説明

イオン源及びイオン注入装置

【課題】いわゆるバケット型イオン源においてプラズマ生成効率を向上させる。
【解決手段】直方体形状をなし、一の側壁21aにイオン引き出し口21Hが形成されたプラズマ生成容器21と、イオン引き出し口21Hが形成された側壁21a以外の他の側壁21b〜21fの外面に沿って設けられ、プラズマ生成容器21内部にカスプ磁場を形成する複数の磁石22と、プラズマ生成容器21の隣接する側壁間に形成される角部21Kから内部に挿入して設けられた1以上のフィラメント23とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマ生成容器内にカスプ磁場を形成する電子衝撃型のイオン源(バケット型イオン源、多極磁場型イオン源又はマルチカスプ型イオン源とも言う。)及びこのイオン源を用いたイオン注入装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種のバケット型イオン源としては、特許文献1に示すように、イオン源ガスが導入される直方体形状をなすプラズマ生成容器と、当該プラズマ生成容器の側面外側に配置され、プラズマ生成容器内部にカスプ磁場を形成する複数の磁石と、プラズマ生成容器の前側壁に形成されたイオン引き出し口と対向する側壁(後側壁)から内部に挿入して設けられたフィラメントとを有するものがある。このイオン源においては、プラズマ生成容器が陽極を兼ねていて、フィラメントから放出される電子をプラズマ生成容器内で放電させて、イオン源ガスを電離させてプラズマを生成するものである。そして、イオン引き出し口近傍に設けられた引き出し電極系を用いて、プラズマからイオンビームを引き出すものである。
【0003】
上記構成のイオン源において、フィラメントは、当該フィラメントに電流を供給するための電流導入端子等を有する支持機構によって支持され、プラズマ生成容器の後側壁から内部に挿入されている。また、複数の磁石は、プラズマ生成容器の側壁(後側壁を含む。)の外側に設けられた支持部材にボルト等を用いて取り付けられることにより配置されている。
【0004】
しかしながら、プラズマ生成容器の後側壁においては、フィラメントが挿入されるとともに複数の磁石が配置されるため、フィラメント又は磁石の交換作業を容易にするため等から、フィラメントが挿入される挿入領域と、複数の磁石が配置される配置領域とが重ならないように構成する必要がある。つまり、フィラメントを複数の磁石が配置されている領域を避けて挿入する必要があり、取り付け位置の制約がある。なお、フィラメントの支持機構も磁石の配置領域を避けて配置する必要がある。そうすると、フィラメント及びその支持機構を磁石の配置態様に合わせて設計しなくてはならず、特に大型のフィラメント及び支持機構を配置することが難しいという問題がある。
【0005】
一方で、磁石の配置は、電子及びプラズマの閉じ込め効率を決定する重要なパラメータであるため、配置自由度が少ない。例えば、カスプ磁場による電子閉じ込めの高効率化のために、プラズマ生成容器の各側壁(前側壁を除く。)の外側において、複数の磁石を所定の寸法をもって等間隔に配置しておきたいという要望がある。ところが、後側壁においてはフィラメント及びその支持機構が配置されるため、複数の磁石を所定の寸法をもって等間隔に配置することが難しく、上記の閉じ込め効率をある程度犠牲にせざるを得ないという問題がある。
【0006】
上記の通り、従来のイオン源においては、フィラメントのサイズが磁石の配置によって制約されることから、十分な電子の放出量を得ることができないだけでなく、フィラメントにより磁石の配置が制約されることから、カスプ磁場の不均一によって電子の閉じ込め効率が悪く、プラズマ生成容器内でのプラズマ生成効率を向上させることが難しいとされてきた。また、従来のイオン源においては、プラズマ分布を均等することが難しく、イオンビーム中のイオン密度を均一にすることも難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−115511号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで本発明は、上記問題点を一挙に解決するためになされたものであり、プラズマ生成容器内にカスプ磁場を形成する電子衝撃型のイオン源においてプラズマ生成効率を向上させることをその主たる課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち本発明に係るイオン源は、イオン源ガスが導入されて内部でプラズマを生成するための直方体形状をなす容器であって、一の側壁にイオン引き出し口が形成されたプラズマ生成容器と、前記イオン引き出し口が形成された側壁以外の他の側壁の外面に沿って外部に設けられ、前記プラズマ生成容器の内部にカスプ磁場を形成する複数の磁石と、前記プラズマ生成容器の隣接する側壁間に形成される角部から内部に挿入して設けられ、電子を放出してプラズマ生成容器内で放電を生じさせて前記イオン源ガスを電離させてプラズマを生成する1以上のフィラメントと、を備えることを特徴とする。
【0010】
このようなものであれば、角部からフィラメントを挿入して設けることにより、従来磁石が配置されていないデットスペースを有効活用するとともに、全ての側壁(イオン引き出し口が形成された側壁を除く。)において、フィラメントに制約されることなく磁石の配置を好適にすることができる。これにより、カスプ磁場による電子の閉じ込め効果を向上させることができ、プラズマ生成効率を向上させることができる。また、プラズマ生成容器の角部に発生するカスプ磁場は、比較的磁場強度が小さいことから、当該角部からフィラメントを挿入することにより、フィラメント先端から放出される電子だけでなく、フィラメントの先端以外から放出される電子も閉じ込めることができるようになり電子を有効活用できる結果、プラズマ生成効率を向上させることができる。さらに、磁石が配置されない角部にフィラメントを配置する構成であれば、磁石が配置される側壁(例えば後端壁等)に配置する場合に比べて、比較的大きなフィラメントの支持機構を設けることが可能となり、これにより支持機構の剛性も強くなり、大型のフィラメントに対応することが可能となる。
【0011】
複数の磁石を、イオン引き出し口が形成された側壁以外の全ての側壁に配置する場合において、その配置構成を簡単化するとともに、プラズマ生成容器内に形成されるカスプ磁場を均一にするためには、前記複数の磁石が、前記他の側壁それぞれの外面に対向して設けられた概略平板状の強磁性体からなる支持板において略等間隔に支持されていることが望ましい。
【0012】
フィラメントの具体的な配置態様の一例として、プラズマ生成容器内に放出される電子を多くしてプラズマ生成効率を向上し、より多くのイオンビームを引き出すことができるようにするためには、前記フィラメントが、複数の角部に設けられていることが望ましい。
【0013】
また、フィラメントの具体的な配置態様の他の一例として、プラズマ生成容器内に放出される電子を多くしてプラズマ生成効率を向上し、より多くのイオンビームを引き出すことができるようにするためには、前記フィラメントが、1つの角部において、当該角部に沿って複数設けられていることが望ましい。
【0014】
フィラメントの具体的配置態様として、プラズマ生成容器内のプラズマ分布を均一になり易く、均一なイオンビームの引き出しを可能にするためには、前記フィラメントが、当該イオン引き出し口の長手方向及びイオン引き出し方向からなる平面に対して対称位置にある角部に設けられていることが望ましい。
【0015】
フィラメントをプラズマ生成容器内に配置した状態で、当該フィラメント同士が接触しないようにするとともに、数多くのフィラメントを配置できるようにするためには、前記対称位置にある角部に設けられたフィラメントが、当該角部に沿った方向において互いに異なる位置に設けられていることが望ましい。
【発明の効果】
【0016】
このように構成した本発明によれば、プラズマ生成容器内にカスプ磁場(多極磁場)を形成する電子衝撃型のイオン源においてプラズマ生成効率を向上させるができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係るイオン注入装置の全体構成を示す模式図である。
【図2】同実施形態のイオン源の構成を模式的に示すXY断面図である。
【図3】同実施形態のイオン源の構成を模式的に示すXZ断面図である。
【図4】同実施形態のフィラメントの配置を示すイオン引き出し方向から見た図である。
【図5】プラズマ生成容器内のXZ平面におけるカスプ磁場分布を示す図である。
【図6】フィラメント配置の変形例を示す図である。
【図7】フィラメント配置の変形例を示す図である。
【図8】フィラメント配置の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に本発明に係るイオン注入装置の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0019】
本実施形態のイオン注入装置100は、図1に示すように、イオン源2から引き出したイオンビームIBを、基板駆動装置5の保持部51に保持された基板Wに入射させて、基板Wにイオン注入を行うよう構成されている。イオン源2から基板駆動装置5までのイオンビームIBの経路(ビームライン)は、図示しない真空容器によって囲まれており、イオン注入時は真空雰囲気に保たれる。
【0020】
イオン源2から引き出して基板Wに入射させるイオンビームIBは、この実施形態では、図1の紙面の表裏方向であるY方向の幅が、それに直交する方向(X方向)の厚さよりも十分に大きいリボン状をしている。基板Wに入射するときのイオンビームIBの幅は、基板Wの同方向の寸法よりも若干大きくしている。
【0021】
イオン源2と保持部51との間には、この実施形態では、イオン源2から引き出したイオンビームIBの質量分離を行う質量分離手段を構成する質量分離マグネット3および分離スリット4が設けられている。質量分離マグネット3は、イオンビームIBをその厚さ方向に曲げて所望のイオンを選別して導出するものである。分離スリット4は、質量分離マグネット3の下流側に設けられていて、質量分離マグネット3と協働して、上記所望のイオンを選別して通過させるものである。
【0022】
基板駆動装置5は、この実施形態では、その保持部51に保持した基板Wを、基板Wに入射するイオンビームIBの厚さに沿う方向(換言すれば幅に交差する方向)であるX方向に機械的に往復駆動する。この実施形態では、基板駆動装置5自身が、図示しないレールに沿って、X方向に往復運動をする。この基板Wの往復駆動と、イオンビームIBがリボン状をしていることとによって、基板Wの全面にイオンビームIBを入射させてイオン注入を行うことができる。
【0023】
しかして本実施形態のイオン源2は、図2及び図3に示すように、イオン源ガスが導入されて内部でプラズマを生成するための容器であって、イオン引き出し口21Hが形成されたプラズマ生成容器21と、プラズマ生成容器21の外部に設けられて当該プラズマ生成容器21の内部にカプス磁場(より厳密に言えばマルチカスプ磁場。多極磁場とも言う。)を形成する複数の磁石22と、プラズマ生成容器21内でイオン源ガスを電子衝撃によって電離させてプラズマを生成する電離手段を構成する1以上(本実施形態では複数)のフィラメント23と、プラズマ生成容器21のイオン引き出し口21H付近に設けられていてプラズマから電界の作用でイオンビームIBを加速して引き出す引き出し電極系24とを備えている。
【0024】
なお、引き出し電極系24は、図2に示すように、最プラズマ側から下流側に向けて配置されたプラズマ電極241、引出し電極242、抑制電極243および接地電極244を有している。また、プラズマ電極241とプラズマ生成容器21との間には、両者間を電気的に絶縁する絶縁手段として絶縁物245が設けられている。また、各電極241〜244間は、例えば絶縁物246によって、互いに電気的に絶縁されている。
【0025】
プラズマ生成容器21は、直方体形状をなす容器であって、図3及び図4に示すように、一の側壁(具体的には前側壁21a)にその側壁21aの長手方向に沿って伸びるイオン引き出し口21Hが形成されている。なお、イオンビームIBの引き出し方向がX方向、イオン引き出し口21Hの長手方向がY方向、X方向及びY方向に直交する方向がZ方向である。図4において、イオン引き出し口21Hは、前側壁21aの中央部において当該前側壁21aの長手方向に沿って形成されているが、イオン引き出し口21Hは、前側壁21aの長手方向(つまりY方向)に沿ったものでなくても良い。
【0026】
複数の磁石22は、図3及び図4に示すように、イオン引き出し口21Hが形成された側壁(前側壁21a)以外の他の側壁21b〜21fの外面に沿って外部に設けられるものであり、プラズマ生成容器21の側壁21b〜21fの内面近傍にカスプ磁場を形成するものである。本実施形態の各磁石22は、永久磁石であるが、電磁石を用いても良い。具体的にこの複数の磁石22は、側壁21b〜21fそれぞれの外面に対向して設けられた概略矩形平板状の5枚の支持板25により支持されている。また、各支持板25において複数の磁石22は略等間隔に設けられている。一方、各側壁21b〜21fの外面に対向して設けられた各支持板25は、大きな1枚の板で構成した方が製作はし易いが、1枚の板をさらに細かく分割しておいても構わない。つまり、支持板25の枚数は5枚に限らず、これ以上であっても良い。なお、支持板25の材質は、鉄等からなる強磁性体であることが望ましい。このような構成にすると、プラズマ生成容器21の内側での磁場分布を強めたり、プラズマ生成容器21の外側への磁場の漏れ出しを防止できたり、といった効果が期待できるので、プラズマ生成容器21内での磁場分布を容易に所望のものとすることができる。
【0027】
各支持板25に設けられた複数の磁石22は、イオン引き出し方向に沿って極性が互いに異なるように配列されている。また、イオン引き出し口21Hと直交する方向には同じ極性の磁石22が配列されている。なお、後側壁21bに対向して設けられた支持板25には、その周方向に沿って磁石22が配置され、中央部に行くに従って極性が互いに異なるように配列されている。このように配列した複数の磁石22により形成されるカスプ磁場は図5に示すようになる。図5においては、各支持板25にはZ方向から見た場合に3列の磁石22が配置された場合を示している。なお、イオン引き出し方向に沿って同じ極性の磁石22を配列し、イオン引き出し方向に直交する方向に極性が互いに異なる磁石22を配列するように構成しても良い。その他、磁石22の配列態様は適宜変更可能である。
【0028】
複数のフィラメント23は、プラズマ生成容器21の隣接する側壁間に形成される角部21Kから内部に挿入して設けられている。具体的に複数のフィラメント23は、複数の角部21Kに設けられており、本実施形態では、図3に示すように、イオン引き出し口21Hの長手方向及びイオン引き出し方向からなる平面に対して対称位置にある角部21K(後側壁21bの長辺に形成される角部21K)に設けられている。各角部21Kにおいてフィラメント23は、図4に示すように、当該角部21Kに沿って複数設けられており、対称位置にある角部21Kに設けられたフィラメント23と接触しないように、角部21Kに沿った方向(Y方向)において互いに異なる位置に設けられている。
【0029】
各角部21Kにおいてフィラメント23は、当該角部21Kを形成する隣接する各側壁(側壁21dと側壁21b、側壁21cと側壁21b)に対して略45度の傾斜角度を有するように固定される。さらに、フィラメント23は、隣接する各側壁(側壁21dと側壁21b、側壁21cと側壁21b)の外側において当該側壁21b〜21dに対向して設けられた支持板25の端辺25xの間を介して角部21Kに形成された取付部21K1に固定される。
【0030】
各フィラメント23は、フィラメント支持機構26により支持されており、当該フィラメント支持機構26にフィラメント23を加熱するためのフィラメント電源が接続される。そして、フィラメント支持機構26がプラズマ生成容器21の角部21Kに形成された取付部21K1に固定されることによって、フィラメント23がプラズマ生成容器21内に配置される。また、各フィラメント23の一端(この例では正極端)とプラズマ生成容器21との間には、後者を正極側にして、直流のアーク電源が接続されており、プラズマ生成容器21は陽極を兼ねている。各フィラメント23とプラズマ生成容器21との間でアーク放電を生じさせて、その際に発生する電子の衝撃によってイオン源ガスを電離させて、イオンビームIBの幅方向に長く分布したプラズマをプラズマ生成容器21内に均一性良く生じさせることができる。即ちこの例では、フィラメント23、フィラメント電源およびアーク電源によって上記電離手段を構成している。
【0031】
<本実施形態の効果>
このように構成した本実施形態に係るイオン注入装置100によれば、角部21Kからフィラメント23を挿入して設けることにより、従来磁石22が配置されていないデットスペースを有効活用するとともに、全ての側壁(引き出し口が形成された側壁を除く。)において磁石22配置を妨げることなくプラズマ生成容器21内にフィラメント23を配置することができる。これにより、カスプ磁場による電子の閉じ込め効果を向上させることができ、プラズマ生成効率を向上させることができる。
【0032】
また、プラズマ生成容器21の角部21Kに発生するカスプ磁場は、比較的磁場強度が小さいことから、当該角部21Kからフィラメント23を挿入することにより、フィラメント先端から放出される電子だけでなく、フィラメント23の先端以外から放出される電子も閉じ込めることができるようになり電子を有効活用できる結果、プラズマ生成効率を向上させることができる。
【0033】
その上、磁石22が配置されない角部21Kにフィラメント23を配置する構成であれば、磁石22が配置される他の部分(例えば後側壁21b等)に配置する場合に比べて、比較的大きなフィラメント23の支持機構26を設けることが可能となり、これにより支持機構26の剛性も強くなり、大型のフィラメント23に対応することが可能となる。
【0034】
<その他の変形実施形態>
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
【0035】
例えば、フィラメント23を設ける角部21Kは前記実施形態に限られず、図6に示すように、イオン引き出し口21Hが形成される前側壁21aの長辺に形成される角部21Kに設けても良いし、図7に示すように、前側壁21aの長辺に形成される角部21K及び後側壁21bの長辺に形成される角部21Kにフィラメント23を設けても良い。その他、図8に示すように、Z方向において対向する側壁21e、21fの少なくとも一方の各辺に形成される角部21Kにフィラメント23を設けるようにしても良い。
【0036】
また、前記実施形態のイオン源は、X方向の寸法がY方向の寸法よりも大きいリボン状の形を有する概略リボン状のイオンビームを射出するものであったが、スポット状のイオンビームを射出するものであっても良い。
【0037】
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0038】
100 ・・・イオン注入装置
2 ・・・イオン源
21 ・・・プラズマ生成容器
21H ・・・イオン引き出し口
21a ・・・一の側壁(前側壁)
21b〜21f・・・他の側壁
21K ・・・角部
22 ・・・複数の磁石
23 ・・・フィラメント
25 ・・・支持板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イオン源ガスが導入されて内部でプラズマを生成するための直方体形状をなす容器であって、一の側壁にイオン引き出し口が形成されたプラズマ生成容器と、
前記イオン引き出し口が形成された側壁以外の他の側壁の外面に沿って外部に設けられ、前記プラズマ生成容器の内部にカスプ磁場を形成する複数の磁石と、
前記プラズマ生成容器の隣接する側壁間に形成される角部から内部に挿入して設けられ、電子を放出してプラズマ生成容器内で放電を生じさせて前記イオン源ガスを電離させてプラズマを生成する1以上のフィラメントと、を備えるイオン源。
【請求項2】
前記複数の磁石が、前記他の側壁それぞれの外面に対向して設けられた概略平板状の強磁性体からなる支持板において略等間隔に支持されている請求項1記載のイオン源。
【請求項3】
前記フィラメントが、複数の角部に設けられている請求項1又は2記載のイオン源。
【請求項4】
前記フィラメントが、1つの角部において、当該角部に沿って複数設けられている請求項1、2又は3記載のイオン源。
【請求項5】
前記フィラメントが、当該イオン引き出し口の長手方向及びイオン引き出し方向からなる平面に対して対称位置にある角部に設けられている請求項1、2、3又は4記載のイオン源。
【請求項6】
前記対称位置にある角部に設けられたフィラメントが、当該角部に沿った方向において互いに異なる位置に設けられている請求項5記載のイオン源。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載のイオン源を用いたイオン注入装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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