説明

イソチアゾール−4−カルボキサミドの塩及びそれらの抗増殖過剰剤としての使用

【課題】新規イソチアゾール−4−カルボキサミドの塩及びそれらの抗増殖過剰剤としての使用の提供。
【解決手段】本発明は以下の式;式(I)を有する3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸アミドの塩酸塩、臭化水素酸塩、ヘミ−クエン酸塩、酢酸塩、p−トシレート塩、L−酒石酸塩、ヘミ−琥珀酸塩、及びメシレート塩形に関する。本発明は式(I)の塩酸塩、臭化水素酸塩、ヘミ−クエン酸塩、酢酸塩、p−トシレート塩、L−酒石酸塩、ヘミ−琥珀酸塩、及びメシレート塩を含む医薬組成物にも関する。本発明はさらに、上記塩を投与することによる哺乳類、特にヒトにおける癌の如き、増殖過剰疾患の治療方法に及び上記塩の結晶形の製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
本発明は、以下の式:
【化1】

を有する、3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸アミドの塩形に関する。
【背景技術】
【0002】
遊離塩基形での式(I)は同時係属中の1999年5月21日出願の米国出願番号第09/316,837号において示され、その開示を全体として本明細書中に援用する。上記の出願は本出願と共有譲渡される。式(I)の遊離塩基は癌の如き、増殖過剰疾患の治療において有用である。
【0003】
本発明は3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸アミドの塩酸塩、臭化水素酸塩、ヘミ−クエン酸塩、酢酸塩、p−トシレート塩、L−酒石酸塩、ヘミ−琥珀酸塩、及びメシレート塩形を提供する。
【0004】
本発明はさらに3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸アミドの塩酸塩、臭化水素酸塩、ヘミ−クエン酸塩、酢酸塩、p−トシレート塩、L−酒石酸塩、ヘミ−琥珀酸塩、及びメシレート塩形を作出する方法に関する。本発明は式(I)の化合物の塩酸塩、臭化水素酸塩、ヘミ−クエン酸塩、酢酸塩、p−トシレート塩、L−酒石酸塩、ヘミ−琥珀酸塩、及びメシレート塩を含む医薬組成物にも関する。本発明の塩は哺乳類、特にヒトにおいて、癌の如き、増殖過剰疾患の治療において有用である。本発明は式(I)の塩を増殖過剰疾患を治療するために投与する方法にも関する。
【発明の開示】
【0005】
発明の要約
本発明は以下の式:
【化2】

を有する3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸アミドの塩酸塩、臭化水素酸塩、ヘミ−クエン酸塩、酢酸塩、p−トシレート塩、L−酒石酸塩、ヘミ−琥珀酸塩、及びメシレート塩形に関する。
【0006】
本発明は、好適な有機溶媒存在下で上記遊離塩基を上記塩の1と混合することを含む、3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸アミドの塩酸塩、臭化水素酸塩、ヘミ−クエン酸塩、酢酸塩、p−トシレート塩、L−酒石酸塩、ヘミ−琥珀酸塩、及びメシレート塩の調製用プロセスにも方向付けられる。
3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸アミドの塩酸塩、臭化水素酸塩、ヘミ−クエン酸塩、酢酸塩、p−トシレート塩、L−酒石酸塩、ヘミ−琥珀酸塩、及びメシレート塩はX線粉末回折学により特徴付けられた。
【0007】
3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸アミドの塩酸、臭化水素、ヘミ−クエン酸、酢酸、p−トシレート、L−酒石酸、ヘミ−琥珀酸(A及びB形)、及びメシレート結晶は、それぞれ、図1〜9において示される粉末X線回折スペクトルと実質的に同じ、粉末X線回折スペクトルを提供する。しかしながら、粉末X線回折スペクトルは計測条件に因り計測誤差を伴って得られうることが知られる。特に、粉末X線回折スペクトルにおける強度は計測条件に因り変動しうることが一般的に知られる。それゆえ、本発明に係る塩は、図1〜8において示されるX線粉末回折スペクトルと完全に同一のX線粉末回折スペクトルを提供する結晶に限定されないこと、及び上記X線粉末回折スペクトルと実質的に同じX線粉末回折スペクトルを提供するいかなる結晶も本発明の範囲内に入ることが理解されるべきである。X線粉末回折学の分野における専門家はX線粉末回折スペクトルの実質的な同一性を容易に判断しうる。
【0008】
一般的に、通常のX線粉末回折学のための回折角度の計測誤差は約5%以下であり、そして上記の程度の計測誤差は回折角度に考慮されるべきである。さらに、強度は実験条件に因り変動しうることが理解されるべきである。
【0009】
式(I)の化合物の塩酸塩形は上記結晶が約2シータの回折角度で高い強度の回折ピークを適用することにおいて特徴付けられる[%比較強度]:8.623[90.7]、12.121[38.9]、17.298[95.2]、23.397[44.7]、23.944[51.7]、24.119[62.7]、24.873[55.7]、25.948[100]、及び28.821[39.6]。本発明に係る塩酸塩形は図1において示されるX線回折スペクトルと実質的に同じX線粉末回折スペクトルを提供する。
【0010】
式(I)の化合物の塩酸塩形の回折スペクトルの特有の2シータ(2θ)値及びパーセントでの比較強度(RI)は表(1)において示される。
【0011】
【表1】

【0012】
式(I)の化合物の臭化水素酸塩形は上記結晶が約2シータの回折角度で高い強度の回折ピークを提供することにおいて特徴付けられる、[%比較強度]:8.687[100.0]、12.264[35.9]、17.374[42.3]、23.711[24.0]、24.335[20.7]、及び25.769[34.3]。本発明に係る臭化水素酸塩形は図2において示されるX線回折スペクトルと実質的に同じX線粉末回折スペクトルを提供する。
【0013】
式(I)の化合物の臭化水素酸塩形の回折スペクトルの特有の2シータ(2θ)値及び比較強度(%)は以下の表2において示される。
【0014】
【表2】

【0015】
式(I)の化合物のヘミ−クエン酸塩形は上記結晶が約2シータの回折角度で高い強度の回折ピークを提供することにおいて特徴付けられる、[%比較強度]:4.306[79.9]、16.317[100.0]、20.988[32.7]、21.476[30.9]、22.643[48.7]、23.384[76.9]、24.891[76.0]、27.573[47.9]、及び27.840[32.3]。本発明に係るヘミ−クエン酸塩形は図3において示されるX線回折スペクトルと実質的に同じX線粉末回折スペクトルを提供する。
【0016】
式(I)の化合物のヘミ−クエン酸塩形の回折スペクトルの特有の2シータ(2θ)値及び比較強度(%)は以下の表(3)において示される。
【0017】
【表3】

【0018】
式(I)の化合物の酢酸塩形は上記結晶が約2シータの回折角度で高い強度の回折ピークを提供することにおいて特徴付けられる、[%比較強度]:6.096[21.7]、12.183[21.4]、17.451[33.3]、18.288[100.0]、22.441[57.7]、23.086[19.9]、及び24.439[20.7]。本発明に係る酢酸塩形は図4において示されるX線回折スペクトルと実質的に同じX線粉末回折スペクトルを提供する。
【0019】
式(I)の化合物の酢酸塩形の回折スペクトルの特有の2シータ(2θ)値及び比較強度(%)は以下の表4において示される。
【0020】
【表4】

【0021】
式(I)の化合物のp−トシレート塩形は上記結晶が約2シータの回折角度で高い強度の回折ピークを提供することにおいて特徴付けられる、[%比較強度]:20.446[100.0]、20.760[74.0]、22.092[81.7]、22.371[70.8]、23.190[65.2]、及び26.239[61.5]。本発明に係るp−トシレート塩形は図5において示されるX線回折スペクトルと実質的に同じX線粉末回折スペクトルを提供する。
【0022】
式(I)の化合物のp−トシレート塩形の回折スペクトルの特有の2シータ(2θ)値及び比較強度(%)は以下の表5において示される。
【0023】
【表5】

【0024】
式(I)の化合物のL−酒石酸塩形は上記結晶が約2シータの回折角度で高い強度の回折ピークを提供することにおいて特徴付けられる、[%比較強度]:4.061[82.9]、20.821[85.6]、21.634[100.0]、22.179[94.0]、及び25.858[95.1]。本発明に係るL−酒石酸塩形は図6において示されるX線回折スペクトルと実質的に同じX線粉末回折スペクトルを提供する。
【0025】
式(I)の化合物のL−酒石酸塩形の回折スペクトルの特有の2シータ(2θ)値及び比較強度(%)は以下の表6において示される。
【0026】
【表6】

【0027】
3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸アミドの無水物ヘミ−琥珀酸結晶は90%の湿度条件で吸湿性特性を有することがわかった。3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸アミドのヘミ−琥珀酸結晶の2の結晶形が同定された。式(I)の化合物のヘミ−琥珀酸結晶A形は30℃及び90%RHで0.6% w/w吸湿性を有することがわかった。式(I)の化合物のヘミ−琥珀酸結晶B形は30℃及び90%RHで1.5% w/w吸湿性を有することがわかった。ヘミ−琥珀酸B形は24時間未満で還流エタノール中でヘミ−琥珀酸A形に変換される。本発明に係るヘミ−琥珀酸塩A及びB形はそれぞれ、図7及び8において示されるX線回折スペクトルと実質的に同じX線粉末回折スペクトルを提供する。
【0028】
式(I)の化合物のヘミ−琥珀酸塩A形は上記結晶が約2シータの回折角度で高い強度の回折ピークを提供することにおいて特徴付けられる、[%比較強度]:4.634[100.0]、16.735[67.2]、22.179[60.8]、及び25.002[70.3]。
【0029】
式(I)の化合物のヘミ−琥珀酸塩B形は上記結晶が約2シータの回折角度で高い強度の回折ピークを提供することにおいて特徴付けられる、[%比較強度]:6.714[31.0]、15.272[100.0]、19.197[59.3]、19.457[50.0]、24.487[99.0]、及び24.802[79.1]。
【0030】
式(I)の化合物のヘミ−琥珀酸塩A及びB形の回折スペクトルの特有の2シータ(2θ)値及び比較強度(%)は、それぞれ、以下の表7及び8において示される。
【0031】
【表7】

【0032】
【表8】

【0033】
式(I)の化合物のメシレート塩形は上記結晶が約2シータの回折角度で高い強度の回折ピークを提供することにおいて特徴付けられる、[%比較強度]:4.417[99.3]、17.288[45.5]、20.828[39.6]、21.677[43.5]、22.148[68.3]、25.427[100.0]、及び27.006[37.5]。本発明に係るメシレート塩形は図9において示されるX線回折スペクトルと実質的に同じX線粉末回折スペクトルを提供する。
【0034】
式(I)の化合物のメシレート塩形の回折スペクトルの特有の2シータ(2θ)値及び比較強度(%)は以下の表9において示される。
【0035】
【表9】

【0036】
X線粉末回折パターンは3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸アミドの塩を含む原子の配置を特徴付ける多くの方法の1に過ぎない。他の方法は単一のX線結晶回折のように本分野において周知であり、式(I)の上記塩形を同定するのに使用されうる。
【0037】
式(I)の化合物の酢酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヘミ−琥珀酸塩、及びメシレート塩形は高い結晶性を有する、すなわち非晶質物質が実質的にないことが、予想外に見出された。上記塩はそれらがより再生可能な投与結果を提供するという利点を有する。式(I)の化合物の塩酸塩、臭化水素酸塩、及びヘミ−琥珀酸塩形は実質的に吸湿的に安定であり、そのことはカプセル又は錠剤の製造の間上記活性成分の重量変化と関係する潜在性の問題を緩和する。式(I)の化合物の塩酸及び臭化水素酸形は、それらが評価に際して粘性の混合物を形成する濃縮された水性溶液への低い傾向を有するという追加の利点を有する。さらに、式(I)の化合物の臭化水素酸塩形は低〜中間の投与で穏やかな鎮静効果をデリバリーする。式(I)の化合物のメシレート塩形は水性投与を単純化する及びそれを注入可能な投与形態に好適にさせる速い速度論的水性溶解性を有する。さらに、高められた溶解性特性を有する式(I)の化合物のメシレート塩形は折よい様式で固体投与形態の溶解を促進する。
【0038】
p−トシレート、L−酒石酸及びヘミ−クエン酸塩は式(I)の化合物の遊離塩基又は塩酸形より大きな速度論的溶解性を有する。さらに、式(I)の化合物のp−トシレート、L−酒石酸、及びヘミ−クエン酸塩は式(I)の化合物のメシレート塩よりも吸湿性が低い。したがって、式(I)の化合物のp−トシレート、L−酒石酸、及びヘミ−クエン酸塩は大気中でより安定であり、及び溶解なしに使用されうる。
【0039】
本発明は、治療的に有効な量の式(I)の化合物の塩又はその水和物、及び医薬として許容される担体を含む、哺乳類における増殖過剰障害の治療用医薬組成物にも関する。1の態様においては、前記医薬組成物は脳の、肺の、扁平上皮細胞の、膀胱の、胃の、膵臓の、胸の、頭の、首の、腎臓の、前立腺の、結腸直腸の、食道の、(卵巣の如き)婦人科学の又は甲状腺の癌の如き、癌の治療用である。他の態様においては、前記医薬組成物は皮膚の(例えば、乾癬)又は前立腺の(例えば、良性の前立腺肥大(BPH))良性の過形成の如き、非癌性の増殖過剰障害の治療用である。
【0040】
本発明は、治療的に有効な量の式(I)の化合物の塩又はその水和物、及び医薬として許容される担体を含む、哺乳類における(増殖性糸球体腎炎及び糖尿病誘導性腎臓疾患を含む)膵臓又は腎臓疾患の治療用医薬組成物にも関する。
【0041】
本発明は、治療的に有効な量の式(I)の化合物の塩又はその水和物、及び医薬として許容される担体を含む、哺乳類における未分化胚芽細胞移植の予防用医薬組成物にも関する。
【0042】
本発明は治療的に有効な量の式(I)の化合物の塩又はその水和物、及び医薬として許容される担体を含む、哺乳類における脈管形成又は新脈管形成に関連する疾患の治療用医薬組成物にも関する。1の態様においては、前記医薬組成物は腫瘍新脈管形成、慢性関節リウマチの如き慢性炎症性疾患、アテローム性動脈硬化症、乾癬、excema、及び強皮症の如き皮膚疾患、糖尿病、糖尿病性網膜症、早熟の網膜症、年齢に関連した斑の退化、血管腫、グリオーマ、メラノーマ、カポージ肉腫及び卵巣の、胸の、肺の、膵臓の、前立腺の、結腸の及び類表皮の癌から成る群から選ばれる疾患の治療用である。
【0043】
本発明は前記哺乳類に治療的に有効な量の式(I)の化合物の塩又はその水和物を投与することを含む、哺乳類における増殖過剰障害の治療方法にも関する。1の態様においては、前記方法は脳の、扁平上皮細胞の、膀胱の、胃の、膵臓の、胸の、頭の、首の、食道の、前立腺の、結腸直腸の、肺の、腎臓の、(卵巣の如き)婦人科学の又は甲状腺の癌の如き、癌の治療にも関する。他の態様においては、前記方法は皮膚の(例えば乾癬)又は前立腺の(例えば、良性の前立腺肥大(BPH))良性の過形成の如き、非癌性の増殖過剰障害の治療に関する。
【0044】
本発明は前記哺乳類に、有糸分裂阻害剤、アルキル化剤、抗代謝物、インターカレーティング抗生物質、成長因子阻害剤、細胞周期阻害剤、酵素、トポイソメラーゼ阻害剤、生物学的応答調節剤、抗ホルモン、及び抗アンドロゲンから成る群から選ばれる抗癌剤と共に、治療的に有効な量の式(I)の化合物の塩又はその水和物を投与することを含む、哺乳類における増殖過剰障害の治療方法にも関する。
【0045】
本発明は前記哺乳類に治療的に有効な量の式(I)の化合物の塩又はその水和物を投与することを含む、哺乳類における膵炎又は腎臓疾患の治療方法にも関する。
【0046】
本発明は前記哺乳類に治療的に有効な量の式(I)の化合物の塩又はその水和物を投与することを含む、哺乳類における未分化胚芽細胞移植の予防方法にも関する。
【0047】
本発明は前記哺乳類に有効な量の式(I)の化合物の塩又はその水和物を投与することを含む、哺乳類における脈管形成又は新脈管形成に関する疾患の治療方法にも関する。1の態様においては、前記方法は腫瘍新脈管形成、慢性関節リウマチの如き慢性炎症性疾患、アテローム性動脈硬化症、乾癬、excema、及び強皮症の如き皮膚疾患、糖尿病、糖尿病性網膜症、早熟の網膜症、斑の退化、血管腫、グリオーマ、メラノーマ、カポージ肉腫及び卵巣の、胸の、肺の、膵臓の、前立腺の、結腸の及び類表皮の癌から成る群から選ばれる疾患の治療用である。
【0048】
さらに、本発明に係る化合物は哺乳類における避妊薬として使用されうる。1の好ましい態様においては、本発明に係る化合物は雌の哺乳類において妊娠を避けるために使用されうる。
【0049】
本発明に係る方法に従って、式(I)の塩及び前記化合物の水和物で処置されうる患者は、例えば、乾癬、BPH、肺癌、骨癌、膵臓癌、皮膚癌、頭及び首の癌、皮膚の又は眼内のメラノーマ、子宮癌、卵巣癌、直腸癌又は肛門領域の癌、胃癌、結腸癌、乳癌、婦人科学の腫瘍(例えば、子宮肉腫、卵管の癌腫、子宮内膜の癌腫、頸部の癌腫、膣の癌腫又は外陰部の癌腫)、ホジキン病、食道癌、小腸癌、内分泌系の癌(例えば、甲状腺、副甲状腺又は副腎の癌)、柔組織の肉腫、尿道の癌、陰茎の癌、前立腺癌、慢性又は急性白血病、小児の固形腫瘍、リンパ球性リンパ腫、膀胱癌、腎臓又は尿管の癌(例えば、腎臓細胞の癌腫、腎盂の癌腫)、又は中枢神経系の新生物(例えば、初期CNSリンパ腫、脊髄腫瘍、脳幹グリオーマ又は下垂体腺腫)を有すると診断された患者を含む。
【0050】
本発明は、異常な細胞成長の治療において有効な量の上記に定義される式(I)の化合物の塩、そのプロドラッグ又は溶媒和物、及び医薬として許容される担体を含む、マラリア又はデルタ型肝炎ウイルスの如きファルネシルタンパク質トランスフェラーゼにより促進される、ヒトを含む哺乳類における感染の治療用医薬組成物にも関する。
【0051】
本明細書中に使用されるとき、「異常な細胞成長」は、別段の定めなき限り、正常な調節メカニズムと独立した細胞成長をいう(例えば、接触阻害の欠損)。これは、(1)活性化されたRas癌遺伝子を発現する腫瘍細胞(腫瘍);(2)Rasタンパク質が他の遺伝子における腫瘍形成の突然変異の結果として活性化される腫瘍細胞;(3)異常型のRas活性化が起こる他の増殖疾患の良性及び悪性の細胞;及び(4)ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼの効力により増殖する腫瘍:の異常な成長を含む。
【0052】
上記用語「治療する」は、本明細書中で使用されるとき、別段の定めなき限り、上記用語が適用される障害又は状態又は上記障害又は状態の1以上の症状を回復させる、緩和する、その進行を阻害する又は予防することを意味する。上記用語「治療」は、本明細書中で使用されるとき、別段の定めなき限り、「治療する」が上記に定義されるような治療する行為をいう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0053】
発明の詳細な説明
本発明は3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸アミドの塩酸塩、臭化水素酸塩、ヘミ−クエン酸塩、酢酸塩、p−トシレート塩、L−酒石酸塩、ヘミ−琥珀酸塩、及びメシレート塩に関する。
【0054】
本発明はさらに、3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸アミドの塩酸塩、臭化水素酸塩、ヘミ−クエン酸塩、酢酸塩、p−トシレート塩、L−酒石酸塩、ヘミ−琥珀酸塩、及びメシレート塩を作出する方法にも関する。本発明に係る塩形は哺乳類、特にヒトにおける、癌の如き増殖過剰疾患の治療において、及び上記化合物を含む医薬組成物に有用である。
【0055】
式(I)の化合物の塩形はX線粉末回折学を用いて特徴付けられた。式(I)の化合物の塩酸塩、臭化水素酸塩、ヘミ−クエン酸塩、酢酸塩、p−トシレート塩、L−酒石酸塩、ヘミ−琥珀酸塩(A形)、ヘミ−琥珀酸塩(B形)及びメシレート塩は図(1)〜(9)において示されるものと実質的に同じX線粉末回折パターンを提供する。
【0056】
本発明に係る3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸アミドの塩酸塩は上記結晶が約8.623、12.121、17.298、23.397、23.944、24.119、24.873、25.948、及び28.821のX線粉末回折スペクトルにおける回折角度(2θ)で高い強度の回折ピークを提供することにおいて特徴付けられる。
【0057】
本発明に係る3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸アミドの臭化水素酸塩は上記結晶が約8.687、12.264、17.374、23.711、24.335、及び25.769のX線粉末回折スペクトルにおいて回折角度(2θ)で高い強度の回折ピークを提供することにおいて特徴付けられる。
本発明に係る3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸アミドのヘミ−クエン酸塩は上記結晶が約4.306、16.317、20.988、21.476、22.643、23.384、24.891、27.573、及び27.840のX線粉末回折スペクトルにおいて回折角度(2θ)で高い強度の回折ピークを提供することにおいて特徴付けられる。
【0058】
本発明に係る3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸アミドの酢酸塩は上記結晶が約6.09、12.183、17.451、18.288、22.441、23.086、及び24.439のX線粉末回折スペクトルにおいて回折角度(2θ)で高い強度の回折ピークを提供することにおいて特徴付けられる。
【0059】
本発明に係る3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸アミドのp−トシレート塩は上記結晶が約20.446、20.760、22.092、22.371、23.190、及び26.239のX線粉末回折スペクトルにおいて回折角度(2θ)で高い強度の回折ピークを提供することにおいて特徴付けられる。
【0060】
本発明に係る3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸アミドのL−酒石酸塩は上記結晶が約4.061、20.821、21.634、22.179、及び25.858のX線粉末回折スペクトルにおいて回折角度(2θ)で高い強度の回折ピークを提供することにおいて特徴付けられる。
【0061】
本発明に係る3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸アミドのヘミ−琥珀酸(A形)塩は上記結晶が約4.634、16.735、22.179、及び25.002のX線粉末回折スペクトルにおいて回折角度(2θ)で高い強度の回折ピークを提供することにおいて特徴付けられる。A形へミ−琥珀酸は90%比較湿度で0.6%水を吸収する。
【0062】
本発明に係る3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸アミドのヘミ−琥珀酸(B形)塩は上記結晶が約6.714、15.272、19.197、19.457、24.487、及び24.802のX線粉末回折スペクトルにおいて回折角度(2θ)で高い強度の回折ピークを提供することにおいて特徴付けられる。B形へミ−琥珀酸は90%比較湿度で1.5%水を吸収する。
【0063】
本発明に係る3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸アミドのメシレート塩は上記結晶が約4.417、17.288、20.828、21.677、22.148、25.427、及び27.006のX線粉末回折スペクトルにおいて回折角度(2θ)で高い強度の回折ピークを提供することにおいて特徴付けられる。
【0064】
KDR/VEGF受容体を阻害することにおける式(I)の化合物のin vitroの活性は以下の手順により決定されうる。
【0065】
チロシンキナーゼ活性を阻害する本発明に係る化合物の能力は外因性の基質、ポリGluTyr(PGT、Sigma(商標)、4:1)のリン酸化を阻害する化合物の能力を計測する分析において組換え酵素を用いて計測されうる。ヒトKDR/VEGF受容体(アミノ酸805〜1350)のキナーゼドメインはバキュロウイルス発現系を用いてグルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)融合タンパク質としてSf9昆虫細胞において発現される。上記タンパク質はグルタチオンアガロースアフィニティーカラムを用いてこれらの細胞の溶解物から精製される。上記酵素分析はPGT基質(1ウェル当たり0.625μg PGT)でコーティングした96ウェルプレートにおいて行われる。試験化合物をジメチルスルフォキシド(DMSO)中に希釈し、そしてその後、分析におけるDMSOの最終濃度が1.6%(v/v)になるように、PGTプレートに添加する。上記組換え酵素をリン酸化緩衝液(50mM Hepes、pH7.3、125mM NaCl、24mM MgCl)中に希釈する。上記反応を10μMの最終濃度までのATPの添加により開始する。室温で振騰しながら30分間インキュベーション後、上記反応を吸引し、そして上記プレートを洗浄緩衝液(0.1% Tween−20を含むPBS)で洗浄する。リン酸化されたPGTの量はHRP結合(HRPはセイヨウワサビペルオキシダーゼである)PY−54抗体(Transduction Labs)とのインキュベーションにより定量化し、TMBペルオキシダーゼ(TMBは3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジンである)で発展し、そして上記反応をBioRad(商標)マイクロプレートリーダー上で450nmで定量化する。上記試験化合物によるキナーゼ酵素活性の阻害は減少した吸収として検出され、そして上記シグナルを50%阻害するのに必要とされる化合物の濃度は上記試験化合物のIC50値として報告される。
【0066】
細胞内容物において存在する全長タンパク質についてのKDRチロシンキナーゼ活性を阻害する上記化合物の能力を計測するために、ヒトKDRでトランスフェクトされたブタの動脈内皮(PAE)細胞(Waltenberger et al., J.Biol. Chem. 269:26988,1994)が使用されうる。細胞を置き、そして10% v/v FBS(ウシ胎児血清)を伴う同じ培地(Ham’sF12)において96ウェルディッシュに接着させる。上記細胞をその後、洗浄し、0.1%(v/v)ウシ血清アルブミン(BSA)を含む血清なし培地(0.1% v/v FBS)で再度生育させ、そして16〜24時間インキュベートする。化合物の投与の直前に、上記細胞を血清なし培地(0.1% v/v FBS)(BSAなし)で再度生育させる。DMSO中に溶解した試験化合物を培地(最終DMSO濃度0.5%(v/v))中に希釈する。2時間のインキュベーションの終わりに、VEGF165(50ng/ml最終)を8分間のインキュベーションのために上記培地へ添加する。上記細胞を洗浄し、20mM Tris−HCl(pH8)、150mM NaCl、1% v/v NP40、2mM NaVO、500μM EDTA、1mM PMSF、及び1錠/25ml EDTA free complete(商標)Protease Inhibitor Table、Rocheを含む50μl溶解緩衝液中に溶解する。上記細胞溶解物をその後PBS/1ml NaVO中の150μlの最終容量に希釈する。KDRのリン酸化の程度はELISA分析を用いて計測される。Reactibind Goat−抗ウサギプレート(Pierce)を抗flk−1 C−20抗体(ウェル当たり0.5μg、Santa Cruz)の添加の前にSuperblock buffer(Pierce)でブロックする。結合していない抗体を100μlの細胞溶解物の添加の前にプレートから洗浄し除いた。上記溶解物のflk−1抗体での2時間のインキュベーション後、リン酸化チロシンに関連したKDRは上記に示すように、HRP結合PY−54抗体及びTMBでの発展により定量化される。VEGF刺激された対照に比較した、VEGF刺激された自動リン酸化反応を50%阻害する化合物の能力は上記試験化合物のIC50値として報告される。
【0067】
ヒト内皮細胞において有糸分裂を阻害する化合物の能力はHUVE細胞(ヒトさい帯静脈内皮細胞、Clonetics(商標))へのH−チミジン取り込みを阻害するそれらの能力により計測される。この分析は文献においてよく示されている(Waltenberger J et al. J. Biol. Chem. 269:26988, 1994; Cao Y et al. J. Biol. Chem. 271:3154,1996)。簡単に言うと、10細胞をコラーゲンコーティングした24ウェルプレート中に置き、そして接着させる。細胞を血清なし培地で再度生育させ、そして24時間後にさまざまな濃度の化合物(DMSO中に調製され、上記分析におけるDMSOの最終濃度は0.2% v/vである)及び2〜30ng/mlのVEGF165で処理する。24時間化合物処理の最後の3時間の間、上記細胞をHチミジン(NEN、ウェル当たり1μCi)でパルスする。上記培地をその後除去し、そして上記細胞を氷冷Hank’s balanced塩溶液で、及びその後氷冷トリクロロ酢酸(10% v/v)で2回徹底的に洗浄する。上記細胞を0.2mlの0.1N NaOHの添加により溶解し、そして上記溶解物をシンチレーションバイアル中へ移す。上記ウェルはその後0.2mlの0.1N HClで洗浄し、そしてこの洗浄液をその後上記バイアルへ移す。Hチミジン取り込みの程度はシンチレーションカウントにより計測される。対照(DMSO媒体のみでのVEGF処理)に比較した、上記化合物の取り込みを50%阻害する能力は上記試験化合物のIC50値として報告される。
【0068】
in vivoでの式(I)の化合物の活性は対照に比較した試験化合物による腫瘍成長の阻害の量により決定されうる。さまざまな化合物の腫瘍成長阻害効果はCorbett T. H., et al. “Tumor Induction Relationships in Development of Transplantable Cancers of the Colon in Mice for Chemotherapy Assays, with a Note on Carcinogen Structure”,Cancer Res.35. 2434−2439(1975)及びCorbett, T. H.., et al., “A Mouse Colon−tumor Model for Experimental Therapy”, Cancer Chemother. Rep. (Part 2)”, , 169−186(1975)の方法に従って、若干の改変と共に、計測される。腫瘍は0.10mlのRPMI1640中に懸濁された、1×10 ログ段階で培養した腫瘍細胞(ヒトMDA−MB−468乳癌細胞又はヒトHN5頭及び首の腫瘍細胞)のs.c.注入により左脇腹において誘導される。腫瘍が蝕知できる(直径2〜3mm)ようになるほど十分な時間が経過した後、上記試験動物(無胸腺のマウス)を活性化合物(典型的に50〜100mg/mLの濃度でDMSO中の溶解により調合され、続いて塩水に1:9で希釈又は、あるいは、0.9%塩水中の0.1% Pluronic(商標)P105に1:9で希釈)で腹腔内(ip)又は経口(po)の投与経路により連続した5日間毎日2回(すなわち、12時間毎に)処置する。抗腫瘍効果を決定するために、上記腫瘍は2の直径にわたってVernierキャリパーでミリメートルで計測され、そして上記腫瘍の大きさ(mg)は、Geran, R.I., et al. “Protocols for Screening Chemical Agents and Natural Products Against Animal Tumors and Other Biological Systems”,Third Edition, Cancer Chemother. Rep., 1−104(1972)の方法にしたがって、式:腫瘍の重さ=(長さ×[幅])/2を用いて計算される。結果は式:
【0069】
阻害(%)=(TuWcontrol−TuWtest)/TuWcontrol×100%
【0070】
にしたがって、パーセント阻害として表現される。腫瘍移植の脇腹側はさまざまな化学療法剤について再生可能な用量/応答効果を提供し、そして計測方法(腫瘍直径)は腫瘍成長率を評価する信頼できる方法である。
【0071】
本発明に係る化合物の投与(本明細書中後に「活性化合物」)は上記化合物の活動部位へのデリバリーを可能にする方法により影響されうる。これらの方法は経口経路、十二指腸内の経路、非経口注入(静脈、皮下、筋内、血管内又は融合を含む)、局所、及び直腸の投与を含む。
【0072】
投与される活性化合物の量は処置される患者、障害又は状態の重篤さ、投与の割合及び処方する医師の判断に因るであろう。しかしながら、有効な用量は単一の又は別々の用量で、1日当たり体重kg当たり約0.001〜約100mg、好ましくは約1〜約35mg/kg/日の範囲内である。70kgのヒトについて、これは約0.05〜約7g/日、好ましくは約0.2〜約2.5g/日になるであろう。いくつかの例においては、上記範囲の低い限度を下まわる用量値が十分以上であることができ、一方で、他の場合には、もっとより大きな用量が悪い副作用を引き起こすことなしに、上記より大きな用量ははじめに1日をとおした投与についていくつかの少用量に分けられることを提供されて、使用されうる。
【0073】
上記活性化合物は単一の治療として適用されうる又は1以上の他の抗腫瘍物質、例えば、例えば、有糸分裂阻害剤、例えば、ビンブラスチン;アルキル化剤、例えば、シス−プラチン、カルボプラチン及びシクロフォスファミド;抗代謝物、例えば、5−フルオロウラシル、シトシンアラビノシド及びヒドロキシ尿素、又は例えば、−(5−[−(3,4−ジヒドロ−2−メチル−4−オキソキナゾリン−6−イルメチル)−−メチルアミノ]−2−テノイル)−L−グルタミン酸の如き欧州特許出願第239362号において開示される好ましい抗代謝物の1;成長因子阻害剤;細胞周期阻害剤;インターカレーティング抗生物質、例えば、アドリアマイシン及びブレオマイシン;酵素、例えば、インターフェロン;及び抗ホルモン、例えば、Nolvadex(商標)の如き抗エストロゲン又は、例えば、Casodex(商標)(4’−シアノ−3−(4−フルオロフェニルスルフォニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−3’−(トリフルオロメチル)プロピオンアニリド)の如き抗アンドロゲンから選ばれるものを含みうる。上記連合の処置は上記処置の個々の成分の同時の、連続の又は別々の投与の方法により達成されうる。
【0074】
上記医薬組成物は、例えば、錠剤、カプセル、ピル、粉末、維持された放出調剤、溶液、懸濁物として経口投与に、滅菌溶液、懸濁液又はエマルジョンとして非経口注入に、軟膏又はクリームとして局所投与に又は坐剤として直腸投与に好適な形態でありうる。上記医薬組成物は正確な用量の単一の投与に好適な単位投与形態でありうる。上記医薬組成物は慣用の医薬担体又は賦形剤及び活性成分として本発明にしたがう化合物を含むであろう。さらに、それは、他の薬効のある又は医薬の剤、担体、補助剤等を含みうる。
【0075】
例示的な非経口投与形態は滅菌水性溶液、例えば、水性プロピレングリコール又はデキストロース溶液中の活性化合物の溶液又は懸濁液を含む。上記投与形態は、所望の場合、好適に緩衝されうる。
【0076】
好適な医薬担体は、不活性の希釈剤又は充填剤、水及びさまざまな有機溶媒を含む。上記医薬組成物は、所望の場合、香味剤、結合剤、賦形剤等の如き追加の成分を含みうる。したがって、経口投与のためには、クエン酸の如き、さまざまな賦形剤を含む錠剤はデンプン、アルギン酸及びいくつかの複合体シリカの如きさまざまな崩壊剤と共に、及びスクロース、ゼラチン及びアカシアの如き結合剤と共に使用されうる。さらに、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム及びタルクの如き潤滑剤はしばしば錠剤化プロセスに有用である。同じ型の固体組成物は軟らかい及び硬い充填されるゼラチンカプセルにおいても使用されうる。好ましい材料は、したがって、ラクトース又は乳糖及び高分子量ポリエチレングリコールを含む。水性懸濁液又はエリキシル剤が経口投与に所望されるとき、その中の活性化合物は、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン又はその組合せの如き希釈剤と共に、さまざまな甘味又は香味剤、着色料又は色素、及び所望の場合、乳化剤又は懸濁剤と混合されうる。
【0077】
特定の量の活性化合物を伴う、さまざまな医薬組成物の調製方法は当業者に知られている又は明らかであろう。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Company, Easter, Pa., 15th Edition(1975)を参照のこと。
【0078】
以下の実施例及び調製方法はさらに本発明に係る化合物及び上記化合物の調製方法を示す及び例示する。本発明の範囲は以下の実施例及び調製方法の範囲によりいかなる方法においても限定されないことが理解されるべきである。
【0079】
図1〜9におけるスペクトルは以下のように設置されたジーメンスθ/2θ粉末回折計測器を用いて記録された:40位置オートサンプラー、固定スリットを伴う角度計、密閉管銅(Cu)X線源(波長1:1.54056、波長2:1.54439)、及びKevex固体状態検出器。管粉末:40−mA×50−kV、又は好適なように。スリット:1×1×0.6mm(源、それぞれ、抗散乱、及び検出器スリット)。ステップの大きさ2Tで0.04 degrees。ステップ当たりの時間:1秒。スキャン開始:2Tで3 degrees。スキャンストップ:2Tで40degrees。
【実施例】
【0080】
実施例1
3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸の遊離塩基
【0081】
3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸の遊離塩基は、その開示をそれを全体として本明細書中に援用する、1999年5月21日出願の米国出願番号第09/316837の実施例30において示される手順にしたがって調製される。Mp208℃(DSC)。特徴的なX線粉末回折ピーク(2シータ,[%比較強度]):9.314[100.0]、11.356[44.8]、15.897[49.6]、22.059[84.5]、22.520[63.3]、22.726[70.0]、23.927[67.6]、24.307[60.5]、25.310[64.8]、及び26.551[86.6]。
【0082】
実施例2
3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸アミドの塩酸塩
3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸アミド(500mg、0.939mmol)をEtOH(20mL)中に還流で溶解し、環境温度まで冷却させ、そしてフラスコを振りながらHCl(0.94mLのEtO中の1.0M溶液)で処理した。上記混合物をその後50℃で3時間熱しながら及び環境温度で3日間ゆるやかに振った。上記固体をろ過し、高い吸引下で乾燥させ、白色固体(468mg、0.823mmol、82%)を得た。融点230℃(DSC)。吸湿性:環境温度(RH)で90%の比較湿度で1%(重さで)。特徴的なX線粉末回折ピーク(2シータ、[%比較強度]):8.623[90.7]、12.121[38.9]、17.298[95.2]、23.397[44.7]、23.944[51.7]、24.119[62.7]、24.873[55.7]、25.948[100]、及び28.821[39.6]。
【0083】
実施例3
3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸の臭化水素酸塩
臭化水素酸(1.0mLの47〜49%水性8.9M溶液)を〜4mLのMeOHに添加し、そしてその後メートルグラスシリンダー中のMeOHで8.9mLの印まで満たした。別々に、3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸(500mg、0.939mmol)をCHCl(10mL)及びMeOH(4mL)中に溶解し、そしてHBr(1.0mLの上記に示される溶液)で処理した。この溶液をその後EtOで囲まれた拡散容器中に置いた。16時間後、固体ができた。上記EtOを新しいEtOにより置き換え、そして上記拡散は一晩続いた。白色固体(529mg、0.863mmol、86%)を得た。融点201.0℃(DSC)。吸湿性:87%比較RHで0.1%。特徴的なX線粉末回折ピーク(2シータ、[%比較強度]):8.687[100.0]、12.264[35.9]、17.374[42.3]、23.711[24.0]、24.335[20.7]、及び25.769[34.3]。
【0084】
実施例4
3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸のヘミ−クエン酸塩
3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸(532mg、1.00mmol)、クエン酸(96mg、0.50mmol)、及びMeOH(8mL)を隔壁蓋付きの16mLのバイアル中で混合し、そして75℃で24時間振騰しながら熱した。上記混合物を環境温度まで冷却し、そしてろ過した。上記固体をMeOHで洗浄し、そして上記固体をとおした空気の連続した通過により乾燥させた。白色固体(530mg、0.843mmol、84%)を得た。融点201.7℃(DSC)。吸湿性:87%比較RHで0.43%。特徴的なX線粉末回折ピーク(2シータ、[%比較強度]):4.306[79.9]、16.317[100.0]、20.988[32.7]、21.476[30.9]、22.643[48.7]、23.384[76.9]、24.891[76.0]、27.573[47.9]、及び27.840[32.3]。
【0085】
実施例5
3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸の酢酸塩
3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸(532mg、1.00mmol)、酢酸(57μL、1.0mmol)、及びMeOH(3mL)を隔壁蓋付きの8mLのバイアル中で混合し、そして75℃で24時間振騰しながら熱した。上記混合物を環境温度まで冷却し、そしてEtOを伴うチャンバー内に置いた。5時間後、大きな結晶を液体を外に出すことにより回収し、そして上記固体をMeOH及びその後EtOで洗浄した。上記固体を上記固体をとおした空気の短い通過により乾燥させた。白色固体(330mg、0.557mmol、56%)を得た。融点175℃(DSC)。特徴的なX線粉末回折ピーク(2シータ、[%比較強度]):6.096[21.7]、12.183[21.4]、17.451[33.3]、18.288[100.0]、22.441[57.7]、23.086[19.9]、及び24.439[20.7]。
【0086】
実施例6
3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸のp−トシレート塩
3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸(532mg、1.00mmol)、p−トルエンスルフォン酸一水和物(179mg、1.00mmol)、MeOH(10mL)、及びCHCl(1mL)を混合し、そして少量の非常に細かい粒子を除くためにろ過し、そして追加のCHCl(3mL)で洗浄した。上記溶液を追加のCHCl(4mL)及びMeOH(1mL)に添加し、そして一晩EtOで拡散容器内に置いた。結晶が全く形成されなかったので、上記EtOを一晩ペンタンに置き換えた。上記固体をEtOで洗浄し、そして上記固体をとおした空気の連続した通過により乾燥させた。白色固体(572mg、0.812mmol、81%)を得た。融点140及び174℃(DSC)。吸湿性:87%比較RHで0.9%。特徴的なX線粉末回折ピーク(2シータ、[%比較強度]):20.446[100.0]、20.760[74.0]、22.092[81.7]、22.371[70.8]、23.190[65.2]、26.239[61.5]。
【0087】
実施例7
3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸のL−酒石酸塩
3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸(532mg、1.00mmol)、L−酒石酸(150mg、1.00mmol)、及びMeOH(8mL)を隔壁蓋付きの16mLバイアル中で混合し、振騰しながら75℃で24時間熱した。上記混合物を環境温度まで冷却し、そしてろ過した。上記固体をMeOHで洗浄し、そして上記固体をとおした空気の連続した通過により乾燥させた。白色固体(617mg、0.904mmol、90%)を得た。融点206℃(DSC)。吸湿性:100%RHで0.3%。特徴的なX線粉末回折ピーク(2シータ、[%比較強度]):4.061[82.9]、20.821[85.6]、21.634[100.0]、22.179[94.0]、25.858[95.1]。
【0088】
実施例8
3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸のヘミ−琥珀酸塩(A形)
3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸(532mg、1.00mmol)、琥珀酸(59mg、0.50mmol)、及びMeOH(8mL)を隔壁蓋付きの16mLバイアル中で混合し、振騰しながら75℃で24時間熱した。上記混合物を環境温度まで冷却し、そしてろ過した。上記固体をMeOHで洗浄し、そして上記固体をとおした空気の連続した通過により乾燥させた。白色固体(500mg、0.845mmol、85%)を得た。融点A形216℃(DSC)。吸湿性:90%比較RHで0.6%。特徴的なX線粉末回折ピーク(2シータ、[%比較強度]):A形:4.634[100.0]、16.735[67.2]、22.179[60.8]、及び25.002[70.3]。
【0089】
実施例9
3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸のヘミ−琥珀酸塩(B形)
3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸(100mg)を6mLのEtOH:MeOH(2:1)中で熱で溶解した。EtOH中に溶解した琥珀酸(11.1mg、0.5eq)を前記溶液に添加した。上記混合物を環境温度まで冷却させ、そして20分間攪拌した。上記固体をろ過し、EtOHで洗浄し、そして上記固体をとおした空気の連続した通過により乾燥させた。白色固体(80mg、70%)を得た。吸湿性B形:90%比較RHで1.5%。特徴的なX線粉末回折ピーク(2シータ、[%比較強度]):6.714[31.0]、15.272[100.0]、19.197[59.3]、19.457[50.0]、24.487[99.0]、及び24.802[79.1]。
【0090】
実施例10
3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸のメシレート塩
3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸(10.9g、20.5mmol)をMeOH(150mL)中に溶解し、そして0℃まで冷却した。別々のフラスコ中で、HCSOH(1.33mL)を0℃でMeOH(15mL)に添加した。上記酸溶液をその後上記アミン出発物質溶液に10分間にわたり一滴ずつ添加した。上記溶液を環境温度まで温め、少量の固体不純物を除去するためにろ過し、EtO(1L)で希釈し、1時間攪拌した。上記混合物をヘキサン(500mL)でさらに希釈し、そして連続した攪拌で0℃まで冷却した。0℃で一晩置いた後、上記結晶をろ過し、ヘキサンで洗浄し、そして乾燥するまで吸収させ、白色固体を(11.1g、17.7mmol、86%)を得た。特徴的なX線粉末回折ピーク(2シータ、[%比較強度]):4.417[99.3]、17.288[45.5]、20.828[39.6]、21.677[43.5]、22.148[68.3]、25.427[100.0]、及び27.006[37.5]。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】図1は実施例2において示される本発明に係るプロセスに従って調製され及び単離された、塩酸3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸アミドのX線粉末回折スペクトルである。
【図2】図2は実施例3において示される本発明に係るプロセスに従って調製され及び単離された、臭化水素酸3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸アミドのX線粉末回折スペクトルである。
【図3】図3は実施例4において示される本発明に係るプロセスに従って調製され及び単離された、ヘミ−クエン酸3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸アミドのX線粉末回折スペクトルである。
【図4】図4は実施例5において示される本発明に係るプロセスに従って調製され及び単離された、酢酸3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸アミドのX線粉末回折スペクトルである。
【図5】図5は実施例6において示される本発明に係るプロセスに従って調製され及び単離された、p−トシレート3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸アミドのX線粉末回折スペクトルである。
【図6】図6は実施例7において示される本発明に係るプロセスに従って調製され及び単離された、L−酒石酸3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸アミドのX線粉末回折スペクトルである。
【図7】図7は実施例8において示される本発明に係るプロセスに従って調製され及び単離された、A形ヘミ琥珀酸として同定された、ヘミ−琥珀酸3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸アミドのX線粉末回折スペクトルである。
【図8】図8は実施例9において示される本発明に係るプロセスに従って調製され及び単離された、B形として同定された、ヘミ−琥珀酸3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸アミドのX線粉末回折スペクトルである。
【図9】図9は実施例10において示される本発明に係るプロセスに従って調製され及び単離された、メシレート3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸アミドのX線粉末回折スペクトルである。 図1〜9において示されるX線粉末回折スペクトルにおいて、横軸は回折角度2シータ度を示し、そして縦軸はCpsでの回折強度を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸アミドの臭化水素酸塩。
【請求項2】
前記塩が図2に示されるX線粉末回折スペクトルと実質的に同じX線粉末回折スペクトルを有する、請求項1に記載の塩。
【請求項3】
3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸アミドのヘミ−クエン酸塩。
【請求項4】
前記塩が図3に示されるX線粉末回折スペクトルと実質的に同じX線粉末回折スペクトルを有する、請求項3に記載の塩。
【請求項5】
3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸アミドの酢酸塩。
【請求項6】
前記塩が図4に示されるX線粉末回折スペクトルと実質的に同じX線粉末回折スペクトルを有する、請求項5に記載の塩。
【請求項7】
3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸アミドのp−トシレート塩。
【請求項8】
前記塩が図5に示されるX線粉末回折スペクトルと実質的に同じX線粉末回折スペクトルを有する、請求項7に記載の塩。
【請求項9】
3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸アミドのL−酒石酸塩。
【請求項10】
前記塩が図6に示されるX線粉末回折スペクトルと実質的に同じX線粉末回折スペクトルを有する、請求項9に記載の塩。
【請求項11】
A形である3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸アミドのヘミ−琥珀酸塩。
【請求項12】
前記塩が図7に示されるX線粉末回折スペクトルと実質的に同じX線粉末回折スペクトルを有する、請求項11に記載の塩。
【請求項13】
B形である3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸アミドのヘミ−琥珀酸塩。
【請求項14】
前記塩が図8に示されるX線粉末回折スペクトルと実質的に同じX線粉末回折スペクトルを有する、請求項13に記載の塩。
【請求項15】
哺乳類における増殖過剰障害の治療用医薬の製造のための、請求項1、3、5、7、9、11又は13に記載の化合物の使用。
【請求項16】
上記使用は脳の、扁平上皮細胞の、膀胱の、胃の、膵臓の、胸の、頭の、首の、食道の、前立腺の、結腸直腸の、肺の、腎の、腎臓の、卵巣の、婦人科学の及び甲状腺の癌から選ばれる癌の治療用である、請求項15の使用。
【請求項17】
哺乳類における増殖過剰障害の治療に有効な量の請求項1、3、5、7、9、11又は13に記載の化合物、及び医薬として許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項18】
上記増殖過剰障害は脳の、肺の、扁平上皮細胞の、膀胱の、胃の、膵臓の、胸の、頭の、首の、腎の、腎臓の、卵巣の、前立腺の、結腸直腸の、食道の、婦人科学の及び甲状腺の癌から選ばれる癌である、請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項19】
臭化水素を3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸アミドと反応させることを含む、3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸アミドの臭化水素酸塩の製造方法。
【請求項20】
クエン酸を3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸アミドと反応させることを含む、3−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−5−[3−(4−ピローリジン−1−イル−ブチル)−ウレイド]−イソチアゾール−4−カルボン酸アミドのヘミ−クエン酸塩の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−56692(P2008−56692A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−279951(P2007−279951)
【出願日】平成19年10月29日(2007.10.29)
【分割の表示】特願2002−546528(P2002−546528)の分割
【原出願日】平成13年11月19日(2001.11.19)
【出願人】(397067152)ファイザー・プロダクツ・インク (504)
【Fターム(参考)】