説明

アンテナシート、タグ及びタグ製造方法

【課題】通信距離の増大させることができるアンテナシート、タグ及びタグ製造方法を提供すること。
【解決手段】アンテナシートが、アンテナパターンと電気的に接続されるICチップが搭載される搭載部と、搭載部の端部のうちICチップを挟む両端部から延伸され、第1ループを形成する第1ループ形成部と、第1ループ形成部の双方の先端の少なくとも一部を互いに交差させる交差部と、交差部において交差する第1ループ形成部の先端から延伸され、第1ループの外側に第2ループを形成する第2ループ形成部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナシート、タグ及びタグ製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電波を用いることにより非接触でリーダライタ等の外部機器から電力供給および情報を受け、かかる外部機器へ情報を送出する非接触IC(Integrated Circuit)カード等の例えば、RFID(Radio Frequency IDentification)タグが用いられている。このRFIDタグは、プラスチック等の基材に設けた送受信用のアンテナパターンとICチップと有し、アンテナパターンとICチップに内蔵された容量素子とにより共振回路が形成される。これにより、RFIDタグは、アンテナパターンを通じて無線で外部機器と通信することが可能になる。
【0003】
このようなRFIDタグのうち、UHF(Ultra High Frequency:極超短波)帯のRFIDタグは、ダイポールアンテナが用いられるダイポール型が主流となっている。ダイポール型のRFIDタグは、一般に、ダンボールや衣類等の金属物質以外に貼り付けられて利用される。これは、ダイポール型のRFIDタグは、金属物質に貼り付けられた場合に、アンテナの利得(Gain)が低下し、アンテナとICチップとの整合が崩れてしまい通信距離が短くなるからである。
【0004】
なお、ループアンテナを金属面に対して垂直に配置することにより、鏡像電流(イメージ電流)を発生させ、電流ループを形成させる技術が提案されている。かかる技術によれば、ループアンテナの利得が向上するので、通信距離を増大させることが可能になると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−53833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の従来技術には、通信距離の増大に限界があった。具体的には、上記の従来技術では、大きい電流ループを形成することでアンテナの利得を増大させることができるが、単に電流ループを大きくすると、アンテナとICチップとの整合が崩れ、その結果、通信距離が短くなるという問題を招く。
【0007】
このような問題について、図17を用いて具体的に説明する。図17は、ICチップとアンテナとの関係を等価回路によって示す図である。図17に示した例のように、UHF帯RFID用のICチップとアンテナとの関係は、等価回路で表される。図17に示した例において、Rcpは、ICチップの並列抵抗であり、Ccpは、ICチップの並列容量である。並列抵抗Rcp及び並列容量Ccpは、ICチップ毎に固定の値である。例えば、並列抵抗Rcpは、2000[Ω(オーム)]であり、並列容量Ccpは、1.0[pF(ピコファラド)]である。
【0008】
また、アンテナとICチップとは、双方の間に整合回路を用いずに直接2端子が接続される。このため、アンテナ側の等価回路は、並列抵抗(放射抵抗)Rap、並列インダクタンスLapで表される。図17に例示した等価回路において、並列容量Ccpと並列インダクタンスLapとがRFIDの周波数f0で共振条件を満たし、かつ、並列抵抗Rcpと並列抵抗Rapとがほぼ同値である場合に、アンテナによって受信されたパワーが全てICチップに供給され、通信を行うことが可能になる。ただし、並列容量Ccと並列インダクタンスLapとが共振条件を満たさない場合や、並列抵抗Rcpと並列抵抗Rapとが異なる値である場合には、アンテナとICチップとの整合が崩れるので、RFIDの通信距離は短くなる。
【0009】
ここで、電流ループを大きくすると、図17に示した並列インダクタンスLapが大きくなる。このことは、固定値であるICチップの並列容量Ccpとの整合が取れなくなるという問題を招く。すなわち、電流ループを大きくすると、並列容量Ccと並列インダクタンスLapとが共振条件を満たさなくなるおそれがあり、RFIDの通信距離が短くなる。このようなことから、ループアンテナを用いた従来技術には、通信距離の増大に限界があった。
【0010】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、通信距離の増大させることができるアンテナシート、タグ及びタグ製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願の開示するアンテナシートは、一つの態様において、送受信用のアンテナパターンが形成されるアンテナシートであって、前記アンテナパターンと電気的に接続されるICチップが搭載される搭載部と、前記搭載部の端部のうち前記ICチップを挟む両端部から延伸され、第1ループを形成する第1ループ形成部と、前記第1ループ形成部の双方の先端の少なくとも一部を互いに交差させる交差部と、前記交差部において交差する前記第1ループ形成部の先端から延伸され、前記第1ループの外側に第2ループを形成する第2ループ形成部とを有する。
【発明の効果】
【0012】
本願の開示するアンテナシートの一つの態様によれば、通信距離の増大させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、実施例1に係るアンテナシートを示す平面図である。
【図2】図2は、実施例1に係るアンテナシートが組み立てられた状態を示す斜視図である。
【図3】図3は、図2に示したアンテナシートを三方から見た図である。
【図4】図4は、実施例1に係るアンテナシートによって形成されるアンテナとICチップとの関係を等価回路によって示す図である。
【図5】図5は、実施例1に係るアンテナシートを有するRFIDタグを示す斜視図である。
【図6】図6は、図5のI−I線における断面を模式的に示す図である。
【図7】図7は、実施例1におけるRFIDタグの製造手法の一例を示すフローチャートである。
【図8】図8は、実施例1に係るアンテナシートを組み立てる手法の一例を示す図である。
【図9】図9は、実施例2に係るアンテナシートを示す平面図である。
【図10】図10は、実施例2に係るアンテナシートが組み立てられた状態を示す斜視図である。
【図11】図11は、図10に示したアンテナシートを三方から見た図である。
【図12】図12は、実施例3に係るアンテナシートを示す平面図である。
【図13】図13は、実施例3に係るアンテナシートが組み立てられた状態を示す斜視図である。
【図14】図14は、図13に示したアンテナシートを三方から見た図である。
【図15】図15は、実施例4に係るアンテナシートが組み立てられた状態を示す斜視図である。
【図16】図16は、実施例4に係るアンテナシートによって形成されるアンテナとICチップとの関係を等価回路によって示す図である。
【図17】図17は、ICチップとアンテナとの関係を等価回路によって示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本願の開示するアンテナシート、タグ及びタグ製造方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例により本願の開示するアンテナシート、タグ及びタグ製造方法が限定されるものではない。
【実施例1】
【0015】
まず、図1を用いて、実施例1に係るアンテナシートについて説明する。図1は、実施例1に係るアンテナシートを示す平面図である。実施例1に係るアンテナシート100は、フィルム部材等の透明基材上に、信号送受信用のアンテナパターン110が形成される。このようなアンテナパターン110は、例えば、導電性インクをフィルム部材に印刷することにより形成されたり、又は、銅等の金属導体をエッチングすることにより形成されたりする。
【0016】
また、アンテナシート100は、透明基材の一部分にアンテナパターン110が形成されない領域を有する。図1に示した例では、アンテナシート100は、アンテナパターン110が形成されない領域として、非アンテナパターン領域131を有する。そして、アンテナシート100は、非アンテナパターン領域131を含む搭載部130に、ICチップ120が搭載される。これにより、ICチップ120は、アンテナパターン110と電気的に接続される。
【0017】
また、図1に示すように、実施例1に係るアンテナシート100は、第1ループ形成部140と、交差部150と、第2ループ形成部160とを有する。第1ループ形成部140は、搭載部130の端部のうちICチップ120を挟む両端部からアンテナシート100の両端に向かって延伸された領域であり、第1ループを形成する。具体的には、第1ループ形成部140は、第1折り曲げ領域141と、第2折り曲げ領域142とを有する。そして、第1ループ形成部140は、第1折り曲げ領域141及び第2折り曲げ領域142が、ICチップ120が搭載される搭載面の裏面側に折り曲げられることにより、第1ループを形成する。なお、第1ループ形成部140によって形成される第1ループについては後述する。
【0018】
交差部150は、第1ループ形成部140の双方の先端の少なくとも一部を互いに交差させる。具体的には、交差部150は、第1切込部151及び152が形成される。第1切込部151及び152は、第1ループ形成部140の双方の先端に、第1ループ形成部140の延伸方向に対して垂直に切り込まれることにより形成される。言い換えれば、第1切込部151及び152は、第1ループ形成部140の双方の先端に、アンテナシート100の短手方向に切り込まれることにより形成される。図1に示した例では、第1切込部151及び152は、アンテナシート100の側縁からアンテナシート100の中央近傍まで切り込まれている。
【0019】
そして、交差部150は、第1ループ形成部140の一方の先端を他方の先端に形成された第1切込部に挟持させることにより、第1ループ形成部140の双方の先端を互いに交差させる。図1に示した例では、交差部150は、第1ループ形成部140の一方の先端を、第1ループ形成部140の他方の先端に形成された第1切込部152に挟持させる。また、交差部150は、第1ループ形成部140の他方の先端を、第1ループ形成部140の一方の先端に形成された第1切込部151に挟持させる。このように、交差部150は、第1切込部151と第1切込部152とを相互に合わせ込ませることにより、第1ループ形成部140の双方の先端を互いに交差させる。
【0020】
また、図1に示すように、交差部150は、第2切込部153及び154が形成される。第2切込部153及び154は、第1切込部151の一部から、第1ループ形成部140の延伸方向に切り込まれることにより形成される。図1に示した例では、第2切込部153は、第1切込部151の内方から搭載部130に向かって形成されている。また、第2切込部154は、第1切込部152の内方から搭載部130に向かって形成されている。このような第2切込部153及び154は、第1ループ形成部140の双方の先端を交差させた状態で、第1ループ形成部140の双方の先端をアンテナシート100の長手方向にスライド可能にする。
【0021】
第2ループ形成部160は、交差部150からアンテナシート100の両端に向かって延伸された領域であり、第2ループを形成する。具体的には、第2ループ形成部160は、第3折り曲げ領域161と、第4折り曲げ領域162とを有する。そして、第2ループ形成部160は、第3折り曲げ領域161及び第4折り曲げ領域162が、ICチップ120が搭載される搭載面の裏面側に折り曲げられることにより、第2ループを形成する。なお、第2ループ形成部160によって形成される第2ループについては後述する。
【0022】
次に、図2及び図3を用いて、図1に示したアンテナシート100が組み立てられた状態について説明する。図2は、実施例1に係るアンテナシート100が組み立てられた状態を示す斜視図である。図3は、図2に示したアンテナシート100を三方から見た図である。なお、図3の上段は、図2に示したA矢視によるアンテナシート100の平面図を示す。また、図3の中段は、図2に示したB矢視によるアンテナシート100の側面図を示す。また、図3の下段は、図2に示したC矢視によるアンテナシート100の平面図を示す。
【0023】
図2に示すように、実施例1に係るアンテナシート100は、第1折り曲げ領域141及び第2折り曲げ領域142が折り曲げられることにより、第1ループ形成部140によって第1ループ10が形成される。具体的には、図3の中段に示すように、アンテナシート100は、第1折り曲げ領域141及び第2折り曲げ領域142が、ICチップ120が搭載される搭載面の裏面側に折り曲げられることにより、第1ループ10が形成される。
【0024】
また、アンテナシート100は、第1切込部151と第1切込部151とが相互に合わせ込まれることにより、交差部150によって、第1ループ形成部140の双方の先端が交差される。これにより、図3の中段及び下段に示すように、第2ループ形成部160は、交差部150の両端から第1ループ10の外側に延伸する。
【0025】
そして、アンテナシート100は、第3折り曲げ領域161及び第4折り曲げ領域162が折り曲げられることにより、第2ループ形成部160によって第2ループ20が形成される。具体的には、図3の中段に示すように、アンテナシート100は、第3折り曲げ領域161及び第4折り曲げ領域162が、第1ループ10方向に折り曲げられることにより、第2ループ20が形成される。
【0026】
このような第1ループ形成部140によって形成される第1ループ10は、ICチップ120の並列容量Ccpと整合可能なインダクタンスとなる。また、第2ループ形成部160によって形成される第2ループ20は、アンテナの利得を得るインダクタンスとなる。
【0027】
図4を用いて具体的に説明する。図4は、実施例1に係るアンテナシート100によって形成されるアンテナとICチップ120との関係を等価回路によって示す図である。図4に示した例において、Rcpは、ICチップ120の並列抵抗であり、Ccpは、ICチップ120の並列容量である。並列抵抗Rcp及び並列容量Ccpは、ICチップ毎に固定の値である。
【0028】
また、図4に示した例において、Rapは、アンテナ側の並列抵抗(放射抵抗)である。また、Lap2は、第2ループ20によって形成されるインダクタンスである。また、Lap3は、第1ループ10によって形成されるインダクタンスである。すなわち、第1ループ10と第2ループ20のうち、内側の第1ループ10は、ICチップ120と整合するインダクタンスとなり、外側の第2ループ20は、アンテナの利得を得るインダクタンスとなる。
【0029】
ここで、図4に示した等価回路の共振条件は、以下の式(1)によって表される。
【0030】
【数1】

【0031】
第2ループ20によって形成されるインダクタンスLap2は、第1ループ10によって形成されるインダクタンスLap3に対して十分に大きい値となるので、上記式(1)の「1/Lap2」はほぼ無視することができる。そのため、上記式(1)の共振条件を満たすか否かは、「1/Lap3」の値が影響する。
【0032】
例えば、ICチップ120の並列抵抗Rcpが2000[Ω]であり、並列容量Ccpが1.0[pF]であるものとする。かかる場合には、上記式(1)の共振条件を満たすLap3の値は、約28[nH(ナノヘンリー)]となる。Lap3の値は、第1ループ10の物理的な大きさによって決まるので、第1ループ形成部140の長軸方向の長さ等を調整することで、Lap3の値を28[nH]にすることができる。なお、第1ループ10の物理的な大きさは、電磁界シミュレータ等を用いることによって算出してもよい。
【0033】
このようにして第1ループ10の物理的な大きさによって決定された場合には、第1折り曲げ領域141及び第2折り曲げ領域142の位置が決定される。また、第3折り曲げ領域161及び第4折り曲げ領域162の位置は、第2ループ20が第1ループ10よりも物理的に大きくなるように決定される。そして、第1切込部151及び152は、各折り曲げ領域が折り曲げられた際に第1ループ10と第2ループ20とが接する位置に形成される。
【0034】
また、アンテナパターン110の両端部は、第2ループ形成部160の先端部であり、第1ループ10の上部と接続され、第2ループ20を第1ループ10とオーバラップさせる。なお、アンテナパターン110の両端部は、導電性を有するテープ等によって第1ループ10の上部と接続されてもよいし、導電性を有しないテープ等によって第1ループ10の上部と接続されてもよい。
【0035】
このようなことから、図1に示した例において、第2ループ形成部160に含まれる領域の長さH11は、図1に示した長さH12から長さ23を減算した値よりも大きいことが望ましい。また、図1に示した例において、第2ループ形成部160に含まれる領域の長さH21は、図1に示した長さH22から長さ13を減算した値よりも大きいことが望ましい。これにより、アンテナシート100は、第1ループ10よりも大きい第2ループ20を形成することができ、さらに、第2ループ形成部160の先端部を第1ループ10の上部と接続させることができる。
【0036】
次に、図5及び図6を用いて、実施例1に係るアンテナシート100を有するRFIDタグ1について説明する。図5は、実施例1に係るアンテナシート100を有するRFIDタグ1を示す斜視図である。図6は、図5のI−I線における断面を模式的に示す図である。
【0037】
図5及び図6に示すように、RFIDタグ1は、第1ループ10の内部に樹脂171を有し、第2ループ20の内部に樹脂172及び173を有する。樹脂171、172及び173は、例えば、ポリカーボネイト(Polycarbonate)や、シリコンボム等である。なお、RFIDタグ1は、樹脂171、172及び173を有しなくてもよいが、樹脂171、172及び173を有することにより、第1ループ10及び第2ループ20の形状を維持することができる。
【0038】
また、RFIDタグ1は、アンテナシート100の外部に外装用の樹脂174を有する。樹脂174は、例えば、ポリカーボネイトやシリコンボム等である。RFIDタグ1は、外装用の樹脂174を有することにより、強固なRFIDタグとして実環境において使用可能となる。
【0039】
次に、図7及び図8を用いて、RFIDタグ1の製造手法について説明する。図7は、実施例1におけるRFIDタグ1の製造手法の一例を示すフローチャートである。図8は、実施例1に係るアンテナシート100を組み立てる手法の一例を示す図である。
【0040】
図7に示すように、実施例1に係るアンテナシート100は、まず、フィルム部材等の透明基材上に信号送受信用のアンテナパターン110が形成される(ステップS101)。続いて、アンテナシート100は、第1切込部151及び152が形成される(ステップS102)。
【0041】
なお、ステップS101と、ステップS102との製造手順は逆であってもよい。すなわち、アンテナシート100は、第1切込部151及び152が形成されたフィルム部材等の透明基材上に、アンテナパターン110が形成されてもよい。
【0042】
続いて、アンテナシート100は、第1折り曲げ領域141及び第2折り曲げ領域142が折り曲げられる(ステップS103)。これにより、アンテナシート100の第1ループ形成部140は、図2に示すように、第1ループ10を形成する。
【0043】
続いて、アンテナシート100は、第1切込部151と第1切込部151が相互に合わせ込まれる(ステップS104)。これにより、アンテナシート100の交差部150は、第1ループ形成部140の双方の先端を互いに交差させる。
【0044】
続いて、アンテナシート100は、第3折り曲げ領域161及び第4折り曲げ領域162が折り曲げられる(ステップS105)。これにより、アンテナシート100の第2ループ形成部160は、図2に示すように、第1ループ10の外側に第2ループ20を形成する。
【0045】
続いて、アンテナシート100は、図5及び図6に示すように、第1ループ10の内部に形成される空間に樹脂171が挿入される(ステップS106)。また、アンテナシート100は、図5及び図6に示したように、第1ループ10と第2ループ20との間に形成される空間に樹脂172及び173が挿入される(ステップS107)。
【0046】
続いて、図8に示すように、上記のように組み立てられたアンテナシート100は、凹型の樹脂174aの凹部に配置される。そして、アンテナシート100は、凹型の樹脂174bの周縁部と、樹脂174aの周縁部とが接着されることにより、外装用の樹脂174によって覆われる(ステップS108)。このようにして、アンテナシート100が樹脂174によって覆われたRFIDタグ1が形成される。
【0047】
なお、ICチップ120は、例えば、ステップS101の後にアンテナシート100に搭載されてもよいし、ステップS102の後にアンテナシート100に搭載されてもよいし、ステップS105の後にアンテナシート100に搭載されてもよい。
【0048】
上述してきたように、実施例1に係るアンテナシート100を有するRFIDタグ1は、ICチップ120と整合する第1ループ10と、アンテナの利得を得る第2ループ20とを有する。これにより、実施例1におけるRFIDタグ1は、ICチップ120との接合を保ちつつ、通信距離を増大させることができる。さらに、実施例1に係るアンテナシート100は、1枚のシートから第1ループ10及び第2ループ20を形成することができる。これにより、実施例1に係るアンテナシート100を用いると、RFIDタグ1を容易に製造することができるとともに、製造コストを低減することができる。
【実施例2】
【0049】
上記実施例1では、図1に示した1枚のアンテナシート100によって第1ループ10と第2ループ20とを形成する例について説明した。しかし、第1ループ10と第2ループ20とを形成するアンテナシートの形状は、図1に示したアンテナシート100の形状に限られない。そこで、実施例2では、図1に示したアンテナシート100と異なる形状を有するアンテナシートの例について説明する。
【0050】
まず、図9を用いて、実施例2に係るアンテナシートについて説明する。図9は、実施例2に係るアンテナシートを示す平面図である。図9に示すように、実施例2に係るアンテナシート200は、実施例1に係るアンテナシート100と同様に、フィルム部材等の透明基材上に、信号送受信用のアンテナパターン110が形成される。
【0051】
また、アンテナシート200は、透明基材の一部分に非アンテナパターン領域131を有する。そして、アンテナシート200は、非アンテナパターン領域131を含む搭載部130に、ICチップ120が搭載される。
【0052】
また、図9に示すように、アンテナシート200は、第1ループ形成部140と、交差部250と、第2ループ形成部260とを有する。第1ループ形成部140は、第1折り曲げ領域141と、第2折り曲げ領域142とを有し、第1折り曲げ領域141及び第2折り曲げ領域142が折り曲げられることにより、第1ループを形成する。
【0053】
交差部250は、第1ループ形成部140の双方の先端の少なくとも一部を互いに交差させる。具体的には、交差部250は、図1に示した交差部150と同様に、第1切込部151及び152と、第2切込部153及び154とが形成される。そして、交差部250は、第1切込部151及び152が相互に合わせ込まれることにより、第1ループ形成部140の双方の端部を交差させる。
【0054】
さらに、実施例2における交差部250は、第1切込部151からアンテナシート200の先端までの領域が切り取られた第1切欠部251と、第1切込部152からアンテナシート200の先端までの領域が切り取られた第2切欠部252とが形成される。かかる交差部250は、第1ループ形成部140の一方の先端のうち第1切欠部251が形成されていない先端を、第1ループ形成部140の他方の先端に形成された第2切欠部252に挿通させる。また、交差部250は、第1ループ形成部140の他方の先端のうち第2切欠部252が形成されていない先端を、第1ループ形成部140の一方の先端に形成された第1切欠部251に挿通させる。
【0055】
第2ループ形成部260は、交差部250の両端からアンテナシート200の両端に向かって延伸された領域であり、第2ループを形成する。具体的には、第2ループ形成部260は、第3折り曲げ領域261と、第4折り曲げ領域262とを有する。そして、第2ループ形成部260は、第3折り曲げ領域261及び第4折り曲げ領域262が、ICチップ120が搭載される搭載面の裏面側に折り曲げられることにより、第2ループを形成する。
【0056】
ここで、第3折り曲げ領域261が折り曲げられた場合に、第3折り曲げ領域261を有する第2ループ形成部260は、第2切欠部252を挿通する。そして、第3折り曲げ領域261を有する第2ループ形成部260の先端は、第1ループの上部と接続される。また、第4折り曲げ領域262が折り曲げられた場合に、第4折り曲げ領域262を有する第2ループ形成部260は、第1切欠部251を挿通する。そして、第4折り曲げ領域262を有する第2ループ形成部260の先端は、第1ループの上部と接続される。
【0057】
次に、図10及び図11を用いて、図9に示したアンテナシート200が組み立てられた状態について説明する。図10は、実施例2に係るアンテナシート200が組み立てられた状態を示す斜視図である。図11は、図10に示したアンテナシート200を三方から見た図である。なお、図11の上段は、図10に示したA矢視によるアンテナシート200の平面図を示す。また、図11の中段は、図10に示したB矢視によるアンテナシート200の側面図を示す。また、図11の下段は、図10に示したC矢視によるアンテナシート200の平面図を示す。
【0058】
図10に示すように、実施例2に係るアンテナシート200は、第1折り曲げ領域141及び第2折り曲げ領域142が折り曲げられることにより、第1ループ形成部140によって第1ループ30が形成される。具体的には、図11の中段に示すように、アンテナシート200は、第1折り曲げ領域141及び第2折り曲げ領域142が、ICチップ120が搭載される搭載面の裏面側に折り曲げられることにより、第1ループ30が形成される。
【0059】
また、アンテナシート200は、第1切込部151及び152が相互に合わせ込まれることにより、交差部250によって、第1ループ形成部140の双方の先端が互いに交差される。これにより、図11の下段に示すように、第2ループ形成部260は、交差部250の両端から第1ループ30の外側に延伸する。
【0060】
そして、アンテナシート200は、第3折り曲げ領域261及び第4折り曲げ領域262が折り曲げられることにより、第2ループ形成部260によって第2ループ40が形成される。具体的には、図11の中段に示すように、アンテナシート200は、第3折り曲げ領域261及び第4折り曲げ領域262が、第1ループ30方向に折り曲げられることにより、第2ループ40が形成される。
【0061】
このとき、図10に示すように、第3折り曲げ領域261が折り曲げられた場合に、第3折り曲げ領域261を有する第2ループ形成部260は、第2切欠部252を挿通し、第2ループ形成部260の先端は、第1ループ30の上部と接続される。また、第4折り曲げ領域262が折り曲げられた場合に、第4折り曲げ領域262を有する第2ループ形成部260は、第1切欠部251を挿通し、第2ループ形成部260の先端は、第1ループ30の上部と接続される。
【0062】
このような第1ループ形成部140によって形成される第1ループ30は、実施例1に示した例と同様に、ICチップ120の並列容量Ccpと整合可能なインダクタンスとなる。また、第2ループ形成部160によって形成される第2ループ40は、アンテナの大きな利得を得られるインダクタンスとなる。
【0063】
上述してきたように、実施例2に係るアンテナシート200は、第1切欠部251及び第2切欠部252を有する。かかる第1切欠部251及び第2切欠部252は、アンテナシートから第1切欠部251及び第2切欠部252を切り落とすだけで容易に形成することができる。すなわち、実施例2に係るアンテナシート200は、容易に製造することができる。また、実施例2に係るアンテナシート200は、アンテナシート200をねじることなく、図10に例示したように組み立てることができるので、RFIDタグを容易に製造することができる。
【実施例3】
【0064】
実施例3では、図1に示したアンテナシート100及び図9に示したアンテナシート200と異なる形状を有するアンテナシートの例について説明する。
【0065】
まず、図12を用いて、実施例3に係るアンテナシートについて説明する。図12は、実施例3に係るアンテナシートを示す平面図である。図12に示すように、実施例3に係るアンテナシート300は、実施例1に係るアンテナシート100と同様に、フィルム部材等の透明基材上に、信号送受信用のアンテナパターン110が形成される。また、アンテナシート300は、透明基材の一部分に非アンテナパターン領域131を有する。そして、アンテナシート300は、非アンテナパターン領域131を含む搭載部130に、ICチップ120が搭載される。
【0066】
また、図12に示すように、アンテナシート300は、第1ループ形成部140と、交差部350と、第2ループ形成部360とを有する。第1ループ形成部140は、第1ループ形成部140は、第1折り曲げ領域141と、第2折り曲げ領域142とを有し、第1折り曲げ領域141及び第2折り曲げ領域142が折り曲げられることにより、第1ループを形成する。
【0067】
交差部350は、第1ループ形成部140の双方の先端の少なくとも一部を互いに交差させる。具体的には、交差部350は、第2切込部153及び154と、第3切込部351及び352が形成される。第3切込部351及び352は、第1ループ形成部140の先端の中央近傍からアンテナシート300の先端部まで形成される切り込みである。
【0068】
交差部350は、第3切込部351によって分断された2個の領域のうち、一方の領域に第3折り曲げ領域353を有する。また、交差部350は、第3切込部352によって分断された2個の領域のうち、一方の領域に第4折り曲げ領域354を有する。そして、交差部350は、第3折り曲げ領域353を有する収納領域を第1ループに収納させ、第4折り曲げ領域354を有する収納領域を第1ループに収納させる。そして、交差部350は、第1ループ形成部140の一方の先端のうち、収納領域側でない先端を、他方の先端に形成された収納領域が第1ループ内に収納されたことにより形成された空間を挿通させることにより交差させる。
【0069】
第2ループ形成部360は、交差部350の両端からアンテナシート300の両端に向かって延伸された領域であり、第2ループを形成する。具体的には、第2ループ形成部360は、第3切込部351によって分断された2個の領域のうちの一方の領域と、第3切込部352によって分断された2個の領域のうちの一方の領域とに相当する。かかる第2ループ形成部360は、第3切込部351によって分断された2個の領域のうち一方に第5折り曲げ領域361を有する。また、第2ループ形成部360は、第3切込部352によって分断された2個の領域のうち一方の領域に第6折り曲げ領域362を有する。
【0070】
そして、第2ループ形成部360は、第5折り曲げ領域361及び第6折り曲げ領域362が、ICチップ120が搭載される搭載面の裏面側に折り曲げられることにより、第2ループを形成する。
【0071】
ここで、第4折り曲げ領域354が折り曲げられた場合に、第4折り曲げ領域354からアンテナシート300の先端までの収納領域は、第1ループの内側に収納される。かかる状態で、第5折り曲げ領域361が折り曲げられた場合に、第5折り曲げ領域361を有する第2ループ形成部360は、前述の収納領域が第1ループの内側に収納されたことにより形成される空き領域を挿通する。
【0072】
また、第3折り曲げ領域353が折り曲げられた場合に、第3折り曲げ領域353からアンテナシート300の先端までの収納領域は、第1ループの内側に収納される。かかる状態で、第6折り曲げ領域362が折り曲げられた場合に、第6折り曲げ領域362を有する第2ループ形成部360は、前述の収納領域が第1ループの内側に収納されたことにより形成される空き領域を挿通する。
【0073】
次に、図13及び図14を用いて、図12に示したアンテナシート300が組み立てられた状態について説明する。図13は、実施例3に係るアンテナシート300が組み立てられた状態を示す斜視図である。図14は、図13に示したアンテナシート300を三方から見た図である。なお、図14の上段は、図13に示したA矢視によるアンテナシート300の平面図を示す。また、図14の中段は、図13に示したB矢視によるアンテナシート300の側面図を示す。また、図14の下段は、図13に示したC矢視によるアンテナシート300の平面図を示す。
【0074】
図13に示すように、実施例3に係るアンテナシート300は、第1折り曲げ領域141及び第2折り曲げ領域142が折り曲げられることにより、第1ループ形成部140によって第1ループ50が形成される。具体的には、図14の中段に示すように、アンテナシート300は、第1折り曲げ領域141及び第2折り曲げ領域142が、ICチップ120が搭載される搭載面の裏面側に折り曲げられることにより、第1ループ50が形成される。
【0075】
そして、アンテナシート300は、図13に示すように、第3折り曲げ領域353がICチップ120の搭載面の裏面側に折り曲げられることにより、第3折り曲げ領域353からアンテナシート300の先端までの収納が第1ループ50の内側に収納される。また、アンテナシート300は、図13に示すように、第4折り曲げ領域354がICチップ120の搭載面の裏面側に折り曲げられることにより、第4折り曲げ領域354からアンテナシート300の先端までの収納領域が第1ループ50の内側に収納される。
【0076】
そして、アンテナシート300は、第5折り曲げ領域361及び第6折り曲げ領域362が折り曲げられることにより、第2ループ形成部360によって第2ループ60が形成される。具体的には、図14の中段に示すように、アンテナシート300は、第5折り曲げ領域361及び第6折り曲げ領域362が、第1ループ50方向に折り曲げられることにより、第2ループ60が形成される。
【0077】
このような第1ループ形成部140によって形成される第1ループ50は、実施例1に示した例と同様に、ICチップ120の並列容量Ccpと整合可能なインダクタンスとなる。また、第2ループ形成部360によって形成される第2ループ60は、アンテナの大きな利得を得られるインダクタンスとなる。
【0078】
上述してきたように、実施例3に係るアンテナシート300は、第5切込部351と、第6切込部352とを有する。かかる第5切込部351及び第6切込部352は、アンテナシートの一部を切断するだけで容易に形成することができる。すなわち、実施例3に係るアンテナシート300は、容易に製造することができる。また、実施例3に係るアンテナシート300は、アンテナシート300をねじることなく、図13に例示したように組み立てることができるので、RFIDタグを容易に製造することができる。
【実施例4】
【0079】
上記実施例1〜3では、第1ループによって形成されるインダクタンスLap3により、ICチップ120との接合を行う例を示した。しかし、アンテナパターン110にインターデジタル形状のC結合パターンを形成することで、第1ループによって形成されるインダクタンスと、C結合パターンにより形成される並列容量によって、ICチップ120との接合を行ってもよい。そこで、実施例4では、アンテナパターン110にインターデジタル形状のC結合パターンを形成する例について説明する。
【0080】
図15は、実施例4に係るアンテナシート400が組み立てられた状態を示す斜視図である。なお、図15に示したアンテナシート400の形状は、図1に示したアンテナシート100と同様である。ただし、アンテナシート400は、アンテナパターン110にインターデジタル形状のC結合パターン410が形成される。
【0081】
C結合パターン410は、ICチップ120の並列容量Ccpと整合可能な並列容量となる。ここで、図16に、実施例4に係るアンテナシート400によって形成されるアンテナとICチップ120との関係を等価回路によって示す。図16に示すように、実施例4に係るアンテナシート400の等価回路は、図4に示した等価回路と比較して、C結合パターン410によって形成される並列容量Capが追加される。
【0082】
すなわち、実施例4に係るアンテナシート400では、第1ループ10によって実現されるインダクタンスLap3と、C結合パターン410によって実現される並列容量Capとによって、ICチップ120の並列容量Ccpと整合することになる。
【0083】
なお、図16に示した等価回路の共振条件は、以下の式(2)によって表される。
【0084】
【数2】

【0085】
このような実施例4に係るアンテナシート400を用いた場合には、C結合パターン410によって並列容量Capを調整することができるので、RFIDタグを生成する場合に、第1ループ10及び第2ループ20の大きさを固定値にすることができる。例えば、アンテナシート400の固定の位置に、第1折り曲げ領域141、第2折り曲げ領域142、第3折り曲げ領域161及び第4折り曲げ領域162を形成する。そして、試作段階において、かかるアンテナシート400を組み立てた後に、アンテナパターン110に形成するインターデジタルの形状を変更しながら、通信距離の試験を行う。そして、かかる試験の結果に基づいて、製品となるアンテナシート400に形成するインターデジタルの形状を決定することができる。
【0086】
なお、上記実施例4では、図1に示したアンテナシート100にインターデジタル形状のC結合パターンを形成する例を示した。しかし、図9に示したアンテナシート200や、図12に示したアンテナシート300にインターデジタル形状のC結合パターンを形成してもよい。
【0087】
以上の各実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0088】
(付記1)送受信用のアンテナパターンが形成されるアンテナシートであって、
前記アンテナパターンと電気的に接続されるICチップが搭載される搭載部と、
前記搭載部の端部のうち前記ICチップを挟む両端部から延伸され、第1ループを形成する第1ループ形成部と、
前記第1ループ形成部の双方の先端の少なくとも一部を互いに交差させる交差部と、
前記交差部において交差する前記第1ループ形成部の先端から延伸され、前記第1ループの外側に第2ループを形成する第2ループ形成部と
を有することを特徴とするアンテナシート。
【0089】
(付記2)前記交差部は、
前記第1ループ形成部の双方の先端に、該第1ループ形成部の延伸方向に対して垂直に切り込まれた第1切込部が形成され、前記第1ループ形成部の一方の先端を他方の先端に形成された第1切込部に挟持させることにより交差させる
ことを特徴とする付記1に記載のアンテナシート。
【0090】
(付記3)前記交差部は、
前記第1ループ形成部の双方の先端に、該第1ループ形成部の延伸方向に対して垂直に切り込まれた第1切込部が形成されるとともに、前記第1切込部から前記延伸方向に延伸した領域が切り取られた切欠部が形成され、前記第1ループ形成部の一方の先端のうち前記切欠部が形成されていない先端を、前記第1ループ形成部の他方の先端に形成された前記切欠部に挿通させることにより交差させる
ことを特徴とする付記1に記載のアンテナシート。
【0091】
(付記4)前記交差部は、
前記第1切込部の一部から前記延伸方向に切り込まれた第2切込部が形成される
ことを特徴とする付記2又は3に記載のアンテナシート。
【0092】
(付記5)前記交差部は、
前記第1ループ形成部の双方の先端の中央近傍から該第1ループ形成部の延伸方向に切り込まれた第3切込部が形成され、前記第3切込部によって分断された2個の領域のうち一方の領域である収納領域を前記第1ループ内に収納させ、前記第1ループ形成部の一方の先端のうち前記収納領域側でない先端を、前記第1ループ形成部の他方の先端に形成された収納領域が前記第1ループ内に収納されたことにより形成された空間に挿通させることにより交差させる
ことを特徴とする付記1に記載のアンテナシート。
【0093】
(付記6)送受信用のアンテナパターンと、
前記アンテナパターンと電気的に接続されるICチップと、
前記送受信用のアンテナパターンが形成され、前記ICチップが搭載されるアンテナシートを有し、
前記アンテナシートが、
前記ICチップが搭載される搭載部の端部のうち前記ICチップを挟む両端部から延伸された第1領域によって形成される第1ループ部と、
前記第1領域の双方の先端の少なくとも一部を互いに交差させる交差部と、
前記交差部において交差する前記第1ループ形成部の先端から延伸された第2領域によって前記第1ループの外側に形成される第2ループ部と、
を有することを特徴とするタグ。
【0094】
(付記7)前記第1ループ部の内部に形成される空間に挿入される第1樹脂と、
前記第1ループ部と前記第2ループ部との間に形成される空間に挿入される第2樹脂と、
前記アンテナシートを覆う外装用の樹脂と
をさらに有することを特徴とする付記6に記載のタグ。
【0095】
(付記8)前記アンテナパターンは、
インターデジタル形状のコンデンサ結合パターンが形成される
ことを特徴とする付記6又は7に記載のタグ。
【0096】
(付記9)基材にアンテナパターンを形成するステップと、
前記アンテナパターンと電気的に接続されるICチップを前記基材上に搭載するステップと、
前記ICチップが搭載された搭載部の端部のうち前記ICチップを挟む両端部から延伸された第1領域によって第1ループを形成するステップと、
前記第1領域の双方の先端の少なくとも一部を互いに交差させるステップと、
交差された前記第1領域の先端から延伸された第2領域によって前記第1ループの外側に第2ループを形成するステップと
を含むことを特徴とするタグ製造方法。
【符号の説明】
【0097】
1 RFIDタグ
10、30、50 第1ループ
20、40、60 第2ループ
100 アンテナシート
110 アンテナパターン
120 ICチップ
130 搭載部
131 非アンテナパターン領域
140 ループ形成部
141、142 折り曲げ領域
150 交差部
151〜154 切込部
160 ループ形成部
161、162 折り曲げ領域
171〜174、174a、174b 樹脂
200 アンテナシート
250 交差部
251、252 切欠部
260 ループ形成部
261、262 折り曲げ領域
300 アンテナシート
350 交差部
351、352 切込部
353、354 折り曲げ領域
360 ループ形成部
361、362 折り曲げ領域
400 アンテナシート
410 C結合パターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送受信用のアンテナパターンが形成されるアンテナシートであって、
前記アンテナパターンと電気的に接続されるICチップが搭載される搭載部と、
前記搭載部の端部のうち前記ICチップを挟む両端部から延伸され、第1ループを形成する第1ループ形成部と、
前記第1ループ形成部の双方の先端の少なくとも一部を互いに交差させる交差部と、
前記交差部において交差する前記第1ループ形成部の先端から延伸され、前記第1ループの外側に第2ループを形成する第2ループ形成部と
を有することを特徴とするアンテナシート。
【請求項2】
前記交差部は、
前記第1ループ形成部の双方の先端に、該第1ループ形成部の延伸方向に対して垂直に切り込まれた第1切込部が形成され、前記第1ループ形成部の一方の先端を他方の先端に形成された第1切込部に挟持させることにより交差させる
ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナシート。
【請求項3】
前記交差部は、
前記第1ループ形成部の双方の先端に、該第1ループ形成部の延伸方向に対して垂直に切り込まれた第1切込部が形成されるとともに、前記第1切込部から前記延伸方向に延伸した領域が切り取られた切欠部が形成され、前記第1ループ形成部の一方の先端のうち前記切欠部が形成されていない先端を、前記第1ループ形成部の他方の先端に形成された前記切欠部に挿通させることにより交差させる
ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナシート。
【請求項4】
前記交差部は、
前記第1ループ形成部の双方の先端の中央近傍から該第1ループ形成部の延伸方向に切り込まれた第3切込部が形成され、前記第3切込部によって分断された2個の領域のうち一方の領域である収納領域を前記第1ループ内に収納させ、前記第1ループ形成部の一方の先端のうち前記収納領域側でない先端を、前記第1ループ形成部の他方の先端に形成された収納領域が前記第1ループ内に収納されたことにより形成された空間に挿通させることにより交差させる
ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナシート。
【請求項5】
送受信用のアンテナパターンと、
前記アンテナパターンと電気的に接続されるICチップと、
前記送受信用のアンテナパターンが形成され、前記ICチップが搭載されるアンテナシートを有し、
前記アンテナシートが、
前記ICチップが搭載される搭載部の端部のうち前記ICチップを挟む両端部から延伸された第1領域によって形成される第1ループ部と、
前記第1領域の双方の先端の少なくとも一部を互いに交差させる交差部と、
前記交差部において交差する前記第1ループ形成部の先端から延伸された第2領域によって前記第1ループの外側に形成される第2ループ部と、
を有することを特徴とするタグ。
【請求項6】
前記第1ループ部の内部に形成される空間に挿入される第1樹脂と、
前記第1ループ部と前記第2ループ部との間に形成される空間に挿入される第2樹脂と、
前記アンテナシートを覆う外装用の樹脂と
をさらに有することを特徴とする請求項5に記載のタグ。
【請求項7】
基材にアンテナパターンを形成するステップと、
前記アンテナパターンと電気的に接続されるICチップを前記基材上に搭載するステップと、
前記ICチップが搭載された搭載部の端部のうち前記ICチップを挟む両端部から延伸された第1領域によって第1ループを形成するステップと、
前記第1領域の双方の先端の少なくとも一部を互いに交差させるステップと、
交差された前記第1領域の先端から延伸された第2領域によって前記第1ループの外側に第2ループを形成するステップと
を含むことを特徴とするタグ製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−23689(P2012−23689A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−162205(P2010−162205)
【出願日】平成22年7月16日(2010.7.16)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】