説明

イメージセンサユニットおよびそれを用いた画像読取装置

【課題】光源を導光体に対して精度よく位置決めできると共に、容易に組み付けることができるイメージセンサユニットを提供する。
【解決手段】発光面に発光素子を有する光源10と、光源10からの光を発光面に対向する入光面11aから入光し、出光面11bから出光して原稿を照明する導光体11と、原稿からの反射光を結像するロッドレンズアレイ12と、ロッドレンズアレイ12によって結像された反射光を電気信号に変換する光電変換素子13が実装されるセンサ基板14と、光源10、導光体11、ロッドレンズアレイ12およびセンサ基板14を支持するフレーム20と、を備え、光源10の発光面の反対側である背面とフレーム20とには、凹凸の位置決め部26、35が設けられ、位置決め部26、35は、光源10をフレーム20に挿入する挿入方向に沿って形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イメージセンサユニットおよびそれを用いた画像読取装置に関するものである。特に、光源を導光体に対して精度よく位置決めすることができるイメージセンサユニットおよびそれを用いた画像読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に画像読取装置として、複写機、イメージスキャナーあるいはファクシミリなどが知られている。これらの画像読取装置では、原稿の画像情報を光学的に読み取って電気信号に変換する密着型イメージセンサユニット(CIS:Contact Image Sensor)が用いられる。密着型イメージセンサユニットでは、原稿を照明するために、LEDなどの発光素子を有するLEDモジュールと、LEDモジュールから照射される光を導光してライン状に照明する導光体とを有している。通常、LEDモジュールおよび導光体は、フレームに取り付けられることで、ユニット化して構成されている。
【0003】
導光体は、照明する対象となる原稿の幅に対応した長さを有する透明部材によって形成される。導光体は、端面がLEDモジュールの光を入光させる入光面となり、長手方向の一面が入光した光を出光させる出光面となる。したがって、導光体の入光面に対向するようにLEDモジュールの発光素子を配置させる必要がある。しかしながら、導光体は、細長状であるため出光面の面積に比べて入光面の面積が小さい。そのため、密着型のイメージセンサユニットでは、導光体の入光面にLEDモジュールの発光素子を正確に配置することが容易ではない。導光体の入光面と発光素子とがズレて配置されてしまうと、発光素子から導光体に入光する光量が減少し、原稿を照明するための所望する照明強度を得ることができないという問題を有している。
【0004】
特許文献1には、導光体が充填される導光体ケースの端部、あるいは導光体の端面に発光素子を位置決めするためのピンが3つ形成され、発光素子にピンが挿入される穴が3つ形成されているライン照明装置が開示されている。このようなライン照明装置によれば、発光素子の穴に導光体側のピンを挿入することにより、発光素子を導光体に対して位置決めすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−146870号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1のライン照明装置では、発光素子を導光体に対して位置決めすることができるものの、導光体の入光面の大きさを変更したり、フレームに対する導光体の設置角度を変更したりしようとする場合、導光体側に形成されたピンの位置が変化してしまう。したがって、発光素子の穴と導光体側のピンの位置が合わず、発光素子を導光体に対して精度よく位置決めすることができないという問題がある。
また、特許文献1のライン照明装置では、発光素子の3つの穴に導光体側の3つのピンを正確に挿入しなければならず、その作業は容易ではない。したがって、イメージセンサユニットの組み付けに手間がかかってしまうという問題点を有している。
【0007】
本発明は、上述したような問題点に鑑みてなされたものであり、光源を導光体に対して精度よく位置決めできると共に、容易に組み付けることができるイメージセンサユニットおよびそれを用いた画像読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のイメージセンサユニットは、発光面に発光素子を有する光源と、前記光源からの光を前記発光面に対向する入光面から入光し、出光面から出光して被照明体を照明する導光体と、前記被照明体からの反射光を結像する結像素子と、前記結像素子によって結像された反射光を電気信号に変換する光電変換素子が実装されるセンサ基板と、前記光源、前記導光体、前記結像素子および前記センサ基板を支持する支持体と、を備えるイメージセンサユニットであって、前記光源の発光面の反対側である背面と前記支持体とには、凹凸の位置決め部が設けられ、前記位置決め部は、前記光源を前記支持体に挿入する挿入方向に沿って形成されていることを特徴とする。
本発明の画像読取装置は、上記イメージセンサユニットを用いたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、光源を導光体に対して精度よく位置決めできると共に、容易に組み付けを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本実施形態のイメージスキャナー1の外観を示す斜視図である。
【図2】図2は、本実施形態のCISユニット5内の構成を示す模式図である。
【図3】図3は、本実施形態のCISユニット5の分解斜視図である。
【図4】図4は、本実施形態のCISユニット5を拡大した分解斜視図である。
【図5】図5は、本実施形態のCISユニット5の分解断面図である。
【図6A】図6Aは、第1の実施形態のLEDモジュール30の平面図である。
【図6B】図6Bは、第1の実施形態のLEDモジュール30の斜視図である。
【図7】図7は、第1の実施形態のCISユニット5を組み付けた斜視図である。
【図8A】図8Aは、第2の実施形態に係るLEDモジュール30の平面図である。
【図8B】図8Bは、第2の実施形態に係るLEDモジュール30の斜視図である。
【図9】図9は、第2の実施形態のCISユニット5を組み付けた斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明に係るイメージセンサユニットおよびそれを用いた画像読取装置の好適な実施形態について説明する。なお、以下で説明する各図では、必要に応じてイメージセンサユニットの主走査方向を矢印Mで示し、副走査方向を矢印Sで示している。
まず、画像読取装置として、フラットベッド方式のイメージスキャナー1の構造について図1を参照して説明する。図1は、フラットベッド方式のイメージスキャナー1の外観を示す斜視図である。図1に示すように、イメージスキャナー1は、筐体2と、原稿を覆うことができるように筐体2に対して開閉自在に設けられるプラテンカバー3と、を備えている。
【0012】
筐体2は、プラテンガラス4、密着型イメージセンサユニット(以下、CISユニット5という)、保持部材6、スライドシャフト7、駆動モータ8、ワイヤ9などを備えている。プラテンガラス4は原稿載置部としてのガラス製の透明板である。CISユニット5は、プラテンガラス4上に載置された被照明体としての原稿の画像情報を光学的に読み取って電気信号に変換する。CISユニット5の詳細な構成については後述する。保持部材6は、CISユニット5の周囲を囲むように保持する。駆動モータ8を駆動することによってワイヤ9を介して、保持部材6に保持されたCISユニット5が、スライドシャフト7に沿って読取方向(副走査方向)に移動する。
【0013】
次に、CISユニット5内の構成部品と光源10からの光路との関係について図2を参照して説明する。図2は、CISユニット5内の構成を示す模式図である。CISユニット5の内部には、光源10、導光体11、ロッドレンズアレイ12、センサ基板14が配設されている。
光源10は、原稿を照明するためのものであり、例えば赤緑青3色の発光波長を持つ発光素子10r、10g、10bを有している。光源10は、発光素子10r、10g、10bを順次点灯駆動することによって光を照射する。
【0014】
導光体11は、光源10から照射された光を上述したプラテンガラス4上に載置された原稿へと導くものであり、原稿の幅に対応した長さの細長状に形成されている。導光体11は、アクリル樹脂やポリカーボネートなどの透明プラスチックにより形成される。
導光体11の長手方向(主走査方向)の一方側の端面は、光源10からの光が入光される入光面11aである。CISユニット5では、光源10からの光が効率よく導光体11に入光するように、光源10の発光素子10r、10g、10bが入光面11aに対向して配置される。また、導光体11の長手方向に沿い、かつプラテンガラス4上の原稿と対向する面は、導光体11に入光した光が出光される出光面11bである。また、出光面11bと対向する面は、入光面11aからの光を導光体11の内部で反射させる反射面11cである。
【0015】
したがって、導光体11は、入光面11aから入光された光を反射面11cで散乱させ、出光面11bから出光させて、原稿を照明する。このように、光源10と導光体11とは、原稿を照明する照明装置として機能する。
ロッドレンズアレイ12は、正立等倍結像型の結像素子を導光体11の長手方向と同方向に複数配列したものである。ロッドレンズアレイ12は、原稿からの反射光を光電変換素子13に結像する。
センサ基板14は、ロッドレンズアレイ12により結像された反射光を電気信号に変換する光電変換素子13を導光体11の長手方向と同方向に複数実装したものである。
ロッドレンズアレイ12および光電変換素子13は、原稿の幅に対応する長さに形成されている。
【0016】
上述したように構成されるCISユニット5を備えたイメージスキャナー1が原稿の読み取りを行う場合、イメージスキャナー1は原稿の読み取り開始位置までCISユニット5を移動する。読み取り開始位置に移動したCISユニット5は、光源10の発光素子10r、10g、10bを順次点灯する。光源10からの光は、導光体11の入光面11aから入光した後、出光面11bから均一に出光する。導光体11を出光した光は、原稿の表面を主走査方向に沿ってライン状に照射する。照射された光は、原稿によって反射された後、ロッドレンズアレイ12によってセンサ基板14上に実装された光電変換素子13に結像される。光電変換素子13は、結像された反射光を電気信号に変換する。CISユニット5は、赤緑青全ての反射光を変換することで、主走査方向に沿った1走査ラインの読み取り動作が終了する。
【0017】
続いて、イメージスキャナー1は、CISユニット5を1走査ライン分だけ副走査方向に移動する。CISユニット5は、上述と同様に1走査ラインの読み取り動作を行う。このように、CISユニット5が1走査ラインの移動と読み取り動作とを繰り返すことで、原稿全面の読み取りを行うことができる。イメージスキャナー1では、CISユニット5によって変換された電気信号を、必要に応じて画像処理したり、記憶部に画像データとして記憶したりすることで、プラテンガラス4上に載置された原稿全面の読み取りが完了する。
【0018】
さて、上述したように構成されるCISユニット5では、導光体11から出光される光が所望する照明強度になっていることが必要となる。そのために、CISユニット5では光源10を導光体11の入光面11aと対向する位置に正確に配置しなければならない。本実施形態のCISユニット5は、CISユニット5の構成部品をフレーム20を用いて所定の位置に配置できるように構成されている。
【0019】
以下、本実施形態のCISユニット5の各構成部品をフレーム20によって支持する態様について説明する。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態のCISユニット5の構成部品について図3〜5を参照して説明する。図3はCISユニット5の分解斜視図である。図4は図3に示す斜視図のうち光源10側を拡大した図である。図5はCISユニット5の構成部品を副走査方向に切断した断面図である。
図3および図4に示すように、本実施形態のCISユニット5には、光源10、導光体11、ロッドレンズアレイ12、センサ基板14およびこれらを支持する支持体としてのフレーム20を備えている。
【0020】
フレーム20は、主走査方向で見て略矩形状であって、主走査方向に沿って長く形成されている。フレーム20は、CISユニット5の各構成部品を支持するために複数の凹凸形状に形成されている。
具体的に説明すると、図4および図5に示すように、フレーム20にはロッドレンズアレイ12を挿入するレンズ挿入溝21、導光体11を装着するための導光体保持溝22、センサ基板14を装着するための基板設置部23(図5を参照)、光源10を装着するための光源装着部24(図4を参照)が形成されている。
【0021】
レンズ挿入溝21は、フレーム20の上方に開口する態様で、フレーム20の長手方向に沿って形成されている。また、レンズ挿入溝21は、図5に示すように、下方にも開口して、原稿からの反射光がロッドレンズアレイ12を通して下方に出光し光電変換素子13に結像できるように形成されている。
【0022】
導光体保持溝22は、レンズ挿入溝21と平行に形成されている。図5に示すように、導光体保持溝22には、フレーム20の略上方から導光体11を挿入できるように、長手方向に沿って開口22aが形成されている。また、導光体保持溝22の上方には、保持爪22bがフレーム20に一体で形成されている。保持爪22bは、導光体保持溝22に挿入された導光体11を着脱自在に保持する。図5では導光体保持溝22内に保持された導光体11を二点鎖線で示している。図5に示すように、導光体保持溝22は断面形状が導光体11の出光面11bを除いた断面形状と略同一形状に形成されているので、導光体11を所定の設置角度に位置決めできる。導光体11が導光体保持溝22に保持されている状態では、導光体11の出光面11bから出光される光は、設置角度に応じた角度で原稿を照明する(図5に示す矢印Aを参照)。
【0023】
また、本実施形態の導光体11は、図4に示すように、長手方向の両端のうち入光面11a側の端部に、凸状の長手位置決め部11dが一体で形成されている。凸状の長手位置決め部11dは、入光面11aに隣接した側面から導光体11の長手方向に対して直交する方向に突出して形成されている。一方、導光体保持溝22は、長手方向の光源10側の端部に、凸状の長手位置決め部11dを嵌合するための凹状の長手位置決め部22cが形成されている。したがって、凹状の長手位置決め部22cに凸状の長手位置決め部11dを嵌合することにより、導光体11を導光体保持溝22の長手方向に対して位置決めすることができる。また、熱の影響により導光体11が長手方向に伸縮してしまう場合がある。この場合でも、導光体11は長手位置決め部11dの位置が変化せず、入光面11aの反対側の端部が長手方向に移動するのみである。したがって、導光体11が長手方向に伸縮しても、長手位置決め部11dに隣接した入光面11aは、フレーム20に対して位置が変化しない。
【0024】
基板設置部23は、図5に示すように、フレーム20の下部周縁にフレーム20の下面よりも一段、上方に掘り込まれて形成されている。基板設置部23には、センサ基板14が下方から装着される。センサ基板14が基板設置部23に装着された状態では、センサ基板14に実装された光電変換素子13の上方にロッドレンズアレイ12が位置する。
【0025】
光源装着部24は、図4に示すように、フレーム20の長手方向の一方側の端部であって、フレーム20に装着された導光体11の入光面11aに対向する位置に形成されている。光源装着部24には、光源10を下方から挿入可能な光源挿入溝25が形成されている。光源挿入溝25は、フレーム20を上下に貫通させて形成されている。
【0026】
ここで、光源挿入溝25に挿入される光源10について図6Aおよび図6Bを参照して説明する。図6Aは光源の正面、背面および上面を示す平面図であり、図6Bは光源の斜視図である。
本実施形態の光源10は、赤緑青をそれぞれ発光する発光素子としてのLEDを備えたLEDモジュール30である。LEDモジュール30は、本体部31と、本体部31から突出する4本のリード端子38とを備えている。図6Aに示すように、本体部31は、幅をW、厚みをTとする平板状に形成されている。
本体部31の発光面32は、平坦に形成され、赤緑青3色の発光波長を持つLED33r、33g、33bが、例えば透明樹脂によって表面が保護された状態で配置されている。LED33r、33g、33bは、本体部31の中心線(図6Aに示す一点鎖線)から幅方向の一方側に偏倚して配置されている。
【0027】
一方、本体部31の発光面32の反対側である背面34には、背面34から突出する凸状の位置決め部35が、本体部31の上下方向の全長に亘って直線状に形成されている。位置決め部35は、本体部31の中心線から幅方向の他方側に偏倚した位置に形成されている。したがって、LED33r、33g、33bと、位置決め部35とは、本体部31の中心線を挟んで相反する側であって、かつ相反する面に配置されている。また、本体部31の上面36の幅方向の両側には、上面36よりも低い平坦な挿入位置決め面37が形成されている。上述したようにLED33r、33g、33bと、位置決め部35とを中心線を挟んで相反する側に配置することで、LED33r、33g、33bが位置する部分の本体部31の厚みが厚くならず、LED33r、33g、33bの放熱性を高めることができる。ただし、この場合に限られず、LED33r、33g、33bと凸状の位置決め部35とが本体部31の厚み方向に重なり合っていてもよい。
【0028】
上述したフレーム20の光源挿入溝25は、図4に示すように、LEDモジュール30をLEDモジュール30の幅方向が副走査方向に沿った状態に装着できる形状に形成されている。LEDモジュール30が光源挿入溝25に装着された状態では、導光体11の入光面11aとLEDモジュール30のLED33r、33g、33bとを対向する位置に位置決めする必要がある。そこで、本実施形態では、図4に示すように、LEDモジュール30の背面34に形成された凸状の位置決め部35に対応する凹状の位置決め部26を光源挿入溝25に形成している。すなわち、凹状の位置決め部26は光源挿入溝25のうちLEDモジュール30の背面34と対向する面に形成されている。凹状の位置決め部26は、光源挿入溝25の上下方向の全長に亘って直線状に形成されている。
【0029】
LEDモジュール30が光源挿入溝25に装着された状態では、凸状の位置決め部35と凹状の位置決め部26とによって、LEDモジュール30が光源挿入溝25に対して位置決めされる。より具体的には、凸状の位置決め部35および凹状の位置決め部26はLEDモジュール30の幅方向に対して直交する方向の凹凸状であるため、LEDモジュール30は光源挿入溝25の幅方向に対して位置決めされる。
【0030】
また、光源挿入溝25の長手方向の両側かつ上部には、フレーム20の上面によって覆われた挿入位置決め部27が形成されている。挿入位置決め部27は、光源挿入溝25に挿入されたLEDモジュール30が挿入位置決め面37と当接することで、LEDモジュール30は光源挿入溝25の上下方向に対して位置決めされる。
【0031】
このように、LEDモジュール30は、凸状の位置決め部35および凹状の位置決め部26によってフレーム20に対して所定の位置に位置決めされる。また、導光体11は、導光体保持溝22によってフレーム20に対して所定の設置角度で保持される。したがって、LEDモジュール30と導光体11とをフレーム20に装着した状態では、LEDモジュールと導光体11とはフレーム20を介して常に所定の相対位置を保って配置される。すなわち、LEDモジュール30のLED33r、33g、33bを導光体11の入光面11aに対向する位置に精度よく配置することができる。
【0032】
次に、上述したように構成されるCISユニット5の組み付け方法について説明する。
まず、ロッドレンズアレイ12を上方からレンズ挿入溝21に挿入する。レンズ挿入溝21に挿入されたロッドレンズアレイ12は、レンズ挿入溝21に塗布される接着剤によって所定の位置に固定される。
また、導光体11を上方から導光体保持溝22に挿入する。このとき、保持爪22bは、導光体保持溝22に挿入された導光体11を上方から保持する。上述したように導光体保持溝22の断面形状が導光体11の断面形状の一部と略同一形状である。したがって、導光体11が導光体保持溝22に保持された状態では、導光体11は導光体保持溝22内で所定の設置角度に位置決めされる。また、導光体保持溝22の凹状の長手位置決め部22cに導光体11の凸状の長手位置決め部11dを嵌合することで、導光体11は導光体保持溝22の長手方向に対して位置決めされる。
【0033】
次に、フレーム20を基板設置部23が上方になるように上下反転する。LEDモジュール30をリード端子38が上方、本体部31が下方になるように反転させた状態で、LEDモジュール30を上方から落とし込むようにして、光源挿入溝25に挿入する。LEDモジュール30を挿入する挿入方向は、CISユニット5における主走査方向および副走査方向それぞれに直交する方向となる。このとき、LEDモジュール30の凸状の位置決め部35を光源挿入溝25の凹状の位置決め部26に位置合わせしながら挿入する。本実施形態では、フレーム20外の広い空間でLEDモジュール30を把持することができるので、凸状の位置決め部35と凹状の位置決め部26との位置合わせを容易に行うことができる。
【0034】
LEDモジュール30を光源挿入溝25に挿入することで、凹状の位置決め部26と凸状の位置決め部35とが嵌合し、LEDモジュール30は光源挿入溝25の幅方向に対して位置決めされる。すなわち、凹状の位置決め部26および凸状の位置決め部35は、LEDモジュール30を光源挿入溝25に挿入する挿入方向に沿って形成されているので、LEDモジュール30を光源挿入溝25に挿入した時点で、LEDモジュール30が光源挿入溝25の幅方向に対して位置決めされる。また、LEDモジュール30の挿入位置決め面37がフレーム20の挿入位置決め部27に当接することで、LEDモジュール30が光源挿入溝25の挿入方向に対して位置決めされる。このように、LEDモジュール30を光源挿入溝25に挿入する作業のみでLEDモジュール30を位置決めできるので、LEDモジュール30の組み付けを容易に行うことができる。また、凹状の位置決め部26は光源挿入溝25の上下方向の全長に亘って形成され、凸状の位置決め部35は本体部31の上下方向の全長に亘って形成されている。したがって、凹状の位置決め部26と凸状の位置決め部35とは上下方向の長い範囲で嵌合するので、LEDモジュール30と光源挿入溝25との間のガタつきを防止できる。
【0035】
次に、基板設置部23にセンサ基板14を設置する。このとき、LEDモジュール30のリード端子38がセンサ基板14に穿設されたホール15(図4を参照)を挿通した状態になるので、ホール15にリード端子38を半田付けする。続いて、基板設置部23の開口縁にそれぞれ離間して形成された図示しない複数の突起を熱カシメによりセンサ基板14の周縁に溶着し、CISユニット5の組み付けが完了する。
【0036】
図7は、フレーム20に、ロッドレンズアレイ12、導光体11およびLEDモジュール30を組み付けた状態のCISユニット5を示す図である。図7に示すように組み付けられたCISユニット5は、LEDモジュール30がフレーム20に対して位置決めされ、導光体11もフレーム20に対して位置決めされるので、LEDモジュール30と導光体11とはフレーム20を介して所定の相対位置を保って配置される。したがって、LEDモジュール30のLED33r、33g、33bを導光体11の入光面11aに対向する位置に精度よく配置することができ、導光体11の出光面11bから所望する照明強度の光を出光させることができる。また、光源挿入溝25は、フレーム20を上下に貫通させて形成されているので、LEDモジュール30の放熱性を高めることができると共に、LEDモジュール30の交換が必要な場合においても、溶着されたセンサ基板14を取り外すことなく挿入位置決め部27のみを工具で除去することで上方から取り換えることができる。
【0037】
ところで、CISユニット5では仕様によって、導光体11の入光面11aの大きさを変更したり、フレーム20に対する導光体11の設置角度を変更したりする場合がある。この場合、変更する導光体または所望する設置角度に合致するように導光体保持溝22の断面形状を変更したフレーム20を新たに用意するだけでよい。すなわち、本実施形態では、フレーム20を介してLEDモジュール30と導光体11とを位置決めするので、LEDモジュール30のLED33r、33g、33bを導光体11の入光面11aに対向する位置となるフレーム20を新たに用意するだけでよい。したがって、導光体11に対応するLEDモジュール30を新たに用意する必要がなく、管理コストおよび生産コストを削減することができる。
【0038】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態のCISユニット5の構成部品について図8A〜図9を参照して説明する。図8Aは第2の実施形態の光源10の平面図であり、図8Bは第2の実施形態の光源10の斜視図である。図9は第2の実施形態のCISユニット5を組み付けた状態を示す斜視図である。第1の実施形態ではLEDモジュール30に凸状の位置決め部35を形成し、光源挿入溝25に凹状の位置決め部26を形成した。第2の実施形態では、凹凸を反対にして、LEDモジュール30に凹状の位置決め部39を形成し、光源挿入溝25に凸状の位置決め部28を形成する。その他の構成および組み付け方法は、第1の実施形態と同様であって、同一符号を付してその説明を省略する。
【0039】
図8Aおよび図8Bに示すように、本実施形態のLEDモジュール30は、本体部31の発光面32の反対側である背面34に、背面34から一段、掘り込まれた凹状の位置決め部39が、本体部31の上下方向の全長に亘って直線状に形成されている。
また、図9に示すように、光源挿入溝25には、LEDモジュール30の背面34に形成された凹状の位置決め部39に対応した凸状の位置決め部28が形成されている。凸状の位置決め部28は、光源挿入溝25の上下方向の全長に亘って直線状に形成されている。
【0040】
したがって、LEDモジュール30が光源挿入溝25に装着された状態では、凹状の位置決め部39と凸状の位置決め部28とによって、LEDモジュール30が光源挿入溝25の幅方向に対して位置決めされる。さらに、本実施形態ではLEDモジュール30の背面34に凹状の位置決め部39を形成しているので、本体部31の厚みが薄くなる部分が生じるため、LED33r、33g、33bの放熱性を高めることができる。また、凹状の位置決め部39を設けることで、LEDモジュール30に用いる封止樹脂の使用量を低減できるため、製造コストを削減することができる。なお、LED33r、33g、33bと凹状の位置決め部39とが本体部31の厚み方向に重なり合っていてもよく、この場合、さらにLED33r、33g、33bの放熱性を高めることができる。
【0041】
以上、本発明を種々の実施形態と共に説明したが、本発明はこれらの実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明のイメージセンサユニットはイメージスキャナー、ファクシミリ、複写機等の画像読取装置として有効に利用される。
【符号の説明】
【0043】
1:イメージスキャナー 5:CISユニット(密着型イメージセンサユニット) 10:光源 10r、10g、10b:発光素子 11:導光体 11a:入光面 11b:出光面 11c:反射面 11d:凸状の長手位置決め部 12:ロッドレンズアレイ 14:センサ基板 20:フレーム(支持体) 21:レンズ挿入溝 22:導光体保持溝 22a:開口 22b:保持爪 22c:凹状の長手位置決め部 24:光源装着部 25:光源挿入溝 26:凹状の位置決め部 27:挿入位置決め部 28:凸状の位置決め部 30:LEDモジュール 31:本体部 32:発光面 33r、33g、33b:LED 34:背面 35:凸状の位置決め部 36:上面 37:挿入位置決め面 38:リード端子 39:凹状の位置決め部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光面に発光素子を有する光源と、
前記光源からの光を前記発光面に対向する入光面から入光し、出光面から出光して被照明体を照明する導光体と、
前記被照明体からの反射光を結像する結像素子と、
前記結像素子によって結像された反射光を電気信号に変換する光電変換素子が実装されるセンサ基板と、
前記光源、前記導光体、前記結像素子および前記センサ基板を支持する支持体と、を備えるイメージセンサユニットであって、
前記光源の発光面の反対側である背面と前記支持体とには、凹凸の位置決め部が設けられ、
前記位置決め部は、前記光源を前記支持体に挿入する挿入方向に沿って形成されていることを特徴とするイメージセンサユニット。
【請求項2】
前記挿入方向は、該イメージセンサユニットにおける主走査方向および副走査方向それぞれに直交する方向であることを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサユニット。
【請求項3】
前記背面に設けられる前記位置決め部は、前記挿入方向に沿った前記背面の全長に亘って形成され、
前記支持体に設けられる前記位置決め部は、前記挿入方向に沿った前記支持体の全長に亘って形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のイメージセンサユニット。
【請求項4】
前記発光面は、平坦に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のイメージセンサユニット。
【請求項5】
前記背面には、凸状の前記位置決め部が形成され、
前記支持体には、凹状の前記位置決め部が形成され、
前記発光素子は、前記発光面上において前記挿入方向に対して直交する方向の一方側に偏倚した位置に配置され、
凸状の前記位置決め部は、前記背面上において前記挿入方向に対して直交する方向の他方側に偏倚した位置に配置されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のイメージセンサユニット。
【請求項6】
前記導光体の長手方向における両端のうち前記入光面側の端部と前記支持体とには、凹凸の長手位置決め部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のイメージセンサユニット。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか1項に記載のイメージセンサユニットを用いたことを特徴とする画像読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−129947(P2012−129947A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−282128(P2010−282128)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【出願人】(000104629)キヤノン・コンポーネンツ株式会社 (49)
【Fターム(参考)】