説明

アンドロゲン受容体調節剤としての21−複素環−4−アザステロイド誘導体

構造式Iの化合物は、組織選択的な形態でのアンドロゲン受容体(AR)の調節剤である。これは、男性患者での前立腺または女性患者での子宮ではARに対して拮抗作用を行いながら、骨および/または筋肉組織でのアンドロゲン受容体の作働薬として有用である。従ってこれらの化合物は、単独または他の活性薬剤との併用で、低筋緊張の強化ならびに骨粗鬆症、骨減少症、糖質コルチコイド誘発骨粗鬆症、歯周病、骨折、骨再建術後の骨損傷、サルコぺニア、虚弱、皮膚老化、男性性腺機能低下症、女性における閉経後症状、アテローム性動脈硬化、高コレステロール血症、高脂血症、肥満、再生不良性貧血および他の造血障害、炎症性関節炎および関節修復、HIV性の消耗、前立腺癌、癌悪液質、アルツハイマー病、筋ジストロフィー、認識障害、性欲減退、早発閉経および自己免疫疾患などのアンドロゲン欠乏が原因であって、アンドロゲン投与によって改善することができる状態の治療において有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、21−ベンズイミダゾール−4−アザステロイドおよび21−アザベンズイミダゾール−アザステロイド誘導体、これらの合成およびこれらのアンドロゲン受容体調節剤としての使用に関する。詳細には本発明の化合物は、組織選択的アンドロゲン受容体調節剤であることから、骨粗鬆症、歯周病、骨折、虚弱およびサルコぺニアなどのアンドロゲン欠乏によって引き起こされ、アンドロゲン投与によって改善され得る状態の治療において有用である。さらに、本発明のSARMを用いて、抑鬱、性機能障害および認識衰退などの低テストステロンに関連する精神障害を治療することができる。特定組織における拮抗薬であるSARM類は、良性前立腺肥大および睡眠時無呼吸などのアンドロゲンの状態および活性の亢進が症状の原因である状態においても有用である。
【背景技術】
【0002】
アンドロゲン受容体(AR)は、ステロイド/甲状腺ホルモン核受容体のスーパーファミリーに属するものであり、それの他の構成員にはエストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、糖質コルチコイド受容体および無機質コルチコイド受容体などがある。ARは身体の多くの組織で発現され、テストステロン(T)およびジヒドロテストステロン(DHT)などのアンドロゲン類の生理的効果および病態生理効果に介在する受容体である。構造的にはARは、リガンド結合領域(LBD)、DNA結合領域およびアミノ末端領域という3つの機能領域から構成される。ARに結合し、内因性ARリガンドの効果を模倣する化合物はAR作動薬と称され、内因性ARリガンドの効果を阻害する化合物はAR拮抗薬と称される。
【0003】
ARに結合するアンドロゲンリガンドはリガンド/受容体複合体を誘発し、これは細胞の核内への転座後に、核に存在する標的遺伝子の促進剤または相乗剤領域内における調節DNA配列(アンドロゲン応答要素と称される)に結合する。次に、補因子と称される他のタンパク質が招集され、それが受容体に結合して、遺伝子転写を生じる。
【0004】
アンドロゲン療法は、生殖障害および一次もしくは二次男性性機能不全などの各種男性障害を治療してきた。さらに、多くの天然または合成AR作働薬が、骨疾患、造血障害、神経筋疾患、リウマチ疾患、消耗性疾患などの筋骨格障害の治療、ならびに女性アンドロゲン欠乏症などのホルモン代替療法(HRT)に関して検討されてきた。さらに、(flutamide)またはビカルタミド(bicalutamide)などのAR拮抗薬が、前立腺癌の治療に用いられている。従って、所望のアンドロゲンの骨同化効果および筋肉同化効果を生じるが、男性化および高比重リポタンパク質コレステロール(HDL)抑制などの有害なアンドロゲン特性を持たないと考えられる、組織選択的な形でARの機能を活性化(「作働」)し得る入手可能な化合物を持つことが有用であると考えられる。
【0005】
閉経後骨粗鬆症での骨に対するアンドロゲンの有用な効果が、テストステロンおよびエストロゲンの併用投与を用いた最近の研究で示されている[Hofbauer, et al., Eur. J. Endocrinol. 140: 271-286 (1999)]。大規模な2年間の二重盲検比較試験で、経口での結合型エストロゲン(CEE)およびメチルテストステロン併用が、脊椎および臀部における骨量の増加を促進する上で有効であることが明らかになり、他方で結合エストロゲン療法単独では骨損失が防止された[J. Reprod. Med. 44: 1012-1020 (1999)]。
【0006】
さらに、CEEおよびメチルテストステロンを投与した女性において顔面潮紅が低下することを示す証拠がある。しかしながら、これら女性の30%が、最近のあらゆるアンドロゲン薬物療法の合併症であるアクネおよび顔面体毛の大幅な増加を患っていた[Watts, et al., Obstet. Gynecol., 85: 529-537 (1995)]。さらに、CEEにメチルテストステロンを加えることで、他の試験で認められているように、HDLレベルが低下することも認められている。従って現在のアンドロゲン療法の男性化の可能性および脂質プロファイルに対する影響が、組織選択的アンドロゲン受容体作働薬開発の根拠となっている。
【0007】
アンドロゲンは、男性における骨代謝に重要な役割を果たしている[Anderson, et al., ″Androgen supplementation in eugonadal men with osteoporosis-effects of six months of treatment on bone mineral density and cardiovascular risk factors,″ Bone 18: 171-177 (1996)]。骨粗鬆症の発育良好(eugonadal)男性の場合であっても、テストステロン治療に対する治療応答から、アンドロゲンが重要な骨同化効果を発揮することがわかる。筋肉投与テストステロンエステル250mgに応答して5〜6ヶ月以内に、平均腰椎BMDが0.799g/cmから0.839g/cmに上昇した。このように、SARMを用いて、男性における骨粗鬆症を治療することができる。
【0008】
アンドロゲン欠乏は、アンドロゲン遮断療法(ADT)を受けた段階Dの前立腺癌(転移性)男性で見られる。長期作用性GnRH作働薬によって内分泌睾丸摘除が行われ、AR拮抗薬によってアンドロゲン受容体遮断が行われる。ホルモン遮断に応答して、上記の男性は顔面紅潮、大幅な骨損失、衰弱および疲労を生じた。段階D前立腺癌男性についてのパイロット試験で、ADTを受けなかった患者と比較して、1年を超える期間にわたりADTを受けたことがある男性において、骨減少症および骨粗鬆症の発生率が高かった(骨減少症で50%と38%;骨粗鬆症で38%と25%)[Wei, et al., Urology 54: 607-11, (1999)]。腰部脊椎BMDは、ADTを受けたことがある男性において有意に低かった。従って、骨および筋肉において拮抗薬作用がない前立腺での組織選択的AR拮抗薬は、単独であるいは従来のADTに対する補助剤として、前立腺癌治療に有用な薬剤となり得る[A. Stoche, et al., J. Clin. Endocrin. Metab. 86: 2787-91, (2001)も参照]。
【0009】
組織選択的AR拮抗薬は、閉経後女性での多嚢胞性卵巣症候群を治療することもできる(C. A. Eagleson, et al.,″Polycystic ovarian syndrome: evidence that flutamide restores sensitivity of the gonadotropin-releasing hormone pulse generator to inhibition by estradiol and progesterone,″J. Clin. Endocrinol. Metab., 85: 4047-4052 (2000)参照)。
【0010】
アンドロゲンが腎臓肥大およびエリトロポイエチン(EPO)産生を刺激することから、SARM類は、ある種の造血障害の治療を行うこともできる。組換えヒトEPOの導入以前は、アンドロゲンを用いて、慢性腎不全によって生じる貧血の治療を行っていた。さらに、アンドロゲン類は非重度無形成性貧血および骨髄異形成症候群の貧血患者での血清EPOレベルを上昇させる。貧血の治療では、SARM類によって提供することができるような選択的作用が必要である。
【0011】
SARM類は、肥満治療への補助剤としての臨床的価値も有する。体脂肪低下に対するこのアプローチは、アンドロゲン投与によって肥満患者において皮下脂肪および内臓脂肪が減ったという発表所見によって支持されている[J. C. Lovejoy, et al.,″Oral anabolic steroid treatment, but not parenteral androgen treatment, decreases abdominal fat in obese, older men,″ Int. J. Obesity, 19: 614-624 (1995)]、[J. C. Lovejoy, et al.,″Exogenous Androgens Influence Body Composition and Regional Body Fat Distribution in Obese Postmenopausal Women-A Clinical Research Center Study,″ J. Clin. Endocrinol. Metab., 81: 2198-2203 (1996)]。従って、望まれないアンドロゲン効果のないSARM類は、肥満治療において有用となり得る。
【0012】
アンドロゲン受容体作働薬は、特には男性でのメタボリック症候群(インスリン抵抗症候群、症候群X)に対しても治療上有効となり得る。男性での総および遊離テストステロンの低レベルおよび性ホルモン結合グロブリン(SHBG)の低レベルが、II型糖尿病、内臓型肥満、インスリン耐性(高インスリン血症、異脂肪血症)およびメタボリック症候群と関連していた(D. Laaksonen, et al., Diabetes Care, 27 (5): 1036-1041 (2004);D. Laaksonen, et al. Euro. J Endocrin, 149: 601- 608 (2003); P. Marin, et al. Int. J. Obesity, 16: 991-997 (1992), and P. Marin, et al. Obesity Res. , 1 (4): 245-251 (1993)も参照)。
【0013】
アンドロゲン受容体作働薬は、アルツハイマー病(AD)などの神経変性疾患に対しても治療上有効となり得る。アンドロゲン類がアンドロゲン受容体を介して神経保護を誘発できることが、ハモンドらによって報告されている(J. Hammond, et al.,″Testosterone-mediated neuroprotection through the androgen receptor in human primary neurons,″ J. Neurochem., 77: 1319-1326 (2001))。グーラスらは、テストステロンがアルツハイマーのβ−アミロイドペプチドの分泌を減少させることから、ADの治療で使用可能であると報告している[(Proc. Nat. Acad. Sci., 97: 1202-1205 (2000)]。進行性ADで示唆されるタンパク質の過剰リン酸化の阻害を介した機序についても報告されている[S. Papasozomenos,″Testosterone prevents the heat shock-induced over activation of glycogen synthase kinase-3β but not of cyclin-dependent kinase 5 and c-Jun NH2-terminal kinase and concomitantly abolishes hyperphosphorylation of τ: Implications for Alzheimer′s disease, ″Proc. Nat. Acad. Sci., 99: 1140-1145 (2002))。
【0014】
アンドロゲン受容体作働薬は、筋肉の緊張および強度に対しても有用な効果を有することができる。最近の研究で、「健常で性機能低下の男性における生理的アンドロゲン置換が、除脂肪体重、筋肉の大きさおよび最大随意強度での有意な利得に関連している」ことが明らかになっている[S. Bhasin, et al., J. Endocrin., 170: 27-38 (2001)]。
【0015】
アンドロゲン受容体調節剤は、男性および女性の両方における性欲減退の治療で有用となり得る。男性でのアンドロゲン欠乏は、性欲減退に関連している(S. Howell et al., Br. J. Cancer, 82: 158-161)。低アンドロゲンレベルが、後期生殖期中の多くの女性で性的興味低下を引き起こしている(S. Davis, J. Clin. Endocrinol. Metab., 84: 1886-1891 (1999))。ある研究では、循環遊離テストステロンと性欲とに正の相関があった(同上)。別の研究では、一次または二次副腎不全の女性に生理的DHEA置換を行っている(50mg/日)。プラシーボ投与の女性と比較すると、DHEA投与女性は、性的思考、興味および満足の頻度に上昇を示した(W. Arlt, et al., N. Engl. J. Med. 341: 1013-1020 (1999)、K. Miller, J. Clin. Endocrinol. Metab., 86: 2395-2401 (2001)も参照)。
【0016】
さらに、アンドロゲン受容体調節剤は認知障害の治療においても有用となり得る。最近の研究で、単独または高用量経口メチルテストステロンとの併用での高用量経口エストロゲンを4ヶ月間にわたり閉経後女性に投与した。4ヶ月のホルモン治療の前後で認識力試験を行った。その実験で、エストロゲン(1.25mg)およびメチルテストステロン(2.50mg)の併用投与を受けた女性は、記憶構築作業で変わらないレベルの成績を維持するが、エストロゲン単独(1.25mg)の投与を受けた女性は成績低下を示すことが認められた(A. Wisniewski, Horm. Res. 58: 150-155 (2002))。
【発明の開示】
【0017】
本発明は、下記構造式Iの化合物あるいはその化合物の製薬上許容される塩または立体異性体、それの使用および医薬組成物に関する。
【0018】
【化2】

【0019】
これらの化合物は、アンドロゲン受容体作働薬として有効であり、SARMとして特に有効である。従ってそれは、アンドロゲン欠乏によって引き起こされ、アンドロゲン投与によって改善可能な状態の治療において有用である。
【0020】
本発明はまた、本発明の化合物および製薬上許容される担体を含む医薬組成物に関するものでもある。
【0021】
本発明において本発明者らは、(i)N−C相互作用、(ii)転写抑制および(iii)転写活性化などのARのリガンド介在活性化のプロファイル作成を行う一連のインビトロ細胞アッセイを用いて、SARMとして機能する化合物を確認した。上記の方法によって確認された本発明におけるSARM化合物は、インビボでの組織選択的AR作働作用すなわち骨における作働作用(骨粗鬆症の齧歯類モデルでの骨形成の刺激)および前立腺での拮抗作用(去勢齧歯類での前立腺成長に対するわずかな効果とAR作働薬誘発の前立腺成長の拮抗作用)を示す。
【0022】
SARMと確認された本発明の化合物は、アンドロゲン投与によって改善し得るアンドロゲン欠乏によって引き起こされる疾患または状態を治療する上で有用である。そのような化合物は、単独療法としてあるいはビスホスホン酸化合物、エストロゲン類、SERM類、カテプシンK阻害薬、αVβ3インテグリン受容体拮抗薬、カルシトニンおよびプロトンポンプ阻害薬などの骨吸収の阻害薬と併用して、女性および男性での骨粗鬆症の治療において理想的である。これらは、副甲状腺ホルモンまたはそれの類縁体などの骨形成を刺激する薬剤と併用することもできる。本発明のSARM化合物は、前立腺癌および良性前立腺過形成(BPH)などの前立腺疾患の治療にも用いることができる。さらに本発明における化合物は、皮膚に対する影響(アクネおよび顔面体毛成長)がわずかであり、多毛症の治療に用いることができる。さらに本発明の化合物は筋肉成長を刺激することができ、サルコペニアおよび虚弱の治療において有用となり得る。これらの化合物を用いて、肥満治療における内臓脂肪低減を行うことができる。さらに本発明の化合物は、中枢神経系でアンドロゲン作働作用を示すことができ、血管運動症状(顔面紅潮)の治療に用いることができ、特に閉経後女性においてエネルギーおよび性欲を高めることができる。これら化合物は、アルツハイマー病の治療に用いることができる。
【0023】
本発明の化合物は、単独で、あるいは骨を回復する能力があることからGnRH作働薬/拮抗薬療法に対する補助剤としてあるいは前立腺においてアンドロゲンと拮抗し、骨欠乏を低減する能力があることから抗アンドロゲン療法の代替療法として、前立腺癌の治療に用いることもできる。さらに本発明の化合物は、骨を回復する能力があることから、膵臓癌の治療において抗アンドロゲン剤による治療に対する補助剤として、あるいは抗アンドロゲン特性があることから単独療法として用いて、従来の抗アンドロゲンに勝る骨節約という利点を提供することができる。さらに本発明の化合物は、赤血球および血小板などの血球の数を増やすことができ、無形成性貧血などの造血障害の治療において有用となり得る。したがって、上記の組織選択的アンドロゲン作働作用を考慮すると、本発明の化合物は性機能不全(アンドロゲン欠乏性)男性におけるホルモン置換療法において理想的である。
【0024】
本発明はまた、腹部脂肪蓄積、メタボリック症候群(「インシュリン抵抗性症候群」および「症候群X」とも称される)およびII型糖尿病の男性被験者を安全かつ具体的に治療することに関するものでもある。
【0025】
本発明は、アンドロゲン受容体調節剤として、特には選択的アンドロゲン受容体調節剤として有用な化合物に関するものである。本発明の化合物は、下記構造式Iおよびそれの製薬上許容される塩または立体異性体によって表される。
【0026】
【化3】

式中、
aは、二重結合および単結合から選択され;
Xは、水素またはハロゲンであり;
nは、0、1、2、3または4であり;
U、V、WおよびDはそれぞれ独立に、CHおよびNから選択され;ただし、U、V、WおよびDのうちの少なくとも一つはCHであり;
は、水素、CF、カルボニル(C1−3アルキル)、ヒドロキシル、C1−4アルコキシ、ハロゲン、C1−3アルキル、ヒドロキシメチルおよび(C0−6アルキル)アミノから選択され;前記アルキルおよびアルコキシはそれぞれ、1〜7個のフッ素原子で置換されていても良く;
およびRは独立に、水素、ハロゲン、C1−8アルキル、アミノC0−6アルキル、C1−6アルキルアミノC0−6アルキル、(C1−6アルキル)アミノC0−6アルキル、C1−6アルコキシC0−6アルキル、ヒドロキシカルボニルC0−6アルキル、ヒドロキシC0−6アルキル、C1−6アルコキシカルボニルC0−6アルキル、ヒドロキシカルボニルC1−6アルキルオキシ、シアノ、パーフルオロC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルコキシ、C0−6アルキルカルボニル、C1−6アルキルカルボニルオキシ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノ、C1−6アルコキシカルボニルアミノ、C1−6アルキルアミノカルボニルアミノ、(C1−6アルキル)アミノカルボニルアミノおよび(C1−6アルキル)アミノカルボニルオキシから選択され;
およびRがこれらが結合している炭素原子と一体となって、C3−6シクロアルキル基またはオキソ基を形成していても良く;
およびRはそれぞれ独立に、1個以上のRで置換されていても良く;
は、水素、ハロゲン、C1−10アルキル(カルボニル)0−1、アリールC0−8アルキル、アミノC0−8アルキル、C1−3アシルアミノC0−8アルキル、C1−6アルキルアミノC0−8アルキル、C1−6ジアルキルアミノC0−8アルキル、アリールC0−6アルキルアミノC0−6アルキル、C1−4アルコキシアミノC0−8アルキル、ヒドロキシC1−6アルキルアミノC0−8アルキル、C1−4アルコキシC0−6アルキル、ヒドロキシカルボニルC0−6アルキル、C1−4アルコキシカルボニルC0−6アルキル、ヒドロキシカルボニルC0−6アルキルオキシ、ヒドロキシC1−6アルキルアミノC0−6アルキルまたはヒドロキシC0−6アルキルから選択され;
は、OH、(C1−6)アルコキシ、ハロゲン、COH、CN、O(C=O)C〜Cアルキル、NO、トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ、−O(0−1)(C1−10)パーフルオロアルキルおよびNHから選択される1以上の基で置換されていても良く;
は、ハロゲン、(カルボニル)0−11−10アルキル、(カルボニル)0−12−10アルケニル、(カルボニル)0−12−10アルキニル、(カルボニル)0−1アリールC1−10アルキル、C3−8シクロアルキルC0−10アルキル、(C3−8)複素環C0−10アルキル、C1−4アシルアミノC0−10アルキル、C0−10アルキルアミノC0−10アルキル、ジ−(C1−10アルキル)アミノC0−10アルキル、アリールC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、(アリールC0−10アルキル)アミノC0−10アルキル、C3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、C3−8複素環C0−10アルキルアミノC0−10アルキル、(C3−8シクロアルキルC0−10アルキル)アミノC0−10アルキル、(C3−8複素環C0−10アルキル)アミノC0−10アルキル、C3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノカルボニルアミノ、(C1−10アルキル)アミノカルボニルアミノ、(アリールC1−10アルキル)1−2アミノカルボニルアミノ、C0−10アルキルアミノカルボニルアミノ、C3−8複素環C0−10アルキルアミノカルボニルアミノ、(C1−10アルキル)アミノカルボニルC0−10アルキル、(アリールC1−10アルキル)1−2アミノカルボニルC0−10アルキル、C0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、C3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、C3−8複素環C0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、アリールC0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、(C1−10アルキル)アミノカルボニル、(アリールC1−10アルキル)1−2アミノカルボニル、C1−10アルコキシ(カルボニル)0−10−10アルキル、カルボキシC0−10アルキルアミノ、カルボキシC0−10アルキル、カルボキシアリール、カルボキシC3−8シクロアルキル、カルボキシC3−8複素環、C1−10アルコキシ、C1−10アルキルオキシC0−10アルキルC1−10アルキルカルボニルオキシ、C3−8複素環C0−10アルキルカルボニルオキシ、C3−8シクロアルキルC0−10アルキルカルボニルオキシ、アリールC0−10アルキルカルボニルオキシ、C1−10アルキルカルボニルオキシアミノ、アリールC0−10アルキルカルボニルオキシアミノ、C3−8複素環C0−10アルキルカルボニルオキシアミノ、C3−8シクロアルキルC0−10アルキルカルボニルオキシアミノ、(C1−10アルキル)アミノカルボニルオキシ、(アリールC0−10アルキル)1−2アミノカルボニルオキシ、(C3−8複素環C0−10アルキル)1−2アミノカルボニルオキシ、(C3−8シクロアルキルC0−10アルキル)1−2アミノカルボニルオキシ、ヒドロキシC0−10アルキル、ヒドロキシカルボニルC0−10アルコキシ、ヒドロキシカルボニルC0−10アルキルオキシ、C1−10アルキルチオ、C1−10アルキルスルフィニル、アリールC0−10アルキルスルフィニル、C3−8複素環C0−10アルキルスルフィニル、C3−8シクロアルキルC0−10アルキルスルフィニル、C1−10アルキルスルホニル、アリールC0−10アルキルスルホニル、C3−8複素環C0−10アルキルスルホニル、C3−8シクロアルキルC0−10アルキルスルホニル、C1−10アルキルスルホニルアミノ、アリールC1−10アルキルスルホニルアミノ、C3−8複素環C1−10アルキルスルホニルアミノ、C3−8シクロアルキルC1−10アルキルスルホニルアミノ、シアノ、ニトロ、パーフルオロC1−6アルキルおよびパーフルオロC1−6アルコキシから選択され;
は、少なくとも1個の置換基Rで置換されていても良く;
は、ハロゲン、(カルボニル)0−11−10アルキル、(カルボニル)0−12−10アルケニル、(カルボニル)0−12−10アルキニル、(カルボニル)0−1アリールC0−10アルキル、C3−8シクロアルキルC0−10アルキル、(C3−8)複素環C0−10アルキル、(C3−8)ヘテロシクロアルキルC0−10アルキル、C1−4アシルアミノC0−10アルキル、C0−10アルキルアミノC0−10アルキル、ジ−(C1−10アルキル)アミノC0−10アルキル、アリールC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、(アリールC0−10アルキル)アミノC0−10アルキル、C3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、C3−8複素環C0−10アルキルアミノC0−10アルキル、C3−8ヘテロシクロアルキルC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、C0−10アルキルカルビミドイルC0−10アルキル、(C1−10アルキル)アミノカルボニル、C1−10アルコキシ(カルボニル)0−10−10アルキル、C1−10アルキルオキシC0−10アルキル、(C1−10アルキル)アミノカルボニルオキシ、ヒドロキシカルボニルC0−10アルコキシ、(C1−10アルキル)アミノカルボニルオキシ、(アリールC0−10アルキル)1−2アミノカルボニルオキシ、ヒドロキシC0−10アルキル、C1−10アルキルスルホニル、C1−10アルキルスルホニルアミノ、アリールC1−10アルキルスルホニルアミノ、C3−8複素環C1−10アルキルスルホニルアミノ、C3−8ヘテロシクロアルキルC1−10アルキルスルホニルアミノ、パーフルオロC1−6アルコキシ、C3−8シクロアルキルC1−10アルキルスルホニルアミノ、シアノ、ニトロおよびパーフルオロC1−6アルキルから選択され;
は、OH、NO、(C1−6)アルコキシ、ハロゲン、COH、CN、O(C=O)C〜Cアルキル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシおよび−O(0−1)(C1−10)パーフルオロアルキルから選択される1個以上の基で置換されていても良い。
【0027】
本発明の1実施形態において、Xはフッ素である。
【0028】
別の実施形態において、Xは水素である。
【0029】
さらに別の実施形態において、aは単結合である。
【0030】
本発明の別の実施形態において、aは二重結合である。
【0031】
別の実施形態において、Rは、水素、CF、ヒドロキシルおよび1〜7個のフッ素原子で置換されていても良いC1−3アルキルから選択される。この実施形態の1変形形態では、Rは、水素およびC1−3アルキルから選択される。さらに別の変形形態では、Rはメチルである。
【0032】
本発明の別の非限定的な実施形態では、U、V、WおよびDのうちの少なくとも2つがそれぞれCHである。この実施形態の1変形形態では、U、V、WおよびDのうちの少なくとも3つが、それぞれCHである。さらに別の実施形態では、U、V、WおよびDのそれぞれが、それぞれCHである。
【0033】
本発明の1実施形態においてRは、ハロゲン、(カルボニル)0−11−10アルキル、(カルボニル)0−12−10アルケニル、(カルボニル)0−12−10アルキニル、C1−10アルケニルアミノ、(カルボニル)0−1アリールC0−10アルキル、C3−8シクロアルキルC0−10アルキル、(C3−8)複素環C0−10アルキル、C3−8ヘテロシクロアルキルC0−10アルキル、C1−4アシルアミノC0−10アルキル、C0−10アルキルアミノC0−10アルキル、ジ−(C1−10アルキル)アミノC0−10アルキル、アリールC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、(アリールC0−10アルキル)アミノC0−10アルキル、C3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、C3−8複素環C0−10アルキルアミノC0−10アルキル、C3−8ヘテロシクロアルキルC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、(C3−8シクロアルキルC0−10アルキル)アミノC0−10アルキル、(C3−8複素環C0−10アルキル)アミノC0−10アルキル、(C3−8ヘテロシクロアルキルC0−10アルキル)アミノC0−10アルキル、C3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノカルボニルアミノ、(C1−10アルキル)アミノカルボニルアミノ、(アリールC1−10アルキル)1−2アミノカルボニルアミノ、C0−10アルキルアミノカルボニルアミノ、C3−8複素環C0−10アルキルアミノカルボニルアミノ、C3−8ヘテロシクロアルキルC0−10アルキルアミノカルボニルアミノ、C0−10アルキルカルボニルアミノC0−10アルキル、C3−8シクロアルキルC0−10アルキルカルボニルアミノC0−10アルキル、C3−8複素環C0−10アルキルカルボニルアミノC0−10アルキル、C3−8ヘテロシクロアルキルC0−10アルキルカルボニルアミノC0−10アルキル、(C1−10アルキル)アミノカルボニルC0−10アルキル、(アリールC1−10アルキル)1−2アミノカルボニルC0−10アルキル、C0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、C3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、C3−8複素環C0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、アリールC0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、カルボキシC0−10アルキル、C1−10アルコキシ(カルボニル)0−10−10アルキル、カルボキシC0−10アルキルアミノ、カルボキシC0−10アルキル、カルボキシアリール、カルボキシC3−8シクロアルキル、カルボキシC3−8複素環、C1−10アルコキシ、C1−10アルキルオキシC0−10アルキル、ヒドロキシC0−10アルキル、ヒドロキシカルボニルC0−10アルコキシ、ヒドロキシカルボニルC0−10アルキルオキシ、C1−10アルキルチオ、C1−10アルキルスルホニル、アリールC0−10アルキルスルホニル、C3−8複素環C0−10アルキルスルホニル、C3−8シクロアルキルC0−10アルキルスルホニル、C1−10アルキルカルボニルオキシ、C3−8複素環C0−10アルキルカルボニルオキシ、C3−8シクロアルキルC0−10アルキルカルボニルオキシ、アリールC0−10アルキルカルボニルオキシ、アリールC0−10アルキルカルボニルアミノC0−10アルキル、アミノC0−10アルキルカルビミドイルC0−10アルキルアミノ、C0−10アルキルカルボキシC0−10アルキルアミノ、C1−10アルキル(カルボニル)0−1オキシC0−10アルキルアミノ、C3−8複素環C0−10アルキル(カルボニル)0−1オキシC0−10アルキルアミノ、C3−8ヘテロシクロアルキルC0−10アルキル(カルボニル)0−1オキシC0−10アルキルアミノ、C3−8シクロアルキルC0−10アルキル(カルボニル)0−1オキシC0−10アルキルアミノ、アリールC0−10アルキル(カルボニル)0−1オキシC0−10アルキルアミノ、C1−10アルキルスルホニルアミノ、アリールC1−10アルキルスルホニルアミノ、C3−8複素環C1−10アルキルスルホニルアミノ、C3−8ヘテロシクロアルキルC1−10アルキルスルホニルアミノ、C3−8シクロアルキルC1−10アルキルスルホニルアミノ、シアノ、ニトロ、パーフルオロC1−6アルキルおよびパーフルオロC1−6アルコキシから選択され;Rは、少なくとも1個の置換基Rで置換されていても良い。
【0034】
本発明の1実施形態において、RおよびRはそれぞれ独立に、水素、ハロゲン、C1−8アルキル、アミノC0−6アルキル、C1−6アルキルアミノC0−6アルキル、C1−6アルコキシC0−6アルキル、ヒドロキシカルボニルC0−6アルキル、ヒドロキシカルボニルC1−6アルキルオキシ、ヒドロキシC0−6アルキル、C0−6アルキルカルボニル、C1−6アルキルカルボニルオキシ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルコキシカルボニルアミノ、C1−6アルキルアミノカルボニルアミノから選択され;RおよびRがそれらが結合している炭素原子と一体となって、C3−6シクロアルキル基またはオキソ基を形成していても良く;RおよびRはそれぞれ独立に、1個以上のRで置換されていても良い。
【0035】
本発明の化合物の例としては、
17β−(1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−イルメチル)−4−メチル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン;
17β−(7H−プリン−8−イルメチル)−4−メチル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン;
17β−(1H−ベンズイミダゾール−2−イルメチル)−4−メチル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン;
17β−[(5−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)メチル]−4−メチル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン;
17β−[(5−クロロ−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)メチル]−4−メチル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン;
17β−[(5−メトキシ−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)メチル]−4−メチル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン;
17β−[(6−メチル−7H−プリン−8−イル)メチル]−4−メチル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン;
17β−(1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イルメチル)−4−メチル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン;
17β−[5−フルオロ−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)メチル]−4−メチル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン;
17β−[(4−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)メチル]−4−メチル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン;
17β−[(5−トリフルオロメチル−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)メチル]−4−メチル]−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン;
17β−[(5−メチルカルボキシリル−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)メチル]−4−メチル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン;
17β−[(5−カルボキシリル−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)メチル]−4−メチル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン;
17β−[(6−クロロ−5、7−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−イル)メチル]−4−メチル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン;
17β−[(6−トリフルオロメチル−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−イル)メチル]−4−メチル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン;
17β−[(5−カルボキサミド−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)メチル]−4−メチル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン;
17β−[(5−N,N−ジメチルカルボキサミド−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)メチル]−4−メチル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン;
17β−[(5,7−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−イル)メチル]−4−メチル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン;
17β−[(7−メチル−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−イル)メチル]−4−メチル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン;
17β−[(5−N−メチルカルボキサミド−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)メチル]−4−メチル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン;
17β−[(6−カルボキシリル−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)メチル]−4−メチル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン;
17β−[(6−メチルカルボキシル−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)メチル]−4−メチル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン;
17β−[(6−カルボキサミド−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)メチル]−4−メチル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン;
17β−[(6−N−メチルカルボキサミド−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)メチル]−4−メチル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン;
17β−[(6−N,N−ジメチルカルボキサミド−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)メチル]−4−メチル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン;
17β−[(1−メチル−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−イル)メチル)]−4−メチル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン;
17β−[(3−メチル−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−イル)メチル)]−4−メチル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン;
17β−[(1−エチル−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−イル)メチル)]−4−メチル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン;
17β−[(1−エチル−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−イル)メチル)]−4−メチル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン;
17β−[(3−トリフルオロエチル−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−イル)メチル)]−4−メチル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン;
17β−[(5−メチルカルボキシリル−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)メチル]−4−エチル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン;
17β−[(5−カルボキシリル−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)メチル]−4−エチル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン;
17β−[(5−カルボキサミド−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)メチル]−4−エチル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン;
17β−[(5−N,N−ジメチルカルボキサミド−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)メチル]−4−エチル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン;
20−フルオロ−20−(1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)−4−メチル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン;
17β−[(5−フルオロ−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)メチル]−4−メチル−4−アザ−5α−アンドロスタン−3−オン;
ならびにこれらの製薬上許容される塩および立体異性体があるが、これらに限定されるものではない。
【0036】
本発明の化合物は、不斉中心、キラル軸およびキラル面を有することができ(E. L. Eliel and S. H. Wilen, Stereochemistry of Carbon Compounds, John Wiley & Sons, New York, 1994, pp. 1119-1190に記載のように)、ラセミ体、ラセミ体の混合物および個々のジアステレオマーとして得られる場合があり、光学異性体を含めた全ての可能な異性体およびこれらの混合物は本発明に包含される。
【0037】
さらに、本明細書に開示の化合物は互変異体として存在することができ、一方のみの互変異構造が描かれていても、両方の互変異体とも本発明の範囲に包含されるものである。例えば、下記の化合物Aについて言及している場合は、それが互変異構造Bやそれらの混合物を含み、この逆も成り立つものと理解すべきである。
【0038】
【化4】

という用語は、本発明の4−アザステロイド誘導体の残りの部分を表す。
【0039】
【化5】

【0040】
「アルキル」という用語は、総炭素原子数が1〜10個であるかその範囲内のいずれかの数である直鎖または分岐のアルカンを意味する(すなわち、メチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチルなど)。「Cアルキル」(「C0−8アルキルアリール」で使用される場合)という用語は、アルキル基が存在しないことを指す。
【0041】
「アルケニル」という用語は、総炭素原子数が2〜10個であるかその範囲内のいずれかの数である直鎖または分岐のアルケンを意味する。
【0042】
「アルキニル」という用語は、炭素原子2〜10個を有し、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を有する直鎖、分岐または環状の炭化水素基を指す。炭素−炭素三重結合は3個まで存在していても良い。そこで「C〜Cアルキニル」とは、炭素原子2〜6個を有するアルキニル基を意味する。アルキニル基には、エチニル、プロピニル、ブチニル、3−メチルブチニルなどがある。アルキニル基の直鎖、分岐または環状部分は三重結合を有することができ、置換アルキニル基が指定されている場合は置換されていても良い。
【0043】
本明細書で使用される「シクロアルキル」は、架橋や構造的制限を受けていても受けていなくても良い指定数の炭素原子を有する非芳香族環状炭化水素基を含むものである。このようなシクロアルキルの例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アダマンチル、シクロオクチル、シクルヘプチル、テトラヒドロ−ナフタレン、メチレンシクロヘキシルなどがあるが、これらに限定されるものではない。本明細書で使用される場合、「C〜C10シクロアルキル」の例には、
【0044】
【化6】

などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0045】
「アルコキシ」は、酸素架橋を介して結合した指定数の炭素原子の環状もしくは非環状アルキル基を表す。従って「アルコキシ」は、上記のアルキルおよびシクロアルキルの定義を包含するものである。
【0046】
「パーフルオロアルキル」は、相当する水素が完全にフッ素原子で置換されている10個以下の炭素原子のアルキル鎖を表す。
【0047】
本明細書で使用される場合の「アリール」とは、各環7個以下の原子の安定な単環式もしくは二環式の炭素環であって、少なくとも1個の環が芳香族であるものを意味するものである。このようなアリール要素の例には、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニルまたはビフェニルなどがあるが、これらに限定されるものではない。アリール置換基が二環式であり、1個の環が非芳香族である場合、結合は芳香族環を介したものであることは明らかである。
【0048】
本明細書で使用されるヘテロアリールという用語は、各環7個以下の原子の安定な単環式もしくは二環式環であって、少なくとも1個の環が芳香族であり、O、NおよびSから選択される1〜4個のヘテロ原子を有するものを表す。この定義の範囲に含まれるヘテロアリール基には、アクリジニル、カルバゾリル、シンノリニル、キノキザリニル、ピラゾリル、インドリル、ベンゾトリアゾリル、フラニル、チエニル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、キノリニル、イソキノリニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、インドリル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリル、テトラヒドロキノリンなどがあるが、これらに限定されるものではない。以下の複素環の定義と同様に、「ヘテロアリール」も含窒素ヘテロアリールのN−オキサイド誘導体を含むものと理解される。
【0049】
ヘテロアリール置換基が二環式であり、一つの環が非芳香族であるかヘテロ原子を含まない場合、結合はそれぞれ、芳香族環または含ヘテロ原子環を介したものであることは明らかである。
【0050】
「アルキル」または「アリール」という用語あるいはそれらの接頭部のいずれかが置換基の名前にある場合は必ず(例:アリールC0−8アルキル)、「アルキル」および「アリール」に関してそれらの限定を含むものと解釈すべきである。炭素原子の指定された数(例:C0−8)は独立に、アルキルまたは環状アルキル部分における炭素原子数、あるいはアルキルが接頭部となっているより大きい置換基のアルキル部分を指すものとする。
【0051】
当業者には明らかなように、本明細書で使用される「ハロ」または「ハロゲン」とは、塩素、フッ素、臭素およびヨウ素を含むものである。本明細書で使用される「複素環」または「複素環系」という用語は、O、NおよびSからなる群から選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜10員の芳香族もしくは非芳香族複素環を意味するものであり、二環式の基を含む。従って「複素環系」は、上記のヘテロアリール類、ならびにこれらのジヒドロおよびテトラヒドロ類縁体を含むものである。「複素環系」のさらに別の例には、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾフラザニル、ベンゾピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、カルバゾリル、カルボリニル、シンノリニル、フラニル、イミダゾリル、インドリニル、インドリル、インドラジニル、インダゾリル、イソベンゾフラニル、イソインドリル、イソキノリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ナフトピリジニル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、オキサゾリン、イソオキサゾリン、オキセタニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドピリジニル、ピリダジニル、ピリジニル、ピリミジル、ピロリル、キナゾリニル、キノリル、キノキザリニル、テトラヒドロピラニル、テトラゾリル、テトラゾロピリジル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリル、アゼチジニル、アジリジニル、1,4−ジオキサニル、ヘキサヒドロアゼピニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピロリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ジヒドロベンゾイミダゾリル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチオフェニル、ジヒドロベンゾオキサゾリル、ジヒドロフラニル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソオキサゾリル、ジヒドロイソチアゾリル、ジヒドロオキサジアゾリル、ジヒドロオキサゾリル、ジヒドロピラジニル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロピリミジニル、ジヒドロピロリル、ジヒドロキノリニル、ジヒドロテトラゾリル、ジヒドロチアジアゾリル、ジヒドロチアゾリル、ジヒドロチエニル、ジヒドロトリアゾリル、ジヒドロアゼチジニル、メチレンジオキシベンゾイル、テトラヒドロフラニルおよびテトラヒドロチエニル、ならびにこれらのN−オキサイドなどがあるが、これらに限定されるものではない。複素環置換基の結合は、炭素原子を介したもの、またはヘテロ原子を介したものであることができる。
【0052】
「アリールアルキル」および「アルキルアリール」という用語は、アルキルが上記で定義の通りであるアルキル部分を含み、アリールが上記で定義の通りであるアリール部分を含む。アリールアルキルの例には、ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル、ナフチルメチルおよびナフチルエチルなどがあるが、これらに限定されるものではない。アルキルアリールの例には、トルエン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、メチルピリジン、エチルピリジン、プロピルピリジンおよびブチルピリジンなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0053】
「オキシ」という用語は、酸素(O)原子を意味する。「チオ」という用語は、硫黄(S)原子を意味する。「オキソ」という用語は、「=O」を意味する。「カルボニル」という用語は、「C=O」を意味する。
【0054】
「置換(された)」という用語は、指定の置換基による多重置換を含むものと考えられる。複数の置換基部分が開示または特許請求されている場合、この置換化合物は1以上のその開示または特許請求置換基部分によって1回または複数回、独立に置換されていても良い。独立に置換されたとは、その(2個以上)置換基が同一であっても異なっていても良いことを意味している。
【0055】
いずれかの可変要素(例:R、Rなど)が、いずれかの置換基または式Iに複数個存在する場合、各場合についてのそれの定義は、他のいずれの場合の定義からも独立である。さらに、置換基および/または可変要素の組合せは、そのような組合せによって安定な化合物が得られる場合にのみ許容される。
【0056】
本開示を通じて使用している標準的な命名法下では、指定の側鎖の末端部分を最初に記載し、次に結合点方向に隣接する官能基を記載する。例えばC1−5アルキルカルボニルアミノC1−6アルキル置換基は、下記のものと等価である。
【0057】
【化7】

【0058】
本発明の化合物の選択において当業者であれば、化学構造連結性の公知の原則と一致するように、各種置換基、すなわちR、R、Rなどを選択すべきであることは明らかであろう。
【0059】
置換基から環系に引かれた線は、示された結合が置換可能な環原子のいずれに結合していても良いことを表す。環系が多環である場合、その結合は近位の環のみの上のいずれか好適な炭素に結合しているものとする。
【0060】
当業者が本発明の化合物上の置換基および置換パターンを選択して、化学的に安定であって、容易に入手可能な原料から当業界で公知の技術ならびに下記に記載の方法によって容易に合成可能な化合物を提供できることは明らかである。置換基自体が複数の基で置換されている場合、安定な構造が得られる限りにおいて、これらの複数の基は同一炭素上にあっても異なる炭素上にあっても良いことは明らかである。「1以上の置換基で置換されていても良い」という表現は、「少なくとも1個の置換基で置換されていても良い」という表現と等価であると理解すべきであり、そのような場合、ある実施形態は、0〜3個の置換基を有する。
【0061】
【化8】

は、
【0062】
【化9】

から選択することができる。
【0063】
本発明の1実施形態において、Rは水素、(C0−6アルキル)アミノC0−6アルキルおよびC1−3アルキルから選択され、前記アルキルは1〜7個のフッ素原子で置換されていても良い。この実施形態の1変形形態において、Rは水素、CFおよびC1−3アルキルから選択される。別の変形形態において、Rはメチルである。
【0064】
本発明の1実施形態においてRは、ハロゲン、(カルボニル)0−11−10アルキル、(カルボニル)0−12−10アルケニル、(カルボニル)0−12−10アルキニル、(カルボニル)0−1アリールC1−10アルキル、C3−8シクロアルキルC0−10アルキル、(C3−8)複素環C0−10アルキル、C1−4アシルアミノC0−10アルキル、C0−10アルキルアミノC0−10アルキル、アリールC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、C3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、C3−8複素環C0−10アルキルアミノC0−10アルキル、C0−10アルキルアミノカルボニルアミノ、C3−8複素環C0−10アルキルアミノカルボニルアミノ、C0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、C3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、C3−8複素環C0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、アリールC0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、C1−10アルコキシ(カルボニル)0−10−10アルキル、カルボキシC0−10アルキルアミノ、カルボキシC0−10アルキル、カルボキシアリール、カルボキシC3−8シクロアルキル、カルボキシC3−8複素環、C1−10アルコキシ、C1−10アルキルオキシC0−10アルキル、ヒドロキシC0−10アルキル、ヒドロキシカルボニルC0−10アルコキシ、ヒドロキシカルボニルC0−10アルキルオキシ、(C1−10アルキル)アミノカルボニルC0−10アルキル、(アリールC1−10アルキル)1−2アミノカルボニルC0−10アルキル、C0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、C3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、C3−8複素環C0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、アリールC0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、(C1−10アルキル)アミノカルボニル、(アリールC1−10アルキル)1−2アミノカルボニル、C1−10アルキルチオ、C1−10アルキルスルホニル、アリールC0−10アルキルスルホニル、C3−8複素環C0−10アルキルスルホニル、C3−8シクロアルキルC0−10アルキルスルホニル、C1−10アルキルスルホニルアミノ、アリールC1−10アルキルスルホニルアミノ、C3−8複素環C1−10アルキルスルホニルアミノ、C3−8シクロアルキルC1−10アルキルスルホニルアミノ、シアノ、ニトロ、パーフルオロC1−6アルキルおよびパーフルオロC1−6アルコキシから選択される。Rは、少なくとも1個の置換基Rで置換されていても良い。
【0065】
別の実施形態においてRは、ハロゲン、(カルボニル)0−11−10アルキル、(カルボニル)0−1アリールC1−10アルキル、C3−8シクロアルキルC0−10アルキル、(C3−8)複素環C0−10アルキル、C0−10アルキルアミノC0−10アルキル、アリールC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、C3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、C3−8複素環C0−10アルキルアミノC0−10アルキル、C0−10アルキルアミノカルボニルアミノ、C3−8複素環C0−10アルキルアミノカルボニルアミノ、C0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、C0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、C3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、C3−8複素環C0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、アリールC0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、C1−10アルコキシ(カルボニル)0−10−10アルキル、カルボキシC0−10アルキルアミノ、カルボキシC0−10アルキル、C1−10アルコキシ、C1−10アルキルオキシC0−10アルキル、ヒドロキシC0−10アルキル、ヒドロキシカルボニルC0−10アルコキシ、ヒドロキシカルボニルC0−10アルキルオキシ、C1−10アルキルチオ、C1−10アルキルスルホニル、C1−10アルキルスルホニルアミノ、シアノ、ニトロ、パーフルオロC1−6アルキルおよびパーフルオロC1−6アルコキシから選択される。さらに、Rは少なくとも1個の置換基Rで置換されていても良い。
【0066】
本発明のさらに別の実施形態ではRは、ハロゲン、(カルボニル)0−11−10アルキル、C0−10アルキル、アミノカルボニルC0−10アルキル、C3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、C3−8複素環C0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、アリールC0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、C1−10アルコキシ(カルボニル)0−10−10アルキル、カルボキシC0−10アルキル、C1−10アルコキシ、C1−10アルキルオキシC0−10アルキル、シアノ、ニトロ、パーフルオロC1−6アルキルおよびパーフルオロC1−6アルコキシから選択され;Rは、少なくとも1個の置換基Rで置換されていても良い。
【0067】
1実施形態においてRは、ハロゲン、(カルボニル)0−11−10アルキル、(カルボニル)0−1アリールC0−10アルキル、C3−8シクロアルキルC0−10アルキル、(C3−8)複素環C0−10アルキル、(C3−8)ヘテロシクロアルキルC0−10アルキル、C1−4アシルアミノC0−10アルキル、C0−10アルキルアミノC0−10アルキル、アリールC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、C3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、C3−8複素環C0−10アルキルアミノC0−10アルキル、C3−8ヘテロシクロアルキルC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、C0−10アルキルカルビミドイルC0−10アルキル、C1−10アルコキシ(カルボニル)0−10−10アルキル、C1−10アルキルオキシC0−10アルキル、ヒドロキシC0−10アルキル、C1−10アルキルスルホニル、C1−10アルキルスルホニルアミノ、シアノ、ニトロ、パーフルオロC1−6アルキルおよびパーフルオロC1−6アルコキシから選択され;Rは、OH、(C1−6)アルコキシ、ハロゲン、COH、CN、O(C=O)C〜Cアルキル、NO、トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ、−O(0−1)(C1−10)パーフルオロアルキルおよびNHから選択される1個以上の基で置換されていても良い。
【0068】
本発明の1実施形態において、RおよびRはそれぞれ独立に、水素、ハロゲン、C1−10アルキル(カルボニル)0−1、アリールC0−8アルキル、アミノC0−8アルキル、C1−6アルキルアミノC0−8アルキル、アリールC0−6アルキルアミノC0−6アルキル、C1−4アルコキシアミノC0−8アルキル、ヒドロキシC1−6アルキルアミノC0−8アルキル、C1−4アルコキシC0−6アルキル、ヒドロキシカルボニルC0−6アルキル、C1−4アルコキシカルボニルC0−6アルキル、ヒドロキシC0−6アルキルから選択され;Rは、水素、OH、(C1−6)アルコキシ、ハロゲン、COH、CN、O(C=O)C〜Cアルキル、NO、トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ、−O(0−1)(C1−10)パーフルオロアルキルおよびNHから選択される1以上の基で置換されていても良い。
【0069】
本発明の別の実施形態では、RおよびRはそれぞれ独立に、水素、ハロゲン、C1−10アルキル(カルボニル)0−1、C1−6アルキルアミノC0−8アルキル、C1−4アルコキシアミノC0−8アルキル、C1−4アルコキシC0−6アルキル、ヒドロキシカルボニルC0−6アルキル、C1−4アルコキシカルボニルC0−6アルキル、ヒドロキシC0−6アルキルから選択され;Rは、水素、OH、(C1−6)アルコキシ、ハロゲン、COH、CN、O(C=O)C〜Cアルキル、NO、トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ、−O(0−1)(C1−10)パーフルオロアルキルおよびNHから選択される1以上の基で置換されていても良い。
【0070】
さらに別の実施形態において、RおよびRはそれぞれ独立に、水素、ハロゲン、C1−10アルキル(カルボニル)0−1およびヒドロキシC0−6アルキルから選択され;Rは、水素、OH、(C1−6)アルコキシ、ハロゲン、COH、CN、O(C=O)C〜Cアルキル、NO、トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ、−O(0−1)(C1−10)パーフルオロアルキルおよびNHから選択される1以上の基で置換されていても良い。
【0071】
本発明のさらに別の実施形態では、U、V、WおよびDのうちの二つがそれぞれ窒素であり、残りの二つの置換基環員は炭素である。
【0072】
本発明の実施形態において、
【0073】
【化10】

は、
【0074】
【化11】

から選択される。
【0075】
別の実施形態では、
【0076】
【化12】

は、
【0077】
【化13】

から選択することができる。
【0078】
本発明の化合物は、アンドロゲン受容体の組織選択的調節剤(SARM)であることが認められている。1態様において本発明の化合物は、哺乳動物においてアンドロゲン受容体の機能を活性化する上で、特には骨および/または筋肉組織におけるアンドロゲン受容体の機能を活性化し、男性個体の前立腺または女性個体の子宮においてアンドロゲン受容体の機能を遮断または障害(「拮抗」)する上で有用となり得る。
【0079】
本発明のさらに別の態様は、AR作働薬によって誘発される男性個体の前立腺または女性個体の子宮でのアンドロゲン受容体の機能を減弱または遮断するが、発毛皮膚や声帯では遮断せず、骨および/または筋肉組織でアンドロゲン受容体の機能を活性化するが、血中脂質レベルを制御する臓器(例:肝臓)では活性化しない式Iの化合物の使用である。
【0080】
代表的な本発明の化合物は代表的には、アンドロゲン受容体に対してサブミクロ量の結合親和性を示す。従って、本発明の化合物はアンドロゲン受容体機能に関連する障害を患う哺乳動物を治療する上で有用である。製薬上許容される塩を含む治療上有効量の前記化合物を哺乳動物に投与することで、アンドロゲン欠乏症などのアンドロゲン受容体機能に関連する障害、アンドロゲン置換によって寛解することができる障害、あるいはアンドロゲン置換によって改善することができる障害が治療され、これには低筋緊張の強化、骨粗鬆症、骨減少症、糖質コルチコイド誘発骨粗鬆症、歯周病、骨折(例えば、脊椎骨折および非脊椎骨折)、骨再建術後の骨損傷、サルコぺニア、虚弱、皮膚老化、男性性腺機能低下症、女性における閉経後症状、アテローム性動脈硬化、高コレステロール血症、高脂血症、肥満、再生不良性貧血および他の造血障害、膵臓癌、炎症性関節炎および関節修復、HIV性の消耗、前立腺癌、良性前立腺肥大(BPH)、癌悪液質、アルツハイマー病、筋ジストロフィー、認識衰退、性機能不全、睡眠時無呼吸、抑鬱、早発閉経および自己免疫疾患がある。治療は、そのような治療を必要とする哺乳動物に対して、治療上有効量の構造式Iの化合物を投与することで行う。さらに、これらの化合物は、単独であるいは他の活性薬剤との併用で医薬組成物中の成分として有用である。
【0081】
1実施形態において、本発明の化合物を、単独であるいは他の活性薬剤との併用で用いて、骨粗鬆症、骨減少症、糖質コルチコイド誘発骨粗鬆症、歯周病、HIV性の消耗、前立腺癌、癌悪液質、肥満、関節炎状態、例えば再生不良性貧血などの貧血、筋ジストロフィーおよびアルツハイマー病、認識衰退、性機能不全、睡眠時無呼吸、抑鬱、良性前立腺肥大(BPH)、腹部肥満、メタボリック症候群、II型糖尿病およびアテローム性動脈硬化など(これらに限定されるものではない)のアンドロゲン欠乏が原因であるか、あるいはアンドロゲン置換によって改善可能な男性個体での状態を治療することができる。治療は、そのような治療を必要とする男性個体に対して、治療上有効量の構造式Iの化合物を投与することによって行う。
【0082】
「関節炎状態」とは、炎症性病変が関節に限定されている疾患または関節の炎症状態を指し、最も顕著には骨関節炎および関節リウマチ(Academic Press Dictionary of Science Technology; Academic Press; 1st edition, January 15, 1992)である。式Iの化合物は、単独または併用で、ベーチェット病;滑液包炎および腱炎;CPPD沈着症;手根管症候群;エーラー・ダンロス症候群;線維筋痛;痛風;感染性関節炎;炎症性腸疾患;若年性関節炎;紅斑性狼瘡;ライム病;マルファン症候群;筋肉炎;変形関節炎;骨形成不全症;骨壊死;多発性動脈炎;リウマチ性多発筋痛;乾癬性関節炎;レイノルズ現象;反射性交感神経性ジストロフィー症候群;ライター症候群;関節リウマチ;強皮症;およびシェーグレン症候群などの関節炎状態の治療または予防にも有用である。本発明の1実施形態は、関節炎状態の治療または予防であって、治療上有効量の式Iの化合物を投与する段階を有するものを包含する。1下位実施形態は、骨関節炎の治療または予防であって、治療上有効量の式Iの化合物を投与する段階を有するものである(Cutolo M, Seriolo B, Villaggio B, Pizzorni C, Craviotto C, Sulli A. Ann. N. Y. Acad. Sci. 2002 Jun; 966: 131-42; Cutolo, M. Rheum Dis Clin North Am 2000 Nov; 26 (4): 881-95; Bijlsma JW, Van den Brink HR. Am J Reprod Immunol 1992 Oct-Dec; 28 (3-4): 231-4; Jansson L, Holmdahl R.; Arthritis Rheum 2001 Sep; 44 (9): 2168-75;およびPurdie DW. Br Med Bull 2000; 56 (3): 809-23参照、Merck Manual, 17th edition, pp. 449-451も参照)。
【0083】
関節炎状態の治療に併用で用いる場合、式Iの化合物は、併用療法に有用であると本明細書で開示のいずれかの薬剤とともに用いることができるか、あるいはコルチコステロイド類、細胞傷害剤(または他の疾患修正または寛解誘発剤)、金治療、メトトレキセート、NSAID類およびCOX−2阻害薬などの関節炎状態を治療または予防することが知られている薬剤とともに用いることができる。
【0084】
別の実施形態では、本発明の化合物を、単独であるいは他の活性薬剤との併用で用いて、骨粗鬆症、骨減少症、皮膚老化、糖質コルチコイド誘発骨粗鬆症、閉経後症状、歯周病、HIV性の消耗、癌悪液質、肥満、例えば再生不良性貧血などの貧血、筋ジストロフィー、アルツハイマー病、早期閉経、認識衰退、性機能不全、抑鬱、炎症性関節炎および関節修復、アテローム性動脈硬化および自己免疫疾患など(これらに限定されるものではない)のアンドロゲン欠乏が原因であるか、あるいはアンドロゲン置換によって改善可能な女性個体での状態を治療することができる。治療は、そのような治療を必要とする女性個体に対して、治療上有効量の構造式Iの化合物を投与することによって行う。
【0085】
式Iの化合物は、例えばヒトなどの哺乳動物での筋緊張の強化においても有用となり得る。構造式Iの化合物は、前立腺癌の治療において従来のアンドロゲン枯渇療法への補助剤として用いて、骨を回復し、骨損失を低減し、骨塩量を維持することもできる。このようにして、この化合物を、文献(P. Limonta, et al., ″LHRH analogues as anticancer agents: pituitary and extrapituitary sites of action,″Exp. Opin. Invest. Drug, 10: 709-720 (2001); H. J. Stricker, ″Luteinizing hormone-releasing hormone antagonists,″ Urology, 58 (Suppl. 2A) : 24-27 (2001); R. P. Millar, et al.,″Progress towards the development of non- peptide orally-active GnRH antagonists,″British Medical Bulletin, 56: 761-772 (2000) ; and A. V. Schally et al.,″Rational use of agonists and antagonists of LH-RH in the treatment of hormone-sensitive neoplasms and gynecologic conditions,″ Advanced Drug Delivery Reviews, 28: 157-169 (1997))に開示のものなどのGnRH作働薬/拮抗薬のような従来のアンドロゲン欠乏療法とともに用いることができる。構造式Iの化合物は、前立腺癌の治療においてフルタミド、2−ヒドロキシフルタミド(フルタミドの活性代謝物)、ニルタミドおよびビカルタミド(カソデックス(商標名))などの抗アンドロゲン薬と併用することができる。
【0086】
さらに、本発明の化合物は、アンドロゲン拮抗薬のゆえに、あるいはフルタミド、2−ヒドロキシフルタミド(フルタミドの活性代謝物)、ニルタミドおよびビカルタミド(カソデックス(商標名))などの抗アンドロゲン薬に対する補助剤として、膵臓癌の治療に用いることもできる。
【0087】
「癌の治療」または「癌治療」という用語は、癌状態に冒された哺乳動物への投与を指し、癌細胞を殺すことによって癌状態を軽減する効果を指すが、癌の増殖および/または転移の阻害を生じる効果も指す。
【0088】
構造式Iの化合物は、脂質代謝に対する悪影響を低減することができる。従って、それの組織選択的アンドロゲン作働薬特性を考慮すると、本発明の化合物は、性機能不全(アンドロゲン欠乏)男性個体でのホルモン置換療法における既存の手法に勝る長所を示す。
【0089】
さらに本発明の化合物は、赤血球および血小板などの血球数を増やすことができ、再生不良性貧血などの造血障害の治療に用いることができる。
【0090】
本発明の1実施形態では、治療上有効量の式Iの化合物を哺乳動物に投与して、低筋緊張の強化、骨粗鬆症、骨減少症、糖質コルチコイド誘発骨粗鬆症、歯周病、骨折、骨再建術後の骨損傷、サルコぺニア、虚弱、皮膚老化、男性性腺機能低下症、女性における閉経後症状、アテローム性動脈硬化、高コレステロール血症、高脂血症、肥満、再生不良性貧血および他の造血障害、膵臓癌、炎症性関節炎および関節修復、HIV性の消耗、前立腺癌、良性前立腺肥大(BPH)、癌悪液質、アルツハイマー病、筋ジストロフィー、認識衰退、性機能不全、睡眠時無呼吸、抑鬱、早発閉経および自己免疫疾患から選択される障害を治療または改善する。
【0091】
別の実施形態では、治療上有効量の前記化合物を用いて、低筋緊張の強化、骨粗鬆症、骨減少症、糖質コルチコイド誘発骨粗鬆症、歯周病、骨折、骨再建術後の骨損傷、サルコぺニア、アルツハイマー病および虚弱から選択される障害を治療または改善することができる。
【0092】
別の実施形態では、本発明による化合物を用いて、男性性腺機能低下症、女性における閉経後症状、アテローム性動脈硬化、高コレステロール血症、高脂血症、肥満、再生不良性貧血および他の造血障害、膵臓癌、炎症性関節炎および関節修復、HIV性の消耗、前立腺癌、良性前立腺肥大(BPH)、癌悪液質、筋ジストロフィー、認識衰退、性機能不全、睡眠時無呼吸、抑鬱、早発閉経および自己免疫疾患などの障害を治療または改善することができる。
【0093】
本発明の化合物は、エナンチオマー的に純粋な形態で投与することができる。ラセミ体の混合物は、多くの従来法のいずれかによって、個々のエナンチオマーに分離することができる。それには、キラルクロマトグラフィー、キラル補助部分による誘導体化とそれに続くクロマトグラフィーもしくは結晶化による分離、さらにはジアステレオマー塩の分別結晶などがある。
【0094】
本明細書で使用される場合、アンドロゲン受容体の「作働薬」として機能する本発明の化合物は、アンドロゲン受容体に結合し、その受容体の生理的または薬理的応答特性を開始することができる。「組織選択的アンドロゲン受容体調節剤」という用語は、一部の組織では天然リガンドの作用を模倣するが他の組織では模倣しないアンドロゲン受容体リガンドを指す。「部分作働薬」は、投与される化合物の量に拘わらず、受容体群の最大活性化を誘発することはできない作働薬である。「完全作働薬」は、所定濃度でアンドロゲン受容体群の完全活性化を誘発する。アンドロゲン受容体の「拮抗薬」として機能する本発明の化合物は、アンドロゲン受容体に結合し、天然のアンドロゲン受容体リガンドによって通常誘発されるアンドロゲン関連応答を遮断もしくは阻害することができる。
【0095】
「製薬上許容される塩」という用語は、無機もしくは有機塩基および無機もしくは有機酸などの製薬上許容される無毒性の塩基もしくは酸から製造される塩を指す。無機塩基から誘導される塩の例には、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、第2マンガン塩、第一マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛などの塩があるが、これらに限定されるものではない。本発明の1変形形態では、その塩は、アンモニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウムおよびナトリウム塩から選択される。製薬上許容される有機無毒性塩基から誘導される塩の例には、1級、2級および3級アミン類、天然置換アミンなどの置換アミン類、環状アミン類および塩基性イオン交換樹脂などの塩があり、例えばアルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N′−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチル−モルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン類、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどの塩があるが、これらに限定されるものではない。
【0096】
本発明の化合物が塩基性である場合、塩は無機および有機酸などの製薬上許容される無毒性酸から製造することができる。用いることができる代表的な酸には、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、マロン酸、ムコ酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、プロピオン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸などがある。1変形形態では、その酸は、クエン酸、フマル酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸および酒石酸から選択される。
【0097】
上記の製薬上許容される塩および他の代表的な製薬上許容される塩の製造は、ベルグらの報告(Berg et al.,″Pharmaceutical Salts, ″ J. Pharm. Sci., 1977: 66: 1-19)に、より詳細に記載されている。
【0098】
生理条件下では、カルボキシル基などの化合物中の脱プロトン酸性部分がアニオンとなっている可能性があり、その電荷が4級窒素原子などのプロトン化もしくはアルキル化された塩基性部分のカチオン電荷で分子内で均衡を取ることが考えられることから、本発明の化合物が、分子内塩または両性イオンである可能性のあることも留意すべき点であると考えられる。
【0099】
「治療上有効量」という用語は、研究者、獣医、医師その他の臨床関係者が追求する組織、系、動物またはヒトでの生理的または医学的応答を誘発する構造式Iの化合物の量を意味する。
【0100】
本明細書で使用する場合、「組成物」という用語は、所定量で所定の成分を含むもの、ならびに直接または間接に、所定量での所定の成分の組み合わせによって得られるものを包含するものである。
【0101】
「製薬上許容される」とは、担体、希釈剤または賦形剤が製剤の他の成分と適合性であって、被投与者に対して無害であるべきであることを意味する。
【0102】
「化合物の投与」または「化合物を投与する」という用語は、処置を必要とする個体に対して、本発明の化合物または本発明の化合物のプロドラッグを提供することを意味するものと理解すべきである。
【0103】
組織選択的にアンドロゲン受容体が介在する機能を調節する」という用語は、前立腺、睾丸、精嚢、卵巣、子宮および他の生殖補助組織などのアンドロゲン性(生殖)組織でのそのような調節がない状態で、同化(骨および/または筋肉)組織(骨および筋肉)において選択的に(または差別的に)アンドロゲン受容体が介在する機能を調節することを意味する。1実施形態において、同化組織でのアンドロゲン受容体の機能は活性化されるが、アンドロゲン組織でのアンドロゲン受容体の機能は遮断または抑制される。別の実施形態において、同化組織でのアンドロゲン受容体の機能は遮断または抑制されるが、アンドロゲン組織でのアンドロゲン受容体の機能は活性化される。
【0104】
本発明の治療方法を実施するための構造式Iの化合物の投与は、処置または予防を必要とする患者に対して有効量の構造式Iの化合物を投与することで行われる。本発明の方法による予防投与の必要性は、既知の危険因子に基づいて決定される。個々の化合物の有効量は、最終分析で患者を担当する医師が決定するが、治療対象となる詳細な疾患、その疾患ならびに患者が患う他の疾患もしくは状態の重度、選択される投与経路、患者が同時に必要とし得る他の薬剤および治療、ならびに医師の判断による他の要素などの要素によって決まる。
【0105】
固定用量で製剤される場合、そのような組み合わせ剤では、下記の用量範囲内の本発明の化合物と承認された用量範囲内の他の医薬活性剤を用いる。あるいは、組み合わせ製剤が不適切である場合には、本発明の化合物を公知の製薬上許容される薬剤と順次投与で用いることができる。
【0106】
概して、構造式Iの化合物の1日用量は、成人1日当たり約0.01〜約1000mgの広い範囲にわたって変動し得る。最も好ましくは、用量は約0.1〜約200mg/日の範囲である。経口投与の場合、組成物は好ましくは、有効成分約0.01〜約1000mg、例えば0.01mg、0.05mg、0.1mg、0.5mg、1.0mg、2.5mg、3.0mg、5.0mg、6.0mg、10.0mg、15.0mg、25.0mg、50.0mg、75mg、100mg、125mg、150mg、175mg、180mg、200mg、225mgおよび500mgを含む錠剤の形態で提供して、治療を受ける哺乳動物に対して症状に応じた用量調節を行うことができる。
【0107】
前記用量を単回一日用量で投与することができるか、あるいは総1日用量を1日2回、3回または4回の分割用量で投与することができる。さらに、投与に選択される個々の化合物の特性に基づいて、その用量をそれより低い頻度で、例えば1週間に1回、2週間に1回、1ヶ月に1回などで投与することができる。当然のことながら、前記低頻度での投与の場合には、単位用量はそれに応じて高くなり得る。
【0108】
経鼻経路、経皮経路、直腸もしくは膣坐剤または静脈液剤によって投与する場合、当然のことながら用量投与は投与法を通じて間歇的ではなく連続的に行うことになる。
【0109】
本発明の例として、上記のいずれかの化合物および製薬上許容される担体を含む医薬組成物がある。本発明の別の例として、上記のいずれかの化合物と製薬上許容される担体を組み合わせることで製造される医薬組成物がある。本発明の例として、上記のいずれかの化合物と製薬上許容される担体を組み合わせる段階を有する医薬組成物の製造方法がある。
【0110】
医学的用途用に本発明で用いられる組織選択的アンドロゲン受容体調節剤の製剤は、許容される担体と適宜に他の治療有効成分とともに構造式Iの化合物を含む。その担体は、製剤の他の成分と適合性であって、この製剤の被投与者に対して無害であるという意味において製薬上許容されるものでなければならない。
【0111】
従って本発明は、製薬上許容される担体とともに構造式Iの化合物を含む医薬組成物をも提供する。
【0112】
この製剤には、経口、直腸、経膣、局所および非経口(皮下、筋肉および静脈投与など)に好適なものなどがある。1実施形態において、製剤は経口投与に適したものである。
【0113】
式Iの化合物の好適な局所製剤には、経皮機器、エアロゾル、クリーム、液剤、軟膏、ゲル、ローション、粉剤などがある。本発明の化合物を含む局所医薬組成物は通常、製薬上許容される媒体との混合で、約0.005重量%〜約5重量%の活性化合物を含む。本発明の化合物を投与する上で有用な経皮皮膚貼付剤には、当業者に公知のものなどがある。経皮投与系の形態で投与するには、当然のことながら、用量投与は投与法を通じて連続的であって、間歇的ではない。
【0114】
前記製剤は、単位製剤で提供することができ、製薬業界で公知のいずれかの方法によって製造することができる。いずれの方法も、1以上の成分を構成する担体と活性化合物を組み合わせる段階を有する。通常において製剤は、液体担体、ロウ状固体担体または微粉砕固体担体と活性化合物を均一かつ十分に組み合わせ、次に必要に応じて生成物を所望の製剤に成形することで製造される。
【0115】
経口投与に好適な本発明の製剤は、それぞれが所定量の活性化合物を含むカプセル、カシェ剤、錠剤またはロゼンジ剤などの個別の単位として;粉剤または粒剤として;シロップ、エリキシル剤もしくは乳濁液などの水系液体もしくは非水系液体中での懸濁液または液剤として提供することができる。
【0116】
錠剤は、場合によって1以上の補助成分とともに圧縮または成形することで製造することができる。圧縮錠は、適宜に例えば結合剤、潤滑剤、不活性希釈剤、崩壊剤または着色剤などの補助成分と混合して、粉剤または粒剤などの自由流動型の活性化合物を好適な機械で加圧することで製造することができる。成形錠は、好ましくは粉末形態での活性化合物と好適な担体との混合物を好適な機械で成形することで製造することができる。好適な結合剤には、デンプン、ゼラチン、グルコースもしくはβ−乳糖などの天然糖類、トウモロコシ甘味剤、アカシア、トラガカントもしくはアルギン酸ナトリウムなどの天然および合成ガム類、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ロウ類などがあるが、これらに限定されるものではない。これらの製剤で使用される代表的な潤滑剤には、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどがあるが、これらに限定されるものではない。崩壊剤には、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガムなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0117】
トラガカント、アカシア、メチルセルロースなどの合成および天然ガム類のような好適に香味を施した懸濁剤および分散剤中でのシロップまたは懸濁液などの経口液体製剤は、その溶液または懸濁液に活性化合物を加えることで製造することができる。使用可能な別の分散剤には、グリセリンなどがある。
【0118】
膣投与または直腸投与用の製剤は、従来の担体、すなわち粘膜に対して無毒性で無刺激性であり、構造式Iの化合物と適合性であり、貯蔵安定性があり、構造式Iの化合物と結合したりそれの放出を妨害しない基剤とともに坐剤として提供することができる。好適な基剤には、カカオバター(カカオ脂)、ポリエチレングリコール類(カルボワックスおよびポリグリコール類など)、グリコール−界面活性剤の組み合わせ、ステアリン酸ポリオキシル(polyoxyl)40、ポリオキシエチレンソルビタン・脂肪酸エステル類(Tween、MyrjおよびArlacelなど)、グリセリンゼラチンおよび水素化植物油などがある。グリセリンゼラチン坐剤を用いる場合、メチルパラベンまたはプロピルパラベンなどの保存剤を用いることができる。
【0119】
活性薬剤成分を含む局所製剤は、アルコール類、アロエベラゲル、アラントイン、グリセリン、ビタミンAおよびEオイル類、鉱油、プロピオン酸PPG2ミリスチルなどの当業界で公知の各種担体材料と混合して、アルコール液剤、局所洗浄剤、クレンジングクリーム、スキンゲル類、スキンローション類およびクリーム製剤もしくはゲル製剤のシャンプーを形成することができる。
【0120】
本発明の化合物は、小単ラメラ小胞、大単ラメラ小胞および多ラメラ小胞などのリポソーム投与系の形態で投与することもできる。リポソームは、コレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリン類などの各種リン脂質から形成することができる。
【0121】
本発明の化合物は、化合物分子が結合した個々の担体としてのモノクローナル抗体を用いて投与することもできる。本発明の化合物は、ターゲティング能を有する薬剤担体としての可溶性ポリマーと結合させることもできる。このようなポリマーには、ポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミド−フェノール、ポリヒドロキシ−エチルアスパルタミド−フェノールまたはパルミトイル残基で置換されたポリエチレンオキサイド−ポリリジンなどがあり得る。さらに本発明の化合物は、例えばポリ乳酸、ポリε−カプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル類、ポリアセタール類、ポリジヒドロピラン類、ポリシアノアクリレート類およびヒドロゲルの架橋もしくは両親媒性ブロックコポリマーなどの、薬剤徐放を行う上で有用な種類の生物分解性ポリマーに結合させることができる。
【0122】
非経口投与に好適な製剤には、好ましくは被投与者の血液と等張性であっても良い活性化合物の無菌水系製剤を含む製剤などがある。このような製剤は好適には、被投与者の血液と等張性である化合物の溶液または懸濁液を含む。そのような製剤は、蒸留水、5%デキストロースの蒸留水もしくは生理食塩水溶液および活性化合物を含むことができる。多くの場合、使用される溶媒について適切な溶解度を有する活性化合物の製薬上および薬理上許容される酸付加塩を用いることが有用である。有用な製剤は、適切な溶媒で希釈すると非経口投与に好適な溶液を与える活性化合物を含む濃縮溶液または固体をも含む。
【0123】
本発明の化合物は、例えばポリ乳酸、ポリε−カプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル類、ポリアセタール類、ポリジヒドロピラン類、ポリシアノアクリレート類およびヒドロゲルの架橋もしくは両親媒性ブロックコポリマーなどの、薬剤徐放を行う上で有用な種類の生物分解性ポリマーに結合させることができる。
【0124】
本発明の医薬組成物および方法はさらに、骨粗鬆症、歯周病、骨折、骨再建術後の骨損傷、サルコペニア、脆弱、皮膚老化、男性性機能不全、女性における閉経後症状、アテローム性動脈硬化、高コレステロール血症、高脂血症、例えば再生不良貧血などの造血障害、膵臓癌、アルツハイマー病、炎症性関節炎および関節修復などの上記状態の治療および予防において通常用いられる他の治療活性化合物を含むことができる。
【0125】
骨粗鬆症の治療および予防において本発明の化合物は、吸収阻害剤、骨同化剤ならびにカルシウム補給剤、フラボノイド類およびビタミンD類縁体などの詳細には明らかになっていない機序によって骨格に有用な他の薬剤から選択される骨強化剤と併用して投与することができる。歯周病、骨折および骨再建術後の骨損傷の状態も、これらの併用療法が有効となり得る。例えば本発明の化合物は、エストロゲン類、ビスホスホン酸化合物、SERM類、カテプシンK阻害剤、αvβ3インテグリン受容体拮抗薬、空胞ATPase阻害剤、ポリペプチドオステオプロテゲリン、VEGFの拮抗薬、チアゾリジンジオン類、カルシトニン、タンパク質キナーゼ阻害薬、副甲状腺ホルモン(PTH)および類縁体、カルシウム受容体拮抗薬、成長ホルモン分泌促進剤、成長ホルモン放出ホルモン、インシュリン様成長因子、骨形態発生タンパク質(BMP)、BMP拮抗作用の阻害薬、プロスタグランジン誘導体、線維芽細胞成長因子、ビタミンDおよびそれの誘導体、ビタミンKおよびそれの誘導体、大豆イソフラボン類、カルシウム塩ならびにフッ化物塩などの有効量の他薬剤と併用して効果的に投与することができる。歯周病、骨折、骨再建術後の骨損傷の状態も、これらの併用治療が有効となり得る。
【0126】
本発明の1実施形態においては、本発明の化合物を、単独またはプロゲスチンもしくはプロゲスチン誘導体との併用でのエストロゲンおよびエストロゲン誘導体;ビスホスホン酸化合物;抗エストロゲンもしくは選択的エストロゲン受容体調節剤;αvβ3インテグリン受容体拮抗薬;カテプシンK阻害薬;破骨細胞空胞ATPase阻害剤;カルシトニン;およびオステオプロテゲリンから選択される少なくとも1種類の有効量の骨強化剤と併用して効果的に投与することができる。
【0127】
骨粗鬆症の治療において、本発明の化合物の活性は吸収阻害薬であるエストロゲン類、ビスホスホン酸化合物、SERM類、カルシトニン、カテプシンK阻害薬、空胞ATPase阻害薬、RANK/RANKL/オステオプロテゲリン経路を妨害する薬剤、p38阻害薬または破骨細胞形成や破骨細胞活性化の他の阻害薬の活性とは異なっている。構造式Iの化合物は、骨吸収を阻害するのではなく、例えば骨強度の重要な部分を担当する皮質骨に対して作用して、骨形成を刺激する上で役立つ。皮質骨の肥厚は、骨折の危険性、特に臀部骨折の危険性を低下させる上での寄与がかなり大きい。骨同化作用および抗骨吸収作用の補完効果があることから、構造式Iの組織選択的アンドロゲン受容体調節剤とエストロゲン、ビスホスホン酸化合物、抗エストロゲン剤、SERM類、カルシトニン、αvβ3インテグリン受容体拮抗薬、HMG−CoAレダクターゼ阻害薬、空胞ATPase阻害薬、およびカテプシンK阻害薬などの吸収阻害薬との併用が特に有用である。
【0128】
骨抗吸収剤とは、骨吸収を阻害することが当業界で公知である薬剤であり、例えばエストロゲンならびに17β−エストラジオール、エストロン、接合エストロゲン(PREMARIN(登録商標)、ウマエストロゲン、17β−エチニルエストラジオールなどのエストロゲン様活性を有するステロイド系化合物などのエストロゲン誘導体などがある。エストロゲンまたはエストロゲン誘導体は、単独で用いることができるか、あるいはプロゲスチンまたはプロゲスチン誘導体と併用することができる。プロゲスチン誘導体の例には、ノルエチンドロンおよびメドロキシプロゲステロン酢酸などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0129】
ビスホスホン酸化合物は、抗骨吸収剤でもある。本発明の構造式Iの化合物と併用することもできるビスホスホン酸化合物には、
(a)アレンドロン酸類(アレンドロン酸、4−アミノ−1−ヒドロキシブチリデン−1,1−ビスホスホン酸、アレンドロン酸ナトリウム、アレンドロン酸モノナトリウム・3水和物または4−アミノ−1−ヒドロキシブチリデン−1,1−ビスホスホン酸モノナトリウム・3水和物としても知られる。アレンドロン酸類については、1990年5月1日発行のキーツィコウスキー(Kieczykowski)らに対する米国特許第4922007号;1991年5月28日発行のキーツィコウスキーらに対する米国特許第5019651号;1996年4月23日発行のダウアー(Dauer)らに対する5510517号;1997年7月15日発行のダウアー(Dauer)らに対する5648491号(いずれも、参照によってこの全内容が本明細書に組み込まれるものとする));
(b)1990年11月13日発行のイソムラ(Isomura)らに対する米国特許第4970335号(参照によってこの全内容が本明細書に組み込まれるものとする)に記載の[(シクロヘプチルアミノ)−メチレン]−ビス−ホスホネート(インカドロン酸塩);
(c)ベルギー特許第672205号(1966)およびJ. Org. Chem. 32, 4111 (1967)(いずれも、参照によってこの全内容が本明細書に組み込まれるものとする)に記載の(ジクロロメチレン)−ビス−ホスホン酸(クロドロン酸)および2ナトリウム塩(クロドロン酸塩);
(d)[1−ヒドロキシ−3−(1−ピロリジニル)−プロピリデン]−ビス−ホスホン酸塩(EB−1053);
(e)(1−ヒドロキシエチリデン)−ビス−ホスホン酸塩(エチドロン酸塩);
(f)1990年5月22日発行の米国特許第4927814号(参照によってこの全内容が本明細書に組み込まれるものとする)に記載の[1−ヒドロキシ−3−(メチルペンチルアミノ)プロピリデン]−ビス−ホスホン酸塩(イバンドロン酸塩);
(g)(6−アミノ−1−ヒドロキシヘキシリデン)−ビス−ホスホン酸塩(ネリドロン酸塩(neridronate));
(h)[3−(ジメチルアミノ)−1−ヒドロキシプロピリデン]−ビス−ホスホン酸塩(オルパドロン酸塩(olpadronate));
(i)(3−アミノ−1−ヒドロキシプロピリデン)−ビス−ホスホン酸塩(パミドロン酸塩);
(j)米国特許第4761406号(参照によってその全内容が本明細書に組み込まれるものとする)に記載の[2−(2−ピリジニル)エチリデン]−ビス−ホスホン酸塩(ピリドロン酸塩(piridronate));
(k)[1−ヒドロキシ−2−(3−ピリジニル)−エチリデン]−ビス−ホスホン酸塩(リセドロン酸塩);
(l)1989年10月24日付けのブレリー(Breliere)らに対する米国特許第4876248号(参照によってこの全内容が本明細書に組み込まれるものとする)に記載の{[(4−クロロフェニル)チオ]メチレン}−ビス−ホスホン酸塩(チルドロン酸塩);
(m)[1−ヒドロキシ−2−(1H−イミダゾール−1−イル)エチリデン]−ビス−ホスホン酸塩(ゾレドロン酸塩);および
(n)[1−ヒドロキシ−2−イミダゾピリジン−(1,2−a)−3−イルエチリデン]−ビス−ホスホン酸塩(ミノドロン酸塩)
などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0130】
本発明の方法および組成物の1実施形態において、ビスホスホネートは、アレンドロン酸塩、クロドロン酸塩、エチドロン酸塩、イバンドロン酸塩、インカドロン酸塩、ミノドロン酸塩、ネリドロン酸塩、オルパドロン酸塩、パミドロン酸塩、ピリドロン酸塩、リセドロン酸塩、チルドロン酸塩、ゾレドロン酸塩、それらビスホスホネートの製薬上許容される塩およびそれらの混合物から選択される。1変形形態では、ビスホスホネートは、アレンドロン酸塩、リセドロン酸塩、ゾレドロン酸塩、イバンドロン酸塩、チルドロン酸塩およびクロドロン酸塩から選択される。その群の1小群では、ビスホスホネートは、アレンドロン酸塩、それの製薬上許容される塩および水和物、およびこれらの混合物である。アレンドロン酸塩の特に製薬上許容される塩は、アレンドロン酸モノナトリウム塩である。アレンドロン酸モノナトリウム塩の製薬上許容される水和物には、1水和物および3水和物などがある。リセドロン酸塩の特に製薬上許容される塩は、リセドロン酸モノナトリウムである。リセドロン酸モノナトリウムの製薬上許容される水和物には、ヘミペンタ水和物などがある。
【0131】
さらに、ラロキシフェン(例えば、米国特許第5393763号参照)、クロミフェン、ズクロミフェン(zuclomiphene)、エンクロミフェン(enclomiphene)、ナフォキシジン、CI−680、CI−628、CN−55945−27、Mer−25、U−11555A、U−100Aおよびそれらの塩などの抗エストロゲン化合物(例えば米国特許第4729999号および4894373号参照)を、本発明の方法および組成物において構造式Iの化合物と併用することができる。これらの薬剤は、エストロゲンの経路と類似していると考えられている経路を介して骨吸収を阻害すること骨損失を防止することが当業界で知られている薬剤であるSERM類すなわち選択的エストロゲン受容体調節剤としても知られている。
【0132】
SERMは、式Iの化合物と有効に併用して、骨粗鬆症などの骨障害を治療することができる。そのような薬剤には例えば、タモキシフェン、ラロキシフェン(raloxifene)、ラソフォキシフェン(lasofoxifene)、トレミフェン(toremifene)、アゾルキシフェン(azorxifene)、EM−800、EM−652、TSE424、クロミフェン、ドロロキシフェン(droloxifene)、イドキシフェン(idoxifene)およびレボルメロキシフェン(levormeloxifene)などがある[Goldstein, et al., ″A pharmacological review of selective oestrogen receptor modulators.″ Human Reproduction Update, 6: 212-224, 2000, and Lufkin, et al., ″The role of selective estrogen receptor modulators in the prevention and treatment of osteoporosis.″ Rheumatic Disease Clinics of North America. 27: 163-185 (2001)]SERM類については、他の文献にも記載されている(″Targeting the Estrogen Receptor with SERMs,″ Ann. Rep. Med. Chem., 36: 149-158 (2001))。
【0133】
αvβ3インテグリン受容体拮抗薬は骨吸収を抑制し、骨粗鬆症などの骨障害の治療において構造式Iの組織選択的アンドロゲン受容体調節剤と併用することができる。αvβ3インテグリン受容体のペプチド系ならびにペプチド作用性拮抗薬が、科学文献および特許文献の両方に記載されている。例えば、ヘクストラらの報告(W. J. Hoekstra and B. L. Poulter, Curr. Med. Chem. 5: 195-204,1998);WO95/32710;WO95/37655;WO97/01540;WO97/37655;WO98/08840;WO98/18460;WO98/18461;WO98/25892;WO98/31359;WO98/30542;WO99/15506;WO99/15507;WO00/03973;EP853084;EP854140;EP854145;米国特許第5204350号;同5217994号;同5639754号;同5741796号;同5780426号;同5929120号;同5952341号;同6017925号;および同6048861号ならびにそれらに引用されている参考文献を参照する。
【0134】
αvβ3インテグリン受容体拮抗薬がin vitroおよびin vivoで骨吸収を防止する能力を有することを示す証拠が示されている(V. W. Engleman, et al.,″A Peptidomimetic Antagonist of the αvβ3 Integrin Inhibits Bone Resorption In Vitro and Prevents Osteoporosis In Vivo,″ J. Clin. Invest. 99: 2284-2292 (1997); S. B. Rodan, et al., ″A High Affinity Non-Peptide αvβ3 Ligand Inhibits Osteoclast Activity In Vitro and In Vivo,″ J. Bone Miner. Res. 11: S289 (1996); J. F. Gourvest, et al., ″Prevention of OVX-Induced Bone Loss With a Non- peptidic Ligand of the αvβ3 Vitronectin Receptor,″ Bone 23: S612, (1998); M. W. Lark, et al., ″An Orally Active Vitronectin Receptor αvβ3 Antagonist Prevents Bone Resorption In Vitro and In Vivo in the Ovariectomized Rat,″ Bone 23: S219 (1998)参照)。他のαvβ3拮抗薬が、文献に記載されている(R. M. Keenan, et al., ″Discovery of Potent Nonpeptide Vitronectin Receptor (αvβ3) Antagonists,″ J. Med. Chem. 40: 2289-2292 (1997); R. M. Keenan, et al., ″Benzimidazole Derivatives As Arginine Mimetics in 1,4-Benzodiazepine Nonpeptide Vitronectin Receptor (αvβ3) Antagonists,″ Bioorg. Med. Chem. Lett. 8: 3165-3170 (1998); and R. M. Keenan, et al., ″Discovery of an Imidazopyridine-Containing 1,4-Benzodiazepine Nonpeptide Vitronectin Receptor (αvβ3) Antagonist With Efficacy in a Restenosis Model,″ Bioorg. Med. Chem. Lett. 8: 3171-3176 (1998))。
【0135】
さらに他のベンゾアゼピン、ベンゾジアゼピンおよびベンゾシクロヘプテンαvβ3インテグリン受容体拮抗薬が、下記の特許公開WO96/00574、WO96/00730、WO96/06087、WO96/26190、WO97/24119、WO97/24122、WO97/24124、WO98/14192、WO98/15278、WO99/05107、WO99/06049、WO99/15170、WO99/15178、WO99/15506ならびに米国特許第6159964号およびWO97/34865に記載されている。ジベンゾシクロヘプテン、ジベンゾシクロヘプタンおよびジベンゾオキソアゼピン骨格を有するαvβ3インテグリン受容体拮抗薬が、WO97/01540、WO98/30542、WO99/11626、WO99/15508、WO00/33838、米国特許第6008213号および同6069158号に記載されている。
【0136】
骨格のコンホメーション環制限要素を組み込んだ他の破骨細胞インテグリン受容体拮抗薬が特許文献に記載されている。フェニル制限要素を有する拮抗薬を開示した公開特許出願または発行特許には、WO98/00395、WO99/32457、WO99/37621、WO99/44994、WO99/45927、WO99/52872、WO99/52879、WO99/52896、WO00/06169、EP0820988、EP0820991、米国特許第5741796号;同5773644号;同5773646号;同5843906号;同5852210号;同5929120号;同5952381号;同6028223号;および同6040311号などがある。単環式環制限要素を有する拮抗薬を開示する公開特許出願または発行特許には、WO99/26945、WO99/30709、WO99/30713、WO99/31099、WO99/59992、WO00/00486、WO00/09503、EP0796855、EP0928790、EP0928793、米国特許第5710159号;同5723480号;同5981546号;同6017926号;および同6066648号などがある。二環式環制限要素を有する拮抗薬を開示した公開特許出願または発行特許には、WO98/23608、WO98/35949、WO99/33798、EP0853084、米国特許第5760028号;同5919792号;および同5925655号などがある。
【0137】
αvインテグリン拮抗薬に関する別の科学文献および特許文献についての総覧も参照する(M. E. Duggan, et al., ″Ligands to the integrin receptor αvβ3, Exp. Opin. Ther. Patents, 10: 1367-1383 (2000); M. Gowen, et al., ″Emerging therapies for osteoporosis,″ Emerging Drugs, 5: 1-43 (2000); J. S. Kerr, et al., ″Small molecule αv integrin antagonists: novel anticancer agents, ″Exp. Opin. Invest. Drugs, 9: 1271-1291 (2000); and W. H. Miller, et al., ″Identification and in vivo efficacy of small-molecule antagonists of integrin αvβ3 (the vitronectin receptor),″ Drug Discovery Today, 5: 397-408 (2000).)。
【0138】
以前はカテプシンO2と称されていたカテプシンKはシステインプロテアーゼであり、1996年5月9日公開のPCT国際特許公開WO96/13523;1996年3月3日発行の米国特許第5501969号;および1998年4月7日発行の米国特許第5736357号(これらはいずれも、これらの全体が参照によって本明細書に組み込まれる)に記載されている。システインプロテアーゼ類、具体的にはカテプシン類は、腫瘍転移、炎症、関節炎および骨再形成などの多くの疾患状態に関係している。酸性pHでカテプシンは、I型コラーゲンを分解することができる。カテプシンプロテアーゼ阻害薬は、コラーゲン繊維の分解を阻害することで破骨細胞性骨吸収を阻害することができることから、骨粗鬆症などの骨吸収疾患の治療において有用である。カテプシンK阻害薬の例は、メルク・フロスト・カナダ(Merck Frost Canada)およびアキシクス・ファーマシューティカルズ(Axix Pharmaceuticals)に譲渡されたPCT国際公開:2001年7月7日公開のWO01/49288および2001年10月18日公開のWO01/77073にあるが、これらに限定されるものではない。
【0139】
「スタチン類」として知られるHMG−CoAレダクターゼ阻害薬類の構成員は、新たな骨の成長を誘発し、骨粗鬆症の結果失われた骨量を元に戻すことが認められている(The Wall Street Journal, Friday, December 3, 1991, page B1参照)。従ってスタチン類は、骨吸収の治療において有望である。HMG−CoAレダクターゼ阻害薬の例としては、ラクトン化またはジヒドロキシ開環酸型でのスタチン類ならびにこれの製薬上許容される塩およびエステルなどがあり、ロバスタチン(lovastatin);米国特許第4342767号参照);シンバスタチン(simvastatin;米国特許第4444784号参照);ジヒドロキシ開環型シンバスタチン、特にそれのアンモニウム塩またはカルシウム塩;プラバスタチン(pravastatin)、特にそれのナトリウム塩(米国特許第4346227号参照);フルバスタチン(fluvastatin)、特にそれのナトリウム塩(米国特許第5354772号参照);アトルバスタチン(atorvastatin)、特にそれのカルシウム塩(米国特許第5273995号参照);セリバスタチン(cerivastatin)、特にそれのナトリウム塩(米国特許第5177080号参照)、ZD−4522とも称されるロスバスタチン(rosuvastatin)(米国特許第5260440号参照)およびNK−104とも称されるピタバスタチン(pitavastatin)、イタバスタチン(itavastatin)またはニスバスタチン(nisvastatin)(PCT国際出願公開番号WO97/23200)などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0140】
プロトンポンプ阻害薬とも称される破骨細胞空胞ATPase阻害薬を、構造式Iの組織選択的アンドロゲン受容体調節剤と併用することもできる。破骨細胞の頂端膜で認められるプロトンATPaseは、骨吸収プロセスにおいて重要な役割を果たすと報告されている。従ってそのプロトンポンプは、骨粗鬆症および関連する代謝疾患の治療および予防において有用となり得る骨吸収阻害薬を設計する上で有望な標的となる[C. Farina, et al., ″Selective inhibitors of the osteoclast vacuolar proton ATPase as novel bone resorption inhibitors,″ DDT, 4: 163-172 (1999)参照]。
【0141】
血管新生因子VEGFは、破骨細胞上の受容体への結合を介した単離成体ウサギ破骨細胞の骨吸収活性を刺激することが明らかになっている[M. Nakagawa et al.,″Vascular endothelial growth factor (VEGF) directly enhances osteoclastic bone resorption and survival of mature osteoclasts,″ FEBS Letters, 473: 161-164 (2000)参照]。従って、KDR/Flk−1およびFlt−1などの破骨細胞受容体へのVEGF結合の拮抗薬を開発することで、骨吸収の治療または予防へのさらなる方途が提供される可能性がある。
【0142】
チアゾリジンジオン類(TZD類)などのペルオキシゾーム増殖剤活性化受容体−γ(PPARγ)の活性化剤は、in vitroにおいて破骨細胞様細胞形成および骨吸収を阻害する。オカザキら(R. Okazaki et al., Endocrinology, 140: pp5060-5065 (1999))が報告した結果からは、骨髄細胞についての局所機序ならびにグルコース代謝についての全身機序がわかる。PPARα活性化剤の例としては、トログリタゾン(troglitazone)、ピオグリタゾン(pioglitazone)、ロシグリタゾン(rosiglitazone)およびBRL49653などのグリタゾン類があるが、これらに限定されるものではない。
【0143】
カルシトニンは、構造式Iの組織選択的アンドロゲン受容体調節剤と併用することができる。カルシトニンは優先的には、サケ鼻噴霧剤として用いられる(Azra, et al. , Calcitonin, 1996, In: J. P. Bilezikian, et al. Ed. Principles of Bone Biology, San Diego: Academic Press; and Silverman. ″Calcitonin,″ Rheumatic Disease Clinics of North America, 27: 187-196, 2001)。
【0144】
タンパク質キナーゼ阻害薬も、構造式Iの組織選択的アンドロゲン受容体調節剤と併用することができる。キナーゼ阻害薬には、WO0117562に開示のものなどがあり、1実施形態においてはp38の阻害薬から選択される。本発明で有用なp38阻害薬の例には、SB203580などがあるが、それに限定されるものではない[Badger, et al., ″Pharmacological profile of SB 203580, a selective inhibitor of cytokine suppressive binding protein/p38 kinase, in animal models of arthritis, bone resorption, endotoxin shock and immune function,″ J. Pharmacol. Exp. Ther. 279: 1453-1461 (1996)]。
【0145】
骨同化剤は、骨タンパク質基質の産生を増加させることで骨を構築することが当業界において知られている薬剤である。そのような骨同化剤には例えば、天然PTH(1−84)、PTH(1−34)、自然のまたは置換を有するそれらの類縁体、特に副甲状腺ホルモン皮下注射のような各種形態の副甲状腺ホルモン(PTH)などがある。PTHは、骨を形成する細胞である骨芽細胞の活性を高めることで新たな骨の合成を促進することが認められている(Modern Drug Discovery, Vol. 3, No. 8, 2000)。注射用の組換え型ヒトPTHであるフォルテオ(Forteo;テリパラチド)が、骨粗鬆症治療向けに米国で規制当局の承認を受けた。従って、PTHおよびhPTH(1−34)などのそれの断片は、単独であるいは本発明の組織選択的アンドロゲン受容体調節剤などの他の薬剤との併用で骨粗鬆症の治療において効力を有すると言える。
【0146】
ゴーウェンらの報告(Gowen, et al., ″Antagonizing the parathyroid calcium receptor stimulates parathyroid hormone secretion and bone formation in osteopenic rats,″ J Clin Invest. 105: 1595-604 (2000))に記載のPTH分泌を誘発するカルシウム受容体拮抗薬も、本発明のSARMと組み合わせて有用である。
【0147】
成長ホルモン分泌促進剤、成長ホルモン、成長ホルモン放出ホルモンなどの別の骨同化剤を、骨粗鬆症の治療のために構造式Iによる化合物とともに用いることができる。代表的な成長ホルモン分泌促進剤が、米国特許第3239345号;米国特許第4036979号;米国特許第4411890号;米国特許第5206235号;米国特許第5283241号;米国特許第5284841号;米国特許第5310737号;米国特許第5317017号;米国特許第5374721号;米国特許第5430144号;米国特許第5434261号;米国特許第5438136号;米国特許第5494919号;米国特許第5494920号;米国特許第5492916号;米国特許第5536716号;EPO特許公開0144230号;EPO特許公開0513974号;PCT特許公開WO94/07486号;PCT特許公開WO94/08583号;PCT特許公開WO94/11012号;PCT特許公開WO94/13696号;PCT特許公開WO94/19367号;PCT特許公開WO95/03289号;PCT特許公開WO95/03290号;PCT特許公開WO95/09633号;PCT特許公開WO95/11029号;PCT特許公開WO95/12598号;PCT特許公開WO95/13069号;PCT特許公開WO95/14666号;PCT特許公開WO95/16675号;PCT特許公開WO95/16692号;PCT特許公開WO95/17422号;PCT特許公開WO95/17423号;PCT特許公開WO95/34311号;PCT特許公開WO96/02530号;Science, 260, 1640-1643, June 11, 1993;Ann. Rep. Med. Chem., 28, 177-186 (1993);Bioorg. Med. Chem. Ltrs., 4, 2709-2714 (1994); and Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92, 7001-7005 (1995)に開示されている。
【0148】
インシュリン様成長因子(IGF)も、構造式Iの組織選択的アンドロゲン受容体調節剤と併用することができる。インシュリン様成長因子は、単独またはIGF結合タンパク質3およびIGF IIと組み合わせたインシュリン様成長因子Iから選択することができる[Johannson and Rosen, ″The IGFs as potential therapy for metabolic bone diseases,″ 1996, In: Bilezikian, et. al. Ed. Principles of Bone Biology. San Diego: Academic Press; and Ghiron, et al., ″Effects of recombinant insulin-like growth factor-I and growth hormone on bone turnover in elderly women,″ J Bone Miner Res. 10: 1844-52 (1995)参照]。
【0149】
骨形態発生タンパク質(BMP)も、構造式Iの組織選択的アンドロゲン受容体調節剤と併用することができる。骨形態発生タンパク質には、BMP2、3、5、6、7ならびに関連する分子であるTGF−βおよびGDF5などがある[Rosen, et al., ″Bone morphogenetic proteins,″ 1996. In: J. P. Bilezikian, et. al. Ed. Principles of Bone Biology, San Diego: Academic Press; and Wang EA, ″Bone morphogenetic proteins (BMPS): therapeutic potential in healing bony defects,″ Trends Biotechnol. 11: 379-83 (1993)]。
【0150】
BMP拮抗作用の阻害薬も、構造式Iの組織選択的アンドロゲン受容体調節剤と併用することができる。BMP拮抗薬阻害薬は1実施形態において、BMP拮抗薬の阻害薬であるSOST、ノッギン(noggin)、コルジン(chordin)、グレムリン(gremlin)およびダン(dan)から選択される[Massague and Chen, ″Controlling TGF-beta signaling,″ Genes Dev. 14: 627-44,2000; Aspenberg, et al., ″The bone morphogenetic proteins antagonist Noggin inhibits membranous ossification,″ J. Bone Miner. Res. 16: 497-500,2001; Brunkow, et al., Bone dysplasia sclerosteosis results from loss of the SOST gene product, a novel cystine knot-containing protein,″ Am. J. Hum. Genet. 68 : 577-89 (2001)]。
【0151】
本発明の組織選択的アンドロゲン受容体調節剤は、骨粗鬆症などの骨損失に関連する状態の治療においてポリペプチドオステオプロテゲリンと組み合わせることもできる。オステオプロテゲリンは、哺乳動物オステオプロテゲリンおよびヒトオステオプロテゲリンから選択することができる。腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーの構成員であるポリペプチドオステオプロテゲリンは、骨粗鬆症のような骨損失の増加を特徴とする骨疾患を治療する上で有用である。参考文献としては、米国特許第6288032号(参照によって、その全体が本明細書に組み込まれる)がある。
【0152】
プロスタグランジン誘導体も、構造式Iの組織選択的アンドロゲン受容体調節剤と併用することができる。プロスタグランジン誘導体の代表的なものは、プロスタグランジン受容体EP1、EP2、EP4、FP、IPの作働薬およびそれらの誘導体から選択されるが、これらに限定されるものではない[Pilbeam, et al., ″Prostaglandins and bone metabolism,″ 1996, In: Bilezikian, et al. Ed. Principles of Bone Biology. San Diego: Academic Press; Weinreb, et al., ″Expression of the prostaglandin E(2) (PGE(2)) receptor subtype EP(4) and its regulation by PGE(2) in osteoblastic cell lines and adult rat bone tissue,″ Bone, 28 (3): 275-81 (2001)]。
【0153】
線維芽細胞成長因子も、構造式Iの組織選択的アンドロゲン受容体調節剤と併用することができる。線維芽細胞成長因子には、aFGF、bFGFおよびFGF活性を有する関連ペプチドなどがある[Hurley Florkiewicz, ″Fibroblast growth factor and vascular endothelial growth factor families,″ 1996. In: J. P. Bilezikian, et. al. Ed. Principles of Bone Biology. San Diego: Academic Press]。
【0154】
骨吸収阻害薬および骨同化剤以外に、詳細には解明されていない機序によって骨格に有効であることが知られている他の薬剤もある。これらの薬剤も、構造式Iの組織選択的アンドロゲン受容体調節剤と好適に組み合わせることができる。
【0155】
ビタミンDおよびビタミンD誘導体も、構造式Iの組織選択的アンドロゲン受容体調節剤と併用することができる。ビタミンDおよびビタミンD誘導体には、例えば天然ビタミンD、25−OH−ビタミンD3、1α,25(OH)ビタミンD3、1α−OH−ビタミンD3、1α−OH−ビタミンD2、ジヒドロタキステロール、26,27−F6−1α,25(OH)ビタミンD3、19−nor−1α,25(OH)ビタミンD3、22−オキサカルシトリオール、カルシポトリオール、1α,25(OH)−16−エン−23−イン−ビタミンD3(Ro23−7553)、EB1089、20−エピ−1α,25(OH)ビタミンD3、KH1060、ED71、1α,24(S)−(OH)ビタミンD3、1α,24(R)−(OH)ビタミンD3などがある[Jones G, ″Pharmacological mechanisms of therapeutics: vitamin D and analogs,″ 1996. In: J. P. Bilezikian, et. al. Ed. Principles of Bone Biology. San Diego: Academic Press参照]。
【0156】
ビタミンKおよびビタミンK誘導体も、構造式Iの組織選択的アンドロゲン受容体調節剤と併用することができる。ビタミンKおよびビタミンK誘導体には、メナテトレノン(ビタミンK2)などがある[Shiraki, et al., ″Vitamin K2 (menatetrenone) effectively prevents fractures and sustains lumbar bone mineral density in osteoporosis,″ J. Bone. Miner. Res. 15: 515-21参照)。
【0157】
イプリフラボンなどの大豆イソフラボン類も、構造式Iの組織選択的アンドロゲン受容体調節剤と併用することができる。
【0158】
フッ化ナトリウム(NaF)またはフルオロリン酸モノナトリウム(MFP)などのフッ化物塩も、構造式Iの組織選択的アンドロゲン受容体調節剤と併用することができる。カルシウム栄養補助食品も、構造式Iの組織選択的アンドロゲン受容体調節剤と併用することができる。カルシウム栄養補助食品には、炭酸カルシウム、クエン酸カルシウムおよび天然カルシウム塩類などがある(Heaney, Calcium, 1996, In: J. P. Bilezikian, et. al. Ed. Principles of Bone Biology. San Diego: Academic Press)。
【0159】
骨吸収阻害薬、骨同化剤および構造式Iの化合物と組み合わせて使用した場合に骨格に有効となり得る他の薬剤についての1日用量範囲は、当業界で公知のものである。そのような組み合わせにおいて、構造式Iの組織選択的アンドロゲン受容体調節剤に関する1日用量範囲は通常、成人1日当たり約0.01〜約1000mg、例えば約0.1〜約200mg/日の範囲である。しかしながら、併用薬剤の効力が高くなることで、各薬剤の用量を低下させるための調節を行うことができる。
【0160】
詳細には、ビスホスホン酸化合物を用いる場合、約2.5〜約100mg/日(遊離ビスホスホン酸として測定して)の用量が治療に適しており、例えば5〜20mg/日、または約10mg/日の範囲である。予防においては、約2.5〜約10mg/日、特に約5mg/日の用量を用いるべきである。副作用を低減するために、構造式Iの化合物およびビスホスホン酸化合物の組み合わせを週1回投与することが望ましい場合がある。週1回投与の場合、ビスホスホン酸化合物について約15mg〜約700mg/週の範囲の用量および構造式Iの化合物について約0.07〜約7000mg範囲の用量を用いることができ、それらは別個にまたは混合製剤で投与することができる。構造式Iの化合物は、特に週1回投与の場合には徐放投与装置で投与することが好ましい場合がある。
【0161】
アテローム性動脈硬化、高コレステロール血症および高脂血症の治療の場合、構造式Iの化合物は、1以上の別の活性薬剤と組み合わせて効果的に投与することができる。この別の活性薬剤は、HMG−CoAレダクターゼ阻害薬などの脂質変質(lipid-altering)化合物;他の医薬活性を有する薬剤または脂質変質効果;および他の医薬活性の両方を有する薬剤から選択することができる。HMG−CoAレダクターゼ阻害薬の例には、ラクトン化またはジヒドロキシ開環酸型でのスタチン類ならびにそれの製薬上許容される塩およびエステルなどがあり、ロバスタチン(米国特許第4342767号参照);シンバスタチン(米国特許第4444784号参照);ジヒドロキシ開環型シンバスタチン、特にそれのアンモニウム塩またはカルシウム塩;プラバスタチン、特にそれのナトリウム塩(米国特許第4346227号参照);フルバスタチン、特にそれのナトリウム塩(米国特許第5354772号参照);アトルバスタチン、特にそれのカルシウム塩(米国特許第5273995号参照);セリバスタチン、特にそれのナトリウム塩(米国特許第5177080号参照)、およびNK−104とも称されるニスバスタチン(PCT国際出願公開番号WO97/23200参照)などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0162】
構造式Iの化合物と組み合わせて使用可能な別の活性薬剤には、HGM−CoAシンターゼ阻害薬;スクアレンエポキシダーゼ阻害薬;スクアレンシンセターゼ阻害薬(スクアレンシンターゼ阻害薬とも称される)、アシル−補酵素A:コレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害薬(ACAT−1またはACAT−2の選択的阻害薬ならびにACAT1および−2の2重阻害薬を含む);ミクロソームトリグリセリド転移タンパク質(MTP)阻害薬;プロブコール;ナイアシン;エゼチミベ(ezetimibe)とも称されるSCH−58235および米国特許第5767115号および同5846966号に記載されている1−(4−フルオロフェニル)−3(R)−[3(S)−(4−フルオロフェニル)−3−ヒドロキシプロピル]]−4(S)−(4−ヒドロキシフェニル)−2−アゼチジンオンなどのコレステロール吸収阻害薬;胆汁酸隔離剤;LDL(低密度リポタンパク質)受容体誘発因子;糖タンパク質IIb/IIIaフィブリノゲン受容体拮抗薬およびアスピリンなどの血小板凝集阻害薬;ヒトペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ(PPARγ)作働薬(例えばトログリタゾン(troglitazone)、ピオグリタゾン(pioglitazone)およびロシグリタゾン(rosiglitazone)などのグリタゾン類と一般に称される化合物、チアゾリジンジオン類と称される構造分類内に含まれる化合物ならびにチアゾリジンジオン構造分類外のPPARγ作働薬など);クロフィブレート、微粉砕フェノフィブレートなどのフェノフィブレートおよびゲムフィブロジル(gemfibrozil)などのPPARα作働薬;PPAR二重α/γ作働薬;ビタミンB6(ピリドキシンとも称される)およびHCl塩などのこれの製薬上許容される塩;ビタミンB12(シアノコバラミンとも称される);葉酸またはナトリウム塩およびメチルグルカミン塩などのこれの製薬上許容される塩またはエステル;ビタミンCおよびEならびにβ−カロテンなどの抗酸化ビタミン類;β−遮断薬;ロサルタンなどのアンギオテンシンII拮抗薬;エナラプリルおよびカプトプリルなどのアンギオテンシン変換酵素阻害薬;ニフェジピンおよびジルチアゼムなどのカルシウムチャンネル遮断薬;エンドテリン拮抗薬;ABC1遺伝子発現を促進するLXRリガンドなどの薬剤;アレンドロン酸ナトリウムなどのビスホスホン酸塩化合物;ならびにロフェコキシブ(rofecoxib)およびセレコキシブ(celecoxib)などのシクロオキシゲナーゼ−2阻害薬ならびにそれらの状態の治療に有用であることが知られている他の薬剤などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0163】
構造式Iの化合物と併用する場合のHMG−CoAレダクターゼ阻害薬の1日用量範囲は、当業界で公知のものに相当する。同様に、HGM−CoAシンターゼ阻害薬;スクアレンエポキシダーゼ阻害薬;スクアレンシンセターゼ阻害薬(スクアレンシンターゼ阻害薬とも称される)、アシル−補酵素A:コレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害薬(ACAT−1またはACAT−2の選択的阻害薬ならびにACAT1および−2の2重阻害薬を含む);ミクロソームトリグリセリド転移タンパク質(MTP)阻害薬;プロブコール;ナイアシン;エゼチミベなどのコレステロール吸収阻害薬;胆汁酸隔離剤;LDL(低密度リポタンパク質)受容体誘発因子;糖タンパク質IIb/IIIaフィブリノゲン受容体拮抗薬およびアスピリンなどの血小板凝集阻害薬;ヒトペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ(PPARγ)作働薬;PPARα作働薬;PPAR二重α/γ作働薬;ビタミンB6;ビタミンB12;葉酸;抗酸化ビタミン類;β−遮断薬;アンギオテンシンII拮抗薬;アンギオテンシン変換酵素阻害薬;カルシウムチャンネル遮断薬;エンドテリン拮抗薬;ABC1遺伝子発現を促進するLXRリガンドなどの薬剤;ビスホスホン酸塩化合物;ならびにシクロオキシゲナーゼ−2阻害薬についての1日用量範囲も、当業界で公知のものに相当する。ただし、構造式Iの化合物と組み合わせることで、併用投与すると用量がわずかに低くなる場合がある。
【0164】
本発明の1実施形態は、哺乳動物での骨代謝マーカーを有効にする方法であって、治療上有効量の式Iによる化合物を投与する段階を有する方法である。骨代謝マーカーの例としては、I型コラーゲンの尿C−テロペプチド分解産物(CTX)、I型コラーゲンの尿N−テロペプチド架橋(NTX)、オステオカルシン(骨Glaタンパク質)、二重エネルギーX線吸収測定法(DXA)、骨特異的アルカリホスファターゼ(BSAP)、定量的超音波法(QUS)およびデオキシピリジノリン(DPD)架橋から選択することができるが、これらに限定されるものではない。
【0165】
本発明の方法によれば、その組み合わせの個々の成分は、治療の途中の異なった時点で別個に投与することができるか、あるいは分割もしくは単一の併用製剤で同時に投与することができる。従って本発明が、このような同時投与法もしくは交互投与法を全て含むものであることは明らかであり、「投与」という用語はそれに従って解釈されるべきものである。アンドロゲン欠乏が原因であるかまたはアンドロゲンを加えることで改善することができる疾患の治療に有用な他の薬剤と本発明の化合物との組み合わせの範囲は明らかであろう。
【0166】
本発明の化合物の製造の製造で使用される略称
AcOH:酢酸
DHT:ジヒドロテストステロン
DMAP:4−ジメチルアミノピリジン
DMEM:ダルベッコの調整イーグル培地
DMSO:ジメチルスルホキシド
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
EA:酢酸エチル
EDC:1−(3−ジメチルアミノプロピル)3−エチルカルボジイミドHCl
EDTA:エチレンジアミンテトラ酢酸
EtOH:エタノール
EtN:トリエチルアミン
FCS:ウシ胎仔血清
HEPES:(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸
HOAt:1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール
HPLC:高速液体クロマトグラフィー
KHMDS:カリウムビストリメチルシリルアミド
LCMS:液体クロマトグラフィー/質量分析
LDA:リチウムジイソプロピルアミド
LG:脱離基
MeOH:メタノール
NBS:N−ブロモコハク酸イミド
n−BuNI:ヨウ化テトラ−n−ブチルアンモニウム
PMBCL:p−メトキシベンジルクロライド
p−TosCl:p−トルエンスルホニルクロライド
Rtまたはrt:室温
TFA:トリフルオロ酢酸
TLC:薄層クロマトグラフィー。
【0167】
本発明の化合物は、文献で公知であるか実験手順に例示した他の標準的な手法に加えて、下記の図式に示した反応によって製造することができる。従って、下記の説明用図式は、挙げられている化合物や例示を目的として用いられている特定の置換基によって限定を受けるものではない。図式に示した置換基の番号付けは、特許請求の範囲で用いられているものに必ずしも対応しているわけではなく、多くの場合、明瞭を期すために、前記で定義された式Iの定義下では可能な複数の置換基に代えて、単一の置換基が当該化合物に結合しているように示してある。
【0168】
図式A〜Dは、式Iの化合物製造における一般的な指針を提供するものである。図式Aには、未置換2位炭素を有する4−アザステロイド骨格上のR置換基の付加を示してある。図式Bには、それぞれ4位および2位での4−アザステロイド骨格でのR置換基およびX置換基の付加を示してある。
【0169】
図式Cには、4−アザステロイド骨格21位での複素環、ベンズイミダゾリルおよびアザベンズイミダゾリル部分の付加を示してある。図式Dには、RおよびR置換基の配置を示してある。
【0170】
留意すべき点として、図式BおよびDにおいて、特定の脱離基LGの選択は、当然のことながら、核構造に組み込まれる特定の置換基の種類によって決まる。脱離基の選択および使用は、合成有機化学の分野での一般的な実務であり、その情報は当業者であれば容易に知ることができ、利用可能である(例えば、Organic Synthesis, Smith, M, McGraw-Hill INC, 1994, New York. ISBN 0-07-048716-2参照)。
【0171】
【化14】





【実施例】
【0172】
本発明の化合物は、容易に入手可能な原料、試薬を用いて下記の反応図式および実施例に記載の手順またはそれらの変法、ならびに合成有機化学の分野の当業者には公知の従来の手順またはそれの変法に従って製造することができる。図式中の可変要素の具体的な定義は、例示のみを目的として提供されるものであって、記載の手順を限定するものではない。
【0173】
本発明の化合物の製造
本発明の化合物は、容易に入手可能な原料、試薬を用いて下記の反応図式および実施例に記載の手順またはそれらの変法、ならびに合成有機化学の分野の当業者には公知の従来の手順またはそれの変法に従って製造することができる。図式中の可変要素の具体的な定義は、例示のみを目的として提供されるものであって、記載の手順を限定するものではない。式Iの選択的アンドロゲン受容体調節剤(SARM)を、図式1、2、3、4および5に示した方法に従って製造した。
【0174】
構造式1−7の選択的アンドロゲン受容体調節剤(SARM)を、図式1に示した方法に従って製造した。その原料は、文献(G. H. Rasmusson et al., J. Med. Chem., 29: 2298-2315 (1986)およびR. L. Tolman, et al., J. Steroid Biochem. Mol. Biol., 60: 303-309 (1997);それぞれ、参照によって本明細書に組み込まれる)に開示の17β−カルボン酸1−1であった。
【0175】
【化15】



【0176】
(実施例1)
段階A:4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−カルビノール(1−2)
1−1(36.5g、110.12mmol)のCHCl:THF(1:1−500mL)溶液に0℃で、EtN(20.0mL、143.2mmol)を加えた。クロルギ酸イソブチル(17.1mL、132.1mmol)を滴下し、30分後、冷却浴を外し、反応液を2時間攪拌した。反応液を冷却して0℃とし、2M LiBHのTHF溶液(165.2mL、330.4mmol)を滴下した。反応液を0℃で2時間攪拌した。飽和NHCl溶液(125mL)を加えることで反応停止し、CHCl(900mL)で希釈し、1N NaOH、ブラインで洗浄し、脱水し(MgSO)、濃縮した。残留物をトルエンと共沸させ、18時間高真空乾燥してから、粗取得物を次の反応に用いた(1−2)。MS計算値M+H:318、実測値318。
【0177】
段階B:トシル酸4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−メチル(1−3)
1−2(粗取得物27.0g、約85.0mmol)のCHCl(250mL)溶液に0℃で、ピリジン(50mL)およびp−TosCl(26.0g、136.1mmol)を加えた。30分後、冷却浴を外し、反応液を15時間攪拌した。飽和NaHCO溶液(125mL)を加えることで反応停止し、CHCl(800mL)で希釈し、ブラインで洗浄し、脱水し(MgSO)、濃縮した。残留物を、シリカゲルでのクロマトグラフィー(0%から100%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、1−3を白色固体として得た。MS計算値M+H:472、実測値472。
【0178】
段階C:4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトニトリル(1−4)
1−3(43.0g、91mmol)のDMSO(120mL)溶液に室温で、NaCN(17.9g、365mmol)をゆっくり加え、反応液を120℃の油浴に入れ、2時間攪拌した。冷却後、反応液をCHCl(1000mL)で希釈し、飽和NaHCO溶液(125mL)、ブラインで洗浄し、脱水し(MgSO)、濃縮した。残留物をシリカゲルでのクロマトグラフィー(0%から100%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、1−4を白色固体として得た。MS計算値M+H:327、実測値327。
【0179】
段階D:4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−酢酸(1−5)
1−4(28.7g、87.9mmol)のAcOH(50mL)溶液に室温で、濃HCl(50mL)を加え、反応液を加熱して125℃とし、14時間攪拌した。冷却後、反応液をCHCl(800mL)で希釈し、冷水、飽和NaHCO溶液、ブラインで洗浄し、脱水し(MgSO)、濃縮した。残留物をトルエンと共沸させて、1−5を黄色泡状物として得た。MS計算値M+H:346、実測値346。
【0180】
段階E:N−[2−(アミノ)ピリジン−3−イル]−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド(1−8)
1−5(3.50g、10.13mmol)およびHOAt(1.655g、12.157mmol)のDMF(5.0mL)溶液に、EDC(2.331g、12.157mmol)を加え、反応液を室温で攪拌した。15分後、2,3−ジアミノピリジン(1.216g、11.144mmol)を加え、反応液を加熱して60℃とし、30分間攪拌した。冷却後、反応液を濃縮し、トルエンと共沸させた。残留物をシリカゲルでのクロマトグラフィー(10:1CHCl:MeOHから20:10:1:1EtOAc:EtOH:HO:NH水溶液)によって精製して、1−8を白色固体として得た。MS計算値M+H:437、実測値437。
【0181】
段階F:17β−(1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−イル)−4−メチル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン(1−9)
1−8(0.355g、0.813mmol)の酢酸(4.5mL)溶液を、マイクロ波装置中にて180℃で加熱し、45分間攪拌した。冷却後、反応液を濃縮し、トルエンと共沸させた。残留物を20:1CHCl:MeOHから再結晶し、固体を濾過によって回収して、1−9を白色固体として得た。MS計算値M+H:419、実測値419。
【0182】
適切なアミンを用いてカルボキサミドを形成し、次に環化した以外は実施例1と同様にして、表1の実施例2〜25を製造した。
【0183】
【表1】




【0184】
構造式2−1の選択的アンドロゲン受容体調節剤(SARM)を、図式2に示した方法に従って製造した。原料は表1で製造した。
【0185】
【化16】

【0186】
(実施例26)
段階A:17β−[(1−メチル−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−イル)メチル]−4−メチル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン(2−2)
1−9(0.05g、0.12mmol)のDMF(0.5mL)溶液に室温で、NaH(0.006g、0.24mmol)を加えた。20分後、ヨウ化メチル(0.015mL、0.24mmol)を加え、反応液を室温で10分間攪拌した。HOで反応停止し、CHClで希釈し、ブラインで洗浄した。有機層を脱水し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(0%から10%MeOH/CHCl)によって精製して、白色固体としての2−2ならびにN−メチル位置異性体を得た(表2)。MS計算値M+H:433、実測値433。
【0187】
適切なアルキル化剤を用いた以外は実施例26と同様にして、表2における実施例27〜30を製造した。
【0188】
【表2】


【0189】
構造式3−12の選択的アンドロゲン受容体調節剤(SARM)を、図式3に示した方法に従って製造した。原料は表1で製造した。原料は、文献(G. H. Rasmusson et al., J. Med. Chem., 29: 2298-2315 (1986))に開示の17β−カルボン酸メチル3−1であった。
【0190】
【化17】



【0191】
(実施例31)
段階A:4−p−メトキシベンジル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−カルボン酸メチル(3−2)
3−1(10.0g、30.2mmol)のTHF(300mL)溶液に室温で、NaH(2.2g、45.3mmol、60%鉱油中分散品)を加え、得られた混合物を30分間攪拌した。p−メトキシベンジルクロライド(6.4mL、45.3mmol)およびn−BuNI(約0.5g)を加え、反応液を加熱還流し、4時間攪拌した。反応液を冷却して室温とし、1N HClを滴下することで反応停止した。混合物を濃縮し、沈澱を回収し、HOおよびヘキサンで洗浄した。黄色固体3−2を高真空下に18時間乾燥させた。MS計算値M+H:452、実測値452。
【0192】
段階B:4−p−メトキシベンジル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−カルボン酸(3−3)
3−2(13.6g、30.1mmol)のジオキサン(200mL)溶液に室温で、LiOH−HO(2.5g、60.2mmol)を加え、反応液を加熱還流し、4時間攪拌した。反応液を冷却して室温とし、濃縮した。残留物を1N HCl溶液で希釈し、沈澱を回収し、HOおよびヘキサンで洗浄して、3−3を白色固体として得た。MS計算値M+H:438、実測値438。
【0193】
段階C:4−p−メトキシベンジル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−カルビノール(3−4)
3−3(13.1g、29.4mmol)のCHCl:THF(1:1−300mL)溶液に0℃で、EtN(5.4mL、39.0mmol)を加えた。クロルギ酸イソブチル(4.7mL、36.0mmol)を滴下し、30分後に冷却浴を外し、反応液を2時間攪拌した。反応液を冷却して0℃とし、2M LiBHのTHF溶液(43.5mL、87.0mmol)を滴下した。反応液を0℃で2時間攪拌した。飽和NHCl溶液(125mL)を滴下することで反応停止し、CHCl(900mL)で希釈し、1N NaOH、ブラインで洗浄し、脱水し(MgSO)、濃縮した。残留物を少量のCHClに溶かし、EtOで磨砕した。固体を濾過し、ヘキサンで洗浄して、3−4を白色固体として得た。MS計算値M+H:424、実測値424。
【0194】
段階D:トシル酸4−p−メトキシベンジル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−メチル(3−5)
3−4(45.0g、106.2mmol)のCHCl(500mL)溶液に0℃で、ピリジン(100mL)およびp−TosCl(32.6g、170mmol)を加えた。30分後、冷却浴を外し、反応液を15時間攪拌した。LCMSは、反応が完結していることを示している。飽和NaHCO溶液(125mL)を加えることで反応停止し、CHCl(800mL)で希釈し、ブラインで洗浄し、脱水し(MgSO)、濃縮した。残留物を、シリカゲルでのクロマトグラフィー(0%から100%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、3−5を白色ロウ状固体として得た。MS計算値M+H:578、実測値578。
【0195】
段階E:4−p−メトキシベンジル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトニトリル(3−6)
3−3(20.0g、34.6mmol)のDMSO(120mL)溶液に室温で、NaCN(4.2g、86.5mmol)を加え、反応液を95℃の油浴に入れ、2時間攪拌した。冷却後、反応液をCHCl(800mL)で希釈し、飽和NaHCO溶液(125mL)、ブラインで洗浄し、脱水し(MgSO)、濃縮した。残留物を、シリカゲルでのクロマトグラフィー(0%から100%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、3−6を白色固体として得た。MS計算値M+H:327、実測値327。
【0196】
段階F:3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−酢酸(3−7)
3−6(7.8g、18.0mmol)のAcOH(50mL)溶液に室温で、濃HCl(50mL)を加え、反応液を加熱して125℃とし、14時間攪拌した。冷却後、反応液をCHCl(800mL)で希釈し、冷水、飽和NaHCO溶液、ブラインで洗浄し、脱水し(MgSO)、濃縮した。残留物をトルエンと共沸させて、3−7を黄色泡状物として得た。MS計算値M+H:332、実測値332。
【0197】
段階G:17β−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−酢酸エステル(3−8)
3−7(2.5g、7.55mmol)のMeOH(100mL)溶液に室温で、塩化チオニル(1.5mL)を加え、反応液を加熱して80℃とし、4時間攪拌した。冷却後、反応液をCHCl(800mL)で希釈し、冷水、飽和NaHCO溶液、ブラインで洗浄し、脱水し(MgSO)、濃縮した。残留物をシリカゲルでのクロマトグラフィー(0%から100%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、3−8を白色固体として得た。MS計算値M+H:346、実測値346。
【0198】
段階H:4−エチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−カルボン酸メチル(3−9)
3−8(2.12g、6.14mmol)のDMF(20mL)溶液に0℃で、NaH(0.368g、9.20mmol、60%オイル中分散品)を加え、得られた混合物を15分間攪拌した。ヨウ化エチル(0.73mL、9.20mmol)を加え、反応液を室温で2時間攪拌した。反応液を加熱して40℃とし、30分間攪拌した。反応液を冷却して室温とし、HOで反応停止し、CHCl(800mL)で希釈し、冷水、飽和NaHCO溶液、ブラインで洗浄し、脱水し(MgSO)、濃縮した。残留物をシリカゲルでのクロマトグラフィー(25%から100%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、3−9を白色固体として得た。MS計算値M+H:375、実測値375。
【0199】
段階I:4−エチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−カルボン酸(3−10)
3−9(1.50g、4.02mmol)のMeOH:CHCl(8:1、9.0mL)溶液に室温で、5N NaOH(12.0mL)を加え、反応液を加熱して40℃とし、20分間攪拌した。反応液を冷却して室温とし、濃縮した。残留物を1N HCl溶液で希釈し、沈澱をCHClで抽出し、ブラインで洗浄し、脱水し(MgSO)、濃縮して、3−10を白色固体として得た。MS計算値M+H:360、実測値360。
【0200】
段階J:N−[2−(アミノ)−4−メチルカルボキシル]−4−エチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド(3−13)
3−10(0.150g、0.417mmol)およびHOAt(0.068g、0.501mmol)のDMF(1.0mL)溶液に、EDC(0.096g、0.501mmol)を加え、反応液を室温で攪拌した。15分後、3,4−ジアミノ安息香酸メチル(0.104g、0.626mmol)を加え、反応液を加熱して60℃とし、30分間攪拌した。冷却後、反応液を濃縮し、トルエンと共沸させた。残留物をシリカゲルでのクロマトグラフィー(0%から10%MeOH/CHCl)によって精製して、3−13を白色固体として得た。MS計算値M+H:508、実測値508。
【0201】
段階K:17β−[(5−メチルカルボキシリル−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)メチル]−4−エチル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン(3−14)
3−13(0.191g、0.376mmol)の酢酸(0.75mL)溶液を、マイクロ波装置にて加熱して130℃とし、9分間攪拌した。冷却後、反応液を濃縮し、トルエンと共沸させて、3−14を白色固体として得た。MS計算値M+H:490、実測値490。
【0202】
適切なアミンを用いてカルボキサミドを形成した以外は実施例31と同様にして、表3における実施例32〜34を製造した。
【0203】
【表3】

【0204】
構造式4−5の選択的アンドロゲン受容体調節剤(SARM)を、図式4に示した方法に従って製造した。原料は、図式1で製造した17β−酢酸1−5であった。
【0205】
【化18】


【0206】
(実施例35)
段階A:21−メチル−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセテート(4−1)
1−5(3.0g、9.1mmol)のMeOH:AcOH(2:1−22.5mL)溶液を加熱して55℃とし、18時間攪拌した。反応液を冷却して室温とし、CHCl(900mL)で希釈し、HOおよびブラインで洗浄し、脱水し(MgSO)、濃縮した。残留物をシリカゲルでのクロマトグラフィー(0%から100%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、4−1を白色固体として得た。MS計算値M+H:360、実測値360。
【0207】
段階B:20−フルオロ−21−メチル−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセテート(4−2)
4−1(0.75g、2.8mmol)の脱水THF(11mL)溶液に−78℃で、ヘキサメチルホスホラストリアミド(0.25mL、1.39mmol)を加えた。リチウムジイソプロピルアミド・モノ(テトラヒドロフラン)錯体(2.8mL、4.17mmol、1.5M THF溶液)を滴下し、反応液を−78℃で15分間攪拌した。N−フルオロ−ベンゼンスルホンアミド(1.32g、4.27mmol、THF 1.5mLに溶かしたもの)を滴下し、反応液を昇温させて室温とし、4時間攪拌した。飽和NHCl溶液(25mL)を加えることで反応停止し、CHCl(200mL)で希釈し、ブラインで洗浄し、脱水し(MgSO)、濃縮した。残留物をシリカゲルでのクロマトグラフィー(0%から100%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、4−2を黄色油状物として得た。MS計算値M+H:378、実測値378。
【0208】
段階C:20−フルオロ−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−酢酸(4−3)
4−2(0.79g、2.09mmol)のジオキサン(7mL)溶液に室温で、LiOH・1水和物(0.26g、6.28mmol)のHO(2mL)溶液を加え、反応液を室温で18時間攪拌した。反応液を1N HClでpH5の酸性とし、CHCl(200mL)で抽出し、ブラインで洗浄し、脱水し(MgSO)、濃縮して、4−3を白色固体として得た。MS計算値M+H:364、実測値364。
【0209】
段階D:N−[4−(アミノ)ピリジン−3−イル]−20−フルオロ−4−メチル−3−オキソ−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−17β−アセトアミド(4−6)
4−3(0.07g、0.19mmol)およびHOAt(0.034g、0.25mmol)のジクロロエタン(2.0mL)溶液に、EDC(0.048g、0.25mmol)を加え、3,4−ジアミノピリジン(0.021g、0.19mmol)を加え、反応を加熱して40℃とし、12時間攪拌した。反応液を濃縮し、残留物をシリカゲルでのクロマトグラフィー(0%から10%MeOH/CHCl)によって精製して、4−6を白色固体として得た。MS計算値M+H:455、実測値455。
【0210】
段階E:20−フルオロ−20−(1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−3−イル)−4−メチル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン(4−7)
4−6(0.057g、0.125mmol)の酢酸(0.5mL)溶液を、マイクロ波装置にて加熱して180℃とし、45分間攪拌した。冷却後、反応液を濃縮し、トルエンと共沸させて、4−7を白色固体として得た。MS計算値M+H:437、実測値437.2802。
【0211】
構造式5−2の選択的アンドロゲン受容体調節剤(SARM)を、図式5に示した方法に従って製造した。原料は、表1で製造されるベンズイミダゾール5−1であった。
【0212】
【化19】

【0213】
(実施例36)
段階A:17β−[(5−フルオロ−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)メチル]−4−メチル−4−アザ−5α−アンドロスタン−3−オン(5−3)
5−1(0.07g、0.16mmol)のEtOH(5mL)溶液に室温で、10%パラジウム/炭素(0.007g)を加えた。反応液を、パール装置を用いて約0.31MPa(45psi)のH下に置き、18時間振盪した。反応液をセライト層で濾過し、固体をMeOHで洗浄した。反応混合物を濃縮して、5−3を白色固体として得た。MS計算値M+H:438、実測値438。
【0214】
(実施例37)
医薬組成物
本発明の具体的な実施形態として、17β−[(5−カルボキシリル−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)メチル]−4−エチル−4−アザ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン100mgを、十分に微粉砕した乳糖とともに製剤して総量580〜590mgを得て、それをサイズOの硬ゼラチンカプセルに充填する。
【0215】
以上の明細書では、例示を目的として提供した実施例を用いて本発明の原理を記載しているが、本発明の実務には、添付の特許請求の範囲およびそれの均等物の範囲に含まれる全ての通常の変形形態、調整または修正が包含されることは明らかである。
【0216】
アッセイ
化合物のSARM活性確認するためのインビトロおよびインビボアッセイ
本願に例示された化合物は、下記のアッセイのうちの1以上で活性を示した。
【0217】
内因的に発現されるARに対する化合物の親和性に関するヒドロキシルアパタイトに基づく放射性リガンド置換アッセイ
材料:
結合緩衝液:TEGM(10mM Tris−HCl、1mM EDTA、10%グリセリン、1mM β−メルカプトエタノール、10mM モリブデン酸ナトリウム、pH7.2);
50%HAPスラリー:カルバイオケム(Calbiochem)のヒドロキシルアパタイト、ファストフロー(Fast Flow)、10mM Tris中、pH8.0および1mM EDTA;
洗浄緩衝液:40mM Tris、pH7.5、100mM KCl、1mM EDTAおよび1mM EGTA;
95%EtOH;
メチルトリエノロン、[17a−メチル−H]、(R1881);NENNET590;
メチルトリエノロン(R1881)、NENNLP005(95%EtOHに溶解);
ジヒドロテストステロン(DHT)[1,2,4,5,6,7−H(N)NENNET453;
ヒドロキシルアパタイト・ファストフロー;カルバイオケムのカタログ番号391947;
モリブデン酸化合物=モリブデン酸(Sigma, M1651)。
【0218】
【表5】

【0219】
細胞継代培養
細胞(Hall R. E., et al. , European Journal of Cancer, 30A, 484-490 (1994))をPBSで2回洗浄し、フェノールレッドを含まないトリプシン−EDTAを同じPBSで1:10に希釈する。細胞層をトリプシンで1回洗浄し、過剰のトリプシンを注ぎ出し、細胞層を37℃で約2分間インキュベートする。フラスコを軽く叩き、細胞剥離の徴候を調べる。細胞のフラスコからの滑り落ちが開始したら、完全培地を加えてトリプシンを殺す。その時点で細胞をカウントし、適切な濃度に希釈し、さらに培養するためにフラスコやシャーレに分け入れる(通常、1:3〜1:6希釈)。
【0220】
MDA−MB−453細胞溶解物の取得
MDA細胞が70〜85%の集密度となったら、細胞を上記の方法に従って剥離させ、4℃で10分間にわたり1000gにて遠心することで回収する。細胞ペレットをTEGM(10mM Tris−HCl、1mM EDTA、10%グリセリン、1mM β−メルカプトエタノール、10mM モリブデン酸ナトリウム、pH7.2)で2回洗浄する。最終洗浄後、細胞を10個/mLの濃度でTEGMに再度懸濁させる。細胞懸濁液を液体窒素またはエタノール・ドライアイス浴で急速冷凍し、ドライアイスに乗せて−80℃の冷凍庫に入れる。結合アッセイの準備を行う前に、冷凍サンプルを氷−水に入れて、丁度解凍するようにする(約1時間)。次に、サンプルを4℃で30分間12500g〜20000gで遠心する。上清を用いて、直ちにアッセイの準備を行う。上清50μLを用いる場合、被験化合物はTEGM緩衝液50μL中で調製することができる。
【0221】
複数化合物スクリーニングの手順
1×TEGM緩衝液を調製し、EtOH(反応での最終濃度2%)、H−R1881またはH−DHT(反応での最終濃度0.5nM)および1×TEGMの順で放射性同位元素含有アッセイ混合物を調製する[例えば、サンプル100個の場合、EtOH 200μL(100×2)+1:10 H−R1881原液4.25μL+1×TEGM 2300μL(100×23)]。化合物を順次希釈する。例えば、開始最終濃度が1μMであって、化合物が溶液25μL中である場合、二連サンプルの場合、4×1μM溶液75μLを得て、100μM液3μLを緩衝液72μLに加え、1:5順次希釈する。
【0222】
最初にH−R1881トレース液25μLおよび化合物溶液25μLを混合し、次に受容体溶液50μLを加える。反応液を緩やかに混合し、約200rpmで短時間遠心し、4℃で終夜インキュベートする。50%HAPスラリー100μLを調製し、インキュベートした反応液に加え、それを渦撹拌し、氷上で5〜10分間インキュベートする。反応液をインキュベートしながら、反応混合物をさらに2回渦撹拌してHAPを再度懸濁させる。96ウェル形式に入ったサンプルを、フィルターメート(FilterMate(商標名)ユニバーサルハーベスタ(Universal Harvester)プレート洗浄装置(Packard)を用いて洗浄緩衝液で洗浄する。その洗浄工程によって、リガンド結合発現受容体を含有するHAPペレットをユニフィルター(Unifilter)−96GF/Bフィルタープレート(Packard)に移す。フィルタープレート上のHAPペレットを、マイクロシント(MICROSCINT)(Packard)シンチリント(scintillint)50μLとともに30分間インキュベートしてから、トップカウント(TopCount)マイクロシンチレーションカウンタ(Packard)でカウンティングする。R1881を基準として用いてIC50を計算する。
【0223】
表1〜4にある化合物の実施例1〜34ならびに実施例35および36を上記アッセイで調べたところ、1μM以下のIC50を有することが認められた。
【0224】
MMP1プロモーター抑制、一時トランスフェクションアッセイ(TRAMPS)
10%活性炭処理FCSを含むフェノールレッドを含まないMEM中、5%COとともに37℃でHepG2細胞をインキュベートする。トランスフェクションを行うため、96ウェルの白色の透明底プレートで細胞10000個/ウェルにて細胞の平板培養を行う。24時間後、製造者推奨のプロトコールに従って、FuGENE6トランスフェクション試薬を用いて細胞をMMP1プロモーター−ルシフェラーゼ受容体構築物およびアカゲザル発現構築物(50:1の比)で共トランスフェクションする。ヒトMMP1プロモーター断片(−179/+63)をpGL2ルシフェラーゼレポーター構築物(Promega)に挿入することでMMP1プロモーター−ルシフェラーゼレポーター構築物を形成し、CMV−Tag2B発現ベクター(Stratagene)でアカゲザルAR発現構築物を形成する。細胞をさらに24時間培養し、MMP1プロモーターの基底線活性を高めるために用いられる100nMホルボール−12−ミリステート−13−アセテート(PMA)存在下に被験化合物で処理する。その時点で、1000nM〜0.03nMの範囲で、10倍希釈、10倍濃度で1/10用量にて化合物を加える(例:10倍でのリガンド10μLをすでにウェルに入っている培地100μLに加える)。細胞をさらに48時間培養する。次に、細胞をPBSで2回洗浄し、ウェルに細胞溶解緩衝液(1×、Promega)70μLを加えることで溶解する。1450マイクロベータ・ジェット(Microbeta Jet)(Perkin Elmer)光度計を用いて、ルシフェラーゼ活性を96ウェル形式で測定する。被験化合物の活性が、PMA刺激対照レベルからのルシフェラーゼ信号の抑制として提供される。EC50およびEmax値を報告する。本発明の組織選択的アンドロゲン受容体調節剤は、代表的にはミクロモル以下のEC50値および約50%を超えるEmax値で抑制を活性化する。
【0225】
Newberry EP, Willis D, Latifi T, Boudreaux JM, Towler DA. ″Fibroblast growth factor receptor signaling activates the human interstitial collagenase promoter via the bipartite Ets-AP1 element,″ Mol Endocrinol. 11: 1129-44 (1997)およびSchneikert J, Peterziel H, Defossez PA, Klocker H, Launoit Y, Cato AC, ″Androgen receptor-Ets protein interaction is a novel mechanism for steroid hormone-mediated down-modulation of matrix metalloproteinase expression,″ J Biol Chem. 271: 23907-13 (1996)を参照する。
【0226】
アンドロゲン受容体のN末端およびC末端のリガンド誘発相互作用についての哺乳動物2−ハイブリッドアッセイ(作働薬モード)
このアッセイは、活性化アンドロゲン受容体が介在するインビボでの男性化能力を反映するrhARのN末端領域(NTD)とC末端領域(CTD)との間の相互作用をAR作働薬が誘発する能力を評価するものである。rhARのNTDとCTDとの相互作用は、CV−1サル腎臓細胞での哺乳動物2−ハイブリッドアッセイとしてのGal4DBD−rhARCTD融合タンパク質とVP16−rhARNTD融合タンパク質との間のリガンド誘発の結合として定量される。
【0227】
トランスフェクションの前日、CV−1細胞をトリプシン処理し、カウントし、DMEM+10%FCS中にて96ウェルプレートまたはそれより大きいプレート(相応に規模を大きくする)で、細胞20000個/ウェルで平板培養する。翌朝、販売業者推奨の手順に従って、リポフェクタミン(LIPOFECTAMINE)試薬(GIBCO-BRL)を用いて、CV−1細胞をpCBB1(SV40初期プロモーター下で発現されるGal4DBD−rhARLBD融合構築物)、pCBB2(SV40初期プロモーター下で発現されるVP16−rhARNTD融合構築物)およびpFR(Gal4応答性ルシフェラーゼレポーター、Promega)と共トランスフェクションする。すなわち、pCBB1 0.05μg、pCBB2 0.05gおよびpFR 0.1μgのDNA混合物をOPTI−MEM(GIBCO-BRL)3.4μLと混合し、「PLUS試薬」(1.6μL、GIBCO-BRL)と混合し、室温(RT)で15分間インキュベートして、前複合体化DNAを形成する。
【0228】
各ウェルについて、リポフェクタミン試薬(GIBCO-BRL)0.4μLを第2の試験管中にてOPTI−MEM4.6μLで希釈し、混合して希釈リポフェクタミン試薬を形成する。前複合体化DNA(上記)および希釈リポフェクタミン試薬(試薬)を合わせ、混合し、室温で15分間インキュベートする。細胞上の培地を40μL/ウェルのOPTI−MEMと交換し、DNA−脂質複合体10μLを各ウェルに加える。複合体を培地にゆっくり混合し、37℃で5%COにて5時間インキュベートする。インキュベーション後、200μL/ウェルのD−MEMおよび13%活性炭処理FCSを加え、次に37℃で5%COにてインキュベーションする。24時間後、被験化合物を所望の濃度(1nM〜10μM)で加える。48時間後、製造者のプロトコールに従って、LUC−Screenシステム(TROPIX)を用いてルシフェラーゼ活性を測定する。アッセイ溶液1と次にアッセイ溶液2をそれぞれ50μL順次加えることで、アッセイをウェルで直接実施する。室温で40分間インキュベーションした後、2〜5秒間の積算で発光を直接測定する。
【0229】
3nM R1881によって得られる活性に対するEmaxとして、被験化合物の活性を計算する。本発明の代表的な組織選択的アンドロゲン受容体調節剤は、このアッセイで弱い作働薬活性を示すか全く活性を示さず、10μMで50%未満の作働薬活性である。
【0230】
He B, Kemppainen JA, Voegel JJ, Gronemeyer H, Wilson EM, ″Activation function in the human androgen receptor ligand binding domain mediates inter-domain communication with the NH(2)-terminal domain,″ J Biol Chem. 274: 37219-37225 (1999)を参照する。
【0231】
アンドロゲン受容体のN末端領域とC末端領域の間の相互作用の拮抗に関する哺乳動物2−ハイブリッドアッセイ(拮抗薬モード)
このアッセイは、上記のCV−1細胞での哺乳動物2−ハイブリッドアッセイにおけるrhARのNTDとCTDの間の相互作用に対するR1881の刺激効果を被験化合物が拮抗する能力を評価するものである。
【0232】
トランスフェクションから48時間後、代表的には10μM、3.3μM、1μM、0.33μM、100nM、33nM、10nM、3.3nMおよび1nMの最終濃度の被験化合物でCV−1細胞を処理する。37℃で5%COにて10〜30分間にわたってインキュベートした後、AR作働薬であるメチルトリエノロン(R1881)を最終濃度0.3nMまで加え、37℃でインキュベートする。48時間後、製造者推奨のプロトコールに従ってLUC−Screenシステム(TROPIX)を用いて、ルシフェラーゼ活性を測定する。被験化合物がR1881の作用に拮抗する能力を、0.3nM R1881単独での値と比較した相対発光として計算する。
【0233】
アンドロゲン受容体のトランスアクチベーション調節(TAMAR)
このアッセイは、被験化合物が自然にヒトARを発現するヒト乳癌細胞系であるMDA−MB−453細胞におけるMMTV−LUCレポーター遺伝子からの転写を制御する能力を評価する。このアッセイは、LUCレポーター遺伝子に連結した修飾MMTVLTR/促進剤の誘発を測定するものである。
【0234】
細胞20000〜30000個/ウェルを、白色の透明底96ウェルプレートで、10%FBS含有のフェノールレッドを含まないRPMI1640、4mM L−グルタミン、20mM HEPES、10μg/mLヒトインシュリンおよび20μg/mLゲンタマイシンからなる「指数成長培地」中にて平板培養する。インキュベータ条件は、37℃および5%COである。トランスフェクションをバッチモードで行う。細胞をトリプシン処理し、適切な量の新鮮な培地中で正確な細胞数をカウントし、次にフゲン(Fugene)/DNAカクテル混合物と緩やかに混合し、96ウェルプレート上で平板培養する。全てのウェルに培地+脂質/DNA複合体200Tlを加え、37℃で終夜インキュベートする。トランスフェクションカクテルは、血清を含まないオプティメム(Optimem)、フゲン6試薬およびDNAからなる。カクテル準備の製造者(Roche Biochemical)プロトコールに従う。脂質(Tl)/DNA(Tg)比は約3:2であり、インキュベーション時間は室温で20分間である。トランスフェクションから16〜24時間後に、最終DMSO(媒体)濃度が<3%となるように細胞を被験化合物で処理する。細胞を被験化合物に48時間曝露する。48時間後、細胞をプロメガ(Promega)細胞培養溶解緩衝液によって30〜60分間溶解し、抽出物におけるルシフェラーゼ活性を96ウェル式光度計で定量する。
【0235】
活性(Emax)は、100nMのR1881による処理によって得られた活性に対する活性パーセントとして表す。被験化合物の活性を、100nMのR1881で得られた活性に対するEmaxとして計算する。
【0236】
R. E. Hall, et al., ″MDA-MB-453, an androgen-responsive human breast carcinoma cell line with high androgen receptor expression,″ Eur. J. Cancer, 30A: 484-490 (1994)およびR. E. Hall, et al., ″Regulation of androgen receptor gene expression by steroids and retinoic acid in human breast-cancer cells,″ Int. J. Cancer., 52: 778-784 (1992)を参照する。
【0237】
インビボ前立腺アッセイ
最も早い性的成熟段階である9〜10週齢の雄スプレーグ−ドーリーラットを、予防モードで用いる。目的は、アンドロゲン様化合物が睾丸摘出(睾丸摘出術[ORX])から7日間の期間に生じる腹側前立腺および精嚢の急速な退化(約−85%)を遅延させる程度を測定することにある。
【0238】
ラットの睾丸摘出(ORX)を行う。各ラットの体重測定を行い、イソフルランガスで麻酔を施し、そのガスの効力を維持する。陰嚢に1.5cmの前後切開を行う。右睾丸を体外に出す。精嚢動脈および輪精管を、睾丸の近位0.5cmのところで4.0絹糸で結紮する。結紮部位から遠位で小型手術鋏で1回切ることで睾丸を切り離す。組織残部を陰嚢に戻す。同様の手順を左睾丸についても繰り返す。両方の残部を陰嚢に戻したら、陰嚢およびそれを覆う皮膚を4.0絹糸で縫合して閉じる。擬似ORXの場合、結紮および鋏切断以外の全ての手順を行う。ラットは、10〜15分以内に完全に覚醒し、完全に運動性を回復する。
【0239】
外科切開の縫合直後に、1用量の被験化合物ラットに皮下投与または経口投与する。投与はさらに6連続日にわたって継続する。
【0240】
剖検およびエンドポイント
最初にラットの体重を測定し、次に死亡する寸前までCO室で麻酔を施す。全血約5mLを心臓穿刺によって採取する。次に、ラットに関して死亡およびORX完了の一定の徴候を調べる。次に、前立腺の腹側部分を確認し、高度に定形化された様式で鈍的に切開して分離する。腹側前立腺を3〜5秒間拭き取りによって乾燥させ、秤量する(VPW)。最後に、精嚢を確認し、切開して分離する。その精嚢を3〜5秒間拭き取りによって乾燥させ、秤量する(SVWT)。
【0241】
このアッセイの一次データは、腹側前立腺および精嚢の重量である。二次データには、血清LH(黄体形成ホルモン)およびFSH(卵胞刺激ホルモン)ならびに骨形成および男性化の可能な血清マーカーなどがある。データをANOVA+フィッシャーPLSD後知恵検定によって解析して、群間差を確認する。被験化合物がVPWおよびSVWTのORX誘発喪失を阻害する程度を評価する。
【0242】
インビボ骨形成アッセイ
7〜10月齢の雌スプレーグ−ドーリーラットを治療モードで用いて、ヒト成人女性のシミュレーションを行う。75〜180日前にラットの卵巣摘出(OVX)を行って、骨損失を生じさせ、エストロゲン欠乏の骨減少症成人女性をシミュレーションしておく。低用量の強力な抗骨吸収剤であるアレンドロン酸の前投与(0.0028mpkSC、2回/週)を第0日に開始する。第15日に、被験化合物投与を開始する。被験化合物投与は、第15〜31日に行い、第32日に剖検を行う。目的は、骨膜表面での螢光色素標識増加によって示される骨形成の量をアンドロゲン様化合物が増加させる程度を測定することにある。
【0243】
代表的なアッセイでは、ラット7匹の9群について試験を行う。
【0244】
第19日および第29日(投与第5日および第15日)に、各ラットにカルセイン単回皮下注射(8mg/kg)を行う。
【0245】
剖検およびエンドポイント
最初にラットの体重を測定し、CO室で死亡寸前まで麻酔を施す。全血約5mLを心臓穿刺によって採取する。次に、ラットについて死亡およびOVX完了のある種の徴候を調べる。最初に、子宮を確認し、高度に定形化した様式で鈍的に切開して分離し、3〜5秒間拭き取りによって乾燥させ、秤量する(UW)。子宮を10%中性緩衝ホルマリンに入れる。次に、右足を臀部で脱臼させる。大腿骨および脛骨を膝で摘出し、肉を実質的に除去し、70%エタノールに入れる。
【0246】
中央に大腿近位−遠位中間点を有する中央右大腿骨の1cm切片をシンチレーション管に入れ、勾配アルコールおよびアセトンで脱水および脱脂し、メタクリル酸メチル濃度を段階的に上昇させた溶液に入れる。それを90%メタクリル酸メチル:10%フタル酸ジブチルの混合物に埋め込んで、48〜72時間にわたって重合させる。瓶を割り、プラスチック塊をライカ(Leica)1600ソー・マイクロトーム(Saw Microtome)の万力型の試料ホルダーに簡便に嵌合される形状に切り、骨の長軸を横に切る準備を行う。厚さ85μmの横断面切片3個を得て、スライドグラスに乗せる。骨の中心点に近い各ラットからの切片1個を選択し、ブラインドコードする(blind-coded)。各切片の骨膜表面について、総骨膜表面、単一螢光色素標識、2重蛍光色素標識および標識間距離を評価する。
【0247】
このアッセイの一次データは、骨形成の半独立マーカーである2重標識を有する骨膜表面のパーセントおよび無機物付加(apposition)率(標識間距離(μm)/10日)である。二次データは、子宮重量および組織学的特徴などである。三次エンドポイントには、骨形成および男性化の血清マーカーなどがあり得る。データをANOVA+フィッシャーPLSD後知恵検定によって解析して、群間差を確認する。被験化合物が骨形成エンドポイントを増加させる程度を評価する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記構造式Iの化合物および該化合物の製薬上許容される塩または立体異性体。
【化1】

[式中、
aは、二重結合および単結合から選択され;
Xは、水素またはハロゲンであり;
nは、0、1、2、3または4であり;
U、V、WおよびDはそれぞれ独立に、CHおよびNから選択され;ただし、U、V、WおよびDのうちの少なくとも一つはCHであり;
は、水素、CF、カルボニル(C1−3アルキル)、ヒドロキシル、C1−4アルコキシ、ハロゲン、C1−3アルキル、ヒドロキシメチルおよび(C0−6アルキル)アミノから選択され;前記アルキルおよびアルコキシはそれぞれ、1〜7個のフッ素原子で置換されていても良く;
およびRは独立に、水素、ハロゲン、C1−8アルキル、アミノC0−6アルキル、C1−6アルキルアミノC0−6アルキル、(C1−6アルキル)アミノC0−6アルキル、C1−6アルコキシC0−6アルキル、ヒドロキシカルボニルC0−6アルキル、ヒドロキシC0−6アルキル、C1−6アルコキシカルボニルC0−6アルキル、ヒドロキシカルボニルC1−6アルキルオキシ、シアノ、パーフルオロC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルコキシ、C0−6アルキルカルボニル、C1−6アルキルカルボニルオキシ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノ、C1−6アルコキシカルボニルアミノ、C1−6アルキルアミノカルボニルアミノ、(C1−6アルキル)アミノカルボニルアミノおよび(C1−6アルキル)アミノカルボニルオキシから選択され;
およびRがこれらが結合している炭素原子と一体となって、C3−6シクロアルキル基またはオキソ基を形成していても良く;
およびRはそれぞれ独立に、1個以上のRで置換されていても良く;
は、水素、ハロゲン、C1−10アルキル(カルボニル)0−1、アリールC0−8アルキル、アミノC0−8アルキル、C1−3アシルアミノC0−8アルキル、C1−6アルキルアミノC0−8アルキル、C1−6ジアルキルアミノC0−8アルキル、アリールC0−6アルキルアミノC0−6アルキル、C1−4アルコキシアミノC0−8アルキル、ヒドロキシC1−6アルキルアミノC0−8アルキル、C1−4アルコキシC0−6アルキル、ヒドロキシカルボニルC0−6アルキル、C1−4アルコキシカルボニルC0−6アルキル、ヒドロキシカルボニルC0−6アルキルオキシ、ヒドロキシC1−6アルキルアミノC0−6アルキルまたはヒドロキシC0−6アルキルから選択され;
は、OH、(C1−6)アルコキシ、ハロゲン、COH、CN、O(C=O)C〜Cアルキル、NO、トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ、−O(0−1)(C1−10)パーフルオロアルキルおよびNHから選択される1以上の基で置換されていても良く;
は、ハロゲン、(カルボニル)0−11−10アルキル、(カルボニル)0−12−10アルケニル、(カルボニル)0−12−10アルキニル、(カルボニル)0−1アリールC1−10アルキル、C3−8シクロアルキルC0−10アルキル、(C3−8)複素環C0−10アルキル、C1−4アシルアミノC0−10アルキル、C0−10アルキルアミノC0−10アルキル、ジ−(C1−10アルキル)アミノC0−10アルキル、アリールC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、(アリールC0−10アルキル)アミノC0−10アルキル、C3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、C3−8複素環C0−10アルキルアミノC0−10アルキル、(C3−8シクロアルキルC0−10アルキル)アミノC0−10アルキル、(C3−8複素環C0−10アルキル)アミノC0−10アルキル、C3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノカルボニルアミノ、(C1−10アルキル)アミノカルボニルアミノ、(アリールC1−10アルキル)1−2アミノカルボニルアミノ、C0−10アルキルアミノカルボニルアミノ、C3−8複素環C0−10アルキルアミノカルボニルアミノ、(C1−10アルキル)アミノカルボニルC0−10アルキル、(アリールC1−10アルキル)1−2アミノカルボニルC0−10アルキル、C0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、C3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、C3−8複素環C0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、アリールC0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、(C1−10アルキル)アミノカルボニル、(アリールC1−10アルキル)1−2アミノカルボニル、C1−10アルコキシ(カルボニル)0−10−10アルキル、カルボキシC0−10アルキルアミノ、カルボキシC0−10アルキル、カルボキシアリール、カルボキシC3−8シクロアルキル、カルボキシC3−8複素環、C1−10アルコキシ、C1−10アルキルオキシC0−10アルキルC1−10アルキルカルボニルオキシ、C3−8複素環C0−10アルキルカルボニルオキシ、C3−8シクロアルキルC0−10アルキルカルボニルオキシ、アリールC0−10アルキルカルボニルオキシ、C1−10アルキルカルボニルオキシアミノ、アリールC0−10アルキルカルボニルオキシアミノ、C3−8複素環C0−10アルキルカルボニルオキシアミノ、C3−8シクロアルキルC0−10アルキルカルボニルオキシアミノ、(C1−10アルキル)アミノカルボニルオキシ、(アリールC0−10アルキル)1−2アミノカルボニルオキシ、(C3−8複素環C0−10アルキル)1−2アミノカルボニルオキシ、(C3−8シクロアルキルC0−10アルキル)1−2アミノカルボニルオキシ、ヒドロキシC0−10アルキル、ヒドロキシカルボニルC0−10アルコキシ、ヒドロキシカルボニルC0−10アルキルオキシ、C1−10アルキルチオ、C1−10アルキルスルフィニル、アリールC0−10アルキルスルフィニル、C3−8複素環C0−10アルキルスルフィニル、C3−8シクロアルキルC0−10アルキルスルフィニル、C1−10アルキルスルホニル、アリールC0−10アルキルスルホニル、C3−8複素環C0−10アルキルスルホニル、C3−8シクロアルキルC0−10アルキルスルホニル、C1−10アルキルスルホニルアミノ、アリールC1−10アルキルスルホニルアミノ、C3−8複素環C1−10アルキルスルホニルアミノ、C3−8シクロアルキルC1−10アルキルスルホニルアミノ、シアノ、ニトロ、パーフルオロC1−6アルキルおよびパーフルオロC1−6アルコキシから選択され;
は、少なくとも1個の置換基Rで置換されていても良く;
は、ハロゲン、(カルボニル)0−11−10アルキル、(カルボニル)0−12−10アルケニル、(カルボニル)0−12−10アルキニル、(カルボニル)0−1アリールC0−10アルキル、C3−8シクロアルキルC0−10アルキル、(C3−8)複素環C0−10アルキル、(C3−8)ヘテロシクロアルキルC0−10アルキル、C1−4アシルアミノC0−10アルキル、C0−10アルキルアミノC0−10アルキル、ジ−(C1−10アルキル)アミノC0−10アルキル、アリールC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、(アリールC0−10アルキル)アミノC0−10アルキル、C3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、C3−8複素環C0−10アルキルアミノC0−10アルキル、C3−8ヘテロシクロアルキルC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、C0−10アルキルカルビミドイルC0−10アルキル、(C1−10アルキル)アミノカルボニル、C1−10アルコキシ(カルボニル)0−10−10アルキル、C1−10アルキルオキシC0−10アルキル、(C1−10アルキル)アミノカルボニルオキシ、ヒドロキシカルボニルC0−10アルコキシ、(C1−10アルキル)アミノカルボニルオキシ、(アリールC0−10アルキル)1−2アミノカルボニルオキシ、ヒドロキシC0−10アルキル、C1−10アルキルスルホニル、C1−10アルキルスルホニルアミノ、アリールC1−10アルキルスルホニルアミノ、C3−8複素環C1−10アルキルスルホニルアミノ、C3−8ヘテロシクロアルキルC1−10アルキルスルホニルアミノ、パーフルオロC1−6アルコキシ、C3−8シクロアルキルC1−10アルキルスルホニルアミノ、シアノ、ニトロおよびパーフルオロC1−6アルキルから選択され;
は、OH、NO、(C1−6)アルコキシ、ハロゲン、COH、CN、O(C=O)C〜Cアルキル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシおよび−O(0−1)(C1−10)パーフルオロアルキルから選択される1個以上の基で置換されていても良い。]
【請求項2】
Xがフッ素である請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Xが水素である請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
が、水素、CF、ヒドロキシルおよび1〜7個のフッ素原子で置換されていても良いC1−3アルキルから選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
が、水素およびC1−3アルキルから選択される請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
がメチルである請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
U、V、WおよびDがそれぞれ独立にCHおよびNから選択され;ただし、U、V、WおよびDのうちの少なくとも2つがそれぞれCHである請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
が、ハロゲン、(カルボニル)0−11−10アルキル、(カルボニル)0−12−10アルケニル、(カルボニル)0−12−10アルキニル、C1−10アルケニルアミノ、(カルボニル)0−1アリールC0−10アルキル、C3−8シクロアルキルC0−10アルキル、(C3−8)複素環C0−10アルキル、C3−8ヘテロシクロアルキルC0−10アルキル、C1−4アシルアミノC0−10アルキル、C0−10アルキルアミノC0−10アルキル、ジ−(C1−10アルキル)アミノC0−10アルキル、アリールC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、(アリールC0−10アルキル)アミノC0−10アルキル、C3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、C3−8複素環C0−10アルキルアミノC0−10アルキル、C3−8ヘテロシクロアルキルC0−10アルキルアミノC0−10アルキル、(C3−8シクロアルキルC0−10アルキル)アミノC0−10アルキル、(C3−8複素環C0−10アルキル)アミノC0−10アルキル、(C3−8ヘテロシクロアルキルC0−10アルキル)アミノC0−10アルキル、C3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノカルボニルアミノ、(C1−10アルキル)アミノカルボニルアミノ、(アリールC1−10アルキル)1−2アミノカルボニルアミノ、C0−10アルキルアミノカルボニルアミノ、C3−8複素環C0−10アルキルアミノカルボニルアミノ、C3−8ヘテロシクロアルキルC0−10アルキルアミノカルボニルアミノ、C0−10アルキルカルボニルアミノC0−10アルキル、C3−8シクロアルキルC0−10アルキルカルボニルアミノC0−10アルキル、C3−8複素環C0−10アルキルカルボニルアミノC0−10アルキル、C3−8ヘテロシクロアルキルC0−10アルキルカルボニルアミノC0−10アルキル、(C1−10アルキル)アミノカルボニルC0−10アルキル、(アリールC1−10アルキル)1−2アミノカルボニルC0−10アルキル、C0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、C3−8シクロアルキルC0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、C3−8複素環C0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、アリールC0−10アルキルアミノカルボニルC0−10アルキル、カルボキシC0−10アルキル、C1−10アルコキシ(カルボニル)0−10−10アルキル、C1−10アルキルカルボニルオキシ、C3−8複素環C0−10アルキルカルボニルオキシ、C3−8シクロアルキルC0−10アルキルカルボニルオキシ、アリールC0−10アルキルカルボニルオキシ、アリールC0−10アルキルカルボニルアミノC0−10アルキル、アミノC0−10アルキルカルビミドイルC0−10アルキルアミノ、C0−10アルキルカルボキシC0−10アルキルアミノ、C1−10アルキル(カルボニル)0−1オキシC0−10アルキルアミノ、C3−8複素環C0−10アルキル(カルボニル)0−1オキシC0−10アルキルアミノ、C3−8ヘテロシクロアルキルC0−10アルキル(カルボニル)0−1オキシC0−10アルキルアミノ、C3−8シクロアルキルC0−10アルキル(カルボニル)0−1オキシC0−10アルキルアミノ、アリールC0−10アルキル(カルボニル)0−1オキシC0−10アルキルアミノ、C1−10アルキルスルホニルアミノ、アリールC1−10アルキルスルホニルアミノ、C3−8複素環C1−10アルキルスルホニルアミノ、C3−8ヘテロシクロアルキルC1−10アルキルスルホニルアミノ、C3−8シクロアルキルC1−10アルキルスルホニルアミノ、シアノ、ニトロ、パーフルオロC1−6アルキルおよびパーフルオロC1−6アルコキシから選択され;
が、少なくとも1個の置換基Rで置換されていても良い請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
およびRがそれぞれ独立に、水素、ハロゲン、C1−8アルキル、アミノC0−6アルキル、C1−6アルキルアミノC0−6アルキル、C1−6アルコキシC0−6アルキル、ヒドロキシカルボニルC0−6アルキル、ヒドロキシカルボニルC1−6アルキルオキシ、ヒドロキシC0−6アルキル、C0−6アルキルカルボニル、C1−6アルキルカルボニルオキシ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルコキシカルボニルアミノ、C1−6アルキルアミノカルボニルアミノから選択され;
およびRがそれらが結合している炭素原子と一体となって、C3−6シクロアルキル基またはオキソ基を形成していても良く;
およびRがそれぞれ独立に、1個以上のRで置換されていても良い請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
Xが水素である請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
Xがフッ素である請求項9に記載の化合物。
【請求項12】
U、V、WおよびDのうちの少なくとも2個がそれぞれCHである請求項10に記載の化合物。
【請求項13】
U、V、WおよびDがそれぞれCHである請求項10に記載の化合物。
【請求項14】
aが二重結合である請求項3に記載の化合物。
【請求項15】
から選択される請求項1に記載の化合物ならびに該化合物の製薬上許容される塩および立体異性体。
【請求項16】
アンドロゲン受容体が介在する機能の調節を必要とする哺乳動物でのアンドロゲン受容体が介在する機能の調節方法であって、治療上有効量の請求項1に記載の化合物または該化合物の製薬上許容される塩もしくは立体異性体を投与する段階を有する方法。
【請求項17】
アンドロゲン受容体の機能の活性化を必要とする哺乳動物でのアンドロゲン受容体の機能を活性化する方法であって、治療上有効量の請求項1に記載の化合物または該化合物の製薬上許容される塩もしくは立体異性体を投与する段階を有する方法。
【請求項18】
アンドロゲン受容体が介在する前記機能を、骨または筋肉組織で活性化し、前立腺または子宮では遮断する請求項16に記載の方法。
【請求項19】
低筋緊張、骨粗鬆症、骨減少症、糖質コルチコイド誘発骨粗鬆症、歯周病、骨折、骨再建術後の骨損傷、サルコぺニア、虚弱、皮膚老化、男性性腺機能低下症、女性における閉経後症状、アテローム性動脈硬化、高コレステロール血症、高脂血症、肥満、再生不良性貧血、造血障害、関節炎状態および関節修復、HIV性の消耗、前立腺癌、癌悪液質、筋ジストロフィー、アルツハイマー病、認識衰退、性機能不全、睡眠時無呼吸、良性前立腺肥大、腹部脂肪蓄積、メタボリック症候群、II型糖尿病、抑鬱、早発閉経および自己免疫疾患から選択されるアンドロゲン欠乏が原因であり、アンドロゲン置換によって改善することができるか、アンドロゲン置換によって向上させることができる哺乳動物での状態の治療方法であって、そのような治療を必要とする前記哺乳動物に対して、治療上有効量の請求項1に記載の化合物または該化合物の製薬上許容される塩もしくは立体異性体を投与する段階を有する方法。
【請求項20】
前記状態が骨粗鬆症である請求項19に記載の方法。
【請求項21】
骨粗鬆症の治療を必要とする哺乳動物での骨粗鬆症の治療方法であって、治療上有効量の請求項1に記載の化合物または該化合物の製薬上許容される塩もしくは立体異性体を投与する段階を有する方法。
【請求項22】
(1)単独またはプロゲスチンもしくはプロゲスチン誘導体との併用でのエストロゲンまたはエストロゲン誘導体;
(2)ビスホスホン酸化合物;
(3)抗エストロゲンもしくは選択的エストロゲン受容体調節剤;
(4)αvβ3インテグリン受容体拮抗薬;
(5)カテプシンK阻害薬;
(6)HMG−CoAレダクターゼ阻害薬;
(7)破骨細胞空胞ATPase阻害剤;
(8)破骨細胞受容体へのVEGF結合の拮抗薬;
(9)ペルオキソーム増殖因子活性化受容体γの活性化剤;
(10)カルシトニン;
(11)カルシウム受容体拮抗薬;
(12)副甲状腺ホルモンまたはそれの類縁体;
(13)成長ホルモン分泌促進剤;
(14)ヒト成長ホルモン;
(15)インシュリン様成長因子;
(16)p38タンパク質キナーゼ阻害薬;
(17)骨形態発生タンパク質;
(18)BMP拮抗作用の阻害薬;
(19)プロスタグランジン誘導体;
(20)ビタミンDまたはビタミンD誘導体;
(21)ビタミンKまたはビタミンK誘導体;
(22)イプリフラボン;
(23)フッ化物塩;
(24)カルシウム補給補助食品;および
(25)オステオプロテゲリン
から選択される薬剤を投与する段階をさらに有する請求項21に記載の方法。
【請求項23】
1)単独またはプロゲスチンもしくはプロゲスチン誘導体との併用での前記エストロゲンまたはエストロゲン誘導体が、ノルエチンドロンおよびメドロキシプロゲステロン酢酸から選択される少なくとも1個の薬剤との併用での接合エストロゲン、ウマエストロゲン、17β−エストラジオール、エストロン、17β−エチニルエストラジオールから選択され;
2)前記ビスホスホン酸化合物が、アレンドロン酸塩、クロドロン酸塩、エチドロン酸塩、イバンドロン酸塩、インカドロン酸塩、ミノドロン酸塩、ネリドロン酸塩、オルパドロン酸塩、パミドロン酸塩、ピリドロン酸塩、リセドロン酸塩、チルドロン酸塩およびゾレドロン酸塩から選択され;
3)前記抗エストロゲンまたは選択的エストロゲン受容体調節剤が、ラロキシフェン、クロミフェン、ズクロミフェン、エンクロミフェン、ナフォキシデン、CI−680、CI−628、CN−55945−27、Mer−25、U−11555A、U−100A、タモキシフェン、ラソフォキシフェン、トレミフェン、アゾルキシフェン、EM−800、EM−652、TSE424、ドロロキシフェン、イドキシフェンおよびレボルメロキシフェンからなる群から選択され;
4)前記HMG−CoAレダクターゼ阻害薬が、ロバスタチン、シンバスタチン、ジヒドロキシ開環酸シンバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、セリバスタチン、ロスバスタチン、ピタバスタチンおよびニスバスタチンから選択され;
5)カルシトニンが、鼻噴霧剤としてのサケカルシトニンであり;
6)骨形態発生タンパク質が、BMP2、BMP3、BMP5、BMP6、BMP7、TGF−βおよびGDF5から選択され;
7)インシュリン様成長因子が、単独またはIGF結合タンパク質3との併用でのIGFIおよびIGFIIから選択され;
8)前記プロスタグランジン誘導体が、プロスタグランジン受容体EP1、EP2、EP4、FPおよびIPの作働薬から選択され;
9)前記線維芽細胞成長因子が、aFGFおよびbFGFから選択され;
10)副甲状腺ホルモン(PTH)またはPTH類縁体が、PTH皮下注射、ヒトPTH(1−84)、ヒトPTH(1−34)および自然もしくは置換のある他の部分配列から選択され;
11)ビタミンDまたはビタミンD誘導体が、天然ビタミンD、25−OH−ビタミンD3、1α,25(OH)ビタミンD3、1α−OH−ビタミンD3、1α−OH−ビタミンD2、ジヒドロタキステロール、26,27−F6−1α,25(OH)ビタミンD3、19−ノル−1α,25(OH)ビタミンD3、22−オキサカルシトリオール、カルシポトリオール、1α,25(OH)−16−エン−23−イン−ビタミンD3(Ro23−7553)、EB1089,20−エピ−1α,25(OH)ビタミンD3、KH1060、ED71、1α,24(S)−(OH)ビタミンD3および1α,24(R)−(OH)ビタミンD3から選択され;
12)前記カルシウム補給補助食品が、炭酸カルシウム、クエン酸カルシウムおよび天然カルシウムから選択され;
13)前記フッ化物塩が、フッ化ナトリウムおよびフルオロリン酸モノナトリウム(MFP)およびそれらの製薬上許容される塩から選択される請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記ビスホスホン酸化合物が、アレンドロン酸モノナトリウム・3水和物またはアレンドロン酸モノナトリウム・1水和物である請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記薬剤が、単独またはプロゲスチンもしくはプロゲスチン誘導体との併用でのエストロゲンまたはエストロゲン誘導体;ビスホスホン酸化合物;抗エストロゲンもしくは選択的エストロゲン受容体調節剤;αvβ3インテグリン受容体拮抗薬;カテプシンK阻害薬;破骨細胞空胞ATPase阻害剤;カルシトニン;オステオプロテグリン;および副甲状腺ホルモンまたはそれの類縁体から選択される請求項22に記載の方法。
【請求項26】
治療上有効量の請求項1に記載の化合物および製薬上許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項27】
単独またはプロゲスチンもしくはプロゲスチン誘導体との併用でのエストロゲンまたはエストロゲン誘導体;ビスホスホン酸化合物;抗エストロゲンもしくは選択的エストロゲン受容体調節剤;αvβ3インテグリン受容体拮抗薬;カテプシンK阻害薬;HMG−CoAレダクターゼ阻害薬;破骨細胞空胞ATPase阻害剤;破骨細胞受容体へのVEGF結合の拮抗薬;ペルオキソーム増殖因子活性化受容体γの活性化剤;カルシトニン;カルシウム受容体拮抗薬;副甲状腺ホルモンまたはそれの類縁体;成長ホルモン分泌促進剤;ヒト成長ホルモン;インシュリン様成長因子;p38タンパク質キナーゼ阻害薬;骨形態発生タンパク質;BMP拮抗作用の阻害薬;プロスタグランジン誘導体;ビタミンDまたはビタミンD誘導体;ビタミンKまたはビタミンK誘導体;イプリフラボン;フッ化物塩;カルシウム補給補助食品;およびオステオプロテゲリンから選択される有効成分をさらに含む請求項26に記載の組成物。
【請求項28】
前記ビスホスホン酸化合物がアレンドロン酸塩である請求項27に記載の組成物。
【請求項29】
骨吸収の阻害を必要とする哺乳動物での骨吸収の阻害方法であって、治療上有効量の請求項1に記載の化合物または該化合物の製薬上許容される塩もしくは立体異性体を投与する段階を有する方法。
【請求項30】
骨ミネラル濃度の増加を必要とする哺乳動物での骨ミネラル濃度の増加方法であって、治療上有効量の請求項1に記載の化合物または該化合物の製薬上許容される塩もしくは立体異性体を投与する段階を有する方法。
【請求項31】
脊椎性または非脊椎性骨折のリスク低減を必要とする哺乳動物での脊椎性または非脊椎性骨折のリスクの低減方法であって、治療上有効量の請求項1に記載の化合物または該化合物の製薬上許容される塩もしくは立体異性体を投与する段階を有する方法。
【請求項32】
骨代謝マーカーを有効にする必要がある哺乳動物での骨代謝マーカーを有効にする方法であって、治療上有効量の請求項1に記載の化合物または該化合物の製薬上許容される塩もしくは立体異性体を投与する段階を有し、前記骨代謝マーカーが、I型コラーゲンの尿C−テロペプチド分解産物(CTX)、I型コラーゲンの尿N−テロペプチド架橋(NTX)、DXAおよびDPDから選択される方法。
【請求項33】
請求項1に記載の化合物と製薬上許容される担体を組み合わせることで製造される医薬組成物。
【請求項34】
請求項1に記載の化合物と製薬上許容される担体とを組み合わせる段階を有する医薬組成物の製造方法。
【請求項35】
関節炎状態の治療または予防を必要とする哺乳動物での関節炎状態の治療または予防方法であって、治療上有効量の請求項1に記載の化合物または該化合物の製薬上許容される塩もしくは立体異性体を投与する段階を有する方法。
【請求項36】
前記関節炎状態が、関節リウマチおよび骨関節炎から選択される請求項35に記載の方法。

【公表番号】特表2007−509962(P2007−509962A)
【公表日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−538255(P2006−538255)
【出願日】平成16年10月27日(2004.10.27)
【国際出願番号】PCT/US2004/035838
【国際公開番号】WO2005/044988
【国際公開日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】