説明

イソチアゾロピリジン−3−オン化合物の製造方法

【課題】イソチアゾロピリジン-3-オン化合物の新規製造方法の提供。
【解決手段】2−(N−置換スルフェナモイル)ニコチン酸エステル化合物を、塩基存在下に処理して、下記一般式(A)で表されるイソチアゾロピリジン-3-オン化合物を製造する方法。


(式中、基Rは、鎖状又は環状アルキル基、環状アルコキシル基、鎖状又は環状アルコキシカルボニル基、フェニル基、及びハロゲン原子から選ばれる基又は原子を表す。Rが複数ある場合は、各Rは互いに同一であっても異なっていてもよい。nは、0又は1〜3の整数である。置換基Rは、鎖状アルキル基、環状アルキル基、アラルキル基、置換もしくは非置換の芳香族基から選ばれる基を表す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イソチアゾロピリジン−3−オン化合物の新規な製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
イソチアゾロピリジン-3-オン化合物の誘導体には種々の生理活性があることが報告されている。例えば、抗菌作用(特許文献1、非特許文献1、非特許文献2)、血小板凝集阻害作用(特許文献2)、抗座瘡作用(特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6)等を有していることが知られている。そのため、これらイソチアゾロピリジン-3-オン化合物の製造方法の研究が期待されている。
【0003】
従来から知られているイソチアゾロピリジン-3-オン化合物を製造する方法には、塩化(2−クロロチオ)ニコチニル化合物とアミン類を反応させる方法(非特許文献3)、2−メルカプトニコチンアミド化合物をヨウ素やフェロシアン化カリウムにより酸化する方法(非特許文献2、非特許文献4)、N,N−ジメチル−2−メルカプトニコチンアミド化合物とオキサジリジン化合物を反応させる方法(非特許文献5)、2−メルカプトニコチノニトリルと硫酸を反応させる方法(非特許文献6)、2−メルカプトニコチン酸とアジド化合物を反応させる方法(非特許文献7)等が一般的に知られている。
これらの中、塩化(2−クロロチオ)ニコチニル化合物を用いる方法では、原料の塩化(2−クロロチオ)ニコチニル化合物を合成する際に塩素ガスを用いなければならず、その製造工程では塩素ガスは使用するために、取り扱いに困難さを有しており、できれば使用したしたくない反応とされる。又、酸化反応を利用する反応の場合には、硫黄原子など部位が酸化される可能性がある。又、オキサジリジン化合物を用いる反応においては、原料化合物であるオキサジリジンを製造することができないので、工業的な方法として確立することはできない。2−メルカプトニコチノニトリルと硫酸を反応させる方法では、濃硫酸中で100℃に加熱するという過酷な反応条件を克服する必要がある。2−メルカプトニコチン酸とアジド化合物を反応させる方法では、アジド化合物は爆発性を有するため、反応に際して危険を伴うことが指摘されている。
【0004】
このようなことから、塩素ガスを用いることなく、イソチアゾロピリジン-3-オン化合物を安全で、確実な方法により製造する方法が切望されている。

【特許文献1】アメリカ国特許3965107号。
【特許文献2】ドイツ国特許2718707号。
【特許文献3】ドイツ国特許3313778号。
【特許文献4】ドイツ国特許3342538号。
【特許文献5】フランス国特許2555450号。
【特許文献6】日本国特許 特公平4−68318号。
【非特許文献1】W. Malinka等,Farmaco, 53, 504-512 (1998).
【非特許文献2】M. Pregnolato等, Farmaco,55, 669-679 (2000).
【非特許文献3】V.Martinez-Merino等, Heterocycles, 38, 333(1994).
【非特許文献4】W. Schaper, Synthesis, 1985, 861-867.
【非特許文献5】S. Andreae, J. Prakt. Chem., 339, 152-158 (1997).
【非特許文献6】T. Zawisza andW. Malinka, Farmaco Ed. Sc., 40, 124-132 (1985).
【非特許文献7】T. Chiyoda等, Synlett,2000, 1427-1428.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、イソチアゾロピリジン−3−オン化合物の新規な製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、イソチアゾロピリジン-3-オン化合物の製造方法について鋭意研究を重ねた結果、2−(N−置換スルフェナモイル)ニコチン酸エステル化合物を塩基の存在下に処理すると、S原子に結合しているアミノ基によるアミド結合が形成されて環化反応が進行し、イソチアゾロピリジン−3−オン化合物を製造することができることを見いだして、本発明を完成させたものである。
【0007】
本発明によれば、以下の発明が提供される。
下記一般式(A)で表されるイソチアゾロピリジン-3-オン化合物を製造する方法において、下記一般式(B)で表される2−(N−置換スルフェナモイル)ニコチン酸エステル化合物を塩基の存在下に処理することを特徴とするイソチアゾロピリジン−3−オン化合物の製造方法。
【化1】

(式中、置換基Rは、炭素数1〜8の鎖状又は炭素数3〜8の環状アルキル基、炭素数1〜8の鎖状又は炭素数3〜8の環状アルコキシル基、炭素数2〜12の鎖状又は炭素数4〜9の環状アルコキシカルボニル基、フェニル基、及びハロゲン原子から選ばれる基又は原子を表す。Rが複数ある場合は、各Rは互いに同一であっても異なっていてもよい。nは、0又は1〜3の整数である。置換基Rは、炭素数1〜8の鎖状アルキル基、炭素数3〜8の環状アルキル基、炭素数7〜12のアラルキル基、置換もしくは非置換の炭素数6〜12の芳香族基から選ばれる基を表す。)
【化2】

(式中、置換基Rは、炭素数1〜8の鎖状又は炭素数3〜8の環状アルキル基、炭素数1〜8の鎖状又は炭素数3〜8の環状アルコキシル基、炭素数2〜12の鎖状又は炭素数4〜9の環状アルコキシカルボニル基、フェニル基、及びハロゲン原子から選ばれる基又は原子を表す。Rが複数ある場合は、各Rは互いに同一であっても異なっていてもよい。nは、0又は1〜3の整数である。置換基Rは、炭素数1〜8の鎖状アルキル基、炭素数3〜8の環状アルキル基、炭素数7〜12のアラルキル基、置換もしくは非置換の炭素数6〜12の芳香族基から選ばれる基を表す。Rは、炭素数1〜6のアルキル基を示す。)
【発明の効果】
【0008】
本発明の製法で得られるイソチアゾロピリジン-3-オン化合物は、除草剤や殺菌剤として用いることができる。イソチアゾロピリジン−3−オン化合物の誘導体からなる除草剤や殺菌剤を製造するための中間体として用いることができる。
本発明の製法によれば、2−(N−置換スルフェナモイル)ニコチン酸エステル化合物を塩基存在下に処理することにより、イソチアゾロピリジン−3−オン化合物を得ることができる。従来のイソチアゾロピリジン−3−オン化合物を製造する場合には、塩素ガスを使用して製造した塩化スルフェニル化合物を反応中間物質として用いる。
本発明の方法では、塩素を直接使用しないので、塩素を使用することに伴う危険性はない。又、他の製造方法に比較して目的物質の選択性もよい。本発明は従来の製造方法と比較して良好なものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の方法は、下記一般式(B)で表される2−(N−置換スルフェナモイル)ニコチン酸エステル化合物を塩基の存在下に処理して下記一般式(A)で表されるイソチアゾロピリジン−3−オン化合物を製造する方法である。
【化3】

【化4】

(上記二つの式中、置換基Rは、炭素数1〜8の鎖状又は炭素数3〜8の環状アルキル基、炭素数1〜8の鎖状又は炭素数3〜8の環状アルコキシル基、炭素数2〜12の鎖状又は炭素数4〜9の環状アルコキシカルボニル基、フェニル基、及びハロゲン原子から選ばれる基又は原子を表す。Rが複数ある場合は、各Rは互いに同一であっても異なっていてもよい。nは、0又は1〜3の整数である。置換基Rは、炭素数1〜8の鎖状アルキル基、炭素数3〜8の環状アルキル基、炭素数7〜12のアラルキル基、置換もしくは非置換の炭素数6〜12の芳香族基から選ばれる基を表す。Rは、炭素数1〜6のアルキル基を示す。)
【0010】
前記式中のRの鎖状アルキル基は炭素数1〜8であり、具体的には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチル、n−ペンチル、イソペンチル、t−ペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、t−ヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプチル、t−ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、t−オクチル基等が挙げられる。
同じく、Rの環状のアルキル基は炭素数3〜8であり、具体的には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル基を挙げることができる。
前記式中、Rの鎖状アルコキシ基は炭素数1〜8であり、具体的には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、シクロプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ、ペンチロキシ基を挙げることができる。
同じく、Rの環状アルコキシ基は炭素数3〜8であり、シクロプロピロキシ、シクロブトキシ、シクロペンチロキシ、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル基を挙げることができる。
前記式中、Rの鎖状アルコキシカルボニル基は炭素数2〜12であり、具体的には、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、ペンチロキシカルボニル、ヘキシロキシカルボニル基を挙げることができる。
同じく、Rの環状アルキロキシカルボニル基は炭素数4〜9であり、具体的には、シクロプロポキシカルボニル、シクロブチロキシカルボニル、シクロペンチロキシカルボニル、シクロヘキシロキシカリボニル、メチルシクロヘキシロキシカルボニル、シクロヘプチロキシ、シクロオクチロキシ基を挙げることができる。
【0011】
前記式中のRの鎖状アルキル基は炭素数1〜8であり、具体的には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチル、n−ペンチル、イソペンチル、t−ペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、t−ヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプチル、t−ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、t−オクチル基等が挙げられる。
同じく、Rの環状のアルキル基は炭素数3〜8であり、具体的には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル基を挙げることができる。
前記式中、Rのアラルキル基は炭素数7〜12であり、具体的には、ベンジル、フェネチル基等が挙げられる。
前記式中、Rの芳香族基は炭素数6〜12であり、具体的には、フェニル、トリル、キシリル、ナフチル、アニシル、クロロフェニル基を挙げることができる。
【0012】
前記式中、Rの鎖状アルキル基は炭素数1〜6であり、具体的には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、t−ペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、t−ヘキシル基を挙げることができる。
【0013】
上記処理に際して用いられる原料物質である一般式(B)で表される2−(N−置換スルフェナモイル)ニコチン酸エステル化合物は公知物質である。
(B)の製法の一例を挙げれば、N−(3−アルコキシカルボニル−2−ピリジンスルフェニル)ベンゾトリアゾール化合物とアミン化合物の反応による製造方法を挙げることができる。
【0014】
前記処理に際して用いられる反応条件は以下のとおりである。
反応温度は、0℃〜150℃の範囲の温度で行うことができる。この温度範囲以下の低温の場合には反応時間が遅くなり、この範囲を超えて高すぎる場合には、異常な分解反応や副反応が多い結果となる。このようなことから、前記温度範囲は、10℃〜100℃の範囲であることが好ましい。
【0015】
この反応は、反応溶媒中行われる。溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、t−ブタノール、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、アニソール、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等の有機溶媒が挙げられ、これらの混合溶媒の形で使用してもかまわない。
【0016】
反応時間は、採用される反応温度、及び存在させる前記溶媒の種類により左右され、一概に定めることはできないが、通常は1〜10時間である。
【0017】
この反応に用いる塩基は、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウム t−ブトキシド、カリウム t−ブトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムから選ばれる塩基物質である。
【0018】
本発明の方法では、溶媒を減圧下留去させ反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分離され、生成物として得ることができる。反応生成物は原料物質に対して高収率で得られる。
【0019】
本発明で得られる一般式(A)で表されるイソチアゾロピリジン-3-オン化合物は、除草剤、殺菌剤及びイソチアゾロピリジン-3-オン化合物誘導体を製造するための中間体として用いることができる。
【0020】
イソチアゾロピリジン-3-オン化合物の具体例について例示すると以下の化学式(1)〜(4)で示される化合物である。しかしながら、これらの化合物に限定されるものではない。
【化5】

【0021】
次に、本発明を実施例により詳細に説明する。
以下に述べる実施例は本発明の理解を容易にするために代表的な化合物の一例をあげたものであり、本発明はこれに限定されるものではない。また、製造された化合物(1)〜(4)は、前記で示した化合物(1)〜(4)に対応するものである。その物性値としては、融点、核磁気共鳴スペクトル(H−NMR,13C−NMR)、赤外吸収スペクトル(IR)の順にそれぞれ記した。
【実施例1】
【0022】
内容積50mlのガラス製容器中に2−(N−フェニルスルフェナモイル)ニコチン酸エチル(274mg,1.00mmol)をメタノール(15ml)に溶解させ、ナトリウムメトキシド(0.05mmol)を加えて、環流下3時間攪拌した。反応終了後、溶媒を減圧下留去させ、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶媒塩化メチレン:酢酸エチル=10:1)で精製した後、目的生成物である化合物(1)のイソチアゾロピリジン-3-オンを得た(収率:73%)。さらにメタノールを溶媒として再結晶でさらに精製することができた。融点136.1−136.8℃(文献値:134−136℃)。
1H-NMR(CDCl3)δ7.35 (1H, tt, J=7.6, 1.2 Hz), 7.41 (1H, dd, J=7.9, 4.8 Hz), 7.49 (2H, tt, J=7.6, 2.1 Hz), 7.70 (2H, ddd, J=8.5, 3.4, 2.1 Hz), 8.35 (1H, dd, J=7.9, 1.7 Hz), 8.81 (1H, dd, J=4.8, 1.7 Hz); 13C-NMR (CDCl3)δ119.7, 121.0, 124.8, 127.4, 129.5, 135.2, 136.6, 154.0, 161.9, 162.5; IR (KBr)νmax 1659, 1564, 1395, 1310, 758, 693, 501 cm-1.
【実施例2】
【0023】
実施例1において、2−(N−フェニルスルフェナモイル)ニコチン酸エチル代わりに2−[N−(p−メチルフェニル)スルフェナモイル]ニコチン酸エチルを用いて同様な操作を行うことにより、目的生成物である化合物(2)のイソチアゾロピリジン-3-オンを得た(収率:84%)。融点144.9−154.4℃(文献値:141−143℃)。
1H-NMR(CDCl3)δ2.40 (3H, s), 7.29 (2H, d, J=8.2 Hz), 7.40 (1H, dd, J=7.9, 4.8 Hz), 7.55 (2H, d, J=8.2 Hz), 8.34 (1H, dd, J=7.9, 1.6 Hz), 8.80 (1H, dd, J=4.8, 1.6 Hz); 13C-NMR (CDCl3)δ21.1, 119.7, 120.9, 124.9, 130.0, 133.9, 135.2, 137.6, 153.9, 161.9, 162.5; IR (KBr)νmax 1677, 1508, 1395, 1333, 803, 757 cm-1.
【実施例3】
【0024】
実施例1において、2−(N−フェニルスルフェナモイル)ニコチン酸エチル代わりに2−(N−ベンジルスルフェナモイル)ニコチン酸エチルを用いて同様な操作を行うことにより、目的生成物である化合物(3)のイソチアゾロピリジン-3-オンを得た(収率:82%)。融点89.7−90.8℃。
1H-NMR(CDCl3)δ5.03 (2H, s), 7.33-7.37 (6H, m), 8.30 (1H, dd, J=7.9, 1.5 Hz), 8.73 (1H, dd, J=4.9, 1.8 Hz); 13C-NMR (CDCl3)δ47.4, 119.2, 120.6, 128.4, 128.9, 134.8, 135.6, 153.6, 162.3, 163.6; IR (KBr)νmax 1659, 1585, 1397, 1321, 1190, 758, 702 cm-1.
C13H10N2OSとしての元素分析値(%)
測定値:C, 64.39; H, 4.08; N, 11.69.
計算値:C, 64.44; H, 4.16; N, 11.56.
【実施例4】
【0025】
実施例1において、2−(N−フェニルスルフェナモイル)ニコチン酸エチル代わりに2−(N−フェネチルスルフェナモイル)ニコチン酸エチルを用いて同様な操作を行うことにより、目的生成物である化合物(4)のイソチアゾロピリジン-3-オンを得た(収率:96%)。融点98.5−99.4℃。
1H-NMR(CDCl3)δ3.09 (2H, t, J=7.5 Hz), 4.16 (2H, t, J=7.5 Hz), 7.23-7.32 (5H, m), 7.35 (1H, dd, J=7.9, 5.0 Hz), 8.27 (1H, dd, J=7.9, 1.7 Hz), 8.74 (1H, dd, J=5.0, 1.7 Hz); 13C-NMR (CDCl3)δ35.5, 45.2, 119.3, 120.6, 126.9, 128.7, 128.8, 134.7, 137.4, 153.5, 162.2, 163.5; IR (KBr)νmax 1656, 1585, 1396, 1188, 754, 700, 502 cm-1.
C14H12N2OSとしての元素分析値(%)
測定値:C, 65.65; H, 4.62; N, 10.93.
計算値:C, 65.60; H, 4.72; N, 10.93.

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(A)で表されるイソチアゾロピリジン−3−オン化合物を製造する方法において、下記一般式(B)で表される2−N−置換スルフェナモイル)ニコチン酸エステル化合物を塩基存在下に処理することを特徴とするイソチアゾロピリジン−3−オン化合物の製造方法。
【化1】

(式中、置換基Rは、炭素数1〜8の鎖状又は炭素数3〜8の環状アルキル基、炭素数1〜8の鎖状又は炭素数3〜8の環状アルコキシル基、炭素数2〜12の鎖状又は炭素数4〜9の環状アルコキシカルボニル基、フェニル基、及びハロゲン原子から選ばれる基又は原子を表す。Rが複数ある場合は、各Rは互いに同一であっても異なっていてもよい。nは、0又は1〜3の整数である。置換基Rは、炭素数1〜8の鎖状アルキル基、炭素数3〜8の環状アルキル基、炭素数7〜12のアラルキル基、置換もしくは非置換の炭素数6〜12の芳香族基から選ばれる基を表す。)
【化2】

(式中、置換基Rは、炭素数1〜8の鎖状又は炭素数3〜8の環状アルキル基、炭素数1〜8の鎖状又は炭素数3〜8の環状アルコキシル基、炭素数2〜12の鎖状又は炭素数4〜9の環状アルコキシカルボニル基、フェニル基、及びハロゲン原子から選ばれる基又は原子を表す。Rが複数ある場合は、各Rは互いに同一であっても異なっていてもよい。nは、0又は1〜3の整数である。置換基Rは、炭素数1〜8の鎖状アルキル基、炭素数3〜8の環状アルキル基、炭素数7〜12のアラルキル基、置換もしくは非置換の炭素数6〜12の芳香族基から選ばれる基を表す。Rは、炭素数1〜6のアルキル基を示す。)

【公開番号】特開2008−81416(P2008−81416A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−260785(P2006−260785)
【出願日】平成18年9月26日(2006.9.26)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】