説明

イメージセンサユニット、及び、画像読取装置

【課題】雰囲気温度の変化により赤外線領域の発光波長に温度シフトが生じることで照度変動を生じても、安定した画像データを取得することができるイメージセンサユニット、及び、画像読取装置を提供する。
【解決手段】合成樹脂からなる導光体11と、赤外線領域の発光波長を主波長とする発光素子を含む光源10とからなる照明装置により紙幣4の識別を行う際、ロッドレンズアレイ12の両端部の紙幣4に亘る画像領域外を覆う位置に夫々白基準板20を設けると共に、白基準板20からの反射光より生成された白色の基準照度を示すIR白基準データを基に、IR補正データと、予め、信号処理部の記憶回路Aに収納されたIR基準データとが略同一となるよう照度補正することにより算出された補正係数を求め、この補正係数を紙幣4の読み取り時のIR画像データの補正に用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イメージセンサユニット、及び、イメージセンサユニットを用いた画像読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像読取装置としては、特許文献1に記載された紙葉類の印刷パターン読取装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−46726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されるように、画像読取装置(紙葉類の印刷パターン読取装置)における前述するイメージセンサユニットは、紙葉類の識別における紙幣の真贋を判定するため、赤外線領域の発光波長を照射する構成である。
これは、真券紙幣の表面の印刷には可視光下と赤外光下とで得られる画像が夫々異なるような領域が設けられているためである。
この時、光学ガラスより合成樹脂の方がコスト的に安価なため、導光体にはアクリルやポリカーボネート等の光透過性の高い樹脂を用いることが一般的である。
【0005】
ところで、例えば、合成樹脂には、赤外線領域の発光波長において光の吸収率の変動幅が大きい領域が夫々存在している。アクリルの場合、近赤外線領域の発光波長である780乃至1000nmにその領域が存在するものであり、この領域は紙幣の真贋の判定等に利用されるものである。(図3参照)
一方、光源として用いられるLEDは、温度変化により発光波長に変動(以下、温度シフトと記載)が生じるものである。例えば、赤外線領域の発光波長を照射するLEDとして、一般的でありコスト的にも安価なピーク発光波長が800乃至1000nmの照射を行うLEDを用いた場合、雰囲気温度の変化によって発光波長に温度シフトが生じるものである。(図4参照)
このため、雰囲気温度によっては合成樹脂に起因する赤外線領域の発光波長において光の吸収率の変動幅が大きい領域と、温度変化に起因するLEDの発光波長の温度シフトの範囲とが一致することにより、照射される赤外線領域の発光波長の光の照度が不安定となる虞があった。これにより、読み取りの際、紙葉類の読取面からの反射光量が不安定となり、真贋判定に悪影響を及ぼすことがあった。
【0006】
本発明はかかる実情に鑑みてなされたものであり、雰囲気温度の変化により発光波長に温度シフトが生じることで照度変動を生じても、安定した画像データを取得することができるイメージセンサユニット、及び、画像読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載のイメージセンサユニットは、光源と、前記光源からの光を導光して被照明体をライン状に照射する導光体と、前記被照明体からの光を光電変換素子上に結像する結像素子とを備え、画像データを生成するイメージセンサユニットであって、前記導光体は波長に対して透過率が一定でない領域を有する素材からなり、前記光源は前記導光体の透過率が一定でない領域、及び/又は、透過率が一定でない領域近傍の発光波長を含むと共に、前記被照明体に亘る画像領域の基準照度となる基準データを収納する記憶手段と、前記結像素子の長手方向における両端部の前記被照明体に亘る画像領域外を覆う位置に夫々設けられた白基準手段と、前記白基準手段からの反射光を前記光電変換素子にて夫々読み取って白色の基準照度を示す白基準データを生成する白基準データ生成手段と、前記白基準データを基に、前記被照明体に亘る画像領域の白色の基準照度を示す補正データを生成する補正データ生成手段と、前記補正データと、前記基準データとから補正係数を算出する比較手段と、前記補正係数を基に、前記画像データの補正を行う補正手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項5記載のイメージセンサユニットは、光源と、前記光源からの光を導光して被照明体をライン状に照射する導光体と、前記被照明体からの光を光電変換素子上に結像する結像素子とを備え、画像データを生成するイメージセンサユニットであって、前記導光体は波長に対して透過率が一定でない領域を有する素材からなり、前記光源は前記導光体の透過率が一定でない領域、及び/又は、透過率が一定でない領域近傍の発光波長を含むと共に、前記被照明体に亘る画像領域の基準照度となる基準データを温度条件に応じて複数収納する記憶手段と、前記結像素子の長手方向における両端部の前記被照明体に亘る画像領域外を覆う位置に夫々設けられた白基準手段と、前記白基準手段からの反射光を前記光電変換素子にて夫々読み取って白色の基準照度を示す白基準データを生成する白基準データ生成手段と、前記白基準データを基に、前記複数の基準データに近似できる基準データを白色の基準照度を示す補正データとすることで前記被照明体に亘る画像領域の補正係数を算出する補正データ生成手段と、前記補正係数を基に、前記画像データの補正を行う補正手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項9記載のイメージセンサユニットは、光源と、前記光源からの光を導光して被照明体をライン状に照射する導光体と、前記被照明体からの光を光電変換素子上に結像する結像素子とを備え、画像データを生成するイメージセンサユニットであって、前記導光体は波長に対して透過率が一定でない領域を有する素材からなり、前記光源は前記導光体の透過率が一定でない領域、及び/又は、透過率が一定でない領域近傍の発光波長を含むと共に、前記被照明体に亘る画像領域の基準照度となる基準データを収納する記憶手段と、前記結像素子の長手方向における前記光源に対向する側の端部の前記被照明体に亘る画像領域外を覆う位置に設けられ白基準手段と、前記白基準手段からの反射光を前記光電変換素子にて読み取って白色の基準照度を示す白基準データを生成する白基準データ生成手段と、前記白基準データを基に、前記被照明体に亘る画像領域の白色の基準照度を示す補正データを生成する補正データ生成手段と、前記補正データと、前記基準データとから補正係数を算出する比較手段と、前記補正係数を基に、前記画像データの補正を行う補正手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項13記載のイメージセンサユニットは、光源と、前記光源からの光を導光して被照明体をライン状に照射する導光体と、前記被照明体からの光を光電変換素子上に結像する結像素子とを備え、画像データを生成するイメージセンサユニットであって、前記導光体は波長に対して透過率が一定でない領域を有する素材からなり、前記光源は前記導光体の透過率が一定でない領域、及び/又は、透過率が一定でない領域近傍の発光波長を含むと共に、前記被照明体に亘る画像領域の基準照度となる基準データを温度条件に応じて複数収納する記憶手段と、前記結像素子の長手方向における前記光源に対向する側の端部の前記被照明体に亘る画像領域外を覆う位置に設けられ白基準手段と、前記白基準手段からの反射光を前記光電変換素子にて読み取って白色の基準照度を示す白基準データを生成する白基準データ生成手段と、前記白基準データを基に、前記複数の基準データに近似できる基準データを白色の基準照度を示す補正データとすることで前記被照明体に亘る画像領域の補正係数を算出する補正データ生成手段と、前記補正係数を基に、前記画像データの補正を行う補正手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項17記載の画像読取装置は、光源と、前記光源からの光を導光して被照明体をライン状に照射する導光体と、前記被照明体からの光を光電変換素子上に結像する結像素子とを備えたイメージセンサユニットにより画像データを生成する画像読取装置であって、前記導光体は波長に対して透過率が一定でない領域を有する素材からなり、前記光源は前記導光体の透過率が一定でない領域、及び/又は、透過率が一定でない領域近傍の発光波長を含むと共に、前記被照明体に亘る画像領域の基準照度となる基準データを収納する記憶手段と、前記結像素子の長手方向における両端部の前記被照明体に亘る画像領域外を覆う位置に夫々設けられた白基準手段と、前記白基準手段からの反射光を前記光電変換素子にて夫々読み取って白色の基準照度を示す白基準データを生成する白基準データ生成手段と、前記白基準データを基に、前記被照明体に亘る画像領域の白色の基準照度を示す補正データを生成する補正データ生成手段と、前記補正データと、前記基準データとから補正係数を算出する比較手段と、前記補正係数を基に、前記画像データの補正を行う補正手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項21記載の画像読取装置は、光源と、前記光源からの光を導光して被照明体をライン状に照射する導光体と、前記被照明体からの光を光電変換素子上に結像する結像素子とを備えたイメージセンサユニットにより画像データを生成する画像読取装置であって、前記導光体は波長に対して透過率が一定でない領域を有する素材からなり、前記光源は前記導光体の透過率が一定でない領域、及び/又は、透過率が一定でない領域近傍の発光波長を含むと共に、前記被照明体に亘る画像領域の基準照度となる基準データを温度条件に応じて複数収納する記憶手段と、前記結像素子の長手方向における両端部の前記被照明体に亘る画像領域外を覆う位置に夫々設けられた白基準手段と、前記白基準手段からの反射光を前記光電変換素子にて夫々読み取って白色の基準照度を示す白基準データを生成する白基準データ生成手段と、前記白基準データを基に、前記複数の基準データに近似できる基準データを白色の基準照度を示す補正データとすることで前記被照明体に亘る画像領域の補正係数を算出する補正データ生成手段と、前記補正係数を基に、前記画像データの補正を行う補正手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項25記載の画像読取装置は、光源と、前記光源からの光を導光して被照明体をライン状に照射する導光体と、前記被照明体からの光を光電変換素子上に結像する結像素子とを備えたイメージセンサユニットにより画像データを生成する画像読取装置であって、前記導光体は波長に対して透過率が一定でない領域を有する素材からなり、前記光源は前記導光体の透過率が一定でない領域、及び/又は、透過率が一定でない領域近傍の発光波長を含むと共に、前記被照明体に亘る画像領域の基準照度となる基準データを収納する記憶手段と、前記結像素子の長手方向における前記光源に対向する側の端部の前記被照明体に亘る画像領域外を覆う位置に設けられ白基準手段と、前記白基準手段からの反射光を前記光電変換素子にて読み取って白色の基準照度を示す白基準データを生成する白基準データ生成手段と、前記白基準データを基に、前記被照明体に亘る画像領域の白色の基準照度を示す補正データを生成する補正データ生成手段と、前記補正データと、前記基準データとから補正係数を算出する比較手段と、前記補正係数を基に、前記画像データの補正を行う補正手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項29記載の画像読取装置は、光源と、前記光源からの光を導光して被照明体をライン状に照射する導光体と、前記被照明体からの光を光電変換素子上に結像する結像素子とを備えたイメージセンサユニットにより画像データを生成する画像読取装置であって、前記導光体は波長に対して透過率が一定でない領域を有する素材からなり、前記光源は前記導光体の透過率が一定でない領域、及び/又は、透過率が一定でない領域近傍の発光波長を含むと共に、前記被照明体に亘る画像領域の基準照度となる基準データを温度条件に応じて複数収納する記憶手段と、前記結像素子の長手方向における前記光源に対向する側の端部の前記被照明体に亘る画像領域外を覆う位置に設けられ白基準手段と、前記白基準手段からの反射光を前記光電変換素子にて読み取って白色の基準照度を示す白基準データを生成する白基準データ生成手段と、前記白基準データを基に、前記複数の基準データに近似できる基準データを白色の基準照度を示す補正データとすることで前記被照明体に亘る画像領域の補正係数を算出する補正データ生成手段と、前記補正係数を基に、前記画像データの補正を行う補正手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、被照明体の読み取りを行う際、結像素子の両端部の被照明体に亘る画像領域外を覆う位置に夫々白基準手段を設けると共に、白基準手段からの光より生成された白基準データを基に、補正データと、予め、信号処理部の記憶回路に収納された基準データとから算出された補正係数を、被照明体の読み取り時の画像データの補正に用いることにより、LEDの発光波長に温度シフトが生じた場合においても照度補正を行うことができる。このため、画像データの変動を生じること無く、安定した画像データを得ることができる。
【0016】
また、被照明体の読み取りを行う際、結像素子の両端部の被照明体に亘る画像領域外を覆う位置に夫々白基準手段を設けると共に、白基準手段からの光より生成された白色の基準照度を示す白基準データを基に、予め、信号処理部の記憶回路に収納された複数の基準データより略同形状に近似できる基準データを補正データとすることにより算出された補正係数を、被照明体の読み取り時の画像データの補正に用いることにより、LEDの発光波長に温度シフトが生じた場合においても照度補正を行うことができる。このため、画像データの変動を生じること無く、安定した照射光を得ることができる。
【0017】
また、被照明体の読み取りを行う際、結像素子の光源に対向する側の端部の被照明体に亘る画像領域外を覆う位置に白基準手段を設けると共に、白基準手段からの光より生成された白色の基準照度を示す白基準データを基に、補正データと、予め、信号処理部の記憶回路に収納された基準データとが略同一となるよう照度補正することにより算出された補正係数を、被照明体の読み取り時の画像データの補正に用いることにより、LEDの発光波長に温度シフトが生じた場合においても部品、工数等の大幅な増加を招くこと無く、照度補正を行うことができる。このため、画像データの変動を生じること無く、安定した照射光を得ることができる。
【0018】
また、被照明体の読み取りを行う際、結像素子の光源に対向する側の端部の被照明体に亘る画像領域外を覆う位置に白基準手段を設けると共に、白基準手段からの光より生成された白色の基準照度を示す白基準データを基に、予め、信号処理部の記憶回路に収納された複数の基準データより略同形状に近似できる基準データを補正データとすることにより算出された補正係数を、被照明体の読み取り時の画像データの補正に用いることにより、LEDの発光波長に温度シフトが生じた場合においても部品、工数等の大幅な増加を招くこと無く、照度補正を行うことができる。このため、画像データの変動を生じること無く、安定した照射光を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、本発明を適用できるシートフィード方式のイメージスキャナー(画像読取装置9)の構造を示す副走査方向の略中央部における断面図である。
【図2】図2は、アクリルの分光透過率を示す図である。
【図3】図3は、アクリルの分光透過率を示す一部拡大図である。
【図4】図4は、LEDの発光波長の温度シフトを示す図である。
【図5A】図5Aは、本発明を適用できるイメージセンサユニット1の構造を示す正面図である。
【図5B】図5Bは、本発明を適用できるイメージセンサユニット1の構造を示す平面図である。
【図6】図6は、信号処理部16の構成を示すブロック図である。
【図7】図7は、本発明を適用できる反射光におけるIRの発光波長において、25℃を100%とした照度の出力比を示す図である。
【図8】図8は、第1の白基準板20a、及び、第2の白基準板20bからの反射光におけるIRの発光波長において、25℃を100%とした照度の出力比を示す図である。
【図9】図9は、信号処理部16の他の構成を示すブロック図である。
【図10】図10は、第1の白基準板20a、及び、第2の白基準板20bからの反射光におけるIRの発光波長、及び、IR基準データにおいて、25℃を100%とした照度の出力比を示す図である。
【図11A】図11Aは、本発明を適用できるイメージセンサユニット1の構造を示す他の正面図である。
【図11B】図11Bは、本発明を適用できるイメージセンサユニット1の構造を示す他の平面図である。
【図12】図12は、信号処理部16の他の構成を示すブロック図である。
【図13】図13は、白基準板20からの反射光におけるIRの発光波長において、25℃を100%とした照度の出力比を示す図である。
【図14】図14は、信号処理部16の他の構成を示すブロック図である。
【図15】図15は、白基準板20からの反射光におけるIRの発光波長において、25℃を100%とした照度の出力比を示す他の図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面に基づき詳細に説明する。
図1は本発明を適用できる、いわゆる、シートフィード方式のスキャナー(画像読取装置9)の構造を示す副走査方向の略中央部における断面図である。
【0021】
1はイメージセンサユニットである。このイメージセンサユニット1は、例えば、密着型イメージセンサ(CIS;Contact Image Sensor)ユニットが用いられる。
2はイメージセンサユニット1内をゴミの進入等から保護するためのガラス製の透明板からなるカバーガラスである。
尚、カバーガラス2の材質はガラスに限らず、同等の強度を有する他の透明部材であっても構わない。
【0022】
また、3は被照明体である紙幣4を搬送する搬送ローラーである。搬送ローラー3間に紙幣4を挟んでカバーガラス2を介してイメージセンサユニット1上を読取方向(副走査方向)に搬送するための搬送路が設定されるものである。
10は光源である。この光源10は夫々赤緑青3色の発光波長(以下、RGBと記載する)、及び、赤外線領域の発光波長(以下、IRと記載する)を持つLEDからなる発光素子10r、10g、10b、10irを備えている。これらの発光素子10r、10g、10b、10irを順次点灯駆動することにより紙幣4に光を照射する構成である。
この時、発光素子10irのピーク発光波長は800乃至1000nmであり、赤外線領域の発光波長を主波長とする発光素子を含む。そして、発光素子10irは、後述する導光体11における透過率が一定でない領域、及び、透過率が一定でない領域近傍の発光波長を含んでいる。
【0023】
11は光源10から照射された光を紙幣4へと導く棒状の導光体である。この導光体11の長手方向の一方の端部の端面近傍に光源10が配置されている。これら光源10、及び、導光体11の組み合わせにより照明装置として作用するものである。
【0024】
この導光体11は、例えば、アクリル等の透明な合成樹脂から形成されるものである。
12は結像素子としてのロッドレンズアレイである。このロッドレンズアレイ12は、正立等倍結像型レンズ素子が複数配列されたものである。
また、ロッドレンズアレイ12の紙幣4側の焦点は、搬送路の略中央に設定されるものである。
【0025】
13k(kは1から11の自然数)はロッドレンズアレイ12にて結像された反射光を検知し、電気信号に変換する光電変換素子である。14は光電変換素子13kが紙幣4の搬送方向と直角な方向に実装されたセンサ基板である。
尚、本実施形態では、光電変換素子13kの数は11個であるが、光電変換素子13kの数は特に限定されない。
15は構成部材を支持する支持体としてのフレームである。このフレーム15内に、光源10、導光体11、ロッドレンズアレイ12、光電変換素子13kの実装されたセンサ基板14の機能部品が所定の位置関係で夫々取り付け支持された構成である。
【0026】
以上の構成により、紙幣4を読取方向に搬送しながら読取動作を行うるものである。
即ち、搬送ローラー3は図示しない動力機構によって回転することで紙幣4を読取方向に搬送する。紙幣4の搬送に伴って、イメージセンサユニット1は紙幣4の読み取り位置において、光源10に設けられた発光素子10r、10g、10b、10irを順次点灯駆動することにより光を照射する。照射された光は導光体11を通して紙幣4の表面に、主走査方向においてライン状に略均一に照射される。照射された光は紙幣4の表面によって反射され、この反射光はロッドレンズアレイ12により、センサ基板14上に設けられた光電変換素子13k上に集束結像する。順次読み取られた反射光は光電変換素子13kにより紙幣4における1走査ライン分の画像データとして電気信号に変換され、この電気信号はセンサ基板14を介して記憶手段としての記憶回路Aを備えた信号処理部16により処理される。
【0027】
このように画像データとしてRGB・IR全ての反射光を1走査ライン分読み取ることで、紙幣4の主走査方向における1走査ラインの読取動作を行うものである。
【0028】
1走査ラインの読取動作後、イメージセンサユニット1は搬送ローラー3による紙幣4の搬送に伴い1走査ライン分副走査方向へ搬送された紙幣4に光を照射しながら同様に1走査ライン毎の読取動作を行うものである。
そして、これらの読取動作を夫々繰り返すことで紙幣4を順次走査することによりRGB画像データ、及び、IR画像データを生成するものである。
紙幣4の全面の走査が終了すると、その出力は信号処理部16にて、予め、収納されている後述する真券紙幣データと比較して紙幣4の有効性が判定される。これにより、紙幣4の識別、即ち、真贋判定を行うものである。
【0029】
尚、紙幣4の真贋判定を行うためには、必ずしも赤緑青3色を用いる必要はなく、例えば、赤緑2色であっても構わない。紫外線等の発光波長を持つLEDを用いても構わない。
また、読取方式は、シートフィード方式に限らずフラットベッド方式であっても構わない。
また、真贋判定を行う対象物は紙幣4に限らず、有価証券等であっても構わない。
【0030】
図2は、アクリルの分光透過率を示す図である。図3は、図2の一部拡大図である。
100はアクリルの分光透過率を示す線である。
ここで、分光透過率とは、光の波長ごとの透過率を示すものであり、透過率が大きいほどアクリル内部で光の吸収が小さく、透過率が小さいほどアクリル内部で光の吸収が大きいことを示している。また、図2、及び、図3におけるアクリルの分光透過率は厚さ(d)=2mmの試験片のデータを示している。
【0031】
図2、及び、図3によれば、アクリルの場合、紙幣4の真贋判定における発光波長の利用領域における400乃至1000nmの範囲内において、近赤外線領域である780乃至1000nmに透過率が一定でない領域が存在する。
これは材料固有のものであり、合成樹脂の構造に起因する振動により赤外領域の波長の吸収率に変動が生じるものである。
【0032】
ところで、紙幣4の真贋判定方法としては、例えば、以下のものがある。
即ち、真券である紙幣4の表面の印刷領域に、所定の発光波長(RGB・IR)の光を照射することで得られた情報を真券紙幣データとして、予め、信号処理部16の記憶回路Aに収納させておく。この真券紙幣データを基に、真贋判定時に判定対象となる紙幣4の表面の印刷領域に所定の発光波長(RGB・IR)の光を照射することで得られたRGB画像データ、及び、IR画像データと判定回路Bにおいて比較することで、紙幣4の真贋判定を行うものである。
これは、真券である紙幣4の印刷には、可視光であるRGB下と、赤外光であるIR下とから得られる画像がそれぞれ異なるような領域が設けられているためである。
【0033】
この時、導光体11に合成樹脂を用いた場合、透過率が一定でない領域に赤外領域の波長を含む光を照射することにより、赤外領域の波長の光の吸収が生じるものである。
これにより、透過率の増減分が導光体11の長手方向(主走査方向)の距離に応じて累積されるため、光源10側端部から反光源10側端部(光源10に対向する側の端部)に向かって略直線的に光量の増減が生じるものである。
【0034】
尚、合成樹脂における透過率が一定でない領域の温度による変化は無視できる程度の値である。
図4は、LEDの発光波長の温度シフトを示す図である。
200は0℃の発光波長を示す線である。201は25℃の発光波長を示す線である。202は50℃の発光波長を示す線である。
【0035】
図4によれば、高温状況下では、発光波長は長波長側にスペクトルがシフトし、低温状況下では、発光波長は短波長側にスペクトルがシフトする傾向が見られるものであり、0℃〜+50℃間で、ピーク発光波長は870nm〜884nm間で変化している。
【0036】
これは、導光体11に合成樹脂を用いた場合、雰囲気温度によっては図3に示す合成樹脂に起因するIRの吸収率の変動幅が大きい領域と、発光素子10irの発光波長とが一致する場合が生じる虞があることを示している。
このため、雰囲気温度によってはLEDの発光波長に温度シフトが生じ、それに応じて、照射されたIRの照度が不安定となるものであった。
また、一般的であり、コスト的にも安価である800乃至1000nmのピーク発光波長の赤外光の照射を行うLED(換言すると、赤外線領域の発光波長を主波長とするLED)を用いたが、近赤外線領域に含まれる波長であればこの発光波長に限定されない。
【0037】
尚、本発明における導光体11を形成する素材は合成樹脂に限らず、補正対象は赤外線領域の光に限らない。被照明体の読取に必要な波長の光おいて、導光体11による吸収が光の生じる波長領域に対して適応できるものである。
光の吸収は素材に由来するものだけでなく、経年変化等により生じる場合であっても適応できる。また、光源10はLEDに限らず、発光波長の変動は温度シフトに限らず経年変化等により生じる場合であっても適応できる。
【0038】
(実施例1)
図5Aは、本発明を適用できるイメージセンサユニット1の構造を示す側面図である。図5Bは、本発明を適用できるイメージセンサユニット1の構造を示す正面図である。
また、図6は、信号処理部16の構成を示すブロック図である。図6に示すように、信号処理部16はイメージセンサユニット1に電気的に接続されているものである。
【0039】
20a,20bはイメージセンサユニット1内部においてカバーガラス2裏面に設けられた白色の白基準手段としての白基準板である。白基準板20a,20bは、ロッドレンズアレイ12の長手方向における両端部の紙幣4に亘る画像領域外を覆う位置に、反光源10側端部に設けられた第1の白基準板20a、及び、光源10側端部に設けられた第2の白基準板20bとして夫々設けられている。
この時、白基準板20a,20bは板状の部品であっても良いし、印刷等によるものであっても構わない。
尚、本実施例では、読み取り領域内において、両端部より夫々100PIX分を画像領域外(読み取り範囲外)として用いている。
また、白基準手段としては白色の白基準板20a,20bに限らず、補正対象の波長近傍において一定の分光反射率を示す部材であってもよいし、特定の波長で一定でない分光反射率をもつ補正板であってもかまわない。
【0040】
また、予め、製品出荷時に、光源10、導光体11等の光量ムラや、光電変換素子13kの感度ムラ等を全ての画素に対して1画素単位で補正されている。
これは、紙幣4の階調の再現性を高めるためると共に、夫々の画像データ間に誤差を生じさせないためである。
具体的には、紙幣4の読み取り時に、導光体11を通して光源10より紙幣4に照射される発光量を適正化する光量調整と、光電変換素子13kの画像信号出力に対する増幅率を適正化するゲイン調整とを夫々の画像データに対して行うことを示している。
【0041】
このため、光量調整、及び、ゲイン調整時の基準照度となる基準データとして、RGB画像データに対するRGB基準データ、及び、IR画像データに対するIR基準データを夫々、予め、例えば信号処理部16に設けられた記憶手段としての記憶回路Aに収納されるものである。この時、RGB・IRの各基準データは、例えば、25℃における発光波長を基準とするものである。
【0042】
この構成により、両端部の第1の白基準板20a、及び、第2の白基準板20bからのRGB・IRの反射光を光電変換素子13kにより読み取ることにより、これらの反射光を基に白色の基準照度となるRGB白基準データ、及び、IR白基準データを生成するものである。
具体的には、光源10に設けられた発光素子10r、10g、10b、10irを点灯駆動させることで、第1の白基準板20a、及び、第2の白基準板20bからのRGB・IRの反射光を読み取るものである。これらの反射光は光電変換素子13kにより電気信号に変換された後、信号処理部16に出力される。信号処理部16に設けられた白基準データ生成手段としての白基準データ生成回路Cにおいて、平均値(図中に補助線として実線表記)より均一化補正されたRGB白基準データ、及び、IR白基準データとして読み取り時の雰囲気温度に応じて生成される。
【0043】
その後、信号処理部16に設けられた補正データ生成手段としての補正データ生成回路Dにおいて、RGB白基準データ、及び、IR白基準データを基に、第1の白基準板20aと第2の白基準板20bとの中間部を、例えば、直線状に補完する。これにより紙幣4の読み取り時における、紙幣4に亘る画像領域の白色の基準照度となるRGB補正データ、及び、IR補正データが算出される。
さらに、比較手段としての比較回路Eにおいて、RGB補正データ、及び、IR補正データと、予め、信号処理部16の記憶回路Aに収納されたRGB基準データ、及び、IR基準データとが夫々略同一となるよう補正係数が算出される。
【0044】
そして、紙幣4の読み取り時のRGB画像データ、及び、IR画像データは、夫々の補正係数を基に、補正手段としての補正回路Fにおいて、光量調整・ゲイン調整を行うことで照度補正が行われるものである。
【0045】
以上の動作を次の各白基準データが生成されるまで続けるものとする。
尚、白基準データの生成は、画像読取装置9の動作開始(電源投入時)毎、紙幣の識別毎、1走査ラインの読取動作毎等どのような時期に行っても構わない。
また、イメージセンサユニット1は反射光源に限らず透過光源を用いたものであってもかまわない。
【0046】
図7は、反射光におけるIRの発光波長において、25℃を100%とした照度の出力比を示す図である。300ir、301ir、302irは雰囲気温度0℃、25℃(IR基準データ)、50℃における夫々の発光波長の反射光における照度の出力比を示す線である。
尚、図中に示す照度の出力比は、白基準板20a,20bと同等の材質を用いて長手方向(主走査方向)における、画像領域外を含む読み取り領域全面において反射光の照度を測定したものである。
【0047】
また、図8は、第1の白基準板20a、及び、第2の白基準板20bからの反射光におけるIRの発光波長において、25℃を100%とした照度の出力比を示す図である。303ir、304ir、305irは雰囲気温度0℃、25℃(IR基準データ)、50℃における夫々の発光波長に対するIR白基準データの照度の出力比を示す線である。306ir、307ir、308irは、303ir、304ir、305irにおけるIR白基準データを基に、第1の白基準板20aと第2の白基準板20bとの中間部を補完することで紙幣4の読み取り時における、紙幣4に亘る画像領域の白色の基準照度となるIR補正データの出力比を示す補助線である。
【0048】
これは、紙幣4の読み取り時におけるIR画像データに関して、高温状況下では、発光波長は長波長側にスペクトルがシフトし、低温状況下では、発光波長は短波長側にスペクトルがシフトする傾向が見られることを示している。
【0049】
尚、図8に示す304ir、及び、307irは、図7に示す301irと同一であるものとする。
【0050】
本実施の形態では、IR白基準データを基に、第1の白基準板20a、及び、第2の白基準板20bの中間部を補完したIR補正データと、IR基準データとが略同一となるよう照度補正することにより算出された補正係数を、紙幣4の読み取り時のIR画像データに用いることで照度補正を行うことが可能となるものである。
これは、例えば、雰囲気温度0℃における読取動作の場合、図8に示す0℃におけるIR補正データを示す補助線306irがIR基準データを示す301ir(304ir、及び、307ir)に一致するように補正することで、IR画像データを補正するものであり、特に、IR画像データにおいて高い効果を生じるものである。
【0051】
これにより、雰囲気温度の変化により、赤外線領域の発光波長に温度シフトが生じることでIRの照度が不安定となった場合においても照度補正を行うことができるようになるため、IRの画像データの変動を生じること無く、安定した照射光を得ることができる。
このため、光源10にコスト的にも安価な800乃至1000nmのピーク発光波長の赤外光の照射を行うLEDを用いると共に、導光体11にコスト的にも安価な合成樹脂を用いることが可能となり、コスト低減を図ることができる。
【0052】
(実施例2)
図5Aは、本発明を適用できるイメージセンサユニット1の構造を示す側面図である。図5Bは、本発明を適用できるイメージセンサユニット1の構造を示す正面図である。
また、図9は、信号処理部16の他の構成を示すブロック図である。図9に示すように、信号処理部16はイメージセンサユニット1に電気的に接続されているものである。
【0053】
20a,20bはイメージセンサユニット1内部においてカバーガラス2裏面に設けられた白色の白基準手段としての白基準板である。白基準板20a,20bは、ロッドレンズアレイ12の長手方向における両端部の紙幣4に亘る画像領域外を覆う位置に、反光源10側端部に設けられた第1の白基準板20a、及び、光源10側端部に設けられた第2の白基準板20bとして夫々設けられている。
この時、白基準板20a,20bは板状の部品であっても良いし、印刷等によるものであっても構わない。
尚、本実施例では、読み取り領域内において、両端部より夫々100PIX分を画像領域外(読み取り範囲外)として用いている。
また、白基準手段としては白色の白基準板に限らず、補正対象の波長近傍において一定の分光反射率を示す部材であってもよいし、特定の波長で一定でない分光反射率をもつ補正板であってもかまわない。
【0054】
また、予め、製品出荷時に、光源10、導光体11等の光量ムラや、光電変換素子13kの感度ムラ等を全ての画素に対して1画素単位で補正されている。
これは、紙幣4の階調の再現性を高めるためると共に、夫々の画像データ間に誤差を生じさせないためである。
具体的には、紙幣4の読み取り時に、導光体11を通して光源10より紙幣4に照射される発光量を適正化する光量調整と、光電変換素子13kの画像信号出力に対する増幅率を適正化するゲイン調整とを夫々の画像データに対して行うことを示している。
【0055】
このため、光量調整、及び、ゲイン調整時の基準照度となる基準データとして、RGB画像データに対するRGB基準データ、及び、IR画像データに対するIR基準データを夫々、予め、例えば信号処理部16に設けられた記憶手段としての記憶回路Aに収納されるものである。この時、RGB・IRの各基準データは、段階的に変化させた温度条件における発光波長を基準とするものであり、温度条件に応じて複数収納されている。
【0056】
この構成により、両端部の第1の白基準板20a、及び、第2の白基準板20bからのRGB・IRの反射光を光電変換素子13kにより読み取ることにより、これらの反射光を基に白色の基準照度となるRGB白基準データ、及び、IR白基準データを生成するものである。
具体的には、光源10に設けられた発光素子10r、10g、10b、10irを点灯駆動させることで、第1の白基準板20a、及び、第2の白基準板20bからのRBG・IRの反射光を読み取るものである。これらの反射光は光電変換素子13kにより電気信号に変換された後、信号処理部16に出力される。信号処理部16に設けられた白基準データ生成手段としての白基準データ生成回路Cにおいて、平均値(図中に補助線として実線表記)より均一化補正されたRGB白基準データ、及び、IR白基準データとして読み取り時の雰囲気温度に応じて生成される。
【0057】
その後、信号処理部16に設けられた補正データ生成手段としての補正データ生成回路Dにおいて、RGB白基準データ、及び、IR白基準データを基に、予め、記憶回路Aに収納された複数のRGB基準データ、及び、IR基準データから、略同形状に近似できるRGB基準データ、及び、IR基準データを選択する。
【0058】
これらを紙幣4の読み取り時における、紙幣4に亘る画像領域の白色の基準照度となるRGB補正データ、及び、IR補正データとすることで、予め算出された補正係数が選択される。
【0059】
そして、紙幣4の読み取り時のRGB画像データ、及び、IR画像データは、夫々の補正係数を基に、補正手段としての補正回路Fにおいて、光量調整・ゲイン調整を行うことで照度補正が行われるものである。
【0060】
以上の動作を次の各白基準データが生成されるまで続けるものとする。
尚、白基準データの生成は、画像読取装置9の動作開始(電源投入時)毎、紙幣の読み取り毎、1走査ラインの読取動作毎等どのような時期に行っても構わない。
また、イメージセンサユニット1は反射光源に限らず透過光源を用いたものであってもかまわない。
【0061】
図7は、反射光におけるIRの発光波長において、25℃を100%とした照度の出力比を示す図である。300ir、301ir、302irは雰囲気温度0℃、25℃(IR基準データ)、50℃における夫々の発光波長の反射光における照度の出力比を示す線である。
尚、図中に示す照度の出力比は、白基準板20a,20bと同等の材質を用いて長手方向(主走査方向)における、画像領域外を含む読み取り領域全面において反射光の照度を測定したものである。
【0062】
また、図10は、第1の白基準板20a、及び、第2の白基準板20bからの反射光におけるIRの発光波長、及び、IR基準データにおいて、25℃を100%とした照度の出力比を示す図である。309ir、310ir、311irは雰囲気温度0℃、25℃(IR基準データ)、50℃における夫々の発光波長に対するIR白基準データの照度の出力比を示す線である。312ir、313ir、314irは、予め、記憶回路Aに収納されたIR基準データであり、雰囲気温度0℃、25℃(IR基準データ)、50℃における夫々の発光波長に対するIR基準データの照度の出力比を示す線である。
【0063】
これは、紙幣4の読み取り時におけるIR画像データに関して、高温状況下では、発光波長は長波長側にスペクトルがシフトし、低温状況下では、発光波長は短波長側にスペクトルがシフトする傾向が見られることを示している。
【0064】
尚、図10に示す313irは、図7に示す301irと同一であるものとする。
【0065】
本実施の形態では、IR白基準データを基に、略同形状に近似できるIR基準データをIR補正データとすることにより選択された補正係数を、紙幣4の読み取り時のIR画像データに用いることで照度補正を行うことが可能となるものである。
これは、例えば、雰囲気温度0℃における読取動作の場合、図10に示す0℃におけるIR白基準データを示す309irに対して、IR補正データとして略同形状に近似できるIR基準データを示す312irを選択することにより、予め、312irに対応して算出された補正係数によってIR画像データを補正するものであり、特に、IR画像データにおいて高い効果を生じるものである。
【0066】
これにより、雰囲気温度の変化により、赤外線領域の発光波長に温度シフトが生じることでIRの照度が不安定となった場合においても照度補正を行うことができるようになるため、IRの画像データの変動を生じること無く、安定した照射光を得ることができる。
【0067】
このため、光源10にコスト的にも安価な800乃至1000nmのピーク発光波長の赤外光の照射を行うLEDを用いると共に、導光体11にコスト的にも安価な合成樹脂を用いることが可能となり、さらなるコスト低減を図ることができる。
【0068】
(実施例3)
図11Aは、本発明を適用できるイメージセンサユニット1の他の構造を示す側面図である。図11Bは、本発明を適用できるイメージセンサユニット1の他の構造を示す正面図である。
また、図12は、信号処理部16の他の構成を示す構成を示すブロック図である。図12に示すように、信号処理部16はイメージセンサユニット1に電気的に接続されているものである。
【0069】
20はイメージセンサユニット1内部においてカバーガラス2裏面に設けられた白色の白基準手段としての白基準板である。白基準板20は、ロッドレンズアレイ12の長手方向における反光源10側端部の紙幣4に亘る画像領域外を覆う位置に設けられている。
この時、白基準板20は板状の部品であっても良いし、印刷等によるものであっても構わない。
尚、本実施例では、読み取り領域内において、反光源10側端部より100PIX分を画像領域外(読み取り範囲外)として用いている。
また、白基準手段としては白色の白基準板に限らず、補正対象の波長近傍において一定の分光反射率を示す部材であってもよいし、特定の波長で一定でない分光反射率をもつ補正板であってもかまわない。
【0070】
また、予め、製品出荷時に、光源10、導光体11等の光量ムラや、光電変換素子13kの感度ムラ等を全ての画素に対して1画素単位で補正されている。
これは、紙幣4の階調の再現性を高めるためると共に、夫々の画像データ間に誤差を生じさせないためである。
具体的には、紙幣4の読み取り時に、導光体11を通して光源10より紙幣4に照射される発光量を適正化する光量調整と、光電変換素子13kの画像信号出力に対する増幅率を適正化するゲイン調整とを夫々の画像データに対して行うことを示している。
【0071】
このため、光量調整、及び、ゲイン調整時の基準照度となる基準データとして、RGB画像データに対するRGB基準データ、及び、IR画像データに対するIR基準データを夫々、予め、例えば信号処理部16に設けられた記憶手段としての記憶回路Aに収納されるものである。この時、RGB・IRの各基準データは、例えば、25℃における発光波長を基準とするものである。
【0072】
この構成により、白基準板20からのRGB・IRの反射光を光電変換素子13kにより読み取ることにより、これらの反射光を基に白色の基準照度となるRGB白基準データ、及び、IR白基準データを生成するものである。
具体的には、光源10に設けられた発光素子10r、10g、10b、10irを点灯駆動させることで、白基準板20からのRBG・IRの反射光を読み取るものである。これらの反射光は光電変換素子13kにより電気信号に変換された後、信号処理部16に出力される。信号処理部16に設けられた白基準データ生成手段としての白基準データ生成回路Cにおいて、平均値(図中に補助線として実線表記)より均一化補正されたRGB白基準データ、及び、IR白基準データとして読み取り時の雰囲気温度に応じて生成される。
【0073】
その後、信号処理部16に設けられた補正データ生成手段としての補正データ生成回路Dにおいて、RGB白基準データ、及び、IR白基準データを基に、白基準板20とRGB基準データ、及び、IR基準データの紙幣4に亘る画像領域における光源10側端部との間を、例えば、直線状に補完する。これにより紙幣4の読み取り時における、紙幣4に亘る画像領域の白色の基準照度となるRGB補正データ、及び、IR補正データが算出される。
さらに、比較手段としての比較回路Eにおいて、RGB補正データ、及び、IR補正データと、予め、信号処理部16の記憶回路Aに収納されたRGB基準データ、及び、IR基準データとが夫々略同一となるよう補正係数が算出される。
【0074】
そして、紙幣4の読み取り時のRGB画像データ、及び、IR画像データは、夫々の補正係数を基に、補正手段としての補正回路Fにおいて、光量調整・ゲイン調整を行うことで照度補正が行われるものである。
【0075】
以上の動作を次の各白基準データが生成されるまで続けるものとする。
尚、白基準データの生成は、画像読取装置9の動作開始(電源投入時)毎、紙幣の読み取り毎、1走査ラインの読取動作毎等どのような時期に行っても構わない。
また、イメージセンサユニット1は反射光源に限らず透過光源を用いたものであってもかまわない。
【0076】
図7は、反射光におけるIRの発光波長において、25℃を100%とした照度の出力比を示す図である。300ir、301ir、302irは雰囲気温度0℃、25℃(IR基準データ)、50℃における夫々の発光波長の反射光における照度の出力比を示す線である。
尚、図中に示す照度の出力比は、白基準板20と同等の材質を用いて長手方向(主走査方向)における、画像領域外を含む読み取り領域全面において反射光の照度を測定したものである。
【0077】
また、図13は、白基準板20からの反射光におけるIRの発光波長において、25℃を100%とした照度の出力比を示す図である。315ir、316ir、317irは雰囲気温度0℃、25℃(IR基準データ)、50℃における夫々の発光波長に対するIR白基準データの照度の出力比を示す線である。318ir、319ir、320irは、315ir、316ir、317irにおけるIR白基準データを基に、白基準板20とIR基準データの光源10側端部との間を補完することで紙幣4の読み取り時における、紙幣4に亘る画像領域の白色の基準照度となるIR補正データの出力比を示す補助線である。
【0078】
これは、紙幣4の読み取り時におけるIR画像データに関して、高温状況下では、発光波長は長波長側にスペクトルがシフトし、低温状況下では、発光波長は短波長側にスペクトルがシフトする傾向が見られることを示している。
【0079】
尚、図13に示す316ir、及び、319irは、図7に示す301irと同一であるものとする。
【0080】
本実施の形態では、IR白基準データを基に、白基準板20とIR基準データの光源10側端部との間を補完したIR補正データと、IR基準データとが略同一となるよう照度補正することにより算出された補正係数を、紙幣4の読み取り時のIR画像データに用いることで照度補正を行うことが可能となるものである。
これは、例えば、雰囲気温度0℃における読取動作の場合、図13に示す0℃におけるIR補正データを示す補助線318irがIR基準データを示す301ir(304ir、及び、307ir)に一致するように補正することで、IR画像データを補正するものであり、特に、IR画像データにおいて高い効果を生じるものである。
【0081】
合成樹脂におけるIRの発光波長の吸収率は、IRの透過率の増減分が導光体11の長手方向(主走査方向)の距離に応じて累積されることにより、光源10側端面から反光源10側端面に向かって略直線的に光量の増減が生じるものである。このため、光源10側端部の照度変動は無視できる程度となり、反光源10側端部のみの補正データのみで照度変動の補正は可能となる。
これにより、雰囲気温度の変化により、赤外線領域の発光波長に温度シフトが生じることでIRの照度が不安定となった場合においても照度補正を行うことができるようになるため、IRの画像データの変動を生じること無く、安定した照射光を得ることができる。
【0082】
このため、光源10にコスト的にも安価な800乃至1000nmのピーク発光波長の赤外光の照射を行うLEDを用いると共に、導光体11にコスト的にも安価な合成樹脂を用いることが可能となり、部品、工数等の大幅な増加を招くこと無く、コスト低減を図ることができる。
【0083】
(実施例4)
図11Aは、本発明を適用できるイメージセンサユニット1の他の構造を示す側面図である。図11Bは、本発明を適用できるイメージセンサユニット1の他の構造を示す正面図である。
また、図14は、信号処理部16の他の構成を示す構成を示すブロック図である。図14に示すように、信号処理部16はイメージセンサユニット1に電気的に接続されているものである。
【0084】
20はイメージセンサユニット1内部においてカバーガラス2裏面に設けられた白色の白基準手段としての白基準板である。白基準板20は、ロッドレンズアレイ12の長手方向における反光源10側端部の紙幣4に亘る画像領域外を覆う位置に設けられている。
この時、白基準板20は板状の部品であっても良いし、印刷等によるものであっても構わない。
尚、本実施例では、読み取り領域内において、反光源10側端部より100PIX分を画像領域外(読み取り範囲外)として用いている。
また、白基準手段としては白色の白基準板に限らず、補正対象の波長近傍において一定の分光反射率を示す部材であってもよいし、特定の波長で一定でない分光反射率をもつ補正板であってもかまわない。
【0085】
また、予め、製品出荷時に、光源10、導光体11等の光量ムラや、光電変換素子13kの感度ムラ等を全ての画素に対して1画素単位で補正されている。
これは、紙幣4の階調の再現性を高めるためると共に、夫々の画像データ間に誤差を生じさせないためである。
具体的には、紙幣4の読み取り時に、導光体11を通して光源10より紙幣4に照射される発光量を適正化する光量調整と、光電変換素子13kの画像信号出力に対する増幅率を適正化するゲイン調整とを夫々の画像データに対して行うことを示している。
【0086】
このため、光量調整、及び、ゲイン調整時の基準照度となる基準データとして、RGB画像データに対するRGB基準データ、及び、IR画像データに対するIR基準データを夫々、予め、例えば信号処理部16に設けられた記憶手段としての記憶回路Aに収納されるものである。この時、RGB・IRの各基準データは、段階的に変化させた温度条件における発光波長を基準とするものであり、温度条件に応じて複数収納されている。
【0087】
この構成により、白基準板20からのRGB・IRの反射光を光電変換素子13kにより読み取ることにより、これらの反射光を基に白色の基準照度となるRGB白基準データ、及び、IR白基準データを生成するものである。
具体的には、光源10に設けられた発光素子10r、10g、10b、10irを点灯駆動させることで、白基準板20からのRBG・IRの反射光を読み取るものである。これらの反射光は光電変換素子13kにより電気信号に変換された後、信号処理部16に出力される。信号処理部16に設けられた白基準データ生成手段としての白基準データ生成回路Cにおいて、平均値(図中に補助線として実線表記)より均一化補正されたRGB白基準データ、及び、IR白基準データとして読み取り時の雰囲気温度に応じて生成される。
【0088】
その後、信号処理部16に設けられた補正データ生成手段としての補正データ生成回路Dにおいて、RGB白基準データ、及び、IR白基準データを基に、予め、記憶回路Aに収納された複数のRGB基準データ、及び、IR基準データから、略同形状に近似できるRGB基準データ、及び、IR基準データを選択する。
【0089】
これらを紙幣4の読み取り時における、紙幣4に亘る画像領域の白色の基準照度となるRGB補正データ、及び、IR補正データとすることで、予め算出された補正係数が選択される。
【0090】
そして、紙幣4の読み取り時のRGB画像データ、及び、IR画像データは、夫々の補正係数を基に、補正手段としての補正回路Fにおいて、光量調整・ゲイン調整を行うことで照度補正が行われるものである。
【0091】
以上の動作を次の各白基準データが生成されるまで続けるものとする。
尚、白基準データの生成は、画像読取装置9の動作開始(電源投入時)毎、紙幣の読み取り毎、1走査ラインの読取動作毎等どのような時期に行っても構わない。
また、イメージセンサユニット1は反射光源に限らず透過光源を用いたものであってもかまわない。
【0092】
図7は、反射光におけるIRの発光波長において、25℃を100%とした照度の出力比を示す図である。300ir、301ir、302irは雰囲気温度0℃、25℃(IR基準データ)、50℃における夫々の発光波長の反射光における照度の出力比を示す線である。
尚、図中に示す照度の出力比は、白基準板20と同等の材質を用いて長手方向(主走査方向)における、画像領域外を含む読み取り領域全面において反射光の照度を測定したものである。
【0093】
また、図15、白基準板20からの反射光におけるIRの発光波長、及び、IR基準データにおいて、25℃を100%とした照度の出力比を示す図である。321ir、322ir、323irは雰囲気温度0℃、25℃(IR基準データ)、50℃における夫々の発光波長に対するIR白基準データの照度の出力比を示す線である。324ir、325ir、326irは、予め、記憶回路Aに収納されたIR基準データであり、雰囲気温度0℃、25℃(IR基準データ)、50℃における夫々の発光波長に対するIR基準データの照度の出力比を示す線である。
【0094】
これは、紙幣4の読み取り時におけるIR画像データに関して、高温状況下では、発光波長は長波長側にスペクトルがシフトし、低温状況下では、発光波長は短波長側にスペクトルがシフトする傾向が見られることを示している。
【0095】
尚、図15に示す325irは、図7に示す301irと同一であるものとする。
【0096】
本実施の形態では、IR白基準データを基に、略同形状に近似できるIR基準データをIR補正データとすることにより選択された補正係数を、紙幣4の読み取り時のIR画像データに用いることで照度補正を行うことが可能となるものである。
これは、例えば、雰囲気温度0℃における読取動作の場合、図15に示す0℃におけるIR白基準データを示す321irに対して、IR補正データとして略同形状に近似できるIR基準データを示す324irを選択することにより、予め、(324irに対応して)算出された補正係数によってIR画像データを補正するものであり、特に、IR画像データにおいて高い効果を生じるものである。
【0097】
これにより、雰囲気温度の変化により、赤外線領域の発光波長に温度シフトが生じることでIRの照度が不安定となった場合においても照度補正を行うことができるようになるため、IRの画像データの変動を生じること無く、安定した照射光を得ることができる。
このため、光源10にコスト的にも安価な800乃至1000nmのピーク発光波長の赤外光の照射を行うLEDを用いると共に、導光体11にコスト的にも安価な合成樹脂を用いることが可能となり、部品、工数等の大幅な増加を招くこと無く、さらなるコスト低減を図ることができる。
【0098】
尚、画像読取装置の一例として紙葉類識別装置における画像データの補正による紙幣の真贋判定について説明したが、画像読取装置として用いた場合、画像データに対する補正のみを行えば良い。
【0099】
以上、本発明の実施形態(実施例)について詳細に説明したが、前記実施形態(実施例)は、本発明を実施するにあたっての具体例を示したに過ぎない。本発明の技術的範囲は、前記実施形態(実施例)に限定されるものではない。本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明のイメージセンサユニットはイメージスキャナー、ファクシミリ、複写機、紙葉類識別装置などの画像読取装置として有効な技術である。
【符号の説明】
【0101】
1 イメージセンサユニット
2 カバーガラス
9 画像読取装置
10 光源
11 導光体
12 ロッドレンズアレイ
13 光電変換素子
14 センサ基板
20 白基準板
20a 第1の白基準板
20b 第2の白基準板
A 記憶回路
B 判定回路
C 白基準データ生成回路
D 補正データ生成回路
E 比較回路
F 補正回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源からの光を導光して被照明体をライン状に照射する導光体と、
前記被照明体からの光を光電変換素子上に結像する結像素子と
を備え、
画像データを生成するイメージセンサユニットであって、
前記導光体は波長に対して透過率が一定でない領域を有する素材からなり、
前記光源は前記導光体の透過率が一定でない領域、及び/又は、透過率が一定でない領域近傍の発光波長を含むと共に、
前記被照明体に亘る画像領域の基準照度となる基準データを収納する記憶手段と、
前記結像素子の長手方向における両端部の前記被照明体に亘る画像領域外を覆う位置に夫々設けられた白基準手段と、
前記白基準手段からの反射光を前記光電変換素子にて夫々読み取って白色の基準照度を示す白基準データを生成する白基準データ生成手段と、
前記白基準データを基に、前記被照明体に亘る画像領域の白色の基準照度を示す補正データを生成する補正データ生成手段と、
前記補正データと、前記基準データとから補正係数を算出する比較手段と、
前記補正係数を基に、前記画像データの補正を行う補正手段と
を備えた
ことを特徴とするイメージセンサユニット。
【請求項2】
前記光源は、赤外線領域の発光波長を主波長とする発光素子を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサユニット。
【請求項3】
前記赤外線領域の発光波長は、ピーク発光波長が800乃至1000nmの発光波長である
ことを特徴とする請求項2に記載のイメージセンサユニット。
【請求項4】
前記導光体は、アクリルである
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のイメージセンサユニット。
【請求項5】
光源と、
前記光源からの光を導光して被照明体をライン状に照射する導光体と、
前記被照明体からの光を光電変換素子上に結像する結像素子と
を備え、
画像データを生成するイメージセンサユニットであって、
前記導光体は波長に対して透過率が一定でない領域を有する素材からなり、
前記光源は前記導光体の透過率が一定でない領域、及び/又は、透過率が一定でない領域近傍の発光波長を含むと共に、
前記被照明体に亘る画像領域の基準照度となる基準データを温度条件に応じて複数収納する記憶手段と、
前記結像素子の長手方向における両端部の前記被照明体に亘る画像領域外を覆う位置に夫々設けられた白基準手段と、
前記白基準手段からの反射光を前記光電変換素子にて夫々読み取って白色の基準照度を示す白基準データを生成する白基準データ生成手段と、
前記白基準データを基に、前記複数の基準データに近似できる基準データを白色の基準照度を示す補正データとすることで前記被照明体に亘る画像領域の補正係数を算出する補正データ生成手段と、
前記補正係数を基に、前記画像データの補正を行う補正手段と
を備えた
ことを特徴とするイメージセンサユニット。
【請求項6】
前記光源は、赤外線領域の発光波長を主波長とする発光素子を含む
ことを特徴とする請求項5に記載のイメージセンサユニット。
【請求項7】
前記赤外線領域の発光波長は、ピーク発光波長が800乃至1000nmの発光波長である
ことを特徴とする請求項6に記載のイメージセンサユニット。
【請求項8】
前記導光体は、アクリルである
ことを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載のイメージセンサユニット。
【請求項9】
光源と、
前記光源からの光を導光して被照明体をライン状に照射する導光体と、
前記被照明体からの光を光電変換素子上に結像する結像素子と
を備え、
画像データを生成するイメージセンサユニットであって、
前記導光体は波長に対して透過率が一定でない領域を有する素材からなり、
前記光源は前記導光体の透過率が一定でない領域、及び/又は、透過率が一定でない領域近傍の発光波長を含むと共に、
前記被照明体に亘る画像領域の基準照度となる基準データを収納する記憶手段と、
前記結像素子の長手方向における前記光源に対向する側の端部の前記被照明体に亘る画像領域外を覆う位置に設けられ白基準手段と、
前記白基準手段からの反射光を前記光電変換素子にて読み取って白色の基準照度を示す白基準データを生成する白基準データ生成手段と、
前記白基準データを基に、前記被照明体に亘る画像領域の白色の基準照度を示す補正データを生成する補正データ生成手段と、
前記補正データと、前記基準データとから補正係数を算出する比較手段と、
前記補正係数を基に、前記画像データの補正を行う補正手段と
を備えた
ことを特徴とするイメージセンサユニット。
【請求項10】
前記光源は、赤外線領域の発光波長を主波長とする発光素子を含む
ことを特徴とする請求項9に記載のイメージセンサユニット。
【請求項11】
前記赤外線領域の発光波長は、ピーク発光波長が800乃至1000nmの発光波長である
ことを特徴とする請求項10に記載のイメージセンサユニット。
【請求項12】
前記導光体は、アクリルである
ことを特徴とする請求項9乃至11のいずれか1項に記載のイメージセンサユニット。
【請求項13】
光源と、
前記光源からの光を導光して被照明体をライン状に照射する導光体と、
前記被照明体からの光を光電変換素子上に結像する結像素子と
を備え、
画像データを生成するイメージセンサユニットであって、
前記導光体は波長に対して透過率が一定でない領域を有する素材からなり、
前記光源は前記導光体の透過率が一定でない領域、及び/又は、透過率が一定でない領域近傍の発光波長を含むと共に、
前記被照明体に亘る画像領域の基準照度となる基準データを温度条件に応じて複数収納する記憶手段と、
前記結像素子の長手方向における前記光源に対向する側の端部の前記被照明体に亘る画像領域外を覆う位置に設けられ白基準手段と、
前記白基準手段からの反射光を前記光電変換素子にて読み取って白色の基準照度を示す白基準データを生成する白基準データ生成手段と、
前記白基準データを基に、前記複数の基準データに近似できる基準データを白色の基準照度を示す補正データとすることで前記被照明体に亘る画像領域の補正係数を算出する補正データ生成手段と、
前記補正係数を基に、前記画像データの補正を行う補正手段と
を備えた
ことを特徴とするイメージセンサユニット。
【請求項14】
前記光源は、赤外線領域の発光波長を主波長とする発光素子を含む
ことを特徴とする請求項13に記載のイメージセンサユニット。
【請求項15】
前記赤外線領域の発光波長は、ピーク発光波長が800乃至1000nmの発光波長である
ことを特徴とする請求項14に記載のイメージセンサユニット。
【請求項16】
前記導光体は、アクリルである
ことを特徴とする請求項13乃至15のいずれか1項に記載のイメージセンサユニット。
【請求項17】
光源と、
前記光源からの光を導光して被照明体をライン状に照射する導光体と、
前記被照明体からの光を光電変換素子上に結像する結像素子と
を備えたイメージセンサユニットにより
画像データを生成する画像読取装置であって、
前記導光体は波長に対して透過率が一定でない領域を有する素材からなり、
前記光源は前記導光体の透過率が一定でない領域、及び/又は、透過率が一定でない領域近傍の発光波長を含むと共に、
前記被照明体に亘る画像領域の基準照度となる基準データを収納する記憶手段と、
前記結像素子の長手方向における両端部の前記被照明体に亘る画像領域外を覆う位置に夫々設けられた白基準手段と、
前記白基準手段からの反射光を前記光電変換素子にて夫々読み取って白色の基準照度を示す白基準データを生成する白基準データ生成手段と、
前記白基準データを基に、前記被照明体に亘る画像領域の白色の基準照度を示す補正データを生成する補正データ生成手段と、
前記補正データと、前記基準データとから補正係数を算出する比較手段と、
前記補正係数を基に、前記画像データの補正を行う補正手段と
を備えた
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項18】
前記光源は、赤外線領域の発光波長を主波長とする発光素子を含む
ことを特徴とする請求項17に記載の画像読取装置。
【請求項19】
前記赤外線領域の発光波長は、ピーク発光波長が800乃至1000nmの発光波長である
ことを特徴とする請求項18に記載の画像読取装置。
【請求項20】
前記導光体は、アクリルである
ことを特徴とする請求項17乃至19のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項21】
光源と、
前記光源からの光を導光して被照明体をライン状に照射する導光体と、
前記被照明体からの光を光電変換素子上に結像する結像素子と
を備えたイメージセンサユニットにより
画像データを生成する画像読取装置であって、
前記導光体は波長に対して透過率が一定でない領域を有する素材からなり、
前記光源は前記導光体の透過率が一定でない領域、及び/又は、透過率が一定でない領域近傍の発光波長を含むと共に、
前記被照明体に亘る画像領域の基準照度となる基準データを温度条件に応じて複数収納する記憶手段と、
前記結像素子の長手方向における両端部の前記被照明体に亘る画像領域外を覆う位置に夫々設けられた白基準手段と、
前記白基準手段からの反射光を前記光電変換素子にて夫々読み取って白色の基準照度を示す白基準データを生成する白基準データ生成手段と、
前記白基準データを基に、前記複数の基準データに近似できる基準データを白色の基準照度を示す補正データとすることで前記被照明体に亘る画像領域の補正係数を算出する補正データ生成手段と、
前記補正係数を基に、前記画像データの補正を行う補正手段と
を備えた
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項22】
前記光源は、赤外線領域の発光波長を主波長とする発光素子を含む
ことを特徴とする請求項21に記載の画像読取装置。
【請求項23】
前記赤外線領域の発光波長は、ピーク発光波長が800乃至1000nmの発光波長である
ことを特徴とする請求項22に記載の画像読取装置。
【請求項24】
前記導光体は、アクリルである
ことを特徴とする請求項21乃至23のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項25】
光源と、
前記光源からの光を導光して被照明体をライン状に照射する導光体と、
前記被照明体からの光を光電変換素子上に結像する結像素子と
を備えたイメージセンサユニットにより
画像データを生成する画像読取装置であって、
前記導光体は波長に対して透過率が一定でない領域を有する素材からなり、
前記光源は前記導光体の透過率が一定でない領域、及び/又は、透過率が一定でない領域近傍の発光波長を含むと共に、
前記被照明体に亘る画像領域の基準照度となる基準データを収納する記憶手段と、
前記結像素子の長手方向における前記光源に対向する側の端部の前記被照明体に亘る画像領域外を覆う位置に設けられ白基準手段と、
前記白基準手段からの反射光を前記光電変換素子にて読み取って白色の基準照度を示す白基準データを生成する白基準データ生成手段と、
前記白基準データを基に、前記被照明体に亘る画像領域の白色の基準照度を示す補正データを生成する補正データ生成手段と、
前記補正データと、前記基準データとから補正係数を算出する比較手段と、
前記補正係数を基に、前記画像データの補正を行う補正手段と
を備えた
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項26】
前記光源は、赤外線領域の発光波長を主波長とする発光素子を含む
ことを特徴とする請求項25に記載の画像読取装置。
【請求項27】
前記赤外線領域の発光波長は、ピーク発光波長が800乃至1000nmの発光波長である
ことを特徴とする請求項26に記載の画像読取装置。
【請求項28】
前記導光体は、アクリルである
ことを特徴とする請求項25乃至27のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項29】
光源と、
前記光源からの光を導光して被照明体をライン状に照射する導光体と、
前記被照明体からの光を光電変換素子上に結像する結像素子と
を備えたイメージセンサユニットにより
画像データを生成する画像読取装置であって、
前記導光体は波長に対して透過率が一定でない領域を有する素材からなり、
前記光源は前記導光体の透過率が一定でない領域、及び/又は、透過率が一定でない領域近傍の発光波長を含むと共に、
前記被照明体に亘る画像領域の基準照度となる基準データを温度条件に応じて複数収納する記憶手段と、
前記結像素子の長手方向における前記光源に対向する側の端部の前記被照明体に亘る画像領域外を覆う位置に設けられ白基準手段と、
前記白基準手段からの反射光を前記光電変換素子にて読み取って白色の基準照度を示す白基準データを生成する白基準データ生成手段と、
前記白基準データを基に、前記複数の基準データに近似できる基準データを白色の基準照度を示す補正データとすることで前記被照明体に亘る画像領域の補正係数を算出する補正データ生成手段と、
前記補正係数を基に、前記画像データの補正を行う補正手段と
を備えた
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項30】
前記光源は、赤外線領域の発光波長を主波長とする発光素子を含む
ことを特徴とする請求項29に記載の画像読取装置。
【請求項31】
前記赤外線領域の発光波長は、ピーク発光波長が800乃至1000nmの発光波長である
ことを特徴とする請求項30に記載の画像読取装置。
【請求項32】
前記導光体は、アクリルである
ことを特徴とする請求項29乃至31のいずれか1項に記載の画像読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−146285(P2012−146285A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236415(P2011−236415)
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【出願人】(000104629)キヤノン・コンポーネンツ株式会社 (49)
【Fターム(参考)】