説明

アンテナ装置

【課題】アンテナの多共振化と小型・低背化を両立し、かつ、異なる共振周波数におけるインピーダンス調整の独立性を改善する
【解決手段】アンテナ装置1は、給電側部分素子11と、折り返し部分素子12と、終端開放部分素子13を有する。給電側部分素子11は給電箇所11aにおいて基板10から給電される。給電側部分素子11は、給電箇所11aから図示した幅“d”を有して第1分岐箇所11bに向かうように形成されている。折り返し部分素子12は、第1分岐箇所11bにおいて給電側部分素子11から分岐し、折り返し箇所12aにおいて折り返され、接地端12bで接地される。終端開放部分素子13は、第2分岐箇所11cにおいて給電側部分素子11から分岐し、終端は開放端13aである。折り返し部分素子12の往路と復路は、第1分岐箇所11b又は接地端12bと折り返し箇所12aの間の短絡箇所12cにおいて短絡される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアンテナ装置に係り、特に無線を利用する装置に内蔵することのできるアンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機や無線機能を備えたパーソナルコンピュータ(PC)等において多用途・多機能化が進み、これらの機器に使用されるアンテナ装置の多共振化、広帯域化が求められている。このような要請に応えるため、出願人はこれまでに例えば携帯電話機の内蔵アンテナを多共振化すると共にインピーダンス整合をとりやすくする発明について特許出願し、登録を受けた(特許文献1参照。)。
【0003】
一方、誘電体基板に形成されるマイクロストリップアンテナの広帯域化を図る技術が知られている(例えば、特許文献2参照。)。上記の特許文献2においては、略T字型をなす平面エレメントとメアンダ形状の部分を含む線状エレメントを誘電体基板に形成してグランド(接地)パターンと対置することにより、5GHz帯と2.4GHz帯の電気的特性を個別に制御することのできるアンテナが記載されている。
【特許文献1】特許第3775795号公報(第2、4、5ページ、図1)
【特許文献2】特開2006−157954号公報(第9、10ページ、図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の特許文献1に開示された無線装置のアンテナは、折り返し型の第1アンテナ素子が低い方の周波数、先端開放の第2アンテナ素子が高い方の周波数でそれぞれ共振し、第1アンテナ素子の往路と復路の間の短絡位置を調整して第2アンテナ素子のインピーダンスを調整することができるように構成される。第2アンテナ素子の共振周波数を高くするほど上記の短絡位置を給電点側に寄せてインピーダンス整合を図る必要があるが、そうすると第1アンテナ素子の共振周波数におけるインピーダンスの誘導性を強める結果となる。
【0005】
つまり、ある程度以上離れた周波数帯で使用される各アンテナ素子のインピーダンスを、独立して調整することは難しいという問題があった。また、この傾向は第1アンテナ素子と第2アンテナ素子の共振周波数の差が開くほど顕著に表れるから、使用周波数がある程度以上離れることを前提とする多機能化に対応させることは難しいという問題があった。
【0006】
上記の特許文献2に開示されたアンテナは一般に高価な誘電体基板を使用するものであるから、携帯電話機やPCの内蔵アンテナとして利用するにはもともと限界がある。その点を別にすれば、例えば図4の示唆するところに基づいて、ある程度の幅を有して給電点に接続された素子の給電点とは反対の側に、略T字型をなして分岐する線状素子を付加したような構成の内蔵アンテナが想定される。
【0007】
しかし、このようにして想定された内蔵アンテナは、機器の小型・低背化にともない、給電点に接続された幅を有する部分の素子が接地回路にも近接する可能性が高いため、インピーダンスの低下を生じやすいという問題がある。また、無給電素子を給電点に電流結合させて多共振化を図ろうとしても、幅を有する素子の部分に遮られて給電点に十分近接させることが難しいという問題がある。
【0008】
本発明は上記問題を解決するためになされたもので、アンテナを多共振化すると共に小型・低背化機器に内蔵することができるように構成し、かつ、異なる共振周波数におけるインピーダンス調整の独立性を改善することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明のアンテナ装置は、第1の周波数及び第2の周波数において使用することができる無線装置用のアンテナ装置であって、給電箇所と第1の分岐箇所と第2の分岐箇所を有すると共に前記給電箇所において給電され、かつ、前記給電箇所から幅を有して前記第1の分岐箇所に向かうように形成されてなる給電側部分素子と、前記給電側部分素子から前記第1の分岐箇所において分岐すると共に、終端までの経路長が前記給電箇所から前記第1の分岐箇所までの前記給電側部分素子に含まれる経路長と合わせて前記第1の周波数の略2分の1波長に相当し、かつ、前記終端が前記給電箇所から前記第1の周波数の略5分の1波長以下の距離に位置する接地箇所において接地されるように折り返されることにより往路と復路を有し、前記往路と復路は短絡箇所において短絡されてなる折り返し部分素子と、前記給電側部分素子から前記第2の分岐箇所において分岐すると共に開放端を有してなり、前記開放端までの経路長が前記給電箇所から前記第2の分岐箇所までの前記給電側部分素子に含まれる経路長と合わせて前記第2の周波数の略4分の1波長に相当する終端開放部分素子とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、アンテナを多共振化すると共に小型・低背化機器に内蔵することができるように構成し、かつ、異なる共振周波数におけるインピーダンス調整の独立性を改善することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。なお、以下の各図の間で共通の符号は、同一の構成を表すものとする。
【実施例1】
【0012】
以下、図1乃至図19を参照して、本発明の実施例1を説明する。図1は、本発明の実施例1に係るアンテナ装置1の構成及び形状を表す図である。アンテナ装置1は、無線装置(通信装置、受信装置及び無線機能を備えたパーソナルコンピュータ等の電子装置を含む。)に内蔵された基板10の1の端辺に取り付けられ、基板10に設けられた図示しない無線回路に接続されている。
【0013】
アンテナ装置1を備えた無線装置は、少なくとも第1周波数及び第2周波数における使用が予定されるものとする。なお図1において、基板10はアンテナ装置1の取り付け位置の近傍のみが図示されている。
【0014】
アンテナ装置1は、給電側部分素子11と、折り返し部分素子12と、終端開放部分素子13を有する。給電側部分素子11は、給電箇所11aと、第1分岐箇所11bと、第2分岐箇所11cを有する。給電側部分素子11は給電箇所11aにおいて基板10から給電されるものとし、図1では給電箇所11aと基板10上の給電点を区別せずに表している。給電側部分素子11は、給電箇所11aから図示した幅“d”を有して第1分岐箇所11bに向かうように形成されている。
【0015】
折り返し部分素子12は、第1分岐箇所11bにおいて給電側部分素子11から分岐する。折り返し部分素子12は、複数回にわたって折曲げられると共に折り返し箇所12aにおいて折り返される。折り返し部分素子12の終端は、基板10の接地回路に接続された接地端12bである。
【0016】
終端開放部分素子13は、第2分岐箇所11cにおいて給電側部分素子11から分岐する。終端開放部分素子13は、例えば図示したように2回にわたって折曲げられる。終端開放部分素子13の終端は、開放端13aである。
【0017】
折り返し部分素子12の第1分岐点12bから折り返し箇所12aまでの部分を往路、折り返し箇所12aから接地端12bまでの部分を復路と呼ぶ。折り返し部分素子12の往路と復路は、第1分岐箇所11b又は接地端12bと折り返し箇所12aの間の短絡箇所12cにおいて短絡される。
【0018】
図2は、アンテナ装置1の各部分の形状を、説明の便宜のため簡略化して表す図である。図2に表したアンテナ装置1の部分ごとの各周波数との対応関係を、図3、図6等を参照して説明する。図3は、第1周波数に対応するアンテナ電流の分布経路を太い実線で強調し、その他の部分を破線で表す図である。アンテナ装置1が励振されると、給電箇所11aから第1分岐箇所11bまでの給電側部分素子11に含まれる部分と、第1分岐箇所11bから折り返し箇所12aを経て接地端12bまでの折り返し部分素子12の全部を合わせたアンテナ電流の分布経路が、図3の太い実線で示すように形成される。
【0019】
図3において太い実線で示した経路の全長が2分の1波長に相当する周波数が第1周波数に略一致するように、給電側部分素子11又は折り返し部分素子12のサイズを設定し、かつ、給電箇所11aと接地端12bの間隔をある程度狭めることにより、当該経路は第1周波数又はその近傍の周波数において共振する一種の折り返しモノポールアンテナとして構成される。
【0020】
給電箇所11aと接地端12bの間隔設定についてシミュレーションにより検討した結果を、図4及び図5を参照して説明する。図4は、図2において構成を表す符号を省略し、その代わりに評価に用いたモデルの各部分のサイズ(単位はミリメートル)を記入した図である。
【0021】
図4に示したように給電箇所11aと接地端12bの間隔をパラメータXとして、第1周波数を含む帯域(図4の評価モデルの場合、ほぼ0.9±0.2GHz)におけるアンテナ装置1の共振の有無を評価した。図5は当該モデルの共振特性を表し、横軸は周波数(単位はGHz)、縦軸は給電箇所11aから見たアンテナ装置1のインピーダンスのリアクタンス成分(単位はオーム)である。
【0022】
図4の評価モデルを用いて、パラメータXに対し0.006λ(λは周波数を0.9GHzとしたときの波長を表す。)、0.007λ、0.13λ又は0.19λの4通りの値を与えてシミュレーションを行った。図5のようなリアクタンス成分の周波数特性において、アンテナ装置1は周波数の増加と共に当該リアクタンス成分が負から正に移行するか、又は少なくとも増加傾向から減少傾向に変化する周波数において共振するということができる。そうすると、X≦0.13λにおいて共振が確認されるが、X=0.19λにおいては確認されない。この結果によれば、パラメータXを第1周波数の略5分の1波長以下にすることが適切である。
【0023】
図6は、第2周波数に対応するアンテナ電流の分布経路を太い実線で強調し、その他の部分を破線で表す図である。アンテナ装置1が励振されると、給電側部分素子11において給電箇所11aから第1分岐箇所11bを通らずに第2分岐箇所11cに至る部分と、第2分岐箇所11cから開放端13aまでの終端開放部分素子13の全部を合わせたアンテナ電流の分布経路が、図6の太い実線で示すように形成される。
【0024】
図6において太い実線で表された経路の全長が4分の1波長に相当する周波数が第2周波数に略一致するように、給電側部分素子11又は終端開放部分素子13のサイズを設定することにより、当該経路は第2周波数又はその近傍の周波数において共振する一種の終端開放モノポールアンテナとして構成される(例えば、特許文献1参照。)。
【0025】
ここで、第1分岐箇所11b及び短絡箇所12cを経て接地端12bに至る経路は、上記の第2周波数又はその近傍の周波数において共振するモノポールアンテナに対し、一種のスタブとして作用する。そこで、短絡箇所12cの位置を選ぶことにより、第2周波数において給電箇所11aから見た当該モノポールアンテナのインピーダンスを調整することができる。
【0026】
短絡箇所12cの位置は、給電箇所11aから第1分岐箇所11b及び短絡箇所12cを経て接地端12bに至る経路長が第2周波数の2分の1波長に相当することを一応の基準として選ぶことができる。第2周波数において給電箇所11aから見た上記のインピーダンスを調整することができるように、短絡箇所12cの位置をその前後で選ぶことができる(例えば、特許文献1参照。)。
【0027】
ここで、給電側部分素子11が図1に示したような幅“d”を持たない従来の場合には、第1周波数と第2周波数の差がある程度離れている場合に短絡箇所12cの位置を給電箇所11a又は接地端12bの側に寄せると、第1周波数において給電箇所11aから見たインピーダンスの誘導性が強まり、アンテナ装置1の第1周波数における放射効率が低下する。したがって、ある程度離れた第1周波数及び第2周波数のそれぞれにおいて、独立にインピーダンス調整を行うことが難しくなる。
【0028】
アンテナ装置1においては、給電側部分素子11が図1に示したような幅“d”を持つことにより、第1周波数において給電箇所11aから見たインピーダンスに容量性が付加され、短絡箇所12cの位置を給電箇所11a又は接地端12bの側に寄せたときの誘導性を打ち消すことができるという効果が得られる。したがって、第1周波数及び第2周波数がある程度離れていても、それぞれ独立にインピーダンス調整を行いやすくなる。
【0029】
この点をシミュレーションにより評価した一例を、図7乃至図9を参照して説明する。図7は、図2において構成を表す符号を省略し、その代わりに評価に用いたモデルの各部分のサイズ(単位はミリメートル)を記入した図である。図8は、比較のため給電側部分素子11が図1に示したような幅“d”を持たない従来の場合について、図7と同様に評価に用いたモデルの各部分のサイズ(単位はミリメートル)を記入した図である。
【0030】
図7又は図8に示した評価モデルを用いて、第1周波数を含む帯域(当該評価モデルの場合、0.7〜1.0GHz)における給電箇所11aから見たインピーダンスをシミュレーションにより求めた。図9は、上記のインピーダンス特性を表すスミス線図である。なお、スミス線図の一般的な目盛り等の図示は省略する。
【0031】
図9において、実線は図7のモデル、破線は図8のモデルのインピーダンス特性をそれぞれ表す。図8のモデルにおいては、給電側部分素子11が幅を持たないため、インピーダンスが誘導性を示してスミス線図の上方寄りに表される。これに対して図7のモデルにおいては、給電側部分素子11が図7に示したような10mmの幅を持つことの効果により、インピーダンスの誘導性が打ち消されてスミス線図の中央寄りに表される。
【0032】
アンテナ装置1においては、給電側部分素子11が図1に示したような幅“d”を持つことにより、幅“d”を持たない場合に比べて第2周波数近傍の特性を広帯域化することができるという効果が得られる。この点をシミュレーションにより評価した一例を、次に図10乃至図12を参照して説明する。
【0033】
図10は、この場合のアンテナ装置1の評価モデルを、図7と同様に表した図である。図11は、比較のための従来技術に係る評価モデルを、図8と同様に表した図である。
【0034】
図10又は図11に示した評価モデルを用いて、第2周波数を含む帯域(当該評価モデルの場合は1.2〜2.2GHz)で給電箇所11aにおける電圧定在波比(VSWR)をシミュレーションにより求めた。図12は、上記のVSWRの周波数特性を表す図である。図12において、実線は図10のモデル、破線は図11のモデルのVSWR周波数特性をそれぞれ表す。図10のモデルにおいては、給電側部分素子11が10mmの幅を持つことの効果により、図11のモデルに比較して第2周波数近傍の周波数特性が広帯域化されていることがわかる。
【0035】
アンテナ装置1の第1周波数及び第2周波数以外の共振周波数について、図13及び図14を参照して説明する。図13は、当該3番目の共振周波数に対応するアンテナ電流の分布経路を太い実線で強調し、その他の部分を破線で表す図である。アンテナ装置1が励振されると、給電側部分素子11において給電箇所11aから第1分岐箇所11bを通らずに第2分岐箇所11cに至るアンテナ電流の分布経路が、図13の太い実線で示すように形成される。なお、アンテナ電流は給電側部分素子11の周縁部に主に分布することから、図13のように表したものである。
【0036】
アンテナ装置1は、図13の太い実線で示した経路の長さが4分の1波長に相当する周波数において共振する。すなわち、アンテナ装置1を備えた無線装置を第1周波数及び第2周波数以外の第3周波数において使用できるようにするためには、図13において太い実線で示した経路の全長が4分の1波長に相当する周波数が第3周波数に略一致するように、給電側部分素子11のサイズを設定すればよい。
【0037】
図14は、アンテナ装置1の第1周波数乃至第3周波数以外の4番目の共振周波数に対応するアンテナ電流の分布経路を太い実線で強調し、その他の部分を破線で表す図である。アンテナ装置1が励振されると、図14の太い実線で示すように、給電箇所11aから給電側部分素子11の幅方向を向くアンテナ電流の分布経路が形成される。
【0038】
アンテナ装置1は、図14の太い実線で示した経路の長さが4分の1波長に相当する周波数において共振する。すなわち、アンテナ装置1を備えた無線装置を第1周波数乃至第3周波数以外の第4周波数において使用できるようにするためには、図14において太い実線で示した経路の全長が4分の1波長に相当する周波数が第4周波数に略一致するように、給電側部分素子11の幅を設定すればよい。
【0039】
アンテナ装置1の第3周波数から第4周波数までの帯域近傍における特性は、給電側部分素子11と基板10の接地回路の間隔により影響を受ける。この点をシミュレーションにより評価した一例を、次に図15及び図16を参照して説明する。図15は、図2において構成を表す符号を省略し、その代わりに評価に用いたモデルの各部分のサイズ(単位はミリメートル)を記入した図である。
【0040】
図15に示したように給電側部分素子11と基板10の接地回路との間隔をパラメータYとして、第3周波数を含む帯域(図15の評価モデルの場合、ほぼ4.5〜6.5GHz)での給電箇所11aにおける電圧定在波比(VSWR)をシミュレーションにより求めた。図16は、上記のVSWRの周波数特性を表す図である。図16に示した4本の曲線は、上から順にY=4mm、3mm、2mm及び1mmの場合に対応する。
【0041】
図16において例えばVSWR≦3とするためには、左端の周波数4.5GHzにおいてY≦3mm、中央の周波数5.5GHzにおいておよそY≦2.5mm、右端の周波数6.5GHzにおいてY≦4mmであることが求められる。これらの不等式右辺の値は、いずれも当該周波数における20分の1波長以下の値に相当する。したがって、Yの値を第3周波数の20分の1波長以下とすることが、一応の基準となり得る。
【0042】
アンテナ装置1の第1周波数乃至第4周波数以外の5番目の共振周波数について、図17を参照して説明する。図17は、当該5番目の共振点に対応するアンテナ電流の分布経路を太い実線で強調し、その他の部分を破線で表す図である。アンテナ装置1が励振されると、給電箇所11aから第1分岐箇所11b及び短絡箇所12cを経て接地端12bに至るアンテナ電流の分布経路が、図17の太い実線で示すように形成される。
【0043】
アンテナ装置1は、図17の太い実線で示した経路の長さが2分の1波長の整数倍に相当する第5周波数において共振する。先に説明したように、第2周波数におけるインピーダンス調整のため当該経路の長さが第2周波数の略2分の1波長に相当するように短絡箇所12cの位置を選んだとき、第5周波数も合わせて定まる。他方、第2周波数におけるインピーダンス調整とは分けて短絡箇所12cの位置を選ぶことにより、第5周波数を定めることもできる。第2周波数の値は、短絡箇所12cの位置によって大きく変化することはない(短絡箇所12cの位置に対してロバスト性を有する。)。
【0044】
以上に説明したアンテナ装置1の第1周波数乃至第5周波数における共振特性の一例について、図18及び図19を参照して説明する。図18は、図2において構成を表す符号を省略し、その代わりに一例として用いたモデルの各部分のサイズ(単位はミリメートル)を記入した図である。図19は当該モデルの共振特性を表し、横軸は周波数(単位はGHz)、縦軸は給電箇所11aから見たアンテナ装置1のインピーダンスのリアクタンス成分(単位はオーム)である。
【0045】
アンテナ装置1は、周波数の増加と共に当該リアクタンス成分が負から正に移行するか、又は少なくとも増加傾向から減少傾向に変化する周波数において共振するということができ、そのような周波数(上述した第1周波数乃至第5周波数にそれぞれ対応する“F1”乃至“F5”で表す。)を図19に示している。なお、5GHz弱にも共振周波数が生じているが、これは第2周波数“F2”の3倍高調波に相当し、独立して選べる値ではないからひとまず除いている。また、第5周波数“F5”の値及び他の共振周波数との大小関係は、短絡箇所12cの位置によって変化する。
【0046】
本発明の実施例1によれば、無線装置用のアンテナ装置の小型・低背化と、例えば図19に示したような広帯域にわたる多共振化を両立させると共に、異なる共振周波数におけるインピーダンス調整の独立性を改善することができる。
【実施例2】
【0047】
以下、図20乃至図22を参照して、本発明の実施例2を説明する。図20は、本発明の実施例2に係るアンテナ装置2の構成及び形状を表す図である。アンテナ装置2は、実施例1で説明したアンテナ装置1と同様に、無線装置に内蔵された基板10の1の端辺に取り付けられ、基板10に設けられた図示しない無線回路に接続されている。アンテナ装置2を備えた無線装置は、実施例1の場合と同様、少なくとも第1周波数及び第2周波数における使用が予定されるものとする。
【0048】
アンテナ装置2は、給電側部分素子21と、折り返し部分素子12と、終端開放部分素子13を有する。これらのうち、折り返し部分素子12及び終端開放部分素子13は、それぞれ実施例1において説明したものと同じである。給電側部分素子21は給電箇所21aにおいて基板10から給電されるものとし、図20では給電箇所21aと基板10上の給電点を区別せずに表している。
【0049】
給電側部分素子21は、給電箇所21aから図示した幅“d”を有して第1分岐箇所21bに向かう形状(実施例1において説明した給電側部分素子11の形状)の周縁部分に相当するように(図20の場合は矩形ループ状に)形成されている。このように形成された給電側部分素子21は、給電側部分素子11に対比して省資源化、軽量化されたものとなる。
【0050】
実施例1で説明したのと同じ折り返し部分素子12は、第1分岐箇所21bにおいて給電側部分素子21から分岐する。実施例1で説明したのと同じ終端開放部分素子13は、第2分岐箇所21cにおいて給電側部分素子21から分岐する。
【0051】
図21及び図22を参照して、アンテナ装置2の共振特性を実施例1で説明したアンテナ装置1と対比して説明する。図21は、図10に示したアンテナ装置1の評価モデルに対応するアンテナ装置2の評価モデルを表す図である。図21は図10と同様に構成を表す符号を省略し、その代わりに評価に用いたモデルの各部分のサイズ(単位はミリメートル)を示している。
【0052】
図10及び図21に示した評価モデルを用いて、1GHz以下から9GHzにわたる帯域で給電箇所(11a又は21a)における電圧定在波比(VSWR)をシミュレーションにより求めた。図22の上の図は、上記のVSWRの低域側の周波数特性を表す図である。図22の下の図は、上記のVSWRの高域側の周波数特性を表す図である。
【0053】
図22に示すように、実施例2に係る図21の評価モデルの特性は、実施例1に係る図10の評価モデルの特性と大差がない。すなわち、実施例2に係るアンテナ装置2は、省資源化を図った給電側部分素子21を用いて、実施例1に係るアンテナ装置1とほぼ同等の効果を発揮するものである。
【0054】
本発明の実施例2によれば、実施例1におけるのと大差がない性能を保ちつつ給電側部分素子の省資源化及びアンテナ装置の軽量化を図ることができるという、付加的な効果が得られる。
【実施例3】
【0055】
以下、図23乃至図27を参照して、本発明の実施例3を説明する。本発明の実施例3に係るアンテナ装置3は、実施例1で説明したアンテナ装置1に無給電素子を付加したものである。図23は、アンテナ装置3の構成及び各部分の形状を、実施例1で説明した図2と同様に簡略化して表す図である。アンテナ装置3は無給電素子31を備えており、それ以外の構成はすべて図2に示したアンテナ装置1の構成と同じである。
【0056】
無給電素子31は一端が基板10の接地回路に接続された片側接地型であり、アンテナ装置3の給電箇所11a近傍に設けられて電流結合されるのが一般的な使い方である。しかし、無線装置の小型・低背化にともない、実装上の都合によって無給電素子31を給電箇所11aの近傍において電流結合させることが難しい場合がある。
【0057】
従来技術として説明した、ある程度の幅を有して給電点に接続された素子と分岐線状素子を組み合わせて構成されたアンテナの場合は、幅を有する部分に遮られるため無給電素子を給電点に十分近接させることが難しいという問題があった。これに対してアンテナ装置3においては、無給電素子31を給電箇所11aの近傍に設けることが仮に難しいとしても、図23に示したように給電側部分素子11の近傍に設けることができる。
【0058】
給電側部分素子11においては、例えば図6に示したようにアンテナ電流が周縁部に沿って分布する。その結果、無給電素子31を電流結合させることができる。
【0059】
図24は、無給電素子31を給電箇所11aの近傍に設けることができる場合のアンテナ装置3の構成及び各部分の形状を表す図である。図24は、無給電素子31の位置を除いて図23と同じである。このようなレイアウトが可能であれば、一般的な方法にしたがって無給電素子31を給電箇所11aの近傍に設けることができる。すなわち、本発明の実施例3によれば、従来技術に比べて無給電素子を設ける位置の自由度を高めることができる。
【0060】
図25乃至図27を参照して、アンテナ装置3の共振特性を実施例1で説明したアンテナ装置1と対比して説明する。図25及び図26は、それぞれ図23及び図24に示したアンテナ装置3の評価モデルを表す図である。図25及び図26は図10と同様に構成を表す符号を省略し、その代わりに評価に用いたモデルの各部分のサイズ(単位はミリメートル)を示している。
【0061】
図10、図25及び図26にそれぞれ示した評価モデルを用いて、1.4GHzから2.4GHzにわたる第2周波数近傍の帯域で給電箇所11aにおける電圧定在波比(VSWR)をシミュレーションにより求めた。図27の実線は、実施例1に係る図10の評価モデルのVSWR周波数特性である。図27の破線は、実施例3に係る図25の評価モデルのVSWR周波数特性である。図27の点線は、実施例3に係る図26の評価モデルのVSWR周波数特性である。
【0062】
図27に示すように、図25又は図26のいずれの評価モデルにおいても、第2周波数における共振特性を保ったまま、新たな共振周波数(図25のモデルでは2.1GHz付近、図26のモデルでは2.2GHz付近)が付加されていることがわかる。
【0063】
本発明の実施例3によれば、無給電素子を用いてさらなる多共振化を図ることができ、かつ、従来技術に比べて無給電素子を設ける位置の自由度が高いという、付加的な効果が得られる。
【実施例4】
【0064】
以下、図28乃至図37を参照して、本発明の実施例4を説明する。実施例4は、実施例1に係るアンテナ装置1の各種の変形を例示するものである。実施例2又は実施例3に係るアンテナ装置2又はアンテナ装置3についても同様の変形が可能であるが、それらの例示は省略する。以下の各図においては、煩雑を避けるために、アンテナ装置1と同じ構成については説明の都合上必要なものに限り符号を付して表すものとする。
【0065】
図28の第1の変形例における給電側部分素子41は、給電箇所41aから幅を広げながら第1分岐箇所41bに向かうように形成されている。給電側部分素子41がこのような形状であっても、アンテナ装置1と同様の効果を得ることができる。
【0066】
図29の第2の変形例は、アンテナ装置1の折り返し部分素子12を終端開放部分素子42で置き換えたものである。給電箇所11aから第1分岐箇所11bまでの給電側部分素子11に含まれる部分と、終端開放部分素子42の第1分岐箇所11bから開放端42aまでの全部を合わせた経路長が、第1周波数の4分の1波長に相当するように各部分素子のサイズを設定することにより、アンテナ装置1と同様の効果を得ることができる。
【0067】
図30の第3の変形例は、アンテナ装置1の終端開放部分素子13をメアンダ型部分素子43で置き換えたものである。メアンダ形状を選ぶことによって、アンテナ装置1と同様の効果を得ながらさらに小型化することができる。
【0068】
図31の第4の変形例における給電側部分素子44は、第1分岐箇所44b若しくは第2分岐箇所44c又はその両方よりも先まで延ばされて形成されている。給電側部分素子44がこのような形状であっても、アンテナ装置1と同様の効果を得ることができる。
【0069】
図32の第5の変形例は、アンテナ装置1の終端開放部分素子13を折り返し部分素子45で置き換えたものである。折り返し部分素子45の終端は、基板10の接地回路に接続された接地端45bである。
【0070】
給電箇所11aから第2分岐箇所11cまでの給電側部分素子11に含まれる部分と、折り返し部分素子45の第2分岐箇所11cから接地端45bまでの全部を合わせた経路長が、第2周波数の2分の1波長に相当するように各部分素子のサイズを設定し、かつ、給電箇所11aと接地端45bの間隔をある程度狭めることにより、アンテナ装置1と同様の効果を得ることができる。また、第2周波数におけるインピーダンスを高めることができるという、付加的な効果が得られる。
【0071】
図33の第6の変形例は、上記の第5の変形例における折り返し部分素子45の往路と復路を短絡箇所45cにおいて短絡したものである。図34の第7の変形例は、上記の第6の変形例における折り返し部分素子45を終端開放部分素子47で置き換えたものである。いずれの変形例も、アンテナ装置1と同様の効果に加えて、インピーダンス調整をよりきめ細かく行えるという付加的な効果が得られる。
【0072】
図35は、アンテナ装置1又はその変形例に対して終端開放部分素子48及び無給電素子49を付加することにより、さらに共振周波数を追加する4つの例を示している。
【0073】
図36は、図1に構成及び形状を示したアンテナ装置1に対し上述したような変形を行った結果であるアンテナ装置5の構成及び形状を表す図である。アンテナ装置5は、アンテナ装置1の給電側部分素子11を給電側部分素子51に置き換えると共に、終端開放部分素子52を追加して構成したものである。その他の構成はすべて図1に示したアンテナ装置1の構成と同じであるから、説明及び図36における符号の図示を省略する。
【0074】
給電側部分素子51は、アンテナ装置1の給電側部分素子11を図31に示したように延伸して変形したものである。終端開放部分素子52は、給電側部分素子51の延伸された部分から分岐したものである。
【0075】
図37は、図36のように構成したアンテナ装置5に対し一例としてサイズの条件を与え、給電箇所51aにおける電圧定在波比(VSWR)の周波数特性をシミュレーションにより求めて表す図である。図37の上の図は、上記のVSWRの低域側の周波数特性を表す図である。図37の下の図は、上記のVSWRの高域側の周波数特性を表す図である。携帯電話用、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)用を含む広帯域において、良好なVSWR特性の得られることがわかる。
【0076】
本発明の実施例4によれば、本発明の多様な変形例により、さらに多共振化を進めたりインピーダンス特性を改善したりすることができる。なお、以上に述べた他にも、アンテナ装置の構成、形状、サイズ等に関し、本発明の要旨を逸脱しない範囲でさまざまな変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の実施例1に係るアンテナ装置の構成及び形状を表す図。
【図2】実施例1に係るアンテナ装置の各部分の形状を簡略化して表す図。
【図3】実施例1に係るアンテナ装置の第1周波数に対応するアンテナ電流の分布経路を表す図。
【図4】実施例1に係るアンテナ装置の給電箇所と接地端間の間隔設定を評価するシミュレーションのモデルを表す図。
【図5】実施例1に係るアンテナ装置の図4に表したモデルの共振特性を表す図。
【図6】実施例1に係るアンテナ装置の第2周波数に対応するアンテナ電流の分布経路を表す図。
【図7】実施例1に係るアンテナ装置の短絡箇所の位置を評価するシミュレーションのモデルを表す図。
【図8】図7のモデルと対比するための従来技術に係るアンテナ装置のモデルを表す図。
【図9】実施例1に係るアンテナ装置のインピーダンス特性を従来技術と対比して表すスミス線図。
【図10】実施例1に係るアンテナ装置の第2周波数近傍の特性を評価するシミュレーションのモデルを表す図。
【図11】図10のモデルと対比するための従来技術に係るアンテナ装置のモデルを表す図。
【図12】実施例1に係るアンテナ装置のVSWR特性を従来技術と対比して表す図。
【図13】実施例1に係るアンテナ装置の第3周波数に対応するアンテナ電流の分布経路を表す図。
【図14】実施例1に係るアンテナ装置の第4周波数に対応するアンテナ電流の分布経路を表す図。
【図15】実施例1に係るアンテナ装置の給電側部分素子と接地回路の間隔を評価するシミュレーションのモデルを表す図。
【図16】実施例1に係るアンテナ装置の給電側部分素子と接地回路の間隔をパラメータとしてVSWR特性を表す図。
【図17】実施例1に係るアンテナ装置の第5周波数に対応するアンテナ電流の分布経路を表す図。
【図18】実施例1に係るアンテナ装置の共振特性を評価するシミュレーションのモデルを表す図。
【図19】実施例1に係るアンテナ装置の図18に表したモデルの共振特性を表す図。
【図20】本発明の実施例2に係るアンテナ装置の構成及び形状を表す図。
【図21】実施例2に係るアンテナ装置の共振特性を評価するシミュレーションのモデルを表す図。
【図22】実施例2に係るアンテナ装置の図21に表したモデルの共振特性を実施例1に係るアンテナ装置と対比して表す図。
【図23】本発明の実施例3に係るアンテナ装置の構成及び簡略化した形状を表す図。
【図24】実施例3に係るアンテナ装置の無給電素子の位置を変えた構成、形状を表す図。
【図25】実施例3の図23に係るアンテナ装置のVSWR特性を評価するシミュレーションのモデルを表す図。
【図26】実施例3の図24に係るアンテナ装置のVSWR特性を評価するシミュレーションのモデルを表す図。
【図27】実施例3に係るアンテナ装置のVSWR特性を実施例1に係るアンテナ装置と対比して表す図。
【図28】本発明の実施例4におけるアンテナ装置の第1の変形例を表す図。
【図29】本発明の実施例4におけるアンテナ装置の第2の変形例を表す図。
【図30】本発明の実施例4におけるアンテナ装置の第3の変形例を表す図。
【図31】本発明の実施例4におけるアンテナ装置の第4の変形例を表す図。
【図32】本発明の実施例4におけるアンテナ装置の第5の変形例を表す図。
【図33】本発明の実施例4におけるアンテナ装置の第6の変形例を表す図。
【図34】本発明の実施例4におけるアンテナ装置の第7の変形例を表す図。
【図35】本発明の実施例4におけるアンテナ装置に部分素子をさらに追加する4例を表す図。
【図36】本発明の実施例4に係るアンテナ装置の構成及び形状を表す図。
【図37】実施例4に係るアンテナ装置のVSWR特性を表す図。
【符号の説明】
【0078】
1、2、3、5 アンテナ装置
10 基板
11、21、41、44、51 給電側部分素子
11a、21a、41a、44a、51a 給電箇所
11b、21b、41b、44b 第1分岐箇所
11c、21c、44c 第2分岐箇所
12、45 折り返し部分素子
12a 折り返し箇所
12b、45b 接地端
12c、45c 短絡箇所
13、42、47、48、52 終端開放部分素子
13a、42a 開放端
31、49 無給電素子
43 メアンダ型部分素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の周波数及び第2の周波数において使用することができる無線装置用のアンテナ装置であって、
給電箇所と第1の分岐箇所と第2の分岐箇所を有すると共に前記給電箇所において給電され、かつ、前記給電箇所から幅を有して前記第1の分岐箇所に向かうように形成されてなる給電側部分素子と、
前記給電側部分素子から前記第1の分岐箇所において分岐すると共に、終端までの経路長が前記給電箇所から前記第1の分岐箇所までの前記給電側部分素子に含まれる経路長と合わせて前記第1の周波数の略2分の1波長に相当し、かつ、前記終端が前記給電箇所から前記第1の周波数の略5分の1波長以下の距離に位置する接地箇所において接地されるように折り返されることにより往路と復路を有し、前記往路と復路は短絡箇所において短絡されてなる折り返し部分素子と、
前記給電側部分素子から前記第2の分岐箇所において分岐すると共に開放端を有してなり、前記開放端までの経路長が前記給電箇所から前記第2の分岐箇所までの前記給電側部分素子に含まれる経路長と合わせて前記第2の周波数の略4分の1波長に相当する終端開放部分素子とを、
備えたことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項2】
第1の周波数及び第2の周波数において使用することができる無線装置用のアンテナ装置であって、
給電箇所と第1の分岐箇所と第2の分岐箇所を有すると共に前記給電箇所において給電され、かつ、前記給電箇所から幅を有して前記第1の分岐箇所に向かう形状の周縁部分に相当するように形成されてなる給電側部分素子と、
前記給電側部分素子から前記第1の分岐箇所において分岐すると共に、終端までの経路長が前記給電箇所から前記第1の分岐箇所までの前記給電側部分素子に含まれる経路長と合わせて前記第1の周波数の略2分の1波長に相当し、かつ、前記終端が前記給電箇所から前記第1の周波数の略5分の1波長以下の距離に位置する接地箇所において接地されるように折り返されることにより往路と復路を有し、前記往路と復路は短絡箇所において短絡されてなる折り返し部分素子と、
前記給電側部分素子から前記第2の分岐箇所において分岐すると共に開放端を有してなり、前記開放端までの経路長が前記給電箇所から前記第2の分岐箇所までの前記給電側部分素子に含まれる経路長と合わせて前記第2の周波数の略4分の1波長に相当する終端開放部分素子とを、
備えたことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項3】
前記短絡個所は、前記給電箇所から前記第1の分岐箇所及び前記短絡箇所を経て前記接地箇所に至る経路長が前記第2の周波数の略2分の1波長に相当する位置に設けられたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアンテナ装置。
【請求項4】
前記無線装置は第3の周波数においてさらに使用することができ、
前記給電側部分素子は、励振されたときの電流が前記給電箇所から前記第2の分岐箇所まで前記第1の分岐箇所を通らずに主に分布する経路の長さが、前記第3の周波数の略4分の1波長に相当することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアンテナ装置。
【請求項5】
前記無線装置は第4の周波数においてさらに使用することができ、
前記給電側部分素子の有する幅は、少なくとも前記第4の周波数の略4分の1波長に相当することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアンテナ装置。
【請求項6】
前記給電側部分素子は、前記無線装置の接地回路との間隔が前記第3の周波数の20分の1波長以下であるように配設されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアンテナ装置。
【請求項7】
前記無線装置は第5の周波数においてさらに使用することができ、
前記短絡個所は、前記給電箇所から前記第1の分岐箇所及び前記短絡箇所を経て前記接地箇所に至る経路長が前記第5の周波数の略2分の1波長の整数倍に相当する位置に設けられたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアンテナ装置。
【請求項8】
前記給電箇所又は前記給電側部分素子に電流結合するように配設された無給電素子を、さらに備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアンテナ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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