説明

イメージスキャナ

【課題】 装置の小型化および読み取りの高速化を図ることができるイメージスキャナの提供。
【解決手段】 筐体2の上面に設けられた原稿台3上の原稿に、反射ミラー6の周囲に設けられた照明装置9a,9bで照明する。原稿からの反射光は反射ミラー6,7によって、その光路が筐体上面と筐体底面との間で往復するように折り曲げられるように反射され、撮像部8に入射する。その結果、装置の厚さ方向寸法を小さくすることができる。反射ミラー6,7は縮小反射光学系を構成しており、反射ミラー6を筐体底面に垂直投影したときの大きさは、原稿台3を筐体底面に垂直投影したときの大きさよりも小さくなる。そのため、照明装置9a,9bを反射ミラー6の周囲に近接して設けることにより、装置の平面寸法(設置面積)を小さくすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿等を読み取るイメージスキャナに関する。
【背景技術】
【0002】
用紙に印刷された画像や文字を読み取る装置としては、フラットベッド型スキャナが一般的に知られている(例えば、特許文献1)。フラットベッド型スキャナでは、ラインセンサを走査することによって、原稿全体を読み取るようにしている。また、ラインセンサに代えてエリアセンサを用いたスキャナも提案されている(例えば、特許文献2)。
【0003】
【特許文献1】特開平6−6546号公報
【特許文献2】特開平4−235455号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ラインセンサを用いたスキャナでは、ラインセンサを走査して原稿を読み取るため読み取り時間がかかる。また、エリアセンサを用いたスキャナでは、原稿とエリアセンサとの距離をとる必要があり、装置が大きくなってしまうという欠点があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明によるイメージスキャナは、装置筐体の上面に設けられて、原稿がセットされる原稿台と、原稿台にセットされた原稿を筐体下方から照明する照明装置と、2次元型撮像素子と、照明装置で照明された原稿からの反射光を筐体上面方向に反射する第1のミラー、および第1のミラーで反射された光を筐体底面方向へ反射する第2のミラーを少なくとも有し、原稿からの反射光を撮像素子に導く縮小反射光学系とを備え、照明装置は第1のミラーの側方に近接して設けられ、照明光を原稿に対して斜入射することを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載のイメージスキャナにおいて、撮像素子の撮像データに基づいて原稿の画像を表示する表示部を備えたものである。
なお、請求項3の発明のように、請求項1または2に記載のイメージスキャナにおいて、2次元型撮像素子およびデジタルカメラを択一的に装着する装着部を備え、装着部に装着された2次元型撮像素子およびデジタルカメラのいずれか一方により、原稿台にセットされた原稿を撮像して読み取るようにしても良い。
請求項4の発明によるイメージスキャナは、装置筐体の上面に設けられて、原稿がセットされる原稿台と、原稿台にセットされた原稿を筐体下方から照明する照明装置と、デジタルカメラが着脱可能な装着部と、照明装置で照明された原稿からの反射光を筐体上面方向に反射する第1のミラー、および第1のミラーで反射された光を筐体底面方向へ反射する第2のミラーを少なくとも有し、原稿からの反射光を装着部に装着されたデジタルカメラに導く縮小反射光学系とを備え、照明装置は第1のミラーの側方に近接して設けられ、照明光を前記原稿に対して斜入射することを特徴とする。
なお、請求項5の発明のように、請求項3または4に記載のイメージスキャナにおいて、デジタルカメラで撮像する場合の撮像条件が記憶されている記憶部と、装着部に装着されたデジタルカメラの撮像条件を記憶部に記憶された撮像条件に設定する設定手段とを備えるようにしても良いし、請求項6の発明のように、撮像条件を表す表示が印刷されたチャートをデジタルカメラで撮像して読み込んだ画像に基づいて、デジタルカメラの撮像条件を設定する設定手段を備えるようにしても良い。
請求項7の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載のイメージスキャナにおいて、第1のミラーは入射した光の一部を透過するミラーであって、第1のミラーと対向する筐体底部の少なくとも一部を透明部材で形成したものである。
請求項8の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載のイメージスキャナにおいて、照明装置の少なくとも一部を、原稿台を筐体底面に投影したときの投影領域に重複して配置したものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、原稿からの反射光を筐体上面方向に反射する第1のミラーと、第1のミラーで反射された光を筐体底面方向へ反射する第2のミラーとを少なくとも有する縮小反射光学系により、原稿からの反射光を撮像素子に導くようにしたので、イメージスキャナの小型化・高速化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
−第1の実施の形態−
図1,2は本発明によるイメージスキャナの第1の実施の形態を示す図である。図1はイメージスキャナ1の断面図であり、図2はイメージスキャナ1の平面図である。図2では、装置内部の配置がわかりやすいように透視図としており、カバーの図示は省略した。
【0008】
図1,2に示すイメージスキャナ1は従来のフラットベッド型スキャナと同様の筐体2を有しており、筐体上面には原稿が載置される透明な原稿台3が設けられている。原稿台3はガラス板等の透明部材より成る。筐体上面には開閉可能なカバー4が設けられており、カバー4を閉じることにより原稿が原稿台3に固定される。カバー4の裏面側、すなわち原稿台3と対向する面にはシェーディング補正等に用いる白基準板5が固定されている。原稿台3に原稿を載置せずにこの白基準板5を読み取ることにより、シェーディング補正などの各種補正を行うことができる。
【0009】
筐体2内の原稿台3の下方には、平面状の反射ミラー6が設けられている。反射ミラー6は、図1に示すように図示右端部位置が左端部よりも上方となるように配置されており、反射面に垂直な法線方向は左斜め上方向となっている。本実施の形態ではこのように反射ミラー6を原稿台3に対して斜めに配置したが、平行に配置してもかまわない。
【0010】
反射ミラー6の周囲には、LEDや冷陰極管等で構成される照明装置9a,9b,9cが近接して配設されている(図2参照)。各照明装置9a〜9cは照明光が原稿台3に対して斜めに入射するように配置されており、原稿台3に載置された原稿を複数の方向から照明することにより、原稿の全領域を均一に照明することができる。また、照明光を斜めに入射させることにより、反射光がダイレクトに撮像部8に入射するいわゆる「テカリ」を防止することができる。
【0011】
原稿面からの反射光の内で、反射ミラー6によって左斜め上方向に反射された光は、筐体2内の上面に設けられた反射ミラー7により撮像部8の方向へと反射される。このように、本実施の形態のイメージスキャナ1では、原稿からの反射光は、反射ミラー6、反射ミラー7の順に反射されることにより光路が筐体2の上面と底面との間で往復するように折り曲げられ、撮像部8の撮像素子に入射する。その結果、筐体2の厚さ方向寸法(図1の図示上下方向寸法)をより小さくすることが可能となる。
【0012】
図示していないが、撮像部8には2次元撮像素子と撮影レンズとが設けられており、撮像部8に入射した光は撮影レンズにより結像され、2次元撮像素子の撮像面上に原稿の像が投影される。2次元撮像素子には、CCD型やCMOS型等のエリア撮像素子が用いられる。反射ミラー7の反射面は凸形状の非球面を形成しており、反射ミラー6,7は縮小系の反射光学系を構成している。すなわち、撮像部8に設けられている2次元撮像素子の撮像面が、反射ミラー6,7によって原稿台3の全域に投影されるような構成となっている。
【0013】
反射ミラー6,7は縮小反射光学系を構成している。そのため、図2の平面図からも分るように、反射ミラー6を原稿台3に垂直に投影した投影像の大きさ(図2における反射ミラー6の大きさ)は、原稿台3の大きさよりも小さくなっている。そして、反射ミラー6に近接して設けられた照明装置9a〜9cは、原稿台3を筐体底面に投影したときの輪郭線と反射ミラー6を筐体底面に投影したときの輪郭線との間の領域にほぼ収まるように配置されている。その結果、平面図でみた場合の筐体1の大きさをより小さくすることができる。
【0014】
筐体上面のカバー4が被さらない面には、LCDを用いた表示モニタ10と、電源ボタン111、読取ボタン112等の操作部11が設けられている。撮像部8,表示モニタ10および操作部11は制御部12に接続されており、撮像部8の撮像信号は制御部12へと出力される。制御部12は、アナログ信号処理回路,A/D変換器およびデジタル信号処理回路などの画像処理に関する回路や、イメージスキャナ全体の動作を制御するCPU,CPUを動作させるための制御プログラムが格納されるROM、画像データが記憶されるRAM、外部のPC(パーソナルコンピュータ)13と信号の授受を行うための外部インターフェース等を備えている。
【0015】
アナログ信号処理回路において相関二重サンプリング処理やシェーディング補正,暗電流補正等の処理が施された撮像信号は、A/D変換器デジタル信号に変換された後に、デジタル信号処理回路において輪郭強調やガンマ補正などの各種画像処理が施される。画像データはいったんRAMに記憶され、その後、外部インターフェースを介してPC13に送信される。画像読み取りは、予めホストコンピュータであるPC13に組み込まれたドライバソフトウェアにしたがってPC13がイメージスキャナ1を制御することでなされる。
【0016】
図3はイメージスキャナの動作手順を説明する図である。電源ボタン111が操作されてイメージスキャナの電源がオンされると、ステップS1において照明装置9a,9b,9cをオンして原稿台3を高輝度照明するとともに、撮像部8による撮像を行う。本実施の形態では、照明装置9a〜9cは、高輝度照明と低輝度照明との2段階の照度で照明をすることができ、動作に応じていずれかを選択するようにしている。
【0017】
ステップS2では、起動時処理としてシェーディング補正処理が実行される。すなわち、閉じられているカバー4の裏面に設けられた白基準板5を読み取り、その撮像データに基づいてシェーディング補正を行う。シェーディング補正が終了すると、ステップS3へ進んで照明装置9a〜9cを低輝度照明に切り換える。ここで、照明装置9a〜9cを低輝度照明に切り換えることにより、後述する原稿セット時に、オペレータが眩しく感じるのを低減することができる。ステップS4では、原稿台3への原稿のセットを促す表示を、表示モニタ10および接続されているPC13の表示部に行う。
【0018】
ステップS5では、撮像部8の撮像情報に基づいて原稿台3に原稿がセットされたか否かを判定し、原稿がセットされたと判定されたならばステップS6に進む。例えば、画像信号に含まれる高周波成分を評価するコントラスト評価値の急激な増加を検出して、原稿がセットされたか否かを判定する。原稿がセットされていない状態では、カバー4が閉じられている場合には白基準板5が撮像され、カバー4が開いている場合にはぼけた像が撮像されるので、コントラスト評価値は低くなる。一方、原稿台3に原稿がセットされると、ピントの合った画像が撮像されるのでコントラスト評価値が急激に高くなり、原稿がセットされたと判定される。
【0019】
ステップS6では、撮像部8の撮像データに基づくスルー画を表示モニタ10に表示する。スルー画は表示モニタ10に高フレームレートで表示するために加工された画像であり、例えば、画像データの解像度を落とす処理などの高速読み出し処理が施されたものである。このスルー画は、撮像部8からリアルタイムに出力される撮像データに基づいて所定の間隔で逐次更新される。
【0020】
このように、本実施の形態では、2次元撮像素子を備えた撮像部8で撮像された画像を表示モニタ10によりリアルタイムに確認することができ、それによって原稿の位置や傾きを調整し原稿を容易に正しくセットすることができる。一方、従来のようにラインセンサを走査するタイプのスキャナでは、一旦スキャンしないと原稿が正しくセットされているか確認できなかった。
【0021】
ステップS7では、読取指示があるか否か、すなわち、読取ボタン112が操作されたか否かを判定する。オペレータが読取ボタン112を押すとステップS7でYESと判定され、ステップS8へと進んで照明装置9a〜9cが高輝度照明に切り換えられ、続くステップS9において読取動作が行われる。すなわち、撮像部8による撮像が行われ、その撮像データは制御部において各種画像処理が行われた後に、処理後の画像データがRAMに記憶されるとともにPC13へ送信される。ステップS9の処理が終了したならばステップS3へと進み、照明装置9a〜9cを再び低輝度照明に切り換える。
【0022】
なお、ステップS4〜9の間において、白基準板5が撮像されていると判定される場合にうっかり読み取りボタン111の操作して読み取り動作を行わせないように、読み取りボタン111の操作に反応しないようなロックをかけても良い。
【0023】
上述した、実施の形態では照明装置9a〜9cを反射ミラー6の周囲にコの字形に配置したが、図4に示すように、照明装置9a,9cの代わりに照明装置9dを反射ミラー6に関して照明装置9bと反対側に配置することにより、筐体1をより小型化するようにしても良い。この場合、原稿台3で反射された光が撮像部8に入射しないように、原稿台3の遠いほうの領域を照明するようにする。すなわち、領域3aを照明装置9bで照明し、領域3bを照明装置9dで照明する。
【0024】
上記のような構成により、従来のラインセンサと同等の薄型筐体でありながら、ごく短時間で画像読み取りが可能なイメージスキャナが実現可能である。また、表示モニタにより原稿の向きがリアルタイムで確認可能である。
【0025】
−第2の実施の形態−
図5は本発明によるイメージスキャナの第2の実施の形態を示す図であり、図1と同様の断面図である。上述した第1の実施の形態のイメージスキャナは専用の撮像部8を備えていたが、図5に示すイメージスキャナでは撮像部8に代えてデジタルカメラ20を用いて画像の読み取りを行う。21はデジタルカメラ20が着脱可能な装着部であり、22はカバー4の開閉状態を検出するセンサである。
【0026】
第2の実施の形態では、反射ミラー7で筐体底面方向に反射された光はさらに反射ミラー24で反射され、装着部21に装着されたデジタルカメラ20の撮影レンズへと導かれる。制御部23は、照明装置9a〜9c(照明装置9cは不図示)の動作を制御するCPU,CPUを動作させるための制御プログラムが格納されるROM、画像読取に関するデータが記憶されるRAM等を備えている。
【0027】
ユーザはデジタルカメラ20を装着部21に装着したならば、原稿台3にセットされた原稿にピントが合うように、デジタルカメラ20を予め決められた合焦条件にマニュアル設定する。また、原稿台3に図6に示すようなフォーカス用パターン61が印刷されたAFチャート60をセットしてAF動作を行わせ、そのときの合焦条件にマニュアル設定するようにしても良い。
【0028】
デジタルカメラ20の初期設定(撮像条件設定)が終了したならば、原稿を原稿台3にセットする。本実施の形態では、制御部23はカバー4の開閉状態を検出するセンサ22の出力信号を利用し、カバー4の開閉動作に連動して第1の実施の形態と同様の照明装置9a〜9cの輝度切り換えを行うようにする。すなわち、カバー4が開いていることが検出されたならば低輝度で照明し、カバー4が閉じていることが検出されたならば高輝度で照明する。
【0029】
ユーザは、デジタルカメラ20に設けられているLCDモニタを観察することにより、原稿のセット状態を調整することができる。原稿が正しくセットされていることが確認できたならば、デジタルカメラ20のレリーズボタンを全押しして撮影を行う。なお、デジタルカメラ20に設けられているフラッシュは非発光に設定される。撮影された画像データはデジタルカメラ20に設けられたメモリに記憶されるので、PC等により画像処理加工を行う場合には、デジタルカメラ20からPCへと画像データを転送すれば良い。
【0030】
このように、第2の実施の形態のイメージスキャナでは、上述した第1の実施の形態の作用効果に加え、デジタルカメラ20をイメージスキャナ1の撮像部に転用することができるので、イメージスキャナ1のコストダウンを図ることができる。
【0031】
[変形例1]
上述した第2の実施の形態では、デジタルカメラ20はイメージスキャナ1と別個に設けられ、それぞれ独立して制御されているが、デジタルカメラ20とイメージスキャナ1の制御部23とを接続し、その接続されたデジタルカメラ20を制御部23により制御するようにしても良い。デジタルカメラ20については通信制御モードを有するような構成とし、イメージスキャナ1に装着した場合には通信制御モードに設定される。また、デジタルカメラ20の撮影動作は、イメージスキャナ1側に設けられた読取ボタン112(図1参照)の操作によって行われる。
【0032】
デジタルカメラ20の撮影に必要なデータ(撮像条件)は、イメージスキャナ1のROMに予め記憶されている。デジタルカメラ20が装着部21に装着されると、制御部23は、デジタルカメラ20の撮像条件をROMに予め記憶された撮像条件に設定する。撮像条件としては、上述したAFに関するデータの他に反射光学系による歪曲収差などがあり、画像の補正パラメータとして利用される。
【0033】
なお、イメージスキャナ1からデータ転送する代わりに、図7に示すようなチャート51,52,53を白基準板5に印刷しておき、それをデジタルカメラ20に読み取らせて設定するようにしても良い。この場合、撮像範囲を原稿読取範囲よりも広い範囲に設定しておき、原稿読取範囲の外側の撮像範囲にチャート51,52,53を設ける。チャート51はフォーカス用パターンであり、チャート52,53は収差等の補正データが符号化されたバーコードと2次元バーコードである。デジタルカメラ20は、チャート52,53を撮像して解読し、補正データを得ることができる。
【0034】
[変形例2]
上述した変形例1では、イメージスキャナ1には図1に示すような撮像部8が設けられておらず、デジタルカメラ20で撮像を行うような構成とした。しかし、図8のように、専用の撮像部8を備えるイメージスキャナ1において、撮像部8とデジタルカメラ20とを選択的に装着可能な装着部80を設け、撮像部8とデジタルカメラ20とを交換できるような構成としても良い。図8(a)は装着部80に専用の撮像部8を装着した場合を示し、図8(b)は装着部80にデジタルカメラ20を装着した場合を示す。
【0035】
図8(b)のようにデジタルカメラ20が接続されると、制御部12からフォーカスデータや収差データ等がデジタルカメラ20へ転送され、デジタルカメラ20の状態がイメージスキャナ用に設定される。デジタルカメラ20の動作は、制御部12によってコントロールされる。例えば、デジタルカメラ20の撮影動作は、イメージスキャナ1側に設けられた読取ボタン112(図1参照)の操作によって行われる。
【0036】
−第3の実施の形態−
図9は本発明によるイメージスキャナの第3の実施の形態を示す図であり、図1の場合と同様の断面図である。ただし、図9では、イメージスキャナ1の原稿台3が下側となるように、原稿90に上にイメージスキャナ1が載置されている。第3の実施のイメージスキャナでは、反射ミラー96は第1の実施の形態の反射ミラー6とは異なり、半透過の反射ミラーで構成されている。さらに、筐体2の底面部(図9の上方)の反射ミラー96と対向する部分は透明部材91で形成されている。また、カバー4は着脱可能に構成されており、図9に示すような使用形態ではカバー4が取り外されている。その他の構成については、第1の実施の形態と同様である。なお、反射ミラー96を用いた場合には、撮像部8へ反射される光の量が減るので、適切な明るさの画像となるようにデジタル的に補正処理を行ったり、露光時間を増やしたりしても良い。
【0037】
第3の実施の形態では、上述したような構成としたことにより、原稿台3上に原稿を載置して画像読取を行う通常の使用方法に加えて、図9に示すように原稿90の上にイメージスキャナ1を覆い被せて読み取りを行うこともできる。さらに、筐体底面(図9の上方)の一部を透明部材91としたことにより、イメージスキャナ1を原稿90の上に被せた状態でも原稿90のセット状態を容易に確認することができ、どの方向に調整すれば良いかがわかりやすい。また、図9に示すように表示モニタ10を筐体2の側面に設けるような構成にすれば、表示モニタ10の画像からセット状態を確認することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明によるイメージスキャナの第1の実施の形態を示す図であり、イメージスキャナ1の断面図を示す。
【図2】イメージスキャナ1の平面図である。
【図3】イメージスキャナ1の動作手順を説明する図である。
【図4】照明装置9a,9cに代えて照明装置9dを設けた場合のイメージスキャナ1の平面図である。
【図5】本発明によるイメージスキャナの第2の実施の形態を示す断面図である。
【図6】AFチャート60を示す図である。
【図7】チャート51,52,53が印刷された白基準板5を示す図である。
【図8】変形例2を示す図であり、(a)は装着部80に撮像部8を装着した場合を示し、(b)は装着部80にデジタルカメラ20を装着した場合を示す。
【図9】イメージスキャナの第3の実施の形態を示す図である。
【符号の説明】
【0039】
1:イメージスキャナ 2:筐体
3:原稿台 4:カバー
5:白基準板 6,7,24,96:反射ミラー
8:撮像部 9a,9b,9c:照明装置
10:表示モニタ 11:操作部
12,23:制御部 20:デジタルカメラ
21,80:装着部 50〜52:チャート
60:AFチャート 90:原稿
91:透明部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置筐体の上面に設けられて、原稿がセットされる原稿台と、
前記原稿台にセットされた原稿を筐体下方から照明する照明装置と、
2次元型撮像素子と、
前記照明装置で照明された前記原稿からの反射光を筐体上面方向に反射する第1のミラー、および前記第1のミラーで反射された光を筐体底面方向へ反射する第2のミラーを少なくとも有し、前記原稿からの反射光を前記撮像素子に導く縮小反射光学系とを備え、
前記照明装置は前記第1のミラーの側方に近接して設けられ、照明光を前記原稿に対して斜入射することを特徴とするイメージスキャナ。
【請求項2】
請求項1に記載のイメージスキャナにおいて、
前記撮像素子の撮像データに基づいて前記原稿の画像を表示する表示部を備えたことを特徴とするイメージスキャナ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のイメージスキャナにおいて、
前記2次元型撮像素子およびデジタルカメラを択一的に装着する装着部を備え、
前記装着部に装着された前記2次元型撮像素子およびデジタルカメラのいずれか一方により、前記原稿台にセットされた原稿を撮像して読み取ることを特徴とするイメージスキャナ。
【請求項4】
装置筐体の上面に設けられて、原稿がセットされる原稿台と、
前記原稿台にセットされた原稿を筐体下方から照明する照明装置と、
デジタルカメラが着脱可能な装着部と、
前記照明装置で照明された前記原稿からの反射光を筐体上面方向に反射する第1のミラー、および前記第1のミラーで反射された光を筐体底面方向へ反射する第2のミラーを少なくとも有し、前記原稿からの反射光を前記装着部に装着されたデジタルカメラに導く縮小反射光学系とを備え、
前記照明装置は前記第1のミラーの側方に近接して設けられ、照明光を前記原稿に対して斜入射することを特徴とするイメージスキャナ。
【請求項5】
請求項3または4に記載のイメージスキャナにおいて、
前記デジタルカメラで撮像する場合の撮像条件が記憶されている記憶部と、
前記装着部に装着された前記デジタルカメラの撮像条件を前記記憶部に記憶された撮像条件に設定する設定手段とを備えたことを特徴とするイメージスキャナ。
【請求項6】
請求項3または4に記載のイメージスキャナにおいて、
前記撮像条件を表す表示が印刷されたチャートを前記デジタルカメラで撮像して読み込んだ画像に基づいて、前記デジタルカメラの撮像条件を設定する設定手段を備えることを特徴とするイメージスキャナ。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載のイメージスキャナにおいて、
前記第1のミラーは入射した光の一部を透過するミラーであって、
前記第1のミラーと対向する筐体底部の少なくとも一部を透明部材で形成したことを特徴とするイメージスキャナ。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載のイメージスキャナにおいて、
前記照明装置の少なくとも一部を、前記原稿台を筐体底面に投影したときの投影領域に重複して配置したことを特徴とするイメージスキャナ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−333162(P2006−333162A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−154973(P2005−154973)
【出願日】平成17年5月27日(2005.5.27)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】