説明

アーチング防止用貯蔵容器、アーチング防止装置、及び、それを用いた貯蔵物の処理方法

【課題】容器内に貯蔵した貯蔵物によるアーチングの発生を良好に抑制し、万一アーチングが発生した場合でも容易に且つ低コストでアーチングを解消することが可能なアーチング防止用貯蔵容器、アーチング防止装置、及び、それを用いた貯蔵物の処理方法を提供する。
【解決手段】貯蔵物投入口13を上方に備え、貯蔵物排出口13’を下方に備え、側壁に貫通するように複数のエアー供給孔5が形成された容器本体2’と、前記容器本体2’の側壁の内面に沿って設けられた通気性を有するシート3とを備えたアーチング防止用貯蔵容器2。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アーチング防止用貯蔵容器、アーチング防止装置、及び、それを用いた貯蔵物の処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
小麦を挽砕した後に生じる小麦ふすま(小麦の外皮)は、主に家畜の飼料として有用であり、一般にサイロと呼ばれる貯蔵容器に貯蔵される。しかしながら、小麦ふすまは水分を吸収し易く、特に湿気の多い季節では貯蔵容器内でアーチングと呼ばれる現象を引き起こす。アーチングとは、貯蔵容器内で貯蔵物の一部が固まって架橋状態となり、その架橋状態となった貯蔵物の下方に空洞が発生する現象である。このような場合、架橋状態となった貯蔵物から上方の貯蔵物が容器内で落下し難くなり、その結果、貯蔵物を容器から排出できなくなってしまう。また、アーチングが発生すると、貯蔵容器内に長時間保管された小麦ふすまが内部の微生物の影響で発酵し、周囲に悪臭を放ってしまう。
【0003】
このような問題に対する技術として、例えば、特許文献1には、容器内に形成される粉粒状物のアーチブリッジの破壊装置であり、内部に粉粒状物を充填した本体容器の下部のホッパ部であって、斜め下方に向けて傾斜したテーパ形ホッパ壁に、同ホッパ壁を内部側に押し込む力と外部側に引き上げる力とを反復して加えるホッパ壁揺動手段を取り付けたことを特徴とするアーチブリッジ破壊装置が開示されている。そして、これによれば、作業における危険もなく、さらには短時間で確実にブリッジを解消させることができると記載されている。
【0004】
特許文献2には、サイロ型の粉粒体貯槽の底部の傾斜した壁にソケットを設け、ソケットを貫いて貯槽内部に対して前進後退可能なエアー吹き込み用のパイプを気密に配置し、パイプの先端にはパイプの軸に対して横方向に開口するエアー噴出口を設け、パイプの基部はバルブを介して圧縮空気源に接続し、かつ、パイプをその軸に沿って出入りさせるとともに、軸を中心に回転可能にするハンドルを設けてなる、粉粒体のブリッジを解消するための装置が開示されている。そして、これによれば、構造が簡単で、したがって容易にかつ低コストで提供でき、確実にブリッジを解消することができ、かつ、保守が容易である装置を提供することができると記載されている。
【0005】
特許文献3には、サイロ本体内に粉体を貯留するとともに、サイロ本体の下端に取出口を形成したサイロにおいて、サイロ本体内に高圧空気を噴き出す複数の高圧空気ノズルを取出口の上部位置に設け、基端がコンプレッサーに連通するとともに、先端側がクーラーを介して他系統に連通する高圧空気供給管をコンプレッサーとクーラーの間で分岐して高圧空気供給管の分岐管を形成し、この分岐管を前記高圧空気ノズルに連結して設けたことを特徴とするサイロのブリッジ解消装置が開示されている。そして、これによれば、クーラーの手前において分流した高温の乾燥した高圧空気が分岐管を通して高圧空気ノズルからサイロ本体に噴出することにより、粉体に湿気を与えることなくサイロ本体における粉体のブリッジ現象を防止することができると記載されている。
【0006】
特許文献4には、穀物を貯蔵するための貯槽と、該貯槽の外部に設置された一次熱交換器及び二次熱交換器と、ブロワとを、通気用の配管で連結して冷却空気の循環経路を形成し、前記一次熱交換器で前記通気用の配管内を循環する冷却空気と外部の冷熱源との間での熱交換を行い、前記二次熱交換器で前記一次熱交換器で冷却された冷却空気と前記貯槽内に搬入される穀物との間での熱交換を行うように構成し、前記二次熱交換器によって予め冷却した穀物を穀物搬入用の配管を通して貯槽内に搬入してばら積み状態で貯え、前記一次熱交換器で冷却された冷却空気を、前記ブロワと通気用の配管で貯槽内に導き、ばら積み状態で貯えられている前記穀物の層を通過させるとともに、前記貯槽内または通気用の配管内に配置した温度センサーの情報を、前記一次熱交換器及び二次熱交換器にフィードバックして冷熱源を制御し、貯槽内の穀物の温度と湿度を一定に保つようにしたことを特徴する穀物貯蔵装置が開示されている。そして、これによれば、サイロ等の貯槽に貯蔵された穀物は、発育のため発生する熱により成育が進展し品質が低下し、サイロ等貯槽にばらで貯蔵した穀物を、定期的に搬出して冷却、除湿して再びサイロ等貯槽に納めていた手間を省き、サイロ等貯槽に貯蔵したままで穀物を冷却、除湿し、搬出、搬入のために生ずる穀物の摩耗、損傷、劣化による品質低下を防止することができると記載されている。
【0007】
特許文献5には、上部に投入口、下部に排出口を有する直立筒型の容器を備え、容器内に貯留した粒体に下方から熱風を流して乾燥処理を施す乾燥サイロにおいて、貯留した粒体をマスフローで落下させるためのバッフルを容器内の下部に備え、バッフルは、容器の中心から容器の周壁に向かって下方に傾斜し且つ半径方向外周縁が周壁との間に等間隔を有するよう設けられた略円錐状部を有し、熱風を吹込むための吹込管を、バッフルの下方にて、下端が排出口に至るまで鉛直に立設し且つ周壁との間に等間隔を有するよう設け、吹込管の先端開口をバッフルの内空間に位置させ、バッフルの上下方向の途中に、多数の空気吹出口を設け、バッフルの下部を、バッフルの内空間から空気が絞られて吹出されるよう塞いだ構造としたことを特徴とする乾燥サイロが開示されている。そして、これによれば、貯留している粒体に対して均一に熱風を流して均一な乾燥処理を施すことができ、また、粒体の排出の際に偏流が生じるのを防止してマスフローによる排出を行うことができると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−67400号公報
【特許文献2】実用新案登録第3121183号公報
【特許文献3】実開平5−58692号公報
【特許文献4】特許第2751795号公報
【特許文献5】特開平7−332851号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1では、サイロの下方のホッパーに振動装置や打撃装置等の粉体排出促進器を取り付けて、アーチングを解消しようとするものであるが、このような粉体排出促進器を用いると、サイロ内での粉体間の隙間が埋まっていき、結果としてサイロ内で粉体が固まってアーチングが逆に強固なものになってしまうおそれがある。
【0010】
また、特許文献2及び3では、サイロ直胴部やホッパーに高圧空気を噴射して、アーチングを崩壊させるものであるが、これは空気を高圧噴射した局部のアーチングの崩壊にのみ対応可能であり、サイロ内全体に亘り不確定に発生するアーチングを適切に崩壊させることは困難である。
【0011】
また、特許文献4及び5では、サイロ内に、通風用のバッフルやパイプ、鋼球を形成し、サイロ内を乾燥もしくは定温に調整するものであるが、サイロ内にこのような障害物があると、アーチングがそれを起点として発生するおそれがある。
【0012】
さらに、上述の問題に対し、例えば:
サイロ内壁面を平滑にしてアーチング発生の起点を設けないようにする技術、予め流動乾燥機等により、貯蔵物を約100℃の熱風に約5分間潜らせて、水分含有を概ね14%以下に水分調整して、サイロに貯蔵する技術、貯蔵後もサイロ底部で凝縮するのを防止するため、移し替え工程を実施する技術、等がある。
しかしながら、上記技術によってもアーチングの抑制には十分であるとは言えない。そのため、アーチングが発生した場合は作業員がハンマーや棒等でサイロの外側から衝撃を与えてサイロ内のアーチングを崩しているが、崩れないときは、サイロ内部に作業員が入り、バキューム機によって吸い上げて、別のサイロへ移し替えている。しかしながら、このような作業は、崩落事故や酸素欠乏の恐れがあるため危険を伴い、またサイロ容量が数十トン級であるため、移し替え作業に時間と労力、多額な費用を費やしている。
【0013】
そこで、本発明は、容器内に貯蔵した貯蔵物によるアーチングの発生を良好に抑制し、万一アーチングが発生した場合でも容易に且つ低コストでアーチングを解消することが可能なアーチング防止用貯蔵容器、アーチング防止装置、及び、それを用いた貯蔵物の処理方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者は上記課題を解決するために鋭意検討したところ、貯蔵物を貯蔵する容器本体の側壁の内面に沿って通気性を有するシートを設け、この内部に貯蔵物を投入することでアーチングの発生が良好に抑制でき、万一アーチングが発生しても容器本体の側壁からエアーを供給することで、容易に且つ低コストでアーチングを解消することができることを見出した。
【0015】
以上の知見を基礎として完成した本発明は一側面において、貯蔵物投入口を上方に備え、貯蔵物排出口を下方に備え、側壁に貫通するように複数のエアー供給孔が形成された容器本体と、前記容器本体の側壁の内面に沿って設けられた通気性を有するシートとを備えたアーチング防止用貯蔵容器である。
【0016】
本発明に係るアーチング防止用貯蔵容器は、一実施形態において、前記貯蔵物が粉体又は粒体である。
【0017】
本発明に係るアーチング防止用貯蔵容器は、別の一実施形態において、前記粉体が、穀粉、でん粉、飼料、肥料、粕、糖類、化学品、粉末調味料、食品添加物、粉末加工食品及び香辛料のいずれかであり、前記粒体が穀類又は豆類である。
【0018】
本発明に係るアーチング防止用貯蔵容器は、さらに別の一実施形態において、前記容器がサイロ又はタンクである。
【0019】
本発明に係るアーチング防止用貯蔵容器は、さらに別の一実施形態において、前記容器本体のエアー供給孔が、前記容器本体の側壁の周方向及び上下方向にそれぞれ間隔を空けて複数形成されている。
【0020】
本発明に係るアーチング防止用貯蔵容器は、さらに別の一実施形態において、前記シートが、綿及び麻を含む植物繊維、絹、羊毛及びカシミヤを含む動物繊維、レーヨン及びキュプラを含む再生繊維、アセテート、トリアセテート及びプロミックスを含む半合成繊維、ナイロン、ポリエステル、アクリル、アラミド、ビニロン、ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリウレタンを含む合成繊維、及び、ガラス、炭素、金属及びセラミックを含む無機繊維からなる群から選択される1種以上で形成されている。
【0021】
本発明に係るアーチング防止用貯蔵容器は、さらに別の一実施形態において、前記容器本体が、貯蔵物の貯蔵量を測定する測定部を備えている。
【0022】
本発明は別の一側面において、本発明のアーチング防止用貯蔵容器と、前記アーチング防止用貯蔵容器のエアー供給孔にエアーを供給するエアー供給装置とを備えたアーチング防止装置である。
【0023】
本発明に係るアーチング防止装置は、一実施形態において、前記エアー供給装置から供給されるエアーがドライエアーである。
【0024】
本発明に係るアーチング防止装置は、別の一実施形態において、前記アーチング防止用貯蔵容器へのエアーの供給を調整するエアー調整弁をさらに備えている。
【0025】
本発明に係るアーチング防止装置は、さらに別の一実施形態において、前記容器外へ飛散する貯蔵物を回収する集塵部をさらに備えている。
【0026】
本発明は更に別の一側面において、貯蔵物を前記容器本体へ投入する工程と、前記貯蔵物を投入した容器本体へ前記エアー供給孔からエアーを供給することで、前記シートを通過したエアーで前記貯蔵物を乾燥させる工程とを含む本発明のアーチング防止装置を用いた貯蔵物の処理方法である。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、少なくとも以下の効果が得られる。
(1)容器本体へエアー供給孔からエアーを供給することで、エアーがシート及び容器本体の隙間や、通気性を有するシートを通過し、これによりエアーが拡散されて供給孔から離れたところまで到達する。このため、エアーによって貯蔵物が広範囲に亘って乾燥され、容器本体内で広範囲に亘ってアーチングの発生を良好に抑制することができる。
(2)容器本体へエアー供給孔からエアーを供給することで、容器本体内に充填した貯蔵物を乾燥させることができるため、従来のように、流動乾燥機を使用して貯蔵物を予め乾燥させる必要が無くなり、それに伴う大掛かりな設備やスペースも必要が無くなる。
(3)充填後に、水分調整がうまくいかず、万一アーチングが発生しても、再び容器本体へエアー供給孔からエアーを供給して貯蔵物を乾燥させることで、容易にアーチングを解消させることができる。従って、作業員が手作業でアーチングを崩すといった作業の必要が無くなり、崩落事故や酸素欠乏といった危険から解放される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施形態に係るアーチング防止装置の模式図である。
【図2】実施例で使用したアーチング防止装置の各構成部材の模式図である。
【図3】実施例で使用したアクリル板の平面図である。
【図4】実施例で使用した円筒管の平面図である。
【図5】実施例で使用した台座及び重りの模式図である。
【図6】実施例で使用したアーチング試験装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(アーチング防止装置の構成)
本発明の実施形態に係るアーチング防止装置100の構成について、図を用いて詳細に説明する。図1に、本発明の実施形態に係るアーチング防止装置100の模式図を示す。アーチング防止装置100は、アーチング防止用貯蔵容器2を備えている。
アーチング防止用貯蔵容器2は、貯蔵物投入口13を上方に備え、貯蔵物排出口13’を下方に備え、側壁に貫通するように複数のエアー供給孔5が形成された容器本体2’と、容器本体2’の側壁の内面に沿って設けられた通気性を有するシート3とを備えている。容器本体2’は、円筒状に形成されている。容器本体2’は、その他、多角柱状に形成されていてもよく、さらに縦断面がテーパ状にされたものであってもよい。容器本体2’の側壁の内面は、充填される貯蔵物1がアーチングを発生する原因となるような突起部等の障害物が無い平滑な面に形成されている。容器本体2’は、特に限定されないが、例えば、鉄、ステンレスなどの金属材料又はコンクリート等を用いて形成することができる。容器本体2’の大きさは、特に限定されないが、典型的には、円柱状に形成する場合、半径1〜2mの底面とし、高さを10〜20mとする。
【0030】
シート3は、容器本体2’の側壁の内面に沿って設けられている。シート3は、容器本体2’の側壁の内面の上下方向には途切れることなく連続して設けられている。また、シート3は、容器本体2’の側壁の内面の周方向には連続して設けられていてもよく、一部だけ設けられていても良いが、その場合はエアー供給孔5に対応する箇所に設けられていることが好ましい。シート3は、容器本体2’の側壁の内面全体に亘って設けられていることがより好ましい。シート3は、複数枚の材料を結合して構成してもよいが、一枚の材料で形成するのが突起部となり得る結合部を有しない点でより好ましい。シート3は、通気性を有する材料で形成されている。通気性を有する材料としては、微細な孔が形成されたシート状の材料で形成することができる。また、シート3は、容器本体2’内への貯蔵物の投入によって破損し難い良好な強度を有していることがさらに好ましい。このように、通気性を有し、且つ、良好な強度を有するシート3は、例えば、綿及び麻を含む植物繊維、絹、羊毛及びカシミヤを含む動物繊維、レーヨン及びキュプラを含む再生繊維、アセテート、トリアセテート及びプロミックスを含む半合成繊維、ナイロン、ポリエステル、アクリル、アラミド、ビニロン、ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリウレタンを含む合成繊維、及び、ガラス、炭素、金属及びセラミックを含む無機繊維からなる群から選択される1種以上で形成することができる。
【0031】
本発明に係るアーチング防止用貯蔵容器2で貯蔵する貯蔵物1は、特に限定されないが、例えば、空気中の水分を吸収することで容器内に貯蔵されてアーチングを発生し得る粉体又は粒体等を示す。粉体としては、穀粉、でん粉、飼料、肥料、粕、糖類、化学品、粉末調味料、食品添加物、粉末加工食品及び香辛料のいずれかであってもよく、粒体としては、穀類又は豆類であってもよい。
さらに、このうち、穀粉としては、小麦粉、米粉、とうもろこし粉、大麦粉、燕麦粉、ライ麦粉、ライ小麦粉、ソルガム粉、アワ粉、キビ粉、ヒエ粉、シコクビエ粉、蕎麦粉、キノア粉、きな粉等が挙げられる。
でん粉としては、コーンスターチ、小麦でん粉、米でん粉、もろこしでん粉、タピオカでん粉、馬鈴薯でん粉、甘藷でん粉、緑豆でん粉、クズでん粉、カタクリでん粉、ワラビでん粉、サゴでん粉及び/又はアセチル化アジピン酸架橋でん粉、アセチル化リン酸架橋でん粉、アセチル化酸化でん粉、オクテニルコハク酸でん粉ナトリウム、酢酸でん粉、酸化でん粉、ヒドロキシプロピルでん粉、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋でん粉、リン酸モノエステル化リン酸架橋でん粉、リン酸化でん粉、リン酸架橋でん粉等が挙げられる。
飼料や肥料としては、焼却灰、草木灰、骨粉、魚粉、鶏糞、牛糞、馬糞や、小麦ふすま、米糠、麦糠、コーンハルのうちから任意に選択された一種類または二種類以上を原料とするものが挙げられる。
粕としては、脱脂及び/又は搾って、加熱乾燥させた大豆粕、菜種粕、綿実粕、とうもろこし粕、紅花粕、ごま粕、落花生粕、やし、パーム核粕、オリーブ粕、ひまわり粕などの油糧粕や、コーヒー粕、酒粕、ビール粕、魚粕、みりん粕、ウィスキー粕、ジュース粕、豆腐粕、醤油粕、デンプン粕、緑茶粕、紅茶粕、ウーロン茶粕等が挙げられる。
糖類としては、グラニュー糖、上白糖、ザラ糖、ブドウ糖、果糖、麦芽糖、乳糖等が挙げられる。
化学品としては、硫酸カリウム、四ほう酸ナトリウム十水和物、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、ホウ酸、苛性ソーダ、消石灰、生石灰、炭酸カルシウム、尿素、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム等が挙げられる。
粉末調味料としては、砂糖、食塩、粉末醤油、粉末味噌、カツオエキスパウダー、昆布エキスパウダー、ホタテエキスパウダー、シイタケエキスパウダー、カニエキスパウダー、エビエキスパウダー、ウナギエキスパウダー、ポークエキスパウダー、ビーフエキスパウダー、チキンエキスパウダー、フルーツパウダー、梅肉パウダー、カレーパウダー等が挙げられる。
食品添加物としては、L−アスパラギン酸ナトリウム、DL−アラニン、L−アルギニンL−グルタミン酸塩、塩化カリウム、クエン酸一カリウム、クエン酸三カリウム、クエン酸三ナトリウム、グリシン、アジピン酸、クエン酸、グルコノデルタラクトン、DL−酒石酸、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、DL−りんご酸、トレハロース、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、キシリトール、グリチルリチン酸二ナトリウム、サッカリン、サッカリンナトリウム、食用赤色2号、食用赤色3号、食用赤色40号、食用赤色102号、食用黄色4号、食用黄色5号、食用緑色3号、食用青色1号、食用青色2号、エチルバニリン、バニリン、dl−メントール、L−アスコルビン酸、L−イソロイシン、クエン酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、炭酸カリウム、ソルビン酸カリウム、アルギン酸ナトリウム等の添加物及び/又はそれらを使用した製剤等が挙げられる。
粉末加工食品としては、粉ミルク、ジュース、ココア、コーヒー、茶、にんじん、ごぼう、キャベツ、ほうれん草、粉チーズ等の液体及び/又は固形物を粉末化したもの等が挙げられる。
香辛料としては、唐辛子、山椒、こしょう、ターメリック、ローレル、シナモン、バジル、ハーブ等の香辛料を粉末化したもの等が挙げられる。
穀類としては、米、小麦、トウモロコシ、大麦、燕麦、ライ麦、ライ小麦、ソルガム、アワ、キビ、ヒエ、トウジンビエ、シコクビエ、蕎麦、センニンコク、キノア等が挙げられる。
豆類としては、大豆、落花生、インゲンマメ、小豆、ササゲ、エンドウ、リョクトウ、ソラマメ、ヒラマメ、ヒヨコマメ、キマメ等が挙げられる。
また、アーチング防止用貯蔵容器2は、穀物等を貯蔵するためのサイロであってもよく、その他の粉体又は粒体を貯蔵するためのタンクであってもよい。
【0032】
アーチング防止用貯蔵容器2の容器本体2’の側壁の周方向及び上下方向には、それぞれ間隔を空けてエアー供給孔5が形成されており、このエアー供給孔5にエアーノズル5’が差し込まれている。このエアー供給孔5は、周方向及び上下方向にそれぞれ等間隔に形成するのが、容器本体2’内の不確定な位置に形成されるアーチングを解消するために好ましい。本実施形態では、エアー供給孔5は、容器本体2’の側壁の周方向に等間隔に4箇所、及び、容器本体2’の側壁の上下方向に等間隔に5箇所の合計20箇所形成されている。エアー供給孔5は、特に限定されないが、典型的には、内径4mm〜100mmの円状に形成することができる。
【0033】
アーチング防止用貯蔵容器2の容器本体2’には、貯蔵物1の貯蔵量を測定する測定部4が設けられている。測定部4は、容器本体2’の側面の複数の所定高さに設けられており、この測定部4によって、容器本体2’のどの位置まで貯蔵物1が充填されているかという貯蔵量を測定することができる。測定部4は、特に限定されないが、例えばセンサーで形成されていてもよく、目視により測定可能となるように窓部で形成されていてもよい。
【0034】
アーチング防止用貯蔵容器2には、容器本体2’の下方にそれぞれ設けられたホッパー11、排出フィーダー12が形成され、排出フィーダー12の下方に貯蔵物排出口13’が形成されている。ホッパー11は、排出フィーダー12の径と容器本体2’の径とが合わない場合に取り付けて径を合わせて両者を接合する機能を有する。排出フィーダー12は、貯蔵物1を円滑に排出させる機能を有する。
【0035】
アーチング防止装置100は、さらに、アーチング防止用貯蔵容器2のエアー供給孔5にエアーを供給するエアー供給装置10を備えている。エアー供給装置10は、エアーを貯蔵するエアータンク8、エアーを乾燥するドライヤー9及びエアーを圧縮するコンプレッサー9’を備えている。エアー供給装置10には、合計20箇所のエアー供給孔5にそれぞれ差し込まれたエアーノズル5’に連結されてエアーの流路となるエアー配管7が設けられている。本実施形態に係るアーチング防止装置100のエアー供給装置10は、コンプレッサー9’で圧縮したエアーの水分をドライヤー9で除して、エアータンク8に貯蔵し、必要に応じて容器本体2’内へ供給する。ドライエアーは、典型的には圧力1〜10kgf/cm2(0.09〜0.98MPa)で、且つ、湿度が0〜10%である。
【0036】
エアー供給装置10から供給されるエアーとしては、このようにドライエアーが好ましいが、これに限定されず、容器本体2’内の貯蔵物に対して単位体積当たりの水分含有量がより少ないエアーであればよい。
【0037】
アーチング防止装置100は、さらに、エアー配管7の途中に、アーチング防止用貯蔵容器2へのエアーの供給を調整するエアー調整弁6が形成されている。エアー調整弁6は、エアー配管7において、容器本体2’の所定高さに周方向に亘って形成された4つのエアー供給孔5にそれぞれ差し込まれた4つのエアーノズル5’へ供給するエアーを一度に調整可能な位置に形成されている。エアー調整弁6は、測定部4によって得られた貯蔵物の位置情報を元に、エアーの供給が必要な位置では弁を開放して必要量を供給し、エアーの供給が必要でない位置では弁を閉じてエアーの供給を止める働きを有している。
【0038】
アーチング防止装置100は、さらに、貯蔵物投入口13の上方に集塵機18、排気ファン19及び排気ダクト20がそれぞれ形成されている。アーチング防止用貯蔵容器2に貯蔵物を投入する際や、エアー供給孔5にエアーを供給する際等に、貯蔵物1が飛散するが、このとき、アーチング防止用貯蔵容器2外への飛散を抑制するために、貯蔵物1を回収することが好ましい。本発明に係る実施形態では、この回収を、飛散した貯蔵物1を回収するための集塵機18、吸い込むための排気ファン19、空気が通る排気ダクト20からなる集塵部で行っている。圧力調整弁17はサイロ内が陰圧になった際に、外部との圧力を平衡に保つようになっている。
【0039】
アーチング防止装置100は、さらに、不図示の回転羽根を備えた排出フィーダー12の下方に排出ギヤ15、排出モーター14及びベルトカバー16を備えている。排出ギヤ15は、汎用モーター(排出モーター14)の回転スピード(1500rpm)ではトルクが小さく、圧力が加えられた回転羽根を回すことができないため、モーターの回転スピードを落とし、トルクを大きくして、回転羽根を回すために用いられる。ベルトカバー16は、排出モーター14の回転を排出ギヤ15に伝えるために使用するベルトの保護カバーである。
【0040】
(アーチング防止装置を用いた貯蔵物の処理方法)
次に、本発明の実施例に係るアーチング防止装置100を用いた貯蔵物1の処理方法について、図を用いて詳細に説明する。
まず、アーチング防止装置100を準備し、所定量の貯蔵物1を、側壁の内面に沿って通気性を有するシート3が設けられた容器本体2’へ貯蔵物投入口13から投入し、貯蔵物投入口13を閉じる。
一方、エアー供給装置10において、コンプレッサー9’でエアーを圧縮し、圧縮エアーの水分をドライヤー9で除し、エアータンク8に貯蔵しておく。
続いて、貯蔵物1の貯蔵量を測定する測定部4で、貯蔵物1の容器本体2’内における位置を確認しながら、貯蔵物1が設けられている部位にエアー供給装置10からのエアーを、エアー供給孔5から供給する。このとき、エアー供給装置10からのエアーが通るエアー配管7のエアー調整弁6を用いて測定部4によって得られた貯蔵物の位置情報を元に、エアーの供給が必要な位置では弁を開放して必要量を供給し、エアーの供給が必要でない位置では弁を閉じてエアーの供給を止めてもよい。また、エアーを容器本体2’内に断続的に供給してもよく、連続して供給してもよい。
エアー供給孔5から容器本体2’内に供給されたエアーは、シート3及び容器本体2’の隙間や、通気性を有するシート3を通過し、これによりエアーが拡散されてエアー供給孔5から離れたところまで到達することで、広範囲に亘って貯蔵物1を乾燥する。
上記エアーの供給と共に、或いは、その前の貯蔵物1の投入時から、必要であれば貯蔵物1のアーチング防止用貯蔵容器2外への飛散を抑制するために、排気ファン19を回し飛散した貯蔵物1を、集塵機18を通じて吸い込み、吸い込んだ貯蔵物1は集塵機18のフィルター18’で回収され、空気だけが排気ダクト20を通して排気される。
このように貯蔵していた貯蔵物1をアーチング防止装置100から排出するときは、排出モーター14を作動させるが、このとき、排出ギヤ15で排出モーター14の回転スピードを落とし、トルクを大きくして回転羽根を回す。このようにして、回転羽根で貯蔵物1を掻き出して、排出フィーダー12から排出させる。
【0041】
このようなアーチング防止装置100を用いた貯蔵物1の処理方法によれば、容器本体2’の側壁の内面に沿って通気性を有するシート3が設けられているため、容器本体2’へエアー供給孔5からエアーを供給することで、エアーがシート3及び容器本体2’の隙間や、通気性を有するシート3を通過し、これによりエアーが拡散されてエアー供給孔5から離れたところまで到達する。このため、エアーによって貯蔵物1が広範囲に亘って乾燥され、容器本体2’内で広範囲に亘ってアーチングの発生を良好に抑制することができる。
さらに、容器本体2’へエアー供給孔5からエアーを供給することで、容器本体2’内に充填した貯蔵物1を乾燥させることができるため、従来のように、流動乾燥機を使用して貯蔵物1を予め乾燥させる必要が無くなり、それに伴う大掛かりな設備やスペースも必要が無くなる。
さらに、充填後に、水分調整がうまくいかず、万一アーチングが発生しても、再び容器本体2’へエアー供給孔5からエアーを供給して貯蔵物1を乾燥させることで、容易にアーチングを解消させることができる。従って、作業員が手作業でアーチングを崩すといった作業の必要が無くなり、崩落事故や酸素欠乏といった危険から解放される。
【実施例】
【0042】
以下に本発明の実施例を示すが、これらの実施例は本発明及びその利点をより良く理解するために提供するものであり、発明が限定されることを意図するものではない。
【0043】
〔例1〕
(実施例1〜12)
(試験装置)
本発明の実施例1〜12として、図2に示すアーチング防止装置200を準備した。図2は、アーチング防止装置200の各構成部材の模式図を示している。アーチング防止装置200は、実施例として実際に用いられるものよりスケールが小さく設計され且つ簡略化されている。具体的には、アーチング防止装置200は、アーチング防止用貯蔵容器210及びアーチング防止用貯蔵容器210のエアー供給孔29にエアーを供給するエアー供給装置(不図示)を備えている。供給するエアーは、圧力0.4MPa/cm2で、且つ、湿度が4%のドライエアーである。
アーチング防止用貯蔵容器210は、貯蔵物投入口40を上方に備え、貯蔵物排出口40’を下方に備え、側壁に貫通するように複数のエアー供給孔29が形成された容器本体21と、容器本体21の側壁の内面に沿って設けられた通気性を有するシート23とを備えている。
容器本体21は、断面半径6cm且つ高さ30cmのアクリル製の円筒管である。
エアー供給孔29は、内径4mm(エアーを供給するホースの外径8mm)の円状に形成されており、容器本体21の下方から2cm、10cm、18cmの高さに、それぞれ周方向に等間隔に4箇所(合計3×4=12箇所)形成されている。
通気性を有するシート23は、ポリエステル製の布で形成されており、容器本体21の内面全体に沿うように固定して設けられている。
容器本体21の貯蔵物投入口40には、後述のおもりを載せるためのアクリル板22が設けられている。アクリル板22の主目的は、シート23の上部を布押えリング24で挟んで押えることと、アクリル板22’及び全ネジボルト34を通して、円筒管21を挟んで押えることである。アクリル板22には貯蔵物に荷重を加えられるように孔を開けている。当該アクリル板22の平面図を図3に示す。
容器本体21の下方には、貯蔵物を貯蔵物排出口40’へ掻き出すための回転羽根32が形成されたアクリル製の円筒管30が設けられている。当該円筒管30の平面図を図4に示す。
後述の試験方法で、貯蔵物(小麦ふすま39)に圧力を加えるための920gの鉄製の台座37及び5kgの重り38の模式図を図5に示す。
【0044】
(試験方法)
まず、小麦ふすま39を、アーチング防止装置200の容器本体21内へ投入する前に水分量を測定した。次に、図6に示すように、アーチング防止装置200の容器本体21内へ小麦ふすま39を投入した。小麦ふすま39と容器本体21との間にはシート23が位置しているため、小麦ふすま39は容器本体21の内面とは直接接触しなかった。本実施例では装置のスケールが小さいために、小麦ふすま39の自重ではアーチングが発生しない。従って、強制的にアーチングを発生させるために容器本体21内に充填した小麦ふすま39の上に台座37及び重り38を載せて圧力を加えた。
続いて、エアー供給装置(不図示)からドライエアーを表1に示す条件で断続的にエアー供給孔29から容器本体21内に供給した。
ドライエアー供給開始から24時間経過後、円筒管30内の回転羽根32を回転させて、貯蔵物排出口40’から小麦ふすま39を掻き出した。このとき、アクリル製の透明の容器本体21を観察することで、アーチングの発生の有無を評価した。また、排出した小麦ふすま39の水分量を測定した。小麦ふすま39の投入前に測定した水分量と、この排出時の水分量との差を求め、飛散した水分量の比率(%)を算出した。
上記試験を、日時を変えて複数回実施した。試験条件及び試験結果を表1に示す。
【0045】
【表1】

【0046】
(比較例1〜3)
比較例1〜3として、シート23を設けず、且つ、ドライエアーの供給を行わない以外は、実施例1〜12と同様の試験装置を用い、同様の試験条件にて試験を行った。
上記試験を、日時を変えて複数回実施した。試験条件及び試験結果を表2に示す。
【0047】
【表2】

【0048】
(評価)
実施例1〜12は、排出時水分(%)が多くても13.5%(実施例6)、平均は実施例1〜7で12.9%、及び、実施例8〜12で13.0%であり、いずれも小麦ふすまのアーチングの発生が見られなかった。
比較例1〜3は、シート23を設けておらず、エアーの供給を行わなかったため、排出時水分(%)がいずれも14.7%と多く、さらに比較例1及び3では水分を吸収しており、いずれもアーチングの発生が確認された。
【0049】
〔例2〕
(実施例13〜16)
(試験装置)
本発明の実施例13〜16として、例1と同様に、図2に示すアーチング防止装置200を準備した。供給するエアーは、圧力0.2MPa/cm2で、且つ、湿度が7%のドライエアーである。また、例1と同様に、図5に示す貯蔵物(小麦ふすま39)に圧力を加えるための鉄製の台座37及び重り38は、それぞれ920g、5kgのものを用いた。
【0050】
(試験方法)
まず、小麦ふすま39を、アーチング防止装置200の容器本体21内へ投入する前に水分量(A%)を測定した。次に、図6に示すように、アーチング防止装置200の容器本体21内へ小麦ふすま39を投入した。小麦ふすま39と容器本体21との間にはシート23が位置しているため、小麦ふすま39は容器本体21の内面とは直接接触しなかった。本実施例では装置のスケールが小さいために、小麦ふすま39の自重ではアーチングが発生しない。従って、強制的にアーチングを発生させるために容器本体21内に充填した小麦ふすま39の上に台座37及び重り38を載せて圧力を加えた。
続いて、エアー供給装置(不図示)からドライエアーを、エアー供給間隔:60(秒)、エアー供給時間/回:0.5(秒/回)、風量:221(l/h)の各条件で、断続的にエアー供給孔29から容器本体21内に供給した。
ドライエアー供給開始から24時間経過後(乾燥後ともいう)、アクリル製の透明の容器本体21を観察することで、アーチングの発生の有無を評価した。また、乾燥後の、エアー供給口付近の小麦ふすま39の水分量(B%)、エアー供給口から外れた位置の小麦ふすま39の水分量(C%)を測定した。さらに、これらの結果を用いて、乾燥前との水分量の差(D%、E%)、及び、乾燥前との水分率(F%、G%)をそれぞれ算出した。
なお、「エアー供給口付近」は、周方向4箇所にあるエアー供給口の中心を通る水平面より上下2cm以内の領域であり、「エアー供給口から外れた位置」は、周方向4箇所にあるエアー供給口の中心を通る水平面より上方4cm離れた位置の上下2cm以内の領域をいう。
上記試験を、日時を変えて複数回実施した。試験結果を表3に示す。
【0051】
【表3】

【0052】
(比較例4〜6)
比較例4〜6として、シート23を設けていない以外は、実施例13〜16と同様の試験装置を用い、同様の試験条件にて試験を行った。
上記試験を、日時を変えて複数回実施した。試験結果を表4に示す。
【0053】
【表4】

【0054】
(評価)
実施例13〜16は、乾燥後の水分量がエアー供給口付近及びエアー供給口から外れた位置の水分量のいずれも小さく、小麦ふすまが広範囲に亘って良好に乾燥されていた。また、小麦ふすまのアーチングの発生が見られなかった。
比較例4〜6は、シート23を設けていなかったため、特にエアー供給口から外れた位置の水分量が多く、乾燥がエアー供給口付近のみという局所的であり、いずれもアーチングの発生が確認された。
なお、例1と例2とは、実施した時期が異なり(例1は7月、例2は11月)、それによって室内空気の温度や湿度等の実施環境が異なるため、両者の試験結果を単純に比較することはできない。
【符号の説明】
【0055】
1 貯蔵物
2 アーチング防止用貯蔵容器
2’ 容器本体
3 シート
4 測定部
5 エアー供給孔
5’ エアーノズル
6 エアー調整弁
7 エアー配管
8 エアータンク
9 ドライヤー
9’ コンプレッサー
10 エアー供給装置
11 ホッパー
12 排出フィーダー
13 貯蔵物投入口
13’ 貯蔵物排出口
14 排出モーター
15 排出ギヤ
16 ベルトカバー
17 圧力調整弁
18 集塵機
18’ フィルター
19 排気ファン
20 排気ダクト
21 容器本体
22 アクリル板
22’ アクリル板
22” アクリル板
23 シート
24 シート押えリング
25 ナット
26 ワッシャー
27 ビス
28 ナット
29 エアー供給孔
30 円筒管
31 緩み止めナット
32 回転羽根
33 ボルト
34 全ネジボルト
35 ワッシャー
37 台座
38 重り
39 小麦ふすま
40 貯蔵物投入口
40’ 貯蔵物排出口
100 アーチング防止装置
200 アーチング防止装置
210 アーチング防止用貯蔵容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵物投入口を上方に備え、貯蔵物排出口を下方に備え、側壁に貫通するように複数のエアー供給孔が形成された容器本体と、
前記容器本体の側壁の内面に沿って設けられた通気性を有するシートと、
を備えたアーチング防止用貯蔵容器。
【請求項2】
前記貯蔵物が粉体又は粒体である請求項1に記載のアーチング防止用貯蔵容器。
【請求項3】
前記粉体が、穀粉、でん粉、飼料、肥料、粕、糖類、化学品、粉末調味料、食品添加物、粉末加工食品及び香辛料のいずれかであり、
前記粒体が穀類又は豆類である請求項2に記載のアーチング防止用貯蔵容器。
【請求項4】
前記容器がサイロ又はタンクである請求項1〜3のいずれかに記載のアーチング防止用貯蔵容器。
【請求項5】
前記容器本体のエアー供給孔が、前記容器本体の側壁の周方向及び上下方向にそれぞれ間隔を空けて複数形成されている請求項1〜4のいずれかに記載のアーチング防止用貯蔵容器。
【請求項6】
前記シートが、
綿及び麻を含む植物繊維、
絹、羊毛及びカシミヤを含む動物繊維、
レーヨン及びキュプラを含む再生繊維、
アセテート、トリアセテート及びプロミックスを含む半合成繊維、
ナイロン、ポリエステル、アクリル、アラミド、ビニロン、ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリウレタンを含む合成繊維、及び、
ガラス、炭素、金属及びセラミックを含む無機繊維
からなる群から選択される1種以上で形成されている請求項1〜5のいずれかに記載のアーチング防止用貯蔵容器。
【請求項7】
前記容器本体が、貯蔵物の貯蔵量を測定する測定部を備えた請求項1〜6のいずれかに記載のアーチング防止用貯蔵容器。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載のアーチング防止用貯蔵容器と、
前記アーチング防止用貯蔵容器のエアー供給孔にエアーを供給するエアー供給装置と、
を備えたアーチング防止装置。
【請求項9】
前記エアー供給装置から供給されるエアーがドライエアーである請求項8に記載のアーチング防止装置。
【請求項10】
前記アーチング防止用貯蔵容器へのエアーの供給を調整するエアー調整弁をさらに備えた請求項8又は9に記載のアーチング防止装置。
【請求項11】
前記容器外へ飛散する貯蔵物を回収する集塵部をさらに備えた請求項8〜10のいずれかに記載のアーチング防止装置。
【請求項12】
貯蔵物を前記容器本体へ投入する工程と、
前記貯蔵物を投入した容器本体へ前記エアー供給孔からエアーを供給することで、前記シートを通過したエアーで前記貯蔵物を乾燥させる工程と、
を含む請求項8〜11のいずれかに記載のアーチング防止装置を用いた貯蔵物の処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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