説明

イメージセンサユニット、画像読取装置、画像形成装置

【課題】光源およびイメージセンサが実装される回路基板を小型化できるイメージセンサユニットを提供する。
【解決手段】光を発する発光面82を有する光源6と、光源6からの光を線状化して原稿Pに照射する光出射部11を有し略棒状に形成される導光体3と、原稿Pからの光を受光して電気信号に変換するイメージセンサ7と、原稿Pからの光をイメージセンサ7に結像する集光体4と、光源6とイメージセンサ7とが実装される回路基板5と、導光体3と集光体4と回路基板5とが収容されるフレーム2とを備え、集光体4と導光体3の光出射部11とが略平行に配設されるとともに、光源6の発光面81の中心線Ceが、光出射部11の中心線CGよりも集光体4の光軸G側に位置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イメージセンサユニット、画像読取装置、画像形成装置に関する。詳しくは、スキャナーや複写機や複合機などに用いられるイメージセンサユニットと、このイメージセンサユニットが適用される画像読取装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
イメージセンサユニットに用いられる照明装置として、導光体方式の照明装置が知られている。
たとえば、特許文献1には、従来技術として、光電変換を行う複数のセンサチップが実装されるセンサ基板と、LED光源と、LED光源からの光を主走査方向に導光して所望の方向に出射する導光体とをフレーム等に収容した密着型イメージセンサユニットが開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載のユニットの構成では、光源を長手方向の端面に設けるためには、導光体の位置および形状に応じた専用の光源を用いる必要があり高価となる問題があった。
【0003】
そこで、たとえば、特許文献2〜4に示すようなイメージセンサユニットが開示されている。即ち、特許文献2に記載の密着型イメージセンサユニットは、略棒状で両端部がセンサ基板に向けて直角に屈曲する導光体と、導光体の入射面(センサ基板に対向する入光面)に光を照射するLEDを有する。導光体の屈曲部には反射面が形成されており、入射面から入射された光を反射面で反射させることによって、拡散面および出射面が形成される部分に導く。このため、導光体の内部に入射された光は、拡散面において拡散し、出射面から外部の原稿に出射される。そして、原稿からの反射光は、LEDの照射方向と略平行に進んでセンサ部に達する。また、特許文献3に記載の密着型イメージセンサユニットは、略棒状で主要領域と補助領域とが長手方向に直列的に繋がって形成される導光体と、導光体の補助領域に光を照射する光源とを備える。補助領域は、光源からの光を主要領域に進行させるための領域であり、光源から光を受ける下向きの光入射面と、入射した光を主要部に向けて反射する反射面とを有する。さらに、補助領域において入射面以外の部分を覆うリフレクタを設けることによって、補助領域から光が漏れることを防止している。このような構成によれば、原稿の読取ラインに対する照明効率を高めることができる。また、特許文献4には、センサ基板上のLED光源の配置や、このLED光源の光出射面に対向する導光体の入光面の位置関係の例が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−331494号公報
【特許文献2】特開平10−93765号公報
【特許文献3】国際公開第2004/054232号
【特許文献4】特開2004‐193773号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、スキャナーや複写機や複合機において小型化、軽量化およびコスト低減の要求が進んでいるため、それらに組み込まれるイメージセンサユニットにおいても一層の小型化、軽量化およびコスト低減が求められている。イメージセンサユニットの小型化、軽量化およびコスト低減のためには、一般的な安価な表面実装型の光源を用いつつ、光源やイメージセンサユニットが実装される回路基板の小型化や軽量化が必要になる。しかしながら、特許文献2乃至3に記載の構成では、導光体の入射面の直下にLEDなどの光源を配置する必要があるため、回路基板の小型化や軽量化が困難であり、イメージセンサユニットの小型化や軽量化が困難となる問題があった。
【0006】
本発明はかかる実情に鑑みてなされたものであり、小型化や軽量化およびコスト低減を図ることのできるイメージセンサユニットと、このイメージセンサユニットが適用される画像読取装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明は、被照明体を読み取るイメージセンサユニットであって、光を発する発光面を有する光源と、前記光源からの光を前記被照明体に出射する主走査方向に長い略棒状の光出射部を有する導光体と、前記被照明体からの光を受光して電気信号に変換するイメージセンサと、前記被照明体からの光を前記イメージセンサに結像する集光体と、前記光源と前記イメージセンサとが実装され主走査方向に長い回路基板と、前記導光体と前記集光体と前記回路基板とが収容されるフレームとを備え、前記回路基板の前記光源と前記イメージセンサが実装される面を法線方向から見た平面視において、前記光源の発光面の中心が、前記導光体の前記光出射部の中心線よりも前記イメージセンサに近いことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、一般的な安価な表面実装型の光源を用いつつ、光源をイメージセンサに接近させることにより、光源とイメージセンサとが実装される回路基板の副走査方向の寸法を小さくできる。このため、光源とイメージセンサとが実装される回路基板を小型化、軽量化およびコスト低減を図ることができる。したがって、イメージセンサユニットの小型化、軽量化およびコスト低減を図ることができる。さらに、本発明によれば、イメージセンサユニットの小型化、軽量化およびコスト低減を図ることができるから、これが適用される画像読取装置や画像形成装置の小型化、軽量化およびコスト低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、実施例1にかかるイメージセンサユニットの構成を模式的に示した外観斜視図である。
【図2】図2は、実施例1にかかるイメージセンサユニットの内部の機器配置を模式的に示した斜視図である。
【図3】図3(a)は光源の構成を模式的に示した平面図であり、図3(b)は光源の副走査方向の側面図であり、図3(c)は光源6の主走査方向の側面図である。
【図4】図4は、導光体の構成を模式的に示した外観斜視図である。
【図5】図5は、図1のV‐V線断面図である。
【図6】図6は、図5に光源と導光体の捩れ部とを重ねて示すとともに、従来のイメージセンサユニットを併せて示す図である。
【図7】図7は、実施例1にかかるイメージセンサユニットの構成を示した断面模式図であり、導光体の光出射部における断面と、捩れ部における断面とを重ね合わせて示した図である。
【図8】図2に示す構成よりも、光源の中心線を、さらにイメージセンサICの側に接近させた構成を示す図である。
【図9】図9は、実施例2にかかるイメージセンサユニットから、導光体の捩れ部およびその近傍を抜き出して示した図であり、副走査方向から見た図である。
【図10】図10は、実施例2にかかるイメージセンサユニットの構成を模式的に示した外観斜視図である。
【図11】図11は、実施例2の別形態にかかるイメージセンサユニットから、導光体の捩れ部およびその近傍を抜き出して示した図であり、副走査方向から見た図である。
【図12】図12は、遮光部材が設けられる実施例と、遮光部材が設けられない比較例の輝度を示すグラフである。
【図13】図13は、本発明の実施形態にかかる画像読取装置を模式的に示した外観斜視図である。
【図14】図14は、本発明の実施形態にかかる画像形成装置を模式的に示した外観斜視図である。
【図15】図15は、本発明の実施形態にかかる画像形成装置の画像形成部の構成を模式的に示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を適用できる実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。本発明の実施形態は、イメージセンサユニットと、これが適用される画像読取装置と画像形成装置である。以下の説明においては、三次元の各方向を、X,Y,Zの各矢印で示す。X方向が主走査方向であり、Y方向が主走査方向に直角な副走査方向であり、Z方向が上方向である。本発明の実施形態にかかるイメージセンサユニットは、被照明体としての原稿Pに対して副走査方向に相対的に移動しながら、原稿Pの画像を読み取ることができる。すなわち、Y方向が、本発明の実施形態にかかるイメージセンサユニットと原稿Pとの相対的な移動方向である。
【実施例1】
【0011】
本発明の実施例1にかかるイメージセンサユニット1について、図1と図2を参照して説明する。図1は、実施例1にかかるイメージセンサユニット1の構成を模式的に示した外観斜視図である。図2は、実施例1にかかるイメージセンサユニット1の内部における集光体と、回路基板と、光源と、イメージセンサとの配置状態を模式的に示した斜視図である。実施例1にかかるイメージセンサユニット1の全体的な構成は、次のとおりである。図1に示すように、実施例1にかかるイメージセンサユニット1は、たとえば、密着型イメージセンサ(CIS;Contact Image Sensor)ユニットであり、主走査方向に長い略直方体の構成を有する。図1と図2に示すように、実施例1にかかるイメージセンサユニット1は、フレーム2と、導光体3と、集光体4と、回路基板5と、光源6と、イメージセンサ7とを含む。光源6は、たとえば、赤R,緑G,青Bの3色の発光波長を持つ発光素子6r,6g,6bを備え、光源6と導光体3とで照明装置が構成される。光源6とイメージセンサ7とは、回路基板5の上面に実装される。
この構成により、原稿Pの画像を読み取る場合、光源6は発光素子6r,6g,6bを順次、点灯駆動させて光を照射する。光源6からの光は、導光体3によって線状化されて原稿Pの読取ラインSに向けて照射される。原稿Pからの反射光は、集光体4によってイメージセンサ7の表面に結像される。そして、イメージセンサ7は、受光した光を電気信号に変換する。
【0012】
フレーム2は、実施例1にかかるイメージセンサユニット1の筐体であり、導光体3と集光体4と回路基板5とが収容される部材である。図1に示すように、フレーム2は、主走査方向に長い略直方体の部材である。フレーム2の内部には、導光体3を収容可能で上方向に向かって開放する空間である導光体収容室27と、集光体4を収容可能な集光体収容室28と、回路基板5を収容可能な回路基板収容室29が形成される(図5参照)。さらにフレーム2には、導光体収容室27に収容された導光体3を固定する導光体押さえ爪39が形成される。導光体押さえ爪39は、導光体収容室27の内側に向かって突起する弾性変形可能な構造物であり、フレーム2に一体に成形される。フレーム2は、たとえば、黒色に着色された遮光性を有する樹脂材料により一体に形成される。樹脂材料には、たとえば、ポリカーボネートが適用できる。
【0013】
集光体4は、原稿Pからの反射光をイメージセンサ7の表面に結像する光学部材である。集光体4には、たとえば、複数の正立等倍結像型の結像素子(ロッドレンズ)が主走査方向に直線状に配列された構成のロッドレンズアレイが適用される。なお、集光体4は、結像素子が直線的に配列される構成であれば複数列配列されていてもよく、特に限定されるものではない。また、集光体4には、各種マイクロレンズアレイなど、従来公知の各種集光機能を有する光学部材が適用できる。
【0014】
光源6は、たとえば、市販されている表面実装型LEDが適用される。図3(a)は、光源6の構成を、表面実装型LEDを例に模式的に示した平面図である。図3(b)は、光源6の主走査方向に切断した断面図である。図3(c)は、光源6の副走査方向に切断した断面図である。図3(a)〜(c)に示すように、光源6は、発光素子6r,6g,6bが発する光を外部に出射する発光面82を有する。
【0015】
イメージセンサ7には、イメージセンサICアレイが適用される。イメージセンサICアレイは、実施例1にかかるイメージセンサユニット1の読取の解像度に応じた複数の受光素子(受光素子は光電変換素子と称することもある)から構成されるイメージセンサIC9の所定数を回路基板5上にライン状に実装配置したものである。従ってイメージセンサ7は、これらの受光素子が主走査方向に直線状に配列されて形成されているものである。なお、イメージセンサ7は、受光素子が直線状に配列される構成のものであれば、たとえば、千鳥配列のように複数列配列されていてもよく、他の構成は特に限定されない。また、イメージセンサIC9には、従来公知の各種イメージセンサICが適用できる。
【0016】
図2に示すように、光源6とイメージセンサ7は、回路基板5の上面に実装される。回路基板5は、主走査方向に長い四辺形の構成を有する。そして、光源6は、回路基板5の主走査方向の一端近傍に実装され、上方向に光を出射できる。
【0017】
導光体3は、光源6が発する光を線状化して原稿Pの読取ラインSに向けて照射するための光学部材である。図4は、導光体3の構成を示した外観斜視図である。導光体3は、ガラスや樹脂材料などといった透明な材料により形成される。透明な樹脂材料としては、たとえば、アクリル系の樹脂材料が適用できる。図4に示すように、導光体3は、光出射部11と捩れ部15とを有する。
【0018】
光出射部11は、主走査方向に長い略棒状に形成される。光出射部11の表面には、光出射面12が形成される。光出射面12は、光出射部11の主走査方向に亘って設けられる細長い面であり、原稿Pの読取ラインSに向かって線状の光を出射する面である。光出射面12は、原稿Pの読取ラインSに集光するため、たとえば、読取ラインSの方向に向けて凸の曲面に形成される。光拡散面13は、光出射部11の主走査方向に亘って設けられる細長い面であり、光を導光体3の内部で光を反射・拡散させる面である。光拡散面13は、光出射面12に対向して設けられており、たとえば、シルク印刷等によるパターン形状が形成されている。また、その他の面はそれぞれ反射面として作用するものである。
光出射部11および光出射面12の主走査方向の寸法は、読取対象の原稿の幅に応じて設定される。たとえば、A4サイズの原稿の読取りに対応する場合には、光出射面12の主走査方向の寸法は、A4サイズの原稿の幅に応じた寸法に設定される。そして、図2に示すように、光出射部11は、光出射面12の長手方向が、集光体4の長手方向に略平行になるように配置される。
【0019】
捩れ部15は、光源6が発する光を光出射部11に導く部分である。捩れ部15の端面は、光源6が発する光が入光する入光面16である。入光面16は、光源6が発する光を効率よく導光体3に入光するように、光源6の発光面82に略平行でわずかな間隔をとって対向する。このため、捩れ部15は、光出射部11の一端に連なり、回路基板5に実装される光源6の発光面82に向かうように屈曲または湾曲する。さらに、捩れ部15は、入光面16が光源6の発光面82と対向するように、光出射部11の一端から副走査方向にも屈曲または湾曲する。このため、副走査方向に関して、入光面16の最もイメージセンサ7側の端の位置は、光出射部11の最もイメージセンサ7側の端の位置よりも、イメージセンサ7側に位置している。同様に、副走査方向に関して、入光面16のイメージセンサ7とは反対側の端の位置は、光出射部11のイメージセンサ7と反対側の端の位置よりも、イメージセンサ7側に位置している。さらに換言すると、入光面16の副走査方向についての中心位置と、光出射部11の副走査方向についての中心位置とは、副走査方向に関して互いにずれている。ここで、入光面16と光出射部11の「副走査方向についての中心位置」とは、それぞれ、副走査方向の両端どうしの中心位置をいう。具体的には、法線方向(上方向)から見た平面視(回路基板5の光源6およびイメージセンサ7が実装される面の平面視)における輪郭線(外形線)のうち、副走査方向について互いに最も離れた箇所(最大外形)どうしの中心位置をいう。なお、入光面16と光出射部11に局所的または部分的な凹凸が存在することがあるが、ここでいう中心線Ceは、このような凹凸が存在しないものとした場合の中心線とする。このように、捩れ部15が下方向および副走査方向に屈曲または湾曲している。このため、導光体3を副走査方向から見た場合であっても上方向(または下方向)から見た場合であっても、捩れ部15は光出射部11に対して屈曲または湾曲して見える。このような形状を以下、捩れ形状と呼ぶ。なお、入光面16の形状や寸法は、光源6の発光面82の形状や寸法を考慮し、効率的に光源からの光が入光できるように設定されていることが好適である。捩れ部15の副走査方向についての屈曲または湾曲の程度は、入光面16が光源6の発光面82に対向して効率よく入光できるように、導光体3の光出射部11と光源6の発光面82との位置関係に基づいて設定される。たとえば、この屈曲または湾曲の程度は、導光体3の光出射部11と光源6の発光面82との副走査方向についての距離などに基づいて設定される。
【0020】
このほか、実施例1にかかるイメージセンサユニット1には、画像読取装置10(後述)または画像形成装置50(後述)に取り付けるための取付部や、画像読取装置10または画像形成装置50に電気接続するためのコネクタなどが、フレーム2から突起して設けられる。なお、取付部やコネクタの構成は、特に限定されるものではない。取付部は、実施例1にかかるイメージセンサユニット1を画像読取装置10または画像形成装置50に取り付けることができる構成であればよい。また、コネクタは、実施例1にかかるイメージセンサユニット1と画像読取装置10または画像形成装置50の所定の機器とを、電力や電気信号を送受信可能に接続できる構成であればよい。
【0021】
次に、実施例1にかかるイメージセンサユニット1の組み付け構成について、図5と図6を参照して説明する。図5は、図1のV‐V線断面図である。図6は、図5の断面図に光源6と導光体3の捩れ部15とを重ねて示した図である。また、図6の上段は、実施例1にかかるイメージセンサユニット1を示す。また図6の下段には、導光体は捩れ形状がなく、導光体をZ方向から見て屈曲または湾曲していない捩れ部を有するイメージセンサユニット201を並べて示す。
【0022】
図5と図6に示すように、導光体3が導光体収容室27に収容され、集光体4が集光体収容室28に収容され、回路基板5が回路基板収容室29に収容される。導光体収容室27と集光体収容室28とは、上方向に向かって開放する空間である。そして、導光体収容室27と集光体収容室28とは、副走査方向に並んで形成される。回路基板収容室29は、下方向に向かって開放する空間である。導光体収容室27と、集光体収容室28と、回路基板収容室29とは、互いに略平行である。このため、導光体3の光出射部11と、集光体4と、回路基板5に実装されるイメージセンサ7とは、互いに略平行になる。また、集光体収容室28と回路基板収容室29とは、光が通過可能に連通する。
【0023】
導光体3の捩れ部15が副走査方向に屈曲または湾曲している(図2、図4、図6参照)。このため、副走査方向に関しては、導光体3の入光面16の中心は、光出射部11の中心よりもイメージセンサ7に接近している。導光体3の捩れ部15は、光出射部11から下方向に向かって屈曲または湾曲しており、入光面16は下方向を向く。そして、光源6は、導光体3の入光面16に効率よく入光するように、導光体3の入光面16にわずかな間隔をとって対向するように実装される。したがって、図6の上段に示すように、導光体3の捩れ部15が副走査方向に屈曲または湾曲していない構成(図6の下段)と比較すると、副走査方向に関して、光源6をイメージセンサ7に接近して実装することができる。このため、回路基板5の副走査方向の寸法を小さくすることできる。したがって、回路基板5の小型化、軽量化およびコスト低減を図ることができる。そして、回路基板5の幅方向寸法を小さくすることにより、実施例1にかかるイメージセンサユニット1の幅方向寸法の小型化および軽量化を図ることができる。このような構成とすることにより、回路基板5の幅W1を小さくすることに成功した。具体的には、当社内比で約10mmの基板幅を6mm程度に狭くすることができた。因みにLEDの平面外形は一辺が約3.5mmの四辺形で、6端子からなる市販品を用いた。
勿論、回路基板上の配線パターンやそれらに接続するチップ型電子部品の実装配置やイメージセンサIC9とのワイヤボンデング接続にも回路幅を狭くできるように工夫や設計変更を行ったものである。更に、光源6の平面視における外形は図2や図5のように回路基板5の副走査方向の幅からはみでることなく実装配置した。これらの設計変更は従来の実装工程で全て対応できるものである。また、導光体3の捩れ部15を副走査方向に屈曲させることにより、副走査方向に関して、光源6をイメージセンサIC9に接近させることができる。したがって、光源6からの光を、効率よく導光体3に入光することができる。
【0024】
実施例1にかかるイメージセンサユニット1の具体的な態様は、次のとおりである。図6の上段における線OLは、光出射部11の輪郭線(外形線)で集光体4から最も遠い部分におけるZ方向の接線である。図6の下段における線XLは、導光体203の光出射部の輪郭線で集光体204から最も遠い部分におけるZ方向の接線である。以下、説明の便宜上、これらの線OL,XLを、遠方側輪郭線と称する。遠方側輪郭線OLは、法線方向(上方向)から見た平面視において、光出射部11の集光体4から最も遠い部分の位置を示す。同様に、遠方側輪郭線XLは、法線方向(上方向)から見た平面視において、導光体203の光出射部の集光体204から最も遠い部分の位置を示す。
図6の上段に示すように、実施例1にかかるイメージセンサユニット1においては、副走査方向に関して、光源6とイメージセンサ7との距離を小さくできるため、回路基板5の副走査方向の寸法W1をW2よりも符号Aで示す寸法だけ小さくできる。このため、回路基板5の副走査方向の端面23,24のうち、導光体3のほぼ下方向に位置する端面23は、導光体3の光出射部11の遠方側輪郭線OLよりも副走査方向に関して集光体4寄りに位置する。また、フレーム2の側面の肉厚T1は、導光体3の光出射部11のうち、集光体4から最も遠い部分(遠方側輪郭線OL)に対応する位置において最小となる。これに対して、図6の下段のイメージセンサユニット201においては、導光体203の捩れ部が副走査方向には屈曲または湾曲していない。このため、副走査方向に関して、イメージセンサ207と光源206との副走査方向に関する距離が大きくなる。そうすると、回路基板205の副走査方向の寸法W2がW1に比べて大きくなる。したがって、回路基板205の副走査方向の端面のうち、導光体203に近い端面223は、集光体204から見て、導光体3の光出射部11のうち、集光体204から最も遠い部分(遠方側輪郭線XL)よりも遠くに位置する。このため、フレーム202の側面の肉厚T2は、回路基板収容室209に対応する位置において最小となる。フレームの機械的強度の観点から最少肉厚に重点を置きフレームの設計を考え、肉厚T1,T2が同じ寸法に設定すると、実施例1にかかるイメージセンサユニット1の副走査方向の寸法は、イメージセンサユニット201よりも符号Bで示す寸法だけ小さくできる。このように、導光体3の捩れ部15を副走査方向にも屈曲または湾曲させることによって、捩れ形状を有しない導光体203を用いるのに比べて、フレーム2の副走査方向の寸法を小さくできる。
【0025】
次に、導光体3と、光源6と、回路基板5との副走査方向における位置関係を、図7を参照して詳細に説明する。図7は、実施例1にかかるイメージセンサユニット1の構成を示した断面模式図であり、導光体3の光出射部11における断面と、捩れ部15における断面とを重ね合わせて示した図である。なお、図7は、実施例1にかかるイメージセンサユニット1が画像読取装置10または画像形成装置50(後述)に組み込まれた状態を示す。このため、イメージセンサユニット1の上方向には、原稿Pを支持するための原稿支持体105が存在する。原稿支持体105は、たとえば、透明なガラス板である。光源6が発する光は、入光面16から導光体3の内部に入光し、捩れ部15において反射を繰り返して光出射部11に伝搬する。光出射部11に伝搬した光は、光出射部11内にて反射・拡散しながら光出射部11の光学的機能により光出射面12から原稿Pの読取ラインSに向かって出射される。図7中の矢印Fは、光出射面12からの主光束を模式的に示す。図7に示すように、光出射面12からの主光束は、原稿Pの読取ラインSを照明する。集光体4の光軸Gは、上方向において原稿Pの読取ラインSを通過し、下方向においてイメージセンサ7を通過する。したがって、原稿Pの読取ラインSでの反射光は、この光軸Gに沿って進み、集光体4を通過してイメージセンサ7の表面に結像する。
【0026】
図7中の線OLは、導光体3の遠方側輪郭線である(図6の上段を参照)。図7中の線ORは、光出射部11の輪郭線で集光体4から最も近い部分におけるZ方向の接線である。説明の便宜上、線ORを「近接側輪郭線」と称する。すなわち、これらの遠方側輪郭線OLと近接側輪郭線ORは、回路基板5の上面(光源6とイメージセンサ7とが実装される面)からの法線方向(上方向)から見た平面視における、導光体3の光出射部11の輪郭線(外形線)の副走査方向位置を示す。そして、図7中の線CGは、回路基板5の上面の法線方向(上方向)から見た平面視における、遠方側輪郭線OLと近接側輪郭線ORとの中央位置を示す。この線CGは、副走査方向に関する導光体3の光出射部11の中心線である。また、光源6の発光面82は上方向を向いており、導光体3の入光面16にわずかな間隔を置いて対向する。図7中の線Ceは、光源6の発光面82の中心線であり、光源6が発する光束の中心線(光軸)である。なお、導光体3の光出射部11には、部分的または局所的に凹凸が形成されることがある。たとえば、導光体3の光出射部11には、フレームに係止するための突起や窪みが形成されることがある。ここでいう遠方側輪郭線OLと近接側輪郭線ORと中心線CGは、このような部分的または局所的な凹凸を無視した場合の(存在しないものとした場合の)線である。
【0027】
図7に示すように、光源6の発光面82の中心線Ceは、回路基板5の法線方向(上方向)から見た平面視において、副走査方向に関しては、導光体3の光出射部11の中心線CGよりも、距離Dだけイメージセンサ7の近くに位置している。すなわち、光源6の発光面82の中心線Ceは、任意の位置における導光体3の光出射部11の中心線CG(ただし、部分的または局所的な凹凸を無視した場合の中心線)よりも、副走査方向に関してイメージセンサに近い位置にある。このため、回路基板5における光源6の実装される位置が、副走査方向に集光体4の光軸Gに接近する。したがって、回路基板5の副走査方向の寸法W1を小さくできる。この結果、フレーム2やイメージセンサユニット1の副走査方向の寸法を小さくできるとともに、小型化、軽量化およびコスト低減を図ることができる。
【0028】
なお、回路基板5の副走査方向の二つの端面(長手方向の側面)23,24のうち、導光体3に近い端面23は、副走査方向に関して、導光体3の遠方側輪郭線OLよりも集光体4の光軸Gの近くに位置する。すなわち、回路基板5の光源6とイメージセンサ7が実装される面を法線方向(上方向)から見た平面視では、回路基板5の導光体3に近い端面23は、導光体3の光出射部11の集光体4から遠い側の輪郭線(外形線)よりも集光体4の光軸Gに近い。このため、回路基板5の副走査方向の端面23が、導光体3の遠方側輪郭線OLよりも、集光体4から遠くに位置する構成(図6の下段)と比較して、フレーム2の副走査方向の寸法を小さくできる。すなわち、フレーム2の副走査方向寸法を小さくするためには、回路基板5の副走査方向寸法W1を小さくする必要がある。そしてそのためには、副走査方向に関して、光源6をイメージセンサ7に接近して実装する必要がある。本発明の実施例1においては、導光体3の捩れ部15が副走査方向に屈曲または湾曲しているため、副走査方向に関して、導光体3の入光面16がイメージセンサ7に接近する。このため、光源6を、イメージセンサ7(換言すると、集光体4の光軸G)に接近させることができる。したがって、副走査方向に関しては、回路基板5の副走査方向の二つの端面23,24のうち、集光体4に近い端面23を、導光体3の遠方側輪郭線OLよりも集光体4の近くに位置させることができる。
【0029】
図8は、図2に示す構成よりも、光源6の中心線Ceを、さらにイメージセンサ7の側に接近させた構成を示す。図8に示すように、導光体3の捩れ部15の屈曲または湾曲の程度を大きくすることによって、光源6の中心線Ceを、イメージセンサ7にさらに接近させることができる。具体的には、イメージセンサ7の長手方向の延長線と重なる位置まで、若しくはより回路基板の端面24に近い位置に光源6を配置することも本発明の実施の範囲である。そして、このような構成によれば、回路基板5の副走査方向の寸法のさらなる小型化、軽量化およびコスト低減を図ることができる。したがって、実施例1にかかるイメージセンサユニット1のさらなる小型化、軽量化およびコスト低減を図ることができる。また、光源6が発する光の中心と、導光体3の入光面16の中心とが光軸上で必ずしも一致しなくともイメージセンサユニット1の小型化と軽量化は可能であり、その場合は本発明の範囲から外れるものではない。
【実施例2】
【0030】
次に、実施例2にかかるイメージセンサユニットついて、図9と図10を参照して説明する。なお、前記実施例1と共通する構成については、同じ符号を付し、説明は省略する。
【0031】
実施例2は、導光体3の捩れ部15における光漏れを防止または抑制することができる構成である。図9は、実施例2にかかるイメージセンサユニット1から、導光体3の捩れ部15およびその近傍を抜き出して示した図であり、副走査方向から見た図である。図10は、実施例2にかかるイメージセンサユニット1の構成を模式的に示した外観斜視図である。図9と図10に示すように、導光体収容室27は上方向に向かって開放する空間であり、その内部に導光体3が収容される。そして、図9に示すように、光源6が発する光は、捩れ部15の下方向を向く端面である入光面16から、導光体3の内部に入光する。導光体3の内部に入光した光は、捩れ部15の外側面17(屈曲または湾曲の半径方向外側の面)に向かう。そして、導光体3の内部に入光した光のうち、全反射角よりも小さい入射角で外側面17に到達した光は、外側面17において全反射せずに導光体3の外部に漏れる。このため、捩れ部15の寸法および形状は、できるだけ多くの光が、捩れ部15の外側面17において全反射するように設定される。
【0032】
また、図9に示すように、捩れ部15の外側面17は、全体にわたって滑らかで連続的な曲面に形成される。なお、入光面16から光出射部11に繋がるすべての面が、滑らかで連続的な曲面に形成される。捩れ部15は上下方向および副走査方向に屈曲または湾曲している。このため、捩れ部15を上下方向と副走査方向の平面(Y‐Z平面)で切断した場合の外側面17の輪郭(上下方向の屈曲または湾曲について、半径方向外側になる面の輪郭)は、連続的曲線となる。同様に、捩れ部15を主走査方向と副走査方向の平面(X‐Y平面)で切断した場合の外側面17の輪郭(副走査方向の屈曲または湾曲について、半径方向外側になる面の輪郭)も、連続的曲線となる。
【0033】
また、図9に示すように、たとえば、光源6の中心部からの光(図9においては破線で示す)は、その多くが捩れ部15の外側面17において全反射して光出射部11に伝搬する。ただし、たとえば、図10の実線矢印で示すような光源6の周辺部からの光は、捩れ部15を進んで外側面17に到達するが、外側面17への入射角が小さいため全反射せず、一部が漏れ光Nとなって導光体3の外部に漏れる。このような漏れ光Nは、次の(1)〜(3)のような問題を発生させるおそれがある。(1)導光の効率の低下。(2)漏れ光Nが原稿Pの読取ラインSに到達し、原稿Pの読取ラインSの照度均一性が乱される。(3)漏れ光Nが迷光として、フレーム2の内部の予定されない経路を進み、イメージセンサ7の受光部に到達することによって、イメージセンサユニット1の性能を低下させる。これらに対応するため、光源6や捩れ部15から周囲へ出た漏れ光の遮光については、下方向の底面は回路基板5で遮光し、X−Y方向は、フレーム2の導光体収容室27や回路基板収容室29の構造で対応している。さらに図9、図10に示すように、導光体収容室27においては、導光体3の光出射部11と捩れ部15との境界に相当する位置に境界壁38を、回路基板収容室29においては、光源6とイメージセンサ7との間に相当する位置に境界壁37をフレーム2と一体に形成した。この境界壁38は、導光体3の上方向からの装着作業を妨げず、また装着後の導光体3の輪郭との隙間が極小になるように形成した。回路基板5上に実装された光源6の上方向における回路基板収容室29と捩れ部が収納された導光体収容室27との間にはフレーム2による室間壁36が設けてある。この室間壁36に捩れ部15の入光面16の部分が上方向から挿通して光源6の光が入光できるための開口を設けた。このようなフレーム構造によって、光源6の発光が直接に導光体収容室27に到達するのを抑えた。このような対策にもかかわらず、捩れ部15を収容している導光体収容室27の上方は開口しており、この開口から一部の漏れ光Nがフレーム2の外へ出射し得る。なお図9における漏れ光Nの削減には、捩れ部15における湾曲の外側の外側面17が連続的曲面であることが良い。たとえば、複数の平面からこの捩れ部15を形作った場合には、2つの平面が交差した部分では、漏れ光Nの光束分布が不均一になり、連続的曲面で形成した場合より漏れ光が多くなることがある。この観点から勿論、漏れ部15の湾曲の内側面も出来るだけ連続的曲面に仕上げることが好適である。従って、副走査方向に切断した捩れ部15の断面の輪郭も連続的曲線であることが同様に漏れ光Nの削減に効果的である。
【0034】
さらに、図9と図10に示すように、実施例2にかかるイメージセンサユニット1には、導光体3の捩れ部15が収容されている導光体収容室27の上部を塞ぐように、遮光部材33が設けられる。遮光部材33は、捩れ部15からの漏れ光Nを遮断する。遮光部材33は、板状またはシート状の部材である。たとえば、遮光部材33には、黒く着色され板状またはシート状に成形されるPET樹脂などが適用できる。具体的には、図10に示すように、導光体3が、上方向から押し込まれるようにして導光体収容室27に収容される。そして、導光体収容室27に収容された導光体3は、導光体押さえ爪39の弾性によってフレーム2に固定される。さらにその捩れ部15の上方向から、導光体収容室27の上側開口を塞ぐように、遮光部材33がフレーム2に取り付けられる。このように、実施例2にかかるイメージセンサユニット1のフレーム2は、上方向に向かって開放する空間であって導光体3が収容される導光体収容室27と、導光体収容室27に収容された捩れ部15の上部を塞ぐ遮光部材とを有する。このような構成であると、光源6や導光体3の捩れ部15からの漏れ光は、下方向においては回路基板5によって遮光され、X−Y方向においてはフレーム2若しくは境界壁38によって遮光される。そして、図10に示すように、上方向に向かう漏れ光Nについては、遮光部材33によって遮光される。遮光部材33は、前記のように板状またはシート状の部材であると、製造や取り付けが容易である。このため、実施例2にかかるイメージセンサユニット1の小型化の障碍となることなく、光の漏れを防止または抑制できる。そしてこの構成は、たとえば、白色材料からなる反射部材で捩れ部15全体を覆うような構造物で漏れ光Nに対応することに比べ一層効果的に小型化と軽量化が図られる。
【0035】
ここで、実施例2の別形態について、図11を参照して説明する。実施例2の別形態は、光源6からの光漏れを防止または抑制できるとともに、導光体3の位置決めを簡単に行うことができる構成である。図11は、実施例2の別形態にかかるイメージセンサユニット1のうち、導光体3の捩れ部15およびその近傍を抜き出して示した図であり、副走査方向から見た図である。なお、前記実施例2と共通する構成については、同じ符号を付し、説明は省略する。
【0036】
回路基板収容室29においては、光源6とイメージセンサ7との間に相当する位置に境界壁41がフレーム2と一体に形成される。境界壁41は、室間壁36から回路基板5(下方向)に向かって突出する部分である。そして、境界壁41の先端(図11においては下端)は、回路基板5の表面に接触する。このため、光源6からの漏れ光は境界壁41によって遮断され、イメージセンサ7に入射することを防止できる。なお、境界壁41は、回路基板収容室29を、イメージセンサ7が位置する部分と、光源6が位置する部分とを仕切る構成であればよい。このような構成によれば、光源6からの漏れ光がイメージセンサ7に入射することを防止できるから、読取精度の向上を図ることができる。さらに、室間壁36には、導光体3(上方向)に向かって突出する支持突起40がフレーム2に一体に形成される。具体的には、図11に示すように、支持突起40は、導光体3の光出射部11と捩れ部15の境界部、または、当該境界部の光出射部側の室間壁36に対向する側に当接して支持する。このような構成によれば、導光体3をフレーム2の導光体収容室27に組み付ける工程において、導光体3を導光体収容室27の上方向から挿入して支持突起40に当接させるのみで、導光体3をフレーム2に対してZ方向位置の位置決めが可能になる。
【0037】
ここで、遮光部材33の効果について説明する。図12は、遮光部材33が設けられる実施例と、遮光部材が設けられない比較例の輝度を示すグラフである。横軸は、イメージセンサ7の位置を示しており、「0mm」の位置が、光源6および導光体3の捩れ部15に近い側の端部の位置を示す。また、縦軸は、実施例および比較例におけるイメージセンサ7の出力であり、実施例におけるイメージセンサ7の出力最大値で規格化した値を示す。実施例においては、導光体3の捩れ部15において、光源6側の端部から5mm以上の範囲が遮光部材33によって覆われている。
図12に示すように、比較例においては、光源6の側の端部において出力値が最も大きく、この端部から遠ざかるにしたがって出力値が低下している。これは、遮光部材が設けられない比較例においては、光源6の側の端部近傍において、漏れ光により出力値が大きくなっているものと考えられる。
これに対して、実施例においては、比較例と比較すると、出力の最大値が大きく低下している。このように、実施例においては、遮光部材33によって、イメージセンサ7に漏れ光が入射することが防止または抑制されている。また、光源6の側の端部においては出力値が小さく、この端部から離れた位置において出力値が最大となっている。これは、遮光部材33によって、光源6の側の端部およびその直近においては、漏れ光がイメージセンサ7に入射することが防止または抑制されているためと考えられる。
以上のとおり、遮光部材33によって、漏れ光がイメージセンサ7に入射することを防止または抑制できることが確認された。
【実施例3】
【0038】
次に、本発明の実施形態にかかる画像読取装置10について、図13を参照して説明する。本発明の実施形態にかかる画像読取装置10には、実施例1や実施例2にかかるイメージセンサユニット1が適用される。図13は、本発明の実施形態にかかる画像読取装置10の外観斜視図である。図13に示すように、本発明の実施形態にかかる画像読取装置10は、フラットベッドスキャナーであり、前記実施例1と実施例2にかかるイメージセンサユニット1が組み込まれる。本発明の実施形態にかかる画像読取装置10は、筐体102と、ユニット台100と、ユニット台駆動機構を有する。ユニット台100は、実施例1や実施例2にかかるイメージセンサユニット1を搭載できる部材である。ユニット台駆動機構は、実施例1や実施例2にかかるイメージセンサユニット1が搭載されるユニット台100を、副走査方向に移動させるための機構である。たとえば、ユニット台駆動機構は、駆動モータ103と、駆動モータ103の動力をユニット台100に伝達するワイヤー104と、ユニット台100をガイドするガイドシャフト107とを含む。なお、ユニット台100およびユニット台駆動機構の構成は、特に限定されるものではなく、従来公知の構成が適用できる。また、筐体102の上面には、原稿支持体105が設けられる。原稿支持体105には、たとえば、透明のガラス板が適用される。さらに、筐体102の副走査方向の端部には、圧板106がヒンジなどによって開閉可能に取付けられる。圧板106は、原稿支持体105の上面に載置された原稿Pを押さえる機能を有する。
【0039】
本発明の実施形態にかかる画像読取装置10の動作および使用方法は次のとおりである。原稿支持体105の上面に、原稿Pを下向きに載置し、圧板106を閉じる。そして、駆動モータ103を駆動させてワイヤー104を動かすことによって、実施例1や実施例2にかかるイメージセンサユニット1を副走査方向に移動させる。この際、ユニット台100は、ガイドシャフト107によってガイドされる。これにより、実施例1や実施例2にかかるイメージセンサユニット1は、原稿Pに対して副走査方向に相対的に移動する。そして実施例1や実施例2にかかるイメージセンサユニット1を移動させながら、原稿Pの画像を読取ラインS毎に読み取る。イメージセンサユニット1が読み取った画像は、信号処理部109において必要に応じて画像処理を行った後、画像データとして記憶される。これにより、原稿Pの読み取りが完了する。
【0040】
本発明の実施形態にかかる画像読取装置10は、実施例1や実施例2にかかるイメージセンサユニット1が適用されるため、小型化、軽量化およびコスト低減を図ることができる。とくに、実施例1や実施例2にかかるイメージセンサユニット1を駆動するための機構(たとえば、ユニット台100やユニット台駆動機構)の小型化や軽量化を図ることができる。
【0041】
なお、本発明の実施形態にかかる画像読取装置10について、説明を省略した部分については、従来公知の画像読取装置と同じ構成が適用できる。
【実施例4】
【0042】
次に、本発明の実施形態にかかる画像形成装置50について、図14と図15を参照して説明する。本発明の実施形態にかかる画像形成装置50には、実施例1や実施例2にかかるイメージセンサユニット1が適用される。図14は、本発明の実施形態にかかる画像形成装置50の外観斜視図である。図15は、本発明の実施形態にかかる画像形成装置50の筐体の内部に設けられる画像形成部51を抜き出して示した斜視図である。図13と図14に示すように、画像形成装置50は、フラットベッドスキャナーとインクジェットプリンタとの複合機であり、画像を読取る画像読取部59と、画像を形成する画像形成部51とを有する。そして、画像形成装置50の画像読取部59には、前記実施例1と実施例2にかかるイメージセンサユニット1が組み込まれる。なお、画像形成装置50の画像読取部59は、前記の画像読取装置10と共通の構成が適用できる。したがって、画像読取装置10と共通の構成については同じ符号を付して示し、説明は省略する。
【0043】
図14に示すように、画像形成装置50には、操作部501が設けられる。操作部501には、操作メニューや各種メッセージなどを表示する表示部502と、画像形成装置50を操作するための各種操作ボタン503が設けられる。
また、図15に示すように、画像形成装置50の筐体504の内部には、画像形成部51が設けられる。画像形成部51は、搬送ローラ52と、ガイドシャフト53と、インクジェットカートリッジ54と、モータ55と、一対のタイミングプーリ56とを有する。搬送ローラ52は、駆動源の駆動力によって回転し、記録媒体としての印刷用紙Rを副走査方向に搬送する。ガイドシャフト53は棒状の部材であり、その軸線が印刷用紙Rの主走査方向に平行となるように画像形成装置50の筐体に固定される。インクジェットカートリッジ54は、ガイドシャフト53上をスライドすることによって、印刷用紙Rの主走査方向に往復動できる。インクジェットカートリッジ54は、たとえば、シアンC、マゼンタM、イエローY、黒Kのインクを備えたインクタンク541(541C,541M,541Y,541K)と、これらのインクタンク541にそれぞれ設けられた吐出ヘッド542(542C,542M,542Y,542K)から構成される。一対のタイミングプーリ56の一方は、モータ55の回転軸に取り付けられる。そして、一対のタイミングプーリ56は、印刷用紙Rの主走査方向に互いに離れた位置に設けられる。タイミングベルト57は、一対のタイミングプーリ56に平行掛けに巻き掛けられ、所定の箇所がインクジェットカートリッジ54に連結される。
【0044】
画像形成装置50の画像読取部59は、イメージセンサユニット1が読み取った画像を、電気信号に変換する。そして、画像形成装置50の画像形成部51は、画像読取部59のイメージセンサユニット1が変換した電気信号に基づいて、搬送ローラ52、モータ55、インクジェットカートリッジ54を駆動し、印刷用紙Rに画像を形成する。このほか、画像形成装置50の画像形成部51は、外部から入力された電気信号に基づいて画像を形成することができる。なお、画像形成装置50のうち、画像形成部51の構成および動作は、従来公知の各種プリンタと同じ構成が適用できる。したがって、詳細な説明は省略する。
【0045】
本発明の実施形態にかかる画像形成装置50は、画像読取部59に、実施例1や実施例2にかかるイメージセンサユニット1が適用される。このため、小型化、軽量化およびコスト低減を図ることができる。とくに、実施例1や実施例2にかかるイメージセンサユニット1を駆動するための機構(たとえば、ユニット台やユニット台駆動機構)の小型化や軽量化を図ることができる。
【0046】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、前記実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体例を示したに過ぎない。本発明の技術的範囲は、前記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更が可能である。
【0047】
たとえば、本発明にかかる画像読取装置は、前記実施形態に記載される構成のイメージスキャナーに限定されるものではない。また、画像形成装置も、インクジェット方式に限定されず、電子写真方式、熱転写方式、ドットインパクト方式などどのような方式であってもよく、前記実施形態に記載される複合機に限定されるものではない。本発明にかかるイメージセンサユニットが適用される複写機やファクシミリも、本発明の画像読取装置に含まれる。
【0048】
また、前記実施例1と実施例2においては、光源6として、表面実装型LEDが適用される構成を示したが、光源6の構成は、このような構成に限定されない。要は、光源6は、回路基板5に実装でき、かつ回路基板5に実装された状態において、回路基板5の面方向に対して直角な方向(上方向)に光を照射できる構成であればよい。したがって、たとえば、有機ELやレーザー光源なども、光源6として適用できる。さらに、前記実施例1と実施例2において、導光体3の長手の一端側に光源6を設けて構成を説明したが、本件の発明は、この導光体3の長手の両端にそれぞれ光源6を設けた構成についても適用できる。
【0049】
また、光源6と導光体3とからなる照明装置を、原稿Pに対する反射用光源として用いたが、透過用光源として用いても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、イメージセンサユニットと、このイメージセンサユニットが適用される画像読取装置や画像形成装置(たとえば、イメージスキャナー、ファクシミリ、複写機、複合機など)に有効に利用できるものである。
【符号の説明】
【0051】
1:イメージセンサユニット、2:フレーム、3:導光体、4:集光体、5:回路基板、6:光源、7:イメージセンサ、8:発光面、10:画像読取装置、11:光出射部、15:捩れ部、16:入光面、17:外側面、50:画像形成装置、51:画像形成部、52:搬送ローラ、53:ガイドシャフト、54:インクジェットカートリッジ、55:モータ、56:一対のタイミングプーリ、57:タイミングベルト、G:光軸、S:読取ライン、23:端面、33:遮光部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被照明体を読み取るイメージセンサユニットであって、
光を発する発光面を有する光源と、
前記光源からの光を前記被照明体に出射する主走査方向に長い略棒状の光出射部を有する導光体と、
前記被照明体からの光を受光して電気信号に変換するイメージセンサと、
前記被照明体からの光を前記イメージセンサに結像する集光体と、
前記光源と前記イメージセンサとが実装され主走査方向に長い回路基板と、
前記導光体と前記集光体と前記回路基板とが収容されるフレームと、
を備え、
前記回路基板の前記光源と前記イメージセンサが実装される面を法線方向から見た平面視において、前記光源の発光面の中心が、前記導光体の前記光出射部の中心線よりも、前記イメージセンサに近いことを特徴とするイメージセンサユニット。
【請求項2】
前記光源は、表面実装型LEDであることを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサユニット。
【請求項3】
前記回路基板の前記光源および前記イメージセンサが実装される面の法線方向から見た平面視において、前記回路基板の端面のうちの前記導光体に近い端面は、前記導光体の前記光出射部の前記集光体から遠い側の外形線よりも前記集光体の光軸に近いことを特徴とする請求項1または2に記載のイメージセンサユニット。
【請求項4】
前記導光体には、前記光出射部の長手方向の一端に連なり、前記光源の発光面に向かって曲がる捩れ部が形成されるとともに、前記捩れ部の曲り方向の外側に位置する外側面は連続的曲面に形成されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のイメージセンサユニット。
【請求項5】
前記捩れ部の副走査方向に切断した断面の輪郭は、連続的曲線で形成されていることを特徴とする請求項4に記載のイメージセンサユニット。
【請求項6】
被照明体を読み取ることができる画像読取装置であって、請求項1から5のいずれか1項に記載のイメージセンサユニットを備え、前記イメージセンサユニットと前記被照明体とを相対的に移動させながら、前記被照明体の画像を読み取ることを特徴とする画像読取装置。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか1項に記載のイメージセンサユニットを有する画像読取部と、記録媒体に画像を形成する画像形成部と、と備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−31152(P2013−31152A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−81749(P2012−81749)
【出願日】平成24年3月30日(2012.3.30)
【出願人】(000104629)キヤノン・コンポーネンツ株式会社 (49)
【Fターム(参考)】