アンテナ及びアンテナシステム
【課題】 複数の無線機器に同時に適用でき、安定した通信を実現できる広帯域且つ高利得補償のアンテナ及びアンテナシステムを提供すること。
【解決手段】 本発明の一実施形態に係るアンテナシステムは、第1及び第2のアンテナと、第1及び第2のアンテナに接続されたケーブルであってケーブル内の導線が第1及び第2のアンテナに接続されたケーブルと、を備え、第1及び第2のアンテナが対向して配置され、それぞれの偏波面が概略直交するように配置されている。
【解決手段】 本発明の一実施形態に係るアンテナシステムは、第1及び第2のアンテナと、第1及び第2のアンテナに接続されたケーブルであってケーブル内の導線が第1及び第2のアンテナに接続されたケーブルと、を備え、第1及び第2のアンテナが対向して配置され、それぞれの偏波面が概略直交するように配置されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ及びそのアンテナを用いたアンテナシステムに関する。特に、テレビジョン信号やラジオ信号の受信、及び携帯電話や無線LAN等の双方向の情報通信のためのアンテナシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話や無線LANをはじめとして様々な無線機器が普及してきている。現在、携帯電話、無線LAN等に使用されているアンテナは、それらの機器が使用する周波数帯(MHzからGHz)に適合するように専用アンテナとして設計されている。例えば、無線LANの規格であるIEEE802.11bの仕様を満たすアンテナは、2.4GHzの周波数帯の電波の送受信に適合するように設計されており、原則として、2.4GHz以外の周波数帯の電波を送受信するには不向きである。
【0003】
そこで、携帯電話、無線LAN、GPS等の機器それぞれの規格に適合したアンテナが必要になってくる。このようなアンテナでは、必ずしも送受信効率が十分ではないため、受信距離に制限があり、また送信電力も十分ではないという問題がある。
【0004】
従来用いられている代表的なアンテナとしては、ホイップアンテナや内蔵型パターンアンテナが普及している。ホイップアンテナは、その長さを適用する特定周波数帯の波長の1/4程度の長さにすることにより、当該特定周波数帯における利得を上げることができる。しかしながら、上述のとおり、従来のホイップアンテナは、汎用性に乏しく、複数の無線機器のそれぞれについてアンテナを共用できないという問題を抱えている。
【0005】
また、一般的なホイップアンテナや内蔵型パターンアンテナを用いた携帯電話は、高層ビルの上層階で使用すると、基地局から受信する電波又は基地局へ送信する電波を遮る障害物が少ないにもかかわらず、高層干渉のために通信状態が悪化し、最悪の場合は通信が遮断されることが多い。
【0006】
これは、ホイップアンテナや内蔵型パターンアンテナを用いた携帯電話は、可能なかぎり、あらゆる角度の到来電波を送受信出来るように設計されており、複数の基地局から同じ周波数の電波を受信したり、長距離の多重反射による符号間干渉のため、受信信号劣化が大きくなり、安定した通信ができない状態に陥ることが多いからである。
【特許文献1】特開平9−83238号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
現在、この高層干渉による通信状態の悪化を避ける手段は、携帯電話機の使用者がこの影響を受けにくい場所を探して対応している。しかし、この場所は常時使用している利用者は把握可能であるが、不特定多数が利用する高層階の部屋では通信状態のよい場所を探すことは不可能に近い。
【0008】
また、同一基地局からの多重波の問題を解決する手段としては、ディジタル信号処理による等価方式があるが、信号劣化が大きい場合、その改善効果が少なく、場合によっては誤りを拡大することもある。このディジタル信号処理技術は同一周波数を共有する他の基地局からの干渉には改善効果が無い。
【0009】
一般的に、ディジタル信号のビットエラーレートは希望波と雑音の比(S/N)においてS/Nが1dB上がると、ビットエラーレートは1/10改善する特性を示す。雑音は熱雑音と干渉波雑音の合成電力で示される。高層階においては希望波と干渉波は共に強い受信電力があり、それぞれの受信電力が同一レベルに近い場合、強受信電力にもかかわらず、受信信号が正常に復調されぬこととなる。
【0010】
一方、密集したオフィス街の低層階では伝播路が多重回折波や反射波で構成され携帯電話のサービスができる範囲が限定される場合が多い。この問題を解決するために、無線中継器があるが、高価で、且つ、無線中継器を設置するに当たり、移動体通信システムの安定性及び他の通信への影響調査を行わねばならず、公共の地下道・トンネル等に限定して使用され、汎用的には使用されていない。
【0011】
この課題は800MHz帯、1.5/1.9/2.0GHz帯の移動体通信システム共通課題であり、この異なった無線帯域を単純な方式で解決する手段が求められている。広帯域のアンテナの例であるディスコーンアンテナは、広帯域という優れた特性を持っており、複数のサービスを一つのアンテナで利用することが可能であるが、専用アンテナに比べて利得が低くなる傾向がある。
【0012】
図29は、従来のディスコーンアンテナの一例を示す図である。金属導体からなる円錐体(コーン)181、金属導体からなる円盤(ディスク)182、給電線183、給電点184の構造を有する。Lは円錐体181の円錐傾斜面に沿った長さ(円錐長)、Dは円盤182の半径である。従来のディスコーンアンテナは、円錐長Lの約4倍の波長である周波数が最低共振周波数となる特性を持っており、また、円盤182の半径Dの値が小さくなると最低共振周波数が高くなる傾向がある。
【0013】
図30は、特許文献1に開示されたアンテナである。該アンテナは、円錐体191の周面上にスパイラル状導電素子192a、192bを形成し、円盤193の平面上にメアンダ状導電素子194を形成することにより、最低共振周波数が円錐長Lに決定されずに、小型で最低共振周波数を従来のディスコーンアンテナより低くすることが可能で、かつ、多共振化が図られている。しかしながら、円盤193の平面上に形成するメアンダ状導電素子194は複雑な構造となり、多数の共振点を得ることができるものの、該アンテナでは広帯域にわたり平坦な周波数特性は実現できず、電圧定在波比(VSWR:Voltage Standing−Wave Ratio)が高くなる周波数帯が出てしまう。
【0014】
図31は特許文献1に開示されたアンテナの電圧定在波比(VSWR)対周波数特性の実測結果を示す図である。図31で示すとおり特許文献1に開示されたアンテナは、多数の共振点を得ることができ、共振点では電圧定在波比(VSWR)は低い値を示すものの、他方で、該アンテナでは広帯域にわたり平坦な電圧定在波比(VSWR)対周波数特性を実現することができず、電圧定在波比(VSWR)が高くなる周波数帯が出てしまうという欠点がある。
【0015】
このように、従来のディスコーンアンテナは、円錐長Lの約4倍の波長である周波数が最低共振周波数となるため、小型の形状では低い周波数までの実用が困難であった。そのため円錐体の周面上にスパイラル状導電素子を形成し、円盤の平面上にメアンダ状導電素子を形成する等の形態により、小型化を図る必要があったが、円盤の平面上に形成するメアンダ状導電素子は複雑な構造となり、多数の共振点を得ることができるものの、該アンテナでは広帯域にわたり平坦な電圧定在波比(VSWR)対周波数特性を実現することができず、共振点では電圧定在波比(VSWR)は低い値を示すものの、他方で高くなる周波数帯が出てしまうという欠点があった。
【0016】
そこで、本発明は、上述の問題を解決すべくなされたものであり、複数の無線機器に同時に適用でき、安定した通信を実現できる広帯域且つ高利得補償のアンテナ、及びこのアンテナを用いたアンテナシステムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の一実施形態によれば、第1及び第2のアンテナと、前記第1及び第2のアンテナに接続されたケーブルであって前記ケーブル内の導線が前記第1及び第2のアンテナに接続されたケーブルと、を備え、前記第1及び第2のアンテナが対向して配置され、それぞれの偏波面が概略直交するように配置されていることを特徴とするアンテナ装置が提供される。
【0018】
また、この実施形態に係るアンテナ装置においては、前記第1及び第2のアンテナの偏波面の一方の給電点から他方までの距離は、受信する電波の波長の1/2の奇数倍であるようにしてもよい。
【0019】
本発明の一実施形態によれば、第1及び第2のアンテナと、前記第1及び第2のアンテナに接続されたケーブルであって前記ケーブル内の導線が前記第1及び第2のアンテナに接続されたケーブルと、前記第1及び第2のアンテナが格納された筐体部と、前記筐体部に連結された支柱部と、を備え、前記第1及び第2のアンテナが対向して配置され、それぞれの偏波面が概略直交するように配置されていることを特徴とするアンテナ装置が提供される。
【0020】
また、この実施形態に係るアンテナ装置においては、前記第1及び第2のアンテナの偏波面の一方の給電点から他方までの距離は、受信する電波の波長の1/2の奇数倍であるようにしてもよい。
【0021】
また、この実施形態に係るアンテナ装置においては、前記支柱部は、前記第1及び第2のアンテナのそれぞれの前記偏波面の中心を含む平面と前記支柱部とがなす角度を調整可能な手段と、前記支柱部に連結された前記筐体部が前記支柱部の主軸に対して回転可能な手段と、を有するようにしてもよい。
【0022】
また、この実施形態に係るアンテナ装置においては、前記支柱部は、前記第1及び第2のアンテナに接続される前記ケーブル内の導線の中心を含む平面と前記支柱部とがなす角度を調整可能な手段と、前記支柱部に連結された前記筐体部が前記支柱部の主軸に対して回転可能な手段と、を有するようにしてもよい。
【0023】
本発明の一実施形態によれば、頂点部分及び底面を有する2つのコーンと、前記2つのコーンのそれぞれの前記頂点部分に対向して配置されたディスクであってそれぞれの面方位が概略直交するように配置されている2つのディスクと、前記2つのコーンの内部に配置されたケーブルであって前記ケーブル内の導線が前記2つのディスクに接続されたケーブルと、をそれぞれ有する第1及び第2のアンテナと、前記第1及び第2のアンテナが格納された筐体部と、前記筐体部に連結された支柱部と、を備えることを特徴とするアンテナ装置が提供される。
【0024】
また、この実施形態に係るアンテナ装置においては、前記2つのディスクの一方の給電点から他方までの距離は、受信する電波の波長の1/2の奇数倍であるようにしてもよい。
【0025】
また、この実施形態に係るアンテナ装置においては、前記支柱部は、前記第1及び第2のアンテナのそれぞれの前記ディスクの中心を含む平面と前記支柱部とがなす角度を調整可能な手段と、前記支柱部に連結された前記筐体部が前記支柱部の主軸に対して回転可能な手段と、を有するようにしてもよい。
【0026】
また、この実施形態に係るアンテナ装置においては、前記支柱部は、前記第1及び第2のアンテナのそれぞれの前記コーンの中心線を含む平面と前記支柱部とがなす角度を調整可能な手段と、前記支柱部に連結された前記筐体部が前記支柱部の主軸に対して回転可能な手段と、を有するようにしてもよい。
【0027】
本発明の一実施形態によれば、頂点部分及び底面を有する2つのコーンと、前記2つのコーンのそれぞれの前記頂点部分に対向して配置されたディスクであってそれぞれの面方位が概略直交するように配置されている2つのディスクと、前記2つのコーンの前記底面に接続された導線を内部に有するケーブルと、をそれぞれ有する第1及び第2のアンテナと、前記第1及び第2のアンテナが格納された筐体部と、前記筐体部に連結された支柱部と、を備えることを特徴とするアンテナ装置が提供される。
【0028】
また、この実施形態に係るアンテナ装置においては、前記2つのディスクの一方の給電点から他方までの距離は、受信する電波の波長の1/2の奇数倍であるようにしてもよい。
【0029】
また、この実施形態に係るアンテナ装置においては、前記支柱部は、前記第1及び第2のアンテナのそれぞれの前記ディスクの中心を含む平面と前記支柱部とがなす角度を調整可能な手段と、前記支柱部に連結された前記筐体部が前記支柱部の主軸に対して回転可能な手段と、を有するようにしてもよい。
【0030】
また、この実施形態に係るアンテナ装置においては、前記支柱部は、前記第1及び第2のアンテナのそれぞれの前記コーンの中心線を含む平面と前記支柱部とがなす角度を調整可能な手段と、前記支柱部に連結された前記筐体部が前記支柱部の主軸に対して回転可能な手段と、を有するようにしてもよい。
【0031】
本発明の一実施形態によれば、上底部分と下底部分を有する2つの台形状の構成要素と、前記2つの台形状の構成要素のそれぞれの前記上底部分に対向して配置された直方体状の構成要素であってそれぞれの前記直方体状の構成要素の一方の長辺の延長線が他方の長辺の延長線と概略直交するように配置されている2つの直方体状の構成要素と、前記2つの台形状の構成要素の内部に配置されたケーブルであって前記ケーブル内の導線が前記2つの直方体状の構成要素に接続されたケーブルと、をそれぞれ有する第1及び第2のアンテナと、前記第1及び第2のアンテナが格納された筐体部と、前記筐体部に連結された支柱部と、を備えることを特徴とするアンテナ装置が提供される。
【0032】
また、この実施形態に係るアンテナ装置においては、前記2つの直方体状の構成要素の一方の給電点から他方までの距離は、受信する電波の波長の1/2の奇数倍であるようにしてもよい。
【0033】
また、この実施形態に係るアンテナ装置においては、前記支柱部は、前記第1及び第2のアンテナのそれぞれの前記直方体状の構成要素の中心を含む平面と前記支柱部とがなす角度を調整可能な手段と、前記支柱部に連結された前記筐体部が前記支柱部の主軸に対して回転可能な手段と、を有するようにしてもよい。
【0034】
また、この実施形態に係るアンテナ装置においては、前記支柱部は、前記第1及び第2のアンテナのそれぞれの前記台形状の構成要素の中心線を含む平面と前記支柱部とがなす角度を調整可能な手段と、前記支柱部と連結された前記筐体部が前記支柱部の主軸に対して回転可能な手段と、を有するようにしてもよい。
【0035】
本発明の一実施形態によれば、上底部分と下底部分を有する2つの台形状の構成要素と、前記2つの台形状の構成要素のそれぞれの前記上底部分に対向して配置された直方体状の構成要素であってそれぞれの前記直方体状の構成要素の一方の長辺の延長線が他方の長辺の延長線と概略直交するように配置されている2つの直方体状の構成要素と、前記2つの台形状の構成要素の前記下底部分に接続された導線を内部に有するケーブルと、をそれぞれ有する第1及び第2のアンテナと、前記第1及び第2のアンテナが格納された筐体部と、前記筐体部に連結された支柱部と、を備えることを特徴とするアンテナ装置が提供される。
【0036】
また、この実施形態に係るアンテナ装置においては、前記2つの直方体状の構成要素の一方の給電点から他方までの距離は、受信する電波の波長の1/2の奇数倍であるようにしてもよい。
【0037】
また、この実施形態に係るアンテナ装置においては、前記支柱部は、前記第1及び第2のアンテナのそれぞれの前記直方体状の構成要素の中心を含む平面と前記支柱部とがなす角度を調整可能な手段と、前記支柱部に連結された前記筐体部が前記支柱部の主軸に対して回転可能な手段と、を有するようにしてもよい。
【0038】
また、この実施形態に係るアンテナ装置においては、前記支柱部は、前記第1及び第2のアンテナのそれぞれの前記台形状の構成要素の中心線を含む平面と前記支柱部とがなす角度を調整可能な手段と、前記支柱部と連結された前記筐体部が前記支柱部の主軸に対して回転可能な手段と、を有するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0039】
本発明の一実施形態に係るアンテナ及びアンテナシステムによると、弱電界サービス内では、最も受信電界の強いエリヤにアンテナシステムを設置することにより、無給電中継器として動作し、微弱電波エリヤの電界強度を上げることができる。また、高層干渉を起こしている高層階の部屋の窓際にアンテナシステムを設置することにより、部屋内全体の指向特性を可変することにより干渉波を軽減できる。これらの機能は複数の無線機器に同時に適用でき、安定した通信を実現できる広帯域且つ高利得補償のアンテナシステムが実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
本発明の実施の形態について、以下、図面を参照して説明する。なお、実施形態においては、本発明の一実施形態に係るアンテナ及びアンテナシステムの例を示しており、本発明のアンテナ及びアンテナシステムは、それら実施形態に限定されるわけではない。すなわち、また、以下の実施形態において参照する図面では、同一部分又は同様な機能を有する部分に同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略するものとする。
【0041】
以下の実施形態に係るアンテナシステムにおいては、ディスコーンアンテナを例に説明するが、本発明のアンテナシステムはこれに限定されるわけではなく、例えばダイポールアンテナ等、ディスコーンアンテナ以外のアンテナを用いることが可能である。
【0042】
(実施形態1)
図1を参照する。図1には、本発明のアンテナシステムに用いるディスコーンタイプのアンテナ(以下、「ディスコーンアンテナ」という。)100の斜視図が示されている。
【0043】
ディスコーンアンテナ100は、コーン101、ディスク102、給電ケーブル103及び絶縁体105を有している。コーン101は、頂点部分101−1及び底面101−2を有している。給電ケーブル103は、絶縁性の被膜に被覆された中心導線103−1を有している。
【0044】
図1に示すとおり、ディスク102は、コーン101の頂点部分101−1に絶縁体105を挟んで配置されている。給電ケーブル103は、コーン101の内部を貫通して配置されている。給電ケーブル103の導線103−1は、コーン101の外部へ突出しており、ディスク102まで延在し、ディスク102に電気的に接続されている。
【0045】
本実施形態1においては、給電ケーブル103には、同軸ケーブルを用いており、同軸ケーブルの中心導線が導線103−1に相当する。また、本実施形態1においては、同軸ケーブルの中心導線を取り囲む網組線(シールド線)はコーンの底面101−2に接続された端子104に接続されるようにしている。なお、中心導線103−1はコーン101とは絶縁されており、電気的に接続されていない。
【0046】
ここで、図2を参照する。図2には、本実施形態1のディスコーンアンテナ100の概略断面図が示されている。本実施形態1のディスコーンアンテナ100におけるコーン101の底面101−2の直径(コーン101の最大直径)をC1、頂点部分101−1の直径(コーン101の最小直径)をC2、斜面の長さをL、斜面の傾きをφとし、ディスク102の直径をD、またディスク102とコーン101との間隔をSとする。本実施形態1のアンテナ100の設計パラメータC1、C2、L、φ、S及びDには、実験結果に基づく最適値として、以下の数式を満たす関係が成立する。なお、本実施形態1のディスコーンアンテナ100の設計パラメータC1、C2、L、φ、S及びDの決定には、J. J. Nail著、Designing Discone Type Antennas、 Electronics、 August 1953、 pp 167-169を参考にすることができる。
【0047】
ディスク102とコーン101との間隔S=0.3×C2 (数式1)
ディスク102の直径D=0.7×C1 (数式2)
コーン102の斜面の傾きφ=60° (数式3)
【0048】
ディスコーンアンテナの帯域幅は、通常、電圧定在波比(VSWR)で評価され、例えば、電圧定在波比(VSWR)の値が2以下である周波数領域をアンテナの帯域幅という。この帯域幅の最小周波数は、およそコーンの斜面の長さLの4倍に等しい波長に相当する周波数である。また、コーンの最小直径C2は、周波数の帯域幅に逆比例することが知られており、帯域の最大周波数の要求値から決定される。さらに、コーンの斜面の傾きφは、電圧定在波比(VSWR)の周波数特性の形状を決めるもので、実用的には、60°が採用される。なお、コーンの斜面の傾きφは、40°〜70°にすればよく、本実施形態1においては、φ=60°とした。
【0049】
なお、本実施形態1においては、給電ケーブル103には同軸ケーブルを用いたが、図3に示すように、中心導線103−1が絶縁性の被膜に被覆された単純な構成のケーブル103を用いても良く、その場合も、中心導線103−1はコーンとは絶縁されて電気的に接続されていない状態になるようにする。図3に示すアンテナ100の断面図を図4に示す。図3に示すとおり、コーン100の頂点部分101−1の直径(コーン101の最小直径)は、同様にC2として定義される。
【0050】
また、本実施形態1においては、コーン101とディスク102との間隔を安定して保持するために絶縁体105を用いているが、絶縁体105を用いなくてもコーン101とディスク102との間隔を安定して保持できる場合は、絶縁体105を用いないようにしても良い。
【0051】
図5を参照する。図5は、ディスコーンアンテナ100の100MHzから2GHzの広帯域にわたり計測した電圧定在波比(VSWR)対周波数特性の実測結果を示している。230.31MHzの電圧定在波比(VSWR)は2.0992dB、470.09MHzの電圧定在波比(VSWR)は1.8468dB、620.189MHzの電圧定在波比(VSWR)は1.6105dB、770.67MHzの電圧定在波比(VSWR)は1.4498dBであり、ディスコーンアンテナ100によれば、広帯域にわたり実用可能な電圧定在波比(VSWR)が実現されている。また、共振点がないためVSWRの周波数特性も広帯域にわたり3dB以下の平坦な特性を示している。実測した上限周波数は、2GHzであるが、この図5の実測結果からするとさらに高い周波数でも3dB以下の値を得ることが可能であると予想される。
【0052】
図6を参照する。図6は、ディスコーンアンテナ100を円錐体の長軸が地面に対し垂直に円盤が地面に対し水平となるよう設置し、470MHz、620MHz及び770MHzの各周波数について垂直偏波の指向特性を計測した結果を示している。この実測結果によると、各周波数において、いずれも均一の指向性を維持しており、周波数特性が良好であることが分かる。つまり、図6に示す実測結果からは、ディスコーンアンテナ100の垂直偏波の指向特性が無指向性であることが分かる。
【0053】
なお、ディスコーンアンテナ100は、金、銅、アルミニウム、ステンレス、真鍮等、アンテナ特性を発揮できる物質を用いて形成されており、その内部は、その物質で充填されていても良いし、中空であってもよい。
【0054】
以上説明したとおり、本実施形態1のディスコーンアンテナ100は、従来のディスコーンアンテナと比較して、高利得補償を得ながら広帯域特性を実現できる。
【0055】
次に、ディスコーンアンテナ100を用いたアンテナシステムについて説明する。
【0056】
図7及び図8を参照する。図7に示すように、本実施形態1のアンテナシステム1000は、図1に示す本発明のディスコーンアンテナ100(100_1及び100_2として示す)2つを中心導線110によって接続し、且つ一方のディスコーンアンテナ100_1と他方のディスコーンアンテナ100_2とが、それぞれ90°回転して配置される構成を採っている。つまり、一方のディスコーンアンテナ100_1のディスク102_1の延長線と他方のディスコーンアンテナ100_2のディスク102_2とが概略直交して配置される構成を採っている。
【0057】
また、図7に示すとおり、アンテナシステム1000は、一方のアンテナ100_1のディスク102_1の端部から他方のアンテナ100_2のディスク102_2までの距離Lcは、用いる周波数の波長の1/2の奇数倍とすることが好ましい。
【0058】
つまり、本実施形態1のアンテナシステム1000は、一方のディスコーンアンテナ100_1のディスク102_1の延長線と他方のディスコーンアンテナ100_2のディスク102_2とが概略直交するように配置され、かつ、一方のアンテナ100_1のディスク102_1の端部から他方のアンテナ100_2のディスク102_2までの距離Lcが、用いる周波数の波長の1/2の奇数倍となるように配置される構成がとられていれば、例えば、図8に示すようにアンテナを配置することも可能である。
【0059】
本実施形態1のアンテナシステム1000は、例えば、アンテナ100_1で受信した電波をアンテナ100_2で輻射し、且つ同時にアンテナ100_2で受信した電波をアンテナ100_1で輻射する。さらに、2つのアンテナの設置軸上の方向から到来した電波は、まず最初にアンテナ100_1で受信し2分の1波長ケーブルで遅延した後、アンテナ100_2で輻射し、その輻射電波は一定のアンテナ結合損失と2分の1波長遅延した後に、再びアンテナ100_1で受信することを繰り返す。
【0060】
また、アンテナシステム1000は、強制的に電波を増幅する中継器、回線補償器の類とは異なり、その動作に電力を必要としない。そのため、アンテナシステム1000は、電源コンセントの場所に左右されずに設置することが可能である。
【0061】
以上に説明したアンテナシステム1000によると、弱電界サービス内では、最も受信電界の強いエリヤにアンテナシステムを設置することにより、無給電中継器として動作し、微弱電波エリヤの電界強度を上げることができる。また、高層干渉を起こしている高層階の部屋の窓際にアンテナシステムを設置することにより、部屋内全体の指向特性を可変することにより干渉波を軽減できる。これらの機能は複数の無線機器に同時に適用でき、安定した通信を実現できる広帯域且つ高利得補償のアンテナシステムが実現できる。
【0062】
また、本実施形態1のアンテナシステム1000は、筐体(ケース)に格納して用いることが可能である。これまでも、本発明と同様のアンテナシステムにおいても筐体に格納して用いることが可能なものもあった。しかし、従来の筐体には支柱部のような部材がなく据え置きでの利用に限られていた。これに対し、本実施形態1の筐体部500は支柱部600に連結し、筐体部500を所望の角度及び方向に固定した状態で用いることが可能である。そこで、以下、本実施形態1のアンテナシステム1000を格納する筐体部500及びこれに連結される支柱部600について説明する。
【0063】
図9及び図10を参照する。図9は、本実施形態1のアンテナシステム1000を格納する筐体部500のデザインの一例を示したものである。図9で示す筐体部500は、上蓋部501−1と下蓋部501−2とが嵌合又は螺合するように構成され、また、筐体部500の側面に筐体部500と支柱部600とが連結するための開口部503が設けられている。
【0064】
また、図10は、本実施形態1の筐体部500の模式図である。図10(A)、は連結される支柱部600に対し垂直方向の模式図、図10(B)は、連結される支柱部600に対し水平方向の模式図である。図10(A)に示すとおり、ディスコーンアンテナ100_1は、下蓋部501−2外表面の水平部分と一定角度斜めになるように配置され、また、ディスコーンアンテナ100_2も、上蓋部501−1外表面の水平部分と一定角度斜め方向になるように配置されている。これに伴い、図9及び図10に示す筐体部500の形状も、直方体を斜め方向に変形したような形状となっている。また、図10(B)においては、筐体部500におけるディスコーンアンテナ100の位置関係、及び筐体部500と支柱部600とが連結するための螺合部502の配置箇所が示されている。
【0065】
なお、筐体部500の寸法及び形状については、アンテナシステム1000を格納できるようなものであれば、図10に示すものに限られるものでないことは言うまでもない。ただし、筐体部500の重量については、支柱部600が、螺合した天井等との連結状態及び筐体部との連結状態を保持できる範囲内のものであることを必要とする。また、筐体部500の材質についても、通常はプラスチック材が用いられるが、アンテナシステム1000の動作に支障がなければ、他の材料を用いることも可能である。
【0066】
次に、本実施形態1の支柱部600について説明する。図11乃至図12を参照する。図11は、支柱部600を構成する各部材を示したものである。図11で示すとおり、支柱部600は、天井等に螺合する桶状の固定台部610(天井等と螺合される固定台611、固定台611と主軸部620とを螺合するナット612、固定台を天井等に螺合する螺子613)と、その一端が固定台部610に螺合し、他端が保持部630と接合する円筒形の主軸部620と、主軸部620に接合する円筒形の保持部630(内部に可動部640の一部を保持する保持部631、保持部631と主軸部620とを螺合する螺子632)と、球体状の部材に略棒状の部材が結合する可動部640と、可動部640に連結される接合部650(螺合部502と連結される接合部651、可動部640と接合部651とを螺合するナット652、接合部650と螺合部502を螺合する螺子653)と、からなる。これらの部材を用いて組み立てて完成させた場合の支柱部を図12に示す。また、筐体部500と支柱部600とが螺合され、さらに固定台部610と天井が螺子613で螺合された場合の一例を図13に示す。
【0067】
図14を参照する。図14は、本実施形態1の支柱部600の可動範囲を示した図である。図14に示すとおり、本実施形態1に係る支柱部600の構成によれば、筐体部500の角度及び方向、すなわちアンテナシステム1000の角度及び方向を所望の状態に調整することが可能である。すなわち、筐体部500の動きに合わせて接合部650に連結された可動部640が自在に動く。可動部640は、連結された筐体部500を主軸部620に対して360度方向に回転させることが可能であり、また、ディスコーンアンテナ100のそれぞれのディスクの中心を含む平面と支柱部600とがなす角度(又は、ディスコーンアンテナ100のそれぞれのコーンの中心線を含む平面と支柱部600とがなす角度)を一定範囲内で変えることが可能である。筐体部500の角度及び方向を決めて保持部630の螺子632を締めれば、螺子632が主軸部620の先端の窪みを押圧し、次いで主軸部620は可動部640を押圧して、主軸部620と保持部630とで可動部640を挟持する状態となる。こうして、可動部640の動きが固定されるため、螺子632を締めることで、筐体部500を所望の角度及び方向で固定することが可能となる。また、螺子632を緩めれば、角度及び方向を再度調整することが可能である。
【0068】
なお、筐体部500及び支柱部600の構成は、本実施形態1において説明したものに限られるものではない。
【0069】
以上に説明したとおり、本実施形態1の筐体部500及び支柱部600によれば、アンテナシステム1000を所望の角度及び方向に固定した状態で利用することが可能となる。筐体部500の角度及び方向の調整が可能となることで、アンテナシステム1000の広帯域性、高利得補償性を一段と向上させることが可能となる。また、天井付近部分はデッドスペースとなりがちなところ、本実施形態の筐体部500及び支柱部600によれば、このようなスペースの有効利用を図ることも可能となる。
【0070】
(実施形態2)
本実施形態2においては、一定の場所でアンテナシステム1000を用いた場合の携帯電話機の電界強度値の変化について説明する。なお、本実施形態2においては、アンテナシステム1000を筐体部500に格納し、この筐体部500に支柱部600を連結した状態で用いている。
【0071】
図15を参照する。図15(A)は、携帯電話機に内蔵される一般的な受信機における、入力される電界強度値(dBm)と出力されるRSSI(Received Signal Strength Indicator:受信信号強度)値との対応関係の一例が示されている。これによれば、受信機に入力される電界強度値(dBm)が−100dBmから−40dBmへ増加するにしたがってRSSIの出力値も増加するという対応関係にあることが分かる。
【0072】
また、図15(B)は、携帯電話機電界強度値表示計における電界強度値を示したものである。本実施形態2の携帯電話機電界強度値表示計においては、受信機に入力される電界強度値(dBm)が−100dBmから−40dBmにおけるRSSIの出力値を15分割した場合の対応関係が示されている。なお、本実施形態2の携帯電話機電界強度値表示計は、株式会社ココモ・エムビー・コミュニケーションズ製のAVC−3222を用いている。
【0073】
図15(C)は、電界強度値表示計と一般的な携帯電話機のディスプレイにおける受信レベル(アンテナ本数)の表示との対応関係を示したものである。電界強度値表示計の数値が1以下であれば携帯電話機では圏外と表示され、電界強度値表示計の数値が2乃至5であれば携帯電話機ではアンテナ0本と表示され、電界強度値表示計の数値が6乃至8であれば携帯電話機ではアンテナ1本と表示され、電界強度値表示計の数値が9乃至11であれば携帯電話機ではアンテナ2本と表示され、電界強度値表示計の数値が12乃至15であれば携帯電話機ではアンテナ3本と表示されるという対応関係となっている。アンテナ本数が多く表示されるにしたがって、通話品質はより良好な状態となる。
【0074】
図15(A)乃至(C)に示す数値相互の対応関係を示すと、図16のとおりとなる。
【0075】
図17乃至図19を参照する。図17は、本実施形態2に係る実験場所の見取り図、電界強度値の主な計測ポイント及びアンテナ設置箇所を示したものである。実験場所の大きさは概略で示している。
【0076】
本実施形態2においては、実験場所を東京都文京区にあるオフィスビル5階部分とし、A2乃至A4、B2、R2とR3との中間地点及びR3の計6箇所にアンテナシステム1000を配置した場合の、A1乃至A4、B1乃至B3、C1及びC2、そしてR1乃至R3の合計12の各ポイント及びその近傍における携帯電話機の電界強度値及び受発信の通話状況を測定した。なお、本実施形態2の携帯電話機は、株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ社製のP251iSを用いた。
【0077】
また、図18は、アンテナシステム1000を設置する前の実験場所における携帯電話機の電界強度値の実測結果を示したものである。また、図19は、アンテナシステム1000を設置した後の実験場所における携帯電話機の電界強度値の実測結果を示したものである。なお、図18及び図19において、計測ポイントで示した数値は、本実施形態2で用いる電界強度値表示計の数値によっている。
【0078】
図18及び図19に示すとおり、アンテナシステム1000の設置前後では、アンテナシステム1000を設置した後の方が、携帯電話の電界強度値が軒並み向上している。例えば、ポイントB3付近においては、アンテナシステム1000の設置前の携帯電話機の電界強度値は7であったが、アンテナシステム1000の設置後の携帯電話機の電界強度値は15に上昇している。また、ポイントR2付近においても、アンテナシステムの設置前後で携帯電話の電界強度値は、1から9へ、又は2から11へと上昇している。
【0079】
携帯電話機の具体的な通話状況について説明すると、例えば、アンテナシステム1000を設置する前は、ポイントC1及びC2においては、受信した場合は支障なく通話ができたものの、発信した場合は、音質が悪く、時折通話が途切れることが多かった。これに対し、アンテナシステム1000を設置した後は、ポイントC1及びC2において、受発信ともに支障なく通話をすることが可能となった。また、ポイントR2においても、アンテナシステム1000を設置する前は、受信した場合は、一度は通話がつながるもののすぐに電話が切れてしまい、発信した場合も、通話当事者双方において通話内容がよく聞こえず、通話の途中で電話が切れてしまうというように、受発信ともに通話が困難な状況にあった。これに対し、アンテナシステム1000を設置した後は、ポイントR2において、受発信ともに支障なく通話をすることが可能となった。
【0080】
以上説明したとおり、本実施形態2のアンテナシステム1000は、ディスコーンアンテナ100を用いることにより、従来のアンテナシステムと比較して、広帯域且つ高利得補償のアンテナシステムを実現できる。
【0081】
(実施形態3)
本実施形態3においては、アンテナシステム1000に用いるディスコーンアンテナの別の例について説明する。
【0082】
図20を参照する。図20には、本実施形態3のディスコーンアンテナが示されている。図20において、図1に示すディスコーンアンテナ100と同じ構成要素については、ディスコーンアンテナ100と同じ符号を付してあるので、ここでは改めて説明はしない。103−2は、給電ケーブル103(本実施形態3においては同軸ケーブル)の内部の絶縁体であり、外側のシールド配線と内側の導線103−1とを絶縁するためのものである。
【0083】
図20に示すとおり、本実施形態3では、給電ケーブル103の内部の絶縁体103−2が、コーン103から突出して外側まで延びている。給電ケーブルから一部剥き出しになった中心導線103−1は、ディスク102に接触するまで延在し、ディスク102に電気的に接続されている。また、給電ケーブルから剥き出しになった中心導線103−1の一部を絶縁体で覆うようにしても良い。
【0084】
なお、ディスコーンアンテナ100は、金、銅、アルミニウム、ステンレス、真鍮等、アンテナ特性を発揮できる物質を用いて形成されており、その内部は、その物質で充填されていても良いし、中空であってもよい。
【0085】
以上に説明した本実施形態3のディスコーンアンテナ100を、アンテナシステム1000に用いると、広帯域且つ高利得補償のアンテナシステムを実現できる。
【0086】
(実施形態4)
本実施形態4においては、アンテナシステム1000に用いるディスコーンアンテナの別の例について説明する。
【0087】
図21を参照する。図21には、本実施形態4のディスコーンアンテナが示されている。図21において、図1に示すディスコーンアンテナ100と同じ構成要素については、ディスコーンアンテナ100と同じ符号を付してあるので、ここでは改めて説明はしない。
【0088】
図21に示すとおり、本実施形態4のディスコーンアンテナ100は、コーン101の内部にケーブルが存在せず、導線103−1がコーン101の底面101−2に電気的に接続されている。また、導線103−1は、ディスク102に電気的に接続されていない。
【0089】
図21に示す本実施形態4のディスコーンアンテナ100の概略断面図を図22に示す。図22に示すとおり、本実施形態4のディスコーンアンテナ100の設計パラメータC1、C2、L、φ、S及びDは図2に示す例と同様に定義され、上述の数式1〜3を満たすように設定するのが好ましい。
【0090】
また、本実施形態4においては、コーン101とディスク102との間隔を安定して保持するために絶縁体105を用いているが、絶縁体105を用いなくてもコーン101とディスク102との間隔を安定して保持できる場合は、絶縁体105を用いないようにしても良い。
【0091】
また、図23に示すように、頂点部分101−1が小さい純円錐状のコーン101を用いるようにしても良い。図23のアンテナの断面図を図24に示す。図23に示すディスコーンアンテナ100においても、図24に示すとおり、コーン100の頂点部分101−1の直径(コーン101の最小直径)は、同様にC2として定義される。
【0092】
なお、ディスコーンアンテナ100は、金、銅、アルミニウム、ステンレス、真鍮等、アンテナ特性を発揮できる物質を用いて形成されており、その内部は、その物質で充填されていても良いし、中空であってもよい。
【0093】
本実施形態4のディスコーンアンテナ100を、アンテナシステム1000に用いると、広帯域且つ高利得補償のアンテナシステムを実現できる。
【0094】
(実施形態5)
本実施形態5においては、図25及び図26を参照し、上述の実施形態で説明した図1乃至図4に示されるアンテナ100を平面化したアンテナ(以下「平面化アンテナ」という。)について説明する。
【0095】
図25には、本実施形態5の平面化アンテナ200の斜視図が示されている。本実施形態5の平面化アンテナ200は、図1に示すアンテナ100をスライスした様な形状を有している。即ち、本実施形態5の平面化アンテナ200は、厚みを有する台形状の構成要素201と、台形状の構成要素201の上底部分201−1に対向して設けられた直方体状の構成要素202を有している。また、台形状の構成要素201の内部には、ケーブル203を備えており、ケーブル203の導線203−1が台形状の構成要素201から突出し、直方体状の構成要素202まで延在して直方体状の構成要素202と電気的に接続されている。
【0096】
本実施形態5においては、ケーブル203には、同軸ケーブルを用いており、同軸ケーブルの中心導線が導線203−1に相当する。また、本実施形態5においては、同軸ケーブルの中心導線を取り囲む網組線(シールド線)は、台形状の構成要素の下底部分201−2に接続された端子204に接続されるようにしている。なお、導線203−1は台形状の構成要素201とは絶縁されており、電気的に接続されていない。
【0097】
なお、図25に示すように、ケーブル203の絶縁体が台形状の構成要素201から突出しないようにしても良いし、図20に示す例と同様に、ケーブル203の絶縁体が台形状の構成要素201から突出するようにしてもよい。
【0098】
また、台形状の構成要素201の上底部分201−1と直方体状の構成要素202との間に絶縁体を挟むようにしてもよい。
【0099】
ここで、図26に、図25の平面化アンテナ200の上面図を示す。図26に示すように、台形状の構成要素201及び直方体状の構成要素202の設計パラメータは、図2に示す本発明のアンテナ100の各設計パラメータC1、C2、L、φ、S及びDにそれぞれ対応して考えることができる。即ち、図1に示すディスク102とコーン101との間隔Sは、本実施形態5の直方体状の構成要素202と台形状の構成要素201との間隔に相当し、ディスク102の直径Dは直方体状の構成要素202の長さに相当し、コーン101の斜面の傾きφは台形状の構成要素201の傾斜角に相当し、コーン101の最大直径C1は台形状の構成要素201の下底201−2の長さに相当し、且つコーン101の最小直径C2は台形状の構成要素201の上底201−1の長さに相当する。
【0100】
また、本実施形態5の平面化アンテナの設計パラメータC1、C2、L、φ、S及びDには、図1のディスコーンアンテナ100と同様に、実験結果に基づく最適値として、以下の数式を満たす関係が成立する。
【0101】
直方体状の構成要素202と台形状の構成要素201との間隔S
=0.3×C2 (数式4)
直方体状の構成要素202の長さD=0.7×C1 (数式5)
台形状の構成要素201の傾斜角φ=60° (数式6)
【0102】
また、本実施形態5においては、ケーブル203には同軸ケーブルを用いたが、図20の例で用いたケーブルと同様、導線203−1が絶縁性の被膜に被覆された単純な構成のケーブルを用いても良い。その場合も、導線203−1はコーンとは絶縁されて電気的に接続されていない状態になるようにする。
【0103】
なお、本実施形態5の平面化アンテナ200は、金、銅、アルミニウム、ステンレス、真鍮等、アンテナ特性を発揮できる物質を用いて形成されており、その台形状の構成要素の内部は、その物質で充填されているが、その台形状の構成要素の内部は中空であっても良いし、また台形状の構成要素が外枠のみからなるようにしても良い。
【0104】
また、本実施形態5の平面化アンテナ200に用いる棒状の構成要素202は、図25においては、直方体状のものを用いたが、これに限定されるわけではなく、円柱状、多角形状としても良く、また棒状の構成要素202に導線を用いても良い。
【0105】
本実施形態5の平面化アンテナ200は、上述のディスクとコーンとを有するディスコーンアンテナ100と比較して非常にコンパクトであるにも拘わらず、アンテナシステム1000に用いると、広帯域且つ高利得補償のアンテナシステムを実現できる。
【0106】
(実施形態6)
本実施形態6においては、図27及び図28を参照し、図21乃至図24に示されるディスコーンアンテナ100を平面化した平面化アンテナについて説明する。
【0107】
図27には、本実施形態6の平面化アンテナの斜視図が示されている。本実施形態6の平面化アンテナ200は、図21に示すディスコーンアンテナ100をスライスした様な形状を有している。即ち、本実施形態6の平面化アンテナ200は、厚みを有する台形状の構成要素201と、台形状の構成要素201の上底部分201−1に対向して設けられた直方体状の構成要素202を有している。また、台形状の構成要素201の下底201−2には、導線203−1が電気的に接続されている。
【0108】
ここで、図28に、図27の平面化アンテナ200の上面図を示す。図28に示すように、本実施形態6のアンテナ200の設計パラメータC1、C2、L、φ、S及びDは図26に示す平面化アンテナの例と同様に定義され、上述の数式4〜6を満たすように設定するのが好ましい。
【0109】
また、台形状の構成要素201及び棒状の構成要素202の厚みを薄くし、銅箔のような厚さの薄い材料を用いた平面化アンテナ200としてもよい。この場合においても、図28に示すとおり、各設計パラメータは、図26に示すアンテナと同様、実験結果に基づく最適値として、上述の数式4〜6を満たす関係が成立する。
【0110】
なお、本実施形態6の平面化アンテナ200の台形状の構成要素201の替わりに、上底部分201−1を備えない、つまり三角形の構成要素を用いたアンテナとしてもよい。この場合は、図23に示すディスコーンアンテナ100をスライスした様な形状となる。
【0111】
なお、本実施形態6の平面化アンテナ200は、金、銅、アルミニウム、ステンレス、真鍮等、アンテナ特性を発揮できる物質を用いて形成されており、その台形状の構成要素の内部は、その物質で充填されているが、その台形状の構成要素の内部は中空であっても良いし、また台形状の構成要素が外枠のみからなるようにしても良い。
【0112】
また、本実施形態6の平面化アンテナ200に用いる棒状の構成要素202は、図27においては、直方体状のものを用いたが、これに限定されるわけではなく、円柱状、多角形状としても良く、また棒状の構成要素202に導線を用いても良い。
【0113】
本実施形態6の平面化アンテナ200は、上述のディスクとコーンとを有するディスコーンアンテナ100と比較して非常にコンパクトであるにも拘わらず、アンテナシステム1000に用いると、広帯域且つ高利得補償のアンテナシステムを実現できる。
【0114】
(実施形態7)
上述の実施形態において説明した本発明のアンテナシステムは、ビル内のオフィス、病院、工場、スタジアム、トンネル、電車、自動車、航空機、船舶等をはじめ、あらゆる構造物内又は構内で用いることができる。また、PHSの構内交換機用のアンテナとして用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】本発明のアンテナシステムに用いるディスコーンアンテナの斜視図である。
【図2】本発明のアンテナシステムに用いるディスコーンアンテナの断面図である。
【図3】本発明のアンテナシステムに用いるディスコーンアンテナの斜視図である。
【図4】本発明のアンテナシステムに用いるディスコーンアンテナの断面図である。
【図5】本発明のアンテナシステムに用いるディスコーンアンテナの電圧定在波比(VSWR)対周波数特性の実測結果を示した図である。
【図6】本発明のアンテナシステムに用いるディスコーンアンテナの垂直偏波の指向特性を計測した結果を示した図である。
【図7】本発明のアンテナシステムの一実施形態の構成図である。
【図8】本発明のアンテナシステムの一実施形態の構成図である。
【図9】本発明のアンテナシステムを格納する筐体部の一例を示す斜視図である。
【図10】(A)は本発明のアンテナシステムを格納する筐体部の垂直方向の模式図であり、(B)は本発明のアンテナシステムを格納する筐体部の水平方向の模式図である。
【図11】本発明の筐体部に連結する支柱部に用いる部材を示した斜視図である
【図12】本発明の筐体部に連結する支柱部の断面図である。
【図13】本発明の筐体部と支柱部とが連結された場合の一例を示す斜視図である。
【図14】本発明の支柱部の可動範囲を示した図である。
【図15】(A)は携帯電話機に内蔵される一般的な受信機における、入力される電界強度値(dBm)と出力されるRSSI値との対応関係の一例を示した図であり、(B)は本発明の一実施形態において用いた携帯電話機電界強度値表示計における電界強度値を示した図であり、(C)は本発明の一実施形態において用いた携帯電話機電界強度値表示計と携帯電話機における受信レベル(アンテナ本数)とを示した図である。
【図16】図15(A)乃至(C)で示したそれぞれの値の対応関係を示した図である。
【図17】本発明のアンテナシステムを設置した実験場所の見取り図、電界強度値の主要な計測ポイント及びアンテナ設置場所を示した図である。
【図18】本発明のアンテナシステムを設置する前の実験場所における携帯電話機の電界強度値の実測結果を示した図である。
【図19】本発明のアンテナシステムを設置した後の実験場所における携帯電話機の電界強度値の実測結果を示した図である。
【図20】本発明のアンテナシステムに用いるディスコーンアンテナの断面図である。
【図21】本発明のアンテナシステムに用いるディスコーンアンテナの斜視図である。
【図22】本発明のアンテナシステムに用いるディスコーンアンテナの断面図である。
【図23】本発明のアンテナシステムに用いるディスコーンアンテナの斜視図である。
【図24】本発明のアンテナシステムに用いるディスコーンアンテナの断面図である。
【図25】本発明のアンテナシステムに用いる平面化アンテナの斜視図である。
【図26】本発明のアンテナシステムに用いる平面化アンテナの断面図である。
【図27】本発明のアンテナシステムに用いる平面化アンテナの斜視図である。
【図28】本発明のアンテナシステムに用いる平面化アンテナの断面図である。
【図29】従来のディスコーンアンテナの構成図である。
【図30】従来のアンテナの構成図である。
【図31】従来のアンテナのVSWR対周波数特の実測値を示す図である。
【符号の説明】
【0116】
100_1 アンテナ
100_2 アンテナ
103−1_1 導線
103−1_2 導線
110 中心導線
1000 アンテナシステム
500 筐体部
600 支柱部
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ及びそのアンテナを用いたアンテナシステムに関する。特に、テレビジョン信号やラジオ信号の受信、及び携帯電話や無線LAN等の双方向の情報通信のためのアンテナシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話や無線LANをはじめとして様々な無線機器が普及してきている。現在、携帯電話、無線LAN等に使用されているアンテナは、それらの機器が使用する周波数帯(MHzからGHz)に適合するように専用アンテナとして設計されている。例えば、無線LANの規格であるIEEE802.11bの仕様を満たすアンテナは、2.4GHzの周波数帯の電波の送受信に適合するように設計されており、原則として、2.4GHz以外の周波数帯の電波を送受信するには不向きである。
【0003】
そこで、携帯電話、無線LAN、GPS等の機器それぞれの規格に適合したアンテナが必要になってくる。このようなアンテナでは、必ずしも送受信効率が十分ではないため、受信距離に制限があり、また送信電力も十分ではないという問題がある。
【0004】
従来用いられている代表的なアンテナとしては、ホイップアンテナや内蔵型パターンアンテナが普及している。ホイップアンテナは、その長さを適用する特定周波数帯の波長の1/4程度の長さにすることにより、当該特定周波数帯における利得を上げることができる。しかしながら、上述のとおり、従来のホイップアンテナは、汎用性に乏しく、複数の無線機器のそれぞれについてアンテナを共用できないという問題を抱えている。
【0005】
また、一般的なホイップアンテナや内蔵型パターンアンテナを用いた携帯電話は、高層ビルの上層階で使用すると、基地局から受信する電波又は基地局へ送信する電波を遮る障害物が少ないにもかかわらず、高層干渉のために通信状態が悪化し、最悪の場合は通信が遮断されることが多い。
【0006】
これは、ホイップアンテナや内蔵型パターンアンテナを用いた携帯電話は、可能なかぎり、あらゆる角度の到来電波を送受信出来るように設計されており、複数の基地局から同じ周波数の電波を受信したり、長距離の多重反射による符号間干渉のため、受信信号劣化が大きくなり、安定した通信ができない状態に陥ることが多いからである。
【特許文献1】特開平9−83238号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
現在、この高層干渉による通信状態の悪化を避ける手段は、携帯電話機の使用者がこの影響を受けにくい場所を探して対応している。しかし、この場所は常時使用している利用者は把握可能であるが、不特定多数が利用する高層階の部屋では通信状態のよい場所を探すことは不可能に近い。
【0008】
また、同一基地局からの多重波の問題を解決する手段としては、ディジタル信号処理による等価方式があるが、信号劣化が大きい場合、その改善効果が少なく、場合によっては誤りを拡大することもある。このディジタル信号処理技術は同一周波数を共有する他の基地局からの干渉には改善効果が無い。
【0009】
一般的に、ディジタル信号のビットエラーレートは希望波と雑音の比(S/N)においてS/Nが1dB上がると、ビットエラーレートは1/10改善する特性を示す。雑音は熱雑音と干渉波雑音の合成電力で示される。高層階においては希望波と干渉波は共に強い受信電力があり、それぞれの受信電力が同一レベルに近い場合、強受信電力にもかかわらず、受信信号が正常に復調されぬこととなる。
【0010】
一方、密集したオフィス街の低層階では伝播路が多重回折波や反射波で構成され携帯電話のサービスができる範囲が限定される場合が多い。この問題を解決するために、無線中継器があるが、高価で、且つ、無線中継器を設置するに当たり、移動体通信システムの安定性及び他の通信への影響調査を行わねばならず、公共の地下道・トンネル等に限定して使用され、汎用的には使用されていない。
【0011】
この課題は800MHz帯、1.5/1.9/2.0GHz帯の移動体通信システム共通課題であり、この異なった無線帯域を単純な方式で解決する手段が求められている。広帯域のアンテナの例であるディスコーンアンテナは、広帯域という優れた特性を持っており、複数のサービスを一つのアンテナで利用することが可能であるが、専用アンテナに比べて利得が低くなる傾向がある。
【0012】
図29は、従来のディスコーンアンテナの一例を示す図である。金属導体からなる円錐体(コーン)181、金属導体からなる円盤(ディスク)182、給電線183、給電点184の構造を有する。Lは円錐体181の円錐傾斜面に沿った長さ(円錐長)、Dは円盤182の半径である。従来のディスコーンアンテナは、円錐長Lの約4倍の波長である周波数が最低共振周波数となる特性を持っており、また、円盤182の半径Dの値が小さくなると最低共振周波数が高くなる傾向がある。
【0013】
図30は、特許文献1に開示されたアンテナである。該アンテナは、円錐体191の周面上にスパイラル状導電素子192a、192bを形成し、円盤193の平面上にメアンダ状導電素子194を形成することにより、最低共振周波数が円錐長Lに決定されずに、小型で最低共振周波数を従来のディスコーンアンテナより低くすることが可能で、かつ、多共振化が図られている。しかしながら、円盤193の平面上に形成するメアンダ状導電素子194は複雑な構造となり、多数の共振点を得ることができるものの、該アンテナでは広帯域にわたり平坦な周波数特性は実現できず、電圧定在波比(VSWR:Voltage Standing−Wave Ratio)が高くなる周波数帯が出てしまう。
【0014】
図31は特許文献1に開示されたアンテナの電圧定在波比(VSWR)対周波数特性の実測結果を示す図である。図31で示すとおり特許文献1に開示されたアンテナは、多数の共振点を得ることができ、共振点では電圧定在波比(VSWR)は低い値を示すものの、他方で、該アンテナでは広帯域にわたり平坦な電圧定在波比(VSWR)対周波数特性を実現することができず、電圧定在波比(VSWR)が高くなる周波数帯が出てしまうという欠点がある。
【0015】
このように、従来のディスコーンアンテナは、円錐長Lの約4倍の波長である周波数が最低共振周波数となるため、小型の形状では低い周波数までの実用が困難であった。そのため円錐体の周面上にスパイラル状導電素子を形成し、円盤の平面上にメアンダ状導電素子を形成する等の形態により、小型化を図る必要があったが、円盤の平面上に形成するメアンダ状導電素子は複雑な構造となり、多数の共振点を得ることができるものの、該アンテナでは広帯域にわたり平坦な電圧定在波比(VSWR)対周波数特性を実現することができず、共振点では電圧定在波比(VSWR)は低い値を示すものの、他方で高くなる周波数帯が出てしまうという欠点があった。
【0016】
そこで、本発明は、上述の問題を解決すべくなされたものであり、複数の無線機器に同時に適用でき、安定した通信を実現できる広帯域且つ高利得補償のアンテナ、及びこのアンテナを用いたアンテナシステムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の一実施形態によれば、第1及び第2のアンテナと、前記第1及び第2のアンテナに接続されたケーブルであって前記ケーブル内の導線が前記第1及び第2のアンテナに接続されたケーブルと、を備え、前記第1及び第2のアンテナが対向して配置され、それぞれの偏波面が概略直交するように配置されていることを特徴とするアンテナ装置が提供される。
【0018】
また、この実施形態に係るアンテナ装置においては、前記第1及び第2のアンテナの偏波面の一方の給電点から他方までの距離は、受信する電波の波長の1/2の奇数倍であるようにしてもよい。
【0019】
本発明の一実施形態によれば、第1及び第2のアンテナと、前記第1及び第2のアンテナに接続されたケーブルであって前記ケーブル内の導線が前記第1及び第2のアンテナに接続されたケーブルと、前記第1及び第2のアンテナが格納された筐体部と、前記筐体部に連結された支柱部と、を備え、前記第1及び第2のアンテナが対向して配置され、それぞれの偏波面が概略直交するように配置されていることを特徴とするアンテナ装置が提供される。
【0020】
また、この実施形態に係るアンテナ装置においては、前記第1及び第2のアンテナの偏波面の一方の給電点から他方までの距離は、受信する電波の波長の1/2の奇数倍であるようにしてもよい。
【0021】
また、この実施形態に係るアンテナ装置においては、前記支柱部は、前記第1及び第2のアンテナのそれぞれの前記偏波面の中心を含む平面と前記支柱部とがなす角度を調整可能な手段と、前記支柱部に連結された前記筐体部が前記支柱部の主軸に対して回転可能な手段と、を有するようにしてもよい。
【0022】
また、この実施形態に係るアンテナ装置においては、前記支柱部は、前記第1及び第2のアンテナに接続される前記ケーブル内の導線の中心を含む平面と前記支柱部とがなす角度を調整可能な手段と、前記支柱部に連結された前記筐体部が前記支柱部の主軸に対して回転可能な手段と、を有するようにしてもよい。
【0023】
本発明の一実施形態によれば、頂点部分及び底面を有する2つのコーンと、前記2つのコーンのそれぞれの前記頂点部分に対向して配置されたディスクであってそれぞれの面方位が概略直交するように配置されている2つのディスクと、前記2つのコーンの内部に配置されたケーブルであって前記ケーブル内の導線が前記2つのディスクに接続されたケーブルと、をそれぞれ有する第1及び第2のアンテナと、前記第1及び第2のアンテナが格納された筐体部と、前記筐体部に連結された支柱部と、を備えることを特徴とするアンテナ装置が提供される。
【0024】
また、この実施形態に係るアンテナ装置においては、前記2つのディスクの一方の給電点から他方までの距離は、受信する電波の波長の1/2の奇数倍であるようにしてもよい。
【0025】
また、この実施形態に係るアンテナ装置においては、前記支柱部は、前記第1及び第2のアンテナのそれぞれの前記ディスクの中心を含む平面と前記支柱部とがなす角度を調整可能な手段と、前記支柱部に連結された前記筐体部が前記支柱部の主軸に対して回転可能な手段と、を有するようにしてもよい。
【0026】
また、この実施形態に係るアンテナ装置においては、前記支柱部は、前記第1及び第2のアンテナのそれぞれの前記コーンの中心線を含む平面と前記支柱部とがなす角度を調整可能な手段と、前記支柱部に連結された前記筐体部が前記支柱部の主軸に対して回転可能な手段と、を有するようにしてもよい。
【0027】
本発明の一実施形態によれば、頂点部分及び底面を有する2つのコーンと、前記2つのコーンのそれぞれの前記頂点部分に対向して配置されたディスクであってそれぞれの面方位が概略直交するように配置されている2つのディスクと、前記2つのコーンの前記底面に接続された導線を内部に有するケーブルと、をそれぞれ有する第1及び第2のアンテナと、前記第1及び第2のアンテナが格納された筐体部と、前記筐体部に連結された支柱部と、を備えることを特徴とするアンテナ装置が提供される。
【0028】
また、この実施形態に係るアンテナ装置においては、前記2つのディスクの一方の給電点から他方までの距離は、受信する電波の波長の1/2の奇数倍であるようにしてもよい。
【0029】
また、この実施形態に係るアンテナ装置においては、前記支柱部は、前記第1及び第2のアンテナのそれぞれの前記ディスクの中心を含む平面と前記支柱部とがなす角度を調整可能な手段と、前記支柱部に連結された前記筐体部が前記支柱部の主軸に対して回転可能な手段と、を有するようにしてもよい。
【0030】
また、この実施形態に係るアンテナ装置においては、前記支柱部は、前記第1及び第2のアンテナのそれぞれの前記コーンの中心線を含む平面と前記支柱部とがなす角度を調整可能な手段と、前記支柱部に連結された前記筐体部が前記支柱部の主軸に対して回転可能な手段と、を有するようにしてもよい。
【0031】
本発明の一実施形態によれば、上底部分と下底部分を有する2つの台形状の構成要素と、前記2つの台形状の構成要素のそれぞれの前記上底部分に対向して配置された直方体状の構成要素であってそれぞれの前記直方体状の構成要素の一方の長辺の延長線が他方の長辺の延長線と概略直交するように配置されている2つの直方体状の構成要素と、前記2つの台形状の構成要素の内部に配置されたケーブルであって前記ケーブル内の導線が前記2つの直方体状の構成要素に接続されたケーブルと、をそれぞれ有する第1及び第2のアンテナと、前記第1及び第2のアンテナが格納された筐体部と、前記筐体部に連結された支柱部と、を備えることを特徴とするアンテナ装置が提供される。
【0032】
また、この実施形態に係るアンテナ装置においては、前記2つの直方体状の構成要素の一方の給電点から他方までの距離は、受信する電波の波長の1/2の奇数倍であるようにしてもよい。
【0033】
また、この実施形態に係るアンテナ装置においては、前記支柱部は、前記第1及び第2のアンテナのそれぞれの前記直方体状の構成要素の中心を含む平面と前記支柱部とがなす角度を調整可能な手段と、前記支柱部に連結された前記筐体部が前記支柱部の主軸に対して回転可能な手段と、を有するようにしてもよい。
【0034】
また、この実施形態に係るアンテナ装置においては、前記支柱部は、前記第1及び第2のアンテナのそれぞれの前記台形状の構成要素の中心線を含む平面と前記支柱部とがなす角度を調整可能な手段と、前記支柱部と連結された前記筐体部が前記支柱部の主軸に対して回転可能な手段と、を有するようにしてもよい。
【0035】
本発明の一実施形態によれば、上底部分と下底部分を有する2つの台形状の構成要素と、前記2つの台形状の構成要素のそれぞれの前記上底部分に対向して配置された直方体状の構成要素であってそれぞれの前記直方体状の構成要素の一方の長辺の延長線が他方の長辺の延長線と概略直交するように配置されている2つの直方体状の構成要素と、前記2つの台形状の構成要素の前記下底部分に接続された導線を内部に有するケーブルと、をそれぞれ有する第1及び第2のアンテナと、前記第1及び第2のアンテナが格納された筐体部と、前記筐体部に連結された支柱部と、を備えることを特徴とするアンテナ装置が提供される。
【0036】
また、この実施形態に係るアンテナ装置においては、前記2つの直方体状の構成要素の一方の給電点から他方までの距離は、受信する電波の波長の1/2の奇数倍であるようにしてもよい。
【0037】
また、この実施形態に係るアンテナ装置においては、前記支柱部は、前記第1及び第2のアンテナのそれぞれの前記直方体状の構成要素の中心を含む平面と前記支柱部とがなす角度を調整可能な手段と、前記支柱部に連結された前記筐体部が前記支柱部の主軸に対して回転可能な手段と、を有するようにしてもよい。
【0038】
また、この実施形態に係るアンテナ装置においては、前記支柱部は、前記第1及び第2のアンテナのそれぞれの前記台形状の構成要素の中心線を含む平面と前記支柱部とがなす角度を調整可能な手段と、前記支柱部と連結された前記筐体部が前記支柱部の主軸に対して回転可能な手段と、を有するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0039】
本発明の一実施形態に係るアンテナ及びアンテナシステムによると、弱電界サービス内では、最も受信電界の強いエリヤにアンテナシステムを設置することにより、無給電中継器として動作し、微弱電波エリヤの電界強度を上げることができる。また、高層干渉を起こしている高層階の部屋の窓際にアンテナシステムを設置することにより、部屋内全体の指向特性を可変することにより干渉波を軽減できる。これらの機能は複数の無線機器に同時に適用でき、安定した通信を実現できる広帯域且つ高利得補償のアンテナシステムが実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
本発明の実施の形態について、以下、図面を参照して説明する。なお、実施形態においては、本発明の一実施形態に係るアンテナ及びアンテナシステムの例を示しており、本発明のアンテナ及びアンテナシステムは、それら実施形態に限定されるわけではない。すなわち、また、以下の実施形態において参照する図面では、同一部分又は同様な機能を有する部分に同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略するものとする。
【0041】
以下の実施形態に係るアンテナシステムにおいては、ディスコーンアンテナを例に説明するが、本発明のアンテナシステムはこれに限定されるわけではなく、例えばダイポールアンテナ等、ディスコーンアンテナ以外のアンテナを用いることが可能である。
【0042】
(実施形態1)
図1を参照する。図1には、本発明のアンテナシステムに用いるディスコーンタイプのアンテナ(以下、「ディスコーンアンテナ」という。)100の斜視図が示されている。
【0043】
ディスコーンアンテナ100は、コーン101、ディスク102、給電ケーブル103及び絶縁体105を有している。コーン101は、頂点部分101−1及び底面101−2を有している。給電ケーブル103は、絶縁性の被膜に被覆された中心導線103−1を有している。
【0044】
図1に示すとおり、ディスク102は、コーン101の頂点部分101−1に絶縁体105を挟んで配置されている。給電ケーブル103は、コーン101の内部を貫通して配置されている。給電ケーブル103の導線103−1は、コーン101の外部へ突出しており、ディスク102まで延在し、ディスク102に電気的に接続されている。
【0045】
本実施形態1においては、給電ケーブル103には、同軸ケーブルを用いており、同軸ケーブルの中心導線が導線103−1に相当する。また、本実施形態1においては、同軸ケーブルの中心導線を取り囲む網組線(シールド線)はコーンの底面101−2に接続された端子104に接続されるようにしている。なお、中心導線103−1はコーン101とは絶縁されており、電気的に接続されていない。
【0046】
ここで、図2を参照する。図2には、本実施形態1のディスコーンアンテナ100の概略断面図が示されている。本実施形態1のディスコーンアンテナ100におけるコーン101の底面101−2の直径(コーン101の最大直径)をC1、頂点部分101−1の直径(コーン101の最小直径)をC2、斜面の長さをL、斜面の傾きをφとし、ディスク102の直径をD、またディスク102とコーン101との間隔をSとする。本実施形態1のアンテナ100の設計パラメータC1、C2、L、φ、S及びDには、実験結果に基づく最適値として、以下の数式を満たす関係が成立する。なお、本実施形態1のディスコーンアンテナ100の設計パラメータC1、C2、L、φ、S及びDの決定には、J. J. Nail著、Designing Discone Type Antennas、 Electronics、 August 1953、 pp 167-169を参考にすることができる。
【0047】
ディスク102とコーン101との間隔S=0.3×C2 (数式1)
ディスク102の直径D=0.7×C1 (数式2)
コーン102の斜面の傾きφ=60° (数式3)
【0048】
ディスコーンアンテナの帯域幅は、通常、電圧定在波比(VSWR)で評価され、例えば、電圧定在波比(VSWR)の値が2以下である周波数領域をアンテナの帯域幅という。この帯域幅の最小周波数は、およそコーンの斜面の長さLの4倍に等しい波長に相当する周波数である。また、コーンの最小直径C2は、周波数の帯域幅に逆比例することが知られており、帯域の最大周波数の要求値から決定される。さらに、コーンの斜面の傾きφは、電圧定在波比(VSWR)の周波数特性の形状を決めるもので、実用的には、60°が採用される。なお、コーンの斜面の傾きφは、40°〜70°にすればよく、本実施形態1においては、φ=60°とした。
【0049】
なお、本実施形態1においては、給電ケーブル103には同軸ケーブルを用いたが、図3に示すように、中心導線103−1が絶縁性の被膜に被覆された単純な構成のケーブル103を用いても良く、その場合も、中心導線103−1はコーンとは絶縁されて電気的に接続されていない状態になるようにする。図3に示すアンテナ100の断面図を図4に示す。図3に示すとおり、コーン100の頂点部分101−1の直径(コーン101の最小直径)は、同様にC2として定義される。
【0050】
また、本実施形態1においては、コーン101とディスク102との間隔を安定して保持するために絶縁体105を用いているが、絶縁体105を用いなくてもコーン101とディスク102との間隔を安定して保持できる場合は、絶縁体105を用いないようにしても良い。
【0051】
図5を参照する。図5は、ディスコーンアンテナ100の100MHzから2GHzの広帯域にわたり計測した電圧定在波比(VSWR)対周波数特性の実測結果を示している。230.31MHzの電圧定在波比(VSWR)は2.0992dB、470.09MHzの電圧定在波比(VSWR)は1.8468dB、620.189MHzの電圧定在波比(VSWR)は1.6105dB、770.67MHzの電圧定在波比(VSWR)は1.4498dBであり、ディスコーンアンテナ100によれば、広帯域にわたり実用可能な電圧定在波比(VSWR)が実現されている。また、共振点がないためVSWRの周波数特性も広帯域にわたり3dB以下の平坦な特性を示している。実測した上限周波数は、2GHzであるが、この図5の実測結果からするとさらに高い周波数でも3dB以下の値を得ることが可能であると予想される。
【0052】
図6を参照する。図6は、ディスコーンアンテナ100を円錐体の長軸が地面に対し垂直に円盤が地面に対し水平となるよう設置し、470MHz、620MHz及び770MHzの各周波数について垂直偏波の指向特性を計測した結果を示している。この実測結果によると、各周波数において、いずれも均一の指向性を維持しており、周波数特性が良好であることが分かる。つまり、図6に示す実測結果からは、ディスコーンアンテナ100の垂直偏波の指向特性が無指向性であることが分かる。
【0053】
なお、ディスコーンアンテナ100は、金、銅、アルミニウム、ステンレス、真鍮等、アンテナ特性を発揮できる物質を用いて形成されており、その内部は、その物質で充填されていても良いし、中空であってもよい。
【0054】
以上説明したとおり、本実施形態1のディスコーンアンテナ100は、従来のディスコーンアンテナと比較して、高利得補償を得ながら広帯域特性を実現できる。
【0055】
次に、ディスコーンアンテナ100を用いたアンテナシステムについて説明する。
【0056】
図7及び図8を参照する。図7に示すように、本実施形態1のアンテナシステム1000は、図1に示す本発明のディスコーンアンテナ100(100_1及び100_2として示す)2つを中心導線110によって接続し、且つ一方のディスコーンアンテナ100_1と他方のディスコーンアンテナ100_2とが、それぞれ90°回転して配置される構成を採っている。つまり、一方のディスコーンアンテナ100_1のディスク102_1の延長線と他方のディスコーンアンテナ100_2のディスク102_2とが概略直交して配置される構成を採っている。
【0057】
また、図7に示すとおり、アンテナシステム1000は、一方のアンテナ100_1のディスク102_1の端部から他方のアンテナ100_2のディスク102_2までの距離Lcは、用いる周波数の波長の1/2の奇数倍とすることが好ましい。
【0058】
つまり、本実施形態1のアンテナシステム1000は、一方のディスコーンアンテナ100_1のディスク102_1の延長線と他方のディスコーンアンテナ100_2のディスク102_2とが概略直交するように配置され、かつ、一方のアンテナ100_1のディスク102_1の端部から他方のアンテナ100_2のディスク102_2までの距離Lcが、用いる周波数の波長の1/2の奇数倍となるように配置される構成がとられていれば、例えば、図8に示すようにアンテナを配置することも可能である。
【0059】
本実施形態1のアンテナシステム1000は、例えば、アンテナ100_1で受信した電波をアンテナ100_2で輻射し、且つ同時にアンテナ100_2で受信した電波をアンテナ100_1で輻射する。さらに、2つのアンテナの設置軸上の方向から到来した電波は、まず最初にアンテナ100_1で受信し2分の1波長ケーブルで遅延した後、アンテナ100_2で輻射し、その輻射電波は一定のアンテナ結合損失と2分の1波長遅延した後に、再びアンテナ100_1で受信することを繰り返す。
【0060】
また、アンテナシステム1000は、強制的に電波を増幅する中継器、回線補償器の類とは異なり、その動作に電力を必要としない。そのため、アンテナシステム1000は、電源コンセントの場所に左右されずに設置することが可能である。
【0061】
以上に説明したアンテナシステム1000によると、弱電界サービス内では、最も受信電界の強いエリヤにアンテナシステムを設置することにより、無給電中継器として動作し、微弱電波エリヤの電界強度を上げることができる。また、高層干渉を起こしている高層階の部屋の窓際にアンテナシステムを設置することにより、部屋内全体の指向特性を可変することにより干渉波を軽減できる。これらの機能は複数の無線機器に同時に適用でき、安定した通信を実現できる広帯域且つ高利得補償のアンテナシステムが実現できる。
【0062】
また、本実施形態1のアンテナシステム1000は、筐体(ケース)に格納して用いることが可能である。これまでも、本発明と同様のアンテナシステムにおいても筐体に格納して用いることが可能なものもあった。しかし、従来の筐体には支柱部のような部材がなく据え置きでの利用に限られていた。これに対し、本実施形態1の筐体部500は支柱部600に連結し、筐体部500を所望の角度及び方向に固定した状態で用いることが可能である。そこで、以下、本実施形態1のアンテナシステム1000を格納する筐体部500及びこれに連結される支柱部600について説明する。
【0063】
図9及び図10を参照する。図9は、本実施形態1のアンテナシステム1000を格納する筐体部500のデザインの一例を示したものである。図9で示す筐体部500は、上蓋部501−1と下蓋部501−2とが嵌合又は螺合するように構成され、また、筐体部500の側面に筐体部500と支柱部600とが連結するための開口部503が設けられている。
【0064】
また、図10は、本実施形態1の筐体部500の模式図である。図10(A)、は連結される支柱部600に対し垂直方向の模式図、図10(B)は、連結される支柱部600に対し水平方向の模式図である。図10(A)に示すとおり、ディスコーンアンテナ100_1は、下蓋部501−2外表面の水平部分と一定角度斜めになるように配置され、また、ディスコーンアンテナ100_2も、上蓋部501−1外表面の水平部分と一定角度斜め方向になるように配置されている。これに伴い、図9及び図10に示す筐体部500の形状も、直方体を斜め方向に変形したような形状となっている。また、図10(B)においては、筐体部500におけるディスコーンアンテナ100の位置関係、及び筐体部500と支柱部600とが連結するための螺合部502の配置箇所が示されている。
【0065】
なお、筐体部500の寸法及び形状については、アンテナシステム1000を格納できるようなものであれば、図10に示すものに限られるものでないことは言うまでもない。ただし、筐体部500の重量については、支柱部600が、螺合した天井等との連結状態及び筐体部との連結状態を保持できる範囲内のものであることを必要とする。また、筐体部500の材質についても、通常はプラスチック材が用いられるが、アンテナシステム1000の動作に支障がなければ、他の材料を用いることも可能である。
【0066】
次に、本実施形態1の支柱部600について説明する。図11乃至図12を参照する。図11は、支柱部600を構成する各部材を示したものである。図11で示すとおり、支柱部600は、天井等に螺合する桶状の固定台部610(天井等と螺合される固定台611、固定台611と主軸部620とを螺合するナット612、固定台を天井等に螺合する螺子613)と、その一端が固定台部610に螺合し、他端が保持部630と接合する円筒形の主軸部620と、主軸部620に接合する円筒形の保持部630(内部に可動部640の一部を保持する保持部631、保持部631と主軸部620とを螺合する螺子632)と、球体状の部材に略棒状の部材が結合する可動部640と、可動部640に連結される接合部650(螺合部502と連結される接合部651、可動部640と接合部651とを螺合するナット652、接合部650と螺合部502を螺合する螺子653)と、からなる。これらの部材を用いて組み立てて完成させた場合の支柱部を図12に示す。また、筐体部500と支柱部600とが螺合され、さらに固定台部610と天井が螺子613で螺合された場合の一例を図13に示す。
【0067】
図14を参照する。図14は、本実施形態1の支柱部600の可動範囲を示した図である。図14に示すとおり、本実施形態1に係る支柱部600の構成によれば、筐体部500の角度及び方向、すなわちアンテナシステム1000の角度及び方向を所望の状態に調整することが可能である。すなわち、筐体部500の動きに合わせて接合部650に連結された可動部640が自在に動く。可動部640は、連結された筐体部500を主軸部620に対して360度方向に回転させることが可能であり、また、ディスコーンアンテナ100のそれぞれのディスクの中心を含む平面と支柱部600とがなす角度(又は、ディスコーンアンテナ100のそれぞれのコーンの中心線を含む平面と支柱部600とがなす角度)を一定範囲内で変えることが可能である。筐体部500の角度及び方向を決めて保持部630の螺子632を締めれば、螺子632が主軸部620の先端の窪みを押圧し、次いで主軸部620は可動部640を押圧して、主軸部620と保持部630とで可動部640を挟持する状態となる。こうして、可動部640の動きが固定されるため、螺子632を締めることで、筐体部500を所望の角度及び方向で固定することが可能となる。また、螺子632を緩めれば、角度及び方向を再度調整することが可能である。
【0068】
なお、筐体部500及び支柱部600の構成は、本実施形態1において説明したものに限られるものではない。
【0069】
以上に説明したとおり、本実施形態1の筐体部500及び支柱部600によれば、アンテナシステム1000を所望の角度及び方向に固定した状態で利用することが可能となる。筐体部500の角度及び方向の調整が可能となることで、アンテナシステム1000の広帯域性、高利得補償性を一段と向上させることが可能となる。また、天井付近部分はデッドスペースとなりがちなところ、本実施形態の筐体部500及び支柱部600によれば、このようなスペースの有効利用を図ることも可能となる。
【0070】
(実施形態2)
本実施形態2においては、一定の場所でアンテナシステム1000を用いた場合の携帯電話機の電界強度値の変化について説明する。なお、本実施形態2においては、アンテナシステム1000を筐体部500に格納し、この筐体部500に支柱部600を連結した状態で用いている。
【0071】
図15を参照する。図15(A)は、携帯電話機に内蔵される一般的な受信機における、入力される電界強度値(dBm)と出力されるRSSI(Received Signal Strength Indicator:受信信号強度)値との対応関係の一例が示されている。これによれば、受信機に入力される電界強度値(dBm)が−100dBmから−40dBmへ増加するにしたがってRSSIの出力値も増加するという対応関係にあることが分かる。
【0072】
また、図15(B)は、携帯電話機電界強度値表示計における電界強度値を示したものである。本実施形態2の携帯電話機電界強度値表示計においては、受信機に入力される電界強度値(dBm)が−100dBmから−40dBmにおけるRSSIの出力値を15分割した場合の対応関係が示されている。なお、本実施形態2の携帯電話機電界強度値表示計は、株式会社ココモ・エムビー・コミュニケーションズ製のAVC−3222を用いている。
【0073】
図15(C)は、電界強度値表示計と一般的な携帯電話機のディスプレイにおける受信レベル(アンテナ本数)の表示との対応関係を示したものである。電界強度値表示計の数値が1以下であれば携帯電話機では圏外と表示され、電界強度値表示計の数値が2乃至5であれば携帯電話機ではアンテナ0本と表示され、電界強度値表示計の数値が6乃至8であれば携帯電話機ではアンテナ1本と表示され、電界強度値表示計の数値が9乃至11であれば携帯電話機ではアンテナ2本と表示され、電界強度値表示計の数値が12乃至15であれば携帯電話機ではアンテナ3本と表示されるという対応関係となっている。アンテナ本数が多く表示されるにしたがって、通話品質はより良好な状態となる。
【0074】
図15(A)乃至(C)に示す数値相互の対応関係を示すと、図16のとおりとなる。
【0075】
図17乃至図19を参照する。図17は、本実施形態2に係る実験場所の見取り図、電界強度値の主な計測ポイント及びアンテナ設置箇所を示したものである。実験場所の大きさは概略で示している。
【0076】
本実施形態2においては、実験場所を東京都文京区にあるオフィスビル5階部分とし、A2乃至A4、B2、R2とR3との中間地点及びR3の計6箇所にアンテナシステム1000を配置した場合の、A1乃至A4、B1乃至B3、C1及びC2、そしてR1乃至R3の合計12の各ポイント及びその近傍における携帯電話機の電界強度値及び受発信の通話状況を測定した。なお、本実施形態2の携帯電話機は、株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ社製のP251iSを用いた。
【0077】
また、図18は、アンテナシステム1000を設置する前の実験場所における携帯電話機の電界強度値の実測結果を示したものである。また、図19は、アンテナシステム1000を設置した後の実験場所における携帯電話機の電界強度値の実測結果を示したものである。なお、図18及び図19において、計測ポイントで示した数値は、本実施形態2で用いる電界強度値表示計の数値によっている。
【0078】
図18及び図19に示すとおり、アンテナシステム1000の設置前後では、アンテナシステム1000を設置した後の方が、携帯電話の電界強度値が軒並み向上している。例えば、ポイントB3付近においては、アンテナシステム1000の設置前の携帯電話機の電界強度値は7であったが、アンテナシステム1000の設置後の携帯電話機の電界強度値は15に上昇している。また、ポイントR2付近においても、アンテナシステムの設置前後で携帯電話の電界強度値は、1から9へ、又は2から11へと上昇している。
【0079】
携帯電話機の具体的な通話状況について説明すると、例えば、アンテナシステム1000を設置する前は、ポイントC1及びC2においては、受信した場合は支障なく通話ができたものの、発信した場合は、音質が悪く、時折通話が途切れることが多かった。これに対し、アンテナシステム1000を設置した後は、ポイントC1及びC2において、受発信ともに支障なく通話をすることが可能となった。また、ポイントR2においても、アンテナシステム1000を設置する前は、受信した場合は、一度は通話がつながるもののすぐに電話が切れてしまい、発信した場合も、通話当事者双方において通話内容がよく聞こえず、通話の途中で電話が切れてしまうというように、受発信ともに通話が困難な状況にあった。これに対し、アンテナシステム1000を設置した後は、ポイントR2において、受発信ともに支障なく通話をすることが可能となった。
【0080】
以上説明したとおり、本実施形態2のアンテナシステム1000は、ディスコーンアンテナ100を用いることにより、従来のアンテナシステムと比較して、広帯域且つ高利得補償のアンテナシステムを実現できる。
【0081】
(実施形態3)
本実施形態3においては、アンテナシステム1000に用いるディスコーンアンテナの別の例について説明する。
【0082】
図20を参照する。図20には、本実施形態3のディスコーンアンテナが示されている。図20において、図1に示すディスコーンアンテナ100と同じ構成要素については、ディスコーンアンテナ100と同じ符号を付してあるので、ここでは改めて説明はしない。103−2は、給電ケーブル103(本実施形態3においては同軸ケーブル)の内部の絶縁体であり、外側のシールド配線と内側の導線103−1とを絶縁するためのものである。
【0083】
図20に示すとおり、本実施形態3では、給電ケーブル103の内部の絶縁体103−2が、コーン103から突出して外側まで延びている。給電ケーブルから一部剥き出しになった中心導線103−1は、ディスク102に接触するまで延在し、ディスク102に電気的に接続されている。また、給電ケーブルから剥き出しになった中心導線103−1の一部を絶縁体で覆うようにしても良い。
【0084】
なお、ディスコーンアンテナ100は、金、銅、アルミニウム、ステンレス、真鍮等、アンテナ特性を発揮できる物質を用いて形成されており、その内部は、その物質で充填されていても良いし、中空であってもよい。
【0085】
以上に説明した本実施形態3のディスコーンアンテナ100を、アンテナシステム1000に用いると、広帯域且つ高利得補償のアンテナシステムを実現できる。
【0086】
(実施形態4)
本実施形態4においては、アンテナシステム1000に用いるディスコーンアンテナの別の例について説明する。
【0087】
図21を参照する。図21には、本実施形態4のディスコーンアンテナが示されている。図21において、図1に示すディスコーンアンテナ100と同じ構成要素については、ディスコーンアンテナ100と同じ符号を付してあるので、ここでは改めて説明はしない。
【0088】
図21に示すとおり、本実施形態4のディスコーンアンテナ100は、コーン101の内部にケーブルが存在せず、導線103−1がコーン101の底面101−2に電気的に接続されている。また、導線103−1は、ディスク102に電気的に接続されていない。
【0089】
図21に示す本実施形態4のディスコーンアンテナ100の概略断面図を図22に示す。図22に示すとおり、本実施形態4のディスコーンアンテナ100の設計パラメータC1、C2、L、φ、S及びDは図2に示す例と同様に定義され、上述の数式1〜3を満たすように設定するのが好ましい。
【0090】
また、本実施形態4においては、コーン101とディスク102との間隔を安定して保持するために絶縁体105を用いているが、絶縁体105を用いなくてもコーン101とディスク102との間隔を安定して保持できる場合は、絶縁体105を用いないようにしても良い。
【0091】
また、図23に示すように、頂点部分101−1が小さい純円錐状のコーン101を用いるようにしても良い。図23のアンテナの断面図を図24に示す。図23に示すディスコーンアンテナ100においても、図24に示すとおり、コーン100の頂点部分101−1の直径(コーン101の最小直径)は、同様にC2として定義される。
【0092】
なお、ディスコーンアンテナ100は、金、銅、アルミニウム、ステンレス、真鍮等、アンテナ特性を発揮できる物質を用いて形成されており、その内部は、その物質で充填されていても良いし、中空であってもよい。
【0093】
本実施形態4のディスコーンアンテナ100を、アンテナシステム1000に用いると、広帯域且つ高利得補償のアンテナシステムを実現できる。
【0094】
(実施形態5)
本実施形態5においては、図25及び図26を参照し、上述の実施形態で説明した図1乃至図4に示されるアンテナ100を平面化したアンテナ(以下「平面化アンテナ」という。)について説明する。
【0095】
図25には、本実施形態5の平面化アンテナ200の斜視図が示されている。本実施形態5の平面化アンテナ200は、図1に示すアンテナ100をスライスした様な形状を有している。即ち、本実施形態5の平面化アンテナ200は、厚みを有する台形状の構成要素201と、台形状の構成要素201の上底部分201−1に対向して設けられた直方体状の構成要素202を有している。また、台形状の構成要素201の内部には、ケーブル203を備えており、ケーブル203の導線203−1が台形状の構成要素201から突出し、直方体状の構成要素202まで延在して直方体状の構成要素202と電気的に接続されている。
【0096】
本実施形態5においては、ケーブル203には、同軸ケーブルを用いており、同軸ケーブルの中心導線が導線203−1に相当する。また、本実施形態5においては、同軸ケーブルの中心導線を取り囲む網組線(シールド線)は、台形状の構成要素の下底部分201−2に接続された端子204に接続されるようにしている。なお、導線203−1は台形状の構成要素201とは絶縁されており、電気的に接続されていない。
【0097】
なお、図25に示すように、ケーブル203の絶縁体が台形状の構成要素201から突出しないようにしても良いし、図20に示す例と同様に、ケーブル203の絶縁体が台形状の構成要素201から突出するようにしてもよい。
【0098】
また、台形状の構成要素201の上底部分201−1と直方体状の構成要素202との間に絶縁体を挟むようにしてもよい。
【0099】
ここで、図26に、図25の平面化アンテナ200の上面図を示す。図26に示すように、台形状の構成要素201及び直方体状の構成要素202の設計パラメータは、図2に示す本発明のアンテナ100の各設計パラメータC1、C2、L、φ、S及びDにそれぞれ対応して考えることができる。即ち、図1に示すディスク102とコーン101との間隔Sは、本実施形態5の直方体状の構成要素202と台形状の構成要素201との間隔に相当し、ディスク102の直径Dは直方体状の構成要素202の長さに相当し、コーン101の斜面の傾きφは台形状の構成要素201の傾斜角に相当し、コーン101の最大直径C1は台形状の構成要素201の下底201−2の長さに相当し、且つコーン101の最小直径C2は台形状の構成要素201の上底201−1の長さに相当する。
【0100】
また、本実施形態5の平面化アンテナの設計パラメータC1、C2、L、φ、S及びDには、図1のディスコーンアンテナ100と同様に、実験結果に基づく最適値として、以下の数式を満たす関係が成立する。
【0101】
直方体状の構成要素202と台形状の構成要素201との間隔S
=0.3×C2 (数式4)
直方体状の構成要素202の長さD=0.7×C1 (数式5)
台形状の構成要素201の傾斜角φ=60° (数式6)
【0102】
また、本実施形態5においては、ケーブル203には同軸ケーブルを用いたが、図20の例で用いたケーブルと同様、導線203−1が絶縁性の被膜に被覆された単純な構成のケーブルを用いても良い。その場合も、導線203−1はコーンとは絶縁されて電気的に接続されていない状態になるようにする。
【0103】
なお、本実施形態5の平面化アンテナ200は、金、銅、アルミニウム、ステンレス、真鍮等、アンテナ特性を発揮できる物質を用いて形成されており、その台形状の構成要素の内部は、その物質で充填されているが、その台形状の構成要素の内部は中空であっても良いし、また台形状の構成要素が外枠のみからなるようにしても良い。
【0104】
また、本実施形態5の平面化アンテナ200に用いる棒状の構成要素202は、図25においては、直方体状のものを用いたが、これに限定されるわけではなく、円柱状、多角形状としても良く、また棒状の構成要素202に導線を用いても良い。
【0105】
本実施形態5の平面化アンテナ200は、上述のディスクとコーンとを有するディスコーンアンテナ100と比較して非常にコンパクトであるにも拘わらず、アンテナシステム1000に用いると、広帯域且つ高利得補償のアンテナシステムを実現できる。
【0106】
(実施形態6)
本実施形態6においては、図27及び図28を参照し、図21乃至図24に示されるディスコーンアンテナ100を平面化した平面化アンテナについて説明する。
【0107】
図27には、本実施形態6の平面化アンテナの斜視図が示されている。本実施形態6の平面化アンテナ200は、図21に示すディスコーンアンテナ100をスライスした様な形状を有している。即ち、本実施形態6の平面化アンテナ200は、厚みを有する台形状の構成要素201と、台形状の構成要素201の上底部分201−1に対向して設けられた直方体状の構成要素202を有している。また、台形状の構成要素201の下底201−2には、導線203−1が電気的に接続されている。
【0108】
ここで、図28に、図27の平面化アンテナ200の上面図を示す。図28に示すように、本実施形態6のアンテナ200の設計パラメータC1、C2、L、φ、S及びDは図26に示す平面化アンテナの例と同様に定義され、上述の数式4〜6を満たすように設定するのが好ましい。
【0109】
また、台形状の構成要素201及び棒状の構成要素202の厚みを薄くし、銅箔のような厚さの薄い材料を用いた平面化アンテナ200としてもよい。この場合においても、図28に示すとおり、各設計パラメータは、図26に示すアンテナと同様、実験結果に基づく最適値として、上述の数式4〜6を満たす関係が成立する。
【0110】
なお、本実施形態6の平面化アンテナ200の台形状の構成要素201の替わりに、上底部分201−1を備えない、つまり三角形の構成要素を用いたアンテナとしてもよい。この場合は、図23に示すディスコーンアンテナ100をスライスした様な形状となる。
【0111】
なお、本実施形態6の平面化アンテナ200は、金、銅、アルミニウム、ステンレス、真鍮等、アンテナ特性を発揮できる物質を用いて形成されており、その台形状の構成要素の内部は、その物質で充填されているが、その台形状の構成要素の内部は中空であっても良いし、また台形状の構成要素が外枠のみからなるようにしても良い。
【0112】
また、本実施形態6の平面化アンテナ200に用いる棒状の構成要素202は、図27においては、直方体状のものを用いたが、これに限定されるわけではなく、円柱状、多角形状としても良く、また棒状の構成要素202に導線を用いても良い。
【0113】
本実施形態6の平面化アンテナ200は、上述のディスクとコーンとを有するディスコーンアンテナ100と比較して非常にコンパクトであるにも拘わらず、アンテナシステム1000に用いると、広帯域且つ高利得補償のアンテナシステムを実現できる。
【0114】
(実施形態7)
上述の実施形態において説明した本発明のアンテナシステムは、ビル内のオフィス、病院、工場、スタジアム、トンネル、電車、自動車、航空機、船舶等をはじめ、あらゆる構造物内又は構内で用いることができる。また、PHSの構内交換機用のアンテナとして用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】本発明のアンテナシステムに用いるディスコーンアンテナの斜視図である。
【図2】本発明のアンテナシステムに用いるディスコーンアンテナの断面図である。
【図3】本発明のアンテナシステムに用いるディスコーンアンテナの斜視図である。
【図4】本発明のアンテナシステムに用いるディスコーンアンテナの断面図である。
【図5】本発明のアンテナシステムに用いるディスコーンアンテナの電圧定在波比(VSWR)対周波数特性の実測結果を示した図である。
【図6】本発明のアンテナシステムに用いるディスコーンアンテナの垂直偏波の指向特性を計測した結果を示した図である。
【図7】本発明のアンテナシステムの一実施形態の構成図である。
【図8】本発明のアンテナシステムの一実施形態の構成図である。
【図9】本発明のアンテナシステムを格納する筐体部の一例を示す斜視図である。
【図10】(A)は本発明のアンテナシステムを格納する筐体部の垂直方向の模式図であり、(B)は本発明のアンテナシステムを格納する筐体部の水平方向の模式図である。
【図11】本発明の筐体部に連結する支柱部に用いる部材を示した斜視図である
【図12】本発明の筐体部に連結する支柱部の断面図である。
【図13】本発明の筐体部と支柱部とが連結された場合の一例を示す斜視図である。
【図14】本発明の支柱部の可動範囲を示した図である。
【図15】(A)は携帯電話機に内蔵される一般的な受信機における、入力される電界強度値(dBm)と出力されるRSSI値との対応関係の一例を示した図であり、(B)は本発明の一実施形態において用いた携帯電話機電界強度値表示計における電界強度値を示した図であり、(C)は本発明の一実施形態において用いた携帯電話機電界強度値表示計と携帯電話機における受信レベル(アンテナ本数)とを示した図である。
【図16】図15(A)乃至(C)で示したそれぞれの値の対応関係を示した図である。
【図17】本発明のアンテナシステムを設置した実験場所の見取り図、電界強度値の主要な計測ポイント及びアンテナ設置場所を示した図である。
【図18】本発明のアンテナシステムを設置する前の実験場所における携帯電話機の電界強度値の実測結果を示した図である。
【図19】本発明のアンテナシステムを設置した後の実験場所における携帯電話機の電界強度値の実測結果を示した図である。
【図20】本発明のアンテナシステムに用いるディスコーンアンテナの断面図である。
【図21】本発明のアンテナシステムに用いるディスコーンアンテナの斜視図である。
【図22】本発明のアンテナシステムに用いるディスコーンアンテナの断面図である。
【図23】本発明のアンテナシステムに用いるディスコーンアンテナの斜視図である。
【図24】本発明のアンテナシステムに用いるディスコーンアンテナの断面図である。
【図25】本発明のアンテナシステムに用いる平面化アンテナの斜視図である。
【図26】本発明のアンテナシステムに用いる平面化アンテナの断面図である。
【図27】本発明のアンテナシステムに用いる平面化アンテナの斜視図である。
【図28】本発明のアンテナシステムに用いる平面化アンテナの断面図である。
【図29】従来のディスコーンアンテナの構成図である。
【図30】従来のアンテナの構成図である。
【図31】従来のアンテナのVSWR対周波数特の実測値を示す図である。
【符号の説明】
【0116】
100_1 アンテナ
100_2 アンテナ
103−1_1 導線
103−1_2 導線
110 中心導線
1000 アンテナシステム
500 筐体部
600 支柱部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2のアンテナと、
前記第1及び第2のアンテナに接続されたケーブルであって前記ケーブル内の導線が前記第1及び第2のアンテナに接続されたケーブルと、を備え、
前記第1及び第2のアンテナが対向して配置され、それぞれの偏波面が概略直交するように配置されていることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項2】
前記第1及び第2のアンテナの偏波面の一方の給電点から他方までの距離は、受信する電波の波長の1/2の奇数倍であることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項3】
第1及び第2のアンテナと、
前記第1及び第2のアンテナに接続されたケーブルであって前記ケーブル内の導線が前記第1及び第2のアンテナに接続されたケーブルと、
前記第1及び第2のアンテナが格納された筐体部と、
前記筐体部に連結された支柱部と、を備え、
前記第1及び第2のアンテナが対向して配置され、それぞれの偏波面が概略直交するように配置されていることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項4】
前記第1及び第2のアンテナの偏波面の一方の給電点から他方までの距離は、受信する電波の波長の1/2の奇数倍であることを特徴とする請求項3に記載のアンテナ装置。
【請求項5】
前記支柱部は、前記第1及び第2のアンテナのそれぞれの前記偏波面の中心を含む平面と前記支柱部とがなす角度を調整可能な手段と、
前記支柱部に連結された前記筐体部が前記支柱部の主軸に対して回転可能な手段と、を有することを特徴とする請求項3に記載のアンテナ装置。
【請求項6】
前記支柱部は、前記第1及び第2のアンテナに接続される前記ケーブル内の導線の中心を含む平面と前記支柱部とがなす角度を調整可能な手段と、
前記支柱部に連結された前記筐体部が前記支柱部の主軸に対して回転可能な手段と、を有することを特徴とする請求項3に記載のアンテナ装置。
【請求項7】
頂点部分及び底面を有する2つのコーンと、
前記2つのコーンのそれぞれの前記頂点部分に対向して配置されたディスクであってそれぞれの面方位が概略直交するように配置されている2つのディスクと、
前記2つのコーンの内部に配置されたケーブルであって前記ケーブル内の導線が前記2つのディスクに接続されたケーブルと、をそれぞれ有する第1及び第2のアンテナと、
前記第1及び第2のアンテナが格納された筐体部と、
前記筐体部に連結された支柱部と、を備えることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項8】
前記2つのディスクの一方の給電点から他方までの距離は、受信する電波の波長の1/2の奇数倍であることを特徴とする請求項7に記載のアンテナ装置。
【請求項9】
前記支柱部は、前記第1及び第2のアンテナのそれぞれの前記ディスクの中心を含む平面と前記支柱部とがなす角度を調整可能な手段と、
前記支柱部に連結された前記筐体部が前記支柱部の主軸に対して回転可能な手段と、を有することを特徴とする請求項7に記載のアンテナ装置。
【請求項10】
前記支柱部は、前記第1及び第2のアンテナのそれぞれの前記コーンの中心線を含む平面と前記支柱部とがなす角度を調整可能な手段と、
前記支柱部に連結された前記筐体部が前記支柱部の主軸に対して回転可能な手段と、を有することを特徴とする請求項7に記載のアンテナ装置。
【請求項11】
頂点部分及び底面を有する2つのコーンと、
前記2つのコーンのそれぞれの前記頂点部分に対向して配置されたディスクであってそれぞれの面方位が概略直交するように配置されている2つのディスクと、
前記2つのコーンの前記底面に接続された導線を内部に有するケーブルと、をそれぞれ有する第1及び第2のアンテナと、
前記第1及び第2のアンテナが格納された筐体部と、
前記筐体部に連結された支柱部と、を備えることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項12】
前記2つのディスクの一方の給電点から他方までの距離は、受信する電波の波長の1/2の奇数倍であることを特徴とする請求項11に記載のアンテナ装置。
【請求項13】
前記支柱部は、前記第1及び第2のアンテナのそれぞれの前記ディスクの中心を含む平面と前記支柱部とがなす角度を調整可能な手段と、
前記支柱部に連結された前記筐体部が前記支柱部の主軸に対して回転可能な手段と、を有することを特徴とする請求項11に記載のアンテナ装置。
【請求項14】
前記支柱部は、前記第1及び第2のアンテナのそれぞれの前記コーンの中心線を含む平面と前記支柱部とがなす角度を調整可能な手段と、
前記支柱部に連結された前記筐体部が前記支柱部の主軸に対して回転可能な手段と、を有することを特徴とする請求項11に記載のアンテナ装置。
【請求項15】
上底部分と下底部分を有する2つの台形状の構成要素と、
前記2つの台形状の構成要素のそれぞれの前記上底部分に対向して配置された直方体状の構成要素であってそれぞれの前記直方体状の構成要素の一方の長辺の延長線が他方の長辺の延長線と概略直交するように配置されている2つの直方体状の構成要素と、
前記2つの台形状の構成要素の内部に配置されたケーブルであって前記ケーブル内の導線が前記2つの直方体状の構成要素に接続されたケーブルと、をそれぞれ有する第1及び第2のアンテナと、
前記第1及び第2のアンテナが格納された筐体部と、
前記筐体部に連結された支柱部と、を備えることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項16】
前記2つの直方体状の構成要素の一方の給電点から他方までの距離は、受信する電波の波長の1/2の奇数倍であることを特徴とする請求項15に記載のアンテナ装置。
【請求項17】
前記支柱部は、前記第1及び第2のアンテナのそれぞれの前記直方体状の構成要素の中心を含む平面と前記支柱部とがなす角度を調整可能な手段と、
前記支柱部に連結された前記筐体部が前記支柱部の主軸に対して回転可能な手段と、を有することを特徴とする請求項15に記載のアンテナ装置。
【請求項18】
前記支柱部は、前記第1及び第2のアンテナのそれぞれの前記台形状の構成要素の中心線を含む平面と前記支柱部とがなす角度を調整可能な手段と、
前記支柱部と連結された前記筐体部が前記支柱部の主軸に対して回転可能な手段と、を有することを特徴とする請求項15に記載のアンテナ装置。
【請求項19】
上底部分と下底部分を有する2つの台形状の構成要素と、
前記2つの台形状の構成要素のそれぞれの前記上底部分に対向して配置された
直方体状の構成要素であってそれぞれの前記直方体状の構成要素の一方の長辺の延長線が他方の長辺の延長線と概略直交するように配置されている2つの直方体状の構成要素と、
前記2つの台形状の構成要素の前記下底部分に接続された導線を内部に有するケーブルと、をそれぞれ有する第1及び第2のアンテナと、
前記第1及び第2のアンテナが格納された筐体部と、
前記筐体部に連結された支柱部と、を備えることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項20】
前記2つの直方体状の構成要素の一方の給電点から他方までの距離は、受信する電波の波長の1/2の奇数倍であることを特徴とする請求項19に記載のアンテナ装置。
【請求項21】
前記支柱部は、前記第1及び第2のアンテナのそれぞれの前記直方体状の構成要素の中心を含む平面と前記支柱部とがなす角度を調整可能な手段と、
前記支柱部に連結された前記筐体部が前記支柱部の主軸に対して回転可能な手段と、を有することを特徴とする請求項19に記載のアンテナ装置。
【請求項22】
前記支柱部は、前記第1及び第2のアンテナのそれぞれの前記台形状の構成要素の中心線を含む平面と前記支柱部とがなす角度を調整可能な手段と、
前記支柱部と連結された前記筐体部が前記支柱部の主軸に対して回転可能な手段と、を有することを特徴とする請求項19に記載のアンテナ装置。
【請求項1】
第1及び第2のアンテナと、
前記第1及び第2のアンテナに接続されたケーブルであって前記ケーブル内の導線が前記第1及び第2のアンテナに接続されたケーブルと、を備え、
前記第1及び第2のアンテナが対向して配置され、それぞれの偏波面が概略直交するように配置されていることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項2】
前記第1及び第2のアンテナの偏波面の一方の給電点から他方までの距離は、受信する電波の波長の1/2の奇数倍であることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項3】
第1及び第2のアンテナと、
前記第1及び第2のアンテナに接続されたケーブルであって前記ケーブル内の導線が前記第1及び第2のアンテナに接続されたケーブルと、
前記第1及び第2のアンテナが格納された筐体部と、
前記筐体部に連結された支柱部と、を備え、
前記第1及び第2のアンテナが対向して配置され、それぞれの偏波面が概略直交するように配置されていることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項4】
前記第1及び第2のアンテナの偏波面の一方の給電点から他方までの距離は、受信する電波の波長の1/2の奇数倍であることを特徴とする請求項3に記載のアンテナ装置。
【請求項5】
前記支柱部は、前記第1及び第2のアンテナのそれぞれの前記偏波面の中心を含む平面と前記支柱部とがなす角度を調整可能な手段と、
前記支柱部に連結された前記筐体部が前記支柱部の主軸に対して回転可能な手段と、を有することを特徴とする請求項3に記載のアンテナ装置。
【請求項6】
前記支柱部は、前記第1及び第2のアンテナに接続される前記ケーブル内の導線の中心を含む平面と前記支柱部とがなす角度を調整可能な手段と、
前記支柱部に連結された前記筐体部が前記支柱部の主軸に対して回転可能な手段と、を有することを特徴とする請求項3に記載のアンテナ装置。
【請求項7】
頂点部分及び底面を有する2つのコーンと、
前記2つのコーンのそれぞれの前記頂点部分に対向して配置されたディスクであってそれぞれの面方位が概略直交するように配置されている2つのディスクと、
前記2つのコーンの内部に配置されたケーブルであって前記ケーブル内の導線が前記2つのディスクに接続されたケーブルと、をそれぞれ有する第1及び第2のアンテナと、
前記第1及び第2のアンテナが格納された筐体部と、
前記筐体部に連結された支柱部と、を備えることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項8】
前記2つのディスクの一方の給電点から他方までの距離は、受信する電波の波長の1/2の奇数倍であることを特徴とする請求項7に記載のアンテナ装置。
【請求項9】
前記支柱部は、前記第1及び第2のアンテナのそれぞれの前記ディスクの中心を含む平面と前記支柱部とがなす角度を調整可能な手段と、
前記支柱部に連結された前記筐体部が前記支柱部の主軸に対して回転可能な手段と、を有することを特徴とする請求項7に記載のアンテナ装置。
【請求項10】
前記支柱部は、前記第1及び第2のアンテナのそれぞれの前記コーンの中心線を含む平面と前記支柱部とがなす角度を調整可能な手段と、
前記支柱部に連結された前記筐体部が前記支柱部の主軸に対して回転可能な手段と、を有することを特徴とする請求項7に記載のアンテナ装置。
【請求項11】
頂点部分及び底面を有する2つのコーンと、
前記2つのコーンのそれぞれの前記頂点部分に対向して配置されたディスクであってそれぞれの面方位が概略直交するように配置されている2つのディスクと、
前記2つのコーンの前記底面に接続された導線を内部に有するケーブルと、をそれぞれ有する第1及び第2のアンテナと、
前記第1及び第2のアンテナが格納された筐体部と、
前記筐体部に連結された支柱部と、を備えることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項12】
前記2つのディスクの一方の給電点から他方までの距離は、受信する電波の波長の1/2の奇数倍であることを特徴とする請求項11に記載のアンテナ装置。
【請求項13】
前記支柱部は、前記第1及び第2のアンテナのそれぞれの前記ディスクの中心を含む平面と前記支柱部とがなす角度を調整可能な手段と、
前記支柱部に連結された前記筐体部が前記支柱部の主軸に対して回転可能な手段と、を有することを特徴とする請求項11に記載のアンテナ装置。
【請求項14】
前記支柱部は、前記第1及び第2のアンテナのそれぞれの前記コーンの中心線を含む平面と前記支柱部とがなす角度を調整可能な手段と、
前記支柱部に連結された前記筐体部が前記支柱部の主軸に対して回転可能な手段と、を有することを特徴とする請求項11に記載のアンテナ装置。
【請求項15】
上底部分と下底部分を有する2つの台形状の構成要素と、
前記2つの台形状の構成要素のそれぞれの前記上底部分に対向して配置された直方体状の構成要素であってそれぞれの前記直方体状の構成要素の一方の長辺の延長線が他方の長辺の延長線と概略直交するように配置されている2つの直方体状の構成要素と、
前記2つの台形状の構成要素の内部に配置されたケーブルであって前記ケーブル内の導線が前記2つの直方体状の構成要素に接続されたケーブルと、をそれぞれ有する第1及び第2のアンテナと、
前記第1及び第2のアンテナが格納された筐体部と、
前記筐体部に連結された支柱部と、を備えることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項16】
前記2つの直方体状の構成要素の一方の給電点から他方までの距離は、受信する電波の波長の1/2の奇数倍であることを特徴とする請求項15に記載のアンテナ装置。
【請求項17】
前記支柱部は、前記第1及び第2のアンテナのそれぞれの前記直方体状の構成要素の中心を含む平面と前記支柱部とがなす角度を調整可能な手段と、
前記支柱部に連結された前記筐体部が前記支柱部の主軸に対して回転可能な手段と、を有することを特徴とする請求項15に記載のアンテナ装置。
【請求項18】
前記支柱部は、前記第1及び第2のアンテナのそれぞれの前記台形状の構成要素の中心線を含む平面と前記支柱部とがなす角度を調整可能な手段と、
前記支柱部と連結された前記筐体部が前記支柱部の主軸に対して回転可能な手段と、を有することを特徴とする請求項15に記載のアンテナ装置。
【請求項19】
上底部分と下底部分を有する2つの台形状の構成要素と、
前記2つの台形状の構成要素のそれぞれの前記上底部分に対向して配置された
直方体状の構成要素であってそれぞれの前記直方体状の構成要素の一方の長辺の延長線が他方の長辺の延長線と概略直交するように配置されている2つの直方体状の構成要素と、
前記2つの台形状の構成要素の前記下底部分に接続された導線を内部に有するケーブルと、をそれぞれ有する第1及び第2のアンテナと、
前記第1及び第2のアンテナが格納された筐体部と、
前記筐体部に連結された支柱部と、を備えることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項20】
前記2つの直方体状の構成要素の一方の給電点から他方までの距離は、受信する電波の波長の1/2の奇数倍であることを特徴とする請求項19に記載のアンテナ装置。
【請求項21】
前記支柱部は、前記第1及び第2のアンテナのそれぞれの前記直方体状の構成要素の中心を含む平面と前記支柱部とがなす角度を調整可能な手段と、
前記支柱部に連結された前記筐体部が前記支柱部の主軸に対して回転可能な手段と、を有することを特徴とする請求項19に記載のアンテナ装置。
【請求項22】
前記支柱部は、前記第1及び第2のアンテナのそれぞれの前記台形状の構成要素の中心線を含む平面と前記支柱部とがなす角度を調整可能な手段と、
前記支柱部と連結された前記筐体部が前記支柱部の主軸に対して回転可能な手段と、を有することを特徴とする請求項19に記載のアンテナ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【公開番号】特開2008−47994(P2008−47994A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−219178(P2006−219178)
【出願日】平成18年8月11日(2006.8.11)
【出願人】(301049423)株式会社ココモ・エムビー・コミュニケーションズ (9)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年8月11日(2006.8.11)
【出願人】(301049423)株式会社ココモ・エムビー・コミュニケーションズ (9)
【Fターム(参考)】
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