイクロカプセル化活性物質は、2005年5月31日出願の米国特許出願番号60/685,815号に開示されているものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0062】
基材の量に対する組成物の量の比は典型的には、約10:1〜約1:1、又は約6:1〜約3:1の範囲である。
【0063】
理論に束縛されるものではないが、用いられる場合、凝集ポリマーは、清掃される表面から汚れを分離して凝集し、それにより汚れ及び汚染物質を基材内に保持するように、拭取り布のセルロース系成分に不可逆的に吸着されると考えられる。セルロース系の層がウェブの中心層を形成している場合、この層は清掃される布に直接接触しない。これは、汚れが布上に付着するのを防止する。さらに、不揮発性溶媒が表面の汚れを可溶化して除去しやすくする。溶媒は不揮発性のため、布が乾燥する前に十分な作業時間がある。これにより、ユーザーは組成物が乾燥するまで十分長い時間布を清掃することができ、組成物を過剰に再添加しなくてもよい。その結果、1枚の拭取り布でより効率的な清掃が可能になる。
【0064】
理論に束縛されるものではないが、ポリマーは清掃される表面上に放出される傾向があり、それによって汚れ及び汚染物質が清掃される布上に凝集/残存する可能性があるため、凝集ポリマーを基材に使いすぎることは望ましくないと考えられる。
【0065】
アレルゲン制御剤
本発明の組成物は、アレルゲン制御剤を含んでもよい。アレルゲン制御剤は、組成物の約0.01重量%〜約25重量%、又は約0.05重量%〜約15重量%、又は約0.1重量%〜約5重量%含まれる。理論に制限されるものではないが、組成物の界面活性剤成分に加えて、アレルゲン制御剤もアレルギー性タンパク質に対して酵素活性を示し、それらの免疫原性を弱めると考えられている。
【0066】
【化1】

【0067】
アレルゲン制御剤は、ベンジル部分を含有するベンジル誘導体類又は試薬を含んでもよく、これらの非限定的な例を以下の表Aに示す。
【0068】
【表1】

【0069】
ある好適なアレルゲン制御剤は安息香酸である。アレルゲン制御のために有用な安息香酸としては、3,4,5−トリメトキシ安息香酸が好ましい。この剤はまた、以下の名前でも知られている:トリメチル没食子酸、ユーデスム酸、トリ−o−メチル没食子酸、没食子酸トリメチルエーテル、及び5−メトキシ−ベラトルム酸。
【0070】
ベンジル部分は、非限定的な例としては、化学薬品として、ベンジル誘導体類を豊富に含む天然抽出物として(例としてはラベンダー油、ゼラニウム油、セイヨウワサビ抽出物、ユーカリ抽出物、綿花抽出物、又はジュニパーエッセンスが挙げられるがこれらに限定されない)、ベンジルを介した抽出又は加工を通して得られた植物抽出物として(例としてはベンジルアルコール抽出、又は安息香酸による酸分留が挙げられるがこれらに限定されない)、又はこれらの組み合わせを含む多数の方法により供給され得る。
【0071】
いくつかのアレルゲン制御剤は、事実上結晶性であってもよい。結晶性であるアレルゲン制御剤を用いる場合、アルコールのような混和剤を用いて、アレルゲン制御剤を組成物と混和できるようにしてもよい。この目的に好適なアルコールとしては、アルコールが挙げられるがこれに限定されない。アレルゲン制御剤の混和剤に対する比は典型的には、約1:1、約1:1.5〜、又は約1:2.5〜である。
【0072】
有機酸類及び/又はそれらのエステル類はまた、所望により、本発明のアレルゲン制御剤とともに含まれてもよい。好適な有機酸類/及び又はそれらのエステル類としては、カルボン酸類及びそれらのエステル類、フェノール酸類及びそれらのエステル類、ポリフェノール酸類及びそれらのエステル類、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。理論に制限されるものではないが、有機酸の添加は、アレルゲン制御剤の酵素活性を増強するのに役立つ可能性があり、それによりアレルゲン制御剤の能力を増強し、典型的にはアレルゲンを含むタンパク質を変性させる。用いられる場合、任意の有機酸は典型的には、組成物の約0.1重量%〜約5重量%の範囲で添加される。
【0073】
凝集ポリマー
本発明の組成物及び系は、約0.001%〜約0.5%、又は約0.01%〜約0.1%の凝集ポリマーを含んでもよく、ポリマーは少なくとも1つのカチオン帯電単位(とりわけ、四級アンモニウム部分)、又はカチオン電荷をその場で形成可能な単位(とりわけ、アミン部分)を含んでもよい。換言すれば、本明細書で後述するモノマー単位から得られるオリゴマー、ポリマー、又はコポリマーは、pH=7で正味のカチオン電荷を1つ有する。電荷は、本明細書に記載されるいずれの単位の間で分配されていてもよい。
【0074】
凝集ポリマーは不織布基材に不可逆的に吸着し、基材上の汚れを凝集又は捕集するのに役立つ。これにより、清掃される表面周辺に汚れが付着するのを防止する。
【0075】
一般にカチオン性ポリマー及びその製造方法は、文献において知られている。例えば、カチオン性ポリマーの詳細な説明は、「高分子科学−化学雑誌(Journal of Macromolecular Science-Chemistry)」A4巻6号、1327〜1417頁、1970年10月発行、のM.フレッド・フーバー(M. Fred Hoover)による記事に見ることができる。フーバー(Hoover)の記事で開示された内容は、全体が参照として本明細書に組み込まれる。その他の好適なカチオン性ポリマー類は、紙の製造で歩留まり向上剤として使用されるものである。これらのポリマーは、ジェームズ・ケーシー(James Casey)編集の「パルプ及び紙、化学及び化学技術第3巻(Pulp and Paper, Chemistry and Chemical Technology Volume III)」(1981年)に記載されている。これらのポリマー類の分子量は、3.32E−21g(2,000ダルトン)〜8.30E−18g(5,000,000ダルトン)の範囲である。
【0076】
本発明の凝集ポリマーは、フーバー(Hoover)の記事及びケーシー(Casey)の本、本発明の開示内容、並びに本明細書の実施例を考慮して読む場合、よりよく理解されるであろう。
【0077】
好適な凝集ポリマー類としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない。
1.ポリエチレンイミン及びその誘導体類。これらはBASF社(BASF AG)(ドイツ、ルートヴィヒスカーフェン(Ludwigschaefen))から商品名ルパゾール(Lupasol)として市販されている。
【0078】
2.ポリアルキレンポリアミンとポリカルボン酸の縮合生成物であるポリアミドアミン−エピクロロヒドリン(PAE)樹脂類。最も一般的なPAE樹脂は、エピクロロヒドリンと後続反応される、ジエチレントリアミンとアジピン酸の縮合生成物である。これらはハーキュレス社(Hercules Inc.)(デラウェア州ウィルミントン(Wilmington))から商品名キメン(Kymene)として、又はBASF社(BASF AG)から商品名ルレジン(Luresin)として入手可能である。
【0079】
これらのポリマー類は、L.L.チャン(Chan)編集の「湿潤強度向上樹脂及びその用途(Wet Strength resins and their applications)」(タッピ・プレス(TAPPI Press)、1994年)に記載されている。
【0080】
線状ポリマー単位
3.合成付加ポリマーの一般構造
【0081】
【化2】

式中、R1、R2、及びZは本明細書において以下に定義される。線状ポリマー単位は、典型的には、線状重合モノマーから形成される。線状重合モノマーは、本明細書において、標準的な重合条件下で線状ポリマー鎖を生じるモノマー、あるいは線状に重合を拡大するモノマーとして定義される。本発明の線状重合モノマーは、次の式を有する。
【0082】
【化3】

【0083】
ただし、当業者であれば、多くの有用な線状モノマー単位、とりわけ、ビニルアミン単位、ビニルアルコール単位が、線状重合モノマーを介さずに、間接的に組み込まれることを理解するであろう。例えば、主鎖に一旦組み込まれた酢酸ビニルモノマーは、加水分解されてビニルアルコール単位を形成する。本発明の目的のために、線状ポリマー単位は直接的に(すなわち、線状重合単位を介して)組み込まれても、又は間接的に(すなわち、上記のビニルアルコールの場合は前駆体を介して)組み込まれてもよい。
【0084】
各R1は、独立して、水素、C1〜C4アルキル基、置換又は非置換フェニル基、置換又は非置換ベンジル基、炭素環式、複素環式、及びこれらの混合物である。R1は、好ましくは、水素、C1〜C4アルキル基、フェニル基、及びこれらの混合物であり、より好ましくは水素及びメチル基である。
【0085】
各R2は、独立して、水素、ハロゲン、C1〜C4アルキル基、C1〜C4アルコキシ基、置換又は非置換フェニル基、置換又は非置換ベンジル基、炭素環式、複素環式、及びこれらの混合物である。好ましいR2は、水素、C1〜C4アルキル基、及びこれらの混合物である。
【0086】
各Zは、独立して、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、−(CH2mRであり、式中Rは、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、ニトリロ、−OR3、−O(CH2nN(R32、−O(CH2n+(R33-、−OCO(CH2nN(R32、−OCO(CH2n+(R33-、−C(O)NH−(CH2nN(R32、−C(O)NH(CH2n+(R33-、−(CH2nN(R32、−(CH2n+(R33-、四級アンモニウムイオンを含む非芳香族窒素複素環、N−酸化物部分を含む非芳香族窒素複素環、1以上の原子又は窒素原子が四級化されている芳香族窒素含有複素環、少なくとも1つの窒素がN−酸化物である芳香族窒素含有複素環、−NHCHO(ホルムアミド)、又はこれらの混合物であり;式中各R3は、独立して、水素、C1〜C8アルキル、C2〜C8ヒドロキシアルキル、及びこれらの混合物であり;Xは水溶性アニオンであり;添え字nは1〜6であり;炭素環式、複素環式、又はこれらの混合物、−(CH2mCOR’であり、;式中R’は、−OR3、−O(CH2nN(R32、−O(CH2n+(R33-、−NR3(CH2nN(R32、−NR3(CH2n+(R33-、−(CH2nN(R32、−(CH2n+(R33-、又はこれらの混合物であり、式中R3、X、及びnは上記と同様である。好ましいZは、−O(CH2n+(R33-であり、式中添え字nは2〜4である。添え字mは0〜6であり、好ましくは0〜2、より好ましくは0である。
【0087】
複素環式Z単位を含む付加重合モノマーの非限定的な例としては、1−ビニル−2−ピロリジノン、1−ビニルイミダゾール、2−ビニル−1,3−ジオキソラン、4−ビニル−1−シクロヘキセン1,2−エポキシド、及び2−ビニルピリジンが挙げられる。
【0088】
本発明のポリマー類及びコポリマー類は、カチオン電荷を有するZ単位を含む、又はカチオン電荷をその場で形成する単位を生じるZ単位を含む。本発明のコポリマー類が、例えば、Z1、Z2、...Zn単位の1を超えるZ単位を含む場合、コポリマー類を含むモノマーの少なくとも約1%はカチオン単位を含むであろう。好ましいカチオン単位としては、−O(CH2n+(R33-及び−(CH2n+(R33-が挙げられる。本発明のコポリマー類がZ1及びZ2の2つのモノマーから形成されている場合、Z2に対するZ1の比は、好ましくは約9:1〜約1:9である。
【0089】
カチオン電荷をその場で形成するように作成可能なZ単位の非限定的な例としては、−NHCHO単位、ホルムアミドが挙げられる。配合者は、一部が次工程で加水分解されてビニルアミン等価物を形成するホルムアミド単位を含むポリマー又はコポリマーを調製できる。例えば、配合者は次の一般式を有するコポリマーを調製することができる。
【0090】
【化4】

【0091】
コポリマーはホルムアミド単位を含み、その後、ホルムアミド単位の一部が加水分解され、ビニルアミン単位を含むコポリマーが形成されるように、次工程で処理される。ポリマーは次の式を有する。
【0092】
【化5】

式中、Zは部分で構成されるカチオン単位又は非カチオン単位であってよく、x’+x’’=xである。
【0093】
別の部類の好ましい線状重合性モノマー類は、次の式を有するカチオン帯電複素芳香族Z単位を含む。
【0094】
【化6】

【0095】
これらの非限定的な例は、4−ビニル(N−アルキル)ピリジンであり、この場合、R1及びR2はそれぞれ水素であり、R6はメチルである。
【0096】
別の部類の好ましい複素環を含む線状重合性モノマー類は、N−酸化物を含むZ単位を含み、例えば、N−酸化物は次の式を有する。
【0097】
【化7】

【0098】
これらの非限定的な例は、4−ビニルピリジンN−酸化物である。
【0099】
N−アルキルビニルピリジンモノマー類及びN−酸化物ビニルピリジンモノマー類は、別の非芳香族モノマー類、とりわけビニルアミンと好適に組み合わせることができる。ただし、本発明の好ましいポリマーとしては、四級化されたN−酸化物及び窒素含有複素芳香族モノマー類の組み合わせから誘導されたコポリマー類が挙げられ、これらの非限定的な例としては、比が4:1のN−メチルビニルピリジン及びビニルピリジンのコポリマー、比が4:6のN−メチルビニルピリジン及びビニルピリジンのコポリマー、モノマーに対するポリマーの比が4:1のポリ(N−メチルビニルピリジン)及びビニルピリジンN−酸化物のコポリマー、モノマーに対するポリマーの比が4:6のポリ(N−メチルビニルピリジン)及びビニルピリジンN−酸化物のコポリマー、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0100】
本明細書で上述したように、ある好ましいポリマー残基は、得られたポリマーを処理することにより形成されてもよい。例えば、ビニルアミン残基は、次工程で加水分解されて遊離アミノ単位になるホルムアミドモノマー類を介して組み込まれることが好ましい。また、ビニルアルコール単位は、酢酸ビニルモノマー類から形成された残基の加水分解によって得られる。同様に、アクリル酸残基も重合後にエステル化されてもよく、例えば、次の式を有する単位は、
【0101】
【化8】

【0102】
アクリル酸又はアクリル酸前駆体モノマー類の重合によって主鎖が形成された後で、より簡便に形成されることができる。
【0103】
II)環状重合モノマー類から誘導された環状単位
本発明のポリマー類又はコポリマー類は、環状重合モノマーから誘導された1以上の環状ポリマー単位を含有してもよい。環状重合モノマー類は、本明細書において、標準的な重合条件下で環状ポリマー残基を生じ、並びに線状に重合を拡大するのに役立つモノマーとして定義される。本発明の好ましい環状重合モノマー類は、次の式を有する。
【0104】
【化9】

式中、各R4は、独立して、重合を拡大可能であり、さらに隣接するR4単位と環状残基を形成可能な単位を含むオレフィンであり、R5はC1〜C12の直鎖又は分枝鎖アルキル、ベンジル、置換ベンジル、及びこれらの混合物であり、Xは水溶性アニオンである。
【0105】
4単位の非限定的な例としては、アリル及びアルキル置換アリル単位が挙げられる。形成される環状残基は、四級窒素原子を含む6員環であることが好ましい。
【0106】
5は、好ましくはC1〜C4アルキルであり、好ましくはメチルである。
【0107】
環状重合モノマーの例は、次の式を有するジメチルジアリルアンモニウムである。
【0108】
【化10】

【0109】
この化合物は、次の式を有する単位を含むポリマー又はコポリマーを生じる。
【0110】
【化11】

式中、好ましくは、添え字zは約10〜約50,000である。
【0111】
III)これらの混合物
本発明のポリマー類若しくはコポリマー類は、その場で電荷を発生しようとしまいと、又はポリマー若しくはコポリマー自体が正規の正電荷を有しようと有しまいと、正味のカチオン電荷を保持する。好ましくは、ポリマー又はコポリマーは、カチオン電荷を有する残基を、少なくとも約10%、より好ましくは少なくとも約25%、さらに好ましくは少なくとも約35%、最も好ましくは少なくとも約50%有する。
【0112】
本発明のポリマー類又はコポリマー類は、例えば次の式を有するポリ(ジメチルジアリル−塩化アンモニウム/アクリルアミド)コポリマー等の、線状及び環状重合モノマー類の混合物を含有してもよい。
【0113】
【化12】

式中、Z1、Z2、x、y、及びzは前記で定義したものと同様であり、Xは塩化物イオンである。
【0114】
本発明のある実施形態は、ジメチルジアリル塩化アンモニウムに基づくポリマー、並びにN,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、N,N−ジアルキルアミノアルキルアクリレート、N,N−ジアルキルアミノアルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、これらの四級化された誘導体類、及びこれらの混合物から成る群から選択されるコモノマーを有するアクリルアミドに基づくコポリマー、を含む組成物である。
【0115】
本発明での使用に好適なポリマーの非限定的な例としては、
i)N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、N,N−ジアルキルアミノアルキルアクリレート、N,N−ジアルキルアミノアルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、これらの四級化された誘導体類、ビニルアミン又はその誘導体類、アリルアミン又はその誘導体類、及びこれらの混合物から成る群から選択される第1モノマーと
ii)アクリル酸、メタクリル酸、C1〜C6アルキルメタクリレート、C1〜C6アルキルアクリレート、C1〜C8ヒドロキシアルキルアクリレート、C1〜C8ヒドロキシアルキルメタクリレート、アクリルアミド、C1〜C16アルキルアクリルアミド、C1〜C16ジアルキルアクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸又はそのアルカリ塩、メタクリルアミド、C1〜C16アルキルメタクリルアミド、C1〜C16ジアルキルメタクリルアミド、ビニルホルムアミド、ビニルアセトアミド、ビニルアルコール、C1〜C8ビニルアルキルエーテル、ビニルピリジン、イタコン酸、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、及びこれらの混合物から成る群から選択される第2モノマーと
を含む凝集コポリマーが挙げられる。
【0116】
4.カチオン性多糖類、好ましくはカチオン性ヒドロキシエチルセルロース、カチオン性グアーガム、及びカチオンデンプン。カチオン性ヒドロキシエチルセルロースの例は、ダウ・ケミカルズ社(Dow Chemicals Co)から入手可能なユーケア(Ucare)ポリマーJR25M、ポリマーJR400、ポリマーLK400、及びポリマーLR400、並びにナショナル・スターチ・アンド・ケミカル社(National Starch and Chemical Company)(ニュージャージー州ブリッジウォーター(Bridgewater))から入手可能なセルクワット(Celquat)H200及びセルクワットL−200である。カチオン性グアーガムの例は、ローディア社(Rhodia)から入手可能なジャガー(Jaguar)C13及びジャガー・エクセル(Jaguar Excel)である。
【0117】
カチオンデンプンの例は、D.B.ソラレック(D. B. Solarek)による「加工デンプン、特性及び用途(Modified Starches, Properties and Uses)」(CRCプレス発行、1986年)に記載されている。カチオンデンプンは、ナショナル・スターチ・アンド・ケミカル社(National Starch and Chemical Company)からカトー(Cato)の商品名で市販されている。
【0118】
界面活性剤
必要に応じて、本明細書の組成物は、約0.001重量%〜約2重量%、又は約0.01重量%〜約0.5重量%の界面活性剤を含んでもよい。洗浄性界面活性剤は、好ましくは双極性、両性、若しくは非イオン性である、又はこれらの種類の相溶性混合物を含むことができる。本明細書で有用な洗浄性界面活性剤は、米国特許第3,664,961号(1972年5月23日発行、ノリス(Norris))、同第3,919,678号(1975年12月30日発行、ラフリン(Laughlin)ら)、同第4,222,905号(1980年9月16日発行、コックレル(Cockrell))、及び同第4,239,659号(1980年12月16日発行、マーフィー(Murphy))に記載されている。これら特許の全ては参考として、本明細書に組み込まれる。
【0119】
非イオン性界面活性剤の非限定的な例としては、
a)シェル社(Shell)製のネオドール(NEODOL)(登録商標)非イオン性界面活性剤のような、C12〜C18アルキルエトキシレート類、
b)アルコキシレート単位が、エチレンオキシ単位及びプロピレンオキシ単位の混合物である、C6〜C12アルキルフェノールアルコキシレート類、
c)BASF社(BASF)製のプルロニック(Pluronic)(登録商標)のような、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックポリマー類と、C12〜C18アルコール及びC6〜C12アルキルフェノールとの縮合体、
d)米国特許第6,150,322号に開示されているようなC14〜C22中鎖分枝アルコール類、BA、
e)米国特許第6,153,577号、同第6,020,303号、及び同第6,093,856号に開示されているような、xが1〜30である、C14〜C22中鎖分枝アルキルアルコキシレート類、BAEx
f)米国特許第4,565,647号(1986年1月26日発行、レナード(Llenado))に開示されているようなアルキル多糖類であって、特に、米国特許第4,483,780号及び同第4,483,779号に開示されているようなアルキルポリグリコシド類、
g)米国特許第5,332,528号、国際公開特許第92/06162号、同第93/19146号、同第93/19038号、及び同第94/09099号に開示されているようなポリヒドロキシ脂肪酸アミド類(GS系)、
h)米国特許第6,482,994号及び国際公開特許第01/42408号に開示されているような、エーテルで末端保護されたポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤類、が挙げられる。
【0120】
本明細書で用いるのに好ましい界面活性剤は、米国特許第5,776,872号「洗浄組成物(Cleansing compositions)」(1998年7月7日発行、ジレット(Giret)ら)、同第5,883,059号「3種混合の非常にマイルドな泡立ちの抗菌性液体パーソナル洗浄組成物(Three in one ultra mild lathering antibacterial liquid personal cleansing composition)」(1999年3月16日発行、ファーマン(Furman)ら)、同第5,883,062号「手洗い用食器洗浄組成物(Manual dishwashing compositions)」(1999年3月16日発行、アディソン(Addison)ら)、及び同第5,906,973号「垂直又は傾斜した硬質表面の清掃方法(Process for cleaning vertical or inclined hard surfaces)」(1999年5月25日発行、ウーゾニス(Ouzounis)ら)に開示されているアルキル多糖類である。
【0121】
本明細書で用いるのに好適なアルキル多糖類は、米国特許第4,565,647号(1986年1月21日発行、レナード(Llenado))に開示されているが、炭素原子を約6〜約30個、好ましくは約10〜約16個含有する疎水基、及び、例えばポリグリコシド等の多糖類の親水基を有する。すすぎが不要な方法で使用するのに好適な酸性又はアルカリ性洗浄組成物/溶液では、好ましいアルキル多糖は、湿潤性、洗浄性、及び乾燥時の低残留性の最良な組み合わせを提供するような、広範な分布の鎖長を有することが好ましい。「広範な分布」とは、少なくとも約50%の、約10〜約16個の炭素原子を含む鎖長混合物として定義される。好ましくは、アルキル多糖のアルキル基は、好ましくは約6〜約18個、より好ましくは約8〜約16個の炭素原子の鎖長混合物、及び1分子当たり約1〜約1.5の糖質(好ましくはグルコシド)基を含む親水基から成る。「広範な鎖長の分布」とは、少なくとも約50%の、約10〜約16個の炭素原子を含む鎖長混合物として定義される。広範な鎖長の混合物、とりわけC8〜C16は、より狭い範囲の鎖長混合物、とりわけ短い鎖長(すなわち、C8〜C10又はC8〜C12)のアルキルポリグルコシド混合物に比べて非常に望ましい。また、好ましいC816アルキルポリグルコシドは、短く狭い範囲の鎖長のアルキルポリグルコシド類、並びにC8〜C14アルキルエトキシレートを含む、他の好ましい界面活性剤に比べて、香料の溶解度を大いに向上させることが知られている。5又は6個の炭素原子を含む任意の還元糖を使用してもよく(例えば、グルコース、ガラクトース)、ガラクトシル部分をグルコシル部分に置換してもよい。(所望により、疎水基を2、3、4位等に付加し、グルコシド又はガラクトシドに対してグルコース又はガラクトースを提供できる。)糖間結合は、例えば、追加の糖単位のある位置と、前述の糖単位の2、3、4、及び/又は6位との間に存在してもよい。グリコシルは好ましくはグルコース由来である。
【0122】
あまり好ましくないが、任意に、疎水部分と多糖類部分を結合するポリアルキレンオキシド鎖が存在してもよい。好ましいアルキレンオキシドはエチレンオキシドである。通常、疎水基としては、飽和又は不飽和で、分枝状又は非分枝状の、炭素原子を8〜18個、好ましくは10〜16個含むアルキル基が挙げられる。好ましくは、アルキル基は直鎖の飽和アルキル基である。アルキル基は約3個以下のヒドロキシル基を含んでいてもよく、及び/又はポリアルキレンオキシド鎖は約10個以下、好ましくは5個未満のアルキレンオキシド部分を含んでいてもよい。好適なアルキル多糖類は、オクチル、ノニルデシル、ウンデシルドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、及びオクタデシル、ジ−、トリ−、テトラ−、ペンタ−、及びヘキサグルコシド及び/又はガラクトース(galatose)である。好適な混合物としては、ココナッツアルキル、ジ−、トリ−、テトラ−、及びペンタグルコシド類、並びにタローアルキル、テトラ−、ペンタ−、及びヘキサグルコシド類が挙げられる。
【0123】
これらの化合物を調製するには、まずアルコール又はアルキルポリエトキシアルコールが形成され、次いでグルコース又はグルコース源と反応させて、グルコシドを形成する(1位で結合)。これで、付加的グリコシル単位が、それらの1位と前述のグリコシル単位の2、3、4及び/又は6位、好ましくは主に2位との間で結合できる。
【0124】
アルキルポリグリコシド類では、アルキル部分は脂肪、油脂、又は化学生成アルコールのような一般的な供給源から誘導されてもよく、一方の糖部分は加水分解多糖類から生成される。アルキルポリグリコシド類は、脂肪族アルコールとグルコースのような糖類との縮合生成物であり、グルコース単位の数は相対的親水性を定義する。上述したように、糖単位は、脂肪族アルコールとの反応前又は反応後のいずれかでさらにアルコキシル化されてもよい。このようなアルキルポリグリコシド類は、例えば国際公開特許第86/05199号に詳細に記載されている。技術的なアルキルポリグリコシド類は、一般に分子的に均一な生成物でなく、単糖類及び様々なオリゴ糖類の混合物とアルキル基との混合物を表す。アルキルポリグリコシド類(時折、「APGs」と呼ばれることもある)は、他の界面活性剤に比べて、清掃される表面の外観をさらに改善するため、本発明の目的のために好ましい。グリコシド部分は、好ましくはグルコース部分である。アルキル置換基は、炭素原子を約8〜約18個、好ましくは約8〜約10個含む飽和又は不飽和アルキル部分であるか、又はこのようなアルキル部分の混合物であることが好ましい。C8〜C16のアルキルポリグルコシド類は、セピック社(Seppic Corporation)(75ケドルセ(Quai d'Orsay)、75321パリ、セデックス(Cedex)7、フランス)から市販されている(例えば、シムソル(Simusol)(登録商標))界面活性剤、及びヘンケル(Henkel)から入手可能なグルコポン(Glucopon)(登録商標)425である。本発明において、好ましいアルキルポリグルコシド類は、パーソナル洗浄に使用するのに十分精製されているものである。最も好ましいのは「化粧品等級」のアルキルポリグルコシド類であり、特に、ヘンケル社(Henkel Corporation)(ドイツ、デュッセルドルフ、D40191、私書箱101100)から入手可能なプランタレン(Plantaren)2000(登録商標)、プランタレン2000N(登録商標)、及びプランタレン2000N UP(登録商標)のような、C8〜C16アルキルポリグルコシド類が好ましい。
【0125】
追加の好適な非イオン性界面活性剤としては、次の式のポリヒドロキシ脂肪酸アミド類が挙げられる。
【0126】
【化13】

式中、RはC917アルキル又はアルケニルであり、R1はメチル基であり、Zは還元糖から誘導されたグルシチル又はこれらのアルコキシル化誘導体である。例としては、N−メチルN−1−デオキシグリシチルココアミド及びN−メチルN−1−デオキシグリシチルオレアミドが挙げられる。ポリヒドロキシ脂肪酸アミド類の製造方法は既知であり、米国特許第2,965,576号(ウィルソン(Wilson)に発行)及び同第2,703,798号(シュワル(Schwartz)に発行)に見られる。
【0127】
双極性界面活性剤
双極性界面活性剤類の非限定的な例としては、二級及び三級アミン類の誘導体類、複素環式二級及び三級アミン類の誘導体類、又は四級アンモニウム化合物、四級ホスホニウム化合物若しくは三級スルホニウム化合物の誘導体類が挙げられる。双極性界面活性剤の例については、米国特許第3,929,678号(1975年12月30日授与、ラフリン(Laughlin)ら)、19段38行〜22段48行を参照のこと;アルキルジメチルベタイン及びココジメチルアミドプロピルベタイン、C8〜C18(好ましくはC12〜C18)アミンオキシド類並びにスルホ及びヒドロキシベタイン類を含めたベタイン、例えば、アルキル基がC8〜C18、好ましくはC10〜C14であってよいN−アルキル−N,N−ジメチルアミノ−1−プロパンスルホネートが挙げられる。
【0128】
両性界面活性剤
両性界面活性剤類の非限定的な例としては、二級若しくは三級アミン類の脂肪族誘導体類、又は、脂肪族ラジカルが直鎖又は分枝鎖であることができる、複素環式二級及び三級アミン類の脂肪族誘導体類が挙げられる。脂肪族置換基のうち1つは、少なくとも約8個の炭素原子、典型的には約8〜約18個の炭素原子を含有し、かつ少なくとも1つが、アニオン性水溶性基、例えば、カルボキシ、スルホネート、サルフェートを含有する。両性界面活性剤の例については、米国特許第3,929,678号(1975年12月30日発行、ラフリン(Laughlin)ら)の19段18行〜35行を参照のこと。
【0129】
アニオン性界面活性剤
本明細書で有用なアニオン性界面活性剤の非限定的な例としては、以下のものが挙げられる。
a)C11〜C18アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)、
b)C10〜C20一級、分枝鎖及び不規則アルキルサルフェート(AS)、
c)次の(I)及び(II)の式を有するC10〜C18二級(2,3)アルキルサルフェート
【0130】
【化14】

【0131】
式(I)及び(II)のMは、電気的中性をもたらす水素又は陽イオンである。本発明の目的のために、界面活性剤又は補助剤成分のどちらかと結合しようといまいと、M単位は全て、技術者によって単離される形態又は化合物が使用される系の相対pHによって、水素原子又はカチオンのいずれかであり得る。好ましいカチオン類の非限定的な例としては、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、及びこれらの混合物が挙げられる。式(I)及び(II)において、xは、少なくとも約7、好ましくは少なくとも約9の整数であり;式(I)及び(II)におけるyは、少なくとも8、好ましくは少なくとも約9の整数である;
d)xが好ましくは1〜30である、C10〜C18アルキルアルコキシスルフェート類(AExS)、
e)好ましくは1〜5のエトキシ単位を含む。C10〜C18アルキルアルコキシカルボキシレート類、
f)米国特許第6,020,303号及び同第6,060,443号に開示されているような中鎖分枝状アルキルサルフェート類、
g)米国特許第6,008,181号及び同第6,020,303号に開示されているような中鎖分枝状アルキルアルコキシサルフェート類、
h)国際公開特許第99/05243号、同第99/05242号、同第99/05244号、同第99/05082号、同第99/05084号、同第99/05241号、同第99/07656号、同第00/23549号、及び同第00/23548号に開示されているような、変性されたアルキルベンゼンスルホネート(MLAS)、
i)メチルエステルスルホネート(MES)、並びに
j)α−オレフィンスルホネート(AOS)
【0132】
カチオン性界面活性剤
カチオン性界面活性剤の非限定的な例としては、26個以下の炭素原子を有することができる四級アンモニウム界面活性剤が挙げられる。
a)米国特許第6,136,769号に開示されているようなアルコキシレート四級アンモニウム(AQA)界面活性剤、
b)米国特許第6,004,922号に開示されているようなジメチルヒドロキシエチル四級アンモニウム(K1)、
c)国際公開特許第98/35002号、同第98/35003号、同第98/35004号、同第98/35005号、及び同第98/35006号に開示されているような、ポリアミンカチオン性界面活性剤類、
d)米国特許第4,228,042号、同第4,239,660号、同第4,260,529号、及び同第6,022,844号に開示されているようなカチオン性エステル界面活性剤類、並びに
e)米国特許第6,221,825号及び国際公開特許第00/47708号に開示されているようなアミノ界面活性剤、とりわけアミノプロピルジメチルアミン。
【0133】
半極性非イオン性界面活性剤
半極性非イオン性界面活性剤の非限定的な例としては、約10〜約18個の炭素原子のアルキル部分1個と、約1〜約3個の炭素原子を含有するアルキル基及びヒドロキシアルキル基から成る群より選択される部分2個とを含有する、水溶性アミンオキシド類;約10〜約18個の炭素原子のアルキル部分1個と、約1〜約3個の炭素原子を含有するアルキル基及びヒドロキシアルキル基から成る群から選択される部分2個とを含有する、水溶性ホスフィンオキシド類;並びに、約10〜約18個の炭素原子のアルキル部分1個と、約1〜約3個の炭素原子のアルキル及びヒドロキシアルキル部分から成る群より選択される部分1個とを含有する、水溶性スルホキシド類が挙げられる。国際公開特許第01/32816号、米国特許第4,681,704号、及び米国特許第4,133,779号を参照のこと。
【0134】
有機溶媒
組成物はまた、1以上の有機溶媒類を含んでもよい。好適な有機溶媒類としては、グリコール類、グリコールエーテル類、ケトン類、アルデヒド類、エーテル類、アルキルピロリドン、及びテルペン類が挙げられるが、これらに限定されない。有機溶媒は、典型的には、組成物の約0.05重量%〜約15重量%、又は約0.1重量%〜約10重量%、又は約1重量%〜約5重量%である有効量で、1以上の不揮発性有機溶媒を含んでもよい。
【0135】
使用され得る有機溶媒類のある非限定的な部類は、以下に表わされるようなグリコールエーテル類である。
【0136】
【化15】

式中、
Rは、C1〜C8アルキル基、又はC6〜C9アルキル(alkly)アリール部分であり、
2は、H又はC1〜C4アルキル基であり、
3は、H又はC1〜C6アルキル基、又はC6〜C8アルキル(alkly)アリール部分であり、
Xは、−O−又はC(O)O−基であり、
グリコールエーテル類の例は、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチル、エーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリメチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、ジエチレングリコールフェニルエーテル、トリエチレングリコールフェニルエーテル、ジエチレングリコールn−ブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールモノヘキシルエーテル、トリプロピレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、ジプロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、及びポリエチレングリコールジブチルエーテルである。
【0137】
グリコール類の非限定的な例は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、分子量400未満のジプロピレングリコールポリエチレングリコール、分子量400未満のポリプロピレングリコールである。アルコール類の非限定的な例は、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ペンチルアルコール及びヘキシルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール及びこれらの誘導体類である。エステル類の非限定的な例は、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、酢酸ヘキシル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸ペンチル、エチル3−プロピオン酸エトキシ(ミシガン州ミッドランド(Midland)のダウ・ケミカル社(Dow Chemicals)から入手可能なユーカーエステルEEP(U-CAR ESTER EEP))、グリセリルモノ、ジ、及びトリアセテート、グリセリルモノ、ジ、及びトリプロピオネート、グリコール類のグリセリン、メチル、プロピル及びブチルエステル類の混合エステル類、好ましくは、エチレングリコールメチルエステル、プロピレングリコールメチルエステルである。
【0138】
テルペン類の非限定的な例としては、炭化水素及びテルペンアルコール類が挙げられる。これらとしては、リモネン、□及び□ピネン、カンフェン、フェンケン、ミルセン、シス−ピネン、p−8メンテン、3−カレン、シメン、テルピネン、テルピノレン、シネオール、ピネン、シネオール、フェンコン、リナロール、フェンコール(fenchol)、シトロネラール、テルピネノール、ネオメントール、ボルネオール、イソボルネオール、メントール、シトロネロール、ネラール、及びゲラニオールが挙げられる。テルペン類の追加例は、「カーク−オスマー(Kirk-Othmer)の工業化学百科事典(Encyclopedia of Chemical Technology)第4版」、23巻、832〜882頁(ニューヨーク州ニューヨーク市のジョン・ワイリー・アンド・サン(John Wiley and Son)発行)に示されている。
【0139】
他の好適な溶媒類は、ピロリドン、並びに商品名サーファドン(SURFADONE)LP−100及びサーファドン(SURFADONE)LP−300として販売されている(ニュージャージー州ウェイン(Wayne)のインターナショナル・スペシャリティー・プロダクツ社(International Specialty Products)から入手可能)n−オクチルピロリドン及びn−ドデシルピロリドンのようなN−アルキルピロリドンである。好ましくは、溶媒は組成物に用いられる割合で、組成物に可溶性である。不溶性溶媒が用いられる場合、適切な共溶媒を用いて可溶化されるか又は適切な乳化剤を用いて乳化される。好ましくは、溶媒は不揮発性である。不揮発性有機溶媒は、約20℃で約0.1mm未満の水銀蒸気圧、又は少なくとも約230℃の沸点を有する。揮発性が低いことから、これらの溶媒はすぐには蒸発せず、拭取り布が乾燥するまでの十分な「作業」時間を可能にする。好ましい溶媒類は、エステル類、アルコール類、及びグリコールエーテル類である。
【0140】
このような溶媒は典型的には、約2〜約3個のアルキレングリコール部分に付加された末端C3〜C6炭化水素を有し、適度な疎水性、高沸点(又は低蒸気圧)、及び好ましくは表面活性を実現する。アルキレングリコール化学に基づく疎水性洗浄溶媒の市販例としては、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(ミシガン州ミッドランド(Midland)のダウ・ケミカルズ社(Dow Chemicals)製のメトキシトリグリコールエーテル)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(ダウ・ケミカルズ社製のカルビトール溶媒)、トリエチレングリコールモノエチルエーテル(ダウ・ケミカルズ社製のエトキシトリグリコール)、ジエチレングリコールブチルエーテル(ブチルカルビトール)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(ブトキシトリグリコールエーテル)、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(ヘキシルカルビトール)、エチレングリコールフェニルエーテル(ドワノール(Dowanol)EPH)、ジプロピレングリコールメチルエーテル(ドワノールDPM)、トリプロピレングリコールメチルエーテル(ドワノールTPM)、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(ドワノールDPMA)、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル(ドワノールDPnP)、トリプロピレングリコールn−プロピルエーテル(ドワノールTPnP)、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル(ドワノールDPnB)、トリプロピレングリコールn−ブチルエーテル(ドワノールTPnB)、プロピレングリコールフェニルエーテル(ドワノールPPh)が挙げられる。これらの溶媒類は、ミシガン州ミッドランド(Midland)のダウ・ケミカルズ社から市販されている。
【0141】
この部類の追加溶媒類は、ドイツ、ウェルク・ゲンドルフ(Werk Gendorf)のクラリアント社(Clariant GmbH)から入手可能であり、例としてはメチルテトラグリコール及びブチルポリグリコールが挙げられる。
【0142】
汚れ懸濁ポリマー類
本発明の組成物及び系は、必要に応じて、約0.001%〜約0.5%又は約0.01%〜約0.15%の汚れ懸濁ポリマーを含んでもよい。ポリマーは、汚れ除去特性を有する水溶性エトキシ化アミンである。これらの化合物は、エトキシ化モノアミン類、エトキシ化ジアミン類、エトキシ化ポリアミン類、エトキシ化アミンポリマー類、及びこれらの混合物から選択される。ある好ましい汚れ懸濁ポリマーは、約1.49E−20g(9,000ダルトン)の最少分子量を有する、入手可能なポリエチレンイミン(「PEI」)600エトキシ化(窒素当たり20モル)である。汚れ懸濁ポリマーは、粒子状の汚れを、より容易に基材から除去できるように懸濁することにより、組成物の洗浄効果を強化する。
【0143】
本発明の湿式使い捨て拭取り布物品で家庭用具用布系材料を処理する方法
本発明は、本発明の予め湿潤された使い捨て拭取り布で家庭用具用布系材料を処理する方法も含む。この方法には、清掃される表面に拭取り布を接触させる工程、清掃される表面に組成物を適用する工程、並びに清掃される表面から拭取り布に、汚れ及び汚染物質を移動させる工程が含まれる。ある非限定的な実施形態では、ユーザーは、清掃される表面に拭取り布を接触させる前に、組成物を拭取り布に噴霧する。さらに別の非限定的な実施形態では、ユーザーは、拭取り布に接触させる前に、清掃される表面に組成物を噴霧する。別の非限定的な実施形態では、組成物は製造中に拭取り布に適用され、予め湿潤した形態でユーザーに提供される。さらなる非限定的な実施形態では、組成物は製造中に拭取り布に適用される。次いで、ユーザーは、使用時に拭取り布を湿潤させる。
【0144】
キット
本発明の使い捨て拭取り布は、単独で提供されてもよいし、又は所望により、家庭周辺の布系材料のような家庭用具表面を清掃するためのキットとして器具と併せて提供されてもよい。使用する際、ユーザーは典型的には、清掃しやすいように、湿式使い捨て拭取り布を器具に取り付けるであろう。本発明の湿式拭取り布と併せて用いられ得る器具の非限定的な例としては、米国特許出願第11/401,810号(2006年4月11日発行)、米国特許公開第2005/0060827号(2005年3月25日公開)、同第2006/0048318号(2006年3月9日公開)、米国特許第6,484,346号(2002年11月26日発行、キングリー(Kingry)ら)、同第6,305,046号(2001年10月23日発行、キングリー(Kingry)ら)、同第6,669,391号(2003年12月20日発行、ポリッチオ(Policicchio)ら)、及び米国特許公開第2002/005001号(2002年5月2日公開、ウィルマン(Willman)ら)に開示されているものが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の湿式拭取り布と併せて用いられ得る他の器具としては、クロロックスレディーモップ(CLOROX READY MOP)、スコッチブライト浴槽及びタイル用ブラシ(SCOTCH BRITE TUB AND TILE SCRUBBER)、並びにスコッチブライト浴室床用洗剤(SCOTCH BRITE BATHROOM FLOOR CLEANER)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0145】
本発明の使い捨て拭取り布は、上包装されていてもよい。好適な上包装の非限定的な例としては、収縮包装、ホイル等(図示せず)が挙げられる。拭取り布は、箱、袋、又は紙箱等に包装(図示せず)されて提供されてもよい。箱、袋、又は紙箱は、所望により、ユーザーが購入に先立って拭取り布に触れること、見ること、及び/又はにおいをかぐことができるように、拭取り布の見本を備えてもよい。上包装、箱/紙箱/袋、又はこれらの組み合わせは、ユーザーが、拭取り布の少なくともいくつかの部分及び/又は備えられている場合は任意の器具を見ること及び/又は触れることができるように、開口部又は窓部を備えてもよい。
【0146】
使用識別記号
必要に応じて、使い捨て拭取り布及び/又は任意の清掃器具が何のために使われるかを識別するために、使用識別記号(図示せず)を用いてもよい。さらに又はあるいは、1以上の使用識別記号がまた、例えば拭取り布及び/又は任意の清掃器具が使われ得る表面の種類及び/又は形態を示すために利用されてもよい。使用識別記号は、素早くかつ容易に、拭取り布及び/又は任意の清掃器具が使われ得る表面の種類をユーザーに伝えるために利用され得る。使用識別記号は、所望により、キット、清掃器具、使い捨て拭取り布又はこれらの組み合わせの包装上;清掃器具自体の上;使い捨て拭取り布自体の上;使い捨て拭取り布及び/又は清掃器具の上包装上;これらには限定されないが、例えば包装、清掃器具、使い捨て拭取り布、使い捨て拭取り布の上包装、又はこれらの組み合わせを備えるキットのいくつかの部分に取り付けられたラベル上;使用説明書上;別個の活字広告上;店内のディスプレー等の上;又はこれらの組み合わせ、のうち1つ以上に備えられる場合がある。使用識別記号の形態の非限定的な例は、書かれた言葉、挿絵、図、記号/図像(icons)等、並びにこれらの組み合わせの形態であってもよい。非限定的な例は、図像と1以上の言葉を組み合わせた使用識別記号であり、例えば使い捨て拭取り布及び/又は任意の清掃器具が布に使用され得る例を示すであろう。追加の非限定的な例としては、図像と1以上の言葉を組み合わせて使い捨て、拭取り布及び/若しくは任意の清掃器具が、これらに限定されないが、室内装飾品、カーテン、枕、布団、シーツと枕カバー及びマットレスカバーを含む寝具;自動車用布;これらに限定されないが、ベビーカー及びチャイルドシート等を含む乳児/幼児用布物品;衣類;これらに限定されないが、財布、札入れ及び靴を含む布製装身具;又はこれらの組み合わせに用いられることを示すものが挙げられる。例えば、ある非限定的な使用識別記号は、自動車の図像と「自動車用布」という言葉の組み合わせを含むことができる。別の非限定的な使用識別記号は、ソファの図像と「室内装飾品」という言葉の組み合わせを含むことができる。別の非限定的な使用識別記号は、ベビーカーの図像と「乳児用物品」という言葉の組み合わせを含むことができる。さらに別の非限定的な使用識別記号は、ベッドの図像と「寝具」という言葉の組み合わせを含むことができる。
【0147】
自己説明型商品
本発明は、上記の使い捨て拭取り布を含む商品も包含する。商品はまた、上述の清掃器具と併せて使い捨て拭取り布を備えるキットを含んでもよい。商品に付随して、使い捨て拭取り布又は、使い捨て拭取り布及び清掃器具で家庭周辺の表面を清掃する方法をユーザーに説明する一連の取扱説明書を含むことができる。例えば、ある非限定的な実施形態では、このような取扱説明書により、ユーザーに、使い捨て拭取り布を器具に取り付ける方法、及び清掃される領域/表面に清掃物品を接触させる方法について指示することができる。別の非限定的な実施形態では、このような取扱説明書により、ユーザーに、器具なしで使い捨て拭取り布を使用して、清掃される表面に接触させる方法について指示することができる。さらに別の非限定的な実施形態では、ユーザーに、上包装、箱、紙箱、袋等のような、拭取り布が包装されるどんなものからも使い捨て拭取り布を取り出し、拭取り布を器具に取り付け、及び清掃される領域/表面を拭取り布に接触させる方法について指示することができる。
【0148】
本明細書において「付随して」とは、このような取扱説明書に関する場合、器具及び/又は清掃シートの消費者に、一連の取扱説明を伝えるように、取扱説明書を器具に直接印刷するか、器具及び/又は清掃シートの包装に直接印刷するか、器具及び/又は清掃シートの包装に添付されたラベルに印刷するか、あるいはこれらに限定されないが、パンフレット、印刷広告、電子広告、放送又はインターネット広告、及び/又は他のメディア等を含む様々な方法で取扱説明書を提示することを意味する。
【0149】
方法
吸収力(Capacity)の測定方法
吸収力は、EDANA10.1から応用された以下の技術を使用して測定することができる。基材試料を5×15cm(2×6インチ)に切断し、重量を測定してから、蒸留水に3分間浸漬する。次に、試料を取り出し、10秒間滴下し、再度重量を測定する。基材の吸収力は、基材1g当たりの、基材に吸収された液体のグラム数として報告され、次の式で計算される。
(基材の湿潤重量−基材の乾燥重量)/基材の乾燥重量
【0150】
毛羽立ち度の測定方法
この方法は、不織布又は積層材料に関連する毛羽立ち度の定量的な予測に使用できる。毛羽立ち度は、米国公開特許第2002/0119720号に開示されている毛羽立ち度試験(Fuzz Level Test)に従って測定可能である。
【0151】
キャリパーの測定方法
キャリパーは、EDANA(欧州使い捨て品及び不繊布協会(European Disposables and Nonwovens Association))法30.5−99に従って、0.5kPAのキャリパー足圧(caliper foot pressure)を使用して測定される。この目的に好適な機器は、トゥイング−アルバート・インストルメント社(Thwing-Albert Instrument Company)(ペンシルベニア州フィラデルフィア)から入手可能なプロゲージ(ProGage)厚さ試験機である。
【0152】
剛性の測定方法
乾燥基材の剛性は、ASTM D5650−97「低曲げ剛度紙材の曲げ抵抗の標準試験方法(Standard Test Method for Resistance to Bending of Paper of Low Bending Stiffness)(0〜10テーバー剛度単位構成におけるテーバータイプ試験機)」に従って測定される。この方法に従って剛性を測定するのに好適な機器は、テレダイン・テイバー・インストルメンツ(Teledyne Taber Instruments)(ニューヨーク州ノーストナワンダ(North Tonawanda))から入手可能なV−5テレダイン・テーバー剛性試験機(モデル150−B)である。湿式基材の剛性を測定することが望ましい場合には、試験される各基材試料を蒸留水に3分間浸漬するようにASTM D5650−97を変更する。その後、試料を取り出し、10秒間滴下する。次いで、ASTM D5650−97に従って剛性を測定する。
【0153】
基材の平均開口サイズ及び開口率(%)の測定方法
以下の方法を使用して、基材の開口部の平均サイズ(すなわち面積)及び基材の開口率(%)を測定することができる。
【0154】
装置:
ヒューレット・パッカード社(Hewlett-Packard Company)(カリフォルニア州パロ・アルト(Palo Alto)94304、(650)−857−1501)から入手可能なHPスキャンジェット(Scanjet)TMA3970スキャナ(又は200dpi≧以上の解像度を有する同等のスキャナ)
検定済みのミリメートル定規(0.1mm目盛り)
黒色の厚紙
メディア・サイバネティクス社(Media Cybernetics, Inc.)(メリーランド州シルバー・スプリング(Silver Spring)、20910、(301)−495−3305)から入手可能なイメージ・プロ・プラス・ソフトウェア(Image Pro Plus Software)4.0以降
【0155】
コンピュータ
プリンタ
試料の調製:
厚紙を、外側12×12cm(4.75×4.75インチ)に切り取り、2.54cm(1インチ)の外周部を残して、内側を切りとって、枠を作成する。枠を両面テープ(幅2.54cm(1インチ))で覆い、粘着面を下にして、測定領域の中心に来るように、巻いたロール上に枠を配置する。材料が付着したら、フレームの周囲を切りとってロールから取り外す。
【0156】
データ収集−画像の収集:
ミリメートル側をうつぶせにして定規をスキャナ上に置き、次いで枠に入った試料をスキャナの定規上に置き、最後に試料の上に黒い厚紙を置く。スキャナの説明書に従って、解像度が≧200dpiに設定されていることを確認し、次いでズームを使って関心領域を調節し、画像をスキャナに取り込む。画像を、高解像度のビットマップ又は他の非圧縮画像フォームとして保存する。
【0157】
イメージ・プロ・ソフトウェア(Image Pro Software)を使用したデータ分析
プログラムの取扱説明書に従って、画像を開いてイメージ・プロ・ソフトウェア(Image Pro Software)にインポートする。画像と定規を使用して画像の空隙部に目盛りをつけ、ピクセル/mm値に設定する。画像内で関心領域を選択し、グレースケールに変換する。ソフトウェアを開口サイズ及び開口率(%)に設定してから、グレースケールの範囲を計数サイズで調整し、すべての開口部をハイライト表示する。ただし、開口部サイズには、試料の端にある部分的開口部、又は完全な開口部を示さない画像領域は含まれないが、開口率(%)にはこれらの開口部が含まれることに注意する。その後、ソフトウェアにより、平均開口サイズ及び開口率(%)が計算される。
【実施例】
【0158】
拭取り布基材の例
本発明の湿式使い捨て拭取り布に用いられ得る基材の非限定的な例を以下に記載する。
【0159】
本発明に従って作成された基材の非限定的なある実施形態では(以下の表Iの試験基材1に示すように)、不織布ウェブから4層の有孔積層複合材料が形成される。4層の複合材料は、それぞれ約31g/m2の坪量を有する2層のポリプロピレン(「PP」)梳毛不織布の外層(BBA不織布社(BBA Nonwovens)(サウスカロライナ州シンプソンビル(Simpsonville))から整理番号FPN336で市販されている)、及びそれぞれ約23g/m2の坪量を有する2層の湿式セルロースの内層(セル・ティッシュ社(Cellu Tissue Corporation)(コネチカット州イースト・ハートフォード(East Hartford))から整理番号7020HWSで市販されている)から成る。この開口後の4層の複合材料は、約91g/m2の坪量を有し、プリシジョン・ファブリック・グループ(Precision Fabrics Group)(「PFG」)(ノースカロライナ州グリーンズボロ(Greensboro))から形式番号36385000110000で市販されている。
【0160】
本発明に従って作成された積層基材の非限定的な別の実施形態では(以下の表Iの試験基材2に示すように)、不織布ウェブから4層の有孔積層複合材料が形成される。4層の複合材料は、各層が、40%の2デニールポリプロピレン繊維、40%の6デニールポリプロピレン繊維、及び20%のレーヨン繊維の混合物であり、均一な梳毛不織布として提供される、2つの外層から成る。各外層は、約50g/m2の坪量を有する(サウスカロライナ州シンプソンビル(Simpsonville)のBBAノンウーヴンズ社(BBA Nonwovens)から銘柄番号BD0216として市販されている)。2つの内層は、それぞれ約23g/m2の坪量を有する各湿式セルロースから成る(コネチカット州イーストハートフォード(East Hartford)のセル・ティシュー社(Cellu Tissue Corporation)から、整理番号7020HWSとして市販されている)。この4層の複合材料は、開口後、約127g/m2の坪量を有する。
【0161】
【表2】

*CDは基材試料の横断方向を意味する。
【0162】
4層の有孔積層基材の別の非限定的な代替実施形態(表1には示さず)では、基材は、ポリプロピレン(「PP」)梳毛不織布(サウスカロライナ州シンプソンビル(Simpsonville)のBBAノンウーヴンズ社(BBA Nonwovens)から、整理番号FPN336として市販されている)である2つの外層と、それぞれがバウンティ(BOUNTY)(登録商標)タオル(本出願人から市販されている)から成るセルロースの2つの内層から成る。
【0163】
【表3】

【0164】
【表4】

1: オハイオ州シンシナティ(Cincinnati)のコグニス社(Cognis Corp)から商品名プランタレン(Plantaren)として入手可能な界面活性剤
2: BASF社(BASF AG)から商品名ルパソール(Lupasol)SKとして入手可能な、3.32E−18g(2,000,000ダルトン)の分子量を有するカチオン性凝集ポリマー
3: ミシガン州ミッドランド(Midland)のダウ・ケミカル社(Dow Chemicals)から入手可能な不揮発性溶媒
4: ニュージャージー州ウェイン(Wayne)のインターナショナル・スペシャリティー・プロダクツ社(International Specialty Products)から入手可能な不揮発性溶媒
5: ドイツ、ゲンドルフ(Gendorf)のクラリアント社(Clariant GmbH)から入手可能な不揮発性溶媒
6: BASF社(BASF AG)から入手可能な、4.15E−20g(25,000ダルトン)の分子量を有するカチオン性凝集ポリマー
7: カルゴン社(Calgon Corporation)から商品名マークアット(Merquat)100として入手可能な、1.66E−20g(10,000ダルトン)の分子量を有する、カチオン性凝集ポリマー
8: デラウェア州ウィルミントン(Wilmington)のアクアロン社(Aqualon Company)から商品名N−ハンス(Hance)3000として入手可能な、1.66E−18g(1,000,000ダルトン)の分子量を有する、カチオン性凝集ポリマー
9: インターナショナル・スペシャルティ・プロダクツ社(International Specialty Products)(ニュージャージー州ウェイン(Wyane))から入手可能な、ビニルピロリドン及びジメチルアミノエチルメタクリルアミドのコポリマー
10: 日本、大阪の日本触媒から入手可能な、1.49E−20g(9,000ダルトン)の最少分子量を有する、汚れ懸濁ポリマー
11: ニュージャージー州サウスプレインズフィールド(South Plainsfield)のLCWから入手可能な可溶化剤
13: ニュージャージー州ニューブランズウィック(New Brunswick)のスペクトラムケミカルズ社(Spectrum Chemicals)から入手可能な、アレルゲン制御剤:TMBA(3,4,5−トリメトキシ安息香酸)
14: ニュージャージー州フィリップスバーグ(Phillipsburg)のマリンクロット・ベイカー社(Mallinckrodt Baker)から供給される、アレルゲン制御剤の溶媒:ベンジルアルコール
【0165】
安息香酸とベンジルアルコールを予め混合することにより液体組成物を調製することができる。水と香料(用いられる場合)を除く残りの成分を、均一になるまで混合する。アレルゲン制御プレミックスをこの混合物に添加し、この混合物のpHを約6.5〜7.5に調節する。次いで、汚れ懸濁剤をこの混合物に添加する。安息香酸/アルコールプレミックスをこの混合物に添加する。用いられる場合、次いで香料を混合物に添加する。次いで、pHを約5に調節する。液体組成物は次いで、乾燥基材のグラム当たり、液体組成物のおよそ約3g〜約4gの配合割合で、積層基材に適用される。
【0166】
(実施例9)
有孔積層基材PFG−97gsmPP/セルロース複合材料(形式3638 50001 010000)を実施例1の液体清掃溶液で湿潤させる。液体は、完全に分配され、乾燥基材のグラム当たり、液体組成物の約3g〜約4gの配合割合が達成される。
【0167】
(実施例10)
有孔積層基材PFG−97gsmPP/セルロース複合材料(形式3638 50001 010000)を実施例2の液体清掃溶液で湿潤させる。液体は完全に分配され、乾燥基材のグラム当たり、液体組成物の約3g〜約4gの配合割合が達成される。
【0168】
(実施例11)
有孔積層基材PFG−97gsmPP/セルロース複合材料(形式3638 50001 010000)を実施例3の液体清掃溶液で湿潤させる。液体は完全に分配され、乾燥基材のグラム当たり、液体組成物の約3g〜約4gの配合割合が達成される。
【0169】
(実施例12)
有孔積層基材PFG−97gsmPP/セルロース複合材料(形式3638 50001 010000)を実施例4の液体清掃溶液で湿潤させる。液体は完全に分配され、乾燥基材のグラム当たり、液体組成物の約3g〜約4gの配合割合が達成される。
【0170】
(実施例13)
有孔積層基材PFG−97gsmPP/セルロース複合材料(形式3638 50001 010000)を実施例5の液体清掃溶液で湿潤させる。液体は完全に分配され、乾燥基材のグラム当たり、液体組成物の約3g〜約4gの配合割合が達成される。
【0171】
(実施例14)
有孔積層基材PFG−97gsmPP/セルロース複合材料(形式3638 50001 010000)を実施例6の液体清掃溶液で湿潤させる。液体は完全に分配され、乾燥基材のグラム当たり、液体組成物の約3g〜約4gの配合割合が達成される。
【0172】
(実施例15)
有孔積層基材PFG−97gsmPP/セルロース複合材料(形式3638 50001 010000)を実施例7の液体清掃溶液で湿潤させる。液体は完全に分配され、乾燥基材のグラム当たり、液体組成物の約3g〜約4gの配合割合が達成される。
【0173】
(実施例16)
有孔積層基材PFG−97gsmPP/セルロース複合材料(形式3638 50001 010000)を実施例8の液体清掃溶液で湿潤させる。液体は完全に分配され、乾燥基材のグラム当たり、液体組成物の約3g〜約4gの配合割合が達成される。
【0174】
(実施例17)
積層37−2と呼ばれる有孔積層基材を実施例1の液体清掃溶液で湿潤させる。液体は完全に分配され、乾燥基材のグラム当たり、液体組成物の約3g〜約4gの配合割合が達成される。
【0175】
(実施例18)
スパンレース化基材(ヌブテックス(Nubtex)、サウスカロライナ州シンプソンビル(Simpsonville)のBBA不織布社(BBA Nonwovens)から入手可能な、70%のレーヨンと30%のポリエステルから成る64g/sqm)を実施例1〜8のいずれかの液体清掃溶液で湿潤させてもよい。液体は完全に分配され、乾燥基材のグラム当たり、液体の3.0gの配合が達成されるべきである。
【0176】
(実施例19)
エアレイド基材ビソーブ(Visorb)X622(坪量100g/sqm、84%NSKパルプ、14%2成分、テネシー州メンフィス(Memphis)のバックアイ・テクノロジー社(Buckeye Technologies))は、実施例1〜8のいずれかの液体清掃溶液で湿潤されてもよい。液体は完全に分配され、乾燥基材のグラム当たり、液体の3.0gの配合が達成されるべきである。
【0177】
液体清掃溶液は、噴霧、ロール塗布、押出、浸漬、はけ塗り、及び当業者に公知であろう任意の他の方法を介して基材に適用されてもよい。所望により、拭取り布は、折りたたみ板(folding boards)又は当業者に公知であろう他の機械的操作を介して、包装前に折りたたまれてもよい。清掃溶液を拭取り布に適用し、拭取り布を折りたたむための設備の非限定的な例は、ウィスコンシン州グリーンベイ(Green Bay)のペーパー・コンバーティング・マシーン社(Paper Converting Machine Company)(まもなくバリーウェーミラー社(Barry-Wehmiller Companies, Inc.)になる予定)から入手可能であり、バイパー(Viper)、マーメイド(Mermaid)、ネプチューン(Neptune)又はカリプソ(Calypso)という商品名で市販されている。
【0178】
本発明の特定の実施形態を説明し記載してきたが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。本明細書に引用される文献は全て、関連部分において参考として組み込まれる。いずれの文献の引用も、それが本発明に関する先行技術であることを承認するものとして解釈されるべきでない。
【図面の簡単な説明】
【0179】
【図1】本発明に従って製造された湿式拭取り布基材のある実施形態の斜視図。
【図2】図1の拭取り布の基材の部分断面図。
【図3】本発明に従って製造された積層基材のある接合部位の拡大詳細図。
【図4】本発明に従って製造された基材の、別の実施形態の平面図。
【図5】図4に示す基材の部分断面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
家庭用具表面(household surface)を清掃するための湿式使い捨て拭取り布であって、
前記拭取り布が少なくとも1つの層(ply)から成る基材を備え、
前記層が、前記基材に適用される組成物を含み、
前記組成物が、前記基材重量のグラム当たり、前記組成物の0.5g〜8gの量で前記基材に適用され、
前記組成物が、
i)0.05重量%〜15重量%の有機溶媒、
ii)0.01重量%〜25重量%のアレルゲン制御剤、並びに
iii)残部の水及び任意成分
を含むことを特徴とする拭取り布。
【請求項2】
前記アレルゲン制御剤が、ベンジル誘導体、ベンジル部分、又はこれらの組み合わせを含むことを特徴とする請求項1に記載の湿式使い捨て拭取り布。
【請求項3】
前記アレルゲン制御剤が、ベンジルアルコール、ベンズアルデヒド、ベンジルエステル、ベンジル酸、安息香酸エステル、2−ヒドロキシ安息香酸エステル、ハロゲン化ベンジル、ベンジルアミン、ベンジルエーテル、ベンジルイソオイゲニル,フタル酸ベンジル、アルキルベンジルケトン、又はこれらの組み合わせであることを特徴とする請求項1又は2に記載の湿式使い捨て拭取り布。
【請求項4】
前記アレルゲン制御剤が安息香酸であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の湿式使い捨て拭取り布。
【請求項5】
前記アレルゲン制御剤が、3,4,5−トリメトキシ安息香酸、3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸、又はこれらの組み合わせであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の湿式使い捨て拭取り布。
【請求項6】
前記組成物が、0.001重量%〜0.5重量%の凝集ポリマーをさらに含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の湿式使い捨て拭取り布。
【請求項7】
前記拭取り布が積層基材を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の湿式使い捨て拭取り布。
【請求項8】
家庭用具表面を清掃する方法であって、前記方法が
a)湿式使い捨て拭取り布を提供する工程であって、
前記湿式潤使い捨て拭取り布が少なくとも1層から成る基材を備え、
前記層が、前記基材に適用される組成物を含み、
前記組成物が、前記基材重量のグラム当たり、前記組成物の0.5g〜8gの量で前記基材に適用され、
前記組成物が
i)0.01重量%〜25重量%のアレルゲン制御剤、
ii)0.05重量%〜15重量%の有機溶媒、並びに
iii)残部の水及び任意成分
を含む工程と、
b)清掃される前記表面に前記湿式使い捨て拭取り布を接触させる工程と、
c)前記組成物を前記表面に適用する工程と、
d)前記表面から前記湿式使い捨て拭取り布へ、汚れや汚染物質を移動させる工程と
を含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
前記表面に前記湿式使い捨て拭取り布を接触させる前に、前記表面に前記組成物を噴霧することを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
家庭用具表面を清掃するためのキットであって、
前記キットが、
a)家庭用具表面を清掃するための湿式使い捨て拭取り布を備え、
前記拭取り布が少なくとも1層から成る基材を備え、
前記層が前記基材に適用される組成物を含み、
前記組成物が、前記基材重量のグラム当たり、前記組成物の0.5g〜8gの量で前記基材に適用され、
前記組成物が、
i)0.05重量%〜15重量%の有機溶媒、
ii)0.01重量%〜25重量%のアレルゲン制御剤、及び
iii)残部の水と任意成分
を含み、並びに
前記キットが、
b)前記湿式使い捨て拭取り布を前記家庭用具表面に容易に接触させるために、前記湿式使い捨て拭取り布が取り付けられた器具を備えるキット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−505806(P2009−505806A)
【公表日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−529277(P2008−529277)
【出願日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際出願番号】PCT/US2006/034047
【国際公開番号】WO2007/027904
【国際公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】