説明

アンモニア合成効率を向上させるシステム及び方法

シンガスを製造するシステム及び方法を提供する。少なくとも1つの具体的な実施形態において、第1反応ゾーン内で蒸気及び1つ以上の第1触媒の存在下で炭化水素を改質し、第1温度の炭化水素、一酸化炭素、二酸化炭素、及び水素の一部を含有する流出物を供給することができる。第1反応ゾーンは、1つ以上の触媒を含有する管を含み得る。流出物を第1温度から第2温度に間接的に加熱することができる。水素、一酸化炭素、二酸化炭素、及び約5モル%未満の無水ベースメタンを含むシンガスを供給するために十分な条件において、1つ以上の酸化剤及び1つ以上の第2触媒の存在下で、第2温度の流出物を改質することができる。シンガスを用いて、流出物を第1温度から第2温度に間接的に加熱することができる。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[技術分野]
本実施形態は、一般的に、アンモニアを製造するシステム及び方法に関する。より詳細には、本発明の実施形態は、合成ガスから熱を回収してアンモニアを製造するシステム及び方法に関する。
[関連技術の説明]
合成ガス又は「シンガス(syngas)」は、典型的には、高温の蒸気及び/又は酸化剤の存在下で、炭素を含有する材料を改質した生成物である。出発物質により、シンガスは通常一酸化炭素及び水素を豊富に含み、また様々な量のメタン、二酸化炭素、窒素、及びアルゴンも含み得る。
【0002】
従来のシンガス調製は、炭化水素を燃焼水蒸気改質器に導入し、炭化水素を水蒸気改質触媒と接触させることを含み得る。炭化水素を水蒸気改質触媒と接触させた後、第一の改質された炭化水素を二次改質器に導入する。二次改質器では、触媒の存在下で、水素及び改質されていない炭化水素類を酸化剤で部分的に酸化する。このような改質段階は吸熱性であり、反応を進行させるために改質器に熱を供給する必要がある。改質反応のための熱は、通常、大量の燃料を燃焼することにより供給される。二次改質器の温度を上げれば、炭化水素のシンガスへの変換が促進されるが、二次改質器の温度を上げるためにはより多くの燃料を酸化させる必要がある。
【0003】
従って、装置のコスト及び大きさを低減し、且つ改質反応のための熱を供給するために必要となる燃料の量を低減しつつ、より多くの炭化水素をシンガスに変換するシステム及び方法の必要性が存在する。
【図面の簡単な説明】
【0004】
本発明の上述の特徴が詳細に理解されるように、上記で簡単に説明した本発明について、実施形態を参照しながらより具体的に説明することができる。これらの実施形態のいくつかは、添付の図面で例示されている。しかしながら、添付の図面は、本発明の単に典型的な実施形態を例示するものにすぎない。従って、本発明は他の同等に有効な実施形態を認めることができるため、添付の図面は本発明の範囲を制限するものとして認識されない。
【図1】記載した1つ以上の実施形態による、シンガスを製造する例示的システムを示している。
【図2】記載した1つ以上の実施形態による、アンモニアを製造する例示的システムを示している。
【図3】記載した1つ以上の実施形態による、アンモニア合成のためにシンガスを精製する例示的精製システムを示している。
【発明を実施するための形態】
【0005】
[詳細な説明]
以下に、詳細な説明を行う。添付された請求項のそれぞれは、個別の発明を定義するものである。この個々の発明は、侵害目的のため、請求項に明記された様々な要素または制限の均等物を含むものとして認識される。以下の「発明」の参照は全て、文脈により、一定の具体的な実施形態だけを参照する場合もあり得る。他の場合は、本「発明」の参照は、1つ以上であるが必ずしも全てではない請求項に記載された主題を参照するものとして認識されよう。これらの発明のそれぞれについて、具体的な実施形態、バージョン及び実施例を含みながら、以下にさらに詳細に説明するが、これらの発明は、これらの実施形態、バージョン又は実施例に制限されない。本特許に含まれる情報を入手可能な情報及び技術と組み合わせれば、当業者がこれらの発明を作製及び使用できるように、このような実施形態、バージョン又は実施例が含まれる。
【0006】
シンガスを製造するシステム及び方法を提供する。少なくとも1つの具体的な実施形態において、第1反応ゾーン内で、蒸気と1つ以上の第1触媒の存在下で炭化水素を改質し、第1温度の炭化水素、一酸化炭素、二酸化炭素、及び水素の一部を含有する流出物を供給することができる。第1反応ゾーンは、1つ以上の触媒を含有する管を含み得る。流出物を第1温度から第2温度に間接的に加熱することができる。1つ以上の酸化剤と1つ以上の第2触媒の存在下で、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、及び約5モル%未満の無水ベースのメタンを含むシンガスを供給するために十分な条件で、第2温度の流出物を改質することができる。このようにして供給されたシンガスを使って、流出物を第1温度から第2温度に間接的に加熱することができる。
【0007】
各図を参照すると、図1は、1つ以上の実施形態によるシンガスを製造する例示的システム100を示している。1つ以上の実施形態において、システム100は、1つ以上の改質器(「一次改質器」)105、1つ以上の熱交換器110、及び1つ以上の改質器(「二次改質器」)115を含み得る。ライン101を介して炭化水素供給材料を、及び、ライン103を介して蒸気を、1つ以上の一次改質器105に導入し、ライン107を介して第1の改質された炭化水素(「流出物」)を供給することができる。
【0008】
1つ以上の実施形態において、ライン101中の炭化水素は、1つ以上の液体又は気体の炭化水素類、これらの混合物、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。1つ以上の実施形態において、ライン101中の炭化水素は、メタン、エタン、プロパン、ブタン、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。例えば、ライン101中の炭化水素中のメタン濃度は、下限約30体積%、約50体積%、又は約75体積%から、上限約95体積%、約99体積%、又は約99.9体積%までの範囲であり得る。残余は、C2、C3、及びより重い炭化水素類を含む。1つ以上の実施形態において、ライン101中の炭化水素の圧力は、下限約700kPa、約1,000kPa、又は約1,400kPaから、上限約4,000kPa、約4,750kPa、又は約5,500kPaまでの範囲であり得る。図示されていないが、1つ以上の一次改質器105に導入する前に、ライン101中の炭化水素を予熱することができる。1つ以上の実施形態において、ライン101中の炭化水素は、約400℃〜約600℃の範囲の温度まで予熱することができる。
【0009】
1つ以上の実施形態において、ライン103を介して導入される蒸気を、ライン101中の炭化水素又は1つ以上の一次改質器105に導入することができる。1つ以上の実施形態において、ライン103及び101内の蒸気対炭素のモル比は、それぞれ約2.5から約4までの範囲、約2.5から約3.5までの範囲、又は約3から約4までの範囲であり得る。1つ以上の実施形態において、ライン103中の蒸気の圧力は、下限約700kPa、約1,000kPa、又は約1,400kPaから、上限約4,000kPa、約4,750kPa、又は約5,500kPaまでの範囲であり得る。
【0010】
ライン107中の流出物の温度(「第1温度」)は、ライン101中の炭化水素より高い。ライン107中の流出物は、水素(「H2」)、二酸化炭素(「CO2」)、一酸化炭素(「CO」)、窒素、アルゴン、水、及びメタンを含み得るが、これに限定されない。1つ以上の実施形態において、ライン107中の流出物のH2濃度は、下限約31モル%、約33モル%、又は約35モル%から、上限約39モル%、約41モル%、又は約43モル%までの範囲であり得る。1つ以上の実施形態において、ライン107中の流出物のCO濃度は、下限約3モル%、約3.5モル%、又は約4モル%から、上限約5モル%、約5.5モル%、又は約6モル%までの範囲であり得る。1つ以上の実施形態において、ライン107中の流出物中のCO2濃度は、下限約4モル%、約4.5モル%、又は約5モル%から、上限約6モル%、約6.5モル%、又は約7モル%までの範囲であり得る。1つ以上の実施形態において、ライン107中の流出物のH2O濃度は、下限約38モル%、約40モル%又は約42モル%から、上限約47モル%、約49モル%、又は約51モル%までの範囲であり得る。1つ以上の実施形態において、ライン107中の流出物のメタン濃度は、下限約6モル%、約7モル%、又は約8モル%から、上限約10モル%、約11モル%、又は約12モル%までの範囲であり得る。例えば、少なくとも1つの具体的な実施形態において、ライン107中の流出物は、約35モル%〜約39モル%のH2、約4モル%〜約5モル%のCO、約6モル%〜約8モル%のCO2、約8モル%〜約10モル%のメタン、及び約42モル%〜約47モル%のH2Oを含み得る。
【0011】
1つ以上の実施形態において、第1温度は、下限約650℃、約675℃、又は約700℃から、上限約730℃、約740℃、又は約750℃の範囲であり得る。1つ以上の実施形態において、第1温度は、約715℃、約725℃、又は約735℃であり得る。1つ以上の実施形態において、第1温度は、少なくとも700℃、少なくとも710℃、少なくとも715℃、又は少なくとも720℃であり得る。
【0012】
1つ以上の実施形態において、1つ以上の一次改質器105内の第1温度の流出物を1つ以上の一次改質器105から直接除去し、冷却することなく1つ以上の熱交換器110に送ることができる。1つ以上の実施形態において、1つ以上の一次改質器105内の第1温度の流出物を、1つ以上の一次改質器から直接除去し、1つ以上の一次改質器105内の第1温度の流出物を冷却することなく、1つ以上の熱交換器110に送ることができる。1つ以上の一次改質器105と1つ以上の熱交換器110間のライン107中の流出物の熱損失は、輸送中の周囲環境への熱損失のみであり得る。言い換えれば、流出物には何ら作用は働かない。
【0013】
1つ以上の実施形態において、ライン101を介して導入される炭化水素の温度を改善して、単調増加した温度を有する流出物を、ライン107を介して供給することができる。本明細書中で使用される場合、「単調」という用語は、一貫して上昇又は一貫して下降するが、相対値は変動しない温度変化を意味する。例えば、温度500℃でライン101を介して一次改質器105に導入される炭化水素を、温度約650℃以上まで単調増加させ、1つ以上の一次改質器からライン107を介して回収することができる。
【0014】
1つ以上の実施形態において、1つ以上の熱交換器110を用いて、ライン107中の第1温度の流出物を加熱することができる。ライン116を介して導入される生のシンガスを用いて、1つ以上の熱交換器110内で流出物を間接的に加熱することができる。1つ以上の実施形態において、1つ以上の二次改質器115によって、ライン116中の生のシンガスを供給することができる。ライン112中の流出物の温度(「第2温度」)は、ライン107中の流出物より高い。ライン117中の生のシンガス(「冷却された生のシンガス」)の温度は、ライン116中の生のシンガスより低い。
【0015】
1つ以上の実施形態において、第2温度は、下限約850℃、約860℃、又は約870℃から、上限約910℃、約920℃、又は約930℃までの範囲であり得る。1つ以上の実施形態において、第2温度は、約875℃、約885℃、又は約895℃であり得る。
【0016】
1つ以上の実施形態において、ライン116中の生のシンガスの温度は、下限約960℃、約970℃、又は約980℃から、上限約1,010℃、約1,020℃、又は約1,030℃までの範囲であり得る。1つ以上の実施形態において、ライン116中の生のシンガスの温度は、約995℃、約1,000℃、又は約1,005℃であり得る。1つ以上の実施形態において、ライン117中の冷却された生のシンガスの温度は、下限約860℃、約870℃、又は約880℃から、上限約900℃、約910℃、又は約920℃までの範囲であり得る。1つ以上の実施形態において、ライン117中の冷却された生のシンガスの温度は、約880℃、約890℃、又は約900℃であり得る。
【0017】
1つ以上の実施形態において、ライン107中の流出物の温度は、1つ以上の熱交換器110内での間接的な熱交換により、約150℃以上、約165℃以上、約185℃以上、約200℃以上、又は約215℃以上、上昇し得る。1つ以上の実施形態において、ライン116中の生のシンガスの温度は、1つ以上の熱交換器110内での間接的な熱交換により、約80℃以上、約100℃以上、約120℃以上、約130℃以上、又は約140℃以上、下降し得る。
【0018】
ライン112中の加熱された流出物を1つ以上の二次改質器115に導入し、ライン116を介して生のシンガスを供給することができる。1つ以上の実施形態において、ライン114を介して酸化剤を二次改質器115に導入することができる。1つ以上の実施形態において、酸化剤を1つ以上の圧縮機を用いて圧縮し、圧縮された酸化剤を、ライン114を介して供給することができる。1つ以上の実施形態において、酸化剤は、約21モル%酸素、約78モル%窒素、及び約1モル%アルゴンを含む空気であり得る。1つ以上の実施形態において、酸化剤は、酸素富化空気、窒素富化空気、又は例えば窒素が5モル%未満の窒素希薄空気であり得る。ライン114中の圧縮された酸化剤の圧力は、下限約700kPa、約1,000kPa、又は約1,400kPaから、上限約4,000kPa、約4,750kPa、又は約5,500kPaまでの範囲であり得る。図示されていないが、酸化剤は、温度約500℃以上、約550℃以上、約600℃以上、約700℃以上、又は約800℃以上まで予熱することができる。
【0019】
1つ以上の実施形態において、ライン116中の生のシンガスは、H2、CO2、CO、窒素、アルゴン、水、及びメタンを含み得るが、これに限定されない。ライン116中の生のシンガスは、約5モル%未満の無水ベースメタン、約3モル%未満の無水ベースメタン、約1モル%未満の無水ベースメタン、約0.7モル%未満の無水ベースメタン、約0.5モル%未満の無水ベースメタン、約0.4モル%未満の無水ベースメタン、又は約0.3モル%未満の無水ベースメタンを含み得る。
【0020】
1つ以上の実施形態において、一次改質器105からのライン107中の流出物の温度を上昇させることにより、二次改質器115内の水蒸気改質反応を向上させることができる。流出物の温度が上昇すると、流出物中に存在するより多くの炭化水素類、例えばメタン及び/又はその他の炭化水素類を、H2及びCOに変換することができる。流出物中に存在する炭化水素類のH2及びCOへの変換率を高めることにより、ライン101を介して必要とされる炭化水素類の量、ライン103を介して必要とされる蒸気の量、一次改質器115を加熱するために必要とされる燃料の量、及びその他のプロセス蒸気を低減することができる。例えば、ライン101を介する炭化水素及びライン103を介する蒸気を、約7%、約10%、又は約13%低減しても、炭化水素変換率の上昇により、ライン116を介する生のシンガス中に同量のH2及びCOを供給することができる。ライン116中の生のシンガスからライン107中の流出物に熱を伝達することによる別の利点として、装置の大きさを縮小でき、資本コストの低減につながる点が挙げられる。
【0021】
1つ以上の実施形態において、1つ以上の一次改質器105を加熱するために必要とされる燃料は、約5%以上、約7%以上、約9%以上、又は約11%以上低減することができる。1つ以上の二次改質器115に導入する前にライン107中の流出物の温度を上昇させることの別の利点としては、二次改質器115によって供給されるライン116中の生のシンガス中に存在する炭化水素類の量が減ることが挙げられる。二次改質器115内での炭化水素類のH2及びCOへの変換率をさらに高めることにより、下流の棄却ガス及び/又は再利用ガス(図示せず)を減らすことができる。例えば、下流の棄却ガス流を、約8%、約10%、又は約13%減らすことができるため、プロセス効率が向上する。1つ以上の実施形態において、アンモニア1Mt当り約0.1Gcal以上、アンモニア1Mt当り約0.12Gcal以上、又はアンモニア1Mt当り約0.14Gcal以上のエネルギー消費を削減することができる。
【0022】
1つ以上の一次改質器105、1つ以上の二次改質器115、又は一次改質器105及び二次改質器115の両方は、1つ以上の触媒を含み得る。1つ以上の触媒は、貴金属、コバルト、ニッケル、これらの酸化物、これらの誘導体、又はこれらの組み合わせを含み得るが、これに限定されない。1つ以上の触媒は、1つ以上の支持材料で支持することができる。1つ以上の支持材料は、アルミナ、耐火アルミナ、アルミン酸マグネシウム、アルミン酸カルシウム、アルミン酸チタン酸カルシウム(calcium aluminate titanate)、ジルコニア、セリウム修飾されたジルコニア、又はこれらの任意の組み合わせを含み得るが、これに限定されない。例示的なニッケルを含む触媒のニッケル含有量は、下限約5重量%、約10重量%、又は約12重量%から、上限約15重量%、約20重量%、又は約25重量%までの範囲であり得る。1つ以上の一次改質器105内で用いられる(disposed)1つ以上の触媒は、1つ以上の二次改質器110内で用いられる1つ以上の触媒と同一であり得る。1つ以上の一次改質器105内で用いられる1つ以上の触媒は、1つ以上の二次改質器110内で用いられる1つ以上の触媒と異なり得る。例えば、1つ以上の一次改質器105内で用いられるニッケル含有触媒は、約15重量%〜約20重量%のニッケルを含み、1つ以上の二次改質器110内で用いられるニッケル含有触媒は、約10%〜約15%のニッケルを含み得る。
【0023】
触媒は、例えばブリケット化、タブレット化等の様々な方法によって、任意の所望の形状又は形態に調製することができる。触媒の形状は、押出しされた円柱、ブリケット化された円柱、又はタブレット化された円柱、ポリローバル(polylobal)押出物、球体、環、中空コア円柱、固体円柱、内側の表面及び/又は外側の表面に溝を有する中空コア円柱、又は任意のその他の適切な幾何学的形状の形態であり得る。
【0024】
1つ以上の一次改質器105は、任意の適切な種類の改質器であり得る。例えば、1つ以上の一次改質器105は、放射加熱された、単一壁の、触媒を含有する複数の管であり得る。1つ以上の一次改質器105は、200以上の管、400以上の管、500以上の管、600以上の管、700以上の管、800以上の管、900以上の管、又は1,000以上の管を含み得る。1つ以上の実施形態において、管の内径は、下限約40mm、下限約50mm、又は下限約65mmから、上限約90mm、上限約100mm、又は上限約115mm以上までの範囲であり得る。例えば、1つ以上の管の内径は、約70mm、約75mm、又は約80mmであり得る。1つ以上の実施形態において、1つ以上の触媒管の直径は、管の半径方向温度勾配を縮小又は最小化し得る。
【0025】
1つ以上の実施形態において、ライン101を介して1つ以上の一次改質器105に導入される炭化水素は、前記複数の管を貫流し、ライン107と流体連通し得るマニホールド収集システム(図示せず)を介して回収することができる。例えば、前記複数の管は、水平に、垂直に、又は相互に任意の角度で、取り付けることができる。また、ライン101を介して導入される炭化水素は、ライン101と流体連通する管の第1端部から、ライン107と流体連通し得る複数の管の第2端部まで、流れ得る。
【0026】
1つ以上の実施形態において、1つ以上の二次改質器115は、任意の適切な種類の改質器であり得る。例えば、1つ以上の二次改質器115は、内部断熱された改質器であり得る。この内部断熱した改質器は、水ジャケット等の1つ以上の冷却システムを介して外側で冷却することもできる。1つ以上の二次改質器115は、任意の配置、任意の構成、及び/又は任意の方向の1つ以上の触媒を含み得る。1つ以上の触媒床は、固定床、流動床、沸騰床、スラリー床、移動床、気泡床、任意のその他の適切な種類の触媒床、又はこれらの組み合わせを含み得る。1つ以上の実施形態において、1つ以上の二次改質器115は、例えば、2層に設定された固定単一床ニッケル触媒を含み得る。
【0027】
図2は、1つ以上の実施形態による例示的アンモニア製造システム200を示している。1つ以上の実施形態において、システム200は、1つ以上の一次改質器105、二次改質器115、シフト変換器システム125、シンガス精製システム(2つのシンガス精製システム135、140が図示されている)、アンモニア合成システム145、及び1つ以上の熱交換器(3つの熱交換器110、120、130が図示されている)を含み得る。1つ以上の実施形態において、一次改質器105及び二次改質器115、及び熱交換器110は、図1を参照しながら上述したものと同様であり得る。
【0028】
1つ以上の実施形態において、図1を参照しながら上述したように、二次改質器115からライン117を介して生のシンガスを回収することができる。ライン117を介して1つ以上の熱交換器120に生のシンガスを導入して、さらに冷却された生のシンガスを、ライン122を介して供給することができる。1つ以上の熱交換器120内において、ライン117を介して導入される生のシンガスから、ライン118を介して導入される熱伝達媒体に、熱を間接的に伝達することができる。ライン118を介して導入される適切な熱伝達媒体は、水、廃水、プラント内部からの別のプロセス供給物、これらの混合物、又はこれらの組み合わせを含み得るが、これに限定されない。例えば、ライン118中の熱伝達媒体は、ボイラー供給水であり得る。1つ以上の実施形態において、ライン121を介して蒸気を、及び生成物ライン122を介して冷却された生のシンガスを、それぞれ回収することができる。
【0029】
間接的な熱交換からライン121を介して供給される蒸気は、低圧の蒸気、中圧の蒸気、又は高圧の蒸気であり得る。1つ以上の実施形態において、ライン121中の蒸気の温度は、約200℃以上、300℃以上、400℃以上、450℃以上、475℃以上、又は500℃以上であり得る。1つ以上の実施形態において、ライン121中の蒸気の圧力は、下限約200kPa、下限約400kPa、又は下限約600kPaから、上限約4,200kPa、上限約6,200kPa、上限約8,500kPa、又は上限約12,500kPa以上の範囲であり得る。
【0030】
1つ以上の熱交換器120は、1つの流体から別の流体に熱を間接的に伝達するのに適切な任意のシステム、装置、あるいはシステム及び/又は装置の組み合わせであり得るか、又はこれらを含み得る。例えば、熱交換器120は、1つ以上のシェルアンドチューブ式熱交換器、プレートアンドフレーム式熱交換器、渦巻式熱交換器、Uチューブ型熱交換器、及び/又はバイオネット管(bayonet)式熱交換器であり得るか、又はこれらを含み得る。1つ以上の実施形態において、1つ以上の熱交換器120は、表面増強管(例えば、フィン、静的ミキサー、旋条、熱伝導パッキング、乱流を起こさせる突起、又はこれらの任意の組み合わせ)等を含み得る。
【0031】
1つ以上の実施形態において、冷却された生のシンガスを、ライン122を介して1つ以上のシフト変換器システム125に導入し、シフト変換されたシンガスを、ライン127を介して供給することができる。1つ以上のシフト変換器システム125は、一酸化炭素を二酸化炭素に変換することにより、シンガスの水素対一酸化炭素比(「H2:CO」)を調節することができる。1つ以上のシフト変換器内において、水−ガスシフト反応により、触媒の存在下及び/又は高温下で、ライン122を介して導入される冷却された生のシンガス中の一酸化炭素の少なくとも一部を水と反応させ、水素及び二酸化炭素を生成することができる。1つ以上のシフト反応器は、単段階断熱固定床反応器、中間冷却機能を有する多段階断熱固定床反応器、蒸気発生又は低温急冷(cold quench)反応器、蒸気発生機能又は冷却機能を有する管状固定床反応器、流動床反応器、又はこれらの任意の組み合わせを含み得るが、これに限定されない。例えば、シフト触媒及び高温(約475℃)の二酸化炭素吸着剤を詰め込んだ複数の固定床反応器を有する圧力スイング吸着装置を利用して、吸着増強水−ガスシフト(「SEWGS」)プロセスを用いることができる。
【0032】
1つ以上の実施形態において、1つ以上のシフト変換器システム125は、直列及び/又は並列に配置された2つ以上の反応器を含み得る。1つ以上のシフト変換器システム125は、1つ以上の高温シフト変換器(「HTSC」)、1つ以上の中温シフト変換器(「MTSC」)、1つ以上の低温シフト変換器(「LTSC」)、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。1つ以上の実施形態において、シンガスの少なくとも一部を、ライン122を介して、1つ以上のHTSC、MTSC、及び/又はLTSC、並びに/あるいはこれらの組み合わせに、任意の順番で導入することができる。
【0033】
ライン127を介して供給されるシフト変換されたシンガスに含まれ得る一酸化炭素は、ライン122を介して導入される冷却された生のシンガスより少ない。ライン127を介する変換されたシンガスは、約5モル%以下の無水ベース一酸化炭素、約3モル%以下の無水ベース一酸化炭素、約2モル%以下の無水ベース一酸化炭素、約1モル%以下の無水ベース一酸化炭素、又は約0.5モル%以下の無水ベース一酸化炭素を含み得る。
【0034】
シンガスは、ライン122を介して、HTSC、MTSC、LTSCのうちの任意の1つ以上に均等に又は不均等に配分することができる。例えば、ライン122を介して、冷却された生のシンガスの約75体積%をHTSCに導入し、約25%をMTSCに導入することができる。シンガスをHTSCおよびMTSCに導入した後、変換されたシンガスを、HTSC及びMTSCから1つ以上の熱交換器130及び/又はシンガス精製システム135に導入することができる。
【0035】
1つ以上の実施形態において、1つ以上のHTSC、MTSC、及び/又は、LTSCは、1つ以上の触媒を含み得る。1つ以上のHTSC、MTSC、及び/又は、LTSC内において、一酸化炭素を酸化するために十分な温度、且つ1つ以上の触媒の存在下で一酸化炭素を反応させることにより、1つ以上のHTSC、MTSC、及びLTSCは、ライン122中の冷却された生のシンガス中の一酸化炭素を二酸化炭素に変換することができる。1つ以上のHTSC内の触媒は、酸化鉄、亜鉛フェライト、磁鉄鉱、酸化クロム、これらの誘導体、又はこれらの任意の組み合わせを含み得るが、これに限定されない。1つ以上のHTSCは、約325℃〜約550℃の温度で作動することができる。1つ以上のMTSC内で用いられる触媒は、酸化鉄、酸化クロム、これらの誘導体、又はこれらの任意の組み合わせを含み得るが、これに限定されない。1つ以上のMTSCは、約250℃〜約300℃の温度で作動することができる。1つ以上のLTSC内で用いられる触媒は、銅、亜鉛、銅促進クロミア、これらの誘導体、又はこれらの任意の組み合わせを含み得るが、これに限定されない。1つ以上のLTSCは、約180℃〜約220℃の温度で作動することができる。
【0036】
1つ以上の実施形態において、シンガスを、ライン127を介して1つ以上の熱交換器130に導入し、冷却され、シフト変換されたシンガスを、ライン132を介して供給することができる。ライン127を介して導入されるシフト変換されたシンガスから、ライン128を介して導入される熱伝達媒体へ、熱を間接的に伝達することができる。1つ以上の実施形態において、1つ以上の適切な熱伝達媒体を、ライン128を介して1つ以上の熱交換器130に導入することができる。ライン128を介して導入される熱伝達媒体は、水、廃水、プラント内からの別のプロセス供給物、これらの混合物、又はこれらの組み合わせであり得るが、これに限定されない。1つ以上の実施形態において、ライン133を介して、蒸気を供給することができる。ライン133を介して供給される蒸気は、低圧の蒸気、中圧の蒸気、又は高圧の蒸気であり得る。図示されていないが、ライン118中の1つ以上の熱伝達媒体をライン127中のシンガスに導入することにより、ライン127中のシンガスを直接冷却することができる。
【0037】
1つ以上の熱交換器120は、1つの流体から別の流体に熱を間接的に伝達するのに適切な任意のシステム、装置、あるいはシステム及び/又は装置の組み合わせであり得るか、又はこれらを含み得る。例えば、1つ以上の熱交換器120は、1つ以上のシェルアンドチューブ式熱交換器、プレートアンドフレーム式熱交換器、渦巻式熱交換器、Uチューブ型熱交換器、及び/又はバイオネット管(bayonet)式熱交換器であり得るか、又はこれらを含み得る。1つ以上の実施形態において、1つ以上の熱交換器120は、表面増強管(例えば、フィン、静的ミキサー、旋条、熱伝導パッキング、乱流を起こさせる突起、又はこれらの任意の組み合わせ)等を含み得る。
【0038】
1つ以上の実施形態において、冷却され、シフト変換されたシンガスを、ライン132を介してシンガス精製システム135に導入することができる。1つ以上の実施形態において、シンガス精製システム135は、1つ以上の二酸化炭素除去システム、メタン化炉(Methanator)、乾燥機、又はこれらの任意の組み合わせを含み得るが、これに限定されない。1つ以上の実施形態において、冷却され、シフト変換されたシンガスを、ライン132を介して1つ以上の二酸化炭素除去システムに導入し、二酸化炭素の少なくとも一部を除去することができる。
【0039】
シンガス精製システム135内の1つ以上の二酸化炭素除去システムは、変換されたシンガスから二酸化炭素を選択的に分離し、二酸化炭素希薄シンガスと二酸化炭素を供給することができる。分離された二酸化炭素は、ライン138を介して回収することができる。1つ以上の実施形態において、シンガス精製システム135内の1つ以上のメタン化炉(Methanator)及び/又は1つ以上の乾燥機に、二酸化炭素希薄シンガスを選択的に導入することができる。
【0040】
二酸化炭素希薄シンガスは、シンガス精製システム135内の1つ以上のメタン化炉に導入して、任意の一酸化炭素及び/又は二酸化炭素の少なくとも一部をメタン及び水に変換することができる。例えば、シンガス中の一酸化炭素と二酸化炭素の合計は、一酸化炭素と二酸化炭素の合計量の約1000ppmw未満、約750ppmw未満、約500ppmw未満であり得る。1つ以上の実施形態において、一酸化炭素及び二酸化炭素が希薄なシンガスをシンガス精製システム135内の1つ以上の乾燥機に導入し、ライン139を介する水と、乾燥したシンガスを供給することができる。1つ以上の乾燥機は、一酸化炭素及び二酸化炭素が希薄なシンガス中の任意の水の少なくとも一部を除去又は分離し、乾燥したシンガスを供給することができる。
【0041】
シンガス精製システム135がライン137を介して供給できるシンガスの水素濃度は、下限約40モル%、約50モル%、又は約55モル%から、上限約75モル%、約80モル%、又は約85モル%までの範囲であり得る。ライン137中のシンガスの窒素濃度は、下限約10モル%、約20モル%、又は約25モル%から、上限約40モル%、約45モル%、又は約50モル%までの範囲であり得る。ライン137中のシンガスのメタン濃度は、約4モル%未満、約3モル%未満、約2モル%未満、約1モル%未満、又は約0.9モル%未満であり得る。ライン137中のシンガスの酸素濃度は、約0.1モル%〜約5モル%、約0.5モル%〜約4モル%、又は約0.8モル%〜約3モル%であり得る。ライン137中のシンガスのアルゴン濃度は、約0.05モル%〜約2モル%、約0.1モル%〜約1.5モル%、又は約0.1モル%〜約1モル%の範囲であり得る。水素対窒素(H2:N2)モル比は、約1.5:1〜約5:1、約2:1〜約4:1、又は約2.2:1〜約3.2:1の範囲であり得る。H2:N2モル比は、約1.6:1、約1.8:1、約1.9:1、約2.1:1、約2.2:1、約2.3:1、又は約2.4:1であり得る。
【0042】
ライン137中のシンガスの圧力は、約1,000kPa〜約20,800kPa、約2,000kPa〜約13,700kPa、又は約3,000kPa〜約10,400kPaの範囲であり得る。ライン137中のシンガスの温度は、約−100℃〜約100℃、約−50℃〜約50℃、又は約−25℃〜約25℃の範囲であり得る。
【0043】
1つ以上の二酸化炭素除去システムは、直列、並列、又はこれらの任意の組み合わせで構成された、物理的、機械的、電気的及び/又は化学的システムの任意の1つ、又は、上記の各システムの組み合わせを含み得る。1つ以上の実施形態において、1つ以上の二酸化炭素除去システムは、膜型システム及び溶媒ベースシステムを含むがこれに限定されない、1つ以上の物理的分離システムを含み得る。例えば、1つ以上の二酸化炭素除去システムは、吸収/脱着型溶媒ベースシテムを含み得るが、これに限定されない。二酸化炭素除去システムは、ライン132を介して導入されるシンガスを1つ以上の吸収剤と接触させ、二酸化炭素の少なくとも一部を除去することができる。二酸化炭素選択的吸着剤は、モノエタノールアミン(「MEA」)、ジエタノールアミン(「DEA」)、トリエタノールアミン(「TEA」)、炭酸カリウム、メチルジエタノールアミン(「MDEA」)、活性メチルジエタノールアミン(「aMDEA」)、ジグリコールアミン(「DGA」)、ジイソプロパノールアミン(「DIPA」)、これらの誘導体、これらの混合物、又はこれらの任意の組み合わせを含み得るが、これに限定されない。その他の適切な吸着剤及び技術は、プロピレンカーボネート物理吸着溶媒等のアルキルカーボネート、2〜12のグリコール単位のポリエチレングリコールのジメチルエーテル(Selexol(商標)法)、n−メチル−ピロリドン、スルホラン、及びSulfinol(登録商標)ガス処理法の使用を含み得るが、これに限定されない。
【0044】
1つ以上のメタン化炉は、一酸化炭素及び二酸化炭素をメタンに変換する、直列、並列、又はこれらの任意の組み合わせで構成された、物理的、機械的、電気的及び/又は化学的システムの任意の1つ又は組み合わせを含み得る。1つ以上の実施形態において、1つ以上のメタン化炉は、任意の一酸化炭素及び/又は二酸化炭素の少なくとも一部をメタン及び水に変換又は反応させるために十分な温度で作動する触媒プロセスであり得る。1つ以上の触媒プロセスは、一酸化炭素及び二酸化炭素をメタンに変換するために適切な1つ以上の触媒を含む、直列又は並列に配置された1つ以上の触媒反応器を含み得る。適切なメタン化炉触媒は、ニッケル、希土類促進ニッケル(promoted nickel)、これらの誘導体、又はこれらの組み合わせを含み得るが、これに限定されない。メタン化炉の作動温度は、約200℃〜約400℃であり得る。一酸化炭素及び二酸化炭素が希薄なシンガスは、約50ppm以下の一酸化炭素及び二酸化炭素、又は約30ppm以下の一酸化炭素及び二酸化炭素、又は約10ppm以下の一酸化炭素及び二酸化炭素を含有し得る。
【0045】
1つ以上の乾燥機は、1つ以上のモレキュラーシーブ、吸収剤、吸着剤、フラッシュタンク分離器、焼却炉、又はこれらの任意の組み合わせを含み得るが、これに限定されない。適切な吸収剤は、グリコール、アルカリ土類ハロゲン化物塩、これらの誘導体、又はこれらの混合物を含み得るが、これに限定されない。適切な吸着剤は、活性アルミナ、シリカゲル、モレキュラーシーブ、活性炭、これらの誘導体、又はこれらの混合物を含み得るが、これに限定されない。
【0046】
1つ以上の実施形態において、ライン137中のシンガスを1つ以上の精製システム140に導入することができる。1つ以上の精製システム140において、過剰な窒素、アルゴン、酸素、及びメタン等の1つ以上の汚染物質を除去し、汚染物質希薄ガス混合物又は精製されたシンガスを、ライン142を介して供給することができる。1つ以上の精製システム140を使用して、過剰な窒素(即ちH2:N2モル比約2.2:1〜約3.2:1を提供するために必要な量を超える窒素)を含む任意の汚染物質を、ライン205中の圧縮されたガス混合物から除去又は分離することができる。1つ以上の実施形態において、1つ以上の精製システム140は、−150℃未満の温度で作動する1つ以上の低温型分離器を含み得る。1つ以上の汚染物質及び/又は過剰な窒素は、1つ以上の精製システム140からライン144を介して、廃棄ガスとして除去することができる。
【0047】
1つ以上の実施形態において、ライン142中の精製されたシンガスのH2:N2モル比は、約2:1〜約4:1、又は約2.2:1〜約3.2:1の範囲であり得る。例えば、H2:N2モル比は、約2.9:1、約3:1、約3.1:1、又は約3.2:1であり得る。精製されたシンガス中の水素濃度は、約50モル%〜約90モル%、約60モル%〜約85モル%、又は約70モル%〜約80モル%の範囲であり得る。ライン142中の精製されたシンガス中の窒素濃度は、約10モル%〜約40モル%、約15モル%〜約35モル%、又は約20モル%〜約30モル%の範囲であり得る。ライン142中の精製されたシンガス中のメタン濃度は、約0.001モル%〜約0.05モル%、約0.002モル%〜約0.03モル%、又は約0.005モル%〜約0.01モル%の範囲であり得る。ライン142中の精製されたシンガス中の酸素濃度は、約0.001モル%〜約0.05モル%、約0.002モル%〜約0.03モル%、又は約0.005モル%〜約0.01モル%の範囲であり得る。ライン142中の精製されたシンガス中のアルゴン濃度は、約0.05モル%〜約2モル%、約0.1モル%〜約1.5モル%、又は約0.1モル%〜約1モル%の範囲であり得る。
【0048】
1つ以上の実施形態において、精製されたシンガスは、ライン142を介して1つ以上のアンモニア合成システム145に導入することができる。1つ以上のアンモニア合成システム145は、1つ以上のアンモニア変換器及び1つ以上のアンモニア凝縮器を含み得る。精製されたシンガス中に存在する窒素及び水素の少なくとも一部を組み合わせて、アンモニア変換器生成物(図示せず)を供給することができる。アンモニア変換器生成物のアンモニア濃度は、下限約5モル%、約10モル%、又は約15モル%から、上限約25モル%、約30モル%、又は約35モル%の範囲であり得る。例えば、アンモニア変換器生成物のアンモニア濃度は、約12モル%〜約25モル%、又は約16モル%〜約22モル%の範囲であり得る。アンモニア変換器生成物の水素濃度は、下限約30モル%、約40モル%、又は約50モル%から、上限約70モル%、約75モル%、又は約80モル%の範囲であり得る。アンモニア変換器生成物の窒素濃度は、下限約5モル%、約10モル%、又は約15モル%から、上限約30モル%、約35モル%、又は約40モル%の範囲であり得る。
【0049】
1つ以上の実施形態において、1つ以上のアンモニア変換器は、1つ以上の磁鉄鉱触媒(magnetite catalysts)を用いた従来のシングルパス又はマルチパス変換器であり得る。1つ以上の実施形態において、1つ以上のアンモニア変換器は、1つ以上の貴金属触媒、又はケロッグ ブラウン アンド ルート エルエルシー(Kellogg,Brown,and Root LLC)から入手可能なルテニウムをベースとしたKAAP触媒等の1つ以上のルテニウムをベースとした触媒を用いた、シングルパス変換器又はマルチパス変換器であり得る。1つ以上の高活性貴金属触媒により、アンモニア合成ループ内の低圧力を使用することが可能となり、シングルバレル(single barrel)アンモニア圧縮機(図示せず)の使用が可能となる。
【0050】
1つ以上の実施形態において、1つ以上のアンモニア変換器は、例えば精製されたシンガスのような窒素及び水素を含有する供給ガスの少なくとも一部をアンモニアに変換するために高い圧力及び/又は温度で作動することが意図された任意の反応器を含み得る。1つ以上の実施形態において、1つ以上のアンモニア変換器は、米国特許第7,081,230号に記載の1つ以上の「分流アンモニア変換器(Split−Flow Ammonia Converters)」を含み得る。1つ以上の実施形態において、1つ以上のアンモニア変換器は、米国特許第6,171,570号に記載の1つ以上の「等温アンモニア変換器(Isothermal Ammonia Converters)」を含み得る。1つ以上の実施形態において、1つ以上のアンモニア変換器は、米国特許第6,132,687号に記載の1つ以上の「高活性触媒に適合した水平アンモニア変換器(Horizontal Ammonia Converter Adapted for High Activity Catalyst)」を含み得る。1つ以上の実施形態において、1つ以上のアンモニア変換器は、2007年11月26日に提出された米国仮特許出願第60/990,207号に記載の1つ以上のアンモニア変換器を含み得る。
【0051】
アンモニア変換器生成物は、1つ以上のアンモニア凝縮器に導入することができる。1つ以上のアンモニア凝縮器は、アンモニアを凝縮及び分離して、ライン147を介してアンモニア生成物(「最終生成物」)を供給し、ライン149を介して未反応水素及び/又は窒素ガス(「リサイクルシンガス」)又は(「棄却ガス」)を供給することができる。ライン147を介する最終生成物は、アンモニア、水素、及び窒素を含み得るが、これに限定されない。最終生成物は、最低約85重量%、最低約90重量%、最低約95重量%、又は最低99.9重量%のアンモニアを含み得る。ライン147を介する最終生成物は、水素と窒素を合わせて、最高約15重量%、約10重量%、約5重量%又は約0.1重量%を含み得る。
【0052】
リサイクルシンガスは、上述のように、ライン149を介して1つ以上の精製装置140に送るか、及び/又は、1つ以上のシンガス精製システム135に含まれ得る1つ以上のメタン化炉及び/又は乾燥機に送るかして、再利用することができる。ライン149中のリサイクルシンガス中の水素濃度は、約40モル%〜約90モル%、約50モル%〜約85モル%、又は約60モル%〜約80モル%の範囲であり得る。ライン149中のリサイクルシンガス中の窒素濃度は、約10モル%〜約60モル%、約15モル%〜約50モル%、又は約20モル%〜約40モル%の範囲であり得る。
【0053】
1つ以上のアンモニア凝縮器は、少なくとも水素及び窒素を含むガス混合物からアンモニアを選択的に分離可能な任意の機械的又は化学的システムを含み得る。1つ以上のアンモニア凝縮器は、1つ以上の冷凍交換器(refrigeration exchangers)及び1つ以上の冷凍圧縮機を含有する、1つ以上の低温清浄器を含み得る。
【0054】
図3は、1つ以上の実施形態による、アンモニアを合成するためにシンガスを精製する例示的シンガス精製システム300を示している。1つ以上の実施形態において、シンガス精製システム300は、1つ以上の交差交換器(2つの交差交換器305、320が図示されている)、1つ以上の膨張器310、1つ以上の発電機315、1つ以上の蒸気−液体接触塔330、及び1つ以上の凝縮器(「熱交換器」)340を含み得るが、これに限定されない。シンガス精製システム300は、ライン137を介して導入されるシンガスの組成の大きな違いに対応し得る。組成の違いは、シンガス中に含まれる炭化水素、窒素、一酸化炭素、及び二酸化炭素の量の変化を含み得るが、これに限定されない。
【0055】
1つ以上の実施形態において、水素及び窒素を含有するシンガスは、ライン137を介して交差交換器305に導入することができる。1つ以上の実施形態において、ライン149中のリサイクルシンガスの少なくとも一部は、ライン137中のシンガスに導入することができる。ライン137中のシンガス及びライン149中のリサイクルシンガスは、図1及び2を参照しながら上述したものと同様である。ライン137を介して導入されるシンガス及び随意のリサイクルシンガスは、交差交換器305、320内において、ライン142中の低温の精製されたシンガス及びライン144中の低温の廃棄ガスにより、間接的に冷却することができる。ライン307を介するシンガスを、2つの交差交換器305、320間の膨張器319内で膨張させることにより、シンガスをさらに冷却し、且つ直接連結された発電機315を介してエネルギーを回収することができる。ジュール・トムソン(「J−T」)弁(図示せず)を用いて、膨張器を迂回又は補完することができる。1つ以上の実施形態において、膨張器319は、液体供給を受け、且つ液体又は蒸気流出物あるいは蒸気−液体流出物を生成する作業出力装置であり得る。流出物流体が液体である場合、膨張器319は、水力タービンであり得る。
【0056】
交差交換器320からライン322を介して送られる冷却され部分的に液化したシンガスは、蒸気−液体接触塔330に導入され、さらに冷却、部分的に凝縮、及び精留されることで、ライン142を介して精製されたシンガスを供給することができる。ライン142中の精製されたシンガス及びライン144中の廃棄ガスは、図2を参照しながら上述したものと同様であり得る。
【0057】
1つ以上の実施形態において、廃棄ガス流は、蒸気−液体接触塔からライン332を介して排出され、レベル制御弁333を横切り、熱交換器340内で冷却液として使用することができる。熱交換器340は、蒸気−液体接触塔332と随意に統合することができる。熱交換器340は、蒸気−液体接触塔332からの頂部蒸気を冷却及び部分的に凝縮し、塔330を還流し得るシンガス液体を供給することができる。ライン142を介する精製されたシンガスは、高圧で作動可能なアンモニア変換器(図示せず)内での変換のために圧縮することができる。ライン137を介して導入されるシンガス及びライン149を介して導入される随意のリサイクルシンガスにより生じる圧力低下により、精製システム300の下流で再圧縮が必要となる。1つ以上の実施形態において、シンガスの再圧縮は、米国特許第7,090,816号に記載のように排除することができる。
【0058】
1つ以上の実施形態において、蒸気−液体接触塔330内の条件により、ライン142中の精製されたシンガスの組成を決定することができる。例えば、冷凍が増加すれば精製されたシンガスの窒素内容物は減少し、冷凍が減少すれば精製されたシンガスの窒素内容物は増加する。ライン322を介して蒸気−液体接触塔に導入される部分的に液化したシンガスは、蒸気を供給することができる。ここで供給される蒸気は、接触ゾーン335を通って上方に流れ、窒素を吸収して蒸気の水素内容物を濃縮することができる。蒸気−液体接触ゾーン335は、不規則充填材料、構造化充填材料、1つ以上のトレイ、1つ以上のバッフル、又はこれらの任意の組み合わせであり得るか、又はこれらを含み得るが、これに限定されない。不規則充填材料は、ナッターリング、Iリング、Pリング、Rリング、ラシヒリング、サドルリング、A−PAKリング、ポールリング(Pall ring)、Uリング、又は任意の他の公知の種類の充填リング、又は充填リングの組み合わせを含み得るが、これに限定されない。構造化充填材料は、波板、圧着板、ガーゼ、格子、金網、一体型ハニカム構造物、又はこれらの任意の組み合わせを含み得るが、これに限定されない。1つ以上のトレイ及び/又はバッフルは、浮動式バルブトレイ、固定式バルブトレイ、シーブトレイ(sieve trays)、バブルキャップトレイ、カートリッジトレイ、デュアルフロートレイ(dual flow trays)、バッフルトレイ、シャワーデッキトレイ、ディスク・ドーナッツ型トレイ、オービットトレイ(orbit trays)、馬蹄型トレイ、スナップ取付け式バルブトレイ、チムニートレイ(chimney trays)、スリットトレイ、プレート、有孔トレイ、又はこれらの任意の組み合わせを含み得るが、これに限定されない。
【0059】
蒸気は、接触ゾーン335の上端の蒸気上昇管337に入り、凝縮器340の上端の蒸気入口ゾーン342に流れ得る。蒸気は、凝縮器340のチューブ側を通過し、ライン332を介して凝縮器340のシェル側に導入される廃棄ガスとの間接的な熱交換により部分的に凝縮され、例えば水素等の低沸点成分をさらに豊富に含むシンガスを供給することができる。蒸気及び凝縮物は、凝縮器340を出て、ノックアウトゾーン344内で分離することができる。蒸気は、精製されたシンガスとして、ライン142を介して蒸気−液体接触塔330を出ることができる。凝縮物は、ノックアウトゾーン344下の液体シールウェル(liquid seal well)346内に集まり、接触ゾーン335と流体連通することができる。凝縮物は、液体シールウェル346から溢れ出て、接触ゾーン335を通って液体−蒸気接触ゾーン330の底部まで下って流れ得る。廃棄ガスは、ライン144を介して回収され、上述のように交差交換器305、320に導入することができる。
【0060】
以下の模擬プロセスを用いて、本発明の実施形態をさらに説明することができる。表1に示した以下の2つの模擬プロセスの結果は、図1及び2を参照しながら上述した1つ以上の実施形態による、(1)標準プロセス、及び(2)ライン116中の生のシンガスからライン107中の流出物に間接的に熱を交換するように修正した標準プロセスを示している。
【0061】
【表1】

【0062】
表1に示すように、ライン116中の生のシンガスからライン107中の流出物を間接的に加熱すること(「修正プロセス」)により、ライン101中の炭化水素供給材料及びライン103中の蒸気の両方を約10%顕著に低減する。一次改質器105から求められる熱効率又は熱を約9%低減する。これは、一次改質器105を加熱するために必要とされる燃料の量の約7%の削減に相当する。修正プロセスの全体的なエネルギー消費については、約6.94Gcal/Mtのベースエネルギー消費から、約6.82Gcal/Mtに削減することができる。このようなエネルギー消費の削減により、約0.12Gcal/Mtの正味エネルギーが改善されるか、あるいは、約1.7%のエネルギーが削減される。
【0063】
修正プロセスにより、ライン112を介して二次改質器115に導入される流出物の温度が上昇する。二次改質器115に導入される流出物の温度が上昇することにより、蒸気改質反応が向上し、従ってより多くのメタンをH2及びCOに改質でき、ひいてはプロセス効率が向上する。ライン116中の生のシンガスからライン112中の流出物に熱のいくらかを伝達することにより、ライン101を介して導入されるより大きなモル数の炭化水素が、H2及びCOに変換される。より大きなモル数の炭化水素がH2及びCOに変換されることにより、生のシンガス中の同量のH2及びCOを供給するために必要とされるライン101を介する炭化水素の量が低減される。このため、H2及びCOの同じ生成を維持しながらシンガス生成の増加又は全体的なスループットの減少のいずれかが可能となる。H2及びCOの同じ生成を維持しながらシンガス生成が増加すること、あるいは、全体的なスループットが減少することにより、装置サイズが縮小され、運転コスト削減に加え資本コストの削減が可能となる。さらに、ライン144を介して排出される廃棄ガスを、約11%削減することができる。
【0064】
一連の数値的上限及び一連の数値的下限を用いながら、具体的な実施形態及び特徴を説明してきた。任意の下限から任意の上限までの範囲は、特に記載のない限り熟慮されたものであることを理解すべきである。具体的な下限、上限及び範囲は、以下の1つ以上の請求項に明記されている。数値は全て、「約」又は「およそ」が付された数値であり、当業者が予測する実験誤差及び変動を考慮したものである。
【0065】
様々な用語を上記で定義している。請求項で使用される用語が上記で定義されていない場合は、少なくとも1つの印刷された刊行物又は発行された特許で当業者が示した当該用語に与えられた最も意味の広い定義を当該用語に当てはめるものとする。さらに、本出願中に記載された全ての特許、試験手順、及びその他の文献は、かかる開示が本出願と矛盾しない限り、及びその援用が許可される全ての司法権において、その全体が参照により援用される。
【0066】
上述の内容は、本発明の実施形態に関するものであるが、本発明のその他の実施形態及びさらなる実施形態が、本発明の基本的範囲から逸脱することなく考案されてもよい。本発明の範囲は、以下の請求項により決定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭化水素、一酸化炭素、二酸化炭素、及び水素の一部を含む第1温度の流出物を供給するように、1つ以上の触媒を含有する管を含む第1反応ゾーンにおいて、蒸気及び1つ以上の第1触媒の存在下で炭化水素を改質することと、
前記流出物を前記第1温度から第2温度に間接的に加熱することと、
水素、一酸化炭素、二酸化炭素、及び約5モル%未満の無水ベースメタンを含むシンガスを供給するために十分な条件で、1つ以上の酸化剤及び1つ以上の第2触媒の存在下で、前記第2温度の前記流出物を改質することであって、前記シンガスを用いて、前記流出物を前記第1温度から前記第2温度に間接的に加熱する、前記第2温度の前記流出物を改質することと、
を含むシンガスの製造方法。
【請求項2】
前記第1温度は、約700℃以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記シンガスの温度は、約990℃以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第2温度は、約850℃以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記炭化水素は、メタンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記流出物を前記第1温度から前記第2温度に間接的に加熱した後の前記シンガスの温度は、約880℃以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記シンガスを用いて前記流出物を間接的に加熱した後に、前記シンガスから凝縮物に熱を間接的に交換して、高圧の蒸気を供給する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記冷却されたシンガス中の前記一酸化炭素の少なくとも一部を二酸化炭素に変換し、5モル%以下の無水ベース一酸化炭素を含む変換されたシンガスを供給するように、1つ以上の第3触媒の存在下で前記シンガスを反応させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記冷却されたシンガス中の前記一酸化炭素の少なくとも一部を二酸化炭素に変換し、1モル%以下の無水ベース一酸化炭素を含む変換されたシンガスを供給するように、触媒の存在下で前記冷却されたシンガスを反応させることと、
水素、一酸化炭素、及び二酸化炭素を含む第1の水素生成物を供給するように、前記変換されたシンガスから前記二酸化炭素の少なくとも一部を分離することと、
水素、メタン、及び水を含む第2の水素生成物を供給するように、前記第1の水素生成物中の前記一酸化炭素及び二酸化炭素の少なくとも一部を反応させることと、
アンモニア生成物を供給するように、1つ以上の第3触媒の存在下で前記第2の水素生成物の少なくとも一部を窒素と反応させることと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記冷却されたシンガス中の前記一酸化炭素の少なくとも一部を二酸化炭素に変換し、1モル%以下の無水ベース一酸化炭素を含む変換されたシンガスを供給するように、1つ以上の第3触媒の存在下で前記冷却されたシンガスを反応させることと、
水素、メタン、及び水を含む第2の水素生成物を供給するように、前記第1の水素生成物中の前記一酸化炭素及び前記二酸化炭素の少なくとも一部を反応させることと、
乾燥した水素生成物を供給するように、前記第2の水素生成物から前記水の少なくとも一部を分離することと、
アンモニア生成物を供給するように、1つ以上の第3触媒の存在下で前記乾燥した水素生成物の少なくとも一部を窒素と反応させることと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
第1温度の流出物を供給するように、第1反応ゾーンにおいて蒸気及び1つ以上の第1触媒の存在下で炭化水素を改質することであって、前記炭化水素及び蒸気の温度が、前記第1温度まで単調増加される、第1反応ゾーンにおいて蒸気及び1つ以上の第1触媒の存在下で炭化水素を改質することと、
第2温度の流出物を供給するように、前記第1温度の前記流出物を間接的に加熱することと、
水素、一酸化炭素、二酸化炭素、窒素、及び水を含むシンガスを供給するように、1つ以上の酸化剤及び1つ以上の第2触媒の存在下で前記第2温度の前記流出物を改質して、前記シンガスを用いて、前記第1温度の流出物を前記第2温度まで間接的に加熱する、1つ以上の酸化剤及び1つ以上の第2触媒の存在下で前記第2温度の前記流出物を改質することと、
を含むシンガスの製造方法。
【請求項12】
高圧の蒸気を供給するように、前記シンガスから凝縮物に熱を間接的に交換することと、
1モル%以下の無水ベース一酸化炭素を含む変換されたシンガスを供給するように、前記シンガス中の前記一酸化炭素の少なくとも一部を二酸化炭素に変換することと、
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
1モル%以下の無水ベースの二酸化炭素及び一酸化炭素を含む希薄シンガスを供給するように、前記変換されたシンガス中の前記二酸化炭素の少なくとも一部を除去することと、
前記希薄シンガスに含まれる任意の二酸化炭素、一酸化炭素、又はこれら両方の少なくとも一部をメタンに変換することと、
前記希薄シンガスから前記水の少なくとも一部を分離することと、
水素対窒素比が約2.9:1〜約3.2:1のアンモニアシンガスを供給するように、前記希薄シンガス中の前記窒素の少なくとも一部を分離することと、
アンモニア生成物を供給するように、前記アンモニアシンガス中の前記水素及び窒素の少なくとも一部を反応させることと、
をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1温度は、約700℃以上である、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記シンガスの温度は、約990℃以上である、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記第2温度は、約850℃以上である、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
1つ以上の第1触媒の存在下で炭化水素と蒸気を改質して、第1温度の流出物を供給するように構成された第1反応器と、
シンガスから前記第1温度の前記流出物に間接的に熱を交換して、冷却されたシンガスと第2の加熱された流出物を供給するように構成された熱交換器と、
1つ以上の酸化剤及び1つ以上の第2触媒の存在下で前記第2温度の前記流出物を改質して、水素、一酸化炭素、二酸化炭素、窒素、及び水を含む前記シンガスを供給するように構成された第2反応器と、
を含むシンガス製造システム。
【請求項18】
前記冷却されたシンガスから凝縮物に間接的に熱を交換して高圧の蒸気を供給するように構成された第2熱交換器をさらに含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記冷却されたシンガス中の前記一酸化炭素の少なくとも一部を二酸化炭素に変換して、変換されたシンガスを供給するように構成されたシフト変換器と、
前記変換されたシンガスから前記二酸化炭素の少なくとも一部を選択的に分離して、3モル%以下の無水ベースの一酸化炭素及び二酸化炭素を含むシンガスを供給するように構成された分離器と、
をさらに含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
前記シンガス中の前記水素及び窒素を反応させてアンモニアにするように構成されたアンモニア反応器をさらに含む、請求項19に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−510427(P2012−510427A)
【公表日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−539540(P2011−539540)
【出願日】平成21年10月19日(2009.10.19)
【国際出願番号】PCT/US2009/061155
【国際公開番号】WO2010/065202
【国際公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(508364749)ケロッグ ブラウン アンド ルート エルエルシー (10)
【Fターム(参考)】