説明

イソブタノールからジブチルエーテルを形成する方法

イオン性液体を用いてイソブタノールからジブチルエーテルを調製する方法が提供されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、この参照によりすべての目的についてその全体が本明細書の一部として援用される、2007年9月5日出願の米国仮特許出願第60/970,097号明細書からの優先権およびその利益を主張する。
【0002】
本発明は、ジブチルエーテルをイソブタノールから調製する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ジブチルエーテルなどのエーテルは、溶剤およびディーゼル燃料セタンエンハンサとして有用である。例えば、Kotrba、「Ahead of the Curve」、Ethanol Producer Magazine、2005年11月;および国際公開第01/18154号パンフレット(ここでは、ジブチルエーテルを含むディーゼル燃料配合物の例が開示されている)を参照のこと。
【0004】
ブタノールからのジブチルエーテルの生成などのアルコールからのエーテルの生成が公知であり、一般に、Karaら、Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology、第5版、第10巻、第5.3章、567〜583ページに記載されている。この反応は、一般に、硫酸による、または、高温での、塩化第二鉄、硫酸銅、シリカあるいはシリカ−アルミナでの触媒脱水によるアルコールの脱水を介して実施される。Bringueら[J.Catalysis(2006年)244:33〜42ページ]は、1−ペンタノールのジ−n−ペンチルエーテルの脱水のための触媒として用いられるための熱的に安定なイオン交換樹脂を開示している。国際公開第07/38360号パンフレットは、ポリトリメチレンエーテルグリコールをイオン性液体の存在下に形成する方法を開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
それにもかかわらず、エーテルをアルコールから調製する商業的に有利な方法が依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示の本発明は、アルコールからジブチルエーテルなどのジアルキルエーテルを調製する方法、このような方法の使用、ならびに、このような方法により得られた、および、得ることが可能である生成物を含む。
【0007】
本発明の一定の方法の特徴が、種々のこのような特徴を一緒に組み合わせる1つ以上の特定の実施形態の文脈に、本明細書において記載されている。しかしながら、本発明の範囲は、いずれかの特定の実施形態中の一定の特徴のみの記載によっては限定されず、本発明はまた、(1)記載の実施形態のいずれかの特徴のすべてより小数のサブコンビネーションであって、サブコンビネーションの形成のために省略された特徴の欠如を特徴とし得るサブコンビネーション;(2)いずれかの記載の実施形態の組み合わせ中に個別に包含される特徴の各々;ならびに(3)2つ以上の記載の実施形態の選択された特徴のみをグループ化することにより形成される特徴と、任意により、本明細書において他の箇所に開示されている他の特徴との他の組み合わせを含む。本明細書における方法の特定の実施形態のいくつかは以下のとおりである。
【0008】
本明細書に開示の方法においては、(a)イソブタノールを少なくとも1種の均質酸触媒と、少なくとも1種のイオン性液体の存在下に接触させて、(i)ジブチルエーテルを含む反応混合物のジブチルエーテル相および(ii)反応混合物のイオン性液体相を形成する工程;ならびに、(b)反応混合物のジブチルエーテル相を反応混合物のイオン性液体相から分離して、ジブチルエーテル生成物を回収する工程により、ジブチルエーテルが反応混合物中に調製され;ここで、このような方法において用いられるイオン性液体は、以下に記載の式Z+-の構造によって表されている。
【0009】
本明細書に記載の方法により生成されるジアルキルエーテルなどのエーテルは、溶剤、可塑剤として、ならびに、ガソリン、ディーゼル燃料およびジェット燃料などの輸送燃料における添加剤として有用である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書においては、少なくとも1種のイオン性液体および少なくとも1種の酸触媒の存在下にジアルキルエーテルを調製する方法が開示されている。均質酸触媒が用いられる場合、これらの方法は、生成物であるジアルキルエーテルを、イオン性液体および酸触媒を含有するイオン性液体相とは別の生成物相から回収することが可能であるという利点を提供する。
【0011】
本明細書に記載の方法の説明においては、以下の定義構造が、明細書中の種々の箇所において利用されている一定の用語法について供されている。
【0012】
「アルカン」または「アルカン化合物」は、一般式Cn2n+2を有すると共に、直鎖、分岐または環状化合物であり得る飽和炭化水素である。
【0013】
「アルケン」または「アルケン化合物」は、1つ以上の炭素−炭素二重結合を含有すると共に、直鎖、分岐または環状化合物であり得る不飽和炭化水素化合物である。
【0014】
「アルコキシ」基は、酸素原子を介して結合された直鎖または分岐アルキル基である。
【0015】
「アルキル」基は、いずれかの炭素原子から水素原子を除去することによりアルカンから誘導される一価の基:
−Cn2n+1(式中、n=1である)である。アルキル基は、C1〜C20直鎖、分岐またはシクロアルキル基であり得る。好適なアルキル基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、n−オクチル、トリメチルペンチル、およびシクロオクチル基が挙げられる。
【0016】
「芳香族」または「芳香族化合物」は、ベンゼンおよび化学的挙動がベンゼンと似ている化合物を含む。
【0017】
「アリール」基は、自由原子価が芳香族環の炭素原子にある一価の基である。アリール部分は、1つまたは複数の芳香族環を含有し得ると共に、不活性基、すなわち、その存在が反応に干渉しない基により置換されていてもよい。好適なアリール基の例としては、フェニル、メチルフェニル、エチルフェニル、n−プロピルフェニル、n−ブチルフェニル、t−ブチルフェニル、ビフェニル、ナフチルおよびエチルナフチル基が挙げられる。
【0018】
「フルオロアルコキシ」基は、少なくとも1個の水素原子がフッ素原子により置換されているアルコキシ基である。
【0019】
「フルオロアルキル」基は、少なくとも1個の水素原子がフッ素原子により置換されているアルキル基である。
【0020】
「ハロゲン」は、臭素、ヨウ素、塩素またはフッ素原子である。
【0021】
「ヘテロアルキル」基は、1個または複数個のヘテロ原子を有するアルキル基である。
【0022】
「ヘテロアリール」基は、1個または複数個のヘテロ原子を有するアリール基である。
【0023】
「ヘテロ原子」は、基の構造中の炭素以外の原子である。
【0024】
アルカン、アルケン、アルコキシ、アルキル、アリール、フルオロアルコキシ、フルオロアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、パーフルオロアルコキシあるいはパーフルオロアルキル基、または、部分について言及する際、「〜からなる群から選択される少なくとも1種の構成要素で任意により置換される」とは、基または部分の炭素鎖上の1個または複数個の水素が、列挙された置換基の群の1種または複数種の構成要素で独立して置換されていてもよいことを意味する。例えば、任意により置換された−C25基または部分は、これらに限定されないが、基または置換基がF、IおよびOHからなる、−CF2CF3、−CH2CH2OHまたは−CF2CF2Iであり得る。
【0025】
「パーフルオロアルコキシ」基は、すべての水素原子がフッ素原子により置換されているアルコキシ基である。
【0026】
「パーフルオロアルキル」基は、すべての水素原子がフッ素原子により置換されているアルキル基である。
【0027】
本明細書に開示の方法においては、(a)イソブタノールを少なくとも1種の均質酸触媒と、少なくとも1種のイオン性液体の存在下に接触させて、(i)ジブチルエーテルを含む反応混合物のジブチルエーテル相および(ii)反応混合物のイオン性液体相を形成する工程;ならびに、(b)反応混合物のジブチルエーテル相を反応混合物のイオン性液体相から分離して、ジブチルエーテル生成物を回収する工程により、ジブチルエーテルが反応混合物中に調製され;ここで、イオン性液体は、以下に記載の式Z+-の構造によって表されている。
【0028】
式Z+-のイオン性液体において、Z+は、以下からなる群から選択されるカチオンである。
【化1】

【化2】

【化3】

式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は:
(i)H
(ii)ハロゲン
(iii)Cl、Br、F、I、OH、NH2およびSHからなる群から選択される少なくとも1種の構成要素で任意により置換される−CH3、−C25、またはC3〜C25、好ましくはC3〜C20、直鎖、分岐または環状アルカンまたはアルケン;
(iv)O、N、SiおよびSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含むと共に、Cl、Br、F、I、OH、NH2およびSHからなる群から選択される少なくとも1種の構成要素で任意により置換される−CH3、−C25、またはC3〜C25、好ましくはC3〜C20、直鎖、分岐または環状アルカンまたはアルケン;
(v)O、N、SiおよびSからなる群から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC6〜C25非置換アリールまたは非置換ヘテロアリール;ならびに
(vi)O、N、SiおよびSからなる群から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC6〜C25置換アリールまたは置換ヘテロアリールであって;
(1)Cl、Br、F、I、OH、NH2およびSHからなる群から選択される少なくとも1種の構成要素で任意により置換される−CH3、−C25、またはC3〜C25、好ましくはC3〜C20、直鎖、分岐または環状アルカンまたはアルケン、
(2)OH、
(3)NH2、および
(4)SH
からなる群から独立して選択される1〜3個の置換基を有する置換アリールまたは置換ヘテロアリール;
からなる群から独立して選択され、
7、R8、R9およびR10は:
(vii)Cl、Br、F、I、OH、NH2およびSHからなる群から選択される少なくとも1種の構成要素で任意により置換される−CH3、−C25、またはC3〜C25、好ましくはC3〜C20、直鎖、分岐または環状アルカンまたはアルケン;
(viii)O、N、SiおよびSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含むと共に、Cl、Br、F、I、OH、NH2およびSHからなる群から選択される少なくとも1種の構成要素で任意により置換される−CH3、−C25、またはC3〜C25、好ましくはC3〜C20、直鎖、分岐または環状アルカンまたはアルケン;
(ix)O、N、SiおよびSからなる群から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC6〜C25非置換アリール、またはC3〜C25非置換ヘテロアリール;ならびに
(x)O、N、SiおよびSからなる群から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC6〜C25置換アリール、またはC3〜C25置換ヘテロアリールであって;
(1)Cl、Br、F、I、OH、NH2およびSHからなる群から選択される少なくとも1種の構成要素で任意により置換される−CH3、−C25、またはC3〜C25、好ましくはC3〜C20、直鎖、分岐または環状アルカンまたはアルケン、
(2)OH、
(3)NH2、および
(4)SH
からなる群から独立して選択される1〜3個の置換基を有する置換アリールまたは置換ヘテロアリール;
からなる群から独立して選択され、
式中、任意により、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9およびR10の少なくとも2つは、単環状あるいは二環状アルカニルまたはアルケニル基を一緒に形成することが可能であり;ならびに
-は、R11−SO3-および(R12−SO22-からなる群から選択されるアニオンであり;R11およびR12は:
(a)Cl、Br、F、I、OH、NH2およびSHからなる群から選択される少なくとも1種の構成要素で任意により置換される−CH3、−C25、またはC3〜C25、好ましくはC3〜C20、直鎖、分岐または環状アルカンまたはアルケン;
(b)O、N、SiおよびSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含むと共に、Cl、Br、F、I、OH、NH2およびSHからなる群から選択される少なくとも1種の構成要素で任意により置換される−CH3、−C25、またはC3〜C25、好ましくはC3〜C20、直鎖、分岐または環状アルカンまたはアルケン;
(c)O、N、SiおよびSからなる群から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC6〜C25非置換アリールまたは非置換ヘテロアリール;ならびに
(d)O、N、SiおよびSからなる群から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC6〜C25置換アリールまたは置換ヘテロアリールであって;
(1)Cl、Br、F、I、OH、NH2およびSHからなる群から選択される少なくとも1種の構成要素で任意により置換される−CH3、−C25、またはC3〜C25、好ましくはC3〜C20、直鎖、分岐または環状アルカンまたはアルケン、
(2)OH、
(3)NH2、および
(4)SH
からなる群から独立して選択される1〜3個の置換基を有する置換アリールまたは置換ヘテロアリール:
からなる群から独立して選択される。
【0029】
一実施形態において、アニオンA-は:[CH3OSO3-、[C25OSO3-、[CF3SO3-、[HCF2CF2SO3-、[CF3HFCCF2SO3-、[HCClFCF2SO3-、[(CF3SO22N]-、[(CF3CF2SO22N]-、[CF3OCFHCF2SO3-、[CF3CF2OCFHCF2SO3-、[CF3CFHOCF2CF2SO3-、[CF2HCF2OCF2CF2SO3-、[CF2ICF2OCF2CF2SO3-、[CF3CF2OCF2CF2SO3-、および[(CF2HCF2SO22N]-、および[(CF3CFHCF2SO22N]-からなる群から選択される。
【0030】
他の実施形態において、イオン性液体は、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−ブチル−メチルイミダゾリウム1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンスルホネート、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−ドデシル−3−メチルイミダゾリウム1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−ヘキサデシル−3−メチルイミダゾリウム1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−オクタデシル−3−メチルイミダゾリウム1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、N−(1,1,2,2−テトラフルオロエチル)プロピルイミダゾール1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、N−(1,1,2,2−テトラフルオロエチル)エチルペルフルオロヘキシルイミダゾール1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンスルホネート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム1,1,2−トリフルオロ−2−(トリフルオロメトキシ)エタンスルホネート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム1,1,2−トリフルオロ−2−(パーフルオロエトキシ)エタンスルホネート、テトラデシル(トリ−n−ヘキシル)ホスホニウム1,1,2−トリフルオロ−2−(パーフルオロエトキシ)エタンスルホネート、テトラデシル(トリ−n−ブチル)ホスホニウム1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンスルホネート、テトラデシル(トリ−n−ヘキシル)ホスホニウム1,1,2−トリフルオロ−2−(トリフルオロメトキシ)エタンスルホネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ペンタフルオロエトキシ)スルホネート、(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル)−トリオクチルホスホニウム1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−メチル−3−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル)イミダゾリウム1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、およびテトラ−n−ブチルホスホニウム1,1,2−トリフルオロ−2−(パーフルオロエトキシ)エタンスルホネートからなる群から選択される。
【0031】
イオン性液体は、室温(およそ25℃)で液体である有機化合物である。これらは、きわめて低い融点を有し、広い温度範囲にわたって液体である傾向にあり、および、高い熱容量が認められる点で、ほとんどの塩とは異なる。イオン性液体は、実質的に蒸気圧を有さず、中性、酸性または塩基性のいずれかであることが可能である。イオン性液体の特性は、カチオンおよびアニオンのアイデンティティに応じていくらかの変化を示すであろう。しかしながら、本発明に有用なイオン性液体のカチオンまたはアニオンは、原理上は、カチオンおよびアニオンが一緒になって約100℃以下で流体である有機塩を形成するようないずれかのカチオンまたはアニオンであることが可能である。
【0032】
多くのイオン性液体は、好ましくは芳香族複素環といった窒素含有複素環と、アルキル化剤(例えば、ハロゲン化アルキル)とを反応させて第4級アンモニウム塩を形成し、イオン交換または種々のルイス酸またはこれらの共役塩基との他の好適な反応を実施してイオン性液体を形成することにより形成される。好適な芳香族複素環の例としては、置換ピリジン、イミダゾール、置換イミダゾール、ピロールおよび置換ピロールが挙げられる。これらの環は、事実上すべての直鎖、分岐または環状C1~20アルキル基でアルキル化されることが可能であるが、好ましくは、アルキル基は、これより大きい基はイオン性液体ではなく低融点固形分を生成し得るため、C1~16基である。種々のトリアリールホスフィン、チオエーテルおよび環状および非環状第4級アンモニウム塩もまた本目的のために用いられ得る。用いられ得る対イオンとしては、クロロアルミネート、ブロモアルミネート、塩化ガリウム、テトラフルオロボレート、テトラクロロボレート、ヘキサフルオロリン酸イオン、硝酸イオン、トリフルオロメタンスルホネート、メチルスルホネート、p−トルエンスルホネート、ヘキサフルオロアンチモネート、ヘキサフルオロヒ酸、テトラクロロアルミネート、テトラブロモアルミネート、過塩素酸イオン、水酸化物アニオン、二塩化銅アニオン、三塩化鉄アニオン、三塩化亜鉛アニオン、ならびに種々のランタン、カリウム、リチウム、ニッケル、コバルト、マンガン、および他の金属含有アニオンが挙げられる。
【0033】
イオン性液体はまた、塩メタセシスにより、酸−塩基中和反応により、または選択された窒素含有化合物の4級化により合成され得;または、これらは、Merck(Darmstadt,Germany)またはBASF(Mount Olive,NJ)などの数々の会社から商業的に入手し得る。
【0034】
本明細書において有用なイオン性液体の代表例は、J.Chem.Tech.Biotechnol.、68:351〜356ページ(1997年);Chem.Ind.、68:249〜263ページ(1996年);J.Phys.Condensed Matter、5:(追補34B):B99〜B106(1993年);Chemical and Engineering News、1998年3月30日、32〜37;J.Mater.Chem.、8:2627〜2636ページ(1998年);Chem.Rev.、99:2071〜2084ページ(1999年);および国際公開第05/113,702号パンフレット(および引用されている文献)などの資料に記載されているものに含まれている。本明細書の一実施形態においては、例えば第4級アンモニウムカチオンの種々のアルキル誘導体を調製し、および関連するアニオンを変更することにより、イオン性液体のライブラリ、すなわち複合ライブラリが調製され得る。イオン性液体の酸性度は、ルイス酸のモル当量およびタイプおよび組み合わせを変化させることにより調整することが可能である。
【0035】
本明細書において有用なイオン性液体のカチオンは商業的に入手可能であるか、または、公知の方法により合成されてもよい。フルオロアルキルスルホネートアニオンは、過フッ素化末端オレフィンまたは過フッ素化ビニルエーテルから、一般に、Kosharら[J.Am.Chem.Soc.(1953年)75:4595〜4596ページ]の方法に準拠して合成され得;一実施形態においては、亜硫酸塩および重亜硫酸塩が重亜硫酸塩およびホウ酸ナトリウムの代わりに緩衝剤として用いられると共に、他の実施形態においては、反応は、ラジカル開始剤の不在下に実施される。1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンスルホネート、1,1,2−トリフルオロ−2−(トリフルオロメトキシ)エタンスルホネート、および1,1,2−トリフルオロ−2−(ペンタフルオロエトキシ)エタンスルホネートは、Koshar(前述)の改良版に準拠して合成され得る。好ましい変更は、亜硫酸塩および重亜硫酸塩の混合物の緩衝剤としての使用、粗1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネートおよび1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンスルホネート生成物を水性反応混合物から単離するための凍結乾燥または噴霧乾燥、粗1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネートおよび1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンスルホネート塩を抽出するためのアセトンの使用、ならびに、1,1,2−トリフルオロ−2−(トリフルオロメトキシ)エタンスルホネートおよび1,1,2−トリフルオロ−2−(ペンタフルオロエトキシ)エタンスルホネートの反応混合物からの冷却による結晶化を含む。
【0036】
本明細書における使用に好適な他のイオン性液体は以下のとおり形成され得る:第1の溶液が、既知の量のカチオンのハロゲン化物塩を脱イオン水中に溶解させることにより形成される。これは、確実に完全に溶解させるための加熱を含み得る。第2の溶液が、およそ(カチオンに対して)等モル量のアニオンのカリウムまたはナトリウム塩を脱イオン水中に溶解させることにより形成される。これもまた、確実に完全に溶解させるための加熱を含み得る。等モル量のカチオンおよびアニオンを用いる必要はないが、1:1等モル比は反応により得られる不純物を最低限とする。第1の水溶液および第2の水溶液は、油またはフラスコの底の固体の一方としての所望の生成物相の分離のために最適な温度で混合および撹拌される。一実施形態においては、これらの水溶液は室温で混合および撹拌されるが、しかしながら最適な温度は、最適な生成物分離を達成するために必要な条件に基づいて、これより高くても低くてもよい。水性層が分離されると共に、生成物は、脱イオン水で数回洗浄されて、塩化物または臭化物不純物が除去される。追加での塩基洗浄が酸性不純物の除去を補助し得る。次いで、この生成物は適切な有機溶剤(クロロホルム、塩化メチレン等)で希釈されると共に、無水硫酸マグネシウムまたは他の好ましい乾燥剤で乾燥される。適切な有機溶剤は、イオン性液体と混和性であると共に、乾燥されることが可能であるものである。乾燥剤は吸引ろ過により除去され、有機溶剤は減圧中で除去される。数時間の間、または、残存水が除去されるまで高真空が適用される。最終生成物は通常は液体の形態である。
【0037】
本明細書における使用に好適な他のイオン性液体は以下のとおり形成され得る:第3の溶液は、既知の量のカチオンのハロゲン化物塩を適切な溶剤中に溶解させることにより形成される。これは、確実に完全に溶解させるための加熱を含み得る。好ましくは、この溶剤は、カチオンおよびアニオンが混和性であると共に、反応により形成される塩が最小限に混和性であるものであり;加えて、適切な溶剤は、反応後に溶剤を容易に除去することが可能であるよう比較的低い沸点を有するものであることが好ましい。適切な溶剤としては、これらに限定されないが、高純度乾燥アセトン;メタノールおよびエタノールなどのアルコール;ならびに、アセトニトリルが挙げられる。第4の溶液は、(カチオンに対して)等モル量のアニオンの塩(一般にカリウムまたはナトリウム)を、典型的にはカチオンについて用いられるものと同一の適切な溶剤中に溶解させることにより形成される。これはまた、確実に完全に溶解させるための加熱を含み得る。第3の溶液および第4の溶液は、ハロゲン化物塩副生物(一般にハロゲン化カリウムまたはハロゲン化ナトリウム)のほぼ完全な析出をもたらす条件下で混合および撹拌され;本発明の一実施形態において、溶液は、およそ室温で、約4〜12時間かけて混合および撹拌される。ハロゲン化物塩はアセトン/セライトパッドを介した吸引ろ過により除去されると共に、色は、当業者に公知であるとおり、脱色炭を使用して低減させることが可能である。溶剤は減圧中で除去されると共に、次いで、数時間の間、または、残存水が除去されるまで高真空が適用される。最終生成物は通常は液体の形態である。
【0038】
イオン性液体の物理的および化学的特性は、カチオンおよび/またはアニオンのアイデンティティに応じていくらかの変化を示すであろう。例えば、カチオンの1つまたは複数のアルキル鎖の鎖長が長くなることで、イオン性液体の融点、親水性/親油性、密度および溶媒和度などの特性が影響されることとなる。アニオンの選択は、例えば、組成物の融点、水溶性および酸性度、ならびに、配位特性に影響を与えることが可能である。イオン性液体の物理的および化学的特性に対するカチオンおよびアニオンの選択の影響は、WasserscheidおよびKeim[Angew.Chem.Int.Ed.(2000年)39:3772〜3789ページ]およびSheldon[Chem.Commun.(2001年)2399〜2407ページ]によって概説されている。
【0039】
イオン性液体は、存在するイソブタノールの重量に対する重量基準で、約0.1%以上、または約2%以上の量で、さらには、約25%以下、または約20%以下の量で反応混合物中に存在し得る。
【0040】
本明細書の方法における使用に好適な触媒は、反応において自身が実質的に消費されることなく、反応の平衡へのアプローチ速度を増大させる物質である。好ましい実施形態において、触媒は、触媒および反応体が均一である同一の相中に生じるという意味で均質触媒であり、この触媒は、その相の中で反応体に分子的に分散している。
【0041】
一実施形態においては、均質触媒として本明細書における使用に好適な酸は、約4未満のpKaを有するものであり;他の実施形態において、均質触媒として本明細書における使用に好適な酸は約2未満のpKaを有するものである。
【0042】
一実施形態においては、本明細書における使用に好適な均質酸触媒は、無機酸、有機スルホン酸、ヘテロポリ酸、フルオロアルキルスルホン酸、金属スルホン酸塩、金属トリフルオロ酢酸塩、これらの化合物およびこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。さらに他の実施形態において、均質酸触媒は、硫酸、フルオロスルホン酸、亜リン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ノナフルオロブタンスルホン酸、1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホン酸、1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンスルホン酸、ビスマストリフレート、イットリウムトリフレート、イッテルビウムトリフレート、ネオジムトリフレート、ランタントリフレート、スカンジウムトリフレート、およびジルコニウムトリフレートからなる群から選択され得る。
【0043】
触媒は、存在するイソブタノールの重量に対する重量基準で、約0.1%以上、または約1%以上の量で、さらには約20%以下、または約10%以下、または約5%以下の量で反応混合物中に存在し得る。
【0044】
この反応は、約50℃〜約300℃の温度で実施され得る。一実施形態においては、温度は約100℃〜約250℃である。反応は、約大気圧(約0.1MPa)〜約20.7MPaの圧力で実施され得る。さらに特定の実施形態において、この圧力は、約0.1MPa〜約3.45MPaである。この反応は、不活性雰囲気下で実施され得、窒素、アルゴンおよびヘリウムなどの不活性ガスがこのために好適である。
【0045】
一実施形態においては、反応は、液体相中に実施される。代替的な実施形態において、この反応は、生成物ジブチルエーテルが気相中に存在するよう高い温度および/または圧力で実施される。このような気相ジブチルエーテルは、温度および/または圧力を低減させることにより液体に凝縮されることが可能である。温度および/または圧力の低減は、反応容器自体の中で生じさせることが可能であるが、または、代わりに、気相を別の容器中に回収することが可能であり、次いで、この中で気相が液体相に凝縮される。
【0046】
反応のための時間は、反応体、反応条件および反応器などの多くの要因に依存することとなり、ジブチルエーテルの高い収率を達成するために調節され得る。この反応は、バッチモードまたは連続モードのいずれにおいても実施されることが可能である。
【0047】
この反応におけるイオン性液体の使用に対する利点は、ジブチルエーテル生成物が形成される結果、イオン性液体および触媒が存在する第2の相(「イオン性液体相」)とは別の反応混合物の第1の相(「ジブチルエーテル相」)中にジブチルエーテル生成物が存在することである。それ故、(ジブチルエーテル相中の)1種または複数種のジブチルエーテル生成物は、(イオン性液体相中の)酸触媒から、例えば傾瀉により容易に回収される。
【0048】
他の実施形態において、個別のイオン性液体相は、反応混合物への再度の添加に再利用され得る。イソブタノールの1種または複数種のジブチルエーテルへの転化は水の形成をもたらす。従って、イオン性液体相中に含有されるイオン性液体の再利用が所望される場合、イオン性液体相を処理した水を除去する必要があり得る。水を除去するための1つの通常の処理法は蒸留の使用である。イオン性液体は無視可能な蒸気圧を有すると共に、本発明において有用な触媒は一般に水を超える沸点を有する;従って、一般に、イオン性液体相を蒸留する場合、蒸留カラムの頂部から水を除去し、一方で、イオン性液体および触媒をカラムの底から除去することが可能である。イオン性液体からの水の分離に適用可能である蒸留方法が、Perry’s Chemical Engineers’ Handbook、第7版(McGraw−Hill、1997年)の第13章、「Distillation」にさらに考察されている。さらなる工程において、触媒残渣が、ろ過あるいは遠心分離によりイオン性液体から分離され得、または、触媒残渣は、イオン性液体と一緒に反応混合物に戻され得る。
【0049】
分離されたおよび/または回収されたジブチルエーテル相は、任意により、さらに精製されることが可能であると共に、そのまま用いられることも可能である。
【0050】
本発明の種々の他の実施形態において、本明細書に記載または開示の個別のカチオンのいずれかを選択することにより、および、本明細書に記載または開示の個別のアニオンのいずれかを選択することにより形成されるイオン性液体は、ジブチルエーテルを調製するために反応混合物において用いられ得る。従って、さらに他の実施形態において、(i)本明細書に記載および開示のカチオンの総ての群から、その総ての群の個別の構成要素のすべての種々の異なる組み合わせで得られるカチオンのいずれかのサイズのサブグループ、ならびに、(ii)本明細書に記載および開示のアニオンの総ての群から、その総ての群の個別の構成要素のすべての種々の異なる組み合わせで得られるアニオンのいずれかのサイズのサブグループを選択することにより形成されるイオン性液体のサブグループは、ジブチルエーテルを調製するために反応混合物において用いられ得る。既述のような選択を行うことによる、イオン性液体、または、イオン性液体のサブグループの形成においては、イオン性液体またはサブグループは、選択を行うためにそれらの総ての群から除外されているカチオンおよび/またはアニオンの群の構成要素の不在下に用いられることとなり、ならびに、所望の場合には、この選択は、それ故、使用のために包含されている群の構成要素ではなく、使用から除外されるすべての群の構成要素の観点でなされ得る。
【0051】
本明細書に示される式の各々は、(1)他のすべての変動要素である基、置換基または数値的係数を一定に保持しながらの、変動要素である基、置換基または数値的係数の1つについての所定の範囲内からの選択、ならびに、(2)次いで、他を一定に保持しながらの、他の変動要素である基、置換基または数値的係数の各々についての所定の範囲内からの同一の選択の実施により、その式において構築されることが可能である別々の、個々の化合物の各々およびすべてを記載する。この範囲によって記載される群の構成要素の1つのみの変動要素である基、置換基または数値的係数のいずれかについての所定の範囲内でなされた選択に追加して、基、置換基または数値的係数の群全体の構成要素の2つ以上であるがすべて未満を選択することにより、複数の化合物が記載され得る。変動要素である基、置換基または数値的係数のいずれかについての所定の範囲内でなされた選択が、(i)範囲により記載される群全体の構成要素の1つのみ、または、(ii)群全対の構成要素の2つ以上であるがすべて未満を含有するサブグループである場合、選択された構成要素は、サブグループについて選択されていない群全体の構成要素を除外することにより選択される。化合物、または複数種の化合物は、このような場合において、その変動要素についての所定の範囲の群全体であるが、サブグループを形成するために除外構成要素が除外されている群全体を指す、変動要素である基、置換基または数値的係数の1つまたは複数の定義によって特徴付けられ得る。
【0052】
本明細書に記載の方法から有利な特質および効果が得られるであろう様式が、以下に記載のとおり、一連の予測的な例(実施例1〜2)の形態で記載されている。これらの実施例が基づいている方法の実施形態は単なる代表例であり、および、本発明を例示するための一連のこれらの実施形態は、これらの実施例において記載されていない条件、構成、アプローチ、管理、反応体、技術あるいはプロトコルがこれらの方法の実施に好適ではないこと、または、これらの実施例において記載されていない主題が添付の特許請求の範囲および均等物の範囲から除外されていることは示さない。
【実施例】
【0053】
一般的な材料および方法
以下の略語が用いられている。核磁気共嗚はNMRと略記されており;ガスクロマトグラフィはGCと略記されており;ガスクロマトグラフィ−質量分光測定はGC−MSと略記されており;薄層クロマトグラフィはTLCと略記されており;熱重量分析(Universal V3.9A TA instruments分析器(TA Instruments,Inc.(Newcastle,DE))を使用)はTGAと略記されている。摂氏はCと略記されており、メガパスカルはMPaと略記されており、グラムはgと略記されており、キログラムはKgと略記されており、ミリリットルはmlと略記されており、時間は時間(hrまたはh)と略記されており;重量パーセントはwt%と略記されており;ミリ当量はmeqと略記されており;融点はMpと略記されており;示差走査熱量測定法はDSCと略記されている。
【0054】
1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムクロリド、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−ドデシル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−ヘキサデシル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−オクタデシル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、イミダゾール、テトラヒドロフラン、ヨードプロパン、アセトニトリル、ヨードパーフルオロへキサン、トルエン、イソブタノール、オレウム(20%SO3)、亜硫酸ナトリウム(Na2SO3、98%)、およびアセトンをAcros(Hampton,NH)から入手した。メタ重亜硫酸カリウム(K225、99%)を、Mallinckrodt Laboratory Chemicals(Phillipsburg,NJ)から入手した。亜硫酸カリウム水和物(KHSO3・xH2O、95%)、亜硫酸水素ナトリウム(NaHSO3)、炭酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、リンタングステン酸、エチルエーテル、1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−トリデカフルオロ−8−ヨードオクタン、トリオクチルホスフィンおよび1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド(98%)をAldrich(St.Louis,MO)から入手した。硫酸および塩化メチレンをEMD Chemicals,Inc.(Gibbstown,NJ)から入手した。パーフルオロ(エチルビニルエーテル)、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、ヘキサフルオロプロペンおよびテトラフルオロエチレンをDuPont Fluoroproducts(Wilmington,DE)から入手した。1−ブチル−メチルイミダゾリウムクロリドをFluka(Sigma−Aldrich(St.Louis,MO))から入手した。テトラ−n−ブチルホスホニウムブロミドおよびテトラデシル(トリ−n−ヘキシル)ホスホニウムクロリドをCytec(Canada Inc.(Niagara Falls,Ontario,Canada))から入手した。1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ペンタフルオロエトキシ)スルホネートをSynQuest Laboratories,Inc.(Alachua,FL)から入手した。
【0055】
アニオンの調製
(A)カリウム1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート(TFES−K)([HCF2CF2SO3-)の合成:
1−ガロンHastelloy(登録商標)C276反応容器に、亜硫酸カリウム水和物(176g、1.0mol)、メタ重亜硫酸カリウム(610g、2.8mol)および脱イオン水(2000ml)の溶液を充填した。この溶液のpHは5.8であった。容器を18℃に冷却し、0.10MPaに排気し、および窒素でパージした。排気/パージサイクルをさらに2回繰り返した。次いで、この容器にテトラフルオロエチレン(TFE、66g)を添加すると共に、これを100℃に加熱し、この時点で内圧は1.14MPaであった。反応温度を125℃に高めると共に、これを3時間維持した。反応によりTFE圧力が低下するに伴って、およそ1.14および1.48MPaに操作圧を維持するために、さらなるTFEを少量ずつ(各20〜30g)添加した。一旦、初期の66gプレチャージの後に500g(5.0mol)のTFEを供給したら、容器をベントすると共に25℃に冷却した。清透で明るい黄色の反応溶液のpHは10〜11であった。この溶液を、メタ重亜硫酸カリウム(16g)を添加してpH7に中和した。
【0056】
減圧中にロータリーエバポレータで水を除去して濡れた固体をもたらした。次いで、この固体を凍結乾燥器(Virtis Freezemobile 35xl;Gardiner,NY)中に72時間入れて、含水量をおよそ1.5重量%(1387g粗材料)に低減させた。全固形分の理論的質量は1351gであった。質量バランスは理想にきわめて近く、単離した固体は、水分によりわずかに高い質量を有していた。この追加的な凍結乾燥工程は、易流動性の白色の粉末がもたらされるという利点を有し、その一方で、真空オーブンにおける処理では、取り出しが非常に困難であって、フラスコから取り出すために破砕および破壊しなければならない石鹸状の固体ケーキがもたらされた。
【0057】
粗TFES−Kは、試薬グレードアセトンでの抽出、ろ過および乾燥によりさらに精製されると共に単離されることが可能である。
19F NMR(D2O)δ−122.0(dt,JFH=6Hz、JFF=6Hz,2F);−136.1(dt,JFH=53Hz,2F)。
1H NMR(D2O)δ6.4(tt,JFH=53Hz、JFH=6Hz,1H)。
カールフィッシャー滴定による%水:580ppm。
2HO34SKについての分析計算:C,10.9:H,0.5:N,0.0実験結果:C,11.1:H,0.7:N,0.2。
Mp(DSC):242℃。
TGA(空気):10%重量損失(367℃)、50%重量損失(375℃)。
TGA(N2):10%重量損失(363℃)、50%重量損失(375℃)。
【0058】
(B)カリウム−1,1,2−トリフルオロ−2−(パーフルオロエトキシ)エタンスルホネート(TPES−K)の合成:
1−ガロンHastelloy(登録商標)C276反応容器に、亜硫酸カリウム水和物(88g、0.56mol)、メタ重亜硫酸カリウム(340g、1.53mol)および脱イオン水(2000ml)の溶液を充填した。容器を7℃に冷却し、0.05MPaに排気し、および窒素でパージした。排気/パージサイクルをさらに2回繰り返した。次いで、この容器にパーフルオロ(エチルビニルエーテル)(PEVE、600g、2.78mol)を添加すると共に、これを125℃に加熱し、この時点で内圧は2.31MPaであった。反応温度を125℃で10時間維持した。圧力は0.26MPaに低下し、この時点で、容器をベントすると共に25℃に冷却した。粗反応生成物は、無色の水性層(pH=7)をその上に有する白色の結晶性沈殿物であった。
【0059】
白色の固体の19F NMRスペクトルは純粋な所望の生成物を示したが、一方で、水性層のスペクトルは微量ではあるが検出可能な量のフッ素化不純物を示した。所望の異性体は水溶性に劣るために異性体的に純粋な形態で析出する。この生成物スラリーを、フリットガラス漏斗を通して吸引ろ過し、およびウェットケーキを、真空オーブン(60℃、0.01MPa)中で48時間かけて乾燥させた。
【0060】
生成物をオフホワイトの結晶として得た(904g、97%収率)。
19F NMR(D2O)δ−86.5(s,3F);−89.2、−91.3(サブスプリットABq、JFF=147Hz,2F);−119.3、−121.2(サブスプリットABq、JFF=258Hz,2F);−144.3(dm,JFH=53Hz,1F)。
1H NMR(D2O)δ6.7(dm,JFH=53Hz,1H)。
Mp(DSC)263℃。
4HO48SKについての分析計算:C,14.3:H,0.3実験結果:C,14.1:H,0.3。
TGA(空気):10%重量損失(359℃)、50%重量損失(367℃)。
TGA(N2):10%重量損失(362℃)、50%重量損失(374℃)。
【0061】
(C)カリウム−1,1,2−トリフルオロ−2−(トリフルオロメトキシ)エタンスルホネート(TTES−K)の合成
1−ガロンHastelloy(登録商標)C276反応容器に、亜硫酸カリウム水和物(114g、0.72mol)、メタ重亜硫酸カリウム(440g、1.98mol)および脱イオン水(2000ml)の溶液を充填した。この溶液のpHは5.8であった。容器を−35℃に冷却し、0.08MPaに排気し、および窒素でパージした。排気/パージサイクルをさらに2回繰り返した。次いで、この容器に、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)(PMVE、600g、3.61mol)を添加すると共に、これを125℃に加熱し、この時点で内圧は3.29MPaであった。反応温度を125℃で6時間維持した。圧力は0.27MPaに低下し、この時点で、容器をベントすると共に25℃に冷却した。一旦冷却したら、無色清透の水溶液をその上に残して所望の生成物の白色の結晶性沈殿物が形成された(pH=7)。
【0062】
白色の固体の19F NMRスペクトルは純粋な所望の生成物を示したが、一方で、水性層のスペクトルは微量ではあるが検出可能な量のフッ素化不純物を示した。
【0063】
この溶液を、フリットガラス漏斗を通して6時間かけて吸引ろ過してほとんどの水を除去した。次いで、ウェットケーキを、真空オーブン中で、0.01MPaおよび50℃で48時間かけて乾燥させた。これは、854g(83%収率)の白色の粉末をもたらした。最終生成物は、所望されない異性体はろ過の最中に水中に残留したために、(19F NMRおよび1H NMRにより)異性体的に純粋であった。
19F NMR(D2O)δ−59.9(d,JFH=4Hz,3F);−119.6、−120.2(サブスプリットABq、J=260Hz,2F);−144.9(dm,JFH=53Hz,1F)。
1H NMR(D2O)δ6.6(dm,JFH=53Hz,1H)。
カールフィッシャー滴定による%水:71ppm。
3HF6SO4Kについての分析計算:C,12.6:H,0.4:N,0.0実験結果:C,12.6:H,0.0:N,0.1。
Mp(DSC)257℃。
TGA(空気):10%重量損失(343℃)、50%重量損失(358℃)。
TGA(N2):10%重量損失(341℃)、50%重量損失(357℃)。
【0064】
(D)ナトリウム1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンスルホネート(HFPS−Na)の合成
1−ガロンHastelloy(登録商標)C反応容器に、無水亜硫酸ナトリウム(25g、0.20mol)、亜硫酸水素ナトリウム73g、(0.70mol)および脱イオン水(400ml)の溶液を充填した。この溶液のpHは5.7であった。容器を4℃に冷却し、0.08MPaに排気し、次いで、ヘキサフルオロプロペン(HFP、120g、0.8mol、0.43MPa)を充填した。この容器を、掻き混ぜながら120℃に加熱すると共に、この温度で3時間維持した。圧力を最大で1.83MPaに昇圧し、次いで、30分以内に0.27MPaに降圧させた。最後に、容器を冷却すると共に、残留していたHFPをベントし、および、反応器を窒素でパージした。最終溶液は7.3のpHを有していた。
【0065】
減圧中にロータリーエバポレータで水を除去して濡れた固体をもたらした。次いで、この固体を真空オーブン(0.02MPa、140℃、48時間)に入れて、219gの、およそ1重量%水を含有する白色の固体を生成した。全固形分の理論的質量は217gであった。粗HFPS−Naは、試薬グレードアセトンでの抽出、ろ過および乾燥によりさらに精製されると共に単離されることが可能である。
19F NMR(D2O)δ−74.5(m,3F);−113.1、−120.4(ABq、J=264Hz,2F);−211.6(dm,1F)。
1H NMR(D2O)δ5.8(dm,JFH=43Hz,1H)。
Mp(DSC)126℃。
TGA(空気):10%重量損失(326℃)、50%重量損失(446℃)。
TGA(N2):10%重量損失(322℃)、50%重量損失(449℃)。
【0066】
イオン性液体の調製
(E)1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート(カチオン、イミダゾリウム;アニオン、式1)の合成
1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムクロリド(22.8g、0.121モル)を、大型の丸底フラスコの中で試薬グレードアセトン(250ml)と混合すると共に激しく撹拌した。カリウム1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート(TFES−K、26.6g、0.121モル)を、別の丸底フラスコ中の試薬グレードアセトン(250ml)に添加すると共に、この溶液を、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムクロリド溶液に注意深く添加した。大型のフラスコを油浴中に下げると共に、60℃で還流下に10時間加熱した。次いで、反応混合物を、大型のフリットガラス漏斗を用いてろ過して、形成された白色KCl沈殿物を除去すると共に、濾液をロータリーエバポレータに4時間入れてアセトンを除去した。生成物を単離すると共に真空下に150℃で2日間かけて乾燥させた。
1H NMR(DMSO−d6):δ0.9(t,3H);1.3(m,2H);1.7(m,2H);2.6(s,3H);3.8(s,3H);4.1(t,2H);6.4(tt,1H);7.58(s,1H);7.62(s,1H)。
カールフィッシャー滴定による%水:0.06%。
TGA(空気):10%重量損失(375℃)、50%重量損失(415℃)。
TGA(N2):10%重量損失(395℃)、50%重量損失(425℃)。
【0067】
反応スキームは以下に示されている。
【化4】

【0068】
(F)1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート(Bmim−TFES)の合成
1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド(60.0g)および高純度乾燥アセトン(>99.5%、300ml)を1リットルフラスコ中で組み合わせると共に、固体が完全に溶解するまで磁気撹拌しながら温めて還流した。室温で、別の1リットルフラスコ中において、カリウム−1,1,2,2−テトラフルオロスルホネート(TFES−K、75.6g)を高純度乾燥アセトン(500ml)中に溶解させた。これらの2種の溶液を室温で組み合わせると共に、正圧の窒素下に2時間、磁器的に撹拌した。撹拌を停止すると共に、KCl沈殿物を沈殿させ、次いで、セライトパッドを備えるフリットガラス漏斗を通した吸引ろ過により除去した。アセトンを減圧中に除去して黄色の油を得た。この油を、高純度アセトン(100ml)で希釈すると共に脱色炭(5g)と一緒に撹拌することによりさらに精製した。混合物を再度吸引ろ過すると共に、アセトンを減圧中に除去して無色の油を得た。これを、4Paおよび25℃で6時間さらに乾燥させて生成物の83.6gを生成した。
19F NMR(DMSO−d6)δ−124.7(dt,J=6Hz、J=8Hz,2F);−136.8(dt,J=53Hz,2F)。
1H NMR(DMSO−d6)δ0.9(t,J=7.4Hz,3H);1.3(m,2H);1.8(m,2H);3.9(s,3H);4.2(t,J=7Hz,2H);6.3(dt,J=53Hz、J=6Hz,1H);7.4(s,1H);7.5(s,1H);8.7(s,1H)。
カールフィッシャー滴定による%水:0.14%。
912623Sについての分析計算:C,37.6:H,4.7:N,8.8。実験の結果:C,37.6:H,4.6:N,8.7。
TGA(空気):10%重量損失(380℃)、50%重量損失(420℃)。
TGA(N2):10%重量損失(375℃)、50%重量損失(422℃)。
【0069】
(G)1−エチル−3−メチルイミダゾリウム1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート(Emim−TFES)の合成
500mL丸底フラスコに、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド(Emim−Cl、98%、61.0g)および試薬グレードアセトン(500ml)を添加した。この混合物を、ほとんどすべてのEmim−Clが溶解するまで穏やかに温めた(50℃)。別の500mLフラスコに、カリウム1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート(TFES−K、90.2g)を試薬グレードアセトン(350ml)と一緒に添加した。この第2の混合物を、TFES−Kのすべてが溶解するまで24℃で磁器的に撹拌した。
【0070】
これらの溶液を1リットルフラスコ中で組み合わせて乳白色の懸濁液を生成した。この混合物を24℃で24時間撹拌した。次いで、KCl沈殿物を沈殿させて、清透で緑色の溶液をその上に残留させた。反応混合物を、一旦セライト/アセトンパッドを通してろ過すると共に、再度、フリットガラス漏斗を通してろ過してKClを除去した。アセトンを、最初はロトバップで、次いで、高真空ライン(4Pa、25℃)で2時間かけて減圧中で除去した。生成物は粘性で明るい黄色の油(76.0g、64%収率)であった。
19F NMR(DMSO−d6)δ−124.7(dt,JFH=6Hz、JFF=6Hz,2F);−138.4(dt,JFH=53Hz,2F)。
1H NMR(DMSO−d6)δ1.3(t,J=7.3Hz,3H);3.7(s,3H);4.0(q,J=7.3Hz,2H);6.1(tt,JFH=53Hz、JFH=6Hz,1H);7.2(s,1H);7.3(s,1H);8.5(s,1H)。
カールフィッシャー滴定による%水:0.18%。
812234Sについての分析計算:C,32.9:H,4.1:N,9.6実際:C,33.3:H,3.7:N,9.6。
Mp45〜46℃。
TGA(空気):10%重量損失(379℃)、50%重量損失(420℃)。
TGA(N2):10%重量損失(378℃)、50%重量損失(418℃)。
【0071】
反応スキームは以下に示されている。
【化5】

【0072】
(H)1−エチル−3−メチルイミダゾリウム1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンスルホネート(Emim−HFPS)の合成
1l丸底フラスコに、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド(Emim−Cl、98%、50.5g)および試薬グレードアセトン(400ml)を添加した。この混合物を、ほとんどすべてのEmim−Clが溶解するまで穏やかに温めた(50℃)。別の500mLフラスコに、カリウム1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンスルホネート(HFPS−K、92.2g)を試薬グレードアセトン(300ml)と一緒に添加した。この第2の混合物を、HFPS−Kのすべてが溶解するまで室温で磁器的に撹拌した。
【0073】
これらの溶液を組み合わせると共に、正圧のN2下に、26℃で12時間撹拌して乳白色の懸濁液を生成した。KCl沈殿物を一晩沈殿させて清透で黄色の溶液をその上に残留させた。反応混合物を、一旦セライト/アセトンパッドを通してろ過すると共に、再度、フリットガラス漏斗を通してろ過した。アセトンを、最初はロトバップで、次いで、高真空ライン(4Pa、25℃)で2時間かけて減圧中で除去した。生成物は粘性の明るい黄色の油(103.8g、89%収率)であった。
19F NMR(DMSO−d6)δ−73.8(s,3F);−114.5、−121.0(ABq、J=258Hz,2F);−210.6(m,1F,JHF=41.5Hz)。
1H NMR(DMSO−d6)δ1.4(t,J=7.3Hz,3H);3.9(s,3H);4.2(q,J=7.3Hz,2H);5.8(m,JHF=41.5Hz,1H);7.7(s,1H);7.8(s,1H);9.1(s,1H)。
カールフィッシャー滴定による%水:0.12%。
912236Sについての分析計算:C,31.5:H,3.5:N,8.2。実験の結果:C,30.9:H,3.3:N,7.8。
TGA(空気):10%重量損失(342℃)、50%重量損失(373℃)。
TGA(N2):10%重量損失(341℃)、50%重量損失(374℃)。
【0074】
反応スキームは以下に示されている。
【化6】

【0075】
(I)1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネートの合成
1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムクロリド(10g、0.0493モル)を試薬グレードアセトン(100ml)と大型の丸底フラスコ中で混合すると共に、窒素雰囲気(ブランケット)で激しく撹拌した。カリウム1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート(TFES−K、10g、0.0455モル)を別の丸底フラスコ中の試薬グレードアセトン(100ml)に添加すると共に、この溶液を、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムクロリド/アセトン混合物に注意深く添加した。混合物を一晩撹拌した。次いで、反応混合物を、大型のフリットガラス漏斗を用いてろ過して、形成された白色KCl沈殿物を除去すると共に、濾液をロータリーエバポレータに4時間入れてアセトンを除去した。
外観:室温でうすい黄色、粘性の液体。
1H NMR(DMSO−d6):δ0.9(t,3H);1.3(m,6H);1.8(m,2H);3.9(s,3H);4.2(t,2H);6.4(tt,1H);7.7(s,1H);7.8(s,1H);9.1(s,1H)。
カールフィッシャー滴定による%水:0.03%
TGA(空気):10%重量損失(365℃)、50%重量損失(410℃)。
TGA(N2):10%重量損失(370℃)、50%重量損失(415℃)。
【0076】
反応スキームは以下に示されている。
【化7】

【0077】
(J)1−ドデシル−3−メチルイミダゾリウム1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネートの合成
1−ドデシル−3−メチルイミダゾリウムクロリド(34.16g、0.119モル)を、大型の丸底フラスコ中で試薬グレードアセトン(400ml)に部分的に溶解させると共に激しく撹拌した。カリウム1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート(TFES−K、26.24g、0.119モル)を、別の丸底フラスコ中の試薬グレードアセトン(400ml)に添加すると共に、この溶液を、1−ドデシル−3−メチルイミダゾリウムクロリド溶液に注意深く添加した。反応混合物を60℃で還流下におよそ16時間加熱した。次いで、反応混合物を、大型のフリットガラス漏斗を用いてろ過して、形成された白色KCl沈殿物を除去すると共に、濾液をロータリーエバポレータに4時間入れてアセトンを除去した。
1H NMR(CD3CN):δ0.9(t,3H);1.3(m,18H);1.8(m,2H);3.9(s,3H);4.2(t,2H);6.4(tt,1H);7.7(s,1H);7.8(s,1H);9.1(s,1H)。
19F NMR(CD3CN):δ−125.3(m,2F);−137(dt,2F)。
カールフィッシャー滴定による%水:0.24%
TGA(空気):10%重量損失(370℃)、50%重量損失(410℃)。
TGA(N2):10%重量損失(375℃)、50%重量損失(410℃)。
【0078】
反応スキームは以下に示されている。
【化8】

【0079】
(K)1−ヘキサデシル−3−メチルイミダゾリウム1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネートの合成
1−ヘキサデシル−3−メチルイミダゾリウムクロリド(17.0g、0.0496モル)を、大型の丸底フラスコ中で試薬グレードアセトン(100ml)に部分的に溶解させると共に激しく撹拌した。カリウム1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート(TFES−K、10.9g、0.0495モル)を、別の丸底フラスコ中の試薬グレードアセトン(100ml)に添加すると共に、この溶液を、1−ヘキサデシル−3−メチルイミダゾリウムクロリド溶液に注意深く添加した。反応混合物を60℃で還流下におよそ16時間加熱した。次いで、反応混合物を、大型のフリットガラス漏斗を用いてろ過して、形成された白色KCl沈殿物を除去すると共に、濾液をロータリーエバポレータに4時間入れてアセトンを除去した。
【0080】
外観:室温で白色の固体。
1H NMR(CD3CN):δ0.9(t,3H);1.3(m,26H);1.9(m,2H);3.9(s,3H);4.2(t,2H);6.3(tt,1H);7.4(s,1H);7.4(s,1H);8.6(s,1H)。
19F NMR(CD3CN):δ−125.2(m,2F);−136.9(dt,2F)。
カールフィッシャー滴定による%水:200ppm。
TGA(空気):10%重量損失(360℃)、50%重量損失(395℃)。
TGA(N2):10%重量損失(370℃)、50%重量損失(400℃)
【0081】
反応スキームは以下に示されている。
【化9】

【0082】
(L)1−オクタデシル−3−メチルイミダゾリウム1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネートの合成
1−オクタデシル−3−メチルイミダゾリウムクロリド(17.0g、0.0458モル)を、大型の丸底フラスコ中で試薬グレードアセトン(200ml)に部分的に溶解させると共に激しく撹拌した。カリウム1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート(TFES−K、10.1g、0.0459モル)を、別の丸底フラスコ中の試薬グレードアセトン(200ml)に添加すると共に、この溶液を、1−オクタデシル−3−メチルイミダゾリウムクロリド溶液に注意深く添加した。反応混合物を60℃で還流下におよそ16時間加熱した。次いで、反応混合物を、大型のフリットガラス漏斗を用いてろ過して、形成された白色KCl沈殿物を除去すると共に、濾液をロータリーエバポレータに4時間入れてアセトンを除去した。
1H NMR(CD3CN):δ0.9(t,3H);1.3(m,30H);1.9(m,2H);3.9(s,3H);4.1(t,2H);6.3(tt,1H);7.4(s,1H);7.4(s,1H);8.5(s,1H)。
19F NMR(CD3CN):δ−125.3(m,2F);−136.9(dt,2F)。
カールフィッシャー滴定による%水:0.03%。
TGA(空気):10%重量損失(360℃)、50%重量損失(400℃)。
TGA(N2):10%重量損失(365℃)、50%重量損失(405℃)。
【0083】
反応スキームは以下に示されている。
【化10】

【0084】
(M)N−(1,1,2,2−テトラフルオロエチル)プロピルイミダゾール1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネートの合成
イミダゾール(19.2g)をテトラヒドロフラン(80ml)に添加した。ガラスシェーカーチューブ反応容器にTHF含有イミダゾール溶液を充填した。容器を18℃に冷却し、0.08MPaに排気し、および窒素でパージした。排気/パージサイクルをさらに2回繰り返した。次いで、テトラフルオロエチレン(TFE、5g)をこの容器に添加すると共に、これを100℃に加熱し、この時点で内圧は約0.72MPaであった。反応によりTFE圧力が低下するに伴って、およそ0.34MPaおよび0.86MPaに操作圧を維持するために、さらなるTFEを少量ずつ(各5g)添加した。一旦、40gのTFEを供給したら、容器をベントすると共に25℃に冷却した。次いで、THFを真空下に除去すると共に、生成物を40℃で真空蒸留して、1Hおよび19F NMR(収率44g)によって示されているとおり純粋な生成物を得た。ヨードプロパン(16.99g)を乾燥アセトニトリル(100ml)中の1−(1,1,2,2−テトラフルオロエチル)イミダゾール(16.8g)と混合し、この混合物を3日間還流した。溶剤を減圧中で除去して黄色のワックス状の固体(収率29g)を得た。生成物、1−プロピル−3−(1,1,2,2−テトラフルオロエチル)イミダゾリウムヨージドを1H NMR(dアセトニトリル中)により確認した[0.96(t,3H);1.99(m,2H);4.27(t,2H);6.75(t,1H);7.72(d,2H);9.95(s,1H)]。
【0085】
次いで、ヨウ化物(24g)を60mLの乾燥アセトンに添加し、続いて75mLの乾燥アセトン中の15.4gのカリウム1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネートを添加した。混合物を60℃で一晩加熱して、濃密な白色の沈殿物を形成した(ヨウ化カリウム)。混合物を冷却し、ろ過し、およびロータリーエバポレータを用いて濾液から溶剤を除去した。いくらかのさらなるヨウ化カリウムをろ過で除去した。生成物を、50gのアセトン、1gのチャコール、1gのセライトおよび1gのシリカゲルを添加することによりさらに精製した。混合物を2時間撹拌し、ろ過し、および、溶剤を除去した。これは、NMRにより所望の生成物であると示された15gの液体をもたらした。
【0086】
(N)1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンスルホネート(Bmim−HFPS)の合成
1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド(Bmim−Cl、50.0g)および高純度乾燥アセトン(>99.5%、500ml)を1リットルフラスコ中で組み合わせると共に、固体のすべてが溶解するまで磁気撹拌しながら温めて還流した。室温で、別の1リットルフラスコ中において、カリウム−1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンスルホネート(HFPS−K)を高純度乾燥アセトン(550ml)中に溶解させた。これらの2種の溶液を室温で組み合わせると共に、正圧の窒素下に12時間、磁器的に撹拌した。撹拌を停止させて、KCl沈殿物を沈殿させた。この固体を、セライトパッドを備えるフリットガラス漏斗を通した吸引ろ過により除去した。アセトンを減圧中に除去して黄色の油を得た。この油を、高純度アセトン(100ml)で希釈すると共に脱色炭(5g)と一緒に撹拌することによりさらに精製した。混合物を吸引ろ過すると共に、アセトンを減圧中に除去して無色の油を得た。これを、4Paおよび25℃で2時間さらに乾燥させて68.6gの生成物を生成した。
19F NMR(DMSO−d6)δ−73.8(s,3F);−114.5、−121.0(ABq、J=258Hz,2F);−210.6(m,J=42Hz,1F)。
1H NMR(DMSO−d6)δ0.9(t,J=7.4Hz,3H);1.3(m,2H);1.8(m,2H);3.9(s,3H);4.2(t,J=7Hz,2H);5.8(dm,J=42Hz,1H);7.7(s,1H);7.8(s,1H);9.1(s,1H)。
カールフィッシャー滴定による%水:0.12%。
912623Sについての分析計算:C,35.7:H,4.4:N,7.6。実験の結果:C,34.7:H,3.8:N,7.2。
TGA(空気):10%重量損失(340℃)、50%重量損失(367℃)。
TGA(N2):10%重量損失(335℃)、50%重量損失(361℃)。
イオンクロマトグラフィにより抽出可能な塩化物:27ppm。
【0087】
(O)1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム1,1,2−トリフルオロ−2−(トリフルオロメトキシ)エタンスルホネート(Bmim−TTES)の合成
1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド(Bmim−Cl、10.0g)および脱イオン水(15ml)を、室温で200mLフラスコ中で組み合わせた。室温で、別の200mLフラスコ中において、カリウム1,1,2−トリフルオロ−2−(トリフルオロメトキシ)エタンスルホネート(TTES−K、16.4g)を脱イオン水(90ml)中に溶解させた。これらの2種の溶液を室温で組み合わせると共に、正圧の窒素下に30分間磁器的に撹拌して、所望のイオン性液体を下相として有する二相性混合物をもたらした。これらの層を分離すると共に、水性相を2×50mL分量の塩化メチレンで抽出した。組み合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、および減圧中で濃縮した。無色の油生成物を4時間かけて、5Paおよび25℃で乾燥させて、15.0gの生成物を得た。
19F NMR(DMSO−d6)δ−56.8(d,JFH=4Hz,3F);−119.5、−119.9(サブスプリットABq、J=260Hz,2F);−142.2(dm,JFH=53Hz,1F)。
1H NMR(DMSO−d6)δ0.9(t,J=7.4Hz,3H);1.3(m,2H);1.8(m,2H);3.9(s,3H);4.2(t,J=7.0Hz,2H);6.5(dt,J=53Hz、J=7Hz,1H);7.7(s,1H);7.8(s,1H);9.1(s,1H)。
カールフィッシャー滴定による%水:613ppm。
1116624Sについての分析計算:C,34.2:H,4.2:N,7.3。実験の結果:C,34.0:H,4.0:N,7.1。
TGA(空気):10%重量損失(328℃)、50%重量損失(354℃)。
TGA(N2):10%重量損失(324℃)、50%重量損失(351℃)。
イオンクロマトグラフィにより抽出可能な塩化物:<2ppm。
【0088】
(P)1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム1,1,2−トリフルオロ−2−(パーフルオロエトキシ)エタンスルホネート(Bmim−TPES)の合成
1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド(Bmim−Cl、7.8g)および乾燥アセトン(150ml)を、室温で、500mLフラスコ中で組み合わせた。室温で、別の200mLフラスコ中において、カリウム1,1,2−トリフルオロ−2−(パーフルオロエトキシ)エタンスルホネート(TPES−K、15.0g)を乾燥アセトン(300ml)中に溶解させた。これらの2種の溶液を組み合わせると共に、正圧の窒素下に12時間、磁器的に撹拌した。次いで、KCl沈殿物を沈殿させて、無色の溶液をその上に残留させた。反応混合物を、一旦セライト/アセトンパッドを通してろ過すると共に、再度、フリットガラス漏斗を通してろ過してKClを除去した。アセトンを、最初はロトバップで、次いで、高真空ライン(4Pa、25℃)で2時間かけて減圧中で除去した。残存KClが未だ溶液から析出していたため、塩化メチレン(50ml)を粗生成物に添加し、次いで、これを、脱イオン水(2×50ml)で洗浄した。溶液を硫酸マグネシウムで乾燥させ、および溶剤を減圧中で除去して、生成物を粘性で明るい黄色の油として得た(12.0g、62%収率)。
19F NMR(CD3CN)δ−85.8(s,3F);−87.9、−90.1(サブスプリットABq、JFF=147Hz,2F);−120.6、−122.4(サブスプリットABq、JFF=258Hz,2F);−142.2(dm,JFH=53Hz,1F)。
1H NMR(CD3CN)δ1.0(t,J=7.4Hz,3H);1.4(m,2H);1.8(m,2H);3.9(s,3H);4.2(t,J=7.0Hz,2H);6.5(dm,J=53Hz,1H);7.4(s,1H);7.5(s,1H);8.6(s,1H)。
カールフィッシャー滴定による%水:0.461。
1216824Sについての分析計算:C,33.0:H,3.7。実験の結果:C,32.0:H,3.6。
TGA(空気):10%重量損失(334℃)、50%重量損失(353℃)。
TGA(N2):10%重量損失(330℃)、50%重量損失(365℃)。
【0089】
(Q)テトラデシル(トリ−n−ブチル)ホスホニウム1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンスルホネート([4.4.4.14]P−HFPS)の合成
4l丸底フラスコに、イオン性液体テトラデシル(トリ−n−ブチル)ホスホニウムクロリド(Cyphos(登録商標) IL 167、345g)および脱イオン水(1000ml)を添加した。混合物を単一の相になるまで磁器的に撹拌した。別の2リットルフラスコ中において、カリウム1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンスルホネート(HFPS−K、214.2g)を脱イオン水(1100ml)中に溶解させた。これらの溶液を組み合わせると共に、正圧のN2下に、26℃で1時間撹拌して乳白色の油を生成した。油を徐々に固化(439g)させると共に、これを吸引ろ過で除去し、次いで、クロロホルム(300ml)中に溶解させた。残留した水性層(pH=2)をクロロホルム(100ml)で1回抽出した。クロロホルム層を組み合わせ、水性炭酸ナトリウム溶液(50ml)で洗浄して、酸性不純物をすべて除去した。次いで、これらを硫酸マグネシウムで乾燥させ、吸引ろ過すると共に、最初はロトバップで、次いで、高真空ライン(4Pa、100℃)で16時間かけて減圧中で減少させて、白色の固体として最終生成物を得た(380g、76%収率)。
19F NMR(DMSO−d6)δ−73.7(s,3F);−114.6、−120.9(ABq、J=258Hz,2F);−210.5(m,JHF=41.5Hz,1F)。
1H NMR(DMSO−d6)δ0.8(t,J=7.0Hz,3H);0.9(t,J=7.0Hz,9H);1.3(br s,20H);1.4(m,16H);2.2(m,8H);5.9(m,JHF=42Hz,1H)。
カールフィッシャー滴定による%水:895ppm。
295763PSについての分析計算:C,55.2:H,9.1:N,0.0。実験結果:C,55.1:H,8.8:N,0.0。
TGA(空気):10%重量損失(373℃)、50%重量損失(421℃)。
TGA(N2):10%重量損失(383℃)、50%重量損失(436℃)。
【0090】
(R)テトラデシル(トリ−n−ヘキシル)ホスホニウム1,1,2−トリフルオロ−2−(パーフルオロエトキシ)エタンスルホネート([6.6.6.14]P−TPES)の合成
500mL丸底フラスコに、アセトン(分光学的グレード、50ml)およびイオン性液体テトラデシル(トリ−n−ヘキシル)ホスホニウムクロリド(Cyphos(登録商標) IL 101、33.7g)を添加した。混合物を単一の相となるまで磁器的に撹拌した。別の1リットルフラスコ中において、カリウム1,1,2−トリフルオロ−2−(パーフルオロエトキシ)エタンスルホネート(TPES−K、21.6g)をアセトン(400ml)中に溶解させた。これらの溶液を組み合わせると共に、正圧のN2下に、26℃で12時間撹拌してKClの白色の沈殿物を生成した。沈殿物を吸引ろ過により除去すると共に、アセトンをロトバップで減圧中で除去して濁った油として粗生成物(48g)を生成した。クロロホルム(100ml)を添加し、および、溶液を脱イオン水(50ml)で一回洗浄した。次いで、これを硫酸マグネシウムで乾燥させると共に、最初はロトバップで減圧中で、次いで、高真空ライン(8Pa、24℃)で8時間かけて低減させて、わずかに黄色の油として最終生成物(28g、56%収率)を得た。
19F NMR(DMSO−d6)δ−86.1(s,3F);−88.4、−90.3(サブスプリットABq、JFF=147Hz,2F);−121.4、−122.4(サブスプリットABq、JFF=258Hz,2F);−143.0(dm,JFH=53Hz,1F)。
1H NMR(DMSO−d6)δ0.9(m,12H);1.2(m,16H);1.3(m,16H);1.4(m,8H);1.5(m,8H);2.2(m,8H);6.3(dm,JFH=54Hz,1H)。
カールフィッシャー滴定による%水:0.11。
366984PSについての分析計算:C,55.4:H,8.9:N,0.0。実験の結果:C,55.2:H,8.2:N,0.1。
TGA(空気):10%重量損失(311℃)、50%重量損失(339℃)。
TGA(N2):10%重量損失(315℃)、50%重量損失(343℃)。
【0091】
(S)テトラデシル(トリ−n−ヘキシル)ホスホニウム1,1,2−トリフルオロ−2−(トリフルオロメトキシ)エタンスルホネート([6.6.6.14]P−TTES)の合成
100mL丸底フラスコに、アセトン(分光学的グレード、50ml)およびイオン性液体テトラデシル(トリ−n−ヘキシル)ホスホニウムクロリド(Cyphos(登録商標) IL 101、20.2g)を添加した。混合物を単一の相となるまで磁器的に撹拌した。別の100mLフラスコ中において、カリウム1,1,2−トリフルオロ−2−(トリフルオロメトキシ)エタンスルホネート(TTES−K、11.2g)をアセトン(100ml)中に溶解させた。これらの溶液を組み合わせると共に、正圧のN2下に、26℃で12時間撹拌してKClの白色の沈殿物を生成した。
【0092】
沈殿物を吸引ろ過により除去すると共に、アセトンをロトバップで減圧中で除去して濁った油として粗生成物を生成した。生成物をエチルエーテル(100ml)で希釈し、次いで、脱イオン水(50ml)で一回、水性炭酸ナトリウム溶液(50ml)で2回洗浄してすべての酸性不純物を除去すると共に、脱イオン水(50ml)でさらに2回洗浄した。次いで、エーテル溶液を硫酸マグネシウムで乾燥させ、最初はロトバップで、次いで、高真空ライン(4Pa、24℃)で8時間かけて減圧中で減少させて油として最終生成物(19.0g、69%収率)を得た。
19F NMR(CD2Cl2)δ−60.2(d,JFH=4Hz,3F);−120.8、−125.1(サブスプリットABq、J=260Hz,2F);−143.7(dm,JFH=53Hz,1F)。
1H NMR(CD2Cl2)δ0.9(m,12H);1.2(m,16H);1.3(m,16H);1.4(m,8H);1.5(m,8H);2.2(m,8H);6.3(dm,JFH=54Hz,1H)。
カールフィッシャー滴定による%水:412ppm。
356964PSについての分析計算:C,57.5:H,9.5:N,0.0。実験結果:C,57.8:H,9.3:N,0.0。
TGA(空気):10%重量損失(331℃)、50%重量損失(359℃)。
TGA(N2):10%重量損失(328℃)、50%重量損失(360℃)。
【0093】
(T)1−エチル−3−メチルイミダゾリウム1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ペンタフルオロエトキシ)スルホネート(Emim−TPENTAS)の合成
500mL丸底フラスコに、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド(Emim−Cl、98%、18.0g)および試薬グレードアセトン(150ml)を添加した。この混合物を、すべてのEmim−Clが溶解するまで穏やかに温めた(50℃)。別の500mLフラスコ中において、カリウム1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ペンタフルオロエトキシ)スルホネート(TPENTAS−K、43.7g)を試薬グレードアセトン(450ml)中に溶解させた。
【0094】
これらの溶液を1リットルフラスコ中で組み合わせて白色の沈殿物を生成した(KCl)。この混合物を24℃で8時間撹拌した。次いで、KCl沈殿物を沈殿させて、清透で黄色の溶液をその上に残留させた。KClを、セライト/アセトンパッドを通したろ過により除去した。アセトンを減圧中に除去して黄色の油を得、次いで、これをクロロホルム(100ml)で希釈した。クロロホルムを脱イオン水(50ml)で3回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、および最初はロトバップで、次いで、高真空ライン(4Pa、25℃)で8時間かけて減圧中で減少させた。生成物は明るい黄色の油(22.5g)であった。
19F NMR(DMSO−d6)δ−82.9(m,2F);−87.3(s,3F);−89.0(m,2F);−118.9(s,3F)。
1H NMR(DMSO−d6)δ1.5(t,J=7.3Hz,3H);3.9(s,3H);4.2(q,J=7.3Hz,2H);7.7(s,1H);7.8(s,1H);9.1(s,1H)。
カールフィッシャー滴定による%水:0.17%。
1011249Sについての分析計算:C,28.2:H,2.6:N,6.6実験結果:C,28.1:H,2.9:N,6.6。
TGA(空気):10%重量損失(351℃)、50%重量損失(401℃)。
TGA(N2):10%重量損失(349℃)、50%重量損失(406℃)。
【0095】
(U)テトラブチルホスホニウム1,1,2−トリフルオロ−2−(パーフルオロエトキシ)エタンスルホネート(TBP−TPES)の合成
200mL丸底フラスコに、脱イオン水(100ml)およびテトラ−n−ブチルホスホニウムブロミド(Cytec Canada Inc.、20.2g)を添加した。混合物を固体のすべてが溶解するまで磁器的に撹拌した。別の300mLフラスコ中において、カリウム1,1,2−トリフルオロ−2−(パーフルオロエトキシ)エタンスルホネート(TPES−K、20.0g)を70℃に加熱した脱イオン水(400ml)に溶解させた。これらの溶液を組み合わせると共に、正圧のN2下に、26℃で2時間撹拌して油状の下層を生成した。生成物油層を分離すると共に、クロロホルム(30ml)で希釈し、次いで、水性炭酸ナトリウム溶液(4ml)で一回洗浄してすべての酸性不純物を除去し、および脱イオン水(20ml)で三回洗浄した。次いで、これを硫酸マグネシウムで乾燥させると共に、最初はロトバップで、次いで、高真空ライン(8Pa、24℃)で2時間かけて減少させて、無色の油として最終生成物(28.1g、85%収率)を得た。
19F NMR(CD2Cl2)δ−86.4(s,3F);−89.0、−90.8(サブスプリットABq、JFF=147Hz,2F);−119.2、−125.8(サブスプリットABq、JFF=254Hz,2F);−141.7(dm,JFH=53Hz,1F)。
1H NMR(CD2Cl2)δ1.0(t,J=7.3Hz,12H);1.5(m,16H);2.2(m,8H);6.3(dm,JFH=54Hz,1H)。
カールフィッシャー滴定による%水:0.29。
203784PSについての分析計算:C,43.2:H,6.7:N,0.0。実験結果:C,42.0:H,6.9:N,0.1。
イオンクロマトグラフィにより抽出可能な臭化物:21ppm。
【0096】
(V)(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル)−トリオクチルホスホニウム1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネートの合成
トリオクチルホスフィン(31g)を、大型の丸底フラスコ中で試薬グレードアセトニトリル(250ml)に部分的に溶解させると共に激しく撹拌した。1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−トリデカフルオロ−8−ヨードオクタン(44.2g)を添加すると共に、この混合物を110℃で還流下で24時間加熱した。溶剤を真空下で除去して(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル)−トリオクチルホスホニウムヨージドをワックス状の固体(30.5g)として得た。カリウム1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート(TFES−K、13.9g)を別の丸底フラスコの中で試薬グレードアセトン(100ml)中に溶解させ、これに、(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル)−トリオクチルホスホニウムヨージド(60g)を添加した。反応混合物を60℃で還流下におよそ16時間加熱した。次いで、反応混合物を、大型のフリットガラス漏斗を用いてろ過して形成された白色のKI沈殿物を除去し、および、濾液をロータリーエバポレータに4時間入れてアセトンを除去した。液体を24時間室温で静置し、次いで、(KIを除去するために)再度ろ過してプロトンNMRによって示される生成物(62g)を得た。
【0097】
(W)1−メチル−3−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル)イミダゾリウム1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネートの合成
1−メチルイミダゾール(4.32g、0.52mol)を、大型の丸底フラスコ中で試薬グレードトルエン(50ml)に部分的に溶解させると共に激しく撹拌した。1,1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−トリデカフルオロ−8−ヨードオクタン(26g、0.053mol)を添加すると共に、混合物を110℃で還流下に24時間加熱した。溶剤を真空下で除去して1−メチル−3−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル)イミダゾリウムヨージド(30.5g)をワックス状の固体として得た。カリウム1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート(TFES−K、12g)を、別の丸底フラスコ中の試薬グレードアセトン(100ml)に添加すると共に、この溶液を、アセトン(50ml)中に溶解しておいた1−メチル−3−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル)イミダゾリウムヨージドに注意深く添加した。反応混合物を還流下でおよそ16時間加熱した。次いで、反応混合物を、大型のフリットガラス漏斗を用いてろ過して形成された白色のKI沈殿物を除去すると共に、濾液をロータリーエバポレータに4時間入れてアセトンを除去した。次いで、油状の液体を再度ろ過して、プロトンNMRによって示される生成物を得た。
【0098】
実施例1:イソブタノールのジブチルエーテルへの転化
イソブタノール(30g)、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート(5g)、および1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホン酸(0.6g)が200mLシェーカーチューブに入れられる。チューブは、加圧下に振盪されながら6時間、180℃で加熱される。次いで、容器は室温に冷却されると共に圧力が解放される。加熱する前には、構成成分は単一の液体相として存在しているが、しかしながら液体は、構成成分の反応および冷却の後に2相系となった。上相は、10%未満のイソブタノールと共にジブチルエーテルを主に含有することが予期される。下相は、1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホン酸、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、および水を含有することが予期される。イソブタノールの転化はNMRでの計測で約90%と予期される。2つの液体相はきわめて明瞭であると共に数分間(<5分間)以内に分離することが予期される。
【0099】
実施例2:イソブタノールのジブチルエーテルへの転化
イソブタノール(60g)、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート(10g)、および1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホン酸(1.0g)が200mLシェーカーチューブに入れられる。チューブは、加圧下に振盪されながら6時間、180℃で加熱される。加熱する前には、構成成分は単一の液体相として存在している。構成成分を反応および冷却させた後、液体は2相系となった。上相は、25%未満のイソブタノールと共に75%超のジブチルエーテルを含有するが、計測可能な量ではイオン性液体または触媒を含有しないと予期される。下相は、1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホン酸、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、水、ならびに、イオン性液体、酸触媒、水およびイソブタノールの合計重量に対して約10重量%のイソブタノールを含有すると示される。イソブタノールの転化は約90%であると推定される。2つの液体相はきわめて明瞭であると共に数分間(<5分間)以内に分離することが予期される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)イソブタノールを少なくとも1種の均質酸触媒と、少なくとも1種のイオン性液体の存在下に接触させて、(i)ジブチルエーテルを含む反応混合物のジブチルエーテル相および(ii)反応混合物のイオン性液体相を形成する工程;ならびに、(b)反応混合物のジブチルエーテル相を反応混合物のイオン性液体相から分離して、ジブチルエーテル生成物を回収する工程を含む、反応混合物中でジブチルエーテルを調製する方法であって;イオン性液体は、式Z+-の構造により表され、式中、Z+は:
【化1】

【化2】

(式中、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は:
(i)H
(ii)ハロゲン
(iii)Cl、Br、F、I、OH、NH2およびSHからなる群から選択される少なくとも1種の構成要素で置換されていてもよい−CH3、−C25、またはC3〜C25直鎖、分岐または環状アルカンまたはアルケン;
(iv)O、N、SiおよびSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含むと共に、Cl、Br、F、I、OH、NH2およびSHからなる群から選択される少なくとも1種の構成要素で置換されていてもよい−CH3、−C25、またはC3〜C25直鎖、分岐または環状アルカンまたはアルケン;
(v)O、N、SiおよびSからなる群から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC6〜C25非置換アリールまたは非置換ヘテロアリール;ならびに
(vi)O、N、SiおよびSからなる群から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC6〜C25置換アリールまたは置換ヘテロアリールであって;
(1)Cl、Br、F、I、OH、NH2およびSHからなる群から選択される少なくとも1種の構成要素で置換されていてもよい−CH3、−C25、またはC3〜C25直鎖、分岐または環状アルカンまたはアルケン、
(2)OH、
(3)NH2、および
(4)SH
からなる群から独立して選択される1〜3個の置換基を有する置換アリールまたは置換ヘテロアリール;
からなる群から独立して選択され、
7、R8、R9およびR10は:
(vii)Cl、Br、F、I、OH、NH2およびSHからなる群から選択される少なくとも1種の構成要素で置換されていてもよい−CH3、−C25、またはC3〜C25直鎖、分岐または環状アルカンまたはアルケン;
(viii)O、N、SiおよびSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含むと共に、Cl、Br、F、I、OH、NH2およびSHからなる群から選択される少なくとも1種の構成要素で置換されていてもよい−CH3、−C25、またはC3〜C25直鎖、分岐または環状アルカンまたはアルケン;
(ix)O、N、SiおよびSからなる群から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC6〜C25非置換アリール、またはC3〜C25非置換ヘテロアリール;ならびに
(x)O、N、SiおよびSからなる群から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC6〜C25置換アリール、またはC3〜C25置換ヘテロアリールであって;
(1)Cl、Br、F、I、OH、NH2およびSHからなる群から選択される少なくとも1種の構成要素で置換されていてもよい−CH3、−C25、またはC3〜C25直鎖、分岐または環状アルカンまたはアルケン、
(2)OH、
(3)NH2、および
(4)SH
からなる群から独立して選択される1〜3個の置換基を有する置換アリールまたは置換ヘテロアリール;
からなる群から独立して選択され、
式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9およびR10の少なくとも2つは、単環状あるいは二環状アルカニルまたはアルケニル基を一緒に形成することが可能である)
からなる群から選択されるカチオンであり;ならびに
式中、A-は、R11−SO3-および(R12−SO22-からなる群から選択されるアニオンであり;R11およびR12は:
(a)Cl、Br、F、I、OH、NH2およびSHからなる群から選択される少なくとも1種の構成要素で置換されていてもよい−CH3、−C25、またはC3〜C25直鎖、分岐または環状アルカンまたはアルケン;
(b)O、N、SiおよびSからなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含むと共に、Cl、Br、F、I、OH、NH2およびSHからなる群から選択される少なくとも1種の構成要素で置換されていてもよい−CH3、−C25、またはC3〜C25直鎖、分岐または環状アルカンまたはアルケン;
(c)O、N、SiおよびSからなる群から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC6〜C25非置換アリールまたは非置換ヘテロアリール;ならびに
(d)O、N、SiおよびSからなる群から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するC6〜C25置換アリールまたは置換ヘテロアリールであって;
(1)Cl、Br、F、I、OH、NH2およびSHからなる群から選択される少なくとも1種の構成要素で置換されていてもよい−CH3、−C25、またはC3〜C25直鎖、分岐または環状アルカンまたはアルケン、
(2)OH、
(3)NH2、および
(4)SH
からなる群から独立して選択される1〜3個の置換基を有する置換アリールまたは置換ヘテロアリール:
からなる群から独立して選択される方法。
【請求項2】
-が、[CH3OSO3-、[C25OSO3-、[CF3SO3-、[HCF2CF2SO3-、[CF3HFCCF2SO3-、[HCClFCF2SO3-、[(CF3SO22N]-、[(CF3CF2SO22N]-、[CF3OCFHCF2SO3-、[CF3CF2OCFHCF2SO3-、[CF3CFHOCF2CF2SO3-、[CF2HCF2OCF2CF2SO3-、[CF2ICF2OCF2CF2SO3-、[CF3CF2OCF2CF2SO3-、および[(CF2HCF2SO22N]-、および[(CF3CFHCF2SO22N]-からなる群から選択されるアニオンである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
イオン性液体が、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−ブチル−メチルイミダゾリウム1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンスルホネート、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−ドデシル−3−メチルイミダゾリウム1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−ヘキサデシル−3−メチルイミダゾリウム1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−オクタデシル−3−メチルイミダゾリウム1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、N−(1,1,2,2−テトラフルオロエチル)プロピルイミダゾール1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、N−(1,1,2,2−テトラフルオロエチル)エチルペルフルオロヘキシルイミダゾール1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンスルホネート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム1,1,2−トリフルオロ−2−(トリフルオロメトキシ)エタンスルホネート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム1,1,2−トリフルオロ−2−(パーフルオロエトキシ)エタンスルホネート、テトラデシル(トリ−n−ヘキシル)ホスホニウム1,1,2−トリフルオロ−2−(パーフルオロエトキシ)エタンスルホネート、テトラデシル(トリ−n−ブチル)ホスホニウム1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンスルホネート、テトラデシル(トリ−n−ヘキシル)ホスホニウム1,1,2−トリフルオロ−2−(トリフルオロメトキシ)エタンスルホネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ペンタフルオロエトキシ)スルホネート、(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル)−トリオクチルホスホニウム1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、1−メチル−3−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル)イミダゾリウム1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、およびテトラ−n−ブチルホスホニウム1,1,2−トリフルオロ−2−(パーフルオロエトキシ)エタンスルホネートからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
均質酸触媒が約4未満のpKaを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
反応混合物が、存在するイソブタノールの重量に対する重量基準で、約0.1%以上の量、さらには約25%以下の量でイオン性液体を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
均質酸触媒が、無機酸、有機スルホン酸、ヘテロポリ酸、フルオロアルキルスルホン酸、金属スルホン酸塩、金属トリフルオロ酢酸塩、これらの化合物およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
均質酸触媒が、硫酸、フルオロスルホン酸、亜リン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ノナフルオロブタンスルホン酸、1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホン酸、1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンスルホン酸、ビスマストリフレート、イットリウムトリフレート、イッテルビウムトリフレート、ネオジムトリフレート、ランタントリフレート、スカンジウムトリフレート、およびジルコニウムトリフレートからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
反応混合物が、存在するイソブタノールの重量に対する重量基準で、約0.1%以上の量、さらには約20%以下の量で触媒を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
不活性雰囲気下で実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
ジブチルエーテル生成物が気相中にある、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
イオン性液体相が触媒残渣を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
分離されたイオン性液体相が反応混合物に再利用される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
水が分離されたイオン性液体相から除去される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
反応が、約50℃〜約300℃の温度および約0.1MPa〜約20.7MPaの圧力で生じる、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
反応が、約50℃〜約300℃の温度および約0.1MPa〜約20.7MPaの圧力で生じ、ならびに、イオン性液体が1−エチル−3−メチルイミダゾリウム1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネートである、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
反応が、約50℃〜約300℃の温度および約0.1MPa〜約20.7MPaの圧力で生じ、イオン性液体が1−エチル−3−メチルイミダゾリウム1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネートであり、ならびに、均質酸触媒が1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホン酸である、請求項1に記載の方法。

【公表番号】特表2010−538084(P2010−538084A)
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−524158(P2010−524158)
【出願日】平成20年9月5日(2008.9.5)
【国際出願番号】PCT/US2008/075305
【国際公開番号】WO2009/032962
【国際公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】